JP6165797B2 - リキッドファンデーション - Google Patents

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Description

本発明は、リキッドファンデーションに関する。
ファンデーション等のベースメイク化粧料には、血行不良や加齢とともに感じられる色素の沈着による肌色のくすみ(明度が低下し黄色の彩度が上昇した状態)をカバーすること、仕上がりの色調が自然であり透明感が高いこと、などに対する要求がある。かかる要求に対する各種の光学的効果を得るべく、リキッドファンデーションには、目的に応じた種々の粉体が配合されている。
例えば、特許文献1には、有機顔料を0.5質量%〜40質量%含有する金属酸化物フレーク状粉体を配合した化粧料が開示されている。
特許文献2には、有機色素を、無機塩を用いて屈折率2未満の無機粉体に付着等させた複合粉体を配合した化粧料が開示されている。
特許文献3には、有機染料又は有機顔料を、無機塩を用いて無機化合物に付着等させた複合有機顔料を配合した化粧料が開示されている。
特許文献4には、赤色、黄色及び青色の有機顔料被覆板状粉体を含有するファンデーションが開示されている。
特開平8−239310号公報 特開平11−12493号公報 特開平11−35840号公報 特開2002−265332号公報
しかしながら、特許文献1及び特許文献4に開示されたファンデーションは、色材である顔料がファンデーション基剤中で有機金属化合物等と単に混合されているだけなので、顔料が溶剤等の液状成分中に溶出(ブリードアウト)することがある。その結果、ファンデーションに色ムラが生じて外観が損なわれたり、ファンデーションを肌に付与した際に染着が生じることがある。
また、特許文献4に開示されたファンデーションは、色材として青色顔料を使用しているため、赤色透過光量の低下により、透明感が得られにくい。
特許文献2及び特許文献3に開示されたリキッドファンデーションは、無機粉体として酸化チタンが使用されておらず、十分なカバー力が得られないことがある。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、透明感及びカバー力に優れたリキッドファンデーションを提供することを課題とする。
上記課題を解決するための具体的な手段は、以下の態様を含む
<1>(A)リソールルビンBCAからなる赤色顔料を無機物中にインターカレーションによって複合化した構造を有する赤色複合粉体を0.01質量%以上5質量%以下、(B)平均粒子径が0.1μm以上0.5μm以下である酸化チタン粒子を1質量%以上6質量%以下、(C)界面活性剤、及び(D)水を10質量%以上80質量%以下、含有し、(C)界面活性剤は、PEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン及びラウリルPEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコンを含む、リキッドファンデーション。
<2> 下記の(1)及び(2)を満たす<1>に記載のリキッドファンデーション。
(1)380nm〜730nmの波長領域における分光透過率から算出した透過光のRGBにおけるR値が13.0以上
(2)380nm〜730nmの波長領域における分光透過率及び分光反射率から式(A)によって算出される色ムラカバー力(F)が52.5%以上
式(A):色ムラカバー力(F)=(ΔE−ΔE)/ΔE×100[%]
ΔE:ファンデーションを適用する前の適用対象物が有する色ムラ部と色ムラ部の周囲の正常部との色差
ΔE:ファンデーションを適用した後の適用対象物の適用面側における色ムラ部と色ムラ部の周囲の正常部との色差
> PEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン及びラウリルPEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコンの含有比率が、PEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン:ラウリルPEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコンとして、質量基準で、1:10〜10:1である、<1>又は<2>に記載のリキッドファンデーション。
> 更に、赤色酸化鉄を含有する<1>〜<>のいずれか1つに記載のリキッドファンデーション。
> 標準の光D65光源を用いて測定した外観色の色相角∠hが、50°〜80°の範囲内にあるリキッドファンデーションである<1>〜<>のいずれか1つに記載のリキッドファンデーション。
本発明によれば、透明感及びカバー力に優れたリキッドファンデーションを提供することができる。
実施例1〜9及び比較例1〜5にて得られたリキッドファンデーションにおける色ムラカバー力(F)値に対する透過光のR値の関係を示す図である。
以下、本発明の具体的な実施形態について詳細に説明するが、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。
本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。
本発明において、組成物中の各成分の量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合には、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
(1)リキッドファンデーション
本発明のリキッドファンデーションは、(A)リソールルビンBCAからなる赤色顔料を無機物中にインターカレーションによって複合化した構造を有する赤色複合粉体(以下、「特定赤色複合粉体」とも称する。)を0.01質量%〜5質量%、(B)平均粒子径が0.1μm以上0.5μm以下である酸化チタン粒子(以下、「特定酸化チタン粒子」とも称する。)を1質量%〜6質量%、(C)界面活性剤、及び(D)水を10質量%〜80質量%、含有する。
本発明のリキッドファンデーションは、必要に応じて、特定赤色複合粉体、特定酸化チタン粒子、界面活性剤、及び水以外の他の成分を含んでもよい。
本発明によれば、上記の構成を有することで、透明感及びカバー力に優れたリキッドファンデーションを提供することができる。
以下、本発明のリキッドファンデーションに含有される成分について説明する。
<成分(A):リソールルビンBCAからなる赤色顔料を無機物中にインターカレーションによって複合化した構造を有する赤色複合粉体>
本発明のリキッドファンデーションは、リソールルビンBCAからなる赤色顔料を無機物中にインターカレーションによって複合化した構造を有する赤色複合粉体を含有する。
特定赤色複合粉体は、本発明のリキッドファンデーションにおいて、色材成分として機能しうる成分である。また、特定赤色複合粉体は、本明細書において、赤色顔料の概念に包含される。
特定赤色複合粉体の構成要素であるリソールルビンBCAは、赤色202号として知られるモノアゾ系赤色顔料である。特定赤色複合粉体は、リソールルビンBCAからなる赤色顔料をインターカレーションによって複合化した構造を有する。ここで、インターカレーションとは、層状構造を有する物質を構成する層間に、分子、原子又はイオンが挿入される現象をいう。
特定赤色複合粉体は、より詳細には、リソールルビンBCAからなる赤色顔料を、板状層状無機粉体及び二種以上の種類の無機水酸化物に複合化させることにより固着させて得ることができる。
特定赤色複合粉体は、リソールルビンBCAからなる赤色顔料を、一度水に完全に溶解させ、二種類の無機塩の存在下でpHを調整しながら二種類の無機水酸化物を析出させ、板状層状無機粉体を添加して、有機色素と二種類の無機水酸化物及び板状層状無機粉体とを複合化させ化学的に固着させることにより得ることができる。詳細には、特開2003−105225号公報に記載される製造方法に準じて製造することができる。
特定赤色複合粉体の製造に用いられる無機塩としては、例えば、塩化マグネシウム、塩化アルミニウム等の金属塩化物などが挙げられる。
特定赤色複合粉体の製造に用いられる無機水酸化物としては、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等が挙げられる。
特定赤色複合粉体の製造に用いられる板状層状無機粉体としては、例えばモンモリロナイト、バイデライト、ヘクトライト、サポナイト、ノントロナイト、膨潤性フッ素系雲母類等が挙げられる。
特定赤色複合粉体中の純色素成分は、発色性及びリキッドファンデーションにおける液状成分中への色素成分の溶出(ブリードアウト)抑制の観点から、好ましくは5質量%以上50質量%未満であり、より好ましくは10質量%以上30質量%以下である。
特定赤色複合粉体の粒子径としては、平均粒子径が1μm以上10μm以下であることが好ましく、より好ましくは2μm以上8μm以下である。
特定赤色複合粉体の平均粒子径は、測定対象となる特定赤色複合粉体を含む所定の濃度の溶媒分散物を調製して、市販のレーザー光散乱の原理に基づく測定機器(例えば、レーザー回折散乱式粒度分布測定器LMS−30((株)セイシン企業製))により測定することができる。
特定赤色複合粉体は、リキッドファンデーションにおける液状成分中への色素成分の溶出(ブリードアウト)抑制の観点から、特定赤色複合粉体を用いた、下記に示す水に対する溶出試験(1)及びエタノールに対する溶出試験(2)において得られたろ液について、400nmから600nmまでの波長領域にて測定した吸光度の極大値が、いずれも0.10未満の赤色複合粉体であることが好ましい。
上記の吸光度の極大値としては、より好ましくは0.01未満であり、低いほど好ましい。
−溶出試験(1)−
質量部換算で1質量部となる量の特定赤色複合粉体を、蒸留水(分散媒)99質量部中に、60秒間震盪分散し、40℃、400rpmにて、6時間スターラー攪拌した後に、孔径0.45μmのセルロースアセテートフィルター(商品名:Cellulose Acetate、ADVANTEC社製)にてろ過してろ液を得る。得られたろ液の吸光度を、蒸留水をブランクとして測定し、400nmから600nmまでの波長領域での吸光度の極大値を決定する。
−溶出試験(2)−
質量部換算で1質量部となる量の特定赤色複合粉体を、無水エタノール(99.5v/v%)99質量部中に、60秒間震盪分散し、40℃、400rpmにて、6時間スターラー攪拌した後に、孔径0.45μmのセルロースアセテートフィルター(商品名:Cellulose Acetate、ADVANTEC社製)にてろ過してろ液を得る。得られたろ液の吸光度を、エタノールをブランクとして測定し、400nmから600nmまでの波長領域での吸光度の極大値を決定する。
なお、本明細書における溶出試験(1)及び溶出試験(2)の吸光度は、分光光度計(製品名:UV−2550、(株)島津製作所製)を用いて測定した値である。上記の溶出試験(1)及び溶出試験(2)における吸光度は、他の分析計を用いて測定することもできる。
特定赤色複合粉体としては、市販品を用いることもでき。例えば、HNB RED7(大東化成工業(株)製、商品名)等が挙げられる。
本発明のリキッドファンデーションにおける特定赤色複合粉体の含有量は、目的の色にリキッドファンデーションを調色するために必要な赤色顔料の全質量に対して、10質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましく、75質量%以上であることがより好ましく、100質量%であることが更に好ましい
本発明のリキッドファンデーションにおける特定赤色複合粉体の含有量は、その種類による発色効率の違いを考慮して、上記の範囲内において調整されることが好ましい。
また、本発明のリキッドファンデーションにおける特定赤色複合粉体の含有量は、リキッドファンデーションの全質量に対して、0.01質量%以上5質量%以下であり、好ましくは0.05質量%以上1質量%以下であり、更に好ましくは0.1質量%以上0.5質量%以下である。
本発明のリキッドファンデーションにおける特定赤色複合粉体の含有量が、リキッドファンデーションの全質量に対して、0.01質量%未満であると、十分な透明感が得られにくい。また、本発明のリキッドファンデーションにおける特定赤色複合粉の含有量が、リキッドファンデーションの全質量に対して、5質量%を超えると、透過率が減少する一方で彩度が上昇し、透明感が低下することがある。
<成分(B):平均粒子径が0.1μm以上0.5μm以下である酸化チタン粒子>
本発明のリキッドファンデーションは、平均粒子径が0.1μm以上0.5μm以下である酸化チタン粒子(特定酸化チタン粒子)を含有する。
特定酸化チタン粒子は、本発明のベースメイク化粧料において、色材成分として機能しうる色材顔料の一つとして含有されるが、後述する他の成分にて挙げる色材顔料には特定酸化チタン粒子は包含されない。
特定酸化チタン粒子の平均粒子径は、0.1μm以上0.5μm以下であり、0.20μm以上0.3μm以下であることが好ましく、0.20μm以上0.28μm以下であることがより好ましく、0.23μm以上0.26μm以下であることがさらに好ましい。
特定酸化チタン粒子の平均粒子径が0.1μm以上0.5μm以下であることで、カバー力を付与することができる。
本発明の特定酸化チタン粒子の平均粒子径は、特定酸化チタン粒子を基板上(テープ、ガラス等)に薄く散布し、走査型電子顕微鏡によって観察された100個の孤立した粒子について、粒子が球形の場合には直径を測定して、また、不定形の場合には長辺と直行する短辺の平均値を測定して、平均した値である。
特定酸化チタン粒子としては、市販品を用いることもでき、例えば、SI06 TiO CR−50(大東化成工業(株)製、商品名)、タイペークCR−50(石原産業(株)製、商品名)、タイペークCR−80(石原産業(株)製、商品名)等が挙げられる。
本発明のリキッドファンデーションにおける特定酸化チタン粒子の含有量は、リキッドファンデーションの全質量に対して、1質量%以上6質量%以下であり、好ましくは3質量%以上5.8質量%以下であり、より好ましくは4質量%以上5.5質量%以下である。
本発明のリキッドファンデーションにおける特定酸化チタン粒子の含有量が、リキッドファンデーションの全質量に対して、1質量%未満であると、カバー力が満足に得られにくい。また、本発明のリキッドファンデーションにおける特定酸化チタン粒子の含有量が、リキッドファンデーションの全質量に対して、6質量%を超えると、透明感が満足に得られにくい。
本発明のリキッドファンデーションにおける特定赤色複合粉体の含有量と特定酸化チタン粒子の含有量との比率(特定赤色複合粉体の含有量:特定酸化チタン粒子の含有量)は、質量基準で、1:5〜1:50であることが好ましく、1:10〜1:40であることがより好ましく、1:20〜1:30であることが更に好ましい。
本発明のリキッドファンデーションにおける特定赤色複合粉体の含有量と特定酸化チタン粒子の含有量との比率が、質量基準で、上記範囲内であると、透明感及びカバー力が顕著に優れたリキッドファンデーションとすることができる。
また、本発明のリキッドファンデーションに含有される特定酸化チタン粒子は、1種のみであってもよく、2種以上であってもよい。
<成分(C):界面活性剤>
本発明のリキッドファンデーションは、界面活性剤を含有する。
界面活性剤としては、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等の化粧料に汎用される界面活性剤が挙げられる
界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、シリコーン系非イオン性界面活性剤等の非イオン性界面活性剤;ステアリン酸ナトリウム、パルミチン酸トリエタノールアミン等の脂肪酸石鹸で代表されるアニオン性界面活性剤;カチオン性界面活性剤;両性界面活性剤が挙げられる。
本発明のリキッドファンデーションは、経時での粘度変化などを指標とした乳化安定性の観点から、ポリエーテル変性シリコーン等のシリコーン系非イオン性界面活性剤を含有することが好ましい。好適な非イオン性界面活性剤の例としては、ラウリルPEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン(HLB=3)、PEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン(HLB=4)、PEG−10ジメチコン(HLB=4)、ポリシリコーン13(EO−PO−シリコン)(HLB=3)、PEG/PPG19/19ジメチコン(HLB=2)、PEG−12ジメチコン(HLB=6)等の非イオン性界面活性剤が挙げられる。
界面活性剤の含有量は、初期粘度及び経時での粘度の安定性の観点から、リキッドファンデーションの全質量に対して、1質量%以上10質%以下であることが好ましく、より好ましくは2質量%以上8質%以下であり、更に好ましくは3質量%以上7質%以下である。
本発明のリキッドファンデーションがシリコーン系非イオン性界面活性剤を含有する場合、HLB値が2≦HLB≦4のシリコーン系非イオン性界面活性剤C1、及び、シリコーン系非イオン性界面活性剤C1とは構造が異なり、かつHLB値が2≦HLB≦6のシリコーン系非イオン性界面活性剤C2の両方を含有することが好ましい。HLB値が2≦HLB≦4のシリコーン系非イオン性界面活性剤C1のHLB値は、例えば2<HLB<4であってもよい。HLB値が2≦HLB≦6のシリコーン系非イオン性界面活性剤C2のHLB値は、例えば2<HLB<5であってもよい。リキッドファンデーションが、HLB値が2≦HLB≦4のシリコーン系非イオン性界面活性剤C1、及び、シリコーン系非イオン性界面活性剤C1とは構造が異なり、かつHLB値が2≦HLB≦6のシリコーン系非イオン性界面活性剤C2の両方を含有する例として、例えば、リキッドファンデーションが、HLB値が2<HLB<4のシリコーン系非イオン性界面活性剤とHLB値が3<HLB<5のシリコーン系非イオン性界面活性剤を1種類ずつ含む場合、リキッドファンデーションが、HLB値が2<HLB<4のシリコーン系非イオン性界面活性剤を2種類含む場合、及び、リキッドファンデーションが、HLB値が2<HLB<4のシリコーン系非イオン性界面活性剤とHLB値が4≦HLB≦6のシリコーン系非イオン性界面活性剤を含む場合等が挙げられる。
ここで、HLB値は、通常、界面活性剤の分野で使用される親水性−疎水性のバランスを示すもので、通常用いる計算式、例えば川上式等を使用して計算することができる。本発明においては、下記の川上式を採用する。
HLB=7+11.7log(Mw/Mo)
ここで、Mwは親水基の分子量、Moは疎水基の分子量である。
また、HLB値として、カタログ等に記載されているHLBの数値を採用してもよい。
シリコーン系非イオン性界面活性剤C1とシリコーン系非イオン性界面活性剤C2との含有比は、質量基準で、好ましくは1:10〜10:1であり、より好ましくは1:5〜5:1であり、更に好ましくは1:3〜3:1ある。この含有比は、例えば、1:2〜2:1であってもよい。
シリコーン系非イオン性界面活性剤C1及びシリコーン系非イオン性界面活性剤C2は、以下に詳述するポリエーテル変性シリコーンから選択されることがより好ましい。
ポリエーテル変性シリコーンは市販品としても入手可能であり、例えば、信越化学工業株式会社製のシリコーンKF−6011、KF−6011P、KF−6012、KF−6013、KF−6015、KF−6016、KF−6017、KF−6017P、KF−6043、PK−6004、KF−6028、KF−6028P、KF−06038等、東レダウコーニングのFZ−2233等を挙げることができる。を挙げることができる。
ポリエーテル変性シリコーンとしては、これらを1種単独で又は2種以上を組み合わせることができ、HLB値が2<HLB<4のポリエーテル変性シリコーンと、HLB値が2<HLB<5のポリエーテル変性シリコーンとを組み合わせることがより好ましい。
上記したポリエーテル変性シリコーンの中でも、本発明のリキッドファンデーションにおける粘度安定性の観点からは、分岐鎖を有するポリエーテル変性シリコーンが好ましく、例えば、PEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン(HLB=4)、ラウリルPEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン(HLB=3)等が挙げられ、PEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン)及びラウリルPEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコンを併用することがより好ましい。
PEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン及びラウリルPEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコンを併用する場合の含有比率(PEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン:ラウリルPEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン)としては、質量基準で、1:10〜10:1が好ましく、1:5〜5:1がより好ましく、1:3〜3:1が更に好ましい。この含有比率は、例えば1:2〜2:1であってもよい。
<成分(D):水>
本発明のリキッドファンデーションは、水を含有する。
水としては、化粧料に適用しうる水であれば特に制限はないが、純水、イオン交換水等の不純物の含有量が低減された水であることが好ましい。
本発明のリキッドファンデーションにおける水の含有量は、リキッドファンデーションの全質量に対して、10質量%以上80質量%以下である。水の含有量は、リキッドファンデーションの適用形態により適宜設定することができる。
例えば、リキッドファンデーションの全質量に対する水の含有量は、好ましくは10質量%以上70質量%以下であり、より好ましくは20質量%以上60質量%以下であり質量%以下であり、更に好ましくは25質量%以上50質量%以下である。
<他の成分>
本発明のリキッドファンデーションは、特定赤色複合粉体、特定酸化チタン粒子、界面活性剤、及び水以外に、本発明の効果を損なわない範囲において、必要に応じて他の成分を含有してもよい。
他の成分としては、体質顔料、色材顔料、パール顔料等の顔料、油剤、その他の添加剤が挙げられるが、これらに限定されるものではない。以下、本発明のリキッドファンデーションにおいて好適に含有される他の成分について説明する。
<顔料>
本発明のリキッドファンデーションは、体質顔料、色材顔料、パール顔料等の顔料を含有することが好ましい。
本発明のリキッドファンデーションにおいて、その他の成分として含有される顔料の総含有量は、リキッドファンデーションの全質量に対して、好ましくは1質量%以上50質量%以下であり、より好ましくは5質量%以上40質量%以下であり、更に好ましくは10質量%以上30質量%以下である
≪体質顔料≫
本発明のリキッドファンデーションは、更に、体質顔料を含有してもよい。体質顔料とは、色相の調整に実質的に寄与しない顔料を意味する。
体質顔料の例としては、マイカ、合成マイカ、タルク、カオリン、セリサイト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、無水珪酸、酸化アルミニウム、硫酸バリウム等が挙げられる。
体質顔料としては、市販品を用いることもでき、例えば、SERICITE FSE(三信鉱工(株)製、商品名)、TALK JA−46R(浅田製粉(株)製、商品名)、合成金雲母PDMシリーズ(トピー工業(株)製、商品名)、OTS−2 SERICITE FSE、OTS−2 TALK JA−46R(以上、大東化成工業(株)製)、合成金雲母PDMシリーズ(トピー工業(株)製)等が挙げられる。
体質顔料の平均粒子径は、平均一次粒径が1μm以上100μm以下であることが好ましく、より好ましくは5μm以上80μm以下である。
体質顔料の平均粒子径は、測定対象となる体質顔料を含む所定の濃度の溶媒分散物を調製して、市販のレーザー光散乱の原理に基づく種々の測定機器(例えば、レーザー回折散乱式粒度分布測定器LMS−30((株)セイシン企業製)等)により測定することができる。
本発明のリキッドファンデーションにおける体質顔料の含有量としては、リキッドファンデーションの全質量に対し、1質量%以上20質量%以下が好ましい。
本発明リキッドファンデーションが含有する体質顔料は、1種のみであっても、2種以上であってもよい。
≪色材顔料≫
本発明のリキッドファンデーションは、特定赤色複合粉体及び特定酸化チタン粒子以外の色材成分として、更に、色材顔料を含有することが好ましい。色材顔料とは、色相の調整に寄与し、且つパール顔料以外の顔料を意味する。
色材顔料の例としては、黄色酸化鉄、赤色酸化鉄、黒色酸化鉄等の酸化鉄、酸化亜鉛等の白色顔料、赤色226号、黄色4号、黄色5号、黄色401号等の法定色素などが挙げられる。
これら色材顔料の中でも、色調調製と溶剤中への溶出(ブリードアウト)抑制の観点からは、酸化鉄が好ましい。酸化鉄としては、赤色酸化鉄、黒色酸化鉄、及び黄色酸化鉄からなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、赤色酸化鉄、黒色酸化鉄、及び黄色酸化鉄であることがより好ましい。本発明のリキッドファンデーションは、所望の肌色に調整するために、更に、赤色酸化鉄、黒色酸化鉄、及び黄色酸化鉄を含有することが好ましい。
色材顔料としては、市販品を用いることもでき、例えば、酸化鉄では、OTS−2 RED R−516L(赤色酸化鉄、大東化成工業(株)製、商品名)、OTS−2 BLACK BL−100(黒色酸化鉄、大東化成工業(株)製、商品名)、OTS−2 YELLOW LLXLO(黄色酸化鉄、大東化成工業(株)製、商品名)等が挙げられる。
白色顔料として含まれる、酸化亜鉛等は、シミやソバカス等の隠蔽剤、紫外線防止剤としての機能を有していてもよい。
これらの色材顔料の形状や粒径は、例えば、白色顔料では、球形で数nm以上数百nm以下、酸化鉄では、球状又は針状で数nm以上数百nm以下のものが好ましく用いられる。
色材顔料の平均粒子径は、測定対象となる色材顔料を含む所定の濃度の溶媒分散物を調製して、市販のレーザー光散乱の原理に基づく種々の測定機器(例えば、レーザー回折散乱式粒度分布測定器LMS−30((株)セイシン企業製)等)により測定することができる。
また、本発明においては、本発明の効果を損なわない範囲において、必要に応じてリソールルビンBCA以外の顔料が無機物中にインターカレーションされた複合顔料を色材顔料として用いてもよい。
本発明のリキッドファンデーションにおける色材顔料の含有量は、特に限定されるものではなく、リキッドファンデーション全体の色調が目的のものとなるよう、適宜調整されるが、酸化鉄や色素のような色材は、配合量が増加することに伴って透過率が減少するため、透明感が損なわれる可能性がある。従って、色調の調整と透明感の観点から、色材顔料の含有量としては、ベースメイク化粧料の全質量に対して、0.1質量%以上10質量%以下であることが好ましく、1質量%以上5質量%以下であることがより好ましい。
≪パール顔料≫
本発明のリキッドファンデーションは、更に、パール顔料を含有することが好ましい。パール顔料とは、色相の調整に寄与し、且つ真珠光沢を有する顔料を意味する。
パール顔料の例としては、酸化チタン被覆雲母(雲母チタン)、酸化チタン被覆ガラスフレーク、酸化チタン被覆タルク等が挙げられる。また、酸化チタンの被覆層が複数積層されたもの、酸化チタンの被覆と酸化シリコンの被覆層とが積層されたもの等も好ましく用いることができる。
パール顔料としては、市販品を用いることもでき、例えば、ロナフレアバランス ゴールド、トランスプリズマーレッド、ティミロン スーパーシルク MP−1005(以上、MERCK社製、商品名)、フラメンコシリーズ(BASF社製、商品名)等が挙げられる。
パール顔料としては、肌色のつながり(観察角度によって肌色の濃度変化が大きくならないようにすること)の観点から、赤色パール顔料及び金色パール顔料から選択された少なくとも1種であることがより好ましく、2種以上の混合物とすることがより好ましい。
パール顔料の平均粒子径は、0.5μm以上100μm以下であることが好ましく、より好ましくは1μm以上80μm以下である。
パール顔料の平均粒子径は、測定対象となるパール顔料を含む所定の濃度の溶媒分散物を調製して、市販のレーザー光散乱の原理に基づく種々の測定機器(例えば、レーザー回折散乱式粒度分布測定器LMS−30((株)セイシン企業製)等)により測定することができる。
本発明のリキッドファンデーションにおけるパール顔料の含有量は、リキッドファンデーションの全質量に対して、0.5質量%以上10質量%以下であることが好ましく、1質量%以上7質量%以下であることがより好ましく、2質量%以上5質量%以下であることが更に好ましい。
本発明のリキッドファンデーションが含有するパール顔料は、1種のみであってもよく、2種以上であってもよく、リキッドファンデーションに含有されるパール顔料全体が示す反射色の色相角が40°〜80°の範囲になる比率で配合することが好ましい。
本発明のリキッドファンデーションにおいて、特定赤色複合粉体及び特定酸化チタン粒子と併用される顔料の好ましい組み合わせの例としては、例えば、体質顔料が、マイカであり、色材顔料が、黄色酸化鉄、赤色酸化鉄、黒色酸化鉄、及び特定酸化チタン粒子以外の酸化チタンから選択された少なくとも1種の顔料であり、パール顔料が、金色パール顔料及び赤色パール顔料から選択された少なくとも1種の顔料である組み合わせが挙げられる。
<油剤>
本発明のリキッドファンデーションは、油剤を含有することが好ましい。
油剤としては、例えば、シリコーン油、流動パラフィン、ワセリン、パラフィンワックス、スクワラン、ミツロウ、カルナウバロウ、オリーブ油、ラノリン、高級アルコール、脂肪酸、高級脂肪酸、エステル油、セレシン、マイクロクリスタリンワックス、キャンデリラロウ、ジグリセライド、トリグリセライド、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロデカリン、パーフルオロオクタン、ホホバ油、ミリスチン酸オクチルドデシル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール等の化粧料に汎用される油分が挙げられる。
本発明のリキッドファンデーションに含有される油剤は、1種のみであっても、2種以上であってもよい。
本発明のリキッドファンデーションに含有される油剤の総含有量は、化粧料の全質量に対して、好ましくは5質量%以上60質量%以下であり、より好ましくは10質量%以上50質量%以下であり、更に好ましくは15質量%以上40質量%以下である。
<紫外線防止剤>
本発明のリキッドファンデーションは、更に、紫外線防止剤を含有することが好ましい。紫外線防止剤の例としては、特定酸化チタン粒子よりも平均粒子径が小さく、カバー力にはほとんど寄与しないが高い紫外線防止効果を有する、微粒子酸化チタン、微粒子酸化亜鉛等が好ましい。紫外線防止剤の例としては、TTO−55(B)(微粒子酸化チタン、平均粒子径:0.03μm〜0.05μm、石原産業(株)製、商品名)、TTO−55(S)(微粒子酸化チタン、平均粒子径:0.03μm〜0.05μm、石原産業(株)製、商品名)、SI06 TiO TTO−55(B)(微粒子酸化チタン、平均粒子径:0.03μm〜0.05μm、大東化成工業(株)製、商品名)等が挙げられる。
<その他の添加剤>
本発明のリキッドファンデーションは、本発明の効果を損なわない範囲で、通常の化粧料に配合される成分を、その他の添加剤として必要に応じて更に含有してもよい。その他の添加剤としては、例えば、水溶性高分子、多価アルコール、保湿剤、防腐剤、薬剤、紫外線吸収剤、色素、無機塩又は有機酸塩、香料、キレート剤、pH調整剤等を配合することができる。
水溶性高分子としては、例えば、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒ
ドロキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、トラガントガム、カラギーナン、ローカストビーンガム、デキストリン、デキストリン脂肪酸エステル、カルボキシビニルポリマー、キサンタンガム、ゼラチン、アルギン酸ナトリウム、アラビアゴム、水溶性コラーゲン等の化粧料に汎用される水溶性高分子が挙げられる。
保湿剤としては、例えば、ソルビトール、キシリトール、グリセリン、マルチトール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム、ポリエチレングリコール等の化粧料に汎用される保湿剤が挙げられる。
防腐剤としては、例えば、パラオキシ安息香酸アルキルエステル、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、フェノキシエタノール等の化粧料に汎用される防腐剤が挙げられる。
薬剤としては、例えば、ビタミン類、生薬、消炎剤、抗酸化剤、殺菌剤、制菌剤等の化粧料に汎用される薬剤が用いられる。
紫外線吸収剤としては、例えば、パラアミノ安息香酸系紫外線吸収剤、アントラニル系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、桂皮酸系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤等の化粧料に汎用される紫外線吸収剤が挙げられる。
色素としては、ヘマトコッカス藻色素、カルミン酸、ラッカイン酸、ブラジリン、クロシン等の天然色素等の化粧料に適用しうる色素が挙げられる。
<リキッドファンデーションの物性>
本発明のリキッドファンデーションは、透明感及びカバー力の観点から、下記の(1)及び(2)の両方の物性を満たすことがより好ましい。
(1)380nm〜730nmの波長領域における分光透過率から算出した透過光のRGBにおけるR値が13.0以上。
(2)380nm〜730nmの波長領域における分光透過率及び分光反射率から式(A)によって算出される色ムラカバー力(F)が52.5%以上。
式(A):色ムラカバー力(F)=(ΔE−ΔE)/ΔE×100[%]
ΔE:ファンデーションを適用する前の適用対象物が有する色ムラ部と色ムラ部の周囲の正常部との色差
ΔE:ファンデーションを適用した後の適用対象物の適用面側における色ムラ部と色ムラ部の周囲の正常部との色差
ここで、(1)において透過光のRGBにおけるR値とは、所定の手順で測定された、ファンデーションを適用する前の適用対象物である所定の肌色シート上にファンデーションを塗布したときの明度Lが67.0となるときの塗布量におけるファンデーション塗布膜の分光透過率、光源(国際照明委員会(CIE)が定めるF10光源)の分光放射エネルギー、及び等色関数から算出される三刺激値RGBにおけるRで定義された、赤色透過光量を表す指標である。
また、(2)において色ムラカバー力(F)とは、より詳細には、所定の手順で測定された、ファンデーションを適用する前の適用対象物である所定の色ムラシート上に所定量のファンデーションを塗布したときの色ムラ部と色ムラ部の周囲の正常な肌色を有する正常部との色差ΔE、及び、ファンデーションと塗布する前の前記色ムラシートの色ムラ部と色ムラ部の周囲の正常な肌色を有する正常部との色差ΔEを用いて、上述の式(A)によって定義された、シミ、そばかす等の肌色の部分的な色ムラをカバーする力の程度を表す指標である。
ここで、ΔEは下記式(A1)で定義され、ΔEは下式(A2)で定義される。
式(A1):ΔE={(L [色ムラ部])−L [正常部])+(a [色ムラ部])−a [正常部])+(b [色ムラ部])−b [正常部])1/2
式(A2):ΔE={(L [色ムラ部])−L [正常部])+(a [色ムラ部])−a [正常部])+(b [色ムラ部])−b [正常部])1/2
≪リキッドファンデーションの透過光のR値≫
本発明のリキッドファンデーションの透過光のR値は、13.0以上であることが好ましく、13.2以上であることがより好ましく、13.4以上であることが更に好ましい。
リキッドファンデーションにおける赤色透過光量と、リキッドファンデーションの透明感とは相関性があることが知られている。したがって、リキッドファンデーションの透過光のR値が高いほど、そのリキッドファンデーションの透明感が高いことを示す。
本発明のリキッドファンデーションによれば、透過光のR値が13.0以上という優れた透明感を実現することができる。
本発明のリキッドファンデーションの透過光のR値は、例えば、以下の方法により測定することができる。
リキッドファンデーションを肌色シートに塗布したときの明度Lが67.0となる塗布量におけるリキッドファンデーションの塗布膜の分光反射率(R)を、積分球を付属した分光光度計を用いて拡散反射測定条件により測定された380nm〜730nmの波長領域における、リキッドファンデーションのガラス板上に塗布した膜の積分反射率(R)及び積分透過率(T)、並びにリキッドファンデーションを塗布する前のシートの積分反射率(R)から、下記式(B)によって算出する。
式(B): R=R+R×(T)
得られたリキッドファンデーションの塗布膜の分光透過率(R)、CIEが定めるF10光源における分光放射エネルギー、及び等色関数から、透過光のR値を算出する。
なお、CIEが定めるF10光源の分光放射エネルギー、等色関数、三刺激値RGBの算出式等、全ての光学的な数値データ及び数式は、成書(色再現工学の基礎、大田登 著、コロナ社)に記載されているものを用いることができる。
本発明におけるリキッドファンデーションの透過光のR値は、より具体的には、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
≪リキッドファンデーションの色ムラカバー力≫
本発明のリキッドファンデーションの色ムラカバー力(F)は、リキッドファンデーションを0.300mg/cmの塗布量で塗布した後の皮膚等のファンデーションの適用対象物において、52.5%以上であることが好ましく、55.0%以上であることがより好ましく、60.0%以上であることが更に好ましい。
色ムラカバー力(F)の上限値は、特に限定されるものではない。
色ムラカバー力(F)とは、正常部及び色ムラ部を有する皮膚に対するリキッドファンデーションの隠蔽性能を示す指標である。色ムラカバー力(F)の値が高いほど、シミ、そばかす、くすみ等に起因する皮膚の色ムラに対するカバー力が高いことを示す。
本発明のリキッドファンデーションによれば、色ムラカバー力(F)が55.0%以上という優れたカバー力を実現することができる。
本発明のリキッドファンデーションの色ムラカバー力は、例えば、以下の方法により測定することができる。
リキッドファンデーションを塗布する前の正常部と色ムラ部との色差ΔEを、380nm〜730nmの波長領域における分光反射率を測定して得られた、標準の光D65を光源として仮定したときの反射光のL 、a 、b の値から、下記式(A1)によって算出する。
式(A1): ΔE={(L [色ムラ部])−L [正常部])+(a [色ムラ部])−a [正常部])+(b [色ムラ部])−b [正常部])1/2
次に、リキッドファンデーションを所定の塗布量で塗布した皮膚の色ムラ部と正常部との色差(ΔE)を、380nm〜730nmの波長領域における分光反射率を測定して得られた、標準の光D65を光源として仮定したときの反射光のL 、a 、b の値から、下記式(A2)によって算出する。
式(A2): ΔE={(L [色ムラ部])−L [正常部])+(a [色ムラ部])−a [正常部])+(b [色ムラ部])−b [正常部])1/2
得られた色差ΔE及び色差ΔEから、下記式(A)によって色ムラカバー力(F)を算出する。
式(A): 色ムラカバー力(F)=(ΔE−ΔE)/ΔE×100[%]
リキッドファンデーションの塗布量を変えて、上記と同様の方法により、色ムラカバー力を算出し、各塗布量に対して算出された色ムラカバー力(F)の値をプロットし、直線近似によって近似式を得、塗布量=0.300[mg/cm]のときの色ムラカバー力(F)を算出する。
本発明におけるリキッドファンデーションの色ムラカバー力(F)は、より具体的には、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
≪リキッドファンデーションの外観色≫
本発明のリキッドファンデーションが示す外観色は、リキッドファンデーションが適用される形態に応じた外観色であれば特に限定されない。
例えば、本発明のリキッドファンデーションは、肌色のつながり(観察角度によって肌色の濃度変化が大きくならないようにすること)の観点から、標準の光D65光源を用いて測定した外観色の色相角∠hが、50°〜80°の範囲内であることが好ましく、55°〜75°の範囲内であることがより好ましい。
本発明における外観色の色相角∠hは、分光光度計(製品名:Spectrolino、Gretag Macbeth社製)を用いて、波長380nm〜730nmまでの分光反射率を測定し、L表色系(CIE 1976年度)の定義に従って、光源がD65であると仮定したときの反射光のa、bの値を、下記式(C)に代入して算出した値である。
式(C): 色相角∠h=tan−1(b/a
本発明のリキッドファンデーションの色相角∠hを、所望とする範囲内とするには、例えば、リキッドファンデーションに含有される各成分の種類及び含有量を調整すればよい。
(2)リキッドファンデーションの製造方法
本発明のリキッドファンデーションの製造方法は、乳化型の化粧料の製造に適用しうる方法であれば特に限定されるものではないが、以下に詳述するリキッドファンデーションの製造方法により、好適に製造することができる。
本発明に適用しうる好適な製造方法は、特定赤色複合粉体、特定酸化チタン粒子、界面活性剤、及び任意成分を含む油相を調製すること、油相と、水及び任意成分を含む水相と、を混合して乳化物を得ることを含む製造方法である
油相は、粉末成分、界面活性剤、及び、油相成分として配合しうる任意成分を混合することにより調製すればよい。油相調製は、一段で行ってもよいし、多段で行ってもよい。
水相は、水相成分として配合しうる任意の成分を、水を含む水性媒体に溶解させることにより調製すればよい。
本形態のリキッドファンデーションの製造方法に適用される乳化方法は特に限定されるものではなく、従来の公知の乳化方法を適用することができる。本発明に適用しうる乳化方法としては、例えば、水相と油相をそれぞれ80℃程度に加温し、これらをゆっくりと混合し、乳化機で乳化して乳化物を得た後、常温まで放冷する等の方法が挙げられる。
得られた乳化物における油相と水相との比率は、特に限定されるものではないが、質量基準で、油相/水相として、90/10〜30/70が好ましく、85/15〜40/60がより好ましく、80/20〜50/50が更に好ましい。
以下、本発明を実施例にて詳細に説明する。しかしながら、本発明はそれらに何ら限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は質量基準である。なお、実施例5〜9は参考例である。
[実施例1〜9、比較例1〜5]
<リキッドファンデーションの調製>
下記表1に記載のA相、B相、及びC相の各成分を別個に秤量した。
ホモミキサーの容器中にB相を添加し、攪拌しながらA相を徐々に添加した後、容器を80℃まで加熱してB相中の成分が全て溶融するまで攪拌した。別途、C相を添加した容器も80℃まで加熱して全ての成分が溶解するまで攪拌した。続いてB相とA相の混合物、C相の水溶液共に50℃まで降温し、B相中に徐々にC相をホモミキサーにて攪拌しながら添加し、十分に乳化するまで攪拌して、実施例1〜9、及び比較例1〜5の各リキッドファンデーションを調製した。
表1に記載の各成分の詳細は、以下の通りである。
※1:赤色202号−無機物複合粉体(インターカレーション)、HNB RED7(大東化成(株)製)
※2:赤色202号−PMMA複合粉体(メカノケミカル)、3D−TECH PW(OTS LC3079−10)XP(大東化成(株)製)
※3:OTS−2 YELLOW LLXLO(大東化成(株)製)
※4:OTS−2 BLACK BL−100(大東化成(株)製)
※5:OTS−2 RED R−516L(大東化成(株)製)
※6:トランスプリズマーレッド(MERCK社製)(酸化チタン被覆雲母(雲母チタン)を含む赤色パール剤である。)
※7:ロナフレアバランス ゴールド(MERCK社製)(酸化チタン被覆雲母(雲母チタン)を含む金色パール剤である。)
※8:SI06 TiO CR−50(大東化成(株)製)(平均粒子径:0.25μm)
※9:SI06 TiO TTO−55(B)(大東化成工業(株)製)(平均粒子径:0.03μm〜0.05μm)
<赤色色材成分についての溶出試験>
実施例1〜9、及び比較例1〜5に使用した下記に示す赤色色材成分と赤色202号について、水に対する溶出試験、及び、エタノールに対する溶出試験を以下のようにして実施した。
1.水に対する溶出試験
質量部換算で1質量部となる量の赤色色材成分を、蒸留水(分散媒)99質量部中に、
60秒間震盪分散し、40℃、400rpmにて、6時間スターラー攪拌した後に、孔径
0.45μmのセルロースアセテートフィルター(商品名:Cellulose Acetate、ADVANTEC社製)にてろ過してろ液を得る。得られたろ液の吸光度を、蒸留水をブランクとして測定し、400nmから600nmまでの波長領域での吸光度の極大値を決定する。
2.エタノールに対する溶出試験
質量部換算で1質量部となる量の赤色色材成分を、無水エタノール(99.5v/v%
)99質量部中に、60秒間震盪分散し、40℃、400rpmにて、6時間スターラー
攪拌した後に、孔径0.45μmのセルロースアセテートフィルター(商品名:Cellulose Acetate、ADVANTEC社製)にてろ過してろ液を得る。得られたろ液の吸光度を、エタノールをブランクとして測定し、400nmから600nmまでの波長領域での吸光度の極大値を決定する。
上記各溶出試験における吸光度の測定には、分光光度計(製品名:UV−2550、(
株)島津製作所製)を用いた。
本溶出試験の対象とした実施例1〜9、及び比較例1〜5に使用した赤色色材成分をまとめて以下に示す。
各赤色色材成分の詳細は、表1欄外の備考に示す通りである。
実施例1〜9:特定赤色複合粉体/酸化鉄(赤色)
比較例1、5:特定赤色複合粉体/酸化鉄(赤色)
比較例2、3:酸化鉄(赤色)
比較例4 :赤色顔料(赤色202号)とポリメチルメタクリレート(PMMA)との複合粉体〔赤色顔料−PMMA複合粉体〕/酸化鉄(赤色)
各溶出試験の結果を下記表2示す。
<リキッドファンデーションの評価>
1.外観色
実施例1〜9、及び比較例1〜5にて得られたリキッドファンデーションをガラス製の透明容器に充填し、外観色について、分光光度計Spectrolino(製品名、GretagMacbeth社製)を用いて、波長380nm〜730nmまでの分光反射率を測定し、L表色系(CIE 1976年度)の定義に従って、D65光源を仮定したときの反射光のa値、b値より色相角∠hを算出した。結果を表3に示す。
2.色ムラカバー力の測定
実施例1〜9、及び比較例1〜5にて得られたリキッドファンデーションを用いて、以下に示す手順によって、平均塗布量が0.300[mg/cm]のときの色ムラカバー力を算出した。結果を表3に示す。
(2−1)幅26mm、長さ76mm、厚み1mmのスライドガラス(TOSHINRIKO CO.,LTD.製)の片面に、光学フィルムの貼り合せに用いられる透明両面粘着シート(製品名:SK−2057、綜研化学株式会社製)を、幅26mm、長さ50mmに切って貼り合わせて、粘着表面を有するガラス板を7枚作製した。7枚の各ガラス板の粘着表面に、リキッドファンデーションを、それぞれ0.375[mg/cm]、0.350[mg/cm]、0.325[mg/cm]、0.300[mg/cm]、0.275[mg/cm]、0.250[mg/cm]、0.225[mg/cm]になるまでパフを用いて精密天秤で重量を量りながら塗り足していき、重量が安定するまで約15分〜30分間放置し、所望の重量になったところで塗布をやめて、塗布量の異なる7つのガラス板塗布試験片を作製した。
(2−2)続いて、肌色ポリウレタンシートの上に濃度の異なる5つの円形のシミ(色ムラ部)を模したパターンが描かれたシミプレート(製品名:DS−50/20、ビューラックス株式会社製)を用意した。シミプレート上の2番目に濃度の高い色ムラ部とその周りの正常な肌色を有する正常部との色差ΔEを、以下の手順にて測定した。
色ムラ部及び正常部の両方について、分光光度計Spectrolino(製品名:GretagMacbeth社製)を用いて、波長380nm〜730nmまでの分光反射率を測定し、D65光源を仮定したときの反射光のL 、a 、b の値を、下式(A1)に代入して色差ΔEを算出した。
式(A1): ΔE={(L [色ムラ部])−L [正常部])+(a [色ムラ部])−a [正常部])+(b [色ムラ部])−b [正常部])1/2
(2−3)肌色ポリウレタンシート上の色差ΔEの測定対象とした部位と同じ色ムラ部及び正常部の上に、上記(2−1)で作製したガラス板塗布試験片のリキッドファンデーションが塗布された部分を、リキッドファンデーション塗布面が肌色ポリウレタンシートの反対側になるようにして載せて密着させた。肌色ポリウレタンシートとガラス板塗布試験片とを密着させた状態で、リキッドファンデーション塗布面側から、分光光度計Spectrolino(製品名:GretagMacbeth社製)を用いて、波長380nm〜730nmまでの分光反射率を測定し、D65光源を仮定したときの反射光のL 、a 、b の値を、下式(A2)に代入して色差ΔEを算出した。
式(A2): ΔE={(L [色ムラ部])−L [正常部])+(a [色ムラ部])−a [正常部])+(b [色ムラ部])−b [正常部])1/2
塗布量の異なる7つのガラス板塗布試験片の各々についてE及びΔE1を算出し、得られたE及びΔE1を、下式(A)に代入して、各塗布量における色ムラカバー力(F)を算出した。
式(A): 色ムラカバー力(F)=(ΔE−ΔE)/ΔE×100[%]
色ムラカバー力は、色ムラ部と正常部を有する皮膚において、リキッドファンデーション塗布前の色ムラ部と正常部の色差ΔEと塗布後の色ムラ部と正常部の色差ΔEに変化が無ければ[0%]、リキッドファンデーション塗布後の色ムラ部と正常部の色差ΔEが完全にゼロになれば[100%]となる指標である。色ムラカバー力(F)の値が大きいほど、リキッドファンデーションは、皮膚の色ムラに対するカバー力が高いことを意味する。
各塗布量に対して算出された色ムラカバー力(F)の値をプロットし、直線近似によって近似式を得、塗布量=0.300[mg/cm]のときの色ムラカバー力(F)を算出して、各実施例及び比較例のリキッドファンデーションが有する色ムラカバー力(F)とした。
3.透過光のR値の測定
実施例1〜9、及び比較例1〜5にて得られたリキッドファンデーションを用いて、以下に示す手順によって、肌色シート上にリキッドファンデーションを塗布して塗布膜が形成されたときの反射率を近似的に算出し、明度Lが67.0になるときの塗布量におけるリキッドファンデーション塗布膜が、F10光源で照明されたときに示す透過光のR値を算出した。結果を表3に示す。
また、各実施例及び比較例のリキッドファンデーションについて、「2.色ムラカバー力」で測定した色ムラカバー力(F)値に対する透過光のR値の関係を図1に示す。
(3−1)「2.色ムラカバー力の測定」と同様の手順により、リキッドファンデーションの塗布量の異なる7つのガラス板塗布試験片を作製した。
(3−2)分光光度計(UV−2550((株)島津製作所製)に積分球(ISR−2200)を付属して、拡散反射測定条件にて波長380nm〜730nmまでの積分反射率(R表面)および積分透過率(T)を測定した。積分反射率の測定時のガラス板塗布試験片の入射光面の反対側に暗箱を配置することで、リキッドファンデーション塗布膜の表面反射率が見積もれるようにした。また、ウレタン樹脂製の肌色シート(バイオスキンプレート、品番P001−001、色番:R−512)の積分反射率(Rバイオスキン)を同様にして測定した。
(3−3)下式(B)によって、肌色シート上にリキッドファンデーションを塗布したときの塗布色の反射スペクトル(R塗布色)を近似的に算出し、各実施例及び比較例のリキッドファンデーションについて、F10光源下での各塗布量での明度Lを算出した。
(R塗布色)=(R表面)+(Rバイオスキン)×(T) ・・・ 式(B)
(3−4)塗布量の異なる7つのガラス板塗布試験片の各々について算出された明度Lをプロットし、直線近似によって近似式を得、明度L=67.0になるときの塗布量を算出した。
(3−5)上記(3−2)で得た各塗布量における各波長での透過率の値を7点の塗布量に対してプロットし、直線近似によって近似式を得、(3−4)で得た塗布量における分光透過率を算出した。
(3−6)上記(3−5)で算出した分光透過率、等色関数、及びCIEが定めるF10光源における分光放射エネルギーから、各実施例及び比較例のリキッドファンデーションについて、透過光のR値を算出した。なお、F10光源の分光放射エネルギー、等色関数、三刺激値RGBの算出式など、全ての光学的な数値データ及び数式は、成書(色再現工学の基礎、大田登 著、コロナ社)に記載されているものを用いた。
(4)粘度安定性(分散安定性)
実施例1〜9、及び比較例1〜5にて得られたリキッドファンデーションを50℃の恒温槽に4週間放置し、第1日目と4週間目の粘度を測定して、両者の粘度の変化幅(粘度の差)を評価した。
粘度は、B型粘度計にM4ローターを装着して、25℃、12rpm、30秒の条件にて測定した。
粘度の変化幅が700[mPa・s]以下であれば、実用上許容されるレベルである。
結果を表3に示す。
(5)透明感
実施例1〜9、及び比較例1〜5にて得られたリキッドファンデーションを、パフを用いて同一人物である被験者の女性の顔に化粧した後、いすに座った状態で、透明感を目視で観察した。評価基準は以下の通りである。結果を表3に示す。
−評価基準−
AA:極めて透明感が高い
A :透明感が高い
B :やや透明感が低い
C :極めて透明感が低い
(6)化粧崩れ
実施例1〜9、及び比較例1〜5にて得られたリキッドファンデーションを、パフを用いて同一人物である被験者の女性の顔に化粧した後、相対湿度80%RH、室温25℃の恒温恒湿室にて6時間、いすに座っていた後の化粧崩れの様子を目視で観察した。評価基準は以下の通りである。結果を表3に示す。
−評価基準−
AA:ほとんど化粧崩れが気にならない
A :若干、化粧崩れはみられるが、気にならない
B :化粧崩れがみられ、やや気になる
C :はっきり化粧崩れがみられ、非常に気になる
(7)ブリードアウト性
成型後の実施例1〜9、及び比較例1〜5にて得られたリキッドファンデーションを、ガラス製の透明容器に充填した。透明容器内のリキッドファンデーションについて、不均一な赤味が無いかを目視確認した。評価基準は以下の通りである。結果を表3に示す。
−評価基準−
A:不均一な赤味がまったく認められなかった
B:不均一な赤味が若干認められたが軽微であった
C:顕著な赤味のムラが認められた
表3及び図1に示されるように、実施例1〜9のリキッドファンデーションは、定量評価及び官能評価の全ての項目において優れていることが分かる。
実施例1、4〜9のリキッドファンデーションは、透明感と相関する透過光のR値が高く、官能評価においても透明感が高いとの評価を得た。さらに、実施例1、4〜9のリキッドファンデーションは、化粧崩れ生じ難く、カバー力と透明感のバランスが総合的に良好な特性を有することが分かる。
実施例2のリキッドファンデーションは、透明感と相関する透過光のR値が極めて高く、官能評価においても透明感が極めて高いとの評価を得た。さらに、実施例2のリキッドファンデーションは、実施例1のリキッドファンデーションとは性能のバランスは異なるが、総合的に良好な特性を有することが分かる。
実施例3のリキッドファンデーションは、透明感と相関する透過光のR値が高く、カバー力により優れており、かつ官能評価において透明感も感じることができるとの評価を得た。実施例3のリキッドファンデーションは、実施例2のリキッドファンデーションとは性能のバランスは逆であるが、総合的に良好な特性を有することが分かる。
実施例1〜のリキッドファンデーションは、50℃、40日間の加熱経時前後の粘度の変化幅が100[mPa・s]以下であり、実施例5及び6のリキッドファンデーションは、50℃、40日間の加熱経時前後の粘度の変化幅がそれぞれ120[mPa・s]及び200[mPa・s]であり、より粘度安定性が得られており、実施例1〜4のリキッドファンデーションでは、比較例1〜4のリキッドファンデーションよりも10倍の粘度安定性が得られていることが分かる。
この結果は、シリコーン系非イオン性界面活性剤として、ラウリルPEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン(HLB=3)に加えて、実施例1〜4ではシリコーン系非イオン性界面活性剤としてPEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン(HLB=4)を、実施例5ではPEG−10ジメチコン(HLB=4)を含有させ、実施例6ではポリシリコーン13(HLB=3)を含有させたことによる顕著な効果を示すものであると考えられる。なお、実施例4におけるリキッドファンデーションの粘度の変化幅は80[mPa・s]であり、粘度安定性に非常に優れている結果となった。
また、シリコーン系非イオン性界面活性剤として、PEG19/PPG19/19ジメチコン(HLB=2)を含有する実施例7のリキッドファンデーション、PEG12ジメチコン(HLB=6)を含有する実施例8のリキッドファンデーションは、いずれも粘度の変化幅は500[mPa・s]であり、実用上許容されるレベルではあるが、粘度の変化幅が100[mPa・s]である実施例1〜6よりも粘度の変化幅は大きいものであった。
以上より、粘度安定性の観点からは、シリコーン系非イオン性界面活性剤として、HLB値が2≦HLB≦4のシリコーン系非イオン性界面活性剤C1、及び、シリコーン系非イオン性界面活性剤C1とは構造が異なり、かつHLB値が2≦HLB≦6のシリコーン系非イオン性界面活性剤C2を併用することが、好適であるが、HLB値が2<HLB<4のポリエーテル変性シリコーンと、HLB値が2<HLB<5のポリエーテル変性シリコーンとを組み合わせる場合に、より好適であることが分かる。
一方、特定酸化チタン粒子の配合量が多い比較例1及び3〜4のリキッドファンデーションは、実施例1〜3のリキッドファンデーションと比較してカバー力が高すぎるため、過光のR値が低くなり、透明感が劣っていた。
樹脂ビーズ(PMMA:ポリメタクリル酸メチル)中に機械的に赤色202号微粒子を打ち込んで作製された赤色顔料−PMMA複合粉体を使用した比較例4のリキッドファンデーションは、ブリードアウトにより透明ガラス容器中で外観上の不均一な赤みが発生した。
特定酸化チタン粒子を含有しない比較例5のリキッドファンデーションは、色ムラカバー力が低すぎて、リキッドファンデーションとして許容できないものであった。

Claims (5)

  1. (A)リソールルビンBCAからなる赤色顔料を無機物中にインターカレーションによって複合化した構造を有する赤色複合粉体を0.01質量%以上5質量%以下、(B)平均粒子径が0.1μm以上0.5μm以下である酸化チタン粒子を1質量%以上6質量%以下、(C)界面活性剤、及び(D)水を10質量%以上80質量%以下、含有し、(C)界面活性剤は、PEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン及びラウリルPEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコンを含む、リキッドファンデーション。
  2. 下記の(1)及び(2)を満たす請求項1に記載のリキッドファンデーション。
    (1)380nm〜730nmの波長領域における分光透過率から算出した透過光のRGBにおけるR値が13.0以上
    (2)380nm〜730nmの波長領域における分光透過率及び分光反射率から式(A)によって算出される色ムラカバー力(F)が52.5%以上
    式(A):色ムラカバー力(F)=(ΔE−ΔE)/ΔE×100[%]
    ΔE:ファンデーションを適用する前の適用対象物が有する色ムラ部と色ムラ部の周囲の正常部との色差
    ΔE:ファンデーションを適用した後の適用対象物の適用面側における色ムラ部と色ムラ部の周囲の正常部との色差
  3. PEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン及びラウリルPEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコンの含有比率が、PEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン:ラウリルPEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコンとして、質量基準で、1:10〜10:1である、請求項1又は請求項2に記載のリキッドファンデーション。
  4. 更に、赤色酸化鉄を含有する請求項1〜請求項のいずれか1項に記載のリキッドファンデーション。
  5. 標準の光D65光源を用いて測定した外観色の色相角∠hが、50°〜80°の範囲内にあるリキッドファンデーションである請求項1〜請求項のいずれか1項に記載のリキッドファンデーション。
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