JP6140326B1 - 揮発性有機化合物の吸着剤の再生処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】脱着効率及び脱着速度が高い処理方法を提供する。【解決手段】ガス中の揮発性有機化合物を吸着している吸着剤と、前記揮発性有機化合物を酸化分解する能力を有する酸化分解触媒と、を接触させ、150〜600℃温度で、前記揮発性有機化合物の脱着及び酸化分解を行う。【選択図】なし

Description

本発明は、揮発性有機化合物の吸着剤の再生処理方法に関するものである。より詳しくは、ガス中の揮発性有機化合物(VOC)を吸着させた吸着している吸着剤から、揮発性有機化合物を脱着させて、吸着剤を再生する方法に関するものである。
化学工場、製薬工場、印刷工場、塗装現場などから排出されるガス中の揮発性有機物質(VOC)の排出規制が導入される前後から、高性能な処理技術の研究・開発が進められている。
現在、この種のガス処理装置としては、ハニカムローター方式の装置や、エンドレスベルト方式の装置、PSA(Pressure Swing Adsorption)方式の装置などが存在する。
本件出願人は、ガス処理方式として、特許第5317885号発明(特許文献1)を提案した。
他方、従来、VOCの処理技術として、貴金属担持触媒を用いてVOCを酸化分解する処理技術が知られている。このものはアルミナなどの金属酸化物の高表面積担体に白金やパラジウムなどの貴金属を活性成分として担持させるものである。
このものではコスト高になるという問題があるため、低コスト触媒として酸化セリウム(CeO2)を用いたVOCの処理技術(例えば、特許文献2参照)や酸化コバルト(Co34)を用いたVOCの処理技術が提案されている。
VOCの処理を行う際にVOCを活性炭、シリカゲル、ゼオライト等の吸着剤に吸着させる方式である場合、吸着剤からVOCを脱着する処理が必要である。
この脱着に際しては、吸着剤として活性炭を使用する場合、その加熱もしくは熱風を加えて活性炭からVOCを加熱脱着している。
脱着したVOCガスが活性炭に再吸着を起こさないよう、即座に活性炭とガスを分離する必要がある。脱着ガスと活性炭の分離には、置換用パージガスもしくは脱着に用いた熱風で脱着ガスを別途分離装置へ随伴させている。分離装置には、耐熱フィルターが備わっており、フィルターを通すことで活性炭と脱着ガスの分離を行っていた。
一方で、分離ガスは、VOC回収または無害化(酸化分解)するための装置が別途必要である。
特許第5317885号公報 特許第5422320号公報
従来の吸着剤の脱着形態では、脱着効率及び脱着速度が低く、また、VOC回収または無害化(酸化分解)するための装置が別途必要である。
したがって、本発明が解決しようとする主たる課題は、脱着効率及び脱着速度が高い処理方法を提供することにある。
他方の課題は、別途、VOC回収または無害化(酸化分解)するための装置が必要でなくなる処理方法を提供することにある。
この課題を解決した本発明は、
ガス中の揮発性有機化合物を吸着している吸着剤と、
前記揮発性有機化合物を酸化分解する能力を有する酸化分解触媒と、
を接触させ、
150〜600℃温度で、前記揮発性有機化合物の脱着及び酸化分解を行うことを特徴とする揮発性有機化合物の吸着剤の再生処理方法である。
この再生処理方法による作用及び効果については後に説明する。
吸着剤単独での加熱処理より、本発明に従って揮発性有機化合物を酸化分解する能力を有する酸化分解触媒との共存の下で加熱脱着処理するほうが、VOCの分離又は無害化(酸化分解)効果が顕著に現われる。
前記酸化分解触媒は、セリウムの炭酸塩およびコバルトの炭酸塩の混合物を焼成した複合酸化物を主体とするCo,Ce酸化物系触媒、白金系触媒、三酸化二クロム(Cr23)、五酸化バナジウム(V25)、二酸化チタン(TiO2)、三酸化タングステン(WO3)及びこれらの併用物の群から選ぶことができる。
Co,Ce酸化物系触媒としては、市販の「ボール型Co,Ce酸化物系触媒」(三協興産から提供されている)を使用できる。また、これに関しては、特許第5717491号、特許第5422320号、特許第5414719号の発明が知られており、その発明の適用分野、成分、製造方法、特徴的な作用効果などが知られている。
また、市販のCo,Ce酸化物系触媒を使用するほか、前記特許群に基づいて触媒を得る(製造して使用する)こともできる。
再生処理の具体例として、上部に吸着剤の装入口、下部に排出口を有し、内部に接触手段を有する縦型塔を用いて、前記装入口から前記揮発性有機化合物を吸着させた吸着剤を装入し、縦型塔内で前記接触手段により前記酸化分解触媒と接触させるとともに、150〜600℃温度に加熱して、前記揮発性有機化合物の脱着及び酸化分解を行い、処理済みの吸着剤は前記排出口から排出する形態を採ることができる。
また、一方の端部に吸着剤の装入口、他方の端部に排出口を有する加熱キルンを用いて、前記装入口から前記揮発性有機化合物を吸着させた吸着剤を装入し、前記加熱キルンの転動回転により前記酸化分解触媒と接触させるとともに、150〜600℃温度に加熱して、前記揮発性有機化合物の脱着及び酸化分解を行い、処理済みの吸着剤は前記排出口から排出する形態を採ることもできる。
これらの形態はいずれも連続再生処理が可能であるが、例えば容器内に、吸着剤及び触媒を混合しておいたものを投入する、あるいは吸着剤及び触媒を容器内で混合するなどして、吸着剤と触媒とを接触させ、容器内を外部からあるいは内部に加熱空気を吹き込む等により加熱するバッチ処理も可能である。
本発明によると、脱着効率及び脱着速度が高い処理方法となる。また、別途、VOC回収または無害化(酸化分解)するための装置が必要でない態様が可能である。
処理装置例の概要図である。 他の処理装置例の概要図である。 実験設備の概要図である。 実験結果を示すグラフである。 他の実験結果を示すグラフである。
本発明の実施の形態を以下に説明する。
本発明は、揮発性有機化合物(VOC)を吸着剤に吸着させることにより、ガス中の揮発性有機化合物を処理する過程における吸着剤を廃棄するのではなく、吸着剤から揮発性有機化合物を脱着させて吸着剤を再生させて再利用を行う場合の技術に関するものである。
吸着剤としては、活性炭、ゼオライト、シリカなどを使用できる。活性炭の原料は、ヤシガラ、石炭(瀝青炭、無煙炭)、オイルピッチ、木材チップ、おが屑、コーヒー滓、レーヨン、アクリルニトリル、フェノール樹脂などがある。形状は、粒状、破砕状、粉末状、繊維状、成型(ハニカム状)などがあり、限定されるものではない。
吸着剤の孔はその大きさから、直径2nm以下をマイクロ孔(ミクロ孔)、2〜50nmをメソ孔、それ以上をマクロ孔と呼んでいる。吸着剤の比表面積を大きくし、VOCを素早く吸着するのはマイクロ孔である。一般に、活性炭はマイクロ孔からマクロ孔まで様々な径の孔を持っている。一方、ゼオライトはサイズの揃ったマイクロ孔を持っている。前記例示の吸着剤群は、そのマイクロ孔(ミクロ孔)の存在故に、本発明においていずれの吸着剤も使用可能である。
したがって、以下では吸着剤として主に活性炭の場合をもって本発明を説明することとする。
本発明においては、脱着処理に際し、セリウムの炭酸塩およびコバルトの炭酸塩の混合物を焼成した複合酸化物を使用する。その代表例は、先に述べた市販のCo,Ce酸化物系触媒である。
この場合、揮発性有機化合物分解用触媒におけるセリウムとコバルトのモル比(Ce/Co)では、20/1〜1/5が好ましく、なかでも6/1〜2/3、特に4/1〜1/2の比率であることが好ましい。
セリウムとコバルトとは、それらの炭酸塩の混合物を焼成したものでもよい。
触媒には、銅酸化物を添加物として含有させることもできる。クロム酸化物、タングステン酸化物、亜鉛酸の一つ又は複数を添加物として含有させることもできる。
この触媒と、ガス中の揮発性有機化合物が吸着している吸着剤とを接触させた状態で、150〜600℃温度に加熱して、前記揮発性有機化合物の脱着及び酸化分解を行う。
加熱温度は、より好適には250〜400℃である。加熱温度が低い場合には高い除去率を得難い。逆に、過度に高い加熱温度としても酸化分解効果は飽和傾向となり、エネルギー的に得策ではない。
かかる加熱温度範囲に到達させるために、予熱を行うことができる。また、加熱温度は吸着剤の存在部分の代表的な温度を指標とすることができる。
加熱時間は、揮発性有機化合物(VOC)の種類にも依存するが、例えば5分〜30分である。
触媒と、揮発性有機化合物吸着している吸着剤とを接触させた状態とすることが必要となる。その接触の代表例は、両者を混合することである。
この混合には、処理容器内に装入する前に混合することでもよいが、容器内で混合することでもよい。この場合、触媒及び吸着剤の一方を容器内に投入しておき、他方を後に投入し、一気に又は徐々に混合接触させるようにしてもよい。
接触手段としては、撹拌羽根のほか、加熱キルンの場合にはキルンの転動回転が接触手段を構成する。
触媒と吸着剤との接触は連続処理過程で行うことができる。この例の第1の例は、図1に示すものである。
縦型ホッパー形状の再生器10には、その上部に吸着剤Sの装入口11、下部に排出口12を有し、内部に接触手段としての撹拌手段13を有する。
図示例では3段の仕切り板(一部にパンチング孔が形成され吸着剤Sの透過を許容する。)13A上に、撹拌羽根13Bを有し、これらの撹拌羽根13Bは回転軸に固定され、回転軸を回転させる回転モータ14が設けられている。
再生器10の下方は下窄まりとなっており、下部に堆積部10aを有している。堆積部10aの下方には切り出し部15が設けられている。この切り出し部15は、堆積部10aに堆積し再生吸着剤Soを保持しながら切り出すテーブルフィーダーとしての切り出し板15aを有し、この切り出し板15aはモータ16により回転され、切り出し板15aの所要個所に形成された切欠部内に入り込んだ再生吸着剤Soを、上部からの吹出し空気17により排出管路12a内に送り込み、その排出口12から下方に排出するようにしたものである。18は加熱空気の吹込み口である。
ここで、吹込み口18から加熱空気を吹き込むことにより加熱することに換えて、仕切り板13Aをヒータで加熱するようにしてもよい。この場合、吹込み口18から常温の空気を吹き込み酸素を供給することで、酸化分解を行うことができる
再生吸着剤Soは図示しないが、吸着剤として再利用される。
図示例の撹拌羽根13は1段ではなく、複数段、図示例で3段としたのは、処理時間を掛けて揮発性有機化合物(VOC)を加熱処理して脱着させるためのものである。
第1の例では、装入口11から揮発性有機化合物を吸着させた吸着剤Sを装入し、撹拌羽根13の回転により、吸着剤Sと共に装入した触媒と接触・混合させるとともに、150〜600℃の温度に加熱して、揮発性有機化合物の脱着及び酸化分解を行い、処理済みの再生吸着剤Soは排出口12から排出する。
触媒と吸着剤との接触を伴う連続処理における第2の例は、図2に示すものである。この例は、回転キルン20の一方の端部に吸着剤の装入口21、他方の端部に排出口22を有する加熱キルンタイプのものである。詳細を図示していないが、外熱キルン又は内熱キルンとすることができる。
装入口21から揮発性有機化合物を吸着させた吸着剤Sを装入し、加熱キルンの転動回転により、吸着剤Sと共に装入した触媒と接触させるとともに、150〜600℃温度に加熱して、揮発性有機化合物の脱着及び酸化分解を行い、処理済みの再生吸着剤Soは排出口22から排出するように構成したものである。
吸着剤Sは、ホッパー23、切出しフィダー24、供給フィダー25により回転キルン20に装入する。
回転キルン20内には、内容物(吸着剤Sと触媒)を撹拌する手段を設けることができる。また、キルン内部もしくは内容物の排出口22側に温度検出手段を設けて、その結果に基づき温度制御を行うことができる。
次に本発明の作用効果に関連した説明を行う。
加熱された吸着剤は揮発性有機化合物を脱着する。このとき、吸着剤に接触し又は近接して、高温(150〜600)に加熱され活性化した酸化触媒が存在するので、即座に脱着した揮発性有機化合物の酸化分解が起こる。
あるいは、酸化触媒と吸着剤とを事前に混合した材料を用いた場合は、酸化触媒の活性化温度まで昇温することで、ガス脱着と酸化分解を同時に発生させることができる。
酸化分解によって、揮発性有機化合物は、その種類に依存するが例えばCO2、H2Oに分解される。
さらに検討すると、吸着剤(活性炭)の周辺雰囲気はVOC濃度が希薄になり吸着平衡の原理によりVOCの脱着を促進させる。また、VOCの酸化分解により反応熱が発生する。酸化分解により、酸素を消費して酸素濃度が低くなるため吸着剤(活性炭)の酸化劣化を抑えることができる。
ここに、VOCを吸着した吸着剤(活性炭)を追加投入して、先に発生した反応熱を伝達することで加熱脱着に利用できる。
脱着するVOCガス量と酸化触媒反応熱量は相関があり、反応熱は温度をモニターすることで制御できる。すなわち、脱着するVOCガス量(=VOC吸着剤量)を、反応装置に投入する量を反応温度を指標として制御することで連続的な処理ができる。このため、連続して吸着剤(活性炭)を投入することで、外部からの加熱が必要なくなるあるいは抑制できる。
吸着剤の脱着再生の効率は高いものであり、これに要する時間を短縮できる。
本発明における揮発性有機化合物(VOC)としては、トルエンのほか、各種のものを対象とすることができる。吸着剤は、各種の揮発性有機化合物(VOC)を吸着できることは当業者が技術常識として知るところである。その脱着も可能であることも当業者が技術常識として知るところである。
ちなみに、VOCの例として挙げれば、ホルムアルデヒド、メタノール(メチルアルコール)、イソプロピルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ベンゼン、トルエン、キシレン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、ピリジン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ヘキサン、スチレン、ジクロロメタン、1, 2-ジクロロエタンなどがある。
(実施例1及び比較例)
図3の実験装置を用いて、モデル実験を行った。すなわち、外部を保温材31で包んだ容器30の底部に加熱ヒータ32を設け、容器30内部に吸着剤及び触媒(ボール型(約4〜6mm)Co,Ce酸化物系触媒)を投入し、蓋33をした状態で、加熱ヒータ32により加熱するものである。
粉末活性炭に種々の濃度でトルエンを吸着させる。
触媒は容器30内で加熱ヒータ32により事前に昇温させ、予め触媒を活性化させておく。
活性化した触媒に対して、トルエンを吸着させた粉末活性炭(粉末活性炭10gにトルエン1gを吸着させたもの)を投入し、時間ごとに蓋33のガス採取口33aから排ガスを採取し、その排ガス濃度を測定した(排ガス濃度測定には、「北川式検知管0−500ppm」を用いた)。
なお、空気導入管34から空気を吹き込んだ。また、定期的に撹拌し、触媒と活性炭との接触・混合を実施した。
粉末活性炭のみの場合と、Co,Ce酸化物系触媒を200ml、300ml、400mlで併存させた場合の各例におけるトルエン濃度の結果を図4に示す。
結果をみると、粉末活性炭のみを加熱すると、排ガス中のトルエン濃度が測定レンジを大きく超えていることが分かる。そして、時間が経過しても、脱着が進まないことが分かる。
一方、触媒を用いた場合は、排ガス中のトルエン量が抑制され分解されていることが分かる。脱着時間も大きく短縮することが明らかである。
ここで、図3及び図4に注目すると、図3は形状のCo,Ce酸化物系触媒が吸着剤層の表面上に露出する量としたもので、吸着剤が触媒と良好に接触している状態を示している。触媒量が少ないと、吸着剤層中に触媒が埋もれ、表面近くの吸着剤は触媒と接触しない状態となる。かくして、図4に示すように脱着効果が低くなるのである。
(実施例2)
他方で、Co,Ce酸化物系触媒のほか、白金系触媒も使用できる。
すなわち、実施例1と同様に、粉末活性炭のみの場合と、白金系触媒を200ml、300ml、400mlで併存させた場合の各例におけるトルエン濃度の結果を図5に示す。図5に注目すると、白金系触媒の場合においても、Co,Ce酸化物系触媒よりやや劣るものの、概して同等であると言って差し支えない脱着効果を示すことが分かる。
実施例2からも当然に推測できるように、Co,Ce酸化物系触媒と、白金系触媒とを併用することもできる。この併用の場合、白金触媒/Co,Ce酸化物系触媒の重量比は、ゼロを超えて、好ましくは4/1までの範囲で併用するのが好適である。前記重量比4/1を超えると、Co,Ce酸化物系触媒の経済性に優れる点並びに揮発性有機化合物の種類にさほど左右されないで高い脱着性能を示すからである。
本発明に係る白金系触媒としては、白金の単体(白金黒)、塩化白金酸、白金−オレフィン錯体、白金−アルコール錯体、あるいはアルミナ、シリカ等の担体に白金を担持させたものなどが挙げられる。
染川らの「安価な金属酸化物を用いたVOCの処理」(東京都産業技術センター研究報告、第5号、2010年)の報告からも判るように、揮発性有機化合物を酸化分解する能力を有する酸化分解触媒として、三酸化二クロム(Cr23)、五酸化バナジウム(V25)、二酸化チタン(TiO2)、三酸化タングステン(WO3)も、比較的高い揮発性有機化合物を酸化分解する能力を有している。したがって、本発明の揮発性有機化合物を酸化分解する能力を有する点においては、Co,Ce酸化物系触媒及び白金系触媒と同じであるから、これらの酸化物も本発明の酸化分解触媒として当然に使用できるものである。
また、他の種の酸化分解触媒(揮発性有機化合物を酸化分解する能力を有する酸化分解触媒)であっても、脱着のメカニズム(揮発性有機化合物が脱着した近接位置に酸化分解触媒が存在するので酸化分解が生じ、脱着した揮発性有機化合物が吸着剤に再吸着することがないとの作用機序)は同一とあるから、前記例に限定されることなく使用できる。
以上の結果、次記のことが当然に予期できた。
(1)活性炭とVOCガスの分離用フィルターユニットが不必要(イニシャルコスト削減、フットプリント削減)。
(2)再生用パージガスの加熱源削減(ランニングコスト削減)。
(3)脱着分離に必須であった大量のパージガスが必要ないため、大風量ガスを処理する必要が無くなった。
(4)パージガス等の温度低下がないため、活性炭への再吸着が抑制される。
(5)接触近接処理のため、再生処理装置の小型化が可能(フットプリント削減)。
(6)吸着剤(活性炭)へ一時吸着させるため、ガス濃縮型となる。低濃度、大風量にも適応可能となる。
(7)濃縮型装置なので脱着ガスは高濃度となり、触媒との反応熱が十分に得られる。
10…再生器、11…装入口、12…排出口、13…撹拌羽根、15…切り出し部、20…回転キルン、21…装入口、22…排出口、S…吸着剤、So…再生吸着剤。

Claims (6)

  1. 上部に吸着剤の装入口、下部に排出口を有し、内部に攪拌羽根を有する縦型塔を用いて、
    揮発性有機化合物を吸着させた吸着剤を前記装入口から装入し、前記縦型塔内で前記攪拌羽根により前記揮発性有機化合物を酸化分解する能力を有する酸化分解触媒と混合させるとともに、150〜600℃の温度に加熱して、前記揮発性有機化合物の脱着及び酸化分解を行い、
    処理済みの吸着剤を前記排出口から排出することを特徴とする揮発性有機化合物の吸着剤の再生処理方法。
  2. 前記酸化分解触媒は、セリウムの炭酸塩およびコバルトの炭酸塩の混合物を焼成した複合酸化物を主体とするCo,Ce酸化物系触媒、白金系触媒、三酸化二クロム(Cr23)、五酸化バナジウム(V25)、二酸化チタン(TiO2)、三酸化タングステン(WO3)及びこれらの併用物の群から選ばれる請求項1記載の揮発性有機化合物の吸着剤の再生処理方法。
  3. 前記Co,Ce酸化物系触媒は、セリウムの炭酸塩およびコバルトの炭酸塩の混合物を焼成した複合酸化物で、かつ、前記セリウムおよびコバルトの複合酸化物のセリウムとコバルトのモル比(Ce/Co)が20/1〜1/5であることを請求項2記載の揮発性有機化合物の吸着剤の再生処理方法。
  4. 前記縦型塔は内部に仕切り板を有し、
    前記仕切り板の上に前記攪拌羽根が配置されていることを特徴とする請求項1記載の揮発性有機化合物の吸着剤の再生処理方法。
  5. 前記仕切り板は縦方向に複数段設けられ、
    前記複数段の仕切り板の上に前記攪拌羽根がそれぞれ配置されていることを特徴とする請求項4記載の揮発性有機化合物の吸着剤の再生処理方法。
  6. 前記仕切り板を加熱することにより、150℃〜600℃の温度に加熱することを特徴とする請求項4記載の揮発性有機化合物の吸着剤の再生処理方法。
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