以下に、本願の開示する作物判別装置、作物判別プログラム及び作物判別方法の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施例は開示の技術を限定するものではない。
[作物判別装置10の機能構成の一例]
図1は、実施例に係る作物判別装置10の機能構成の一例を示す図である。図1の例に示すように、作物判別装置10は、入力部11、出力部12、記憶部13及び制御部14を有する。本実施例に係る作物判別装置10は、判別の対象の圃場に植えられている作物が、小麦、馬鈴薯、テンサイの3種類の作物のいずれであるかを判別する。
入力部11は、各種情報を制御部14に入力する。例えば、入力部11は、作物判別装置10のユーザから後述の作物判別処理を実行するための指示を受け付けて、受け付けた指示を制御部14に入力する。入力部11のデバイスの一例としては、マウスやキーボードなどが挙げられる。
出力部12は、各種の情報を出力する。例えば、出力部12は、後述の出力制御部14eの制御により、どの圃場にどの種類の作物が植えられているかを示す情報を表示する。この情報については後述する。出力部12のデバイスの一例としては、液晶ディスプレイなどが挙げられる。
記憶部13は、各種情報を記憶する。例えば、記憶部13は、基準強度データ13a、圃場別スペクトルデータ13b、判別用圃場別スペクトルデータ13cを記憶する。
基準強度データ13aは、判別の対象の圃場の後述の特定の波長帯域の成分の強度と比較されるデータである。図2は、基準強度データ13aの一例を示す図である。図2に示す基準強度データ13aには、「小麦」について後述する「G」の範囲の最小値「68.3」及び最大値「92.4」と、後述する「R」の範囲の最小値「61.3」及び最大値「82.9」とが登録されている。また、図2に示す基準強度データ13aには、「小麦」について後述する「NIR」の範囲の最小値「85.0」及び最大値「115.0」と、後述する「SWIR」の範囲の最小値「56.7」及び最大値「76.7」とが登録されている。
ここで、「小麦」についての「G」は、小麦が植えられた複数の圃場における太陽光の反射光に含まれる緑成分の波長帯域の強度の平均値である。例えば、「小麦」についての「G」は、波長が550nmの緑成分の強度の平均値である。なお、緑成分の波長帯域は、500nm〜590nmである。また、「小麦」についての「R」は、小麦が植えられた複数の圃場における太陽光の反射光に含まれる赤成分の波長帯域の強度の平均値である。例えば、「小麦」についての「R」は、波長が640nmの赤成分の強度の平均値である。なお、赤成分の波長帯域は、610nm〜680nmである。また、「小麦」についての「NIR」は、小麦が植えられた複数の圃場における太陽光の反射光に含まれる近赤外成分の波長帯域の強度の平均値である。例えば、「小麦」についての「NIR」は、波長が840nmの近赤外成分の強度の平均値である。なお、近赤外成分の波長帯域は、780nm〜890nmである。また、「小麦」についての「SWIR」は、小麦が植えられた複数の圃場における太陽光の反射光に含まれる短波長赤外成分の波長帯域の強度の平均値である。例えば、「小麦」についての「SWIR」は、例えば、波長が1660nmの近赤外成分の強度の平均値である。なお、短波長赤外成分の波長帯域は、1580nm〜1750nmである。
そして、「小麦」についての「G」の範囲の最小値は、「小麦」についての「G」を0.85倍した値である。また、「小麦」についての「G」の範囲の最大値は、「小麦」についての「G」を1.15倍した値である。また、「小麦」についての「R」の範囲の最小値は、「小麦」についての「R」を0.85倍した値である。また、「小麦」についての「R」の範囲の最大値は、「小麦」についての「R」を1.15倍した値である。また、「小麦」についての「NIR」の範囲の最小値は、「小麦」についての「NIR」を0.85倍した値である。また、「小麦」についての「NIR」の範囲の最大値は、「小麦」についての「NIR」を1.15倍した値である。また、「小麦」についての「SWIR」の範囲の最小値は、「小麦」についての「SWIR」を0.85倍した値である。また、「小麦」についての「SWIR」の範囲の最大値は、「小麦」についての「SWIR」を1.15倍した値である。
例えば、図2の例において、ある圃場における太陽光の反射光に含まれる特定の成分が、以下に説明する4つの条件を満たすときには、この圃場に、小麦が植えられていると考えられる。1つ目の条件は、ある圃場における太陽光の反射光に含まれる緑成分の強度が68.3以上、かつ、92.4以下であるという条件である。2つ目の条件は、ある圃場における太陽光の反射光に含まれる赤成分の強度が61.3以上、かつ、82.9以下であるという条件である。3つ目の条件は、ある圃場における太陽光の反射光に含まれる近赤外成分の強度が85.0以上、かつ、115.0以下であるという条件である。4つ目の条件は、ある圃場における太陽光の反射光に含まれる短波長赤外成分の強度が56.7以上、かつ、76.7以下であるという条件である。このようなある圃場に小麦が植えられているか判定するための4つの条件を以下の説明では、「小麦についての4つの条件」と表記する場合がある。
また、図2に示す基準強度データ13aには、「馬鈴薯」について後述する「G」の範囲の最小値「53.8」及び最大値「72.8」と、後述する「R」の範囲の最小値「42.0」及び最大値「56.9」とが登録されている。また、図2に示す基準強度データ13aには、「馬鈴薯」について後述する「NIR」の範囲の最小値「85.0」及び最大値「115.0」と、後述する「SWIR」の範囲の最小値「66.5」及び最大値「90.0」とが登録されている。
「馬鈴薯」についての「G」は、馬鈴薯が植えられた複数の圃場における太陽光の反射光に含まれる緑成分の波長帯域の強度の平均値である。例えば、「馬鈴薯」についての「G」は、波長が550nmの緑成分の強度の平均値である。また、「馬鈴薯」についての「R」は、馬鈴薯が植えられた複数の圃場における太陽光の反射光に含まれる赤成分の波長帯域の強度の平均値である。例えば、「馬鈴薯」についての「R」は、波長が640nmの赤成分の強度の平均値である。また、「馬鈴薯」についての「NIR」は、馬鈴薯が植えられた複数の圃場における太陽光の反射光に含まれる近赤外成分の波長帯域の強度の平均値である。例えば、「馬鈴薯」についての「NIR」は、波長が840nmの近赤外成分の強度の平均値である。また、「馬鈴薯」についての「SWIR」は、馬鈴薯が植えられた複数の圃場における太陽光の反射光に含まれる短波長赤外成分の波長帯域の強度の平均値である。例えば、「馬鈴薯」についての「SWIR」は、例えば、波長が1660nmの近赤外成分の強度の平均値である。
そして、「馬鈴薯」についての「G」の範囲の最小値は、「馬鈴薯」についての「G」を0.85倍した値である。また、「馬鈴薯」についての「G」の範囲の最大値は、「馬鈴薯」についての「G」を1.15倍した値である。また、「馬鈴薯」についての「R」の範囲の最小値は、「馬鈴薯」についての「R」を0.85倍した値である。また、「馬鈴薯」についての「R」の範囲の最大値は、「馬鈴薯」についての「R」を1.15倍した値である。また、「馬鈴薯」についての「NIR」の範囲の最小値は、「馬鈴薯」についての「NIR」を0.85倍した値である。また、「馬鈴薯」についての「NIR」の範囲の最大値は、「馬鈴薯」についての「NIR」を1.15倍した値である。また、「馬鈴薯」についての「SWIR」の範囲の最小値は、「馬鈴薯」についての「SWIR」を0.85倍した値である。また、「馬鈴薯」についての「SWIR」の範囲の最大値は、「馬鈴薯」についての「SWIR」を1.15倍した値である。
例えば、図2の例において、ある圃場における太陽光の反射光に含まれる特定の成分が、以下に説明する4つの条件を満たすときには、この圃場に、馬鈴薯が植えられていると考えられる。1つ目の条件は、ある圃場における太陽光の反射光に含まれる緑成分の強度が53.8以上、かつ、72.8以下であるという条件である。2つ目の条件は、ある圃場における太陽光の反射光に含まれる赤成分の強度が42.0以上、かつ、56.9以下であるという条件である。3つ目の条件は、ある圃場における太陽光の反射光に含まれる近赤外成分の強度が85.0以上、かつ、115.0以下であるという条件である。4つ目の条件は、ある圃場における太陽光の反射光に含まれる短波長赤外成分の強度が66.5以上、かつ、90.0以下であるという条件である。このようなある圃場に馬鈴薯が植えられているか判定するための4つの条件を以下の説明では、「馬鈴薯についての4つの条件」と表記する場合がある。
また、図2に示す基準強度データ13aには、「テンサイ」について後述する「G」の範囲の最小値「61.1」及び最大値「82.7」と、後述する「R」の範囲の最小値「49.9」及び最大値「67.5」とが登録されている。また、図2に示す基準強度データ13aには、「テンサイ」について後述する「NIR」の範囲の最小値「85.0」及び最大値「115.0」と、後述する「SWIR」の範囲の最小値「56.8」及び最大値「76.9」とが登録されている。
「テンサイ」についての「G」は、テンサイが植えられた複数の圃場における太陽光の反射光に含まれる緑成分の波長帯域の強度の平均値である。例えば、「テンサイ」についての「G」は、波長が550nmの緑成分の強度の平均値である。また、「テンサイ」についての「R」は、テンサイが植えられた複数の圃場における太陽光の反射光に含まれる赤成分の波長帯域の強度の平均値である。例えば、「テンサイ」についての「R」は、波長が640nmの赤成分の強度の平均値である。また、「テンサイ」についての「NIR」は、テンサイが植えられた複数の圃場における太陽光の反射光に含まれる近赤外成分の波長帯域の強度の平均値である。例えば、「テンサイ」についての「NIR」は、波長が840nmの近赤外成分の強度の平均値である。また、「テンサイ」についての「SWIR」は、テンサイが植えられた複数の圃場における太陽光の反射光に含まれる短波長赤外成分の波長帯域の強度の平均値である。例えば、「テンサイ」についての「SWIR」は、例えば、波長が1660nmの近赤外成分の強度の平均値である。
そして、「テンサイ」についての「G」の範囲の最小値は、「テンサイ」についての「G」を0.85倍した値である。また、「テンサイ」についての「G」の範囲の最大値は、「テンサイ」についての「G」を1.15倍した値である。また、「テンサイ」についての「R」の範囲の最小値は、「テンサイ」についての「R」を0.85倍した値である。また、「テンサイ」についての「R」の範囲の最大値は、「テンサイ」についての「R」を1.15倍した値である。また、「テンサイ」についての「NIR」の範囲の最小値は、「テンサイ」についての「NIR」を0.85倍した値である。また、「テンサイ」についての「NIR」の範囲の最大値は、「テンサイ」についての「NIR」を1.15倍した値である。また、「テンサイ」についての「SWIR」の範囲の最小値は、「テンサイ」についての「SWIR」を0.85倍した値である。また、「テンサイ」についての「SWIR」の範囲の最大値は、「テンサイ」についての「SWIR」を1.15倍した値である。
例えば、図2の例において、ある圃場における太陽光の反射光に含まれる特定の成分が、以下に説明する4つの条件を満たすときには、この圃場に、テンサイが植えられていると考えられる。1つ目の条件は、ある圃場における太陽光の反射光に含まれる緑成分の強度が61.1以上、かつ、82.7以下であるという条件である。2つ目の条件は、ある圃場における太陽光の反射光に含まれる赤成分の強度が49.9以上、かつ、67.5以下であるという条件である。3つ目の条件は、ある圃場における太陽光の反射光に含まれる近赤外成分の強度が85.0以上、かつ、115.0以下であるという条件である。4つ目の条件は、ある圃場における太陽光の反射光に含まれる短波長赤外成分の強度が56.8以上、かつ、76.9以下であるという条件である。このようなある圃場にテンサイが植えられているか判定するための4つの条件を以下の説明では、「テンサイについての4つの条件」と表記する場合がある。
圃場別スペクトルデータ13bには、圃場毎に、人工衛星のスペクトルカメラによって、圃場が撮像された結果得られた複数のピクセルのそれぞれにおける太陽光の反射光に含まれる緑成分、赤成分、近赤外成分及び短波長赤外成分の各強度が登録されている。一例としては、圃場別スペクトルデータ13bには、太陽光の反射光に含まれる波長が550nmの緑成分、波長が640nmの赤成分、波長が840nmの近赤外成分、波長が1660nmの短波長赤外成分の各強度が登録されている。
図3は、圃場別スペクトルデータ13bの一例を示す図である。図3の例に示す圃場別スペクトルデータ13bは、「圃場ID」、「ピクセルID」、「G」、「R」、「NIR」及び「SWIR」の各項目を有する。圃場別スペクトルデータ13bの1レコードには、1つの圃場の1つのピクセルにおける太陽光の反射光に含まれる緑成分、赤成分、近赤外成分及び短波長赤外成分の各強度が予め登録されている。
「圃場ID」の項目には、圃場を識別するためのID(Identification)が予め登録されている。「ピクセルID」の項目には、「圃場ID」の項目に登録された圃場の領域を少なくとも一部に含むピクセルを識別するためのIDが予め登録されている。「G」の項目には、「ピクセルID」の項目に登録されたIDが示すピクセルにおける太陽光の反射光に含まれる緑成分の強度が予め登録されている。「R」の項目には、「ピクセルID」の項目に登録されたIDが示すピクセルにおける太陽光の反射光に含まれる赤成分の強度が予め登録されている。「NIR」の項目には、「ピクセルID」の項目に登録されたIDが示すピクセルにおける太陽光の反射光に含まれる近赤外成分の強度が予め登録されている。「SWIR」の項目には、「ピクセルID」の項目に登録されたIDが示すピクセルにおける太陽光の反射光に含まれる短波長赤外成分の強度が予め登録されている。
例えば、図3の例に示す圃場別スペクトルデータ13bは、ID「AA」が示す圃場の領域を少なくとも一部に含むピクセルが、ID「AAA」が示すピクセル、ID「AAB」が示すピクセル、及び、ID「AAC」が示すピクセルであることを示す。また、圃場別スペクトルデータ13bは、ID「AAA」が示すピクセルにおける太陽光の反射光に含まれる緑成分、赤成分、近赤外成分、短波長赤外成分のそれぞれの強度が、「90」、「81」、「103」、「61」である場合を示す。また、圃場別スペクトルデータ13bは、ID「AAB」が示すピクセルにおける太陽光の反射光に含まれる緑成分、赤成分、近赤外成分、短波長赤外成分のそれぞれの強度が、「87」、「71」、「100」、「71」である場合を示す。また、圃場別スペクトルデータ13bは、ID「AAC」が示すピクセルにおける太陽光の反射光に含まれる緑成分、赤成分、近赤外成分、短波長赤外成分のそれぞれの強度が、「85」、「72」、「101」、「66」である場合を示す。
また、図3の例に示す圃場別スペクトルデータ13bは、ID「BB」が示す圃場の領域を少なくとも一部に含むピクセルが、ID「BAA」が示すピクセル、ID「BAB」が示すピクセル、及び、ID「BAC」が示すピクセルであることを示す。また、圃場別スペクトルデータ13bは、ID「BAA」が示すピクセルにおける太陽光の反射光に含まれる緑成分、赤成分、近赤外成分、短波長赤外成分のそれぞれの強度が、「71」、「50」、「101」、「57」である場合を示す。また、圃場別スペクトルデータ13bは、ID「BAB」が示すピクセルにおける太陽光の反射光に含まれる緑成分、赤成分、近赤外成分、短波長赤外成分のそれぞれの強度が、「70」、「51」、「100」、「58」である場合を示す。また、圃場別スペクトルデータ13bは、ID「BAC」が示すピクセルにおける太陽光の反射光に含まれる緑成分、赤成分、近赤外成分、短波長赤外成分のそれぞれの強度が、「71」、「52」、「100」、「57」である場合を示す。
判別用圃場別スペクトルデータ13cについては後述する。
記憶部13は、例えば、フラッシュメモリなどの半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスクなどの記憶装置である。
制御部14は、各種の処理手順を規定したプログラムや制御データを格納するための内部メモリを有し、これらによって種々の処理を実行する。図1に示すように、制御部14は、生成部14aと、特定部14bと、算出部14cと、判別部14dと、出力制御部14eとを有する。
生成部14aは、圃場別スペクトルデータ13bに基づいて、特定の波長帯域ごとに、特定の波長帯域の成分の強度と、強度に対応するピクセルの個数との関係を示す情報であるヒストグラムを生成する。
生成部14aの一態様について説明する。例えば、生成部14aは、入力部11から作物判別処理を実行する指示が入力されると、圃場別スペクトルデータ13bの「圃場ID」の項目に登録された圃場を識別するためのIDを全て取得する。なお、生成部14aは、重複するIDについては、1つのIDとして取得する。そして、生成部14aは、取得したIDのうち、未選択のIDを1つずつ選択する処理を行う。なお、生成部14aにより選択されたIDが示す圃場は、植えられている作物が判別される対象の圃場(判別対象の圃場)である。そして、生成部14aは、未選択のIDを1つ選択するたびに、以下で説明する処理を行う。
すなわち、生成部14aは、圃場別スペクトルデータ13bの全てのレコードの中から、選択したIDが「圃場ID」の項目に登録された全てのレコードを特定する。例えば、図3の例に示す圃場別スペクトルデータ13bが記憶部13に記憶され、生成部14aがID「AA」を選択した場合には、生成部14aは、ID「AA」が「圃場ID」の項目に登録された3つのレコードを特定する。
そして、生成部14aは、特定した全てのレコードのそれぞれの「G」の項目に登録された緑成分の強度を全て取得する。例えば、図3の例に示す圃場別スペクトルデータ13bが記憶部13に記憶され、生成部14aが、ID「AA」が「圃場ID」の項目に登録された3つのレコードを特定した場合には、生成部14aは、次の処理を行う。すなわち、生成部14aは、緑成分の3つの強度「90」、「87」、「85」を取得する。
そして、生成部14aは、取得した全ての緑成分の強度のうち、同一の緑成分の強度の数を取得した緑成分の強度ごとに計数する。ここで、生成部14aは、例えば、「N」よりも大きく、かつ、「N+10」以下の緑成分の強度については、同一の緑成分の強度「N+5」として扱う。例えば、生成部14aは、例えば、「120」よりも大きく、かつ、「130」以下の緑成分の強度については、同一の緑成分の強度「125」として扱う。なお、計数した緑成分の強度の数は、同一の緑成分の強度を有するピクセルの個数である。そして、生成部14aは、横軸を緑成分の強度、縦軸をピクセルの数とするヒストグラムを生成する。すなわち、生成部14aは、選択したIDが示す圃場における緑成分の強度についてのヒストグラムを生成する。
また、生成部14aは、特定した全てのレコードのそれぞれの「R」の項目に登録された赤成分の強度を全て取得する。そして、生成部14aは、取得した全ての赤成分の強度のうち、同一の赤成分の強度の数を、取得した赤成分の強度ごとに計数する。ここで、生成部14aは、例えば、「N」よりも大きく、かつ、「N+10」以下の赤成分の強度については、同一の赤成分の強度「N+5」として扱う。なお、計数した赤成分の強度の数は、同一の赤成分の強度を有するピクセルの個数である。そして、生成部14aは、横軸を赤成分の強度、縦軸をピクセルの個数とするヒストグラムを生成する。すなわち、生成部14aは、選択したIDが示す圃場における赤成分の強度についてのヒストグラムを生成する。
また、生成部14aは、特定した全てのレコードのそれぞれの「NIR」の項目に登録された近赤外成分の強度を全て取得する。そして、生成部14aは、取得した全ての近赤外成分の強度のうち、同一の近赤外成分の強度の数を、取得した近赤外成分の強度ごとに計数する。ここで、生成部14aは、例えば、「N」よりも大きく、かつ、「N+10」以下の近赤外成分の強度については、同一の近赤外成分の強度「N+5」として扱う。なお、計数した近赤外成分の強度の数は、同一の近赤外成分の強度を有するピクセルの個数である。そして、生成部14aは、横軸を近赤外成分の強度、縦軸をピクセルの個数とするヒストグラムを生成する。すなわち、生成部14aは、選択したIDが示す圃場における近赤外成分の強度についてのヒストグラムを生成する。
また、生成部14aは、特定した全てのレコードのそれぞれの「SWIR」の項目に登録された短波長赤外成分の強度を全て取得する。そして、生成部14aは、取得した全ての短波長赤外成分の強度のうち、同一の短波長赤外成分の強度の数を、取得した短波長赤外成分の強度ごとに計数する。ここで、生成部14aは、例えば、「N」よりも大きく、かつ、「N+10」以下の短波長赤外成分の強度については、同一の短波長成分の強度「N+5」として扱う。なお、計数した短波長赤外成分の強度の数は、同一の短波長赤外成分の強度を有するピクセルの個数である。そして、生成部14aは、横軸を短波長赤外成分の強度、縦軸をピクセルの個数とするヒストグラムを生成する。すなわち、生成部14aは、選択したIDが示す圃場における短波長赤外成分の強度についてのヒストグラムを生成する。
図4は、実施例に係る生成部14aにより生成されたヒストグラムの一例を示す図である。図4の例は、横軸を近赤外成分の強度、縦軸をピクセルの個数とするヒストグラム20を示す。図4に示すヒストグラム20では、ピクセルの個数についてのピークが2つある。図4の例に示すヒストグラム20では、1つ目のピークにおける近赤外成分の強度は、「65」であり、2つ目のピークにおける近赤外成分の強度は、「125」である。ここで、2つのピークのうち、ピクセルの個数が少ない方のピーク(近赤外成分の強度「65」に対応するピーク)は、次のような理由により発生することが考えられる。すなわち、判別対象の圃場のピクセルの一部に、判別対象の圃場以外の領域が少なくとも一部に含まれてしまった場合に、発生すると考えられる。例えば、図5や図6に示すように、判別対象の圃場30のピクセル35の一部に、判別対象の圃場以外のあぜ道40や他の圃場41の領域が少なくとも一部に含まれてしまった場合に、発生すると考えられる。本実施例では、判別対象の圃場のピクセルの一部に、判別対象の圃場以外の領域が少なくとも一部に含まれてしまった場合であっても、精度良く作物の種別を判別できるように、後述する各処理を行う。なお、上述した図5及び図6は、判別対象の圃場のピクセルの一部に、判別対象の圃場以外の領域が少なくとも一部に含まれてしまった場合の一例を説明するための図である。
生成部14aは、上述した処理を、IDを選択するたびに行う。これにより、圃場別スペクトルデータ13bにIDが登録された全ての圃場における、緑成分、赤成分、近赤外成分、短波長赤外成分のそれぞれについてのヒストグラムが生成される。
特定部14bは、生成部14aにより生成されたヒストグラムに基づいて、特定の波長帯域ごとに、ピクセルの個数が最大である強度を特定する。
特定部14bの一態様について説明する。例えば、特定部14bは、生成部14aにより選択されたIDが示す圃場における緑成分、赤成分、近赤外成分及び短波長赤外成分についての4つのヒストグラムが生成されるたびに、ヒストグラムごとに、次の処理を行う。すなわち、特定部14bは、ヒストグラムにおいて、ピクセルの個数についてピークとなる特定の波長帯域の成分の強度を抽出する。ここで、ヒストグラムにおいてピークが複数ある場合には、特定部14bは、複数のピークを抽出する。なお、ピークとは、例えば、ヒストグラムが示す、特定の波長帯域の成分の強度と、特定の波長帯域の成分の強度に対応するピクセルの個数との関係をグラフで表した場合に、極大となる点を指す。例えば、図4の例に示すヒストグラム20が生成された場合には、特定部14bは、ピクセルの個数についてピークとなる2つの近赤外成分の強度「65」及び「125」を抽出する。
そして、特定部14bは、抽出した特定の波長帯域の成分の強度が複数であるか否かを判定する。抽出した特定の波長帯域の成分の強度が複数であると判定した場合には、特定部14bは、次の処理を行う。すなわち、特定部14bは、ヒストグラムが示す特定の波長帯域の成分の強度とピクセルの個数との関係に基づいて、抽出した複数の特定の波長帯域の成分の強度の中から、対応するピクセルの個数が最大である特定の波長帯域の成分の強度を特定する。例えば、図4の例に示すヒストグラム20が生成されて、ピクセルの個数についてピークとなる2つの近赤外成分の強度「65」及び「125」を抽出した場合には、特定部14bは、次の処理を行う。すなわち、特定部14bは、2つの近赤外成分の強度「65」及び「125」の中から、ピクセルの個数が最大(60個)である近赤外成分の強度「125」を特定する。
算出部14cは、ヒストグラムに基づいて、特定の波長帯域ごとに、次の処理を行う。すなわち、算出部14cは、特定部14bにより特定された強度を含む、最大のピクセルの個数からピクセルの個数が減少する範囲内の特定の波長帯域の成分の強度に対応するピクセルにおける特定の波長帯域の成分の強度の平均値を算出する。
算出部14cの一態様について説明する。例えば、算出部14cは、特定部14bにより特定の波長帯域の成分の強度が特定されると、次の処理を行う。すなわち、算出部14cは、ヒストグラムが示す特定の波長帯域の成分の強度とピクセルの個数との関係において、特定部14bにより特定された強度に対応するピクセルの個数からピクセルの個数が減少する範囲内の特定の波長帯域の成分の強度を特定する。図7は、実施例に係る算出部14cが実行する処理の一例について説明するための図である。例えば、先の図4の例に示すヒストグラム20において、特定部14bにより近赤外成分の強度「125」が特定された場合には、算出部14cは、次の処理を行う。すなわち、算出部14cは、図7の例に示すように、強度「125」に対応するピクセルの個数「60」からピクセルの個数が減少する範囲内の近赤外成分の強度「115」、「105」、「125」、「135」、「145」、「155」を特定する。このように、算出部14cは、特定部14bにより特定された強度から、横軸方向に順に、各強度に対応するピクセルの個数を参照し、特定部14bにより特定された強度に対応するピクセルの個数から、ピクセルの個数が減少傾向にある強度を全て特定する。この場合に、算出部14cは、特定部14bにより特定された強度も特定する。
そして、算出部14cは、特定した全ての強度のそれぞれに対応するピクセルにおける特定の波長帯域の成分の強度の平均値を算出する。例えば、図7の例に示すように、強度「115」、「105」、「125」、「135」、「145」、「155」を特定した場合には、算出部14cは、次の処理を行う。すなわち、算出部14cは、図7の例に示すヒストグラム20から、強度「115」に対応するピクセルの個数「5」を取得し、強度「105」に対応するピクセルの個数「2」を取得し、強度「125」に対応するピクセルの個数「60」を取得する。また、算出部14cは、図7の例に示すヒストグラム20から、強度「135」に対応するピクセルの個数「50」を取得し、強度「145」に対応するピクセルの個数「10」を取得し、強度「155」に対応するピクセルの個数「5」を取得する。そして、算出部14cは、強度「115」、「105」、「125」、「135」、「145」、「155」に対応するピクセルの強度の平均値を算出する。すなわち、算出部14cは、「224」(115×5+105×2+125×60+135×50+145×10+155×5)/(5+2+60+50+10+5)を算出する。
そして、平均値を算出すると、算出部14cは、生成部14aにより選択されたIDと、算出した平均値とを対応付けて記憶部13に記憶された判別用圃場別スペクトルデータ13cに登録する。
図8は、判別用圃場別スペクトルデータ13cのデータ構造の一例を示す図である。図8の例に示す判別用圃場別スペクトルデータ13cは、「圃場ID」、「G」、「R」、「NIR」、「SWIR」の項目を有する。算出部14cは、平均値を算出すると、生成部14aにより選択されたIDが「圃場ID」の項目に登録されたレコードがあるか判別用圃場別スペクトルデータ13cの全レコードを検索する。検索の結果、生成部14aにより選択されたIDが「圃場ID」の項目に登録されたレコードが得られた場合には、算出部14cは、次のような処理を行う。例えば、算出部14cは、算出した平均値が、緑成分の強度の平均値である場合には、得られたレコードの「G」の項目に、算出した平均値を登録する。また、算出部14cは、算出した平均値が、赤成分の強度の平均値である場合には、得られたレコードの「R」の項目に、算出した平均値を登録する。また、算出部14cは、算出した平均値が、近赤外成分の強度の平均値である場合には、得られたレコードの「NIR」の項目に、算出した平均値を登録する。また、算出部14cは、算出した平均値が、短波長赤外成分の強度の平均値である場合には、得られたレコードの「SWIR」の項目に、算出した平均値を登録する。
一方、検索の結果、生成部14aにより選択されたIDが「圃場ID」の項目に登録されたレコードが得られなかった場合には、算出部14cは、次のような処理を行う。例えば、算出部14cは、判別用圃場別スペクトルデータ13cに新たなレコードを1つ追加する。そして、算出部14cは、生成部14aにより選択されたIDを、追加したレコードの「圃場ID」の項目に登録する。そして、算出部14cは、算出した平均値が、緑成分の強度の平均値である場合には、追加したレコードの「G」の項目に、算出した平均値を登録する。また、算出部14cは、算出した平均値が、赤成分の強度の平均値である場合には、追加したレコードの「R」の項目に、算出した平均値を登録する。また、算出部14cは、算出した平均値が、近赤外成分の強度の平均値である場合には、追加したレコードの「NIR」の項目に、算出した平均値を登録する。また、算出部14cは、算出した平均値が、短波長赤外成分の強度の平均値である場合には、追加したレコードの「SWIR」の項目に、算出した平均値を登録する。
算出部14cは、上述したような方法で、判別の対象となる全ての圃場について、緑成分、赤成分、近赤外成分、短波長赤外成分のそれぞれの強度の平均値を判別用圃場別スペクトルデータ13cに登録する。このようにして、算出部14cは、作物の判別を精度良く行うことが可能なデータを算出する。
また、算出部14cは、抽出された特定の波長帯域の成分の強度が複数でないと特定部14bにより判定された場合には、次の処理を行う。すなわち、算出部14cは、ヒストグラムが示す全ての強度のそれぞれに対応するピクセルにおける特定の波長帯域の成分の強度の平均値を、上述した平均値の算出方法と同様の方法で算出する。そして、平均値を算出すると、算出部14cは、生成部14aにより選択されたIDと、算出した平均値とを対応付けて上述した判別用圃場別スペクトルデータ13cに登録する。
判別部14dは、基準強度データ13aが示す所定の作物が植えられた地域における太陽光の反射光に含まれる特定の3種類以上の波長帯域の成分の強度に、算出部14cにより算出された3種類以上の波長帯域の成分の強度が合致するか否かを判定する。そして、判別部14dは、合致すると判定した場合には、判定対象の圃場に、所定の作物が植えられていると判別する。
判別部14dの一態様について説明する。例えば、判別対象の圃場について、緑成分、赤成分、近赤外成分、短波長赤外成分のそれぞれの強度の平均値が算出部14cにより判別用圃場別スペクトルデータ13cに登録されると、判別部14dは、次の処理を行う。すなわち、判別部14dは、生成部14aにより選択されたIDが「圃場ID」の項目に登録されたレコードの「G」、「R」、「NIR」、「SWIR」の各項目に登録された強度の平均値を判別用圃場別スペクトルデータ13cから取得する。そして、判別部14dは、取得した4つの強度の平均値が、上述した「小麦についての4つの条件」を満たすか否かを判定する。4つの強度の平均値が、「小麦についての4つの条件」を満たすと判定した場合には、判別部14dは、生成部14aにより選択されたIDと、作物の種類「小麦」とを対応付けて、制御部14の内部メモリに格納する。上述したような方法で、判別部14dは、判別対象の圃場に植えられている作物が小麦であると判別する。
一方、取得した4つの強度の平均値が、上述した「小麦についての4つの条件」を満たさないと判定した場合には、判別部14dは、次の処理を行う。すなわち、判別部14dは、取得した4つの強度の平均値が、上述した「馬鈴薯についての4つの条件」を満たすか否かを判定する。4つの強度の平均値が、「馬鈴薯についての4つの条件」を満たすと判定した場合には、判別部14dは、生成部14aにより選択されたIDと、作物の種類「馬鈴薯」とを対応付けて、制御部14の内部メモリに格納する。上述したような方法で、判別部14dは、判別対象の圃場に植えられている作物が馬鈴薯であると判別する。
一方、取得した4つの強度の平均値が、上述した「馬鈴薯についての4つの条件」を満たさないと判定した場合には、判別部14dは、次の処理を行う。すなわち、判別部14dは、取得した4つの強度の平均値が、上述した「テンサイについての4つの条件」を満たすか否かを判定する。4つの強度の平均値が、「テンサイについての4つの条件」を満たすと判定した場合には、判別部14dは、生成部14aにより選択されたIDと、作物の種類「テンサイ」とを対応付けて、制御部14の内部メモリに格納する。上述したような方法で、判別部14dは、判別対象の圃場に植えられている作物がテンサイであると判別する。
一方、取得した4つの強度の平均値が、上述した「テンサイについての4つの条件」を満たさないと判定した場合には、判別部14dは、次の処理を行う。すなわち、判別部14dは、生成部14aにより選択されたIDと、メッセージ「小麦、馬鈴薯、テンサイのいずれの作物も植えられていません。」とを対応付けて、制御部14の内部メモリに格納する。
上述したような方法で、判別部14dは、圃場に植えられている作物の種類を判定する。
出力制御部14eは、基準強度データ13aが示す所定の作物が植えられた地域における太陽光の反射光に含まれる特定の3種類以上の波長帯域の成分の強度に、算出された3種類以上の波長帯域の成分の強度が合致すると判定された場合に、次の処理を行う。すなわち、出力制御部14eは、判別対象の地域に所定の作物が植えられていることを示す情報を出力するように出力部12を制御する。
出力制御部14eの一態様について説明する。例えば、出力制御部14eは、判別部14dにより制御部14の内部メモリにIDに対応付けられて格納された各種の情報を取得する。例えば、出力制御部14eは、内部メモリに圃場のIDと作物の種類とが対応付けられて格納されている場合には、圃場のIDと作物の種類とを取得する。また、出力制御部14eは、内部メモリに、IDに対応付けられて、メッセージ「小麦、馬鈴薯、テンサイのいずれの作物も植えられていません。」が格納されている場合には、圃場のIDとメッセージとを取得する。そして、出力制御部14eは、取得した圃場のIDと作物の種類とを対応付けて表示するように出力部12を制御する。これに加えて、出力制御部14eは、取得した圃場のIDとメッセージ「小麦、馬鈴薯、テンサイのいずれの作物も植えられていません。」とを対応付けて表示するように出力部12を制御する。
図9は、出力制御部14eによる制御によって出力部12の画面に表示される内容の一例を示す図である。図9の例に示す画面は、ID「AA」が示す圃場に小麦が植えられていることを示す。また、図9の例に示す画面は、ID「BB」が示す圃場にテンサイが植えられていることを示す。また、図9の例に示す画面は、ID「CC」が示す圃場に馬鈴薯が植えられていることを示す。また、図9の例に示す画面は、ID「EE」が示す圃場に、小麦、馬鈴薯、テンサイのいずれの作物も植えられていないことを示す。
制御部14は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)などの回路である。
[処理の流れ]
次に、本実施例に係る作物判別装置10が実行する処理の流れについて説明する。図10A及び図10Bは、実施例に係る作物判別処理の手順を示すフローチャートである。実施例に係る作物判別処理は、例えば、入力部11から、作物判別処理を実行するための指示が制御部14に入力された場合に、制御部14により実行される。
図10Aに示すように、生成部14aは、圃場別スペクトルデータ13bの「圃場ID」の項目に登録された圃場を識別するためのIDを全て取得する(S101)。なお、生成部14aは、重複するIDについては、1つのIDとして取得する。そして、生成部14aは、取得したIDの中に、未選択のIDがあるか否かを判定する(S102)。未選択のIDがあると判定した場合(S102;Yes)には、生成部14aは、未選択のIDを1つ選択する(S103)。
そして、生成部14aは、圃場別スペクトルデータ13bの全てのレコードの中から、選択したIDが「圃場ID」の項目に登録された全てのレコードを特定する(S104)。そして、生成部14aは、特定した全てのレコードのそれぞれの「G」の項目に登録された緑成分の強度を全て取得する(S105)。そして、生成部14aは、取得した全ての緑成分の強度のうち、同一の緑成分の強度の数を取得した緑成分の強度ごとに計数する(S106)。ここで、生成部14aは、例えば、「N」よりも大きく、かつ、「N+10」以下の緑成分の強度については、同一の緑成分の強度「N+5」として扱う。そして、生成部14aは、横軸を緑成分の強度、縦軸をピクセルの数とするヒストグラムを生成する。すなわち、生成部14aは、選択したIDが示す圃場における緑成分の強度についてのヒストグラムを生成する(S107)。
そして、生成部14aは、特定した全てのレコードのそれぞれの「R」の項目に登録された赤成分の強度を全て取得する(S108)。そして、生成部14aは、取得した全ての赤成分の強度のうち、同一の赤成分の強度の数を、取得した赤成分の強度ごとに計数する(S109)。ここで、生成部14aは、例えば、「N」よりも大きく、かつ、「N+10」以下の赤成分の強度については、同一の赤成分の強度「N+5」として扱う。そして、生成部14aは、横軸を赤成分の強度、縦軸をピクセルの個数とするヒストグラムを生成する。すなわち、生成部14aは、選択したIDが示す圃場における赤成分の強度についてのヒストグラムを生成する(S110)。
そして、生成部14aは、特定した全てのレコードのそれぞれの「NIR」の項目に登録された近赤外成分の強度を全て取得する(S111)。そして、生成部14aは、取得した全ての近赤外成分の強度のうち、同一の近赤外成分の強度の数を、取得した近赤外成分の強度ごとに計数する(S112)。ここで、生成部14aは、例えば、「N」よりも大きく、かつ、「N+10」以下の近赤外成分の強度については、同一の近赤外成分の強度「N+5」として扱う。そして、生成部14aは、横軸を近赤外成分の強度、縦軸をピクセルの個数とするヒストグラムを生成する。すなわち、生成部14aは、選択したIDが示す圃場における近赤外成分の強度についてのヒストグラムを生成する(S113)。
そして、生成部14aは、特定した全てのレコードのそれぞれの「SWIR」の項目に登録された短波長赤外成分の強度を全て取得する(S114)。そして、生成部14aは、取得した全ての短波長赤外成分の強度のうち、同一の短波長赤外成分の強度の数を、取得した短波長赤外成分の強度ごとに計数する(S115)。ここで、生成部14aは、例えば、「N」よりも大きく、かつ、「N+10」以下の短波長赤外成分の強度については、同一の短波長成分の強度「N+5」として扱う。そして、生成部14aは、横軸を短波長赤外成分の強度、縦軸をピクセルの個数とするヒストグラムを生成する。すなわち、生成部14aは、選択したIDが示す圃場における短波長赤外成分の強度についてのヒストグラムを生成する(S116)。
そして、特定部14bは、生成部14aにより選択されたIDが示す圃場における、緑成分、赤成分、近赤外成分、短波長赤外成分の各成分についての4つのヒストグラムのうち、未選択のヒストグラムがあるか否かを判定する(S117)。未選択のヒストグラムがあると判定した場合(S117;Yes)には、特定部14bは、未選択のヒストグラムを1つ選択する(S118)。
そして、特定部14bは、選択したヒストグラムにおいて、ピクセルの個数についてピークとなる特定の波長帯域の成分の強度を抽出する(S119)。ここで、ヒストグラムにおいてピークが複数ある場合には、特定部14bは、複数のピークを抽出する。
そして、特定部14bは、抽出した特定の波長帯域の成分の強度が複数であるか否かを判定する(S120)。抽出した特定の波長帯域の成分の強度が複数であると判定した場合(S120;Yes)には、特定部14bは、次の処理を行う。すなわち、特定部14bは、選択したヒストグラムが示す強度とピクセルの個数との関係に基づいて、抽出した複数の特定の波長帯域の成分の強度の中から、対応するピクセルの個数が最大である特定の波長帯域の成分の強度を特定する(S121)。
そして、算出部14cは、選択されたヒストグラムが示す強度とピクセルの個数との関係において、特定部14bにより特定された強度に対応するピクセルの個数からピクセルの個数が減少する範囲内の特定の波長帯域の成分の強度を特定する(S122)。
そして、算出部14cは、特定した全ての強度のそれぞれに対応するピクセルにおける特定の波長帯域の成分の強度の平均値を算出する(S123)。そして、算出部14cは、生成部14aにより選択されたIDと、算出した平均値とを対応付けて記憶部13に記憶された判別用圃場別スペクトルデータ13cに登録し(S124)、S117に戻る。
一方、抽出された特定の波長帯域の成分の強度が複数でないと特定部14bにより判定された場合(S120;No)には、次の処理を行う。すなわち、算出部14cは、ヒストグラムが示す全ての強度のそれぞれに対応するピクセルにおける特定の波長帯域の成分の強度の平均値を、上述した平均値の算出方法と同様の方法で算出する(S125)。そして、算出部14cは、生成部14aにより選択されたIDと、算出した平均値とを対応付けて判別用圃場別スペクトルデータ13cに登録し(S126)、S117に戻る。
また、未選択のヒストグラムがないと特定部14bにより判定された場合(S117;No)には、図10Bに示すように、判別部14dは、次の処理を行う。すなわち、判別部14dは、生成部14aにより選択されたIDが「圃場ID」の項目に登録されたレコードの「G」、「R」、「NIR」、「SWIR」の各項目に登録された強度の平均値を判別用圃場別スペクトルデータ13cから取得する(S127)。そして、判別部14dは、取得した4つの強度の平均値が、「小麦についての4つの条件」を満たすか否かを判定する(S128)。4つの強度の平均値が、「小麦についての4つの条件」を満たすと判定した場合(S128;Yes)には、判別部14dは、次の処理を行う。すなわち、判別部14dは、生成部14aにより選択されたIDと、作物の種類「小麦」とを対応付けて、制御部14の内部メモリに格納し(S129)、S102に戻る。上述したような方法で、判別部14dは、判別対象の圃場に植えられている作物が小麦であると判別する。
一方、取得した4つの強度の平均値が、「小麦についての4つの条件」を満たさないと判定した場合(S128;No)には、判別部14dは、次の処理を行う。すなわち、判別部14dは、取得した4つの強度の平均値が、「馬鈴薯についての4つの条件」を満たすか否かを判定する(S130)。4つの強度の平均値が、「馬鈴薯についての4つの条件」を満たすと判定した場合(S130;Yes)には、判別部14dは、次の処理を行う。すなわち、判別部14dは、生成部14aにより選択されたIDと、作物の種類「馬鈴薯」とを対応付けて、制御部14の内部メモリに格納し(S131)、S102に戻る。上述したような方法で、判別部14dは、判別対象の圃場に植えられている作物が馬鈴薯であると判別する。
一方、取得した4つの強度の平均値が、上述した「馬鈴薯についての4つの条件」を満たさないと判定した場合(S130;No)には、判別部14dは、次の処理を行う。すなわち、判別部14dは、取得した4つの強度の平均値が、「テンサイについての4つの条件」を満たすか否かを判定する(S132)。4つの強度の平均値が、「テンサイについての4つの条件」を満たすと判定した場合(S132;Yes)には、判別部14dは、次の処理を行う。すなわち、判別部14dは、生成部14aにより選択されたIDと、作物の種類「テンサイ」とを対応付けて、制御部14の内部メモリに格納し(S133)、S102に戻る。上述したような方法で、判別部14dは、判別対象の圃場に植えられている作物がテンサイであると判別する。
一方、取得した4つの強度の平均値が、「テンサイについての4つの条件」を満たさないと判定した場合(S132;No)には、判別部14dは、次の処理を行う。すなわち、判別部14dは、生成部14aにより選択されたIDと、メッセージ「小麦、馬鈴薯、テンサイのいずれの作物も植えられていません。」とを対応付けて、制御部14の内部メモリに格納し(S134)、S102に戻る。
また、未選択のIDがないと生成部14aにより判定された場合(S102;No)には、出力制御部14eは、判別部14dにより制御部14の内部メモリにIDに対応付けられて格納された各種の情報を取得する。例えば、出力制御部14eは、内部メモリに圃場のIDと作物の種類とが対応付けられて格納されている場合には、圃場のIDと作物の種類とを取得する。また、出力制御部14eは、内部メモリに、IDに対応付けられて、メッセージ「小麦、馬鈴薯、テンサイのいずれの作物も植えられていません。」が格納されている場合には、圃場のIDとメッセージとを取得する(S135)。そして、出力制御部14eは、取得した圃場のIDと作物の種類とを対応付けて表示するように出力部12を制御する。これに加えて、出力制御部14eは、取得した圃場のIDとメッセージ「小麦、馬鈴薯、テンサイのいずれの作物も植えられていません。」とを対応付けて表示するように出力部12を制御し(S136)、作物判別処理を終了する。
上述してきたように、本実施例に係る作物判別装置10は、圃場別スペクトルデータ13bに基づいて、特定の波長帯域ごとに、特定の波長帯域の成分の強度と、強度に対応するピクセルの個数との関係を示す情報であるヒストグラムを生成する。そして、作物判別装置10は、生成されたヒストグラムに基づいて、特定の波長帯域ごとに、ピクセルの個数が最大である強度を特定する。そして、作物判別装置10は、ヒストグラムに基づいて、特定の波長帯域ごとに、次の処理を行う。すなわち、作物判別装置10は、特定された強度を含む、最大のピクセルの個数からピクセルの個数が減少する範囲内の特定の波長帯域の成分の強度に対応するピクセルにおける特定の波長帯域の成分の強度の平均値を算出する。そして、作物判別装置10は、特定の波長帯域ごとに算出された平均値に基づいて、判別対象の圃場に所定の作物(小麦、馬鈴薯、テンサイ)が植えられているか否かを判別する。このように、作物判別装置10は、判別対象の圃場のピクセルの一部に、圃場以外の領域が少なくとも一部に含まれてしまう場合であっても、次のような処理を行う。すなわち、作物判別装置10は、判別対象の圃場を少なくとも一部に含むピクセルのうち、判別対象の圃場の領域のみを含むピクセルにおける強度の平均値を算出する。そして、作物判別装置10は、算出した平均値に基づいて、判別対象の圃場に所定の作物が植えられているか否かを判別する。このように、作物判別装置10によれば、精度良く作物の判別を行うことが可能な、判別対象の圃場の領域のみを含むピクセルにおける強度の平均値に基づいて、作物の判別を行うので、精度良く作物を判別することができる。したがって、作物判別装置10によれば、作物の判別の精度の低下を抑制することができる。
また、作物判別装置10は、判別対象の圃場のピクセルの一部に、圃場以外の領域が少なくとも一部に含まれてしまう場合であっても、次のような処理を行う。すなわち、作物判別装置10は、判別対象の圃場のピクセルのうち外周部分のピクセルを全て除くことなく、圃場以外の領域の一部が少なくとも含まれるピクセルのみを除いた上で、強度の平均値を算出する。それゆえ、作物判別装置10によれば、外周部分のピクセルを全て除いて強度の平均値を算出した場合と比較して、強度の平均値を算出する際の強度の数が多いため、判定の精度が良い強度の平均値を算出することができる。
ここで、実施例1に係る作物判別装置10が、100個の圃場に対して上述した作物判別処理による作物の判別を行う実験を行ったところ、100個の圃場全てに対して、植えられている作物を正しく判別することができた。一方、判別対象の圃場のピクセルの一部に判別対象の圃場以外の領域が含まれてしまう場合であっても、判別対象の圃場の全ピクセルにおける強度の平均値を算出する従来技術では、100個の圃場のうち、25個の圃場に植えられた作物を正しく判別できなかった。すなわち、従来技術による作物の判別の精度は、75%の精度である。
また、「小麦についての4つの条件」において、1番目の条件、2番目の条件及び4番目の条件の3つの条件を満たしているか否かを判定することにより、小麦が植えられているか否かを判定する実験を行った。また、「馬鈴薯についての4つの条件」において、1番目の条件、2番目の条件及び4番目の条件の3つの条件を満たしているか否かを判定することにより、馬鈴薯が植えられているか否かを判定する実験を行った。また、「テンサイについての4つの条件」において、1番目の条件、2番目の条件及び4番目の条件の3つの条件を満たしているか否かを判定することにより、テンサイが植えられているか否かを判定する実験を行った。これらの実験の結果、93%の圃場に対して、植えられている作物を正しく判別することができ、精度良く作物を判別できた。そこで、作物判別装置10は、「小麦についての4つの条件」、「馬鈴薯についての4つの条件」及び「テンサイについての4つの条件」のそれぞれの1番目、2番目及び4番目の条件の3つの条件を判定して植えられている作物を判別するようにしてもよい。
また、「小麦についての4つの条件」において、1番目の条件、2番目の条件及び3番目の条件の3つの条件を満たしているか否かを判定することにより、小麦が植えられているか否かを判定する実験を行った。また、「馬鈴薯についての4つの条件」において、1番目の条件、2番目の条件及び3番目の条件の3つの条件を満たしているか否かを判定することにより、馬鈴薯が植えられているか否かを判定する実験を行った。また、「テンサイについての4つの条件」において、1番目の条件、2番目の条件及び3番目の条件の3つの条件を満たしているか否かを判定することにより、テンサイが植えられているか否かを判定する実験を行った。これらの実験の結果、97%の圃場に対して、植えられている作物を正しく判別することができ、精度良く作物を判別できた。そこで、作物判別装置10は、「小麦についての4つの条件」、「馬鈴薯についての4つの条件」及び「テンサイについての4つの条件」のそれぞれの1番目、2番目及び3番目の条件の3つの条件を判定して植えられている作物を判別するようにしてもよい。
また、「小麦についての4つの条件」において、1番目の条件、3番目の条件及び4番目の条件の3つの条件を満たしているか否かを判定することにより、小麦が植えられているか否かを判定する実験を行った。また、「馬鈴薯についての4つの条件」において、1番目の条件、3番目の条件及び4番目の条件の3つの条件を満たしているか否かを判定することにより、馬鈴薯が植えられているか否かを判定する実験を行った。また、「テンサイについての4つの条件」において、1番目の条件、3番目の条件及び4番目の条件の3つの条件を満たしているか否かを判定することにより、テンサイが植えられているか否かを判定する実験を行った。これらの実験の結果、95%の圃場に対して、植えられている作物を正しく判別することができ、精度良く作物を判別できた。そこで、作物判別装置10は、「小麦についての4つの条件」、「馬鈴薯についての4つの条件」及び「テンサイについての4つの条件」のそれぞれの1番目、3番目及び4番目の条件の3つの条件を判定して植えられている作物を判別するようにしてもよい。
また、「小麦についての4つの条件」において、2番目の条件、3番目の条件及び4番目の条件の3つの条件を満たしているか否かを判定することにより、小麦が植えられているか否かを判定する実験を行った。また、「馬鈴薯についての4つの条件」において、2番目の条件、3番目の条件及び4番目の条件の3つの条件を満たしているか否かを判定することにより、馬鈴薯が植えられているか否かを判定する実験を行った。また、「テンサイについての4つの条件」において、2番目の条件、3番目の条件及び4番目の条件の3つの条件を満たしているか否かを判定することにより、テンサイが植えられているか否かを判定する実験を行った。これらの実験の結果、96%の圃場に対して、植えられている作物を正しく判別することができ、精度良く作物を判別できた。そこで、作物判別装置10は、「小麦についての4つの条件」、「馬鈴薯についての4つの条件」及び「テンサイについての4つの条件」のそれぞれの2番目、3番目及び4番目の条件の3つの条件を判定して植えられている作物を判別するようにしてもよい。
また、「小麦についての4つの条件」、「馬鈴薯についての4つの条件」及び「テンサイについての4つの条件」のそれぞれの1番目及び2番目の条件の2つの条件を判定して、植えられている作物を判別することができるか否かの実験を行った。しかしながら、この実験では、24%の正解率しか得られなかった。
また、「小麦についての4つの条件」、「馬鈴薯についての4つの条件」及び「テンサイについての4つの条件」のそれぞれの1番目及び3番目の条件の2つの条件を判定して、植えられている作物を判別することができるか否かの実験を行った。しかしながら、この実験では、25%の正解率しか得られなかった。
また、「小麦についての4つの条件」、「馬鈴薯についての4つの条件」及び「テンサイについての4つの条件」のそれぞれの1番目及び4番目の条件の2つの条件を判定して、植えられている作物を判別することができるか否かの実験を行った。しかしながら、この実験では、20%の正解率しか得られなかった。
また、「小麦についての4つの条件」、「馬鈴薯についての4つの条件」及び「テンサイについての4つの条件」のそれぞれの2番目及び3番目の条件の2つの条件を判定して、植えられている作物を判別することができるか否かの実験を行った。しかしながら、この実験では、16%の正解率しか得られなかった。
また、「小麦についての4つの条件」、「馬鈴薯についての4つの条件」及び「テンサイについての4つの条件」のそれぞれの2番目及び4番目の条件の2つの条件を判定して、植えられている作物を判定することができるか否かの実験を行った。しかしながら、この実験では、14%の正解率しか得られなかった。
また、「小麦についての4つの条件」、「馬鈴薯についての4つの条件」及び「テンサイについての4つの条件」のそれぞれの3番目及び4番目の条件の2つの条件を判定して、植えられている作物を判定することができるか否かの実験を行った。しかしながら、この実験では、12%の正解率しか得られなかった。
また、「小麦」についての「G」、「R」、「NIR」、「SWIR」のそれぞれの範囲の最小値を、「小麦」についての「G」、「R」、「NIR」、「SWIR」のそれぞれを0.9倍した値とした。また、「小麦」についての「G」、「R」、「NIR」、「SWIR」のそれぞれの範囲の最大値を、「小麦」についての「G」、「R」、「NIR」、「SWIR」のそれぞれを1.1倍した値とした。また、「馬鈴薯」についての「G」、「R」、「NIR」、「SWIR」のそれぞれの範囲の最小値を、「馬鈴薯」についての「G」、「R」、「NIR」、「SWIR」のそれぞれを0.9倍した値とした。また、「馬鈴薯」についての「G」、「R」、「NIR」、「SWIR」のそれぞれの範囲の最大値を、「馬鈴薯」についての「G」、「R」、「NIR」、「SWIR」のそれぞれを1.1倍した値とした。また、「テンサイ」についての「G」、「R」、「NIR」、「SWIR」のそれぞれの範囲の最小値を、「テンサイ」についての「G」、「R」、「NIR」、「SWIR」のそれぞれを0.9倍した値とした。また、「テンサイ」についての「G」、「R」、「NIR」、「SWIR」のそれぞれの範囲の最大値を、「テンサイ」についての「G」、「R」、「NIR」、「SWIR」のそれぞれを1.1倍した値とした。そして、上述した実施例と同様の方法で、植えられている作物の判定を行う実験を行ったところ、97%の正解率が得られた。そこで、作物判定装置10は、「小麦」、「馬鈴薯」、「テンサイ」のそれぞれについての「G」、「R」、「NIR」、「SWIR」の範囲を上述した範囲とすることができる。
また、「小麦」についての「G」、「R」、「NIR」、「SWIR」のそれぞれの範囲の最小値を、「小麦」についての「G」、「R」、「NIR」、「SWIR」のそれぞれを0.7倍した値とした。また、「小麦」についての「G」、「R」、「NIR」、「SWIR」のそれぞれの範囲の最大値を、「小麦」についての「G」、「R」、「NIR」、「SWIR」のそれぞれを1.3倍した値とした。また、「馬鈴薯」についての「G」、「R」、「NIR」、「SWIR」のそれぞれの範囲の最小値を、「馬鈴薯」についての「G」、「R」、「NIR」、「SWIR」のそれぞれを0.7倍した値とした。また、「馬鈴薯」についての「G」、「R」、「NIR」、「SWIR」のそれぞれの範囲の最大値を、「馬鈴薯」についての「G」、「R」、「NIR」、「SWIR」のそれぞれを1.3倍した値とした。また、「テンサイ」についての「G」、「R」、「NIR」、「SWIR」のそれぞれの範囲の最小値を、「テンサイ」についての「G」、「R」、「NIR」、「SWIR」のそれぞれを0.7倍した値とした。また、「テンサイ」についての「G」、「R」、「NIR」、「SWIR」のそれぞれの範囲の最大値を、「テンサイ」についての「G」、「R」、「NIR」、「SWIR」のそれぞれを1.3倍した値とした。そして、上述した実施例と同様の方法で、植えられている作物の判定を行う実験を行ったところ、95%の正解率が得られた。そこで、作物判定装置10は、「小麦」、「馬鈴薯」、「テンサイ」のそれぞれについての「G」、「R」、「NIR」、「SWIR」の範囲を上述した範囲とすることができる。
また、「小麦」についての「G」、「R」、「NIR」、「SWIR」のそれぞれの範囲の最小値を、「小麦」についての「G」、「R」、「NIR」、「SWIR」のそれぞれを0.95倍した値とした。また、「小麦」についての「G」、「R」、「NIR」、「SWIR」のそれぞれの範囲の最大値を、「小麦」についての「G」、「R」、「NIR」、「SWIR」のそれぞれを1.05倍した値とした。また、「馬鈴薯」についての「G」、「R」、「NIR」、「SWIR」のそれぞれの範囲の最小値を、「馬鈴薯」についての「G」、「R」、「NIR」、「SWIR」のそれぞれを0.95倍した値とした。また、「馬鈴薯」についての「G」、「R」、「NIR」、「SWIR」のそれぞれの範囲の最大値を、「馬鈴薯」についての「G」、「R」、「NIR」、「SWIR」のそれぞれを1.05倍した値とした。また、「テンサイ」についての「G」、「R」、「NIR」、「SWIR」のそれぞれの範囲の最小値を、「テンサイ」についての「G」、「R」、「NIR」、「SWIR」のそれぞれを0.95倍した値とした。また、「テンサイ」についての「G」、「R」、「NIR」、「SWIR」のそれぞれの範囲の最大値を、「テンサイ」についての「G」、「R」、「NIR」、「SWIR」のそれぞれを1.05倍した値とした。そして、上述した実施例と同様の方法で、植えられている作物の判定を行う実験を行ったところ、55%の正解率しか得られなかった。
また、「小麦」についての「G」、「R」、「NIR」、「SWIR」のそれぞれの範囲の最小値を、「小麦」についての「G」、「R」、「NIR」、「SWIR」のそれぞれを0.65倍した値とした。また、「小麦」についての「G」、「R」、「NIR」、「SWIR」のそれぞれの範囲の最大値を、「小麦」についての「G」、「R」、「NIR」、「SWIR」のそれぞれを1.35倍した値とした。また、「馬鈴薯」についての「G」、「R」、「NIR」、「SWIR」のそれぞれの範囲の最小値を、「馬鈴薯」についての「G」、「R」、「NIR」、「SWIR」のそれぞれを0.65倍した値とした。また、「馬鈴薯」についての「G」、「R」、「NIR」、「SWIR」のそれぞれの範囲の最大値を、「馬鈴薯」についての「G」、「R」、「NIR」、「SWIR」のそれぞれを1.35倍した値とした。また、「テンサイ」についての「G」、「R」、「NIR」、「SWIR」のそれぞれの範囲の最小値を、「テンサイ」についての「G」、「R」、「NIR」、「SWIR」のそれぞれを0.65倍した値とした。また、「テンサイ」についての「G」、「R」、「NIR」、「SWIR」のそれぞれの範囲の最大値を、「テンサイ」についての「G」、「R」、「NIR」、「SWIR」のそれぞれを1.35倍した値とした。そして、上述した実施例と同様の方法で、植えられている作物の判定を行う実験を行ったところ、52%の正解率しか得られなかった。
さて、これまで開示の装置に関する実施例について説明したが、本発明は上述した実施例以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。
また、各実施例において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともできる。また、各実施例において説明した各処理のうち、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
また、各種の負荷や使用状況などに応じて、各実施例において説明した各処理の各ステップでの処理を任意に細かくわけたり、あるいはまとめたりすることができる。また、ステップを省略することもできる。
また、各種の負荷や使用状況などに応じて、各実施例において説明した各処理の各ステップでの処理の順番を変更できる。
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的状態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
[作物判別プログラム]
また、上記の各実施例で説明した作物判別装置10の各種の処理は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータシステムで実行することによって実現することもできる。そこで、以下では、図11を用いて、上記の実施例で説明した作物判別装置10と同様の機能を有する作物判別プログラムを実行するコンピュータの一例を説明する。図11は、作物判別プログラムを実行するコンピュータを示す図である。
図11に示すように、コンピュータ300は、CPU310、ROM320、HDD(Hard Disk Drive)330、RAM340、入力装置350、出力装置360を有する。これら各機器310〜360は、バス370を介して接続されている。
入力装置350は、キーボードやマウスなどである。入力装置350は、入力部11に対応する。出力装置360は、液晶ディスプレイなどである。出力装置360は、出力部12に対応する。
ROM320には、OS(Operating System)などの基本プログラムが記憶されている。また、HDD330には、上記の各実施例で示す生成部14a、特定部14b、算出部14c、判別部14d、出力制御部14eと同様の機能を発揮する作物判別プログラム330aが予め記憶される。また、HDD330には、記憶部13に記憶された各種のデータが設けられる。
そして、CPU310が、作物判別プログラム330aをHDD330から読み出して実行する。
そして、CPU310は、HDD330から各種のデータを読み出してRAM340に格納する。さらに、CPU310は、RAM340に格納された各種のデータを用いて、作物判別プログラム330aを実行する。なお、RAM340に格納されるデータは、常に全てのデータがRAM340に格納されなくともよい。処理に用いられるデータがRAM340に格納されれば良い。
なお、上記した作物判別プログラム330aについては、必ずしも最初からHDD330に記憶させなくともよい。
例えば、コンピュータ300に挿入されるフレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、DVDディスク、光磁気ディスク、ICカードなどの「可搬用の物理媒体」にプログラムを記憶させておく。そして、コンピュータ300がこれらからプログラムを読み出して実行するようにしてもよい。
さらには、公衆回線、インターネット、LAN、WANなどを介してコンピュータ300に接続される「他のコンピュータ(またはサーバ)」などにプログラムを記憶させておく。そして、コンピュータ300がこれらからプログラムを読み出して実行するようにしてもよい。