JP6187042B2 - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両のステアリング操作を補助する電動パワーステアリング装置に関する。
この種の電動パワーステアリング装置としては特許文献1に記載の装置がある。特許文献1に記載の電動パワーステアリング装置は、ホールICからなるトルクセンサ、運転者の操舵トルクに応じた磁束をトルクセンサに付与する磁気回路、及びモータの駆動を制御する制御装置を備えている。この電動パワーステアリング装置では、運転者のステアリング操作に伴い操舵トルクが変化すると、磁気回路からトルクセンサに付与される磁束が変化する。これによりトルクセンサから操舵トルクに応じた検出信号が出力される。制御装置は、トルクセンサの検出信号に基づいて操舵トルクを演算し、この操舵トルク検出値に基づいてアシスト指令値を演算する。そして制御装置はモータの出力トルクをアシスト指令値に追従させるべくモータの駆動を制御する。
また特許文献1に記載の電動パワーステアリング装置は、上記のような磁気回路とは別に、トルクセンサに磁界を周期的に付与する磁界発生装置を備えている。制御装置は、磁界発生装置を通じてトルクセンサに磁界を付与したとき、付与した磁界に応じた信号がトルクセンサから出力されるか否かを判断する。制御装置は、付与した磁界に応じた信号がトルクセンサから出力されなかった場合、トルクセンサに異常が生じたと判定する。また制御装置は、磁界発生装置からトルクセンサに磁界を付与する直前にトルクセンサの検出信号に基づいて操舵トルクを検出し、磁界発生装置から磁界を発生させている期間、操舵トルク検出値を保持する。
一方、電動パワーステアリング装置には、制御系の安定性や操舵感の向上を図るべく、操舵トルク検出値の1次時間微分値であるトルク微分値やモータの角速度などに基づいて補償値を演算し、演算した補償値に基づいてアシスト指令値に補償を施すものがある(例えば特許文献2及び特許文献3参照)。
特開2011−203091号公報 特開2006−131191号公報 特開2009−269540号公報
ところで、特許文献1に記載の電動パワーステアリング装置のように操舵トルク検出値の周期的な更新及び保持を交互に行う場合、操舵トルク検出値が周期的に更新されている状態と操舵トルクが保持されている状態とで制御系の特性が切り替わるため、制御系が不安定になり易い。制御系が不安定になると、例えばアシストトルクにより操舵機構に振動が生じるため、運転者に違和感を与えるおそれがある。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、操舵トルク検出値が保持される場合であっても、運転者の違和感を低減することのできる電動パワーステアリング装置を提供することにある。
上記課題を解決する電動パワーステアリング装置は、車両の操舵機構にアシスト力を付与するモータと、前記操舵機構に付与される操舵トルクに応じた検出信号を出力するトルクセンサと、前記モータの出力トルクをアシスト指令値に追従させるべく前記モータの駆動を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記検出信号に基づき操舵トルク検出値を演算するとともに、前記操舵トルク検出値に基づく基本アシスト指令値を補償値で補償することにより前記アシスト指令値を演算するものであり、所定のサンプリング周期で継続的に更新される前記操舵トルク検出値に基づき前記モータの駆動を制御する第1制御と、前記操舵トルク検出値が周期的に更新される期間及び前記操舵トルク検出値の保持される期間が交互に繰り返され少なくとも保持された操舵トルク検出値に基づき前記モータの駆動を制御する第2制御と、を切り替えて実行し、前記第1制御を実行しているときと、前記第2制御を実行しているときとで前記補償値を変更する。
この構成によれば、制御部が操舵トルク検出値の周期的な更新を継続的に行う状態から、操舵トルク検出値の周期的な更新及び保持を交互に行う状態へと切り替わった際に補償値が変更される。すなわち、制御系が不安定になり易い状態に切り替わった際に補償値を変更することにより制御系の安定性を確保する。これによりアシストトルクによる操舵機構の振動が抑制されるため、運転者の違和感を低減することができる。
ところで、電動パワーステアリング装置には、基本アシスト指令値に対する補償値として、トルク微分補償値を用いるものがある。トルク微分補償値は、例えば操舵トルク検出値の1次時間微分値であるトルク微分値に基づいて演算される。このような電動パワーステアリング装置では、制御部により操舵トルク検出値が周期的に更新される状態と操舵トルク検出値が保持される状態とが切り替わる際に操舵トルク検出値の変化傾向が急変する可能性がある。これによりトルク微分値が急峻に変化する可能性がある。トルク微分値の急峻な変化はトルク微分補償値の過出力を招く。これが制御系を不安定にさせる要因となる。
そこで上記電動パワーステアリング装置について、前記第2制御を実行しているとき、前記第1制御を実行しているときと比較して、前記トルク微分補償値の絶対値を小さくすることが好ましい。
この構成によれば、操舵トルク検出値が周期的に更新される状態と操舵トルク検出値が保持される状態とが切り替わる際のトルク微分補償値の過出力を抑制することができるため、制御系の安定性を確保することができる。
また上記電動パワーステアリング装置について、前記制御部は、前記トルク微分値の高周波成分を除去するローパスフィルタからなるフィルタ部を有し、前記フィルタ部を通じてフィルタリング処理されたトルク微分値に基づいて前記トルク微分補償値を演算するものであり、前記第2制御を実行しているとき、前記第1制御を実行しているときと比較して、前記フィルタ部のカットオフ周波数を小さくすることが好ましい。
この構成によれば、第2制御の実行の際にトルク微分値の急峻な変化を抑制することができるため、トルク微分補償値の急峻な変化を抑制することができる。これにより操舵機構の安定性を確保することができる。
一方、上記電動パワーステアリング装置について、前記制御部は、前記補償値として、前記モータの角速度の絶対値が大きくなるほど前記モータの回転を抑制するダンピング補償値を演算する場合、前記第2制御を実行しているとき、前記第1制御を実行しているときと比較して、前記ダンピング補償値の絶対値を大きくすることも好ましい。
この構成によれば、第2制御の実行に伴ってモータの角速度が急峻に変化するのを抑制することができるため、制御系の安定性を向上させることができる。
ところで、電動パワーステアリング装置には、基本アシスト指令値に対する補償値として、ステアリングホイールを中立位置に復帰させるステアリング戻し補償値を用いるものがある。ここで上記構成のように第2制御の実行の際にダンピング補償値の絶対値を大きくした場合、アシストトルクによる操舵機構の振動を抑制することができるものの、その背反としてステアリング戻し補償値の効果が相対的に低くなる。すなわちステアリングホイールの中立位置への戻り性能が悪化する。
そこで上記電動パワーステアリング装置について、前記第2制御を実行しているとき、前記第1制御を実行しているときと比較して、前記ステアリング戻し補償値の絶対値を大きくすることが好ましい。
この構成によれば、第2制御の実行の際にステアリング戻し補償値の絶対値が大きくなるため、ステアリングホイールの中立位置への戻り性能を確保することができる。そのため車両の操舵性を向上させることができる。
上記電動パワーステアリング装置について、前記制御部は、前記補償値を演算するためのマップを有することが好ましい。
この構成によれば、補償値を容易に変更することができる。
上記電動パワーステアリング装置について、前記トルクセンサは、前記検出信号を出力する検出部を2つ有し、前記2つの検出部は、前記検出部の異常を判定可能な異常診断信号の出力及び前記検出信号の出力を行うことが可能なものであり、前記制御部は、前記2つの検出部が共に正常な場合、前記第1制御として、前記2つの検出部からそれぞれ出力される前記検出信号の少なくとも一方に基づいて前記操舵トルク検出値の周期的な更新を継続しつつ前記モータの駆動を制御するとともに、前記2つの検出部からそれぞれ出力される検出信号の比較に基づき前記2つの検出部の異常を検出し、前記2つの検出部のいずれか一方に異常が検出された場合、前記第2制御として、異常の検出されていない他方の検出部から前記検出信号及び前記異常診断信号を交互に出力させ、少なくとも前記検出部から異常診断信号が出力されている期間、前記操舵トルク検出値を保持しながら前記モータの駆動制御を継続するとともに、前記異常診断信号に基づき前記他方の検出部の異常を検出することが好ましい。
この構成によれば、正常な検出部が一つのみになった場合でも、その異常の有無を監視しつつ、モータの駆動制御を継続することができる。
この電動パワーステアリング装置によれば、操舵トルク検出値が保持される場合であっても、運転者の違和感を低減することができる。
電動パワーステアリング装置の第1実施形態についてその概略構成を示すブロック図。 第1実施形態の電動パワーステアリング装置についてその制御装置の構成を示すブロック図。 第1実施形態の制御装置についてその電流指令値演算部の構成を示すブロック図。 第1実施形態の制御装置において基本電流指令値I1*の演算に用いられるマップ。 第1実施形態の制御装置についてそのトルク微分値をフィルタリング処理するためのフィルタ部のフィルタ特性を示すゲイン線図。 第1実施形態の制御装置についてそのトルク微分補償部の構成を示すブロック図。 第1実施形態の制御装置においてダンピング補償値I3*の演算に用いられるマップ。 (a),(b)は、第1実施形態の電動パワーステアリング装置におけるセンサICへの供給電圧、及びセンサICの出力の推移を示すタイミングチャート。 (a)〜(d)は、第1実施形態の電動パワーステアリング装置におけるセンサICへの供給電圧、センサICの状態、第1フラグF1のセット状態、及びトルク演算部の演算状態を示すタイミングチャート。 第1実施形態の制御装置によるフィルタ部のフィルタ特性を切り替える処理の手順を示すフローチャート。 第1実施形態の制御装置による演算用マップを切り替える処理の手順を示すフローチャート。 電動パワーステアリング装置の第2実施形態についてその制御装置における電流指令値演算部の構成を示すブロック図。 第2実施形態の電流指令値演算部においてステアリング戻し補償値I4*の演算に用いられるマップ。
<第1実施形態>
以下、電動パワーステアリング装置の第1実施形態について説明する。
図1に示すように、この電動パワーステアリング装置1は、運転者のステアリングホイール20の操作に基づき転舵輪4を転舵させる操舵機構2、及び運転者のステアリング操作を補助するアシスト機構3を備えている。
操舵機構2は、ステアリングホイール20の回転軸となるステアリングシャフト21、及びその下端部にラックアンドピニオン機構22を介して連結されたラックシャフト23を備えている。操舵機構2では、運転者のステアリングホイール20の操作に伴いステアリングシャフト21が回転すると、その回転運動がラックアンドピニオン機構22を介してラックシャフト23の軸方向の往復直線運動に変換される。このラックシャフト23の往復直線運動がその両端に連結されたタイロッド24を介して転舵輪4に伝達されることにより転舵輪4の転舵角が変化し、車両の進行方向が変更される。
アシスト機構3は、ステアリングシャフト21にアシスト力(アシストトルク)を付与するモータ30を備えている。モータ30はブラシレスモータからなる。モータ30の出力トルクが減速機31を介してステアリングシャフト21に伝達されることでステアリングシャフト21にアシストトルクが付与され、ステアリング操作が補助される。
この電動パワーステアリング装置には、ステアリングホイール20の操作量や車両の状態量を検出する各種センサが設けられている。例えばステアリングシャフト21にはトルクセンサ6が設けられている。トルクセンサ6は、運転者のステアリング操作に基づきステアリングシャフト21に付与される操舵トルクを検出する検出部としての2つのセンサIC60,61を有している。すなわちトルクセンサ6は、センサICが冗長設計された構造からなる。センサIC60,61は同一構造からなり、検出した操舵トルクに応じた電圧信号を検出信号Sτとして出力する。またセンサIC60,61は、自身への給電が開始された際に、検出信号Sτに代えて、予め定められた波形からなる異常診断信号Sdを出力する。車両には車速センサ7が設けられている。車速センサ7は、車両の走行速度を検出し、検出した車速に応じた電圧信号を検出信号Svとして出力する。モータ30には回転角センサ8が設けられている。回転角センサ8は、モータ30の回転角を検出し、検出したモータ回転角に応じた電圧信号を検出信号Sθとして出力する。各センサ6〜8から出力される信号は制御装置5に取り込まれる。制御装置5は、各センサ6〜8から出力される信号に基づいてモータ30の駆動を制御する制御部の一例である。
図2に示すように、制御装置5は、モータ30に駆動電力を供給する駆動回路50、及び駆動回路50を介してモータ30の駆動を制御するマイコン51を備えている。
駆動回路50は、マイコン51からの制御信号(PWM駆動信号)Scに基づいて電源からの直流電力を三相交流電力に変換し、この三相交流電力を各相の給電線WLを介してモータ30に供給する。各相の給電線WLには電流センサ52が設けられている。なお図2では、便宜上、各相の給電線WL及び各相の電流センサ52をそれぞれ一つにまとめて図示している。電流センサ52は、給電線WLを流れる各相電流値を検出し、検出した各相電流値に応じた電圧信号を検出信号Siとしてマイコン51に出力する。
マイコン51には、各センサ6〜8,52から出力される各種信号が取り込まれる。マイコン51は、各センサ6〜8,52から出力される各種信号に基づいて制御信号Scを生成する。そしてマイコン51は、この制御信号Scを駆動回路50に出力することにより駆動回路50をPWM駆動させ、モータ30を駆動させる。
次に、マイコン51によるモータ30の駆動制御について詳述する。
マイコン51は、各センサ6〜8,52から出力される検出信号に基づいて各種状態量の検出値を演算する複数の演算部70〜73を有している。トルク演算部70は、トルクセンサ6から出力される検出信号Sτに基づいて操舵トルク検出値τを演算する。なお本実施形態では、操舵トルク検出値τの正負の符号が、ステアリングホイール20の右操舵方向の操舵トルクを正とし、ステアリングホイール20の左操舵方向の操舵トルクを負として定義されている。車速演算部71は、車速センサ7から出力される検出信号Svに基づいて車速検出値Vを演算する。回転角演算部72は、回転角センサ8から出力される検出信号Sθに基づいてモータ回転角検出値θmを演算する。なお本実施形態では、モータ回転角検出値θmの正負の符号が、ステアリングホイール20が中立位置に位置している状態を基準として、ステアリングホイール20の右操舵方向の回転角を正とし、ステアリングホイール20の左操舵方向の回転角を負として定義されている。電流値演算部73は、電流センサ52から出力される検出信号Siに基づいて各相電流検出値Iを演算する。またマイコン51は、操舵トルク検出値τの1次時間微分値であるトルク微分値dτを演算するトルク微分値演算部74、及びモータ回転角検出値θmの1次時間微分値であるモータ角速度ωを演算するモータ角速度演算部75を有している。
トルク演算部70により演算された操舵トルク検出値τ、車速演算部71により演算された車速検出値V、トルク微分値演算部74により演算されたトルク微分値dτ、及びモータ角速度演算部75により演算されたモータ角速度ωは電流指令値演算部76に取り込まれる。電流指令値演算部76は、これら操舵トルク検出値τ、車速検出値V、トルク微分値dτ、及びモータ角速度ωに基づいて電流指令値I*を演算する。電流指令値I*はモータ30を流れる電流の目標値である。本実施形態では、この電流指令値I*が、モータ30の出力トルクの目標値であるアシスト指令値に対応する。
図3に示すように、電流指令値演算部76は、操舵トルク検出値τ及び車速検出値Vに基づいて基本電流指令値I1*を演算する基本アシスト演算部80を有している。基本電流指令値I1*は、操舵トルク検出値τ及び車速検出値Vに応じた適切な出力トルクをモータ30から発生させるための電流指令値I*の基礎成分であり、基本アシスト指令値に対応する。基本アシスト演算部80は、例えば図4に示すような操舵トルク検出値τ、車速検出値V、及び基本電流指令値I1*の関係を示すマップを有しており、このマップに基づいて基本電流指令値I1*を演算する。このマップは、基本電流指令値I1*が操舵トルク検出値τに対して正の相関関係をなすとともに、車速検出値Vに対して負の相関関係をなすように設定されている。また基本アシスト演算部80は、基本電流指令値I1*を演算したとき、その時点での操舵トルク検出値τの変化に対する基本電流指令値I1*の変化の割合を示すアシスト勾配Ragを演算する。なおアシスト勾配Ragは、図4に示すマップ曲線の接線の傾きで表すことができる。すなわち基本アシスト演算部80は、例えば図4に示すマップ曲線Mに基づいて操舵トルク検出値τ1から基本電流指令値I1*を演算した場合、マップ曲線Mにおける操舵トルク検出値τ1での接線Lの傾きをアシスト勾配Ragとして演算する。
図3に示すように、電流指令値演算部76は、トルク微分値dτに対してフィルタリング処理を施すフィルタ部81を有している。また電流指令値演算部76は、フィルタリング処理が施されたトルク微分値dτ’に基づいてトルク微分補償値I2*を演算するトルク微分補償部82、及びモータ角速度ωに基づいてダンピング補償値I3*を演算するダンピング補償部83を有している。なお、トルク微分補償値I2*及びダンピング補償値I3*は共に基本電流指令値I1*に対する補償成分である。このうち、前者のトルク微分補償値I2*は、制御系の安定性を確保したり、転舵輪4から操舵機構2に伝達される逆入力振動を抑制するための補償成分である。後者のダンピング補償値I3*は、モータの回転角の急変を抑制することにより操舵角の急変を抑制し、操舵感を向上させるための補償成分である。
フィルタ部81のフィルタ特性は、そのゲイン線図を図5に示すように、トルク微分値dτの高周波成分を除去するローパスフィルタからなる。フィルタ部81は、そのフィルタ特性を変更可能な構成からなる。具体的には、フィルタ部81は、図中に実線で示すカットオフ周波数が「fc1」に設定された第1フィルタ特性LF1と、カットオフ周波数が「fc1」よりも小さい「fc2」に設定された第2フィルタ特性LF2とを有している。フィルタ部81では、そのフィルタ特性を第1フィルタ特性LF1及び第2フィルタ特性LF2のいずれかに選択的に切り替え可能となっている。
図3に示すように、フィルタ部81によりフィルタリング処理が施されたトルク微分値dτ’、及び基本アシスト演算部80により演算されたアシスト勾配Ragは、トルク微分補償部82に取り込まれる。トルク微分補償部82は、トルク微分値dτ’及びアシスト勾配Ragに基づいてトルク微分補償値I2*を演算する。詳しくは、図6に示すように、トルク微分補償部82は、トルク微分値dτ’に基づいてトルク微分補償値I2*の基礎成分である基本補償値I2b*を演算する基本補償値演算部82a、及びアシスト勾配Ragに基づいてゲインGを演算するゲイン演算部82bを有している。
基本補償値演算部82aは、図中に示すようなトルク微分値dτ’と基本補償値I2b*との関係を示すマップを有しており、このマップに基づいて基本補償値I2b*を演算する。このマップは、基本補償値I2b*がトルク微分値dτ’に対して正の相関関係をなすように設定されている。
ゲイン演算部82bは、アシスト勾配RagとゲインGとの関係を示すマップとして、図中に実線及び一点鎖線でそれぞれ示す第1マップM10及び第2マップM11を有している。第1マップM10及び第2マップM11は、ゲインGがアシスト勾配Ragに対して正の相関関係をなすように設定されている。より詳しくは、第1マップM10及び第2マップM11では、アシスト勾配Ragの絶対値が所定値Rag1(>0)未満の場合にはゲインGが零に設定される。また第1マップM10及び第2マップM11では、アシスト勾配Ragの絶対値が所定値Rag2(>Rag1)以上の場合にはゲインGが一定値に保持される。そして第1マップM10及び第2マップM11では、アシスト勾配Ragの絶対値が所定値Rag1以上であって、且つ、所定値Rag2未満の場合、ゲインGがアシスト勾配Ragに対して正の相関関係をなしている。第2マップM11は、第1マップM10よりもゲインGの演算結果の絶対値が小さくなるように設定されている。ゲイン演算部82bは、これら第1マップM10及び第2マップM11のいずれか一方に基づいてゲインGを演算する。
基本補償値演算部82aにより演算された基本補償値I2b*、及びゲイン演算部82bにより演算されたゲインGは、乗算器82cに取り込まれる。乗算器82cは、基本補償値I2b*にゲインGを乗算することによりトルク微分補償値I2*を演算する。トルク微分補償部82は、乗算器82cにより演算されたトルク微分補償値I2*を図3に示す加算器84に出力する。
このようなトルク微分補償部82によれば、ゲイン演算部82bにおいて第1マップM10が用いられるよりも、第2マップM11が用いられる方が、トルク微分補償値I2*の絶対値が小さく設定されるため、トルク微分補償の効果が弱められることになる。
ダンピング補償部83は、モータ角速度ωとダンピング補償値I3*との関係を示すマップとして、図7に実線及び一点鎖線でそれぞれ示す第1マップM20及び第2マップM21を有している。第1マップM20では、モータ角速度ωの絶対値が所定値ω1未満の場合にはダンピング補償値I3*が零に設定されている。また第1マップM20では、モータ角速度ωの絶対値が所定値ω1以上の場合には、ダンピング補償値I3*がモータ角速度ωに対して負の相関関係をなすように設定されている。第2マップM21は、第1マップM20よりもダンピング補償値I3*の演算結果の絶対値が大きくなるように設定されている。すなわちダンピング補償部83では、第1マップM20を用いるよりも、第2マップM21を用いる方が、より高いダンピング効果が得られるようになっている。ダンピング補償部83は、第1マップM20及び第2マップM21のいずれか一方に基づいてダンピング補償値I3*を演算する。
図3に示すように、基本アシスト演算部80により演算された基本電流指令値I1*、トルク微分補償部82により演算されたトルク微分補償値I2*、及びダンピング補償部83により演算されたダンピング補償値I3*は加算器84に取り込まれる。加算器84は、基本電流指令値I1*、トルク微分補償値I2*、及びダンピング補償値I3*を加算することにより電流指令値I*を演算する。電流指令値演算部76は、加算器84により演算された電流指令値I*を図2に示す電流制御部77に出力する。
図2に示すように、電流指令値演算部76により演算された電流指令値I*、回転角演算部72により演算されたモータ回転角検出値θm、及び電流値演算部73により演算された各相電流検出値Iは電流制御部77に取り込まれる。電流制御部77は、モータ回転角検出値θmを用いて各相電流検出値Iをd/q座標系のd軸電流値及びq軸電流値に変換する。電流制御部77は、d軸電流値及びq軸電流値を電流指令値I*に追従させる電流フィードバック制御を行うことによりd軸電圧指令値及びq軸電圧指令値を算出する。そして電流制御部77はモータ回転角検出値θmを用いてd軸電圧指令値及びq軸電圧指令値を各相電圧指令値に変換する。電流制御部77は、この各相電圧指令値に基づく制御信号Scを駆動回路50に出力することにより駆動回路50をPWM駆動させる。これにより制御信号Scに応じた駆動電力が駆動回路50からモータ30に供給され、モータ30の駆動制御が実行される。
一方、制御装置5は、センサIC60,61に動作電力をそれぞれ供給する電源IC53,54を備えている。電源IC53,54は、車載バッテリなどの電源から供給される電圧をセンサIC60,61に適した動作電圧に調圧し、調圧した動作電圧をセンサIC60,61にそれぞれ印加する。これによりセンサIC60,61の動作電源が確保されている。また電源IC53,54は、マイコン51からの指令に基づいて各センサIC60,61への給電の遮断及び給電の再開も行う。
次にセンサIC60,61の動作について説明する。
図8(a)に示すように、センサIC60,61への給電が時刻t1で開始されたとすると、センサIC60,61の出力信号(出力電圧)は図8(b)に示すように変化する。すなわちセンサIC60,61は、まず、予め定められた波形からなる異常診断信号Sdを所定時間T1だけ出力する。そしてセンサIC60,61は、異常診断信号Sdの出力が完了した時刻t2以降、検出信号Sτを出力する。
センサIC60,61に何らかの異常が生じると、センサIC60,61は予め定められた波形とは異なる波形の異常診断信号Sdを出力する。これを利用し、マイコン51は、センサIC60,61から出力される異常診断信号Sdの変化に基づいてセンサIC60,61の異常を検出する。
次にマイコン51によるセンサIC60,61の異常検出方法、及び操舵トルク検出値τの演算方法について説明する。
図2に示すように、マイコン51は、センサIC60,61から出力される検出信号Sτ及び異常診断信号Sdに基づいてセンサIC60,61の異常を検出する異常検出部78を有している。またマイコン51は、異常検出部78により第1フラグF1及び第2フラグF2のセットが行われるフラグレジスタ79を有している。
異常検出部78は、センサIC60,61が共に正常な場合、センサIC60,61からそれぞれ出力される検出信号Sτを比較することにより各センサIC60,61の異常の有無を監視する。またトルク演算部70は、センサIC60,61が共に正常な場合、センサIC60,61からそれぞれ出力される検出信号Sτの少なくとも一方に基づいて操舵トルク検出値τを所定のサンプリング周期で演算する。
このように制御装置5は、センサIC60,61が共に正常な場合、通常制御として、以下の(a1)及び(a2)に示す処理を行う。
(a1)センサIC60,61からそれぞれ出力される検出信号Sτの少なくとも一方に基づいて操舵トルク検出値τを所定のサンプリング周期で更新しつつモータ30の駆動を制御する。
(a2)センサIC60,61からそれぞれ出力される検出信号Sτの比較に基づいてセンサIC60,61の異常の有無を監視する。
本実施形態では、これら(a1)及び(a2)の処理を行う通常制御が第1制御となる。
一方、異常検出部78は、検出信号Sτの比較に基づく異常検出によりセンサIC60,61のいずれか一方の異常を検出すると、その旨の異常検出信号Se1をトルク演算部70に出力する。トルク演算部70は、異常検出部78から異常検出信号Se1を受け取ると、その内容に基づいてセンサIC60,61のいずれに異常が検出されたかを判断する。以降、トルク演算部70は、異常の検出されていない正常なセンサICから出力される検出信号Sτのみに基づいて操舵トルク検出値τを演算する。また異常検出部78は、センサIC60,61のいずれか一方の異常を検出したとき、電源IC53,54を通じて、異常が検出されたセンサICへの給電を停止するとともに、異常が検出されなかった正常なセンサICの給電の遮断及び給電の再開を周期的に行う。これにより、異常検出部78は、異常が検出されずに残ったセンサICから検出信号Sτ及び異常診断信号Sdを交互に出力させ、異常診断信号Sdに基づいて残りのセンサICの異常の有無を監視する。
このように制御装置5は、センサIC60,61のいずれか一方の異常を検出した場合、バックアップ制御として、異常が検出されなかった他方のセンサICから異常診断信号Sd及び検出信号Sτを交互に出力させ、検出信号Sτに基づいてモータ30の駆動制御を継続しつつ、異常診断信号Sdに基づいて他方のセンサICの異常の有無を監視する。本実施形態では、このバックアップ制御が第2制御となる。
次に、図9を参照してバックアップ制御について詳述する。なお、以下では、便宜上、検出信号Sτの比較に基づく異常検出によりセンサIC61に異常が検出され、センサIC60が正常である場合について例示する。
図9(a)に示すように、異常検出部78は、バックアップ制御の実行中、例えば時刻t10でセンサIC60への給電を一時的に遮断した後、時刻t11でセンサIC60への給電を再開する。これにより図9(b)に示すように、センサIC60は一旦シャットダウンした後、異常診断信号Sdの出力を開始する。センサIC60は、給電が再開された時刻t11から所定時間T1が経過する時刻t12までの期間、異常診断信号Sdを出力する。このとき異常検出部78は、センサIC60から出力される異常診断信号Sdが予め定められた波形であるか否かを判断する。そして異常検出部78は、異常診断信号Sdが予め定められた波形である場合、センサIC60が正常であると判定し、異常診断信号Sdが予め定められた波形でない場合、センサIC60が異常であると判定する。センサIC60が正常な場合、図9(a),(b)に示すように、時刻t12から所定時間T2が経過する時刻t13まで、異常検出部78はセンサIC60への給電を継続するため、センサIC60は検出信号Sτを出力する。そして異常検出部78は時刻t13で再びセンサIC60への給電を遮断した後、時刻t14でセンサIC60への給電を再開する。これにより、センサIC60は、時刻t13でシャットダウンした後に時刻t14で異常診断信号Sdを再び出力する。このとき異常検出部78は、センサIC60から出力される異常診断信号Sdに基づきセンサIC60の異常の有無を再度判定する。以降、異常検出部78は、センサIC60への給電の遮断及び給電の再開を周期的に行うことでセンサIC60から異常診断信号Sd及び検出信号Sτを交互に出力させる。また異常検出部78は、センサIC60が異常診断信号Sdの出力を行う毎にセンサIC60の異常の有無を判定する。
異常検出部78は、センサIC60から出力される異常診断信号Sdに基づいてセンサIC60の異常を検出した場合、図2に示すように異常検出信号Se2を電流制御部77に出力する。電流制御部77は、異常検出部78から異常検出信号Se2を受け取ると、電動パワーステアリング装置1の安全性を確保すべく、例えば駆動回路50への制御信号Scの出力を停止してモータ30を停止させるなどのフェイルセーフ制御を実行する。
一方、図9(c)に示すように、異常検出部78は、センサIC60への給電を遮断した時点から、センサIC60から検出信号Sτの出力が開始されたことを確認するまでの期間、第1フラグF1をオン状態に設定する。また異常検出部78は、センサIC60が検出信号Sτを出力している期間、第1フラグF1をオフ状態に設定する。この第1フラグF1のセット状態に基づいてトルク演算部70が操舵トルク検出値τの演算及び保持を行う。
すなわち、図9(d)に示すように、トルク演算部70は、第1フラグF1がオフ状態の場合にはセンサIC60の検出信号Sτに基づいて操舵トルク検出値τの演算及び更新を所定のサンプリング周期で行う。またトルク演算部70は、第2フラグF2がオン状態の場合には、操舵トルク検出値τとしてその前回値を保持する。これにより、例えばセンサIC60への給電が遮断される時刻t13から、センサIC60から検出信号Sτの出力が開始される時刻t15までの期間、操舵トルク検出値τは、時刻t13の直前に演算された値に保持される。これによりマイコン51では、センサIC60がシャットダウンしている期間も、またセンサIC60から異常診断信号Sdが出力されている期間も、モータ30の駆動制御を継続することができる。
なお、以上のようなバックアップ制御は、通常制御の実行中に検出信号Sτの比較に基づく異常検出によりセンサIC60に異常が検出され、正常なセンサICがセンサIC61となった場合にも同様に制御装置5により実行される。
このように、制御装置5は、センサIC60,61のいずれか一方の異常を検出した場合、バックアップ制御として、以下の(b1)〜(b3)に示す処理を実行する。
(b1)正常なセンサICから異常診断信号Sd及び検出信号Sτを交互に出力させる。
(b2)正常なセンサICから検出信号Sτが出力されている期間は、検出信号Sτに基づいて操舵トルク検出値τの周期的な演算及び更新を行いつつ更新された操舵トルク検出値τに基づきモータ30の駆動を制御する。
(b3)正常なセンサICから異常診断信号Sdが出力されている期間は、異常診断信号Sdに基づいて正常なセンサICの異常を判定する。また検出信号Sτが出力されている期間に演算された操舵トルク検出値τを保持しつつ保持された操舵トルク検出値τに基づきモータ30の駆動を制御する。
一方、本実施形態の制御装置5は、通常制御を行っているときと、バックアップ制御を行っているときとでトルク微分補償値I2*及びダンピング補償値I3*を変更する。次に、制御装置5によるトルク微分補償値I2*及びダンピング補償値I3*の変更方法について説明する。
図2に示すように、本実施形態の異常検出部78は、センサIC60,61が共に正常な場合、フラグレジスタ79の第2フラグF2をオフ状態に設定する。また異常検出部78は、センサIC60,61のいずれか一方の異常を検出したとき、第2フラグF2をオン状態に設定する。これにより第2フラグF2は、制御装置5において通常制御の実行中はオフ状態に設定され、バックアップ制御の実行中はオン状態に設定される。この第2フラグF2のセット状態は電流指令値演算部76に取り込まれる。より詳しくは、図3に示すように、第2フラグF2のセット状態は、フィルタ部81、トルク微分補償部82、及びダンピング補償部83に取り込まれる。フィルタ部81は、第2フラグF2のセット状態に基づいてフィルタ特性を切り替える。トルク微分補償部82及びダンピング補償部83は、第2フラグF2のセット状態に基づいて演算用マップをそれぞれ切り替える。
次に、図10を参照して、フィルタ部81により行われるフィルタ特性の変更処理について説明する。
図10に示すように、フィルタ部81は、第2フラグF2のセット状態に基づいてバックアップ制御の実行中であるか否かを判断する(ステップS10)。フィルタ部81は、バックアップ制御の実行中でないと判断した場合(ステップS10:NO)、すなわち通常制御の実行中である場合、フィルタ特性を図5に示した第1フィルタ特性LF1に設定する(ステップS11)。これに対し、フィルタ部81は、バックアップ制御の実行中であると判断した場合(ステップS10:YES)、フィルタ特性を、図5に示した第2フィルタ特性LF2に設定する(ステップS12)。
次に図11を参照して、トルク微分補償部82及びダンピング補償部83により行われる演算用マップの変更処理について説明する。
図11に示すように、トルク微分補償部82及びダンピング補償部83は、第2フラグF2のセット状態に基づいてバックアップ制御の実行中であるか否かを判断する(ステップS20)。トルク微分補償部82及びダンピング補償部83は、バックアップ制御の実行中でないと判断した場合(ステップS20:NO)、すなわち通常制御の実行中である場合、演算用マップを第1マップに設定する(ステップS21)。具体的には、トルク微分補償部82は、ゲイン演算用マップを図6に示した第1マップM10に設定する。またダンピング補償部83は、補償値演算用マップを図7に示した第1マップM20に設定する。これに対し、トルク微分補償部82及びダンピング補償部83は、バックアップ制御の実行中であると判断した場合(ステップS20:YES)、演算用マップを第2マップに設定する。具体的には、トルク微分補償部82は、ゲイン演算用マップを図6に示した第2マップM11に設定する。またダンピング補償部83は、補償値演算用マップを図7に示した第2マップM21に設定する。
次に、本実施形態の電動パワーステアリング装置1の作用について説明する。
制御装置5がバックアップ制御を行っている場合、図9に示すように操舵トルク検出値τの周期的な更新及び保持が交互に行われるため、通常制御を行っている場合と比較すると、制御系が不安定になるおそれがある。すなわち制御装置5により操舵トルク検出値τが周期的に更新される状態と操舵トルク検出値τが保持される状態とが切り替わる際に操舵トルク検出値の変化傾向が急変する可能性がある。これによりトルク微分値dτが急峻に変化する可能性がある。トルク微分値dτの急峻な変化はトルク微分補償値I2*の過出力を招く。これが制御系を不安定にさせる要因となる。
この点、本実施形態の電動パワーステアリング装置1では、バックアップ制御の実行中は、図5に示すフィルタ部81のフィルタ特性が第1フィルタ特性LF1から第2フィルタ特性LF2へと切り替えられ、トルク微分値dτにおける高周波成分が除去される。これによりトルク微分補償部82の演算に用いられるトルク微分値dτ’の急峻な変化を抑制することができる。またバックアップ制御の実行中は、図6に示すゲイン演算部82bの演算用マップが第1マップM10から第2マップM11へと切り替わる。すなわちトルク微分補償値I2*のゲインGが小さくなる。このゲインGの変更によりトルク微分補償値I2*の絶対値が小さくなる。このようなトルク微分値dτ’の急峻な変化の抑制、及びトルク微分補償値I2*の絶対値の減少によりトルク微分補償値I2*の過出力を抑制することができるため、制御系の安定性を確保することができる。
さらに電動パワーステアリング装置1では、バックアップ制御の実行中は、図7に示すダンピング補償部83の演算用マップが第1マップM20から第2マップM21へと切り替わる。すなわちダンピング補償値I3*の絶対値が大きくなる。これによりバックアップ制御の実行に伴ってモータ30の角速度が急峻に変化するのを抑制することができるため、制御系の安定性を向上させることができる。
このように電動パワーステアリング装置1では、バックアップ制御の実行中でも制御系の安定性を確保することができる。これによりアシストトルクによる操舵機構2の振動が抑制されるため、運転者の違和感を低減することができる。
以上説明したように、本実施形態の電動パワーステアリング装置1によれば以下の効果を得ることができる。
(1)制御装置5では、トルクセンサ6のセンサIC60,61が共に正常な場合、通常制御として、センサIC60,61からそれぞれ出力される検出信号Sτに基づいて操舵トルク検出値τの更新を所定のサンプリング周期で行いつつモータ30の駆動を制御することとした。また制御装置5では、センサIC60,61のいずれか一方に異常が検出された場合、異常の検出されていない他方のセンサICから異常診断信号Sd及び検出信号Sτを交互に出力させることとした。このとき制御装置5では、バックアップ制御として、他方のセンサICから検出信号Sτが出力されている期間は操舵トルク検出値τを周期的に更新しながらモータ30の駆動制御を行うとともに、正常なセンサICから異常診断信号Sdが出力されている期間は操舵トルク検出値τを保持しながらモータ30の駆動制御を行うこととした。そして制御装置5では、異常診断信号Sdに基づいて他方のセンサICの異常を検出することとした。これにより、正常なセンサICが一つのみになった場合でも、その異常の有無を監視しつつ、モータ30の駆動制御を継続することができる。
(2)制御装置5では、バックアップ制御を行っているとき、通常制御を行っているときと比較して、トルク微分補償値I2*の絶対値を小さくすることとした。これによりバックアップ制御の実行時にトルク微分補償値I2*の過出力が抑制されるため、制御系の安定性を確保することができる。
(3)制御装置5では、バックアップ制御を行っているとき、通常制御を行っているときと比較して、フィルタ部81のカットオフ周波数を小さくすることとした。これによりトルク微分補償値I2*の急峻な変化を抑制することができるため、制御系の安定性を確保することができる。
(4)制御装置5では、バックアップ制御を行っているとき、通常制御を行っているときと比較して、ダンピング補償値I3*の絶対値を大きくすることとした。これによりバックアップ制御の実行に伴ってモータ30の角速度が急峻に変化するのを抑制することができるため、制御系の安定性を向上させることができる。
(5)制御装置5では、通常制御を実行しているときと、バックアップ制御を実行しているときとでトルク微分補償値I2*及びダンピング補償値I3*を変更するにあたり、各補償値I2*,I3*の演算用マップを切り替えることとした。これにより各補償値I2*,I3*を容易に変更することができる。
<第2実施形態>
次に電動パワーステアリング装置の第2実施形態について説明する。以下、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
図12に示すように、本実施形態の電流指令値演算部76は、モータ角速度ωに基づいてステアリング戻し補償値I4*を演算するステアリング戻し補償部85を有している。ステアリング戻し補償部85は、公知の手段によりステアリングホイールが戻り状態であると判定された場合にステアリング戻し補償値I4*を出力する。ステアリング戻し補償値I4*は、ステアリングホイール20を中立位置に復帰させるための補償成分である。
ところで、第1実施形態のようにバックアップ制御の実行中にダンピング補償値I3*の絶対値を大きくした場合、アシストトルクによる操舵機構2の振動を抑制することができるものの、その背反としてステアリング戻し補償値の効果が相対的に低くなる。すなわちステアリングホイールの中立位置への戻り性能が悪くなる。そこで本実施形態では、バックアップ制御を実行しているとき、通常制御を実行しているときと比較して、ステアリング戻し補償値I4*の絶対値を大きくするようにしている。
具体的には、ステアリング戻し補償部85は、モータ角速度ωとステアリング戻し補償値I4*との関係を示すマップとして、図13に実線及び一点鎖線でそれぞれ示す第1マップM30及び第2マップM31をそれぞれ有している。第1マップM30は、以下の(c1)〜(c5)に示すように設定されている。
(c1)モータ角速度ωの絶対値が所定値ω2(>0)未満の場合、ステアリング戻し補償値I4*は零に設定される。
(c2)モータ角速度ωの絶対値が所定値ω2以上であって、且つ、所定値ω3(>ω2)未満の場合、ステアリング戻し補償値I4*はモータ角速度ωに対して正の相関関係を有する。
(c3)モータ角速度ωの絶対値が所定値ω3以上であって、且つ、所定値ω4(>ω3)未満の場合、ステアリング戻し補償値I4*の絶対値は一定値a(>0)に保持される。
(c4)モータ角速度ωの絶対値が所定値ω4以上であって、且つ、所定値ω5(>ω4)未満の場合、ステアリング戻し補償値I4*はモータ角速度ωに対して負の相関関係を有する。
(c5)モータ角速度ωの絶対値が所定値ω5以上の場合、ステアリング戻し補償値I4*の絶対値は一定値b(<a)に保持される。
一方、第2マップM31は第1マップM30よりもステアリング戻し補償値I4*の演算結果の絶対値が大きくなるように設定されている。すなわちステアリング戻し補償部85では、第1マップM30を用いるよりも、第2マップM31を用いる方が、ステアリングホイール20を中立位置に戻すアシストトルクがより大きく働くことになる。ステアリング戻し補償部85は、第1マップM30及び第2マップM31のいずれか一方に基づいてステアリング戻し補償値I4*を演算する。
また図12に示すように、ステアリング戻し補償部85には、フラグレジスタ79の第2フラグF2のセット状態が取り込まれている。ステアリング戻し補償部85は、第2フラグF2のセット状態に基づいて図11に示す処理を実行する。すなわちステアリング戻し補償部85は、第2フラグF2のセット状態に基づいてバックアップ制御の実行中でないと判断した場合(ステップS20:YES)、すなわち通常制御の実行中である場合、演算用マップを第1マップM30に設定する。これに対し、ステアリング戻し補償部85は、第2フラグF2のセット状態に基づいてバックアップ制御の実行中であると判断した場合(ステップS20:NO)、演算用マップを第2マップM31に設定する。
次に本実施形態の電動パワーステアリング装置1の作用について説明する。
本実施形態の電動パワーステアリング装置1では、バックアップ制御の実行中は、図13に示すステアリング戻し補償部85の演算用マップが第1マップM30から第2マップM31に切り替わる。すなわちステアリング戻し補償値I4*の絶対値が大きくなる。これによりステアリングホイール20の中立位置への戻り性能を確保することができるため、車両の操舵性を向上させることができる。
以上説明したように、本実施形態の電動パワーステアリング装置1によれば、第1実施形態による(1)〜(5)の効果に加え、以下の効果を得ることができる。
(6)制御装置5では、バックアップ制御を行っているとき、通常制御を行っているときと比較して、ステアリング戻し補償値I4*の絶対値を大きくすることとした。これにより、バックアップ制御の実行時におけるステアリングホイール20の中立位置への戻り性能を確保することができるため、車両の操舵性を向上させることができる。
(7)制御装置5では、通常制御を実行しているときと、バックアップ制御を実行しているときとでステアリング戻し補償値I4*を変更するにあたり、ステアリング戻し補償値I4*の演算用マップを切り替えることとした。これによりステアリング戻し補償値I4*を容易に変更することができる。
<他の実施形態>
なお、上記各実施形態は、以下の形態にて実施することもできる。
・上記第2実施形態では、モータ角速度ωに基づいてステアリング戻し補償値I4*を演算したが、ステアリング戻し補償値I4*の演算方法は適宜変更可能である。例えばステアリングホイール20の操舵角に基づいてステアリング戻し補償値I4*を演算してもよい。この場合、操舵角に対してステアリング戻し補償値I4*が負の相関関係を有するようなマップを用意し、このマップに基づいてステアリング戻し補償値I4*を演算すればよい。要は、基本電流指令値I1*に対する補償値として、ステアリングホイール20を中立位置へ復帰させるステアリング戻し補償値I4*を演算するものであればよい。
・上記各実施形態では、操舵トルク検出値τが保持される値として、センサIC60,61への給電が遮断される直前の値を用いたが、センサIC60,61から検出信号Sτが出力されている期間に演算された操舵トルク検出値τに基づくものであれば、適宜の値を用いてもよい。例えば、検出信号Sτが出力されている期間における操舵トルク検出値τの平均値を用いてもよい。
・上記各実施形態では、基本電流指令値I1*に対する補償値として、トルク微分補償値I2*及びダンピング補償値I3*を両方とも用いたが、いずれか一方のみを用いてもよい。
・上記各実施形態では、トルク微分値dτ’及びアシスト勾配Ragに基づいてトルク微分補償値I2*を演算したが、トルク微分値dτ’のみに基づいてトルク微分補償値I2*を演算してもよい。この場合、例えばトルク微分値dτ’とトルク微分補償値I2*との関係を示す演算用マップを2つ用意する。そしてトルク微分補償部82は、通常制御が行われているときと、バックアップ制御が行われているときとで、演算用マップを切り替えればよい。なおバックアップ制御の実行時に用いられるマップは、通常制御の実行時に用いられるマップよりも、トルク微分補償値I2*の演算結果の絶対値が小さくなるように設定する。
・上記各実施形態では、トルク微分値dτの高周波成分を除去するためのフィルタ部81を設けたが、フィルタ部81を省略してもよい。すなわちトルク微分値演算部74で演算されるトルク微分値dτをそのままトルク微分補償部82に入力してもよい。
・上記各実施形態では、操舵トルク検出値τ及び車速検出値Vに基づいて電流指令値I*を演算したが、例えば操舵トルク検出値τのみに基づいて電流指令値I*を演算してもよい。
・上記各実施形態では、図7に示すマップに基づいてダンピング補償値I3*を演算したが、例えばモータ角速度ωとダンピング補償値I3*との関係を演算式で定義できる場合には、その演算式に基づいてダンピング補償値I3*を演算してもよい。同様に基本電流指令値I1*やトルク微分補償値I2*、ステアリング戻し補償値I4*についても演算式に基づいて演算してもよい。なお、各補償値I2*〜I4*を演算式に基づいて演算する場合には、バックアップ制御を実行しているときと、通常制御を実行しているときとで各補償値I2*〜I4*の演算式を変更すれば、上記各実施形態と同等の効果を得ることが可能である。
・上記各実施形態では、センサIC60,61が自身への給電開始に基づき自発的に異常診断信号Sdを出力するものであったが、センサIC60,61から異常診断信号Sdを出力させる構成は適宜変更可能である。例えばセンサIC60,61は、マイコン51からの指令に基づいて異常診断信号Sdを出力するものであってもよい。この場合、センサIC60,61をシャットダウンさせる必要がないため、センサIC60,61から異常診断信号Sdが出力されている期間にのみ操舵トルク検出値τを保持すればよい。すなわち、制御装置5は、少なくともトルクセンサから異常診断信号Sdが出力されている期間、操舵トルク検出値τを保持すればよい。
・上記各実施形態では、制御装置5が通常制御及びバックアップ制御を行ったが、制御装置5が行う制御はこれに限定されない。制御装置5は、操舵トルク検出値τの更新を所定のサンプリング周期で継続的に行いつつモータ30の駆動を制御する第1制御と、操舵トルク検出値τの周期的な更新及び保持を交互に行いつつモータ30の駆動を制御する第2制御とを行うものであればよい。
・上記各実施形態では、基本電流指令値I1*に対する補償値として、トルク微分補償値I2*、ダンピング補償値I3*、及びステアリング戻し補償値I4*を例示したが、これら以外の補償値を用いてもよい。
・上記各実施形態では、マイコン51がトルク演算部70を有していたが、トルク演算部をセンサIC60,61がそれぞれ有していてもよい。この場合、センサIC60,61のトルク演算部及びマイコン51により制御部が構成される。
・上記各実施形態では、モータ30としてブラシレスモータを用いたが、ブラシ付きのモータを用いてもよい。
・上記各実施形態の電動パワーステアリング装置1は、ステアリングシャフト21にアシストトルクを付与する電動パワーステアリング装置であったが、例えばラックシャフト23にアシスト力を付与する電動パワーステアリング装置にも適用可能である。
ω…モータ角速度、τ…操舵トルク検出値、dτ,dτ’…トルク微分値、I*…電流指令値(アシスト指令値)、Sτ…検出信号、Sd…異常診断信号、I1*…基本電流指令値(基本アシスト指令値)、I2*…トルク微分補償値、I3*…ダンピング補償値、I4*…ステアリング戻し補償値、1…電動パワーステアリング装置、2…操舵機構、3…アシスト機構、5…制御装置(制御部)、6…トルクセンサ、20…ステアリングホイール、30…モータ、81…フィルタ部。

Claims (6)

  1. 車両の操舵機構にアシスト力を付与するモータと、
    前記操舵機構に付与される操舵トルクに応じた検出信号を出力するトルクセンサと、
    前記モータの出力トルクをアシスト指令値に追従させるべく前記モータの駆動を制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、
    前記検出信号に基づき操舵トルク検出値を演算するとともに、前記操舵トルク検出値に基づく基本アシスト指令値を補償値で補償することにより前記アシスト指令値を演算するものであり、
    所定のサンプリング周期で継続的に更新される前記操舵トルク検出値に基づき前記モータの駆動を制御する第1制御と、前記操舵トルク検出値が周期的に更新される期間及び前記操舵トルク検出値の保持される期間が交互に繰り返され少なくとも保持された操舵トルク検出値に基づき前記モータの駆動を制御する第2制御と、を切り替えて実行し、
    前記補償値として、前記操舵トルクの1次時間微分値であるトルク微分値に基づいてトルク微分補償値を演算するものであり、
    前記第2制御を実行しているとき、前記第1制御を実行しているときと比較して、前記トルク微分補償値の絶対値を小さくすることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. 車両の操舵機構にアシスト力を付与するモータと、
    前記操舵機構に付与される操舵トルクに応じた検出信号を出力するトルクセンサと、
    前記モータの出力トルクをアシスト指令値に追従させるべく前記モータの駆動を制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、
    前記検出信号に基づき操舵トルク検出値を演算するとともに、前記操舵トルク検出値に基づく基本アシスト指令値を補償値で補償することにより前記アシスト指令値を演算するものであり、
    所定のサンプリング周期で継続的に更新される前記操舵トルク検出値に基づき前記モータの駆動を制御する第1制御と、前記操舵トルク検出値が周期的に更新される期間及び前記操舵トルク検出値の保持される期間が交互に繰り返され少なくとも保持された操舵トルク検出値に基づき前記モータの駆動を制御する第2制御と、を切り替えて実行し、
    前記補償値として、前記モータの角速度の絶対値が大きくなるほど前記モータの回転を抑制するダンピング補償値を演算するものであり、
    前記第2制御を実行しているとき、前記第1制御を実行しているときと比較して、前記ダンピング補償値の絶対値を大きくすることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  3. 請求項に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記制御部は、
    前記トルク微分値の高周波成分を除去するローパスフィルタからなるフィルタ部を有し、前記フィルタ部を通じてフィルタリング処理されたトルク微分値に基づいて前記トルク微分補償値を演算するものであり、
    前記第2制御を実行しているとき、前記第1制御を実行しているときと比較して、前記フィルタ部のカットオフ周波数を小さくすることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  4. 請求項に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記制御部は、
    前記補償値として、車両のステアリングホイールを中立位置に復帰させるステアリング戻し補償値を演算するものであり、
    前記第2制御を実行しているとき、前記第1制御を実行しているときと比較して、前記ステアリング戻し補償値の絶対値を大きくすることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  5. 請求項1〜のいずれか一項に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記制御部は、前記補償値を演算するためのマップを有することを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  6. 請求項1〜のいずれか一項に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記トルクセンサは、前記検出信号を出力する検出部を2つ有し、
    前記2つの検出部は、前記検出部の異常を判定可能な異常診断信号の出力及び前記検出信号の出力を行うことが可能なものであり、
    前記制御部は、
    前記2つの検出部が共に正常な場合、前記第1制御として、前記2つの検出部からそれぞれ出力される前記検出信号の少なくとも一方に基づいて前記操舵トルク検出値の周期的な更新を継続しつつ前記モータの駆動を制御するとともに、前記2つの検出部からそれぞれ出力される検出信号の比較に基づき前記2つの検出部の異常を検出し、
    前記2つの検出部のいずれか一方に異常が検出された場合、前記第2制御として、異常の検出されていない他方の検出部から前記検出信号及び前記異常診断信号を交互に出力させ、少なくとも前記検出部から異常診断信号が出力されている期間、前記操舵トルク検出値を保持しながら前記モータの駆動制御を継続するとともに、前記異常診断信号に基づき前記他方の検出部の異常を検出することを特徴とする電動パワーステアリング装置。
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