JP6222974B2 - 光ポンピング磁力計および磁気センシング方法 - Google Patents

光ポンピング磁力計および磁気センシング方法 Download PDF

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Description

本発明は、光ポンピング磁力計、磁気センシング方法に関する。
高感度な磁気検出方法としてアルカリ金属蒸気の電子スピンを利用した光ポンピング磁力計が提案されている。
非特許文献1(Applied Physics B,80,645)では、セシウムを含むガラスセルのラーモア周波数の変動を利用して磁場を検出する光ポンピング磁力計が開示されている。
この光ポンピング磁力計ではセシウム蒸気の電子スピンが励起コイルから印加される振動磁場によって運動し、スピン偏極の向きに応じて通過するレーザ光の吸収率が変化する。透過レーザ光の強度をフォトディテクタで検出し、振動磁場と同じ周波数で変化する信号を得る。フォトディテクタの信号と振動磁場を発生させるために励起コイルへと供給される電気信号の位相差に着目してラーモア周波数の変動を読み出し、測定物から生ずる磁場を測定するものである。
Applied Physics B,80,645
上記した従来例の光ポンピング磁力計では、アルカリ金属蒸気の電子スピンの横緩和時間T2が位相差とラーモア周波数の変動の比例係数となるので横緩和時間が大きいほど測定物から生ずる磁場に対する磁力計の応答は向上する。
しかしながら、上記従来例のものにおいては、アルカリ金属蒸気の電子スピンの横緩和時間と比べて被測定物から生ずる磁場の変動周期が短い変動磁場を計測する際に、横緩和時間を増大させても磁力計の応答が向上しないという課題を有している。
本発明は、上記課題に鑑み、ラーモア周波数の変動によって磁場を計測する際に、
アルカリ金属原子の電子スピンの横緩和時間よりも短い周期で変動する磁場に対し磁力計の応答を向上させ、高感度に磁気信号を計測することが可能となる光ポンピング磁力計および磁気センシング方法の提供を目的とする。
本発明の光ポンピング磁力計は、ラーモア周波数の変動によって磁場を計測する光ポンピング磁力計であって、
アルカリ金属原子集団を有するセルと前記セル内の前記アルカリ金属原子集団のスピン偏極を生じさせるため、前記セルに円偏光ポンピング光を照射する手段と、
前記アルカリ金属原子集団のスピンを読み出すための直線偏光プローブ光を出射する手段と、
前記直線偏光プローブ光の偏光面の回転変位を検出するプローブ光検出系と、
前記アルカリ金属原子集団に静磁場を印加する静磁場印加コイルと、
前記アルカリ金属原子集団のスピンを軸とした回転運動させるための振動磁場を印加する振動磁場印加コイルと、
前記プローブ光検出系の出力信号と前記振動磁場印加コイルへ入力する駆動電流の位相差を含む情報を検出する手段と、
を備え、
前記静磁場から定まるラーモア周波数と前記振動磁場印加コイルへ入力される前記駆動電流の周波数の差である離調が、
前記静磁場または前記振動磁場を調整することによって、前記光ポンピング磁力計の応答性を向上させるように、被測定磁場に対して所定の範囲内に設定可能に構成されていることを特徴とする。
また、本発明の磁気センシング方法は、ラーモア周波数の変動によって磁場を計測する磁気センシング方法であって、
アルカリ金属原子集団を有するセルと前記セル内の前記アルカリ金属原子集団のスピン偏極を生じさせるための円偏光ポンピングを行う工程と、
前記アルカリ金属原子集団のスピンを読み出す工程と、
前記アルカリ金属原子集団に静磁場を印加する静磁場印加工程と、
前記アルカリ金属原子集団のスピンを静磁場を軸とした回転運動させるための振動磁場を印加する振動磁場印加工程と、
前記アルカリ金属原子集団のスピンを読み出す工程で得られる出力信号と前記振動磁場印加工程において振動磁場を生成する入力信号の位相差を含む情報を検出する工程と、
前記静磁場から定まるラーモア周波数と前記振動磁場を印加するコイルへ入力される前記駆動電流の周波数の差である離調を、
前記静磁場または前記振動磁場を調整することによって、前記光ポンピング磁力計の応答性を向上させるように、被測定磁場に対して所定の範囲内に設定する工程と、
を有することを特徴とする。
また、本発明のプログラムは、上記した磁気センシング方法の各工程をコンピュータに実行させることを特徴とする。
また、本発明の記録媒体は、上記したプログラムを記録した前記コンピュータが読み取り可能であることを特徴とする。
本発明によれば、ラーモア周波数の変動によって磁場を計測する際に、
アルカリ金属原子の電子スピンの横緩和時間よりも短い周期で変動する磁場に対し磁力計の応答を向上させ、高感度に磁気信号を計測することが可能となる光ポンピング磁力計および磁気センシング方法を実現することができる。
本発明の実施例1における光ポンピング磁力計の構成例を説明する図。 本発明の実施例1におけるプローブレーザ光がガラスセルを通過する際に生ずる直線偏光面の回転変位と励起コイルから印加される振動磁場との位相差と離調の関係を表す図。 本発明の実施例1における被測定磁場の周波数と光ポンピング磁力計の応答について実験により得られた結果を表す図。 本発明の実施例1における光ポンピング磁力計の応答とラーモア周波数からの振動磁場の離調について実験により得られた結果を表す図。 本発明の実施例1における振動磁場を離調した光ポンピング磁力計の応答と被測定磁場の周波数の関係を表す図。 本発明の実施例1における振動磁場を100H以上離調した場合を含む光ポンピング磁力計の応答と被測定磁場の周波数の関係を表す図。 本発明の実施例2における光ポンピング磁力計を生体磁気計測に適用した構成例を説明する図。 本発明の実施例2におけるセンサ電装部の構成と磁気センサ部との接続関係を示す図。 本発明の実施例2における磁気センサ部の構成について示す図。 本発明の実施例2における磁気センサ部と磁気センサ部の磁力計の応答と微小磁場の周波数の関係を表す図。
本発明を実施するための形態を、以下の実施例により説明する。
[実施例1]
実施例1として、本発明を適用したラーモア周波数の変動によって磁場を計測する光ポンピング磁力計の構成例について、図1を用いて説明する。
本実施例ではアルカリ金属原子はカリウムとし、カリウムのD1遷移を利用して光ポンピングを行う。
なお、光ポンピングはカリウムのD2遷移を利用してもよい。
また、アルカリ金属原子はカリウムに限らず、ルビジウムやセシウムであってもよい。
ガラスセル22内にはカリウム原子、カリウム原子とガラスセル22のガラス壁との衝突を緩和するバッファガスとしてヘリウム、クエンチのための窒素が封入されている。バッファガスはヘリウムに限らずネオンやアルゴンでもよい。
ガラスセル内に十分な量のカリウム金属蒸気を得るために、ガラスセル22は電流源16により供給される電流によって発熱するヒーター15により100℃程度まで加熱される。
ガラスセル22およびヒーター15は断熱性能が高い部材からなる恒温槽21に納められている。
恒温槽21はポンプレーザ光およびプローブレーザ光を透過させるための窓が設けられている。
光ポンピングレーザ光源1は、カリウムのD1遷移に共鳴する波長で真空中において波長は770.108nmで直線偏光であるポンプレーザ光を出射する。
ポンプレーザ光は1/4波長板3で円偏光ポンピング光に変換され、レンズ51を介して光ファイバ61に結合し、レンズ71にてコリメートされてカリウム原子を含むガラスセル22へと照射される。
ポンプレーザ光の作用によりガラスセル22内ではカリウム原子のスピン偏極が生ずる。プローブレーザ光源2の波長はカリウムのD1遷移の共鳴波長よりも短波長側にシフトしており波長は769.9nmである。
また、プローブレーザ光源2は直線偏光であるプローブレーザ光(直線偏光プローブ光)を出射する。プローブレーザ光は1/2波長板4を通過し、レンズ52を介して光ファイバ62へと結合する。1/2波長板4はプローブレーザ光の直線偏光の方位を調整するために設けられている。プローブレーザ光は光ファイバ62を伝搬し、レンズ72にてコリメートされて出射される。
プローブレーザ光が恒温槽21に設けられた窓を通りガラスセル22を通過する際、ガラスセル22内のスピン偏極したカリウム原子の電子スピン偏極によりファラデー効果が生じ、プローブレーザ光の直線偏光面は回転変位する。
なお、コイル17(静磁場印加コイル)は、電流源18から供給される電流によりガラスセル22に対してポンプレーザ光の進行方向と平行に一様な強度1.429μTの静磁場を印加する。
ここで、静磁場に対応するラーモア周波数を定義する。
ラーモア周波数はある静磁場中に置かれたスピン偏極が静磁場の向きを回転軸として歳差運動するときの周波数であり、磁場の大きさに比例する。
1.429μTの静磁場に対するカリウム原子のスピン偏極のラーモア周波数は10kHzとなる。
但し、本実施例のように、次に説明する励起コイル19(振動磁場印加コイル)によってさらに振動磁場を印加する光ポンピング磁力計においては、実際のスピンの歳差運動の周波数はラーモア周波数ではなく振動磁場と同じ周波数となる。なお、本実施例ではカリウム原子の電子スピンのラーモア周波数は10kHzとしているが、これに限るものではない。
励起コイル19は信号発生器20から供給される駆動電流により静磁場に対して図1紙面垂直方向から振動磁場をガラスセル22に印加する。
ガラスセル22内のカリウム原子の電子スピンは印加された振動磁場の周波数と同じ周波数で運動するため、プローブレーザ光の直線偏光面の回転は振動磁場の周波数と同じ周波数で変動する。
励起コイル19から印加される振動磁場の周波数あるいは信号発生器20から供給される駆動電流の周波数については後述する。
ここで、プローブ光検出系について説明すると、偏光ビームスプリッタ8によりガラスセル22を通過したプローブレーザ光のP波偏光は透過、S波偏光は反射される。
偏光ビームスプリッタ8を透過したプローブレーザ光のP波偏光はレンズ91を介して光ファイバ101へ結合し、光ファイバ101の終端のフォトディテクタ111にて電気信号に変換される。
また、偏光ビームスプリッタ8にて反射されたプローブレーザ光のS波偏光はレンズ92を介して光ファイバ102に結合し、光ファイバ102の終端のフォトディテクタ112にて電気信号に変換される。
フォトディテクタ111とフォトディテクタ112の電気信号は差動増幅装置13によって差分および増幅され位相検出器23へ入力される。
また信号発生器20の駆動電流の一部を分岐して位相検出器23へと電圧入力される。
位相検出器23は差動増幅装置13の出力と信号発生器20の出力の位相差に比例した電気信号を出力し、AD変換器を介してパーソナルコンピュータ24にてデジタル演算処理が行われた後に被測定磁場信号を出力する。
本実施例では位相検出器23の位相差に比例した電気信号の出力を用いているが、信号発生器20の駆動電流を参照信号として差動増幅装置13の出力の90°位相シフト成分を用いても磁場を測定することもできる。
例えば、2位相ロックインアンプにおいて正弦成分に比例した出力を用いてもよい。
なお、ベース14上に恒温槽21、ガラスセル22、ヒーター15、レンズ71、レンズ72、偏光ビームスプリッタ8、レンズ91、レンズ92、が固定されている。そして、ベース14の移動または運搬に際しプローブレーザおよび光ポンプレーザ光の光軸がずれないようになっている。
また、光ファイバ61および光ファイバ62はプローブレーザ光およびポンプレーザ光の偏光面揺らぎを抑制する目的で偏波面保持光ファイバであってもよい。その場合、本実施例では光ポンピングレーザ光源1から出射したポンプレーザ光を1/4波長板3を用いて円偏光に変換しているが、ポンプレーザ光を光ファイバ61へ結合しレンズ71にてコリメートされた後に1/4波長板3を配置して円偏光に変換する。
同様にプローブレーザ光源2から出射したプローブレーザ光を1/2波長板4を用いて直線偏光の方位を調整しているが、プローブレーザ光を光ファイバ62へ結合しレンズ72にてコリメートされた後に1/2波長板4を配置して直線偏光の方位を調整する。
つぎに、本発明による光ポンピング磁力計の応答、被測定磁場の周波数およびT2の関
係について詳細に説明した後、応答向上の効果について発明者らが行った実験結果を基に説明する。
ここで、静磁場から定まるカリウム原子の電子スピンのラーモア周波数と励起コイル19(振動磁場印加コイル)へ入力される振動磁場の駆動電流の周波数の差を離調と定義する。
図2は、プローブレーザ光がガラスセル22を通過する際に生ずる直線偏光面の回転変位と励起コイル19から印加される振動磁場との位相差と離調の関係を表している。
離調がゼロ近傍においては離調と位相差は比例する。プローブレーザ光の直線偏光面の回転変位はカリウム原子の電子スピンの運動に起因するため、カリウム原子の電子スピンに対してブロッホ方程式を解くことにより、離調と位相差の関係を導くこともできる。
例えば、パルスおよびフーリェ変換NMR(吉岡書店、1983年発行)の142ページに示されているブロッホ方程式の解であるMx’およびMy’を利用する。Mx’およびMy’は直交座標系における巨視的磁化のx成分およびy成分であり、Mx’/My’はその値が微小の場合は位相値として近似できる。
以上のことから、離調がゼロ近傍の場合の離調と位相差の関係は、次の(数式1)のように比例関係であらわされる。
(数式1)


但し、dpは位相差、w0はカリウム原子の電子スピンのラーモア角周波数、wは振動磁場の角周波数、T2はガラスセル22内のカリウム原子の電子スピンの横緩和時間である。
上記(数式1)よりT2が大きいほど、離調に対して大きな位相差が生じることが分かる。
また、静磁場の印加方向に加わる被測定磁場によりラーモア周波数は変動し、結果として離調が変動するためT2が大きいほど被測定磁場に対する光ポンピング磁力計の応答が向上する。
ガラスセル22内のカリウム原子の電子スピンのT2は、
ガラスセル22のサイズおよび形状、ガラスセル22に照射されるポンプレーザ光の強度、バッファガスをガラスセル22へ封入する量、ガラスセル22を加熱することで発生するカリウム原子ガスの量などに依存することが知られている。
図3は、被測定磁場の周波数と光ポンピング磁力計の応答について実験により得られた結果を表している。
図3のT2は実測結果でありガラスセル22の温度を変えてカリウム原子ガスの量を変化させた結果、2つの異なるT2が得られた。
また、ラーモア周波数が10kHzに対して振動磁場は10kHzとしており離調はゼロとした。
被測定磁場の周波数が3HzにおいてT2が3.3msと11.9msのときの光ポンピング磁力計の応答を比較すると約4倍向上した。
しかしながら、被測定磁場の周波数が上がるにつれてT2が3.3msのときに対する11.9msのときの光ポンピング磁力計の応答の比は小さくなった。
特に、周波数が50Hz以上では顕著な応答の向上は見られなかった。
また、図3のプロットから被測定磁場の周波数が3Hzときの光ポンピング磁力計の応答に対して半分となる周波数はT2が3.3msでは50Hzであり、T2が11.9msでは20Hzである。
このことは次の文献に示される関係から理解することができる。
Journal of the Optical Society America B, Vol.22, No.1 P77より、
T2とカットオフ周波数fcの関係は次の(数式2)のように表すことができる。
(数式2)


すなわち、T2が長いほどカットオフ周波数が小さくなり光ポンピング磁力計において大きな応答が得られる被測定磁場の周波数範囲が狭くなる。
ゆえにT2に対して短い周期、あるいは(数式2)であらわされるカットオフ周波数fcに対して高い周波数で変動する被測定磁場においては離調がゼロのままT2を長くしても、光ポンピング磁力計の応答が向上しない。
図4は、T2が11.9msであるときの離調に対する光ポンピング磁力計の応答について実験によって得られた結果をプロットしたものである。
なお、図4は本実施例のものによる効果を明らかにするために振動磁場の周波数を変化させているが、本実施例のものを実施する場合は振動磁場の周波数は固定する。
図4は被測定磁場の周波数が50Hzと100Hzであり、T2が11.9msのときの(数式2)から得られるカットオフ周波数13.4Hzよりも高い。
離調を大きくしていくと、光ポンピング磁力計の応答が向上しそれぞれの被測定磁場の周波数が離調と一致した50Hzおよび100Hzのときに応答が最大となった。
また、離調がゼロのときよりも光ポンピング磁力計の応答が50Hzの被測定磁場の周波数に対して最大で2倍、100Hzの被測定磁場に対して最大で4倍向上した。
離調と被測定磁場の周波数が一致したときに光ポンピング磁力計の応答が最大となることは、カリウム原子の電子スピンに対してブロッホ方程式を解くことにより導くこともできる。
例えば、振動磁場の角周波数wで回転する直交座標系におけるブロッホ方程式はパルスおよびフーリェ変換NMR(吉岡書店、1983年発行)の141ページに示されているが、行列形式として、次の(数式3)のように表すことができる。
(数式3)


Mはスピンによる磁化をあらわす3次元ベクトルでx成分、y成分、z成分を有する。M0は磁化の平衡値で、Aは作用行列であり、次の(数式4)のように表すことができる。(数式4)


dwは角周波数であらわされた離調であり、T1は縦緩和時間、w1は振動磁場の強度H1とカリウム原子の電子スピンの磁気回転比γによって決まる角周波数であり、次の(数式5)のように表すことができる。
(数式5)


静磁場はz方向に、そして振動磁場はx方向に印加されている。なお光ポンピング磁力計では振動磁場の強度は0.1nT程度であり、またカリウム原子の電子スピンの大きさは7GHz/Tであるため、w1の大きさは0.7Hz程度となる。
さらに、静磁場方向に被測定磁場が加わることにより、作用行列Aおよび磁化Mは時間に依存して変動する。ここで作用行列Aを時間に依存する項Ae(t)と時間に依存しない項Aiで、次の(数式6)のように表すことができる。
(数式6)


同様に磁化Mを時間に依存する項Me(t)と時間に依存しない項Miで、次の(数式7)のように表すことができる。
(数式7)


上記(数式6)および(数式7)を(数式3)に代入し、時間に依存する項は、次の(数式8)のように表すことができる。
(数式8)


T1とT2が等しいときに作用行列Aの固有値r1、r2、r3は、次の(数式9)のようになる。但し、jは虚数をあらわす。
(数式9)


また、固有値に対応する固有ベクトルL1、L2、L3を用いて、Me(t)を表すと、次の(数式10)のようになる。
(数式10)


Tk(t)はそれぞれの固有ベクトル成分の大きさをあらわす係数で時間の関数である。(数式10)を(数式9)に代入して、さらに固有ベクトルL1、L2、L3と内積をとることで、それぞれの成分はk=1,2,3として、次の(数式11)のようになる。
(数式11)


ここで被測定磁場は角周波数wmで振動し、振幅がHsであるz方向の磁場とする。Ae(t)は、次の(数式12)のように表すことができる。
(数式12)


Uは、we=γHsを用いて、次の(数式13)のように表すことができる。
(数式13)


作用行列Aの要素の中でz方向の静磁場が寄与する項、すなわち離調dwの要素に対して作用行列の時間変化Ae(t)がゼロでない要素をもつことがわかる。さらにk=1、2、3として、次の(数式14)のようになる。
(数式14)


以上より(数式11)の微分方程式の解は、次の(数式15)のようになる。
(数式15)


上記(数式9)より固有値の実部は負であるため(数式15)の第1項は時間とともに減衰する。
ゆえにAe(t)の変動の影響としては(数式15)の第2項のみが残り、次の(数式16)のようになる。
(数式16)


但し、d1、d2、d3は位相であり、固有値r1、r2、r3および角周波数wmで決定される。作用行列Aの固有値r1、r2、r3を(数式16)へ代入し、かつw1は0.7Hz程度であることからdwに対して無視すると、次の(数式17)のようになる。(数式17)




d’2,d’3およびd’’2,d’’3はそれぞれd1およびd2の実部と虚部である。(数式17)よりdwに対して変動する第2項について着目する。k=2、3に対して位相dkの実部および虚部は(数式9)および(数式15)より、次の(数式18)のようにあらわされる。
(数式18)


(数式18)から離調dwが角周波数wmに等しいときd”2およびd”3は極大となる。さらにd”2およびd”3が最大のとき、(数式17)の双曲線関数も最大となるために、磁化の時間に対する変動をあらわすMe(t)は最大となる。
よってAe(t)の変動の角周波数wmと角周波数での離調dwが一致したときに磁化の変動の振幅は最大となる。
Ae(t)の変動は角周波数wmで振動する被測定磁場により生じたので、被測定磁場の角周波数と角周波数での離調dwが一致したときにカリウム原子の電子スピンの変動が最大となり、被測定磁場に対する光ポンピング磁力計の応答が最大となる。
ここまで、光ポンピング磁力計のスピンによる磁化に関するブロッホ方程式を解くことで本発明の効果を示した。
ブロッホ方程式は、印加されている静磁場の方向を回転軸に対して振動磁場の周波数で回転している回転座標系で考えた。
ここに時間に依存する摂動として、静磁場と同じ方向を向いて角周波数wmで振動する被測定磁場を加えた。
ブロッホ方程式の時間に依存する一次の摂動解を求めるために、時間依存のない作用行列の固有ベクトルで展開をして、固有ベクトルごとの摂動解の挙動を調べた。
その結果、(数式17)、(数式18)であらわされるように、被測定磁場の角周波数wmと離調の角周波数dwとが一致するときに、固有ベクトルL2とL3に対応して磁化が角周波数wmで振動する摂動解において、磁化ベクトルの振幅が最大となることを数式によって示すことができた。
図5は、振動磁場の離調を50Hzと100Hzおよび離調なしの場合の光ポンピング磁力計の応答と被測定磁場の周波数に対して計算した結果をプロットした図である。
前記のように被測定磁場の周波数と離調が一致したときに光ポンピング磁力計の応答が最も良いが、離調なしのときの磁力計の応答よりも離調時の応答が向上するという周波数領域では、図5より被測定磁場の周波数に対して±20%以内の範囲で離調することが好ましい。
例えば、被測定磁場の周波数が50Hzのときでは離調の範囲は40Hzから60Hzが好ましく、100Hzのときは離調の範囲は80Hzから120Hzが好ましい。
以上のように、離調を所定の範囲内に設定するには、静磁場または振動磁場を調整することによって設定可能である。
具体的には、静磁場の調整は、コイル17に入力する電流値の調整により行うことができる。
また、振動磁場の調整は、励起コイル19に入力する電流の周波数の調整により行うことができる。
以上のことから、被測定磁場の周波数成分のうち100Hzを検出する場合は、離調が100Hzとなるように信号発生器20の駆動電流の周波数を10.1kHzまたは9.9kHzに設定する。
あるいは、カリウム原子の電子スピンのラーモア周波数が9.9kHz、または10.1kHzとなるように、電流源18から電流をコイル17に供給し、信号発生器20の駆動電流の周波数を10kHzに設定してもよい。
また、静磁場強度が1.41μTまたは1.45μTとなるように、電流源18から電流をコイル17に供給し、信号発生器20の駆動電流の周波数を10kHzに設定してもよい。
また、被測定磁場の周波数成分のうち100Hzを検出する場合において離調が80Hzから120Hzの範囲内であってもよい。
信号発生器20の駆動電流の周波数を10.08kHzから10.12kHzまたは9.88kHzから9.12kHzの範囲内で設定する。
あるいは、カリウム原子の電子スピンのラーモア周波数が10.08kHzから10.12kHz、または9.88kHzから9.92kHzとなるように、電流源18から電流をコイル17に供給し、信号発生器20の駆動電流の周波数を10kHzに設定してもよい。
また、静磁場強度が1.440μTから1.446μTの範囲、または1.411μTから1.417μTの範囲となるように、電流源18から電流をコイル17に供給し、信号発生器20の駆動電流の周波数を10kHzに設定してもよい。
本実施例では、被測定磁場の周波数が50Hzおよび100Hzにおいて本発明による効果を示したが、これらの周波数に効果が限られるものではない。
図6は、振動磁場の離調を10Hz、20Hz、40Hz,50Hz、100Hz、200Hz、400Hz、700Hz、900Hzおよび離調なしの場合の光ポンピング磁力計の応答と被測定磁場の周波数に対して計算した結果をプロットした図である。被測定磁場の周波数が100Hz以上であっても、被測定磁場の周波数と同じ大きさの離調を与えることで離調なしの光ポンピング磁力計の応答を向上させることが可能である。
また、被測定磁場として単一周波数の振動磁場を例示して説明してきたが、40Hzから60Hzの帯域内に広がったパワースペクトルを有する一般的な変動磁場に対して、50Hzの離調を与えて測定をしてもよい。
また、上記の光ポンピング磁力計を複数有するように構成し、これらの複数の光ポンピング磁力計における夫々の離調が、被測定磁場に対して所定の範囲内で互いに異なっているようにすることで、互いに異なる周波数の磁場の測定を行うようにしてもよい。
また、以上では、光ポンピング磁力計について説明したが、上記した原理を用いて次のような磁力計の応答を向上させ、高感度に磁気信号を計測することが可能となる磁気セン
シング方法を実現することができる。
すなわち、アルカリ金属原子集団を有するセルと前記セル内の前記アルカリ金属原子集団のスピン偏極を生じさせるための円偏光ポンピングを行う工程と、
前記アルカリ金属原子集団のスピンを読み出す工程と、
前記アルカリ金属原子集団に静磁場を印加する静磁場印加工程と、
前記アルカリ金属原子集団のスピンを静磁場を軸とした回転運動させるための振動磁場を印加する振動磁場印加工程と、
前記アルカリ金属原子集団のスピンを読み出す工程で得られる出力信号と前記振動磁場印加工程において振動磁場を生成する入力信号の位相差を含む情報を検出する工程と、
前記静磁場から定まるラーモア周波数と前記振動磁場を印加するコイルへ入力される前記駆動電流の周波数の差である離調を、
前記静磁場または前記振動磁場を調整することによって、前記光ポンピング磁力計の応答性を向上させるように、被測定磁場に対して所定の範囲内に設定する工程と、
を有する磁気センシング方法を実現するようにすることができる。
その際、上記した磁気センシング方法の各工程をプログラムし、あるいはこのプログラムをコンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録させ、コンピュータに実行させるようにすることができる。
[実施例2]
実施例2として、本発明による光ポンピング磁力計を生体磁気計測に適用した構成例を、図7を用いて説明する。
本実施例の生体磁気計測では、図7に示すように、磁気センサ部211および磁気センサ部212により被験者の頭部251から脳活動などによって生ずる微小磁場を計測する。磁気センサ部211および磁気センサ部212と被験者は地磁気や外部環境磁場を遮蔽するための磁気シールド231内に配置されている。
センサ電装部221は光ファイバやケーブルにより、磁気シールド231内に設けられた開口を介して磁気センサ部211と接続されている。
また、振動磁場を印加するための駆動電流を発生させる信号発生器201とセンサ電装部221が接続されている。
同様に、センサ電装部222は磁気センサ部212と接続され、信号発生器202とセンサ電装部222が接続されている。
センサ電装部221とセンサ電装部222の出力はAD変換器を介してパーソナルコンピュータ24に取り込まれ、磁気測定結果を出力する。
つぎに、センサ電装部221と磁気センサ部211の構成について説明をする。ここでの、微小磁場の検出原理は実施例1と同じである。
図8に、センサ電装部221と磁気センサ部211との接続関係を示す。
なお、センサ電装部222と磁気センサ部212との接続関係も同様に示されている。
光ポンピングレーザ光源1から出力されるポンプレーザ光は1/4波長板3およびレンズ51、光ファイバ61を介して磁気センサ部211へ入射する。
プローブレーザ光源2は1/2波長板4およびレンズ52、光ファイバ62を介して磁気センサ部211へ入射する。
電流源18はコイル17と接続されており、カリウム原子の電子スピンのラーモア周波数が10kHzとなるように一様な静磁場強度1.429μTを印加する。
なお、磁気センサ部211およびセンサ電装部221は被験者頭部251内から生ずる微小磁場のうちコイル17により印加される静磁場方向の成分を検出する。
励起コイル19は信号発生器201から供給される駆動電流により振動磁場を印加する。
磁気センサ部211から出射されるプローブレーザ光の一部は光ファイバ101を介しフォトディテクタ111にて電気信号に変換される。
また、磁気センサ部212から出射されるプローブレーザ光の一部は光ファイバ102を介しフォトディテクタ112にて電気信号に変換される。
フォトディテクタ111とフォトディテクタ112の電気信号は差動増幅器13を介して位相検出器23へ入力される。
また、信号発生器201の駆動電流の一部は位相検出器23へ入力され、差動増幅器13の出力との位相差に比例した電気信号は電装部221の出力として図7のパーソナルコンピュータ24へ出力される。
図9に、磁気センサ部211の構成を示す。なお、磁気センサ部212の構成についても同様に示されている。
ガラスセル22は恒温槽21内に納められており、図8の電流源16と接続されているヒーター15により約100℃程度まで加熱される。
ポンプレーザ光はレンズ71を介してガラスセル22へ照射される。プローブレーザ光はレンズ72を介してミラー25で反射され、ガラスセル22を通過しミラー26で反射されて偏光ビームスプリッタ8に入射する。
プローブレーザ光は偏光ビームスプリッタ8にてP波偏光は透過しレンズ91を介して光ファイバ101へ結合する。また偏光ビームスプリッタにて反射されたS波偏光はミラー27で反射されてレンズ92を介して光ファイバ102へ結合する。
なお、ベース14上に、恒温槽21、ガラスセル22、ヒーター15、レンズ71、レンズ72、偏光ビームスプリッタ8、レンズ91、レンズ92、ミラー25、ミラー26、ミラー27が固定されている。そして、磁気センサ部211の移動または運搬に伴い、プローブレーザ光およびポンプレーザ光の光軸がずれないようになっている。
センサ電装部221へ接続されている信号発生器201の駆動電流は10kHzであって、ガラスセル22内のカリウム原子の電子スピンのラーモア周波数と一致している。
また、センサ電装部222へ接続されている信号発生器202の駆動電流を10.03kHzとする。すなわち磁気センサ部211では振動磁場に対するラーモア周波数の離調はゼロであり、磁気センサ部212では離調は30Hzである。このときの磁気センサ部211と磁気センサ部212の磁力計の応答と微小磁場の周波数の関係を図10に示している。
なお、横緩和時間は11.9msである。磁気センサ部211のみでは25Hz以上の周波数に対しては低い周波数(10Hz)の応答の半分以下まで減少している。
しかしながら、被験者頭部251から生ずる微小磁場の周波数成分が25Hz未満の周波数帯は磁気センサ部211を用い、微小磁場の周波数成分が25Hz以上の周波数帯は磁気センサ部212を用いて同時に測定することで、周波数40Hzまで低い周波数(10Hz)の応答の半分以上の応答で微小磁場を測定できる。
磁気センサ部211とセンサ電装部221の出力および磁気センサ部212とセンサ電装部222の出力は、パーソナルコンピュータ24内でFFT周波数解析される。
そして、周波数成分が25Hz未満の場合はセンサ電装部221、周波数成分25Hz以上の場合はセンサ電装部222の出力を、被験者頭部251から生ずる微小磁場の測定結果として出力する。
本実施例では振動磁場に対するラーモア周波数の離調が異なる2つの磁気センサ部を用いているが、これに限らず3つ以上であってもよい。
1:光ポンピングレーザ光源
2:プローブレーザ光源
3:1/4波長板
4:1/2波長板
8:偏光ビームスプリッタ
111:フォトディテクタ
112:フォトディテクタ
13:差動増幅装置
14:ベース
15:ヒーター
16:電流源
17:コイル
18:電流源
19:励起コイル
20:信号発生器
21:恒温槽
22:ガラスセル
23:位相検出器
24:パーソナルコンピュータ

Claims (15)

  1. 場を計測する光ポンピング磁力計であって、
    アルカリ金属原子集団を有するセルと前記セル内の前記アルカリ金属原子集団のスピン偏極を生じさせるため、前記セルに円偏光ポンピング光を照射する手段と、
    前記アルカリ金属原子集団のスピンを読み出すための直線偏光プローブ光を出射する手段と、
    前記直線偏光プローブ光の偏光面の回転変位を検出するプローブ光検出系と、
    前記アルカリ金属原子集団に静磁場を印加する静磁場印加コイルと、
    前記アルカリ金属原子集団のスピンを、前記静磁場を軸とした回転運動させるための振動磁場を印加する振動磁場印加コイルと、
    前記プローブ光検出系の出力信号と前記振動磁場印加コイルへ入力する駆動電流の位相差を含む情報を検出する手段と、
    を備え、
    前記静磁場から定まるラーモア周波数と前記振動磁場印加コイルへ入力される前記駆動電流の周波数の差である離調、前記静磁場または前記振動磁場を調整することによって、被測定磁場に対して所定の範囲内に設定可能に構成されていることを特徴とする光ポンピング磁力計。
  2. 前記静磁場の調整が、前記静磁場印加コイルに入力する電流値の調整により行われることを特徴とする請求項1に記載の光ポンピング磁力計。
  3. 前記振動磁場の調整が、前記振動磁場印加コイルに入力する電流の周波数の調整により行われることを特徴とする請求項1に記載の光ポンピング磁力計。
  4. 前記離調が、被測定磁場に対して±20%以内の範囲に設定されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の光ポンピング磁力計。
  5. 前記被測定磁場が、アルカリ金属原子の電子スピンの横緩和時間よりも短い周期で変動する磁場であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の光ポンピング磁力計。
  6. 前記短い周期で変動する磁場が、被験者の頭部から生じる微小磁場であることを特徴とする請求項5に記載の光ポンピング磁力計。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の光ポンピング磁力計を複数有し、該複数の光ポンピング磁力計における夫々の離調が、被測定磁場に対して所定の範囲内で互いに異なっていることを特徴とする光ポンピング磁力計。
  8. 場を計測する磁気センシング方法であって、
    アルカリ金属原子集団を有するセルと前記セル内の前記アルカリ金属原子集団のスピン偏極を生じさせるための円偏光ポンピングを行う工程と、
    前記アルカリ金属原子集団のスピンを読み出す工程と、
    前記アルカリ金属原子集団に静磁場を印加する静磁場印加工程と、
    前記アルカリ金属原子集団のスピンを、前記静磁場を軸とした回転運動させるための振動磁場を印加する振動磁場印加工程と、
    前記アルカリ金属原子集団のスピンを読み出す工程で得られる出力信号と前記振動磁場を印加する工程において振動磁場を生成する入力信号の位相差を含む情報を検出する工程と、
    前記静磁場から定まるラーモア周波数と前記振動磁場を印加するコイルへ入力される前記駆動電流の周波数の差である離調を、前記静磁場または前記振動磁場を調整することによって、被測定磁場に対して所定の範囲内に設定する工程と、
    を有することを特徴とする磁気センシング方法。
  9. 前記静磁場の調整を、前記静磁場印加コイルに入力する電流値の調整により行うことを特徴とする請求項8に記載の磁気センシング方法。
  10. 前記振動磁場の調整を、前記振動磁場印加コイルに入力する電流の周波数の調整により行うことを特徴とする請求項8に記載の磁気センシング方法。
  11. 前記離調が、被測定磁場に対して±20%以内の範囲に設定されることを特徴とする請求項8乃至10のいずれか1項に記載の磁気センシング方法。
  12. 前記被測定磁場が、アルカリ金属原子の電子スピンの横緩和時間よりも短い周期で変動する磁場であることを特徴とする請求項8乃至11のいずれか1項に記載の磁気センシング方法。
  13. 前記短い周期で変動する磁場が、被験者の頭部から生じる微小磁場であることを特徴とする請求項12に記載の磁気センシング方法。
  14. 請求項8乃至13のいずれか1項に記載の磁気センシング方法の各工程をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
  15. 請求項14に記載のプログラムを記録した前記コンピュータが読み取り可能であることを特徴とする記録媒体。
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