JP6217411B2 - 印刷物 - Google Patents
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Description
すなわち、本発明は、印刷用紙に、印刷インキが印刷され、更に印刷面が表面処理された印刷物であって、下記(1)、(2)を特徴とする印刷物に関する。
(1)印刷インキがロジン樹脂を含有する。
(2)表面処理がコロナ処理、フレーム処理またはプラズマ処理であり、表面処理された印刷物の表面固有抵抗値が1.0×1013(Ω/sq)以下である。
更に、本発明は表面処理がコロナ処理である印刷物に関する。
更に、本発明は印刷用紙に、印刷インキを印刷し、更に印刷面を表面処理することを特徴とする印刷物の製造方法に関する。
印刷インキにはロジン樹脂を使用し、ロジン樹脂としては特に出版グラビア印刷用インキに適した硬化ロジンが好ましい。硬化ロジンは、アビチエン酸と2種類以上の金属塩からなり、ロジン金属塩ともよばれる。硬化ロジンの合成に用いる金属の種類は、マグネシウム、亜鉛、カルシウムのいずれかからなる。硬化ロジンは、酸価が100以下、インキ組成物中に10〜35重量%であることが好ましい。15重量%未満であるとドットゲインを抑制するのに十分な粘度を得る事が出来ず、またインキ塗膜中に充分な帯電防止剤の量を確保できない。35重量%を超えると、インキ粘度が過剰に高くなり流動性が損なわれ、インキ経時安定性および印刷効果に問題が生じる。さらに、粘度調整用の希釈量が大幅に増加するため、実質的な帯電防止剤量が減少し、ページめくり性は低下する傾向にある。
無機顔料の具体例としては、カーボンブラック、アルミニウム粉、ブロンズ粉、クロムバーミリオン、黄鉛、カドミウムイエロー、カドミウムレッド、群青、紺藍、ベンガラ、黄色酸化鉄、鉄黒、酸化チタン、酸化亜鉛等が挙げられる。
また染料の具体例としては、タートラジンレーキ、ローダリン6Gレーキ、ビクトリアピュアブルーレーキ、アルカリブルーGトーナー、ブリリアントグリーンレーキ等が挙げられ、この他コールタールも用いることができる。
体質顔料としてシリカを用いると印刷物のブロッキング防止、耐摩耗性の他、ページめくり性にも効果がある。シリカは、親水性シリカと、疎水化処理をしたシリカがあるが、本用途のシリカとしては、インキ中での分散安定性を維持するために、疎水化シリカを使用するのが好ましい。特に、有機ケイ素化合物で処理されたものがより好ましい。このシリカの平均粒径は3〜5μmであることが好ましく、平均粒径が3μm未満では、充分なページめくり性を得る為には多量に使用する必要があり、またインキの粘度上昇の原因となる。平均粒径が5μmを超えると滑り性が向上しページめくり性は得られ易いが、インキ安定性と塗膜の耐摩擦性および光沢が低下する傾向である。重量部としては、1〜5重量%を使用するのが好ましい。1重量%未満であると、充分なページめくり性の改良効果が得られにくく、5重量%を超えると、インキの粘度上昇が顕著に起こり粘度調整用の希釈量が大幅に増加するため、実質的なシリカ量は減少し、ページめくり性は低下する傾向にある。市販品の疎水化シリカとしては、のサイロホービックシリーズ(富士シリシア化学株式会社)がある。
トルエン:10部
硬化ロジン樹脂(ライムロジン(固形分50%、溶剤トルエン)、荒川化学工業社製):15部
C.I. ピグメントイエロー12:6部
上記配合物を顔料分散機(ペイントシェーカー)で2時間分散した。この分散体に
トルエン:53部
硬化ロジン樹脂:6部
炭酸カルシウム(タンカルPC(白石工業社製)):10部
を添加し黄色の出版用グラビアインキ1を得た。
次いで、この出版用グラビアインキを、粘度調整溶剤としてトルエンを用い、離合社製のザーンカップNo.3で12秒になるように粘度を調整して希釈し、希釈インキ1を得た。
トルエン:10部
硬化ロジン樹脂(ライムロジン(固形分50%、溶剤トルエン)、荒川化学工業社製):15部
C.I. ピグメントイエロー12:6部
上記配合物を顔料分散機(ペイントシェーカー)で2時間分散した。この分散体に
トルエン:53部
マレイン化石油樹脂(日石ネオポリマーE130、JX日鉱日石エネルギー社製:6部(固形分)
炭酸カルシウム(タンカルPC(白石工業社製)):10部
を添加し黄色の出版用グラビアインキ2を得た。
次いで、この出版用グラビアインキを、粘度調整溶剤としてトルエンを用い、離合社製のザーンカップNo.3で12秒になるように粘度を調整して希釈し、希釈インキ2を得た。
製造例1で得た希釈インキ1を、富士機械工業社製の紙用グラビア印刷校正機を用い、コンベンショナル20μベタ版(70線/cm)にて出版グラビア用印刷用紙(サイマーコート紙(斤量:57g/m2))に印刷し、25℃、50%RHの環境下で24時間保管し、印刷物1を得た。
次に印刷物1の印刷面に、コロナ処理装置(AGF-030(春日電機社製))にて出力1.5kW、ラインスピード30m/分の条件でコロナ処理を施した印刷物1を得た。
製造例2で得た希釈インキを用い、実施例1と同じ条件で印刷物2、コロナ処理を施した印刷物2を得た。
製造例1で得た希釈インキを用い、実施例1と同じ条件で印刷物3、フレーム処理を施した印刷物3を得た。フレーム処理はアルコテック社製B1-100を使用し、ライン速度40m/分で行なった。
製造例1で得た希釈インキを用い、実施例1と同じ条件で印刷物4、プラズマ処理を施した印刷物4を得た。プラズマ処理はパール工業社製高周波電源(80kHz、印加出力2.0W/cm2)を用い、ライン速度40m/分で行なった。
実施例1において、印刷物1に表面処理を施さない印刷紙1をそのまま用いた。
実施例2において、印刷物2に表面処理を施さない印刷紙2をそのまま用いた。
<ページめくり性>
印刷面と印刷面とを接触させて重ね合わせた後、1Nの加重をかけ、25℃、24時間放置し、手でめくる際のバリバリ音の大きさを評価した。
◎ ・・・「バリバリ音なし」
○ ・・・「バリバリ音ほとんどなし」
○△・・・「バリバリ音僅かにあり」
△ ・・・「バリバリ音あり」
× ・・・「バリバリ音顕著にあり」
実用レベルは○△以上である。
25℃、50%RHの環境下で、ヒューレトパッカード社製HIGH RESISTANCE METER4329Aにて印刷面の表面固有抵抗値を測定した。単位は(Ω/sq)である。
表面固有抵抗値の実用上レベルは1.0×1013(Ω/sq)以下である。
25℃、50%RHの環境下で、シシド静電気社製STASTIC ONESTMETER TYPE S5109にて印刷面に+10kVの電圧を30秒間印加後に遮断し、10分後の帯電電荷減衰率(1−(電圧遮断後10分後の帯電電位/30秒間電圧印加後の帯電電位))を測定した。帯電電荷減衰率が1に近いほど帯電防止性は高い。
以上をまとめると印刷物1〜4の何れにおいても表面処理を施すことで、ページめくり性、表面固有抵抗値、帯電時減衰率の何れも良好な結果となった。
○:印刷物の印刷表面の光沢が低下しない。
△:印刷物の印刷表面の光沢が極僅かに低下するが、凹凸は見られない。
×:印刷物の印刷表面の光沢が低下し、更に凹凸が見られる。
Claims (3)
- 印刷用紙に、印刷インキが印刷され、更に印刷面が表面処理された印刷物であって、下記(1)、(2)を特徴とする印刷物。
(1)印刷インキがロジン樹脂を含有する。
(2)表面処理がコロナ処理、フレーム処理またはプラズマ処理であり、表面処理された印刷物の表面固有抵抗値が1.0×1013(Ω/sq)以下である。 - 表面処理がコロナ処理である請求項1記載の印刷物。
- 印刷用紙に、印刷インキを印刷し、更に印刷面を表面処理することを特徴とする請求項1記載の印刷物の製造方法。
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