本発明の実施形態は、少なくとも一部は、オルガノスルフィドの存在下で共役ジエンをランタニドベース触媒で重合することを含む高シス−1,4−ポリジエンを製造するプロセスの発見に基づいている。先行技術は、ランタニド化合物の可溶化の目的のためにランタニドベース触媒系中にオルガノスルフィドを含めることを意図しているが、今では、オルガノスルフィドが重合速度を調節し、それにより、温度制御を容易にし、バルク重合における暴走反応のリスクを低減することが観察されたことから、重合中のオルガノスルフィドの存在が特にバルク重合系で有利であるということが明らかになった。また、重合中のオルガノスルフィドの存在により、比較的高い割合の反応性末端を持つ鎖端を特徴とするポリマーが製造される。
本発明の実施は、必ずしも、いずれか特定のランタニドベース触媒系の選択に限定されるものではない。1つまたは複数の実施形態では、採用された触媒系は、(a)ランタニド含有化合物、(b)アルキル化剤、および(c)ハロゲン源を含む。他の実施形態では、ハロゲン源の代わりに、非配位陰イオンまたは非配位陰イオン前駆物質を含む化合物を用いることができる。これらまたは他の実施形態では、上述の成分または構成成分に加えて、他の有機金属化合物、ルイス塩基、および/または重合調整剤を用いることができる。例えば、一実施形態では、米国特許第6,699,813号で開示されているように、ニッケル含有化合物を分子量調整剤として採用できる。この特許は、参照により本明細書に組み込まれる。また、オルガノスルフィドは、米国特許第7,741,418号で開示のジヒドロカルビルエーテル、または、国際出願第PCT/US2011/051717号で開示のアミンなどの他の重合調節物質と併せて使用できる。これらの特許は、参照により本明細書に組み込まれる。
共役ジエンモノマーの例には、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−エチル−1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、3−メチル−1,3−ペンタジエン、4−メチル−1,3−ペンタジエン、および2,4−ヘキサジエンが挙げられる。2種以上の共役ジエンの混合物も共重合に利用可能である。
上述のように、本発明に用いられる触媒系には、ランタニド含有化合物が含まれる。本発明に有用なランタニド含有化合物は、ランタン、ネオジミウム、セリウム、プラセオジム、プロメチウム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウム、およびジジムの内の少なくとも1種の原子が含まれる化合物である。一実施形態では、これらの化合物は、ネオジミウム、ランタン、サマリウム、またはジジムを含むことができる。本明細書で使われる用語の「ジジム」は、市販のモナズ砂から入手した希土類元素混合物を意味するものとする。さらに、本発明で有用なランタニド含有化合物は、元素状ランタニドであってもよい。
ランタニド含有化合物中のランタニド原子は、種々の酸化状態であってよく、これらには、限定されないが、0、+2、+3、および+4酸化状態が含まれる。一実施形態では、ランタニド原子が+3酸化状態である三価のランタニド含有化合物、を採用できる。適切なランタニド含有化合物には、ランタニドカルボキシラート、ランタニドオルガノホスファート、ランタニドオルガノホスホナート、ランタニドオルガノホスフィナート、ランタニドカルバマート、ランタニドジチオカルバマート、ランタニドキサンタート、ランタニドβ−ジケトナート、ランタニドアルコキシドまたはアリールオキシド、ランタニドハリド、ランタニドプソイドハリド、ランタニドオキシハリド、およびオルガノランタニド化合物、が挙げられるがこれらに限定されない。
1つまたは複数の実施形態では、ランタニド含有化合物は、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、または脂環式の炭化水素などの炭化水素溶媒に可溶であってもよい。しかし、炭化水素不溶性のランタニド含有化合物が本発明で有用である場合もある。理由は、それらを重合媒体中に懸濁させて触媒的に活性な種を形成できるからである。
説明を分かりやすくするために、有用なランタニド含有化合物に関する以降の考察はネオジミウム化合物を重点的に取り扱うことにするが、当業者なら他のランタニド金属に基づいて類似の化合物を選択できるであろう。
好適なネオジミウムカルボキシラートには、ネオジミウムホルマート、ネオジミウムアセタート、ネオジミウムアクリラート、ネオジミウムメタクリラート、ネオジミウムバレラート、ネオジミウムグルコナート、ネオジミウムシトラート、ネオジミウムフマラート、ネオジミウムラクタート、ネオジミウムマレアート、ネオジミウムオキサラート、ネオジミウム2−エチルヘキサノアート、ネオジミウムネオデカノアート(別名、ネオジミウムベルサタート)、ネオジミウムナフテナート、ネオジミウムステアラート、ネオジミウムオレアート、ネオジミウムベンゾアート、およびネオジミウムピコリナート、が挙げられるがこれらに限定されない。
好適なネオジミウムオルガノホスファートには、ネオジミウムジブチルホスファート、ネオジミウムジペンチルホスファート、ネオジミウムジヘキシルホスファート、ネオジミウムジヘプチルホスファート、ネオジミウムジオクチルホスファート、ネオジミウムビス(1−メチルヘプチル)ホスファート、ネオジミウムビス(2−エチルヘキシル)ホスファート、ネオジミウムジデシルホスファート、ネオジミウムジドデシルホスファート、ネオジミウムジオクタデシルホスファート、ネオジミウムジオレイルホスファート、ネオジミウムジフェニルホスファート、ネオジミウムビス(p−ノニルフェニル)ホスファート、ネオジミウムブチル(2−エチルヘキシル)ホスファート、ネオジミウム(1−メチルヘプチル)(2−エチルヘキシル)ホスファート、およびネオジミウム(2−エチルヘキシル)(p−ノニルフェニル)ホスファート、が挙げられるがこれらに限定されない。
好適なネオジミウムオルガノホスホナートには、ネオジミウムブチルホスホナート、ネオジミウムペンチルホスホナート、ネオジミウムヘキシルホスホナート、ネオジミウムヘプチルホスホナート、ネオジミウムオクチルホスホナート、ネオジミウム(1−メチルヘプチル)ホスホナート、ネオジミウム(2−エチルヘキシル)ホスホナート、ネオジミウムデシルホスホナート、ネオジミウムドデシルホスホナート、ネオジミウムオクタデシルホスホナート、ネオジミウムオレイルホスホナート、ネオジミウムフェニルホスホナート、ネオジミウム(p−ノニルフェニル)ホスホナート、ネオジミウムブチルブチルホスホナート、ネオジミウムペンチルペンチルホスホナート、ネオジミウムヘキシルヘキシルホスホナート、ネオジミウムヘプチルヘプチルホスホナート、ネオジミウムオクチルオクチルホスホナート、ネオジミウム(1−メチルヘプチル)(1−メチルヘプチル)ホスホナート、ネオジミウム(2−エチルヘキシル)(2−エチルヘキシル)ホスホナート、ネオジミウムデシルデシルホスホナート、ネオジミウムドデシルドデシルホスホナート、ネオジミウムオクタデシルオクタデシルホスホナート、ネオジミウムオレイルオレイルホスホナート、ネオジミウムフェニルフェニルホスホナート、ネオジミウム(p−ノニルフェニル)(p−ノニルフェニル)ホスホナート、ネオジミウムブチル(2−エチルヘキシル)ホスホナート、ネオジミウム(2−エチルヘキシル)ブチルホスホナート、ネオジミウム(1−メチルヘプチル)(2−エチルヘキシル)ホスホナート、ネオジミウム(2−エチルヘキシル)(1−メチルヘプチル)ホスホナート、ネオジミウム(2−エチルヘキシル)(p−ノニルフェニル)ホスホナート、およびネオジミウム(p−ノニルフェニル)(2−エチルヘキシル)ホスホナート、が挙げられるがこれらに限定されない。
好適なネオジミウムオルガノホスフィナートには、ネオジミウムブチルホスフィナート、ネオジミウムペンチルホスフィナート、ネオジミウムヘキシルホスフィナート、ネオジミウムヘプチルホスフィナート、ネオジミウムオクチルホスフィナート、ネオジミウム(1−メチルヘプチル)ホスフィナート、ネオジミウム(2−エチルヘキシル)ホスフィナート、ネオジミウムデシルホスフィナート、ネオジミウムドデシルホスフィナート、ネオジミウムオクタデシルホスフィナート、ネオジミウムオレイルホスフィナート、ネオジミウムフェニルホスフィナート、ネオジミウム(p−ノニルフェニル)ホスフィナート、ネオジミウムジブチルホスフィナート、ネオジミウムジペンチルホスフィナート、ネオジミウムジヘキシルホスフィナート、ネオジミウムジヘプチルホスフィナート、ネオジミウムジオクチルホスフィナート、ネオジミウムビス(1−メチルヘプチル)ホスフィナート、ネオジミウムビス(2−エチルヘキシル)ホスフィナート、ネオジミウムジデシルホスフィナート、ネオジミウムジドデシルホスフィナート、ネオジミウムジオクタデシルホスフィナート、ネオジミウムジオレイルホスフィナート、ネオジミウムジフェニルホスフィナート、ネオジミウムビス(p−ノニルフェニル)ホスフィナート、ネオジミウムブチル(2−エチルヘキシル)ホスフィナート、ネオジミウム(1−メチルヘプチル)(2−エチルヘキシル)ホスフィナート、およびネオジミウム(2−エチルヘキシル)(p−ノニルフェニル)ホスフィナート、が挙げられるがこれらに限定されない。
好適なネオジミウムカルバマートには、ネオジミウムジメチルカルバマート、ネオジミウムジエチルカルバマート、ネオジミウムジイソプロピルカルバマート、ネオジミウムジブチルカルバマート、およびネオジミウムジベンジルカルバマート、が挙げられるがこれらに限定されない。
好適なネオジミウムジチオカルバマートには、ネオジミウムジメチルジチオカルバマート、ネオジミウムジエチルジチオカルバマート、ネオジミウムジイソプロピルジチオカルバマート、ネオジミウムジブチルジチオカルバマート、およびネオジミウムジベンジルジチオカルバマート、が挙げられるがこれらに限定されない。
好適なネオジミウムキサンタートには、ネオジミウムメチルキサンタート、ネオジミウムエチルキサンタート、ネオジミウムイソプロピルキサンタート、ネオジミウムブチルキサンタート、およびネオジミウムベンジルキサンタート、が挙げられるがこれらに限定されない。
好適なネオジミウムβ−ジケトナートには、ネオジミウムアセチルアセトナート、ネオジミウムトリフルオロアセチルアセトナート、ネオジミウムヘキサフルオロアセチルアセトナート、ネオジミウムベンゾイルアセトナート、およびネオジミウム2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナート、が挙げられるがこれらに限定されない。
好適なネオジミウムアルコキシドまたはアリールオキシドには、ネオジミウムメトキシド、ネオジミウムエトキシド、ネオジミウムイソプロポキシド、ネオジミウム2−エチルヘキサオキシド、ネオジミウムフェノキシド、ネオジミウムノニルフェノキシド、およびネオジミウムナフトキシド、が挙げられるがこれらに限定されない。
好適なネオジミウムハリドには、限定されないが、ネオジミウムフルオリド、ネオジミウムクロリド、ネオジミウムブロミド、およびネオジミウムヨージドが挙げられる。好適なネオジミウムプソイドハリドには、限定されないが、ネオジミウムシアニド、ネオジミウムシアナート、ネオジミウムチオシアナート、ネオジミウムアジ化物、およびネオジミウムフェロシアニド、が挙げられる。また、好適なネオジミウムオキシハリドには、限定されないが、ネオジミウムオキシフルオリド、ネオジミウムオキシクロリド、およびネオジミウムオキシブロミドが挙げられる。テトラヒドロフラン(「THF」)などのルイス塩基は、これらの種類のネオジミウム化合物を不活性の有機溶媒中で可溶化するための補助剤として用いることができる。ランタニドハリド、ランタニドオキシハリド、またはハロゲン原子を含む他のランタニド含有化合物が採用される場合、ランタニド含有化合物は、上述の触媒系におけるハロゲン源の全部または一部としての役割も可能である。
本明細書で使われる用語のオルガノランタニド化合物は、少なくとも1つのランタニド−炭素結合を含む任意のランタニド含有化合物を意味する。これらの化合物は、主に、シクロペンタジエニル(「Cp」)、置換シクロペンタジエニル、アリル、および置換アリルリガンドを含むものであるが、これらに限定されない。好適なオルガノランタニド化合物は、限定されないが、Cp3Ln、Cp2LnR、Cp2LnCl、CpLnCl2、CpLn(シクロオクタテトラエン)、(C5Me5)2LnR、LnR3、Ln(アリル)3、およびLn(アリル)2Clが含まれ、式中、Lnはランタニド原子を表し、Rはヒドロカルビル基を表す。1つまたは複数の実施形態では、本発明で有用なヒドロカルビル基は、例えば、窒素、酸素、ホウ素、ケイ素、硫黄、およびリン原子などのヘテロ原子を含んでもよい。
上述のように、本発明で用いられる触媒系は、アルキル化剤を含むことができる。1つまたは複数の実施形態では、ヒドロカルビル化剤とも呼ばれることもあるアルキル化剤には、1つまたは複数のヒドロカルビル基を別の金属に移動させることができる有機金属化合物が含まれる。通常、これらの薬剤には、1、2、および3族金属(IA、IIA、およびIIIA族金属)などの陽性金属の有機金属化合物が含まれる。本発明で有用なアルキル化剤には、オルガノアルミニウムおよびオルガノマグネシウム化合物が挙げられるがこれらに限定されない。本明細書で使われる用語のオルガノアルミニウム化合物は、少なくとも1つのアルミニウム−炭素結合を含む任意のアルミニウム化合物を意味する。1つまたは複数の実施形態では、炭化水素溶媒中に可溶のオルガノアルミニウム化合物を使用できる。本明細書で使われる用語のオルガノマグネシウム化合物は、少なくとも1つのマグネシウム−炭素結合を含む任意のマグネシウム化合物を意味する。1つまたは複数の実施形態では、炭化水素中に可溶のオルガノマグネシウム化合物を使用できる。以下でさらに詳細に記載されるように、いくつかの種類の好適なアルキル化剤は、ハロゲン化物の形態であってもよい。アルキル化剤がハロゲン原子を含む場合は、アルキル化剤はまた、上記触媒系中のハロゲン源の全部または一部としての役割を果たすことができる。
1つまたは複数の実施形態では、利用可能なオルガノアルミニウム化合物には、一般式AlRnX3−nで表される化合物が含まれ、式中、Rは、独立に、炭素原子を介してアルミニウム原子に結合した一価有機基であってもよく、各Xは、独立に、水素原子、ハロゲン原子、カルボキシラート基、アルコキシド基、またはアリールオキシド基であってもよく、さらに、nは、1〜3の範囲の整数であってよい。オルガノアルミニウム化合物がハロゲン原子を含む場合は、オルガノアルミニウム化合物は、触媒系中のアルキル化剤の役割およびハロゲン源の少なくとも一部としての役割の両方を果たすことができる。1つまたは複数の実施形態では、各Rは、独立に、例えば、アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、アラルキル、アルカリル、アリル、およびアルキニル基などのヒドロカルビル基であってもよく、各基は、1炭素原子、または基を形成するのに適する炭素原子の最小数から約20までの範囲の炭素原子を含む。これらのヒドロカルビル基は、窒素、酸素、ホウ素、ケイ素、硫黄、およびリン原子などのヘテロ原子を含んでもよいが、これらに限定されない。
一般式AlRnX3−nにより表されるオルガノアルミニウム化合物の種類には、トリヒドロカルビルアルミニウム、ジヒドロカルビルアルミニウムヒドリド、ヒドロカルビルアルミニウムジヒドリド、ジヒドロカルビルアルミニウムカルボキシラート、ヒドロカルビルアルミニウムビス(カルボキシラート)、ジヒドロカルビルアルミニウムアルコキシド、ヒドロカルビルアルミニウムジアルコキシド、ジヒドロカルビルアルミニウムハロゲン化物(ハリド)、ヒドロカルビルアルミニウムジハリド、ジヒドロカルビルアルミニウムアリールオキシド、およびヒドロカルビルアルミニウムジアリールオキシド化合物、が挙げられるがこれらに限定されない。一実施形態では、アルキル化剤には、トリヒドロカルビルアルミニウム、ジヒドロカルビルアルミニウムヒドリド、および/またはヒドロカルビルアルミニウムジヒドリド化合物を含むことができる。一実施形態では、アルキル化剤がオルガノアルミニウムヒドリド化合物を含む場合、米国特許第7,008,899号で開示のように、上述のハロゲン源はスズハリドから供給できる。この特許は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
好適なトリヒドロカルビルアルミニウム化合物には、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−n−プロピルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリ−t−ブチルアルミニウム、トリ−n−ペンチルアルミニウム、トリネオペンチルアルミニウム、トリ−n−ヘキシルアルミニウム、トリ−n−オクチルアルミニウム、トリス(2−エチルヘキシル)アルミニウム、トリシクロヘキシルアルミニウム、トリス(1−メチルシクロペンチル)アルミニウム、トリフェニルアルミニウム、トリ−p−トリルアルミニウム、トリス(2,6−ジメチルフェニル)アルミニウム、トリベンジルアルミニウム、ジエチルフェニルアルミニウム、ジエチル−p−トリルアルミニウム、ジエチルベンジルアルミニウム、エチルジフェニルアルミニウム、エチルジ−p−トリルアルミニウム、およびエチルジベンジルアルミニウム、が挙げられるがこれらに限定されない。
好適なジヒドロカルビルアルミニウムヒドリド化合物には、ジエチルアルミニウムヒドリド、ジ−n−プロピルアルミニウムヒドリド、ジイソプロピルアルミニウムヒドリド、ジ−n−ブチルアルミニウムヒドリド、ジイソブチルアルミニウムヒドリド、ジ−n−オクチルアルミニウムヒドリド、ジフェニルアルミニウムヒドリド、ジ−p−トリルアルミニウムヒドリド、ジベンジルアルミニウムヒドリド、フェニルエチルアルミニウムヒドリド、フェニル−n−プロピルアルミニウムヒドリド、フェニルイソプロピルアルミニウムヒドリド、フェニル−n−ブチルアルミニウムヒドリド、フェニルイソブチルアルミニウムヒドリド、フェニル−n−オクチルアルミニウムヒドリド、p−トリルエチルアルミニウムヒドリド、p−トリル−n−プロピルアルミニウムヒドリド、p−トリルイソプロピルアルミニウムヒドリド、p−トリル−n−ブチルアルミニウムヒドリド、p−トリルイソブチルアルミニウムヒドリド、p−トリル−n−オクチルアルミニウムヒドリド、ベンジルエチルアルミニウムヒドリド、ベンジル−n−プロピルアルミニウムヒドリド、ベンジルイソプロピルアルミニウムヒドリド、ベンジル−n−ブチルアルミニウムヒドリド、ベンジルイソブチルアルミニウムヒドリド、およびベンジル−n−オクチルアルミニウムヒドリド、が挙げられるがこれらに限定されない。
好適なヒドロカルビルアルミニウムジヒドリドには、エチルアルミニウムジヒドリド、n−プロピルアルミニウムジヒドリド、イソプロピルアルミニウムジヒドリド、n−ブチルアルミニウムジヒドリド、イソブチルアルミニウムジヒドリド、およびn−オクチルアルミニウムジヒドリド、が挙げられるがこれらに限定されない。
好適なジヒドロカルビルアルミニウムハロゲン化物(ハリド)化合物には、ジエチルアルミニウムクロリド、ジ−n−プロピルアルミニウムクロリド、ジイソプロピルアルミニウムクロリド、ジ−n−ブチルアルミニウムクロリド、ジイソブチルアルミニウムクロリド、ジ−n−オクチルアルミニウムクロリド、ジフェニルアルミニウムクロリド、ジ−p−トリルアルミニウムクロリド、ジベンジルアルミニウムクロリド、フェニルエチルアルミニウムクロリド、フェニル−n−プロピルアルミニウムクロリド、フェニルイソプロピルアルミニウムクロリド、フェニル−n−ブチルアルミニウムクロリド、フェニルイソブチルアルミニウムクロリド、フェニル−n−オクチルアルミニウムクロリド、p−トリルエチルアルミニウムクロリド、p−トリル−n−プロピルアルミニウムクロリド、p−トリルイソプロピルアルミニウムクロリド、p−トリル−n−ブチルアルミニウムクロリド、p−トリルイソブチルアルミニウムクロリド、p−トリル−n−オクチルアルミニウムクロリド、ベンジルエチルアルミニウムクロリド、ベンジル−n−プロピルアルミニウムクロリド、ベンジルイソプロピルアルミニウムクロリド、ベンジル−n−ブチルアルミニウムクロリド、ベンジルイソブチルアルミニウムクロリド、およびベンジル−n−オクチルアルミニウムクロリド、が挙げられるが、これらに限定されない。
好適なヒドロカルビルアルミニウムジハリド化合物には、エチルアルミニウムジクロリド、n−プロピルアルミニウムジクロリド、イソプロピルアルミニウムジクロリド、n−ブチルアルミニウムジクロリド、イソブチルアルミニウムジクロリド、およびn−オクチルアルミニウムジクロリド、が挙げられるがこれらに限定されない。
アルキル化剤として有用な一般式AlRnX3−nで表される他のオルガノアルミニウム化合物には、ジメチルアルミニウムヘキサノアート、ジエチルアルミニウムオクトアート、ジイソブチルアルミニウム2−エチルヘキサノアート、ジメチルアルミニウムネオデカノアート、ジエチルアルミニウムステアラート、ジイソブチルアルミニウムオレアート、メチルアルミニウムビス(ヘキサノアート)、エチルアルミニウムビス(オクトアート)、イソブチルアルミニウムビス(2−エチルヘキサノアート)、メチルアルミニウムビス(ネオデカノアート)、エチルアルミニウムビス(ステアラート)、イソブチルアルミニウムビス(オレアート)、ジメチルアルミニウムメトキシド、ジエチルアルミニウムメトキシド、ジイソブチルアルミニウムメトキシド、ジメチルアルミニウムエトキシド、ジエチルアルミニウムエトキシド、ジイソブチルアルミニウムエトキシド、ジメチルアルミニウムフェノキシド、ジエチルアルミニウムフェノキシド、ジイソブチルアルミニウムフェノキシド、メチルアルミニウムジメトキシド、エチルアルミニウムジメトキシド、イソブチルアルミニウムジメトキシド、メチルアルミニウムジエトキシド、エチルアルミニウムジエトキシド、イソブチルアルミニウムジエトキシド、メチルアルミニウムジフェノキシド、エチルアルミニウムジフェノキシド、およびイソブチルアルミニウムジフェノキシド、が挙げられるがこれらに限定されない。
本発明でアルキル化剤としての使用に好適な別の種類のオルガノアルミニウム化合物は、アルミノキサンである。アルミノキサンは、一般式:
で表すことができるオリゴマーの直鎖アルミノキサン、および一般式:
で表すことができるオリゴマーの環式アルミノキサンを含むことができ、式中、xは、1〜約100、または約10〜約50の範囲の整数であってよく、yは、2〜約100、または約3〜約20の範囲の整数であってよく、また、各Rは、独立に、炭素原子を介してアルミニウム原子に結合した一価の有機基であってよい。一実施形態では、各Rは、限定されないが、独立に、アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、アラルキル、アルカリル、アリル、およびアルキニル基を含むヒドロカルビル基であってよく、各基は、1炭素原子、または基の形成に適する炭素原子の最小数から約20までの範囲の炭素原子を含む。また、これらのヒドロカルビル基は、窒素、酸素、ホウ素、ケイ素、硫黄、およびリン原子などのヘテロ原子を含んでもよいが、これらに限定されない。本出願で使われるアルミノキサンのモル数は、オリゴマーのアルミノキサン分子のモル数ではなくアルミニウム原子のモル数を意味することに留意されたい。この約束事は、アルミノキサンを利用する触媒系の技術分野でよく使われる。
アルミノキサンは、トリヒドロカルビルアルミニウム化合物を水と反応させることにより調製できる。この反応は、例えば、(1)トリヒドロカルビルアルミニウム化合物を有機溶媒中に溶解した後、水と接触させる方法、(2)トリヒドロカルビルアルミニウム化合物を、例えば、金属塩中に含まれる結晶水、または無機もしくは有機化合物中に吸着された水と反応させる方法、または(3)重合対象のモノマーまたはモノマー溶液の存在下で、トリヒドロカルビルアルミニウム化合物を水と反応させる方法、などの既知の方法により行うことができる。
好適なアルミノキサン化合物には、メチルアルミノキサン(「MAO」)、変性メチルアルミノキサン(「MMAO」)、エチルアルミノキサン、n−プロピルアルミノキサン、イソプロピルアルミノキサン、ブチルアルミノキサン、イソブチルアルミノキサン、n−ペンチルアルミノキサン、ネオペンチルアルミノキサン、n−ヘキシルアルミノキサン、n−オクチルアルミノキサン、2−エチルヘキシルアルミノキサン、シクロヘキシルアルミノキサン、1−メチルシクロペンチルアルミノキサン、フェニルアルミノキサン、および2,6−ジメチルフェニルアルミノキサン、が挙げられるがこれらに限定されない。変性メチルアルミノキサンは、当業者に既知の技術を使って、メチルアルミノキサンの約20〜80パーセントのメチル基をC2〜C12ヒドロカルビル基、好ましくは、イソブチル基で置換することにより形成できる。
アルミノキサンは、単独で、または、他のオルガノアルミニウム化合物と組み合わせて使用できる。一実施形態では、メチルアルミノキサンおよびジイソブチルアルミニウムヒドリドなどの他のオルガノアルミニウム化合物(例えば、AlRnX3−n)の内の少なくとも1種を組み合わせて使用できる。米国特許公開第2008/0182954号(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)では、アルミノキサンおよびオルガノアルミニウム化合物を組み合わせて使用できる他の例が示されている。
上述のように、本発明に有用なアルキル化剤はオルガノマグネシウム化合物を含むことができる。1つまたは複数の実施形態では、利用可能なオルガノマグネシウム化合物には、一般式MgR2により表される化合物が含まれ、式中、各Rは、独立に、炭素原子を介してマグネシウム原子に結合した一価有機基であってよい。1つまたは複数の実施形態では、各Rは、限定されないが、独立に、アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、アリル、置換アリール、アラルキル、アルカリル、およびアルキニル基などのヒドロカルビル基であってもよく、各基は、1炭素原子、または基の形成に適する最小数の炭素原子から約20までの範囲の炭素原子を含む。また、これらのヒドロカルビル基は、窒素、酸素、ケイ素、硫黄、およびリン原子などのヘテロ原子を含んでもよいがこれらに限定されない。
一般式MgR2により表すことができる好適なオルガノマグネシウム化合物には、ジエチルマグネシウム、ジ−n−プロピルマグネシウム、ジイソプロピルマグネシウム、ジブチルマグネシウム、ジヘキシルマグネシウム、ジフェニルマグネシウム、およびジベンジルマグネシウム、が挙げられるがこれらに限定されない。
アルキル化剤として利用可能な別の種類のオルガノマグネシウム化合物は、一般式RMgXで表すことができ、式中、Rは炭素原子を介してマグネシウム原子に結合した一価有機基であってよく、また、Xは、水素原子、ハロゲン原子、カルボキシラート基、アルコキシド基、またはアリールオキシド基であってよい。オルガノマグネシウム化合物がハロゲン原子を含む場合は、オルガノマグネシウム化合物は、触媒系中で、アルキル化剤の役割およびハロゲン源の少なくとも一部としての役割の両方を果たすことができる。1つまたは複数の実施形態では、Rは、限定されないが、アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、アリル、置換アリール、アラルキル、アルカリル、およびアルキニル基を含むヒドロカルビル基であってよく、各基は、1炭素原子、または基の形成に適する最小数の炭素原子から約20までの範囲の炭素原子を含む。また、これらのヒドロカルビル基は、窒素、酸素、ホウ素、ケイ素、硫黄、およびリン原子、などのヘテロ原子を含んでもよいがこれらに限定されない。一実施形態では、Xは、カルボキシラート基、アルコキシド基、またはアリールオキシド基であってよく、各基は、1〜約20までの範囲の炭素原子を含む。
一般式RMgXで表すことができるオルガノマグネシウム化合物の種類には、ヒドロカルビルマグネシウムヒドリド、ヒドロカルビルマグネシウムハリド、ヒドロカルビルマグネシウムカルボキシラート、ヒドロカルビルマグネシウムアルコキシド、およびヒドロカルビルマグネシウムアリールオキシド、が挙げられるがこれらに限定されない。
一般式RMgXで表すことができる好適なオルガノマグネシウム化合物には、メチルマグネシウムヒドリド、エチルマグネシウムヒドリド、ブチルマグネシウムヒドリド、ヘキシルマグネシウムヒドリド、フェニルマグネシウムヒドリド、ベンジルマグネシウムヒドリド、メチルマグネシウムクロリド、エチルマグネシウムクロリド、ブチルマグネシウムクロリド、ヘキシルマグネシウムクロリド、フェニルマグネシウムクロリド、ベンジルマグネシウムクロリド、メチルマグネシウムブロミド、エチルマグネシウムブロミド、ブチルマグネシウムブロミド、ヘキシルマグネシウムブロミド、フェニルマグネシウムブロミド、ベンジルマグネシウムブロミド、メチルマグネシウムヘキサノアート、エチルマグネシウムヘキサノアート、ブチルマグネシウムヘキサノアート、ヘキシルマグネシウムヘキサノアート、フェニルマグネシウムヘキサノアート、ベンジルマグネシウムヘキサノアート、メチルマグネシウムエトキシド、エチルマグネシウムエトキシド、ブチルマグネシウムエトキシド、ヘキシルマグネシウムエトキシド、フェニルマグネシウムエトキシド、ベンジルマグネシウムエトキシド、メチルマグネシウムフェノキシド、エチルマグネシウムフェノキシド、ブチルマグネシウムフェノキシド、ヘキシルマグネシウムフェノキシド、フェニルマグネシウムフェノキシド、およびベンジルマグネシウムフェノキシド、が挙げられるがこれらに限定されない。
上述のように、本発明で使われる触媒系はハロゲン源を含むことができる。本明細書で使われる用語のハロゲン源は、少なくとも1つのハロゲン原子を含む任意の物質を意味する。1つまたは複数の実施形態では、上記ランタニド含有化合物および/または上記アルキル化剤が少なくとも1つのハロゲン原子を含む場合には、ハロゲン源の少なくとも一部は、これらのいずれかから供給できる。換言すれば、ランタニド含有化合物は、ランタニド含有化合物の役割およびハロゲン源の少なくとも一部としての役割の両方を果たすことができる。同様に、アルキル化剤は、アルキル化剤の役割およびハロゲン源の少なくとも一部としての役割の両方を果たすことができる。
別の実施形態では、ハロゲン源の少なくとも一部が、別の、異なるハロゲン含有化合物の形で触媒系中に存在してもよい。1つまたは複数のハロゲン原子を含む種々の化合物、またはこれらの混合物をハロゲン源として使用できる。ハロゲン原子の例には、フッ素、塩素、臭素、およびヨウ素が挙げられるがこれらに限定されない。2種以上のハロゲン原子の組み合わせも利用できる。炭化水素溶媒に可溶な1つまたは複数のハロゲン原子含有化合物は、本発明での使用に好適である。しかし、炭化水素不溶性のハロゲン含有化合物であっても、重合系中に懸濁して触媒的に活性な種が形成できるので有用である。
有用な使用可能な種類のハロゲン含有化合物には、ハロゲン元素、混合ハロゲン、水素ハリド、有機ハリド、無機ハリド、金属ハリド、および有機金属ハリド、が挙げられるがこれらに限定されない。
本発明での使用に好適なハロゲン元素には、フッ素、塩素、臭素、およびヨウ素、が挙げられるがこれらに限定されない。好適な混合ハロゲンのいくつかの具体的な例には、ヨウ素モノクロリド、ヨウ素モノブロミド、ヨウ素トリクロリド、およびヨウ素ペンタフルオリド、が挙げられる。
水素ハリドには、水素フルオリド、水素クロリド、水素ブロミド、および水素ヨージド、が挙げられるがこれらに限定されない。
有機ハリドには、t−ブチルクロリド、t−ブチルブロミド、アリルクロリド、アリルブロミド、ベンジルクロリド、ベンジルブロミド、クロロジフェニルメタン、ブロモ−ジ−フェニルメタン、トリフェニルメチルクロリド、トリフェニルメチルブロミド、ベンジリデンクロリド、ベンジリデンブロミド(α,α−ジブロモトルエンまたはベンザルブロミドとも呼ばれる)、メチルトリクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、ベンゾイルクロリド、ベンゾイルブロミド、プロピオニルクロリド、プロピオニルブロミド、メチルクロロホルマート、メチルブロモホルマート、炭素テトラブロミド(テトラブロモメタンとも呼ばれる)、トリブロモメタン(ブロモホルムとも呼ばれる)、ブロモメタン、ジブロモメタン、1−ブロモプロパン、2−ブロモプロパン、1,3−ジブロモプロパン、2,2−ジメチル−1−ブロモプロパン(ネオペンチルブロミドとも呼ばれる)、ホルミルブロミド、アセチルブロミド、プロピオニルブロミド、ブチリルブロミド、イソブチリルブロミド、バレロイルブロミド、イソバレリルブロミド、ヘキサノイルブロミド、ベンゾイルブロミド、メチルブロモアセタート、メチル2−ブロモプロピオナート、メチル3−ブロモプロピオナート、メチル2−ブロモブチラート、メチル2−ブロモヘキサノアート、メチル4−ブロモクロトナート、メチル2−ブロモベンゾアート、メチル3−ブロモベンゾアート、メチル4−ブロモベンゾアート、ヨードメタン、ジヨードメタン、トリヨードメタン(ヨードホルムとも呼ばれる)、テトラヨードメタン、1−ヨードプロパン、2−ヨードプロパン、1,3−ジヨードプロパン、t−ブチルヨージド、2,2−ジメチル−1−ヨードプロパン(ネオペンチルヨージドとも呼ばれる)、アリルヨージド、ヨードベンゼン、ベンジルヨージド、ジフェニルメチルヨージド、トリフェニルメチルヨージド、ベンジリデンヨージド(ベンザルヨージドまたはα,α−ジヨードトルエンとも呼ばれる)、トリメチルシリルヨージド、トリエチルシリルヨージド、トリフェニルシリルヨージド、ジメチルジヨードシラン、ジエチルジヨードシラン、ジフェニルジヨードシラン、メチルトリヨードシラン、エチルトリヨードシラン、フェニルトリヨードシラン、ベンゾイルヨージド、プロピオニルヨージド、およびメチルヨードホルマート、が挙げられるがこれらに限定されない。
無機のハリドには、リントリクロリド、リントリブロミド、リンペンタクロリド、リンオキシクロリド、リンオキシブロミド、ホウ素トリフルオリド、ホウ素トリクロリド、ホウ素トリブロミド、シリコンテトラフルオリド、シリコンテトラクロリド、シリコンテトラブロミド、シリコンテトラヨージド、ヒ素トリクロリド、ヒ素トリブロミド、ヒ素トリヨージド、セレンテトラクロリド、セレンテトラブロミド、テルルテトラクロリド、テルルテトラブロミド、およびテルルテトラヨージド、が挙げられるがこれらに限定されない。
金属のハリドには、四塩化スズ、スズテトラブロミド、アルミニウムトリクロリド、アルミニウムトリブロミド、アンチモントリクロリド、アンチモンペンタクロリド、アンチモントリブロミド、アルミニウムトリヨージド、アルミニウムトリフルオリド、ガリウムトリクロリド、ガリウムトリブロミド、ガリウムトリヨージド、ガリウムトリフルオリド、インジウムトリクロリド、インジウムトリブロミド、インジウムトリヨージド、インジウムトリフルオリド、チタニウムテトラクロリド、チタニウムテトラブロミド、チタニウムテトラヨージド、亜鉛ジクロリド、亜鉛ジブロミド、亜鉛ジヨージド、および亜鉛ジフルオリド、が挙げられるがこれらに限定されない。
有機金属ハリドには、ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジメチルアルミニウムブロミド、ジエチルアルミニウムブロミド、ジメチルアルミニウムフルオリド、ジエチルアルミニウムフルオリド、メチルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムジクロリド、メチルアルミニウムジブロミド、エチルアルミニウムジブロミド、メチルアルミニウムジフルオリド、エチルアルミニウムジフルオリド、メチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセスキクロリド、イソブチルアルミニウムセスキクロリド、メチルマグネシウムクロリド、メチルマグネシウムブロミド、メチルマグネシウムヨージド、エチルマグネシウムクロリド、エチルマグネシウムブロミド、ブチルマグネシウムクロリド、ブチルマグネシウムブロミド、フェニルマグネシウムクロリド、フェニルマグネシウムブロミド、ベンジルマグネシウムクロリド、トリメチルスズクロリド、トリメチルスズブロミド、トリエチルスズクロリド、トリエチルスズブロミド、ジ−t−ブチルスズジクロリド、ジ−t−ブチルスズジブロミド、ジブチルスズジクロリド、ジブチルスズジブロミド、トリブチルスズクロリド、およびトリブチルスズブロミド、が挙げられるがこれらに限定されない。
1つまたは複数の実施形態では、上記触媒系は、非配位陰イオンまたは非配位陰イオン前駆物質を含む化合物を含むことができる。1つまたは複数の実施形態では、非配位陰イオン、または非配位陰イオン前駆物質を含む化合物を、上記ハロゲン源の代わりに用いることができる。非配位陰イオンは、立体的に嵩高い陰イオンで、例えば、立体障害が原因で触媒系の活性中心と配位結合を形成しない。本発明で有用な非配位陰イオンには、テトラアリールボラート陰イオンおよびフッ素化テトラアリールボラート陰イオン、が挙げられるがこれらに限定されない。また、非配位陰イオンを含む化合物は、カルボニウム、アンモニウム、またはホスホニウム陽イオンなどの対陽イオンも含むことができる。代表的対陽イオンには、トリアリールカルボニウム陽イオンおよびN,N−ジアルキルアニリニウム陽イオン、が挙げられるがこれらに限定されない。非配位陰イオンおよび対陽イオンを含む化合物の例には、トリフェニルカルボニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸塩、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸塩、トリフェニルカルボニウムテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ホウ酸塩、およびN,N−ジメチルアニリニウムテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ホウ酸塩、が挙げられるがこれらに限定されない。
また、非配位陰イオン前駆物質をこの実施形態で使用可能である。非配位陰イオン前駆物質は、反応条件下で非配位陰イオンを形成できる化合物である。有用な非配位陰イオン前駆物質には、トリアリールホウ素化合物:BR3、が挙げられるがこれらに限定されない。式中、Rは、ペンタフルオロフェニルまたは3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基などの強い電子求引性アリール基である。
上記で考察のように、ランタニド含有化合物、アルキル化剤、およびハロゲン源が導入されると活性触媒が形成される。本発明では、これは、オルガノスルフィドの実質的な非存在下で起こる。生じた活性触媒は、共役ジエンモノマーを重合し、高シス−1,4−ポリジエンを形成できる。いずれか特定の理論に拘泥する意図はないが、活性触媒は、モノマーと配位結合し、活性ランタニド金属中心と成長しているポリマー鎖との間の共有結合中にモノマーを挿入できる活性中間体としてのπ−アリル錯体を含むと考えられている。
1つまたは複数の活性触媒種は、触媒成分の組み合わせから生ずると考えられているが、相互作用の度合、または種々の触媒成分または成分の間の反応に関して確かなことは分かっていない。従って、活性触媒または触媒組成物という用語は、成分の単なる混合物、物理学的または化学的な吸引力に起因する種々の成分の複合体、複数成分の化学反応生成物、または前出成分の組み合わせが上記で考察のようにモノマーを重合できる限り、これら混合物、複合体、反応生成物、または組み合わせを含むように使用されている。
前述のランタニドベース触媒組成物は、広い範囲の触媒濃度および触媒成分比にわたり、共役ジエンのシス−1,4−ポリジエンへの重合に対し高触媒活性を持つことができる。いくつかの因子が触媒成分の内のいずれか1つの最適濃度に影響を与える可能性がある。例えば、触媒成分は相互作用して活性種を形成できることから、いずれか1つの触媒成分の最適濃度が他の触媒成分の濃度に依存する場合がある。
1つまたは複数の実施形態では、アルキル化剤のランタニド含有化合物に対するモル比(アルキル化剤/Ln)は、約1:1〜約1,000:1、他の実施形態では、約2:1〜約500:1、および他の実施形態では、約5:1〜約200:1の範囲であってよい。
アルミノキサンおよび少なくとも1つの他のオルガノアルミニウム薬剤の両方がアルキル化剤として使用される実施形態では、アルミノキサンのランタニド含有化合物に対するモル比(アルミノキサン/Ln)は、5:1〜約1,000:1、他の実施形態では、約10:1〜約700:1、および他の実施形態では、約20:1〜約500:1の範囲であってよい。また、少なくとも1つのオルガノアルミニウム化合物のランタニド含有化合物に対するモル比(Al/Ln)は、約1:1〜約200:1、他の実施形態では、約2:1〜約150:1、および他の実施形態では、約5:1〜約100:1の範囲であってよい。
ハロゲン含有化合物のランタニド含有化合物に対するモル比は、ハロゲン源中のハロゲン原子のモルの、ランタニド含有化合物中のランタニド原子のモルに対する比率(ハロゲン/Ln)によって最もよく特徴付けられる。1つまたは複数の実施形態では、ハロゲン/Lnモル比は、約0.5:1〜約20:1、他の実施形態では、約1:1〜約10:1、および他の実施形態では、約2:1〜約6:1の範囲であってよい。
さらに別の実施形態では、非配位陰イオンまたは非配位陰イオン前駆物質のランタニド含有化合物に対するモル比(An/Ln)は、約0.5:1〜約20:1、他の実施形態では、約0.75:1〜約10:1、および他の実施形態では、約1:1〜約6:1であってよい。
活性触媒は種々の方法により形成可能である。
1つまたは複数の実施形態では、活性触媒は、予備形成手順により予備形成できる。すなわち、触媒成分は、モノマーの非存在下、または少量の少なくとも1種の共役ジエンモノマーの存在下、適切な温度で重合系の外側で予混合され、この温度は、約−20℃〜約80℃であってよい。得られた触媒組成物は、予備形成触媒と呼ぶことができる。予備形成触媒は、重合されるモノマーに添加される前に、必要に応じ熟成してもよい。本明細書で使われる少量のモノマーへの言及は、触媒形成の間での、100gのモノマー当たり2mmol超、他の実施形態では、3mmol超、および他の実施形態では、4mmol超のランタニド含有化合物の触媒充填を意味する。特定の実施形態では、予備形成触媒はインライン予備形成手順により調製でき、この場合、触媒成分は、モノマー非存在下、または少量の少なくとも1種の共役ジエンモノマーの存在下で混合される供給ライン中に導入される。得られた予備形成触媒は、後で使用するために貯蔵するか、または重合されるモノマー中に直接供給できる。
他の実施形態では、活性触媒は、重合されるモノマーに、段階的に、または同時に触媒成分を加えることによりインサイチュー形成できる。一実施形態では、アルキル化剤を最初に加え、続けてランタニド含有化合物、その後、ハロゲン源または非配位陰イオンまたは非配位陰イオン前駆物質含有化合物を加えることができる。1つまたは複数の実施形態では、触媒成分の内の2種をモノマーへの添加前に予め組み合わせることができる。例えば、ランタニド含有化合物とアルキル化剤を予め組み合わせて、単一ストリームとしてモノマーに添加できる。あるいは、ハロゲン源とアルキル化剤を予め組み合わせて、単一ストリームとしてモノマーに添加できる。触媒のインサイチュー形成は、触媒形成の間での、100gのモノマー当たり2mmol未満、他の実施形態では、1mmol未満、他の実施形態では、0.2mmol未満、他の実施形態では、0.1mmol未満、他の実施形態では、0.05mmol未満、および他の実施形態では、0.006mmol以下のランタニド含有化合物の触媒充填を特徴としてもよい。
活性触媒調製に用いられるいずれの方法の場合でも、活性触媒はオルガノスルフィドの実質的な非存在下で形成される。本明細書で使用される実質的な非存在への言及は、触媒の形成または性能に有害な影響を与えないと思われる量以下のオルガノスルフィドの量を意味する。1つまたは複数の実施形態では、活性触媒は、ランタニド含有化合物中のランタニド金属の1モル当たり、10モル未満、他の実施形態では、2モル未満、および他の実施形態では、1モル未満のオルガノスルフィドの存在下で形成される。他の実施形態では、触媒は、オルガノスルフィドの本質的非存在(僅少な量以下のオルガノスルフィドを意味する)下で形成される。特定の実施形態では、活性触媒は、オルガノスルフィドの完全な非存在下で形成される。
活性触媒が予備形成手順またはインサイチューで調製されると、共役ジエンモノマーの重合が活性触媒およびオルガノスルフィドの存在下で行われる。1つまたは複数の実施形態では、オルガノスルフィドは、重合されるモノマー溶液(またはバルクモノマー)に直接、かつ個別に導入される。換言すると、重合系に導入される前に、オルガノスルフィドと、種々の触媒成分との複合体形成がなされない。
1つまたは複数の実施形態では、オルガノスルフィドは、予備形成触媒の導入の前にモノマー溶液(またはバルクモノマー)中に存在してもよい、例えば、オルガノスルフィドは、モノマー溶液(またはバルクモノマー)に直接、かつ個別に導入され、その後、予備形成触媒がモノマーおよびオルガノスルフィドの混合物中に導入される。これらの実施形態では、モノマー溶液(またはバルクモノマー)へのオルガノスルフィドの導入は、予備形成触媒の導入の前に、活性触媒のないモノマー/オルガノスルフィドブレンドを形成する。
他の実施形態では、オルガノスルフィドおよび予備形成触媒は、同時に、しかし、それぞれ別個に、重合されるモノマー溶液(またはバルクモノマー)に添加してもよい。
他の実施形態では、オルガノスルフィドは、予備形成触媒がモノマー溶液(またはバルクモノマー)に導入される前に予備形成触媒に加えられる。従って、これらの実施形態では、オルガノスルフィドと予備形成触媒は、モノマー溶液(またはバルクモノマー)に単一ストリームとして加えられる。例えば、予備形成触媒が上述のようにインライン予備形成手順により調製される場合には、オルガノスルフィドは、触媒の形成後にインラインで予備形成触媒に添加できる。一部の実施形態では、オルガノスルフィドと予備形成触媒を含むストリームは、オルガノスルフィドと予備形成触媒が接触後、比較的短い時間内にモノマー溶液(またはバルクモノマー)に導入される。特定の実施形態では、オルガノスルフィドと予備形成触媒を含むストリームは、オルガノスルフィドと予備形成触媒の接触後、1分に満たない時間内にモノマー溶液(またはバルクモノマー)に添加される。
他の実施形態では、オルガノスルフィドは、活性触媒の形成用の触媒成分の導入後、または予備形成触媒の導入後、モノマー溶液(またはバルクモノマー)に加えられる。換言すると、オルガノスルフィドは、活性触媒を含むモノマー溶液(またはバルクモノマー)に加えられる。上述のように、活性触媒は、予備形成手順またはインサイチューで形成できる。当業者なら分かるように、オルガノスルフィドの導入前にモノマー溶液(またはバルクモノマー)中に活性触媒が存在する場合は、活性触媒は、オルガノスルフィドが導入される時点で成長中のオリゴマー種の形態であってよい。この点に関しては、当業者なら、活性触媒への言及が、低分子量リビングまたは疑似リビングオリゴマー種の意味であってもよいことを理解するであろう。1つまたは複数の実施形態では、オルガノスルフィドは、5%、他の実施形態では、3%、他の実施形態では、1%、および他の実施形態では、0.5%のモノマーが重合される前に導入される。
1つまたは複数の実施形態では、好適なオルガノスルフィドには、式R−S−Rで表される化合物が含まれ、式中、Rは、独立に、一価有機基であるか、または2つのR基が結合して二価の有機基が形成される。1つまたは複数の実施形態では、一価有機基は、ヒドロカルビル基または置換ヒドロカルビル基である。ヒドロカルビル基または置換ヒドロカルビル基の例には、アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アリール、置換アリール基、およびヘテロ環基、が挙げられるがこれらに限定されない。ヒドロカルビル基は、窒素、酸素、ケイ素、スズ、硫黄、ホウ素、およびリン原子などのヘテロ原子、を含んでもよいがこれらに限定されない。
代表的アルキル基には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、2−エチルヘキシル、n−オクチル、n−ノニル、およびn−デシル基が挙げられる。
代表的シクロアルキル基には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、2−メチルシクロヘキシル、2−t−ブチルシクロヘキシルおよび4−t−ブチルシクロヘキシル基が挙げられる。
代表的アリール基には、フェニル、置換フェニル、ビフェニル、置換ビフェニル、二環式アリール、置換二環式アリール、多環式アリール、および置換多環式アリール基が挙げられる。置換アリール基には、水素原子がヒドロカルビル基などの一価有機基により置換された基が挙げられる。
代表的置換フェニル基には、2−メチルフェニル、3−メチルフェニル、4−メチルフェニル、2,3−ジメチルフェニル、3,4−ジメチルフェニル、2,5−ジメチルフェニル、2,6−ジメチルフェニル、および2,4,6−トリメチルフェニル(メシチルとも呼ばれる)基が挙げられる。
代表的二環式または多環式アリール基には、1−ナフチル、2−ナフチル、9−アントリル、9−フェナントリル、2−ベンゾ[b]チエニル、3−ベンゾ[b]チエニル、2−ナフト[2,3−b]チエニル、2−チアントレニル、1−イソベンゾフラニル、2−キサンテニル、2−フェノキサチイニル、2−インドリジニル、N−メチル−2−インドリル、N−メチル−インダゾール−3−イル、N−メチル−8−プリニル、3−イソキノリル、2−キノリル、3−シンノリニル、2−プテリジニル、N−メチル−2−カルバゾリル、N−メチル−β−カルボリン−3−イル、3−フェナントリジニル、2−アクリジニル、1−フタラジニル、1,8−ナフチリジン−2−イル、2−キノキサリニル、2−キナゾリニル、1,7−フェナントロリン−3−イル、1−フェナジニル、N−メチル−2−フェノチアジニル、2−フェナルサジニル、およびN−メチル−2−フェノキサジニル基が挙げられる。
代表的ヘテロ環基には、2−チエニル、3−チエニル、2−フリル、3−フリル、N−メチル−2−ピロリル、N−メチル−3−ピロリル、N−メチル−2−イミダゾリル、1−ピラゾリル、N−メチル−3−ピラゾリル、N−メチル−4−ピラゾリル、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、ピラジニル、2−ピリミジニル、3−ピリダジニル、3−イソチアゾリル、3−イソキサゾリル、3−フラザニル、2−トリアジニル、モルフォリニル、チオモルホリニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリジニル、ピロリニル、イミダゾリジニル、およびイミダゾリニル基が挙げられる。
好適な種類のオルガノスルフィドには、ジアルキルスルフィド、ジシクロアルキルスルフィド、ジアリールスルフィド、アルキルシクロアルキルスルフィド、アルキルアリールスルフィド、シクロアルキルアリールスルフィド、環式非芳香族スルフィド、および芳香族スルフィド、が挙げられるがこれらに限定されない。
ジアルキルスルフィドの具体的な例には、ジメチルスルフィド、ジエチルスルフィド、ジ−n−プロピルスルフィド、ジイソプロピルスルフィド、ジ−n−ブチルスルフィド、ジイソブチルスルフィド、ジ−t−ブチルスルフィド、ジ−n−ペンチルスルフィド、ジイソペンチルスルフィド、ジネオペンチルスルフィド、ジ−n−ヘキシルスルフィド、ジ−n−ヘプチルスルフィド、ジ−2−エチルヘキシルスルフィド、ジ−n−オクチルスルフィド、ジ−n−ノニルスルフィド、ジ−n−デシルスルフィド、ジ−n−ウンデシルスルフィド、ジ−n−ドデシルスルフィド、エチルメチルスルフィド、メチルn−プロピルスルフィド、エチルn−プロピルスルフィド、イソプロピルメチルスルフィド、エチルイソプロピルスルフィド、イソプロピルn−プロピルスルフィド、n−ブチルメチルスルフィド、n−ブチルエチルスルフィド、n−ブチルn−プロピルスルフィド、n−ブチルイソプロピルスルフィド、イソブチルメチルスルフィド、エチルイソブチルスルフィド、イソブチルn−プロピルスルフィド、イソブチルイソプロピルスルフィド、イソブチルn−ブチルスルフィド、t−ブチルメチルスルフィド、エチルt−ブチルスルフィド、t−ブチルn−プロピルスルフィド、t−ブチルイソプロピルスルフィド、n−ブチルt−ブチルスルフィド、t−ブチルイソブチルスルフィド、メチルn−ペンチルスルフィド、エチルn−ペンチルスルフィド、n−ペンチルn−プロピルスルフィド、イソプロピルn−ペンチルスルフィド、n−ブチルn−ペンチルスルフィド、イソブチルn−ペンチルスルフィド、t−ブチルn−ペンチルスルフィド、イソペンチルメチルスルフィド、エチルイソペンチルスルフィド、イソペンチルn−プロピルスルフィド、イソペンチルイソプロピルスルフィド、n−ブチルイソペンチルスルフィド、イソブチルイソペンチルスルフィド、t−ブチルイソペンチルスルフィド、イソペンチルn−ペンチルスルフィド、メチルネオペンチルスルフィド、エチルネオペンチルスルフィド、ネオペンチルn−プロピルスルフィド、イソプロピルネオペンチルスルフィド、n−ブチルネオペンチルスルフィド、イソブチルネオペンチルスルフィド、t−ブチルネオペンチルスルフィド、n−ペンチルネオペンチルスルフィド、イソペンチルネオペンチルスルフィド、n−ヘキシルメチルスルフィド、エチルn−ヘキシルスルフィド、n−ヘキシルn−プロピルスルフィド、n−ヘキシルイソプロピルスルフィド、n−ブチルn−ヘキシルスルフィド、n−ヘキシルイソブチルスルフィド、t−ブチルn−ヘキシルスルフィド、n−ヘキシルn−ペンチルスルフィド、n−ヘキシルイソペンチルスルフィド、n−ヘキシルネオペンチルスルフィド、n−ヘプチルメチルスルフィド、エチルn−ヘプチルスルフィド、n−ヘプチルn−プロピルスルフィド、n−ヘプチルイソプロピルスルフィド、n−ブチルn−ヘプチルスルフィド、n−ヘプチルイソブチルスルフィド、t−ブチルn−ヘプチルスルフィド、n−ヘプチルn−ペンチルスルフィド、n−ヘプチルイソペンチルスルフィド、n−ヘプチルネオペンチルスルフィド、n−ヘプチルn−ヘキシルスルフィド、2−エチルヘキシルメチルスルフィド、2−エチルヘキシルエチルスルフィド、2−エチルヘキシルn−プロピルスルフィド、2−エチルヘキシルイソプロピルスルフィド、n−ブチル2−エチルヘキシルスルフィド、2−エチルヘキシルイソブチルスルフィド、t−ブチル2−エチルヘキシルスルフィド、2−エチルヘキシルn−ペンチルスルフィド、2−エチルヘキシルイソペンチルスルフィド、2−エチルヘキシルネオペンチルスルフィド、2−エチルヘキシルn−ヘキシルスルフィド、2−エチルヘキシルn−ヘプチルスルフィド、メチルn−オクチルスルフィド、エチルn−オクチルスルフィド、n−オクチルn−プロピルスルフィド、イソプロピルn−オクチルスルフィド、n−ブチルn−オクチルスルフィド、イソブチルn−オクチルスルフィド、t−ブチルn−オクチルスルフィド、n−オクチルn−ペンチルスルフィド、イソペンチルn−オクチルスルフィド、ネオペンチルn−オクチルスルフィド、n−ヘキシルn−オクチルスルフィド、n−ヘプチルn−オクチルスルフィド、2−エチルヘキシルn−オクチルスルフィド、メチルn−ノニルスルフィド、エチルn−ノニルスルフィド、n−ノニルn−プロピルスルフィド、イソプロピルn−ノニルスルフィド、n−ブチルn−ノニルスルフィド、イソブチルn−ノニルスルフィド、t−ブチルn−ノニルスルフィド、n−ノニルn−ペンチルスルフィド、イソペンチルn−ノニルスルフィド、ネオペンチルn−ノニルスルフィド、n−ヘキシルn−ノニルスルフィド、n−ヘプチルn−ノニルスルフィド、2−エチルヘキシルn−ノニルスルフィド、n−ノニルn−オクチルスルフィド、n−デシルメチルスルフィド、エチルn−デシルスルフィド、n−デシルn−プロピルスルフィド、n−デシルイソプロピルスルフィド、n−ブチルn−デシルスルフィド、n−デシルイソブチルスルフィド、t−ブチルn−デシルスルフィド、n−デシルn−ペンチルスルフィド、n−デシルイソペンチルスルフィド、n−デシルネオペンチルスルフィド、n−デシルn−ヘキシルスルフィド、n−デシルn−ヘプチルスルフィド、n−デシル2−エチルヘキシルスルフィド、n−デシルn−オクチルスルフィド、n−デシルn−ノニルスルフィド、メチルn−ウンデシルスルフィド、エチルn−ウンデシルスルフィド、n−プロピルn−ウンデシルスルフィド、イソプロピルn−ウンデシルスルフィド、n−ブチルn−ウンデシルスルフィド、イソブチルn−ウンデシルスルフィド、t−ブチルn−ウンデシルスルフィド、n−ペンチルn−ウンデシルスルフィド、イソペンチルn−ウンデシルスルフィド、ネオペンチルn−ウンデシルスルフィド、n−ヘキシルn−ウンデシルスルフィド、n−ヘプチルn−ウンデシルスルフィド、2−エチルヘキシルn−ウンデシルスルフィド、n−オクチルn−ウンデシルスルフィド、n−ノニルn−ウンデシルスルフィド、n−デシルn−ウンデシルスルフィド、n−ドデシルメチルスルフィド、エチルn−ドデシルスルフィド、n−ドデシルn−プロピルスルフィド、イソプロピルn−ドデシルスルフィド、n−ブチルn−ドデシルスルフィド、n−ドデシルイソブチルスルフィド、t−ブチルn−ドデシルスルフィド、n−ドデシルn−ペンチルスルフィド、n−ドデシルイソペンチルスルフィド、n−ドデシルネオペンチルスルフィド、n−ドデシルn−ヘキシルスルフィド、n−ドデシルn−ヘプチルスルフィド、n−ドデシル2−エチルヘキシルスルフィド、n−ドデシルn−オクチルスルフィド、n−ドデシルn−ノニルスルフィド、n−デシルn−ドデシルスルフィド、n−ドデシルn−ウンデシルスルフィド、ベンジルメチルスルフィド、ベンジルエチルスルフィド、ベンジルn−プロピルスルフィド、ベンジルイソプロピルスルフィド、ベンジルn−ブチルスルフィド、ベンジルイソブチルスルフィド、ベンジルt−ブチルスルフィド、ベンジルn−ペンチルスルフィド、ベンジルイソペンチルスルフィド、ベンジルネオペンチルスルフィド、n−ヘキシルベンジルスルフィド、n−ヘプチルベンジルスルフィド、2−エチルヘキシルベンジルスルフィド、ベンジルn−オクチルスルフィド、ベンジルn−ノニルスルフィド、ベンジルn−デシルスルフィド、ベンジルn−ウンデシルスルフィド、ジベンジルスルフィド、およびベンジルn−ドデシルスルフィド、が挙げられるがこれらに限定されない。
ジシクロアルキルスルフィドの具体的な例には、ジシクロプロピルスルフィド、ジシクロブチルスルフィド、ジシクロペンチルスルフィド、ジシクロヘキシルスルフィド、ジシクロオクチルスルフィド、ジ−2−メチルシクロヘキシルスルフィド、ジ−2−t−ブチルシクロヘキシルスルフィド、ジ−4−t−ブチルシクロヘキシルスルフィド、シクロブチルシクロプロピルスルフィド、シクロペンチルシクロプロピルスルフィド、シクロブチルシクロペンチルスルフィド、シクロヘキシルシクロプロピルスルフィド、シクロブチルシクロヘキシルスルフィド、シクロヘキシルシクロペンチルスルフィド、シクロオクチルシクロプロピルスルフィド、シクロブチルシクロオクチルスルフィド、シクロオクチルシクロペンチルスルフィド、シクロヘキシルシクロオクチルスルフィド、シクロプロピル2−メチルシクロヘキシルスルフィド、シクロブチル2−メチルシクロヘキシルスルフィド、シクロペンチル2−メチルシクロヘキシルスルフィド、シクロヘキシル2−メチルシクロヘキシルスルフィド、2−メチルシクロヘキシルシクロオクチルスルフィド、2−t−ブチルシクロヘキシルシクロプロピルスルフィド、2−t−ブチルシクロヘキシルシクロブチルスルフィド、2−t−ブチルシクロヘキシルシクロペンチルスルフィド、2−t−ブチルシクロヘキシルシクロヘキシルスルフィド、2−t−ブチルシクロヘキシルシクロオクチルスルフィド、2−t−ブチルシクロヘキシル2−メチルシクロヘキシルスルフィド、4−t−ブチルシクロヘキシルシクロプロピルスルフィド、4−t−ブチルシクロヘキシルシクロブチルスルフィド、4−t−ブチルシクロヘキシルシクロペンチルスルフィド、4−t−ブチルシクロヘキシルシクロヘキシルスルフィド、4−t−ブチルシクロヘキシルシクロオクチルスルフィド、4−t−ブチルシクロヘキシル2−メチルシクロヘキシルスルフィド、および2−t−ブチルシクロヘキシル4−t−ブチルシクロヘキシルスルフィド、が挙げられるがこれらに限定されない。
ジアリールスルフィドの具体的な例には、ジフェニルスルフィド、ジ−2−ピリジルスルフィド、ジ−o−トリルスルフィド、ジ−m−トリルスルフィド、ジ−p−トリルスルフィド、2−ピリジルフェニルスルフィド、o−トリルフェニルスルフィド、o−トリル2−ピリジルスルフィド、m−トリルフェニルスルフィド、m−トリル2−ピリジルスルフィド、m−トリルo−トリルスルフィド、p−トリルフェニルスルフィド、p−トリル2−ピリジルスルフィド、p−トリルo−トリルスルフィド、およびp−トリルm−トリルスルフィド、が挙げられるがこれらに限定されない。
アルキルシクロアルキルスルフィドの具体的な例には、シクロプロピルメチルスルフィド、シクロブチルメチルスルフィド、シクロペンチルメチルスルフィド、シクロヘキシルメチルスルフィド、シクロオクチルメチルスルフィド、メチル2−メチルシクロヘキシルスルフィド、2−t−ブチルシクロヘキシルメチルスルフィド、4−t−ブチルシクロヘキシルメチルスルフィド、シクロプロピルエチルスルフィド、エチルシクロブチルスルフィド、エチルシクロペンチルスルフィド、エチルシクロヘキシルスルフィド、エチルシクロオクチルスルフィド、エチル2−メチルシクロヘキシルスルフィド、2−t−ブチルシクロヘキシルスルフィド、エチル4−t−ブチルシクロヘキシルスルフィド、シクロプロピルn−プロピルスルフィド、シクロブチルn−プロピルスルフィド、シクロペンチルn−プロピルスルフィド、シクロヘキシルn−プロピルスルフィド、シクロオクチルn−プロピルスルフィド、2−メチルシクロヘキシルn−プロピルスルフィド、2−t−ブチルシクロヘキシルn−プロピルスルフィド、4−t−ブチルシクロヘキシルn−プロピルスルフィド、シクロプロピルイソプロピルスルフィド、シクロブチルイソプロピルスルフィド、シクロペンチルイソプロピルスルフィド、シクロヘキシルイソプロピルスルフィド、シクロオクチルイソプロピルスルフィド、イソプロピル2−メチルシクロヘキシルスルフィド、2−t−ブチルシクロヘキシルイソプロピルスルフィド、4−t−ブチルシクロヘキシルイソプロピルスルフィド、n−ブチルシクロプロピルスルフィド、n−ブチルシクロブチルスルフィド、n−ブチルシクロペンチルスルフィド、n−ブチルシクロヘキシルスルフィド、n−ブチルシクロオクチルスルフィド、n−ブチル2−メチルシクロヘキシルスルフィド、n−ブチル2−t−ブチルシクロヘキシルスルフィド、n−ブチル4−t−ブチルシクロヘキシルスルフィド、シクロプロピルイソブチルスルフィド、シクロブチルイソブチルスルフィド、シクロペンチルイソブチルスルフィド、シクロヘキシルイソブチルスルフィド、シクロオクチルイソブチルスルフィド、イソブチル2−メチルシクロヘキシルスルフィド、2−t−ブチルシクロヘキシルイソブチルスルフィド、4−t−ブチルシクロヘキシルイソブチルスルフィド、t−ブチルシクロプロピルスルフィド、t−ブチルシクロブチルスルフィド、t−ブチルシクロペンチルスルフィド、t−ブチルシクロヘキシルスルフィド、t−ブチルシクロオクチルスルフィド、t−ブチル2−メチルシクロヘキシルスルフィド、t−ブチル2−t−ブチルシクロヘキシルスルフィド、t−ブチル4−t−ブチルシクロヘキシルスルフィド、シクロプロピルn−ペンチルスルフィド、シクロブチルn−ペンチルスルフィド、シクロペンチルn−ペンチルスルフィド、シクロヘキシルn−ペンチルスルフィド、シクロオクチルn−ペンチルスルフィド、2−メチルシクロヘキシルn−ペンチルスルフィド、2−t−ブチルシクロヘキシルn−ペンチルスルフィド、4−t−ブチルシクロヘキシルn−ペンチルスルフィド、シクロプロピルイソペンチルスルフィド、シクロブチルイソペンチルスルフィド、シクロペンチルイソペンチルスルフィド、シクロヘキシルイソペンチルスルフィド、シクロオクチルイソペンチルスルフィド、イソペンチル2−メチルシクロヘキシルスルフィド、2−t−ブチルシクロヘキシルイソペンチルスルフィド、4−t−ブチルシクロヘキシルイソペンチルスルフィド、シクロプロピルネオペンチルスルフィド、シクロブチルネオペンチルスルフィド、シクロペンチルネオペンチルスルフィド、シクロヘキシルネオペンチルスルフィド、シクロオクチルネオペンチルスルフィド、2−メチルシクロヘキシルネオペンチルスルフィド、2−t−ブチルシクロヘキシルネオペンチルスルフィド、4−t−ブチルシクロヘキシルネオペンチルスルフィド、シクロプロピルn−ヘキシルスルフィド、シクロブチルn−ヘキシルスルフィド、シクロペンチルn−ヘキシルスルフィド、シクロヘキシルn−ヘキシルスルフィド、シクロオクチルn−ヘキシルスルフィド、n−ヘキシル2−メチルシクロヘキシルスルフィド、2−t−ブチルシクロヘキシルn−ヘキシルスルフィド、4−t−ブチルシクロヘキシルn−ヘキシルスルフィド、シクロプロピルn−ヘプチルスルフィド、シクロブチルn−ヘプチルスルフィド、シクロペンチルn−ヘプチルスルフィド、シクロヘキシルn−ヘプチルスルフィド、シクロオクチルn−ヘプチルスルフィド、n−ヘプチル2−メチルシクロヘキシルスルフィド、2−t−ブチルシクロヘキシルn−ヘプチルスルフィド、4−t−ブチルシクロヘキシルn−ヘプチルスルフィド、シクロプロピル2−エチルヘキシルスルフィド、シクロブチル2−エチルヘキシルスルフィド、シクロペンチル2−エチルヘキシルスルフィド、シクロヘキシル2−エチルヘキシルスルフィド、シクロオクチル2−エチルヘキシルスルフィド、2−エチルヘキシル2−メチルシクロヘキシルスルフィド、2−t−ブチルシクロヘキシル2−エチルヘキシルスルフィド、4−t−ブチルシクロヘキシル2−エチルヘキシルスルフィド、シクロプロピルn−オクチルスルフィド、シクロブチルn−オクチルスルフィド、シクロペンチルn−オクチルスルフィド、シクロヘキシルn−オクチルスルフィド、シクロオクチルn−オクチルスルフィド、2−メチルシクロヘキシルn−オクチルスルフィド、2−t−ブチルシクロヘキシルn−オクチルスルフィド、4−t−ブチルシクロヘキシルn−オクチルスルフィド、シクロプロピルn−ノニルスルフィド、シクロブチルn−ノニルスルフィド、 シクロペンチルn−ノニルスルフィド、シクロヘキシルn−ノニルスルフィド、シクロオクチルn−ノニルスルフィド、2−メチルシクロヘキシルn−ノニルスルフィド、2−t−ブチルシクロヘキシルn−ノニルスルフィド、4−t−ブチルシクロヘキシルn−ノニルスルフィド、シクロプロピルn−デシルスルフィド、シクロブチルn−デシルスルフィド、シクロペンチルn−デシルスルフィド、シクロヘキシルn−デシルスルフィド、シクロオクチルn−デシルスルフィド、n−デシル2−メチルシクロヘキシルスルフィド、2−t−ブチルシクロヘキシルn−デシルスルフィド、4−t−ブチルシクロヘキシルn−デシルスルフィド、シクロプロピルn−ウンデシルスルフィド、シクロブチルn−ウンデシルスルフィド、シクロペンチルn−ウンデシルスルフィド、シクロヘキシルn−ウンデシルスルフィド、シクロオクチルn−ウンデシルスルフィド、2−メチルシクロヘキシルn−ウンデシルスルフィド、2−t−ブチルシクロヘキシルn−ウンデシルスルフィド、4−t−ブチルシクロヘキシルn−ウンデシルスルフィド、シクロプロピルn−ドデシルスルフィド、シクロブチルn−ドデシルスルフィド、シクロペンチルn−ドデシルスルフィド、シクロヘキシルn−ドデシルスルフィド、シクロオクチルn−ドデシルスルフィド、n−ドデシル2−メチルシクロヘキシルスルフィド、2−t−ブチルシクロヘキシルn−ドデシルスルフィド、ベンジルシクロプロピルスルフィド、ベンジルシクロブチルスルフィド、ベンジルシクロペンチルスルフィド、ベンジルシクロヘキシルスルフィド、ベンジルシクロオクチルスルフィド、ベンジル2−メチルシクロヘキシルスルフィド、ベンジル2−t−ブチルシクロヘキシルスルフィド、ベンジル4−t−ブチルシクロヘキシルスルフィド、および4−t−ブチルシクロヘキシルn−ドデシルスルフィド、が挙げられるがこれらに限定されない。
アルキルアリールスルフィドの具体的な例には、メチルフェニルスルフィド、メチル2−ピリジルスルフィド、エチルフェニルスルフィド、エチル2−ピリジルスルフィド、フェニルn−プロピルスルフィド、n−プロピル2−ピリジルスルフィド、イソプロピルフェニルスルフィド、イソプロピル2−ピリジルスルフィド、n−ブチルフェニルスルフィド、n−ブチル2−ピリジルスルフィド、イソブチルフェニルスルフィド、イソブチル2−ピリジルスルフィド、t−ブチルフェニルスルフィド、t−ブチル2−ピリジルスルフィド、n−ペンチルフェニルスルフィド、n−ペンチル2−ピリジルスルフィド、イソペンチルフェニルスルフィド、イソペンチル2−ピリジルスルフィド、ネオペンチルフェニルスルフィド、ネオペンチル2−ピリジルスルフィド、n−ヘキシルフェニルスルフィド、n−ヘキシル2−ピリジルスルフィド、n−ヘプチルフェニルスルフィド、n−ヘプチル2−ピリジルスルフィド、2−エチルヘキシルフェニルスルフィド、2−エチルヘキシル2−ピリジルスルフィド、n−オクチルフェニルスルフィド、n−オクチル2−ピリジルスルフィド、n−ノニルフェニルスルフィド、n−ノニル2−ピリジルスルフィド、n−デシルフェニルスルフィド、n−デシル2−ピリジルスルフィド、フェニルn−ウンデシルスルフィド、2−ピリジルn−ウンデシルスルフィド、n−ドデシルフェニルスルフィド、ベンジルフェニルスルフィド、およびn−ドデシル2−ピリジルスルフィド、が挙げられるがこれらに限定されない。
シクロアルキルアリールスルフィドの具体的な例には、シクロプロピルフェニルスルフィド、シクロプロピル2−ピリジルスルフィド、シクロプロピルo−トリルスルフィド、シクロプロピルm−トリルスルフィド、シクロプロピルp−トリルスルフィド、シクロブチルフェニルスルフィド、シクロブチル2−ピリジルスルフィド、シクロブチルo−トリルスルフィド、シクロブチルm−トリルスルフィド、シクロブチルp−トリルスルフィド、シクロペンチルフェニルスルフィド、シクロペンチル2−ピリジルスルフィド、シクロペンチルo−トリルスルフィド、シクロペンチルm−トリルスルフィド、シクロペンチルp−トリルスルフィド、シクロヘキシルフェニルスルフィド、シクロヘキシル2−ピリジルスルフィド、シクロヘキシルo−トリルスルフィド、シクロヘキシルm−トリルスルフィド、シクロヘキシルp−トリルスルフィド、シクロオクチルフェニルスルフィド、シクロオクチル2−ピリジルスルフィド、シクロオクチルo−トリルスルフィド、シクロオクチルm−トリルスルフィド、シクロオクチルp−トリルスルフィド、2−メチルシクロヘキシルフェニルスルフィド、2−メチルシクロヘキシル2−ピリジルスルフィド、2−メチルシクロヘキシルo−トリルスルフィド、2−メチルシクロヘキシルm−トリルスルフィド、2−メチルシクロヘキシルp−トリルスルフィド、2−t−ブチルシクロヘキシルフェニルスルフィド、2−t−ブチルシクロヘキシル2−ピリジルスルフィド、2−t−ブチルシクロヘキシルo−トリルスルフィド、2−t−ブチルシクロヘキシルm−トリルスルフィド、2−t−ブチルシクロヘキシルp−トリルスルフィド、4−t−ブチルシクロヘキシルフェニルスルフィド、4−t−ブチルシクロヘキシル2−ピリジルスルフィド、4−t−ブチルシクロヘキシルo−トリルスルフィド、4−t−ブチルシクロヘキシルm−トリルスルフィド、および4−t−ブチルシクロヘキシルp−トリルスルフィド、が挙げられるがこれらに限定されない。
環式非芳香族スルフィドの具体的な例には、チイラン、チエタン、テトラヒドロチオフェン、テトラヒドロチオピラン、およびチエパン、が挙げられるがこれらに限定されない。
芳香族スルフィドの具体的な例には、チオフェン、4,6−ジメチルジベンゾチオフェン、ベンゾチオフェン、2−メチルチオフェン、3−メチルチオフェン、および2,5−ジメチルチオフェン、が挙げられるがこれらに限定されない。
1つまたは複数の実施形態では、重合されるモノマー溶液(またはバルクモノマー)に導入され、従って重合中に存在するオルガノスルフィドの量は、オルガノスルフィドのランタニド含有化合物に対するモル比(オルガノスルフィド/Ln)により表すことができる。1つまたは複数の実施形態では、オルガノスルフィド/Lnモル比は、少なくとも10:1、他の実施形態では、少なくとも20:1、他の実施形態では、少なくとも30:1、他の実施形態では、少なくとも60:1、および他の実施形態では、少なくとも80:1である。これらまたは他の実施形態では、オルガノスルフィド/Lnモル比は、120:1未満、他の実施形態では、80:1未満、および他の実施形態では、60:1未満である。1つまたは複数の実施形態では、オルガノスルフィド/Lnモル比は、約10:1〜約120:1、他の実施形態では、約20:1〜約80:1、および他の実施形態では、約40:1〜約100:1である。
他の実施形態では、重合されるモノマー溶液(またはバルクモノマー)に、直接かつ個別に導入されるオルガノスルフィドの量は、モノマーの量に対して表すことができる。1つまたは複数の実施形態では、導入されるオルガノスルフィドの量は、100gのモノマー当たり、少なくとも0.01mmol、他の実施形態では、少なくとも0.03mmol、他の実施形態では、少なくとも0.2mmol、他の実施形態では、少なくとも0.5mmol、および他の実施形態では、少なくとも1.0mmolである。これらまたは他の実施形態では、導入されるオルガノスルフィドの量は、100gのモノマー当たり、100mmol未満、他の実施形態では、90mmol未満、他の実施形態では、70mmol未満、他の実施形態では、60mmol未満、他の実施形態では、50mmol未満、他の実施形態では、20mmol未満、および他の実施形態では、1.0mmol未満である。
1つまたは複数の実施形態では、触媒、触媒成分、および/またはオルガノスルフィドの重合系への送達を促進するために、これらを溶解するか、または懸濁するキャリアとして溶媒を使用できる。他の実施形態では、モノマーをキャリアとして使用できる。また他の実施形態では、触媒成分またはオルガノスルフィドは、何ら溶媒のない未希釈の状態で導入できる。
1つまたは複数の実施形態では、好適な溶媒には、重合しないか、または触媒の存在下でのモノマーの重合中に成長中のポリマー鎖中に組み込まれない有機化合物が含まれる。1つまたは複数の実施形態では、これらの有機種は、環境温度および圧力下で液体である。1つまたは複数の実施形態では、これらの有機溶媒は、触媒に不活性である。代表的有機溶媒には、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、および脂環式の炭化水素などの低い沸点、または比較的低い沸点の炭化水素が挙げられる。芳香族炭化水素の非制限的例には、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、およびメシチレンが挙げられる。脂肪族炭化水素の非制限的例には、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン、イソペンタン、イソヘキサン、イソペンタン、イソオクタン、2,2−ジメチルブタン、石油エーテル、ケロシン、および石油スピリットが挙げられる。さらに、脂環式炭化水素の非制限的例には、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、およびメチルシクロヘキサンが挙げられる。また、上記炭化水素の混合物も使用できる。当技術分野で知られているように、環境上の理由から、脂肪族および脂環式炭化水素が使われるのが好ましいであろう。低沸点炭化水素溶媒は、通常、重合の完了時にポリマーから分離される。
有機溶媒の他の例には、通常、油展ポリマーに使われる炭化水素油などの高分子量の高沸点炭化水素が挙げられる。これらの油の例には、パラフィン系オイル、芳香油、ナフテン油、ヒマシ油以外の植物油、およびMES、TDAE、SRAEなどの低PCA油、ならびに重ナフテン油が挙げられる。これらの炭化水素は非揮発性のために、それらは、通常、分離は不要で、ポリマー中に組み込まれたまま残る。
本発明によるポリマーの製造は、触媒的に有効な量の活性触媒の存在下、共役ジエンモノマーの重合により実現できる。触媒、共役ジエンモノマー、オルガノスルフィド、および使用する場合のいずれかの溶媒の導入により、重合混合物が形成され、その中で、反応性ポリマーが形成される。使用される触媒の量は、使用される触媒の型、成分の純度、重合温度、所望の重合速度および変換率、所望の分子量、および他の多くの因子などの種々の因子の相互作用に依存すると思われる。従って、触媒的に有効な量の触媒を使用できると言うこと以外に、具体的な触媒量を明確に述べることはできない。
1つまたは複数の実施形態では、使われるランタニド含有化合物の量は、100グラムのモノマー当たり、約0.001〜約2mmol、他の実施形態では、約0.005〜約1mmol、およびさらに他の実施形態では、約0.01〜約0.2mmolの範囲であってよい。
1つまたは複数の実施形態では、本発明による共役ジエンモノマーの重合は、実質的な溶媒量を含む重合系で行うことができる。一実施形態では、重合されるモノマーおよび形成されたポリマーが溶媒に可溶な溶液重合系を採用することができる。別の実施形態では、形成されたポリマーが不溶性である溶媒を選択することにより沈殿重合系を採用することができる。両方のケースで、触媒の調製に使用される溶媒の量に加えて、通常、重合系に一定量の溶媒が追加される。追加の溶媒は、触媒調製に使われた溶媒と同じであっても、異なってもよい。代表的溶媒は、上記されている。1つまたは複数の実施形態では、重合混合物の溶媒含量は、重合混合物の合計重量をベースに、20重量%超、他の実施形態では、50重量%超、さらに他の実施形態では、80重量%超であってよい。
他の実施形態では、重合は、実質的に無溶媒または最小限の量の溶媒を含むバルク重合系で行うことができる。当業者ならバルク重合プロセス(すなわち、モノマーが溶媒として機能するプロセス)の利益を認めるであろう。その結果、重合系は、バルク重合を行うことにより求められる利益に悪影響を与えると思われる量より少ない量の溶媒を含む。1つまたは複数の実施形態では、重合混合物の溶媒含量は、重合混合物の合計重量をベースに、約20重量%未満、他の実施形態では、約10重量%未満、および、さらに他の実施形態では、約5重量%未満であってよい。別の実施形態では、重合混合物は、使われる原材料に固有のもの以外の溶媒を含まない。さらに別の実施形態では、重合混合物は、実質的に溶媒を欠いており、これは、そうでなければ重合プロセスにかなり影響を与えると思われる量の溶媒を含まないことを意味する。実質的に溶媒を欠いている重合形は、実質的に無溶媒であると呼ぶことができる。特定の実施形態では、重合混合物は、溶媒を欠いている。
重合は、当技術分野で既知の任意の通常の重合器中で行うことができる。1つまたは複数の実施形態では、溶液重合は、通常の攪拌タンク型反応器中で行うことができる。他の実施形態では、バルク重合は、モノマー変換率が約60%より少ない場合は特に、通常の攪拌タンク型反応器中で行うことができる。典型的な例として、高粘性セメントを生ずるようなバルク重合プロセスのモノマー変換率が約60%より高いさらに他の実施形態では特に、バルク重合は、重合下の粘性セメントがピストンで、または実質的にピストンで運ばれる長い反応器中で行うことができる。例えば、セメントが自洗式単軸または2軸攪拌器により送られる押出機がこの目的に好適である。有用なバルク重合プロセスの例は、米国特許第7,351,776号に開示されている。この特許は参照により本明細書に組み込まれる。
1つまたは複数の実施形態では、重合に使われる全成分を単一容器(例えば、通常の攪拌タンク型反応器)中で混合でき、重合の全ステップをこの容器内で行うことができる。他の実施形態では、2種以上の成分を1つの容器中で予備混合した後、モノマー(または少なくともその主要部分)の重合を行える別の容器に移すことができる。
重合は、バッチプロセス、連続プロセス、または半連続プロセスで行うことができる。半連続プロセスでは、既に重合されたモノマーを置換するために、モノマーが必要に応じ間欠的に添加される。1つまたは複数の実施形態では、重合が進行する条件は、重合混合物の温度を、約−10℃〜約200℃、他の実施形態では、約0℃〜約150℃、および他の実施形態では、約20℃〜約100℃の範囲内に維持するように制御できる。特定の実施形態では、少なくとも30℃、他の実施形態では、少なくとも40℃、および他の実施形態では、少なくとも50℃の温度で重合が起こるか、または少なくとも一部の重合が起こる。
1つまたは複数の実施形態では、重合熱は、制御された反応ジャケットによる外部冷却、反応器に連結された還流冷却器を使用したモノマーの蒸発と凝縮による内部冷却、またはこれら2つの方法の組み合わせにより除去できる。また、重合条件は、約0.1気圧〜約50気圧、他の実施形態では、約0.5気圧〜約20気圧、および他の実施形態では、約1気圧〜約10気圧の圧力下で重合を行うように制御できる。1つまたは複数の実施形態では、重合を行うことができる圧力には、大部分のモノマーが液相中にあるのを確実にする圧力が挙げられる。これらまたは他の実施形態では、重合混合物は、嫌気性条件下で維持されてもよい。
特定の実施形態では、重合速度は、オルガノスルフィドの使用を含む種々の技術の使用により制御される。例えば、1つまたは複数の実施形態では、重合速度は、5%未満、他の実施形態では、4%未満、および他の実施形態では、2%未満のモノマー変換/分の変換率を維持できる。特定の実施形態では、重合速度は、0.3%超、他の実施形態では、0.5%超、他の実施形態では、0.8%超、他の実施形態では、1.0%超、および他の実施形態では、1.2%超のモノマー変換/分の変換率を維持できる。
得られた反応性ポリマーのポリマー鎖の一部または全部は、重合混合物が重合停止される前に反応性末端を持つことができる。本発明により調製された反応性ポリマーは、疑似リビングポリマーと呼ぶことができる。1つまたは複数の実施形態では、反応性ポリマーを含む重合混合物は、活性重合混合物と呼ぶことができる。反応性末端を持つポリマー鎖の割合は、触媒型、モノマーのタイプ、成分の純度、重合温度、モノマー変換率、および他の多くの因子などの種々の因子に依存する。1つまたは複数の実施形態では、少なくとも約60%のポリマー鎖が反応性末端を有し、他の実施形態では、少なくとも約70%のポリマー鎖が反応性末端を有し、他の実施形態では、少なくとも約80%のポリマー鎖が反応性末端を有し、さらに他の実施形態では、少なくとも約90%のポリマー鎖が反応性末端を有する。
本発明の重合プロセスにより製造されたポリジエンは、疑似リビング特性を持つことができるので、任意選択で、官能化剤を重合混合物中に導入していずれかの反応性ポリマー鎖と反応させ、それにより、官能化ポリマーを得ることができる。1つまたは複数の実施形態では、官能化剤は、重合混合物を重合停止剤と接触させる前に導入される。他の実施形態では、官能化剤は、重合混合物が重合停止剤で部分的に重合停止された後で導入できる。
1つまたは複数の実施形態では、官能化剤は、本発明により製造された反応性ポリマーと反応できる化合物または試薬を含み、それにより、まだ官能化剤と反応していない成長中の鎖とは異なる官能基を有するポリマーを得ることができる。官能基は、他のポリマー鎖(成長中のおよび/または成長中でない)またはポリマーと混合可能な強化充填剤(例えば、カーボンブラック)などの他の成分と反応しても、または反応しなくてもよい。1つまたは複数の実施形態では、官能化剤と反応性ポリマーとの反応は、付加または置換反応を介して進行する。
有用な官能化剤には、2つ以上のポリマー鎖を一緒に連結することなく、ポリマー鎖の末端に単純に官能基を与える化合物、ならびに2つ以上のポリマー鎖を、機能性結合を介して一緒にカップリングまたは連結して単一高分子を形成できる化合物を含んでもよい。後者のタイプの官能化剤は、カップリング剤と呼ぶこともできる。
1つまたは複数の実施形態では、官能化剤には、ヘテロ原子をポリマー鎖に付加するか、または分け与える化合物が挙げられる。特定の実施形態では、官能化剤には、ポリマー鎖に官能基を分け与えることにより、類似の非官能化ポリマーから調製されたカーボンブラック充填加硫ゴムに比べて、官能化ポリマーから調製されたカーボンブラック充填加硫ゴムの50℃のヒステリシス損失が低減される官能化ポリマーを形成する化合物が挙げられる。1つまたは複数の実施形態では、このヒステリシス損失の減少は、少なくとも5%、他の実施形態では、少なくとも10%、および他の実施形態では、少なくとも15%である。
1つまたは複数の実施形態では、好適な官能化剤には、疑似リビングポリマー(例えば、本発明により製造されたもの)と反応できる基を含む化合物が含まれる。代表的官能化剤には、ケトン、キノン、アルデヒド、アミド、エステル、イソシアナート、イソチオシアナート、エポキシド、イミン、アミノケトン、アミノチオケトン、および酸無水物が挙げられる。これらの化合物の例は、米国特許第4,906,706号、同4,990,573号、同5,064,910号、同5,567,784号、同5,844,050号、同6,838,526号、同6,977,281号、および同6,992,147号;米国特許公開第2006/0004131A1号、同2006/0025539A1号、同2006/0030677A1号、および同2004/0147694A1号;日本特許出願第05−051406A号、同05−059103A号、同10−306113A号、および同11−035633A号に開示されている。これらの特許は、参照により本明細書に組み込まれる。官能化剤の他の例には、米国特許公開第2007/0149717号に開示されているようなアジン化合物、米国特許公開第2007/0276122号に開示されているようなヒドロベンズアミド化合物、米国特許公開第2008/0051552号に開示されているようなニトロ化合物、および米国特許公開第2008/0146745号に開示されているような保護オキシム化合物が挙げられる。これら全ての特許は、参照により本明細書に組み込まれる。
特定の実施形態では、使われる官能化剤は、カップリング剤であってよく、このカップリング剤には、四塩化スズなどの金属ハリド、シリコンテトラクロリドなどのメタロイドハリド、ジオクチルスズビス(オクチルマレアート)などの金属エステルカルボキシラート錯体、テトラエチルオルトシリカートなどのアルコキシシラン、およびテトラエトキシスズなどのアルコキシスタンナンが挙げられるがこれらに限定されない。カップリング剤は、単独で、または他の官能化剤と組み合わせて使用できる。官能化剤の組み合わせは、任意のモル比で使用できる。
重合混合物に導入される官能化剤の量は、重合の開始に使われる触媒の型と量、官能化剤のタイプ、所望の官能基の量および他の多くの因子などの種々の因子に依存する可能性がある。1つまたは複数の実施形態では、官能化剤の量は、ランタニド含有化合物1モル当たり、約1〜約200モル、他の実施形態では、約5〜約150モル、および他の実施形態では、約10〜約100モルの範囲であってよい。
反応性ポリマー鎖は、高温でゆっくりと自己終結できるために、一実施形態では、ピーク重合温度が観察されるとすぐに、官能化剤を重合混合物に添加できる。他の実施形態では、官能化剤は、ピーク重合温度に到達後、約25〜35分以内に添加できる。
1つまたは複数の実施形態では、官能化剤は、所望のモノマー変換率に到達後で、プロトン性水素原子を含む重合停止剤が添加される前に、重合混合物に導入できる。1つまたは複数の実施形態では、官能化剤は、少なくとも5%、他の実施形態では、少なくとも10%、他の実施形態では、少なくとも20%、他の実施形態では、少なくとも50%、および他の実施形態では、少なくとも80%モノマー変換後に、重合混合物に添加される。これらまたは他の実施形態では、官能化剤は、90%のモノマー変換の前に、他の実施形態では、70%のモノマー変換の前に、他の実施形態では、50%のモノマー変換の前に、他の実施形態では、20%のモノマー変換の前に、および他の実施形態では、15%のモノマー変換の前に、重合混合物に添加される。1つまたは複数の実施形態では、官能化剤は、完全に、または実質的に完全にモノマー変換後に添加される。特定の実施形態では、米国特許公開第2009/0043046号(参照により本明細書に組み込まれる)に記載のように、官能化剤は、ルイス塩基の導入直前に、一緒に、または後で重合混合物を導入できる。
1つまたは複数の実施形態では、官能化剤は、重合(または少なくともその一部)が完了した場所(例えば、容器内の)に重合混合物に導入できる。他の実施形態では、官能化剤は、重合(または少なくともその一部)が起こったところとは異なる場所の重合混合物に導入できる。例えば、官能化剤は、下流反応器またはタンク、インライン反応器もしくは混合器、押出機、またはデボラティライザーなどの下流容器中の重合混合物に導入できる。
官能化剤が重合混合物に導入完了する、および/または所望の反応時間に到達するとすぐに、重合停止剤を重合混合物に加えて、全ての残留ポリマー鎖および触媒または触媒成分を不活化できる。重合停止剤は、プロトン性化合物であってよく、これには、アルコール、カルボン酸、無機の酸、水、またはこれらの混合物が挙げられるがこれらに限定されない。特定の実施形態では、重合停止剤には、米国特許公開第2009/0043055号(参照により本明細書に憎み込まれる)で開示のようなポリヒドロキシ化合物が挙げられる。2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールなどの抗酸化剤を、重合停止剤の添加と一緒に、その前に、またはその後で添加してもよい。使用される抗酸化剤の量は、ポリマー生成物の約0.2重量%〜約1重量%の範囲であってよい。重合停止剤および抗酸化剤は、未希釈材料として添加しても、または必要に応じ、重合混合物に添加の前に炭化水素溶媒もしくは共役ジエンモノマー中に溶解してもよい。さらに、ポリマー生成物は、ポリマーにオイルを加えて油展でき、これは、モノマー中に溶解または懸濁されたポリマーセメントまたはポリマーの形態であってもよい。本発明の実施は、添加されるオイルの量を制限せず、従って、従来の量を添加できる(例えば、5〜50phr)。採用できる有用な油または油展剤には、芳香油、パラフィン系オイル、ナフテン油、ヒマシ油以外の植物油、MES、TDAE、およびSRAEを含む低PCA油、ならびに重ナフテン油、が挙げられるがこれらに限定されない。
重合混合物が重合停止されるとすぐに、重合混合物の種々の成分を回収できる。1つまたは複数の実施形態では、未反応モノマーを重合混合物から回収できる。例えば、モノマーは、当技術分野で既知の技術を使って重合混合物から蒸留できる。1つまたは複数の実施形態では、デボラティライザーを使って、重合混合物からモノマーを取り出すことができる。モノマーが重合混合物から取り出されるとすぐに、モノマーは、精製、貯蔵、および/または重合プロセスに戻すことができる。
ポリマー生成物は、当技術分野で既知の技術により、重合混合物から回収できる。1つまたは複数の実施形態では、脱溶媒および乾燥技術を使ってもよい。例えば、ポリマーは、重合混合物を、揮発性物質が適切な温度(例えば、約100℃〜約170℃)と大気圧または大気圧以下での蒸発により除去される脱溶媒押出機などの加熱スクリュー装置を通すことにより回収できる。この処理は、未反応モノマーならびに全ての低沸点溶媒を除去する役割をする。あるいは、ポリマーは、重合混合物を、蒸気脱溶媒、続けて、得られたポリマークラムの熱風トンネル中での乾燥に供することによっても回収できる。また、ポリマーは、重合混合物をドラム乾燥機で直接乾燥することにより回収することもできる。
1つまたは複数の実施形態では、本発明に従い調製されたポリマーは、不飽和結合を含んでもよい。これらまたは他の実施形態では、ポリマーは加硫可能である。1つまたは複数の実施形態では、ポリマーは、0℃未満、他の実施形態では、−20℃未満、および他の実施形態では、−30℃未満のガラス転移温度(Tg)を有してもよい。一実施形態では、これらのポリマーは、単一ガラス転移温度を示してもよい。特定の実施形態では、ポリマーは、水素添加、または部分的に水素添加されてもよい。
1つまたは複数の実施形態では、本発明のポリマーは、97%超、他の実施形態では、98%超、他の実施形態では、98.5%超、他の実施形態では、99.0%超、他の実施形態では、99.1%超、および他の実施形態では、99.2%超のシス−1,4−結合含量を有するシス−1,4−ポリジエンであってよく、この場合、パーセンテージは、ジエンマー単位の合計数に対するシス−1,4−結合をとるジエンマー単位の数に基づいている。また、これらのポリマーは、約2%未満、他の実施形態では、1.5%未満、他の実施形態では、1%未満、および他の実施形態では、0.5%未満の1,2−結合含量であってもよく、この場合、パーセンテージは、ジエンマー単位の合計数に対する1,2−結合をとるジエンマー単位の数に基づいている。ジエンマー単位の残りは、トランス−1,4−結合をとると考えられる。シス−1,4−、1,2−、およびトランス−1,4−結合含有物は、赤外分光法により分析できる。
1つまたは複数の実施形態では、赤外分光法による赤外分光法の数平均分子量(Mn)は、ポリスチレン標準および対象ポリマーのマルク−ホウインク定数で校正したゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を使って測定して、約1,000〜約1,000,000、他の実施形態では、約5,000〜約200,000、他の実施形態では、約25,000〜約150,000、および他の実施形態では、約50,000〜約120,000であってよい。
1つまたは複数の実施形態では、これらのポリマーの分子量分布または多分散度(Mw/Mn)は、5.0未満、他の実施形態では、3.0未満、他の実施形態では、2.5未満、他の実施形態では、2.2未満、他の実施形態では、2.1未満、他の実施形態では、2.0未満、他の実施形態では、1.8未満、および他の実施形態では、1.5未満であってよい。
本発明のポリマーは、タイヤ部品の製造に使用できるゴム組成物の調製に特に有用である。ゴム配合技術およびそれに使用される添加物は、Rubber Technology(2nd Ed.1973)中の、The Compounding and Vulcanization of Rubberで広範な視点から開示されている。
ゴム組成物は、本発明のポリマー単独でまたは他のエラストマー(すなわち、加硫されてゴム状またはエラストマー的性質を有する組成物を形成できるポリマー)と一緒に使用して調製できる。使用可能な他のエラストマーには、天然および合成ゴムが挙げられる。合成ゴムは、通常、共役ジエンモノマーの重合、共役ジエンモノマーとビニル置換芳香族モノマーなどの他のモノマーの共重合、またはエチレンと1つまたは複数のa−オレフィンおよび任意選択の1つまたは複数のジエンモノマーとの共重合により得られる。
代表的エラストマーには、天然ゴム、合成ポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリイソブチレン−co−イソプレン、ネオプレン、ポリ(エチレン−co−プロピレン)、ポリ(スチレン−co−ブタジエン)、ポリ(スチレン−co−イソプレン)、ポリ(スチレン−co−イソプレン−co−ブタジエン)、ポリ(イソプレン−co−ブタジエン)、ポリ(エチレン−co−プロピレン−co−ジエン)、ポリスルフィドゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、エピクロロヒドリンゴム、およびこれらの混合物が挙げられる。これらのエラストマーは、直鎖、分岐、および星形構造などの多くの高分子構造を持つことができる。
ゴム組成物には、無機および有機充填剤などの充填剤を含めてもよい。有機充填剤の例には、カーボンブラックおよびデンプンが挙げられる。無機充填剤の例には、シリカ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、雲母、滑石(水和ケイ酸マグネシウム)、およびクレー(水和ケイ酸アルミニウム)、が挙げられる。カーボンブラックとシリカは、タイヤ製造で最もよく使われる充填剤である。特定の実施形態では、異なる充填剤の混合物を使うと都合がよい場合がある。
1つまたは複数の実施形態では、カーボンブラックには、ファーネスブラック、チャンネルブラック、およびランプブラックが挙げられる。カーボンブラックのさらに具体的な例には、スーパーアブレーションファーネスブラック(SAF)(Super Abrasion Furnace Black)、インターメディエイトスーパーアブレーションファーネスブラック(ISAF)(Intermediate Super Abrasion Furnace Black)、ハイアブレーションファーネスブラック(HAF)(High Abrasion Furnace Black)、ファストエクストルージョンブラック(FEF)(Fast Extrusion Furnace Black)、ファインファーネスブラック(FF)(Fine Furnace Black)、セミレインフォーシングファーネスブラック(SRF)(Semi−Reinforcing Furnace Black)、ミディアムプロセシングチャンネルブラック(Medium Processing Channel Black)、ハードプロセシングチャンネルブラック(Hard Processing Channel Black)、コンダクティングチャンネルブラック(Conducting Channel Black)、およびアセチレンブラック、が挙げられる。
特定の実施形態では、カーボンブラックは、少なくとも20m2/g、および他の実施形態では、少なくとも35m2/gの表面積(EMSA)を持つことができる。表面積値は、セチルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)法を使って、ASTM D−1765により測定できる。カーボンブラックは、ペレット化形状、または非ペレット化綿状形態であってよい。カーボンブラックの好ましい形態は、ゴム化合物を混合するのに使用される混合設備の形式に依存する場合がある。
ゴム組成物中に使われるカーボンブラックの量は、ゴム100重量部当たり約50重量部(phr)までであってよく、約5〜約40phrが代表的な量である。
市況可能ないくつかの市販シリカには、Hi−Sil(登録商標)215、Hi−Sil(登録商標)233、およびHi−Sil(登録商標)190(PPG Industries、Inc.;Pittsburgh、Pa.)が挙げられる。市販シリカの他の供給元には、Grace Davison(Baltimore,Md.),Degussa Corp.(Parsippany,N.J.),Rhodia Silica Systems(Cranbury,N.J.),およびJ.M.Huber Corp.(Edison,N.J.)、が挙げられる。
1つまたは複数の実施形態では、シリカは、表面積を特徴としてもよく、これはその強化特性の尺度を与える。Brunauer,Emmet and Teller(「BET」)法(J.Am.Chem.Soc.,vol.60,p.309以降を参照)は、表面積測定法として広く認められている方法である。シリカのBET表面積は、通常、450m2/g未満である。有用な表面積の範囲には、約32〜約400m2/g、約100〜約250m2/g、および約150〜約220m2/gが挙げられる。
シリカのpH値は、通常、約5〜約7もしくは7よりわずかに高い値、または他の実施形態では、約5.5〜約6.8である。
充填剤として(単独または他の充填剤と組み合わせて)シリカが用いられる1つまたは複数の実施形態では、シリカとエラストマーとの相互作用を強化するために、混合中にカップリング剤および/または遮蔽材をゴム組成物に加えることができる。有用なカップリング剤および遮蔽材は、米国特許第3,842,111号、同3,873,489号、同3,978,103号、同3,997,581号、同4,002,594号、同5,580,919号、同5,583,245号、同5,663,396号、同5,674,932号、同5,684,171号、同5,684,172号、同5,696,197号、同6,608,145号、同6,667,362号、同6,579,949号、同6,590,017号、同6,525,118号、同6,342,552号、および同6,683,135号で開示されている。これらの特許は、参照により本明細書に組み込まれる。
ゴム組成物で用いられるシリカの量は約1〜約100phrまたは他の実施形態では、約5〜約80phrであってよい。有用な上限範囲は、シリカにより付与される高粘度により制限される。シリカがカーボンブラックと一緒に使われる場合は、シリカの量は、約1phrもの少なさまで減らすことができ、シリカの量が減らされるに伴い、より少ない量のカップリング剤および遮蔽材を使用してよい。通常、カップリング剤および遮蔽材の量の範囲は、使用シリカの重量をベースにして、約4%〜約20%である。
多種のゴム硬化剤(加硫剤とも呼ばれる)を使用でき、これらには、硫黄または過酸化物ベース硬化系が挙げられる。硬化剤は、Kirk−Othmer,Encyclopedia of Chemical Technology,Vol.20,pgs.365−468,(3rd Ed.1982)、特に、Vulcanization Agents and Auxiliary Materials,pgs.390−402,およびA.Y.Coran,Vulcanization,Encyclopedia of Polymer Science and Engineering,(2nd Ed.1989)、に記載されている。これらの文献は、参照により本明細書に組み込まれる。加硫剤は、単独で、または組み合わせて使用できる。
通常のゴム配合に使われる成分もゴム組成物に添加できる。これらには、促進剤、促進活性剤、油、可塑剤、ろう、スコーチ抑制剤、加工助剤、酸化亜鉛、粘着付与樹脂、強化用樹脂、ステアリン酸などの脂肪酸、解膠剤、ならびに抗酸化剤およびオゾン割れ防止剤などの劣化防止剤が挙げられる。特定の実施形態では、用いられる油には、上述の油展剤用油として通常使われるものが含まれる。
ゴム組成物の全成分は、バンバリーまたはブラベンダーミキサー、押出機、ニーダー、および二本ロールミルなどの標準的混合設備で混合できる。1つまたは複数の実施形態では、2つ以上の段階により混合される。第1段階(マスターバッチ混合段階と呼ばれることも多い)では、通常、ゴム成分と充填剤を含むいわゆるマスターバッチが調製される。速すぎる加硫(スコーチとして知られる)を防ぐために、マスターバッチは、加硫剤を除いてもよい。マスターバッチは、約25℃〜約125℃の出発温度と約135℃〜約180℃の排出温度で混合できる。マスターバッチが調製されると、加硫剤を投入して最終混合段階でマスターバッチ中に混合できるが、これは、通常、速すぎる加硫の可能性を減らすように、比較的低い温度で行われる。任意選択で、追加の混合段階(再練り(remill)と呼ばれることもある)を、マスターバッチ混合段階と最終混合段階との間に採用できる。多くの場合、ゴム組成物は充填剤としてシリカを含む1回または複数回の再練り段階が採用される。これらの再練りの間に、本発明のポリマーを含む種々の成分を添加できる。
特に、シリカ充填タイヤ配合物に適用可能な混合方法および条件が、米国特許第5,227,425号、同5,719,207号、および同5,717,022号、ならびに欧州特許第890,606号に記載されている。これら全ての特許は、参照により本明細書に組み込まれる。一実施形態では、ポリマーおよびシリカを含めることにより、カップリング剤および遮蔽材の実質的非存在下で初期マスターバッチが調製される。
本発明のポリマーから調製されるゴム組成物は、トレッド、サブトレッド、サイドウォール、ボディプライスキム、ビードフィラー、などのタイヤ部品の形成に特に有用である。1つまたは複数の実施形態では、これらトレッドまたはサイドウォール配合物は、配合物中のゴムの合計重量をベースにして、約10重量%〜約100重量%、他の実施形態では、約35重量%〜約90重量%、および他の実施形態では、約50重量%〜約80重量%の本発明のポリマーを含んでもよい。
ゴム組成物がタイヤの製造に用いられる場合、これらの組成物は、標準的ゴム成形、型成形および硬化技術などの通常のタイヤ製造技術に従ってタイヤ部品に加工できる。通常、加硫は加硫可能組成物を型中で加熱することにより行われ、例えば、約140℃〜約180℃に加熱してもよい。硬化または架橋ゴム組成物は、加硫ゴムと呼ぶことができ、通常、熱硬化した3次元高分子ネットワークを含む。充填剤や加工助剤などの他の成分は、架橋ネットワーク全体に均一に分散できる。空気タイヤは、米国特許第5,866,171号、同5,876,527号、同5,931,211号、および同5,971,046号、で考察のように作ることができる。これらの特許は参照により本明細書に組み込まれる。
本発明の実施法を示すために、次の実施例が用意され、試験された。しかし、実施例は本発明の範囲を限定するものと見なされるべきではない。請求項が本発明を規定する機能を果たす。
以下の実施例では、ポリマー試料のムーニー粘度(ML1+4)を、大きなローター、1分の予熱時間、および4分の運転時間で操作できるMonsantoムーニー粘度計を使って100℃で測定した。ポリマー試料の数平均(Mn)および重量平均(Mw)分子量を、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定した。GPC装置には、示差屈折率(RI)検出器および紫外線(UV)吸収検出器を装備した。UV検出器信号のRI検出器信号に対する比率であるGPC UV/RI比率を使って、官能化シス−1,4−ポリブタジエンのGPC UV/RI比率を、官能化ポリブタジエン陰イオン重合を使って製造された同じMnを有する官能化ポリブタジエンのGPC UV/RI比率と照合することにより、ポリマー試料の%官能基を計算した。ポリマー試料のシス−1,4−結合、トランス−1,4−結合、および1,2−結合含量を赤外分光法により測定した。
実施例1
重合反応器は、高粘度ポリマーセメントを混合可能な機械攪拌器(シャフトとブレード)を備えた1ガロンステンレスシリンダーから構成された。重合持続期間中に反応器の内部で発生する1,3−ブタジエン蒸気の移送、凝縮、および再循環のために、反応器の上端は還流冷却器システムに連結された。また、反応器には、冷水で冷却される冷却ジャケットも備えた。重合熱は、一部は、還流冷却器システムを使った内部冷却により、さらに一部は、冷却ジャケットへの熱移動を介した外部冷却により消散された。
乾燥窒素流で反応器を完全にパージした後、100gの乾燥1,3−ブタジエンモノマーを反応器に充填し、反応器を65℃に加熱した後、液体1,3−ブタジエンが反応器中になくなるまで還流冷却器システムの先端から1,3−ブタジエン蒸気を排出することにより、1,3−ブタジエン蒸気で反応器を置換した。冷却水を還流冷却器、反応器ジャケットに適用し、ヘキサン中の1302gの1,3−ブタジエンモノマーおよび15.6mlの0.4Mジブチルスルフィド(Bu
2S)を反応器中に充填した。モノマー/スルフィドブレンドを32℃で恒温保持後、反応器中に予備形成触媒を充填することにより重合を開始した。この予備形成触媒は、ヘキサン中の6.5gの19.2wt%1,3−ブタジエン、ヘキサン中の1.44mlの0.054Mネオジミウムベルサタート、トルエン中の5.20mlの1.5Mメチルアルミノキサン(MAO)、ヘキサン中の2.42mlの1.0Mジイソブチルアルミニウムヒドリド(DIBAH)、およびヘキサン中の6.24mlの0.017Mトリヨードメタン(CHI
3)をこの順に混合し、混合物を15分間熟成させることにより調製した。重合開始から5.8分後、トルエン中の10.0mlの1.0M 4,4'−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン(DEAB)を充填することによりポリマーを官能化した。5分間攪拌後、重合混合物を1360gのヘキサン中に溶解した6.0mlイソプロパノールで希釈し、5gの2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールを含む3ガロンのイソプロパノール中にバッチを滴下することにより、重合を停止させた。凝集ポリマーをドラム乾燥した。重合と生成ポリマーに関する情報を表Iに示す。
実施例2
実施例2では、Bu2Sの代わりにOct2Sを使ったこと以外は、実施例1での記載と同じ手続きを使った。重合および生成ポリマーに関する情報を、表Iに示す。
実施例3
実施例3では、ヘキサン中の2.35mLの1.0M DIBAHを触媒溶液に加え、1,3−ブタジエンにBu2Sを加えなかったこと以外は、実施例1での記載と同じ手続きを使った。重合および生成ポリマーに関する情報を、表Iに示す。
実施例1を実施例3と比較すると、ジブチルスルフィドの存在下でトリヨードメタン活性化触媒を使ってバルク重合により調製されたポリマーは、ジブチルスルフィドの非存在下で調製されたバルクポリマーに比べて、シス−1,4−結合含量が増加し、%官能基が増加した。バルク重合中のジブチルスルフィドの存在は、変換/分を低下させ、これが、重合発熱制御の改善をもたらし、反応器内でのゲル形成を防ぐ。
実施例2を実施例3と比較すると、ジオクチルスルフィドの存在下でトリヨードメタン活性化触媒を使ってバルク重合により調製されたポリマーは、ジオクチルスルフィドの非存在下で調製されたバルクポリマーに比べて、シス−1,4−結合含量が増加し、%官能基が増加した。バルク重合中のジオクチルスルフィドの存在は、変換/分を低下させ、これが、重合発熱制御の改善をもたらし、反応器内でのゲル形成を防ぐ。
実施例4
実施例4では、ヘキサン中の2.35mLの1.0M DIBAHを触媒溶液に加え、ヘキサン中の3.12mLの0.025M CBr4をCHI3の代わりに触媒溶液に添加したこと以外は、実施例1での記載と同じ手続きを使った。重合および生成ポリマーに関する情報を、表Iに示す。
実施例5
実施例5では、ヘキサン中の2.11mLの1.0M DIBAHを触媒溶液に加え、Oct2SをBu2Sの代わりに使ったこと以外は、実施例4での記載と同じ手続きを使った。重合および生成ポリマーに関する情報を、表Iに示す。
実施例6
実施例6では、ヘキサン中の2.81mLの1.0M DIBAHを触媒溶液に加え、Bu2Sを1,3−ブタジエンに添加しなかったこと以外は、実施例4での記載と同じ手続きを使った。重合および生成ポリマーに関する情報を、表Iに示す。
実施例4を実施例6と比較すると、ジブチルスルフィドの存在下でテトラブロモメタン活性化触媒を使ってバルク重合により調製されたポリマーは、ジブチルスルフィドの非存在下で調製されたバルクポリマーに比べて、シス−1,4−結合含量が増加し、%官能基が増加した。バルク重合中のジブチルスルフィドの存在は、変換/分を低下させ、これが、重合発熱制御の改善をもたらし、反応器内でのゲル形成を防ぐ。
実施例5を実施例6と比較すると、ジオクチルスルフィドの存在下でテトラブロモメタン活性化触媒を使ってバルク重合により調製されたポリマーは、ジオクチルスルフィドの非存在下で調製されたバルクポリマーに比べて、シス−1,4−結合含量が増加し、%官能基が増加した。バルク重合中のジオクチルスルフィドの存在は、変換/分を低下させ、これが、重合発熱制御の改善をもたらし、反応器内でのゲル形成を防ぐ。