JP6122317B2 - カートン - Google Patents
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Description
また、例えば、特許文献1のような不正開封防止対策を施した身蓋カートンが知られている。特許文献1の身蓋カートンでは胴部円筒形周面にジッパーまたはミシン目を設け、易開封かつ、不正開封防止を可能としているが、開封後、再封できないという問題があった。
(1)軸方向の一端に開口面を有する有底円筒状の本体と、軸方向の一端に前記本体を嵌挿する開口を有した有天円筒状の蓋体とを備えたカートンであって、前記本体は、円板状の底板と、当該底板の外周縁から一面側に立設され内周側に収容空間を区画する円筒状の側板部とを有し、前記蓋体は、円板状の天板と、当該天板の外周縁から一面側に立設され内周側に前記本体を嵌挿する円筒状の側面部とを有し、前記本体の側板部は、外周面に前記開口面に連続し軸方向に沿った案内溝部と、当該案内溝部の軸方向の一縁の中間部から周方向に向けて、当該案内溝部の周方向における幅寸法より周方向の長さ寸法が短い領域で切取線にて囲まれ、前記蓋体の側面部の内周面に接着され、前記蓋体の開封時に当該切取線で切り取られる切取領域と、を備え、前記蓋体は、前記本体の開口縁が軸方向において当該蓋体の内面に所定の間隙を介して対向して前記本体を嵌挿した状態で、前記蓋体の側面部の内周面に前記切取領域が接着されて、前記本体に取り付けられることを特徴とするカートン。
(2)(1)に記載のカートンであって、前記切取領域は、ホットメルトにより接着されることを特徴とするカートン。
(3)(1)から(2)までのいずれか一項に記載のカートンであって、前記切取領域は、複数設けられたことを特徴とするカートン。
(4)(1)から(3)までのいずれか一項に記載のカートンであって、前記本体に取り付けられた蓋体の側面部の外周面から前記本体の底板の底面に亘ってテープが取り付けられることを特徴とするカートン。
(5)(1)から(4)までのいずれか一項に記載のカートンであって、前記本体および前記蓋体の少なくともいずれか一方を周方向で相対的に移動させて開封する旨の表示が設けられていることを特徴とするカートン。
この発明では、本体の側板部の切取線で囲まれた切取領域が蓋体の側面部の内周面に接着されているので、蓋体を本体から取り外すことにより、本体の側板部の切取領域が切取線で切り取られ、蓋体の内周面に接着する状態で、蓋体が本体から取り外される。そして、蓋体の開口内に本体を嵌挿して蓋体を本体に取り付けると、本体の開口縁が蓋体の内面に当接することとなり、本体の底板から蓋体の天板までの軸方向の距離が、未開封時の距離より短くなる状態となる。
このため、本発明によれば、開封後に蓋体を取り付けても、未開封のカートンに比して軸方向の寸法が短くなるので、開封されたことを利用者が容易に確認でき、改竄などの不正開封を容易に判定できる。
この発明では、切取領域に予めホットメルトを塗布しておき、本体の開口縁が軸方向において蓋体の内面に所定の間隙を介して対向して本体を蓋体内に嵌挿した状態で、蓋体の側面部の外周側から熱を加えてホットメルトを溶融させることで、切取領域を蓋体に接着できる。
このため、本体の切取領域を容易に蓋体の内面に接着できる。
この発明では、本体の側板部として、円筒状の外側板の内面に、少なくとも切欠を塞ぐ位置に、切取領域と接着することなく内側板を積層して構成することで、本体の側板部の外周面に、開封時に蓋体側に切取領域が切り取られ、未開封状態に再封止することが困難で改竄などの不正開封を容易に判定できる構成を、容易に形成できる。
この発明では、切取領域を複数設ける構成とすることで、開封後に切取領域を切取線の領域内に合わせて再封止することがより困難となる構成が容易に得られる。
この発明では、蓋体の側面部の外周面から本体の底面に亘ってテープを取り付けることで、テープによる改竄防止効果が得られるとともに、未開封状態の本体と蓋体との相対位置に再封止する作業がより困難となる構成が得られる。
この発明では、本体および蓋体を相対的に周方向に移動させて開封する旨の表示を設けることで、利用者は容易に開封することができる。
以下、本発明の一実施形態に係るカートンの構成について図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係るカートンを示す分解斜視図である。図2は、本実施形態のカートンにおける蓋体が取り付けられた状態を示す斜視図である。図3は、図2におけるIII−III断面図である。
側板部22は、図3に示すように、軸方向の一端縁が内方に屈曲された底板係止部22Aを有している。そして、本体2は、側板部22に嵌挿された底板21が底板係止部22Aにより係止されて接着され、有底円筒状に形成されている。
外側板22Bには、開口面24に連続し軸方向に沿った凹溝状で内側板22Cの外周面を外面に露出して案内溝部26を形成する切欠26Aと、当該切欠26Aの軸方向の一縁の中間部から周方向に沿って所定の領域で切取線27Aにて囲まれ、内側板22Cには非接着の切取領域27とが設けられている。そして、側板部22は、あらかじめ切欠26Aおよび切取領域27が設けられた外側板22Bの内周面側に内側板22Cが積層されて形成されている。
また、切取領域27は、開口面24から軸方向に距離Cの長さで設けられた案内溝部26における下端から距離Dで上方に位置した中間位置に軸方向の幅寸法Eとして、例えば距離Cが12mm程度とした時、距離Dが3mm程度、幅寸法Eが5mmで形成される。
なお、本体2の側板部22の外周面には、本体2と蓋体3とを周方向で相対的に移動させることで開封できる旨の表示、具体的には周方向に沿った矢印表示29が設けられている。
側面部32は、軸方向の一端縁が内方に屈曲された天板係止部32Aを有している。そして、蓋体3は、側面部32に完走された天板31が天板係止部32Aにより係止されて接着され、有天円筒状に形成されている。
蓋体3は、側面部32の内径が本体2の側板部22の外径と同径もしくは若干径大で、かつ側面部32の高さ寸法が本体2の側板部22の高さ寸法と同寸法もしくは若干低い高さ寸法に形成されている。
そして、蓋体3が本体2を覆って取り付けられた状態で、蓋体3の側面部32の外周面から本体2の底板21の底面に亘って封緘テープ4が取り付けられ、内容物が封止される。
なお、蓋体3の側面部32の外周面には、本体2と蓋体3とを周方向で相対的に移動させることで開封できる旨の表示、具体的には矢印表示29と反対方向の周方向に沿った矢印表示35が設けられている。
次に、カートンの封止動作について説明する。
包装装置であらかじめ個包装された内容物を、収納装置により本体2の収容空間23内に全体として円柱状となるように並べられる。
また、本体2の切取領域27の外面には、切取線から外側にはみ出ないように、接着剤28、具体的にはホットメルトが塗布される。
この後、蓋体3の側面部32の内周側に、本体2の側板部22を嵌挿させて内容物を覆う。この状態では、図2に示すように、本体2の側板部22の軸方向の上端縁が蓋体3の天板31の下面に所定の間隙X(図3参照)を介して対向する状態に維持する。この状態で、蓋体3の側面部32の外面側から接着剤28に対応する位置を加熱し、蓋体3の側面部32の内面に切取領域27を接着し、本体2に蓋体3を取り付ける。
この後、蓋体3の側面部32の外周面から本体2の底板21の底面に亘って封緘テープ4が取り付けられ、封止工程が完了する。
次に、カートンの開封動作について説明する。
まず、利用者は、封緘テープ4を剥離する。
この後、利用者は、矢印表示29に従って、本体2と蓋体3とを周方向で相対的に移動させる力を作用させる。この力の作用により、蓋体3に接着する切取領域27が本体2の外側板22Bから切取線27Aで切り取られ、図4に示すように、案内溝部26内に位置する状態となる。
この状態で、本体2と蓋体3とを相対的に離間する方向に移動することで、蓋体3が取り外されて、内容物を取り出し可能となる。
この後、必要に応じて、封緘テープ4を再び取り付けて封止される。
この図5および図6に示す封止状態では、図2および図3に示す未開封時の本体2と蓋体3との相対的な位置関係より、本体2と蓋体3とが近接する状態となり、高さ寸法が明らかに低くなる。さらに、蓋体3の開口33から臨む本体2もほとんど蓋体3に隠れる状態となり、一見して開封されたことが認められる。このように、上記実施形態の構成では、開封されたことが容易に判定できるため、改竄などの不正開封を容易に判定できる。
(1)本実施形態のカートン1では、本体2の側板部22に、開口面24に連続する案内溝部26の軸方向の一縁の中間部から周方向に向けて、切取線27Aで囲まれた切取領域27を設け、当該切取領域27を蓋体3の内面に接着している。そして、開封時には、切取領域27が切取線27Aで蓋体3側に切り取られる構成としている。
このため、蓋体3を本体2に取り付けると、本体2の開口縁となる側板部22が蓋体3の天板31に当接し、本体2の底板21から蓋体3の天板31までの軸方向の距離が、未開封のカートン1の距離に比して短くなるので、開封されたことを利用者が容易に確認できる。よって、改竄などの不正開封があっても、容易に判定できる。
そして、周方向に長手状の切取領域27としているので、ブロックチーズなどの個包装された内容物を収納する底の浅いカートン1でも、蓋体3側に切り取られる切取領域27を容易に形成できるとともに、本体2および蓋体3を周方向で相対的に移動させて開封することが容易にできる。
このため、本体2の切取領域27を容易に蓋体3の内面に接着することができる。
このため、再封止の際に自重により本体2と蓋体3との軸方向の寸法が最小となる状態なるので、未開封状態に再封止することが困難で、改竄などの不正開封を容易に判定できる構成を容易に形成できる。
このため、封緘テープ4による改竄防止効果が得られるとともに、未開封状態の本体2と蓋体3との相対的な位置関係に再封止する作業がより困難となる構成が、封緘テープ4を取り付ける簡単な構成で得られる。
なお、以上説明した態様は、本発明の一態様を示したものであって、本発明は、前記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の構成を備え、目的および効果を達成できる範囲内での変形や改良が、本発明の内容に含まれるものであることはいうまでもない。
具体的には、ロックチーズなどの個包装された内容物を収納する容器に限らず、食材や食品の他、化粧品、接着剤や充填剤、グリースなどの工業品、ビーズやクリップなどの玩具や文具など、各種物品の収納に利用できる。
複数箇所に設けることで、開封後に切取領域27を切取線27Aの領域内に合わせて未開封状態に再封止することがより困難となるので好ましい。
なお、複数の切取領域27を周方向で等間隔となるように設けてもよいが、非等間隔とすることで、開封後に切取領域27を切取線27Aの領域内に合わせて未開封状態に再封止することがより困難となるので好ましい。
そして、切取領域27を周方向に長手状に形成する場合に限らず、軸方向に長手状に形成したり、案内溝部26の一縁から半円状に形成したりするなど、各種形状に形成することができる。
すなわち、切取領域27を複数設けることで、本体2と蓋体3とを複数箇所で接着される。このように、本体2と蓋体3との十分な封止強度が得られれば、封緘テープ4を設けず、封緘テープ4の利用によるコストを低減できるとともに、利用者の開封作業性も向上できる。
また、開封方向を示す表示は、カートン1を包装する包装紙などに表示してカートン1自体には設けない構成とするなどしてもよい。
さらに、カートン1を紙により形成したが、合成樹脂シートからシート成形したものや、樹脂原料を射出成形したものなど、合成樹脂製のものでもよい。
2……本体
3……蓋体
21……底板
22……側板部
23……収容空間
24……開口面
26……案内溝部
26A…切欠
27……切取領域
27A…切取線
28……ホットメルトである接着剤
29……表示である矢印表示
31……天板
32……側面部
33……開口
35……表示である矢印表示
X……間隙
Claims (5)
- 軸方向の一端に開口面を有する有底円筒状の本体と、軸方向の一端に前記本体を嵌挿する開口を有した有天円筒状の蓋体とを備えたカートンであって、
前記本体は、円板状の底板と、当該底板の外周縁から一面側に立設され内周側に収容空間を区画する円筒状の側板部とを有し、
前記蓋体は、円板状の天板と、当該天板の外周縁から一面側に立設され内周側に前記本体を嵌挿する円筒状の側面部とを有し、
前記本体の側板部は、外周面に前記開口面に連続し軸方向に沿った案内溝部と、当該案内溝部の軸方向の一縁の中間部から周方向に向けて、当該案内溝部の周方向における幅寸法より周方向の長さ寸法が短い領域で切取線にて囲まれ、前記蓋体の側面部の内周面に接着され、前記蓋体の開封時に当該切取線で切り取られる切取領域と、を備え、
前記蓋体は、前記本体の開口縁が軸方向において当該蓋体の内面に所定の間隙を介して対向して前記本体を嵌挿した状態で、前記蓋体の側面部の内周面に前記切取領域が接着されて、前記本体に取り付けられる
ことを特徴とするカートン。 - 請求項1に記載のカートンであって、
前記切取領域は、ホットメルトにより接着される
ことを特徴とするカートン。 - 請求項1または請求項2に記載のカートンであって、
前記切取領域は、複数設けられた
ことを特徴とするカートン。 - 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載のカートンであって、
前記本体に取り付けられた蓋体の側面部の外周面から前記本体の底板の底面に亘ってテープが取り付けられる
ことを特徴とするカートン。 - 請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載のカートンであって、
前記本体および前記蓋体の少なくともいずれか一方を周方向で相対的に移動させて開封する旨の表示が設けられている
ことを特徴とするカートン。
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