JP6198385B2 - 情報処理装置、情報処理装置の制御方法、及びプログラム - Google Patents

Description

本発明は情報処理装置、情報処理装置の制御方法、及びプログラムに関する。

近年、ＩＥＥＥ８０２．１１規格に準拠した無線ＬＡＮを備える情報処理装置が数多く製品化されている。また、無線通信を実行する無線通信部の消費電力を削減するための技術として、特許文献１に記載されているような無線ＬＡＮのパワーセーブモードが知られている。このパワーセーブモードについて、図１、図２、図３を用いて説明する。

図１は、パワーセーブモードが無効の場合に実行される処理を示す。図１では、無線ＬＡＮを備える情報処理装置として印刷装置を例にして説明する。印刷装置においてパワーセーブモードが無効である場合、印刷装置の無線通信部は常にＡｗａｋｅ状態、つまり電力が供給された状態になる。無線通信部がＡｗａｋｅ状態の場合、印刷装置は無線通信を使用してサーバ等の外部装置にデータを送信したり、外部装置から送信されたデータを受信することができる。

印刷装置宛てのデータを外部装置からアクセスポイントが受信すると（１０１）、アクセスポイントは印刷装置にデータを送信する（１０２）。なお、アクセスポイントは一定の間隔でビーコン（Ｂｅａｃｏｎ）と呼ばれる信号を周辺の機器に向けて送信しているが、図１の１０２で示すデータの送信は、このビーコンの間隔とは関係なく実行される。

次に図２を用いてパワーセーブモードが有効の場合に実行される処理を説明する。パワーセーブモードが有効の場合、無線通信部はＡｗａｋｅ状態とＤｏｚｅ状態との遷移を繰り返す。Ｄｏｚｅ状態とは、無線通信部への電力の供給が遮断、もしくは低減される状態であり、無線通信部がＤｏｚｅ状態の場合、印刷装置は無線通信を使用して外部装置にデータを送信したり、外部装置から送信されたデータを受信することができない。

パワーセーブモードが有効の場合、無線通信部はアクセスポイントのビーコン間隔に同期してＤｏｚｅ状態からＡｗａｋｅ状態に間欠的に遷移する（２０１〜２０３）。外部装置から送信されたデータ（印刷装置宛てのデータ）を受信したアクセスポイントは、ＴＩＭ（Ｔｒａｆｆｉｃ Ｉｎｄｉｃａｔｉｏｎ Ｍｅｓｓａｇｅ）もしくはＤＴＩＭ（Ｄｅｌｉｖｅｒｙ Ｔｒａｆｆｉｃ Ｉｎｄｉｃａｔｉｏｎ Ｍｅｓｓａｇｅ）という情報を使用して、印刷装置宛てのデータがあることを印刷装置に通知する（２０４、２０５）。ＴＩＭは、印刷装置宛てのデータがあることを印刷装置に通知するための情報である。また、ＤＴＩＭはＴＩＭの一種であり、送信するデータがマルチキャスト、ブロードキャストであることを示す情報である。

図２の２０６のタイミングでＡｗａｋｅ状態に遷移した印刷装置は、２０５で通知されたＴＩＭを受信する。そして印刷装置は、アクセスポイントに対してデータを送信するように要求する（２０７）。２０７の要求を受けたアクセスポイントは、印刷装置へデータ１を送信する（２０８）。

パワーセーブモードが有効の場合、Ａｗａｋｅ状態で所定時間（例えばビーコン間隔の半分の時間）印刷装置とアクセスポイントとの間でデータの送受信が発生しないことを条件にして、無線通信部はＡｗａｋｅ状態からＤｏｚｅ状態に遷移する。図２では、データ１の受信が完了してから所定時間２０９経過したときに、無線通信部がＡｗａｋｅ状態からＤｏｚｅ状態に遷移する（２１０）。Ｄｏｚｅ状態に遷移した後は、２０１〜２０３と同様に、無線通信部はアクセスポイントのビーコン間隔に同期してＤｏｚｅ状態からＡｗａｋｅ状態に間欠的に遷移する。なお、無線通信部がＡｗａｋｅ状態からＤｏｚｅ状態に遷移する条件は、所定時間２０９の経過に限らない。アクセスポイントに印刷装置宛てのデータが蓄積されていないことをビーコンによって確認したことを条件に、無線通信部がＡｗａｋｅ状態からＤｏｚｅ状態に遷移してもよい。

無線ＬＡＮのパワーセーブモードを有効にすることによって、無線通信部の消費電力を低減することができる。しかしながら、無線ＬＡＮのパワーセーブモードを有効にすると、アクセスポイントから送信されたデータ（例えば印刷データ）を印刷装置が受信する際に、通信遅延が発生しやすくなってしまう。遅延が発生しやすくなる理由を、図３を用いて説明する。

大容量のデータ（サイズの大きいデータ）をアクセスポイントを介して外部装置から印刷装置に送信する場合、大容量のデータは分割されて送信される。図３では、大容量のデータがデータ１、データ２、データ３と分割されて送信される例を示す。３０１で外部装置から送信されたデータ１をアクセスポイントが受信する。パワーセーブモードが無効であれば、アクセスポイントは印刷装置へのデータ１の送信をすぐに開始することができるが、パワーセーブモードが有効であるため、印刷装置へのデータ１の送信は次のビーコンのタイミングまで待ってから実行される。つまり、パワーセーブモードが無効の場合と比較して、時間３０２の通信遅延が発生することになる。

データ１の受信を完了した印刷装置の無線通信部は、所定時間データの送受信がなければ３０３のタイミングでＡｗａｋｅ状態からＤｏｚｅ状態に遷移する。アクセスポイントがデータ２を情報処理装置から受信するタイミングが図３のように３０３より後になると、データ２の印刷装置への送信は次のビーコンのタイミングまで待ってから実行される。つまり、データ２を印刷装置に送信する際にも、時間３０４の通信遅延が発生することになる。また、データ３を印刷装置に送信する際にも、同様に時間３０５の通信遅延が発生する。

図３では大容量データを３つのデータに分割した例を説明したが、実際にデータを送信する際には分割後のデータの数は膨大な数になるため、通信遅延がより顕著になる。これを解決するための技術として、特許文献２は、動画や音声等のストリーミングデータを受信するときに、無線ＬＡＮのパワーセーブモードを無効にする通信端末装置を開示している。特許文献２の通信端末装置は、動画や音声等のストリーミングデータを受信するときに無線ＬＡＮのパワーセーブモードを無効にするため、図３の３０４や３０５で示した通信遅延の発生を防止することができる。

特開２００２−３００１７５号公報 特開２００９−０７１３８５号公報

特許文献２によれば、無線ＬＡＮのパワーセーブモードについて、動画や音声等のストリーミングデータを受信する際に発生する通信遅延を防止することができる。しかしながら、特許文献２では、ストリーミングデータを受信したことに応じてパワーセーブモードを無効にするため、図３の３０２で示した通信遅延の発生を防止することはできない。また、特許文献２では、通信端末装置が受信するデータが通信遅延が発生しやすいデータであったとしても、受信するデータが動画や音声等のストリーミングデータでなければパワーセーブモードを無効にすることができない。
そこで本発明では、パワーセーブモードを有効にした場合に発生しやすい通信遅延を防止することを目的とする。

上述した課題を解決するために、本発明が提供する情報処理装置は、無線通信を実行し、Ａｗａｋｅ状態とＤｏｚｅ状態の遷移をアクセスポイントのビーコンに同期して繰り返すパワーセーブモードで動作可能な無線通信部を備える情報処理装置であって、前記パワーセーブモードを使用するか否かをユーザ指示に従って設定する設定手段と、画面を表示する表示手段と、前記設定手段によって前記パワーセーブモードを使用すると設定されている場合に、前記表示手段が所定の画面を表示することを条件にして、前記パワーセーブモードを一時的に無効にする制御手段とを備えることを特徴とする。

本発明によれば、外部装置から送信されるデータを受信することが予想される特定の画面を表示する際にパワーセーブモードを無効にするため、パワーセーブモードを有効にした場合に発生しやすい通信遅延を防止することができる。

従来技術におけるパワーセーブモードが無効のときに実行される処理を示す図である。 従来技術におけるパワーセーブモードが有効のときに実行される処理を示す図である。 通信遅延の発生について説明する図である。 通信システム４００を示す図である。 印刷装置４０１のハードウェア構成を示す図である。 メニュー画面を示す図である。 コピー画面を示す図である。 クラウド印刷画面を示す図である。 メンテナンス画面を示す図である。 設定画面を示す図である。 管理テーブル１１００を示す図である。 印刷装置が画面を表示する際に実行される処理を示すフローチャートである。 パワーセーブモードの有効と無効の切り替えを示す図である。 画面情報を示す図である。

以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。なお、以下の実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものでなく、また実施の形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須のものとは限らない。

（実施形態１）
図４を用いて本実施形態に係る通信システム４００の構成を説明する。通信システム４００は、印刷装置４０１、サーバ４０２、アクセスポイント４０３を備える。印刷装置４０１とサーバ４０２は、アクセスポイント４０３を介して無線通信を実行可能である。サーバ４０２は、印刷データやメンテナンス動画をアクセスポイント４０３を介して印刷装置４０１に送信可能である。

次に、図５を用いて印刷装置４０１のハードウェア構成を説明する。印刷装置４０１は、コピー機能、プリント機能、スキャン機能、送信機能等を備える複合機である。なお、本実施形態では複合機を例にして説明するが、印刷装置４０１は複合機に限るものではない。印刷装置４０１は上述した機能をすべて備える必要はなく、プリンタ機能のみを備えるプリンタであっても良い。また、他の機能を備えていても良い。また、印刷装置４０１は無線通信部を備える情報処理装置の一例であり、無線通信部を備える情報処理装置は印刷装置に限らず、ＰＣ（Ｐｅｒｓｏｎａｌ Ｃｏｍｐｕｔｅｒ）であってもよい。

印刷装置４０１は、制御部５００、操作部５２０、プリンタ５３０、スキャナ５４０、有線通信部５５０、無線通信部５６０を備える。制御部５００のＣＰＵ５０１は、ＲＯＭ５０２に記憶された制御プログラムを読み出して、印刷装置４０１全体の動作を制御する。ＲＡＭ５０３は、ＣＰＵ５０１の主メモリ、ワークエリア等の一時記憶領域として用いられる。ＮＶＲＡＭ５０４は不揮発性メモリであり、様々な情報を記憶する。ＨＤＤ５０５は、フォントデータ、エミュレーションプログラム、フォームデータを記憶するための記憶領域として用いられる。

なお、印刷装置４０１は、１つのＣＰＵ５０１が１つのメモリ（ＲＡＭ５０３またはＨＤＤ５０５）を用いて後述するフローチャートに示す各処理を実行するものとするが、他の態様であっても構わない。例えば、複数のＣＰＵや複数のＲＡＭまたはＨＤＤを協働させて後述するフローチャートに示す各処理を実行するようにすることもできる。

操作部Ｉ／Ｆ５０６は、操作部５２０と制御部５００とを接続する。制御部５００と操作部５２０は操作部Ｉ／Ｆ５０６を介してデータの受け渡しを行う。操作部５２０にはタッチパネル機能を有する液晶表示部やキーボードなどが備えられている。ユーザは操作部５２０を介して印刷装置４０１に指示を入力することができる。

プリンタＩ／Ｆ５０７は、プリンタ５３０と制御部５００とを接続する。制御部５００とプリンタ５３０はプリンタＩ／Ｆ５０７を介してデータの受け渡しを行う。プリンタ５３０は、サーバ４０２や外部のＰＣから受信した印刷データや、スキャナ５４０が生成した画像データに基づいて印刷処理を実行する。

スキャナＩ／Ｆ５０８は、スキャナ５４０と制御部５００とを接続する。制御部５００とスキャナ５４０はスキャナＩ／Ｆ５０８を介してデータの受け渡しを行う。スキャナ５４０は、原稿を読み取って画像データを生成する。

有線通信部Ｉ／Ｆ５０９は、有線通信部５５０と制御部５００とを接続する。制御部５００と有線通信部５５０は、有線通信部Ｉ／Ｆ５０９を介してデータの受け渡しを行う。有線通信部５５０は不図示のＬＡＮケーブルが接続され、ネットワーク上の外部装置と通信を実行することができる。

無線通信部Ｉ／Ｆ５１０は、無線通信部５６０と制御部５００とを接続する。制御部５００と無線通信部５６０は、無線通信部Ｉ／Ｆ５１０を介してデータの受け渡しを行う。無線通信部５６０は、アクセスポイント４０３を介してネットワーク上の外部装置と無線通信を実行することができる。

電力制御部５１１は、印刷装置４０１の各ユニット（制御部５００、操作部５２０、プリンタ５３０、スキャナ５４０、有線通信部５５０、無線通信部５６０）への不図示の電源からの電力供給を制御する。

本実施形態では、印刷装置４０１の無線通信部５６０はパワーセーブモードを備える。パワーセーブモードが無効の場合、無線通信部５６０は常にＡｗａｋｅ状態、つまり電力制御部５１１によって電力が供給された状態になる。無線通信部５６０がＡｗａｋｅ状態の場合、印刷装置４０１は無線通信を使用して外部装置にデータを送信したり、外部装置から送信されたデータを受信することができる。

一方、パワーセーブモードが有効の場合、無線通信部５６０はＡｗａｋｅ状態とＤｏｚｅ状態との遷移を繰り返す。Ｄｏｚｅ状態とは、電力制御部５１１による無線通信部５６０への電力の供給が遮断、もしくは低減される状態である。無線通信部５６０がＤｏｚｅ状態の場合、印刷装置４０１は無線通信を使用して外部装置にデータを送信したり、外部装置から送信されたデータを受信することができない。

パワーセーブモードが有効の場合、印刷装置４０１の無線通信部５６０はアクセスポイント４０３のビーコン間隔に同期してＤｏｚｅ状態からＡｗａｋｅ状態に遷移する。パワーセーブモードが無効の場合と比較すると、パワーセーブモードを有効にすると印刷装置４０１の無線通信部５６０の消費電力を低減することができる。

次に図６〜図１０を用いて、印刷装置４０１の操作部５２０に表示される画面について説明する。図６〜図１０の各画面は、印刷装置４０１のＨＤＤ５０５に予め格納されている画面データに基づいて表示される。なお、本実施形態では操作部５２０はタッチパネルで構成されていて、所望のボタン・項目をユーザはタッチ操作で選択することができる。

図６はメニュー画面６００である。メニュー画面６００にはボタン６０１〜６０５が表示されていて、ユーザは所望のボタンを選択することで印刷装置４０１が提供する機能を利用することができる。

ユーザがコピー機能を利用したい場合、メニュー画面６００においてユーザはボタン６０１を選択する。ボタン６０１が選択されると、操作部５２０には図７に示すコピー画面７００が表示される。コピー画面７００では、カラー印刷の設定、ステイプルの設定、両面印刷の設定などのコピー設定を行うことが可能である。ユーザがコピー設定を行い、不図示の実行ボタンを押下すると、コピー設定に基づいてコピーが実行される。なお、ボタン７０１をユーザが選択するとメニュー画面６００が、ボタン７０２をユーザが選択すると現在表示している画面の１つ前に表示していた画面が操作部５２０に表示される。

ユーザがクラウド印刷機能を利用したい場合、メニュー画面６００においてユーザはボタン６０２を選択する。クラウド印刷機能とは、サーバ４０２に予め記憶されている印刷データを印刷装置４０１が取得し、そして取得した印刷データに基づいて印刷装置４０１が印刷を実行する機能である。

メニュー画面６００においてボタン６０２が選択されると、図８（ａ）に示すクラウド印刷画面８００が表示される。リスト８０３にはサーバ４０２に予め記憶されている印刷データが表示される。クラウド印刷画面８００では、印刷データ８０４、印刷データ８０５、印刷データ８０６、印刷データ８０７の４つの印刷データがサーバ４０２に記憶されている。ユーザがリスト８０３において所望の印刷データを選択し、印刷実行ボタン８０８を選択すると、印刷装置４０１はアクセスポイント４０３を介してサーバ４０２からユーザが選択した印刷データを取得し、そして取得した印刷データに基づいて印刷を実行する。

ユーザが所望の印刷データとして例えば印刷データ８０５を選択して印刷実行ボタン８０８を選択すると、印刷装置４０１は印刷データ８０５の取得を開始し、操作部５２０には図８（ｂ）に示すクラウド印刷画面８１０が表示される。８１１には、印刷データ８０５を取得中である旨が表示される。印刷装置４０１が印刷データの取得を完了すると、印刷装置４０１は印刷データ８０５の印刷を開始し、操作部５２０には図８（ｃ）に示すクラウド印刷画面８２０が表示される。８２１には、印刷データ８０５の印刷を実行中である旨が表示される。印刷装置４０１が印刷データ８０５の印刷を完了すると、操作部５２０には図８（ｄ）に示すクラウド印刷画面８３０が表示される。

なお、クラウド印刷画面８００においてボタン８０１をユーザが選択するとメニュー画面６００が、ボタン８０２をユーザが選択すると現在表示している画面の１つ前に表示していた画面が操作部５２０に表示される。

メニュー画面６００においてユーザがボタン６０３を選択すると、操作部５２０には図９（ａ）に示すメンテナンス画面９００が表示される。メンテナンス画面９００には、メンテナンス項目としてトナー交換、ジャム（紙詰まり）解消、キャリブレーションの３項目（項目９０３〜９０５）が表示される。

ユーザが項目９０３〜９０５のいずれかを選択し閲覧ボタン９０６を選択すると、選択したメンテナンス項目に対応するメンテナンス動画が操作部５２０に表示される。図９（ｂ）に示すメンテナンス画面９１０は、メンテナンス画面９００においてユーザが項目９０３の「トナー交換」を選択した場合に表示される画面である。９１１にはトナー交換の手順を説明するメンテナンス動画が表示される。９１１に表示されるメンテナンス動画は、印刷装置４０１がサーバ４０２から取得する動画データに基づいて表示される。ユーザはシークバー９１２を用いることでメンテナンス動画の再生位置を調整可能である。また、一時停止ボタン９１３を選択すると、９１１に表示されるメンテナンス動画を所望の再生位置で一時停止させることができる。

なお、メンテナンス画面９００においてボタン９０１をユーザが選択するとメニュー画面６００が、ボタン９０２をユーザが選択すると現在表示している画面の１つ前に表示していた画面が操作部５２０に表示される。

メニュー画面６００においてユーザがボタン６０４を選択すると、操作部５２０には図１０（ａ）に示す設定画面１０００が表示される。設定画面１０００において、ユーザは印刷装置４０１の各種設定を行うことができる。設定画面１０００においてユーザがボタン１００３を選択すると、不図示のネットワーク設定画面が操作部５２０に表示される。ネットワーク設定画面では、印刷装置４０１のＩＰｖ４アドレス、ＩＰｖ６アドレスの設定などを行うことができる。同様に、ボタン１００５を選択するとアドレス帳設定画面が、ボタン１００６を選択するとその他のネットワーク設定画面が操作部５２０に表示される。

設定画面１０００においてユーザがボタン１００４を選択すると、図１０（ｂ）に示す設定画面１０１０が操作部５２０に表示される。設定画面１０１０は、無線ＬＡＮのパワーセーブモードを有効にするか又は無効にするかをユーザが指定するための設定画面である。設定画面１０１０においてユーザがＯＮボタン１０１１を選択すると、印刷装置４０１においてパワーセーブモードが有効になる。一方、設定画面１０１０においてユーザがＯＦＦボタン１０１２を選択すると、印刷装置４０１においてパワーセーブモードが無効になる。

なお、設定画面１０００においてボタン１００１をユーザが選択するとメニュー画面６００が、ボタン１００２をユーザが選択すると現在表示している画面の１つ前に表示していた画面が操作部５２０に表示される。

メニュー画面においてユーザがボタン６０５を選択すると、不図示の履歴画面が操作部５２０に表示される。この履歴画面には、印刷装置４０１で実行された各種ジョブ（例えば印刷ジョブ）の履歴が表示される。

以上、図６〜図１０を用いて印刷装置４０１の操作部５２０に表示される画面について説明した。本実施形態は、通信遅延が発生しやすいデータを受信することが予想される特定の画面を表示する際に、パワーセーブモードを無効にすることを特徴とする。例えば図８に示すクラウド印刷画面８００が操作部５２０に表示される場合、サーバ４０２から大容量データである印刷データを受信することが予想されるため、印刷装置４０１は無線ＬＡＮのパワーセーブモードを無効にする。また、図９に示すメンテナンス画面が操作部５２０に表示される場合、サーバ４０２から大容量データである動画データを受信することが予想されるため、印刷装置４０１は無線ＬＡＮのパワーセーブモードを無効にする。

図１１に示す管理テーブル１１００は、操作部５２０に表示される各種画面について、パワーセーブモードを無効にする必要がある画面であるか否かを示す管理テーブルである。管理テーブル１１００は、印刷装置４０１のＨＤＤ５０５に記憶される。本実施形態では、管理テーブル１１００は製品出荷時から予めＨＤＤ５０５に記憶されることとする。

本実施形態では、図８で説明したクラウド印刷画面及び図９で説明したメンテナンス画面は、パワーセーブモード無効への切り替えが必要な画面として管理されている。これらの画面は、印刷装置４０１がサーバ４０２から大容量データを受信することが予想される画面であり、パワーセーブモードを有効にした場合に発生しやすい通信遅延を防止するために、パワーセーブモードを無効にすることが望ましい。なお、管理テーブル１１００のクラウド印刷画面は図８（ａ）のクラウド印刷画面８００に限らず、クラウド印刷画面８１０、８２０、８３０も含むこととする。また、管理テーブル１１００のメンテナンス画面はメンテナンス画面９００に限らず、メンテナンス画面９１０や、トナー交換以外のメンテナンス動画（ジャム解消やキャリブレーションに関するメンテナンス動画）も含むこととする。

一方、メニュー画面、コピー画面、設定画面、履歴画面は、パワーセーブモード無効への切り替えが不要な画面として管理されている。これらの画面は、印刷装置４０１がサーバ４０２から大容量データを受信することのない画面であるため、パワーセーブモードの無効への切り替えが不要であると管理されている。なお、管理テーブル１１００のコピー画面は図７のコピー画面７００に限らず、コピー機能に関してカラー選択や用紙選択を行うための不図示の設定画面もコピー画面に含むこととする。また同様に、管理テーブル１１００の設定画面は図１０の設定画面に限らず、設定画面１０１０やパワーセーブモード以外の設定画面も含むこととする。

管理テーブル１１００は、クラウド印刷画面とメンテナンス画面を、外部装置から送信されるデータを受信する可能性がある画面、つまり、パワーセーブモードを無効にすべき画面として管理している。また、管理テーブル１１００は、メニュー画面、コピー画面、設定画面、履歴画面を、設定画面１０１０でのユーザの指定に従ってパワーセーブモードを有効もしくは無効にする画面として管理している。

次に印刷装置４０１が操作部５２０に画面を表示する際に実行される処理について、図１２のフローチャートを用いて説明する。図１２のフローチャートに示す各ステップは、印刷装置４０１のＣＰＵ５０１がＲＯＭ５０２等のメモリに格納されたプログラムをＲＡＭ５０３に展開して実行することによって処理される。なお、印刷装置４０１は、図１０の設定画面１０１０において、パワーセーブモードを有効にするか、もしくは無効にするかをユーザによって予め設定されていることとする。この設定は印刷装置４０１のＮＶＲＡＭ５０４に記憶される。

印刷装置４０１の電源がＯＮになると、まずステップＳ１２０１において操作部５２０は図６のメニュー画面６００を表示する。次にステップＳ１２０２において、ＣＰＵ５０１は操作部５２０が表示する画面について、画面遷移が発生したか否かを判定する。例えばメニュー画面６００においてボタン６０１〜６０５のいずれかのボタンをユーザが選択すると、ステップＳ１２０２において画面遷移が発生したとＣＰＵ５０１が判定する。ステップＳ１２０２において画面遷移が発生したとＣＰＵ５０１が判定すると、ステップＳ１２０３に進む。一方、ステップＳ１２０２において画面遷移が発生したとＣＰＵ５０１が判定しない場合は、ステップＳ１２０９に進む。

ステップＳ１２０３において、操作部５２０はユーザの選択に基づいて表示する画面を変更する。そしてステップＳ１２０４において、ＣＰＵ５０１は変更後の画面がパワーセーブモードを無効にすべき画面であるか否かを判定する。本実施形態では、変更後の画面の種類と図１１の管理テーブル１１００とに基づいて、ＣＰＵ５０１は変更後の画面がパワーセーブモードを無効にすべき画面であるか否かを判定する。変更後の画面が管理テーブル１１００において「必要」と管理されている画面、つまりクラウド印刷画面、又はメンテナンス画面であれば、ＣＰＵ５０１は変更後の画面がパワーセーブモードを無効にすべき画面であると判定し、ステップＳ１２０５に進む。一方、変更後の画面が管理テーブル１１００において「不要」と管理されている画面であれば、ＣＰＵ５０１は変更後の画面がパワーセーブモードを無効にすべき画面ではないと判定し、ステップＳ１２０７に進む。

次にステップＳ１２０５について説明する。ステップＳ１２０５において、ＣＰＵ５０１はユーザによって「パワーセーブモード有効」に設定されているか否かを判定する。図１０の設定画面１０１０においてユーザがパワーセーブモードを有効に設定していれば、ステップＳ１２０５においてＣＰＵ５０１はユーザによって「パワーセーブモード有効」に設定されていると判定し、ステップＳ１２０６に進む。そしてステップＳ１２０６において、ＣＰＵ５０１はパワーセーブモードを無効にし、ステップＳ１２０９に進む。ステップＳ１２０６でパワーセーブモードが無効になると、無線通信部５６０はパワーセーブモードが無効になったことをアクセスポイント４０３に通知する。一方、図１０の設定画面１０１０においてユーザがパワーセーブモードを無効に設定していれば、ステップＳ１２０５においてＣＰＵ５０１はユーザによって「パワーセーブモード有効」に設定されていないと判定し、ステップＳ１２０９に進む。

次にステップＳ１２０７について説明する。ステップＳ１２０７において、ＣＰＵ５０１はユーザによって「パワーセーブモード有効」に設定されているか否かを判定する。図１０の設定画面１０１０においてユーザがパワーセーブモードを有効に設定していれば、ステップＳ１２０７においてＣＰＵ５０１はユーザによって「パワーセーブモード有効」に設定されていると判定し、ステップＳ１２０８に進む。そしてステップＳ１２０８において、ＣＰＵ５０１はパワーセーブモードを有効にし、ステップＳ１２０９に進む。ステップＳ１２０８でパワーセーブモードが有効になると、無線通信部５６０はパワーセーブモードが有効になったことをアクセスポイント４０３に通知する。一方、図１０の設定画面１０１０においてユーザがパワーセーブモードを無効に設定していれば、ステップＳ１２０７においてＣＰＵ５０１はユーザによって「パワーセーブモード有効」に設定されていないと判定し、ステップＳ１２０９に進む。

次にステップＳ１２０９について説明する。ステップＳ１２０９において、ＣＰＵ５０１は不図示の電源ボタンによって印刷装置４０１が電源ＯＦＦにされたか否かを判定する。ステップＳ１２０９において印刷装置４０１が電源ＯＦＦにされたとＣＰＵ５０１が判定すると、印刷装置４０１は電源オフになり、本フローチャートが示す処理を終了する。一方、ステップＳ１２０９において印刷装置４０１が電源ＯＦＦにされていないＣＰＵ５０１が判定すると、ステップＳ１２０２に戻る。

以上のように、本実施形態によれば、表示する画面がパワーセーブモードを無効にすべき特定の画面、つまり外部装置から大容量データを受信することが予想される画面である場合に、パワーセーブモードを一時的に無効にすることができる。これについて図１３を用いて詳しく説明する。

図１３は、ユーザによって「パワーセーブモード有効」に設定され、操作部５２０がメニュー画面６００を表示する場合に実行される処理を示す。操作部５２０が表示する画面がタイミング１３０１でメニュー画面６００からクラウド印刷画面８００に変更されると、画面の変更に基づいてタイミング１３０２でパワーセーブモードが無効になる（図１２のステップＳ１２０６）。アクセスポイント４０３を介してサーバ４０２から送信される印刷データ（図１３ではデータ１、データ２、データ３の３つに分割されている）を印刷装置４０１が受信するときには、パワーセーブモードが無効になっている。従って、図３で説明した時間３０２、時間３０４、時間３０５が示す通信遅延の発生を防止することができる。

操作部５２０が表示する画面がタイミング１３０３でクラウド印刷画面８００からメニュー画面６００に変更されると、画面の変更に基づいてタイミング１３０４でパワーセーブモードが有効になる（図１２のステップＳ１２０８）。これにより、印刷装置４０１におけるパワーセーブモードを無効にする変更を一時的な変更にすることができるため、印刷装置４０１の無線通信部５６０における消費電力の低減も実現することができる。

（実施形態２）
実施形態１では、画面の遷移によってパワーセーブモードを有効、又は無効に切り替える構成を説明した。これに対して本実施形態では、印刷装置４０１がサーバ４０２から送信されたデータを受信している間は、表示する画面がパワーセーブモードを有効にすべき画面（例えばメニュー画面６００）に変更されたとしても、パワーセーブモードを無効のまま維持する。

例えば、サーバ４０２から印刷データを受信している間に、ボタン８０１がユーザによって選択されたことによって表示する画面がメニュー画面６００に変更されたとしても、パワーセーブモードを無効のまま維持する。そして印刷データの受信が完了したことに応じてパワーセーブモードを有効に切り替える。

もし印刷装置４０１がサーバ４０２から送信されたデータを受信している間にパワーセーブモードを有効にしてしまうと、通信遅延が発生しやすくなってしまうという課題がある。本実施形態によって、この課題を解決することができる。

（実施形態３）
印刷装置４０１の操作部５２０がＷｅｂブラウザ機能を備える場合、操作部５２０は、サーバ４０２から取得したＨＴＭＬファイル等の画面情報に基づいて画面を表示することが可能である。そこで本実施形態では、サーバ４０２から取得した画面情報に基づいてパワーセーブモードを無効、もしくは有効に切り替える方法について説明する。

本実施形態における通信システムの構成は実施形態１と同様であるため、実施形態１と同様の図面を用いて説明する。本実施形態と実施形態１との違いは、印刷装置４０１の操作部５２０がＷｅｂブラウザ機能を備える点であり、図６〜図１０で説明した各種画面は、サーバ４０２から取得したＨＴＭＬファイル等の画面情報に基づいて操作部５２０に表示される。

図１４は印刷装置４０１がサーバ４０２から取得する画面情報の例を示す。図１４（ａ）に示す画面情報１４００は、メニュー画面６００を表示するための画面情報である。また、図１４（ｂ）に示す画面情報は、クラウド印刷画面８００を表示するための画面情報である。

本実施形態では、サーバ４０２から取得する画面情報には、独自タグである＜ｐｏｗｅｒ＿ｓａｖｅ＞タグが含まれている。この独自タグは、印刷装置４０１がパワーセーブモードを無効、もしくは有効に切り替えるために参照する識別情報として利用される。タグ１４０１のように＜ｐｏｗｅｒ＿ｓａｖｅ ｍｏｄｅ＝ＯＮ＞になっている場合、当該画面情報に基づく画面を操作部５２０が表示する際にパワーセーブを無効にする必要がないことを示す。一方、タグ１４１１のように＜ｐｏｗｅｒ＿ｓａｖｅ ｍｏｄｅ＝ＯＦＦ＞になっている場合、当該画面情報に基づく画面を操作部５２０が表示する際にパワーセーブを無効にする必要があることを示す。

なお、コピー画面、設定画面、履歴画面を表示するための画面情報には、画面情報１４００と同様に＜ｐｏｗｅｒ＿ｓａｖｅ ｍｏｄｅ＝ＯＮ＞が含まれる。また、メンテナンス画面を表示するための画面情報には、画面情報１４１０と同様に＜ｐｏｗｅｒ＿ｓａｖｅ ｍｏｄｅ＝ＯＦＦ＞が含まれる。

実施形態１では、図１２のステップＳ１２０４において、変更後の画面の種類と図１１の管理テーブル１１００とに基づいて、変更後の画面がパワーセーブモードを無効にすべき画面であるか否かを判定した。これに対して本実施形態では、＜ｐｏｗｅｒ＿ｓａｖｅ＞タグに基づいて変更後の画面がパワーセーブモードを無効にすべき画面であるか否かを判定する。つまり、ＣＰＵ５０１は、変更後の画面を表示するための画面情報を取得した際に＜ｐｏｗｅｒ＿ｓａｖｅ＞タグを参照し、＜ｐｏｗｅｒ＿ｓａｖｅ ｍｏｄｅ＝ＯＦＦ＞であればステップＳ１２０４において変更後の画面がパワーセーブモードを無効にすべき画面であると判定する。一方、＜ｐｏｗｅｒ＿ｓａｖｅ ｍｏｄｅ＝ＯＮ＞であれば、ＣＰＵ５０１はステップＳ１２０４において変更後の画面がパワーセーブモードを無効にすべき画面ではないと判定する。

以上のように、本実施形態によれば、印刷装置４０１はサーバ４０２から取得した画面情報に基づいてパワーセーブモードを無効、もしくは有効に切り替えることができる。これにより、パワーセーブモードを有効にした場合に発生しやすい通信遅延を実施形態１と同様に防止することができる。

（その他の実施形態）
本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア（プログラム）を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ（またはＣＰＵやＭＰＵ等）がプログラムを読み出して実行する処理である。

４０１ 印刷装置
４０２ サーバ
４０３ アクセスポイント
５０１ ＣＰＵ
５６０ 無線通信部

Claims (10)

1. 無線通信を実行し、Ａｗａｋｅ状態とＤｏｚｅ状態の遷移をアクセスポイントのビーコンに同期して繰り返すパワーセーブモードで動作可能な無線通信部を備える情報処理装置であって、
   前記パワーセーブモードを使用するか否かをユーザ指示に従って設定する設定手段と、
   画面を表示する表示手段と、
   前記設定手段によって前記パワーセーブモードを使用すると設定されている場合に、前記表示手段が所定の画面を表示することを条件にして、前記パワーセーブモードを一時的に無効にする制御手段とを備えることを特徴とする情報処理装置。
2. 少なくとも前記表示手段が前記所定の画面を表示している間、前記パワーセーブモードは無効のまま維持されることを特徴とする請求項１に記載の情報処理装置。
3. 前記表示手段が前記所定の画面を表示している状態で前記無線通信部がデータの受信を開始した場合には、少なくとも前記データの受信が完了するまで、前記パワーセーブモードは無効のまま維持されることを特徴とする請求項１又は２に記載の情報処理装置。
4. 前記表示手段が前記所定の画面の表示を完了したことを条件にして、前記制御手段は、前記パワーセーブモードを有効に戻すことを特徴とする請求項１に記載の情報処理装置。
5. 前記所定の画面は、外部装置から動画データを取得する機能に関する画面であることを特徴とする請求項１乃至４のいずれか１項に記載の情報処理装置。
6. 前記動画データは、前記情報処理装置のメンテナンス手順を示す動画データであることを特徴とする請求項５に記載の情報処理装置。
7. 前記情報処理装置は、印刷データに基づいて印刷処理を実行する印刷装置であり、
   前記所定の画面は、外部装置から印刷データを取得する機能に関する画面であることを特徴とする請求項１乃至６のいずれか１項に記載の情報処理装置。
8. 前記情報処理装置は、印刷処理を実行可能な印刷装置であることを特徴とする請求項１乃至６のいずれか１項に記載の情報処理装置。
9. 無線通信を実行し、Ａｗａｋｅ状態とＤｏｚｅ状態の遷移をアクセスポイントのビーコンに同期して繰り返すパワーセーブモードで動作可能な無線通信部を備える情報処理装置の制御方法であって、
   前記パワーセーブモードを使用するか否かをユーザ指示に従って設定する設定ステップと、
   画面を表示する表示ステップと、
   前記設定ステップで前記パワーセーブモードを使用すると設定されている場合に、前記表示ステップにおいて所定の画面を表示することを条件にして、前記パワーセーブモードを一時的に無効にする制御ステップとを有することを特徴とする情報処理装置の制御方法。
10. 請求項９に記載の情報処理装置の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。

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