JP6238454B2 - 乳風味付与用粉末油脂組成物、および飲食品に乳風味を付与する方法 - Google Patents

乳風味付与用粉末油脂組成物、および飲食品に乳風味を付与する方法 Download PDF

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Description

本発明は、乳風味付与用粉末油脂組成物、および飲食品に乳風味を付与する方法に関する。さらに詳しくは、ミルク入りのコ−ヒ−、紅茶、ココアなど、乳原料を配合する飲食品の乳風味(ミルク風味)を増強し、乳原料の代替製品として使用することができる乳風味付与用粉末油脂組成物、および飲食品に乳風味を付与する方法に関する。
コ−ヒ−や紅茶は、世界中の多くの国で飲用されており、人々にとって非常になじみの深い嗜好飲料である。日本では、特にコ−ヒ−は巨大な飲料市場を形成しており、抽出されたコ−ヒ−に何も添加していない「ブラックタイプ(無糖)」をはじめとして、「レギュラ−タイプ」、「微糖タイプ」、「カフェオレタイプ」など、甘味料(グラニュー糖、白砂糖など)や乳原料などを種々の割合で添加したコ−ヒ−が、缶、紙パック、ペットボトル、瓶等の各種容器に詰められて、多種多様な形態の製品として製造・販売されている。それらの中でも、乳原料を添加したミルク風味のコ−ヒ−に対する需要は非常に高い。
コ−ヒ−や紅茶などに添加される乳原料としては、牛乳のほか、粉乳(全脂粉乳、脱脂粉乳)、練乳、クリ−ムなどがある。これらの乳原料のうち、牛乳は水分が約90%を占めることから変質しやすく、輸送や保管に細心の注意が必要となる。それに対し、粉乳は保存性に優れるため、輸送や保管は容易であるが、ミルク本来の風味とは異なる風味を呈する。牛乳を濃縮した粘状の液体物である練乳は調達コストが比較的安くて保存性も高く、粉乳にはない滑らかな組織を有するが、芳醇な特有の風味があることから、以前ほど使用されなくなっている。クリ−ムは、コ−ヒ−に、コク味やまろやかさを付与して風味を向上させるが、天然クリ−ムは調達コストが高く、品質の保持が困難であるため、現在では植物性油脂を利用した合成クリ−ムが主流となっている。
しかしながら、これらの乳原料は、その比率が高まるほど「コーヒーらしさ」から離れる傾向があり、かつ、脂肪分の分離を招くことが多くなる。加えて、これらの乳原料は製品出荷以降の温度変化や時間の経過によって固化して、浮遊、分離することがあるため、乳原料を多く含むコーヒー飲料を飲む場合には、よく振ってから飲むことが必要とされる。なお、製品に乳固形分を3%以上含むもの(カフェ・オ・レ、カフェ・ラッテ、コ−ヒ−牛乳など)は「乳および乳原料の成分規格等に関する省令(乳等省令)」に基づき「乳飲料」に分類されている。
また、従来、乳原料を含有したコーヒー飲料を製造する際に、コーヒー抽出液に乳原料を添加し、加熱殺菌すると、乳原料の凝集物や沈澱物が発生したり、本来コ−ヒ−のもつフレッシュな香りが損なわれて、好ましくない臭いが発生したりするという問題があった。
さらに、乳原料は加温販売時の熱によって酸化され、経時によって劣化が進むと特有の臭気を発するため、これを避けるためにビタミンE等の酸化防止剤が添加されるが、それでも加温による風味の寿命は1〜2週間程度(通常の賞味期限は製造日から1年程度)であった。
その他、最近の健康志向の高まりから、カロリ−の高い乳原料の摂取を極力控えたいという需要者の増加傾向が認められる。しかしながら、他方ではミルク風味を十分に楽しみたいという要望もある。そのため、摂取カロリ−をできるだけ少なくしつつ、ミルク風味を十分に味わうことができるコーヒー飲料が市場で求められている。
こうした状況を受け、乳原料の添加量を少なくしても、その分失われた乳風味を補うことができるように、飲食品の乳風味を強化する技術開発が進められており、現在まで多数報告されている。それらの報告のうち、いくつかについて以下に列挙する。
例えば、コーヒー抽出液や紅茶抽出液に乳化物を混合させても、油脂分の浮上分離やタンパクの沈澱を抑制することができ、乳風味豊かなミルク入りコーヒー飲料またはミルク入り紅茶飲料とすることが可能となる濃縮乳タイプ乳化物として、炭素数が8〜10である中鎖脂肪酸のみからなる中鎖脂肪酸油脂を5〜30質量%含有し、かつ生クリ−ムからバタ−を製造する際の副産物であるバタ−ミルク中の乳固形分を5〜30質量%含有することを特徴とする濃縮乳タイプ乳化物が報告されている(特許文献1)。
また、コーヒー、紅茶等の飲食物のミルク風味を増強させる方法として、固形分あたりの糖組成が、5糖類以上が40重量%以上であり、7糖類以上が35重量%以下である低糖化還元水飴を飲食物に添加する方法が報告されている(特許文献2)。
また、良好な乳風味とコク味を有するホイップクリ−ムとして用いることができる起泡性水中油型乳化組成物として、油脂を含有する油相と、高甘味度甘味料と乳清ミネラルを含有する水相とを混合し、乳化することにより得られる起泡性水中油型乳化組成物が報告されている(特許文献3)。
また、バタ−やチ−ズ等の乳原料の風味、コク味の賦与または増強するために、12−メチルトリデカナ−ルを1ppt〜100ppmの濃度で含有させ、乳脂肪感、ボディ−感、コク味などを増強することが報告されている(特許文献4)。
また、少量の乳成分しか含有しない飲食品に乳感と乳由来の香気や呈味といった乳風味を付与する方法、あるいは乳含有製品の乳風味をさらに向上する方法として、玄米あるいは催芽処理させた玄米を粉砕処理して得られる粉末を乳原料を含有する飲食品に添加し、加熱することにより、乳の香気が引き立ち、更に乳特有の生臭みが軽減され、乳特有の乳感や呈味も改良され、乳風味全体が向上した飲食品を得ることが報告されている(特許文献5)。
また、乳原料特有の甘いクリ−ミ−な香味を付与することができる乳風味賦与乃至増強剤として、(Z)−6−オクテナ−ルを有効成分として含有することを特徴とする乳風味賦与乃至増強剤が報告されている(特許文献6)。
また、食品中に乳味成分が少量存在するだけでも、充分な乳風味、コク味を得ることのできる、乳風味増強材の製造法として、コ−ン粉末と油脂を、水の沸点より低い温度で接触処理することを特徴とする乳風味増強材の製造法が報告されている(特許文献7)。
しかしながら、乳風味を増強するための従来技術は、コ−ヒ−や紅茶等の飲料の風味を損なう場合があり、自然な乳脂感、ミルク感、コクを付与するものではなかった。
そこで、こうした状況に鑑み、先に、本出願人は、飲食品本来の風味を損なうことなく、乳脂感、生乳のようなフレッシュなミルク感、および濃厚感のあるコクを増強、付与することができる乳風味付与用乳化組成物を提案した(特許文献8)。
特開2008−212100号公報 特開2008−259447号公報 特開2011−101637号公報 特開2010−158210号公報 特開2005−21047号公報 特開2003−189号公報 特開2000−4822号公報 特願2013−238629
特許文献8で提案された乳風味付与用乳化組成物は、飲食品に乳脂感やコク等を増強、付与することができ、乳原料の代替品として非常に有効である。しかしながら、製品の保存性や安定性の向上、取扱いの容易さ等、様々な目的のために、上記乳化組成物と同様の効果を奏する粉末状の乳風味付与用組成物が求められていた。
したがって、本願発明は、飲食品本来の風味を損なうことなく、乳脂感、生乳のようなフレッシュなミルク感、および濃厚感のあるコクを増強、付与することができる乳風味付与用粉末油脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために、主として、特許文献8で提案された乳風味付与用乳化組成物を基礎として研究を重ね、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
以下の(A)〜(D)成分を含有する乳風味付与用粉末油脂組成物であり、また、以下の(A)〜(D)成分を含有する水中油型乳化組成物を噴霧乾燥して得られる乳風味付与用粉末油脂組成物である。
(A)ラウリン酸系油脂
(B)乳化剤
(C)賦形剤
(D)水
また、本発明は、前記乳風味付与用粉末油脂組成物を飲食品に添加することを特徴とする、飲食品に乳風味を付与する方法である。
本発明は、乳成分を含有する飲食品に添加することで、該飲食品本来の風味を損なうことなく、該飲食品の乳脂感、ミルク感、コクを増強することができる。また、乳成分を含有しない飲食品に添加しても、該飲食品本来の風味を損なうことなく、該飲食品に乳脂感、ミルク感、コクを付与することができる。従来使用されていた乳原料に代わって、低カロリ−で安価な乳風味付与材料として使用することができる。
本発明の乳風味付与用粉末油脂組成物(以下、「粉末油脂組成物」という)は、(A)ラウリン酸系油脂、(B)乳化剤、(C)賦形剤、(D)水を含有する粉末油脂組成物であり、これらの成分を含有する乳化組成物を噴霧乾燥して得られるものである。以下、詳細に説明する。
(A)成分であるラウリン酸系油脂は、前記乳化組成物において油相部を形成するベースとなる成分であり、本発明の粉末油脂組成物に乳脂感、コクを付与し、かつ、粉末油脂組成物を水性媒体に溶解した際に良好な乳化安定性を可能にする成分である。本発明において、ラウリン酸系油脂とは、油脂の全構成脂肪酸中にラウリン酸を35%以上含む油脂の意味であり、特にはラウリン酸を35〜55%含み、かつ、パルミチン酸を4〜13%含む油脂が好適に使用される。ラウリン酸系油脂としては、ヤシ油、パ−ム核油、高ラウリン菜種油、またはその硬化(水添)、分別、エステル交換を実施した油脂が例示され、これらは1種または2種以上を混合して用いることができる。具体的には、精製ヤシ油、精製パ−ム核油、硬化ヤシ油、およびヤシ・パーム混合加工油脂から選択される1種または2種以上を用いることが好ましい。
ラウリン酸系油脂単独ではなく、ラウリン酸系油脂を主成分とする食用油脂混合物も(A)成分として用いることができる。この混合物において、ラウリン酸系油脂以外の食用油脂としては、パ−ム油、菜種油、大豆油、綿実油、サフラワ−油、コ−ン油、米油、ラ−ド、牛脂、魚油等の動植物油脂、乳脂肪等が例示され、これらは1種または2種以上を混合して用いることができる。なお、ラウリン酸系油脂とラウリン酸系油脂以外の食用油脂との混合物を用いる場合は、十分な乳風味付与が確実に行われるようにするため、通常、該混合物中のラウリン酸系油脂の含量を50質量%以上にすることが望ましい。
本発明の粉末油脂組成物の全質量(固形分)中に含まれるラウリン酸系油脂の量は、通常、5〜80質量%、好ましくは、10〜70質量%、より好ましくは、20〜70質量%である。5質量%未満であると、乳脂感、コクを十分に付与することができず、80質量%を超えると、油脂の呈味が強くなりすぎたり、粉末油脂組成物から滲出したりする恐れがある。
(B)成分である乳化剤としては、加工デンプン、アラビアガム、グリセリン脂肪酸エステル、キラヤ抽出物(キラヤサポニン)、ショ糖脂肪酸エステル、レシチン、酵素処理レシチン、ゼラチン、カゼイン、カゼインナトリウム、およびポリソルベ−トから選択される1種または2種以上を用いることが好ましい。これらのうち、加工デンプンを用いると、ラウリン酸系油脂の含有量をより一層増加させることができる点で好ましい。
加工デンプンは、デンプン本来の物理的性状を改善するために、デンプンに化学的、物理的または酵素的な加工を加えたものであり、具体的には、アセチル化アジピン酸架橋デンプン、アセチル化リン酸架橋デンプン、アセチル化酸化デンプン、オクテニルコハク酸デンプンナトリウム、酢酸デンプン、酸化デンプン、ヒドロキシプロピルデンプン、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプン、リン酸化デンプン、リン酸架橋デンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、デンプンリン酸エステルナトリウム、焙焼デキストリン、酸処理デンプン、アルカリ処理デンプン、漂白デンプン、酵素処理デンプンが例示される。これらの中でも、特に、オクテニルコハク酸デンプンナトリウムが好ましい。
グリセリン脂肪酸エステルとしては、例えば、モノグリセリン脂肪酸エステル、ジグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル等であって、脂肪酸部分はパルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、アラキジン酸、ベヘン酸であるものが例示される。
ショ糖脂肪酸エステルとしては、例えば、脂肪酸部分がパルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸であるものが例示される。
(B)乳化剤は、噴霧乾燥の対象となる、(A)〜(D)成分等を含有する乳化組成物の全質量に対し、0.1〜50質量%、好ましくは、5〜30質量%の配合組成とする。0.1質量%未満であると、十分に乳化が行われず、一方、50質量%を超えると、乳化剤に起因する好ましくない風味が発生してしまう恐れがある。
(C)成分である賦形剤としては、アラビアガム、加工デンプン、デキストリン、トレハロース、糖アルコール類、パラチニット、還元デンプン糖化物、粉末水飴等のDE(Dextrose Equivalent)20以上のデンプン分解物、ゼラチン、蛋白加水分解物、増粘多糖類、シクロデキストリン等から選択される1種または2種以上を用いることが好ましい。これらのうち、特にトレハロースは、作製された粉末油脂組成物の保存安定性を向上させるうえで好ましい。
本発明の粉末油脂組成物の全質量(固形分)中に含まれる賦形剤の量は、20〜90質量%、好ましくは、30〜60質量%である。20質量%未満であると、粉末状の形態に維持することが困難となり、一方、90質量%を超えると、賦形剤に起因する好ましくない風味が発生してしまう恐れがある。
(D)成分である水は、乳化剤、賦形剤等の水溶性成分を溶解して水相部を形成するために使用される。噴霧乾燥の対象となる、(A)〜(D)成分等を含有する乳化組成物における水の量は、水溶性成分の種類等に応じて適宜決定すればよいが、通常、該乳化組成物の全質量に対し、20〜70質量%である。20質量%未満であると、粘度が高くなるため乳化粒子の調製が難しくなる場合がある。一方、70質量%を超えると、乳化粒子が破壊されやすくなるため不安定になる場合がある。
作製された本発明の粉末油脂組成物の全質量中に含まれる水の量は、通常、7質量%以下とする。7質量%を超えると、粉末油脂組成物の品質が低下する恐れがある。
本発明の粉末油脂組成物には前述した(A)〜(D)成分に加えて、香料成分として、各種の合成香料、天然香料、天然精油、植物エキスなどを配合することができる。例えば、「特許庁、周知慣用技術集(香料)第II部食品香料、P88−131、平成12年1月14日発行」に記載されている天然精油、天然香料、合成香料を挙げることができる。
例えば、δ−カプロラクトン、γ−カプロラクトン、γ−ヘプタラクトン、γ−オクタラクトン、γ−ノナラクトン、γ−デカラクトン、7−デセン−4−オリド、3−メチル−4−デセン−4−オリド、3−メチル−5−デセン−4−オリド、γ−ウンデカラクトン、γ−ドデカラクトン、γ−トリデカラクトン、γ−テトラデカラクトン、2−ヘキセン−5−オリド、2−ヘプテン−5−オリド、δ−オクタラクトン、2−オクテン−5−オリド、4−メチル−5−オクタノリド、δ−ノナラクトン、2−ノネン−5−オリド、4−メチル−5−ノナノリド、δ−デカラクトン、2−デセン−5−オリド、4−メチル−5−デカノリド、δ−ウンデカラクトン、2−ウンデセン−5−オリド、4−メチル−5−ウンデカノリド、δ−ドデカラクトン、2−ドデセン−5−オリド、4−メチル−5−ドデカノリド、δ−トリデカラクトン、2−トリデセン−5−オリド、4−メチル−5−トリデカノリド、δ−テトラデカラクトン、2−テトラデセン−5−オリド、2−ペンタデセン−5−オリド、2−ヘキサデセン−5−オリド、2−ヘプタデセン−5−オリド、2−オクタデセン−5−オリド、2−ノナデセン−5−オリド、2−エイコセン−5−オリド、ε−デカラクトン等のラクトン類;プロピオン酸、酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、カプロン酸、トランス−2−ヘキセン酸、ヘプタン酸、カプリル酸、ノナン酸、5−ヒドロキシノナン酸、カプリン酸、2−デセン酸、4−デセン酸、5−デセン酸、6−デセン酸、9−デセン酸、5−ヒドロキシデセン酸、5−ヒドロキシウンデカン酸、ラウリン酸、5−ヒドロキシドデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、イソペンタデカン酸、パルミチン酸、ヘプタデカン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノ−ル酸、リノレン酸等の脂肪酸類;trans−2−オクテナ−ル、trans−2−ノネナ−ル、アセトアルデヒド、プロパナ−ル、ブタナ−ル、2−ブテナ−ル、ヘキサナ−ル、オクタナ−ル、4−ヘプテナ−ル、2,4−オクタジエナ−ル、ノナナ−ル、2−ノネナ−ル、2,4−ノナジエナ−ル、2,6−ノナジエナ−ル、デカナ−ル、2,4−デカジエナ−ル、12−メチルトリデカナ−ル、ウンデカナ−ル、2,4−ウンデカジエナ−ル、ドデカナ−ル、ベンズアルデヒド、バニリン、エチルバニリン、フルフラ−ル、ヘリオトロピンジエチルアセタ−ル等のアルデヒド類;蟻酸エチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソアミル、酢酸デシル、酢酸ドデシル、酢酸フェネチル、乳酸エチル、酪酸エチル、2−メチル酪酸エチル、3−エチル酪酸エチル、吉草酸メチル、カプロン酸メチル、カプロン酸エチル、ヘプタン酸メチル、ヘプタン酸エチル、カプリル酸エチル、カプリル酸イソアミル、カプリル酸ヘプチル、ノナン酸メチル、ノナン酸エチル、カプリン酸メチル、カプリン酸エチル、ウンデカン酸エチル、ラウリン酸メチル、ラウリン酸エチル、ミリスチン酸エチル、パルミチン酸エチル、サリチル酸メチル、コハク酸ジエチル、セバシン酸ジエチル、5−ヒドロキシヘキサン酸エチル、5−ヒドロキシデカン酸エチル、5−ヒドロキシウンデカン酸エチル、5−ヒドロキシデカン酸プロピル、5−ヒドロキシデカン酸イソプロピル、5−ヒドロキシオクタン酸2−メチルプロピル、5−ヒドロキシ−9−メチルデカン酸エチル等のエステル類;エタノ−ル、プロパノ−ル、ブタノ−ル、ペンタノ−ル、ヘキサノ−ル、ヘプタノ−ル、オクタノ−ル、ノナノ−ル、デカノ−ル、ベンジルアルコ−ル、フェニルエチルアルコ−ル、フルフリルアルコ−ル等のアルコ−ル類;フラネオ−ル、2−ヘプタノン、2−オクタノン、3−オクタノン、1−オクテン−3−オン、2−ノナノン、3−ノナノン、8−ノネン−2−オン、2−ウンデカノン、2−トリデカノン、アセトイン、5−ヒドロキシ−4−オクタノン、ジアセチル、2,3−ペンタジオン、2,3−ヘキサジオン、2,3−ヘプタジオン、アセチルイソバレリル、p−メトキシアセトフェノン、ベンゾフェノン、マルト−ル等のケトン類;フェニルエチルアンスラニレ−ト、トリメチルアミン、インド−ル、スカト−ル、ピリジン、イソキノリン、ピラジン、メチルピラジン、2−アセチルピロリン等の含窒素化合物類;メチルメルカプタン、イソブチルメルカプタン、2,4−ジチアペンタン、ジメチルスルフィド、ジメチルジスルフィド、2,4−ジチアペンタン、ジメチルトリスルフィド、ビス(2−メチル−3−フリル)ジスルフィド、ジメチルスルフォキシド、ジメチルスルフォン、メタンチオ−ル、メチルスルフォニルメタン、メチルイソチオシアネ−ト、エチルイソチオシアネ−ト、アリルイソチオシアネ−ト、2−メチル−3−ブタンチオ−ル、メチオナ−ル、チオ酢酸エチル、チオ酪酸メチル、3−ブテニルイソチオシアネ−ト、2−メチルチオフェン、ベンゾチアゾ−ル、スルフロ−ル、アセチル乳酸チオメチルエステル、プロピオニル乳酸チオメチルエステル、ブチリル乳酸チオメチルエステル、バレリル乳酸チオメチルエステル、2−メチルブチリル乳酸チオメチルエステル、デシリル乳酸チオメチルエステル、アセチル乳酸チオエチルエステル、プロピオニル乳酸チオエチルエステル、ブチリル乳酸チオエチルエステル、バレリル乳酸チオエチルエステル、イソカプロイル乳酸チオプロピルエステル、2−アセチル−2−チアゾリン等の含硫化合物類など公知の香料化合物;乳脂のリパ−ゼ分解物;乳タンパク質のプロテア−ゼ分解物;乳、濃縮乳、粉乳、ミルクホエイ、バタ−、チ−ズ、ヨ−グルトもしくはこれらの混合物からの乳または乳加工品の分画物などを挙げることができる。
前記香料のうち、特に12−メチルトリデカナール、δ−ヘキサラクトン、δ−オクタラクトン、δ−デカラクトン、δ−ドデカラクトン、δ−テトラデカラクトン、γ−ノナラクトン、γ−デカラクトン、γ−ウンデカラクトンおよびγ−ドデカラクトンから選択される1種または2種以上を用いることは、本発明の粉末油脂組成物によって付与される乳脂感、コクを強化し、ミルクの香味を付与する点で特に有効である。
また、本発明の粉末油脂組成物には、C4〜C18の脂肪酸を添加することができる。これによって、クリ−ミ−な濃厚感や生乳のようなフレッシュ感をさらに強化することができる。なかでも、酪酸、ヘキサン酸、ラウリン酸、ステアリン酸、およびオレイン酸から選択される1種または2種以上は、本発明の乳化組成物によって付与される乳脂感、コクを強化し、ミルクの香味を付与する点で特に有効である。
本発明の粉末油脂組成物には、本発明の効果を妨げない範囲で、その他の水溶性、油溶性の各種成分を配合することもできる。その他の成分としては、例えば、水溶性色素(例えば、食用赤色2号、同3号、同102号、同104号、同105号および第106号;食品黄色4号および同5号;食用緑色3号;食用青色1号および同2号等の合成タール系色素;カカオ色素、クチナシ黄色素、クチナシ青色素、クチナシ緑色素、グレープスキン色素、コチニール色素、紫トウモロコシ色素、紫キャベツ色素、シソ色素、ハイビスカス色素、レッドビート色素、紅花色素、ラック色素、ターメリック色素、カラメル色素等の天然色素);水溶性ビタミン(例えば、ビタミンC、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB12、ナイアシン、パントテン酸、葉酸);油溶性ビタミン(例えば、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK)、油溶性抗酸化剤(例えば、トコフェロ−ル類、ローズマリー抽出物、ビタミンCパルミテ−ト);香料保留剤(例えば、エチレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、ジプロピレングリコ−ル、グリセリン、ヘキシルグリコ−ル、ベンジルベンゾエ−ト、トリエチルシトレ−ト、ジエチルフタレ−ト、ハ−コリン、中鎖脂肪酸トリグリセリド、中鎖脂肪酸ジグリセリド);前記以外の乳化剤、増粘剤、安定剤等を例示することができる。
本発明の粉末油脂組成物は、水や水系食品に分散させたときの分散粒子の平均粒子径は300〜5000nmであり、特には、1000〜3000nmであることが好ましい。このような平均粒子径を呈することにより、本発明の粉末油脂組成物は、牛乳の水溶液よりも全脂粉乳等の水溶液に添加した際に乳脂感を非常にアップさせるなどの特徴をもたらす。平均粒子径が300nm未満であると、乳脂感、コクが十分に付与されず、ミルク感が損なわれる場合があり、一方、5000nmを超えると、乳脂感、コクが十分に付与されず、油脂の呈味が強くなりすぎる恐れがある。
前記分散粒子の平均粒子径は、粒子径測定機器を用いて測定すればよく、例えば、堀場製作所社製、レーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置 Partica LA−950V2(品名、登録商標)が例示される。
本発明の粉末油脂組成物は、そのまま飲食品にごく微量配合して乳風味を付与または増強することができる。該飲食品は乳成分を含有するものだけではなく、乳成分を含有しないものでもよい。本発明の乳化組成物は、乳成分を含有しない飲食品に添加しても、自然なミルク感、乳脂感、コクを付与することができる。
本発明の粉末油脂組成物の飲食品への配合量は、飲食品の種類や形態によって異なり一概に言えないが、例えば、飲食品の全体質量に対して、0.005〜2質量%の範囲を例示することができる。
本発明の粉末油脂組成物によって乳風味を付与することのできる飲食品の具体例としては何ら限定されるものではなく、例えば、コ−ラ飲料、果汁入炭酸飲料、乳類入炭酸飲料等の炭酸飲料類;果汁飲料、野菜飲料、スポ−ツドリンク、ハチミツ飲料、豆乳、ビタミン補給飲料、ミネラル補給飲料、栄養ドリンク、滋養ドリンク、乳酸菌飲料、乳飲料、ヨーグルト飲料等の食系飲料類;緑茶、紅茶、ウ−ロン茶、ハ−ブティ−、コーヒー飲料、ココア等の嗜好飲料類;チュ−ハイ、カクテルドリンク、発泡酒、果実酒、薬味酒等のアルコ−ル飲料類;バタ−、チ−ズ、ホイップクリーム、ミルク、脱脂粉乳、ヨ−グルト等の乳原料;アイスクリ−ム、ラクトアイス、氷菓、ヨ−グルト、プリン、ゼリ−、デイリ−デザ−ト等のデザ−ト類およびそれらを製造するためのミックス類;キャラメル、キャンディ−、錠菓、ホットケーキ、クラッカ−、ビスケット、クッキ−、パイ、チョコレ−ト、スナック等の菓子類およびそれらを製造するためのケ−キミックス等のミックス類;パン、ス−プ、ホワイトソース、各種インスタント食品等の一般食品類;を挙げることができる。
本発明が提供する粉末油脂組成物の製造方法は、必ずしも限定はされないが、好ましい製造方法としては、例えば、以下の各ステップを有する方法、すなわち、
a)水に、乳化剤、賦形剤等の水溶性成分を加えて60〜70℃で溶解し、水相部とするステップ、b)前記水相部を70〜75℃で15〜30分間程度、加熱殺菌し、その後、30〜70℃に冷却するステップ、c)前記冷却した水相部にラウリン酸系油脂、C4〜C18の脂肪酸、香料、油溶性抗酸化剤等の油溶性成分を30〜70℃で加えるステップ、d)前記油溶性成分と水相部とを乳化するため、T.K.ホモミクサー(プライミクス社製)等の高速回転式の撹拌機を用いて6000〜12000rpmで10〜30分間撹拌して、水中油型乳化組成物を調製するステップ、e)前記調製した水中油型乳化組成物を噴霧乾燥機で噴霧乾燥し、篩別して、本発明の粉末油脂組成物を得るステップ、を有する方法が例示される。噴霧乾燥、篩別して得た本発明の粉末油脂組成物の平均粒子径は、一般には、飲食品への溶解性等を考慮すると、50〜200μmが適当である。なお、本発明の粉末油脂組成物には、噴霧乾燥、篩別して得られた粉末をさらに凝集させて造粒化したものも含まれる。
以下に実施例を挙げ、本発明を更に詳細に説明する。
[油脂の比較]
[実施例1]
軟水160gに加工デンプン40gおよびトレハロース120gを60〜70℃で溶解させ、70〜75℃で15分間、加熱殺菌した後、40〜50℃に冷却した。その後、これにヤシ・パーム混合加工油脂(日油社製、融点約38℃、品名:スーパーヌーコアH)40g、市販ビタミンE0.4gを40〜50℃で加え、混合した。次いで、この混合液を、T.K.ホモミクサーを用いて8000rpmで10分間撹拌して水中油型乳化組成物を作製した後、スプレードライヤーL−8型(大川原化工機社製)で噴霧乾燥(送風温度:150℃)し、粉末油脂組成物174gを得た(発明品1)。
[実施例2]
ヤシ・パーム混合加工油脂40gに代えて、精製パーム核油40g(不二製油社製、融点約25℃)を使用するほかは実施例1と同様の手順に従い、粉末油脂組成物174gを得た(発明品2)。
[実施例3]
ヤシ・パーム混合加工油脂40gに代えて、精製ヤシ油40g(日清オイリオグループ社製、融点約25℃)を使用するほかは実施例1と同様の手順に従い、粉末油脂組成物174gを得た(発明品3)。
[実施例4]
ヤシ・パーム混合加工油脂40gに代えて、硬化ヤシ油40g(日清オイリオグループ社製、融点約31℃、品名:やし硬化油34)を使用するほかは実施例1と同様の手順に従い、粉末油脂組成物174gを得た(発明品4)。
[比較例1]
ヤシ・パーム混合加工油脂40gに代えて、精製パーム油40g(日清オイリオグループ社製、融点約38℃、品名:デリカプレミアム)を使用するほかは実施例1と同様の手順に従い、粉末油脂組成物174gを得た(比較品1)。
[比較例2]
ヤシ・パーム混合加工油脂40gに代えて、大豆硬化油40g(日清オイリオグループ社製、融点約30℃、品名:大豆硬化油34)を使用するほかは実施例1と同様の手順に従い、粉末油脂組成物174gを得た(比較品2)。
[比較例3]
ヤシ・パーム混合加工油脂40gに代えて、菜種硬化油40g(日清オイリオグループ社製、融点約33℃、品名:菜種硬化油34)を使用するほかは実施例1と同様の手順に従い、粉末油脂組成物174gを得た(比較品3)。
[比較例4]
ヤシ・パーム混合加工油脂40gに代えて、MCT(中鎖脂肪酸グリセリンエステル)40g(日清オイリオグループ社製、品名:ODO)を使用するほかは実施例1と同様の手順に従い、粉末油脂組成物174gを得た(比較品4)。
[比較例5]
ヤシ・パーム混合加工油脂40gに代えて、市販無塩バター40g(雪印メグミルク社製)を使用するほかは実施例1と同様の手順に従い、粉末油脂組成物174gを得た(比較品5)。
(官能評価)
市販牛乳20%水溶液および市販ミルク入り粉末コーヒー(原材料:インスタントコーヒー、植物油脂、脱脂粉乳、砂糖など)7%水溶液に発明品1〜4および比較品1〜5をそれぞれ0.1%添加・賦香し、その香味について、6名のパネルによる官能評価を行った。結果を表2、表3に示す。なお、前記原材料を用いて作製した水中油型乳化組成物の配合組成を表1に示す。
Figure 0006238454
Figure 0006238454
Figure 0006238454
表2、3の結果から明らかなように、牛乳20%水溶液、ミルク入り粉末コーヒー7%水溶液のいずれの場合でも、発明品1〜4は乳脂感、コクの増加が認められ、また、生乳と同様のミルク感が得られた。特に発明品1はその効果が顕著に認められた。
一方、比較品1〜5はいずれも乳脂感、コクの増加は感じられず、また、ミルク感も得られなかった。また、比較品1では牛乳とは異なる風味が感じられた。
以上の結果から、油脂のうち、ヤシ・パーム混合加工油脂、精製パーム核油、精製ヤシ油、硬化ヤシ油は、使用した乳化組成物を乳含有製品に添加することにより、乳脂感、コク、ミルク感を増加することができることが確認された。特にヤシ・パーム混合加工油脂はその効果が顕著であった。
[粉末油脂組成物の用途・効果確認]
[実施例5]
軟水160gに加工デンプン40gおよびトレハロース80gを60〜70℃で溶解した後、70〜75℃で15分間、加熱殺菌した後、40〜50℃に冷却した。その後、これにヤシ・パーム混合加工油脂(日油社製、スーパーヌーコアH、融点約38℃、登録商標)80g、市販ビタミンE0.4gを40〜50℃で加え、混合した。次いで、この混合液を、T.K.ホモミクサーを用いて8000rpmで10分間撹拌して水中油型乳化組成物を作製した後、スプレードライヤーL−8型(大川原化工機社製)で噴霧乾燥(送風温度:150℃)し、粉末油脂組成物170gを得た(発明品5)。
[実施例6]
ヤシ・パーム混合加工油脂80gにミルク香料A(長谷川香料社製)を加えて使用するほかは実施例5と同様の手順に従い、粉末油脂組成物170gを得た(発明品6)。
[実施例7]
ヤシ・パーム混合加工油脂80gにコーン香料B(長谷川香料社製)を加えて使用するほかは実施例5と同様の手順に従い、粉末油脂組成物170gを得た(発明品7)。
[実施例8]
ヤシ・パーム混合加工油脂80gにバター香料C(長谷川香料社製)を加えて使用するほかは実施例5と同様の手順に従い、粉末油脂組成物170gを得た(発明品8)。
[比較例6]
ヤシ・パーム混合加工油脂80gに代えて、MCT80gを使用するほかは実施例5と同様の手順に従い、粉末油脂組成物170gを得た(比較品6)。
[比較例7]
ヤシ・パーム混合加工油脂80gに代えて、MCT80gを使用し、さらにミルク香料Aを加えて使用するほかは実施例5と同様の手順に従い、粉末油脂組成物170gを得た(比較品7)。
[比較例8]
ヤシ・パーム混合加工油脂80gに代えて、MCT80gを使用し、さらにコーン香料Bを加えて使用するほかは実施例5と同様の手順に従い、粉末油脂組成物170gを得た(比較品8)。
[比較例9]
ヤシ・パーム混合加工油脂80gに代えて、MCT80gを使用し、さらにバター香料Cを加えて使用するほかは実施例5と同様の手順に従い、粉末油脂組成物170gを得た(比較品9)。
[官能評価]
(粉末ココア飲料)
市販の粉末ココア飲料(カカオバター約23%、植物油脂、全粉乳などを含む)15gを熱水100gで溶解し、これに発明品5、6および比較品6、7をそれぞれ0.1%添加・賦香した。さらに、粉末油脂組成物を添加しない無添加品(参考品1)を同様の手順で調製した。これらのココア飲料の香味について、10名のパネルによる官能評価を行った。結果を表4に示す。
Figure 0006238454
表4の結果から明らかなように、本発明の粉末油脂組成物を添加した発明品5、6は乳脂感、コクが付与されており、特にミルク香料を添加した発明品6はミルクの香気がアップしていた。
一方、本発明の粉末油脂組成物とは異なる粉末油脂組成物を添加した比較品6、7はミルクの乳脂感、コクが付与されておらず、粉末油脂組成物とミルク香料を添加していない参考品1は、ミルクの濃厚感が弱かった。
(粉末コーンクリームスープ)
市販のコーンクリームスープ粉末10gを熱水150gで溶解し、これに発明品5、7および比較品6、8をそれぞれ0.1%添加・賦香した。さらに、粉末油脂組成物を添加しない無添加品(参考品2)を同様の手順で調製した。これらのコーンクリームスープの香味について、10名のパネルによる官能評価を行った。結果を表5に示す。
Figure 0006238454
表5の結果から明らかなように、本発明の粉末油脂組成物を添加した発明品5、7は乳脂感、コクが付与されており、特にコーン香料を添加した発明品7はコーンの香気がアップしていた。
一方、本発明の粉末油脂組成物とは異なる粉末油脂組成物を添加した比較品6、8はミルクの乳脂感、コクが付与されておらず、粉末油脂組成物とコーン香料を添加していない参考品2は、コーンの香気とミルクの風味が弱かった。
(ホットケーキ)
市販のホットケーキミックス65g、牛乳60gに発明品5、8、比較品6、9をそれぞれ0.1%添加・賦香し、良く撹拌して生地を調製した。次いで、フライパンで該生地の両面を各3分ずつ焼いて、ホットケーキを作製した。さらに、粉末油脂組成物を添加しない無添加品(参考品3)を同様の手順で調製し、同様の手順でホットケーキを作製した。これらのホットケーキの香味について、10名のパネルによる官能評価を行った。結果を表6に示す。
Figure 0006238454
表6の結果から明らかなように、本発明の粉末油脂組成物を添加した発明品5、8は乳脂感、コクが付与されており、特にバター香料を添加した発明品8はバターの香気がアップしていた。
一方、本発明の粉末油脂組成物とは異なる粉末油脂組成物を添加した比較品6、9はミルクの乳脂感、コクが付与されておらず、粉末油脂組成物とバター香料を添加していない参考品3は、あっさりとし、濃厚感やコクが弱かった。

Claims (12)

  1. 以下の(A)〜(D)成分を含有する乳風味付与用粉末油脂組成物。
    (A)ラウリン酸系油脂
    (B)加工デンプン
    (C)トレハロース
    (D)水
  2. 以下の(A)〜(D)成分を含有する水中油型乳化組成物を噴霧乾燥して得られる乳風味付与用粉末油脂組成物。
    (A)ラウリン酸系油脂
    (B)加工デンプン
    (C)トレハロース
    (D)水
  3. (A)ラウリン酸系油脂が、精製ヤシ油、精製パ−ム核油、硬化ヤシ油、およびヤシ・パーム混合加工油脂から選択される1種または2種以上である請求項1または2に記載の乳風味付与用粉末油脂組成物。
  4. 香料をさらに含む請求項1〜のいずれか1項に記載の乳風味付与用粉末油脂組成物。
  5. 香料が、12−メチルトリデカナール、δ−ヘキサラクトン、δ−オクタラクトン、δ−デカラクトン、δ−ドデカラクトン、δ−テトラデカラクトン、γ−ノナラクトン、γ−デカラクトン、γ−ウンデカラクトン、およびγ−ドデカラクトンから選択される1種または2種以上である請求項に記載の乳風味付与用粉末油脂組成物。
  6. C4〜C18の脂肪酸をさらに含む請求項1〜のいずれか1項に記載の乳風味付与用粉末油脂組成物。
  7. C4〜C18の脂肪酸が、酪酸、ヘキサン酸、ラウリン酸、ステアリン酸、およびオレイン酸から選択される1種または2種以上である請求項に記載の乳風味付与用粉末油脂組成物。
  8. 前記乳風味付与用粉末油脂組成物を水に分散させたときの分散粒子の平均粒子径が300〜5000nmである請求項1〜のいずれか1項に記載の乳風味付与用粉末油脂組成物。
  9. 飲食品に、乳脂感と乳のコクを付与することができる請求項1〜のいずれか1項に記載の乳風味付与用粉末油脂組成物。
  10. 以下のステップを有する乳風味付与用粉末油脂組成物の製造方法。
    a)水に、加工デンプントレハロースを加えて溶解し、水相部とするステップ、
    b)前記水相部を加熱殺菌し、その後、30〜70℃に冷却するステップ、
    c)前記冷却した水相部にラウリン酸系油脂を30〜70℃で加え、撹拌して、水中油型乳化組成物を調製するステップ、
    d)前記調製した水中油型乳化組成物を噴霧乾燥させて粉末乾燥化して、乳風味付与用粉末油脂組成物を製造するステップ。
  11. 請求項1〜のいずれか1項に記載の乳風味付与用粉末油脂組成物が添加された飲食品。
  12. 請求項1〜のいずれか1項に記載の乳風味付与用粉末油脂組成物を飲食品に添加することを特徴とする、飲食品に乳風味を付与する方法。
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