JP6168836B2 - 直流電源装置およびコンバータ出力電流制限方法 - Google Patents
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Description
従来の直流電源装置は、以上のように、最悪ケース(固定)の周囲温度を使って定格電流を決めていた。このため、周囲温度が、十分低い場合であっても(すなわち、コンバータに余裕がある場合であっても)、最悪ケースの周囲温度より算出した定格電流値までの出力しか出せず、不要に蓄電池を放電させてしまう場合があるという課題があった。
まず始めに、本発明の直流電源装置を説明する前に、比較対象となる従来の直流電源装置について、図面を用いて説明する。図9は、従来の直流電源装置の構成図である。従来の直流電源装置20は、交流電源1から供給される交流電源を、負荷4に応じた直流電源に変換して出力する。
・最悪ケースの周囲温度と、コンバータ主回路素子のジャンクション温度許容値と、出力電流、出力電圧からある固定の電流保護設定値Ir(装置定格電流7)が算出される。
・算出された固定の電流保護設定値Ir(装置定格電流7)に対して、コンバータ2の出力電流検出値(11)が大きくなったときには、コンパレータ9が保護信号0(19)を出力する。
・コンパレータ9が保護信号0(19)を出力した場合には、制御部3から出力される電圧指令値(18)により、コンバータ2の出力電圧を低下させ、不足電流分は、蓄電池15を放電させることで補う。
・この結果、コンバータの出力電流検出値11が、電流保護設定値Ir(装置定格電流7)より小さくなるように動作し、コンバータ2の出力電流を制限することができる。
・周囲温度Ta(17)と、出力電圧検出値(13)と、出力電流検出値(11)から、現状のジャンクション温度ΔT1(8)を動的に算出する。
・算出されたジャンクション温度ΔT1(8)が、ジャンクション温度許容値Tj(7a)に対して大きくなった場合には、コンパレータ9aが保護信号1(19a)を出力する。
・コンパレータ9aが保護信号1(19a)を出力した場合には、制御部3から出力される電圧指令値(18)により、コンバータ2の出力電圧を低下させ、不足電流分は、蓄電池15を放電させることで補う。
・この結果、ジャンクション温度ΔT1(8)が、ジャンクション温度許容値Tj(7a)より小さくなるように動作し、コンバータ2の出力電流を制限することができる。
先の実施の形態1では、検出した周囲温度を使って算出した、コンバータ主回路素子の現状のジャンクション温度が、ジャンクション温度許容値以下となる最大の出力電流を定格出力電流とした場合について説明した。これに対して、本実施の形態2では、先の実施の形態1のように、検出した周囲温度を現状のジャンクション温度の計算に使用して保護信号を生成することに加え、コンバータの出力電圧を低下させるための別の保護信号をさらに加味する場合について説明する。
先の実施の形態1では、検出した周囲温度を使って算出した、コンバータ主回路素子の現状のジャンクション温度が、ジャンクション温度許容値以下となる最大の出力電流を定格出力電流とした場合について説明した。これに対して、本実施の形態3では、周囲温度の代わりにコンバータ主回路素子を冷却するフィンの温度Tfを使って算出した、コンバータ主回路素子の現状のジャンクション温度が、ジャンクション温度許容値以下となる最大の出力電流を定格出力電流とした場合について説明する。このような制御を行うことでも、周囲温度が低い場合は、蓄電池の不要な放電を回避させることができる。
先の実施の形態3では、検出したフィン温度を使って算出した、コンバータ主回路素子の現状のジャンクション温度が、ジャンクション温度許容値以下となる最大の出力電流を定格出力電流とした場合について説明した。これに対して、本実施の形態4では、先の実施の形態3のように、検出したフィン温度を現状のジャンクション温度の計算に使用して保護信号を生成することに加え、コンバータの出力電圧を低下させるための別の保護信号をさらに加味する場合について説明する。
先の実施の形態1では、検出した周囲温度を使って算出した、コンバータ主回路素子の現状のジャンクション温度が、ジャンクション温度許容値以下となる最大の出力電流を定格出力電流とした場合について説明した。これに対して、本実施の形態5では、周囲温度の代わりにコンバータ主回路素子のジャンクション温度(Tj1、・・・Tjn)を直接検出し、検出したジャンクション温度が、ジャンクション温度許容値以下となる最大の出力電流を定格出力電流とした場合について説明する。このような制御を行うことで、周囲温度が低い場合は、蓄電池の不要な放電を回避させることができる。
先の実施の形態5では、直接検出したコンバータ主回路素子の現状のジャンクション温度が、ジャンクション温度許容値以下となる最大の出力電流を定格出力電流とした場合について説明した。これに対して、本実施の形態6では、先の実施の形態5のように、検出した素子ジャンクション温度を使用して保護信号を生成することに加え、コンバータの出力電圧を低下させるための別の保護信号をさらに加味する場合について説明する。
Claims (7)
- 供給される交流電力を直流に変換し、負荷に対して出力電流を供給するコンバータと、
前記コンバータの変換動作を制御する制御部と、
前記コンバータの出力に接続され、前記負荷に対して供給すべき負荷電流が前記コンバータから出力される前記出力電流だけでは不足する場合に、放電電流を出力する蓄電池と、
前記コンバータの出力電流を制限するために前記コンバータの出力電圧を低下させ、前記蓄電池から前記放電電流を供給させる保護信号を前記制御部に出力する保護回路と
を備えた直流電源装置であって、
使用環境に応じて、コンバータ主回路素子の現状のジャンクション温度を求めるために使用する温度データを検出する温度検出部と、
前記温度検出部で検出された前記温度データに基づいて、前記コンバータ主回路素子のジャンクション温度計算値を算出する温度計算部と
をさらに備え、
前記保護回路は、前記コンバータの前記出力電流を制限するためにあらかじめ設定された温度保護設定値よりも、前記温度計算部で算出された前記ジャンクション温度計算値が大きい場合には、前記保護信号を出力する
直流電源装置。 - 請求項1に記載の直流電源装置において、
前記コンバータの出力電流を検出し出力電流検出値として出力する電流検出部と、
前記コンバータの出力電圧を検出し出力電圧検出値として出力する電圧検出部と
をさらに備え、
前記温度検出部は、前記温度データとして前記コンバータ主回路素子の周囲温度を検出し、周囲温度検出値として出力し、
前記温度計算部は、前記電流検出部による前記出力電流検出値と、前記電圧検出部による前記出力電圧検出値と、前記温度検出部による前記周囲温度検出値とに基づいて、前記ジャンクション温度計算値を算出する
直流電源装置。 - 請求項1に記載の直流電源装置において、
前記コンバータの出力電流を検出し出力電流検出値として出力する電流検出部と、
前記コンバータの出力電圧を検出し出力電圧検出値として出力する電圧検出部と
をさらに備え、
前記温度検出部は、前記温度データとして前記コンバータ主回路素子の冷却用フィン温度を測定し、フィン温度検出値として出力し、
前記温度計算部は、前記電流検出部による前記出力電流検出値と、前記電圧検出部による前記出力電圧検出値と、前記温度検出部による前記フィン温度検出値とに基づいて、前記ジャンクション温度計算値を算出する
直流電源装置。 - 請求項1に記載の直流電源装置において、
前記温度検出部は、前記温度データとして前記コンバータ主回路素子のそれぞれのジャンクション温度を直接検出し、複数の素子温度検出値として出力し、
前記温度計算部は、前記温度検出部により検出された前記複数の素子温度検出値の中から最大値を求めることで前記ジャンクション温度計算値を算出する
直流電源装置。 - 請求項2または3に記載の直流電源装置において、
前記電圧検出部による前記出力電圧検出値が、前記コンバータ主回路素子以外の主回路部材の許容電流値よりも大きくなった場合には、前記コンバータの出力電流を制限するために前記コンバータの出力電圧を低下させ、前記蓄電池から前記放電電流を供給させる第2の保護信号を前記制御部に出力する第2の保護回路をさらに備え、
前記制御部は、前記保護回路から出力される前記保護信号と、前記第2の保護回路から出力される前記第2の保護回路とに基づいて、前記コンバータの出力電流を制限するために前記コンバータの出力電圧を低下させ、前記蓄電池から前記放電電流を供給させるように前記コンバータの変換動作を制御する
直流電源装置。 - 請求項4に記載の直流電源装置において、
前記コンバータの出力電圧を検出し出力電圧検出値として出力する電圧検出部と
前記電圧検出部による前記出力電圧検出値が、前記コンバータ主回路素子以外の主回路部材の許容電流値よりも大きくなった場合には、前記コンバータの出力電流を制限するために前記コンバータの出力電圧を低下させ、前記蓄電池から前記放電電流を供給させる第2の保護信号を前記制御部に出力する第2の保護回路と
をさらに備え、
前記制御部は、前記保護回路から出力される前記保護信号と、前記第2の保護回路から出力される前記第2の保護回路とに基づいて、前記コンバータの出力電流を制限するために前記コンバータの出力電圧を低下させ、前記蓄電池から前記放電電流を供給させるように前記コンバータの変換動作を制御する
直流電源装置。 - 供給される交流電力を直流に変換し、負荷に対して出力電流を供給するコンバータと、
前記コンバータの変換動作を制御する制御部と、
前記コンバータの出力に接続され、前記負荷に対して供給すべき負荷電流が前記コンバータから出力される前記出力電流だけでは不足する場合に、放電電流を出力する蓄電池と、
前記コンバータの出力電流を制限するために前記コンバータの出力電圧を低下させ、前記蓄電池から前記放電電流を供給させる保護信号を前記制御部に出力する保護回路と
を備えた直流電源装置に用いられるコンバータ出力電流制限方法であって、
使用環境に応じて、コンバータ主回路素子の現状のジャンクション温度を求めるために使用する温度データを検出する温度検出ステップと、
前記温度検出ステップで検出された前記温度データに基づいて、前記コンバータ主回路素子のジャンクション温度計算値を算出する温度計算ステップと、
前記コンバータの前記出力電流を制限するためにあらかじめ設定された温度保護設定値よりも、前記温度計算ステップで算出された前記ジャンクション温度計算値が大きい場合には、前記制御部に対して前記保護信号を出力する出力ステップと
を備えるコンバータ出力電流制限方法。
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