JP6252013B2 - 液体吐出ヘッド、及び、液体吐出装置 - Google Patents
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Description
前記圧力室基板は、前記空間のうち前記能動部に対応する領域に位置する第一の空間と、該第一の空間より前記ノズルに近く位置して前記第一の空間と連通する第二の空間と、を有し、
前記連通孔は、前記第二の空間と隣接し、前記第一の空間と隣接しておらず、
前記第二の空間において前記連通孔と対向する流路面の少なくとも一部は、前記第一の空間から離れるほど前記連通孔に近付く傾斜面であり、
前記傾斜面の前記流路基板側の縁部は、前記連通孔において前記第一の空間とは反対側に位置する縁部よりも前記第一の空間の近くに位置している、態様を有する。
前記圧力室基板は、前記空間のうち前記能動部に対応する領域に位置する第一の空間と、前記第一の空間より前記ノズルから遠くに位置して前記第一の空間と連通する第三の空間と、を有し、
前記流路基板は、前記圧力室に供給する液体を貯留する共通液室に連通する第二の連通孔を有し、
前記第二の連通孔は、前記第三の空間と隣接し、前記第一の空間と隣接しておらず、
前記第三の空間において前記第二の連通孔と対向する流路面の少なくとも一部は、前記第一の空間から離れるほど前記第二の連通孔に近付く傾斜面であり、
前記傾斜面の前記流路基板側の縁部は、前記第二の連通孔において前記第一の空間とは反対側に位置する縁部よりも前記第一の空間から遠くに位置している、態様を有する。
図1は液体吐出ヘッド(液体噴射ヘッド)の一例であるインクジェット式記録ヘッド1を圧力室12の幅方向D3(図4参照。)に対する垂直面で断面視した図、図2は図1のB部分を拡大した図、図3は流路基板30のノズルプレート側面30bの要部を例示する斜視図、図4は圧力室基板10の振動板側面10aから便宜上、振動板16を剥がして圧力室基板10の要部を例示する平面図、図5(a)〜(c)は図2の線A1の位置において記録ヘッド1の要部を圧力室12の長手方向D2に対する垂直面で断面視した図、図6(a),(b)は図2の線A2,A3の位置において記録ヘッド1の要部を圧力室12の長手方向D2に対する垂直面で断面視した図、である。図3においては、幅方向D3中央側の個別流路壁34の図示を省略している。図4においては、アクチュエーター2の能動部4の位置を二点鎖線で示している。
図7に示す記録装置200に例示される液体吐出装置(液体噴射装置)は、上述のような液体吐出ヘッドを備える。
連通孔31と第二の空間S2とが隣接することには、連通孔31と第二の空間S2とが直接、接していること、間接部材を介して連通孔31と第二の空間S2とが配置されること、のいずれも含まれる。
アクチュエーター2には、圧電素子、発熱により圧力室内に気泡を発生させる発熱素子、等が含まれる。
圧力室基板10の材料には、シリコン基板、ステンレス鋼(SUS)といった金属、セラミック、ガラス、合成樹脂、等を用いることができる。一例を挙げると、圧力室基板10は、特に限定されないが膜厚が例えば数百μm程度と比較的厚く剛性の高いシリコン単結晶基板等から形成することができる。複数の隔壁11によって区画された圧力室12は、例えば、KOH水溶液等のアルカリ溶液を用いた異方性エッチング(ウェットエッチング)等によって形成することができる。
振動板16の材料には、酸化シリコン(SiOx)、金属酸化物、セラミック、合成樹脂、等を用いることができる。振動板は、分離されない圧力室基板の表面を変性する等して圧力室基板と一体に形成されてもよいし、圧力室基板に接合されて積層されてもよい。また、振動板は、複数の膜で構成されてもよい。一例を挙げると、シリコン製の圧力室基板上に酸化シリコン膜といった弾性膜を形成し、この弾性膜上に酸化ジルコニウム(ZrOx)といった絶縁膜を形成し、特に限定されないが厚みが例えば数百nm〜数μm程度の振動板を弾性膜と絶縁膜を含む積層膜で構成してもよい。弾性膜は、例えば、圧力室基板用のシリコンウェハを1000〜1200℃程度の拡散炉で熱酸化する等によって圧力室基板上に形成することができる。絶縁膜は、例えば、スパッタ法といった気相法等によりジルコニウム(Zr)層を弾性膜上に形成した後にジルコニウム層を500〜1200℃程度の拡散炉で熱酸化する等によって形成することができる。
下電極21や上電極22やリード電極は、例えば、スパッタ法といった気相法等によって振動板上に電極膜を形成してパターニングする等によって形成することができる。圧電体層23は、スピンコート法といった液相法や気相法等によって下電極上に圧電体前駆体膜を形成し焼成等によって結晶化させてパターニングする等によって形成することができる。
図5(a)は、幅方向D3において圧力室12の両端部よりも内側となる幅方向能動端4c,4dの間の振動板16上に能動部4が設けられた例を示している。
図5(c)には、幅方向能動端4c,4dが上電極22の端部であり、下電極21及び圧電体層23が能動端4c,4dからさらに外側へ延びている例を示している。共通上電極構造の場合、下電極の端部が幅方向能動端となる。
以上のことから、第二の空間S2に傾斜面13aを設け、第三の空間S3に傾斜面14aを設けると、上述した問題を抑制することができる。
流路基板30の材料には、シリコン基板、ステンレス鋼といった金属、セラミック、ガラス、合成樹脂、等を用いることができる。一例を挙げると、流路基板30は、特に限定されないが比較的厚く剛性の高いシリコン単結晶基板等から形成することができる。連通孔31,32や共通液室37等の液体流路は、例えば、KOH水溶液等のアルカリ溶液を用いた異方性エッチング(ウェットエッチング)等によって形成することができる。
次に、記録ヘッド1の作用及び効果を説明する。
図9は、比較例に係る記録ヘッド901の要部を圧力室12の幅方向D3に対する垂直面で断面視している。図10(a),(b)は図9の線A92,A93の位置において記録ヘッド901の要部を圧力室12の長手方向D2に対する垂直面で断面視している。図9,10に示す構成要素には、図1〜6で示した構成要素に対応する符号を付している。
図7は、上述した記録ヘッド1を有するインクジェット式の記録装置(液体吐出装置)200の外観を示している。記録ヘッド1を記録ヘッドユニット211,212に組み込むと、記録装置200を製造することができる。図7に示す記録装置200は、記録ヘッドユニット211,212のそれぞれに、記録ヘッド1が設けられ、外部インク供給手段であるインクカートリッジ221,222が着脱可能に設けられている。記録ヘッドユニット211,212を搭載したキャリッジ203は、装置本体204に取り付けられたキャリッジ軸205に沿って往復移動可能に設けられている。駆動モーター206の駆動力が図示しない複数の歯車及びタイミングベルト207を介してキャリッジ203に伝達されると、キャリッジ203がキャリッジ軸205に沿って移動する。図示しない給紙ローラー等により給紙される記録シート290は、プラテン208上に搬送され、インクカートリッジ221,222から供給され記録ヘッド1から吐出するインク(液体)により印刷がなされる。
本発明は、種々の変形例が考えられる。
例えば、流体吐出ヘッドから吐出される液体は、染料等が溶媒に溶解した溶液、顔料や金属粒子といった固形粒子が分散媒に分散したゾル、等の流体が含まれる。このような流体には、インク、液晶、等が含まれる。液体吐出ヘッドは、プリンターといった画像記録装置の他、液晶ディスプレー等のカラーフィルタの製造装置、有機ELディスプレー等の電極の製造装置、バイオチップ製造装置、等に搭載可能である。
圧力室に液体を供給する共通液室は、ケースヘッドのような別部材に無く流路基板のみに設けられてもよいし、流路基板に無くケースヘッドのような別部材のみに設けられてもよい。この別部材には、圧力室基板等も含まれる。
保護基板は、省略されてもよく、ケースヘッドと一体化されてもよい。
ノズルプレートは、流路基板と一体化されてもよい。
なお、圧力室基板10に傾斜面13a,14aが無くても、本発明の基本的な作用及び効果を奏する。また、圧力室基板10に第三の空間S3が無くても、本発明の基本的な作用及び効果を奏する。
また、略オーバル状の圧力室12Aの最大幅W2が略四角形状の圧力室12の幅W1よりも広いことにより、より少ない面積の能動部4で同等の変位を得ることができ、より少ない面積の能動部4で圧力室に同等の圧力を加えることができる。その結果として、圧力室の長大化が抑制される。
以上説明したように、本発明によると、種々の態様により、圧力室の構造的強度を向上させることが可能な液体吐出ヘッドの技術等を提供することができる。むろん、従属請求項に係る構成要件を有しておらず独立請求項に係る構成要件のみからなる技術等でも、上述した基本的な作用、効果が得られる。
また、上述した実施形態及び変形例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、公知技術並びに上述した実施形態及び変形例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、等も実施可能である。本発明は、これらの構成等も含まれる。
Claims (7)
- ノズルに連通する連通孔を有する流路基板と、圧力室となる空間を有する圧力室基板と、が少なくとも積層され、電極に挟まれて前記圧力室に圧力を加える能動部を有するアクチュエーターを備えた液体吐出ヘッドであって、
前記圧力室基板は、前記空間のうち前記能動部に対応する領域に位置する第一の空間と、該第一の空間より前記ノズルに近く位置して前記第一の空間と連通する第二の空間と、を有し、
前記連通孔は、前記第二の空間と隣接し、前記第一の空間と隣接しておらず、
前記第二の空間において前記連通孔と対向する流路面の少なくとも一部は、前記第一の空間から離れるほど前記連通孔に近付く傾斜面であり、
前記傾斜面の前記流路基板側の縁部は、前記連通孔において前記第一の空間とは反対側に位置する縁部よりも前記第一の空間の近くに位置している、ことを特徴とする液体吐出ヘッド。 - 前記流路基板は、前記圧力室に供給する液体を貯留する共通液室に連通する第二の連通孔を有し、
前記圧力室基板は、前記第一の空間より前記ノズルから遠くに位置して前記第一の空間と連通する第三の空間を有し、
前記第二の連通孔は、前記第三の空間と隣接し、前記第一の空間と隣接していない、ことを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッド。 - ノズルに連通する連通孔を有する流路基板と、圧力室となる空間を有する圧力室基板と、が少なくとも積層され、電極に挟まれて前記圧力室に圧力を加える能動部を有するアクチュエーターを備えた液体吐出ヘッドであって、
前記圧力室基板は、前記空間のうち前記能動部に対応する領域に位置する第一の空間と、前記第一の空間より前記ノズルから遠くに位置して前記第一の空間と連通する第三の空間と、を有し、
前記流路基板は、前記圧力室に供給する液体を貯留する共通液室に連通する第二の連通孔を有し、
前記第二の連通孔は、前記第三の空間と隣接し、前記第一の空間と隣接しておらず、
前記第三の空間において前記第二の連通孔と対向する流路面の少なくとも一部は、前記第一の空間から離れるほど前記第二の連通孔に近付く傾斜面であり、
前記傾斜面の前記流路基板側の縁部は、前記第二の連通孔において前記第一の空間とは反対側に位置する縁部よりも前記第一の空間から遠くに位置している、ことを特徴とする液体吐出ヘッド。 - 前記圧力室基板は、前記第一の空間より前記ノズルに近く位置して前記第一の空間と連通する第二の空間を有し、
前記連通孔は、前記第二の空間と隣接し、前記第一の空間と隣接していない、ことを特徴とする請求項3に記載の液体吐出ヘッド。 - 前記第三の空間は、前記第一の空間を挟んで前記第二の空間とは反対側に位置することを特徴とする請求項2又は請求項4に記載の液体吐出ヘッド。
- 前記圧力室は、平面視において略楕円状に形成されている、ことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の液体吐出ヘッド。
- 請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の液体吐出ヘッドを備えた、液体吐出装置。
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