JP6199558B2 - イヌにおける腎障害を診断し、そして治療するための組成物および方法 - Google Patents

イヌにおける腎障害を診断し、そして治療するための組成物および方法 Download PDF

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Description

[0001]本出願は、本明細書に援用される、2009年12月23日出願の米国仮出願第61/289,773号に優先権を請求する。
[0002]本発明は:イヌにおける、腎臓機能の異常な喪失、腎不全、糸球体ろ過速度減少または糸球体腎炎によって特徴付けられる腎障害を診断し、該障害に対する治療計画を考案し、そして監視し、そして該障害の状態を監視するための組成物および方法に関する、ここで腎障害は、こうしたイヌから採取される生物学的試験試料から単離され、そして測定される少なくとも1つの適切なバイオマーカーを利用することによって検出可能である。本発明の組成物および方法の実施に適したバイオマーカーは、こうしたイヌのこうした生物学的試験試料から採取されるRNA転写物またはその翻訳産物を含む。本発明の方法を実施するための生物学的試験試料は、こうしたイヌの腎臓の組織試料またはこうしたイヌから採取される生物学的液体の標本を含む。
[0003]本発明はまた、イヌにおける、腎臓機能の異常な喪失、腎不全、糸球体ろ過速度減少または糸球体腎炎によって特徴付けられる腎障害を診断し、該障害に対する治療計画を考案し、そして監視し、そして該障害の状態を監視する際に使用するための、新規バイオマーカーの組み合わせの同定にも関する。
[0004]糸球体腎炎または糸球体性腎炎(「GN」)は、腎臓の糸球体またはループ状毛細血管の炎症によって特徴付けられる腎臓疾患である。該疾患は、根底にある多くの多様な疾患と関連する病的プロセスである。該状態は、急性、亜急性、および慢性型で生じ、そしてまた感染に続発する。同時に生じる疾病が見出されない前者の状態は、一般的に、特発性糸球体腎炎と称される。後者の状態は、一般的に、続発性GNと称される。根底にある原因が何であれ、免疫複合体が形成され、そして糸球体傷害および腎臓機能喪失、タンパク尿、ならびにある場合には最終的に腎不全につながる、一連の事象を生じる。
[0005]腎炎は、腎臓の炎症であり、糸球体、腎管または腎臓間質(または結合)組織に関与する局所性またはびまん性増殖性または破壊性疾患であることも可能である。腎炎の最も一般的な形式は、糸球体腎炎である。腎炎は、いくつかの病期を通じて進行して、末期腎疾患または末期腎不全に終わる可能性もある。
[0006]腎不全は、腎臓がその正常な機能を維持できないことから生じる。その結果、代謝性廃棄物および代謝産物が血液中に集積する。これらの廃棄物および代謝産物は、体の大部分の系に不都合に影響しうる。体液および電解質バランスの維持における混乱が腎不全の特徴である。
[0007]急性腎不全は、外傷、感染、炎症または腎毒性物質への曝露により、突然生じうる。この状態は、脱水、低血圧および循環虚脱を生じうる。急性腎不全は、しばしば、3つのカテゴリーに分離される:(1)腎臓血流減少と関連する前期腎不全(pre−renal failure);(2)虚血および毒素と関連する中期腎不全(intra−renal failure);および(3)尿流閉塞から生じる後期腎不全(post−renal failure)。
[0008]慢性腎不全は、最終的に末期腎臓疾患または腎不全に進行しうる腎機能の進行性の喪失を伴う。初期には、慢性腎不全は、血液における代謝性廃棄物の認識可能な集積を伴わない、腎機能の減少として始まる。炎症のため、糸球体ろ過速度が遅くなるにつれて、廃棄物が集積し始める。疾患は、腎機能低下による尿毒症に進行し、そして高レベルのタンパク質最終産物が集積し始め、そして体の機能を損なう。慢性腎不全の一般的な原因には:炎症、感染、尿路閉塞、ならびに高カルシウム血症、エリテマトーデス、糖尿病および高血圧を含む、特定の全身性疾患および毒性が含まれる。
[0009]末期腎臓疾患は、不可逆性の慢性腎不全によって特徴付けられる。血清クレアチニンおよび血液尿素窒素レベルが上昇し続け、そして生じる尿毒症は、体のすべての系を損なう。腎臓は、正常腎機能の約10%またはそれ未満の、永続的で、そしてほぼ完全な機能喪失を被りうる。末期腎疾患の1つの原因は糸球体腎炎である。他の原因には、慢性腎不全に関して言及したものが含まれる。
[0010]糸球体腎炎は、免疫系に対する生物学的侵襲の結果として生じうる。外来(foreign)物質は、基底膜に接着し、そして免疫反応を引き起こして、抗体産生を生じうる。これらの抗体は、外来物質と組み合わされて免疫複合体を生じ、これが小さい糸球体毛細血管の壁に沈着しはじめて、ネフロンに損傷を生じうる。あるいは、ある個体では、免疫系が免疫グロブリンである自己抗体を生成して、これが腎臓細胞を攻撃し、いわゆる自己免疫反応を生じうる。体内のタンパク質が改変された場合、自己抗体は改変されたタンパク質を非自己と認識するため、自己抗体反応が生じうる。これらの自己抗体−タンパク質複合体は、同様に、糸球体基底膜上に沈着して、ネフロン機能の破壊を生じうる。
[0011]糸球体腎炎は、イヌにおけるタンパク尿の主因であり、そして該状態の特発型または続発型のいずれであってもよい。後者の状況では、該状態は、新生物、炎症性疾患、内分泌機能不全、感染または家族性腎症に続発しうる。ヒトにおけるように、イヌにおけるGNは、免疫学的に仲介され、該動物体内で、免疫グロブリンおよび補体因子を伴う。傷害は、腎臓の糸球体内で生じ、糸球体に対する形態学的変化を生じる。最終的に、傷害は不可逆的になり、そしてネフロンの機能不全を導く。
[0012]一般的に、動物の健康および福利に影響を及ぼすいくつかの疾患または状態の発展において、遺伝子発現の制御が重要な役割を果たすことが、科学コミュニティにおいて認められている。同様に、遺伝子の示差発現は、こうした疾患および状態の発展における1つの要因であり、そして遺伝子発現パターンの評価は、こうした疾患および状態の発展および制御を分子レベルで理解するのに重要であるとして、広く認識されてきている。遺伝子および疾患に対するその関係の理解を進めるため、示差遺伝子発現を研究するためのいくつかの方法、例えば、DNAマイクロアレイ、発現タグ配列決定(EST)、遺伝子発現連続分析(SAGE)、サブトラクティブ・ハイブリダイゼーション、mRNAに関するサブトラクティブ・クローニングおよびディファレンシャル・ディスプレイ(DD)、RNA恣意的プライミングPCR(RAP−PCR)、リアルタイムPCR(RT−PCR)、提示相違分析(representational difference analysis)(RDA)、二次元ゲル電気泳動、質量分析、およびタンパク質マイクロアレイに基づくタンパク質に対する抗体結合が開発されてきている。
[0013]腎臓疾患および固有の分子相互作用および細胞内シグナル伝達プロセスに関与する生物学的経路が複雑であるため、起きている相互作用を遺伝子レベルで理解することが非常に望ましい。イヌにおける腎臓機能喪失の初期に、調節不全となった遺伝子が検出されれば、腎臓疾患、特に糸球体腎炎の生物学を、ゲノム全体に基づいて理解する助けとなる。遺伝子調節不全が、反復虚血性傷害に晒された動物における疾患発展初期で検出可能であるという事実は、イヌにおける腎機能の異常な喪失、腎不全、糸球体ろ過速度減少または糸球体腎炎を診断し、そしてこれらに対する治療計画を考案し、そして監視する際に助けとなる。
[0014]遺伝子発現プロファイリングを通じて、関与する生物学的経路をより詳細に理解すると、診断法、試薬および試験キット、ならびに疾患経路における有益な薬学的、栄養補助食品的および栄養学的(食餌)介入の発展の補助となるであろう。これらのアプローチは、根底にある腎障害、特に糸球体腎炎の初期検出、ならびに潜在的に防止または治療、ならびに特にイヌにおける、初期腎不全および糸球体腎炎の予後を監視することも可能にしうる。こうした障害の病因に関与する遺伝子調節不全は、診断、そして潜在的に障害の防止または治療のための重要なバイオマーカーとして働き、そして適切な薬学的、栄養補助食品的および栄養学的(食餌)介入の選択を最適化しうる。
[0015]イヌにおける、遺伝子発現のレベル、および/または発現された遺伝子産物の機能レベルの決定を用いて、療法的または予防的使用に適した剤を選択することも可能である。このデータは、遺伝子発現プロファイリングを通じて、イヌにおける腎臓疾患の防止または治療のための剤として、適切な薬剤を選択する際に、当業者によって使用されうる。遺伝子発現データおよび分析はまた、腎機能の健康状態を示すバイオマーカーを利用することによって、腎性能に有益な効果を有する栄養学的組成物、食餌補助食品、および栄養補助食品を選択するために使用可能である。
[0016]現在までに、イヌにおける疾患の診断と関連して、遺伝子発現プロファイルに関してイヌ・ゲノムをスクリーニングする研究は非常に限定的にしか行われていない。動物モデルを使用する特定の研究は、cDNAアレイ技術を利用して、腎臓疾患に関連する腎臓組織における遺伝子発現に関してスクリーニングしてきている。
[0017]本明細書に記載するような腎疾患および腎機能喪失などの疾患を有する集団に対する、イヌの健康な集団における研究は、徹底的には行われてきていない。イヌ・ゲノムの発現プロファイルに関して、特にイヌにおける時間を掛けた腎臓疾患発展に関するデータはほとんど入手不能である。本明細書に含有される遺伝子発現データは、イヌにおける腎臓機能と関連する遺伝子を同定する。こうした遺伝子発現データは、腎臓機能の異常な喪失、腎不全、糸球体ろ過速度減少または糸球体腎炎によって特徴付けられる腎障害を診断し、該障害に対する治療計画を考案し、そして監視し、そして該障害の状態を監視するための組成物および方法の開発を可能にする、ここで腎障害は、こうしたイヌから採取される生物学的試験試料から単離され、そして測定される少なくとも1つの適切なバイオマーカーを利用することによって検出可能である。
[0018]本明細書および実施例に含有される遺伝子発現データは、本特許出願の明細書および実施例に記載する遺伝子発現プロファイルに基づいて、多様な望ましい発明を可能にする。このデータは、根底にある腎臓疾患の疾患防止、同定および治療のバイオマーカーとして、遺伝子発現産物を同定し、そして定量化することを可能にする。本発明の方法の実施の結果として引き出される遺伝子発現データはまた、こうした腎疾患の進行を監視することも可能にする。これらの発明には、さらに、こうした腎臓疾患に罹患する可能性が高い動物の感受性下位集団を同定し、こうした腎臓疾患の防止または治療に最適な食餌を同定し、根底にある腎臓疾患を治療するため、本明細書に示す知見に基づいて、薬学的、栄養補助食品的および栄養学的(食餌)介入を同定する、遺伝子試験が含まれる。本発明にはまた、早期疾患検出のためのバイオマーカー、ターゲット化療法、こうした腎臓疾患に感受性があるかまたはこうした腎臓疾患を有するイヌ由来の組織および血液試料の分析のための診断試薬およびキットも含まれる。
[0019]本発明は:イヌにおける、腎臓機能の異常な喪失、腎不全、糸球体ろ過速度減少または糸球体腎炎によって特徴付けられる腎障害を診断し、該障害に対する治療計画を考案し、そして監視し、そして該障害の状態を監視するための組成物および方法に関する、ここで腎障害は、こうしたイヌから採取される生物学的試験試料から単離され、そして測定される少なくとも1つの適切なバイオマーカーを利用することによって検出可能である。
[0020]本発明の組成物および方法の実施に適したバイオマーカーは、こうしたイヌのこうした生物学的試験試料から採取されるRNA転写物またはその翻訳産物を含む。本発明の方法を実施するための生物学的試験試料は、こうしたイヌの腎臓の組織試料またはこうしたイヌから採取される生物学的液体の標本を含む。
[0021]特に、本発明は:遺伝子発現分析の使用を通じて、イヌにおける、腎臓機能の異常な喪失、腎不全、糸球体ろ過速度減少または糸球体腎炎によって特徴付けられる腎障害を診断し、該障害に対する治療計画を考案し、そして監視し、そして該障害の状態を監視するための方法に関する。
[0022]本発明はまた、イヌにおける、腎臓機能の異常な喪失、腎不全、糸球体ろ過速度減少または糸球体腎炎によって特徴付けられる腎障害を診断し、該障害に対する治療計画を考案し、そして監視し、そして該障害の状態を監視する際に使用するための新規バイオマーカーの組み合わせの同定にも関する。
[0023]本発明はさらに、明記する方法を実行するための組成物、試薬およびキットに関する。
[0024]本発明は、部分的に、イヌにおける特定の遺伝子発現プロファイルが、時間を掛けて腎臓機能減少を導きうる、腎臓における異常な生物学的プロセスへの、正常からのこうした動物における変化と相関するという発見に基づく。特定の遺伝子発現プロファイルと、腎臓機能減少を経験するリスクの相関は、腎臓疾患の当該技術分野に認識される臨床徴候および症状に基づく慣用的な臨床診断を提供せずに、イヌにおいて、予測され、検出され、そして診断可能である。したがって、イヌにおける改変された遺伝子発現プロファイルは、そうでなければ、腎臓機能の当該技術分野に知られる測定によって、後の時点で診断可能であるような、腎臓機能減少を予測する。当該技術分野に知られるこうした腎臓機能測定には、典型的には、例えば以下の測定の1つが含まれうる:糸球体ろ過速度、クレアチニン・クリアランス速度、尿タンパク質レベル、血清クレアチニン・レベル、尿クレアチニン・レベル、血液尿素窒素(BUN)レベル、放射性同位体代謝標識、超音波検査、磁気共鳴画像化および/またはコンピュータ断層撮影を含む軟組織画像化。血清クレアチニンおよびBUNレベルなどの非侵襲性アッセイは、典型的には、腎臓組織病理と劣った相関を示し、そして一般的に、腎臓における将来の変化を予測しない。
[0025]イヌを評価して腎障害を診断する方法は、イヌにおける:分泌型frizzled関連タンパク質2(sFRP2);マトリリン−2(Matn2);ルミカン(LUM);コラーゲン・アルファ1(III)鎖、変異体12(COL3A1);デコリン(DCN);レチノール結合タンパク質4(rbp4);MMP−9;クラスタリン(CLU);トランスフェリン(TF);アポ−C−1(アポC1);およびインヒビン・ベータA(INHBA)からなる群より選択される、1またはそれより多い遺伝子またはこうした遺伝子の発現(翻訳)産物の遺伝子発現レベルまたは活性を評価する工程を伴う。
[0026]イヌを評価して腎障害を診断する方法は、イヌにおける:分泌型frizzled関連タンパク質2(sFRP2)またはマトリリン−2(Matn2)からなる群;そして場合によってルミカン(LUM);デコリン(DCN);コラーゲン・アルファ1(III)鎖、変異体12(COL3A1);レチノール結合タンパク質4(rbp4);MMP−9;クラスタリン(CLU);トランスフェリン(TF);アポ−C−1(アポC1);およびインヒビン・ベータA(INHBA)からなる第二の群より選択される、1またはそれより多い遺伝子またはこうした遺伝子の発現産物の遺伝子発現レベルまたは活性を評価する工程を伴う。
[0027]本発明の実施に有用なバイオマーカーは、以下に、そして本明細書に付随する配列表により詳細に記載するように:ルミカン(LUM);コラーゲン・アルファ1(III)鎖、変異体12(COL3A1);デコリン(DCN);分泌型frizzled関連タンパク質2(sFRP2);マトリリン−2(Matn2);レチノール結合タンパク質4(rbp4);MMP−9;クラスタリン(CLU);トランスフェリン(TF);アポ−C−1(アポC1);およびインヒビン・ベータA(INHBA)である。
[0028]イヌ・ルミカン。AffymetrixプローブCfaAFFx.10198.1.S1_s_atは、ルミカン前駆体(ケラチン硫酸プロテオグリカン・ルミカン[KSPGルミカン])[カニス・ファミリアリス(Canis familiaris)]と類似であると予測される、NCBI参照配列: XP_539716.1、寄託番号XP_539716に対応する。イヌ・ルミカンは、GeneID:482599のXM_539716.2[配列番号1]にコードされる、338アミノ酸のロイシン・リッチ反復タンパク質である。
[0029]用語「ルミカン」および「LUM」および「Lum」は、配列番号1に示すようなアミノ酸配列を実質的に有するタンパク質を指す。好ましくは、ルミカンは、配列番号1に示すようなアミノ酸配列から実質的になるタンパク質である。ルミカンにはまた、配列番号1に示すような配列のタンパク質変異体、例えばアレル変異体、ならびに置換、付加および/または欠失などの他の突然変異も含まれる。用語、ルミカンはまた、該タンパク質をコードする核酸配列も指す。該配列は、XM_539716.2および付随する配列番号12に対応する。ルミカンはまた、配列番号12にハイブリダイズする核酸配列および配列番号12の断片も指す。
[0030]イヌ・コラーゲン・アルファ1(III)、変異体12(COL3A1)。AffymetrixプローブCfaAffx.22804.1S1_s_atは、コラーゲン・アルファ(III)鎖前駆体アイソフォーム12に類似であると予測される、NCBI参照配列: XP_863148.1、寄託番号XP_863148に対応する。イヌCOL3A1は、GeneID: 478835のXM_863148.1[配列番号2]にコードされる1446アミノ酸のタンパク質である。
[0031]用語「コラーゲン・アルファ(III)鎖前駆体アイソフォーム12」、「Col3a1」および「COL3A1」は、配列番号2に示すようなアミノ酸配列を実質的に有するタンパク質を指す。好ましくは、COL3A1は、配列番号2に示すようなアミノ酸配列から実質的になるタンパク質である。COL3A1にはまた、配列番号2に示すような配列のタンパク質変異体、例えばアレル変異体、ならびに置換、付加および/または欠失などの他の突然変異も含まれる。用語、COL3A1はまた、該タンパク質をコードする核酸配列も指す。該配列は、XM_863148.1および付随する配列番号13に対応する。COL3A1はまた、配列番号13にハイブリダイズする核酸配列および配列番号13の断片も指す。
[0032]イヌ・デコリン(DCN)。AffymetrixプローブCfa.6065.1.A1_s_atは、NCBI参照配列: NP_001003228.1、寄託番号NP_001003228、デコリン[カニス・ルプス・ファミリアリス(Canis lupus familiaris)]に対応する。イヌ・デコリンは、GeneID: 403904のNM_001003228.1[配列番号3]にコードされる、360アミノ酸ロイシン・リッチ反復タンパク質である。
[0033]用語、デコリンは、配列番号3に示すようなアミノ酸配列を実質的に有するタンパク質を指す。好ましくは、デコリンは、配列番号3に示すようなアミノ酸配列から実質的になるタンパク質である。デコリンにはまた、配列番号3に示すような配列のタンパク質変異体、例えばアレル変異体、ならびに置換、付加および/または欠失などの他の突然変異も含まれる。用語、デコリンはまた、該タンパク質をコードする核酸配列も指す。該配列は、NM_001003228.1および付随する配列番号14に対応する。デコリンはまた、配列番号14にハイブリダイズする核酸配列および配列番号14の断片も指す。
[0034]イヌ分泌型frizzled関連タンパク質2(sFRP2)。AffymetrixプローブCfa.1200.1.S1_s_atは、NCBI参照配列: NP_001002987.1、寄託番号NP_001002987 XP_532695、分泌型frizzled関連タンパク質2(sFRP2)[カニス・ルプス・ファミリアリス]に対応する。イヌ分泌型frizzled関連タンパク質2(sFRP2)は、GeneID: 475471のNM_001002987.1[配列番号4]にコードされる294アミノ酸のタンパク質である。
[0035]用語「分泌型frizzle関連タンパク質2」、「SFRP2」、および「sFRP2」は、配列番号4に示すようなアミノ酸配列を実質的に有するタンパク質を指す。好ましくは、sFRP2は、配列番号4に示すようなアミノ酸配列から実質的になるタンパク質である。sFRP2にはまた、配列番号4に示すような配列のタンパク質変異体、例えばアレル変異体、ならびに置換、付加および/または欠失などの他の突然変異も含まれる。用語、sFRP2はまた、該タンパク質をコードする核酸配列も指す。該配列は、NM_001002987.1および付随する配列番号15に対応する。sFRP2はまた、配列番号15にハイブリダイズする核酸配列および配列番号15の断片も指す。
[0036]イヌ・マトリリン−2(Matn2)。AffymetrixプローブCfa.9487.1A1_atは、マトリリン2アイソフォームa前駆体[カニス・ルプス・ファミリアリス]に類似である、NCBI参照配列: XP_5485552.2、寄託番号NP_5485552に対応する。イヌ・マトリリン−2は、GeneID: 491431のXM_5485552.2[配列番号5]にコードされる、978アミノ酸のタンパク質である。
[0037]用語「マトリリン2アイソフォームa前駆体」、「マトリリン2」および「Matn2」は、配列番号5に示すようなアミノ酸配列を実質的に有するタンパク質を指す。好ましくは、Matn2は、配列番号5に示すようなアミノ酸配列から実質的になるタンパク質である。Matn2にはまた、配列番号5に示すような配列のタンパク質変異体、例えばアレル変異体、ならびに置換、付加および/または欠失などの他の突然変異も含まれる。用語、Matn2はまた、該タンパク質をコードする核酸配列も指す。該配列は、XM_5485552.2および付随する配列番号16に対応する。Matn2はまた、配列番号16にハイブリダイズする核酸配列および配列番号16の断片も指す。
[0038]イヌ・レチノール結合タンパク質4(rbp4)。AffymetrixプローブCfa.15489.1.S1_atは、レチノール結合タンパク質4、血漿前駆体(rbp4)[カニス・ルプス・ファミリアリス]に類似である、NCBI参照配列: XP_534969.2 寄託番号NP_534969に対応する。イヌ・レチノール結合タンパク質4(rbp4)は、GeneID: 477775のXM_534969.2[配列番号6]にコードされる267アミノ酸のタンパク質である。
[0039]用語「レチノール結合タンパク質4」、「血漿前駆体」、「レチノール」および「Rbp4」は、配列番号6に示すようなアミノ酸配列を実質的に有するタンパク質を指す。好ましくは、Rbp4は、配列番号6に示すようなアミノ酸配列から実質的になるタンパク質である。Rbp4にはまた、配列番号6に示すような配列のタンパク質変異体、例えばアレル変異体、ならびに置換、付加および/または欠失などの他の突然変異も含まれる。用語、Rbp4はまた、該タンパク質をコードする核酸配列も指す。該配列は、XM_534969.2および付随する配列番号17に対応する。Rbp4はまた、配列番号17にハイブリダイズする核酸配列および配列番号17の断片も指す。
[0040]イヌ・マトリックス・メタロプロテイナーゼ9(MMP−9)。AffymetrixプローブCfa.3470.1S1_atは、NCBI参照配列: NP_001003219.1 寄託番号NP_001003219、マトリックス・メタロプロテイナーゼ9[カニス・ルプス・ファミリアリス]に対応する。イヌ・マトリックス・メタロプロテイナーゼ9(MMP9)は、GeneID: 403885のNM_001003219.1[配列番号7]にコードされる、704アミノ酸のタンパク質である。
[0041]用語「マトリックス・メタロプロテイナーゼ9」および「MMP9」は、配列番号7に示すようなアミノ酸配列を実質的に有するタンパク質を指す。好ましくは、MMP9は、配列番号7に示すようなアミノ酸配列から実質的になるタンパク質である。MMP9にはまた、配列番号7に示すような配列のタンパク質変異体、例えばアレル変異体、ならびに置換、付加および/または欠失などの他の突然変異も含まれる。用語、MMP9はまた、該タンパク質をコードする核酸配列も指す。該配列は、NM_001003219.1および付随する配列番号18に対応する。MMP9はまた、配列番号18にハイブリダイズする核酸配列および配列番号18の断片も指す。
[0042]イヌ・クラスタリン(CLU)。AffymetrixプローブCfa1254.S1_s_atは、NCBI参照配列: NM_001003370.1 寄託番号NM_001003370イヌ・クラスタリンに対応する。イヌ・クラスタリンは、GeneID: 442971のNM_001003370.1[配列番号8]にコードされる、445アミノ酸のタンパク質である。
[0043]用語「クラスタリン」および「Clu」は、配列番号8に示すようなアミノ酸配列を実質的に有するタンパク質を指す。好ましくは、クラスタリンは、配列番号8に示すようなアミノ酸配列から実質的になるタンパク質である。クラスタリンにはまた、配列番号8に示すような配列のタンパク質変異体、例えばアレル変異体、ならびに置換、付加および/または欠失などの他の突然変異も含まれる。用語、クラスタリンはまた、該タンパク質をコードする核酸配列も指す。該配列は、NM_001003370.1および付随する配列番号19に対応する。クラスタリンはまた、配列番号19にハイブリダイズする核酸配列および配列番号19の断片も指す。
[0044]イヌ・トランスフェリン(TF)。AffymetrixプローブCfa2217.1.A1_atは、イヌ・セロトランスフェリン前駆体(トランスフェリン)アイソフォーム1に類似である、NCBI参照配列: XP_534268.2 寄託番号XP_534268に対応する。イヌ・トランスフェリンは、GeneID: 477072のXM_534268.2[配列番号9]にコードされる、705アミノ酸のタンパク質である。
[0045]用語「イヌ・セロトランスフェリン前駆体(トランスフェリン)アイソフォーム1」、「トランスフェリン」および「TF」は、配列番号9に示すようなアミノ酸配列を実質的に有するタンパク質を指す。好ましくは、トランスフェリンは、配列番号9に示すようなアミノ酸配列から実質的になるタンパク質である。トランスフェリンにはまた、配列番号9に示すような配列のタンパク質変異体、例えばアレル変異体、ならびに置換、付加および/または欠失などの他の突然変異も含まれる。用語、トランスフェリンはまた、該タンパク質をコードする核酸配列も指す。該配列は、XM_534268.2および付随する配列番号20に対応する。トランスフェリンはまた、配列番号20にハイブリダイズする核酸配列および配列番号20の断片も指す。
[0046]イヌ・アポリポタンパク質C−1(アポC1)。AffymetrixプローブCfa1254.S1_s_atは、イヌ・アポリポタンパク質C−I前駆体(アポCI)に類似である、NCBI参照配列: XP_533643.2 寄託番号XP_533643に対応する。イヌ・アポリポタンパク質C−I(アポCI)は、GeneID: 113459のNM_533643.2[配列番号10]にコードされる、88アミノ酸のタンパク質である。
[0047]用語「アポリポタンパク質C−1」および「アポC1」は、配列番号10に示すようなアミノ酸配列を実質的に有するタンパク質を指す。好ましくは、トランスフェリンは、配列番号10に示すようなアミノ酸配列から実質的になるタンパク質である。アポC1にはまた、配列番号10に示すような配列のタンパク質変異体、例えばアレル変異体、ならびに置換、付加および/または欠失などの他の突然変異も含まれる。用語、アポC1はまた、該タンパク質をコードする核酸配列も指す。該配列は、NM_533643.2および付随する配列番号21に対応する。アポC1はまた、配列番号21にハイブリダイズする核酸配列および配列番号21の断片も指す。
[0048]インヒビン・ベータA(INHBA)。AffymetrixプローブCfa596.1A1_atは、インヒビン・ベータA鎖前駆体(INHBA)(アクチビン・ベータ−A鎖)(赤血球分化タンパク質; EDF)に類似である、NCBI参照配列: XP_540364 寄託番号XP_540364に対応する。イヌ・インヒビン・ベータA鎖前駆体(INHBA)は、GeneID: 483245のXM_540364.2[配列番号11]にコードされる、424アミノ酸のタンパク質である。
[0049]用語「インヒビン・ベータA鎖前駆体」および「INHBA」は、配列番号11に示すようなアミノ酸配列を実質的に有するタンパク質を指す。好ましくは、インヒビンは、配列番号11に示すようなアミノ酸配列から実質的になるタンパク質である。インヒビンにはまた、配列番号11に示すような配列のタンパク質変異体、例えばアレル変異体、ならびに置換、付加および/または欠失などの他の突然変異も含まれる。用語、インヒビンはまた、該タンパク質をコードする核酸配列も指す。該配列は、XM_540364.2および付随する配列番号22に対応する。トランスフェリンはまた、配列番号22にハイブリダイズする核酸配列および配列番号22の断片も指す。
[0050]本発明の好ましい態様において、イヌにおける腎障害を診断するための方法は:(a)イヌ由来の生物学的試料における少なくとも1つのバイオマーカーの発現レベルを測定し、ここで、少なくとも1つのバイオマーカーは、分泌型frizzle関連タンパク質−2(SFRP2);マトリリン−2(Matn2);ルミカン(LUM);デコリン(DCN);コラーゲン・アルファ1(III)鎖、変異体12(COL3A1);レチノール結合タンパク質4(rbp4);MMP−9;クラスタリン(CLU);トランスフェリン(TF);アポ−C−1(アポC1);およびインヒビン・ベータA(INHBA)より選択される;そして(b)イヌを、腎障害を有すると同定する、ここで、正常動物由来の試料における発現の対照値に対して、試料中の1またはそれより多いバイオマーカーの発現相違が、腎障害の存在を示す工程を含む。
[0051]本発明の別の好ましい態様において、イヌは、当該技術分野に認識される臨床測定、例えば糸球体ろ過速度、クレアチニン・クリアランス、尿タンパク質レベル、血液クレアチニン・レベル、尿クレアチニン・レベルおよび/または血液尿素窒素レベルによって定義されるような正常腎機能を有し、そして本発明の方法を用いて、こうしたイヌにおける、正常な状態から、腎臓機能減少、腎不全、糸球体ろ過速度減少および糸球体腎炎によって特徴付けられる腎障害を導く異常な状態への変化を検出し、そして診断することも可能である。
[0052]別の好ましい態様において:ルミカン(LUM);コラーゲン・アルファ1(III)鎖、変異体12(COL3A1);デコリン(DCN);分泌型frizzle関連タンパク質2(sFRP2);およびマトリリン−2(Matn2)からなる群より選択される、イヌにおける1またはそれより多い遺伝子の活性または発現レベルの上昇は、腎臓機能の異常な喪失、腎不全、糸球体ろ過速度減少または糸球体腎炎によって特徴付けられる腎障害と相関する。1またはそれより多い遺伝子の活性または発現レベルは、ポリヌクレオチドまたはポリペプチドまたはタンパク質であってもよく、典型的にはRNA転写物またはその翻訳産物である、こうした遺伝子の発現産物を測定することによって、決定可能である。
[0053]別の好ましい態様において:分泌型frizzled関連タンパク質2(sFRP2);マトリリン−2(Matn2);ルミカン(LUM);デコリン(DCN);コラーゲン・アルファ1(III)鎖、変異体12(COL3A1);レチノール結合タンパク質4(rbp4);MMP−9;クラスタリン(CLU);トランスフェリン(TF);アポ−C−1(アポC1);およびインヒビン・ベータA(INHBA)からなる群より選択される少なくとも1つのRNA転写物またはその翻訳産物より選択される、イヌにおける1またはそれより多い遺伝子の示差発現は、腎臓機能の異常な喪失、腎不全、糸球体ろ過速度減少または糸球体腎炎と相関する。
[0054]別の好ましい態様において:分泌型frizzled関連タンパク質2(sFRP2)またはマトリリン−2(Matn2)からなる群より選択される少なくとも1つのRNA転写物またはその翻訳産物の第一群;ならびに場合によって:ルミカン(LUM);デコリン(DCN);コラーゲン・アルファ1(III)鎖、変異体12(COL3A1);レチノール結合タンパク質4(rbp4);MMP−9;クラスタリン(CLU);トランスフェリン(TF);アポ−C−1(アポC1);およびインヒビン・ベータA(INHBA)からなる群より選択される少なくとも1つのRNA転写物またはその翻訳産物の第二群より選択される、イヌにおける1またはそれより多い遺伝子の示差発現は、腎臓機能の異常な喪失、腎不全、糸球体ろ過速度減少または糸球体腎炎と相関する。本発明は、(i)分泌型frizzled関連タンパク質2(sFRP2)またはマトリリン−2(Matn2)からなる群より選択される少なくとも1つのRNA転写物またはその翻訳産物の第一群;ならびに場合によって:ルミカン(LUM);デコリン(DCN);コラーゲン・アルファ1(III)鎖、変異体12(COL3A1);レチノール結合タンパク質4(rbp4);MMP−9;クラスタリン(CLU);トランスフェリン(TF);アポ−C−1(アポC1);およびインヒビン・ベータA(INHBA)からなる群より選択される少なくとも1つのRNA転写物またはその翻訳産物の第二群より選択され;ならびに(ii)分泌型frizzled関連タンパク質2(sFRP2)またはマトリリン−2(Matn2)からなる群より選択される少なくとも1つのRNA転写物またはその翻訳産物の第一群;ならびに:ルミカン(LUM);デコリン(DCN);コラーゲン・アルファ1(III)鎖、変異体12(COL3A1);レチノール結合タンパク質4(rbp4);MMP−9;クラスタリン(CLU);トランスフェリン(TF);アポ−C−1(アポC1);およびインヒビン・ベータA(INHBA)からなる群より選択される少なくとも1つのRNA転写物またはその翻訳産物の第二群より選択されるものの両方である遺伝子またはその発現産物を含む、バイオマーカーの組み合わせを意図することが理解されるものとする。
[0055]別の好ましい態様において、本発明は:分泌型frizzled関連タンパク質2(sFRP2);マトリリン−2(Matn2);ルミカン(LUM);デコリン(DCN);コラーゲン・アルファ1(III)鎖、変異体12(COL3A1);レチノール結合タンパク質4(rbp4);MMP−9;クラスタリン(CLU);トランスフェリン(TF);アポ−C−1(アポC1);およびインヒビン・ベータA(INHBA)からなる群より選択される少なくとも1つのRNA転写物またはその翻訳産物より選択される1またはそれより多い遺伝子の、イヌにおける示差発現の測定、および腎臓機能減少、糸球体ろ過速度減少、糸球体腎炎または腎不全によって特徴付けられる腎障害を導く異常なプロセスによって立証されるような、イヌにおける腎臓機能の加速されたまたは早期の喪失との相関を含む。
[0056]1つの側面において、本発明には:分泌型frizzled関連タンパク質2(sFRP2);マトリリン−2(Matn2);ルミカン(LUM);デコリン(DCN);コラーゲン・アルファ1(III)鎖、変異体12(COL3A1);レチノール結合タンパク質4(rbp4);MMP−9;クラスタリン(CLU);トランスフェリン(TF);アポ−C−1(アポC1);およびインヒビン・ベータA(INHBA)からなる群より選択される少なくとも1つのRNA転写物またはその翻訳産物より選択される1またはそれより多い遺伝子あるいは1またはそれより多いこうした遺伝子の発現産物を、イヌにおいて検出する剤と、組織試料または体液標本を接触させる工程が含まれる。該剤は、固相、マイクロタイター・ウェル、試験管、ディップスティックまたは他の慣用的手段上での固定などの慣用的アッセイ手段と組み合わせて用いられる、抗体または核酸プローブであってもよい。
[0057]本発明の方法の別の態様は、単独の、あるいはポリペプチドおよび/またはポリヌクレオチドを使用する遺伝子発現アレイ・ディスプレイと組み合わせた、イヌにおける遺伝子発現を決定するための慣用的アッセイ手段の使用を含み、こうした慣用的アッセイ手段は、ELISA、RIA、イムノブロット・アッセイ、in situハイブリダイゼーション、ノーザンブロット分析、ウェスタンブロット分析およびLuminex X−Map(登録商標)分析の1またはそれより多くを含む。
[0058]本発明の別の態様は:アルブミン、血清シスタチンC、血液クレアチニン、尿クレアチニン、クレアチニン・クリアランス、尿タンパク質、血液尿素窒素および糸球体ろ過速度のレベルを決定する工程からなる群より選択される1またはそれより多い慣用的な診断測定と組み合わせて:分泌型frizzled関連タンパク質2(sFRP2);マトリリン−2(Matn2);ルミカン(LUM);デコリン(DCN);コラーゲン・アルファ1(III)鎖、変異体12(COL3A1);レチノール結合タンパク質4(rbp4);MMP−9;クラスタリン(CLU);トランスフェリン(TF);アポ−C−1(アポC1);およびインヒビン・ベータA(INHBA)からなる群より選択される少なくとも1つのRNA転写物またはその翻訳産物より選択される1またはそれより多い遺伝子またはその発現産物に関して、遺伝子発現プロファイルを決定することによって、時間を掛けて、腎臓機能の異常な喪失、腎不全、糸球体ろ過速度減少または糸球体腎炎によって特徴付けられる腎障害を診断して、こうしたイヌのための治療コースを選択する工程を含む。
[0059]別の態様において、本発明は:分泌型frizzled関連タンパク質2(sFRP2);マトリリン−2(Matn2);ルミカン(LUM);デコリン(DCN);コラーゲン・アルファ1(III)鎖、変異体12(COL3A1);レチノール結合タンパク質4(rbp4);MMP−9;クラスタリン(CLU);トランスフェリン(TF);アポ−C−1(アポC1);およびインヒビン・ベータA(INHBA)からなる群より選択される少なくとも1つのRNA転写物またはその翻訳産物より選択される1またはそれより多い遺伝子またはその発現産物に関する発現プロファイルを検出可能な1またはそれより多い剤、ならびに、前記の1またはそれより多い剤を用いて、こうしたイヌが、腎臓機能の異常な喪失、腎不全、糸球体ろ過速度減少または糸球体腎炎によって特徴付けられる腎障害を発展させるリスクを、時間を掛けて評価するための使用説明書を含む、イヌにおいて、時間を掛けて腎障害を診断し、そして/または監視するためのキットを特徴とする。
[0060]別の側面において、本発明には:分泌型frizzled関連タンパク質2(sFRP2);マトリリン−2(Matn2);ルミカン(LUM);デコリン(DCN);コラーゲン・アルファ1(III)鎖、変異体12(COL3A1);レチノール結合タンパク質4(rbp4);MMP−9;クラスタリン(CLU);トランスフェリン(TF);アポ−C−1(アポC1);およびインヒビン・ベータA(INHBA)からなる群より選択される少なくとも1つのRNA転写物またはその翻訳産物より選択される1またはそれより多い遺伝子またはその発現産物を検出する剤と、組織試料または体液標本を接触させる工程が含まれる。剤は、固相、マイクロタイター・ウェル、試験管、ディップスティックまたは他の慣用的手段上での固定などの慣用的アッセイ手段と組み合わせて用いられる、抗体または核酸プローブであってもよい。
[0061]本発明の特に好ましい態様は、以下の通りである。以下の態様の各々において、本発明は、イヌ由来の固形腎組織試料、または生物学的液体の試料のいずれかを含む、試験試料を意図する。列挙する遺伝子の示差発現は、絶対量での有意差を意図する。好ましい態様において、示差発現は、約1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5または3.0倍またはそれより大きくてもよい。特に好ましい示差発現値は、約2倍または平均周囲の1標準偏差より大きい。また、本発明の態様は、多様な当該技術分野に認識される検出平均を使用してもよく、これには、1またはそれより多いハイブリダイゼーション・プローブのアレイ、1またはそれより多い抗体のパネル、およびこれらの技術の組み合わせが含まれる。イムノアッセイが望ましい場合、当業者は、競合的結合アッセイ、非競合的結合アッセイ、ラジオイムノアッセイ、酵素連結免疫吸着アッセイ(ELISA)、サンドイッチ・アッセイ、沈降素反応、ゲル拡散免疫拡散アッセイ、凝集アッセイ、蛍光イムノアッセイ、化学発光イムノアッセイ、イムノPCRイムノアッセイ、プロテインAまたはプロテインGイムノアッセイ、およびイムノ電気泳動アッセイからなる群より選択されるイムノアッセイを含む、多くの当該技術分野に認識される技術の中から選択することも可能である。慣用的な診断測定が明記される場合、これらは:アルブミン、血清シスタチンC、血液クレアチニン、尿クレアチニン、クレアチニン・クリアランス、尿タンパク質、血液尿素窒素および糸球体ろ過速度のレベルの測定からなる群より選択されうる。
[0062]さらに、本発明の方法および組成物は、遺伝子またはその翻訳産物の改変された型であってもよい、少なくとも1つのRNA転写物またはその翻訳産物を利用する工程を意図する。
[0063]本発明のさらに別の態様は、イヌにおける腎障害を診断するための方法であって:(a)イヌ由来の生物学的試料における少なくとも1つのバイオマーカーの発現レベルを測定し、ここで、少なくとも1つのバイオマーカーは:分泌型frizzle関連タンパク質−2(SFRP2);マトリリン−2(Matn2);ルミカン(LUM);デコリン(DCN);コラーゲン・アルファ1(III)鎖、変異体12(COL3A1);レチノール結合タンパク質4(rbp4);MMP−9;クラスタリン(CLU);トランスフェリン(TF);アポ−C−1(アポC1);およびインヒビン・ベータA(INHBA)からなる群より選択される;そして(b)イヌを、腎障害を有すると同定する、ここで、正常動物由来の試料における発現の対照値に対して、試料中の1またはそれより多いバイオマーカーの発現相違が、腎障害の存在を示す工程を含む、前記方法を含む。
[0064]別の態様は、イヌにおける、腎障害の診断、予後診断または監視のためのキットであって:分泌型frizzle関連タンパク質−2(SFRP2);マトリリン−2(Matn2);ルミカン(LUM);デコリン(DCN);コラーゲン・アルファ1(III)鎖、変異体12(COL3A1);レチノール結合タンパク質4(rbp4);MMP−9;クラスタリン(CLU);トランスフェリン(TF);アポ−C−1(アポC1);およびインヒビン・ベータA(INHBA)からなる群より選択される少なくとも1つの遺伝子またはこうした遺伝子の翻訳産物の第一群より選択される少なくとも1またはそれより多いRNA転写物またはその翻訳産物を検出可能な少なくとも1またはそれより多い剤;ならびに1またはそれより多いバイオマーカーの発現を測定し、そしてこうしたイヌにおける腎疾患を診断するための、こうした少なくとも1またはそれより多い剤を用いるための使用説明書を含む、前記キットを含む。
[0065]さらなる側面において、本発明は:分泌型frizzle関連タンパク質−2(SFRP2);マトリリン−2(Matn2);ルミカン(LUM);デコリン(DCN);コラーゲン・アルファ1(III)鎖、変異体12(COL3A1);レチノール結合タンパク質4(rbp4);マトリックス・メタロプロテイナーゼ9(MMP−9);クラスタリン(CLU);トランスフェリン(TF);アポ−C−1(アポC1);およびインヒビン・ベータA(INHBA)からなる群より選択される、本発明のバイオマーカーをコードする核酸またはその断片に特異的にハイブリダイズする1またはそれより多い核酸プローブを含む組成物に関する。
[0066]さらなる側面において、本発明は:分泌型frizzle関連タンパク質−2(SFRP2);マトリリン−2(Matn2);ルミカン(LUM);デコリン(DCN);コラーゲン・アルファ1(III)鎖、変異体12(COL3A1);レチノール結合タンパク質4(rbp4);マトリックス・メタロプロテイナーゼ9(MMP−9);クラスタリン(CLU);トランスフェリン(TF);アポ−C−1(アポC1);およびインヒビン・ベータA(INHBA)からなる群より選択される、本発明のバイオマーカーを発現する遺伝子によってコードされるポリペプチドに特異的に結合する抗体を含む組成物に関する。
[0067]本明細書において、本発明の方法を、腎障害の物理的および形態学的特性を検出可能な伝統的な診断技術と組み合わせて使用可能であることがさらに意図される。したがって、例えば糸球体腎炎を含む、イヌにおける腎障害の診断を確証するために、例えば、イヌの組織試料または体液標本から得られる細胞において、腎臓に関する遺伝子の示差発現の性質決定を、慣用的な診断(例えば放射線学的)技術と組み合わせてもよい。
[0068]本発明はまた、限定されるわけではないが、本明細書記載の組成物およびマイクロアレイを含む、本発明のバイオマーカー発現を検出するのに使用可能な構成要素を含む、イヌにおける異常な腎障害を診断するキットにも関する。
[0069]本発明のさらなる側面は、イヌにおける腎障害の診断および/または予後診断のための方法であって:動物から少なくとも1つの組織試料または体液標本を得て;動物から得た、前記の少なくとも1つの試料または標本において、表3より選択される1またはそれより多いバイオマーカーの量を決定する、ここで、前記バイオマーカーはポリペプチド、タンパク質、RNA、DNA、ポリヌクレオチドまたはその代謝産物である工程を含む、前記方法である。
[0070]本発明のさらに別の態様は、特にイヌにおける糸球体腎炎の診断および/または予後診断のための方法を実行するための、イヌにおける腎障害の診断および/または予後診断のためのキットであって、前記方法が:動物から少なくとも1つの組織試料または体液標本を得て;動物から得た、前記の少なくとも1つの試料または標本において、表3より選択される1またはそれより多いバイオマーカーの量を決定する、ここで、前記バイオマーカーはポリペプチド、タンパク質、RNA、DNA、ポリヌクレオチドまたはその代謝産物であり、そして場合によって、前記バイオマーカーに連結された検出可能な剤を含む工程を含む、前記キットである。
[0071]本発明のさらにさらなる態様は、特にイヌにおける糸球体腎炎の診断および/または予後診断のための方法を実行するための、イヌにおける糸球体腎炎の診断および/または予後診断のための試薬であって、前記方法が、動物から少なくとも1つの組織試料または体液標本を得て;イヌから得た、前記の少なくとも1つの試料または標本において、表3より選択される1またはそれより多いバイオマーカーの量を決定する、ここで、前記バイオマーカーはポリペプチド、タンパク質、RNA、DNA、ポリヌクレオチドまたはその代謝産物である工程を含み、そして場合によって、前記バイオマーカーに連結された検出可能な剤を含む、前記試薬である。
[0072]本発明のさらなる側面は、イヌにおける腎障害の診断および/または予後診断のための方法であって、前記方法が:動物から少なくとも1つの組織試料または体液標本を得て;動物から得た、前記の少なくとも1つの試料または標本において、表3および4より選択される1またはそれより多いバイオマーカーの量を決定する、ここで、前記バイオマーカーはポリペプチド、タンパク質、RNA、DNA、ポリヌクレオチドまたはその代謝産物である工程を含む、前記方法である。
[0073]本発明の別の態様は、腎障害の診断および/または予後診断のための、特にイヌにおける腎障害の診断または予後診断のためのキットを形成するためのバイオマーカーとしての:分泌型frizzle関連タンパク質−2(SFRP2);マトリリン−2(Matn2);ルミカン(LUM);デコリン(DCN);コラーゲン・アルファ1(III)鎖、変異体12(COL3A1);レチノール結合タンパク質4(rbp4);マトリックス・メタロプロテイナーゼ9(MMP9);クラスタリン(CLU);トランスフェリン(TF);アポ−C−1(アポC1);およびインヒビン・ベータA(INHBA)からなる群より選択される1またはそれより多いポリペプチド、タンパク質、RNA、DNA、ポリヌクレオチドまたはその代謝産物の使用である。
[0074]本発明の別の態様は、腎障害の診断および/または予後診断のための、特にイヌにおける腎障害の診断または予後診断のためのキットを形成するためのバイオマーカーとしての:分泌型frizzle関連タンパク質−2(SFRP2);マトリリン−2(Matn2);ルミカン(LUM);デコリン(DCN);コラーゲン・アルファ1(III)鎖、変異体12(COL3A1);レチノール結合タンパク質4(rbp4);マトリックス・メタロプロテイナーゼ9(MMP9);クラスタリン(CLU);トランスフェリン(TF);アポ−C−1(アポC1);およびインヒビン・ベータA(INHBA)からなる群より選択される1またはそれより多いポリペプチド、タンパク質、RNA、DNA、ポリヌクレオチドまたはその代謝産物の使用である。
[0075]さらに別の態様は、試薬および装置が、オリゴヌクレオチド・マイクロアレイ、cDNAマイクロアレイ、およびフォーカス化遺伝子チップ、またはその組み合わせを含む、DNAマイクロアレイ分析材料を含む、こうしたキットである。
[0076]本発明の別の態様は、腎障害を被っているイヌの栄養管理の経過の進行を評価する方法であって、(a)治療経過中の第一の時点で、前記イヌ由来の組織試料または体液標本における:分泌型frizzle関連タンパク質−2(SFRP2);マトリリン−2(Matn2);ルミカン(LUM);デコリン(DCN);コラーゲン・アルファ1(III)鎖、変異体12(COL3A1);レチノール結合タンパク質4(rbp4);マトリックス・メタロプロテイナーゼ9(MMP9);クラスタリン(CLU);トランスフェリン(TF);アポ−C−1(アポC1);およびインヒビン・ベータA(INHBA)からなる群より選択される1またはそれより多いバイオマーカーのポリペプチド、タンパク質、RNA、DNA、ポリヌクレオチドまたはその代謝産物の第一のレベルを測定し、(b)治療経過中の第二の時点で、前記イヌ由来の前記試料または標本における前記バイオマーカーの第二のレベルを測定し、そして(c)前記の第一の時点および前記の第二の時点のバイオマーカーの測定を比較する;ここでバイオマーカーの発現は、対照動物の細胞における発現と比較して、遺伝子発現において、少なくとも約1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.5、または3.0倍の相違またはそれより大きい相違を有する工程を含む、前記方法である。
[0077]本発明のさらに別の態様は、インフォーマティブ・アレイにおける使用のための組織試料または体液標本間で示差的に発現される複数の遺伝子を同定するための方法であって:第一の組織試料から得られる異種核酸プローブの第一のセットを提供し;第二の組織試料から得られる異種核酸プローブの第二のセットを提供し;生物学的プロセスの遺伝子由来の複数の配列を含む核酸アレイを、第一のプローブ・セットとハイブリダイズさせて、そしてアレイの配列に関する第一の発現レベルを決定し;該アレイを前記の第二のプローブ・セットとハイブリダイズさせて、そしてアレイの配列に関する第二の発現レベルを決定し;ハイブリダイズした配列に関して、第一の発現レベルと前記の第二の発現レベルを比較することによって、前記生物学的プロセスにおいて示差的に発現される複数の遺伝子を同定し;そして:第一の発現レベルおよび第二の発現レベル間の相違の絶対値を決定し、そしてより高い相違を有する遺伝子を、より低い相違を有する遺伝子より上にランキングする工程;ならびに第一の発現レベルおよび第二の発現レベル間の相違の標準偏差を決定し、そしてより高い標準偏差を有する遺伝子を、より低い標準偏差を有する遺伝子より上にランキングする工程からなる工程の群より選択される工程によって、同定された遺伝子のランキングを確立する、ここで、遺伝子は:分泌型frizzle関連タンパク質−2(SFRP2);マトリリン−2(Matn2);ルミカン(LUM);デコリン(DCN);コラーゲン・アルファ1(III)鎖、変異体12(COL3A1);レチノール結合タンパク質4(rbp4);マトリックス・メタロプロテイナーゼ9(MMP9);クラスタリン(CLU);トランスフェリン(TF);アポ−C−1(アポC1);およびインヒビン・ベータA(INHBA)からなる群より選択される工程を含む、前記方法である。
[0078]本発明の別の態様は、核酸アレイをインフォーマティブ・アレイに変換するための方法であって:第一の組織試料由来の異種核酸プローブの第一のセットを提供し;第二の組織試料由来の異種核酸プローブの異なる第二のセットを提供し;複数の配列を含む核酸アレイを、第一のプローブ・セットとハイブリダイズさせて、そしてアレイの配列に関する第一の発現レベルを決定し;該アレイを第二のプローブ・セットとハイブリダイズさせて、そしてアレイの配列に関する第二の発現レベルを決定し;第一の発現レベルおよび第二の発現レベル間の相違の絶対値を決定し、そしてより高い相違を有する遺伝子を、より低い相違を有する遺伝子より上にランキングする工程;ならびに第一の発現レベルおよび第二の発現レベル間の相違の標準偏差を決定し、そしてより高い標準偏差を有する遺伝子を、より低い標準偏差を有する遺伝子より上にランキングする工程からなる工程の群より選択される工程によって、同定された遺伝子の第一の発現レベルおよび第二の発現レベル間の相違に基づいて、前記の生物学的プロセスにおいて示差的に発現される複数の遺伝子を同定し;そして同定された示差的に発現される複数の遺伝子から、インフォーマティブ・アレイに含むための遺伝子を選択する、ここで、遺伝子は:分泌型frizzle関連タンパク質−2(SFRP2)およびマトリリン−2(Matn2)からなる群より選択され;そして場合によってルミカン(LUM);デコリン(DCN);コラーゲン・アルファ1(III)鎖、変異体12(COL3A1);レチノール結合タンパク質4(rbp4);マトリックス・メタロプロテイナーゼ9(MMP−9);クラスタリン(CLU);トランスフェリン(TF);アポ−C−1(アポC1);およびインヒビン・ベータA(INHBA)からなる群より選択される1またはそれより多い遺伝子である工程を含む、前記方法である。
[0079]本発明の別の態様は、腎障害のための治療効率を決定する方法であって:(a)前記治療に供されている、腎障害に罹患したイヌ由来の生物学的試料を提供し、(b)糸球体腎炎に関する1またはそれより多いバイオマーカーの前記試料におけるレベルを決定して、前記イヌに関する発現プロファイルを生成し、そして(c)前記発現プロファイルを:i)前記治療開始前の前記試験イヌから得られる匹敵する発現プロファイル、および/またはii)前記治療のより初期の段階の前記試験イヌから得られる匹敵する発現プロファイル、および/またはiii)腎障害に罹患していない被験体に特徴的な匹敵する発現プロファイルと比較する、ここで、腎障害に関する1またはそれより多いバイオマーカーは:分泌型frizzle関連タンパク質−2(SFRP2)およびマトリリン−2(Matn2)からなる群より選択される1またはそれより多い遺伝子;ならびに場合によって:ルミカン(LUM);デコリン(DCN);コラーゲン・アルファ1(III)鎖、変異体12(COL3A1);レチノール結合タンパク質4(rbp4);マトリックス・メタロプロテイナーゼ9(MMP9);クラスタリン(CLU);トランスフェリン(TF);アポ−C−1(アポC1);およびインヒビン・ベータA(INHBA)からなる群より選択される1またはそれより多い遺伝子の発現産物を含む工程を含む、前記方法である。
[0080]本発明の他のおよびさらなる目的、特徴、および利点は、当業者には容易に明らかであろう。
[0081]本明細書において、異常なイヌは、腎機能の異常な喪失、腎不全、糸球体ろ過速度減少または糸球体腎炎を発展させるリスクを有し、これらに関する素因を有するイヌであり、異常はこうしたイヌから採取される生物学的標本から単離され、そして測定される少なくとも1つの適切なバイオマーカーを利用することによって検出可能である。
[0082]本開示全体で、本発明の多様な側面が範囲の形式で提示されうる。範囲の形式での記述は、単に簡便性および簡潔性のためであり、そして本発明の範囲に対して、柔軟性がない制限と見なされるべきではないことを理解すべきである。したがって、範囲の記述は、その範囲内の、特に開示されるすべてのありうる下位範囲ならびに個々の数値を有すると見なされるべきである。例えば、1〜5などの範囲の記述は、1〜3、1〜4、2〜4、2〜5、3〜5等の特に開示される下位範囲、ならびに、その範囲内の個々の数値、例えば1、2、3、4、および5を有すると見なされるべきである。これは範囲の広さに関わらず適用される。
[0083]本発明の実施は、別に示さない限り、当該技術分野の技術範囲内である、有機化学、ポリマー技術、分子生物学(組換え技術を含む)、細胞生物学、生化学、および免疫学の慣用的技術および説明を使用することも可能である。こうした慣用技術には、ポリマー・アレイ合成、ハイブリダイゼーション、連結、および標識を用いたハイブリダイゼーションの検出が含まれる。
[0084]本発明はまた、固体支持体に付着したポリマーに関する多くの使用も意図する。これらの使用には、遺伝子発現監視、プロファイリング、ライブラリー・スクリーニング、遺伝子型決定および診断法が含まれる。
[0085]当業者は、当該技術分野に知られる多様な方法を用いて、多様な材料で構築された核酸プローブアレイ、膜ブロット、マイクロウェル、ビーズおよび試料試験管を含む商業的に入手可能な遺伝子発現監視系を含む多様な系に、本発明で具現化される産物および方法を適用可能であることを認識するであろう。したがって、本発明はいかなる特定の環境にも限定されず、そして本発明の特定の態様の以下の説明は、例示目的のみのためである。
[0086]好ましい態様において、遺伝子発現監視系は、核酸プローブアレイ(オリゴヌクレオチド・アレイ、cDNAアレイ、スポット化アレイ等を含む)、膜ブロット(例えばノーザン、サザン、ドット等のハイブリダイゼーション分析で用いられるものなど)、あるいはマイクロウェル、試料試験管、ビーズまたはファイバー(あるいは結合した核酸を含む任意の固体支持体)を含んでもよい。遺伝子発現監視系はまた、溶液中に核酸プローブを含んでもよい。
[0087]本発明はまた、増幅を伴う試料調製も意図する。いくつかはPCRを使用可能な多様な機構によって、ゲノム試料を増幅してもよい。試料をアレイ上で増幅してもよい。
[0088]他の適切な増幅法には、リガーゼ連鎖反応(LCR)(例えば、WuおよびWallace, Genomics 4, 560(1989)、Landegrenら, Science 241, 1077(1988)、ならびにBarringerら Gene 89:117(1990))、転写増幅(Kwohら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86, 1173(1989)およびWO88/10315)、自己維持配列複製(Guatelliら, Proc. Nat. Acad. Sci. USA, 87, 1874(1990)およびWO90/06995)、ターゲット・ポリヌクレオチド配列の選択的増幅(米国特許第6,410,276号)、コンセンサス配列プライミング・ポリメラーゼ連鎖反応(CP−PCR)(米国特許第4,437,975号)、恣意的プライミング・ポリメラーゼ連鎖反応(AP−PCR)(米国特許第5,413,909号、第5,861,245号)および核酸に基づく配列増幅(NABSA)が含まれる。
[0089]本発明記載の遺伝子発現監視系を用いて、異なる細胞または組織、同じ細胞または組織の異なる下位集団、同じ細胞または組織の異なる生理学的状態、同じ細胞または組織の異なる発生段階、あるいは同じ組織の異なる細胞集団における、発現比較分析を容易にすることも可能である。好ましい態様において、本発明の比例増幅法は、試験試料における定量的ならびに定性的な相違の測定を容易にするのに十分に再現可能な結果(すなわち、誤差の統計的有意限度内または信頼度限度内)を提供可能である。
[0090]用語「抗体」は、IgG、IgM、IgA、IgD、およびIgE抗体を含む、特異的抗原に結合する任意の免疫グロブリンを意味する。該用語には、ポリクローナル、モノクローナル、一価、ヒト化、ヘテロコンジュゲート、ポリエピトープ特異性を持つ抗体組成物、キメラ、二重特異性抗体、ディアボディ、一本鎖抗体、ならびにFab、Fab’、F(ab’)、およびFv、または他の抗原結合性断片が含まれる。
[0091]用語「アレイ」は、基板上の少なくとも2つのプローブの順序づけられた配置を意味する。プローブの少なくとも1つは対照または標準であり、そしてプローブの少なくとも1つは診断プローブである。基板上の約2〜約40,000プローブの配置によって、プローブおよび試料ポリヌクレオチドまたはポリペプチド間に形成される各標識複合体のサイズおよびシグナル強度が個々に区別可能であることが確実になる。アレイ上に沈着される分子コレクションを、合成的にまたは生合成的にのいずれで調製することも可能である。アレイは、可溶性分子のライブラリー、樹脂ビーズ、シリカチップまたは他の固体支持体上に係留された化合物ライブラリーを含む、多様な型を取ってもよい。核酸アレイには、本質的に任意の長さ(例えば長さ1〜約1,000ヌクレオチド)の核酸を基板上にスポットすることによって調製可能な核酸ライブラリーが含まれうる。核酸プローブ・アレイは、好ましくは、既知の位置で基板に結合した核酸を含む。他の態様において、系には、固体支持体または基板、例えば膜、フィルター、顕微鏡スライド、マイクロウェル、試料試験管、ビーズ、ビーズアレイ等が含まれてもよい。固体支持体は、紙、セルロース、ナイロン、ポリスチレン、ポリカーボネート、プラスチック、ガラス、セラミック、ステンレススチール等を含む、多様な材料で作製可能である。固体支持体は、好ましくは、剛性または半剛性表面を有してもよく、そして好ましくは、適切なウェル、上昇領域、エッチングされた溝等を含む、球状(例えばビーズ)または実質的に平面(例えば平らな表面)であってもよい。固体支持体にはまた、核酸を包埋可能なゲルまたはマトリックスが含まれてもよい。
[0092]用語「バイオマーカー」は、本発明の遺伝子および該遺伝子によってコードされる遺伝子産物、すなわち遺伝子が腎障害の結果として示差的に制御されていると決定されているものを指す。さらに、該用語は、一般的に、例えば、本発明のアッセイまたは他の方法における、全長遺伝子またはタンパク質を同定可能であるかまたはこれらと相関する遺伝子またはタンパク質の任意の部分を指すように使用可能である。
[0093]バイオマーカー発現はまた、バイオマーカー翻訳の検出(すなわち試料中のバイオマーカー・タンパク質の検出)によっても同定可能である。バイオマーカー・タンパク質の検出に適した方法には、細胞または細胞抽出物からタンパク質を検出し、そして/または測定するのに適した任意の方法が含まれる。こうした方法には、限定されるわけではないが、イムノブロット(例えばウェスタンブロット)、酵素連結免疫吸着アッセイ(ELISA)、ラジオイムノアッセイ(RIA)、免疫沈降、免疫組織化学および免疫蛍光が含まれる。タンパク質を検出するために特に好ましい方法には、免疫組織化学および免疫蛍光アッセイを含む、任意の単細胞アッセイが含まれる。こうした方法が当該技術分野に周知である。さらに、本明細書記載の特定のバイオマーカーに対する抗体が当該技術分野に知られ、そして公表された文献に記載され、そしてその調製法は当業者に周知である。
[0094]用語「示差発現」または「示差的に発現される」は、非存在、存在、あるいは試料中の転写されたメッセンジャーRNAまたは翻訳されたタンパク質の量における少なくとも2倍、または少なくとも2.0、1.9、1.8、1.7、1.6、1.5、1.4、1.3、1.2、1.1もしくは1.0倍の変化によって検出されるような、増加したまたは上方制御された遺伝子発現を意味するか、あるいは減少したまたは下方制御された遺伝子発現を意味する。
[0095]用語「倍」は、示差遺伝子発現の測定値として用いる場合、対照値に対する遺伝子発現量に比較した、多数のまたは一部の遺伝子発現である、イヌにおける遺伝子発現量を意味する。例えば、対照値と比較して、動物においてちょうど2倍発現される遺伝子は、2倍の示差遺伝子発現を有し、そして対照値に比較して動物においてちょうど1/3発現される遺伝子もまた、2倍の示差遺伝子発現を有する。
[0096]用語「断片」は、(1)完全配列の一部であり、そして完全ポリヌクレオチド配列と、特定の使用に関して同じまたは類似の活性を有するオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチド配列、あるいは(2)完全配列の一部であり、そして完全ポリペプチド配列と、特定の使用に関して同じまたは類似の活性を有するペプチドまたはポリペプチド配列を意味する。こうした断片は、特定の使用に適していると見られる、任意の数のヌクレオチドまたはアミノ酸を含んでもよい。一般的に、オリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチド断片は、完全配列由来の少なくとも約10、50、100、または1000ヌクレオチドを含有し、そしてポリペプチド断片は、少なくとも約4、10、20、または50の連続アミノ酸を含有する。該用語は、断片のポリヌクレオチドおよびポリペプチド変異体を含む。例えば、ポリヌクレオチドは、複数のセグメントに破壊されるかまたは断片化されることも可能である。
[0097]核酸を断片化する多様な方法が当該技術分野に周知である。これらの方法は、例えば性質として化学的または物理的のいずれであってもよい。化学的断片化には、DNアーゼでの部分的分解;酸での部分的脱プリン;制限酵素の使用;イントロンにコードされるエンドヌクレアーゼ;核酸分子中の特定の部位に、切断剤を局在化させる、核酸セグメントの特異的ハイブリダイゼーションに頼るDNAに基づく切断法、例えば三重鎖およびハイブリッド形成法;あるいは既知のまたは未知の位置のDNAを切断する他の酵素または化合物が含まれうる。物理的断片化法は、DNAを高い剪断率に供することを伴いうる。高い剪断率は、例えば、ピットまたはスパイクを持つチャンバーまたはチャネルを通じてDNAを移動させるか、あるいは制限されたサイズの流路、例えばミクロンまたはミクロン未満のスケールの断面寸法を有する開口部を通じて、DNA試料を押し出すことによって、産生可能である。他の物理的方法には、超音波処理および噴霧が含まれる。物理的および化学的断片化法の組み合わせが同様に使用可能であり、例えば熱およびイオン仲介加水分解による断片化がある。これらの方法を最適化して、核酸を、選択したサイズ範囲の断片に消化することも可能である。有用なサイズ範囲は、100、200、400、700または1000〜500、800、1500、2000、4000または10,000塩基対でありうる。しかし、より大きいサイズ範囲、例えば4000、10,000または20,000〜10,000、20,000または500,000塩基対もまた有用でありうる。
[0098]用語「(単数または複数の)遺伝子」は、ポリペプチド産生に関与し、コード領域に先行する領域および続く領域(リーダーおよびトレーラー)、ならびに個々のコードセグメント(エクソン)間の介在配列(イントロン)を含む、DNAの完全または部分的セグメントを意味する。該用語は、遺伝子コード配列の相補体にハイブリダイズする、任意のDNA配列を含む。
[0099]用語「相同体」は、(1)ポリヌクレオチドに対して30%、50%、70%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%より高い配列類似性を有する、同じまたは異なる動物種由来のポリヌクレオチドを含み、そして完全ポリヌクレオチドと同じかまたは実質的に同じ特性を有し、そして同じかまたは実質的に同じ機能を実行するか、あるいはストリンジェントな条件下で、ポリヌクレオチドに特異的にハイブリダイズする能力を有する、ポリヌクレオチド、あるいは(2)ポリヌクレオチドの発現によって同定されるポリペプチドに対して30%、50%、70%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%より高い配列類似性を有する、同じまたは異なる動物種由来のポリペプチドを含み、そして完全ポリペプチドと同じかまたは実質的に同じ特性を有し、そして同じかまたは実質的に同じ機能を実行するか、あるいはポリヌクレオチドの発現によって同定されるポリペプチドに特異的に結合する能力を有する、ポリペプチドを意味する。2つのポリペプチド配列または2つのポリヌクレオチド配列の配列類似性は、当業者に知られる方法、例えばKarlinおよびAltschulのアルゴリズム(Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87:2264−2268(1990))を用いて決定される。こうしたアルゴリズムは、Altschulら(J. Mol. Biol. 215:403−410(1990))のNBLASTおよびXBLASTプログラムに取り込まれている。比較目的のためにギャップ化整列を得るため、Altschulら(Nucl. Acids Res. 25:3389−3402(1997))に記載されるようなギャップ化Blastを利用してもよい。BLASTおよびギャップ化BLASTプログラムを利用する際、それぞれのプログラム(例えば、XBLASTおよびNBLAST)のデフォルトパラメータを用いる。http://ww.ncbi.nlm.nih.govを参照されたい。
[00100]用語「ハイブリダイゼーション」は、2つの一本鎖ポリヌクレオチドが非共有結合的に結合して、安定な二本鎖ポリヌクレオチドを形成するプロセスを指す。用語「ハイブリダイゼーション」はまた、三本鎖ハイブリダイゼーションを指すことも可能である。生じる(一般的には)二本鎖ポリヌクレオチドは「ハイブリッド」である。安定なハイブリッドを形成するポリヌクレオチド集団の比率は、本明細書において、「ハイブリダイゼーションの度合い」と称される。
[00101]絶対または示差ハイブリダイゼーション形式で、ハイブリダイゼーション反応を行ってもよい。絶対ハイブリダイゼーション形式では、1つの試料由来のポリヌクレオチドを、核酸アレイ中のプローブにハイブリダイズさせる。ハイブリダイゼーション複合体形成後に検出されるシグナルは、試料中のポリヌクレオチドレベルに相関する。示差ハイブリダイゼーション形式では、2つの試料から得られるポリヌクレオチドは、異なる標識部分で標識されている。これらの示差標識ポリヌクレオチドの混合物を核酸アレイに添加する。次いで、2つの異なる標識からの発光が個々に検出可能である条件下で、核酸アレイを調べる。1つの態様において、フルオロフォアCy3およびCy5(Amersham Pharmacia Biotech、ニュージャージー州ピスカタウェイ)を示差ハイブリダイゼーション形式の標識部分として用いる。
[00102]AffymetrixまたはAgilent Technologiesによって提供されるものなどの商業的に入手可能なソフトウェアを用いて、核酸アレイから集めたシグナルを分析してもよい。好ましくは、ハイブリダイゼーション実験中に、例えばスキャン感度、プローブ標識およびcDNAまたはcRNA定量化に関する対照を含める。さらなる分析に供する前に、ハイブリダイゼーション・シグナルをスケーリングするかまたは標準化してもよい。例えば、各個々のプローブに関するハイブリダイゼーション・シグナルを標準化して、類似の試験条件下で、1より多いアレイを用いた際のハイブリダイゼーション強度における変動を考慮することも可能である。また、各アレイ上に含有される内部標準対照から得られる強度を用いて、ハイブリダイゼーション・シグナルを標準化してもよい。さらに、試料に渡って比較的一定の発現レベルを持つ遺伝子を用いて、他の遺伝子の発現レベルを標準化してもよい。1つの態様において、特定の維持遺伝子に関するプローブを本発明の核酸アレイ中に含める。これらの遺伝子は、多様な組織セットに渡って安定な発現レベルを示すため、選択される。これらの維持遺伝子の発現レベルに基づいて、ハイブリダイゼーション・シグナルを標準化し、そして/またはスケーリングしてもよい。
[00103]用語「ハイブリダイゼーション複合体」は、一方のポリヌクレオチドのプリンが、相補ポリヌクレオチドのピリミジンと水素結合した際に試料ポリヌクレオチド間で形成される複合体を意味し、例えば5’−A−G−T−C−3’は、3’−T−C−A−G−5’と塩基対形成する。相補性の度合いおよびヌクレオチド類似体の使用は、ハイブリダイゼーション反応の効率およびストリンジェンシーに影響を及ぼす。
[00104]用語「ハイブリダイゼーション・プローブ」には、核酸の相補鎖に、塩基特異的方式で結合可能な核酸(例えばオリゴヌクレオチド)が含まれる。
[00105]用語「腎疾患」または「腎障害」あるいは類似の「腎臓疾患」または「腎臓障害」は、腎機能の急性または慢性の異常な喪失、例えば腎不全、糸球体ろ過速度減少および糸球体腎炎を含むと意図される。糸球体腎炎は、糸球体基底膜肥厚を伴う膜性糸球体腎炎の形を取りうる。あるいは、糸球体腎炎は、増殖性またはメサンギウム増殖性糸球体腎炎の形を取ることも可能であり、これは、メサンギウム基質における細胞の増殖によって特徴付けられる。さらに、糸球体腎炎は、膜増殖性糸球体腎炎の形を取ることも可能であり、これは、前述の変化の組み合わせを伴う。糸球体硬化症は、糸球体腎炎の重症型である。腎疾患または腎障害にはまた、すべて当該技術分野に一般的な技術を持つ獣医によって示差的に診断されるような、腎炎、腎症、過剰ろ過、軽度微量アルブミン尿、臨床的アルブミン尿、進行性臨床的腎症、慢性腎機能不全、腎乳頭に対する傷害、尿細管壊死および糖尿病性腎症も含まれる。該用語は、遺伝子起源の多発性嚢胞腎疾患を含むとは意図されない。
[00106]用語「ポリヌクレオチド」または「オリゴヌクレオチド」は、ヌクレオチドのポリマーを意味する。該用語は、直鎖または環状型いずれかの、一本鎖または二本鎖いずれかの、そして一本鎖の場合、その相補配列のDNAおよびRNA(cDNAおよびmRNAを含む)分子を含む。該用語はまた、元来の配列と同じかまたは実質的に同じ特性を有し、そして同じかまたは実質的に同じ機能を実行する配列に関して適切であるような、断片、変異体、相同体、およびアレルも含む。配列は、整列させた際に完全に相補的(ミスマッチなし)であってもよいし、または約30%までの配列ミスマッチを有してもよい。好ましくは、ポリヌクレオチドに関しては、鎖は、約50〜10,000ヌクレオチド、より好ましくは約150〜3,500ヌクレオチドを含有する。好ましくは、オリゴヌクレオチドに関しては、鎖は、約2〜100ヌクレオチド、より好ましくは約6〜30ヌクレオチドを含有する。ポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドの正確なサイズは、多様な要因に、そしてポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドの特定の適用および使用に応じる。該用語には、合成されたヌクレオチド・ポリマー、および天然供給源から単離されそして精製されたものが含まれる。用語「ポリヌクレオチド」は「オリゴヌクレオチド」を包括する。
[00107]用語「ポリペプチド」、「ペプチド」、または「タンパク質」は、アミノ酸のポリマーを意味する。該用語は、天然存在および非天然存在(合成)ポリマー、ならびに人工的な化学的模倣体が1またはそれより多いアミノ酸を置換しているポリマーを含む。該用語はまた、元来の配列と同じかまたは実質的に同じ特性を有し、そして同じかまたは実質的に同じ機能を実行する、断片、変異体、および相同体も含む。該用語は、任意の長さのポリマー、好ましくは約2〜1000アミノ酸、より好ましくは約5〜500アミノ酸を含有するポリマーを含む。該用語には、合成されたアミノ酸ポリマー、および天然供給源から単離されそして精製されたものが含まれる。
[00108]用語「プローブ」は、(1)プローブに相補的な配列を持つポリヌクレオチドとアニーリングするかまたは該ポリヌクレオチドに特異的にハイブリダイズすることが可能な、精製された制限酵素消化物におけるように天然存在であるかまたは合成的に産生された、RNAまたはDNAいずれかの、オリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチド、あるいは(2)他のタンパク質またはタンパク質断片を実質的に排除するほど、特定のタンパク質またはタンパク質断片に特異的に結合可能なペプチドまたはポリペプチドを意味する。オリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチド・プローブは、一本鎖または二本鎖いずれであってもよい。プローブの正確な長さは、温度、供給源、および使用を含む、多くの要因に応じるであろう。例えば、診断適用のため、ターゲット配列の複雑性に応じて、オリゴヌクレオチド・プローブは、典型的には、約10〜100、15〜50、または15〜25ヌクレオチドを含有する。特定の診断適用において、ポリヌクレオチド・プローブは、約100〜1000、300〜600ヌクレオチド、好ましくは300ヌクレオチドを含有する。本明細書のプローブは、特定のターゲット配列の異なる鎖に「実質的に」相補的であるように選択される。これは、プローブが、一組のあらかじめ決定された条件下で、それぞれのターゲット配列と特異的にハイブリダイズするかまたはアニーリングするために十分に相補的でなければならないことを意味する。したがって、プローブ配列は、ターゲットの正確な相補配列を反映する必要はない。例えば、非相補的ヌクレオチド断片をプローブの5’または3’端に付着させ、残りのプローブ配列がターゲット配列に相補的であってもよい。あるいは、プローブ配列が、ターゲット・ポリヌクレオチドの配列と十分な相補性を有し、ターゲット・ポリヌクレオチドに特異的にアニーリングするという条件で、非相補的塩基またはより長い配列をプローブ内に散在させてもよい。ペプチドまたはポリペプチド・プローブは、DNA(DNA結合タンパク質に関する)、抗体、細胞膜受容体、ペプチド、補因子、レクチン、糖、多糖、細胞、細胞膜、細胞内小器官および細胞内小器官膜を含めて、タンパク質またはペプチドが特異的に結合する任意の分子であってもよい。
[00109]用語「試料」および「標本」は、細胞、ならびにDNAおよびRNAを含有する他の組織を含む、例えばポリヌクレオチド、ポリペプチド、抗体、代謝産物等を含有する、任意の動物組織または体液を意味する。例には:血液、軟骨、結合組織、上皮、リンパ、筋肉、神経、痰等が含まれる。試料は、固体または液体であってもよく、そしてDNA、RNA、cDNA、血液または尿などの体液、細胞、細胞調製物あるいはその可溶性分画または媒体アリコット、染色体、細胞内小器官等であってもよい。
[00110]用語「単一のパッケージ」は、キットの構成要素が、1またはそれより多い容器中で、または1またはそれより多い容器と、物理的に関連しており、そして製造、流通、販売、または使用のための単位と見なされることを意味する。容器には、限定されるわけではないが、バッグ、箱、瓶、収縮包装パッケージ、ホチキスで止めたかまたは別の方式で固定された構成要素、あるいはその組み合わせが含まれる。単一のパッケージは、製造、流通、販売、または使用のための単位と見なされるように、物理的に関連する個々の食物組成物の容器であってもよい。
[00111]用語「特異的に結合する」は、その構造、特にその分子側鎖基に依存する、2つの分子間の特別でそして正確な相互作用を意味する。例えば、DNA分子の主溝内への制御タンパク質の挿入、2つの一本鎖核酸間の主鎖に沿った水素結合、あるいはタンパク質のエピトープ、およびアゴニスト、アンタゴニスト、または抗体間の結合がある。
[00112]用語「特異的にハイブリダイズする」は、当該技術分野において一般的に用いられる、あらかじめ決定された条件下での、こうしたハイブリダイゼーションを可能にするのに十分に相補的な(ときに、「実質的に相補的な」と称される)配列の2つの一本鎖ポリヌクレオチド間の会合を意味する。例えば、該用語は、非相補配列の一本鎖ポリヌクレオチドとポリヌクレオチド・プローブのハイブリダイゼーションを実質的に排除するほどの、本発明の側面にしたがった一本鎖DNAまたはRNA分子内に含有される実質的に相補的な配列と、ポリヌクレオチド・プローブのハイブリダイゼーションを指してもよい。
[00113]用語「ストリンジェントな条件」は、(1)750mM NaCl、75mMクエン酸ナトリウムとともに、0.1%ウシ血清アルブミン、0.1%Ficoll、0.1%ポリビニルピロリドン、50mMリン酸ナトリウム緩衝液、pH6.5を含む、50%(体積/体積)ホルムアミド中の42℃でのハイブリダイゼーション、(2)50%ホルムアミド、5xSSC(0.75M NaCl、0.075Mクエン酸ナトリウム)、50mMリン酸ナトリウム(pH6.8)、0.1%ピロリン酸ナトリウム、5xデンハルト溶液、超音波処理サケ精子DNA(50μg/ml)、0.1%SDS、および10%デキストラン硫酸中の42℃のハイブリダイゼーションであって;0.2xSSCおよび0.1%SDS中、42℃での洗浄、または0.015M NaCl、0.0015Mクエン酸ナトリウム、0.1%NaSOで50℃での洗浄を伴うもの、あるいは類似の低イオン強度および高温洗浄剤および類似の変性剤を使用する類似の方法を意味する。
[00114]用語「物質」は、任意の薬剤、化学実体、または生物学的実体を含む、動物における腎障害の開始または重症度を診断するか、予後診断するか、または調節するのに潜在的に有用でありうる、要素、化合物、分子、またはその混合物、あるいは任意の他の材料を意味する。
[00115]用語「有用な変動」は、(1)ポリヌクレオチドに関して、該ポリヌクレオチドの相補体;該ポリヌクレオチドの相同体およびその相補体;該ポリヌクレオチドの変異体、その相補体、およびその相同体;ならびに該ポリヌクレオチドの断片、その相補体、その相同体、およびその変異体、ならびに(2)ポリペプチドに関して、該ポリペプチドの相同体;該ポリペプチドの変異体およびその相同体;ならびに該ポリヌクレオチドの断片、その相補体、その相同体、およびその変異体を意味する。
[00116]用語「変異体」は、(1)ポリヌクレオチド配列からまたはポリヌクレオチド配列への1またはそれより多いヌクレオチドの任意の置換、変異、修飾、交換、欠失、または付加を含有し、そして元来の配列と同じかまたは実質的に同じ特性を有し、そして同じかまたは実質的に同じ機能を実行する、ポリヌクレオチド配列、ならびに(2)ポリペプチド配列からまたはポリペプチド配列への1またはそれより多いアミノ酸の任意の置換、変異、修飾、交換、欠失、または付加を含有し、そして元来の配列と同じかまたは実質的に同じ特性を有し、そして同じかまたは実質的に同じ機能を実行する、ポリペプチド配列を意味する。該用語には、したがって、一塩基多型(SNP)およびアレル変異体が含まれ、そしてポリペプチドにおける保存的および非保存的アミノ酸置換が含まれる。該用語はまた、適切なように、ポリヌクレオチドまたはポリペプチドの化学的誘導体化、および天然には存在しないヌクレオチドまたはアミノ酸でのヌクレオチドまたはアミノ酸の置換も含む。
[00117]用語「バーチャルなパッケージ」は、例えば1つの構成要素を含有するバッグ中の、他の構成要素をどのように得るかを使用者に指示する1またはそれより多い物理的なまたはバーチャルなキット構成要素に関する指導、ならびにウェブサイトを訪れるか、保存されたメッセージに接触するか、視覚メッセージを見るか、あるいはケア提供者またはインストラクターに接触して、キットをどのように使用するかに関する指示を得るよう、使用者に指示する指導によって、キットの構成要素が結び付けられていることを意味する。
[00118]本発明は、本明細書記載の特定の方法論、プロトコル、および試薬に限定されず、これはこれらが多様でありうるためである。さらに、本明細書で使用する専門用語は、特定の態様のみを記載する目的のためであり、そして本発明の範囲を限定することは意図されない。本明細書において、そして付随する請求項において、単一形「a」、「an」、および「the」には、文脈が明らかに別に指示しない限り、複数の言及が含まれ、例えば「(単数の)変異体」への言及には、複数の変異体が含まれる。さらに、定義される用語には、適切な文法的背景で用いられる用語の変形が含まれ、例えば用語「特異的に結合する」には、「特異的な結合」および該用語の他の型が含まれる。同様に、単語「含む」、および「含むこと」は、排他的ではなく、包括的に解釈されるものとする。
[00119]別に定義しない限り、本明細書に使用するすべての技術的および科学的用語、ならびに頭字語はいずれも、本発明の分野において、一般的な当業者に一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書記載のものに類似または同等な、いかなる組成物、方法、製品、あるいは他の手段または物質を、本発明の実施に使用してもよいが、好ましい組成物、方法、製品、あるいは他の手段または物質を本明細書に記載する。
[00120]本明細書に引用するかまたは言及する、すべての特許、特許出願、刊行物、および他の参考文献は、法律によって許される度合いまで、本明細書に援用される。これらの参考文献の考察は、単に、本明細書で行う主張を要約することを意図する。こうした特許、特許出願、刊行物または参考文献のいずれも、あるいはその部分のいずれも、本発明に関連する先行技術であるという承認はなされず、そしてこうした特許、特許出願、刊行物、および他の参考文献の正確さおよび適切性に異議を申し立てる権利は特に留保される。
[00121]1つの態様において、本発明は、1またはそれより多い正常動物から得られる対照値に比較して、異常動物において示差的に発現される1またはそれより多い遺伝子または遺伝子セグメント(本明細書において定義されるような「遺伝子」)を含む。本発明は、正常動物に比較して、異常動物において示差的に発現されるポリヌクレオチドの発見に基づく。該遺伝子は、Affymetrix GeneChip(登録商標)技術を用いて正常と診断される動物由来の組織試料における遺伝子と、異常と診断される動物から採取した組織試料における遺伝子の発現を比較することによって同定された。
[00122]ポリヌクレオチドおよび遺伝子は、対照値に対して、異常であり、そして腎障害を有すると診断されたイヌから採取された組織試料由来の遺伝子発現における相違を測定することによって同定される、ここで、対照値は、1またはそれより多い正常動物由来の試料から得られる。当業者に知られる任意の方法によって、遺伝子発現の変化を決定することも可能である。一般的に、遺伝子発現における変化は、転写を測定する(遺伝子によって産生されるmRNAの量を決定する)かまたは翻訳を測定する(遺伝子によって産生されるタンパク質の量を決定する)ことによって決定される。ポリヌクレオチドおよびタンパク質を定量化するために当業者に知られる任意の方法を用いて、遺伝子によって産生されるRNAまたはタンパク質の量を決定してもよい。
[00123]一般的に、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)(限定なしに、逆転写PCR(RT−PCR)および定量的リアルタイムPCR(qPCR)を含む)、短鎖または長鎖オリゴヌクレオチド・アレイ、cDNAアレイ、EST配列決定、ノーザンブロッティング、SAGE、MPSS、MS、ビーズアレイ、および他のハイブリダイゼーション法、mRNA発現を決定する。測定するRNAは、典型的にはmRNAまたは逆転写mRNAの形である。
[00124]多様な比色および分光アッセイ、ならびに定量的ウェスタンブロット、ELISA、2Dゲル、ガスまたは液体クロマトグラフィー、質量分析、ローリー・アッセイ、ビウレット・アッセイ、蛍光アッセイ、比濁法、ビシンコニン酸アッセイ、タンパク質チップ技術、赤外吸光度、ニンヒドリン、ブラッドフォード・アッセイ、および紫外吸光度などの方法を用いて、タンパク質またはポリペプチド発現を決定する。
[00125]好ましい方法において、Affymetrix, Inc.より入手可能なAffymetrix イヌ−1およびイヌ−2遺伝子チップ、ならびにこうしたチップを用いて遺伝子発現を決定するための使用説明書を用いて、遺伝子発現の変化を決定する。遺伝子チップは、特定の時点で、細胞内の生物学的プロセスおよび活性測定の大規模研究を可能にする。マイクロアレイ分析によって、大規模遺伝子基盤で、表現型の相違を考慮することが可能になる。遺伝子発現産物の実際の測定は、配列自体を決定するよりも、遺伝子機能のより正確な指標である。マイクロアレイ分析は、所定の時点で、細胞における遺伝子のmRNA転写物の濃度を定量化することに基づく。DNAを媒体上に固定して、そして標識ターゲットmRNAをアレイ上のプローブとハイブリダイズさせる。レーザー分析によって、プローブへの標識mRNAの結合を測定する。測定値は、放出される光子のカウントである。チップ全体をスキャンし、そしてデジタルで画像化する。画像をプロセシングして、プローブを位置決定し、そして強度測定値を各プローブに割り当てる。この方式で、上方制御および下方制御遺伝子を決定してもよい。分析によって、当業者が類似の発現プロファイルを持つ遺伝子群を発見し、そして類似の発現プロファイルを持つ組織を決定することが可能になる。この方式で、組織試料において観察される相違を説明する遺伝子を同定することも可能である。
[00126]Affymetrix遺伝子チップは、典型的には、25bpのプローブ、および特定の遺伝子またはESTに対応する11〜20のプローブのプローブ・セットを使用する。各25bpの完全マッチおよびミスマッチ・プローブを用いてチップを構築し、前者は遺伝子の特定の領域に完全に相補的であり、そして後者はミスマッチを作製するように置換された13番目の塩基対を有する。プローブ要約アルゴリズムを用いて、バックグラウンド補正、標準化およびプローブ要約を決定し、これはプローブ値のプローブ・セット発現値への変換である。RMAは、この目的のために使用可能なアルゴリズムの1つである。該アルゴリズムは、分析の最後の2工程、標準化およびプローブレベル強度測定値の要約を行う。完全マッチ値は、したがって、バックグラウンド補正され、標準化され、そして発現測定値セットに要約されている。
[00127]GeneSpringバージョン7.0(GS)ソフトウェア(Agilent Corporation)を用いて生データを分析し、そしてR−Bioconductor(RB)フリーウェアを用いて検証する。両方のソフトウェア・パッケージを用いて、Affymetrix装置によって生成されるCELファイルからプローブ強度を計算する。R−BioconductorおよびGeneSpringソフトウェアを別個に用いて、プローブあたりの存在/非存在/境界コールおよびP値を計算する。
[00128]一般的に、示差遺伝子発現は、少なくとも1つの遺伝子の発現を測定することによって決定される。好ましくは、2またはそれより多い示差的に発現される遺伝子の発現を測定して、遺伝子発現パターンまたは遺伝子発現プロファイルを提供する。より好ましくは、示差的に発現される複数の遺伝子の発現を測定して、より有意な遺伝子発現パターンまたはプロファイルに関するさらなる情報を提供する。
[00129]本発明は、一緒にまたは単独で、腎疾患のマーカーとして使用されるかまたは使用可能な、複数のマーカーを提供する。本発明の特に有用な態様において、複数のこれらのマーカーを選択して、そしてそのmRNA発現を同時に測定して、本出願に記載する、本発明の多様な側面で使用するための発現プロファイルを提供してもよい。本発明の方法および組成物の好ましい態様において、ルミカン(LUM);コラーゲン・アルファ1(III)鎖、変異体12(COL3A1);デコリン(DCN);分泌型frizzled関連タンパク質2(sFRP2);マトリリン−2(Matn2);レチノール結合タンパク質4(rbp4);MMP−9;クラスタリン(CLU);トランスフェリン(TF);アポ−C−1(アポC1);およびインヒビン・ベータA(INHBA)の中から、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、または11マーカーを選択し、そして本発明の方法の実施において使用される遺伝子発現プロファイルを決定するために用いてもよい。各マーカーは腎疾患の特定の側面に特に関連しうる。
[00130]本発明の別の態様において、遺伝子発現産物に対応するタンパク質を検出することによって、遺伝子発現レベルを別に決定してもよい。命名された遺伝子の分泌型が好ましい。
[00131]別の側面において、本発明は、正常値に比較して異常動物において示差的に発現される複数の遺伝子の発現を検出するのに適したデバイスを提供する。該デバイスは、既知の位置で基板に付着された本発明の複数のオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチド・プローブを有する基板を含む。該デバイスは、本質的に、本明細書に記載するオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチド・プローブの固定型である。該デバイスは、遺伝子およびポリヌクレオチド、ならびにその発現パターンおよびプロファイルの、迅速でそして特異的な検出に有用である。典型的には、こうしたプローブを基板または類似の固体支持体に連結し、そして1またはそれより多いポリヌクレオチド(例えば、遺伝子、PCR産物、リガーゼ連鎖反応(LCR)産物、増幅技術を用いて合成されているDNA配列、またはその混合物)を含有する試料を、試料ポリヌクレオチド(単数または複数)がプローブにハイブリダイズ可能であるように、プローブに曝露する。プローブ、試料ポリヌクレオチド(単数または複数)のどちらか、または両方は、典型的にはフルオロフォアまたはストレプトアビジンなどの他のタグで標識され、そして当業者に知られる方法を用いて検出される。試料ポリヌクレオチド(単数または複数)が標識される場合、ハイブリダイゼーションは、結合した蛍光を検出することによって検出可能である。プローブが標識される場合、ハイブリダイゼーションは、典型的には、標識消光によって検出される。プローブおよび試料ポリヌクレオチド(単数または複数)の両方が標識される場合、ハイブリダイゼーションは、典型的には、2つの結合した標識の近接から生じる色シフトを監視することによって検出される。多様な標識戦略および標識が、特に蛍光標識に関して、当業者に知られる。好ましくは、当該技術分野に知られるものに匹敵するアレイ(DNAマイクロアレイ、遺伝子チップ、バイオチップ、DNAチップ、および遺伝子アレイを含む、いくつかの名称で知られる)を形成するのに適した基板上にプローブが固定される。
[00132]ポリペプチド・プローブは、慣用的な方法にしたがって、例えば本発明のポリヌクレオチドに関して提供されるヌクレオチド配列データおよび当該技術分野に知られる方法を用いて、作製可能である。こうした方法には、限定されるわけではないが、細胞からポリペプチドを直接単離する工程、ポリペプチドをコードするDNAまたはRNAを単離するかまたは合成して、そして該DNAまたはRNAを用いて、組換え産物を生じる工程、個々のアミノ酸から化学的にポリペプチドを合成する工程、および存在するポリペプチドの化学的切断によってポリペプチド断片を産生する工程が含まれる。
[00133]別の側面において、本発明は、対照値に比較して異常動物において示差的に発現される複数の遺伝子の発現を検出するのに適したデバイスを提供する。該デバイスは、既知の位置で基板に付着された本発明の複数のペプチドまたはポリペプチド・プローブを有する基板を含む。該デバイスは、本質的に、本明細書に記載するペプチドまたはポリペプチド・プローブの固定型である。該デバイスは、タンパク質およびその発現パターンの迅速でそして特異的な検出に有用である。典型的には、こうしたプローブを基板に連結し、そして1またはそれより多いタンパク質を含有する試料を、試料タンパク質がプローブにハイブリダイズ可能であるように、プローブに曝露する。特定の態様において、プローブ、試料タンパク質、または両方は、典型的にはフルオロフォアまたは当業者に知られる他の剤で標識され、そして検出される。一般的に、ポリヌクレオチド・マイクロアレイを読み取るために用いられるのと同じ方法および計測手段がタンパク質アレイに適用可能である。好ましくは、アレイを形成するのに適した基板上にプローブが固定される。
[00134]試料中のタンパク質の量または濃度を決定するための方法が当業者に知られる。こうした方法には、ラジオイムノアッセイ、競合的結合アッセイ、ウェスタンブロット分析、およびELISAアッセイが含まれる。抗体を用いる方法に関しては、ポリクローナルおよびモノクローナル抗体が適切である。こうした抗体は、タンパク質、タンパク質エピトープ、またはタンパク質断片に対して免疫学的に特異的であってもよい。
[00135]本発明のいくつかの態様は、本発明のポリヌクレオチドの発現によって産生されるタンパク質の検出および定量化のために抗体を利用する。タンパク質は免疫沈降、アフィニティ分離、ウェスタンブロット分析、タンパク質アレイ等によって検出可能であるが、好ましい方法は、抗体が固体支持体上に固定され、そしてターゲットタンパク質またはペプチドが、固定された抗体に曝露される、ELISA技術を利用する。既知の方法を用いて、プローブまたはターゲットのいずれか、あるいは両方を標識してもよい。
[00136]いくつかの態様において、ポリヌクレオチドまたはポリペプチドを検出するためのプローブのアレイを利用して、異常動物において示差的に発現される複数の遺伝子の発現パターンまたはプロファイルを観察する。1つの態様において、オリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチド・プローブのアレイを利用してもよく、一方、別の態様は、本発明の示差的に発現される遺伝子産物に特異的に結合する抗体または他のタンパク質のアレイを利用してもよい。こうしたアレイは、商業的に入手可能であってもよいし、またはこれらは、当業者に知られる方法、例えば固体支持体上でのin situ合成、またはあらかじめ合成されたプローブのマイクロプリンティング技術を介した固体支持体への付着を用いて、カスタムメードされてもよい。多様な態様において、本発明の示差的に発現される遺伝子によって産生される転写物またはタンパク質を特異的に検出する、ポリヌクレオチドまたはポリペプチド・プローブのアレイをカスタムメードする。
[00137]1つの態様において、ポリヌクレオチドまたはポリペプチド・プローブのアレイは、表2に同定される2またはそれより多いポリヌクレオチドまたは遺伝子によって産生される転写物またはタンパク質を特異的に検出するようにカスタムメードされる。これらのプローブは、動物における脂質およびグルコース代謝経路に関連する遺伝子を検出するように設計される。別の態様において、ポリヌクレオチドまたはポリペプチド・プローブのアレイは、表3〜5に同定される2またはそれより多いポリヌクレオチドまたは遺伝子によって産生される転写物またはタンパク質を特異的に検出するようにカスタムメードされる。これらのプローブは、正常なイヌに比較して異常なイヌに特に適した遺伝子を検出するよう設計される。
[00138]これらのプローブを試料に曝露して、ハイブリダイゼーション複合体を形成し、これを検出し、そして標準のものと比較する。試料および標準由来のハイブリダイゼーション複合体間の相違は、試料中で、対照値に比較して異常なイヌにおいて示差的に発現されるポリヌクレオチドそしてしたがって遺伝子が、示差的に発現されていることを示す。好ましい態様において、本発明によって同定される1またはそれより多い遺伝子または遺伝子断片によって産生されるポリヌクレオチドまたはその断片を特異的に検出するプローブを作製する。ハイブリダイゼーション複合体を検出するための方法は当業者に知られる。
[00139]別の側面において、本発明は、試料中、正常なイヌに比較して異常なイヌにおいて示差的に発現される遺伝子の示差的発現を検出するための方法を提供する。該方法は、(a)複数のポリペプチド・プローブを含む組み合わせを、試料中のタンパク質と、該プローブおよび該タンパク質の間の特異的結合が起こるのを可能にする条件下で反応させ、ここで、プローブによって結合されるタンパク質は、正常なイヌに比較して異常なイヌにおいて示差的に発現されるものである;(b)場合によって、複数のポリペプチド・プローブを含む組み合わせを、標準中のタンパク質と、該プローブおよび該タンパク質の間の特異的結合が起こるのを可能にする条件下で反応させ、ここで、プローブによって結合されるタンパク質は、正常なイヌに比較して異常なイヌにおいて示差的に発現されるものである;(c)試料中の特異的結合、および場合によって工程(b)由来の標準中の特異的結合を検出し;そして(d)試料中の特異的結合を標準のものと比較する、ここで、標準および試料中の特異的結合間の相違は、試料中で、正常なイヌに比較して異常なイヌにおいて示差的に発現される遺伝子が、示差的に発現されていることを示す工程を含む。
[00140]これらのプローブを試料に曝露して、特異的結合を形成し、これを検出し、そして標準のものと比較する。試料および標準由来の特異的結合間の相違は、試料中で、正常なイヌに比較して異常なイヌにおいて示差的に発現されるタンパク質そしてしたがって遺伝子が、示差的に発現されていることを示す。好ましい態様において、本発明によって同定される1またはそれより多い遺伝子または遺伝子断片によって産生されるタンパク質またはその断片を特異的に検出するプローブを作製する。
[00141]1つの態様において、該方法は、タンパク質とポリペプチドを反応させる前に、試験物質にイヌまたは試料を曝露する工程をさらに含む。次いで、比較は、試験物質が、試料中、正常なイヌに比較して異常なイヌにおいて示差的に発現される遺伝子、特に異常関連遺伝子の発現を改変したかどうかを示す。
[00142]実施例1:国際獣医腎臓病研究グループ(International Renal Interest Society)のガイドラインにしたがった慢性腎疾患を持つイヌの分類
[00143]以下の実施例において、慢性腎疾患の徴候または症状を示さない動物に対して、慢性腎疾患の臨床的徴候を示すイヌを試験した。以下の表1および2に示す基準に基づいて、そして国際獣医腎臓病研究グループ(IRIS)のガイドラインにしたがって、慢性腎疾患の病理学的診断を行った。
[00144]被験体動物の適切な治療および監視を容易にするため、慢性腎疾患(CKD)の診断後、CKDの病期決定を行う。病期決定は、まず、安定な動物において、少なくとも2回の機会に評価した、絶食時血漿クレアチニンに基づく。正常腎機能を示し、そしてCKDの臨床的徴候または症状を示さないイヌを非疾患イヌとしてグループ化した。イヌにおける病期1は、高窒素血症が検出されないが、糸球体ろ過速度(GFR)が減少している可能性もあり、そして腎臓濃縮能が劣っている可能性もある、CKDから腎機能不全に向かう生化学的証拠がまったくない、以前の初期腎臓疾患の分類に対応する。病期2は、以前の初期腎不全の分類に対応する。病期2では、軽度の高窒素血症が認められる。病期3は、中程度の高窒素血症が検出される、以前の尿毒症腎不全の分類に対応する。尿毒症腎不全の全身徴候は、骨疼痛、尿毒症胃炎、貧血および代謝性アシドーシスなどとして存在しうる。病期4は、重度高窒素血症および尿毒症発作の全身臨床徴候の増加によって性質決定される、末期腎不全に対応する。
[00145]表1は、それぞれ、研究したイヌの5つのカテゴリーを同定する。CKDを持たないと診断されたイヌ総数42匹を研究した。総数14匹の病期1のイヌは、最小限の糸球体腎炎(GN)を示した。CKDの進行した病期を示す、研究したイヌの数は:病期2、軽度GN=24匹;病期3、中程度GN=8匹、および病期4、顕著なGN=13匹であった。イヌ群各々に関する血漿クレアチニン・レベルを、イヌの各群に関する血漿クレアチニン・レベルの平均および中央値として、表2に示す。
表1:イヌの病期決定
Figure 0006199558
表2 クレアチニン・レベル
Figure 0006199558
[00146]実施例2:候補選択基準
[00147]以下の実施例において、GeneSpringバージョン7.0(GS)ソフトウェア(Agilent Corporation)を用いて生データを分析し、そしてR−Bioconductor(RB)フリーウェアを用いて検証した。両方のソフトウェア・パッケージを用いて、Affymetrix装置によって生成されるCELファイルからプローブ強度を計算する。R−BioconductorおよびGeneSpringソフトウェアを別個に用いて、プローブあたりの存在/非存在/境界コールおよびP値を計算する。
[00148]いかなる所定の分析に関しても、遺伝子発現データは、「上方」または「下方」制御のいずれかを受けると決定される。遺伝子が「上昇する」かまたは「下降する」かの決定は、倍変化に基づき、これは各個々のプローブに関して、治療強度/対照強度として計算される。値が<1/2である場合、倍変化は下方制御されると見なされ、そして>2.0の場合、上方制御されると見なされる。また、プローブは、比較されている(治療または対照)状態の一方のみに存在するとコールされ、そして他方には「存在しない」かまたは「境界」であり、そして用いたソフトウェアによれば倍変化が有意である場合、さらなる精査のために重要であると見なされる。
[00149]実施例3:RNA単離法
[00150]材料および方法。以下の一般法を用いて、本明細書の実施例にさらに記載するように、遺伝子チップを利用した遺伝子発現プロファイリングのため、イヌおよびネコの組織試料からRNAを単離してもよい。一般の当業者には、これらの方法または当該技術分野内で認められるようなその修飾を適用して、一般の当業者に利用可能な多様な分析法、特にマイクロアレイ技術を用いて、さらなる遺伝子発現分析のため、組織または体液試料からRNAを単離してもよいことが明らかであろう。
[00151]組織からのリボ核酸(RNA)の単離。組織試料を収集し、液体窒素中で凍結し、融解し、そして次いで乳鉢および乳棒で粉砕し、ホモジナイズし、そして50mlコニカルフラスコに移した。次いで、製造者の指示(Invitrogen)にしたがって、TRIzol(登録商標)RNA抽出法を用いて、ホモジナイズした組織試料をプロセシングして、優れた品質のRNAを産生し、これを次いで、さらなるゲノム分析に供した。
[00152]材料:氷、液体窒素、凍結イヌ組織、TRIzol(登録商標)溶解試薬、クロロホルム最低限99%、イソプロピルアルコール、70%エタノール(無水エタノールおよび脱イオンRNアーゼ不含水で調製)、RNアーゼZap(登録商標)、脱イオン水、AmbionのRNA保存溶液(登録商標)。
[00153]装置:Ultra−Turrax T25強力ホモジナイザー、Beckman Coulter Allegra 25R遠心分離装置、Eppendorf遠心分離装置、ピンセット、外科用メス、堅いカッティング表面、すなわちカッティングボード、1.5mL DNアーゼおよびRNアーゼ不含/無菌微量遠心管、50mL DNアーゼおよびRNアーゼ不含/無菌使い捨てポリプロピレン試験管、P1000、P200、P20、P10およびP2 Rainin Pipetmanピペット、P1000、P200、P20、P10およびP2ピペット用のフィルターピペットチップ、DNアーゼおよびRNアーゼ不含/無菌、および糸くず不含ワイプ。
[00154]準備:4mL TRIzol(登録商標)を含む50mLポリプロピレン試験管を準備する(RNA単離用に選択した各組織に対して1つの試験管)。
[00155]組織ホモジナイズ:液体窒素を保持可能な容器を、3〜4杯の液体窒素で満たす。前述の容器内に凍結組織片を直ちに入れ(組織はエンドウ豆サイズでなければならない)、そして組織を適切にラベル付けした50mLポリプロピレン試験管(すでに4mL TRIzol(登録商標)を含有しているもの)内に入れる。Ultra−Turrax T25強力ホモジナイザーを用いて、直ちにホモジナイズを開始する。最高設定(6)で10〜15秒間ホモジナイズする。試料を氷上でさらに10〜15秒間冷却し、そして次いで反復する。組織が完全にホモジナイズされるまで続け、そして溶液は濁っている。完全にホモジナイズされたら、50mL試験管に蓋をし、そして氷に戻す。ホモジナイズした組織を室温で5分間インキュベーションした後、単離法を進める。
[00156]実施例4:RNA調製法。RNA単離:一般的に、TRIzol(登録商標)試薬とともに提供されるInvitrogen使用説明書に示される方法にしたがう。ホモジナイズした試料を、4つの1.5mL微量遠心管中、4つの1mLアリコットに分ける。各1mLのアリコットに200μLのクロロホルムを添加する。試験管に蓋をし、15秒間ボルテックスし、そして次いで上下に振盪する。結果はピンクの乳濁した液体であるはずである。試験管を室温で2〜3分間インキュベーションする。試験管を14,000rpmおよび4℃で15分間遠心分離する。水性層(最上層)を無菌1.5mL微量遠心管に移す。新規試験管に移す水性層の典型的な体積は約500μLである。中間相または下相のいずれも移さないように注意する。水性層を含有する各微量遠心管に500μLのイソプロピルアルコールを添加することによって、溶液からRNAを沈殿させる。少なくとも20秒間、試験管を上下に振盪する。試料を室温で10分間インキュベーションする。試料を14,000rpm、4℃で10分間遠心分離する。ペレットをなくさないようにしながら、液体を吸引することによって、上清を注意深く取り除く。1mLの70%エタノールを添加してペレットを洗浄する。試験管を軽く叩く(または試験管をベンチトップに軽く当てる)ことによってペレットを取り外し、そして振盪して混合する。8,200rpm、4℃で5分間遠心分離する。ペレットをなくさないようにしながら、液体を吸引することによって、上清を注意深く取り除く。糸くず不含ワイプを用いて、過剰なエタノールを注意深く吸い取り、ペレットが乾燥していることを確実にする。各ペレットを30μLのRNA保存溶液に再懸濁する。RNAが溶液に戻るまで、ピペッティングによって穏やかに混合し、そして次いで、−80℃で保存する。RNAの再懸濁を容易にするため、低速で数秒間、試料をボルテックスすることが必要である可能性もある。これが必要である場合には、凍結前に、微量遠心分離装置を用いて試料を回転させて落とす。
[00157]RNAクリーニング:RNeasy(登録商標)ミニ・ハンドブックに提供される方法にしたがう。
[00158]RNeasyミニキットを用いた、OptiCellチャンバー中で培養した細胞からのRNA単離。哺乳動物細胞株から培養した細胞を用いて、優れた品質のRNAを単離し、これを次いで、さらなる下流ゲノム分析に用いる。細胞の培養に関連するすべての実験を、厳密な無菌条件下で行うものとする。
[00159]試薬:10xPBS、脱イオンHO、無水エタノール、RNA保存溶液、β−メルカプトエタノール、RNアーゼZap(登録商標)、緩衝液RLT、および緩衝液RW1および緩衝液RPE(RNeasyミニキットに提供される)。
[00160]装置/材料:RNeasyミニキット、QIAshredderスピンカラム、OptiCellナイフ、20mL無菌シリンジ、OptiCellチップ、細胞スクレーパー、P1000 Pipetmanピペット、Rainin、P200 Pipetmanピペット、Rainin、100〜100μLフィルター処理ピペットチップ、1〜200μLフィルター処理ピペットチップ、無菌トランスファーピペット、55mL無菌溶液ボウル(basin)、1.5ml無菌微量遠心管、およびEppendorf微量遠心装置。
[00161]溶液:緩衝液RLT(RNeasyミニキットに提供されるストック);プロトコルを開始する前に、10mLの緩衝液RLTあたり、100μLのβ−メルカプトエタノールを添加する。70%エタノール:35mL無水エタノールを15mLの脱イオンRNアーゼ不含水に添加することによって、50mLの70%エタノールを作製する。1xPBS:RNアーゼ不含水。.22μmフィルターを用いて、溶液をフィルター処理する。
[00162]方法:OptiCellチャンバーから細胞を取り除く(一度に1つのOptiCellで進める)。顕微鏡下で細胞をチェックして、RNAを単離する前に細胞が生きていることを確実にする。細胞培地を取り除き、そして廃棄する。OptiCellナイフを用いて、上の膜を切り取り、下部の膜上の細胞を曝露する。細胞が付着している膜を1xPBSで3回洗浄する。600μLの緩衝液RLT溶液(β−メルカプトエタノールを含有する)を膜中央にピペッティングして、ここに細胞を付着させる。細胞スクレーパーを用いて、緩衝液RLTを膜の表面全体に穏やかに広げ、そして次いで、液体を1つの角に収集する。緩衝液RLTの全体積をピペッティングで取り去って、そしてQIAshredderスピンカラム内に入れる。
[00163]RNA単離:QIAshredderスピンカラムを14,000rpmで2分間遠心分離する。スピンカラムを廃棄するが、収集試験管およびその内容物を保持する。600μLの70%エタノールを収集試験管に添加し、そしてピペッティングすることによってよく混合する(総体積はここで1.2mL)。600μLの細胞溶解物をRNeasyミニカラムに移し、そして14,000rpmで15秒間遠心分離する。フロースルーを廃棄するが、収集試験管およびスピンカラムを保持する。細胞溶解物の残りの体積(〜600μL)をスピンカラムに移し、そして遠心分離を反復する。フロースルーを廃棄するが、収集試験管およびスピンカラムを保持する。700μLの緩衝液RW1をスピンカラムに添加する。14,000rpmで15秒間遠心分離して、カラムを洗浄する。フロースルーおよび収集試験管を廃棄する。スピンカラムを新規2mL収集試験管に移し、そして500μLの緩衝液RPEをカラムに添加する。14,000rpmで15秒間遠心分離する。フロースルーを廃棄し、収集試験管/カラムを保持する。別の500μL緩衝液RPEをカラムに添加する。14,000rpmで2分間遠心分離する。スピンカラムを1.5mLの収集試験管に移す。30μLのRNA保存溶液をシリカゲル膜に直接添加し、そして14,000rpmで1分間遠心分離してRNAを溶出する。最終RNAを−70℃で保存する。
[00164]RNA 6000ナノアッセイ。Agilent 2100バイオアナライザーおよびRNA 6000ナノアッセイを用いて、培養哺乳動物細胞、リンパ球または組織から単離したRNAを、品質に関して分析する。
[00165]試薬: RNA 6000ナノゲルマトリックス、RNA 6000ナノ色素濃縮物、RNA 6000ナノマーカー(上記試薬はすべて、RNA 6000ナノアッセイキット、Agilentに含有される)、RNA 6000ラダー、AmbionのRNアーゼZap、およびRNアーゼ不含水。
[00166]装置/他の材料: Agilentチップ・プライミング・ステーション、Agilent、RNA 6000チップ、Agilent、電極クリーナー、P2、P10、P200、およびP1000 Rainin Pipetmanピペット、無菌DNアーゼ/RNアーゼ不含フィルター処理ピペットチップ、1.5mL微量遠心管、無菌、ボルテックス、IKAボルテックス混合装置、微量遠心分離装置、および加熱ブロック。
[00167]方法:方法は、Agilent Technologiesによる、2003年11月版の試薬キットガイド、RNA 6000ナノアッセイに提供される。以下の修飾を伴って、ガイドに提供されるように方法にしたがう:ゲルを調製する、17ページ−フィルター処理したゲルを各65μLずつアリコットに分けるのではなく、ストックのフィルター処理したゲルを元来の微量遠心管に保持し、そして必要に応じて65μLを取る。RNA 6000ナノマーカーを装填する、22ページ−各試料ウェルに、(RNA 6000ナノマーカーの代わりに)試料を含有しないであろう1μLのRNアーゼ不含水を添加する。これは用いるマーカーの量を節約するだけでなく、RNアーゼ不含水を含めて、試薬がいずれも汚染されていないことを見る陰性対照としても働く。ラダーおよび試料を装填する、23ページ−試料およびRNA 6000ラダーをさらに30秒間(全部で2.5分間)71℃で熱変性させる。チップ泳動を開始する、26ページ−アッセイメニューから「真核生物総RNAナノ」オプションを選択する。
[00168]実施例5:Affymetrix GeneChip発現分析。Affymetrix社, Santa Clara CA 95051より商業的に入手可能なAffymetrixイヌ1およびイヌ2 GeneChip(登録商標)アレイを用いて、遺伝子発現を分析する。総RNAをcDNAに逆転写する。cDNAを用いて、cRNAを生成し、これを断片化して、そしてGeneChipハイブリダイゼーションのプローブとして用いる。遺伝子チップを洗浄し、そしてAffymetrixレーザースキャナでハイブリダイゼーション・シグナルを測定する。次いで、ハイブリダイゼーション・データを検証し、そしてさらなる分析のため標準化する。
[00169]材料:Affymetrixは試薬およびキットの大部分を提供する。Affymetrixマニュアルに列挙されるが、キット中に供給されない他の試薬を別個に得ることも可能である(詳細に関しては、GeneChip発現分析技術マニュアル(701021改訂4版)を参照されたい)、RNアーゼZap(登録商標)および脱イオン水。
[00170]装置:Eppendorf微量遠心装置、1.5mL DNアーゼおよびRNアーゼ不含/無菌微量遠心管、50mL DNアーゼおよびRNアーゼ不含/無菌使い捨てポリプロピレン試験管、P1000、P200、P20、P10およびP2 Rainin Pipetmanピペット、P1000、P200、P20、P10およびP2ピペット用のフィルターピペットチップ、DNアーゼおよびRNアーゼ不含/無菌、およびPeltierサーマルサイクラーPTC−200。
[00171]方法:GeneChip発現分析技術マニュアル(Affymetrix著作権1999〜2003)に記載される通りに正確にすべての方法にしたがう。第一鎖cDNA合成には、5マイクログラムの総RNAを用いる。反応およびプローブ変性に対する温度調節には、PeltierサーマルサイクラーPTC−200または熱ブロックのいずれかを用いる。バイオアナライザー2100とともにRNAナノドロップチップを用いて、品質管理を行う。イヌ遺伝子チップには100形式(ミディアレイ)を用いる。
[00172]実施例6:慢性腎疾患を持つイヌにおける遺伝子発現
[00173]慢性腎疾患の多様な病期を有するイヌを用いて、先の実施例1〜5にしたがって、研究を行って、正常腎機能を有するイヌ、ならびに表1に提示するような病期1〜4に対応する最小限の、軽度の、中程度の、そして顕著な糸球体腎炎を有するイヌの間の、根底にある遺伝子発現相違を決定した。本明細書の実施例に記載するような方法を用いて、表2に提示される血漿クレアチニン・レベルによって、そして臨床観察によって決定されるような、正常な腎臓機能を有する42匹のイヌ、最小限の糸球体腎炎を有する14匹のイヌ、軽度の糸球体腎炎を有する24匹のイヌ、中程度の糸球体腎炎を有する8匹のイヌ、および顕著な糸球体腎炎を有する13匹のイヌから、組織および体液試料を調製した。
[00174]先行する実施例に定義するように、糸球体腎炎を有するイヌに対して、正常な腎臓機能を持つイヌを比較した、遺伝子発現データに基づいて、表3に列挙する5つの遺伝子が、イヌにおける慢性腎障害の潜在的なバイオマーカーとして、実施例2の選択基準を満たすと同定された。該遺伝子には、ルミカン(LUM);コラーゲン・アルファ1(III)鎖、変異体12(COL3A1);デコリン(DCN);分泌型frizzled関連タンパク質2(SFRP2);およびマトリリン−2(Matn2)が含まれる。類似のヒト同義語ならびにmRNAおよびタンパク質寄託番号を、各遺伝子に関して表3に列挙する。各タンパク質は分泌タンパク質である。
表3:潜在的バイオマーカーのリスト
Figure 0006199558
表4:潜在的バイオマーカーのリスト
Figure 0006199558
表5:潜在的バイオマーカーのリスト
Figure 0006199558

Claims (16)

  1. イヌが糸球体腎炎を有するかどうかについて決定するための方法であって:(a)イヌ由来の生物学的試料におけるバイオマーカーの発現レベルを測定し、ここで、該バイオマーカーは、分泌型frizzle関連タンパク質−2(SFRP2)である;そして(b)イヌを、糸球体腎炎を有すると同定する工程を含む、ここで、正常動物由来の試料における発現の対照値に対して、試料中の該バイオマーカーの発現の有意な相違が糸球体腎炎の存在を示すものであり、この有意な相違は、少なくとも2倍の増加、または、少なくとも50%の減少である方法。
  2. 請求項1の方法であって、試験試料が固形腎組織または体液である方法。
  3. 請求項1の方法であって、工程(b)の示差発現が1またはそれより多いハイブリダイゼーション・プローブのアレイを用いて決定される方法。
  4. 請求項1の方法であって、工程(b)の示差発現が少なくとも1つのRNA転写物またはその翻訳産物に特異的に結合する1またはそれより多い抗体のパネルを用いて決定される方法。
  5. 請求項1の方法であって、工程(b)の示差発現が少なくとも1つのRNA転写物またはその翻訳産物を検出するイムノアッセイによって決定される方法。
  6. 請求項5の方法であって、該イムノアッセイが、競合的結合アッセイ、非競合的結合アッセイ、ラジオイムノアッセイ、酵素連結免疫吸着アッセイ(ELISA)、サンドイッチ・アッセイ、沈降素反応、ゲル拡散免疫拡散アッセイ、凝集アッセイ、蛍光イムノアッセイ、化学発光イムノアッセイ、イムノPCRイムノアッセイ、プロテインAまたはプロテインGイムノアッセイ、ノーザンブロット分析、ウェスタンブロット分析、Luminex(TM)xMAP(TM)検出およびイムノ電気泳動アッセイからなる群より選択される方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項記載の方法であって、イヌが正常腎臓機能を有し、正常腎臓機能が:糸球体ろ過速度、尿タンパク質レベル、血液クレアチニン・レベル、尿クレアチニン・レベル、クレアチニン・クリアランスおよび血液尿素窒素の1またはそれより多くによって決定される方法。
  8. 請求項1の方法であって、さらに:アルブミン、血清シスタチンC、血液クレアチニン、尿クレアチニン、クレアチニン・クリアランス、尿タンパク質、血液尿素窒素および糸球体ろ過速度のレベルを決定する工程からなる群より選択される1またはそれより多い慣用的診断測定の使用を含む方法。
  9. 請求項8の方法であって糸球体腎炎によって特徴付けられる腎障害の診断に、前記慣用的診断測定が使用される方法。
  10. 請求項1の方法であって、該バイオマーカーを検出可能な少なくとも1またはそれより多い剤;ならびに該バイオマーカーの発現を測定し、そしてこうしたイヌにおける腎疾患を診断するための、こうした少なくとも1またはそれより多い剤を用いるための使用説明書を含むキットを用いる工程を含む方法。
  11. 請求項10の方法であって、少なくとも1またはそれより多い剤が抗体である方法。
  12. 請求項10の方法であって、少なくとも1またはそれより多い剤が、検出可能標識に付着している方法。
  13. 請求項1の方法であって、イヌ・タンパク質を認識する抗体を用いることを含み、該イヌ・タンパク質が分泌型frizzle関連タンパク質−2(SFRP2)である方法。
  14. 請求項13の方法であって、該抗体がキット内に含有される方法。
  15. 請求項1記載の方法におけるイヌ遺伝子にハイブリダイズできる核酸プローブの使用であって、該イヌ遺伝子が分泌型frizzle関連タンパク質−2(SFRP2)である核酸プローブの使用。
  16. 請求項1〜9のいずれか一項記載の方法において使用するためのキットの製造における、請求項15記載のプローブの使用。
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