以下、本発明の好ましい実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明のパチンコ機10の遊技機主部21と外枠11とが嵌合した状態を示す斜視図である。図2及び図3はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。図4はパチンコ機10の背面図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機主部21とを有する。
<遊技機10の全体構成>
外枠11は、図1及び図4に示すように、板材12〜15を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。外枠11を構成する板材12〜15は、左右の板材12,13がアルミなどの金属製となっており、上下の板材14,15が木製となっている。パチンコ機10は、外枠11の上下の板材14,15を島設備に取り付け固定することにより、遊技ホールに設置される。
上記のように左右の板材12,13を金属製とすると共に上下の板材14,15を木製とすることで、島設備への固定を可能としつつ外枠11の補強を行うことができる。なお、外枠11の構成は上記のものに限定されることはなく、全ての板材12〜15を木製としてもよく、全ての板材12〜15を金属製としてもよい。また、板材12〜15の全部又は一部を合成樹脂製としてもよい。
外枠11の左側の板材12には、その上下の各端部に支持金具17,18が取り付けられている。これら支持金具17,18に支持させるようにして、図2及び図3に示すように、遊技機主部21が外枠11に対して回動可能に取り付けられている。本発明は、これら支持金具17,18に遊技機主部21を着脱自在に取り付ける構造になる。
遊技機主部21は、図2及び図3に示すように、遊技機ベースユニット(本体枠又は内枠)22と、その遊技機ベースユニット22の前方に配置される遊技機前面ユニット(前面扉又は前枠)23と、遊技機ベースユニット22の後方に配置される裏パックユニット24とを備えている。
遊技機主部21のうち遊技機ベースユニット22が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端(開閉基端)側とし右側を回動先端(開閉先端)側として遊技機ベースユニット22が前方へ回動可能(開閉可能)とされている。
遊技機ベースユニット22は、外枠11の開口全体を覆う大きさを有しており、その背面側であって回動先端側には施錠装置31が取り付けられている。施錠装置31は長尺状の連動杆32を備えており、当該連動杆32には上下一対の鉤金具33が設けられている。外枠11に対して遊技機ベースユニット22を閉鎖した際には、鉤金具33が外枠11の右側の板材13に設けられた受け金具34に係止され、施錠装置31により施錠状態とされるようになっている。
また、遊技機ベースユニット22にはシリンダ錠35(図1参照)が設けられており、シリンダ錠35の操作によって連動杆32を上方向又は下方向のうち予め定められた方向に移動させると、外枠11に対する遊技機ベースユニット22の施錠状態が解除される。
遊技機ベースユニット22には、図2に示すように、遊技機前面ユニット23が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端(開閉基端)側とし右側を回動先端(開閉先端)側として前方へ回動可能(開閉可能)とされている。また、遊技機ベースユニット22には、図3に示すように、裏パックユニット24が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端(開閉基端)側とし右側を回動先端(開閉先端)側として後方へ回動可能(開閉可能)とされている。
次に、遊技機ベースユニット22、遊技機前面ユニット23及び裏パックユニット24のそれぞれについて詳細に説明する。
<遊技機ベースユニット22>
図5は遊技機ベースユニット22の正面図である。図6は遊技機ベースユニット22に搭載された遊技盤61の正面図である。図7は遊技機ベースユニット22の背面図である。なお、図5では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
先ず、遊技機ベースユニット22の構成について詳細に説明する。
遊技機ベースユニット22は、図5に示すように、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース41を主体に構成されている。樹脂ベース41の中央部には略楕円形状の窓孔51が形成されている。樹脂ベース41にはその後方から遊技盤61が着脱可能に取り付けられている。詳細には、樹脂ベース41の裏面には、図7に示すように、複数(本実施の形態では4箇所)の固定金具52〜55が設けられており、これら固定金具52〜55によって遊技盤61は後方へ脱落しないように固定されている。固定金具52〜55は手動で回動操作することができ、固定位置(ロック位置)と固定解除位置(アンロック位置)とに切り換えることができるよう構成されている。
図5に示すように、樹脂ベース41における窓孔51の下方には、遊技球発射機構80が取り付けられている。遊技球発射機構80は、電磁式のソレノイド81と、発射レール82と、球送り機構83とからなり、ソレノイド81への電気的な信号の入力により当該ソレノイド81の出力軸が伸縮方向に移動し、球送り機構83によって発射レール82上に置かれた遊技球を遊技領域に向けて打ち出す。ソレノイド81への電気的な信号の入力は、遊技機前面ユニット23の下部に設けられた遊技球発射ハンドル84(図1等参照)が操作されることに基づいて発生する。
次に遊技機ベースユニット22に搭載される遊技盤61について説明する。
遊技盤61は合板より成り、遊技盤61の前面に形成された遊技領域が樹脂ベース41の窓孔51を通じて遊技機ベースユニット22の前面側に露出した状態となっている。
図6に示すように、遊技盤61には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成され、各開口部には一般入賞口62、可変入賞装置63、上作動口64、下作動口65、スルーゲート66、可変表示ユニット67及びアウト口68等がそれぞれ設けられている。このうち、可変入賞装置63、上作動口64、下作動口65、可変表示ユニット67及びアウト口68は、遊技盤61の左右方向の中央において上下方向に並べて設けられており、上から可変表示ユニット67、上作動口64、下作動口65及びアウト口68の順となっている。また、一般入賞口62は、遊技盤61の下部において、左側に3個及び右側に1個の合計4個設けられている。ちなみに、遊技盤61の左側は遊技機前面ユニット23の回動基端側に相当し、遊技盤61の右側は遊技機前面ユニット23の回動先端側に相当する。
一般入賞口62、可変入賞装置63、上作動口64及び下作動口65に遊技球が入球すると、それが検知スイッチにより検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。具体的には、一般入賞口62に一の遊技球が入球すると単位遊技球数として10個の遊技球が払い出され、可変入賞装置63に一の遊技球が入球すると単位遊技球数として15個の遊技球が払い出され、上作動口64に一の遊技球が入球すると単位遊技球数として3個の遊技球が払い出され、下作動口65に一の遊技球が入球すると単位遊技球数として4個の遊技球が払い出される。
各種入賞口等に入らなかった遊技球は、後述する内レール部77によって集められ、内レール部77の最下部に設けられたアウト口68を通って遊技領域から排出される。その他に、遊技盤61には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘69が植設されていると共に、風車等の各種部材(役物)や内レール部77および外レール部78が配設されている。
可変表示ユニット67は、遊技盤61の略中央部上方に形成された略円形の開口部に取り付けられる図柄表示装置71と、開口部の周縁に図柄表示装置71を囲むようにして配設されたセンターフレーム72を備えている。
図柄表示装置71は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置であり、後述する表示制御装置101により、いずれかの作動口64,65への入賞をトリガとして図柄を可変表示するように制御されている。図柄表示装置71には、例えば左、中及び右に並べて図柄が表示され、これらの図柄が上下方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。そして、予め設定されている有効ライン上に所定の組合せの図柄が停止表示された場合には、特別遊技状態(以下、大当たりという)が発生することとなる。なお、図柄表示装置71は、CRT,ドットマトリックス,7セグメント等その他のタイプにより表示画面を構成したものであってもよい。
また、センターフレーム72の上部には、第1特定ランプ部73及び第2特定ランプ部74が、センターフレーム72の上部及び下部には保留ランプ部75,76がそれぞれ設けられている。下側の保留ランプ部75は、図柄表示装置71及び第1特定ランプ部73に対応しており、遊技球が作動口64,65を通過した回数は最大4回まで保留され、保留ランプ部75の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。上側の保留ランプ部76は、第2特定ランプ部74に対応しており、遊技球がスルーゲート66を通過した回数は最大4回まで保留され、保留ランプ部76の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
第1特定ランプ部73では、上作動口64への入賞をトリガとして所定の順序で発光色の切り替えが行われ、予め定められた色で停止表示された場合には大当たりが発生する。また、第2特定ランプ部74では、遊技球のスルーゲート66の通過をトリガとして所定の順序で発光色の切り替えが行われ、予め定められた色で停止表示された場合には下作動口65に付随する電動役物65aが所定時間だけ開放状態となる。
ちなみに、下作動口65は、開閉手段としての電動役物65aが開放状態の場合に入球が可能となり、閉鎖状態の場合に入球が不可となる。なお、これに限定されることはなく、電動役物65aが開放状態の場合に入球し易くなり、閉鎖状態の場合に入球しがたくなる構成としてもよい。
可変入賞装置63は、開閉手段としての開閉扉63aが通常は遊技球が入球できない又は入球しがたい閉鎖状態になっており、大当たりの際に遊技球が入球しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。可変入賞装置63の開放態様としては、所定時間(例えば30秒間)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として可変入賞装置63が繰り返し開放されるものが一般的である。
遊技盤61の周縁部分には、略円弧状の内レール部77と外レール部78とが取り付けられており、これら内レール部77と外レール部78とにより誘導レールが構成され、上述した遊技球発射機構80から発射された遊技球が遊技領域の上部に案内されるようになっている。また、図5に示すように、樹脂ベース41の窓孔51の右上部には返しゴム79が設けられており、所定以上の勢いで発射された遊技球は返しゴム79に当たり、遊技領域の中央寄りに跳ね返されるようになっている。この場合、返しゴム79はその遊技球が当たる面が遊技領域の中央側に向けて傾斜させて形成されているため、遊技領域の中央に向けた遊技球の跳ね返しが良好に行われるようになっている。
遊技機ベースユニット22が遊技機前面ユニット23を支持する機構について、図5等に基づいて説明する。
遊技機ベースユニット22の樹脂ベース41の前面における回動基端側には、その上端部及び下端部に支持金具42,43が取り付けられている。これら支持金具42,43に対して遊技機前面ユニット23が支持されていることで当該遊技機前面ユニット23が遊技機ベースユニット22に対して前方に回動可能となっている。また、樹脂ベース41の前面における回動先端側には、遊技機前面ユニット23の背面に設けられた鉤金具44(図2参照)を挿入するための挿入孔45が上下方向に離間させて複数設けられている。遊技機ベースユニット22に対して遊技機前面ユニット23を閉鎖した状態では、遊技機前面ユニット23の鉤金具44が挿入孔45内に入り込み、当該鉤金具44は上述した施錠装置31(図3参照)に係止される。これにより、遊技機ベースユニット22に対して遊技機前面ユニット23が施錠された状態となる。この施錠状態はシリンダ錠35の操作によって施錠装置31の連動杆32を、外枠11に対する遊技機ベースユニット22の解錠を行う場合とは反対側に移動させることで解除される。
次に、遊技機ベースユニット22の背面構成について図7を用いて詳細に説明する。
樹脂ベース41の背面における回動先端側には既に説明した施錠装置31が設けられている。また、樹脂ベース41の中央には上記のとおり遊技盤61が取り付けられている。
遊技盤61の中央に配置された可変表示ユニット67(図6参照)には、図3及び図7に示すように、センターフレーム72(図6参照)を後方から覆う合成樹脂製のフレームカバー100が後方に突出させて設けられており、フレームカバー100に対して後側から上述した図柄表示装置71が取り付けられていると共に、その図柄表示装置71を駆動するための表示制御装置101が取り付けられている。これら図柄表示装置71及び表示制御装置101は前後方向に重ねて配置され(図柄表示装置71が前、表示制御装置101が後)、さらにその後方に音声ランプ制御装置ユニット102が搭載されている。音声ランプ制御装置ユニット102は、音声ランプ制御装置103と、取付台104とを具備する構成となっており、取付台104上に音声ランプ制御装置103が装着されている。
音声ランプ制御装置103は、後述する主制御装置からの指示に従い音声やランプ表示、及び表示制御装置の制御を司る音声ランプ制御基板を具備しており、音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックスに収容されて構成されている。
遊技盤61の背面であって可変表示ユニット67の下方には、主制御装置ユニット105が搭載されている。主制御装置ユニット105は、合成樹脂製の取付台106を有し、取付台106に主制御装置107が搭載されている。主制御装置107は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる第1基板ボックス108に収容されて構成されている。なお、当該基板ボックス108には、後述するように当該基板ボックスの開放痕跡手段としてかしめ部材や封印シールが設けられていると共に、取付台106に対する主制御装置107の離脱痕跡手段としてかしめ部材が設けられている。なお、ここで基板ボックス(第1基板ボックス)108と称しているが、後述するように基板ボックス148,149が複数存在するので、それぞれ区別するために便宜的に用いた。その順番以外に何ら意味合いを持つものではない。
遊技盤61の背面における主制御装置ユニット105により覆われた領域には、図示しない集合板ユニットが設けられている。集合板ユニットには、各種入賞口に入賞した遊技球を回収するための遊技球回収機構や、各種入賞口等への遊技球の入賞を検知するための入賞検知センサなどが設けられている。遊技球回収機構にて回収された遊技球は後述する排出通路を介してパチンコ機10外部に排出される。また、入賞検知センサは主制御装置107と電気的に接続されており、遊技球の入賞を検知した場合の検知信号は主制御装置107にて入力される。
遊技機ベースユニット22が裏パックユニット24を支持する機構について説明する。
樹脂ベース41の背面における回動基端側(図7の右側)には、軸受け金具111,112,113が取り付けられている。軸受け金具111〜113は上下に離間させて3個設けられている。なお、軸受け金具111〜113の数は任意であり、2個であってもよく、4個以上であってもよい。遊技機ベースユニット22には、図3に示すように、これら軸受け金具111〜113に対して軸支させて裏パックユニット24が取り付けられている。裏パックユニット24により、可変表示ユニット67の全部及び主制御装置ユニット105の一部が後方から覆われており、裏パックユニット24を開放させない限り可変表示ユニット67及び主制御装置ユニット105を樹脂ベース41から取り外すことができないようになっている。
樹脂ベース41の背面には、図3及び図7に示すように、裏パックユニット24を遊技機ベースユニット22に固定するための固定金具115が設けられている。固定金具115は手動で回動操作することができ、固定位置(ロック位置)と固定解除位置(アンロック位置)とに切り換えることができるよう構成されている。また、図7に示すように、樹脂ベース41の背面には締結孔部116が形成されており、当該締結孔部116に対して裏パックユニット24に設けられた後述する締結具117(図9参照)を締結させることによっても裏パックユニット24が遊技機ベースユニット22に固定される。
<遊技機前面ユニット23>
遊技機前面ユニット23の構成について図1に基づいて説明する。
遊技機前面ユニット23は遊技機ベースユニット22の前面側全体を覆うようにして設けられている。遊技機前面ユニット23には、上記遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした略楕円形状の窓パネル部91が設けられている。窓パネル部91の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。例えば、窓パネル部91の周縁に沿ってLED等の発光手段を内蔵した環状電飾部92が設けられている。環状電飾部92では、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯や点滅が行われる。また、環状電飾部92の中央であってパチンコ機10の最上部には所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ部93が設けられている。また、窓パネル部91の左上方及び右上方には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部94が設けられている。
遊技機前面ユニット23には、窓パネル部91の下方に、手前側へ膨出した第1膨出部95と第2膨出部96とが上下に並設されている。
第1膨出部95内側には、上方に開口した上皿95aが設けられている。上皿95aは、第1払出口231より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら下流側(本実施の形態では右側)の遊技球発射機構80へ導く機能を有する球受皿である。
第1膨出部95の上面右側(上皿95aの下流側)には、奥側に上皿球抜きスイッチ232が、手前側に貸球操作部233がそれぞれ配設されている。上皿球抜きスイッチ232は、上皿95aに貯留された遊技球を排出するために操作されるものである。
貸球操作部233には、球貸しボタン234と、返却ボタン235とが設けられている。球貸しボタン234は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が払い出される。返却ボタン235は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、球貸しボタン234及び返却ボタン235とからなる貸球操作部233は、第1膨出部95の上方にも設けられている。
遊技機10には遊技者により操作する演出ボタン236が設けられている。この演出ボタン236は後述するように回動、回転更にプッシュ可能である。演出ボタン236には図示しないランプが内蔵されており、選択操作が有効とされる状況下ではランプが点灯表示され、選択操作が無効とされる状況下ではランプが消灯表示されるようになっている。そして、当該ランプが点灯表示されている状況下で演出スイッチ236を操作された場合、後述する図柄表示装置71の表示モードが変更されるようになっている。
第1膨出部95と同様に、第1膨出部95の下方に手前側へ膨出するように設けられている第2膨出部96内側にも、上方に開口した下皿96aが設けられている。下皿96aは、第2払出口237より払い出された遊技球を一旦貯留するための球受皿である。下皿96aには、例えば、上皿95aにて遊技球が余剰となった場合には、下皿球抜きスイッチ233が操作され、上皿95aに貯留された遊技球が第2払出口237より排出されるようになっている。
第2膨出部96前面側には、下皿96aに貯留された遊技球を下方に排出するための上球抜きスイッチ238が設けられている。また、第2膨出部96の右方には、手前側へ突出するようにして遊技球発射ハンドル84が設けられている。遊技球発射ハンドル84は、板材12の背面側に設けられた遊技球発射機構80(図5参照)に連結されており、上皿95aに貯留された遊技球は、遊技者が遊技球発射ハンドル84を回転させることにより、遊技盤61に形成された遊技領域に向けて発射される。
図8は遊技機前面ユニット23の背面図である。
遊技機前面ユニット23の背面における回動基端側(図8の右側)には、その上端部及び下端部に突起軸97,98が設けられている。これら突起軸97,98は遊技機ベースユニット22に対する組付機構を構成する。また、遊技機前面ユニット23の背面における回動先端側(図8の左側)には、上述した鉤金具44が上下方向に複数並設されている。
また、遊技機前面ユニット23の背面には、図8に示すように、前面側通路ユニット271が取り付けられている。前面側通路ユニット271は、合成樹脂により成形されており、上皿95aに通じる前扉側上皿通路と、下皿96aに通じる前扉側下皿通路とが形成されている。
<裏パックユニット24>
裏パックユニット24の構成について詳細に説明する。
図9は裏パックユニット24の正面図である。図10は裏パックユニット24の分解斜視図である。
裏パックユニット24は、当該裏パックユニット24の上部及び中央部分を構成する第1裏パックユニット121と、当該第1裏パックユニット121に連続させて設けられ裏パックユニット24の下部を構成する第2裏パックユニット141とを備えている。第1裏パックユニット121にはその下部に開口部122が形成されており、第2裏パックユニット141の上部は当該開口部122の下縁部分を構成している。
第1裏パックユニット121と第2裏パックユニット141には、図9に示すように、それぞれ軸金具123,139が設けられており、それら軸金具123,139はそれぞれ個別に遊技機ベースユニット22の軸受け金具111〜113(図7参照)に支持されている。これにより、第1裏パックユニット121と第2裏パックユニット141とは、遊技機ベースユニット22に対してそれぞれ個別に回動可能となっている。
ここで、上記のとおり、第2裏パックユニット141はその上部が第1裏パックユニット121の開口部122の下縁部分を構成しており、当該下縁部分において、第1裏パックユニット121がパチンコ機10前方となるようにして第1裏パックユニット121と第2裏パックユニット141とが前後に重なっている。したがって、第1裏パックユニット121を遊技機ベースユニット22に対して閉鎖した状態で第2裏パックユニット141を開放させることはできるが、第2裏パックユニット141を閉鎖した状態で第1裏パックユニット121を開放させることはできない。なお、これに限定されることはなく、開閉の関係が第1裏パックユニット121と第2裏パックユニット141とで逆であってもよく、第1裏パックユニット121と第2裏パックユニット141とが相互に干渉することなく開閉可能な構成であってもよい。さらには、第1裏パックユニット121と第2裏パックユニット141とが一体化され個別に開閉できない構成としてもよい。
次に、第1裏パックユニット121の構成について詳細に説明する。
第1裏パックユニット121は、裏パック124を備えており、当該裏パック124に対して、払出機構部125が取り付けられている。裏パック124は透明性を有する合成樹脂により成形されており、払出機構部125などが取り付けられるベース部126と、パチンコ機10後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部127とを有する。保護カバー部127は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示ユニット67を囲むのに十分な大きさを有する。
ベース部126には、その右上部に外部端子板131が設けられている。外部端子板131には各種の出力端子が設けられており、これらの出力端子を通じて遊技ホール側の管理制御装置に対して各種信号が出力される。また、ベース部126には上述した第1裏パックユニット121の軸金具123が設けられている。
ベース部126には、保護カバー部127を迂回するようにして払出機構部125が配設されている。払出機構部125は、タンク132と、タンクレール133と、上下通路ユニット134とを備えている。タンク132は上方に開放されており、裏パック124の最上部に設けられている。タンク132には遊技ホールの島設備から遊技球が逐次補給される。タンクレール133は、タンク132の下方において当該タンク132に連結されており、下流側に向けて緩やかに傾斜している。当該タンクレール133の下流部に連結させて上下通路ユニット134が設けられている。上下通路ユニット134は上下方向に延びており、その途中位置に払出装置135が設けられている。また、上下通路ユニット134の下流側には、球受け部、裏パック側通路部、本体側通路部及び前面側通路部が設けられており、前面側通路部は上皿95a及び下皿96aに連通されている。
つまり、タンク132と、上皿95a及び下皿96aの受け皿との間には、タンクレール133、上下通路ユニット134、球受け部、裏パック側通路部、本体側通路部及び前面側通路部からなる誘導通路部が設けられており、タンク132に貯留されている遊技球は当該誘導通路部を通じて上皿95a又は下皿96aに払い出される。なお、上下通路ユニット134の構成、及びそれよりも下流側の構成については後に詳細に説明する。
払出機構部125には、裏パック基板136が設置されている。裏パック基板136には、例えば交流24ボルトの主電源が供給され、電源スイッチ137の切替操作により電源ON又は電源OFFとされるようになっている。
次に、第2裏パックユニット141の構成について詳細に説明する。
第2裏パックユニット141は、排出通路盤142と制御装置集合ユニット143とを備えている。排出通路盤142は第2裏パックユニット141の前側を構成し、制御装置集合ユニット143は第2裏パックユニット141の後側を構成している。そして、これら排出通路盤142と制御装置集合ユニット143とが前後に組み付けられて第2裏パックユニット141が構成されている。
排出通路盤142は、制御装置集合ユニット143と対向する面に後方に開放された排出通路144が形成されており、当該排出通路144の開放部は制御装置集合ユニット143によって塞がれている。排出通路144は、遊技ホールの島設備等へ遊技球を排出するように形成されており、上述した各種入賞口等から排出通路144に導出された遊技球は当該排出通路144を通ることでパチンコ機10外部に排出される。
制御装置集合ユニット143は、横長形状をなす取付台145を有し、取付台145に払出制御装置146と電源及び発射制御装置147とが搭載されている。これら払出制御装置146と電源及び発射制御装置147とは、払出制御装置146がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置146は、第2基板ボックス148内に払出装置135を制御する払出制御基板が収容されている。なお、払出制御装置146から払出装置135への払出指令の信号は上述した裏パック基板136により中継される。また、払出制御装置146には状態復帰スイッチ148aが設けられている。例えば、払出装置135における球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ148aが押されると、球詰まりの解消が図られるようになっている。
電源及び発射制御装置147は、第3基板ボックス149内に電源及び発射制御基板が収容されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電源が生成されて出力され、さらに遊技者による遊技球発射ハンドル84の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。また、電源及び発射制御装置147にはRAM消去スイッチ149aが設けられている。本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。したがって、例えば遊技ホールの営業終了の場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持されるが、RAM消去スイッチ149aを押しながら電源を投入すると、RAMデータが初期化されるようになっている。
<演出ボタン236の構造>
以下に実施例1の本発明を説明する。
図11は本発明の演出ボタン236を示す拡大斜視図である。図12は本発明の演出ボタン236を上方から見た状態を示す分解斜視図である。図13は本発明の演出ボタン236を下方から見た状態を示す分解斜視図である。
本発明の演出ボタン236は、回動板2361の回動操作により複数個所の反応で切り換えを行う回動板スイッチ2362の回動操作と、この回動板2361の一面に設けられた一対の回転軸受部2363に保持された略円筒状のダイヤル部2364の回転操作と押圧操作により、切り換えを行うダイヤルスイッチ2365とを備えたスイッチである。このような回動板スイッチ2362とダイヤルスイッチ2365との操作により、遊技機10における多様な遊技状態に対応するように複数の操作を切り換えることができる。
本発明の演出ボタン236は、回動板2361の周囲方向の回動動作と、ダイヤル部2364の回転軸2366周りの回転動作と、このダイヤル部2364の押圧による回転軸2366の上下方向の変位動作とにより、複数の操作を切り換える構成になる。なお、ここでダイヤル部2364の押圧による回転軸2366の上下方向の変位については、演出ボタン236の回動板スイッチ2362から飛び出した状態にあるダイヤル部2364を、この回動板スイッチ2362側に押し付ける方向(下方向)又はその逆方向(上方向)を意味している。この演出ボタン236は、遊技機10の遊技機前面ユニット(前面扉又は前枠)23又は球受皿(上皿95a又は下皿96a)において常に水平状態に取り付けることがなく、傾斜した状態又は垂直に近い状態で取り付けられることがあるからである。
<演出ボタン236の動作と操作内容>
本発明の演出ボタン236による遊技状態に対応する演出の切換は、次のような3パターンに対応するようになる。回動板スイッチ2362の周囲方向の回動動作は、例えば遊技状態時の図柄表示装置71における所定対象物の左右方向の位置決め又は方向決めの操作に利用できる。ダイヤルスイッチ2365のダイヤル部2364の回転動作は、例えば図柄表示装置71における所定対象物の上下方向の位置決め、速度決めの操作に利用できる。ダイヤルスイッチ2365のダイヤル部2364の上下動作(変位動作)は、発射スイッチ又はスタートスイッチ的な動作の操作に利用できる。
<回動板スイッチ2362の構造>
本発明の演出ボタン236の回動板スイッチ2362は、主に略円形状の回動板2361から成る。この回動板2361の一面(上面)には、図12、図13に示すように、後述する回転軸受部2363を取り付ける固定用凹部2367を形成している。この固定用凹部2367には、回転軸受部2363からハーネス、配線などを通す配線挿通穴2368を開けている。なお、配線挿通穴2368は必ず必要な構成であるが、固定用凹部2367は必ずしも必要な構成ではない。回転軸受部2363が回動板2361と別体の構成であるときは、この回転軸受部2363の固定を強固にする作用を有する。しかし、回転軸受部2363が回動板2361と一体的な構成のときは不要になる。
回動板2361の他面(下面)には、回動支持台2369に向けて湾曲した湾曲凸条2370を2か所設けた。
回動支持台2369には、これらの湾曲凸条2370が摺動するように回動させる湾曲縁2371が形成されている。この湾曲縁2371は回動支持台2369の内周縁の一部をなす。この湾曲縁2371において回動板2361の湾曲凸条2370が移動することにより、回動板2361の回動支持台2369における回動を可能にする。
また、この湾曲縁2371は、ストッパ2372で仕切られている。これにより回動板2361の回動角度を規制する。
この回動支持台2369は、図示例では便宜上円形状のものを示しているが、この円形状のものに限定されない。回動支持台2369は、遊技機10の遊技機前面ユニット(前面扉又は前枠)23又は球受皿(上皿95a又は下皿96a)に取り付けられるものである。または前面扉又は前枠、上皿95a又は下皿96aと一体をなすものである。そこで、湾曲縁2371とストッパ2372の形状は図示例のようになるが、回動支持台2369の周囲は図示例の形状に限定されず、演出ボタン236を装着している周囲の形状に合わせて様々な形状にすることができる(図1参照)。
図12と図13の分解斜視図に示すように、回動板2361の湾曲凸条2370の先端縁は、抜け止め板2373の円形状の嵌合溝2374に嵌合するようになっている。この抜け止め板2373は円形状の嵌合溝2374を有すると共に、回動支持台2369の貫通穴2375から抜けない形状であれば、図示例のようなリング状の形状に限定されない。この貫通穴2375は回転軸受部2363のハーネス、配線などを通す穴である。
更に、この回動支持台2369は、図13に示すように、2個の光検出部2376を具備している。これらの光検出部2376は、抜け止め板2373に設けられた反射部2377に反応する。この光検出部2376は、抜け止め板2373の周囲に具備した反射部2377に向けて発光素子と受光素子とを同方向に配置した反射型光検出器である。この抜け止め板2373は回動板2361の湾曲凸条2370と連結し、回動板2361と一体的に回動するので、光検出部2376は回動板2361の動作を検出することができる。
図14は本発明の演出ボタン236の回動板スイッチ2362の回動動作状態を示す平面図であり、(a)は中立状態、(b)は中立状態から左向きに回動した状態、(c)は中立状態から右向きに回動した状態である。
この図示例では、1か所の反射部2377と2個の光検出部2376の組み合わせで、3パターンを検出するようになっている。この円弧形状の薄板材になる反射部2377は、2か所の光検出部2376に届く長さを有している。なお、この反射部2377は1か所の構造にしているが、回動板2361の回動動作と同時に2個の光検出部2376に検出されるように2個の反射材を配置した構成でもよい。
回動板スイッチ2362では、図14(a)に示す中立状態のときは、1個の光検出部2376のみが反射部2377を検出している状態の第1パターンとなる。
図14(b)に示す中立状態から左向きに回動した状態のときは、2個の光検出部2376が共に反射部2377を検出している状態の第2パターンとなる。光検出部2376は、それぞれ第1パターン、第2パターンの検出信号を出力する。
図14(c)に示す中立状態から右向きに回動した状態のときは、2個の光検出部2376が反射部2377を検出していない状態の第3パターンとなる。
この例では3種類の操作に対応する切り換えが可能になる。この操作切換の個数はこの3種類に限定されないことは勿論である。
あるいは、反射部を短くして、1個の光検出部2376は1か所の反射部しか検知できないように、複数個の光検出部2376を設けた構成のものでもよい(図示していない)。
または、抜け止め板2373に形成した反射部2377の反射材に代えて、この円弧形状の薄板材になる反射材の数か所を切欠き、又は透光板を取り付けた透過部を設けたものでもよい。また、光検出部はこの透過部を挟むように向かい合う発光素子と受光素子を配置した透過型光検出器を用いることも可能である(図示していない)。
これらの反射型又は透過型のいずれの光検出部を使用するかは演出ボタン236の形状又は回動板2361と回動支持台2369との位置関係に応じて使い分ける。
更に回動板スイッチ2362は、光検出部2376に限定されず、回動板2361に連結された抜け止め板2373の周囲に複数の接点を取り付け、これらの接点と接触する接点を取り付けた回動支持台2369とから成る接点通電方式を用いることも可能である(図示していない)。
上述した回動板スイッチ2362を構成する回動支持台2369は、図示例では外周形状も円形状になっているが、この外周形状は円形に限定されず、この演出ボタン236を装着する位置の形状に合わせた形状にする。例えば略四角形状、略楕円形状などの何れでもよく、球受皿(上皿95a又は下皿96a)の一部を形成するときは、その球受皿(上皿95a又は下皿96a)の一部を形成するようにその不定形な形状にすることができる。
また、ここでは実施の形態として回動板2361、回動支持台2369又は抜け止め板2373について平坦な形状の板状の部材について図示し、その説明をしている。これらの部材は回動支持台2369において回動板2361が所定の角度で回動する構成であれば板状の部材に限定されない。例えば、回動支持台2369が球受皿(上皿95a又は下皿96a)の一部の膨出部の一部をなす状態のときは、この曲面の一部をなす回動板2361の形状に合わせて曲面の一部をなすように、球面の一部のような中央が突出した略山形形状にすることも可能である。あるいは逆に中央が凹んだ略皿形状にすることも可能である。
<回動板スイッチ2362の動作>
本発明の演出ボタン236の回動板スイッチ2362は、図14(a)に示す「中立状態」、図14(b)に示す「中立状態から左向きに回動した状態」、図14(c)に示す「中立状態から右向きに回動した状態」の3種類の回動動作状態がある。この回動板スイッチ2362の回動は、回動板2361に突出するように取り付けられた回転軸受部2363を指で摘まみ、又は手のひらで押さえるようにして回動させる。
回動板スイッチ2362の周囲方向の回動動作は、例えば図柄表示装置71において、いずれかの作動口64,65への入賞をトリガとして遊技状態における図柄を表示制御装置101により可変表示する際に、所定対象図柄に関して左右方向の位置決め又は方向決めの操作に利用できる。
また、この図柄表示装置71における図柄の表示の動作以外に、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、窓パネル部91の周囲における環状電飾部92に内蔵したLED等の各種ランプ等の発光手段の点灯や点滅の操作に利用できる。更には、遊技状態の変化に応じて、窓パネル部91の左上方及び右上方に設けられているスピーカ部94から出力される効果音などについて、遊技状態に応じて変化させる操作に利用できる。
この回動板スイッチ2362の回動動作状態については、回動板2361に設けられた矢印2379によって判別できるようになっている。また、この矢印2379は立体形状をなすので、ダイヤル部2364の向きと合わせて指の感触で向きを判別できるようになる。なお、図示例とは逆にこの矢印2379の形状に切欠いた形状でもよい。更に、形状も矢印2379に限定されず、円形状の突起又は凹部、三角形状の突起又は凹部などその形状は限定されない。
<ダイヤルスイッチ2365の構造>
ダイヤルスイッチ2365は、回動板2361の一面に設けられた一対の回転軸受部2363と、これらに回転操作かつ押圧操作可能に保持された略円筒状のダイヤル部2364とから成るスイッチである。回転軸受部2363は、ダイヤル部2364の中心を貫通する回転軸2366の左右両端部を回転自在に支持する軸受部2380が設けられている。この回転軸受部2363の基礎部分は回動板2361の固定用凹部2367に嵌合する。図示例の回転軸受部2363は略直方体形状になるが、この形状に限定されないことは勿論である。
なお、回転軸受部2363は必ずしも1対構成とする必要はなく、片持ちの1個構成でもよい。また、回動板2361との別体構成に限らず、一体的な構成にすることも可能である。
ダイヤル部2364の形状は、円筒形状に限定されず、横断面が略三角形状、四角形状、五角形状、六角形状等の多角形状にすることも可能である。
この回転軸受部2363は筐体構造を有し、回転軸2366の軸受部2380を所定方向へ押圧する弾性部材2381を主な構成部材とする。図12と図13の斜視図に示すように、一方の回転軸受部2363は、回転検出器2383と変位検出器2384を備えている。
回転検出器2383は、回転軸受部2363でダイヤル部2364の側面に設けた反射部2385(図16参照)と、この回転軸受部2363に設けた反射型光検出器である。この回転検出器2383はダイヤル部2364の回転量を反射型光検出器により検出するように構成した検出器である。この回転検出器2383で検出信号を出力する。
変位検出器2384は、図12、図16に示すように、軸受部2380の側面に設けた反射部2384aでダイヤル部2364の回転軸2366の長手方向と略直角な方向への変位を検出し、例えば検出信号を出力するようになる。このダイヤル部2364の変位を可能にするために、回転軸受部2363の筐体には長孔2382を開けている。なお、この回転検出器2383と変位検出器2384の配置を入れ替えてもよい。
<ダイヤルスイッチ2365の動作>
図15は本発明の演出ボタン236のダイヤルスイッチ2365の動作状態を示す背面図であり、(a)は変位前の状態、(b)は押圧した後の変位後の状態である。図16は本発明の演出ボタン236のダイヤルスイッチ2365の動作状態を示す背断面図であり、(a)は変位前の状態、(b)は押圧した後の変位後の状態である。
本発明の演出ボタン236のダイヤルスイッチ2365は、ダイヤル部2364を回転させる回動動作と、図15(a)、図16(a)に示す「変位前の状態」、及び図15(b)、図16(b)に示す「変位後の状態」の押圧動作との2種類の動作状態がある。
回転検出器2383では、ダイヤル部2364の回転動作により上下方向の位置決め、速度決めの操作に利用できる。例えば図柄表示装置71において、いずれかの作動口64,65への入賞をトリガとして遊技状態における図柄を表示制御装置101により可変表示する際に、所定対象図柄に関して上下方向の位置決め、速度決めの操作に利用できる。
この回転検出器2383は、このダイヤル部2364の回転動作により図柄表示装置71に表示される遊技機10に関連するメニュー、各種の表示項目のスクロール表示、項目選択用カーソル等を表示させる操作に利用できる。
変位検出器2384では、ダイヤルスイッチ2365のダイヤル部2364の押圧動作を検出し、この検出した信号により、発射スイッチ的な動作の操作に利用できる。例えば図柄表示装置71において、何れかの作動口64,65への入賞をトリガとして遊技状態における図柄を表示制御装置101により可変表示する際に、所定対象図柄に対してあるものを当てるような発射スイッチ的な動作の操作に利用できる。例えば、表示上にロケットを発射させるような操作に利用することができる。
更に、変位検出器2384は、このダイヤル部2364の押圧動作により図柄表示装置71に表示されている項目を確定し又は実行する操作に利用できる。
また、この図柄表示装置71における図柄の表示の動作以外に、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、窓パネル部91の周囲における環状電飾部92に内蔵したLED等の各種ランプ等の発光手段の点灯や点滅の操作に利用できる。更には、遊技状態の変化に応じて、窓パネル部91の左上方及び右上方に設けられているスピーカ部94から出力される効果音などについて、遊技状態に応じて変化させる操作に利用できる。
〈演出ボタン236の変形例〉
図17は本発明の演出ボタン236の変形例を示す平面図である。図18は本発明の演出ボタン236の変形例を示す正面図である。
本発明の演出ボタン236について図11から図16に示した形態は一例であり、この形態に限定されない。上述した2か所の回転軸受部2363を被覆するように、略半球形状のカバー2386を更に備えた。これはデザイン性の向上と共に、操作性の向上を高めたものである。このカバー2386の中央にはダイヤル部2364の一部が露出するように、略長方形状のダイヤル窓2387を有している。このダイヤル窓2387から飛び出しているダイヤル部2364の回転動作を可能とし、かつ押圧動作で窓2387内に引っ込んだ
また、カバー2386には、その表面に手のひらで操作しやすいように滑り止めを形成することが望ましい。例えば、図示するように略半球形状のダイヤル窓2387から四方に向けて凹部2388を形成した。この4か所の凹部2388に手のひら又は指先を当てて回動時の滑り止めとする。あるいは、カバー2386表面自体を多数の凹凸を形成したり、軟質の合成樹脂材を被覆するなどを被覆することができる。
<ダイヤルスイッチ2365の構造>
図19は実施例2の演出ボタン236を示す正面図である。図20は実施例2のダイヤル部2364を示す拡大側面図である。
演出ボタン236は単調になりやすいパチンコ遊技において、遊技者を飽きさせないための演出としての機能を有する部品である。上述したように、この演出ボタン236は、例えば演出ボタン236を押すこと、又は叩くことで、遊技中のキャラクター等の会話を表示させることができる。その会話内容は大当たりへの期待度を表示することが多い。確変大当たりが成立しているが、画面表示は単発大当たりとしておき、ボーナス遊技中に演出ボタン236を押させ、または遊技者に「連打させる」といった指示を表示させることで、遊技を盛り上げるために利用される。
従来の演出ボタン501は、図25の斜視図、図26の拡大断面図に示したように、断面が緩い球面状になる押圧部502と所定の押圧位置まで押圧できる筒状のガイド503と押圧部502の一端側に形成された鍔状のストッパ504とから構成されている。この押圧部502は、常にコイルばね505等で付勢されている構成が一般的である。このように従来の演出ボタン501は、ボタン(押圧部502)の略平面部分に対して直角方向に押圧する(叩く)構造が多い。
一方、上述したダイヤルスイッチ2365のような、ダイヤル部2364の回動動作と上下動作との異なる動作をする構成の演出ボタン236についても、遊技者は以前のように押す動作(叩く動作)、連打操作をするおそれがある。そこで、実施例2の本発明では、ダイヤル部2364を回動動作は勿論のこと、このダイヤル部2364を叩いても、その何れの動作も読み取り対応できるようにした。
実施例2の演出ボタン236は、基本的には実施例1の構成と略同じである。ダイヤルスイッチ2365は、回動板2361の一面に設けられた一対の回転軸受部2363と、これらに回転操作かつ押圧操作可能に保持された略円筒状のダイヤル部2364とから成るスイッチである(図12参照)。回転軸受部2363は、ダイヤル部2364の中心を貫通する回転軸2366の左右両端部を回転自在に支持する軸受部2380が設けられている。実施例2の演出ボタン236は、回転板スイッチ2362を具備した構成、又は具備しない構成のいずれでもよい。
図20の拡大側面図に示すように、実施例2のダイヤル部2364の側面に設けた反射部2385a,2385bが実施例1の構成のものと異なる。実施例1のダイヤル部2364の側面には、反射部2385を1か所のみ設けている(図16参照)。実施例2のダイヤル部2364の側面には、反射部2385a,2385bを2か所設けている。この2か所の反射部2385a,2385bでは、1方の反射部2385aは回動動作の検出に利用し、他方の反射部2385bは上下動作の検出に利用するようになっている。
実施例2の演出ボタン236は、そのダイヤル部2364の側面が、回転軸2366(回転軸用の貫通穴)を中心に二重円を構成し、その内側の円形部には点状の反射部2385aを設け、その外側の円形部には円環状の反射部2385bを設ける。これらの点状の反射部2385a又は円環状の反射部2385bは何れも検出器(回転検出器)2383に反応するようになっている。この検出器2383は、発光部と受光部とを備え、発光部はこれらの両反射部2385a,2385bに向けられ、各反射部2385a,2385bからの反射光を受光部で受光し、これを検知して検知信号を出力する。また上述したようにダイヤル部2364の回転量を検出する。
<ダイヤル部2364の動作>
図21は実施例2の演出ボタン236のダイヤルスイッチ2365(ダイヤル部2364)の動作状態を示す説明図であり、(a)、(b)はダイヤル部2364の回動動作、(c)、(d)はダイヤル部2364の押圧動作状態である。なお、(b)と(d)は、検出器2383の発光と受光方向の説明のために回転軸受部2363の向きを平面上で90度方向を変えている。
検出器2383は、ダイヤル部2364の側面の両反射部2385a,2385bに向けられ、各反射部2385a,2385bからの反射光を受光部で受光し、これを検知して検知信号を出力する。この検出器2383は、制御部に接続されており、この制御部は、検出器2383からの検知信号に基づいて、演出ボタン236の操作情報を検知している。そして、制御部は、演出ボタン236が押されたか否か(叩かれた否か)、及び演出ボタン236の回転速度に応じて演出態様を変化させるようになっている。
実施例2の演出ボタン236では、更に図21(c)、(d)の状態のように、ダイヤル部2364を押すこともある。このとき、ダイヤル部2364の側面には円環状の反射部2385bが設けられているために、ダイヤル部2364が回転軸2366回りのどの位置にあっても、検出器2383は、円環状の反射部2385bの反射光を受光部で受光することができ、これを検知して検知信号を出力できる。
このように、実施例2の演出ボタン236は、ダイヤル部2364が回転動作と押圧動作(叩く動作)のいずれにも対応することができる。検出器2384では、ダイヤルスイッチ2365のダイヤル部2364の押圧動作を検出し、この検出した信号により、発射スイッチ的な動作の操作に利用できる。
上記実施例2では、ダイヤル部2364の側面に設けた2か所の反射部2385a,2385bを、回転軸受部2363の内部に設け、検出器も回転軸受部2363の内部に設けることも可能である。また検出器2383の検出方式は光検出に限定されず、電気接点を用いたもの、その他種々のものを用いることが可能である。
<ダイヤル部2364の変形例>
図22は実施例2のダイヤル部2364の変形例を示す拡大斜視図であり、(a)は四角柱形状に形成したもの、(b)は円柱形状のダイヤル部2364の周囲に数か所の平面部を形成したもの、(c)は2形態を連結したものである。
実施例2のダイヤル部2364は、回転させるだけでなく、押したり、叩いたりすることにも対応できるように、図11,12,13等の図示例のような円筒形状(円柱形状)に限定されない。特に、実施例2の演出ボタン236はそのまま叩く動作に対応できるように、ダイヤル部2364の周囲に平面部があるものが望ましい。そこで、図22(a)に示すように、横断面が略四角形状の略四角柱形状にすることができる。図示の四角柱形状に限定されず、横断面が略三角形状、五角形状、六角形状等の多角形状にすることも可能である。
または、図22(b)に示すように、実施例2の演出ボタン236はそのまま叩く動作に対応できるように、ダイヤル部2364の周囲に数か所の平面部2364aがあるものも望ましい。このように平面部2364aを設けることにより、叩く動作と共に回転動作も容易になる。この平面部2364aは、図示例の楕円形状に限定されず、略長方形状に形成したもの、円形を複数並列させたものなどにすることが可能である。
更に、図22(c)に示すように、長手方向の半分は円筒形状(円柱形状)になり、残りの半分が略角柱形状にすることも可能である。演出ボタン236(ダイヤル部2364)の回転動作を好む遊技者は、円柱部分2364bを操作し、逆に叩く動作を好む遊技者は、角柱部分を操作することができる。勿論この角柱部分2364cを用いて回転操作することも可能である。また、円柱部分2364bを用いて叩く操作をすることも可能である。この左右の配置は図示例とは逆にするものも可能である。図示例は円柱と略四角柱との組み合わせであるが、略四角柱に代えて他の多角柱の組み合わせにすることも可能である。
<ダイヤル部2364の変形例>
図23は実施例2の演出ボタン236のダイヤル部2364の変形例を示す拡大側面図である。
このダイヤル部2364の変形例は、図23に示すように、ダイヤル部2364の側面は、回転軸2366(回転軸用の貫通穴)を中心に二重円を構成し、その外側の円形部には点状の反射部2385cを設ける。二重円の内側の円形部には円環状の反射部2385dを設ける。図20に示したダイヤル部2364の配置とは逆の配置になっている。
これらの点状の反射部2385c又は円環状の反射部2385dは何れも検出器2383に反応するようになっている。この検出器2383で検出信号を出力する。
<ダイヤル部2364の動作>
図24は実施例2の演出ボタン236のダイヤルスイッチ2365の動作状態を示す説明図であり、(a)、(b)はダイヤル部2364の回動動作の状態、(c)、(d)はダイヤル部2364の押圧動作状態である。なお、(b)と(d)は、検出器2383の発光と受光方向の説明のために回転軸受部2363の向きを平面上で90度方向を変えている。
検出器2383は、両反射部2385c,2385dに向けられており、図23(a)、(b)の状態では、ダイヤル部2364側面の点状の反射部2385dからの反射光が受光部で受光し、これを検知して検知信号を出力する。検出器2383は、制御部に接続されており、この制御部は、検出器2383からの検知信号に基づいて、演出ボタン236の位置を検知している。そして、制御部は、演出ボタン236が押されたか否か(叩かれた否か)、及び演出ボタン236の回転速度によって、演出態様を変化させるようになっている。
実施例2の演出ボタン236では、更に図23(c)、(d)の状態のように、ダイヤル部2364を側方から押すこともある(図示面上左から右へ押す)。このとき、ダイヤル部2364の側面には円環状の反射部2385が設けられているために、ダイヤル部2364が回転軸2366回りのどの位置にあっても、検出器2383は、反射光を受光部で受光することができる。そこで、これを検知して検知信号を出力できる。
なお、上述した実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
上記実施の形態では、図柄表示装置を備えたパチンコ機10に対して本発明を適用したが、それ以外のタイプのパチンコ機に適用してもよい。例えば、遊技球転動部や有利口などが設けられた入賞役物装置を備えたパチンコ機や、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。また、受け皿として上皿及び下皿が設けられているのではなく、単一の受け皿が設けられたパチンコ機にも、本発明を適用できる。
<上記実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
遊技機A
本発明は、パチンコ、スロットマシンあるいはメダルの代わりに遊技球でスロットマシンの遊技をするパロット等の遊技機に係り、特に遊技機の前面ユニットに演出ボタンを備えた遊技機に関する。
遊技機の一種としてのパチンコ機では、例えば、発射装置で打ち出された遊技球が案内される遊技領域に設けられた始動入球手段に遊技球が入球すると大当たり状態を発生させるか否かの当否抽選が行われる。この当否抽選にて当選した場合には、遊技者に有利な大当たり状態が発生し、遊技者は多くの遊技価値(賞球)を獲得することが可能となる。
遊技機の前面ユニットに備えられた演出ボタンを遊技者が操作することで、遊技機の液晶表示装置における表示内容を変更させたり、スピーカから対応する音声等が流れるようになっている。
この演出ボタンを備えた遊技機に関する技術について、例えば特許文献2の特開2004−81603の「遊技機用の押しボタンスイッチユニット」には、遊技機に付設される押しボタンスイッチの構成が提案されている。
特開2004−81603公報 しかし、従来の演出ボタンの構成は、スイッチ構造がON−OFFといった入切の単純な構成であったため、遊技中に発生するチャンスタイムに際して、その多様な遊技状態に対応しづらいという問題を有していた。
本発明は、上述した問題点等を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、演出ボタンについて複数の操作を可能にすることで、チャンスタイムにおける多様な遊技状態に対応することができる演出ボタンを備えた遊技機を提供することにある。
遊技機A1は、遊技機における遊技状態に対応する複数の操作を切り換える演出ボタンを備えた遊技機であって、
前記演出ボタンは、
回動板の回動操作により複数個所の反応で切り換えを行う回動板スイッチと、
前記回動板に設けられた回転軸受部に保持されたダイヤル部の回転操作と押圧操作により切り換えを行うダイヤルスイッチと、を備えた、ことを特徴とする遊技機。
遊技機A1では、演出ボタンに回動板スイッチとダイヤルスイッチとを備えたことで複数の操作が可能になり、チャンスタイムにおける多様な遊技状態に対応することができる。
遊技機A2は、前記回動板スイッチは、前記回動板の回動動作と同時に動作する反射部に向けて発光素子と受光素子とを同方向に配置した反射型光検出器とを備えた、ことを特徴とする遊技機A1の遊技機。
遊技機A3は、前記回動板スイッチは、前記回動板の回動動作を検出するように発光素子と受光素子を向かい合わせに配置した透過型光検出器とを備えた、ことを特徴とする遊技機A1の遊技機。
遊技機A4は、前記回動板スイッチは、前記回動板の回動動作と同時に動作する複数の接点と、該接点と接触する接点台とを備えた、ことを特徴とする遊技機A1の遊技機。
遊技機A2,A3,A4では、回動板スイッチの回動板の回動操作により、光検出器又は複数の接点により切り換えを行い、複数の動作状態を検出することができる。そこで、回動板スイッチの周囲方向の回動動作は、遊技状態時の図柄表示装置における所定対象物の左右方向の位置決め又は方向決めの操作に利用できる。
遊技機A5は、前記ダイヤルスイッチは、前記回転軸受部で略円筒状の前記ダイヤル部の側面に設けた反射部と、該回転軸受部に設けた光検出器とを備え、該ダイヤル部の回転軸の長手方向と略直角な方向への変位を検出し、該光検出器で検出信号を出力するように構成した、ことを特徴とする遊技機A1の遊技機。
遊技機A5では、ダイヤルスイッチのダイヤル部の回転動作を、例えば図柄表示装置における所定対象物の上下方向の位置決め、速度決めの操作に利用できる。
遊技機A6は、前記ダイヤルスイッチは、前記ダイヤル部の回転軸の回転量を検出するロータリーエンコーダと光検出器とを備え、該光検出器で検出信号を出力するように構成した、ことを特徴とする遊技機A1の遊技機。
遊技機A6では、ダイヤルスイッチのダイヤル部の上下動作(変位動作)を、発射スイッチ又はスタートスイッチ的な動作の操作に利用できる。
遊技機B
本発明は、パチンコ、スロットマシンあるいはメダルの代わりに遊技球でスロットマシンの遊技をするパロット等の遊技機に係り、特に遊技機の前面ユニットに演出ボタンを備えた遊技機に関する。
遊技機の一種としてのパチンコ機では、例えば、発射装置で打ち出された遊技球が案内される遊技領域に設けられた始動入球手段に遊技球が入球すると大当たり状態(特別遊技状態)を発生させるか否かの当否抽選が行われる。この当否抽選にて当選した場合には、遊技者に有利な大当たり状態が発生し、遊技者は多くの遊技価値(賞球)を獲得することが可能となる。
遊技機の前面ユニットに備えられた演出ボタンを遊技者が操作することで、遊技機の液晶表示装置における表示内容を変更させたり、スピーカから対応する音声等が流れるようになっている。従来の演出ボタン501は、図25の斜視図、図26の拡大断面図に示すような構成が一般的なものであった。
この演出ボタンを備えた遊技機に関する技術について、例えば特許文献3の特開2004−81603の「遊技機用の押しボタンスイッチユニット」には、遊技機に付設される押しボタンスイッチの構成が提案されている。
特開2004−81603公報 しかし、従来の演出ボタンの構成は、スイッチ構造がON−OFFといった入切の単純な構成であったため、遊技中に発生するチャンスタイムに際して、その多様な遊技状態に対応しづらいという問題を有していた。
本発明は、上述した問題点等を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、演出ボタンについて複数の操作を可能にすることで、チャンスタイムにおける多様な遊技状態に対応することができる演出ボタンを備えた遊技機を提供することにある。
遊技機B1は、遊技機における遊技状態に対応する複数の操作を切り換える演出ボタンを備えた遊技機であって、
前記演出ボタンは、
回転軸受部に保持されたダイヤル部の回転操作と押圧操作により切り換えを行うダイヤルスイッチと、
前記ダイヤル部の回転と押圧の何れの動作についても検出して検出信号を出力する検出器と、を備えた、ことを特徴とする遊技機。
遊技機B1では、演出ボタンについて複数の操作を可能にすることで、チャンスタイム等における多様な遊技状態に対応すると共に、遊技者の叩き動作、回転動作のいずれにも対応できる。
遊技機B2は、前記ダイヤルスイッチは、前記ダイヤル部の側面に設けた2か所の反射部と、該回転軸受部に設けた光検出器とを備え、回転動作及び該ダイヤル部の回転軸の長手方向と略直角な方向への変位を検出し、該光検出器で検出信号を出力するように構成した、ことを特徴とする遊技機B1の遊技機。
遊技機B3は、前記ダイヤルスイッチ前記ダイヤル部は、その側面に回動軸を中心に二重円を構成し、その内側の円形部には点状の反射部を、二重円の外側の円形部には円環状の反射部をそれぞれ設け、
前記点状の反射部と円環状の反射部は何れも前記光検出器でその動作を検出し、該光検出器で検出信号を出力するように構成した、ことを特徴とする遊技機B2の遊技機。
遊技機B2、B3では、ダイヤル部の側面の両反射部に向けられ、ダイヤル部の回転のほかに、ダイヤル部を押したときには、ダイヤル部が回転軸回りのどの位置にあっても、検出器は、円環状の反射部の反射光を受光部で受光することができ、これを検知して検知信号を出力できる
遊技機B4は、前記ダイヤルスイッチ前記ダイヤル部は、その側面に回動軸を中心に二重円を構成し、その内側の円形部には円環状の反射部を設け、二重円の外側の円形部には点状の反射部をそれぞれ設け、
前記円環状の反射部と点状の反射部は何れも前記光検出器でその動作を検出し、該光検出器で検出信号を出力するように構成した、ことを特徴とする遊技機B2の遊技機。
遊技機B4では、ダイヤル部を側方から押す動作に対応することができる。即ち、ダイヤル部の側面には円環状の反射部が設けられているために、ダイヤル部が回転軸回りのどの位置にあっても、検出器は、反射光を受光部で受光することができ、これを検知して検知信号を出力できる。
因みに、特徴A1乃至特徴A6、特徴B1〜特徴B4のいずれか1つ又はそれらの組み合わせを上記特徴A1乃至A6に適用してもよい。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル)と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構のソレノイド)と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品(釘等)とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部(作動口等)を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
遊技機10、A1〜A6、B1〜B4のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機である。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードヘ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機10、A1〜A6、B1〜B4のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機である。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機10、A1〜A6、B1〜B4のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機である。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手投(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。