JP6186708B2 - 活性エネルギー線硬化型樹脂組成物及び光記録媒体 - Google Patents
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Description
前記アクリルポリマー(A)は、ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリル酸エステルの共重合比率が20質量%以下であり、ガラス転移温度が80℃以上であり、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸sec−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ペンチル及び(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、及び(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸−4−ヒドロキシブチルのうちの1種あるいは2種以上の単量体単位で構成されているアクリルポリマーであり、
前記ラジカル重合性化合物(B)は、1分子内に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物である(b−1)成分を含み、
有機溶剤の含有量が1質量%以下である活性エネルギー線硬化型樹脂組成物に関する。
(A)成分は、硬化収縮を低減させることにより、低反り性を向上させる成分である。(A)成分の質量平均分子量は、ゲルパーミネーションカラムクロマトグラフィーのポリスチレン換算で8000〜30000であり、10000〜20000が好ましい。(A)成分の質量平均分子量が8000以上であると光記録媒体の耐高温高湿性が良くなる。質量平均分子量が30000以下であると、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の粘度が低くなり、作業性が良くなる。また、質量平均分子量が20000以下であると、さらに作業性が良くなる。
本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物はラジカル重合性化合物である(B)成分を含み、(B)成分として少なくとも(b−1)成分が用いられる。樹脂組成物は、(B)成分として(b−1)成分のみを含んでもよく、あるいは(b−1)成分に加えて(b−2)成分も含むことができる。なお、ラジカル重合性化合物とは、ラジカルにより重合反応を起こす化合物である。
(C)成分は光重合開始剤であり、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を活性エネルギー照射により効率よく硬化させるための成分である。(C)成分の具体例としては、ベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、メチルオルトベンゾイルベンゾエイト、4−フェニルベンゾフェノン、t−ブチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、オリゴ{2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノン}、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、2−メチル−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノ−1−プロパノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、及び2−ヒドロキシ−1−{4−〔4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)ベンジル〕フェニル}−2−メチルプロパン−1−オン及びメチルベンゾイルホルメートが挙げられる。
本発明の効果が損なわれない範囲で、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物中に他の成分、例えば、防汚剤、スリップ剤、密着付与剤、熱重合開始剤、酸化防止剤や光安定剤、光増感剤、熱可塑性樹脂、レベリング剤、紫外線吸収剤、重合禁止剤、無機フィラー、有機フィラー及び表面有機化処理した無機フィラー等の公知の添加剤を適宜配合することができる。
IOPC blu Tilt−scanner(商品名。dr.schwab InspectionTechnology GmbH製)を用い、23℃、相対湿度50%環境下にて反り角を測定した。尚、反り角とは、光記録媒体の中心から48mm位置におけるRadial Tiltを意味する。低反り性の判定基準は以下の通りである。
○:反り角の絶対値が0.30°以内。
×:反り角の絶対値が0.30°を超える。
Fischerscope HM2000(商品名。フィッシャースコープ社製)を用い、硬化物のマルテンス硬さを、ISO14577に準じて測定した。なお、圧子としては、ダイヤモンド製の四角錐型、対面角135度のものを使用した。具体的には、圧子を硬化物に対しdF/dt2(F=荷重、t=経過時間)が一定となるよう10秒間で50mNまで加重し、次いで5秒間クリープさせ、その後加重時と同じ条件で除重させた。硬度の判定基準は以下の通りである。
◎:マルテンス硬さが100N/mm2超える。
○:マルテンス硬さが50N/mm2を超え、100N/mm2以下。
×:マルテンス硬さが50N/mm2以下。
評価用試料(評価用光記録媒体)を、80℃、相対湿度85%の環境下に300時間静置した後、銀合金反射膜及び活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化物の外観を目視にて確認した。耐高温高湿性の判定基準は以下の通りである。
○:銀合金反射膜上に腐食が見られなかった。
×:銀合金反射膜上に腐食が見られた。
ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)「HLC−8120」(東ソー(株)製、商品名)を用いて測定した。カラムとしては、TSKgel G5000HXL*GMHXL−L(東ソー(株)製、商品名)を使用した。また、標準ポリスチレンとして、F288/F80/F40/F10/F4/F1/A5000/A1000/A500(東ソー(株)製、商品名)及びスチレンを使用して検量線を作成した。
高感度示差走査熱量計{商品名:ThermoplusEVOII/DSC8230、(株)リガク製}を用いて、窒素ガス雰囲気下、α−アルミナをリファレンスとし、JIS−K−7121に準拠して、試料約10mgを常温から120℃まで昇温速度20℃/minで昇温してDSC曲線を得た。このDSC曲線の低温側のベースラインを高温側に延長した直線と、ガラス転移の階段状部分の曲線こう配が最大となるような点で引いた接線との交点の温度(補外ガラス転移開始温度)をガラス転移温度とした。
重合体(アクリルポリマー)を重クロロホルムに溶解させ、核磁気共鳴装置(商品名:EXcalibur 270 超伝導FT−NMR、日本電子製)にて同定した。
撹拌機、冷却管及び温度計を備えたフラスコ中に脱イオン水900質量部、メタクリル酸2−スルホエチルナトリウム60質量部、メタクリル酸カリウム10質量部及びメタクリル酸メチル12質量部を入れて撹拌し、フラスコ内を窒素置換しながら50℃に昇温した。次いで、フラスコ中に重合開始剤として2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩0.08質量部を添加し、更に60℃に昇温した。昇温後、滴下ポンプを使用して、メタクリル酸メチル18質量部を0.24質量部/分の速度で連続的に滴下した。得られた反応溶液を60℃で6時間保持した後、室温に冷却して、透明な水溶液である固形分10質量%の分散剤(以下、分散剤Aという)を得た。
撹拌装置を備えたフラスコ中に、窒素雰囲気下で、酢酸コバルト(II)四水和物1.00g、ジフェニルグリオキシム1.93g及び予め窒素バブリングにより脱酸素したジエチルエーテル80mlを入れ、室温で30分間攪拌した。次いで、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体10mlを加え、更に6時間攪拌した。得られた反応物を濾過し、固形分をジエチルエーテルで洗浄し、15時間真空乾燥して、赤褐色固体の連鎖移動剤(以下、連鎖移動剤Aという)2.12gを得た。
撹拌機、冷却管及び温度計を備えたフラスコ中に、脱イオン水145質量部、硫酸ナトリウム0.1質量部及び分散剤A0.25質量部を入れて撹拌し、均一な水溶液とした。次いで、フラスコ中にアクリルモノマーとしてメタクリル酸メチル95質量部、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル5質量部、連鎖移動剤A0.0030質量部及び1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート0.5質量部の単量体混合物を加え、水性懸濁液とした。この後、フラスコ内を窒素置換し、80℃に昇温して1時間反応させ、更に重合率を上げるため、93℃に昇温して1時間保持した。その後、反応液を40℃に冷却して、水性重合体懸濁液を得た。この水性重合体懸濁液を目開き45μmのナイロン製濾過布で濾過し、濾物を脱イオン水で洗浄し、脱水し、40℃で16時間乾燥し、アクリルポリマー(以下、AP−Aという)を得た。AP−Aの質量平均分子量は9000であり、ガラス転移温度は90℃であった。また、AP−Aには、式(1)においてRがメチル基である構造を有していた。
連鎖移動剤Aの量を0.0020質量部に変更する以外は製造例3と同様にしてアクリルポリマー(以下、AP−Bという)を得た。AP−Bの質量平均分子量は、11000であり、ガラス転移温度は98℃であった。また、AP−Bには、式(1)においてRがメチル基である構造を有していた。
連鎖移動剤Aの量を0.0014質量部に変更する以外は製造例3と同様にしてアクリルポリマー(以下、AP−Cという)を得た。AP−Cの質量平均分子量は、15000であり、ガラス転移温度は102℃であった。また、AP−Cには、式(1)においてRがメチル基である構造を有していた。
連鎖移動剤Aの量を0.0009質量部に変更する以外は製造例3と同様にしてアクリルポリマー(以下、AP−Dという)を得た。AP−Dの質量平均分子量は、26000であり、ガラス転移温度は103℃であった。また、AP−Dには、式(1)においてRがメチル基である構造を有していた。
メタクリル酸メチルの量を98質量部、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチルの量を2質量部、連鎖移動剤Aの量を0.0017質量部に変更する以外は、製造例3と同様にしてアクリルポリマー(以下、AP−Eという)を得た。AP−Eの質量平均分子量は15000であり、また、ガラス転移温度は103℃であった。また、AP−Eには、式(1)においてRがメチル基である構造を有していた。
メタクリル酸メチルの量を93質量部、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチルの量を7質量部に変更する以外は、製造例5と同様にしてアクリルポリマー(以下、AP−Fという)を得た。AP−Fの質量平均分子量は15000であり、また、ガラス転移温度は102℃であった。また、AP−Fには、式(1)においてRがメチル基である構造を有していた。
メタクリル酸メチルの量を100質量部、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチルの量を0質量部、連鎖移動剤Aの量を0.0017質量部に変更する以外は、製造例3と同様にしてアクリルポリマー(以下、AP−Gという)を得た。AP−Gの質量平均分子量は15000であり、また、ガラス転移温度は104℃であった。また、AP−Gには、式(1)においてRがメチル基である構造を有していた。
連鎖移動剤Aの量を0.0100質量部に変更する以外は製造例9と同様にしてアクリルポリマー(以下、AP−Hという)を得た。AP−Hの質量平均分子量は、3200であり、ガラス転移温度は57℃であった。また、AP−Hには、式(1)においてRがメチル基である構造を有していた。
連鎖移動剤A0.0017質量部をn−ドデシルメルカプタン3.4質量部に変更する以外は製造例9と同様にしてアクリルポリマー(以下、AP−Iという)を得た。AP−Iの質量平均分子量は、15000であり、ガラス転移温度は104℃であった。また、AP−Iには、式(1)で示される構造を有していなかった。
攪拌機、温度調節器、温度計及び凝縮器を備えた内容積5リットルの三つ口フラスコに、イソホロンジイソシアネート(住友バイエルウレタン社製デスモジュールI(商品名):加水分解塩素量60ppm)1112g(10モル当量)、及びジブチル錫ジラウレート0.5gを仕込んでウオーターバスで内温が70℃になるように加熱した。
表1に示す配合割合(質量部)で各原料を配合し、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を調製した。
各例において、表1に示す配合割合(質量部)で各原料を配合した以外は実施例1と同様にして、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を調製し、評価用試料を作製した。評価結果を表1に示す。
・(A)成分(アクリルポリマー)
AP−A:製造例3で得たアクリルポリマー。
AP−B:製造例4で得たアクリルポリマー。
AP−C:製造例5で得たアクリルポリマー。
AP−D:製造例6で得たアクリルポリマー。
AP−E:製造例7で得たアクリルポリマー。
AP−F:製造例8で得たアクリルポリマー。
AP−G:製造例9で得たアクリルポリマー。
FA324A:ジ(メタ)アクリロイルポリエトキシレーテッドビスフェノールA、{商品名:ファンクリルFA−324A、日立化成工業(株)製}。
TMP6E:1分子あたり6個のエチレンオキサイドにより変性されたトリメチロールプロパントリアクリレート、{商品名:アロニックスM−360、東亞合成(株)製}。
UA:製造例12で得た2官能ウレタンアクリレート。
PEA:フェノキシエチルアクリレート{商品名:ニューフロンティアPHE、第一工業製薬(株)製}。
2HEA:アクリル酸−2−ヒドロキシエチル{商品名:HEA、大阪有機化学工業(株)製}。
4HBA:アクリル酸−4−ヒドロキシブチル{商品名:4−HBA、大阪有機化学工業(株)製}。
THFA:テトラヒドロフルフリルアクリレート{商品名:ビスコート#150、大阪有機化学工業(株)製}。
HCPK:1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン。
AP−H:製造例10で得たアクリルポリマー。
AP−I:製造例11で得たアクリルポリマー。
APMA:2−メタクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート{商品名:カヤマーPM−2、日本化薬(株)製}。なお、APMAは金属への密着付与剤である。
Claims (7)
- 式(1)で示される構造を有し、質量平均分子量が8000〜30000のアクリルポリマー(A)5〜50質量%及びラジカル重合性化合物(B)50〜95質量%を含むポリマー成分100質量部、並びに光重合開始剤(C)1〜20質量部を含む活性エネルギー線硬化型樹脂組成物であって、
前記アクリルポリマー(A)は、ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリル酸エステルの共重合比率が20質量%以下であり、ガラス転移温度が80℃以上であり、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸sec−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ペンチル及び(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、及び(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸−4−ヒドロキシブチルのうちの1種あるいは2種以上の単量体単位で構成されているアクリルポリマーであり、
前記ラジカル重合性化合物(B)は、1分子内に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物である(b−1)成分を含み、
有機溶剤の含有量が1質量%以下である活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
- (b−1)成分として、1分子内に2個又は3個の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を含む請求項1に記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
- ラジカル重合性化合物(B)成分として、さらに1分子内に1個の(メタ)アクリロイル基を有する化合物である(b−2)成分を含む請求項1又は2に記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
- アクリルポリマー(A)のガラス転移温度が90℃以上である請求項1〜3のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
- (b−1)成分として、1分子あたり4〜6個のアルキレンオキサイドで変性されたビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート及び1分子あたり3〜6個のアルキレンオキサイドで変性されたトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートのいずれかを含む請求項1〜4のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化物からなる層を金属上に有する物品。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化物からなる層を有する光記録媒体。
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