JP6267567B2 - 野菜の洗浄排水ろ過装置 - Google Patents

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Description

本発明は、野菜の洗浄排水ろ過装置に関するものである。
大規模カット野菜工場等で原料の野菜の洗浄に使用される水量は、一日あたり数百トンにのぼる。洗浄後の水は工場敷地内の除害設備で処理され、下水または河川に放流されることが多いが、野菜の洗浄排水の場合、上述のように量が多いこと、また有機汚濁値が比較的低いことから、ろ過により汚濁物質を除去して洗浄水として再利用することも行われている。
このような野菜の洗浄排水の再利用装置としては、井戸水等の浄化において一般的に用いられるのと同様の砂や活性炭による吸着式ろ過装置(特許文献1参照)や、液中膜による膜ろ過装置(特許文献2参照)等が利用されてきた。
また、排水処理の分野においては、従来用いられている活性汚泥法に、液中膜による膜ろ過装置を応用し、排水を活性汚泥で微生物処理した後、分離膜によってろ過を行う膜分離活性汚泥法による排水処理方法も普及している(特許文献3参照)。
特開2007−160202号公報 特開平6−182339号公報 特開平9−294996号公報
しかしながら、野菜の洗浄排水は、有機汚濁値が比較的低いとは言っても井戸水よりは高く、水質汚濁の指標として用いられるBOD(Biochemical Oxygen Demand、生物化学的酸素要求量)の値は、井戸水では通常5〜10mg/L程度であるのに対し、野菜の洗浄排水では200mg/L程である。このため、井戸水に用いられるのと同じ砂や活性炭による吸着式ろ過装置を使用すると、ろ過によりSS(Suspended Solids、浮遊物質)の除去はできるものの、砂や活性炭の表面をすぐにSSや微生物膜が被覆して目詰まりを起こし、浄化効率が落ちてしまう。また、処理水中の雑菌が多く、再利用に適した水質を維持するのが困難であった。そのため、頻繁にろ過材を交換し、ろ過槽を洗浄する必要が生じ、安定して長期間使用することができないという問題があった。この事情は、液中膜を使用する膜ろ過装置においても同じであった。
また、野菜の洗浄排水は、さまざまな排水の中でも、通常の生活排水や産業排水に比べて温度が低いという特徴がある。すなわち、野菜の洗浄には、野菜の鮮度を保つ必要から低温の水が使用され、したがって、野菜の洗浄排水も通常5〜15℃と低温になっている。このため、活性汚泥により野菜の洗浄排水を処理しようとしても、SSの酸化の反応速度や、微生物活動による分解速度が必然的に遅くなり、処理効率が低くなってしまうという問題があり、活性汚泥を利用した方法は野菜の洗浄排水の再利用には向かなかった。
本発明は、上述の実情に鑑みてなしたもので、低温の排水でも効率的に浄化して再利用でき、長期間にわたり安定して運転できる高寿命且つ低コストの野菜の洗浄排水ろ過装置を提供することを目的としている。
本発明は、原水として5℃〜15℃の野菜の洗浄排水が供給される前処理槽と、該前処理槽で処理された洗浄排水が供給される膜ろ過槽と、前記前処理槽および前記膜ろ過槽の内部に投入され、洗浄排水中の浮遊物質を吸着するとともに微生物を担持する多孔質性樹脂担体と、前記前処理槽中の洗浄排水を酸素富化する酸素供給手段と、前記膜ろ過槽の中に設置され、洗浄排水のろ過を行う液中膜と、前記膜ろ過槽中の洗浄排水に気泡を送り込む送気手段とを備え、前記多孔質性樹脂担体は、前記前処理槽には該前処理槽の容積に対し30〜80%投入されることを特徴とする野菜の洗浄排水ろ過装置にかかるものである。
本発明の野菜の洗浄排水ろ過装置において、前記酸素供給手段は、前記前処理槽から洗浄排水を引き込み、酸素と混和して酸素富化水としてから前記前処理槽に戻し、前記多孔質性樹脂担体は、前記洗浄排水中に均一に拡散し得る比重であることが好ましい。
本発明の野菜の洗浄排水ろ過装置において、前記送気手段は、前記膜ろ過槽において、前記液中膜の下方から気泡を前記液中膜に接触させるように供給することが好ましい。
本発明の野菜の洗浄排水ろ過装置において、前記液中膜の下流に、前記膜ろ過槽中の洗浄排水を吸引する吸引ポンプと、該吸引ポンプの吸引圧力を計測する吸引圧力計を備え、該吸引圧力計によって検出された値が所定以上の値を示した場合に前記液中膜の逆洗浄を実行する膜洗浄手段を備えることが好ましい。
本発明の野菜の洗浄排水ろ過装置によれば、多孔質性樹脂担体を交換する手間やコスト、前処理槽や膜ろ過槽を洗浄する手間やコスト、液中膜を洗浄または交換する手間やコストを低減することができ、低温の洗浄排水を効率的に浄化して再利用でき、且つ長期間にわたり安定した運転が可能であるという種々の優れた効果を奏し得る。
本発明を実施する野菜の洗浄排水ろ過装置の一例を示す概念図である。
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
図1は本発明の実施例を示すものであり、図中、1は原水としての野菜の洗浄排水Wを貯留する原水槽であり、2は原水を汲み上げる原水ポンプであり、3はろ過材として多孔質性樹脂担体5を予め投入してある前処理槽であり、4は前処理槽3に隣接し、前処理槽3でろ過された洗浄排水を膜ろ過する膜ろ過槽である。前処理槽3の内部空間は、底部付近においてメッシュフィルター6によって区切られており、該区切られた空間のうち、上部空間3aには前記多孔質性樹脂担体5が予め投入されている。前記区切られた空間のうち、下部空間3bには、前処理槽3の外部から酸素供給手段7が接続されている。該下部空間3bには、多孔質性樹脂担体5は投入されない。
膜ろ過槽4は、多孔質性樹脂担体5が予め投入されている他、液中膜8を内蔵している。液中膜8は、MF膜(Microfiltration Membrane、精密ろ過膜)やUF膜(Ultrafiltration Membrane、限外ろ過膜)で構成したろ板又は筒を複数積層し、垂直に並べてユニット化した構造であり、該ろ板又は筒を通過した水中の浮遊物質SSをMF膜やUF膜の細孔にてろ過分離する仕組みである。膜ろ過槽4の下方には、外部から送気手段9が接続されている。膜ろ過槽4の内部は、通水路10で前処理槽3の下部空間3bと接続される。また、前処理槽3と膜ろ過槽4の底部には排水路11が設けられており、排水路11の途中には排水弁12が設けられている。膜ろ過槽4の上部は、メッシュフィルター13を通して排水口に接続されている。
液中膜8の下流には、液中膜8を通して膜ろ過槽4の外部から洗浄排水Wを吸引する吸引ポンプ14が接続される。液中膜8と吸引ポンプ14を繋ぐ水路の途中には、逆洗浄弁15が設けられ、該逆洗浄弁15の上流側であって液中膜8の下流の一箇所には、液中膜8の逆洗浄を行う膜洗浄手段16が接続されている。
次に、上記した本発明の実施例の作動を説明する。
工場で排出された低温の野菜の洗浄排水Wは、野菜くずや泥等をスクリーン等で除去された後、原水として原水槽1に貯留され、該原水槽1から原水ポンプ2で汲み上げられて前処理槽3の上部空間3aの上方から前処理槽3内に供給される。この時点において、洗浄排水WのBOD値は、およそ200mg/L前後である。また、野菜の洗浄には常温より低い温度の水が使用されるため、洗浄排水Wも低温であり、およそ5〜15℃程度である。
前処理槽3内部のメッシュフィルター6で区切られた上部空間3aには、前処理槽3の容積に対し30〜80%の多孔質性樹脂担体が投入されている。投入量は、典型的には前処理槽3の容積に対し50%程度であり、多孔質性樹脂担体5は、前処理槽3内の洗浄排水Wをろ過し得るよう、洗浄排水W中に密に分布する。上部空間3aの上方から供給された洗浄排水Wは、下部空間3bへと移動していく間に、この多孔質性樹脂担体5によってろ過され、含有SS等を吸着除去される。
ここで、ろ過材として投入される多孔質性樹脂担体5は、内部に孔径20μm前後の細孔を網目状にもつポリビニルアルコール製のものが採用されている。この多孔質性樹脂担体5は通常、ろ過材としてではなく、活性汚泥法による水の浄化の際、表面や内部に微生物を担持する担体として用いられるものであり、より径の小さい細孔をもつ砂や活性炭と比べると吸着性が低く、SSの除去効率という面では劣る。しかしその反面、吸着性が低い分、ある程度有機汚濁値が高い排水中でも目詰まりを起こしにくいという利点がある。ここに着目し、通常は微生物担体として用いられる多孔質性樹脂担体5をろ過材に転用した点が、まず本発明の大きな特色とするところである。
具体的には、活性炭により野菜の洗浄排水をろ過する場合は、3〜4時間に1回程度、活性炭に対し逆洗浄を行って吸着剤としての機能を再生させる必要があり、且つ短期間で活性炭自体の交換を行う必要があるが、本実施例の場合、多孔質性樹脂担体5の逆洗浄や交換を行う必要はない。多孔質性樹脂担体5は装置の運転に伴い摩耗していくため、1〜2年に1回程度新しい多孔質性樹脂担体5を追加する必要はあるが、逆洗浄や交換を行うことと比べれば手間やコストは大幅に低減できる。
また多孔質性樹脂担体5は、ろ過材としてSSを吸着する機能の他に、本来の機能であるところの、表面や内部に微生物を担持し、吸着したSSを分解させる機能も同時に兼ねている。これによって、多孔質性樹脂担体5の目詰まりを防止し、吸着性が低下するのを防ぐようにしている。このため、前処理槽3内部の洗浄排水Wには酸素供給手段7から酸素が送り込まれ、多孔質性樹脂担体5の表面や内部の細孔に微生物を繁殖させるようになっている。
ここで、上述のように、野菜の洗浄排水Wは5〜15℃と低温であるため、微生物による分解効率は必然的に低くなってしまい、通常の活性汚泥法と同じ構成による微生物処理の方法は野菜の洗浄排水Wの浄化には適用できない。本実施例においては、多孔質性樹脂担体5の投入量を大量にし、更に飽和濃度に近い酸素を含む酸素富化水を供給するという改良を加えることで、こうした低温を原因とする分解効率の低さの問題を解決し、微生物による分解処理の方法を低温の野菜の洗浄排水の浄化に適用可能にした。具体的には、一般的な活性汚泥法においては、担体の投入量は典型的には槽容積の10%程度であるのに対し、本実施例では、上述のように、前処理槽の容積に対して多孔質性樹脂担体5を50%程度も投入している。さらに、供給される酸素の濃度を高めることにより、多孔質性樹脂担体5内に担持し得る微生物の量を増やすようにしている。この点も、本発明の新規な特徴の一つである。
一般に、活性汚泥法による微生物処理の工程においては、槽の容積に対して好適な微生物の量が決まっており、担体を多く投入しすぎると必要な酸素や養分の不足等により汚泥の活性が低下する等の不都合が生じる。このため、上述の通り担体投入量は槽容積の10%前後とされるのが普通なのであるが、本発明においては、低温の洗浄排水W中に微生物を繁殖させるので、微生物処理の速度が遅いのに加え、酸素供給手段7から十分な量の酸素を供給するので、前処理槽3の容積に対して大量の微生物を繁殖させても前述の不都合が起こりにくい。
高い酸素供給量を実現させるために、該酸素供給手段7としては、前処理槽3の下部空間3bから洗浄排水Wを引き込み、該洗浄排水Wに高濃度の酸素を含むガスを混和して酸素富化水(本実施例では、飽和量の90%以上の溶存酸素を含む)としてから、再度前処理槽3の下部空間3bへ送り出すことによって前処理槽3内に酸素を供給する方式のものを採用している。これにより、空気の気泡を送り込む一般的な酸素供給手段に比べ、高い濃度の酸素を溶存酸素として洗浄排水Wへ供給することができる。しかも、洗浄排水Wは低温であるので、その分だけ溶存酸素濃度も高くなることが期待できる。このように、本実施例の酸素供給手段7によれば、前処理槽3の容積に対して大量の酸素を供給できるので、上述の如く低温での微生物処理に対応し得るほか、装置全体をコンパクト化できるというメリットもある。
酸素供給手段7が下部空間3bから洗浄排水Wを引き込み、酸素富化水として再び送り出すことにより水流が発生し、上部空間3aと下部空間3bを含む前処理槽3の内部空間全体が撹拌される。酸素富化水の流入とそれに伴う撹拌により、前処理槽3内の洗浄排水Wに酸素が供給されると、上述の如く多孔質性樹脂担体5の表面や内部に好気性の微生物が繁殖し、多孔質性樹脂担体5が吸着したSSが分解されることになる。尚、洗浄排水Wは、上述の如く通常5〜15℃と低温であるため、前処理槽3内に繁殖する微生物は、5〜15℃の低温環境下における生存に適応した低温菌で占められる。
また本実施例においては、前処理槽3内の撹拌は大きな気泡によらないため、一般的な活性汚泥法における曝気撹拌と比べて穏やかになっている。一般的な活性汚泥法においては、激しく撹拌することで担体表面から微生物層を剥離させる必要があるが、低温の水中で微生物処理を行う本発明においては、多孔質性樹脂担体5の担持する微生物によって、多孔質性樹脂担体5が吸着したSSを分解させるため、微生物の層をあえて多孔質性樹脂担体5の表面や内部に固着させ、多孔質性樹脂担体5同士の激しい接触によって剥がれないようにする必要がある。
このような微生物による分解のほか、SSは、洗浄排水W中に供給された酸素と直接反応することによっても分解される。また、洗浄排水Wに酸素を混和する過程で、洗浄排水Wの温度を多少上昇させる効果もあり、反応速度の向上に寄与している。
こうして、微生物の働きや酸素による分解反応により、多孔質性樹脂担体5に吸着したSSを分解し、多孔質性樹脂担体5が目詰まりしてしまうのを防止することができるので、ろ過材に活性炭や砂を用いる場合と違い、多孔質性樹脂担体5の逆洗浄を行う必要はなくなる。
ここで、本実施例においては、上述のように大量の多孔質性樹脂担体5を投入し、前処理槽3内の撹拌も穏やかに行うため、例えば比重が洗浄排水Wよりも軽い担体を使用すると、前処理槽3内で担体が浮いてしまい、偏りが起こりがちである。担体が浮いたままになると、担体が槽内を均一に循環せず、槽内全体における担体のSSの吸着する部位や微生物の繁殖する部位が偏り、SSの分解を終えて分解活性の低くなった微生物の層が担体に固着したまま沈降しなくなり、吸着や分解の効率が低下してしまう。よって、担体は、排水中に均一に拡散した状態で循環しているのが理想的であり、そのためには、担体の密度は1〜1.03の範囲内であることが望ましい。本実施例の場合、比重をほぼ洗浄排水Wと同じ約1.015とした多孔質性樹脂担体5を使用しているので、大量の担体であっても容易に洗浄排水Wの中に均一に拡散させ、SSの吸着部位や微生物の繁殖部位の偏りを防止することができる。尚、担体をスポンジ等で構成することにより、内部に洗浄排水を浸透させて比重を洗浄排水とほぼ等しくすることもできるが、その場合は洗浄排水の浸透に時間がかかり、槽からの排水操作や自然蒸発等によって減った分の洗浄排水を槽内に供給するたびに、洗浄排水が担体へ浸透するのを待つことになる。このため、本実施例のように比重設計の容易な多孔質性樹脂を担体に用い、あらかじめ比重を洗浄排水に合わせた多孔質性樹脂担体5を使用する方が装置の運転効率が良くなる。また、多孔質性樹脂は、スポンジ等の材料に比べて硬く、撹拌に伴う摩耗に対して強くて長持ちするという利点もある。
また上述の如く、酸素供給手段7として、高濃度の酸素と洗浄排水を混和して酸素富化水として供給する方式のものを使用しているのは、前記の担体の偏りの問題を解消する目的もある。すなわち、水の浄化装置においては、コストの面から、単に空気を泡として供給する酸素供給手段を用いたものが多いが、そのような装置を用いた場合、供給される気泡を担体が抱き込み、担体の比重が軽くなって浮き、上述したような担体の偏りの問題が生じてしまう。この点、本実施例の如く、酸素富化水として供給する方式の酸素供給手段7にすれば、泡は発生しないか、発生してもごく微小なサイズの泡であるため、多孔質性樹脂担体5が気泡を抱き込むことがなく、比重をほぼ洗浄排水Wと等しいまま保つことができる。
以上のように前処理槽3で多孔質性樹脂担体5にろ過させることで、洗浄排水Wの原水に含まれていたSSを約90%除去することができる。洗浄排水Wの原水の汚濁値が高いこと等により、前処理槽3が一槽のみではSSの除去が不十分である場合は、該前処理槽3を複数段直列に設けるようにしても良い。
前処理槽3の上部空間3aから下部空間3bへ到達するまでの間に多孔質性樹脂担体5によってろ過された洗浄排水Wは、次に、該下部空間3bに接続した通水路10を通って膜ろ過槽4へと供給される。ここで、下部空間3bは、多孔質性樹脂担体5が投入されている上部空間3aとメッシュフィルター6によって隔てられているため、前処理槽3中の多孔質性樹脂担体5が通水路10を通って膜ろ過槽4へと移動することはない。
通水路10から膜ろ過槽4へ供給された洗浄排水Wは、膜ろ過槽4の外部から接続された吸引ポンプ14によって、液中膜8を通して引き込まれ、液中膜8を通って物理ろ過された洗浄排水Wのみが下流へと流れるようになっている。本実施例において液中膜8に用いているMF膜は、安定した品質のろ過水を得ることができ、耐久性に優れ、しかも安価であるという特徴をもつ。洗浄排水WがこのMF膜を通過することにより、残存していたSSは完全に除去される。処理後の洗浄排水Wは、殺菌された後、再利用工程へと送られる。
ここで、膜ろ過槽4の内部空間へは、送気手段9により液中膜8の下方から空気を気泡として送り込まれるようになっている。この気泡によって、膜ろ過槽4内部の洗浄排水Wを撹拌するとともに洗浄排水W中に微生物が繁殖し得るよう酸素を送り込み、また気泡を液中膜8に接触させることで、液中膜8の表面に微生物やSSの膜が固着するのを防止する。同時に、前処理槽3の酸素供給手段7と同様、洗浄排水Wの温度を多少上昇させ、SSの分解反応の速度を上げる効果もある。
膜ろ過槽4の内部には、液中膜8の他に多孔質性樹脂担体5が投入されており、その量は膜ろ過槽4の容積の10〜20%程度であり、典型的には10%程度である。この多孔質性樹脂担体5によって、前処理槽3と同様、洗浄排水W中に残存したSSを吸着ろ過し、また、多孔質性樹脂担体5が担持する微生物の働きによって、該吸着したSSを浄化するようにしている。同時に、前記送気手段9による膜ろ過槽4内の撹拌に伴い、多孔質性樹脂担体5が液中膜8に接触することにより、液中膜8の表面に付着するSSや微生物の固着を防止する機能も兼ねている。
膜ろ過槽4は、上方がメッシュフィルター13を介して排水口に接続されており、所定量を越える洗浄排水Wはメッシュフィルター13を通して排水口へ流出するようになっている。
前処理槽3と膜ろ過槽4の底部には排水弁12を介して排水路11が設けられており、数日に1回程度、排水弁12を開いて前処理槽3および膜ろ過槽4の底に沈殿したSSや微生物からなる余剰汚泥を排出するようになっている。
液中膜8の下流の吸引ポンプ14には、該吸引ポンプの吸引圧力を計測する吸引圧力計(図示せず)が設けられている。該吸引圧力計(図示せず)は洗浄排水Wの吸引にかかる圧力を検出し、該吸引圧力計(図示せず)の値が所定以上の値を示した場合に、液中膜8が目詰まりを起こしていると判断し、吸引ポンプ14を停止させ、逆洗浄弁15を閉じるとともに、膜洗浄手段16から液中膜8に対して下流から逆洗浄を実行する。ここで、洗浄によって液中膜8に圧力がかかり、また、次亜塩素酸水溶液等の洗浄剤を用いることもあるため、逆洗浄のたびに液中膜8に対して負担がかかる。したがって、液中膜8の交換を減らすためには、逆洗浄の頻度はなるべく低く抑えることが望ましいが、本実施例の場合、上述したように、前処理槽3を通過した段階で洗浄排水W中のSSの約90%程度が除去されており、しかも前記の如く送気手段9からの気泡と多孔質性樹脂担体5の働きで液中膜8表面に付着するSSや微生物を除去するので、逆洗浄の頻度は2〜3ヶ月に1回程度で良い。一般的な膜分離活性汚泥法によれば、逆洗浄を数時間に1回程度行わなくてはならず、この点は本発明における大きな利点と言える。こうして、逆洗浄の手間やコストを減らすと同時に、液中膜8を高寿命化して交換の手間やコストも下げることができる。
而して、このようにすれば、ろ過材として砂や活性炭と比べ吸着性が低い多孔質性樹脂担体5を用いるので、すぐに目詰まりを起こすことがなく、酸素を供給して低温菌を繁殖させ、吸着したSSを低温菌に分解させるので、低温の洗浄排水Wであっても多孔質性樹脂担体5が目詰まりしないよう微生物処理により効率的に浄化することができ、更に、担体として摩耗しにくい多孔質性樹脂担体5を用いるので、多孔質性樹脂担体5が長持ちする。
また、前処理槽3内で予め大半のSSを除去した後の洗浄排水Wを膜ろ過槽4に移して液中膜8による膜ろ過を行っており、しかも膜ろ過槽4では同時に、洗浄排水Wを多孔質性樹脂担体5とともに曝気して微生物処理を行い、且つ液中膜8に気泡と多孔質性樹脂担体5を接触させるようにしているので、液中膜8を逆洗浄する頻度を最低限にできる。
前処理槽3には、多孔質性樹脂担体5を前処理槽3の容積に対し30〜80%程度投入しているので、該多孔質性樹脂担体5を前処理槽3内の洗浄排水W中に密に分布させ、ろ過材として十分な機能を発揮させることができ、しかも大量の微生物を担持させることができるので、低温でもSSを効率的に浄化できる。
酸素供給手段7は前処理槽3から洗浄排水Wを引き込み、酸素と混和して酸素富化してから前処理槽3に戻す仕組みであるので、前処理槽3中の撹拌が穏やかで気泡も発生せず、しかも多孔質性樹脂担体5は洗浄排水Wと比重がほぼ等しいので、洗浄排水W中に多孔質性樹脂担体5が均一に拡散し、多孔質性樹脂担体5に大量の微生物を担持させ、もってSSをさらに効率的に浄化させることができる。
膜ろ過槽4に空気を供給する送気手段9は、液中膜8の下方から気泡を液中膜8に接触させるように供給するので、液中膜8に付着するSSや微生物の固着を防止し、液中膜8に対する逆洗浄の頻度を低減することができる。
吸引ポンプ14は吸引圧力計を備え、該吸引圧力計の値から液中膜8が目詰まりを起こしていると判断したときに膜洗浄手段16により逆洗浄を実行するようにしているので、最低限の適正な頻度で逆洗浄を行うことができる。
従って、上記実施例によれば、多孔質性樹脂担体5を交換する手間やコスト、前処理槽3や膜ろ過槽4を洗浄する手間やコスト、液中膜8を洗浄または交換する手間やコストを低減することができ、低温の洗浄排水Wを効率的に浄化して再利用でき、且つ長期間にわたり安定した運転が可能である。
尚、本発明の野菜の洗浄排水ろ過装置は、上述の実施例にのみ限定されるものではなく、多孔質性樹脂担体として本実施例では内部に網目構造を持つポリビニルアルコール製のものを例示しているが、所定の比重と吸着性を有し且つ微生物を担持し得るものであればポリ塩化ビニル等他の種類の樹脂も使用し得ること、洗浄排水のBOD値の如何によっては前処理槽を複数段設けても良いこと、酸素供給手段は前処理槽外部から酸素を送り込むものに限らず、前処理槽内部に設置するタイプのものでも良いこと等、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
3 前処理槽
4 膜ろ過槽
5 多孔質性樹脂担体
7 酸素供給手段
8 液中膜
9 送気手段
16 膜洗浄手段
SS 浮遊物質

Claims (4)

  1. 原水として5℃〜15℃の野菜の洗浄排水が供給される前処理槽と、
    該前処理槽で処理された洗浄排水が供給される膜ろ過槽と、
    前記前処理槽および前記膜ろ過槽の内部に投入され、洗浄排水中の浮遊物質を吸着するとともに微生物を担持する多孔質性樹脂担体と、
    前記前処理槽中の洗浄排水を酸素富化する酸素供給手段と、
    前記膜ろ過槽の中に設置され、洗浄排水のろ過を行う液中膜と、
    前記膜ろ過槽中の洗浄排水に気泡を送り込む送気手段と
    を備え
    前記多孔質性樹脂担体は、前記前処理槽には該前処理槽の容積に対し30〜80%投入されることを特徴とする野菜の洗浄排水ろ過装置。
  2. 前記酸素供給手段は、前記前処理槽から洗浄排水を引き込み、酸素と混和して酸素富化水としてから前記前処理槽に戻し、前記多孔質性樹脂担体は、前記洗浄排水中に均一に拡散し得る比重であることを特徴とする、請求項に記載の野菜の洗浄排水ろ過装置。
  3. 前記送気手段は、前記膜ろ過槽において、前記液中膜の下方から気泡を前記液中膜に接触させるように供給することを特徴とする、請求項1又は2に記載の野菜の洗浄排水ろ過装置。
  4. 前記液中膜の下流に、前記膜ろ過槽中の洗浄排水を吸引する吸引ポンプと、該吸引ポンプの吸引圧力を計測する吸引圧力計を備え、該吸引圧力計によって検出された値が所定以上の値を示した場合に前記液中膜の逆洗浄を実行する膜洗浄手段を備えることを特徴とする、請求項1〜のいずれか1項に記載の野菜の洗浄排水ろ過装置。
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