JP6159642B2 - 発光素子 - Google Patents

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Description

本発明は、発光素子に関するものである。
従来より、面発光レーザの共振器構造内に波長変換層を導入することにより、レーザ光の発振波長とは異なる波長の光を出射可能にする技術が広く知られている。特許文献1には、基板と活性層を含む複数の半導体層で構成されたレーザ光の発振部との間に波長変換層を設けることで、基板を略透過可能な波長にレーザ光の波長を変換し、基板透過時のレーザ光の伝搬ロスを低減する技術が開示されている。
特開2011−44447号公報
しかしながら、レーザ光を発振波長と異なる波長に波長変換する場合には、高い変換効率が得られ難く、発光素子の高出力化に不利であった。
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、発光強度の高い発光素子の実現を目的としている。
本発明の発光素子は、
基板上に、共振器構造を含む複数の窒化物半導体層を積層形成してなる発光素子であって、
前記基板上に形成され、レーザ光を発生する活性層を備えた共振器構造と、
前記共振器構造内に配され、前記レーザ光を吸収して前記レーザ光より長波長の光を発光する発光層と、
前記共振器構造よりも積層方向一端側に配され、前記レーザ光よりも短波長から前記発光層の発光波長域までの光を略反射する広帯域ストップバンド反射鏡層と、
前記共振器構造より積層方向他端側に配され、前記レーザ光を略反射し、前記発光波長域の光を略透過する狭帯域ストップバンド反射鏡層と、を備えていることを特徴とする。
本発明によれば、共振器構造内において共振するレーザ光は、共振器構造の積層方向両端側に配された広帯域ストップバンド反射鏡層と挟帯域ストップバンド反射鏡層において略反射される。ここで、両反射層は従来の面発光レーザと異なり、レーザ光自体を共振器構造外へ取り出す必要がないため、レーザ光に対する反射率は極めて高い値に設定される。これにより、共振器構造内においてレーザ光は両反射鏡層間を何度も往復されて光が蓄積されることになる。一方で、共振器構造内部に配された発光層においては、そのレーザ光を吸収してレーザ光よりも長波長の光が発光され、狭帯域ストップバンド反射鏡層側から出射される。このような形態を採れば、共振器構造内に蓄積されたレーザ光は発光層を何度も往復することになるので、発光層において十分な吸収が実現される。よって、電流注入を行わなくても発光層から強度の高い発光を得ることが可能となる。
実施例1に係る白色発光素子の断面図である。 実施例1に係る白色発光素子のスペクトルを示すグラフである。(a)は白色発光素子の出力光のスペクトルを示す。(b)は白色発光素子の内部にて共振する紫外レーザ光のスペクトルを示す。(c)は挟帯域ストップバンドを有する窒化物半導体多層膜反射鏡層の反射スペクトルを示す。(d)は広帯域ストップバンドを有する誘電体多層膜反射鏡層の反射スペクトルを示す。 実施例1に係る共振器構造における光定在波分布と発光層の位置関係を示す模式図である。 実施例2に係る白色発光素子の断面図である。
本発明における好ましい実施の形態を説明する。
(1) 本発明の発光素子は、
前記レーザ光の波長は紫外域であり、前記発光波長域は可視光域であることが好ましい。
この構成によれば、紫外光を吸収させて可視光を発光させる発光素子が得られる。
(2) 本発明の発光素子は、
前記発光層は前記両反射鏡層間にて形成される前記レーザ光の光定在波の腹を含まない位置に配されていることが好ましい。
この構成によれば、発光層におけるレーザ光の必要以上に過剰な吸収が抑制でき、共振器構造内におけるレーザ発振を実現できる。
(3) 本発明の発光素子は、
前記発光層間には、前記レーザ光の前記光定在波の腹を含まない位置に前記発光層を配置すべく、前記発光波長に対して透明な膜厚調整層が介在されていることが好ましい。
この構成によれば、膜厚調整層によって発光層を容易にレーザ光の光定在波の腹を含まない位置に配置できる。また、膜厚調整層における光吸収も発生しない。
(4) 本発明の発光素子は、
前記広帯域ストップバンド反射鏡層は誘電体層を積層した誘電体多層膜層であり、前記共振器構造の積層方向上部側に設けられていることが好ましい。
この構成によれば、誘電体多層膜層を用いることで簡単に反射鏡層を広帯域化できる。
(5) 本発明の発光素子は、
前記基板は前記発光波長域に対して透過性を有していることが好ましい。
この構成によれば、基板側から発光層からの光を取り出すことが可能となる。
(6) 本発明の発光素子は、
前記発光層はそれぞれ、青色、緑色、赤色に相当する波長域に対して発光ピークを有する窒化物半導体混晶であることが好ましい。
この構成によれば、RGB(赤色・緑色・青色)に対応する発光を窒化物半導体混晶の混晶組成を変更するだけで得られ、演色性及び色再現性の高い白色発光を得ることが可能となる。
(7) 本発明の発光素子は、
前記発光層は前記レーザ光により励起可能な蛍光体層であることが好ましい。
この構成によれば、レーザ光によって蛍光体層を励起させることでレーザ光より長波長の光を発光させることが可能となる。
次に、本発明の発光素子を具体化した実施例1、2について、図面を参照しつつ説明する。
<実施例1>
本発明の実施例1に係る白色発光素子(発光素子)の断面構造を図1に示す。白色発光素子はn型GaN基板100と、第1〜3GaInN発光層202、203、204を含む共振器構造と、窒化物半導体多層膜反射鏡層(狭帯域ストップバンド反射鏡層)102と、第1、第2誘電体多層膜反射鏡層(広帯域ストップバンド反射鏡層110)108、109とを備えている。n型GaN基板100にはHVPE法(ハイドライド気相成長法)により作製したn型GaN自立基板を用いた。また、n型GaN基板100上への各窒化物半導体層の成膜にはMOCVD法(有機金属気相成長法)を用いた。
白色発光素子の作製工程について説明する。まず、表面がGa面であるn型GaN基板100を、MOCVD装置の反応炉内にセットした。その後、反応炉内に水素とアンモニアを流しながら昇温することで、n型GaN基板100表面のサーマルクリーニングを行った。次に、基板温度を1050℃に昇温し、キャリアガスである水素と、原料であるTMGa(トリメチルガリウム)とアンモニアと、n型不純物原料ガスであるSiH4(シラン)とを流すことで、n型GaN基板100上に高品質なn型GaN下地層101を約500nm成長させた。n型GaN下地層101におけるSiのドーピング濃度は2×1018cm-3とした。
次に、n型GaN下地層101上に、反射中心波長が約400nmであり、中心波長に対する反射率が略100%である窒化物半導体多層膜反射鏡層102を以下に示すように形成する(図2(c))。まず、基板温度を780℃とし、キャリアガスである窒素と、原料であるTMAl(トリメチルアルミニウム)とTMIn(トリメチルインジウム)とアンモニアと、n型不純物原料ガスであるシランを反応炉内に供給することで、n型GaN下地層101上にn型AlInN層301を約50nm形成した。n型AlInN層301におけるIn組成はGaNと格子整合する約0.17に設定した。また、n型AlInN層301におけるSiのドーピング濃度は1×1019cm-3とした。そして、基板温度を780℃に維持し、キャリアガスである窒素と、原料であるTMGaとアンモニアと、シランとを反応炉内に供給することで、n型AlInN層301上にn型GaN層302を約40nm形成した。n型GaN層302におけるSiのドーピング濃度は7×1018cm-3とした。このn型AlInN層301とn型GaN層302を交互に60.5ペア積層させて、窒化物半導体多層膜反射鏡層102をn型GaN下地層101上に形成した。尚、窒化物半導体多層膜反射鏡層102はストップバンド幅が約15nmであり、430〜670nm帯の波長の光については略透過する。また、本実施例では、窒化物半導体多層膜反射鏡層102を構成するAlInN層及びGaN層をn型層とすることで共振器構造の縦方向に電流注入可能な構造を採用したが、AlInN層及びGaN層をアンドープ層とし、電流を共振器構造の横方向より注入するイントラキャビティ構造を用いても良い。
次に、青色に発光する第1GaInN発光層202と、緑色に発光する第2GaInN発光層203と、赤色に発光する第3GaInN発光層204を窒化物半導体多層膜反射鏡層102上に以下に示すように形成する。まず、基板温度を780℃とし、キャリアガスである窒素と、原料であるTEGa(トリエチルガリウム)とアンモニアとを反応炉内に供給することで、基板温度を780℃とし、キャリアガスである窒素と、原料であるTMGaとTMInとアンモニアを反応炉内に供給することで、図示しない第1GaN膜厚調整層と、青色に発光する第1GaInN発光層202を積層形成した。第1GaInN発光層202の膜厚はそれぞれ約3nmとした。また、第1GaInN発光層202におけるIn組成は約0.15とし、発光中心波長は約450nmとした。ここで第1GaN膜厚調整層の膜厚を調整することで、第1GaInN発光層202を共振器構造内部に形成される光定在波分布に対して所望の位置に配置する(以下、第2〜4GaN膜厚調整層も同様である)。そして、第1GaInN発光層202上に図示しない第2GaN膜厚調整層と、緑色発光する第2GaInN発光層203を積層形成した。第2GaInN発光層203の膜厚は約2.5nmとした。第2GaInN発光層203におけるIn組成は約0.25とし、発光中心波長は約535nmとした。そして、第2GaInN発光層203上に、図示しない第3GaN膜厚調整層と、赤色発光する第3GaInN発光層204を形成した。第3GaInN発光層204の膜厚は約2nmとした。また、第3GaInN発光層204におけるIn組成は約0.35とし、発光中心波長は約650nmとした。そして、第3GaInN発光層204上に、図示しない第4GaN膜厚調整層を形成した。第1〜3GaInN発光層202、203、204と第1〜第4GaN膜厚調整層のトータルの膜厚は共振波長の1/2波長に相当する光学膜厚の整数倍であり、具体的に、ここでは約80nmの整数倍である必要がある。本実施例では一波長分に相当する約160nmとした。また、第1〜3GaInN発光層202、203、204はいずれも積層方向両側がGaN膜厚調整層にて挟まれる単一量子井戸構造となっている。上記第1〜4GaN膜厚調整層の膜厚を適切に調整することで、共振波長の調整と、GaInN単一量子井戸構造において紫外光の必要十分な吸収量の調整の双方を行う。また、第1〜3GaInN発光層202、203、204に対して電流を流す必要があれば、窒化物半導体多層膜反射鏡層102と同様にn型層とする。
続いて、第4GaN膜厚調整層上にn型GaN層103を以下に示すように形成する。まず、基板温度を1000℃とし、キャリアガスである水素と、原料であるTMGaとアンモニアと、n型不純物原料ガスであるシランを反応炉内に供給することで、第4GaN膜厚調整層上にn型GaN層103を共振波長の5波長分に相当する約830nm形成した。n型GaN層103におけるSiのドーピング濃度は1×1019cm-3とした。
次に、n型GaN層103上に、約400nmの中心波長で発振するGaInN三重量子井戸活性層104を以下に示すように形成する。まず、基板温度を780℃とし、キャリアガスである窒素と、原料であるTMGaとTMInとアンモニアを反応炉内に供給することで、n型GaN層103上に、図示しないGaNスペーサ層と、GaInN量子井戸層401とGaNバリア層402を交互に3ペア積層させて、GaInN三重量子井戸活性層104を形成した。GaInN量子井戸層401の膜厚は約3nmとし、GaNバリア層402の膜厚は約6nmとした。また、GaInN量子井戸層401におけるIn組成は約0.10とした。上記GaNスペーサ層の膜厚を調整することで、GaInN三重量子井戸活性層104が共振器構造内の光定在波分布の腹に配置されるようにした。具体的にGaNスペーサ層の膜厚は約150nmとした。
その後、基板温度を980℃とし、キャリアガスである水素と、原料であるTMGaとTMAlとアンモニアと、p型不純物原料ガスであるCP2Mg(シクロペンタジエニルマグネシウム)を反応炉内に供給することで、GaInN三重量子井戸活性層104上にp型AlGaN電子ブロック層105とp型GaN層106とp型GaNコンタクト層107を順次積層させた。p型AlGaN電子ブロック層105、p型GaN層106、p型GaNコンタクト層107の膜厚はそれぞれ、約20nm、約60nm、約10nmとした。また、p型AlGaN電子ブロック層105におけるAl組成は約0.15と高めであり、活性層104からの電子のオーバーフローを抑制できるようにした。また、p型AlGaN電子ブロック層105、p型GaN層106、p型GaNコンタクト層107におけるMgのドーピング濃度はそれぞれ2×1019cm-3、2×1019cm-3、1×1020cm-3とした。ここまでの積層構造で7.75波長分の共振器長を有する共振器構造が形成されている。その後、後述するようにp型コンタクト電極を形成すれば、共振器構造内に形成される光定在波分布の節の位置に上記電極を配置することができる。これにより、上記電極による不必要な光吸収の発生を大幅に抑制することが可能となる。
次に、白色発光素子に対して電流注入可能にするためにp側、n側電極を以下に示すように形成する。まず、p型GaNコンタクト層107上に、SiO2絶縁層Insを約10nm堆積させた。そして、周知のフォトリソグラフィとドライエッチングプロセスにより、SiO2絶縁層Insの面内中央部に約10μm径の開口部を形成し、p型GaNコンタクト層107を露出させた。そして、開口部の底面より露出するp型GaNコンタクト層107上に、電流狭窄を兼ねるp側コンタクト電極として、ITO透明電極tCを約20nm形成した。そして、図示はしないが、ITO透明電極tCの外周部に接触する外周部と、ワイヤボンディングの為のパッド部を有するTi/Au電極を形成することでp側電極を形成した。一方で、周知のフォトリソグラフィを行い、その後、窒化物半導体多層膜反射鏡層102及び共振器構造を部分的にドライエッチングした。そして、n型GaN下地層101を露出させて、その表面にTi/Al/Ti/Au電極を積層形成することで図示しないn側電極を形成した。続いて、ITO透明電極tC上に図示しないZrO2スペーサ層を約40nm形成して、共振器構造を完成させる。尚、第1GaInN発光層202からZrO2スペーサ層までが共振器構造に相当し、本実施例では8波長分の共振器長を有している。
最後に、ZrO2スペーサ層上に、反射中心波長を約400nmとする10ペアのSiO2層501/ZrO層502からなる第1誘電体多層膜反射鏡層108を積層させた(図1)。SiO2層501とZrO2層502の膜厚はそれぞれ約40nm、約60nmとした。また、反射鏡層を広帯域化するために、第1誘電体多層膜反射鏡層108上に、反射中心波長を約650nmとする5ペアのSiO2層601/ZrO2層602からなる第2誘電体多層膜反射鏡層109を積層させた。第2誘電体多層膜反射鏡層109におけるSiO2層601とZrO2層602の膜厚はそれぞれ、約70nm、約100nmとした。これにより、誘電体多層膜反射鏡層110は450〜650nm帯の波長の光を略100%反射する(図2(d))。以上で、共振器構造を有する白色発光素子の作製は完了する。
次に、本実施例の作用について説明する。
n側、p側電極から電流が注入されると、共振器構造内におけるGaInN三重量子井戸活性層104から中心波長が約400nmの紫外域のレーザ光が発生する。そして、レーザ光は共振器構造の積層方向両側に配置された両反射鏡層102、110において略反射されることにより光が閉じ込められる。そして、レーザ光は第1〜3GaInN発光層202、203、204において吸収され、RGB(赤色・緑色・青色)に対応する可視光に波長変換される。図2に示すように、窒化物半導体多層膜反射鏡層102は450〜650nm帯においては略透明であるから、可視光(RGBが混ざった白色光)のみがn型GaN基板100側から出射されることになる。ところで、第1〜3GaInN発光層202、203、204における吸収はバンド間遷移による吸収であるため、吸収係数の大きさは約100000cm-1と非常に大きい。従って、層厚が2nm程度であっても、各発光層202、203、204を共振器構造内における光強度分布の腹に配置すると、実効的には約100cm-1という大きな値になり、これに伴って、共振器構造内におけるレーザ発振が妨げられてしまう。よって、第1〜3GaInN発光層202、203、204はレーザ光の光定在波の腹を含まない位置に意図的に配置することにした。具体的には、窒化物半導体多層膜反射鏡層102の積層方向端部から第1〜第4GaN膜厚調整層を介在させることで、第1〜第3GaInN発光層202、203、204が光定在波の腹を含まない位置に配置させた(図3参照)。これにより、発光層合計の平均吸収係数を約20cm-1程度に抑制することができ、共振器構造内のレーザ発振を実現することが可能となる。
次に、本実施例の効果について説明する。
本実施例によれば、共振器構造内において共振する紫外レーザ光はその中心波長が約400nmであり、その積層方向両端側に配される広帯域の誘電体多層膜反射鏡層108、109と挟帯域の窒化物半導体多層膜反射鏡層102において略反射される。そして、共振器構造内においてレーザ光は両反射鏡層102、110間を何度も往復されて光が蓄積されることになる。一方で、第1〜3GaInN発光層202、203、204においては、そのレーザ光を吸収してレーザ光よりも長波長のRGB(赤色・緑色・青色)に対応する可視光に波長変換され、n型GaN基板100側から出射される(図2(a))。このような形態を採れば、共振器構造内に蓄積された紫外レーザ光は第1〜3GaInN発光層202、203、204を往復することになるので、十分にレーザ光を吸収させることが可能となり、第1〜3GaInN発光層202、203、204からは強度の高い白色発光が得られる。
また発光層はそれぞれ、RGB(青色、緑色、赤色)に対応する波長域に対して発光ピークを有するGaInN層である。よって、GaInN層のIn組成を変更するだけでRGBに対応する発光が得られるので素子作製が簡単である。また、演色性及び色再現性の高い白色光を得ることが可能となる。
また、レーザ光の波長を紫外域とすることにより、発光層をより効率よく光励起させることが可能となる。
また、第1〜3GaInN発光層202、203、204はその積層方向において、両反射鏡層102、110間にて形成される紫外レーザ光の光定在波の腹を含まない位置に配置されているので、紫外レーザ光の不必要な吸収を抑制することが可能となり、共振器構造内におけるレーザ発振を実現できる。
また、広帯域ストップバンド反射鏡層110は誘電体多層膜により形成したので、窒化物半導体結晶を用いて形成する場合に比べて作製が簡単であり、広帯域化に有利である。
また、n型GaN基板100は450〜650nm帯の波長域に対して透過性を有しているので、基板100側から白色光を取り出すことが可能となる。
<実施例2>
本発明の実施例2に係る白色発光素子の断面構造を図4に示す。実施例1との相違点は発光層にGaInN層ではなく、蛍光体薄膜層(蛍光体層)701を用いている点と発光層の積層方向における形成位置のみである。
窒化物半導体多層膜反射鏡層102までの形成手順は実施例1と同様であるから詳細な説明は省略する。窒化物半導体多層膜反射鏡層102上には、第1〜3GaInN発光層202、203、204を形成することなく、n型GaN層103を形成した。それ以降、ITO透明電極tCまでの形成手順は実施例1と同様であるから詳細な説明は省略する。
次に、発光層として紫外光を吸収して青色及び黄色に発光する蛍光体薄膜701をITO電極層tC及びSiO2絶縁層Ins上にSOG(スピンオングラス)することで形成した。青色蛍光体にはBAM(バリウムアルミン酸マグネシウム)蛍光体を、黄色蛍光体にはYAG(イットリウムアルミニウムガーネット)蛍光体を用いた。また、蛍光体薄膜層701の膜厚は約80nmとした。尚、n型GaN層103から蛍光体薄膜層701までが共振器構造に相当し、トータルの膜厚は共振波長の1/2波長の整数倍(本実施例では7波長)となる。最後に実施例1と同様に誘電体多層膜反射鏡層110を形成すれば、共振器構造を有する白色発光素子の作製は完了する。
本実施例によれば、発光層に紫外レーザ光により励起可能な青色及び黄色に発光する蛍光体薄膜層701を一層形成することで白色発光素子を形成することが可能となる。
<他の実施例>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施例1、2に限定されるものではなく、例えば次のような実施例も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施例1、2では、基板にGaN基板を用いたが、これに限らず、サファイア上GaN基板や、SiC上GaN基板や、ZnO上GaN基板、AlN基板等を用いても良い。
(2)上記実施例1、2では、活性層に窒化物半導体結晶を用いたが、GaInN層を用いたが、これに限らず、AlGaN層、AlInN層、AlGaInN層、GaNSb層等を用いても良い。
(3)上記実施例1、2では、発光素子に8波長共振器構造を採用したが、7波長以下乃至9波長以上の共振器長を有する共振器構造を用いても良い。
(4)上記実施例1、2では、活性層にGaInN三重量子井戸層を用いたが、量子井戸層のペア数には制限はない。
(5)上記実施例1、2では、活性層から発生するレーザ光の中心波長を約400nmの紫外域としたが、これに限らず、可視光域であっても良い。
(6)上記実施例1、2では、広帯域ストップバンド反射鏡層にSiO2層とZrO2層を交互に積層した誘電体多層膜を用いたが、TiO2やSiN等の材料を用いてもよく、そのペア数にも制限はない。
(7)上記実施例1、2では、発光素子として紫外光励起による白色発光素子を例示したが、その他の可視光、赤外光などを利用した発光素子であっても良い。
(8)上記実施例1では、挟帯域ストップバンド反射鏡層にAlInNとGaNを交互に積層した窒化物半導体多層膜を用いたが、例えばAlGaNやAlGaInN等の材料を用いてもよく、そのペア数にも制限はない。
(9)上記実施例2では、蛍光体層にYAG蛍光体とBAM蛍光体を用いたが、その他の材料を用いてもよい。
(10)上記実施例1、2では、窒化物半導体をMOCVD法により成膜したが、これに限らず、HVPE法やMBE法、スパッタリング法等で成膜しても良い。
(11)上記実施例2では、RGB(赤色・緑色・青色)に対応する発光層にIn組成を調整したGaInN層を3層形成して用いたが、例えばRG(赤色・緑色)のみをGaInN層とし、B(青色)はBAM蛍光体等の蛍光体層とするなどして、GaInN層と蛍光体層を組み合わせても構わない。
100…n型GaN基板(基板)
102…窒化物半導体反射鏡層(挟帯域ストップバンド反射鏡層)
104…GaInN三重量子井戸活性層(活性層)
110…誘電体多層膜反射鏡層(広帯域ストップバンド反射鏡層)
202、203、204…第1〜3GaInN発光層(発光層、窒化物半導体混晶)
501、601…SiO2層(誘電体層)
502、602…ZrO2層(誘電体層)
701…蛍光体薄膜層(発光層、蛍光体層)

Claims (8)

  1. 基板上に、共振器構造を含む複数の窒化物半導体層を積層形成してなる発光素子であって、
    前記基板上に形成され、レーザ光を発生する活性層を備えた共振器構造と、
    前記共振器構造内に配され、前記レーザ光を吸収して前記レーザ光より長波長の光を発光する発光層と、
    前記共振器構造よりも積層方向一端側に配され、前記レーザ光よりも短波長から前記発光層の発光波長域までの光を略反射する広帯域ストップバンド反射鏡層と、
    前記共振器構造より積層方向他端側に配され、前記レーザ光を略反射し、前記発光波長域の光を略透過する狭帯域ストップバンド反射鏡層と、を備えていることを特徴とする発光素子。
  2. 前記レーザ光の波長は紫外域であり、前記発光波長域は可視光域であることを特徴とする請求項1に記載の発光素子。
  3. 前記発光層は前記両反射鏡層間にて形成される前記レーザ光の光定在波の腹を含まない位置に配されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の発光素子。
  4. 前記発光層間には、前記レーザ光の前記光定在波の腹を含まない位置に前記発光層を配置すべく、前記発光波長域に対して透明な膜厚調整層が介在されていることを特徴とする請求項3に記載の発光素子。
  5. 前記広帯域ストップバンド反射鏡層は誘電体層を積層した誘電体多層膜層であり、前記共振器構造の積層方向上部側に設けられていることを特徴とする請求項1から請求項4の何れか1項に記載の発光素子。
  6. 前記基板は前記発光波長域に対して透過性を有していることを特徴とする請求項1から請求項5の何れか1項に記載の発光素子。
  7. 前記発光層はそれぞれ、青色、緑色、赤色に相当する波長域に対して発光ピークを有する窒化物半導体混晶であることを特徴とする請求項1から請求項6の何れか1項に記載の発光素子。
  8. 前記発光層は前記レーザ光により励起可能な蛍光体層であることを特徴とする請求項1から請求項6の何れか1項に記載の発光素子。
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