JP6105932B2 - カテーテルハブ - Google Patents

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Description

本発明は、カテーテルにおけるシャフトの基端に設けられるカテーテルハブに関する。
従来、血管等の生体器官内にカテーテルを導入して生体器官内の病変部(例えば、狭窄部)を検査・処置することが広範に行われている。この種のカテーテルは、一般に、カテーテル本体を構成する長尺なシャフトと、当該シャフトの基端部に連結されたハブ(カテーテルハブ)とを有する(例えば、下記特許文献1を参照)。
このようなカテーテルの使用において、カテーテルの先端を生体内の目的部位まで到達させるには、体内の複雑に分岐した血管内や体腔内でシャフトを選択的に進行させる必要がある。このため、通常、カテーテルの内腔にガイドワイヤを挿通させ、カテーテルの先端に対して当該ガイドワイヤの先端を先行させた状態で、当該ガイドワイヤに沿って血管内や体腔内でカテーテルを走行させる。
米国特許第6355027号明細書
ところで、ガイドワイヤは、血管の選択やカテーテル先端の方向制御を行うために、先端部の一箇所又は複数個所をあらかじめ折り曲げて(アングル付けして)使用される場合がある。このように先端部がアングル付けされたガイドワイヤをカテーテルのハブの基端開口部からカテーテルに挿入する際、ハブ内周面の一部にガイドワイヤの最先端部が接触するとともに、当該接触箇所とは反対側のハブ内周面にガイドワイヤの他部が接触しながら、ガイドワイヤがハブに対して前進する。この場合、従来のハブには、内径が先端方向に向かって一定割合で減少するテーパが設けられているため、先端側に行くほど内径が小さくなり、内径の縮小に伴ってガイドワイヤとハブ内周面との摩擦抵抗も大きくなる。このため、ガイドワイヤの移動がハブ内周面で阻止され、ガイドワイヤをそれ以上先端側に移動させることが困難となる場合がある。
本発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、先端が屈曲したガイドワイヤをカテーテルハブの基端開口部から挿入する際に、カテーテルハブに対するガイドワイヤの先端部の移動抵抗を低減することにより、ガイドワイヤの先端をカテーテルのシャフトの内腔へとスムーズに挿入することができるカテーテルハブを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明は、カテーテルシャフトの基端を保持するシャフト保持部と、前記シャフト保持部の基端側に設けられ、前記シャフトの内腔と連通するハブ内腔を形成するハブ内腔形成部とを備えたカテーテルハブであって、前記ハブ内腔形成部は、前記カテーテルハブの軸線方向の少なくとも一部において、先端方向に向かって内径が減少し且つ前記カテーテルハブの軸線に対して傾斜した軸線を有する非対称ガイド部を有し、前記ハブ内腔形成部は、前記カテーテルハブの基端開口部から軸線方向に所定範囲に亘って形成されたテーパと、前記テーパよりも先端側に形成された中間テーパ部とを有し、前記非対称ガイド部は、前記中間テーパ部を介して、前記テーパよりも先端側に設けられ、前記カテーテルハブの軸線に対する前記中間テーパ部の傾斜角度は、前記中間テーパ部の全周にわたって、前記カテーテルハブの軸線に対する前記テーパの傾斜角度よりも大きいことを特徴とする。
上記の構成によれば、先端部を屈曲させたガイドワイヤをカテーテルハブの基端側から挿入する際、非対称ガイド部のうちカテーテルハブの軸線に対する傾斜角度が相対的に小さい部分に、ガイドワイヤの先端部(最先端部又は屈曲部)を接触させると、接触箇所でのガイドワイヤの先端部とハブ内周面との摩擦抵抗が抑制されるため、ガイドワイヤ先端部が先端方向に移動しやすくなる。従って、ガイドワイヤの移動がハブ内周面によって阻止されることがなく、ガイドワイヤをシャフト内へとスムーズに挿入することができる。また、手元側からのガイドワイヤの押し込み力が伝わりにくくなるハブ内腔形成部の先端側で、ガイドワイヤの先端部とハブ内周面との摩擦抵抗を効果的に抑制できる。
上記のカテーテルハブにおいて、前記非対称ガイド部は、前記非対称ガイド部において周方向の一部を構成する第1ガイド部と、前記カテーテルハブの前記軸線に対して前記第1ガイド部とは反対側の部分を構成し、前記カテーテルハブの前記軸線に対する傾斜角度が、前記第1ガイド部の前記カテーテルハブの前記軸線に対する傾斜角度よりも小さい第2ガイド部とを有してもよい。
上記の構成によれば、第1ガイド部の傾斜角度が相対的に大きく、これとは反対側の第2ガイド部の傾斜角度が相対的に小さい。従って、先端部を屈曲させたガイドワイヤをカテーテルハブの基端側から挿入する際、相対的に小さい方の第2ガイド部にガイドワイヤの先端部を接触させることで、ガイドワイヤの先端部とハブ内周面との摩擦抵抗が小さい状態で、ハブ内でガイドワイヤを先端方向にスムーズに移動させることができる。
上記のカテーテルハブにおいて、前記ハブ内腔形成部は、前記カテーテルハブの基端開口部から軸線方向に所定範囲に亘って形成されたテーパを有し、前記テーパの先端に連なって前記非対称ガイド部が形成されてもよい。
上記の構成によれば、先端部を屈曲させたガイドワイヤをカテーテルハブの基端側から挿入する際、ガイドワイヤの先端部がテーパを越えた時点で非対称ガイド部内へ到達するため、ガイドワイヤの挿入開始後、比較的早い段階でガイドワイヤの先端部とハブ内周面との摩擦抵抗を抑制でき、ガイドワイヤの挿入操作を一層効果的に行うことができる。
本発明のカテーテルハブによれば、先端が屈曲したガイドワイヤをカテーテルのハブの基端開口部から挿入する際に、ハブに対するガイドワイヤの先端部の移動抵抗を低減することにより、ガイドワイヤの先端をカテーテルのシャフトの内腔へとスムーズに挿入することができる。
本発明の一実施形態に係るカテーテルハブを備えたカテーテルの一部省略側面図である。 図1に示したカテーテルハブの一部省略縦断面図である。 図3Aは、カテーテルハブの基端側からガイドワイヤを挿入する操作を説明する第1の図であり、図3Bは、カテーテルハブの基端側からガイドワイヤを挿入する操作を説明する第2の図である。 本発明の変形例に係るカテーテルハブの一部省略縦断面図である。 図5Aは、図4に示したカテーテルハブの作用を説明する図であり、図5Bは、図4に示したカテーテルハブの作用を説明する別の図である。
以下、本発明に係るカテーテルハブについて好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るカテーテルハブ14(以下、「ハブ14」と呼ぶ)を備えたカテーテル10の一部省略側面図である。カテーテル10は、血管内や体腔内に挿入して先端を目的部位まで到達させ、治療用の薬剤注入や診断用の造影剤注入を行うために使用される。図1に示すように、カテーテル10は、細径で長尺なシャフト12と、シャフト12の基端に接続されたハブ14と、シャフト12のハブ14への接続部に設けられたストレインリリーフ16とを備える。
シャフト12は、血管等の生体管腔内に挿入されるカテーテル本体を構成するものであって、先端から基端まで連通する内腔13(図2も参照)が形成された可撓性を有する長尺で細径のチューブ状部材である。シャフト12の長さは、例えば、500mm〜2000mm程度、好ましくは、1000mm〜1500mm程度である。
シャフト12の外径は、例えば0.3mm〜3mm程度、好ましくは、0.4mm〜2mm程度である。シャフト12の内径は、例えば、0.2mm〜2.5mm程度、好ましくは、0.3mm〜1.8mm程度である。シャフト12の外径及び内径は、先端側にいくほど小さくなってもよい。シャフト12の最先端部はテーパを有していてもよい。
シャフト12の最先端部近傍の外周面には、X線不透過マーカ(造影マーカ)18が固着されている。X線不透過マーカ18は、金あるいは白金等からなるX線(放射線)不透過性を有する材質によって形成されることにより、生体内でカテーテル10の先端位置をX線造影下で視認するためのものである。
ハブ14は、その先端にてシャフト12の基端を保持する中空構造の部材であり、基端にはシリンジ等の他の器具が接続可能となっている。ハブ14は、例えば、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン等の硬質の樹脂等により構成され得る。本実施形態では、ハブ14は、透明性を有する材料(ポリカーボネート等)により構成される。これにより、ガイドワイヤ46(図3A等参照)等を挿通させる際に、ハブ14内のガイドワイヤ46の端部の存在を確認することができ、好適である。
ストレインリリーフ16は、シャフト12のハブ14への接続部での屈曲(キンク)を防止するためのものであり、例えば先細りのチューブ状に形成された適度の可撓性及び剛性を有する樹脂製の部材である。ストレインリリーフ16は、シャフト12の構成材料と同様の材料で構成され得る。
次に、ハブ14の具体的な構成を説明する。図2は、ハブ14の一部省略縦断面図である。図2に示すように、ハブ14は、中空状の胴体部20と、胴体部20の外側面から突出した複数(図示例では、2つ)の羽根部22とから構成される。胴体部20は、シャフト12の内腔13と連通するハブ内腔24を形成する内周部34(以下、「ハブ内腔形成部34」と呼ぶ)と、ハブ14の基端に設けられた基端開口部26とを有する。
また、ハブ14における先端側には、円筒状内面を有するシャフト保持部28が設けられる。シャフト保持部28には、シャフト12の基端部32が保持及び固定されている。シャフト保持部28よりも基端側には、シャフト保持部28に対して縮径した段差部30を介して、ハブ内腔形成部34が設けられている。
シャフト12の内腔13を形成する内周部36の基端側の内径は、ハブ内腔形成部34の先端部の内径よりも大きく、この内径差により、段差部30が形成されている。段差部30にシャフト12の基端部32が接触している。
本実施形態では、ハブ14とシャフト12とは別個に製作されたものであり、当該ハブ14の先端(シャフト保持部28)にシャフト12の基端部32が挿入され、接着、熱融着等の適宜の接合手段により接合されている。なお、ハブ14は、インサート成型によってシャフト12の後端に設けられてもよい。
図2に示すように、ハブ内腔形成部34は、ハブ14の軸線a方向の少なくとも一部において、先端方向に向かって内径が減少し且つハブ14の軸線aに対して傾斜した軸線bを有する非対称ガイド部38を有する。本実施形態において、具体的には、ハブ内腔形成部34は、ハブ14の基端開口部26から軸線a方向に所定範囲(長さL1)に亘って形成されたテーパ40と、このテーパ40の先端から連なる上記の非対称ガイド部38とを有する。
テーパ40は、先端部47を屈曲させたガイドワイヤ46(図3A等参照)をハブ14の基端側から挿入する際、先端方向に向かって縮径する内周面によって、ガイドワイヤ46の先端部47(図3A等参照)をハブ14の中心側に誘導しつつ、当該先端部47を直線状に戻す方向に誘導する。テーパ40の軸線aに沿った長さL1は、例えば、10mm〜40mm程度、好ましくは、20mm〜35mm程度である。軸線aに対するテーパ40の傾斜角度は、3°である。
非対称ガイド部38は、先端部47を屈曲させたガイドワイヤ46をハブ14の基端側から挿入する際に、テーパ40からガイドワイヤ46の先端部47を受け入れて、当該先端部47をさらに直線状に戻す方向に誘導するとともに、当該先端部47をシャフト12の内腔13へと案内する部分である。非対称ガイド部38は、ハブ14の外観からその位置が認識できるように、羽根部22に対して所定の位置及び方向で設けることができる。
非対称ガイド部38の軸線a方向に沿った長さL2は、例えば、5mm〜15mm程度、好ましくは、5mm〜10mm程度である。長さL2は、長さL1よりも長くても短くてもよい。
本実施形態において、非対称ガイド部38は、軸線aに対する傾斜角度が相対的に大きい急テーパとして構成された第1ガイド部42と、軸線aに対する傾斜角度が相対的に小さい緩テーパとして構成された第2ガイド部44とを有する。具体的には、第1ガイド部42は、非対称ガイド部38における周方向の一部(図2で、上側部分)を構成する部分であり、第2ガイド部44は、軸線aに対して第1ガイド部42とは反対側の部分(図2で、下側部分)を構成し、ハブ14の軸線aに対する傾斜角度が、第1ガイド部42のハブ14の軸線aに対する傾斜角度よりも小さい。
軸線aに対する第1ガイド部42の傾斜角度は、軸線aに対するテーパ40の傾斜角度と同じでもよく、異なっていてもよい。第1ガイド部42の軸線aに対する傾斜角度は、例えば、5°〜15°程度、好ましくは、5°〜10°程度である。
軸線aに対する第2ガイド部44の傾斜角度は、軸線aに対するテーパ40の傾斜角度と同じでもよく、異なっていてもよい。第2ガイド部44の軸線aに対する傾斜角度は、例えば、0°〜10°程度、好ましくは、0°〜5°程度である。
本実施形態に係るハブ14を備えたカテーテル10は、基本的には以上のように構成されるものであり、以下、主として図3A〜図3Cを参照し、ハブ14を備えたカテーテル10の作用及び効果について説明する。本例では、先端部47を屈曲させたガイドワイヤ46をハブ14の基端側(基端開口部26)から挿入する操作について説明する。図3A〜図3Cにおいて、ガイドワイヤ46の先端部47は、2つの屈曲部48、49を有するように曲げられているが、本発明は屈曲部が1つだけの場合にも適用可能である。ガイドワイヤ46の最先端部50は丸く形成されている。
図3Aに示すように、先端部47を屈曲させたガイドワイヤ46をハブ14の基端側から挿入する。このとき、図3Aの例では、周方向に関して、非対称ガイド部38の第1ガイド部42(急テーパ)に対応する側にガイドワイヤ46の屈曲部49を当接させ、第2ガイド部44(緩テーパ)に対応する側にガイドワイヤ46の最先端部50を当接させる。
そして、ガイドワイヤ46とハブ14との、上記のような周方向の位置関係を維持した状態で、さらにガイドワイヤ46をハブ14に対して先端方向に押し込むと、ガイドワイヤ46は、最先端部50及び屈曲部49とがハブ14の内周面を摺動しながら、先端方向に移動する。このとき、テーパ40の傾斜の作用により、ガイドワイヤ46がハブ14の軸線a側に案内されつつ、ガイドワイヤ46の先端部47が直線状に戻る方向に誘導されていく。
図3Bに示すように、ガイドワイヤ46の最先端部50が、テーパ40と非対称ガイド部38との境界を越えて、非対称ガイド部38に到達すると、ガイドワイヤ46の最先端部50が非対称ガイド部38の第2ガイド部44によってハブ14の軸線a側にさらに押されることにより、ガイドワイヤ46の屈曲した先端部47は、直線状に戻る方向にさらに誘導される。すなわち、ガイドワイヤ46の先端方向への移動に伴って、第2ガイド部44の傾斜の作用により、ガイドワイヤ46の先端部47の屈曲角度がさらに小さくなる。
この場合、本実施形態では、第2ガイド部44は、軸線aに対して傾斜角度が小さい緩テーパとして構成されているため、ガイドワイヤ46の最先端部50とハブ14の内周面との接触角度が小さい。従って、第2ガイド部44では、ガイドワイヤ46の最先端部50とハブ14の内周面との摩擦抵抗(摺動抵抗)が抑制される。
このように、最先端部50とハブ14の内周面との摩擦抵抗が小さいと、ガイドワイヤ46の先端部47がハブ14の先端側まで挿入された状態でも、手元側からのガイドワイヤ46の押し込み力がガイドワイヤ46の先端部47まで効果的に伝達されるため、ガイドワイヤ46の先端部47が先端方向に移動しやすい。従って、ガイドワイヤ46の移動がハブ14の内周面によって阻止されることがないため、図3Bの状態からさらにガイドワイヤ46をハブ14に対して先端方向に押し込むことにより、図3Cに示すように、ガイドワイヤ46の先端部47をシャフト12内へとスムーズに挿入することができる。
なお、上記の説明とは逆に、図3Bの仮想線で示すように、先端部47を屈曲させたガイドワイヤ46をハブ14の基端側から挿入する際に、非対称ガイド部38の第1ガイド部42(急テーパ)側にガイドワイヤ46の最先端部50を当接させ、第2ガイド部44(緩テーパ)側にガイドワイヤ46の屈曲部49を当接させてもよい。ガイドワイヤ46とハブ14との周方向の位置関係をこのようにした場合でも、緩テーパとして構成された第2ガイド部44にガイドワイヤ46の屈曲部49が当接することから、ガイドワイヤ46の屈曲部49とハブ14の内周面との接触角度が小さい。
従って、第2ガイド部44では、ガイドワイヤ46の屈曲部49とハブ14の内周面との摩擦抵抗(摺動抵抗)が抑制されるため、ガイドワイヤ46の先端部47がハブ14の先端側まで挿入された状態でも、手元側からのガイドワイヤ46の押し込み力がガイドワイヤ46の先端部47まで効果的に伝達されるため、ガイドワイヤ46の先端部47が先端方向に移動しやすい。
以上説明したように、本実施形態に係るハブ14によれば、先端部47を屈曲させたガイドワイヤ46をハブ14の基端側から挿入する際、非対称ガイド部38のうちハブ14の軸線aに対する傾斜角度が小さい部分(第2ガイド部44)に、ガイドワイヤ46の先端部47(最先端部50又は屈曲部49)を接触させると、ガイドワイヤ46の先端部47とハブ14の内周面との摩擦抵抗が小さくなり、ガイドワイヤ46の先端部47が先端方向に移動しやすくなる。従って、ガイドワイヤ46の移動がハブ14の内周面によって阻止されることがなく、ガイドワイヤ46をシャフト12内へとスムーズに挿入することができる。
特に、本実施形態の場合、第1ガイド部42の傾斜角度が相対的に大きく、これとは反対側の第2ガイド部44の傾斜角度が相対的に小さい。従って、先端部47を屈曲させたガイドワイヤ46をハブ14の基端側から挿入する際、傾斜角度が相対的に小さい方の第2ガイド部44にガイドワイヤ46の先端部47を接触させることで、ガイドワイヤ46の先端部47とハブ14の内周面との摩擦抵抗が小さい状態で、ハブ14内でガイドワイヤ46を先端方向にスムーズに移動させることができる。
また、本実施形態の場合、テーパ40の先端に連なって非対称ガイド部38が形成されている。この構成によれば、先端部47を屈曲させたガイドワイヤ46をハブ14の基端側から挿入する際、ガイドワイヤ46の先端部47がテーパ40を越えた時点で非対称ガイド部38内へ到達するため、ガイドワイヤ46の挿入開始後、比較的早い段階でガイドワイヤ46の先端部47とハブ14の内周面との摩擦抵抗を抑制でき、ガイドワイヤ46の挿入操作を一層効果的に行うことができる。
図4は、変形例に係るカテーテルハブ14a(以下、「ハブ14a」と呼ぶ)の一部省略縦断面図である。図4に示すように、変形例に係るハブ14aにおけるハブ内腔形成部34aは、テーパ40と、当該テーパ40の先端に連なって形成された中間テーパ部52と、当該中間テーパ部52の先端に連なって形成された非対称ガイド部56とを有する。すなわち、ハブ14aでは、非対称ガイド部56は、中間テーパ部52を介して、テーパ40よりも先端側に設けられている。
中間テーパ部52は、先端部47を屈曲させたガイドワイヤ46をハブ14aの基端側から挿入する際に、テーパ40からガイドワイヤ46の先端部47を受け入れて、ガイドワイヤ46の先端部47をさらに直線状に戻す方向に誘導するとともに、その先端側に形成された非対称ガイド部56へガイドワイヤ46の先端部47を案内する部分である。
中間テーパ部52の軸線a方向に沿った長さL3は、例えば、5mm〜15mm程度、好ましくは、5mm〜10mm程度である。長さL3は、長さL1よりも長くても短くてもよい。中間テーパ部52の軸線aに対する傾斜角度は、例えば、5°〜15°程度、好ましくは、5°〜10°程度である。
非対称ガイド部56は、先端部47を屈曲させたガイドワイヤ46をハブ14aの基端側から挿入する際に、中間テーパ部52からガイドワイヤ46の先端部47を受け入れて、当該先端部47をさらに直線状に戻す方向に誘導するとともに、当該先端部47をシャフト12の内腔13へと案内する部分である。非対称ガイド部56は、先端方向に向かって内径が減少し且つハブ14aの軸線aに対して傾斜した軸線cを有する。
非対称ガイド部56の軸線a方向に沿った長さL4は、例えば、2mm〜10mm程度、好ましくは、2mm〜5mm程度である。長さL4は、長さL3よりも長くても短くてもよい。
非対称ガイド部56は、軸線aに対する傾斜角度が相対的に大きい急テーパとして構成された第1ガイド部58と、軸線aに対する傾斜角度が相対的に小さい緩テーパとして構成された第2ガイド部60とを有する。具体的には、第1ガイド部58は、非対称ガイド部56における周方向の一部(図4で、上側部分)を構成する部分であり、第2ガイド部60は、軸線aに対して第1ガイド部58とは反対側の部分(図4で、下側部分)を構成し、ハブ14aの軸線aに対する傾斜角度が、第1ガイド部58のハブ14aの軸線aに対する傾斜角度よりも小さい。図4に示す構成例では、第2ガイド部60の軸線aに対する角度は略0°である。
軸線aに対する第1ガイド部58の傾斜角度は、軸線aに対するテーパ40の傾斜角度と同じでもよく、異なっていてもよい。第1ガイド部58の軸線aに対する傾斜角度は、例えば、5°〜15°度程度、好ましくは、5°〜10°程度である。
軸線aに対する第2ガイド部60の傾斜角度は、軸線aに対するテーパ40の傾斜角度と同じでもよく、異なっていてもよい。第2ガイド部60の軸線aに対する傾斜角度は、例えば、0°〜10°度程度、好ましくは、0°〜5°度程度である。
上記のように構成されたハブ14aによれば、図2等に示したハブ14と同様に、非対称ガイド部56において、ガイドワイヤ46の先端部47とハブ14aの内周面との摩擦抵抗が小さくなり、ガイドワイヤ46の先端部47が先端方向に移動しやすくなる。
すなわち、図5Aに示すように、先端部47を屈曲させたガイドワイヤ46をハブ14aの基端側から挿入する際に、非対称ガイド部56の第1ガイド部58(急テーパ)側にガイドワイヤ46の屈曲部49を当接させ、第2ガイド部60(緩テーパ)側にガイドワイヤ46の最先端部50を当接させると、ガイドワイヤ46の最先端部50とハブ14aの内周面との接触角度が小さい。これにより、第2ガイド部60では、ガイドワイヤ46の最先端部50とハブ14aの内周面との摩擦抵抗(摺動抵抗)が抑制され、ガイドワイヤ46の先端部47が先端方向に移動しやすくなる。
図5Aとは逆に、図5Bに示すように、先端部47を屈曲させたガイドワイヤ46をハブ14aの基端側から挿入する際に、非対称ガイド部56の第1ガイド部58(急テーパ)側にガイドワイヤ46の最先端部50を当接させ、第2ガイド部60(緩テーパ)側にガイドワイヤ46の屈曲部49を当接させた場合でも、緩テーパとして構成された第2ガイド部60にガイドワイヤ46の屈曲部49が当接することから、ガイドワイヤ46の屈曲部49とハブ14aの内周面との接触角度が小さい。これにより、第2ガイド部60では、ガイドワイヤ46の最先端部50とハブ14aの内周面との摩擦抵抗(摺動抵抗)が抑制され、ガイドワイヤ46の先端部47が先端方向に移動しやすくなる。
このように、図5A、図5Bのいずれの場合でも、ガイドワイヤ46の移動がハブ14aの内周面によって阻止されることがなく、ガイドワイヤ46をシャフト12内へとスムーズに挿入することができる。
また特に、ハブ14aでは、ハブ内腔形成部34aの先端側に非対称ガイド部56が設けられるため、手元側からのガイドワイヤ46の押し込み力が伝わりにくくなるハブ内腔形成部34aの先端側で、ガイドワイヤ46の先端部47とハブ14aの内周面との摩擦抵抗を効果的に抑制できる。
上記において、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改変が可能なことは言うまでもない。
10…カテーテル 12…シャフト
14、14a…カテーテルハブ 24…ハブ内腔
26…基端開口部 30…段差部
34、34a…ハブ内腔形成部 38、56…非対称ガイド部
40…テーパ 42、58…第1ガイド部
44、60…第2ガイド部 52…中間テーパ部

Claims (3)

  1. シャフトの基端を保持するシャフト保持部と、
    前記シャフト保持部の基端側に設けられ、前記シャフトの内腔と連通するハブ内腔を形成するハブ内腔形成部と、
    を備えたカテーテルハブであって、
    前記ハブ内腔形成部は、前記カテーテルハブの軸線方向の少なくとも一部において、先端方向に向かって内径が減少し且つ前記カテーテルハブの軸線に対して傾斜した軸線を有する非対称ガイド部を有
    前記ハブ内腔形成部は、前記カテーテルハブの基端開口部から軸線方向に所定範囲に亘って形成されたテーパと、前記テーパよりも先端側に形成された中間テーパ部とを有し、
    前記非対称ガイド部は、前記中間テーパ部を介して、前記テーパよりも先端側に設けられ、
    前記カテーテルハブの軸線に対する前記中間テーパ部の傾斜角度は、前記中間テーパ部の全周にわたって、前記カテーテルハブの軸線に対する前記テーパの傾斜角度よりも大きい、
    ことを特徴とするカテーテルハブ。
  2. 請求項1記載のカテーテルハブにおいて、
    前記非対称ガイド部は、
    前記非対称ガイド部において周方向の一部を構成する第1ガイド部と、
    前記カテーテルハブの前記軸線に対して前記第1ガイド部とは反対側の部分を構成し、前記カテーテルハブの前記軸線に対する傾斜角度が、前記第1ガイド部の前記カテーテルハブの前記軸線に対する傾斜角度よりも小さい第2ガイド部と、を有する、
    ことを特徴とするカテーテルハブ。
  3. 請求項1又は2記載のカテーテルハブにおいて、
    前記ハブ内腔形成部は、前記カテーテルハブの基端開口部から軸線方向に所定範囲に亘って形成されたテーパを有し、
    前記テーパの先端に連なって前記非対称ガイド部が形成される、
    ことを特徴とするカテーテルハブ。

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