JP6098080B2 - ポリマーの連続的製造方法及びその連続的製造装置、並びに繊維の製造方法及びフィルムの製造方法 - Google Patents

ポリマーの連続的製造方法及びその連続的製造装置、並びに繊維の製造方法及びフィルムの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ポリマーの連続的製造方法及びポリマーの連続的製造装置、並びに繊維の製造方法及びフィルムの製造方法に関する。
従来より、開環重合性モノマーを開環重合させてポリマーを製造する方法としては、開環重合性モノマーを溶融状態で反応させる方法が知られている。例えば、ラクチドを開環重合してポリ乳酸を製造する方法としては、触媒としてオクチル酸錫を用い、反応温度を195℃として、溶融状態でラクチドを反応させて重合させる方法が提案されている(特許文献1参照)。
しかし、前記製造方法によりポリマーを製造すると、高温で溶融重合するため、多大なエネルギーを消費するだけでなく、重合時に金属触媒を用いているため、この金属触媒が生成物であるポリマー中に残留する。残留した金属触媒は、ポリマーの耐熱性及び安全性を低下させるため、用途によっては、ポリマーを酸による洗浄や脱金属処理を行って金属触媒を除去する必要がある。
また、高温で溶融重合した場合には、開環重合の逆反応である解重合反応によって生成する開環重合性モノマー及びポリマーの分解物が残留する。例えば、約200℃の高温でラクチドを溶融重合した場合、生成物であるポリ乳酸中に数質量%のラクチドが残留する。これは、ラクチド等の開環重合の反応系では平衡関係が成立し、高温で重合した場合には、解重合反応によって開環重合性モノマーが生じやすくなることによる。この残留開環重合性モノマーは、ポリ乳酸の加水分解触媒として機能したり、耐熱性を低下させたりする。このため、ポリ乳酸から開環重合性モノマーを除去する処理が行われている。
例えば、重合系中の残存ラクチド量が15質量%〜3質量%となるまで重合反応を進行させプレポリマーを製造する第一工程、及びプレポリマーを溶融状態で減圧下におきラクチドを低減させる第二工程を含む製造方法が提案されている(特許文献2参照)。しかし、この提案の製造方法における残存ラクチドの除去工程は、前記金属触媒の除去の操作と同様に、工程数及びエネルギー消費の増加、又はポリマー収率低下の要因となる。
また、実質的に金属原子を含まない化合物の存在下でポリ乳酸を製造する試みがなされている。例えば、グアニジン骨格を有する化合物の存在下、塩化メチレン溶媒中でラクチドの開環重合を行う方法が提案されている(特許文献3参照)。しかし、この提案の方法によりポリ乳酸を製造すると、生成物であるポリ乳酸を高温で乾燥させて塩化メチレン溶媒を除去する必要があり、多大なエネルギーを消費してしまうという問題がある。
また、有機溶媒を使用せずに開環重合性モノマーを開環重合させる方法としては、超臨界二酸化炭素中で金属触媒を用いてL−ラクチドを開環重合させる方法が開示されている(非特許文献1参照)。この開示の方法によると、溶媒である超臨界二酸化炭素は生成物であるポリ乳酸から容易に除去される。しかし、この開示の方法によると、スズ触媒を使用してラクチドを開環重合するため、ポリ乳酸中にスズ触媒が残留する。また、反応時間が24時間以上と長時間かかり、かつラクチドのポリ乳酸への転化率が85質量%であるため、そのまま成型加工等に使用することは困難である。更に、この開示の方法を用いた場合、超臨界二酸化炭素の高い圧力に耐えうる高価な重合設備が必要となるにもかかわらず、反応時間が長く、ポリ乳酸の収率も低くなるという問題がある。
また、超臨界二酸化炭素を用いてラクチドを開環重合させる方法において、触媒として金属原子を含まない有機触媒を用いた方法が開示されている(非特許文献2参照)。しかし、この開示の方法は、重合時間が16時間と長時間かかり、生成物であるポリ乳酸の数平均分子量が10,000程度であることから、実用的ではない。また、この開示の方法では、ポリ乳酸中に有機触媒が残留し、塩基性の求核剤として働く1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデカ−7−エン(DBU)を有機触媒として用いており、このDBUがポリ乳酸の品質に悪影響を与えるおそれがある。
また、ラクチド類、ラクトン類等の環状単量体に、有機金属触媒又は酸触媒、及び開始剤を添加し、重合体を溶解する超臨界二酸化炭素を加圧注入して、溶液重合することにより、生分解性ポリエステルを製造する方法が提案されている(特許文献4参照)。
しかし、この提案の方法では、超臨界二酸化炭素を分散媒として重合させた生分解性ポリエステルが、超臨界二酸化炭素に不溶性であるため、長い反応時間がかかると共に、数平均分子量の小さいポリマーしか得られない。また、前記重合方法は、HFC−23等のフロンガスとスズ触媒とを組み合わせ用いているので、生成したポリマーを酸による洗浄及び脱金属してフロンガス及び金属触媒を除去する処理が必要となる。
したがって、従来の開環重合性モノマーを開環重合させてポリマーを製造する方法においては、生成物であるポリマー中に金属触媒及び有機溶媒が残留し、得られたポリマーからこれらの不純物を除去する必要が生じるという課題がある。また、有機触媒を用いたポリマーの製造方法においてもポリマー中に有機触媒が残留し、ポリマーの品質に悪影響を与えてしまうという課題がある。
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、有機溶媒及び金属触媒を用いずに開環重合性モノマーを重合でき、生成したポリマーからこれらの不純物を除去する必要がなく、また、有機触媒もポリマーから除去でき、残留不純物が極めて少ない高品質なポリマーを効率よく製造することができるポリマーの連続的製造方法及びポリマーの連続的製造装置、並びに繊維の製造方法及びフィルムの製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としての本発明のポリマーの連続的製造方法は、反応容器内に、開環重合性モノマーと、圧縮性流体とを連続的に供給する供給工程と、
前記開環重合性モノマーと、前記圧縮性流体とを混合して、金属原子を含まない有機触媒の存在下、前記開環重合性モノマーを開環重合させ連続的にポリマーを得る重合工程と、
前記ポリマー中の有機触媒を連続的に除去する有機触媒除去工程と、
を含むことを特徴とする。
本発明によると、前記従来における諸問題を解決でき、前記目的を達成することができ、有機溶媒及び金属触媒を用いずに開環重合性モノマーを重合でき、生成したポリマーからこれらの不純物を除去する必要がなく、また、有機触媒もポリマーから除去でき、残留不純物が極めて少ない高品質なポリマーを効率よく製造することができるポリマーの連続的製造方法及びポリマーの連続的製造装置、並びに繊維の製造方法及びフィルムの製造方法を提供することができる。
図1は、温度と圧力に対する物質の状態を示す一般的な相図である。 図2は、圧縮性流体の範囲を定義するための相図である。 図3は、本発明のポリマーの連続的製造方法の一例を示す図である。
(ポリマーの連続的製造方法及びポリマーの連続的製造装置)
本発明のポリマーの連続的製造方法は、供給工程と、重合工程と、有機触媒除去工程と、を含み、更に必要に応じてその他の工程を含んでなる。
本発明のポリマーの連続的製造装置は、供給手段と、重合手段と、有機触媒除去手段と、を有し、更に必要に応じてその他の手段を有してなる。
前記ポリマーの連続的製造方法及び連続的製造装置とは、バッチ毎にポリマーを製造するバッチ式のポリマーの製造方法及び製造装置に対する概念であり、ポリマーを連続的に効率よく製造することができる方法及び装置である。
本発明のポリマーの連続的製造方法は、本発明のポリマーの連続的製造装置により好適に実施することができ、前記供給工程は前記供給手段により行うことができ、前記重合工程は前記重合手段により行うことができ、前記有機触媒除去工程は前記有機触媒除去手段により行うことができ、前記その他の工程は前記その他の手段により行うことができる。
<供給工程及び供給手段>
前記供給工程は、反応容器内に、開環重合性モノマーと、圧縮性流体とを連続的に供給する工程であり、供給手段により行われる。
前記供給手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、計量フィーダー、計量ポンプ、などが挙げられる。
ここで、反応容器内に、開環重合性モノマーと、圧縮性流体とを連続的に供給するとは、開環重合させたポリマーが連続的に得られるように開環重合性モノマーと圧縮性流体とを供給することを意味する。即ち、開環重合させたポリマーが連続的に得られる限り、各材料などは、断続的、或いは間欠的に供給されてもよい。
<<開環重合性モノマー>>
前記開環重合性モノマーは、使用する開環重合性モノマーと圧縮性流体との組み合わせにもよるが、エステル結合、カーボネート結合等のカルボニル構造を環内に有するものが好ましい。前記カルボニル構造は、電気陰性度の高い酸素が炭素とπ結合してなり、π結合電子がひきつけられることにより酸素が負に分極し、炭素が正に分極しているため、反応性が高くなる。また、圧縮性流体が二酸化炭素の場合、カルボニル構造が二酸化炭素の構造と似ていることから、二酸化炭素と生成したポリマーとの親和性が高くなると推測される。これらの作用により、圧縮性流体による生成したポリマーの可塑化の効果が高くなる。
前記開環重合性モノマーとしては、例えば、環状エステル、環状カーボネート、などが挙げられる。
−環状エステル−
前記環状エステルとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、下記一般式(1)で表される化合物のL体及びD体の少なくともいずれかを脱水縮合して得られる環状二量体、などが好適である。
R−C*−H(−OH)(−COOH) ・・・ 一般式(1)
ただし、前記一般式(1)中、Rは炭素数1〜10のアルキル基を表す。また、前記一般式(1)において、「C*」は、不斉炭素を表す。
前記一般式(1)で表される化合物としては、例えば、乳酸の鏡像異性体、2−ヒドロキシブタン酸の鏡像異性体、2−ヒドロキシペンタン酸の鏡像異性体、2−ヒドロキシヘキサン酸の鏡像異性体、2−ヒドロキシヘプタン酸の鏡像異性体、2−ヒドロキシオクタン酸の鏡像異性体、2−ヒドロキシノナン酸の鏡像異性体、2−ヒドロキシデカン酸の鏡像異性体、2−ヒドロキシウンデカン酸の鏡像異性体、2−ヒドロキシドデカン酸の鏡像異性体、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、反応性及び入手容易性の点から、乳酸の鏡像異性体が特に好ましい。
前記一般式(1)で表される化合物以外の環状エステルとしては、例えば、β−プロピオラクトン、β−ブチロラクトン、γ−ブチロラクトン、γ−ヘキサノラクトン、γ−オクタノラクトン、δ−バレロラクトン、δ−ヘキサラノラクトン、δ−オクタノラクトン、ε−カプロラクトン、δ−ドデカノラクトン、α−メチル−γ−ブチロラクトン、β−メチル−δ−バレロラクトン、グリコリッド、ラクタイド等の脂肪族のラクトン、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ε−カプロラクトンが反応性及び入手性の点から、特に好ましい。
−環状カーボネート−
前記環状カーボネートとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
<<圧縮性流体>>
前記圧縮性流体としては、圧力を付与した状態で流体となるものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、超臨界流体、亜臨界流体、液化流体、などが挙げられる。
前記圧縮性流体としては、例えば、超臨界二酸化炭素、液化二酸化炭素、メタンガス、超臨界メタン、エタンガス、超臨界エタン、超臨界プロパン、液化プロパン、プロパンガス、超臨界ブタン、液化ブタン、ブタンガス、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、二酸化炭素を含むもの、例えば、超臨界二酸化炭素、亜臨界二酸化炭素、液化二酸化炭素、などが特に好ましい。
−超臨界流体及び亜臨界流体−
前記超臨界流体とは、気体と液体の中間的な性質を持ち、物質移動や熱移動が早く、粘度が低いなどの性質を有すると共に、温度、圧力を変化させることによって、その密度、誘電率、溶解度パラメータ、自由体積などを連続的に大きく変化させることができる流体を意味する。前記超臨界流体は、有機溶媒と比べて極めて界面張力が小さいため、微少な起伏(表面)であっても追随し、超臨界流体で濡らすことができる。
前記超臨界流体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、臨界温度、臨界圧力が低いものが好ましい。また、前記亜臨界流体としては、臨界点近傍の温度及び圧力領域において高圧液体や高圧ガスとして存在する限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記超臨界流体又は亜臨界流体としては、例えば、一酸化炭素、二酸化炭素、一酸化二窒素、アンモニア、窒素、メタン、エタン、プロパン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソブタン、クロロトリフロロメタン、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、二酸化炭素は、臨界圧力7.3MPa、臨界温度31℃と容易に超臨界状態をつくり出せると共に、不燃性で安全性が高く、また常圧に戻すだけでガス化するため回収再利用も容易であり、得られた粒子について乾燥が不要であり、廃液も発生せず、残留モノマーも含有しない点から好ましい。
前記超臨界流体又は亜臨界流体中に、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、トルエン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン等の有機溶媒をエントレーナー(助溶剤)として添加して用いてもよい。
−液化流体−
前記液化流体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、液化二酸化炭素、液化メタン、液化エタン、液化プロパン、液化ブタン、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、臨界圧力が約7.4MPa、臨界温度が約31℃であって、容易に超臨界状態を作り出せること、不燃性で取扱いが容易であることなどの点から、二酸化炭素が特に好ましい。
従来、超臨界二酸化炭素を溶媒とする場合、二酸化炭素は、塩基性、求核性を有する物質と反応するとされていることから、リビングアニオン重合には適用できないとされていた(「超臨界流体の最新応用技術」、第173頁、2004年3月15日、株式会社エヌ・ティー・エス発行)。
しかし、本発明者らは、従来の知見を覆し、超臨界二酸化炭素中でも、塩基性、求核性を有する有機触媒が安定的に開環性モノマーに配位し、これを開環させることで、短時間で定量的に重合反応が進行し、結果的に重合反応がリビング的に進行することを見出した。ここでいうリビング的とは、移動反応や停止反応などの副反応を伴わず、定量的に反応が進行し、得られたポリマーの分子量分布が比較的狭く単分散であることを意味する。
ここで、図1及び図2を用いて本発明に用いられる圧縮性流体について説明する。図1は、温度と圧力に対する物質の状態を示す相図である。図2は、圧縮性流体の範囲を定義するための相図である。
前記「圧縮性流体」とは、物質が、図1で表される相図の中で、図2に示す(1)、(2)、(3)のいずれかの領域に存在するときの状態を意味する。
このような領域においては、物質はその密度が非常に高い状態となり、常温常圧時とは異なる挙動を示すことが知られている。なお、物質が図2の(1)の領域に存在する場合には超臨界流体となる。前記超臨界流体とは、気体と液体とが共存できる限界(臨界点)を超えた温度及び圧力領域において非凝縮性高密度流体として存在し、圧縮しても凝縮しない流体のことである。また、物質が図2の(2)の領域に存在する場合には液体となるが、本発明においては、常温(25℃)、常圧(1気圧)において気体状態である物質を圧縮して得られた液化ガスを表す。また、物質が図2の(3)の領域に存在する場合には気体状態であるが、本発明においては、圧力が臨界圧力(Pc)の1/2(1/2Pc)以上の高圧ガスを表す。なお、前記圧縮性流体が二酸化炭素の場合には、3.7MPa以上の圧力が好ましく、5MPa以上がより好ましく、臨界圧力の7.4MPa以上が特に好ましい。
<重合工程及び重合手段>
前記重合工程は、前記開環重合性モノマーと、前記圧縮性流体とを混合して、金属原子を含まない有機触媒の存在下、前記開環重合性モノマーを開環重合させ連続的にポリマーを得る工程であり、重合手段により行われる。
前記重合手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、反応容器、などが挙げられる。前記反応容器としては、例えば、チューブリアクター、攪拌手段を有する筒型又はタンク型の容器、などが挙げられる。
前記連続的な開環重合方法とは、バッチ毎に開環重合する方法に対する概念であり、ポリマーが連続的に得られるように開環重合性モノマーを開環重合することを意味する。即ち、開環重合させたポリマーが連続的に得られる限り、各材料などは、断続的、或いは間欠的に供給されてもよい。
前記開環重合においては、前記開環重合性モノマーと、前記圧縮性流体とを混合して、金属原子を含まない有機触媒の存在下、重合開始剤、必要に応じてその他の成分を混合し、開環重合させる。
<<有機触媒>>
前記有機触媒は、生成物であるポリマーの安全性及び安定性を考慮して金属原子を含まない。
前記有機触媒は、開環重合性モノマーの開環反応に寄与し、開環重合性モノマーとの活性中間体を形成した後、アルコールとの反応で脱離し、再生するものが好ましい。
前記有機触媒としては、例えば、エステル結合を有する開環重合性モノマーを重合する場合、塩基性を有する求核剤として働く(求核性の)化合物が好ましく、塩基性を有する求核性の窒素原子を含有する化合物がより好ましく、塩基性を有する求核性の窒素原子を含有する環状化合物が更に好ましい。なお、求核剤(性)とは、求電子剤と反応する化学種(及びその性質)である。
このような化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、環状モノアミン、環状ジアミン(アミジン骨格を有する環状ジアミン化合物)、グアニジン骨格を有する環状トリアミン化合物、窒素原子を含有する複素環式芳香族有機化合物、N−ヘテロサイクリックカルベン、などが挙げられる。なお、カチオン系の有機触媒は、前記開環重合反応に用いられるが、この場合、ポリマー主鎖から水素を引き抜く(バック−バイティング)ため、分子量分布が広くなり高分子量の生成物を得にくい。
前記環状モノアミンとしては、例えば、キヌクリジン、などが挙げられる。
前記環状ジアミンとしては、例えば、1,4−ジアザビシクロ−[2,2,2]オクタン(DABCO)、1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]−5−ノネン、などが挙げられる。
前記アミジン骨格を有する環状ジアミン化合物としては、例えば、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデカ−7−エン(DBU)、ジアザビシクロノネン、などが挙げられる。
前記グアニジン骨格を有する環状トリアミン化合物としては、例えば、1,5,7−トリアザビシクロ[4,4,0]デカ−5−エン(TBD)、ジフェニルグアニジン(DPG)、などが挙げられる。
前記窒素原子を含有する複素環式芳香族有機化合物としては、例えば、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン(DMAP)、4−ピロリジノピリジン(PPY)、ピロコリン、イミダゾール、ピリミジン、プリン、などが挙げられる。
前記N−ヘテロサイクリックカルベンとしては、例えば、1,3−ジ−tert−ブチルイミダゾール−2−イリデン(ITBU)、などが挙げられる。
これらの中でも、立体障害による影響が少なく求核性が高いという理由から、DABCO、DBU、DPG、TBD、DMAP、PPY、ITBUが特に好ましい。
前記有機触媒としては、後述する有機触媒除去工程において、生成したポリマーを水等の流体と接触させることにより除去するため、水溶性であることが好ましい。
ここで、前記有機触媒が水溶性であることは、例えば、25℃の水100gに3g以上溶解するか否かを測定することで確認できる。
前記水溶性の有機触媒としては、例えば、DABCO、DBU、DMAP、TBD、などが挙げられる。
前記有機触媒の種類及び含有量は、特に制限はなく、圧縮性流体と開環重合性モノマーの組み合わせによって変わるので一概に規定できないが、前記開環重合性モノマー100モル%に対して、0.01モル%以上15モル%以下が好ましく、0.1モル%以上1モル%以下がより好ましく、0.3モル%以上0.5モル%以下が更に好ましい。前記含有量が、0.01モル%未満であると、重合反応が完了する前に有機触媒が失活し、目標とする分子量のポリマーが得られないことがある。一方、前記含有量が、15モル%を超えると、重合反応の制御が難しくなることがある。
<<重合開始剤>>
前記重合開始剤としては、得られるポリマーの分子量を制御するために、開環重合開始剤が好適に用いられる。
前記開環重合開始剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、乳酸メチル、乳酸エチル等の乳酸エステル、アルコール、などが挙げられる。
前記アルコールとしては、脂肪族アルコールのモノアルコール、ジアルコール、及び多価アルコールのいずれでもよく、飽和及び不飽和のいずれであっても構わない。
前記モノアルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、ノナノール、デカノール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、などが挙げられる。
前記ジアルコールとしては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ヘキサンジオール、ノナンジオール、テトラメチレングリコール、ポリエチレングリコール、などが挙げられる。
前記多価アルコールとしては、例えば、グリセロール、ソルビトール、キシリトール、リビトール、エリスリトール、トリエタノールアミン、などが挙げられる。
前記アルコールは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、ポリカプロラクトンジオール、ポリテトラメチレングリコールのような末端にアルコール残基を有するポリマーを開環重合開始剤として使用することもできる。これにより、ジブロック、又はトリブロック共重合体が合成される。
前記重合開始剤の含有量は、特に制限はなく、目標とする分子量に応じて適宜選択することができるが、前記開環重合性モノマー100モル%に対して、0.1モル%以上5モル%以下が好ましく、0.1モル%以上1モル%以下がより好ましい。なお、不均一に重合が開始されるのを防ぐために、前記開環重合性モノマーが前記有機触媒に触れる前に予め開環重合性モノマーと重合開始剤とをよく混合しておくことが好ましい。
<<その他の成分>>
前記開環重合に際しては、必要に応じてその他の成分を添加してもよい。前記その他の成分としては、例えば、界面活性剤、酸化防止剤、安定剤、紫外線吸収剤、着色剤(顔料、染料)、無機粒子、各種フィラー、離型剤、可塑剤、その他類似のもの、などが挙げられる。更に必要に応じて重合反応後に重合停止剤(例えば、安息香酸、塩酸、燐酸、メタリン酸、酢酸、乳酸等)を用いることもできる。
前記界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、圧縮性流体に溶解し、かつ圧縮性流体と開環重合性モノマーの双方に親和性を有するものが好適に用いられる。前記界面活性剤を使用することで、重合反応を均一に進めることができ、生成物の分子量分布を狭くする等の効果を期待できる。前記界面活性剤を重合系に共存させる場合、圧縮性流体に加えても、開環重合性モノマーに加えてもよい。例えば、圧縮性流体として二酸化炭素を用いた場合には、親二酸化炭素基と親モノマー基を分子内に持つ界面活性剤が使用される。
前記界面活性剤としては、例えば、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、などが挙げられる。
前記開環重合性モノマーを効率的に溶解させるために、前記開環重合性モノマーと前記圧縮性流体とを接触させた後、熱や攪拌を加えてもよい。また、前記開環重合性モノマーと前記圧縮性流体とを接触させながら、熱や攪拌を加えてもよい。より確実に溶解させるため、例えば、予め開環重合性モノマーに融点以上の熱をかけて溶融させてから、開環重合性モノマーと圧縮性流体とを接触させてもよい。
前記開環重合性モノマーを圧縮性流体に溶解させるときの温度、又は重合反応温度は、圧縮性流体の種類及びその圧力、開環重合性モノマー及び有機触媒の組み合わせなどによって変わる。
前記重合反応温度の下限は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、40℃以上が好ましく、50℃以上がより好ましく、60℃以上が更に好ましい。前記重合反応温度が、40℃未満であると、開環重合性モノマー種によっては、圧縮性流体による溶解に長い時間がかかったり、溶解が不十分であったり、有機触媒の活性が低くなったりする。これにより、重合時には反応速度が低下しやすくなり、定量的に重合反応を進めることができなくなることがある。
前記重合反応温度の上限は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、100℃以下、及び開環重合性モノマーの融点より30℃高い温度以下のいずれかであることが好ましい。
前記重合反応温度の上限は、90℃以下、及び開環重合性モノマーの融点のいずれか高い温度であることがより好ましい。
前記重合反応温度の上限は、80℃以下、及び開環重合性モノマーの融点より20℃低い温度のいずれか高い温度であることが更に好ましい。
前記重合反応温度が、開環重合性モノマーの融点より30℃高い温度を超えると、開環重合の逆反応である解重合反応も平衡して起こりやすく、定量的に重合反応が進みにくくなる。室温で液状である場合など、融点が低い開環性モノマーを使用する場合においては、有機触媒の活性を高めるため、前記重合反応温度を融点より30℃高い温度超えてもよい。この場合でも、反応温度を100℃以下とすることが好ましい。なお、重合反応温度は、反応容器等の外部からの加熱等によりコントロールされ、開環重合性モノマー等の反応物の温度により決定される。
前記重合法によれば、従来の溶融重合温度では実現できない、低温での開環重合性モノマーの開環重合が可能となる。これにより、開環重合の逆反応である解重合を抑えることができ、結果として、従来公知の方法では得ることのできない、残存開環重合性モノマー量が少ないポリマーが得られる。
前記重合反応時間(平均滞留時間)は、特に制限はなく、目標とする分子量に応じて適宜設定することができるが、1時間以内が好ましく、45分間以内がより好ましく、30分間以内が更に好ましい。なお、本発明のポリマーの連続的製造方法によると、重合反応時間を20分間以内とすることもできる。これは、圧縮性流体中での開環重合性モノマーの重合では前例がない短時間である。
重合時の圧力、即ち、圧縮性流体の圧力は、液化ガス、高圧ガス状態でも問題ないが、特に圧縮性流体への開環重合性モノマーの溶解性を高め、均一かつ定量的に重合反応を進めるためには、超臨界状態となる圧力が好ましい。圧縮性流体が二酸化炭素の場合、反応の効率化やポリマー転化率等を考慮すると、圧縮性流体の圧力は、3.7MPa以上が好ましく、5MPa以上がより好ましく、臨界圧力の7.4MPa以上が特に好ましい。また、圧縮性流体が二酸化炭素の場合、同様の理由により、その温度は25℃以上であることが好ましい。
重合反応系内の水分量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記開環重合性モノマー100モル%に対して、4モル%以下が好ましく、1モル%以下がより好ましく、0.5モル%以下が更に好ましい。前記水分量が、4モル%を超えると、目的とする分子量にもよるが、水分自体も開始剤として寄与するため分子量の制御が困難となる。重合反応系内の水分量を制御するために、必要に応じて、前処理として、開環重合性モノマー、その他原材料に含まれる水分を除去する操作を加えてもよい。
従来より、圧縮性流体を用い開環重合性モノマーを開環重合する方法において、触媒を加えるタイミングについては検討がされていなかった。本発明では、開環重合に際しては、有機触媒は、その活性の高さから、反応容器中で圧縮性流体によって開環重合性モノマー、重合開始剤等の重合原材料混合物が十分溶解した状態の重合系に添加されることが好ましい。十分溶解していない状態で、有機触媒を加えると、反応が不均一に進む場合がある。
本発明のポリマーの連続的製造方法及びポリマーの連続的製造装置は、残存開環重合性モノマーがほとんどなく反応が定量的に進むことから、数種類の開環重合性モノマーを加えるタイミングを適宜設定すれば、1ステップでブロックタイプの共重合体を合成することも可能である。また、2種類以上のポリマーセグメントを有する共重合体を合成したり、ポリマー(例えば、ポリ乳酸)の混合物を製造することも可能である。以下、共重合体又は混合物の一例としてステレオコンプレックスの製造方法を2通り示す。
第一の方法は、開環重合性モノマー(例えば、L−ラクチド)の重合を行い、反応が定量的に終了した段階で別の光学異性体の開環重合性モノマー(例えば、D−ラクチド)を加え、更に重合反応を行うことによって、ステレオブロック共重合体を得る方法である。この方法は、残存モノマーが少ないことや、融点以下で反応を進められることから、ラセミ化が非常に起こりにくく、かつ1段階の反応で得られるため非常に有用である。
第二の方法は、予めL体、D体のポリマー(例えば、ポリ乳酸)を圧縮性流体中でそれぞれ重合し、これらを圧縮性流体中でブレンドする方法である。通常、残存開環重合性モノマーが限りなく少ないポリマー(例えば、ポリ乳酸)でも、再度加熱溶解する際に、分解してしまう恐れが非常に高い。第二の方法は、圧縮性流体で溶解又は可塑化された低粘性のポリ乳酸を、融点以下でブレンドすることができれば、第一の方法と同様にラセミ化や熱劣化を抑えることができるため有用である。
<有機触媒除去工程及び有機触媒除去手段>
前記有機触媒除去工程は、前記ポリマー中の有機触媒を連続的に除去する工程であり、有機触媒除去手段により行われる。
前記有機触媒除去工程としては、重合工程によって連続的に得られたポリマーに対し流体を連続的に接触させることにより行われることが好ましい。
前記流体としては、有機触媒を溶解でき、かつ生成したポリマーを溶解しないものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、水、アルコール等の水系溶剤を含む水、などが挙げられる。これらの中でも、前記有機触媒が水溶性である点から、水が好ましい。
前記流体は、反応容器から吐出されたポリマー(ストランド)と接触することにより、前記ストランドを冷却固化すると共に、前記ストランドから有機触媒を除去する役割を果す。
前記流体の温度は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、20℃〜60℃が好ましい。前記温度が、20℃未満であると、有機触媒の流体への溶解が不十分なためポリマーに有機触媒が残留することがあり、60℃を超えると、ポリマーの品質に悪影響を与えることがある。
前記接触の態様としては、反応容器から吐出されたポリマー(ストランド)と連続的に接触させることができれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ベルトコンベアでストランドを搬送する途中でストランドに向かって流体を噴霧する方法、ストランドを吐出後にストランドを流体浴に通す方法(浸漬)、などがある。
前記ストランドを流体浴中で浸漬する場合には、流体は循環させることが好ましく、ストランドに向かって循環させることが、有機溶媒の除去促進の点からより好ましい。
前記浸漬時間は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、30分間〜60分間が好ましい。前記浸漬時間が30分間未満であると、有機触媒の流体への溶解が不十分なためポリマーに有機触媒が残留することがあり、60分間を超えると、ポリマーの品質に悪影響を与えることがある。
前記ストランドと前記流体との接触後、エアー吹き付け装置でストランドから付着水を除去してもよい。
なお、本発明においては、後述するように、生成したポリマーを用いて繊維紡糸又はフィルム成形を行っているが、有機触媒除去と繊維紡糸又はフィルム成形の手順は逆でもよく、繊維紡糸又はフィルム成形してから流体と接触させて有機触媒の除去を行ってもよい。
<<重合反応装置>>
本発明のポリマーの連続的製造方法に用いられる重合反応装置について図面を参照して説明する。
図3は、本発明のポリマーの連続的製造方法の一例を示す図である。なお、本発明においては、圧縮性流体と開環重合性モノマーとを混合して溶解又は可塑化させる装置を「溶融混合装置」と呼ぶことがある。
図3において、重合反応装置100は、開環重合性モノマーの一例としてのラクチド(粉末)又は溶融状態のラクチドを貯蔵するタンク1と、タンク1に貯蔵されたラクチドを計量して連続的に供給する計量フィーダー2と、開始剤成分や添加剤のうち粉末のものを貯蔵するタンク3と、タンク3に貯蔵された粉末を計量して連続的に供給する計量フィーダー4と、開始剤成分や添加剤のうち液体のものを貯蔵するタンク5と、タンク5に貯蔵された液体を計量して連続的に供給する計量ポンプ6と、圧縮性流体を貯蔵するタンク7と、タンク7に貯蔵された圧縮性流体を計量して連続的に供給する計量ポンプ8と、攪拌手段を備え各タンク1,3,5,7から送り出された材料を溶融混合する溶融混合装置9と、溶融混合された開環重合性モノマー等を送液する送液ポンプ10と、有機触媒を貯蔵するタンク11と、タンク11に貯蔵された有機触媒を計量して送り出す計量ポンプ12と、攪拌手段とを備え重合原料と有機触媒とを用いて重合反応を生じさせる反応容器13と、反応物(ポリマー)を計量して反応容器13から送り出す計量ポンプ14と、を有する。
溶融混合装置9は、開環重合性モノマーや添加物を圧縮性流体と混合させ、充分に溶解させるものである。溶融混合装置9の容器の形は、タンク型でも筒型でもよいが、一端から原料を供給し、他端から混合物を取り出す筒型が好ましい。
溶融混合装置9の攪拌手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、一軸のスクリュウ、互いに噛み合う二軸又は多軸のスクリュウ、互いに噛み合う又は重なり合う多数の攪拌素子をもつ二軸の混合機、互いに噛み合うらせん形の攪拌素子を有するニーダー、スタティックミキサー、などが挙げられる。これらの中でも、攪拌手段及び反応容器への反応物の付着が少なく、セルフクリーニング作用がある点から、互いに噛み合う二軸又は多軸のスクリュウが特に好ましい。
反応容器13は、供給された開環重合性モノマーと、圧縮性流体と、有機触媒とを混合して、開環重合性モノマーを開環重合させる。前記反応容器13の形状としては、タンク型でも筒型でもよいが、デッドスペースが少ない筒型が好ましい。前記反応容器13には、反応物を出し入れする出入口の他、添加剤を供給したり、蒸発物を除去等のための気体出入口を設けることができる。前記反応容器13の攪拌手段は、溶融混合装置9から送り出された開環重合性モノマーや生成したポリマー等を攪拌する。これにより、系内が均一となるため、反応が定量的に進められやすい。
反応容器13の攪拌手段としては、互いに噛み合うスクリュウ、2フライト(長円形)、3フライト(三角形様)等の攪拌素子、円板又は多葉形(クローバー形など)の攪拌翼をもつ二軸又は多軸のものがセルフクリーニングの観点から好ましい。予め触媒を含む原料が充分に混合されている場合には、案内手段により流れの分割と複合(合流)を多段的に行う静止混合器も攪拌手段に応用できる。
前記静止型混合器としては、例えば、特公昭47−15526号公報、特公昭47−15527号公報、特公昭47−15528号公報、特公昭47−15533号公報などで開示されたもの(多層化混合器)、特開昭47−33166号公報などで開示されたもの(ケニックス型)、又はそれらに類似する可動部のない混合装置が挙げられる。
図3では、反応容器13が1個の例を示したが、2個以上の反応容器13を用いることもできる。複数の反応容器13を用いる場合、反応容器13毎の反応(重合)条件、即ち温度、触媒濃度、圧力、平均滞留時間、攪拌速度などは、同一でもよいが、重合の進行にあわせて、それぞれ最適の条件を選ぶことが好ましい。なお、反応時間の増加や装置の煩雑化を招くため、あまり多くの容器を多段的に結合することは得策でなく、段数は1以上4以下が好ましく、1以上3以下がより好ましい。
一般的には、反応容器を1個だけで重合した場合、得られるポリマーの重合度や残存モノマー量が不安定で変動し易く、工業生産に適しないとされている。これは、溶融粘度が数ポイズから数10ポイズ程度の重合原料と、溶融粘度が数1,000ポイズ程度の重合されたポリマーとが同一容器内に混在するための不安定さに起因するものと思われる。これに対し、本発明では、原材料とポリマーとが圧縮性流体に溶解又は可塑化することによって系内の粘度差を小さくすることが可能となるため、従来の重合反応装置より段数を減らすことが可能となる。
続いて、重合反応装置100における処理について説明する。
重合反応装置100において、計量フィーダー2は、攪拌手段を備えた溶融混合装置9に、タンク1の中のラクチドを連続的に供給する。
計量フィーダー4又は計量ポンプ6は、同様に、タンク3,5の中の重合開始剤や添加剤を所定の比率で溶融混合装置9に連続的に供給する。また、計量ポンプ8は、別途、タンク7の中の圧縮性流体を溶融混合装置9に連続的に供給する。これにより、ラクチド、重合開始剤、及び添加剤は圧縮性流体に溶解する。
なお、添加物は、重合反応開始前に開環重合性モノマーと共に添加されても、重合反応後の後工程中で添加されてもよい。また、得られた重合生成物を取り出した後に添加物を溶融混錬しながら添加することもできる。なお、固体(粉末又は粒状)の重合原料は、計量精度がやや低いので、必要に応じて、前もって溶融し計量ポンプによって送り出すようにしてもよい。一方、前記有機触媒は室温でも重合反応が起こりうるため、原材料の混合工程と触媒添加後の重合工程は分けられている。
圧縮性流体によって溶解された開環重合性モノマーは送液ポンプ10により送り出され、反応容器13に供給される。反応容器13は、攪拌手段又は混合手段を有し、内部の反応物を充分に攪拌しつつ所定温度に加熱する。計量ポンプ12は、タンク11の中の重合触媒を計量しつつ、反応容器13へ所定量供給する。
計量ポンプ14は、反応容器13の内部で所定の反応を終えた重合物を有機触媒除去手段(冷却手段を兼ねる)15へ送り出す。図3の重合反応装置100において、計量ポンプ14は、圧縮性流体で満たされた系内の圧力を一定にして、安定な運転と均一な重合品を得るために、所定(一定)の送り出し量で反応物を送り出すことが好ましい。
そのため、計量ポンプ14の背圧が一定となるよう反応容器13の内部の送液機構及び送液ポンプ10の送液量は、制御される。同様に、送液ポンプ10の背圧を一定にするように、溶融混合装置9内部の送液機構及び原料計量供給装置の計量フィーダー2,4、及び計量ポンプ6,8などを制御することが好ましい。制御方式は、ON−OFF型、つまり間欠フィード型でもよいが、ポンプ等の回転速度を徐々に増減する連続又はステップ方式の方がより好ましいことが多い。いずれにしてもこのような制御によって、均一なポリマーを安定に得ることができる。
有機触媒除去手段15は、ストランドを流体としての水と接触させることによりストランドを冷却固化すると共に、ポリマーから有機触媒を除去する手段であり、特に制限はなく、公知の方法を使用可能である。
前記有機触媒除去手段としては、例えば、ベルトコンベアでストランドを搬送する途中でストランドに向かって水を噴霧する方法、吐出後にストランドを水浴に通す(浸漬する)方法などがある。水の温度は20℃〜60℃であることが好ましい。また、ストランドと水の接触後、エアー吹き付け装置でストランドから付着水を除去してもよい。
−ストランドカッター−
ストランドカッター16は、反応容器の先端の押付口金から吐出されたストランドを適当な間隔で切断し、ペレット化するための部材である。前記ストランドカッターとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
本発明のポリマーの連続的製造方法において、開環重合性モノマーのポリマー転化率は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、98モル%以上が好ましい。前記ポリマー転化率が、98モル%未満であると、ポリマーとしての熱特性が不十分となったり、別途開環重合性モノマーを除去する操作が必要になることがある。
前記ポリマー転化率とは、加えた開環重合性モノマーに対し、未反応物を差し引いたものであり、ポリマーの生成に寄与した開環重合性モノマーの割合を意味する。
前記ポリマー転化率は、例えば、ポリ乳酸の場合には、未反応の開環重合性モノマー量(モル%)を、重クロロホルム中、日本電子株式会社社製の核磁気共鳴装置JNM−AL300を使用し、ポリ乳酸由来の四重線ピーク面積比(5.10ppm〜5.20ppm)に対するラクチド由来の四重線ピーク面積比(4.98ppm〜5.05ppm)として算出し、これを100倍することにより求める。そして、100モル%−未反応の開環重合性モノマー量(モル%)から、ポリマー転化率を求めることができる。
従来の開環重合性モノマーの溶融重合法では、一般的に、150℃以上の高温で反応させるため、ポリマー中に未反応のモノマーが残存する。そのため、未反応の開環重合性モノマーを除去する工程が必要となる場合がある。また、溶媒を用いて溶液重合した場合、得られたポリマーを固体で使用するためには有機溶媒を除去する工程が必要となる。即ち、従来のいずれの方法でも、工程の増加や、収率低下によるコストアップが避けられない。
本発明のポリマーの連続的製造方法によると、開環重合性モノマーと、圧縮性流体とを混合して、有機触媒の存在下、開環重合性モノマーを連続的に開環重合させ、流体と接触ざせて有機触媒を除去する。この場合、以下の理由により、低コスト、低環境負荷、省エネルギー、省資源の点で優れ、成形加工性、熱安定性に優れたポリマーの提供が可能となる。
(1)溶融重合法と比較して、低温で反応が進む。
(2)低温で反応が進むので、副反応もほとんど起こらず、加えた開環重合性モノマーに対して高収率でポリマーが得られる(即ち、未反応の開環重合性モノマーが少ない)。
これにより、成形加工性、熱安定性に優れたポリマーを得るための未反応の開環重合性モノマーの除去等の精製工程を簡略化又は省略できる。
(3)ポリマーに金属触媒を含有しないので、その除去工程が不要である。
(4)廃液等も発生せず、乾燥したポリマーが1段階の工程で得られることから、乾燥工程も簡略化又は省略できる。
(5)圧縮性流体を用いるため、有機溶媒を用いずに開環重合反応を行うことができる。
なお、前記有機溶媒とは、開環重合性モノマーを溶かすために用いる液体の有機化合物を意味する。
(6)圧縮性流体中に開環重合性モノマーを溶解させた後に、有機触媒を加えて開環重合させるため、均一に反応が進む。このため、光学異性体や他のモノマー種との共重合体を得る場合に、好適に用いられる。
(7)ポリマーの連続的な重合だけでなく連続的な有機触媒の除去も行うため、有機触媒の残存量の極めて少ないポリマーが得られる。
(ポリマー)
本発明のポリマーの連続的製造方法により得られるポリマーの数平均分子量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、12,000以上が好ましく、12,000〜200,000がより好ましい。前記数平均分子量が、200,000を超えると、粘性の上昇に伴う生産性の悪化により経済的ではないことがあり、12,000未満であると、ポリマーとしての強度が不十分となることがある。
前記ポリマーの重量平均分子量Mwを数平均分子量Mnで除した値Mw/Mnは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1.0〜2.5が好ましく、1.0〜2.0がより好ましい。前記Mw/Mnが、2.5を超えると、重合反応が不均一に行われている可能性が高く、ポリマー物性をコントロールすることが困難となることがある。
前記ポリマーの重量平均分子量及び数平均分子量は、例えば、GPC(Gel Permeation Chromatography)により、測定することができる。
本発明のポリマーの連続的製造方法により得られるポリマーは、有機触媒除去工程により、連続的な有機触媒の除去を行っているので、有機触媒の残存量が極めて少なくなり、有機触媒の残存量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1.2質量%未満が好ましく、0.1質量%以下がより好ましい。前記有機触媒の残存量が、1.2質量%以上であると、ポリマーの品質に悪影響を与えてしまうおそれがある。
前記有機触媒の残存量は、例えば、ポリ乳酸の場合には、重クロロホルム中、日本電子株式会社製の核磁気共鳴装置JNM−AL300を使用し、ポリ乳酸由来の四重線ピーク面積(5.10ppm〜5.20ppm)に対する有機触媒に由来するピークの面積の比として算出し、これを100倍することにより求めることができる。
本発明のポリマーの連続的製造方法により得られるポリマーは、金属触媒及び有機溶媒を使用しない製法で製造されるため、実質的に金属原子及び有機溶媒が含まれず、残存開環重合性モノマー量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、2質量%以下が好ましく、0.1質量%(1,000質量ppm)以下がより好ましい。
前記金属触媒とは、開環重合に用いられる触媒であって金属を含むものである。また、実質的に金属原子を含まないとは、金属触媒由来の金属原子を含まないことを意味する。具体的には、ICP発光分析法、原子吸光分析法、比色法などの分析手法で、ポリマー中における金属触媒由来の金属原子の検出を試みた場合に、検出限界以下であるときに金属触媒由来の金属原子を含まないと言える。
前記金属触媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、オクチル酸スズ、ジブチル酸スズ、ジ(2−エチルヘキサン酸)スズ等のスズ系化合物、アルミニウムアセチルアセトナート、酢酸アルミニウム等のアルミニウム系化合物、テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネート等のチタン系化合物、ジルコニウムイソプロオイキシド等のジルコニウム系化合物、三酸化アンチモン等のアンチモン系化合物、などが挙げられる。
前記金属触媒由来の金属原子としては、例えば、スズ、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、アンチモン、などが挙げられる。
前記有機溶媒とは、開環重合に用いられる有機物の溶媒であり、開環重合反応で得られるポリマーを溶解できるものが選択できる。開環重合反応で得られるポリマーがポリ乳酸(L体が100%)である場合には、前記有機溶媒としては、例えば、クロロホルム、塩化メチレン等のハロゲン溶媒、テトラヒドロフラン、などが挙げられる。実質的に有機溶媒を含有しないとは、以下の測定方法により測定されるポリマー中の有機溶媒の含有量が検出限界以下であることを言う。
−有機溶媒の含有量−
測定対象となるポリマー1質量部に2−プロパノール2質量部を加え、超音波で30分間分散させた後、冷蔵庫(5℃)にて1日以上保存し、ポリマー中の有機溶媒を抽出する。上澄み液をガスクロマトグラフィ(GC−14A、株式会社島津製作所製)で分析し、ポリマー中の有機溶媒及び残留モノマーを定量することにより有機溶媒の含有量を測定する。かかる分析時の測定条件は、以下の通りである。
・装置 :島津GC−14A
・カラム :CBP20−M 50−0.25
・検出器 :FID
・注入量 :1μL〜5μL
・キャリアガス :He 2.5kg/cm
・水素流量 :0.6kg/cm
・空気流量 :0.5kg/cm
・チャートスピード:5mm/min
・感度 :Range101×Atten20
・カラム温度 :40℃
・Injection Temp:150℃
(繊維の製造方法)
本発明の繊維の製造方法は、前記ポリマーを連続的に製造する工程と、前記ポリマーを繊維に紡糸する工程とを含み、更に必要に応じてその他の工程を含んでなる。
本発明の繊維の製造方法によると、有機溶媒及び金属触媒が含まれず、開環重合性モノマーの残存量及び有機触媒の残存量も極めて少ないため、安全性及び安定性に優れた繊維を効率よく製造することができる。
前記繊維の概念には、モノフィラメント、マルチフィラメント等の単体の繊維のみでなく、織布や不織布のような繊維によって構成される中間製品、マスクのような織布や不織布を有する製品が含まれる。
前記繊維の製造方法としては、モノフィラメントの場合、前記の製造方法により得られたポリマーを従来公知の方法により溶融紡糸、冷却、延伸により繊維化する手法が挙げられる。用途によっては、モノフィラメントに従来公知の方法により被覆層を形成してもよく、被覆層は、抗菌剤、着色剤等を含んでいてもよい。
また、不織布とする場合は、従来公知の方法により溶融紡糸、冷却、延伸、開繊、堆積、熱処理する手法が挙げられる。
なお、前記ポリマーには酸化防止剤、難燃剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、抗菌剤、結着樹脂等の添加剤が含有されていてもよい。添加物を混合する工程は、重合反応時でもよいし、重合反応後の後工程や、重合生成物を取り出した後に溶融混錬しながら添加してもよい。
得られる繊維は、金属触媒及び有機溶媒を使用しない製法で製造されたポリマーを使用しており、金属触媒及び有機溶媒が含まれず、開環重合性モノマーの残存量も極めて少なく、有機触媒の残存量も少ないことから、安全性及び安定性に優れている。従って、前記繊維は、モノフィラメントであれば釣り糸、魚網、手術用縫合糸、医療材料、電気機器材料、自動車材料、産業用資材等の用途として幅広く適用される。また、前記繊維は、不織布であれば水産・農業資材、建築・土木資材、インテリア、自動車部材、包装材料、日用雑貨、衛生資材等の用途として幅広く適用される。
(フィルムの製造方法)
本発明のフィルムの製造方法は、前記ポリマーの連続的製造工程と、前記ポリマーをフィルムに成形する成形工程とを含み、更に必要に応じてその他の工程を含んでなる。
本発明のフィルムの製造方法によると、有機溶媒及び金属触媒が含まれず、開環重合性モノマーの残存量及び有機触媒の残存量も極めて少ないため、安全性及び安定性に優れたフィルムを効率よく製造することができる。
前記フィルムは、前記の製造方法により得られるポリマーを成形して製造される。この場合、成形法としては、汎用プラスチックの延伸成形に適用される一軸延伸成形法、同時又は逐次二軸延伸成形法(チューブラー法、テンター法等)、などを採用することができる。
フィルム成形は、通常150℃〜280℃の温度範囲で行われる。また延伸は、得られたフィルムにロール法、テンター法、チューブラー法等により一軸又は二軸延伸を施す。延伸温度は、通常30℃〜110℃、好ましくは50℃〜100℃の範囲で、延伸倍率は縦、横方向、それぞれ通常0.6倍〜10倍の範囲で行われる。また、延伸後、熱風を吹き付ける方法、赤外線を照射する方法、マイクロ波を照射する方法、ヒートロール上に接触させる等の熱処理を施してもよい。
このようなフィルム成形法により、延伸シート、フラットヤーン、延伸テープやバンド、筋付きテープ、スプリットヤーンなどの各種延伸フィルムが得られる。前記延伸フィルムの厚みは、特に制限はなく、その用途に応じて適宜選択することができるが、5μm〜500μmが好ましい。
なお、成形された延伸フィルムには化学的機能、電気的機能、磁気的機能、力学的機能、摩擦/磨耗/潤滑機能、光学的機能、熱的機能、生体適合性等の表面機能等の付与を目的として、各種二次加工を施すことも可能である。前記二次加工としては、例えば、エンボス加工、塗装、接着、印刷、メタライジング(めっき等)、機械加工、表面処理(帯電防止処理、コロナ放電処理、プラズマ処理、フォトクロミズム処理、物理蒸着、化学蒸着、コーティング、等)、などが挙げられる。
得られるフィルムは、金属触媒及び有機溶媒を使用しない製法で製造されたポリマーを使用しており、金属触媒及び有機溶媒が含まれず、開環重合性モノマーの残存量も極めて少なく、有機触媒の残存量も少ないことから、安全性及び安定性に優れている。従って、前記フィルムは、日用品、包装材料、医薬品、電気機器材料、家電筐体、自動車材料等の用途として幅広く適用される。
以下、実施例及び比較例を示して本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
(実施例1)
図3に示す連続重合装置100を用いて、開環重合性モノマーとしてのL−ラクチド及びD−ラクチド混合物(L−ラクチド/D−ラクチド(質量比率)=90/10、非晶質)の開環重合を行った。
まず、溶融混合装置9は、互いに噛み合うスクリュウを取り付けた二軸攪拌手段を有するシリンダー内径(d)が30mmのもので、2つの回転軸は、同方向に回転可能で、回転速度はそれぞれ30rpmであった。
次に、計量フィーダー2は、タンク1内の溶融状態のラクチドを溶融混合装置9に定量供給した。
次に、計量フィーダー4は、タンク3内の開始剤としてのラウリルアルコールをラクチドに対して0.5mol%となるように溶融混合装置9に定量供給した。
溶融混合装置9のシリンダーの設定温度は100℃であった。
計量ポンプ8は、超臨界二酸化炭素を収容するタンク7より超臨界二酸化炭素を系内の圧力(シリンダー内圧)が15MPaとなるように溶融混合装置9に供給した。
反応容器13としては、二軸混練機(東芝株式会社製、TME−18)を用い、2つの回転軸を同方向に速度60rpmでそれぞれ回転させた。なお、二軸混練機のシリンダー内径は40mmであった。
計量ポンプ12は、タンク11内の有機触媒としての1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデカ−7−エン(DBU)をラクチドに対して0.1質量%となるように二軸混練機の原材料供給孔へ供給した(供給工程)。
反応容器13のシリンダー設定温度は、原材料供給部付近100℃、先端部80℃とし、反応容器13内の反応物の平均滞留時間は1,200秒間とした(重合工程)。
反応容器13の先端に、計量ポンプ14及び押付口金を取り付けた。計量ポンプ14のポリマー送り速度は200g/分間であった。
押付口金から吐出されたストランドを、有機触媒除去手段15として25℃の水が入ったトレイ中に浸漬し、水を循環させながら30分間通した(有機触媒除去工程)。
次に、得られたストランドをストランドカッター16で切断して、ペレット化し、実施例1のポリマーを作製した。
得られたポリマーについて、以下のようにして、ポリマーの諸物性(数平均分子量Mn、分子量分布Mw/Mn、ポリマー転化率)、有機触媒の残存量を測定した。また、以下のようにして、連続運転性、及び有機触媒の水溶性を評価した。結果を表1に示した。
<ポリマーの分子量>
GPC(Gel Permeation Chromatography)により以下の条件で測定した。
・装置:GPC−8020(東ソー株式会社製)
・カラム:TSK G2000HXL及びG4000HXL(東ソー株式会社製)
・温度:40℃
・溶媒:THF(テトラヒドロフラン)
・流速:1.0mL/分
濃度0.5質量%の試料を1mL注入し、上記の条件で測定したポリマーの分子量分布から単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用してポリマーの数平均分子量Mn、重量平均分子量Mwを算出した。分子量分布はMwをMnで除した値Mw/Mnである。
<開環重合性モノマーのポリマー転化率(モル%)=100モル%−未反応の開環重合性モノマー量(モル%)>
ポリ乳酸の場合、未反応の開環重合性モノマー量(モル%)は、重クロロホルム中、日本電子株式会社社製の核磁気共鳴装置JNM−AL300を使用し、ポリ乳酸由来の四重線ピーク面積比(5.10ppm〜5.20ppm)に対するラクチド由来の四重線ピーク面積比(4.98ppm〜5.05ppm)として算出し、これを100倍したものである。100モル%−未反応の開環重合性モノマー量(モル%)から、開環重合性モノマーのポリマー転化率(モル%)を求めた。
ポリカプロラクトンの場合、未反応の開環重合性モノマー量(モル%)は、重クロロホルム中、日本電子株式会社製の核磁気共鳴装置JNM−AL300を使用し、ポリカプロラクトン由来の三重線ピーク面積比(4.04ppm〜4.08ppm)に対するカプロラクトン由来の三重線ピーク面積比(4.22ppm〜4.25ppm)として算出し、これを100倍したものである。100モル%−未反応の開環重合性モノマー量(モル%)から、開環重合性モノマーのポリマー転化率(モル%)を求めた。
ポリカーボネートの場合、未反応の開環重合性モノマー量(モル%)は、重クロロホルム中、日本電子株式会社製の核磁気共鳴装置JNM−AL300を使用し、ポリカーボネート由来の四重線ピーク面積比(4.22ppm〜4.25ppm)に対するエチレンカーボネート由来の一重線ピーク面積比(4.54ppm)として算出し、これを100倍したものである。100モル%−未反応の開環重合性モノマー量(モル%)から、開環重合性モノマーのポリマー転化率(モル%)を求めた。
<連続運転性>
図3に示す連続重合装置100を用いて、8時間連続運転を行った後、溶融混合装置9を分解し、スクリュウ及び単管部分にゲル化物が付着しているかどうかを目視観察し、下記基準で連続運転性を評価した。
[評価基準]
○:ゲル化物の付着が無く、連続運転性が良好である
×:ゲル化物の付着があり、連続運転性が劣る
<有機触媒の残存量>
ポリ乳酸の場合、有機触媒の残存量(質量%)は、重クロロホルム中、日本電子株式会社製の核磁気共鳴装置JNM−AL300を使用し、ポリ乳酸由来の四重線ピーク面積(5.10ppm〜5.20ppm)に対する有機触媒に由来するピークの面積の比として算出し、これを100倍したものである。
有機触媒が1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデカ−7−エン(DBU)の場合にはアミジン骨格に隣接する2つ分のプロトンに起因するピーク(2.38ppm)を、有機触媒が1,4−ジアザビシクロ−[2,2,2]オクタン(DABCO)の場合にはアルキル基のプロトンに起因するピーク(2.786ppm)を、有機触媒がN,N−ジメチル−4−アミノピリジン(DMAP)の場合にはメチル基のプロトンに起因するピーク(2.963ppm)を有機触媒に由来するピークとした。有機触媒が1,5,7−トリアザビシクロ[4,4,0]デカ−5−エン(TBD)の場合にはアルキル基のプロトンに起因するピーク(3ppm付近)を有機触媒に由来するピークとした。有機触媒が4−ピロリジノピリジン(PPY)の場合にはアルキル基のプロトンに起因するピーク(3.273ppm)を有機触媒に由来するピークとした。
ポリカプロラクトンの場合、有機触媒の残存量(質量%)は、重クロロホルム中、日本電子株式会社製の核磁気共鳴装置JNM−AL300を使用し、ポリカプロラクトン由来の三重線ピーク面積比(4.04ppm〜4.08ppm)に対する有機触媒に由来するピークの面積の比として算出し、これを100倍したものである。
ポリカーボネートの場合、有機触媒の残存量(質量%)は、重クロロホルム中、日本電子株式会社製の核磁気共鳴装置JNM−AL300を使用し、ポリカーボネート由来の四重線ピーク面積比(4.22ppm〜4.25ppm)に対する有機触媒に由来するピークの面積の比として算出し、これを100倍したものである。
<有機触媒の水溶性>
25℃の蒸留水100gに対して、有機触媒が何g溶解するかを測定し、以下の基準で水溶性を評価した。なお、有機触媒が溶解したか否かは、目視観察により、固形分がなくなり、透明であることで判定した。
○:有機触媒が3g以上溶解し、水溶性である
×:有機触媒が3g未満溶解し、非水溶性である
(実施例2)
実施例1において、反応容器13のシリンダー設定温度を、原材料供給部付近60℃、先端部40℃とした以外は、実施例1と同様にして、実施例2のポリマーを作製した。
得られたポリマーについて、実施例1と同様にして、ポリマーの諸物性(数平均分子量Mn、分子量分布Mw/Mn、ポリマー転化率)、有機触媒の残存量を測定した。また、実施例1と同様にして、連続運転性、及び有機触媒の水溶性を評価した。結果を表1に示した。
(実施例3)
実施例1において、反応容器13のシリンダー設定温度を、原材料供給部付近80℃、先端部60℃とした以外は、実施例1と同様にして、実施例3のポリマーを作製した。
得られたポリマーについて、実施例1と同様にして、ポリマーの諸物性(数平均分子量Mn、分子量分布Mw/Mn、ポリマー転化率)、有機触媒の残存量を測定した。また、実施例1と同様にして、連続運転性、及び有機触媒の水溶性を評価した。結果を表1に示した。
(実施例4)
実施例1において、反応容器13のシリンダー設定温度を、原材料供給部付近120℃、先端部100℃とした以外は、実施例1と同様にして、実施例4のポリマーを作製した。
得られたポリマーについて、実施例1と同様にして、ポリマーの諸物性(数平均分子量Mn、分子量分布Mw/Mn、ポリマー転化率)、有機触媒の残存量を測定した。また、実施例1と同様にして、連続運転性、及び有機触媒の水溶性を評価した。結果を表1に示した。
(実施例5)
実施例1において、系内の圧力(シリンダー内圧)が10MPaとなるように炭酸ガスを供給した以外は、実施例1と同様にして、実施例5のポリマーを作製した。
得られたポリマーについて、実施例1と同様にして、ポリマーの諸物性(数平均分子量Mn、分子量分布Mw/Mn、ポリマー転化率)、有機触媒の残存量を測定した。また、実施例1と同様にして、連続運転性、及び有機触媒の水溶性を評価した。結果を表2に示した。
(実施例6)
実施例1において、系内の圧力(シリンダー内圧)が20MPaとなるように炭酸ガスを供給した以外は、実施例1と同様にして、実施例6のポリマーを作製した。
得られたポリマーについて、実施例1と同様にして、ポリマーの諸物性(数平均分子量Mn、分子量分布Mw/Mn、ポリマー転化率)、有機触媒の残存量を測定した。また、実施例1と同様にして、連続運転性、及び有機触媒の水溶性を評価した。結果を表2に示した。
(実施例7)
実施例1において、系内の圧力(シリンダー内圧)が30MPaとなるように炭酸ガスを供給した以外は、実施例1と同様にして、実施例7のポリマーを作製した。
得られたポリマーについて、実施例1と同様にして、ポリマーの諸物性(数平均分子量Mn、分子量分布Mw/Mn、ポリマー転化率)、有機触媒の残存量を測定した。また、実施例1と同様にして、連続運転性、及び有機触媒の水溶性を評価した。結果を表2に示した。
(実施例8)
実施例1において、反応物の平均滞留時間を600秒間とし、ポリマー送り速度を400g/分間とした以外は、実施例1と同様にして、実施例8のポリマーを作製した。
得られたポリマーについて、実施例1と同様にして、ポリマーの諸物性(数平均分子量Mn、分子量分布Mw/Mn、ポリマー転化率)、有機触媒の残存量を測定した。また、実施例1と同様にして、連続運転性、及び有機触媒の水溶性を評価した。結果を表3に示した。
(実施例9)
実施例1において、反応物の平均滞留時間を800秒間とし、ポリマー送り速度を300g/分間とした以外は、実施例1と同様にして、実施例9のポリマーを作製した。
得られたポリマーについて、実施例1と同様にして、ポリマーの諸物性(数平均分子量Mn、分子量分布Mw/Mn、ポリマー転化率)、有機触媒の残存量を測定した。また、実施例1と同様にして、連続運転性、及び有機触媒の水溶性を評価した。結果を表3に示した。
(実施例10)
実施例1において、反応物の平均滞留時間を2,400秒間とし、ポリマー送り速度を100g/分間とした以外は、実施例1と同様にして、実施例10のポリマーを作製した。
得られたポリマーについて、実施例1と同様にして、ポリマーの諸物性(数平均分子量Mn、分子量分布Mw/Mn、ポリマー転化率)、有機触媒の残存量を測定した。また、実施例1と同様にして、連続運転性、及び有機触媒の水溶性を評価した。結果を表3に示した。
(実施例11)
実施例1において、開始剤としてのラウリルアルコールの量をラクチドに対して1.0mol%にした以外は、実施例1と同様にして、実施例11のポリマーを作製した。
得られたポリマーについて、実施例1と同様にして、ポリマーの諸物性(数平均分子量Mn、分子量分布Mw/Mn、ポリマー転化率)、有機触媒の残存量を測定した。また、実施例1と同様にして、連続運転性、及び有機触媒の水溶性を評価した。結果を表4に示した。
(実施例12)
実施例1において、開始剤としてのラウリルアルコールの量をラクチドに対して0.2mol%にした以外は、実施例1と同様にして、実施例12のポリマーを作製した。
得られたポリマーについて、実施例1と同様にして、ポリマーの諸物性(数平均分子量Mn、分子量分布Mw/Mn、ポリマー転化率)、有機触媒の残存量を測定した。また、実施例1と同様にして、連続運転性、及び有機触媒の水溶性を評価した。結果を表4に示した。
(実施例13)
実施例1において、開始剤としてのラウリルアルコールの量をラクチドに対して0.1mol%にした以外は、実施例1と同様にして、実施例13のポリマーを作製した。
得られたポリマーについて、実施例1と同様にして、ポリマーの諸物性(数平均分子量Mn、分子量分布Mw/Mn、ポリマー転化率)、有機触媒の残存量を測定した。また、実施例1と同様にして、連続運転性、及び有機触媒の水溶性を評価した。結果を表4に示した。
(実施例14)
実施例1において、触媒をDBUから1,4−ジアザビシクロ−[2,2,2]オクタン(DABCO)に代えた以外は、実施例1と同様にして、実施例14のポリマーを作製した。
得られたポリマーについて、実施例1と同様にして、ポリマーの諸物性(数平均分子量Mn、分子量分布Mw/Mn、ポリマー転化率)、有機触媒の残存量を測定した。また、実施例1と同様にして、連続運転性、及び有機触媒の水溶性を評価した。結果を表5に示した。
(実施例15)
実施例1において、触媒をDBUからN,N−ジメチル−4−アミノピリジン(DMAP)に代えた以外は、実施例1と同様にして、実施例15のポリマーを作製した。
得られたポリマーについて、実施例1と同様にして、ポリマーの諸物性(数平均分子量Mn、分子量分布Mw/Mn、ポリマー転化率)、有機触媒の残存量を測定した。また、実施例1と同様にして、連続運転性、及び有機触媒の水溶性を評価した。結果を表5に示した。
(実施例16)
実施例1において、触媒をDBUから4−ピロリジノピリジン(PPY)に代えた以外は、実施例1と同様にして、実施例16のポリマーを作製した。
得られたポリマーについて、実施例1と同様にして、ポリマーの諸物性(数平均分子量Mn、分子量分布Mw/Mn、ポリマー転化率)、有機触媒の残存量を測定した。また、実施例1と同様にして、連続運転性、及び有機触媒の水溶性を評価した。結果を表5に示した。
(実施例17)
実施例1において、有機触媒除去工程として、押付口金から吐出されたストランドを、有機触媒除去手段15として60℃の水が入ったトレイ中に浸漬し、水を循環させながら30分間通した以外は、実施例1と同様にして、実施例17のポリマーを作製した。
得られたポリマーについて、実施例1と同様にして、ポリマーの諸物性(数平均分子量Mn、分子量分布Mw/Mn、ポリマー転化率)、有機触媒の残存量を測定した。また、実施例1と同様にして、連続運転性、及び有機触媒の水溶性を評価した。結果を表6に示した。
(実施例18)
実施例1において、有機触媒除去工程として、押付口金から吐出されたストランドを、有機触媒除去手段15として10℃の水が入ったトレイ中に浸漬し、水を循環させながら30分間通した以外は、実施例1と同様にして、実施例18のポリマーを作製した。
得られたポリマーについて、実施例1と同様にして、ポリマーの諸物性(数平均分子量Mn、分子量分布Mw/Mn、ポリマー転化率)、有機触媒の残存量を測定した。また、実施例1と同様にして、連続運転性、及び有機触媒の水溶性を評価した。結果を表6に示した。
(実施例19)
実施例1において、有機触媒除去工程として、押付口金から吐出されたストランドを、有機触媒除去手段15として70℃の水が入ったトレイ中に浸漬し、水を循環させながら30分間通した以外は、実施例1と同様にして、実施例19のポリマーを作製した。
得られたポリマーについて、実施例1と同様にして、ポリマーの諸物性(数平均分子量Mn、分子量分布Mw/Mn、ポリマー転化率)、有機触媒の残存量を測定した。また、実施例1と同様にして、連続運転性、及び有機触媒の水溶性を評価した。結果を表6に示した。
(実施例20)
実施例1において、有機触媒除去工程として、押付口金から吐出されたストランドを、有機触媒除去手段15として25℃の水が入ったトレイ中で水を循環させないで30分間浸漬した以外は、実施例1と同様にして、実施例20のポリマーを作製した。
得られたポリマーについて、実施例1と同様にして、ポリマーの諸物性(数平均分子量Mn、分子量分布Mw/Mn、ポリマー転化率)、有機触媒の残存量を測定した。また、実施例1と同様にして、連続運転性、及び有機触媒の水溶性を評価した。結果を表6に示した。
(実施例21)
実施例1において、有機触媒除去工程として、押付口金から吐出されたストランドを、有機触媒除去手段15として25℃の水が入ったトレイ中に浸漬し、水を循環させながら10分間通した以外は、実施例1と同様にして、実施例21のポリマーを作製した。
得られたポリマーについて、実施例1と同様にして、ポリマーの諸物性(数平均分子量Mn、分子量分布Mw/Mn、ポリマー転化率)、有機触媒の残存量を測定した。また、実施例1と同様にして、連続運転性、及び有機触媒の水溶性を評価した。結果を表7に示した。
(実施例22)
実施例1において、有機触媒除去工程として、押付口金から吐出されたストランドを、有機触媒除去手段15として25℃の水が入ったトレイ中に浸漬し、水を循環させながら60分間通した以外は、実施例1と同様にして、実施例22のポリマーを作製した。
得られたポリマーについて、実施例1と同様にして、ポリマーの諸物性(数平均分子量Mn、分子量分布Mw/Mn、ポリマー転化率)、有機触媒の残存量を測定した。また、実施例1と同様にして、連続運転性、及び有機触媒の水溶性を評価した。結果を表7に示した。
(実施例23)
実施例1において、モノマー種をラクチドからε−カプロラクトン(融点−1℃)に代え、有機触媒をDBUからTBDに代えた以外は、実施例1と同様にして、実施例23のポリマーを作製した。
得られたポリマーについて、実施例1と同様にして、ポリマーの諸物性(数平均分子量Mn、分子量分布Mw/Mn、ポリマー転化率)、有機触媒の残存量を測定した。また、実施例1と同様にして、連続運転性、及び有機触媒の水溶性を評価した。結果を表8に示した。
(実施例24)
実施例1において、モノマー種をラクチドからエチレンカーボネート(融点34℃〜37℃)に代えた以外は、実施例1と同様にして、実施例24のポリマーを作製した。
得られたポリマーについて、実施例1と同様にして、ポリマーの諸物性(数平均分子量Mn、分子量分布Mw/Mn、ポリマー転化率)、有機触媒の残存量を測定した。また、実施例1と同様にして、連続運転性、及び有機触媒の水溶性を評価した。結果を表8に示した。
(比較例1)
実施例1において、吐出口から吐出したストランドを有機触媒除去手段15に通さず(有機触媒除去工程を行わない)、吐出口から吐出したストランドを直接ストランドカッター16に搬送し、切断してポリマーをペレット化し、比較例1のポリマーを作製した。
得られたポリマーについて、実施例1と同様にして、ポリマーの諸物性(数平均分子量Mn、分子量分布Mw/Mn、ポリマー転化率)、有機触媒の残存量を測定した。また、実施例1と同様にして、連続運転性、及び有機触媒の水溶性を評価した。結果を表9に示した。
(実施例25)
−紡糸−
実施例1で作製したポリマーを用い、簡易型溶融紡糸機(東洋精機株式会社製、キャピログラフ1D PMD−C)にて紡糸し、温風式延伸機で延伸して、モノフィラメントを得た。
得られたモノフィラメントについて、以下のようにして、残留有機溶媒量を測定したところ、検出限界以下であった。
<残留有機溶媒量の測定方法>
前記モノフィラメントを1質量部に2−プロパノール2質量部を加え、超音波で30分間分散させた後、冷蔵庫(5℃)にて1日間以上保存し、前記モノフィラメントの溶媒を抽出した。上澄み液をガスクロマトグラフィ(GC−14A、株式会社島津製作所製)で分析し、前記モノフィラメント中の溶媒を定量することにより溶媒濃度を測定した。前記分析時の測定条件は、以下の通りである。
・装置 :島津GC−14A
・カラム :CBP20−M 50−0.25
・検出器 :FID
・注入量 :1μL〜5μL
・キャリアガス :He 2.5kg/cm
・水素流量 :0.6kg/cm
・空気流量 :0.5kg/cm
・チャートスピード:5mm/min
・感度 :Range101×Atten20
・カラム温度 :40℃
・Injection Temp :150℃
また、得られたモノフィラメントについて、ICP発光分析法により、金属触媒由来の金属原子の検出を試みたところ、検出限界以下であった。
得られたモノフィラメントは、金属触媒及び有機溶媒が含まれず、残存開環重合性モノマー量も極めて少なく、有機触媒の残存量も少なく、安全性及び安定性に優れたものであった。
(実施例26)
−フィルム成形−
実施例1で作製したポリマーを用い、インフレ成形機(エンプラ産業株式会社製、形式E30SP)にて、成形温度200℃で、厚みが100μmのフィルムを作製した。
得られたフィルムについて、実施例25と同様にして、残留有機溶媒量を測定したところ、検出限界以下であった。
また、得られたフィルムについて、ICP発光分析法により、金属触媒由来の金属原子の検出を試みたところ、検出限界以下であった。
得られたフィルムは、金属触媒及び有機溶媒が含まれず、残存開環重合性モノマー量も極めて少なく、有機触媒の残存量も少なく、安全性及び安定性に優れたものであった。
本発明の態様としては、以下のとおりである。
<1> 反応容器内に、開環重合性モノマーと、圧縮性流体とを連続的に供給する供給工程と、
前記開環重合性モノマーと、前記圧縮性流体とを混合して、金属原子を含まない有機触媒の存在下、前記開環重合性モノマーを開環重合させ連続的にポリマーを得る重合工程と、
前記ポリマー中の有機触媒を連続的に除去する有機触媒除去工程と、
を含むことを特徴とするポリマーの連続的製造方法である。
<2> 前記有機触媒除去工程が、前記重合工程によって連続的に得られたポリマーに対し流体を連続的に接触させることにより行われる前記<1>に記載のポリマーの連続的製造方法である。
<3> 前記流体が、20℃〜60℃の水である前記<2>に記載のポリマーの連続的製造方法である。
<4> 前記有機触媒が、塩基性を有する求核性の窒素化合物である前記<1>から<3>のいずれかに記載のポリマーの連続的製造方法である。
<5> 前記有機触媒が、水溶性である前記<1>から<4>のいずれかに記載のポリマーの連続的製造方法である。
<6> 前記重合工程において開環重合させる際の反応温度の下限が40℃以上であって、前記反応温度の上限が100℃以下、及び前記開環重合性モノマーの融点より30℃高い温度以下のいずれかである前記<1>から<5>のいずれかに記載のポリマーの連続的製造方法である。
<7> 前記開環重合性モノマーのポリマー転化率が、98モル%以上である前記<1>から<6>のいずれかに記載のポリマーの連続的製造方法である。
<8> 前記圧縮性流体が、二酸化炭素を含有する前記<1>から<7>のいずれかに記載のポリマーの連続的製造方法である。
<9> 前記開環重合性モノマーが、カルボニル構造を環内に有するモノマーである前記<1>から<8>のいずれかに記載のポリマーの連続的製造方法である。
<10> 前記<1>から<9>のいずれかに記載のポリマーの連続製造方法により製造され、数平均分子量が、12,000以上であることを特徴とするポリマーである。
<11> 前記ポリマーの有機触媒の残存量が1.2質量%未満である前記<10>に記載のポリマーである。
<12> 反応容器内に、開環重合性モノマーと、圧縮性流体とを連続的に供給する供給手段と、
供給された前記開環重合性モノマーと、前記圧縮性流体とを混合して、金属原子を含まない有機触媒の存在下、前記開環重合性モノマーを開環重合させ連続的にポリマーを得る重合手段と、
前記ポリマー中の有機触媒を連続的に除去する有機触媒除去手段と、
を有することを特徴とするポリマーの連続的製造装置である。
<13> 前記<1>から<11>のいずれかに記載のポリマーの連続的製造方法により、ポリマーを製造するポリマー製造工程と、
前記ポリマーを繊維に紡糸する紡糸工程と、
を含むことを特徴とする繊維の製造方法である。
<14> 前記<1>から<11>のいずれかに記載のポリマーの連続的製造方法により、ポリマーを製造するポリマー製造工程と、
前記ポリマーをフィルムに成形する成形工程と、
を含むことを特徴とするフィルムの製造方法である。
1 タンク
2 計量フィーダー
3 タンク
4 計量フィーダー
5 タンク
6 計量ポンプ
7 タンク
8 計量ポンプ
9 溶融混合装置
10 送液ポンプ
11 タンク
12 計量ポンプ
13 反応容器
14 計量ポンプ
15 有機触媒除去手段
16 ストランドカッター
17 ポリマー
100 重合反応装置
特開平8−259679号公報 特開2008−63420号公報 特開2009−1619号公報 特開2004−277698号公報
Ganapathy,H.S.;Hwang,H.S.;Jeong,Y.T.;LEE,W−T.;Lim,K.T.Eur Polym J.2007,43(1),119−126. Idriss Blakey, Anguang Yu, Steven M.Howdle, Andrew K.Whittakera and Kristofer J.Thurechta,Green Chemistry,2011,Advance Article

Claims (12)

  1. 反応容器内に、開環重合性モノマーと、圧縮性流体とを連続的に供給する供給工程と、
    前記開環重合性モノマーと、前記圧縮性流体とを混合して、金属原子を含まない有機触媒の存在下、前記開環重合性モノマーを開環重合させ連続的にポリマーを得る重合工程と、
    前記ポリマー中の有機触媒を連続的に除去する有機触媒除去工程と、を含み、
    前記有機触媒除去工程が、前記重合工程によって連続的に得られたポリマーを10℃〜70℃の水に10分間〜60分間浸漬させることにより行われ、
    前記有機触媒が、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデカ−7−エン、1,4−ジアザビシクロ−[2,2,2]オクタン、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン、4−ピロリジノピリジン、及び1,5,7−トリアザビシクロ[4,4,0]デカ−5−エンから選択される少なくとも1種であることを特徴とするポリマーの連続的製造方法。
  2. 前記水に浸漬させる時間が、30分間〜60分間である請求項1に記載のポリマーの連続的製造方法。
  3. 前記水の温度が、20℃〜60℃である請求項1から2のいずれかに記載のポリマーの連続的製造方法。
  4. 前記浸漬が、水を循環させることにより行われる請求項1から3のいずれかに記載のポリマーの連続的製造方法。
  5. 前記有機触媒が、水溶性である請求項1から4のいずれかに記載のポリマーの連続的製造方法。
  6. 前記重合工程において開環重合させる際の反応温度の下限が40℃以上であって、前記反応温度の上限が100℃以下、及び前記開環重合性モノマーの融点より30℃高い温度以下のいずれかである請求項1から5のいずれかに記載のポリマーの連続的製造方法。
  7. 前記開環重合性モノマーのポリマー転化率が、98モル%以上である請求項1から6のいずれかに記載のポリマーの連続的製造方法。
  8. 前記圧縮性流体が、二酸化炭素を含有する請求項1から7のいずれかに記載のポリマーの連続的製造方法。
  9. 前記開環重合性モノマーが、カルボニル構造を環内に有するモノマーである請求項1から8のいずれかに記載のポリマーの連続的製造方法。
  10. 反応容器内に、開環重合性モノマーと、圧縮性流体とを連続的に供給する供給手段と、
    供給された前記開環重合性モノマーと、前記圧縮性流体とを混合して、金属原子を含まない有機触媒の存在下、前記開環重合性モノマーを開環重合させ連続的にポリマーを得る重合手段と、
    前記ポリマー中の有機触媒を連続的に除去する有機触媒除去手段と、を有し、
    前記有機触媒除去手段が、前記重合手段によって連続的に得られたポリマーを10℃〜70℃の水に浸漬させることにより行われ、
    前記有機触媒が、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデカ−7−エン、1,4−ジアザビシクロ−[2,2,2]オクタン、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン、4−ピロリジノピリジン、及び1,5,7−トリアザビシクロ[4,4,0]デカ−5−エンから選択される少なくとも1種であることを特徴とするポリマーの連続的製造装置。
  11. 請求項1から9のいずれかに記載のポリマーの連続的製造方法により、ポリマーを製造するポリマー製造工程と、
    前記ポリマーを繊維に紡糸する紡糸工程と、
    を含むことを特徴とする繊維の製造方法。
  12. 請求項1から9のいずれかに記載のポリマーの連続的製造方法により、ポリマーを製造するポリマー製造工程と、
    前記ポリマーをフィルムに成形する成形工程と、
    を含むことを特徴とするフィルムの製造方法。
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