JP6251951B2 - 障害物検出装置、加速抑制制御装置、障害物検出方法 - Google Patents

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本発明は、障害物検出装置、加速抑制制御装置、障害物検出方法に関するものである。
特許文献1に記載された従来技術では、超音波センサによって車両の進行方向に存在する障害物との距離及び相対速度を検出し、障害物との距離及び相対速度に応じて、スロットルバルブを閉じたり、ブレーキを作動させたりしている。
特開2006−123711号公報
ところで、自車両の進行方向に存在する進行方向物体を、障害物として認識するか否かは、その進行方向物体が静止物であるか、それとも移動物であるかによっても変わってくるため、その進行方向物体が静止物であるか否かを正確に判定することが望まれている。しかしながら、超音波センサは、その検出原理上、駆動周期が比較的長いため、高精度な相対速度を得にくい。したがって、上記特許文献1に記載された従来技術のように、超音波センサによって距離及び相対速度を検出しているとしても、その進行方向物体が静止物であるか否かを正確に判定することが難しい。
本発明の課題は、自車両の進行方向に存在する進行方向物体が静止物であるか否かの判定精度を向上させることである。
本発明の一態様に係る障害物検出装置は、自車両の進行方向に超音波を発してから反射波が返ってくるまでの時間に応じて、自車両の進行方向に存在する進行方向物体を検知すると共に、検知した進行方向物体までの距離を検出する。また、進行方向物体を最初に検知した時点からの自車両の進行距離を検出し、進行方向物体を最初に検知した時点の進行方向物体までの距離を初期検出距離として記憶する。また、初期検出距離と進行距離とに応じて、進行方向物体までの距離を推定する。そして、進行方向物体を検知した時点よりも後に、検出した距離と推定した距離との差が予め定めた範囲内にあるときに、進行方向物体が静止物であると判定する。一方、差が範囲外にあるときには、進行方向物体が静止物ではないと判定する。
進行方向物体までの距離を検出する際には、自車両の車幅方向に沿って設けられた複数のソナーを順に駆動し、複数のソナーで検出した距離のうち、最も小さな値を進行方向物体までの距離として検出する。そして、進行方向物体が静止物であると判定していた状態から静止物ではないと判定が反転した場合、初期検出距離を保持する。また、進行方向物体が静止物であると判定していた状態から静止物ではないと判定を反転させた場合、その後、検出した距離と推定した距離との差が再び範囲内となった時点で、進行方向物体が静止物であると再判定する。
本発明によれば、進行方向物体を検知した時点からの自車両の進行距離に応じて、進行方向物体までの距離を追跡しながら推定しておき、この推定した距離により、検出した距離の確からしさを判定する。すなわち、検出した距離と推定した距離との差が予め定めた範囲内にあるときに、進行方向物体が静止物であると判定することで、自車両の進行方向に存在する進行方向物体が静止物であるか否かの判定精度を向上させることができる。
誤操作加速抑制装置を示す概略構成図である。 フロントカメラ11F及び左サイドカメラ11SLの配置を示す図である。 ソナーの配置を示す図である。 電子制御スロットルのシステム構成図である。 ブレーキアクチュエータの概略構成図である。 誤操作加速抑制制御処理を示すフローチャートである。 駐車枠内から駐車枠を検出した状態を示す図である。 車体前方に存在する壁を検出した状態を示す図である。 開度閾値Pth及び時間閾値Tthを示す図である。 目標スロットル開度SPOの設定に用いるテーブルである。 目標減速度Axの設定に用いるテーブルである。 障害物検出処理を示すフローチャートである。 各ソナーの駆動指令の波形図である。 車幅方向と略平行な壁に向かって前進するシーンを示す図である。 車幅方向と略平行な壁に向かって前進する際の、検出距離Ds及び障害物フラグfsを示すタイムチャートである。 車幅方向と非平行な壁に向かって前進するシーンを示す図である。 車幅方向と非平行な壁に向かって前進する際の、検出距離Ds及び障害物フラグfsを示すタイムチャートである。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
《第1実施形態》
《構成》
図1は、誤操作加速抑制装置を示す概略構成図である。
本実施形態における誤操作加速抑制装置は、カメラ11と、ソナー12と、車輪速センサ13と、操舵角センサ14と、シフトセンサ15と、アクセルセンサ16と、ブレーキストロークセンサ17と、加速度センサ18と、ナビゲーションシステム19と、誤操作加速抑制機能スイッチ20と、コントローラ21と、を備える。
カメラ11は、車体におけるフロント、リア、左サイド、及び右サイドの計4箇所に設けられており、夫々、高解像度の広角カメラからなる。なお、4つのカメラを区別する際には、車体のフロントに設けたカメラをフロントカメラ11Fとし、車体のリアに設けたカメラをリアカメラ11Rとし、車体の左サイドに設けたカメラを左サイドカメラ11SLとし、車体の右サイドに設けたカメラを右サイドカメラ11SRとする。
図2は、フロントカメラ11F及び左サイドカメラ11SLの配置を示す図である。
フロントカメラ11Fは、例えばフロントグリルに設けられ、少なくとも車体前方の路面を撮像する。また、リアカメラ11Rは、例えばバックドアフィニッシャに設けられ、少なくとも車体後方の路面を撮像する。フロントカメラ11F及びリアカメラ11Rは、180度の水平画角を有する。また、左サイドカメラ11SLは、左のドラミラーに設けられ、少なくとも車体左方の路面を撮像する。この左サイドカメラ11SLは、左前輪付近を照らす例えば赤外線LEDからなる補助照明を有する。また、右サイドカメラ11SRは、右のドアミラーに設けられ、少なくとも車体右方の路面を撮像する。各カメラ11は、撮像した各画像データをコントローラ21に入力する。
ソナー12は、物体までの距離を検出する。このソナー12は、圧電素子を駆動して例えば40〜70kHz程度の超音波を出力し、物体に反射して返ってくる超音波をマイクロホンで受波し、超音波が物体との間で往復する時間を測定し、物体までの距離に換算してコントローラ21に出力する。
図3は、ソナーの配置を示す図である。
図中の(a)は車体を上方から見た図であり、(b)車体を側方から見た図である。
ソナー12は、車体のフロントに4箇所、車体のリアに4箇所、合計8箇所に設けられている。車体のフロントに設けた4つは、車幅方向に沿って略等間隔にフロントバンパに設けてあり、車体のリアに設けた4つは、車幅方向に沿って略等間隔にリアバンパに設けてある。なお、各ソナーを区別する際には、車体のフロントに設けたソナーを、車体の左側から順に、フロントソナー12F1、12F2、12F3、12F4とし、車体のリアに設けたソナーを、車体の左側から順に、リアソナー12R1、12R2、12R3、12R4とする。
車体のフロントバンパに設けた4つのうち、中2つのフロントソナー12F2及び12F3は、検出領域の中心が平面視で前方に向かうように設定してあり、両端2つのフロントソナー12F1及び12F4は、検出領域の中心が平面視で斜め前方に向かうように設定してある。車体のリアバンパに設けた4つのうち、中2つのリアソナー12R2及び12R3は、検出領域の中心が平面視で後方に向かうように設定してあり、両端2つのリアソナー12R1及び12R4は、検出領域の中心が平面視で斜め後方に向かうように設定してある。
車輪速センサ13は、各車輪の車輪速度VwFL〜VwRRを検出する。この車輪速センサ13は、例えばセンサロータの磁力線を検出回路によって検出しており、センサロータの回転に伴う磁界の変化を電流信号に変換してコントローラ21に出力する。コントローラ21は、入力された電流信号から車輪速度VwFL〜VwRRを判断する。
操舵角センサ14は、ロータリエンコーダからなり、ステアリングシャフトの操舵角θsを検出する。この操舵角センサ14は、ステアリングシャフトと共に円板状のスケールが回転するときに、スケールのスリットを透過する光を2つのフォトトランジスタで検出し、ステアリングシャフトの回転に伴うパルス信号をコントローラ21に出力する。コントローラ21は、入力されたパルス信号からステアリングシャフトの操舵角θsを判断する。なお、操舵角センサ14は、右旋回を正の値として処理し、左旋回を負の値として処理する。
シフトセンサ15は、トランスミッションのシフトポジションを検出する。このシフトセンサ15は、例えば複数のホール素子を備え、夫々のON/OFF信号をコントローラ21に出力する。コントローラ21は、入力されたON/OFF信号の組み合わせからシフトポジションを判断する。
アクセルセンサ16は、アクセルペダルの踏込み量に相当するペダル開度PPO(操作位置)を検出する。このアクセルセンサ16は、例えばポテンショメータであり、アクセルペダルのペダル開度PPOを電圧信号に変換してコントローラ21に出力する。コントローラ21は、入力された電圧信号からアクセルペダルのペダル開度PPOを判断する。なお、アクセルペダルが非操作位置にあるときに、ペダル開度PPOが0%となり、アクセルペダルが最大操作位置(ストロークエンド)にあるときに、ペダル開度PPOが100%となる。
ブレーキストロークセンサ17は、ブレーキペダルの踏込み量に相当する操作位置を検出する。このブレーキストロークセンサ17は、例えばポテンショメータであり、ブレーキペダルの操作位置を電圧信号に変換してコントローラ21に出力する。コントローラ21は、入力された電圧信号からブレーキペダルの操作位置を判断する。
加速度センサ18は、車両前後方向の加減速度を検出する。この加速度センサ18は、例えば固定電極に対する可動電極の位置変位を静電容量の変化として検出しており、加減速度と方向に比例した電圧信号に変換してコントローラ21に出力する。コントローラ21は、入力された電圧信号から加減速度を判断する。なお、コントローラ21は、加速を正の値として処理し、減速を負の値として処理する。
ナビゲーションシステム19は、自車両の現在位置と、その現在位置における道路情報を認識する。このナビゲーションシステム19は、GPS受信機を有し、四つ以上のGPS衛星から到着する電波の時間差に基づいて自車両の位置(緯度、経度、高度)と進行方向とを認識する。そして、DVD‐ROMドライブやハードディスクドライブに記憶された道路種別、道路線形、車線幅員、車両の通行方向等を含めた道路情報を参照し、自車両の現在位置における道路情報を認識しコントローラ21に入力する。なお、安全運転支援システム(DSSS:Driving Safety Support Systems)として、双方向無線通信(DSRC:Dedicated Short Range Communication)を利用し、各種データをインフラストラクチャから受信してもよい。
誤操作加速抑制機能スイッチ20は、誤操作加速に対する抑制機能のON/OFFを検出する。誤操作加速とは、例えば駐車エリアで、運転者がブレーキペダルと間違えてアクセルペダルを踏み込んでしまい、運転者の意図に反して車両が加速してしまうことである。また、誤操作加速に対する抑制機能とは、踏み間違いであるか否かを判定し、踏み間違いであることが明らかであるときに制御介入し、車両の加速を抑制する機能のことである。この誤操作加速抑制機能スイッチ20は、運転者がON/OFFを切替え操作可能となるようにダッシュボード近傍に設けてあり、例えば常閉型接点の検出回路を介してON/OFFに応じた電圧信号をコントローラ21に出力する。コントローラ21は、入力された電圧信号から誤操作加速に対する抑制機能のON/OFFを判断する。
コントローラ21は、例えばマイクロコンピュータからなり、各センサからの検出信号に基づいて後述する誤操作加速抑制制御処理を実行し、ディスプレイ22、インジケータ23、スピーカ24、駆動力制御装置30、及びブレーキ制御装置50を駆動制御する。
ディスプレイ22は、各カメラ11で撮像した車両周囲の映像や各種情報を表示する。このディスプレイ22は、運転者が視認可能で且つ操作可能となるようにダッシュボード近傍に設けてあり、例えば液晶ディスプレイ及び操作入力部を備えたタッチパネルからなる。すなわち、バックライトから発せられた光を、駆動回路を介して部分的に遮ったり透過させたりすることによって任意の表示を行う。また、画面に対するユーザのタッチ操作を、抵抗膜方式や静電容量方式のタッチセンサによって感知し、そのタッチ位置に基づいて各種設定を行う。
ディスプレイ22で表示する映像には、フロントビュー、リアビュー、サイドブラインドビュー、及びトップビュー等がある。
フロントビューでは、シフトポジションがリバース以外のときに、フロントカメラ11Fからの映像を切り出し、拡大して表示でき、車幅、距離目安線、及び操舵角に応じた予想新路線等を描画して表示できる。また、リアビューでは、シフトポジションがリバースのときに、リアカメラ11Rからの映像を切り出し、拡大して表示でき、車幅、距離目安線、及び操舵角に応じた予想進路線等を描画して表示できる。また、サイドブライドビューでは、左サイドカメラ11SLからの映像のうち、左前輪付近の運転者から死角となる領域の映像を切り出し、拡大して表示でき、車両の前方目安線、及び側方目安線等を描画して表示できる。また、トップビューでは、4つのカメラからの映像を切り出し、俯瞰変換して車両周囲の状況を表示できる。図2は、トップビューの表示エリアの一例を示している。ここでは、フロントカメラ11Fからの映像に基づく表示領域をAFとし、リアカメラ11Rからの映像に基づく表示領域をARとし、左サイドカメラ11SLからの映像に基づく表示領域をASLとし、右サイドカメラ11SRからの映像に基づく表示領域をASRとしている。
インジケータ23は、誤操作加速に対する抑制機能が作動したとき、つまり制御介入したときに、その旨を知らせる表示灯である。このインジケータ23は、運転者が視認可能となるようにインストルメントパネルに設けてあり、予め定めたシンボルや、「踏み間違い時、抑制システムが作動しました」等の標示からなり、誤操作加速に対する抑制機能が作動したときに、これらのシンボルや標示が点滅又は点灯する。
スピーカ24は、誤操作加速に対する抑制機能が作動したとき、つまり制御介入したときに、その旨の報知音を出力する。このスピーカ25は、車室内に設けてあり、例えばダイナミックスピーカからなる。すなわち、振動板に直結したコイルに対して電気信号を入力し、電磁誘導によるコイルの振動によって振動板を振動させることで、電気信号に応じた音声を放射する。誤操作加速に対する抑制機能が作動したときに、例えば「ピーピーピー」という報知音を発生させる。
駆動力制御装置30は、回転駆動源の駆動力を制御する。例えば、回転駆動源がエンジンであれば、スロットルバルブの開度、燃料噴射量、点火時期などを調整することで、エンジン出力(回転数やエンジントルク)を制御する。回転駆動源がモータであれば、インバータを介してモータ出力(回転数やモータトルク)を制御する。
駆動力制御装置30の一例として、スロットルバルブの開度を制御する電子制御スロットルの構成について説明する。
図4は、電子制御スロットルのシステム構成図である。
吸気管路31(例えばインテークマニホールド)内には、径方向に延びるスロットルシャフト32を軸支してあり、このスロットルシャフト32に、吸気管路31の内径未満の直径を有する円盤状のスロットルバルブ33を固定してある。また、スロットルシャフト32には、減速機34を介してスロットルモータ35が連結してある。
したがって、スロットルモータ35を回転させてスロットルシャフト32の回転角を変化させるときに、スロットルバルブ33が吸気管路31内を閉じたり開いたりする。すなわち、スロットルバルブ33の面方向が吸気管路31の軸直角方向に沿うときに、スロットル開度が全閉位置となり、スロットルバルブ33の面方向が吸気管路31の軸方向に沿うときに、スロットル開度が全開位置となる。なお、スロットルモータ35、モータ駆動系、アクセルセンサ16系統、スロットルセンサ39系統等に異常が発生した場合に、スロットルバルブ33が全閉位置から所定量だけ開くように、スロットルシャフト32を開方向に機械的に付勢してある。
スロットルセンサ39は、二系統としてあり、スロットルバルブ33のスロットル開度SPOを検出する。このスロットルセンサ39は、例えばポテンショメータであり、スロットルバルブ33のスロットル開度を電圧信号に変換してエンジンコントローラ38へ出力する。エンジンコントローラ38は、入力した電圧信号からスロットルバルブ33のスロットル開度SPOを判断する。なお、スロットルバルブ33が全閉位置にあるときに、スロットル開度SPOが0%となり、スロットルバルブ33が全開位置にあるときに、スロットル開度SPOが100%となる。
エンジンコントローラ38は、通常は、ペダル開度PPOに応じて目標スロットル開度SPOを設定し、この目標スロットル開度SPOと実際のスロットル開度SPOとの偏差ΔPOに応じてモータ制御量を設定する。そして、このモータ制御量をデューティ比に変換し、パルス状の電流値によってスロットルモータ35を駆動制御する。また、エンジンコントローラ38は、コントローラ31からの駆動指令を受けるときに、その駆動指令を優先してスロットルモータ35を駆動制御する。例えば、駆動力を低下させる駆動指令を受けたときに、ペダル開度PPOに応じた目標スロットル開度SPOを減少補正してスロットルモータ35を駆動制御する。
上記が、駆動力制御装置30の説明である。
次に、ブレーキ制御装置50について説明する。
ブレーキ制御装置50は、各車輪の制動力を制御する。例えば、アンチスキッド制御(ABS)、トラクション制御(TCS)、スタビリティ制御(VDC:Vehicle Dynamics Control)等に用いられるブレーキアクチュエータにより、各車輪に設けられたホイールシリンダの液圧を制御する。
ブレーキ制御装置50の一例として、ブレーキアクチュエータの構成について説明する。
図5は、ブレーキアクチュエータの概略構成図である。
ブレーキアクチュエータ51は、マスターシリンダ52と各ホイールシリンダ53FL〜53RRとの間に介装してある。
マスターシリンダ52は、運転者のペダル踏力に応じて2系統の液圧を作るタンデム式のもので、プライマリ側をフロント左・リア右のホイールシリンダ53FL・53RRに伝達し、セカンダリ側を右前輪・左後輪のホイールシリンダ53FR・53RLに伝達するダイアゴナルスプリット方式を採用している。
各ホイールシリンダ53FL〜53RRは、ディスクロータをブレーキパッドで挟圧して制動力を発生させるディスクブレーキや、ブレーキドラムの内周面にブレーキシューを押圧して制動力を発生させるドラムブレーキに内蔵してある。
プライマリ側は、第1ゲートバルブ61Aと、インレットバルブ62FL(62RR)と、アキュムレータ63と、アウトレットバルブ64FL(64RR)と、第2ゲートバルブ65Aと、ポンプ66と、ダンパー室67と、を備える。
第1ゲートバルブ61Aは、マスターシリンダ52及びホイールシリンダ53FL(53RR)間の流路を閉鎖可能なノーマルオープン型のバルブである。インレットバルブ62FL(62RR)は、第1ゲートバルブ61A及びホイールシリンダ53FL(53RR)間の流路を閉鎖可能なノーマルオープン型のバルブである。アキュムレータ63は、ホイールシリンダ53FL(53RR)及びインレットバルブ62FL(62RR)間に連通してある。アウトレットバルブ64FL(64RR)は、ホイールシリンダ53FL(53RR)及びアキュムレータ63間の流路を開放可能なノーマルクローズ型のバルブである。第2ゲートバルブ65Aは、マスターシリンダ52及び第1ゲートバルブ61A間とアキュムレータ63及びアウトレットバルブ64FL(64RR)間とを連通した流路を開放可能なノーマルクローズ型のバルブである。ポンプ66は、アキュムレータ63及びアウトレットバルブ64FL(64RR)間に吸入側を連通し、且つ第1ゲートバルブ61A及びインレットバルブ62FL(62RR)間に吐出側を連通してある。ダンパー室67は、ポンプ66の吐出側に設けてあり、吐出されたブレーキ液の脈動を抑制し、ペダル振動を弱める。
また、セカンダリ側も、プライマリ側と同様に、第1ゲートバルブ61Bと、インレットバルブ62FR(62RL)と、アキュムレータ63と、アウトレットバルブ64FR(64RL)と、第2ゲートバルブ65Bと、ポンプ66と、ダンパー室67と、を備えている。
第1ゲートバルブ61A・61Bと、インレットバルブ62FL〜62RRと、アウトレットバルブ64FL〜64RRと、第2ゲートバルブ65A・65Bとは、夫々、2ポート2ポジション切換・シングルソレノイド・スプリングオフセット式の電磁操作弁である。また、第1ゲートバルブ61A・61B及びインレットバルブ62FL〜62RRは、非励磁のノーマル位置で流路を開放し、アウトレットバルブ64FL〜64RR及び第2ゲートバルブ65A・65Bは、非励磁のノーマル位置で流路を閉鎖するように構成してある。
また、アキュムレータ63は、シリンダのピストンに圧縮バネを対向させたバネ形のアキュムレータで構成してある。
また、ポンプ66は、負荷圧力に係りなく略一定の吐出量を確保できる歯車ポンプ、ピストンポンプ等、容積形のポンプで構成してある。
上記の構成により、プライマリ側を例に説明すると、第1ゲートバルブ61A、インレットバルブ62FL(62RR)、アウトレットバルブ64FL(64RR)、及び第2ゲートバルブ65Aが全て非励磁のノーマル位置にあるときに、マスターシリンダ52からの液圧がそのままホイールシリンダ53FL(53RR)に伝達され、通常ブレーキとなる。
また、ブレーキペダルが非操作状態であっても、インレットバルブ62FL(62RR)、及びアウトレットバルブ64FL(64RR)を非励磁のノーマル位置にしたまま、第1ゲートバルブ61Aを励磁して閉鎖すると共に、第2ゲートバルブ65Aを励磁して開放し、更にポンプ66を駆動することで、マスターシリンダ52の液圧を第2ゲートバルブ65Aを介して吸入し、吐出される液圧をインレットバルブ62FL(62RR)を介してホイールシリンダ53FL(53RR)に伝達し、増圧させることができる。
また、第1ゲートバルブ61A、アウトレットバルブ64FL(64RR)、及び第2ゲートバルブ65Aが非励磁のノーマル位置にあるときに、インレットバルブ62FL(62RR)を励磁して閉鎖すると、ホイールシリンダ53FL(53RR)からマスターシリンダ52及びアキュムレータ63への夫々の流路が遮断され、ホイールシリンダ53FL(53RR)の液圧が保持される。
さらに、第1ゲートバルブ61A及び第2ゲートバルブ65Aが非励磁のノーマル位置にあるときに、インレットバルブ62FL(62RR)を励磁して閉鎖すると共に、アウトレットバルブ64FL(64RR)を励磁して開放すると、ホイールシリンダ53FL(53RR)の液圧がアキュムレータ63に流入して減圧される。アキュムレータ63に流入した液圧は、ポンプ66によって吸入され、マスターシリンダ52に戻される。
セカンダリ側に関しても、通常ブレーキ・増圧・保持・減圧の動作は、上記プライマリ側の動作と同様であるため、その詳細説明は省略する。
ブレーキコントローラ54は、第1ゲートバルブ61A・61Bと、インレットバルブ62FL〜62RRと、アウトレットバルブ64FL〜64RRと、第2ゲートバルブ65A・65Bと、ポンプ66とを駆動制御することによって、各ホイールシリンダ53FL〜53RRの液圧を増圧・保持・減圧する。
なお、本実施形態では、ブレーキ系統をフロント左・リア右とフロント右・リア左とで分割するダイアゴナルスプリット方式を採用しているが、これに限定されるものではなく、フロント左右とリア左右とで分割する前後スプリット方式を採用してもよい。
また、本実施形態では、バネ形のアキュムレータ63を採用しているが、これに限定されるものではなく、各ホイールシリンダ53FL〜53RRから抜いたブレーキ液を一時的に貯え、減圧を効率よく行うことができればよいので、重錘形、ガス圧縮直圧形、ピストン形、金属ベローズ形、ダイヤフラム形、ブラダ形、インライン形など、任意のタイプでよい。
また、本実施形態では、第1ゲートバルブ61A・61B及びインレットバルブ62FL〜62RRが、非励磁のノーマル位置で流路を開放し、アウトレットバルブ64FL〜64RR及び第2ゲートバルブ65A・65Bが、非励磁のノーマル位置で流路を閉鎖するように構成しているが、これに限定されるものではない。要は、各バルブの開閉を行うことができればよいので、第1ゲートバルブ61A・61B及びインレットバルブ62FL〜62RRが、励磁したオフセット位置で流路を開放し、アウトレットバルブ64FL〜64RR及び第2ゲートバルブ65A・65Bが、励磁したオフセット位置で流路を閉鎖するようにしてもよい。
ブレーキコントローラ54は、通常は、アンチスキッド制御、トラクション制御、スタビリティ制御に従って、ブレーキアクチュエータ51を駆動制御することにより、各ホイールシリンダ53FL〜53RRの液圧を制御する。また、ブレーキコントローラ54は、コントローラ21からの駆動指令を受けたときに、その駆動指令を優先してブレーキアクチュエータ51を駆動制御する。例えば、4輪のうち、所定のホイールシリンダを増圧させる駆動指令を受けたときに、通常の目標液圧を増加補正してブレーキアクチュエータ51を駆動制御する。
上記が、ブレーキ制御装置60の説明である。
次に、コントローラ21で所定時間(例えば10msec)毎に実行する誤操作加速抑制制御処理について説明する。
図6は、誤操作加速抑制制御処理を示すフローチャートである。
先ずステップS101では、誤操作加速抑制機能スイッチ20がONになっているか否かを判定する。ここで、誤操作加速抑制機能スイッチ20がONになっているときに、誤操作加速抑制機能を運転者が望んでいると判断してステップS102に移行する。一方、誤操作抑制機能スイッチ20がOFFになっているときには、誤操作加速抑制機能を運転者は望んでいないと判断して、そのまま所定のメインプログラムに復帰する。
ステップS102では、自車両の現在位置が、公共一般に広く供される道路以外であるか否かを判定する。この判定は、自車両が駐車場、又は駐車スペースを有するエリアに位置するか否かを判別するものである。例えば、ナビゲーションシステム19で認識した自車両の現在位置と、その現在位置における道路情報に基づいて判定したり、カメラ11で撮像した画像データに基づいて判定したりする。カメラ11で撮像した画像データに基づいて判定する場合には、例えば交差点要素や走行車線を検出したときに、自車両の現在位置が道路に位置すると判定する。ここで、自車両の現在位置が道路以外であるときに、誤操作加速抑制機能の作動条件を満たしていると判断してステップS103に移行する。一方、自車両の現在位置が道路であるときには、誤操作加速抑制機能の作動条件を満たしていないと判断して、そのまま所定のメインプログラムに復帰する。
ステップS103では、車速Vが予め定めた車速閾値Vth未満であるか否かを判定する。車速Vは、車輪速センサ13の検出値に応じて検出し、例えば車輪速度VwFL〜VwRRの平均値等を車速Vとして検出する。また、車速閾値Vthは、例えば駐車エリアで、駐車枠へ駐車するときや、駐車枠から移動開始(発進)するとき等に使用される車速Vの最大値に相当し、例えば15km/h程度に設定してある。ここで、判定結果がV<Vthであるときに、誤操作加速抑制機能の作動条件を満たしていると判断してステップS104に移行する。一方、判定結果がV≧Vthであるときには、既に通常の走行状態に移行しているため、誤操作加速抑制機能の作動条件を満たしていないと判断して、そのまま所定のメインプログラムに復帰する。
ステップS104では、ブレーキがOFFである、つまりブレーキペダルが非操作状態であるか否かを判定する。ここで、ブレーキがOFFであるときに、誤操作加速抑制機能の作動条件を満たしていると判断してステップS105に移行する。一方、ブレーキがONであるときには、そもそも車両は加速しないため、誤操作加速抑制機能の作動条件を満たしていないと判断して、そのまま所定のメインプログラムに復帰する。
ステップS105では、アクセルのペダル開度PPOが予め定めた開度閾値Pth以上であるか否かを判定する。開度閾値Paは、運転者がアクセルペダルを踏んでいるか否かを判定するための閾値であり、例えば3%程度に設定してある。ここで、判定結果がPPO>Paであるときには、誤操作加速抑制機能の作動条件を満たしていると判断してステップS106に移行する。一方、判定結果がPPO≦Paであるときには、そもそも車両は加速しないため、誤操作加速抑制機能の作動条件を満たしていないと判断して、そのまま所定のメインプログラムに復帰する。
ステップS106では、カメラ11で撮像した画像データから駐車枠を検出し、その“駐車枠らしさ”を表す駐車枠確定レベルを判定する。例えば少なくとも車体の前後方向に対応する一対の線分を検出し、線分同士の離隔距離(枠の幅)、線分の長さ、線分の角度等に応じて、駐車枠確定レベルを判定する。駐車枠確定レベルは、例えば『検知なし』、『低』、『高』の三段階で判定する。
図7は、駐車枠内から駐車枠を検出した状態を示す図である。
続くステップS107では、後述する障害物検出処理を実行し、自車両の進行方向に存在する進行方向物体が静止物であるか否か、つまり制御対象となる障害物であるか否かを判定し、その“障害物らしさ”を表す障害物確定レベルを判定する。先ず、複数のソナー12の検出結果に応じて、障害物の有無を判断し、障害物があるなら、壁、車両、縁石や段差、ポール等、その種別も判断する。そして、障害物の有無、障害物の種別、及び障害物との検出距離Dsに応じて、障害物確定レベルを判定する。障害物確定レベルは、例えば『検知なし』、『低』、『高』の三段階で判定する。例えば、高さも幅もある壁を検出したときには、障害物確定レベルを『高』とする。また、一定の高さと幅がある車両を検出したときには、検出距離Dsが閾値Dth(例えば0.5m)よりも長いときに障害物確定レベルを『低』とし、検出距離Dsが閾値Dthよりも短いときに障害物確定レベルを『高』とする。また、高さの低い縁石や段差、また幅の狭いポールを検出したときには、障害物確定レベルを『低』とする。
図8は、車体前方に存在する壁を検出した状態を示す図である。
続くステップS108では、ペダル開度PPOが開度閾値Pth以上であるか否かを判定する。
ここで、開度閾値Pth及び時間閾値Tthについて説明する。
図9は、開度閾値Pth及び時間閾値Tthを示す図である。
ペダル開度PPOに対する基準の開度閾値Pthは、例えば50%程度に設定する。また、継続時間Teに対する基準の時間閾値Tthは、ペダル開度PPOが大きいほど小さい値に設定し、ペダル開度PPOが50〜70%のときには例えば0.65sec程度であり、ペダル開度PPOが70〜90%のときには例えば0.65〜0.1sec程度であり、ペダル開度PPOが90%以上のときには例えば0.1sec程度である。ペダル開度PPOが開度閾値Pthよりも大きく、且つ継続時間Teが時間閾値Tthよりも大きな領域では、ペダルの踏み間違いである、つまり加減速誤操作であると判定する。なお、ペダル開度PPOが大きいほど時間閾値Tthを小さくしているのは、ペダル開度PPOが100%に近い領域というのは、通常の運転操作で使用する頻度が低く、そのため継続時間Teが短くても、ペダルの踏み間違いであると容易に判定することができるからである。
そして、判定結果がPPO≧Pthであるときには、ブレーキペダルと間違えてアクセルペダルを踏み込んでいる可能性があると判断してステップS109に移行する。一方、判定結果がPPO<Pthであるときには、ブレーキペダルと間違えてアクセルペダルを踏み込んでいるか否かが明らかではないと判断してステップS112に移行する。
ステップS109では、ペダル開度PPOが開度閾値Pthを上回っている継続時間Teをタイマで計測する。
続くステップS110では、継続時間Teが時間閾値Tth以上であるか否かを判定する。ここで、判定結果がTe≧Tthであるときには、ブレーキペダルと間違えてアクセルペダルを踏み込んでいる可能性が高いと判断してステップS111に移行する。一方、判定結果がTe<Tthであるときには、ブレーキペダルと間違えてアクセルペダルを踏み込んでいるか否かが明らかではないと判断してステップS112に移行する。
ステップS111では、目標スロットル開度SPOを例えば0に設定してからステップS113に移行する。
ステップS112では、図10のテーブルを参照し、駐車枠確信レベル及び障害物確信レベルに応じて、目標スロットル開度SPOを設定する。
図10は、目標スロットル開度SPOの設定に用いるテーブルである。
ここでは、障害物確定レベルが『検知なし』の状態で、駐車枠確信レベルが『検知なし』のときには、目標スロットル開度SPOに対する抑制はしない。また、障害物確定レベルが『検知なし』の状態で、駐車枠確信レベルが『低』のときには、目標スロットル開度SPOを25%に制限する。また、また、障害物確定レベルが『検知なし』の状態で、駐車枠確信レベルが『高』のときには、目標スロットル開度SPOを25%に制限する。
また、障害物確定レベルが『低』の状態で、駐車枠確信レベルが『検知なし』のときには、目標スロットル開度SPOを25%に制限する。また、障害物確定レベルが『低』の状態で、駐車枠確信レベルが『低』のときには、目標スロットル開度SPOを25%に制限する。また、また、障害物確定レベルが『低』の状態で、駐車枠確信レベルが『高』のときには、目標スロットル開度SPOを0%に制限する。
また、障害物確定レベルが『高』の状態で、駐車枠確信レベルが『検知なし』のときには、目標スロットル開度SPOを0%に制限する。また、障害物確定レベルが『高』の状態で、駐車枠確信レベルが『低』のときには、目標スロットル開度SPOを0%に制限する。また、また、障害物確定レベルが『高』の状態で、駐車枠確信レベルが『高』のときには、目標スロットル開度SPOを0%に制限する。
こうして、目標スロットル開度SPOを設定してからステップS113に移行する。
ステップS113では、図11のテーブルを参照し、障害物確定レベルに応じて、目標減速度Axを設定する。
図11は、目標減速度Axの設定に用いるテーブルである。
ここでは、障害物確定レベルが『検知なし』のときには、ブレーキを作動させる必要がないため、目標減速度Axを0に設定する。また、障害物確定レベルが『低』のときには、自動的にブレーキを作動させるために、目標減速度Axを0.25Gに設定する。また、障害物確定レベルが『高』のときには、自動的にブレーキを作動させるために、目標減速度Axを0.5Gに設定する。
ステップS114では、エンジンコントローラ38を介してスロットルモータ35を駆動制御し、目標スロットル開度SPOの実現を図ると共に、ブレーキコントローラ54を介してブレーキアクチュエータ51を駆動制御し、目標減速度Axの実現を図る。また、スロットル開度SPOを0%や25%に制限したり、車両に0.25Gや0.5Gの減速度Axを発生させる等して、誤操作加速に対する抑制機能を作動させるときには、その旨をディスプレイ22やインジケータ23で表示したり、また報知音をスピーカ24から出力したりする。
こうして、各種駆動制御を実行してから所定のメインプログラムに復帰する。
上記が、誤操作加速抑制制御処理である。
次に、障害物検出処理について説明する。
図12は、障害物検出処理を示すフローチャートである。
先ずステップS121では、自車両の進行方向のソナー12を駆動する。すなわち、シフトポジションが前進レンジにあるときには、フロントソナー12F1〜12F4を駆動し、シフトポジションが後退レンジにあるときには、リアソナー12R1〜12R4を駆動する。なお、各ソナーを駆動する際には、4つのソナーを例えば車体左側から順に予め定めた周期で実行する。
図13は、各ソナーの駆動指令の波形図である。
例えばフロントソナー12F1〜12F4を駆動する際には、先ずソナー12F1を駆動指令♯1によって駆動し、次にソナー12F2を駆動指令♯2によって駆動し、次にソナー12F3を駆動指令♯3によって駆動し、次にソナー12F4を駆動指令♯4によって駆動する。こうして、4つの各ソナー12を一つずつ駆動し、一巡させる。
続くステップS122では、4つの各ソナーで検出する距離信号を、車体の左側から順にD1、D2、D3、D4とし、これら距離信号D1〜D4の全てを検出できたか否かを判定する。距離信号D1〜D4の全てを検出できていないときには、そのまま所定のメインプログラムに復帰する。一方、距離信号D1〜D4の全てを検出できているときにはステップS123に移行する。
ステップS123では、下記に示すように、距離信号D1〜D4のうち、最小値を物体までの検出距離Dsとして算出する。
Ds=min[D1、D2、D3、D4]
続くステップS124では、検出距離Dsに応じて、ソナーの検出範囲内における自車両の進行方向に物体が存在するか否かを判定する。ここで、検出距離Dsが検出されていないときには、自車両の進行方向に物体は存在しないと判断してステップS125に移行する。一方、検出距離Dsが検出されているときには、自車両の進行方向に物体が存在すると判断してステップS127に移行する。
ステップS125では、検知フラグをfd=0にリセットする。ここで、検知フラグfdとは、自車両の進行方向に物体が存在するか否かを表すフラグであり、自車両の進行方向に物体が存在するときにはfd=1にセットされ、自車両の進行方向に物体が存在しないときにはfd=0にリセットされる。
続くステップS126では、障害物フラグfs=0にリセットしてから所定のメインプログラムに復帰する。ここで、障害物フラグfsとは、検出した進行方向物体が静止物であり、自車両にとって障害物であると判断されるときにfs=1にセットされ、検出した進行方向物体が自障害物であるか不明であると判断されたときにfs=0にリセットされている。
続くステップS127では、反転フラグをft=0にリセットする。ここで、反転フラグftとは、障害物フラグがfs=1の状態からfs=0へと反転したことを表すフラグであり、障害物フラグがfs=1からfs=0へと反転したときに、ft=1にセットされ、それ以外のときにはft=0にリセットされている。
ステップS128では、検知フラグがfd=1にリセットされているか否かを判定する。ここで、判定結果がfd=0であるときには、前回の演算処理では自車両の進行方向に物体を検出していなかったが、今回の演算処理で自車両の進行方向に物体を検出した、つまり自車両の進行方向に物体を検出した直後であると判断してステップS129に移行する。一方、判定結果がfd=1であるときには、前回の演算処理以前に既に自車両の進行方向に物体を検出していた、つまり自車両の進行方向に物体を検出した直後ではないと判断してステップS131に移行する。
ステップS129では、検出距離Dsを初期検出距離Dbとして記憶する。
続くステップS130では、検知フラグをfd=1にセットしてから所定のメインプログラムに復帰する。
ステップS131では、車輪速センサ13の検出値に基づいて、初期検出距離Dbを記憶してからの自車両の進行距離ΔDを検出する。例えば、簡易的な手法として、初期検出距離Dbを記憶した時点を記憶しておき、その時点から車輪速センサ13の検出値によって求まる車輪の回転量(回転角)に応じて、自車両の進行距離ΔDを検出する。なお、4つのソナーは順に一つずつ駆動され、距離信号も順に取得されるため、全てを取得してから初期検出距離Dbを選出して記憶した時点と、初期検出距離Dbとして選出された距離信号を実際に検出した時点とは異なる。そこで、より正確に検出する手法として、4つの距離信号D1〜D4のうち、初期検出距離Dbとして選出された距離信号を検出した時点を記憶しておき、その時点から車輪速センサ13の検出値によって求まる車輪の回転量(回転角)に応じて、自車両の進行距離ΔDを検出してもよい。なお、進行距離ΔDとは、シフトポジションが前進レンジにあるときには前進距離であり、シフトポジションが後退レンジにあるときには後退距離である。
続くステップS132では、下記に示すように、初期検出距離Dbから自車両の進行距離ΔDを減算することにより、進行方向進行方向物体に対する自車両の推定距離Deを算出する。
De=Db−ΔD
続くステップS133では、検出距離Dsと推定距離Deとが一致しているか否かを判定する。判定結果がDs=Deであるときは、検出した進行方向物体が静止物であり、自車両にとっての障害物であると判断してステップS134に移行する。一方、判定結果がDs≠Deであるときには、検出した進行方向物体が静止物であるか不明である、又は検出した進行方向物体が移動物である可能性があると判断してステップS138に移行する。
ステップS134では、反転フラグがft=0にリセットされているか否かを判定する。ここで、判定結果がft=0であるときには、障害物フラグがfs=1からfs=0へと反転していないと判断してステップS135に移行する。一方、判定結果がft=1であるときには、障害物フラグがfs=1からfs=0へと反転したと判断してステップS136に移行する。
ステップS135では、障害物フラグをfs=1にセットしてから所定のメインプログラムに復帰する。
ステップS136では、検知フラグをfd=0にリセットする。
続くステップS137では、反転フラグをft=0にリセットしてからステップS135に移行する。
ステップS138では、障害物フラグがfs=1であるか否かを判定する。ここで、判定結果がfs=0であるときには、前回の演算処理でも検出した進行方向物体が障害物であるか不明であったと判断して、そのままメインプログラムに復帰する。一方、判定結果がfs=1であるときには、判定結果がfs=0であるときには、前回の演算処理では検出した進行方向物体が障害物であると判断していたが、今回の演算処理では障害物であるか不明であると判断してステップS139に移行する。
ステップS139では、反転フラグをft=1にセットする。
続くステップS140では、障害物フラグをfs=0にリセットしてから所定のメインプログラムに復帰する。
上記が、障害物検出処理である。
《作用》
次に、第1実施形態の作用について説明する。
例えば駐車エリアで、運転者がブレーキペダルと間違えてアクセルペダルを踏み込んでしまうと、運転者の意図に反して車両が加速してしまう。このとき、運転者はブレーキペダルを踏んでいるつもりなので、ペダル開度PPOは比較的大きく、且つ踏込んでいる時間もある程度の長さになると考えられる。
そこで、ペダル開度PPOが開度閾値Pth以上であるときに(ステップS108の判定が“Yes”)、ペダル開度PPOが開度閾値Pth以上となってからの継続時間Teをタイマで計測する(ステップS109)。そして、継続時間Teが時間閾値Tth以上であるときに(ステップS110の判定が“Yes”)、運転者がブレーキ操作と間違えてアクセル操作を行っている、つまり踏み間違っていると判定する。このとき、目標スロットル開度SPOを0に設定することで(ステップS111)、誤操作による車両の加速を抑制する。これにより、ペダルの踏み間違いで、つまり運転者の意図に反して車両が加速してしまうことを抑制することができる。
また、カメラ11で撮像した画像データから駐車枠を検出して、その駐車枠確定レベルを判定し(ステップS106)、複数のソナー12によって障害物を検出して、その障害物確定レベルを判定する(ステップS107)。そして、それら駐車枠確定レベル、及び障害物確定レベルに応じて、目標スロットル開度SPOを制限したり(ステップS112)、自動的にブレーキを作動させたりする(ステップS113)。これにより、ペダルの踏み間違いであるか不明であっても、駐車枠や障害物に対する自車両の位置関係によって、車両が加速してしまうことを抑制することができる。
ところで、自車両の進行方向に存在する進行方向物体を、障害物として認識するか否かは、その進行方向物体が静止物であるか、それとも移動物であるかによっても変わってくるため、その進行方向物体が静止物であるか否かを正確に判断することが望まれている。しかしながら、超音波を利用したソナー12は、その検出原理上、駆動周期(検出周期)が比較的長いため、高精度な相対速度を得にくい。こうした傾向は、特に複数のソナー12を並べて使用し、一つずつ順に駆動するような場合に顕著となる。したがって、単にソナー12で距離や相対速度を検出しているだけでは、その進行方向物体が静止物であるか否かを正確に判定することが難しい。
そこで、自車両の進行方向に存在する進行方向物体を検知すると共に、検知した進行方向物体までの検出距離Dsを算出し(ステップS123)、進行方向物体を最初に検知した時点からの自車両の進行距離ΔDに応じて、進行方向物体までの推定距離Deを算出しておく(ステップS132)。そして、進行方向物体を最初に検知した時点よりも後に、検出距離Dsと推定距離Deとが一致しているときに(ステップS134の判定が“Yes”)、進行方向物体が静止物であると判定し、障害物フラグをfs=1にセットする(ステップS135)。
このように、進行方向物体を最初に検知した時点からの自車両の進行距離ΔDに応じて、進行方向物体までの推定距離Deを追跡しながら算出しておき、この推定距離Deにより、検出距離Dsの“確からしさ”を判定する。すなわち、検出距離Dsと推定距離Deとが一致しているときに、進行方向物体が静止物であると判定することで、自車両の進行方向に存在する進行方向物体が静止物であるか否かの判定精度を向上させることができる。
ここで、具体的なシーンを例に説明する。
先ず、車幅方向と略平行な壁に向かって前進するシーンについて説明する。
図14は、車幅方向と略平行な壁に向かって前進するシーンを示す図である。
図15は、車幅方向と略平行な壁に向かって前進する際の、検出距離Ds及び障害物フラグfsを示すタイムチャートである。
ここでは、車幅方向と略平行な壁に向かって、自車両が一定の速度で前進しており、フロントソナー12Fの検知範囲まで壁が接近した時点t1で、前方の壁を検知し、検知フラグをfd=1にセットする。そして、このときの検出距離Dsを初期検出距離Dbとして記憶する(ステップS129)。以降の検出距離Dsは、初期検出距離Dbからステップ状に減少してゆき、前述したように、各ソナー12の駆動周期は比較的長いため、検出距離Dsの波形は粗く、検出周期が移行する際の段差が大きい。
また、前方の壁を最初に検知した時点t1からの自車両の進行距離ΔDを、車輪の回転に応じて検出し(ステップS131)、初期検出距離Dbから進行距離ΔDを減じることにより、前方の壁までの推定距離Deを算出する(ステップS132)。すなわち、最初に検知した時点t1の初期検出距離Dbを初期値とし、以降の車輪の回転に応じた進行距離ΔDをトラッキングしながら推定距離Deを算出する。この推定距離Deは、車輪速センサ13の検出信号に基づいており、ソナー12の検出周期よりも短いので、推定距離Deの波形は細かく、段差が小さい。
そして、次の検出周期となる時点t2で、検出距離Deと推定距離Deとが一致しており、これは自車両が前進した分だけ壁との距離が縮まっていることを意味するので、それが静止物であると判定し、障害物フラグをfs=1にセットする。また、その後の検出周期においても、検出距離Deと推定距離Deとが一致しているため、障害物フラグはfs=1を維持し、これにより反転フラグもft=0の状態を維持する。
仮に、検出距離Dsと推定距離Deとが一致しないときには(ステップS133の判定が“No”、且つステップS138の判定が“No”)、 最初に検知した進行方向物体がノイズや移動物であると考えられるため、静止物ではないと判定し、障害物フラグをfs=0にリセットしたままにする。このように、検知フラグがfd=1にセットされた時点t1で、直ちにそれを静止物であると判定するのではなく、検出距離Dsの“確からしさ”を推定距離Deによって裏付け、つじつまが合っているときだけ、前方の進行方向物体が静止物であると判定する。これにより、ノイズや移動物を静止物であると誤判定してしまうことを抑制し、判定制度を向上させることができる。
ここでは、車幅方向と略平行な壁に向かって前進しているシーンについて説明した。このようなシーンでは、停止した状態での距離信号D1〜D4が略等しいため、前進しながらの距離信号D1〜D4にも過大な差は生じにくい。そのため、距離信号D1〜D4の全てが出揃ってからセレクトローによって選出される検出距離Dsにも大きなバラツキは生じにくい。したがって、上記のように検出距離Dsと推定距離Deとは比較的一致しやすく、前方の進行方向物体が静止物であると容易に判定することができる。これにより、壁に向かって前進するような場合に、この壁を障害物として正確に認識し、適切な加速抑制を実施することができる。
次に、車幅方向と非平行な壁に向かって前進するシーンについて説明する。
図16は、車幅方向と非平行な壁に向かって前進するシーンを示す図である。
図17は、車幅方向と非平行な壁に向かって前進する際の、検出距離Ds及び障害物フラグfsを示すタイムチャートである。
ここでは、車体前部の右側よりも左側の方が、壁に対する接近度合いが高いシーンを示している。このように、車幅方向と非平行な壁に向かって、自車両が一定の速度で前進する場合も、フロントソナー12Fの検知範囲まで壁が接近した時点t1で前方の壁を検知し、検知フラグをfd=1にセットする。そして、このときの検出距離Dsを初期検出距離Dbとして記憶し、前方の壁を最初に検知した時点t1からの自車両の進行距離ΔDに応じて、前方の壁までの推定距離Deを算出する。
そして、次の検出周期となる時点t2で、検出距離Deと推定距離Deとが一致しているため、静止物であると判定し、障害物フラグをfs=1にセットする。しかしながら、次の検出周期となる時点t3では、検出距離Dsが推定距離Deよりも大きいため(ステップS133の判定が“No”、且つステップS138の判定が“Yes”)、障害物フラグをfs=0にリセットする。これにより、反転フラグをft=1にセットする(ステップS139)。
図16のシーンでは、各ソナー12Fで検出する距離信号D1〜D4のうち、セレクトローによって選出される検出距離Dsは、車体の最も左側に位置する距離信号D1となるはずである。しかしながら、距離信号D1を検出してからも、車両が前進を続けているため、その前進速度によっては距離信号D2を検出した時点で、D1>D2となる可能性がある。このように、停止した状態での距離信号D1〜D4に大きな差があると、前進しながらの距離信号D1〜D4に過大な差が生じる可能性があるため、距離信号D1〜D4の全てが出揃ってからセレクトローによって選出される検出距離Dsにも大きなバラツキが生じやすくなる。したがって、上記のように検出距離Dsと推定距離Deとが不一致になりやすく、前方の進行方向物体が静止物であると判定しにくくなる。
そこで、反転フラグをft=1にセットしたときには、検知フラグがfd=1である間は(ステップS128の判定が“Yes”)、初期検出距離Dbを初期値とする推定距離Deの算出を継続しておく(ステップS131、S132)。そして、次の検出周期となる時点t4で、検出距離Dsと推定距離Deとが再び一致しているので(ステップS133の判定が“Yes”、且つステップS134の判定が“No”)、進行方向物体が静止物であると再判定する(ステップS135)。これにより、障害物フラグが一旦はfs=0にリセットされたが、直ぐにfs=1に復帰させることができる。これにより、車幅方向と非平行な壁に向かって前進するような場合でも、この壁を障害物として正確に認識し、適切な加速抑制を実施することができる。
但し、初期検出距離Dbを起点とする推定距離Deの算出を、いつまでも継続していると、ノイズの混じった検出距離Dsと偶然一致してしまう可能性もあり、望ましくない。そこで、反転フラグがft=1にセットされた後に、検出距離Dsと推定距離Deとが再び一致したときには、初期検出距離Dbを起点とする推定距離Deの算出を中止するために、反転フラグをft=0にリセットする(ステップS137)。これにより、以降の検出周期では、反転フラグがft=0にリセットされているので(ステップS128の判定が“No”)、改めて初期検出距離Dbを記憶し直す、つまり更新する(ステップS129)。これにより、時点t1で記憶した初期検出距離Dbを不必要に保持し、それを起点とする推定距離Deの算出を、いつまでも継続してしまうことを回避できる。
上記のように、進行方向物体を最初に検知した時点からの自車両の進行距離ΔDに応じて、進行方向物体までの推定距離Deを追跡しながら算出しておき、この推定距離Deにより、検出距離Dsの“確からしさ”を判定する。すなわち、検出距離Dsと推定距離Deとが一致しているときに、進行方向物体が静止物であると判定することで、自車両の進行方向に存在する進行方向物体が静止物であるか否かの判定精度を向上させることができる。
《変形例》
本実施形態では、検出距離Dsと推定距離Deとが一致するときに、進行方向物体が静止物であると判定しているが、これに限定されるものではない。すなわち、検出距離Dsと推定距離Deとが略同一であると見なせるなら、多少のズレがあっても、進行方向物体が静止物であると判定するようにしてもよい。したがって、検出距離Dsと推定距離Deとの差が予め定めた範囲内にあるときには、進行方向物体が静止物であると判定してもよい。
以上より、各ソナー12、及びステップS121〜124の処理が「距離検出部」に対応し、ステップS132の処理が「距離推定部」に対応し、ステップS133、S135、S140の処理が「障害物判定部」に対応する。また、車輪速センサ13が「車輪回転検出部」に対応し、ステップS129の処理が「記憶部」に対応し、ステップS131の処理が「進行距離検出部」に対応する。また、ステップS121〜S124の処理が「距離検出処理部」に対応し、ステップS112〜S114の処理が「制駆動力制御部」に対応する。
《効果》
次に、第1実施形態における主要部の効果を記す。
(1)本実施形態の障害物検出装置は、自車両の進行方向に超音波を発してから反射波が返ってくるまでの時間に応じて、自車両の進行方向に存在する進行方向進行方向物体を検知すると共に、検知した進行方向物体までの検出距離Dsを算出する。また、進行方向物体を検知した時点からの自車両の進行距離ΔDに応じて、進行方向物体までの推定距離Deを算出する。そして、進行方向物体を検知した時点よりも後に、検出距離Dsと推定距離Deとの差が予め定めた範囲内にあるときに、進行方向物体が静止物であると判定する。
このように、進行方向物体を検知した時点からの自車両の進行距離ΔDに応じて、進行方向物体までの推定距離Deを追跡しながら算出しておき、この推定距離Deにより、検出距離Dsの“確からしさ”を判定する。すなわち、検出距離Dsと推定距離Deとが一致しているときに、進行方向物体が静止物であると判定することで、自車両の進行方向に存在する進行方向物体が静止物であるか否かの判定精度を向上させることができる。
(2)本実施形態の障害物検出装置は、進行方向物体を最初に検知した時点の検出距離Dsを初期検出距離Dbとして記憶しておき、進行方向物体を検知した時点からの自車両の進行距離ΔDを、車輪速センサ13で検出した車輪の回転に応じて検出する。そして、初期検出距離Dbから進行距離ΔDを減じることにより、進行方向物体までの推定距離Deを算出する。
このように、初期検出距離Dbを記憶し、車輪の回転に応じて自車両の進行距離ΔDを検出し、初期検出距離Dbから進行距離ΔDを減じることにより、進行方向物体までの推定距離Deを算出することで、推定距離Deを正確に、且つ容易に算出することができる。
(3)本実施形態の障害物検出装置は、自車両の車幅方向に沿って設けられた複数のソナー12を備え、複数のソナー12を順に駆動し、複数の検出距離D1〜D4のうち、最も小さな値を検出距離Dsとして算出する。また、進行方向物体が静止物であると判定していた状態から静止物ではないと判定が反転した場合、推定距離Deの算出を継続しておく。そして、進行方向物体が静止物であると判定していた状態から静止物ではないと判定を反転させた場合、その後、検出距離Dsと推定距離Deとが再び一致した時点で、進行方向物体が静止物であると再判定する。
このように、検出距離Dsと推定距離Deとが再び一致した時点で、進行方向物体が静止物であると再判定することにより、静止物ではないと一旦は判定されるものの、直ぐに静止物であるという判定に復帰させることができる。これにより、進行方向に存在する進行方向物体を、静止物であると正確に再判定することができる。
(4)本実施形態の障害物検出装置は、進行方向物体が静止物であると判定していた状態から静止物ではないと判定を反転させ、且つ進行方向物体が静止物であると再判定した場合、進行方向物体までの推定距離Deの算出を中止する。
このように、進行方向に存在する進行方向物体が静止物であると再判定したときには、推定距離Deの算出を中止することで、初期検出距離Dbを不必要に保持し、それを起点とする推定距離Deの算出を、いつまでも継続してしまうことを回避できる。
(5)本実施形態の障害物検出装置は、障害物検出処理で自車両の進行方向に存在する進行方向物体が静止物であると判定したときに、進行方向物体が自車両にとっての障害物であると判断し、進行方向物体までの検出距離Dsに応じて、車両駆動力を抑制すること、及び車両制動力を発生させることの少なくとも一方を行う。
このように、進行方向物体が静止物であると判定したときに、それを障害物であると判断し、車両駆動力を抑制したり、車両制動力を発生させたりすることにより、ペダルの踏み間違い等で、車両が加速してしまうことを抑制することができる。
(6)本実施形態の障害物検出方法は、自車両の進行方向に超音波を発してから反射波が返ってくるまでの時間に応じて、自車両の進行方向に存在する進行方向物体を検知すると共に、検知した進行方向物体までの検知距離Dsを算出する。また、進行方向物体を検知した時点からの自車両の進行距離ΔDに応じて、進行方向物体までの推定距離Deを算出しておく。そして、進行方向物体を検知した時点よりも後に、検出距離Dsと推定距離Deとが一致したときに、進行方向物体が静止物であると判定する。
このように、進行方向物体を検知した時点からの自車両の進行距離ΔDに応じて、進行方向物体までの推定距離Deを追跡しながら算出しておき、この推定距離Deにより、検出距離Dsの“確からしさ”を判定する。すなわち、検出距離Dsと推定距離Deとが一致しているときに、進行方向物体が静止物であると判定することで、自車両の進行方向に存在する進行方向物体が静止物であるか否かの判定精度を向上させることができる。
以上、限られた数の実施形態を参照しながら説明したが、権利範囲はそれらに限定されるものではなく、上記の開示に基づく実施形態の改変は、当業者にとって自明のことである。また、各実施形態は、任意に組み合わせて採用することができる。
11 カメラ
12 ソナー
13 車輪速センサ
14 操舵角センサ
15 シフトセンサ
16 アクセルセンサ
17 ブレーキストロークセンサ
18 加速度センサ
19 ナビゲーションシステム
20 誤操作加速抑制機能スイッチ
21 コントローラ
22 ディスプレイ
23 インジケータ
24 スピーカ
30 駆動力制御装置
31 吸気管路
32 スロットルシャフト
33 スロットルバルブ
34 減速機
35 スロットルモータ
37 アクセルペダル
38 エンジンコントローラ
39 スロットルセンサ
50 ブレーキ制御装置
51 ブレーキアクチュエータ
52 マスターシリンダ
53FL-53RR 各ホイールシリンダ
54 ブレーキコントローラ
60 ブレーキ制御装置
61A・61B ゲートバルブ
62FL-62RR インレットバルブ
63 アキュムレータ
64FL-64RR アウトレットバルブ
65A・65B ゲートバルブ
66 ポンプ
67 ダンパー室

Claims (5)

  1. 自車両の進行方向に超音波を発してから反射波が返ってくるまでの時間に応じて、自車両の進行方向に存在する進行方向物体を検知すると共に、検知した前記進行方向物体までの距離を検出する距離検出部と、
    前記距離検出部で前記進行方向物体を最初に検知した時点の前記進行方向物体までの距離を初期検出距離として記憶する記憶部と、
    前記距離検出部で前記進行方向物体を最初に検知した時点からの自車両の進行距離を検出する進行距離検出部と、
    前記記憶部で記憶した初期検出距離と前記進行距離検出部で検出した進行距離とに応じて、前記進行方向物体までの距離を推定する距離推定部と、
    前記距離検出部で前記進行方向物体を検知した時点よりも後に、前記距離検出部で検出した距離と前記距離推定部で推定した距離との差が予め定めた範囲内にあるときに、前記進行方向物体が静止物であると判定し、前記差が前記範囲外にあるときには、前記進行方向物体が静止物ではないと判定する障害物判定部と、を備え
    前記距離検出部は、
    自車両の車幅方向に沿って設けられた複数のソナーと、
    複数の前記ソナーを順に駆動し、複数の前記ソナーで検出した距離のうち、最も小さな値を前記進行方向物体までの距離として検出する距離検出処理部と、からなり、
    前記記憶部は、
    前記障害物判定部で前記進行方向物体が静止物であると判定していた状態から静止物ではないと判定が反転した場合、前記初期検出距離を保持し、
    前記障害物判定部は、
    前記進行方向物体が静止物であると判定していた状態から静止物ではないと判定を反転させた場合、その後、前記距離検出部で検出した距離と前記距離推定部で推定した距離との差が再び前記範囲内となった時点で、前記進行方向物体が静止物であると再判定することを特徴とする障害物検出装置。
  2. 自車両の車輪の回転を検出する車輪回転検出部を備え
    前記進行距離検出部は、
    前記距離検出部で前記進行方向物体を最初に検知した時点からの自車両の進行距離を、前記車輪回転検出部で検出した車輪の回転に応じて検出
    前記距離推定部は、
    前記記憶部で記憶した初期検出距離から前記進行距離検出部で検出した進行距離を減じることにより、前記進行方向物体までの距離を推定することを特徴とする請求項1に記載の障害物検出装置。
  3. 前記記憶部は、
    前記障害物判定部で、前記進行方向物体が静止物であると判定していた状態から静止物ではないと判定を反転させ、且つ前記進行方向物体が静止物であると再判定した場合、前記初期検出距離を記憶し直すことを特徴とする請求項1又は2に記載の障害物検出装置。
  4. 請求項1〜の何れか一項に記載の障害物検出装置と、
    前記障害物検出装置で自車両の進行方向に存在する進行方向物体が静止物であると判定したときに、前記進行方向物体が自車両にとっての障害物であると判断し、前記進行方向物体までの距離に応じて、車両駆動力を抑制すること、及び車両制動力を発生させることの少なくとも一方を行う制駆動力制御部と、を備えることを特徴とする加速抑制制御装置。
  5. 自車両の進行方向に超音波を発してから反射波が返ってくるまでの時間に応じて、自車両の進行方向に存在する進行方向物体を検知すると共に、検知した前記進行方向物体まで
    の距離を検出し、
    前記進行方向物体を最初に検知した時点からの自車両の進行距離を検出し、
    前記進行方向物体を最初に検知した時点の前記進行方向物体までの距離を初期検出距離として記憶し、
    前記初期検出距離と前記進行距離とに応じて、前記進行方向物体までの距離を推定し、
    前記進行方向物体を検知した時点よりも後に、検出した距離と推定した距離との差が予め定めた範囲内にあるときに、前記進行方向物体が静止物であると判定し、前記差が前記範囲外にあるときには、前記進行方向物体が静止物ではないと判定するものであって、
    前記進行方向物体までの距離を検出する際には、自車両の車幅方向に沿って設けられた複数のソナーを順に駆動し、複数の前記ソナーで検出した距離のうち、最も小さな値を前記進行方向物体までの距離として検出し、
    前記進行方向物体が静止物であると判定していた状態から静止物ではないと判定が反転した場合、前記初期検出距離を保持し、
    前記進行方向物体が静止物であると判定していた状態から静止物ではないと判定を反転させた場合、その後、検出した距離と推定した距離との差が再び前記範囲内となった時点で、前記進行方向物体が静止物であると再判定することを特徴とする障害物検出方法。
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