JP6167928B2 - 半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体装置およびその製造方法に関するものである。
TiN層は、その層の厚みに応じて仕事関数が変化する。このため、TiNは、従来、シリコンCMOS等の半導体装置のゲート電極において、フラットバンド電圧を望ましい値に設定し、半導体装置のしきい値電圧を望ましい値に設定するために、使用されている。厚みに応じてTiN層の仕事関数が変化する理由としては、TiN層の厚み方向に沿ってTiNの組成が変化しているため、また、TiN層に接している絶縁体層にTiN層中のTiおよびNが拡散する量が、TiN層の厚みが増大するほど増大するため、などの理由が推測されている。
特許第4647682号公報 特開2012−186259号公報
しかし、TiN層の上記のような性質のため、たとえば、FET(Field effect transistor:電界効果トランジスタ)においてTiNをゲート電極の一部として使用する場合には、望ましいしきい値電圧、すなわち望ましいフラットバンド電圧を実現するために、FETの製造において、TiN層の厚みを正確に管理する必要があった。このため、TiN層は、FETなどの半導体装置の製造において、歩留まりを低下させる一要因となっていた。
よって、TiN層を備える半導体装置の製造において、容易かつ安定的に半導体装置を製造する技術が望まれていた。そのほか、半導体装置の技術分野においては、製造装置の小型化や、低コスト化、省資源化、製造方法の容易化等が望まれていた。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本発明の一形態によれば、MIS構造を備える半導体装置が提供される。この半導体装置は、前記MIS構造の一部を構成する絶縁体層に接する層として、第1の窒化チタン層を備え;前記第1の窒化チタン層において、窒素のチタンに対する組成比が0.88〜0.98である。このような態様とすれば、第1の窒化チタン層において窒素のチタンに対する組成比が上記範囲にない態様に比べて、窒化チタン層の厚みの変動に応じたフラットバンド電圧の変化を小さくすることができる。このため、TiN層を備える半導体装置の製造において、容易かつ安定的に半導体装置を製造することができる。
(2)上記形態の半導体装置において、さらに、前記絶縁体層に対して前記第1の窒化チタン層とは逆の側に、前記MIS構造の一部を構成する半導体層を備えることができる。このような態様としても、TiN層を備える半導体装置の製造において、容易かつ安定的に半導体装置を製造することができる。
(3)上記形態の半導体装置において、さらに、前記絶縁体層に対して前記第1の窒化チタン層とは逆の側に、配線と接続される電極層を備えることができる。このような態様としても、TiN層を備える半導体装置の製造において、容易かつ安定的に半導体装置を製造することができる。
(4)上記形態の半導体装置において、前記第1の窒化チタン層の厚みは、10〜130nmとすることができる。第1の窒化チタン層の厚みが10nm以上であることにより、MIS構造を備える半導体装置において、金属層の金属の絶縁体層側への拡散を効果的に防止することができる。また、第1の窒化チタン層の厚みが130nm以下であることにより、第1の窒化チタン層の厚みが130nmを超える態様に比べて、MIS構造を備える半導体装置において、MIS構造の電気抵抗を小さくすることができる。
(5)上記形態の半導体装置において、前記MIS構造の一部を構成する金属層の少なくとも一部として、前記第1の窒化チタン層よりも電気抵抗率が小さい金属による導電金属層を備えることができる。このような態様とすれば、MIS構造の一部を構成する金属層として第1の窒化チタン層以上の電気抵抗率を有する層を備える態様に比べて、MIS構造の電気抵抗を小さくすることができる。その結果、半導体装置の消費電力および発熱を少なくすることができる。
(6)上記形態の半導体装置において、前記導電金属層は、Alを主成分とする層とすることができる。
(7)上記形態の半導体装置において、前記導電金属層は、前記第1の窒化チタン層に対して、前記絶縁体層とは逆の側に設けられている態様とすることができる。そして、前記半導体装置は、さらに、前記導電金属層に対して前記第1の窒化チタン層とは逆の側に、第2の窒化チタン層を備えることができる。前記第2の窒化チタン層において、窒素のチタンに対する組成比が0.88〜0.98とすることができる。このような態様とすれば、第2の窒化チタン層において窒素のチタンに対する組成比が上記範囲にない態様に比べて、窒化チタン層の厚みの変動に応じたフラットバンド電圧の変化を小さくすることができる。このため、TiN層を備える半導体装置の製造において、容易かつ安定的に半導体装置を製造することができる。
(8)上記形態の半導体装置において、さらに、前記導電金属層と、前記第1の窒化チタン層との間と;前記導電金属層と、前記第2の窒化チタン層との間と;の少なくとも一方に、チタン層を備えることができる。このような態様とすれば、チタン層の両側に配される導電金属層と窒化チタン層との密着性を、チタン層により高めることができる。
(9)上記形態の半導体装置において、前記MIS構造がゲート電極の少なくとも一部を構成する、絶縁ゲート型電界効果トランジスタとすることができる。このような態様とすることにより、しきい値電圧の製造誤差が少ない絶縁ゲート型電界効果トランジスタを構成することができる。
(10)上記形態の半導体装置において、トレンチ構造を備え;前記MIS構造は、前記トレンチ構造の壁部において形成されている態様とすることができる。このような態様とすれば、トレンチ構造を備える絶縁ゲート型電界効果トランジスタの製造において、容易かつ安定的に、望ましいフラットバンド電圧を有する絶縁ゲート型電界効果トランジスタを製造することができる。
(11)上記形態の半導体装置において、前記半導体層として、p層とn層とが交互に積層された3層の構造を備え;前記トレンチ構造は、前記3層をまたぐように構成されている、縦型トランジスタである態様とすることができる。このような態様とすれば、縦型トランジスタの製造において、容易かつ安定的に、望ましいフラットバンド電圧を有する縦型トランジスタを製造することができる。
(12)上記形態の半導体装置において、前記半導体層は、GaNを主成分とする層である態様とすることができる。
(13)本発明の一形態によれば、上記形態の半導体装置を製造する方法が提供される。
この方法は、スパッタターゲットとしてのTiと、反応ガスとしてのN2と、スパッタガスとしてのArと、を使用して、反応性スパッタ法により前記第1の窒化チタン層を形成する工程を備える。前記第1の窒化チタン層を形成する工程において、ArとN2の総流量に対するN2の流量が、20〜40%である。このような態様とすれば、半導体装置の製造において、窒化チタン層の厚みの変動に応じたフラットバンド電圧の変化を小さくすることができる。このため、TiN層を備える半導体装置の製造において、容易かつ安定的に半導体装置を製造することができる。
上述した本発明の各形態の有する複数の構成要素はすべてが必須のものではなく、上述の課題の一部又は全部を解決するため、あるいは、本明細書に記載された効果の一部又は全部を達成するために、適宜、前記複数の構成要素の一部の構成要素について、その変更、削除、新たな他の構成要素との差し替え、限定内容の一部削除を行うことが可能である。また、上述の課題の一部又は全部を解決するため、あるいは、本明細書に記載された効果の一部又は全部を達成するために、上述した本発明の一形態に含まれる技術的特徴の一部又は全部を上述した本発明の他の形態に含まれる技術的特徴の一部又は全部と組み合わせて、本発明の独立した一形態とすることも可能である。
本発明は、上記方法、装置以外の種々の形態で実現することも可能である。例えば、窒化チタン層の製造方法や、半導体装置の製造装置の制御方法および制御装置、その制御方法を実現するコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した一時的でない記録媒体等の形態で実現することができる。
本発明の一形態によれば、窒化チタン層の厚みの変動に応じたフラットバンド電圧の変化を小さくすることができる。このため、TiN層を備える半導体装置の製造において、容易かつ安定的に半導体装置を製造することができる。
本発明の第1実施形態としてのMOSキャパシタ1の製造方法を示すフローチャート。 製造条件Aの下で製造したMOSキャパシタの正規化容量を示すグラフ。 製造条件Bの下で製造したMOSキャパシタの正規化容量を示すグラフ。 製造条件Cの下で製造したMOSキャパシタの正規化容量を示すグラフ。 条件A〜Cで製造された各MOSキャパシタについて、第1のTiN層の膜厚が10nmの態様のフラットバンド電圧に対する、膜厚が100nmの態様のフラットバンド電圧のシフト量を示す図。 各MOSキャパシタについての、第1のTiN層の膜厚が10nmのMOSキャパシタのフラットバンド電圧に対する、他の膜厚のMOSキャパシタのフラットバンド電圧のシフト量を示すグラフ。 適用例1のトレンチ型の半導体装置2の断面の構造を示す模式図。 適用例2のトレンチ型の半導体装置3の断面の構造を示す模式図。
A.実施形態:
図1は、本発明の第1実施形態としてのMOSキャパシタ1の製造方法を示すフローチャートである。フローチャートの各ステップの右側には、各ステップで生成された中間品の構造を示す。なお、技術の理解を容易にするため、図1は、中間品の構造の各層の厚みの正確な寸法を反映していない。
図1のステップS10では、半導体層10としての半導体を準備する。ステップS20では、半導体層10の上に絶縁膜としてのSiO2層20を形成する。より具体的には、原子層堆積(Atomic Layer Deposition:ALD)により、SiO2を堆積させる。
ステップS30では、SiO2層20の上に、第1のTiN層30を形成する。より具体的には、スパッタターゲットとしてのTiと、反応ガスとしてのN2と、スパッタガスとしてのArと、を使用して、反応性スパッタ法により第1のTiN層30を形成する。なお、第1のTiN層30は、MOS(金属−酸化物−半導体)キャパシタ1の金属層60の一部を形成する。
ステップS40では、第1のTiN層30の上に、スパッタリングによりAlを主成分とするAl層40を形成する。なお、Al層40は、MOSキャパシタ1の金属層60の一部を形成する。
ステップS50では、Al層40の上に、第2のTiN層50を形成する。より具体的には、スパッタターゲットとしてのTiと、反応ガスとしてのN2と、スパッタガスとしてのArと、を使用して、反応性スパッタ法により第2のTiN層50を形成する。なお、ステップS50の処理は、ステップS30の処理と同じ処理とすることもでき、異なる処理とすることもできる。第2のTiN層50は、MOSキャパシタ1の金属層60の一部を形成する。
以上の処理で、MOSキャパシタ1が生成される。
上記の処理において、ステップS30の製造条件を変更して、複数種類のMOSキャパシタを製造した。そして、各製造条件下で製造されたMOSキャパシタにおけるTiN層30の組成比を調べた。さらに、各MOSキャパシタの容量およびフラットバンド電圧のシフト量ΔVfbを測定した。
表1に、図1のステップS30における3つの処理条件を示す。なお、表1中、「窒素流量比」は、全ガス中のN2の質量流量の割合を表す。「Ti:N」は、TiとNの原子組成の比を表す。TiとNの原子組成は、ラザフォード後方散乱分光法(Rutherford Backscattering Spectrometry:RBS)によって、測定した。RBSによる測定の精度±0.05をカッコを付して表1内に示す。
Figure 0006167928
表1の下段から分かるように、条件Cのもとで製造されたMOSキャパシタは、第1のTiN層30において、Tiに対してNが過剰である。条件Aのもとで製造されたMOSキャパシタは、第1のTiN層30において、Tiに対してNが大きく不足している。条件Bのもとで製造されたMOSキャパシタは、本発明の実施形態のMOSキャパシタである。
製造条件A,B,Cの下で、第1のTiN層30(図1参照)の膜厚が10nmのもの、25nmのもの、50nmのもの、100nmのもの、の4種類のMOSキャパシタを3個づつ製造した。そして、MOSキャパシタについて、高周波CV測定を行い、さまざまなBias電圧における正規化容量を測定した。なお、ここで、「正規化容量」は、絶縁膜20(図1参照)単独の容量を1としたときのMOSキャパシタ1の容量の比である。
図2は、製造条件Aの下で製造したMOSキャパシタの正規化容量を示すグラフである。白い丸が、第1のTiN層30の膜厚が10nmのMOSキャパシタの測定結果を示す。白い上向きの三角が、第1のTiN層30の膜厚が25nmのMOSキャパシタの測定結果を示す。白い四角が、膜厚が50nmのMOSキャパシタの測定結果を示す。白い下向きの三角が、膜厚が100nmのMOSキャパシタの測定結果を示す。なお、各グラフに示した点(測定値)は、3個づつあるサンプルの各測定値の平均値である。
図3は、製造条件Bの下で製造したMOSキャパシタの正規化容量を示すグラフである。図4は、製造条件Cの下で製造したMOSキャパシタの正規化容量を示すグラフである。各グラフの印は、図2のグラフと同様に、第1のTiN層30の膜厚を示す。各グラフに示した測定値は、3個づつあるサンプルの各測定値の平均値である。
図2から分かるように、第1のTiN層30において、Tiに対してNが大きく不足している場合には(条件A)、第1のTiN層30の膜厚が増大するにつれて、Bias電圧[−1V〜1V]の区間において、MOSキャパシタの容量は小さくなる。一方、図4から分かるように、第1のTiN層30において、Tiに対してNが過剰である場合には(条件C)、第1のTiN層30の膜厚が増大するにつれて、Bias電圧[−1V〜2V]の区間において、MOSキャパシタの容量は大きくなる。
これに対して、図3から分かるように、第1のTiN層30において、Tiに対してNが0.93である場合には(条件B)、第1のTiN層30の膜厚が変化しても、MOSキャパシタの容量はほとんど変化しない。すなわち、条件Bのもとで製造された本実施形態のMOSキャパシタの容量は、第1のTiN層30の膜厚が変化してもほとんど変化しない。
図2〜図4に示した測定結果に基づいて、各MOSキャパシタについて、第1のTiN層30の膜厚が10nmのMOSキャパシタのフラットバンド電圧に対する、他の膜厚のMOSキャパシタのフラットバンド電圧のシフト量を得た。結果を表2に示す。
Figure 0006167928
図5は、条件A〜Cで製造された各MOSキャパシタについて、第1のTiN層30の膜厚が10nmのMOSキャパシタのフラットバンド電圧に対する、第1のTiN層30の膜厚が100nmのMOSキャパシタのフラットバンド電圧のシフト量を示す図である(表2の右端の列参照)。図5の横軸は、Tiに対するNの原子組成の比である。Nの原子組成の比が0.38の位置(図5の左側)にある測定値が、条件Aで製造された各MOSキャパシタのフラットバンド電圧のシフト量である。Nの原子組成の比が0.93の位置(図5の中央)にある測定値が、条件Bで製造された各MOSキャパシタのフラットバンド電圧のシフト量である。Nの原子組成の比が1.105の位置(図5の右側)にある測定値が、条件Cで製造された各MOSキャパシタのフラットバンド電圧のシフト量である。なお、測定値を表す白い丸に対して、RBSによる組成比の測定の精度±0.05を水平方向の線分で示している。
図5から分かるように、第1のTiN層30において、Tiに対してNが大きく不足している場合には(条件A)、第1のTiN層30の膜厚が10nmから100nmに増大すると、フラットバンド電圧はプラス側にシフトする。また、第1のTiN層30において、Tiに対してNが過剰である場合には(条件C)、第1のTiN層30の膜厚が10nmから100nmに増大すると、フラットバンド電圧はマイナス側にシフトする。
これらに対して、第1のTiN層30において、Tiに対してNが0.93である場合には(条件B)、第1のTiN層30の膜厚が10nmから100nmに増大しても、フラットバンド電圧はほとんどシフトしない。
図6は、各MOSキャパシタについての、第1のTiN層30の膜厚が10nmのMOSキャパシタのフラットバンド電圧に対する、他の膜厚のMOSキャパシタのフラットバンド電圧のシフト量を示すグラフである。図6中、グラフGaが条件Aの下で製造されたMOSキャパシタのフラットバンド電圧のシフト量ΔVfb(V)を表すグラフである。グラフGaの黒い四角形が、表2中の条件Aの測定値に対応する。グラフGbが条件Bの下で製造されたMOSキャパシタ、すなわち本実施形態のMOSキャパシタのフラットバンド電圧のシフト量ΔVfb(V)を表すグラフである。グラフGbの黒い丸が、表2中の条件Bの測定値に対応する。グラフGcが条件Cの下で製造されたMOSキャパシタのフラットバンド電圧のシフト量ΔVfb(V)を表すグラフである。グラフGcの黒い三角形が、表2中の条件Cの測定値に対応する。ただし、条件Cの下で製造されたMOSキャパシタのフラットバンド電圧のシフト量(V)のうち、一部は、図6のグラフに表れていない。
図6中の各グラフGa,Gb,Gcは、各測定値から最小二乗法によって得られた一次関数の式によるグラフである。各グラフGa,Gb,Gcの式を以下に示す。なお、tは、第1のTiN層30の膜厚である。
条件A(グラフGa):ΔVfb=0.005t−0.0618 ・・・ (1)
条件B(グラフGb):ΔVfb=−0.0003t−0.0086 ・・・ (2)
条件C(グラフGc):ΔVfb=−0.0262t+0.2624 ・・・ (3)
表2の上段および図6のグラフGaから分かるように、第1のTiN層30において、Tiに対してNが大きく不足している場合には(条件A)、第1のTiN層30の膜厚が増大するにつれて、フラットバンド電圧はプラス側にシフトする。各測定値から最小二乗法によって得られたグラフGaの傾きは、0.0050である(上記式(1)参照)。
表2の下段および図6のグラフGcから分かるように、第1のTiN層30において、Tiに対してNが過剰である場合には(条件C)、第1のTiN層30の膜厚が増大するにつれて、フラットバンド電圧はマイナス側に大きくシフトする。各測定値から最小二乗法によって得られたグラフGcの傾きは、−0.0262である(上記式(3)参照)。
これらに対して、表2の中段および図6のグラフGbから分かるように、第1のTiN層30において、Tiに対してNが0.93である場合には(条件B)、第1のTiN層30の膜厚が増大しても、フラットバンド電圧はほとんどシフトしない。各測定値から最小二乗法によって得られたグラフGbの傾きは、−0.0003である(上記式(2)参照)。すなわち、条件Bのもとで製造された第1のTiN層30を備える本実施形態のMOSキャパシタ1は、第1のTiN層30の膜厚が変動しても、フラットバンド電圧はほとんどシフトしないことがわかる。
各態様についての測定値から得られるグラフGa〜Gcの式(1)〜(3)より、フラットバンド電圧のシフト量ΔVfbを±0.2Vの範囲内とするためには、以下の条件を満たすことが好ましいことがわかる。すなわち、条件Aの下で製造されたMOSキャパシタについては、第1のTiN層30の膜厚を50nm以下とすることが好ましい(式(1)および図6のグラフGa参照)。条件Cの下で製造されたMOSキャパシタについては、第1のTiN層30の膜厚を15nm以下とすることが好ましい(式(3)および図6のグラフGc参照)。これに対して、条件Bの下で製造された本実施形態のMOSキャパシタについては、第1のTiN層30の膜厚が630nm以下の範囲であれば、フラットバンド電圧のシフト量ΔVfbを±0.2Vの範囲内とすることができる(図6のグラフGb参照)。
また、式(1)〜(3)より、フラットバンド電圧のシフト量ΔVfbを±0.1Vの範囲内とするためには、以下の条件を満たすことが好ましいことがわかる。すなわち、条件Aの下で製造されたMOSキャパシタについては、第1のTiN層30の膜厚を30nm以下とすることが好ましい(式(1)および図6のグラフGa参照)。条件Cの下で製造されたMOSキャパシタについては、第1のTiN層30の膜厚を13nm以下とすることが好ましい(式(3)および図6のグラフGc参照)。これに対して、条件Bの下で製造された本実施形態のMOSキャパシタについては、第1のTiN層30の膜厚が300nm以下の範囲であれば、フラットバンド電圧のシフト量ΔVfbを±0.1Vの範囲内とすることができる(図6のグラフGb参照)。
さらに、式(1)〜(3)より、フラットバンド電圧のシフト量ΔVfbを±0.05Vの範囲内とするためには、以下の条件を満たすことが好ましいことがわかる。すなわち、条件Aの下で製造されたMOSキャパシタについては、第1のTiN層30の膜厚を20nm以下とすることが好ましい(式(1)および図6のグラフGa参照)。条件Cの下で製造されたMOSキャパシタについては、第1のTiN層30の膜厚を8nm以下とすることが好ましい(式(3)および図6のグラフGc参照)。これに対して、条件Bの下で製造された本実施形態のMOSキャパシタについては、第1のTiN層30の膜厚が130nm以下の範囲であれば、フラットバンド電圧のシフト量ΔVfbを±0.05Vの範囲内とすることができる(図6のグラフGb参照)。
なお、条件A〜Cのの下で製造されたいずれのMOSキャパシタにおいても、第1のTiN層30の厚みは、10nm以上であることが好ましい。そのような寸法とすることにより、MOSキャパシタにおいて、金属層の金属の絶縁体層側への拡散を効果的に防止することができるためである。
このため、たとえば、条件Cの下で製造されたMOSキャパシタについては、金属層の金属の絶縁体層側への拡散を効果的に防止しつつ、フラットバンド電圧のシフト量ΔVfbを±0.2Vの範囲内とするためには、第1のTiN層30の膜厚を10nm以上15nm以下に管理しなければならない。また、金属層の金属の絶縁体層側への拡散を効果的に防止しつつ、フラットバンド電圧のシフト量ΔVfbが±0.1V以下となるように、第1のTiN層30の膜厚を管理することは、現状では困難である。
一方、条件Bの下で製造された本実施形態のMOSキャパシタについては、たとえば、第1のTiN層30の厚みを10nm以上630nm以下とすれば、金属層の金属の絶縁体層側への拡散を効果的に防止しつつ、フラットバンド電圧のシフト量ΔVfbを±0.2Vの範囲内とすることができる。また、第1のTiN層30の厚みを10nm以上300nm以下とすれば、金属層の金属の絶縁体層側への拡散を効果的に防止しつつ、フラットバンド電圧のシフト量ΔVfbを±0.1Vの範囲内とすることができる。さらに、第1のTiN層30の厚みを10nm以上130nm以下とすれば、金属層の金属の絶縁体層側への拡散を効果的に防止しつつ、フラットバンド電圧のシフト量ΔVfbを±0.05Vの範囲内とすることができる。
B.適用例:
B1.適用例1:
図7は、適用例1のトレンチ型の半導体装置(MIS型FET)2の断面の構造を示す模式図である。なお、技術の理解を容易にするため、図7は、各層の厚みの正確な寸法を反映していない。図7の左下に、相互に直交するXYZ軸を示す。以降の説明では、XYZ軸を参照して半導体装置2の各構成の位置関係を説明することがある。なお、z軸正の方向を「上方」とする。z軸負の方向を「下方」とする。図8および図8を参照した説明においても同様である。
半導体装置2は、基板100と、n型半導体層(nGaN)113と、p型半導体層(pGaN)115と、n+型半導体層(n+GaN)117と、絶縁体層120と、トレンチ200と、トレンチに設けられたゲート電極210と、ソース電極220,220と、p−body電極230,230と、ドレイン電極(裏面電極)240と、を備える。
基板100は、X軸方向およびY軸方向に広がる板状の形状を有する。n型半導体層(nGaN)113は、基板100上に形成されている。p型半導体層(pGaN)115は、n型半導体層113上に形成されている。n+型半導体層(n+GaN)117は、p型半導体層115上に形成されている。すなわち、n+型半導体層117、p型半導体層115、およびn型半導体層113は、z軸正の方向に順に積層されている。本明細書においては、n+型半導体層117、p型半導体層115、およびn型半導体層113を、まとめて「半導体層110」と呼ぶことがある。これらn+型半導体層117、p型半導体層115、およびn型半導体層113は、GaNを主成分とする層である。
トレンチ200は、半導体装置2の表面上においてx軸方向に沿って延びる溝である。トレンチ200は、n+型半導体層117とp型半導体層115を貫通し、n型半導体層113に達している。n+型半導体層117、p型半導体層115、およびn型半導体層113のうちトレンチ200の側面および底面を構成する部分の上、ならびにn+型半導体層117の表面(+z側の面)に、絶縁体層120が形成されている。絶縁体層120は、SiO2で構成される。
絶縁体層120上には、第1のTiN層130が形成されている。第1のTiN層130上には、Alを主成分とするAl層140が形成されている。Al層140上には、第2のTiN層150が形成されている。第1のTiN層130および第2のTiN層150において、Tiに対するNの組成比は0.93(±0.05)である。第1のTiN層130、Al層140、および第2のTiN層150の積層構造は、トレンチ200の側面および底面上に形成された絶縁体層120の上、ならびにn+型半導体層117上に形成された絶縁体層120の一部の上に、形成されている。
第1のTiN層130、Al層140、および第2のTiN層150は、ゲート電極210を構成する。半導体層110(n+型半導体層117、p型半導体層115、およびn型半導体層113)、絶縁体層120、第1のTiN層130、Al層140、ならびに第2のTiN層150は、上記実施形態のMOSキャパシタ1に相当する(図1参照)。すなわち、半導体装置2においては、トレンチ200の壁部(側面および底面を構成する部分)において、図1のMOSキャパシタ1に相当する構造が実現されている。
半導体装置2においては、さらに、ゲート電極210の両側に、ソース電極220,220が形成されている。ソース電極220,220は、それぞれ絶縁体層120を貫通してn+型半導体層117に接続されている。
さらに、ソース電極220に対してゲート電極210とは逆の側には、それぞれp−body電極230,230が形成されている。p−body電極230,230は、それぞれ絶縁体層120およびn+型半導体層117を貫通して、p型半導体層115に接続されている。
基板100の下面側(−z側の面)、すなわちn型半導体層113が設けられている側とは逆の側には、ドレイン電極(裏面電極)240が設けられている。なお、図7においては示していないが、ゲート電極210を構成する第2のTiN層150上には、半導体装置2に接続される配線と接続されるための電極層が、絶縁膜を間に挟んで、さらに形成される。
このような半導体装置2は、第1のTiN層130の厚みを適宜の値に設定することにより、また、第2のTiN層150の厚みを適宜の値に設定することにより、しきい値電圧を望ましい値に設定することができる。
また、半導体装置2においては、第1のTiN層130および第2のTiN層150におけるTiに対するNの組成比が0.93±0.05、すなわち0.88〜0.98の範囲内にない態様に比べて、第1のTiN層130および第2のTiN層150の厚みの設計値からのずれに起因するフラットバンド電圧のずれが小さい(図6のGb参照)。このため、製造時の第1のTiN層130および第2のTiN層150の厚みの公差を大きく設定することができる。その結果、半導体装置2の製造時の歩留まりを高くすることができる。
さらに、このような半導体装置2においては、好ましいしきい値電圧が実現できる範囲内において、第1のTiN層130および第2のTiN層150の厚みを厚く設定することができる。このため、拡散防止膜としての第1のTiN層130および第2のTiN層150のバリア性を高くすることができる。
B2.適用例2:
図8は、適用例2のトレンチ型の半導体装置(MIS型FET)3の断面の構造を示す模式図である。なお、技術の理解を容易にするため、図8は、各層の厚みの正確な寸法を反映していない。
半導体装置3は、基板300と、バッファ層305と、n型半導体層(nGaN)313と、AlGaNバリア層316と、絶縁体層320と、トレンチ400と、トレンチに設けられたゲート電極410と、ソース電極420と、ドレイン電極440と、を備える。
基板300は、X軸方向およびY軸方向に広がる板状の形状を有する。バッファ層305は、基板300上に形成されている。n型半導体層(nGaN)313は、バッファ層305上に形成されている。AlGaNバリア層316は、n型半導体層313上に形成されている。すなわち、バッファ層305、n型半導体層313、およびAlGaNバリア層316は、z軸正の方向に順に積層されている。本明細書においては、バッファ層305、n型半導体層313、およびAlGaNバリア層316を、まとめて「半導体層310」と呼ぶことがある。
トレンチ400は、半導体装置3の表面上においてx軸方向に沿って延びる溝である。トレンチ400は、AlGaNバリア層316を貫通し、n型半導体層313に達している。AlGaNバリア層316およびn型半導体層313のうちトレンチ400の側面および底面を構成する部分の上、ならびにAlGaNバリア層316の表面に、絶縁体層320が形成されている。絶縁体層320は、SiO2で構成される。
絶縁体層320上には、第1のTiN層330が形成されている。第1のTiN層330上には、Alを主成分とするAl層340が形成されている。Al層340上には、第2のTiN層350が形成されている。第1のTiN層330および第2のTiN層350において、Tiに対するNの組成比は0.93(±0.05)である。第1のTiN層330、Al層340、および第2のTiN層350の積層構造は、トレンチ400の側面および底面上に形成された絶縁体層320の上、ならびにAlGaNバリア層316上に形成された絶縁体層320の一部の上に、形成されている。
第1のTiN層330、Al層340、および第2のTiN層350は、ゲート電極410を構成する。半導体層310(バッファ層305、n型半導体層313、およびAlGaNバリア層316)、絶縁体層320、第1のTiN層330、Al層340、ならびに第2のTiN層350は、上記実施形態のMOSキャパシタ1に相当する(図1参照)。すなわち、半導体装置3においては、トレンチ400の壁部(側面および底面を構成する部分)において、図1のMOSキャパシタ1に相当する構造が実現されている。
半導体装置3においては、さらに、AlGaNバリア層316に対してゲート電極410と同じ側に、ソース電極420が形成されている。ソース電極420は、絶縁体層320を貫通してAlGaNバリア層316に接続されている。
さらに、ゲート電極210に対してソース電極220とは逆の側には、ドレイン電極440が形成されている。ドレイン電極440は、絶縁体層320を貫通して、AlGaNバリア層316に接続されている。
なお、図8においては示していないが、ゲート電極410を構成する第2のTiN層350上には、半導体装置3に接続される配線と接続されるための電極層が、絶縁膜を間に挟んで、さらに形成される。半導体装置3において形成される二次元電子ガスを、図8においてEGで示す。
このような半導体装置3も、第1のTiN層330の厚みを適宜の値に設定することにより、また、第2のTiN層350の厚みを適宜の値に設定することにより、しきい値電圧を望ましい値に設定することができる。
また、半導体装置3においては、第1のTiN層330および第2のTiN層350におけるTiに対するNの組成比が0.93±0.05、すなわち0.88〜0.98の範囲内にない態様に比べて、第1のTiN層330および第2のTiN層350の厚みの設計値からのずれに起因するフラットバンド電圧のずれが小さい(図6のGb参照)。このため、製造時の第1のTiN層130および第2のTiN層350の厚みの公差を大きく設定することができる。その結果、半導体装置3の製造時の歩留まりを高くすることができる。
さらに、このような半導体装置3においては、好ましいしきい値電圧が実現できる範囲内において、第1のTiN層330および第2のTiN層350の厚みを厚く設定することができる。このため、拡散防止膜としての第1のTiN層330および第2のTiN層
350のバリア性を高くすることができる。
C.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
C1.変形例1:
上記実施形態および適用例においては、第1のTiN層および第2のTiN層のいずれも、Tiに対するNの組成比が0.93±0.05、すなわち0.88〜0.98の範囲内となるように構成されている。しかし、第1のTiN層および第2のTiN層のいずれか一方のみについて、Tiに対するNの組成比が0.93±0.05となるように構成しても、そのように構成したTiN層の厚みの変化に応じたフラットバンド電圧の変化量を低減する効果は、奏され得る。
C2.変形例2:
上記実施形態においては、TiN層の形成において、全ガス中のN2の質量流量の割合を30%として、半導体装置を製造した(表1のB欄参照)。しかし、全ガス中のN2の質量流量の割合は、他の値とすることもできる。ただし、TiN層の形成において、全ガス中のN2の質量流量の割合は、20〜40%とすることが好ましく、25〜35%とすることがより好ましく、28〜32%とすることがさらに好ましい。
C3.変形例3:
上記実施形態においては、TiN層の厚み:10〜100nmについて効果を検証した。しかし、TiN層の厚みの変化に対するフラットバンド電圧の変化は、ほぼ線形であるため(図6参照)、TiN層の厚みが10nm未満の範囲、および100nmを超える範囲についても、TiN層の組成を本実施形態に沿って調整することにより、同様に、効果が奏されるものと考えられる。
ただし、第1の窒化チタン層の厚みが10nm以上であることにより、MIS構造を備える半導体装置において、金属層の金属の絶縁体層側への拡散を効果的に防止することができる。また、第1の窒化チタン層の厚みが130nm以下であることにより、第1の窒化チタン層の厚みが130nmを超える態様に比べて、MIS構造を備える半導体装置において、MIS構造の電気抵抗を小さくすることができる。
なお、上記構成を電極に適用する場合には、電極の抵抗値を低減する観点から、第1の窒化チタン層の厚みは、100nm以下であることが好ましく、50nm以下であることがより好ましく、25nm以下であることがさらに好ましい。
C4.変形例4:
また、上記実施形態においては、絶縁体層としてSiO2層が採用されている。しかし、MIS(金属−絶縁体−半導体)構造の一部を構成する絶縁体層の材料としては、Si34,HfO2,ZrO2,La233,Al23など他の高誘電率絶縁体を採用することもできる。
前述のように、厚みに応じてTiN層の仕事関数が変化する理由としては、TiN層の厚み方向に沿ってTiNの組成が変化しているため、また、TiN層に接している絶縁体層にTiN層中のTiおよびNが拡散する量が、TiN層の厚みが増大するほど増大するため、などの理由が推測されている。
一方、絶縁体層のほとんどの態様において、絶縁体層はアモルファスを構成する。このため、絶縁体層に接して形成されたTiN層の性質、すなわちTiN層の仕事関数の変化の仕方が、アモルファスを構成する絶縁体層によって影響されることはないと推測できる。
また、TiN層から絶縁体層に拡散するTiおよびNは、TiN層中の余剰なTiおよびNである。このため、TiN層から絶縁体層に拡散するTiとNの量の傾向は、拡散先の層、すなわち絶縁体層の材料によって左右されるものではないと推測できる。
よって、上述のように、本発明において、MIS(金属−絶縁体−半導体)構造の一部を構成する絶縁体層の材料としては、SiO2以外の様々な高誘電率絶縁体を採用することができる。
C5.変形例5:
上記実施形態では、TiN層よりも電気抵抗率が小さい金属による導電金属層としてのAl層を採用している。しかし、TiN層よりも電気抵抗率が小さい金属による導電金属層は、他の構成を採用することもできる。たとえば、TiN層よりも電気抵抗率が小さい金属による導電金属層として、Al−CuやAl−Siなどのアルミニウム合金や、Cu,Ag,Au等による構成を採用することもできる。ただし、TiN層よりも電気抵抗率が小さい金属による導電金属層としては、Alを主成分とする構成とすることが好ましい。なお、本明細書において、「Xを主成分とする」とは、全組成中におけるXの割合が90アトミック%以上であることを意味する。Alを主成分とする層は、より具体的には、Al、Al−Cu、およびAl−Siからなる群から選択された1以上の要素による層とすることができる。
C6.変形例6:
上記実施形態においては、半導体層は、GaNを主成分とする層である。しかし、半導体層は、他の構成とすることもできる。たとえば、半導体層は、Si,SiC,ZnO,GaAsのいずれかを主成分とする層として構成することもできる。
C7.変形例7:
上記実施形態および適用例においては、第1のTiN層および第2のTiN層と、それらよりも電気抵抗率が小さい金属による導電金属層としてのAl層は、直接接合している。しかし、導電金属層とTiN層との間には、Tiなど他の素材で構成される他の層が存在していてもよい。他の層は、たとえば、導電金属層と第1の窒化チタン層との間と、導電金属層と第2の窒化チタン層との間と、のいずれか一方に設けることもでき、両方に設けることもできる。たとえば、TiN層と他の層の間にTi層を設けることにより、TiN層と他の層の密着性を高めることができる。ただし、MIS構造の一部を構成する絶縁体層とTiN層とは、直接、接していることが好ましい。
C8.変形例8:
本発明を適用する半導体装置として、上記実施形態において、MOSキャパシタ1の例を説明し(図1参照)、適用例において、トレンチ型の半導体装置2,3の例を説明した(図7および図8参照)。しかし、本発明はこれらの例に限らず、MIS構造を備える様々な半導体装置に適用することができる。
1…MOSキャパシタ
2…半導体装置
3…半導体装置
10…半導体層
20…SiO2
30…第1のTiN層
40…Al層
50…第2のTiN層
60…金属層
100…基板
113…n型半導体層(nGaN)
115…p型半導体層(pGaN)
117…n+型半導体層(n+GaN)
120…絶縁体層
200…トレンチ
210…ゲート電極
220…ソース電極
230…p−body電極
240…ドレイン電極(裏面電極)
300…基板
305…バッファ層
313…n型半導体層(nGaN)
316…AlGaNバリア層
320…絶縁体層
400…トレンチ
410…ゲート電極
420…ソース電極
440…ドレイン電極
Ga…条件Aの下で製造されたMOSキャパシタのフラットバンド電圧のシフト量ΔVfb(V)
Gb…条件Bの下で製造されたMOSキャパシタのフラットバンド電圧のシフト量ΔVfb(V)
Gc…が条件Cの下で製造されたMOSキャパシタのフラットバンド電圧のシフト量ΔVfb(V)

Claims (7)

  1. トレンチ構造の壁部において形成されゲート電極の少なくとも一部を構成するMIS構造を備える絶縁ゲート型電界効果トランジスタであって、
    前記MIS構造の一部を構成する絶縁体層と、
    前記絶縁体層に接する層として設けられる第1の窒化チタン層と、
    前記絶縁体層に対して前記第1の窒化チタン層とは逆の側に設けられ、前記MIS構造の一部を構成する半導体層と、
    前記MIS構造の一部を構成する金属層の少なくとも一部として、前記第1の窒化チタン層に対して前記絶縁体層とは逆の側に設けられ、前記第1の窒化チタン層よりも電気抵抗率が小さい金属による導電金属層と、
    前記導電金属層に対して前記第1の窒化チタン層とは逆の側に設けられる、第2の窒化チタン層と、を備え、さらに、
    前記導電金属層と前記第1の窒化チタン層との間と、前記導電金属層と前記第2の窒化チタン層との間と、の少なくとも一方に、チタン層を備え、
    前記第1の窒化チタン層において、窒素のチタンに対する組成比が0.88〜0.98であり、
    前記第2の窒化チタン層において、窒素のチタンに対する組成比が0.88〜0.98である、絶縁ゲート型電界効果トランジスタ
  2. 請求項1記載絶縁ゲート型電界効果トランジスタであって、
    前記第1の窒化チタン層の厚みは、10〜130nmである、絶縁ゲート型電界効果トランジスタ
  3. 請求項2記載の絶縁ゲート型電界効果トランジスタであって、
    フラットバンド電圧のシフト量が±0.05Vである、絶縁ゲート型電界効果トランジスタ。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の絶縁ゲート型電界効果トランジスタであって、
    前記半導体層として、p層とn層とが交互に積層された3層の構造を備え、
    前記トレンチ構造は、前記3層をまたぐように構成されている、縦型トランジスタである絶縁ゲート型電界効果トランジスタ
  5. 請求項から4のいずれか1項に記載の絶縁ゲート型電界効果トランジスタであって、
    前記半導体層は、GaNを主成分とする層である、絶縁ゲート型電界効果トランジスタ
  6. 請求項から5のいずれか1項に記載の絶縁ゲート型電界効果トランジスタを製造する方法であって、
    スパッタターゲットとしてのTiと、反応ガスとしてのN2と、スパッタガスとしてのArと、を使用して、反応性スパッタ法により前記第1の窒化チタン層を形成する工程を備え、
    前記第1の窒化チタン層を形成する工程において、ArとN2の総流量に対するN2の流量が、20〜40%である、方法。
  7. 請求項6記載の絶縁ゲート型電界効果トランジスタを製造する方法であって、さらに、
    前記絶縁体層としてのSiO 2 層を原子層堆積により形成する工程を備える、方法。
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