JP6157990B2 - データ解析装置 - Google Patents

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Description

本発明は、レーザスキャナによって堤防などの地物表面から抽出された点群の3次元座標データに基づいて地物の変状を検出するデータ解析装置、データ解析方法、及びプログラムに関する。
河川堤防や道路沿線の法面は、流水や雨の浸食、地盤沈下などにより陥没、ひび割れ、崩れなどの変状を生じ、これを放置すると事故や災害となり得る。そこで、これらの地物についても管理、点検及び必要な補修が行われている。
例えば、河川堤防は主に土で構成されている。一般にその天端は河川管理用通路として利用され、必要に応じて敷砂利やアスファルト舗装が施されている。一方、法面は表面の崩落を防ぐために通常は芝を生やしている。また、雑草が繁茂し法面が弱体化するのを抑制するために、あるいは堤防の定期的な巡視点検のために年に1,2回程度の除草管理が行われている。巡視点検は従来、目視で行われている。例えば、複数人の作業員が徒歩で移動しつつ堤防の形状を観察し、陥没、はらみだし、法崩れ、侵食、不陸などの変状を判断し、写真や調書に記録する。点検対象となる堤防の総延長は長いので当該作業は大変な労力・コストを要する。また、目視であるために、微細な形状の変化の検出や時系列的な評価が困難であった。
ここで、地物の形状を計測する技術として、特許文献1には、レーザスキャナを用いて、地物の形状を表す3次元点群データを取得する技術であるモービルマッピングシステムが示されている。この技術を用いれば、堤防等の点検作業の効率化が図れる。モービルマッピングシステムでは、車両に搭載したレーザスキャナを用い道路に沿って地物の形状を表す3次元点群データを取得する。当該システムでは、自動車に搭載されたレーザスキャナは車体の上部から斜め下方向や斜め上方向にレーザを照射する。レーザの光軸は横方向に走査され、走査角度範囲内にて微小角度ごとにレーザパルスが発射される。レーザの発射から反射光の受信までの時間に基づいて距離が計測され、またその際、レーザの発射方向、時刻、及び車体の位置・姿勢などが計測される。それら計測データから、レーザパルスを反射した点の3次元座標を表す点群データが求められる。
特開2009−204615号公報
従来、点群データをもとに地物を判読するためには人手を要しており、3次元CADで編集ツール等を利用して手作業で地物の抽出作業が行われていた。そのため、堤防等の地物から点群データを取得し、それに基づいて地物の形状を抽出するのに手間がかかるという問題があった。例えば、堤防は水平な天端と、主として傾斜面からなる法面とを有し、法面には小段が設けられることもある。このように地物は3次元形状を有し、その本来的な3次元形状の中に現れる微小な形状の変化を人が把握することは容易ではない。また、点群データにて検出した地物表面の起伏が前回の計測時からどの程度変化したかを人手で求めることも容易ではない。すなわち、人手による点群データの解析作業に関しては、微細な形状の変化の検出や時系列的な評価が困難であるという上述した旧来の点検作業と同様の問題があった。
本発明は、地物表面から抽出された点群の3次元座標データに基づいて地物表面の形状の変化を精度良く検出するデータ解析装置、データ解析方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
本発明に係るデータ解析装置は、対象空間における地物表面からレーザスキャナによって抽出された点群の3次元座標データに基づき、地物について変状を検出するものであって、鉛直面である切断平面を前記対象空間に仮想的に設定して、当該切断平面での前記地物の断面形状を前記点群に基づいて求める地物断面形状抽出手段と、前記地物の形状に関する基準モデルを与えられ、前記地物表面に設定された注目部分について、前記切断平面にて、前記点群に基づく前記地物の断面形状を前記基準モデルの断面形状と対比し、前記地物が前記基準モデルより凸になる凸部領域と凹になる凹部領域とをそれぞれ特徴領域として検出し、当該両特徴領域それぞれの面積を算出する断面対比手段と、前記凸部領域の面積と前記凹部領域の面積とに基づいて前記変状を検出する変状検出手段と、を有する。
他の本発明に係るデータ解析装置においては、前記変状検出手段は、前記凸部領域の面積と前記凹部領域の面積との差の絶対値が予め定めたしきい値以上であることに基づいて前記切断平面の設定箇所での前記地物の変状を検出する。
別の本発明に係るデータ解析装置においては、前記地物は前記注目部分とされる法面を有し、前記切断平面は前記法面に交差し、前記変状検出手段は、前記切断平面上での前記法面に沿った方向を基準方向として、前記両特徴領域それぞれの前記基準方向に関する代表点の位置を算出する代表位置算出手段と、前記法面にて前記凹部領域の前記代表点が前記凸部領域の前記代表点より上に位置し、かつ前記両特徴領域の面積の相違が予め定めた限度以下である場合に、前記変状として円弧滑りが発生したことを検出する円弧滑り検出手段と、を有する。
この本発明に係るデータ解析装置において、前記変状検出手段は、さらに、前記両特徴領域それぞれの前記基準方向に関しての広がりの程度を示すスケール値を算出し、前記両特徴領域が前記基準方向に関し隣接した状態となる場合における前記代表点間の距離である隣接距離を前記両特徴領域の前記スケール値に応じて定める隣接距離決定手段を有し、前記円弧滑り検出手段は、前記両特徴領域の前記代表点間の距離が前記隣接距離以下であることを前記円弧滑りの発生検出の追加要件とすることができる。
本発明に係るデータ解析方法は、対象空間における地物表面からレーザスキャナによって抽出された点群の3次元座標データに基づき、地物について変状を検出する方法であって、鉛直面である切断平面を前記対象空間に仮想的に設定して、当該切断平面での前記地物の断面形状を前記点群に基づいて求める地物断面形状抽出ステップと、前記地物の形状に関する基準モデルを与えられ、前記地物表面に設定された注目部分について、前記切断平面にて、前記点群に基づく前記地物の断面形状を前記基準モデルの断面形状と対比し、前記地物が前記基準モデルより凸になる凸部領域と凹になる凹部領域とをそれぞれ特徴領域として検出し、当該両特徴領域それぞれの面積を算出する断面対比ステップと、前記凸部領域の面積と前記凹部領域の面積とに基づいて前記変状を検出する変状検出ステップと、を有する。
本発明に係るプログラムは、コンピュータに、対象空間における地物表面からレーザスキャナによって抽出された点群の3次元座標データに基づき、地物について変状を検出するデータ解析を行わせるためのプログラムであって、当該コンピュータを、鉛直面である切断平面を前記対象空間に仮想的に設定して、当該切断平面での前記地物の断面形状を前記点群に基づいて求める地物断面形状抽出手段、前記地物の形状に関する基準モデルを与えられ、前記地物表面に設定された注目部分について、前記切断平面にて、前記点群に基づく前記地物の断面形状を前記基準モデルの断面形状と対比し、前記地物が前記基準モデルより凸になる凸部領域と凹になる凹部領域とをそれぞれ特徴領域として検出し、当該両特徴領域それぞれの面積を算出する断面対比手段、及び、前記凸部領域の面積と前記凹部領域の面積とに基づいて前記変状を検出する変状検出手段、として機能させる。
本発明によれば、地物表面から抽出された点群の3次元座標データに基づいて地物表面の形状の変化を精度良く検出することができる。
本発明の実施形態に係る地物変状検出システムの概略の構成を示すブロック図である。 堤防の横断方向に設定した切断平面を示す模式的な斜視図である。 本発明の実施形態に係る地物変状検出システムによる堤防変状検出処理の概略のフロー図である。 切断平面における、点群から抽出した地物断面形状及び基準モデルの断面形状の一例を示す模式図である。 切断平面における、はらみ出しを生じた堤防の地物断面形状の一例とモデル断面形状とを示す模式図である。 切断平面における、盤ぶくれを生じた堤防の地物断面形状の一例とモデル断面形状とを示す模式図である。 切断平面における、円弧滑りを生じた堤防の地物断面形状の一例とモデル断面形状とを示す模式図である。 切断平面における円弧滑り部分を示す模式図である。 切断平面における凸部領域と凹部領域とが対で生じた部分を示す模式図である。
以下、本発明の実施の形態(以下実施形態という)である地物変状検出システム2について、図面に基づいて説明する。本システムは、地物表面の3次元形状を表す点群データに基づき地物の表面形状の変化を検出することによって例えば、河川堤防等の変状を検出するデータ解析装置である。点群データは例えば、上述のモービルマッピングシステムのように地上を走行する車両に搭載されたレーザスキャナにより取得される。また、レーザスキャナを地上に設置して計測を行っても良い。点群データが地物表面の3次元形状を表すには、地物表面の凹凸、段差のスケールに応じた密度でレーザスキャンが行われる必要がある。この点、車両や三脚等の高さから行うレーザスキャンの走査密度、距離精度及びフットプリントの大きさは、例えば、地物の形状を数センチメートル程度の精度で捉えることができる諸元を有し、河川堤防の法面の変形を航空レーザや衛星レーザなどに比べて高精度に検出することが可能である。
図1は、地物変状検出システム2の概略の構成を示すブロック図である。本システムは、演算処理装置4、記憶装置6、入力装置8及び出力装置10を含んで構成される。演算処理装置4として、本システムの各種演算処理を行う専用のハードウェアを作ることも可能であるが、本実施形態では演算処理装置4は、コンピュータ及び、当該コンピュータ上で実行されるプログラムを用いて構築される。
当該コンピュータのCPU(Central Processing Unit)が演算処理装置4を構成し、後述する地物断面形状抽出手段20、基準モデル設定手段22、断面対比手段24及び変状検出手段26を含んで構成される。
記憶装置6はコンピュータに内蔵されるハードディスクなどで構成される。記憶装置6は演算処理装置4を地物断面形状抽出手段20、基準モデル設定手段22、断面対比手段24及び変状検出手段26として機能させるためのプログラム及びその他のプログラムや、本システムの処理に必要な各種データを記憶する。例えば、記憶装置6は、処理対象データとして解析の対象空間の点群データを格納される。地物変状検出システム2は基本的には堤防が存在する空間を解析の対象空間に設定され利用される。特に、地物変状検出システム2は例えば、河川堤防の法面などのように傾斜面の形状変化の把握に有効である。
入力装置8は、キーボード、マウスなどであり、ユーザが本システムへの操作を行うために用いる。
出力装置10は、ディスプレイ、プリンタなどであり、本システムにより求められた堤防の3次元形状の変化や断面での形状変化を画面表示、印刷等によりユーザに示す等に用いられる。
後述するように本実施形態において堤防の表面形状の変化を抽出する際の基本処理は、対象空間に仮想的に設定した切断平面に現れる地物表面の断面形状の変化を検出する処理である。堤防の3次元形状の変化は、切断平面を複数設定してそれぞれについて解析を行うことによって把握することができる。
地物変状検出システム2において切断平面の設定の仕方は任意であるが、本実施形態では切断平面を堤防の法面に交差する方向のうち特に堤防の横断方向に設定する場合を例に説明する。図2はこの場合を示す模式的な斜視図である。例えば、ユーザが基準線50を堤防52の横断方向に沿って設定すると、切断平面54は基準線50を通る鉛直面に設定される。基準線50は地物変状検出システム2により自動的に設定することもできる。また、例えば、ユーザが基準線50の最初の位置、間隔、本数や堤防の縦断方向における解析範囲などのパラメータを指定すると、地物変状検出システム2が指定された条件に基づいて複数の基準線を順次、自動設定して解析を行う構成とすることもできる。例えば、モービルマッピングシステムは天端の道路を走行しながらレーザ点群を取得することができる。そこで、モービルマッピングシステムにより取得される車両の走行軌跡に基づいて、天端に縦断方向に沿ったセンター線を設定し、これをある距離(ピッチ)で刻んで横断方向の基準線50を発生させて連続的にあるいは単独で断面形状を検出する処理を行うことができる。ここで、所定距離で刻む以外に、距離標(キロポスト)の値に基づいて刻んでも良い。また、車両の走行軌跡に基づくセンター線の代わりに既存の縦断センター線を用いてもよい。ここで、基準線に沿った水平方向をX軸、鉛直方向をY軸とすると切断平面はXY平面であり、Z軸は切断平面に垂直な方向に設定される。なお、Y軸の正の向きは上向きに設定する。
図3は、地物変状検出システム2による堤防変状検出処理の概略のフロー図である。図3を参照しながら、演算処理装置4の各手段を説明する。
地物断面形状抽出手段20は対象空間に切断平面54を仮想的に設定し(S10)、点群のうち切断平面54から予め設定した近傍距離内に位置する注目点群を抽出する(S12)。具体的には、地物断面形状抽出手段20は切断平面54を中心としてZ軸方向に寸法(奥行き)Dを有する空間(以下、注目部分空間と称する。)を設定し、注目部分空間から注目点群を抽出する。ちなみに図2では、注目部分空間の水平断面56を矩形で模式的に表している。
さらに、地物断面形状抽出手段20は注目点群を切断平面54へ射影して、その射影像である射影点群を求め(S14)、射影点群に基づいて地物の断面形状を求める(S16)。例えば、地物断面形状抽出手段20は、切断平面54を水平方向に区画して、Y方向に延びる部分空間を設定し、各部分空間に存在する射影点群の最下点を特徴点として抽出する。そして、隣接する特徴点同士を結ぶ線分からなる折線を地物表面の断面形状を表す輪郭線として求める。
ここで、部分空間内の射影点群の最下点を特徴点として抽出することで、地表上の植生によるノイズの影響を緩和した断面形状が得られることが期待できる。すなわち、レーザスキャナはX軸方向の任意の位置で堤防表面から反射点を得られるわけではないので、X軸方向に微細に最下点を抽出し点群の下側の輪郭を求めても、当該輪郭は植生の反射点をノイズとして含んで微細周期での高さ変動を生じる。そのため、当該輪郭は堤防表面の形状を好適に表しておらず、堤防表面の形状の変化の観察には適していない。これに対し、部分空間の幅を堤防の変状を把握するのに十分な限度内で大きくすることで当該微細周期での変動が平滑化され除去される。また部分空間内の射影点群の重心などではなく最下点を抽出することで、輪郭線が植生に引きずられて地表面より上方へずれる影響を少なくすることができる。なお、地物断面形状抽出手段20を構成するプログラムでは、部分空間の幅はパラメータ化されており、例えば、ユーザが入力装置8を用いて変更することができる。
一方、植生がない地物表面などでは、例えば、射影点群を適当な間隔でサンプリングして特徴点としたり、部分空間内の射影点群の重心を特徴点としたりすることもできる。
基準モデル設定手段22は、地物断面形状抽出手段20により抽出された地物形状にて変状を検出する際に対比される基準モデルを設定する(S18)。つまり地物表面の変状は基準モデルを基準にして検出される。
基準モデルは例えば、堤防の設計図、施工情報から得ることができる。また、過去に計測された堤防形状を基準モデルとして用いることもできる。この基準モデルを表すデータは記憶装置6に予め格納され、基準モデル設定手段22はそれに基づいて切断平面54での基準モデルの断面形状を定める。
ここで基準モデルについて地表での位置が与えられている場合には、その位置情報を用いて、切断平面54における基準モデルの断面の位置を決定することができる。
基準モデルについて位置情報が与えられていない場合は、地物断面形状抽出手段20で求めた堤防形状と基準モデルの表面形状とを対比して、基準モデルの切断平面54内における位置を定める。例えば、当該位置として最小2乗法等を用いて、地物断面形状抽出手段20で求めた輪郭線に基準モデルがフィットする位置を求めることができる。また、その際、当該位置をZ軸方向の比較的広い範囲やZ軸方向の複数箇所で求め、その結果に基づいて切断平面54を設定した箇所(Z座標)での基準モデルのXY平面内での位置を定めるのが好適である。これにより、切断平面54を設定した箇所にて堤防に変状が生じている場合でも、基準モデルの位置がその変状の影響を受けにくくすることができる。
より簡易なフィッティング方法としては、堤防の法肩、すなわち天端と法面との境界点を基準にして、地物断面形状抽出手段20で求めた輪郭線に合うように基準モデルの位置を定めてもよい。また、簡易的な基準モデルとして、法肩を通り一定の勾配を有する線を用いることもできる。例えば、河川堤防の標準の勾配は1:3又は1:2であり、これを用いて簡易基準モデルを設定することができる。
断面対比手段24は、地物表面に設定された注目部分について、切断平面54にて、地物断面形状抽出手段20により点群に基づいて求めた地物断面形状である輪郭線を基準モデル設定手段22により設定された基準モデルの断面形状と対比する。そして、地物が基準モデルより凸になる凸部領域と、凹になる凹部領域とをそれぞれ特徴領域として検出し、当該両特徴領域それぞれの面積を算出する(S20)。注目部分は、地物の断面形状のうち変状を捉えるのに好適な部分に設定され、検出対象とする変状の種類などに応じて部位や大きさが設定される。設定は予め定義して記憶装置6に格納しておくこともできるし、ユーザが設定・調節するようにしてもよい。
図4は切断平面54における、点群から抽出した地物断面形状60及び基準モデルの断面形状(モデル断面形状62)の一例を示す模式図である。図4には凸部領域64及び凹部領域66がそれぞれ斜線で示されている。凸部領域64は切断平面54上で地物断面形状60の輪郭線がモデル断面形状62より外側になる箇所にて輪郭線とモデル断面形状62とに挟まれた領域であり、凹部領域66は地物断面形状60の輪郭線がモデル断面形状62より内側になる箇所にて輪郭線とモデル断面形状62とに挟まれた領域である。
ここで、地物断面形状60の高さをX軸方向の座標値xの関数f(x)で表し、モデル断面形状62の高さをX軸方向の座標値xの関数g(x)で表す。また、凸部領域64の面積をS、凹部領域66の面積をSと表記する。凸部領域64が存在するXの範囲Rは注目部分内で、かつ次式を満たすxの集合である。
f(x)−g(x)>0 ………(1)
また、凹部領域66が存在するXの範囲Rは注目部分内で、かつ次式を満たすxの集合である。
f(x)−g(x)<0 ………(2)
,Sはそれぞれ次式で与えられる。
Figure 0006157990
Figure 0006157990
なお、Sのxに関する積分は範囲Rにて行い、Sのxに関する積分は範囲Rにて行う。
変状検出手段26は凸部領域64の面積S及び凹部領域66の面積Sを用いて堤防の表面形状の変化を検出する(図3のS22)。
例えば、変状検出手段26は堤防に生じる変状の一種であるはらみ出しを検出する。図5ははらみ出しを生じた堤防の一例を示す模式図であり、切断平面54における地物断面形状60及びモデル断面形状62を示している。ちなみに、図5に示すモデル断面形状62は堤防の設計図等に基づく。
はらみ出しは堤防法面が外側に押し出してくる現象である。はらみ出しの多くは天端の沈下を伴い、図5に示すように堤防の設計図等に基づく基準モデルを用いると、天端の沈下に伴い生じる凹部領域66aの面積と、法面の押し出しにより生じる凸部領域64a,64bの面積の和とは概ね一致する。つまり、堤防全体では面積Sと面積Sとの差は大きくならないことが多いが、法面だけに注目すると専ら凸部領域64a,64bとなり面積Sと面積Sとの差は大きくなる。
変状検出手段26は、このはらみ出しを検出するはらみ出し検出手段30を有する。はらみ出しの検出においては注目部分は例えば、基準モデルにて法面(裏法、若しくは表法、又はそれら両方)に対応するXの範囲に設定される。断面対比手段24は当該注目部分にて(1)式,(2)式に基づき範囲R,Rを求め、面積S,Sを算出する。そして、はらみ出し検出手段30は面積S,Sの差ΔS(≡S−S)、又はその絶対値|ΔS|が予め定めたしきい値ρ以上であることに基づいて切断平面54の設定箇所にはらみ出しが生じていると判定する。
また、堤防に生じる他の変状として盤ぶくれがある。図6は盤ぶくれを生じた堤防の一例を示す模式図であり、切断平面54における地物断面形状60及びモデル断面形状62を示している。変状検出手段26はこの盤ぶくれを検出する盤ぶくれ検出手段32を有する。
盤ぶくれは例えば、河川の水圧70が透水性の基礎地盤72を伝って堤防の川裏側の難透水性(粘性土)の表土74に揚圧力として作用することにより、地物表面が盛り上がる現象である。よって、盤ぶくれ76は川裏法尻近傍の基礎地盤の表面に生じ易い。そこで、地物変状検出システム2は当該箇所を盤ぶくれの検出における注目部分とする。また、河川から堤体内への浸透水は後述する円弧滑りのような法面の崩壊を生じ得るが、その前兆として浸透水の圧力で法面が盛り上がり得る。そこで、当該箇所を盤ぶくれの注目部分に含めて、一緒に検出することもできる。断面対比手段24は当該注目部分にて(1)式,(2)式に基づき範囲R,Rを求め、面積S,Sを算出する。そして、盤ぶくれ検出手段32は面積S,Sの差ΔS、又はその絶対値|ΔS|が予め定めたしきい値ρ以上であることに基づいて切断平面54の設定箇所に盤ぶくれが生じていると判定する。
また、地物変状検出システム2は注目部分を複数種類設定し、それぞれにおけるS,Sの大きさやそれらの差ΔSを総合して、変状が生じている箇所を絞り込み、また変状の種類を弁別する構成とすることができる。例えば、上述した堤体内浸透水のパイピングによる法面の膨らみははらみ出し検出手段30によっても検出され得る。ここで、注目部分を堤防全体に設定すると、はらみ出しの場合はS,Sは基本的には相殺して|ΔS|は小さくなる一方、浸透水のパイピングによる膨らみの場合ははらみ出しのような天端での凹部領域66の発生が想定されない分、ΔSが正のしきい値を超え得る。この堤防全体での結果と、はらみ出し検出手段30が検出する法面での結果とを組み合わせることで、パイピングによる膨らみとはらみ出しとを弁別可能である。
さらに、浸透水のパイピングによる膨らみは法面の一部分に生じ得る。そこで当該膨らみに想定される、又は検出対象とする大きさに応じたサイズの注目部分を設定して、法面のどの箇所に変状が生じているかを特定することができる。また、これを応用して、例えば、河川の水位から推定した堤体内水位などを目安高さとして川裏法面の目安高さより下側を注目部分に設定し、当該部分での面積S,Sの差ΔSとはらみ出し検出手段30により検出される法面全体での面積S,Sの差ΔSとの比の値S/Sが予め定めたしきい値より大きければ、膨らみは下側に偏在しているとして、はらみ出しではなくパイピング膨らみが生じていると判定することができる。
堤防の変状の別の形態として、上述したように堤体内浸透水などにより生じる円弧滑りがある。変状検出手段26はこの円弧滑りを検出する構成も有する。具体的には変状検出手段26は当該構成として代表位置算出手段34、隣接距離決定手段36及び円弧滑り検出手段38を有する。
図7は円弧滑りを生じた堤防の一例を示す模式図であり、切断平面54における地物断面形状60及びモデル断面形状62を示している。円弧滑りは、法面にて堤体が横断面上、円弧状となる滑り面80に沿って崩壊する現象であり、堤体の崩壊部分(崩壊土砂82)は下側に滑り落ちるので、崩壊した法面のうち上側の部分に主として凹部領域66cが生じ、下側の部分に主として凸部領域64cが生じる。断面対比手段24は当該凸部領域64c及び凹部領域66cを含むように注目部分を設定される。
図8は切断平面54における円弧滑り部分を示す模式図であり、これを用いて地物変状検出システム2による円弧滑りの検出を説明する。代表位置算出手段34は切断平面54上での法面に沿った方向を基準方向として、特徴領域(凸部領域64c及び凹部領域66c)それぞれの基準方向に関する代表点の位置を算出する。代表点は例えば、各特徴領域の重心とすることができ、代表位置算出手段34は凸部領域64cの重心Mの法面に沿った方向の位置ξ、及び凹部領域66cの重心Mの法面に沿った方向の位置ξを求める。
円弧滑りでは凸部領域と凹部領域とが対になって生じ、凹部領域は凸部領域より上に位置し、またそれらの面積は単純には釣り合うことが期待される。そこで、円弧滑り検出手段38は法面にて凹部領域66の代表点である重心Mが凸部領域64cの代表点である重心Mより上に位置し、かつ凸部領域64cの面積Sと凹部領域66cの面積Sとの相違が予め定めた限度以下である場合に、変状として円弧滑りが発生したことを検出する。ここで、SとSとの相違はそれらの差ΔSを指標値とし、差の絶対値が所定値より小さいことで円弧滑りであると判断してもよいが、円弧滑りの規模に応じてSやSの大きさが変わりΔSはその影響を受けるので、SやSの比に基づく指標値を用いるのが好適である。例えば、S/Sを当該指標値とし、その値が1を含む所定幅内にあることにより両面積がほぼ等しいと判断される場合に円弧滑りであると判断することができる。また、|ΔS|/Sや|ΔS|/(S+S)といった値を指標値とし、所定のしきい値に基づいてそれらが0に近いと判定される場合に円弧滑りであると判断することもできる。
変状検出手段26はさらに円弧滑りの判断精度を上げるために隣接距離決定手段36を備える。円弧滑りで対で生じる凸部領域64cと凹部領域66cとは基本的には隣接して現れる。そこで、隣接距離決定手段36は、両特徴領域(凸部領域64c及び凹部領域66c)それぞれの基準方向に関しての広がりの程度を示すスケール値を算出し、両特徴領域を基準方向に関し隣接した状態に置いた場合における代表点(重心M,M)間の距離である隣接距離λを当該両特徴領域のスケール値に応じて定める。そして、円弧滑り検出手段38は、両特徴領域の実際の位置関係における代表点間の距離が隣接距離λ以下であることを円弧滑りの発生検出の追加要件とする。
図9は切断平面54にて凸部領域64と凹部領域66とが対で生じた部分を示す模式図であり、これを用いてスケール値、及び隣接距離に基づく円弧滑りの要件を説明する。図9(a)は凸部領域64d及び凹部領域66dとが隣接しており、円弧滑りの場合の例を示している。一方、図9(b)は凸部領域64e及び凹部領域66eが隣接せず、円弧滑りではないと考えられる場合の例を示している。
各特徴領域の重心の法面に沿った方向の位置ξは次式で定義することができる。
Figure 0006157990
(5)式において、分子、分母の積分範囲Rを凸部領域が存在するXの範囲Rとしたときのξが凸部領域の法面に沿った方向の位置ξを与え、また分子、分母の積分範囲を凹部領域が存在するXの範囲Rとしたときのξが凹部領域の重心Mの法面に沿った方向の位置ξを与える。ここでは図9(a)及び図9(b)の凸部領域64d,64eのξは同一、かつ凹部領域66d,66eのξは同一としている。ちなみに、(5)式、及び下に示す(6)式それぞれの分母は(3)式、(4)式で表される面積S,Sとなる。
スケール値は次式で表される、重心周りの2次モーメントで定義する。これは確率変数における分散に相当し、基準方向に関しての特徴領域の広がりの程度を示す指標となる。
Figure 0006157990
(6)式において、分子、分母の積分範囲を凸部領域が存在するXの範囲Rとしたときのσが凸部領域のスケール値σ を与え、また分子、分母の積分範囲を凹部領域が存在するXの範囲Rとしたときのσが凹部領域のスケール値σ を与える。
図9(a)に示すように凸部領域と凹部領域とが隣接した状態での重心M,M間の距離|ξ−ξ|が隣接距離λであり、当該λは当該凸部領域及び凹部領域のスケール値σ 及びσ に基づき例えば、定数kを用いて次式で定義することができる。
λ=k(σ+σ) ………(7)
kは測定に基づいて経験的に定めることができる。kは円弧滑りの規模によらず一定としてもよいが、より正確な判断をする上では、kを例えばSやSの関数として定義し、記憶装置6に予め格納しておき利用する構成とするのがよい。
隣接距離決定手段36は円弧滑りか否かの判断対象とする凸部領域と凹部領域との対について、当該凸部領域及び凹部領域のスケール値σ ,σ に基づき(7)式から隣接距離λを算出する。円弧滑り検出手段38は、判断対象とする凸部領域と凹部領域との対の代表点間の距離|ξ−ξ|が次式で表すように隣接距離λ以下であれば、当該凸部領域と凹部領域との対は円弧滑りの追加要件を満たすと判断する。
−ξ|≦λ ………(8)
一方、(8)式を満たさない場合、つまり代表点間の距離|ξ−ξ|が隣接距離λより離れている場合は、円弧滑りではないと判断する。例えば、図9(b)に示す例は代表点間の距離|ξ−ξ|が図9(a)の例と同じであるが、スケール値σ ,σ は図9(a)の場合より小さく、それに伴いλも小さくなる。そのため(8)式を満たさず、円弧滑りではないと判断される。
なお、円弧滑りの検出での注目部分は、切断平面54に現れる凸部領域64及び凹部領域66が円弧滑りに起因するものだけであるとすることができる場合には、川裏法面全体及び川裏法尻近傍の堤内地とすることができる。一方、切断平面54に円弧滑りによるもの以外の特徴領域(凸部領域や凹部領域)が現れる場合には、上述の検出方法にて当該特徴領域を除外することが好適である。この観点では、例えば、地物変状検出システム2は、川裏法面全体及び川裏法尻近傍の堤内地の範囲内にて、検出対象とする円弧滑りの規模(広がり)に応じた幅の注目部分を位置を変えて設定し、円弧滑りを探索する構成とすることができる。また、地物変状検出システム2は幅も様々に変化させて探索を行い、規模が異なる円弧滑りを弁別して検出することもできる。
以上、切断平面54での地物断面形状60とモデル断面形状62との対比に基づいて堤防の変状を検出する例を説明したが、既に述べたように堤防の3次元形状の変化は、切断平面を複数設定してそれぞれについて解析を行うことによって把握することができる。よって、上述した1つの切断平面54での2次元的な解析を、例えば凸部領域64、凹部領域66をZ方向に積分した結果に対して適用して、堤防の変状を3次元的な解析に基づいて検出することもできる。
また、上述の実施形態では、河川堤防の法面を対象に説明したが、これに限定されるものではなく、変状が生じる他の地物にも適用することができ、特に、はらみ出し、盤ぶくれ、円弧滑りなどの法面の変状検出は例えば道路沿線の法面にも適用することができる。
2 地物変状検出システム、4 演算処理装置、6 記憶装置、8 入力装置、10 出力装置、20 地物断面形状抽出手段、22 基準モデル設定手段、24 断面対比手段、26 変状検出手段、30 はらみ出し検出手段、32 盤ぶくれ検出手段、34 代表位置算出手段、36 隣接距離決定手段、38 円弧滑り検出手段、50 基準線、52 堤防、54 切断平面、60 地物断面形状、62 モデル断面形状、64 凸部領域、66 凹部領域、72 基礎地盤、74 表土、76 盤ぶくれ、80 滑り面、82 崩壊土砂。

Claims (5)

  1. 対象空間における地物表面からレーザスキャナによって抽出された点群の3次元座標データに基づき、地物について変状を検出するデータ解析装置であって、
    鉛直面である切断平面を前記対象空間に仮想的に設定して、当該切断平面での前記地物の断面形状を前記点群に基づいて求める地物断面形状抽出手段と、
    前記地物の形状に関する基準モデルを与えられ、前記地物表面に設定された注目部分について、前記切断平面にて、前記点群に基づく前記地物の断面形状を前記基準モデルの断面形状と対比し、前記地物が前記基準モデルより凸になる凸部領域と凹になる凹部領域とをそれぞれ特徴領域として検出し、当該両特徴領域それぞれの面積を算出する断面対比手段と、
    前記凸部領域の面積と前記凹部領域の面積とに基づいて前記変状を検出する変状検出手段と、
    を有し、
    前記地物は前記注目部分とされる法面を有し、
    前記切断平面は前記法面に交差し、
    前記変状検出手段は、
    前記両特徴領域それぞれの代表点の位置を算出する代表位置算出手段と、
    鉛直方向の位置に関し前記凹部領域の前記代表点が前記凸部領域の前記代表点より上に位置し、かつ前記両特徴領域の面積の相違が予め定めた限度以下である場合に、前記変状として円弧滑りが発生したことを検出する円弧滑り検出手段と、
    を有することを特徴とするデータ解析装置。
  2. 請求項1に記載のデータ解析装置において、
    前記代表位置算出手段は、前記切断平面上での前記法面に沿った方向を基準方向として、前記両特徴領域それぞれの前記代表点の前記基準方向に関する位置を算出し、
    前記変状検出手段は、さらに、前記両特徴領域それぞれの前記基準方向に関しての広がりの程度を示すスケール値を算出し、前記両特徴領域が前記基準方向に関し隣接した状態となる場合における前記代表点の前記基準方向に関する位置間の距離である隣接距離を前記両特徴領域の前記スケール値に応じて定める隣接距離決定手段を有し、
    前記円弧滑り検出手段は、前記両特徴領域の前記代表点の前記基準方向に関する位置間の距離が前記隣接距離以下であることを前記円弧滑りの発生検出の追加要件とすること、 を特徴とするデータ解析装置。
  3. 対象空間における地物表面からレーザスキャナによって抽出された点群の3次元座標データに基づき、地物について変状を検出するデータ解析装置であって、
    鉛直面である切断平面を前記対象空間に仮想的に設定して、当該切断平面での前記地物の断面形状を前記点群に基づいて求める地物断面形状抽出手段と、
    前記地物の形状に関する基準モデルを与えられ、前記地物表面に設定された注目部分について、前記切断平面にて、前記点群に基づく前記地物の断面形状を前記基準モデルの断面形状と対比し、前記地物が前記基準モデルより凸になる凸部領域と凹になる凹部領域とをそれぞれ特徴領域として検出し、当該両特徴領域それぞれの面積を算出する断面対比手段と、
    前記凸部領域の面積と前記凹部領域の面積とに基づいて前記変状を検出する変状検出手段と、
    を有し、
    前記地物は天端と法面とを有した堤防であり
    前記切断平面は前記法面に交差し、
    前記断面対比手段は、前記堤防のうち前記法面のみに設定された前記注目部分について第1の前記凸部領域の面積と第1の前記凹部領域の面積とを算出し、前記堤防全体に設定された前記注目部分について第2の前記凸部領域の面積と第2の前記凹部領域の面積とを算出し、
    前記変状検出手段は、前記第1の凸部領域の面積と前記第1の凹部領域の面積との差の絶対値が予め定めた第1のしきい値以上であり、かつ前記第2の凸部領域の面積と前記第2の凹部領域の面積との差の絶対値が予め定めた第2のしきい値以下である場合に、前記変状としてはらみ出しが発生したことを検出すること、
    を特徴とするデータ解析装置。
  4. 対象空間における地物表面からレーザスキャナによって抽出された点群の3次元座標データに基づき、地物について変状を検出するデータ解析装置であって、
    鉛直面である切断平面を前記対象空間に仮想的に設定して、当該切断平面での前記地物の断面形状を前記点群に基づいて求める地物断面形状抽出手段と、
    前記地物の形状に関する基準モデルを与えられ、前記地物表面に設定された注目部分について、前記切断平面にて、前記点群に基づく前記地物の断面形状を前記基準モデルの断面形状と対比し、前記地物が前記基準モデルより凸になる凸部領域と凹になる凹部領域とをそれぞれ特徴領域として検出し、当該両特徴領域それぞれの面積を算出する断面対比手段と、
    前記凸部領域の面積と前記凹部領域の面積とに基づいて前記変状を検出する変状検出手段と、
    を有し、
    前記地物は前記注目部分とされる河川堤防の川裏法尻近傍の基礎地盤の表面を含み、
    前記切断平面は前記川裏法尻近傍の基礎地盤の表面に交差し、
    前記変状検出手段は、前記凸部領域の面積と前記凹部領域の面積との差の絶対値が予め定めたしきい値以上である場合に、前記変状として盤ぶくれが発生したことを検出すること、
    を特徴とするデータ解析装置。
  5. 対象空間における地物表面からレーザスキャナによって抽出された点群の3次元座標データに基づき、地物について変状を検出するデータ解析装置であって、
    鉛直面である切断平面を前記対象空間に仮想的に設定して、当該切断平面での前記地物の断面形状を前記点群に基づいて求める地物断面形状抽出手段と、
    前記地物の形状に関する基準モデルを与えられ、前記地物表面に設定された注目部分について、前記切断平面にて、前記点群に基づく前記地物の断面形状を前記基準モデルの断面形状と対比し、前記地物が前記基準モデルより凸になる凸部領域と凹になる凹部領域とをそれぞれ特徴領域として検出し、当該両特徴領域それぞれの面積を算出する断面対比手段と、
    前記凸部領域の面積と前記凹部領域の面積とに基づいて前記変状を検出する変状検出手段と、
    を有し、
    前記地物は天端と法面とを有した堤防であり、
    前記切断平面は前記法面に交差し、
    前記断面対比手段は、前記堤防のうち前記法面のみに設定された前記注目部分について第1の前記凸部領域の面積と第1の前記凹部領域の面積とを算出し、前記堤防全体に設定された前記注目部分について第2の前記凸部領域の面積と第2の前記凹部領域の面積とを算出し、
    前記変状検出手段は、
    第1の凸部領域の面積と前記第1の凹部領域の面積との差の絶対値が予め定めた第1のしきい値以上であり、かつ前第2の凸部領域の面積と前記第2の凹部領域の面積との差の絶対値が予め定めた第2のしきい値以下である場合に、前記変状としてはらみ出しが発生したことを検出し、
    一方、前第1の凸部領域の面積と前記第1の凹部領域の面積との差の絶対値が前記第1のしきい値以上であり、かつ前第2の凸部領域の面積から前記第2の凹部領域の面積を引いた差が前記第2のしきい値を超える場合に、前記変状としてパイピングによる膨らみが発生したことを検出すること、
    を特徴とするデータ解析装置。
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