JP6167928B2 - 半導体装置およびその製造方法 - Google Patents
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この方法は、スパッタターゲットとしてのTiと、反応ガスとしてのN2と、スパッタガスとしてのArと、を使用して、反応性スパッタ法により前記第1の窒化チタン層を形成する工程を備える。前記第1の窒化チタン層を形成する工程において、ArとN2の総流量に対するN2の流量が、20〜40%である。このような態様とすれば、半導体装置の製造において、窒化チタン層の厚みの変動に応じたフラットバンド電圧の変化を小さくすることができる。このため、TiN層を備える半導体装置の製造において、容易かつ安定的に半導体装置を製造することができる。
図1は、本発明の第1実施形態としてのMOSキャパシタ1の製造方法を示すフローチャートである。フローチャートの各ステップの右側には、各ステップで生成された中間品の構造を示す。なお、技術の理解を容易にするため、図1は、中間品の構造の各層の厚みの正確な寸法を反映していない。
条件A(グラフGa):ΔVfb=0.005t−0.0618 ・・・ (1)
条件B(グラフGb):ΔVfb=−0.0003t−0.0086 ・・・ (2)
条件C(グラフGc):ΔVfb=−0.0262t+0.2624 ・・・ (3)
B1.適用例1:
図7は、適用例1のトレンチ型の半導体装置(MIS型FET)2の断面の構造を示す模式図である。なお、技術の理解を容易にするため、図7は、各層の厚みの正確な寸法を反映していない。図7の左下に、相互に直交するXYZ軸を示す。以降の説明では、XYZ軸を参照して半導体装置2の各構成の位置関係を説明することがある。なお、z軸正の方向を「上方」とする。z軸負の方向を「下方」とする。図8および図8を参照した説明においても同様である。
図8は、適用例2のトレンチ型の半導体装置(MIS型FET)3の断面の構造を示す模式図である。なお、技術の理解を容易にするため、図8は、各層の厚みの正確な寸法を反映していない。
350のバリア性を高くすることができる。
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
上記実施形態および適用例においては、第1のTiN層および第2のTiN層のいずれも、Tiに対するNの組成比が0.93±0.05、すなわち0.88〜0.98の範囲内となるように構成されている。しかし、第1のTiN層および第2のTiN層のいずれか一方のみについて、Tiに対するNの組成比が0.93±0.05となるように構成しても、そのように構成したTiN層の厚みの変化に応じたフラットバンド電圧の変化量を低減する効果は、奏され得る。
上記実施形態においては、TiN層の形成において、全ガス中のN2の質量流量の割合を30%として、半導体装置を製造した(表1のB欄参照)。しかし、全ガス中のN2の質量流量の割合は、他の値とすることもできる。ただし、TiN層の形成において、全ガス中のN2の質量流量の割合は、20〜40%とすることが好ましく、25〜35%とすることがより好ましく、28〜32%とすることがさらに好ましい。
上記実施形態においては、TiN層の厚み:10〜100nmについて効果を検証した。しかし、TiN層の厚みの変化に対するフラットバンド電圧の変化は、ほぼ線形であるため(図6参照)、TiN層の厚みが10nm未満の範囲、および100nmを超える範囲についても、TiN層の組成を本実施形態に沿って調整することにより、同様に、効果が奏されるものと考えられる。
また、上記実施形態においては、絶縁体層としてSiO2層が採用されている。しかし、MIS(金属−絶縁体−半導体)構造の一部を構成する絶縁体層の材料としては、Si3N4,HfO2,ZrO2,La2O33,Al2O3など他の高誘電率絶縁体を採用することもできる。
上記実施形態では、TiN層よりも電気抵抗率が小さい金属による導電金属層としてのAl層を採用している。しかし、TiN層よりも電気抵抗率が小さい金属による導電金属層は、他の構成を採用することもできる。たとえば、TiN層よりも電気抵抗率が小さい金属による導電金属層として、Al−CuやAl−Siなどのアルミニウム合金や、Cu,Ag,Au等による構成を採用することもできる。ただし、TiN層よりも電気抵抗率が小さい金属による導電金属層としては、Alを主成分とする構成とすることが好ましい。なお、本明細書において、「Xを主成分とする」とは、全組成中におけるXの割合が90アトミック%以上であることを意味する。Alを主成分とする層は、より具体的には、Al、Al−Cu、およびAl−Siからなる群から選択された1以上の要素による層とすることができる。
上記実施形態においては、半導体層は、GaNを主成分とする層である。しかし、半導体層は、他の構成とすることもできる。たとえば、半導体層は、Si,SiC,ZnO,GaAsのいずれかを主成分とする層として構成することもできる。
上記実施形態および適用例においては、第1のTiN層および第2のTiN層と、それらよりも電気抵抗率が小さい金属による導電金属層としてのAl層は、直接接合している。しかし、導電金属層とTiN層との間には、Tiなど他の素材で構成される他の層が存在していてもよい。他の層は、たとえば、導電金属層と第1の窒化チタン層との間と、導電金属層と第2の窒化チタン層との間と、のいずれか一方に設けることもでき、両方に設けることもできる。たとえば、TiN層と他の層の間にTi層を設けることにより、TiN層と他の層の密着性を高めることができる。ただし、MIS構造の一部を構成する絶縁体層とTiN層とは、直接、接していることが好ましい。
本発明を適用する半導体装置として、上記実施形態において、MOSキャパシタ1の例を説明し(図1参照)、適用例において、トレンチ型の半導体装置2,3の例を説明した(図7および図8参照)。しかし、本発明はこれらの例に限らず、MIS構造を備える様々な半導体装置に適用することができる。
2…半導体装置
3…半導体装置
10…半導体層
20…SiO2層
30…第1のTiN層
40…Al層
50…第2のTiN層
60…金属層
100…基板
113…n型半導体層(nGaN)
115…p型半導体層(pGaN)
117…n+型半導体層(n+GaN)
120…絶縁体層
200…トレンチ
210…ゲート電極
220…ソース電極
230…p−body電極
240…ドレイン電極(裏面電極)
300…基板
305…バッファ層
313…n型半導体層(nGaN)
316…AlGaNバリア層
320…絶縁体層
400…トレンチ
410…ゲート電極
420…ソース電極
440…ドレイン電極
Ga…条件Aの下で製造されたMOSキャパシタのフラットバンド電圧のシフト量ΔVfb(V)
Gb…条件Bの下で製造されたMOSキャパシタのフラットバンド電圧のシフト量ΔVfb(V)
Gc…が条件Cの下で製造されたMOSキャパシタのフラットバンド電圧のシフト量ΔVfb(V)
Claims (7)
- トレンチ構造の壁部において形成されゲート電極の少なくとも一部を構成するMIS構造を備える絶縁ゲート型電界効果トランジスタであって、
前記MIS構造の一部を構成する絶縁体層と、
前記絶縁体層に接する層として設けられる第1の窒化チタン層と、
前記絶縁体層に対して前記第1の窒化チタン層とは逆の側に設けられ、前記MIS構造の一部を構成する半導体層と、
前記MIS構造の一部を構成する金属層の少なくとも一部として、前記第1の窒化チタン層に対して前記絶縁体層とは逆の側に設けられ、前記第1の窒化チタン層よりも電気抵抗率が小さい金属による導電金属層と、
前記導電金属層に対して前記第1の窒化チタン層とは逆の側に設けられる、第2の窒化チタン層と、を備え、さらに、
前記導電金属層と前記第1の窒化チタン層との間と、前記導電金属層と前記第2の窒化チタン層との間と、の少なくとも一方に、チタン層を備え、
前記第1の窒化チタン層において、窒素のチタンに対する組成比が0.88〜0.98であり、
前記第2の窒化チタン層において、窒素のチタンに対する組成比が0.88〜0.98である、絶縁ゲート型電界効果トランジスタ。 - 請求項1記載の絶縁ゲート型電界効果トランジスタであって、
前記第1の窒化チタン層の厚みは、10〜130nmである、絶縁ゲート型電界効果トランジスタ。 - 請求項2記載の絶縁ゲート型電界効果トランジスタであって、
フラットバンド電圧のシフト量が±0.05Vである、絶縁ゲート型電界効果トランジスタ。 - 請求項1から3のいずれか1項に記載の絶縁ゲート型電界効果トランジスタであって、
前記半導体層として、p層とn層とが交互に積層された3層の構造を備え、
前記トレンチ構造は、前記3層をまたぐように構成されている、縦型トランジスタである絶縁ゲート型電界効果トランジスタ。 - 請求項1から4のいずれか1項に記載の絶縁ゲート型電界効果トランジスタであって、
前記半導体層は、GaNを主成分とする層である、絶縁ゲート型電界効果トランジスタ。 - 請求項1から5のいずれか1項に記載の絶縁ゲート型電界効果トランジスタを製造する方法であって、
スパッタターゲットとしてのTiと、反応ガスとしてのN2と、スパッタガスとしてのArと、を使用して、反応性スパッタ法により前記第1の窒化チタン層を形成する工程を備え、
前記第1の窒化チタン層を形成する工程において、ArとN2の総流量に対するN2の流量が、20〜40%である、方法。 - 請求項6記載の絶縁ゲート型電界効果トランジスタを製造する方法であって、さらに、
前記絶縁体層としてのSiO 2 層を原子層堆積により形成する工程を備える、方法。
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