JP6253085B2 - X線動画像解析装置、x線動画像解析プログラム及びx線動画像撮像装置 - Google Patents

X線動画像解析装置、x線動画像解析プログラム及びx線動画像撮像装置 Download PDF

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Description

本発明は、複数フレームから構成されるX線動画像を解析するX線動画像解析装置及びX線動画像解析プログラムに関し、また、複数フレームから構成されるX線動画像を撮像し、撮像したX線動画像を解析するX線動画像撮像装置に関する。
一般的にX線撮影では、被験者の観察部位にX線を照射し、観察部位を透過したX線をフィルムやイメージングプレート等の検出手段にて検出し、観察部位の画像を得る。観察部位に含まれる骨、内臓組織、癌等の病変部位はそれぞれX線透過度が異なるため、白黒のX線画像を得ることができる。
特許文献1には、観察部位の一連の動作を撮像したX線動画像に基づいて、観察部位に関する機能を示す動態情報を生成し、X線CT画像からコロナル像やサジタル像、レイサム画像を作成し、これら動態情報とコロナル像やサジタル像、レイサム画像とを統合して表示するシステムが記載されている。特許文献1に開示されたシステムでは、吸気から呼気までの一連の呼吸動作について胸部X線動画像を撮像し、動画像を構成するフレーム間のピクセル差分値を算出することで、胸部エリア毎の相対的な換気情報を求めている。そして、特許文献1に開示されたシステムによれば、このようにして求められた換気情報を、例えば胸部コロナル画像(胸部を前面から見た断層像)に統合するかたちで出力している。
また、特許文献2には、被験者の胸部X線動画像を撮像し、得られた胸部X線動画像を構成する複数のフレームについてフレーム毎にピクセル値を算出し、心拍動により変化するピクセル値の時間的変化量を血流情報として生成し、さらに、ピクセル値に基づいて肺野領域と心臓との間の境界部位をフレーム毎に検出し、境界部位の変動量を心壁移動量として生成するシステムが開示されている。特許文献2のシステムでは、胸部X線動画像を構成するフレームにおいて、心拍動による肺血流や心血流等の血流に応じてピクセル値が増減するといった新規知見に基づいており、心電図記録装置等から得られる心拍の位相情報を利用して血流を可視化している。特許文献2に記載されたシステムによれば、胸部X線動画像に基づいて血流を定量的に評価することができ、肺塞栓症や心臓疾患等の診断のための有用な情報が得られる。
一方、X線静止画像においては、上述のように、X線透過度の相違に応じて陰影を画像として表示している。例えば、胸部X線静止画像には、骨、軟組織、結節等が可視化されている。一般に、胸骨や鎖骨と結節とが重なっている場合、胸部X線静止画像からこの結節を検出することは容易ではない。非特許文献1には、このような問題を解決するため、胸部X線静止画像から胸骨及び鎖骨を削除する画像処理技術が開示されている。非特許文献1に開示された画像処理技術によれば、胸部X線静止画像から骨の陰影を除去し、結節や軟組織等を見やすくすることができコンピュータ支援診断(CAD)に寄与するものと期待されている。
特許第4797173号 特許第5093727号
IEEE TRANSACTIONS ON MEDICAL IMAGING, VOL. 25, NO. 4, p. 406-416, APRIL 2006
上述した特許文献1及び2のように、X線動画像をコンピュータ支援診断に利用することが注目されているものの、胸骨や鎖骨等の骨と軟組織とが混在しており、画像診断に利用できる有用な情報量が少ないといった問題があった。そこで、本発明は、このような実情に鑑み、コンピュータ支援診断等の診断に有効に利用できるようにX線動画像を画像処理することができるX線動画像解析装置及びX線動画像解析プログラム、並びにこれらを適用したX線動画像撮像装置を提供することを目的とする。
上述した目的を達成するため、本発明者らが鋭意検討した結果、X線動画像を構成する複数のフレームのそれぞれについて、軟組織陰影を除いた骨陰影画像からなる第1フレームと骨陰影を除いた軟組織画像からなる第2フレームとを生成し、元々のX線動画像から骨陰影に関するX線動画像及び/又は軟組織に関するX線動画像を生成できること、生成したX動画像に基づいて骨及び/又は軟組織を高精度に解析できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
本発明は以下を包含する。
(1)X線動画像を構成する複数のフレームが格納される画像格納部と、該画像格納部から所定の時間に含まれる複数のフレームを読み出し、該読み出した複数のフレームのそれぞれについて、軟組織陰影を除いた骨陰影画像からなる第1フレームと骨陰影を除いた軟組織画像からなる第2フレームとを生成する第1解析部と、上記第1解析部で生成した第1フレーム及び/又は第2フレームに基づいて、上記所定の時間について骨陰影に関するX線動画像及び/又は軟組織に関するX線動画像を生成する第2解析部と、上記第2解析部で生成した骨陰影に関するX線動画像及び/又は軟組織に関するX線動画像に基づいて、骨動態情報及び/又は軟組織動態情報を解析する動画像解析部とを備える、X線動画像解析装置。
(2)上記動画像解析部は、上記骨動態情報として、上記骨陰影に関するX線動画像に基づいて骨の移動ベクトルを算出し、又は当該移動ベクトルから移動量マップを算出し、上記動画像解析部で算出した移動ベクトル又は移動量マップを、上記第1解析部で生成した複数の第1フレームから選ばれる1枚のX線静止画像に重ね合わせた画像を生成する骨陰影画像生成部を更に有することを特徴とする(1)記載のX線動画像解析装置。
(3)上記X線動画像は胸部X線動画像であり、上記動画像解析部は、呼吸に伴う肋骨の骨動態情報を解析することを特徴とする(1)又は(2)記載のX線動画像解析装置。
(4)上記骨動態情報に基づいて、骨動態の異常値を判定する異常値判定部を更に有することを特徴とする(1)乃至(3)いずれかに記載のX線動画像解析装置。
(5)上記動画像解析部は、上記軟組織動態情報として、上記軟組織に関するX線動画像に基づいて軟組織の移動ベクトルを算出し、又は当該移動ベクトルから移動量マップを算出し、上記動画像解析部で算出した移動ベクトル又は移動量マップを、上記第2解析部で生成した複数の第2フレームから選ばれる1枚のX線静止画像に重ね合わせた画像を生成する軟組織画像生成部を更に有することを特徴とする(1)記載のX線動画像解析装置。
(6)上記X線動画像は胸部X線動画像であり、上記動画像解析部は、呼吸に伴う肺の動態情報を解析することを特徴とする(1)又は(5)記載のX線動画像解析装置。
(7)上記X線動画像は胸部X線動画像であり、上記動画像解析部は、上記軟組織に関するX線動画像を構成する複数の第2フレームについて、第2フレーム毎に所定範囲内のピクセル値を算出し、心拍動により変化する該算出したピクセル値の時間的変化量を血流情報として生成することを特徴とする(1)記載のX線動画像解析装置。
(8)上記X線動画像は胸部X線動画像であり、上記動画像解析部は、上記軟組織に関するX線動画像を構成する複数の第2フレームについて、第2フレーム毎に所定範囲内のピクセル値を算出し、呼吸により変化する該算出したピクセル値の時間的変化量を肺換気情報として生成することを特徴とする(1)記載のX線動画像解析装置。
(9)上記動画像解析部において生成した血流情報及び/又は肺換気情報を、上記第2解析部で生成した複数の第2フレームから選ばれる1枚のX線静止画像に重ね合わせた画像を生成する軟組織画像生成部を更に有することを特徴とする(7)又は(8)記載のX線動画像解析装置。
(10)上記軟組織動態情報に基づいて、軟組織動態の異常値を判定する異常値判定部を更に有することを特徴とする(1)、(5)乃至(9)いずれかに記載のX線動画像解析装置。
(11)入力装置、記憶装置、演算装置を備えるコンピュータに、上記演算装置が、上記入力装置から入力された複数のフレームから構成されるX線動画像を上記記憶装置に格納する処理と、上記演算装置が、上記記憶装置から所定の時間に含まれる複数のフレームを読み出し、該読み出した複数のフレームのそれぞれについて、軟組織陰影を除いた骨陰影画像からなる第1フレームと骨陰影を除いた軟組織画像からなる第2フレームとを生成する処理と、上記演算装置が、生成した第1フレーム及び/又は第2フレームに基づいて、上記所定の時間について骨陰影に関するX線動画像及び/又は軟組織に関するX線動画像を生成する処理と、上記演算装置が、生成した骨陰影に関するX線動画像及び/又は軟組織に関するX線動画像に基づいて、骨動態情報及び/又は軟組織動態情報を解析する処理とを実行させる、X線動画像解析プログラム。
(12)上記演算装置は、上記骨動態情報として、上記骨陰影に関するX線動画像に基づいて骨の移動ベクトルを算出し、又は当該移動ベクトルから移動量マップを算出し、上記演算装置は、算出した移動ベクトル又は移動量マップを、生成した複数の第1フレームから選ばれる1枚のX線静止画像に重ね合わせた画像を生成する処理を更に実行することを特徴とする(11)記載のX線動画像解析プログラム。
(13)上記X線動画像は胸部X線動画像であり、上記演算装置は、呼吸に伴う肋骨の骨動態情報を解析することを特徴とする(11)又は(12)記載のX線動画像解析プログラム。
(14)上記演算装置は、上記骨動態情報に基づいて、骨動態の異常値を判定する処理を更に実行することを特徴とする(11)乃至(13)いずれかに記載のX線動画像解析プログラム。
(15)上記演算装置は、上記軟組織動態情報として、上記軟組織に関するX線動画像に基づいて軟組織の移動ベクトルを算出し、又は当該移動ベクトルから移動量マップを算出し、上記演算装置は、算出した移動ベクトル又は移動量マップを、生成した複数の第2フレームから選ばれる1枚のX線静止画像に重ね合わせた画像を生成する処理を更に実行することを特徴とする(11)記載のX線動画像解析プログラム。
(16)上記X線動画像は胸部X線動画像であり、上記演算装置は、呼吸に伴う肺の動態情報を解析することを特徴とする(11)又は(15)記載のX線動画像解析プログラム。
(17)上記X線動画像は胸部X線動画像であり、上記演算装置は、上記軟組織に関するX線動画像を構成する複数の第2フレームについて、第2フレーム毎に所定範囲内のピクセル値を算出し、心拍動により変化する該算出したピクセル値の時間的変化量を血流情報として生成する処理を更に実行することを特徴とする(11)記載のX線動画像解析プログラム。
(18)上記X線動画像は胸部X線動画像であり、上記演算装置は、上記軟組織に関するX線動画像を構成する複数の第2フレームについて、第2フレーム毎に所定範囲内のピクセル値を算出し、呼吸により変化する該算出したピクセル値の時間的変化量を肺換気情報として生成する処理を更に実行することを特徴とする(11)記載のX線動画像解析プログラム。
(19)上記演算装置は、生成した血流情報及び/又は肺換気情報を、生成した複数の第2フレームから選ばれる1枚のX線静止画像に重ね合わせた画像を生成する処理を更に実行することを特徴とする(17)又は(18)記載のX線動画像解析プログラム。
(20)上記演算装置は、上記軟組織動態情報に基づいて、軟組織動態の異常値を判定する処理を更に実行することを特徴とする(11)、(15)乃至(19)いずれかに項記載のX線動画像解析プログラム。
(21)複数のフレームから構成されるX線動画像を被験者について撮像するX線撮像部と、上記X線撮像部で撮像したX線動画像が入力される、(1)乃至(10)いずれかに記載のX線動画像解析装置、又は(11)乃至(20)いずれかに記載のX線動画像解析プログラムを実行可能なコンピュータとを備える、X線動画像撮像装置。
本発明に係るX線動画像解析装置及びX線動画像解析プログラムでは、X線動画像から骨陰影に関するX線動画像及び/又は軟組織に関するX線動画像を生成することができ、これらに基づいて骨動態情報及び/又は軟組織動態情報を解析することができる。したがって、本発明に係るX線動画像解析装置及びX線動画像解析プログラムによれば、骨動態情報及び/又は軟組織動態情報をといった診断に有効利用できる情報を提供することができる。
第1の実施形態に係るX線動画像解析装置を含む全体システムの構成を示す概略図である。 第1の実施形態に係るX線動画像解析装置の機能構成を示すブロック図である。 所定のフレームに対して骨陰影を除去する技術を適用して生成した第1フレームと第2フレームと示す写真である。 動画像解析部において取得した骨動態情報(移動ベクトル及びマップ情報)を含む静止画像を示す胸部X線静止画像である。 第2の実施形態に係るX線動画像解析装置を含む全体システムの構成を示す概略図である。 第2の実施形態に係るX線動画像解析装置の機能構成を示すブロック図である。 従来装置を用いて取得した肺血流についてのマップ情報(一心拍に相当)を含む画像と、第2の実施形態に係るX線動画像解析装置を用いて取得した肺血流についてのマップ情報を含む画像である。 従来装置を用いて取得した肺換気についてのマップ情報を含む画像(図8A)と、第2の実施形態に係るX線動画像解析装置を用いて取得した肺換気についてのマップ情報を含む画像(図8B)である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。
まず、本発明の概要について説明する。本発明は、X線動画像に含まれる骨陰影と骨陰影を除く軟組織陰影とに着目し、これら骨陰影に関するX線動画像と軟組織に関するX線動画像を生成し、これら生成した動画像を用いて骨動態情報及び/又は軟組織動態情報を解析するものである。
本発明を適用したX線動画像解析装置及びX線動画像解析プログラムは、X線静止画像に含まれる骨陰影を除去する技術(Bone Suppression Technique)を利用する。ここで、X線静止画像に含まれる骨陰影を除去する技術とは、上記非特許文献1(IEEE TRANSACTIONS ON MEDICAL IMAGING, VOL. 25, NO. 4, p. 406-416, APRIL 2006)に詳述されており、例えばRiverain Technologiesが提供するソフトウェア(ClearRead)により実施可能な技術である。より詳細には、デュアルエナジーサブトラクシン法で作成した軟組織画像及び骨画像と、オリジナル画像との関係を学習した大規模トレーニング人工ニューラル・ネットワーク(MTANN: massive training artificial neural network、30 MED. PHYSICS、1692‐17頁、2003年)を利用することで、デュアルエナジーサブトラクシン法を実施することなく胸部X線静止画像からそれに対応する軟組織画像及び骨陰影画像を生成する。なお、本発明においては、上記非特許文献1に開示された骨陰影を除去する技術、Riverain Technologiesが提供するソフトウェア(ClearRead)に限定されず、X線静止画像から画像処理によって骨陰影を除去する技術であれば如何なる技術及びソフトウェアを使用することもできる。
本発明においては、解析対象のX線動画像を構成する複数のフレームについて、上述した骨陰影を除去する技術を適用することで、骨陰影に関するX線動画像及び軟組織に関するX線動画像を得ることができる。得られた各X線動画像は、目的に応じて、骨動態情報や軟組織動態情報の解析に利用することができる。
ここで、骨動態情報とは、骨の動きを示す情報を意味する。一例として、骨動態情報として、骨の動く方向及び動く量を示す移動ベクトル情報、当該移動ベクトルに基づいてマップ化したマップ情報を含む。また、骨動態情報としては、骨の種類に限定されないが、例えば胸部X線動画像に含まれる胸骨(胸骨柄、胸骨体及び剣状突起)、肋骨(第1肋骨〜第12肋骨)、肋軟骨及び鎖骨に関する情報を挙げることができる。さらに、骨動態情報は、各種運動に伴う骨の動きを示す情報であることが好ましく、一例として呼吸運動に伴う骨の動きを示す情報であることが好ましい。
一例として、胸部X線動画像に含まれる胸骨、肋骨、肋軟骨及び鎖骨についての呼吸に伴う骨動態情報は、脊柱側弯症による呼吸機能障害を評価する際に有効な情報となる。胸部X線動画像に含まれる胸骨、肋骨、肋軟骨及び鎖骨についての呼吸に伴う骨動態情報は、脊柱側弯症による呼吸機能障害以外にも、例えば、交通外傷等による肋骨損傷からの回復程度、ビア樽状胸郭や慢性閉塞性肺疾患等による過膨張肺での胸郭及び骨運動の制約程度を評価する際にも有効な情報となる。
また、他の例として、胸骨、肋骨、肋軟骨及び鎖骨の骨動態情報としては、呼吸に伴うものに限定されず、例えば、上肢を後方に開く(水平伸展)運動、開いた上肢を前方に持ってくる(水平屈曲)運動について得られたものであっても良い。これら上肢による運動に伴う骨動態情報は、胸郭を形成する肋骨、鎖骨及び胸骨等を評価する際に有効な情報となる。
一方、軟組織動態情報とは、骨組織を除く結合組織等の動きを示す情報を意味する。結合組織とは、線維組織や脂肪組織、気管支、血管、横紋筋、平滑筋、末梢神経組織(神経節と神経線維)を総称する意味である。一例として、軟組織動態情報として、肺の軟組織の動く方向及び動く量を示す移動ベクトル情報、当該移動ベクトルに基づいてマップ化したマップ情報を含む。さらに、軟組織動態情報とは、各種運動に伴う軟組織の動きを示す情報とすることができ、一例として呼吸運動に伴う肺軟組織の動きを示す情報とすることができる。
一例として、胸部X線動画像に含まれる肺軟組織についての呼吸に伴う軟組織動態情報は、肺コンプライアンスを評価する際に有効な情報となる。このように、肺軟組織についての呼吸に伴う軟組織動態情報を用いて肺コンプライアンスを評価することで、肺においてコンプライアンスが低下している領域、コンプライアンスが上昇している領域を検出することができる。
また、胸部X線動画像に含まれる肺軟組織の呼吸に伴う軟組織動態情報は、肺コンプライアンス以外にも、例えば特許4797173号に記載されるように肺換気に関する情報として肺換気機能を評価する際、相対的な局所肺換気及び肺気流を評価する際にも有効な情報となる。
他の例として、軟組織動態情報としては、特許5093727号に開示されている、心拍動により変化する肺血流や心血流等の血流情報、肺野領域と心臓との間の境界部位の変動量により規定される心壁移動量も含む意味である。
〔第1の実施形態〕
図1は、本発明に係るX線動画像解析装置1を備えるX線動画像撮像装置の全体システムの構成を示す概略図である。このシステムは、X線動画像解析装置1、X線検出器2、X線発生装置3及びX線管球4から構成される。図1には、X線動画像解析装置1の内部構成であるハードウェア資源が示されている。すなわち、X線動画像解析装置1は、プログラムに従って各処理を実行するCPU(中央演算処理装置)10、各処理を実行するためのプログラムやデータ、撮像されたX線動画像及び画像処理により生成した画像等が格納されるHD(ハードディスク)11、OS等のシステムプログラムやシステムデータが格納されているROM(リードオンリメモリ)12、プログラムやデータを一時的に格納するRAM(ランダムアクセスメモリ)13、X線検出器2及びX線発生装置3との間の情報の入出力を中継するI/F(インタフェース)14、胸部X線動画像や解析結果等を表示する表示器16、オペレータの操作を入力するマウス17、キーボード18、及び表示器16等を中継するI/F15を備えている。CPU10は、I/F14を介してX線検出器2からX線動画像を入力し、HD11に格納する。また、CPU10は、各処理を実行するためのプログラム及びデータをHD11から読み出してRAM13に格納し、プログラムに従って、I/F15を介してオペレータによるマウス17及びキーボード18の操作により、HD11からX線動画像を読み出し、各処理を実行し、実行結果をI/F15を介して表示器16に表示する。
X線動画像撮像装置においてX線検出器2は、X線を検出することにより例えば、胸部X線動画像を生成し、当該胸部X線動画像をX線動画像解析装置1へ出力する。例えば、被検者に対し5秒間の検査が行われると、X線検出器2は、5秒間で30フレームの胸部X線動画像を生成する。このX線検出器2は、X線を電気信号に変換して画像を得る機器であり、画像を直接デジタル化する平面検出器を使用した撮像機器である。X線検出器2としては、例えばFPD(Flat Panel Detector)が用いられ、従来のI.I.−X線TVシステムのような透視装置に比べ、X線に対する感度が高く、撮像視野が広く、かつ画像に歪みがないため、鮮明で安定した動画像を得ることができる。
X線発生装置3は、タイミング信号をX線動画像解析装置1から入力し、当該タイミングでX線管球4にX線を曝射させる。このタイミング信号によるX線の曝射により、X線検出器2において、胸部X線動画像が生成される。
図2は、図1に示したX線動画像解析装置1の機能構成を示すブロック図である。このX線動画解析装置1は、画像格納部20、第1解析部21、第2解析部22、動画像解析部23及び画像生成部24を備えている。画像格納部20には、前述したFPD等のX線検出器2により撮影された複数のフレームからなるX線動画像、例えば胸部X線動画像が格納されている。胸部X線動画像は、例えば吸気から呼気までの一連の呼吸動作における動画像であり、被検者毎に格納されている。また、画像格納部20には、第1解析部21にて生成した画像データ及び第2解析部22で生成した画像データが被検者毎に、オリジナルのX線動画像に関連付けて格納されている。ここで、画像格納部20は、図1におけるHD11に相当する。
第1解析部21は、画像格納部20に格納されたX線動画像を構成する複数のフレームの全部又は一部のフレームに対して骨陰影を除去する技術(Bone Suppression Technique)を適用して、軟組織を除いた骨陰影画像からなる第1フレームと骨陰影を除いた軟組織画像からなる第2フレームとを生成する機能を有する。なお、画像格納部20には、第1解析部21で生成した第1フレーム及び第2フレームがオリジナルのX線動画像と関連付けて格納される。図3に第1解析部21により所定のフレームに対して骨陰影を除去する技術を適用して生成した第1フレームと第2フレームとの写真を示す。
ここで、X線動画像を構成する複数のフレームのうち一部のフレームとしては、例えば一回の呼吸動作(吸気から呼気まで)に対応する一部のフレームを挙げることができる。すなわち、第1解析部21は、一回の呼吸動作(吸気から呼気まで)に対応する一部のフレームを選択して、選択されたフレームに対して骨陰影を除去する技術することができる。或いは、第1解析部21は、予め定めた時間に相当する一部のフレームを選択して、選択されたフレームに対して骨陰影を除去する技術を適用しても良い。
第2解析部22は、第1解析部21で生成した第1フレームに基づいて骨陰影に関するX線動画像、第2フレームに基づいて軟組織に関するX線動画像を生成する機能を有する。なお、画像格納部20には、第2解析部22で生成した骨陰影に関するX線動画像及び軟組織に関するX線動画像がオリジナルのX線動画像と関連付けて格納される。なお、第2解析部22は、X線動画像解析装置1の使用目的に応じて、骨陰影に関するX線動画像及び軟組織に関するX線動画像のいずれか一方のみを生成しても良いし、両方を生成しても良い。例えば、X線動画像解析装置1を用いて、被検者の骨組織の運動を解析することを目的とする場合には第1解析部21で生成した第1フレームに基づいて骨陰影に関するX線動画像のみを生成すればよい。また、X線動画像解析装置1を用いて、被検者の軟組織の運動(例えば胸部X線動画像であれば肺コンプライアンス)や、心拍動による血流情報、心壁移動等を解析することを目的とする場合には第1解析部21で生成した第2フレームに基づいて軟組織に関するX線動画像のみを生成すればよい。もちろん、X線動画像解析装置1を用いて、被験者の骨組織及び軟組織の運動をともに解析することを目的とする場合には、第1解析部21で生成した第1フレーム及び第2フレームに基づいて、骨組織に関するX線動画像及び軟組織に関するX線動画像をそれぞれ生成する。
動画像解析部23は、第2解析部22で生成した骨陰影に関するX線動画像を解析して骨動態情報を取得し、また、第2解析部22で生成した軟組織に関するX線動画像を解析して軟組織動態情報を取得する機能を有する。
動画像解析部23は、骨動態情報として、上述のように、例えば骨の動く方向及び動く量を示す移動ベクトル情報、当該移動ベクトルに基づいてマップ化したマップ情報を取得する。ここで、X線動画像に含まれる骨の移動ベクトルを計算する方法は、特に限定されず、従来公知の如何なる手法を使用しても良い。一例としては、局所領域の相互相関係数に基づくブロックマッチング法や局所の輝度変化に基づくオプティカルフロー法、商用の流体解析ソフト、米国NIHが提供するImageJ及びプラグインといったソフトウェアを使用することができる。なお、移動ベクトルとは、動画像処理技術において動きベクトルとも称されている。
また、マップ情報とは、上述のように取得された移動ベクトルから求められる移動量(動き量)の大きさを、X線動画像上にカラー表現した情報を意味する。ここで色分けして表示するとは、X線動画像に含まれる1つのフレームを予め設定した面積となるように複数の領域に分割しておき、また、移動量の大きさに従って色階調(連続階調が好ましい)を予め設定しておき、移動ベクトルから求められる移動量に基づいて各領域を所定の色となるように表示することを意味する。このとき、X線動画像に含まれる骨組織の種類毎に異なる色とすることもできる。例えば、胸部X線動画像に含まれる胸骨(胸骨柄、胸骨体及び剣状突起)、肋骨(第1肋骨〜第12肋骨)、肋軟骨及び鎖骨を全て異なる色と設定し、各色について連続階調を設定することで骨の種類毎に移動ベクトルに基づくマップ情報を取得することもできる。
また、動画像解析部23は、軟組織動態情報として、上述のように、例えば肺の軟組織の動く方向及び動く量を示す移動ベクトル情報、当該移動ベクトルに基づいてマップ化したマップ情報を取得する。ここで、X線動画像に含まれる軟組織の移動ベクトルを計算する方法は、上述した骨の移動ベクトルを計算する方法と同様に、特に限定されず、従来公知の如何なる手法でも使用できる。
画像生成部24は、動画像解析部23にて取得した移動ベクトル又は移動量マップを、第1フレームから選ばれる1枚のX線静止画像(骨のX線静止画像)及び/又は第2フレームから選ばれる1枚のX線静止画像(軟組織のX線静止画像)に重ね合わせた画像を生成する機能を有する。すなわち、画像生成部24は、動画像解析部23において骨動態情報を取得した場合には、第1フレームから選ばれる1枚のX線静止画像(骨のX線静止画像)に骨動態情報を重ね合わせた画像を生成する。また、画像生成部24は、動画像解析部23において軟組織動態情報を取得した場合には、第2フレームから選ばれる1枚のX線静止画像(軟組織のX線静止画像)に骨動態情報を重ね合わせた画像を生成する。
異常値判定部25は、動画像解析部23にて取得した移動ベクトル又は移動量マップに基づいて、骨動態や軟組織動態に異常が無いか判定する機能を有する。
例えば異常値判定部25は、動画像解析部23にて取得した骨の移動ベクトルや移動量マップを予め設定した閾値と比較し、閾値を超える骨の移動ベクトルや移動量マップがある場合には、骨動態に異常があるとして異常値を示した箇所を含む情報を出力することができる。例えば、胸部X線動画像を解析対象とする場合、左右肋骨について移動ベクトル又は移動量マップを比較し、左右の肋骨において移動ベクトル又は移動量マップが不均一又は左右非対称である場合には肋骨について動態異常があると判断することができる。
また、異常値判定部25は、動画像解析部23にて取得した軟組織の移動ベクトルや移動量マップを予め設定した閾値と比較し、閾値を超える軟組織の移動ベクトルや移動量マップがある場合には、軟組織動態に異常があるとして異常値を示した箇所を含む情報を出力することができる。例えば、胸部X線動画像を解析対象とする場合、肺の軟組織ついて呼吸動作に伴う移動ベクトル又は移動量マップを解析することで、肺コンプライアンスに異常があるか判断することができる。肺コンプライアンスを評価する際には、例えば、左右の肺において軟組織の移動量マップの差異と閾値と比較する方法、肺の軟組織の移動ベクトルや移動量マップが周囲と比較して著しく相違する領域があるか検出する方法、左右非対称を根拠に異常を挙げることができる。
なお、X線動画像解析装置1において、画像生成部24及び異常値判定部25は必須の構成ではなく、これら画像生成部24及び異常値判定部25を備えない構成であってもよい。すなわち、X線動画像解析装置1は、動画像解析部23で取得した骨動態情報及び/又は軟組織動態情報をそのまま出力するようにしても良い。
以上のように、X線動画像解析装置1によれば、骨陰影を除去する技術を用いることで、胸部X線動画像等のX線動画像から、骨陰影に関するX線動画像と、骨陰影を除いた軟組織に関するX線動画像を生成している。このため、X線動画像解析装置1によれば、骨陰影に関するX線動画像においては軟組織の陰影が骨動態を把握する際に障害とならず、より正確に骨動態を把握することができる。これにより、X線動画像解析装置1によれば、従来のX線動画像からは判別することができなかった骨動態を詳細に解析することができ、各種疾患・症状の診断に有用な情報を提供することができる。
図4に、画像生成部24が生成した静止画像であって、動画像解析部23において取得した骨動態情報(移動ベクトル及びマップ情報)を含む静止画像の一例を示した。なお、図4における左側の写真は脊柱側弯症症例の胸部X線静止画像であり、右側の写真は正常の胸部X線静止画像である。図4における上側の写真は移動ベクトルを書き入れた胸部X線静止画像であり、下側はマップ情報を書き入れた胸部X線静止画像である。図4から判るように、画像生成部24が生成した静止画像によれば、脊柱側弯症の患者では、肋骨の動態が左右非対称となっていることが移動ベクトル及び/又はマップ情報より視覚的に容易に判断することができる。
また、X線動画像解析装置1によれば、骨陰影を除去した軟組織に関するX線動画像を生成できるため、従来のX線動画像においては骨陰影が存在することで困難であった各種の解析が可能となる。或いは、X線動画像解析装置1によれば、骨陰影を除去した軟組織に関するX線動画像を生成できるため、軟組織に関する解析をより高精度に行うことができる。
特に、X線動画像解析装置1により生成した骨陰影を除去した軟組織に関するX線動画像によれば、骨陰影により検出できなかった結節をも可視化することができる。なお、X線静止画像について骨陰影を除去する技術(Bone Suppression Technique)を適用しても、骨陰影により隠れていた結節を可視化することは困難であった。ところが、X線動画像につて骨陰影を除去する技術を適用したところ、骨陰影により隠れていた結節を初めて可視化することに成功している。
以上、実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の精神及び意図を逸脱しない限り、種々変形が可能である。例えば、図1及び図2に示したX線動画像解析装置1は、1台のコンピュータにより構成されるが、複数のコンピュータにより構成されるようにしてもよい。例えば、胸部X線動画像格納部20を備えるコンピュータと、その他の構成を備えるコンピュータとがネットワークにより接続されるようにしてもよい。また、例えば、胸部X線動画像格納部20を備えるコンピュータと、第1解析部21を備えるコンピュータと、その他の構成を備えるコンピュータとがネットワークにより接続されるようにしてもよい。
また、このようなX線動画像解析装置1は、健康診断等のスクリーニング検査、心疾患患者のフォローアップ検査、核医学検査等における精密検査の代替検査等の分野で利用される。また、例えばエコノミー症候群の検査のために、空港の診療所に設置することもできる。
〔第2の実施形態〕
なお、本発明に係るX線動画像解析装置は、上述した第1の実施形態に限定されず、例えば、特許第5093727号に開示された連続X線画像スクリーニング検査装置にも適用することができる。すなわち、特許第5093727号に開示された連続X線画像スクリーニング検査装置では、概略、指定された被検者毎に胸部X線動画像、X線パルス波形、心電図をそれぞれ読み出し、これらの同期した情報に基づいて、心拍動性変化を反映した胸部X線動画像のフレーム間でピクセル値を定量化し、画面に血流情報等(肺血流や心血流)を表示する。
図5及び6には、本発明に係るX線動画像解析装置を特許第5093727号に開示された連続X線画像スクリーニング検査装置に適用したシステム構成の一例を示している。なお、図5及び6において、図1及び2に示したX線動画像撮像装置と同一の構成については同一の符号を付した。よって、同一符号が付された構成についてはその詳細な説明を省略する。
図5に示すX線動画像解析装置30は、心電図記録装置31との間の情報の入出力を中継するI/F32を更に備えている。このように構成されたX線動画像撮像装置では、I/F14がX線情報をX線検出器2から入力してX線パルス波形を生成すると、CPU10は、当該X線パルス波形を入力し、HD11に格納する。また、CPU10は、I/F32を介して心電図記録装置31から心電図を入力し、HD11に格納する。
ここで、X線検出器2により生成される胸部X線動画像、X線動画像解析装置30のI/F14により生成されるX線パルス波形、X線発生装置3へ出力されるタイミング信号、及び、心電図記録装置31により生成される心電図は、それぞれ同期している。したがって、胸部X線動画像、X線パルス波形及び心電図は、同期した時間情報と共にHD11に格納される。
図6に示すように、X線動画像解析装置30は、X線パルス波形格納部33及び心電図格納部34を備えている。X線パルス波形格納部33には、前述したI/F14により生成されたX線パルス波形も格納されている。心電図格納部34には、前述した心電図記録装置31により記録された心電図が格納されている。なお、X線パルス波形格納部33及び心電図格納部34は、図5に示したHD11に相当する。
X線動画像解析装置30では、肺野領域の全体、分割領域毎或いは関心領域について、胸部X線動画像を構成する各フレームにおける平均ピクセル値を算出する。その後、1心拍における平均ピクセル値の変化量を算出し、当該変化量及び階調数を用いてピクセル変化率を算出する。X線動画像解析装置30では、X線パルス波形及び心電図をそれぞれ読み出し、算出した平均ピクセル値、X線パルス波形及び心電図を用いて、肺血流を示す平均ピクセル値の変動を解析すると共に、当該平均ピクセル値と心電図との間の時間的関係を解析することができる。
また、X線動画像解析装置30では、胸部X線動画像に基づいて肺野領域の境界となる心壁の部位を求め、心壁移動量を解析することができる。具体的には、左心室及び右心室付近の部位において、肺野領域との境界であってピクセル値が大きく変化する部位を自動検出し、その部位の変化量を心壁移動量として算出することができる。これをフレーム毎に算出し、指定領域毎にフレーム毎の心壁移動量を表示することができる。
さらに、X線動画像解析装置30では、胸部X線動画像の1心拍のフレームからR波が起きる直前(心室が拡張する直前)のフレームを決定し、当該フレームと他のフレームとの間のピクセル値の差から、肺血流動態画像を作成することができる。具体的には、X線パルス波形について、X線が曝射された時間を決定する。また、読み出した心電図について、R波が起きた時間を決定する。そして、X線が曝射された時間及びR波が起きた時間に基づいて肺血流動態画像を作成することができる。
本実施の形態に示すX線動画像解析装置30によれば、骨陰影の除去された軟組織に関するX線動画像を用いて肺野領域や関心領域を解析することができるため、特許第5093727号に開示された連続X線画像スクリーニング検査装置と比較してより高精度に血流情報を取得することができる。
より具体的に、図7に、特許第5093727号に開示された連続X線画像スクリーニング検査装置を用いて取得した肺血流についてのマップ情報(一心拍に相当)を含む画像と、X線動画像解析装置30を用いて取得した肺血流についてのマップ情報を含む画像を比較して示した。図7の上側が許第5093727号に開示された連続X線画像スクリーニング検査装置により作成した画像であり、下側がX線動画像解析装置30により作成した画像である。図7から判るように、X線動画像解析装置30により作成した画像においては、従来の画像からは検出できなかった結節(図中丸で囲った領域)を可視化できている。
なお、X線動画像解析装置30によれば、一連の呼吸動作の間を撮像したX線動画像を用いて最大吸気のフレームと最大呼気のフレームとの間のピクセル差分値を算出して換気情報とし、肺換気に関するマップ情報を作成できる。図8には、特許第5093727号に開示された連続X線画像スクリーニング検査装置を用いて取得した肺換気についてのマップ情報を含む画像(図8A)と、X線動画像解析装置30を用いて取得した肺換気についてのマップ情報を含む画像(図8B)を比較して示した。また、図8Cには、図8Bの画像から判断された病変(肺換気不良)箇所を示す破線枠を含む画像を示した。図8Aに示す画像では、肋骨構造が肺の動き(肺換気ベクトル)の解析の邪魔になっているため、病変箇所を正確に可視化できていない。これに対して、図8Bに示すように、X線動画像解析装置30によれば、病変箇所を強調して可視化できることが理解できる。
1…X線動画像解析装置、2…X線検出器、3…X線発生装置、4…X線管球、10…CPU、11…HD、12…ROM、13…RAM、14,15…I/F、16…表示器、17…マウス、18…キーボード、20…画像格納部、21…第1解析部、22…第2解析部、23…動画像解析部、24…画像生成部、25…異常値判定部、30…X線動画像解析装置、31…心電図記録装置、32…I/F、33…X線パルス波形格納部、34…心電図格納部

Claims (19)

  1. X線動画像を構成する複数のフレームが格納される画像格納部と、
    該画像格納部から所定の時間に含まれる複数のフレームを読み出し、該読み出した複数のフレームのそれぞれについて、軟組織陰影を除いた骨陰影画像からなる第1フレームと骨陰影を除いた軟組織画像からなる第2フレームとを生成する第1解析部と、
    上記第1解析部で生成した第1フレーム及び/又は第2フレームに基づいて、上記所定の時間について骨陰影に関するX線動画像及び/又は軟組織に関するX線動画像を生成する第2解析部と、
    上記第2解析部で生成した骨陰影に関するX線動画像及び/又は軟組織に関するX線動画像に基づいて、上記骨陰影に関するX線動画像に基づいて算出した骨の移動ベクトルと当該移動ベクトルから算出した骨の移動量マップとを含む骨動態情報及び/又は上記軟組織に関するX線動画像に基づいて算出した軟組織の移動ベクトルと当該移動ベクトルから算出した軟組織の移動量マップとを含む軟組織動態情報を解析する動画像解析部と
    上記動画像解析部で算出した骨の移動ベクトル又は骨の移動量マップを、上記第1解析部で生成した複数の第1フレームから選ばれる1枚のX線静止画像に重ね合わせた画像を生成する骨陰影画像生成部とを備える、X線動画像解析装置。
  2. 上記X線動画像は胸部X線動画像であり、上記動画像解析部は、呼吸に伴う肋骨の骨動態情報を解析することを特徴とする請求項記載のX線動画像解析装置。
  3. 上記骨動態情報に基づいて、骨動態の異常値を判定する異常値判定部を更に有することを特徴とする請求項1又は2記載のX線動画像解析装置。
  4. 上記動画像解析部で算出した軟組織の移動ベクトル又は軟組織の移動量マップを、上記第解析部で生成した複数の第2フレームから選ばれる1枚のX線静止画像に重ね合わせた画像を生成する軟組織画像生成部を更に有することを特徴とする請求項1記載のX線動画像解析装置。
  5. 上記X線動画像は胸部X線動画像であり、上記動画像解析部は、呼吸に伴う肺の動態情報を解析することを特徴とする請求項1又は記載のX線動画像解析装置。
  6. 上記X線動画像は胸部X線動画像であり、
    上記動画像解析部は、上記軟組織に関するX線動画像を構成する複数の第2フレームについて、第2フレーム毎にピクセル値を算出し、心拍動により変化する該算出したピクセル値の時間的変化量を血流情報として生成することを特徴とする請求項1記載のX線動画像解析装置。
  7. 上記X線動画像は胸部X線動画像であり、
    上記動画像解析部は、上記軟組織に関するX線動画像を構成する複数の第2フレームについて、第2フレーム毎にピクセル値を算出し、呼吸により変化する該算出したピクセル値の時間的変化量を肺換気情報として生成することを特徴とする請求項1記載のX線動画像解析装置。
  8. 上記動画像解析部において生成した血流情報及び/又は肺換気情報を、上記第2解析部で生成した複数の第2フレームから選ばれる1枚のX線静止画像に重ね合わせた画像を生成する軟組織画像生成部を更に有することを特徴とする請求項6又は7記載のX線動画像解析装置。
  9. 上記軟組織動態情報に基づいて、軟組織動態の異常値を判定する異常値判定部を更に有することを特徴とする請求項1、4乃至8いずれか一項記載のX線動画像解析装置。
  10. 入力装置、記憶装置、演算装置を備えるコンピュータに、
    上記演算装置が、上記入力装置から入力された複数のフレームから構成されるX線動画像を上記記憶装置に格納する処理と、
    上記演算蔵置が、上記記憶装置から所定の時間に含まれる複数のフレームを読み出し、該読み出した複数のフレームのそれぞれについて、軟組織陰影を除いた骨陰影画像からなる第1フレームと骨陰影を除いた軟組織画像からなる第2フレームとを生成する処理と、 上記演算装置が、生成した第1フレーム及び/又は第2フレームに基づいて、上記所定の時間について骨陰影に関するX線動画像及び/又は軟組織に関するX線動画像を生成する処理と、
    上記演算装置が、生成した骨陰影に関するX線動画像及び/又は軟組織に関するX線動画像に基づいて、上記骨陰影に関するX線動画像に基づいて算出した骨の移動ベクトルと当該移動ベクトルから算出した骨の移動量マップとを含む骨動態情報及び/又は上記軟組織に関するX線動画像に基づいて算出した軟組織の移動ベクトルと当該移動ベクトルから算出した軟組織の移動量マップとを含む軟組織動態情報を解析する処理と
    上記演算装置が、算出した骨の移動ベクトル又は骨の移動量マップを、上記複数の第1フレームから選ばれる1枚のX線静止画像に重ね合わせた画像を生成する処理とを実行させる、X線動画像解析プログラム。
  11. 上記X線動画像は胸部X線動画像であり、上記演算装置は、呼吸に伴う肋骨の骨動態情報を解析することを特徴とする請求項10記載のX線動画像解析プログラム。
  12. 上記演算装置は、上記骨動態情報に基づいて、骨動態の異常値を判定する処理を更に実行することを特徴とする請求項10又は11記載のX線動画像解析プログラム。
  13. 上記演算装置は、算出した軟組織の移動ベクトル又は軟組織の移動量マップを、生成した複数の第2フレームから選ばれる1枚のX線静止画像に重ね合わせた画像を生成する処理を更に実行することを特徴とする請求項10記載のX線動画像解析プログラム。
  14. 上記X線動画像は胸部X線動画像であり、上記演算装置は、呼吸に伴う肺の動態情報を解析することを特徴とする請求項10又は13記載のX線動画像解析プログラム。
  15. 上記X線動画像は胸部X線動画像であり、
    上記演算装置は、上記軟組織に関するX線動画像を構成する複数の第2フレームについて、第2フレーム毎にピクセル値を算出し、心拍動により変化する該算出したピクセル値の時間的変化量を血流情報として生成する処理を更に実行することを特徴とする請求項10記載のX線動画像解析プログラム。
  16. 上記X線動画像は胸部X線動画像であり、
    上記演算装置は、上記軟組織に関するX線動画像を構成する複数の第2フレームについて、第2フレーム毎にピクセル値を算出し、呼吸により変化する該算出したピクセル値の時間的変化量を肺換気情報として生成する処理を更に実行することを特徴とする請求項10記載のX線動画像解析プログラム。
  17. 上記演算装置は、生成した血流情報及び/又は肺換気情報を、生成した複数の第2フレームから選ばれる1枚のX線静止画像に重ね合わせた画像を生成する処理を更に実行することを特徴とする請求項15又は16記載のX線動画像解析プログラム。
  18. 上記演算装置は、上記軟組織動態情報に基づいて、軟組織動態の異常値を判定する処理を更に実行することを特徴とする請求項10、13乃至17いずれか一項記載のX線動画像解析プログラム。
  19. 複数のフレームから構成されるX線動画像を被験者について撮像するX線撮像部と、
    上記X線撮像部で撮像したX線動画像が入力される、請求項1乃至いずれか一項記載のX線動画像解析装置、又は請求項10乃至18いずれか一項記載のX線動画像解析プログラムを実行可能なコンピュータとを備える、X線動画像撮像装置。
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