以下、検出センサおよび測定装置の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
最初に、電力計100の構成について、図面を参照して説明する。電力計100は、測定装置の一例であって、図1に示すように、検出センサ1、電流検出部102、処理部103および表示部104を備えて、検出対象の一例としての電線200(図4参照)に供給されている電力を測定可能に構成されている。
検出センサ1は、検出センサの一例であって、図2〜4に示すように、測定対象の電線200を挟持(クリップ)可能なクリップ型に形成されると共に、電線200を挟持している状態において電線200に供給されている被測定量としての電圧を検出可能に構成されている。具体的には、検出センサ1は、図2〜4に示すように、クリップ片2、クリップ片3、回動軸4、ばね5、基板6およびケーブル7を備えて構成されている。
クリップ片2は、図3に示す一対の半体2a,2bを接合することによって形成される。また、クリップ片2の中央部21には、同図に示すように、挿通孔21bを有する連結部21aが形成されている。この場合、クリップ片2は、連結部21aと後述するクリップ片3の連結部31aとが係合した状態で、連結部21aの挿通孔21bおよび連結部31aの挿通孔31bに挿通(配設)された回動軸4を介して互いに回動自在に連結されている。
また、図2〜図4に示すように、クリップ片2の先端部22には、電線200を挟持するための側面視弧状の凹部で構成された挟持部22aが形成されている。この場合、挟持部22aには、電線200を挟持している状態(以下、「挟持状態」ともいう)において電線200の移動を規制するための歯部が形成されている。
また、図4,5に示すように、クリップ片2における連結部21aと挟持部22aとの間の中間部24は、内面(クリップ片3に対向する対向面)が平坦面に形成されている。また、中間部24の対向面(内面)には、3本のリブ状(平面視帯状)の凸部25が配設されている。この場合、各凸部25は、連結部21aと挟持部22aとを結ぶ方向(クリップ片2の長さ方向)に沿って延在するように配設されている。また、各凸部25は、クリップ片2の幅方向(連結部21aに挿通された回動軸4の長さ方向)における中間部24の中央部および両端部にそれぞれ配設されている。これらの凸部25は、電線200の外周面200a(図7,8参照)が接触したときの外周面200aとの接触面積を低減させて外周面200aとの間の摩擦力を低減させる機能を有している。
また、凸部25は、クリップ片2における凸部25を除く部分(以下「クリップ片2の本体部分」ともいう)を形成するのに用いる材料(一例として、ポリカーボネートやABS樹脂)の摩擦係数よりも低摩擦係数の材料を用いて形成されている。一例として、凸部25は、フッ素樹脂やポリアセタールで形成されている。この場合、この検出センサ1では、クリップ片2の本体部分を形成する材料と凸部25を形成する材料との2種類の材料を用いた2色射出成形(ダブルモールド)またはインサート成形によってクリップ片2の本体部分と凸部25とが一体に形成されている。
また、図3に示すように、クリップ片2を構成する半体2a,2bには内部空間が形成され、この内部空間に基板6を収容することが可能となっている。また、クリップ片2の基端部23は、後述するクリップ片3の基端部33と共に握ることによってクリップ片2,3を回動させる握り部として機能する。また、基端部23には、基板6に接続されているケーブル7を外部に引き出すための挿通孔が形成されている。
クリップ片3は、図3に示す一対の半体3a,3bを接合することによって形成される。また、クリップ片3の中央部31には、図2〜図4に示すように、挿通孔31bを有する連結部31aが形成されている。この場合、クリップ片3は、連結部31aと上記したクリップ片2の連結部21aとが係合した状態で、連結部21aの挿通孔21bおよび連結部31aの挿通孔31bに挿通された回動軸4を介して互いに回動自在に連結されている。
また、クリップ片3は、図2に示すように、中央部31から先端部32までの長さがクリップ片2における中央部21から先端部22までの長さよりも短くなるように形成されている。
また、クリップ片3の先端部32には、図2〜図4に示すように、電線200を挟持するための側面視弧状の凹部で構成された挟持部32aが形成されている。この場合、挟持部32aの形成位置は、図2に示すように、クリップ片2,3が電線200を挟持せずに(以下、電線200を挟持していない状態を「非挟持状態」ともいう)各々の先端部22,32同士が最も近接している状態(以下、この状態を「近接状態」ともいう)において、クリップ片2の挟持部22aにおける中央部21側の部位に対向するように規定されている。また、挟持部32aには、挟持した電線200の移動を規制するための歯部が形成されている。
また、図4,6に示すように、クリップ片3における連結部31aと挟持部32aとの間の中間部34は、内面(クリップ片2に対向する対向面)が平坦面に形成されている。また、中間部34の対向面(内面)には、3本のリブ状(平面視帯状)の凸部35が配設されている。この場合、各凸部35は、連結部31aと挟持部32aとを結ぶ方向(クリップ片3の長さ方向)に沿って延在するように配設されている。また、各凸部35は、クリップ片3の幅方向(連結部31aに挿通された回動軸4の長さ方向)における中間部34の中央部および両端部にそれぞれ配設されている。これらの凸部35は、上記したクリップ片2の凸部25と同様にして、電線200の外周面200aが接触したときの外周面200aとの接触面積を低減させて外周面200aとの間の摩擦力を低減させる機能を有している。
また、凸部35は、クリップ片3における凸部35を除く部分(以下「クリップ片3の本体部分」ともいう)を形成するのに用いる材料(例えば、クリップ片2の本体部分を形成するのに用いる材料であって、この例では、ABS樹脂)の摩擦係数よりも低摩擦係数の材料を用いて形成されている。一例として、凸部35は、上記したクリップ片2の凸部25を形成するのに用いる材料と同じ材料(この例では、フッ素樹脂やポリアセタール)で形成されている。この場合、この検出センサ1では、クリップ片2と同様にして、クリップ片3の本体部分を形成する材料と凸部35を形成する材料との2種類の材料を用いた2色射出成形(ダブルモールド)またはインサート成形によってクリップ片3の本体部分と凸部35とが一体に形成されている。また、クリップ片3の基端部33は、クリップ片2の基端部23と共に握ることによってクリップ片2,3を回動させる握り部として機能する。
回動軸4は、図2,3に示すように、クリップ片2,3の連結部21a,31a同士が係合した状態で連結部21a,31aの挿通孔21b,31bに挿通されてナット4a(図3参照)によって固定されることによってクリップ片2,3を回動自在に連結する。
ばね5は、図3に示すように、一例としてコイル部5aを2つ有するダブルトーションばね(コイル部を2つ有するねじりコイルばね)で構成されている。このばね5は、クリップ片2の連結部21aに設けられている筒状部がコイル部5aに挿入されることによって連結部21a(クリップ片2)に支持されている。また、ばね5は、連結状態におけるクリップ片2,3の一方(この例では、クリップ片2)に側部の腕部5b(同図参照)が係合し、連結状態のクリップ片2,3の他方(この例では、クリップ片3)に中央部の腕部5c(同図参照)が係合することで、クリップ片2,3の各先端部22,32同士が互いに近接するようにクリップ片2,3が回動する向きにクリップ片2,3を付勢する。
基板6は、図3に示すように、被測定量としての電圧を検出する検出素子61が配設されて構成され、クリップ片2の内部空間に収容されている。この場合、基板6は、検出素子61がクリップ片2の挟持部22aに対向するように収容されている。また、基板6は、検出素子61によって検出された電圧の値を示す検出信号Sv(図1参照)を出力する。ケーブル7は、基板6に接続されて、クリップ片2の基端部23の挿通孔を通ってクリップ片2(検出センサ1)の外部に引き出されている。
この検出センサ1では、クリップ片2,3の各基端部23,33を握る操作(以下、この操作を「離間操作」ともいう)をしたときに、図4に示すように、クリップ片2,3の各先端部22,32同士が離間する(以下、この状態を「離間状態」ともいう)。また、この検出センサ1では、クリップ片2,3の各基端部23,33を握った状態を解除したときに、ばね5の付勢力によってクリップ片2,3の先端部22,32同士が近接するようにクリップ片2,3が回動させられる(以下、この操作(握った状態を解除する操作)を「近接操作」ともいう)。
また、この検出センサ1では、上記した離間状態において、図4に示すように、クリップ片2,3の中間部24,34の各仮想平面24a,34a同士が交差する。また、この検出センサ1では、離間状態から、近接操作に応じてクリップ片2,3の先端部22,32同士が近接するのに従い、仮想平面24a,34a同士が交差する角度(交差角度)が徐々に減少し、上記した近接状態において、図2に示すように、中間部24,34同士が互いに平行またはほぼ平行な状態で当接または近接する。この構成により、この検出センサ1では、上記した離間状態において電線200が中間部24,34の間に位置し、その状態で近接操作がされたときには、中間部24,34が、電線200を挟持部22a,32a(先端部22,32)に向けて摺動させつつ移動させる。
電流検出部102は、一例として、非接触で電流を検出するクランプ型の電流センサであって、電線200に流れる電流を非接触で検出して電流値を示す検出信号Siを出力する(図1参照)。処理部103は、検出センサ1によって検出された電圧(検出センサ1から出力される検出信号Sv)および電流検出部102によって検出された電流(電流検出部102から出力される検出信号Si)に基づいて、電線200に供給されている電力を算出(測定)する。表示部104は、処理部103によって測定(算出)された電力の値(測定値)を表示する。
次に、電力計100を用いて電線200に供給されている電力を測定する方法について、検出センサ1の使用方法を中心に、図面を参照して説明する。
まず、測定対象の電線200の近傍に電流検出部102を配置する。この際に、電流検出部102は、電線200に流れる電流を検出して検出信号Siを出力する。
次いで、検出センサ1で電線200を挟持する。具体的には、検出センサ1におけるクリップ片2,3の基端部23,33を握って、ばね5の付勢力に抗してクリップ片2,3を回動させて、図4に示すように、クリップ片2,3の先端部22,32同士を離間させる離間操作を行う。
続いて、離間状態のクリップ片2,3の間に電線200が位置するように検出センサ1を移動させ、次いで、基端部23,33を握った状態を解除する近接操作を行う。この際に、ばね5の付勢力によってクリップ片2,3の先端部22,32同士が近接するようにクリップ片2,3が回動させられる。また、この際に、各クリップ片2,3における各中間部24,34の各仮想平面24a,34a同士が交差する交差角度が徐々に減少し、中間部24,34の間隔が徐々に狭められる。
ここで、図7,8に示すように、近接操作が行われる際に電線200が中間部24,34の間に位置しているときには、中間部24,34の間隔が徐々に狭められる過程において、電線200の外周面200aに対して、中間部24,34に配設されている凸部25,35がそれぞれ接触する。この場合、凸部25,35が配設されていない(凸部25,35を有していない)構成では、電線200の被覆部の外周面200aが中間部24,34からの圧力によって変形して、中間部24,34の内面と外周面200aとの接触面積が大きくなって両者の間の摩擦力が大きくなり、中間部24,34の間に電線200が挟み込まれた状態のままとなることがある。この状態では、電線200が検出素子61に対向しないため、電線200に供給されている電圧を正確に検出することが困難となる。
これに対して、この検出センサ1では、凸部25,35で構成された凸部25,35が中間部24,34にそれぞれ配設されているため、図7,8に示すように、凸部25,35の端面だけが電線200の外周面200aに接触する。このため、この検出センサ1では、外周面200aと中間部24,34(凸部25,35)との接触面積が十分に低減される(小さく抑えられる)結果、中間部24,34と外周面200aとの間の摩擦力が十分に低減される。したがって、この検出センサ1では、近接操作が行われる際に電線200が中間部24,34の間に位置しているときには、外周面200aと中間部24,34との間の大きな摩擦力に起因して電線200の移動が阻害されて電線200が中間部24,34に挟み込まれたままの状態となる事態が確実に回避される。この結果、この検出センサ1では、図9に示すように、電線200を挟持部22a,32a(先端部22,32)に向けて確実に摺動させつつ移動させることが可能となっている。
また、この検出センサ1では、中間部24の両端部に加えて、中間部24の中央部にも凸部25が配設されている、また、同様に、中間部34の両端部に加えて、中間部34の中央部にも凸部35が配設されている。このため、中間部24,34の両端部にのみ凸部25,35が配設されて、中間部24,34の中央部に凸部25,35が配設されていない構成と比較して、電線200の撓みが少なく抑えられる結果、撓みによって電線200の移動が阻害される事態が防止されている。
続いて、図9に示すように、挟持部22a,32aに位置した電線200が挟持部22a,32aによって挟持される。この場合、この検出センサ1では、上記したように、近接操作が行われる際に電線200が中間部24,34の間に位置していたとしても、挟持部22a,32aに向けて電線200が確実に移動させられる。このため、電線200が挟持部22a,32aによって確実に挟持される。次いで、挟持部22a,32aからの押圧力(ばね5の付勢力)によって挟持部22a,32aに形成されている歯部の先端部が電線200の外周面200aに食い込んで電線200の移動が確実に規制される。
続いて、基板6に配設されている検出素子61が電線200に供給されている電圧を検出し、基板6が、検出された電圧の値を示す検出信号Svを出力する。また、検出信号Svが、基板6に接続されているケーブル7を介して処理部103に送られる。この場合、この検出センサ1では、上記したように、電線200が挟持部22a,32aによって確実に挟持されるため、電線200が検出センサ1に対して確実に対向した状態において、電圧が検出される。このため、この検出センサ1では、電線200に供給されている電圧を正確に検出することが可能となっている。
次いで、図外の操作部を操作して電力測定の実行を指示する。これに応じて、処理部103が、電力の算出処理(測定処理)を実行する。この算出処理では、処理部103は、検出センサ1の基板6から出力された検出信号Svと電流検出部102から出力された検出信号Siとに基づいて電力を算出し、算出した電力の値を示す表示用信号を表示部104に出力する。続いて、表示部104が表示用信号に基づいて電力の値を表示する。
次いで、電力測定を終了するときには、クリップ片2,3の基端部23,33を握って離間操作を行い、図4に示すように、クリップ片2,3の先端部22,32同士を離間させる。続いて、電線200から検出センサ1を遠ざけ、次いで、近接操作を行って基端部23,33を握った状態を解除する。また、電線200の近傍に配置した電流検出部102を回収する。
このように、この検出センサ1では、クリップ片2,3における連結部21a,31aと挟持部22a,32aとの間の中間部24,34に凸部25,35がそれぞれ配設されている。したがって、この検出センサ1では、凸部25,35の端面だけが電線200の外周面200aに接触するため、外周面200aと中間部24,34(凸部25,35)との接触面積を十分に低減させて、中間部24,34と外周面200aとの間の摩擦力を十分に低減させることができる。このため、この検出センサ1によれば、クリップ片2,3の先端部22,32同士が近接するようにクリップ片2,3を回動させる近接操作が行われる際に、電線200が中間部24,34の間に位置していたとしても、中間部24,34が電線200を摺動させつつ挟持部22a,32aに向けて確実に移動させることができる結果、挟持部22a,32aによって電線200を確実に挟持させることができる。したがって、この検出センサ1によれば、挟持部22aに対向するように配設されている検出素子61に電線200を確実に対向させた状態で電圧を検出することができる結果、電線200に供給されている電圧を正確に検出することができる。
また、この検出センサ1では、連結部21a,31aと挟持部22a,32aとを結ぶ方向(クリップ片2,3の長さ方向)に沿って延在するリブ状に凸部25,35が構成されている。つまり、この検出センサ1では、近接操作の際の電線200の移動方向と同じ方向に沿ってリブ状の凸部25,35が配設されている。この場合、例えば、電線200の移動方向とは異なる方向に沿って凸部が配設されている構成では、電線200が移動する際に電線200の外周面200aと凸部の縁部とが当接して、電線200の移動を阻害する力が電線200に加わることがある。これに対して、この検出センサ1では、このような電線200の移動を阻害する力の発生を十分に防止することができるため、電線200を挟持部22a,32aに向けてより確実に移動させることができる。
また、この検出センサ1によれば、クリップ片2,3の幅方向における中間部24,34の中央部および両端部にリブ状の凸部25,35をそれぞれ配設したことにより、近接操作の際に接触した各凸部25,35から電線200の外周面200aに加わる力を中間部24,34の幅方向において均等に分散させることができる。このため、この検出センサ1によれば、中間部24,34の幅方向に対して電線200を傾斜させることなく、挟持部22a,32aに向けて電線200を移動させることができる結果、挟持部22a,32aによって電線200をより確実に挟持させることができる。
また、この検出センサ1では、クリップ片2,3における凸部25,35を除く部分(本体部分)を形成する材料の摩擦係数よりも低摩擦係数の材料で凸部25,35が形成されている。このため、この検出センサ1によれば、凸部25,35と外周面200aとの間の摩擦力をさらに低減させることができる結果、電線200を挟持部22a,32aに向けてさらに確実に移動させることができる。また、この検出センサ1によれば、本体部分と凸部25,35とを異なる材料で形成することができるため、例えば、強度や絶縁性を重視した材料で本体部分を形成し、摩擦力の低減を重視した材料で凸部25,35を形成することで、凸部25,35と外周面200aとの間の摩擦力を低減させつつ、検出センサ1の耐久性を十分に高めることができる。
また、この電力計100によれば、電線200に供給されている電圧を検出する上記の検出センサ1を備えたことにより、電線200に供給されている電圧を検出センサ1によって正確に検出することができるため、電線200に供給されている電力を正確に測定することができる。
なお、検出センサおよび測定装置は、上記の構成に限定されない。例えば、クリップ片2の中間部24、およびクリップ片3の中間部34の双方に凸部25および凸部35をそれぞれ配設した例について上記したが、中間部24,34の一方にのみ凸部25または凸部35を配設する構成を採用することもできる。
また、凸部25,35を樹脂(上記の例では、フッ素樹脂やポリアセタール)で形成した例について上記したが、樹脂以外の材料(例えば、金属)で凸部25,35を形成する構成を採用することもできる。また、クリップ片2,3における凸部25,35を除く部分(本体部分)を形成する材料の摩擦係数よりも低摩擦係数の材料で凸部25,35を形成した例について上記したが、本体部分と凸部25,35とを同じ材料(低摩擦係数が同じ材料)で形成する構成を採用することもできる。
また、3本のリブ状の凸部25,35を配設した構成例について上記したが、凸部25,35の数は3本以外の任意の数(1本または2本または4本以上)に規定することができる。
また、クリップ片2の本体部分(凸部25を除く部分)と凸部25とを射出成形によって一体に形成した例について上記したが、本体部分と凸部25とを削りだし(切削加工)によって一体に形成する構成を採用することもできる。これと同様にして、クリップ片3の本体部分(凸部35部を除く部分)と凸部35とを削りだしによって一体に形成する構成を採用することもできる。また、クリップ片2の本体部分と別体に形成した凸部25を本体部分に取り付ける構成を採用することもできる。また、これと同様にして、クリップ片3の本体部分と別体に形成した凸部35を本体部分に取り付ける構成を採用することもできる。
また、クリップ片2,3の中間部24,34の各対向面(内面)に凸部25,35を設けることなく(つまり、対向面を平坦面にした状態で)、中間部24,34の少なくとも一方の対向面(内面)を、その対向面を除く部分(本体部分)を形成する材料(一例として、ポリカーボネートやABS樹脂)の摩擦係数よりも低摩擦係数の材料(一例として、フッ素樹脂やポリアセタール)で形成する構成を採用することもできる。この場合、このように対向面と本体部分とを異なる材料で形成するときには、本体部分を形成する材料と対向面を形成する材料との2種類の材料を用いた2色射出成形(ダブルモールド)またはインサート成形によってクリップ片の本体部分と対向面とを一体に形成することができる。また、低摩擦係数の材料で形成した板体、シート体およびテープ等を、中間部に固定(例えば、貼付)して対向面とすることもできる。
この構成においても、対向面と電線200(検出対象)の外周面200aとの間の摩擦力を低減させることができる結果、各クリップ片2,3の先端部22,32同士が近接するように各クリップ片2,3を回動させる近接操作が行われる際に、電線200が各中間部24,34の間に位置していたとしても、各中間部24,34が電線200を摺動させつつ挟持部22a,32aに向けて確実に移動させることができ、この結果、挟持部22a,32aによって電線200を確実に挟持させることができる。したがって、この構成によれば、検出素子61に電線200を確実に対向させた状態で電圧を検出することができる結果、電線200に供給されている電圧を正確に検出することができる。また、この構成によれば、本体部分と対向面とを異なる材料で形成することができるため、例えば、強度や絶縁性を重視した材料で本体部分を形成し、摩擦力の低減を重視した材料で対向面を形成することで、対向面と電線200の外周面200aとの間の摩擦力を低減させつつ、検出センサの耐久性を十分に高めることができる。
また、中間部24,34の一方の対向面に凸部を設けると共に、中間部24,34の他方の対向面には凸部を設けることなく(平坦面にした状態で)本体部分を形成する材料よりも低摩擦係数の材料でその対向面を形成する構成を採用することもできる。
さらに、被測定量としての電圧を検出する検出センサ1、および検出センサ1によって検出された電圧と電流検出部102によって検出された電流とに基づいて電力を測定する電力計100に適用した例について上記したが、被測定量としての電流を検出する検出センサ、およびその検出センサによって検出された電流と電圧検出部によって検出された電圧とに基づいて電力を測定する電力計に適用することもでき、この構成においても、上記の各効果を実現することができる。また、電圧を検出する検出センサ1を備えた電圧計(測定装置の他の一例)や、電流を検出する検出センサを備えた電流計(測定装置のさらに他の一例)に適用することもできる。
また、検出センサ1が検出する被測定量には、電流や電圧の他に、抵抗値、電力値、位相、温度、湿度、歪み、輝度、照度、雨量および流量などの各種の物理量が含まれる。また、被測定量には、物理量の他に、原子量・分子量・化学式量・化学当量などの化学量が含まれる。
また、検出対象の一例としての電線200を挟持して電線200についての被測定量を測定する例について上記したが、検出対象は電線200に限定されない。例えば、検出対象としてのバスバーを挟持して被測定量を測定することもできる。また、水道管やガス管などを検出対象として、水道管に流れる水の流量や温度を測定したり、ガス管に流れるガスの流量や温度を測定することもできる。