JP6087318B2 - 加熱調理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、自動調理モードによる加熱調理機能を有する加熱調理装置に関する。
従来より、所定の調理パターンに従って加熱部の加熱力及び加熱時間を調節する自動調理モードによる加熱調理を実行する加熱調理装置が知られている(例えば、特許文献1,2参照)。これらの加熱調理装置においては、使用者の操作によって自動調理モードが設定されるようになっている。
特許文献1,2に記載された加熱調理装置においては、水が入れられた調理容器をコンロバーナに載せた状態で、使用者により、自動調理モードとして例えば麺茹でモードが設定された後に点消火キーが押されると、コンロバーナの点火処理が行われ、麺茹でモードによる加熱調理が実行される。
麺茹でモードによる加熱調理において、前記加熱調理装置は、まず、調理容器の温度を検出する温度センサによる検出温度が、第1設定温度(例えば70℃)から第2設定温度(例えば90℃)まで上昇するときに要した温度上昇時間を測定する。次に、前記加熱調理装置は、前記温度上昇時間と、前記検出温度が第1設定温度から第2設定温度まで上昇するときに要したコンロバーナの加熱力との関係から、前記調理容器内の水量を算出する。そして、前記加熱調理装置は、算出された水量に基づいて決定される、調理容器からの吹き零れを防ぐための調理パターンに従って、麺茹でモードによる加熱調理を実行する。
特開2013−134049号公報 特開2006−064276号公報
特許文献1,2に記載された加熱調理装置において、使用者が、点消火キーを押す前に麺茹でモードを設定し忘れていて、前記温度センサの検出温度が第1設定温度を超えた後に麺茹でモードを設定しようとすることがある。
しかしながら、前記加熱調理装置においては、前記温度センサの検出温度が第1設定温度を超えた後は、前記温度上昇時間を測定することができず前記調理容器内の水量を算出できないことから、前記温度センサの検出温度が第1設定温度を超えた後は麺茹でモード等の自動調理モードの設定自体を行えない仕様となっており、使用者の使い勝手が悪いという不都合がある。
本発明はかかる背景に鑑みてなされたものであり、加熱調理が開始された後における自動調理モードの設定可能時間が長く、使用者の使い勝手に優れた加熱調理装置を提供することを目的とする。
本発明は上記目的を達成するためになされたものであり、第1発明の加熱調理装置は、
被調理物が入れられた調理容器を加熱する加熱部と、
前記調理容器又は前記調理容器内の被調理物の温度を検出する温度センサと、
使用者の操作に応じて、所定の調理パターンに従って前記加熱部の加熱力及び加熱時間を調節する自動調理モードが設定された状態と、前記自動調理モードが設定されていない状態とを切り替える調理モード設定部と、
前記自動調理モードが設定されているか否かに係わらず、前記加熱部による前記調理容器の加熱が開始されたときに、前記温度センサの検出温度の上昇速度である昇温速度を測定する昇温速度測定部と、
前記昇温速度測定部により測定された昇温速度と、前記昇温速度を測定する際の前記加熱部の加熱力とに基づいて、前記調理容器内の被調理物量を算出する被調理物量算出部と、
前記自動調理モードが設定されたときに、前記被調理物量算出部により算出された前記被調理物量に基づいて決定した前記調理パターンに従って、前記自動調理モードによる加熱調理を実行する調理運転実行部と
を備えたことを特徴とする。
第1発明の加熱調理装置において、昇温速度測定部は、前記自動調理モードが設定されているか否かに係わらず、前記加熱部による前記調理容器の加熱が開始されたときに、前記調理容器内の被調理物の温度を検出する温度センサの検出温度の上昇速度である昇温速度を測定する。
そのため、前記調理容器の加熱が開始され前記温度センサの検出温度が上述の第1設定温度を超えた後に自動調理モードが設定された場合であっても、被調理物量算出部によって、前記昇温速度に基づいて前記調理容器内の被調理物量を算出することができる。そして、調理運転実行部によって、前記被調理物量に基づいて調理パターンを決定し、自動調理モードによる加熱調理を実行することができる。
したがって、第1発明の加熱調理装置によれば、加熱調理が開始された後における自動調理モードの設定可能時間を長くすることができ、使用者の使い勝手が優れている。
また、前記目的を達成するために、第2発明の加熱調理装置は、
被調理物が入れられた調理容器を加熱する加熱部と、
前記調理容器又は前記調理容器内の被調理物の温度を検出する温度センサと、
使用者の操作に応じて、所定の調理パターンに従って前記加熱部の加熱力及び加熱時間を調節する自動調理モードが設定された状態と、前記自動調理モードが設定されていない状態とを切り替える調理モード設定部と、
前記自動調理モードが設定されているか否かに係わらず、前記加熱部による前記調理容器の加熱が開始されたときに、前記温度センサの検出温度の上昇速度である昇温速度を測定する昇温速度測定部と、
前記自動調理モードが設定されているか否かに係わらず、前記加熱部による調理容器の加熱が開始されたときに、前記温度センサの検出温度に基づいて、前記被調理物の沸騰を検知する沸騰検知部と、
前記昇温速度測定部により測定された昇温速度と、前記昇温速度を測定する際の前記加熱部の加熱力とに基づいて、前記調理容器内の被調理物量を算出する被調理物量算出部と、
前記沸騰検知部により前記被調理物の沸騰が検知される前に、前記自動調理モードが設定されたときは、前記沸騰検知部により前記被調理物の沸騰が検知された後に、前記被調理物量算出部により算出された前記被調理物量に基づいて決定した前記調理パターンに従って前記自動調理モードによる加熱調理を実行し、前記沸騰検知部により前記被調理物の沸騰が検知された後に、前記自動調理モードが設定されたときは、直ちに前記被調理物量算出部により算出された前記被調理物量に基づいて決定した前記調理パターンに従って前記自動調理モードによる加熱調理を実行する調理運転実行部と
を備えたことを特徴とする。
第2発明の加熱調理装置において、昇温速度測定部は、前記自動調理モードが設定されているか否かに係わらず、前記加熱部による前記調理容器の加熱が開始されたときに、前記調理容器内の被調理物の温度を検出する温度センサの検出温度の上昇速度である昇温速度を測定する。また、沸騰検知部は、前記自動調理モードが設定されているか否かに係わらず、前記加熱部による調理容器の加熱が開始されたときに、前記温度センサの検出温度に基づいて、前記被調理物の沸騰を検知する。
そのため、前記調理容器の加熱が開始され前記温度センサの検出温度が上述の第1設定温度を超えた場合であっても、被調理物量算出部によって、前記昇温速度に基づいて前記調理容器内の被調理物量を算出することができる。
また、第2発明の加熱調理装置によれば、被調理物の沸騰が検知された後に自動調理モードが設定された場合に、再度被調理物の沸騰を検知することなく、速やかに、自動調理モードによる加熱調理を開始することができ、使用者の使い勝手が優れている。
ところで、第2発明の加熱調理装置において、前記沸騰検知部により前記被調理物の沸騰が最初に検知されたときから所定時間以上が経過すると、前記調理容器内の前記被調理物が蒸発して前記被調理物量算出部により算出された被調理物量よりも大幅に少なくなってしまうことがある。その場合には、前記自動調理モードによる加熱調理を実行する際に、実際の被調理物量に対して加熱部による加熱力が大きくなり過ぎて吹き零れが生じる等の問題が生じることがある。
そこで、第2発明の加熱調理装置において、前記調理モード設定部は、前記沸騰検知部により前記被調理物の沸騰が検知された時から所定時間が経過した後は、前記自動調理モードの設定を不能とすることが好ましい。このようにすることにより、前記問題が生じることを防ぐことができる。
加熱調理装置(ガスコンロ)の構成図。 加熱調理装置に設けられた操作パネル及び表示パネルの説明図。 自動加熱処理及び前処理のフローチャート。 調理モード設定処理のフローチャート。
本発明の加熱調理装置であるガスコンロの実施形態について、図1〜図4を参照して説明する。図1を参照して、本実施形態のガスコンロ1は、例えばビルトインタイプであり、コンロ本体の天面に設けられた3個のコンロバーナ4(4L,4B,4R)と、コンロ本体に内蔵されたグリル5とを備えている。
3個のコンロバーナ4のうちの2個はコンロ本体の前側の左右に配置され、残りの1個はコンロ本体の後側に配置されている。また、グリル5は、庫内の上下に配置されたグリルバーナ6a,6bを備えている。
各コンロバーナ4の中心部には、五徳(図示しない)に載置される調理容器の温度を検出する温度センサ8が設けられている。各温度センサ8は、五徳に調理容器が載置されたときに調理容器に当接するように、図示しないバネにより上方に付勢されており、調理容器の底部の検出温度を示す温度検出信号を出力する。また、前記温度検出信号によって、調理容器の有無が検知される。
ここで、各温度センサ8は、調理容器内の被加熱部の温度を間接的に検出するものであるが、調理容器内の被加熱物の温度を直接的に検出する温度センサを採用してもよい。
なお、以下の説明では、3個のコンロバーナ4のうち、左側に配置されたコンロバーナ4を左コンロ4L、右側に配置されたコンロバーナ4を右コンロ4R、後側に配置されたコンロバーナ4を後コンロ4Bともいう。
また、左コンロ4Lに関連する構成要素の参照符号に“L”を付加し、右コンロ4Rに関連する構成要素の参照符号に“R”を付加し、後コンロ4Bに関連する構成要素の参照符号に“B”を付加し、グリル5に関連する構成要素の参照符合に“G”を付加する。例えば、“温度センサ8L”と表記した場合は、この温度センサ8Lが左コンロ4Lに対応した温度センサであることを示している。
コンロ本体の前面には、左コンロ4L用の点火・消火ボタン10L、右コンロ4R用の点火・消火ボタン10R、後コンロ4B用の点火・消火ボタン10B、及び、グリル5用の点火・消火ボタン11が配置されている。
コンロ用の点火・消火ボタン10L,10B,10Rは、いずれも押し操作と回転操作が可能な操作子であり、押し操作は対応するコンロバーナ4の点火又は消火を行うための操作である。また、回転操作は対応するコンロバーナ4の火力調節(コンロバーナ4への燃料ガスの供給流量の調節)を行うための操作である。
同様に、グリル用の点火・消火ボタン11も、押し操作と回転操作が可能な操作子であり、押し操作はグリルバーナ6a,6bの点火又は消火を行うための操作であり、回転操作はグリルバーナ6a,6bの火力調節(グリルバーナ6a,6bへの燃料ガスの供給量の調節)を行うための操作である。
さらに、本体の前面には、操作パネル12と表示パネル13が設けられている。図2(a)を参照して、操作パネル12は、ガスコンロ1の使用者が、コンロバーナ4を用い
た自動調理モードによる加熱調理(各種自動調理モードによる一連の調理運転)等に関する設定を行なうための操作パネルである。
操作パネル12は、左コンロ4L用の操作部14L、後コンロ4B用の操作部14B、及び右コンロ4R用の操作部14Rを備えている。なお、グリル5の操作部については図示及び説明を省略する。
操作部14L,14Rには、自動調理モードとして用意されている「湯沸かしモード」、「茹で物モード」、「麺茹でモード」、及び「麺茹で大モード」の選択を指示するための湯沸かしスイッチ60、タイマ時間(加熱調理の実行時間)の設定を指示するためのタイマスイッチ61、被調理物の温度を設定するための温度設定スイッチ62、タイマ時間と温度設定の変更を指示するためのUPスイッチ63とDOWNスイッチ64、及び温度センサ8L,8Rによる調理容器Wの有無の検知の解除を指示するための解除スイッチ65を備えている。
「湯沸かしモード」は、水が入れられた調理容器Wを加熱し、水の沸騰後に自動で保温・消火するモードである。「茹で物モード」は、水と根菜類等の被調理物とが入れられた調理容器Wを加熱し、水の沸騰状態が維持されるように加熱力を調節するモードである。「麺茹でモード」は、水が入れられた調理容器Wを加熱し、水の沸騰後にそば、うどん、パスタ等の麺類等の被調理物を調理容器Wに投入し、吹き零れを抑制しつつ沸騰状態が維持されるように加熱力を調節するモードである。「麺茹で大モード」は、調理容器Wのサイズに応じて設定される加熱量(火力及び加熱時間)が大きい以外は、麺茹でモードと同一である。
解除スイッチ65は、あぶり調理のように調理容器Wを使用しない調理や、炒め調理のように鍋を振るう調理をするときに、温度センサ8L,8Rによる調理容器Wの有無検知を禁止するためのものである。なお、温度センサ8L,8Rによる調理容器Wの有無検知が禁止されていない通常の状態では、調理容器Wが検知されていない状態での左コンロ4L,右コンロ4Rの点火が禁止される。
操作部14Bは、「炊飯モード」の選択を指示するための炊飯スイッチ70と、タイマ時間(加熱調理の実行時間)の設定を指示するためのタイマスイッチ71と、タイマ時間の変更等を指示するためのUPスイッチ72及びDOWNスイッチ73とを備えている。
次に、図2(b)を参照して、表示パネル13は、操作パネル12による左コンロ4L、右コンロ4R、後コンロ4B、及びグリル5の設定状況を表示する。
表示パネル13は、操作パネル12による設定操作がなされている対象について拡大表示をする。図2(b)は、左コンロ4Lの設定操作がなされている状態を示しており、左コンロ4Lの自動調理モードの選択状況を示す自動調理モード表示部80と、調理タイマの設定時間(タイマ時間)を示すタイマ表示部81が表示されている。図2(b)では、自動調理モードとして「麺茹でモード」が選択され、タイマ時間が5分に設定された状態を示している。
図1を参照して、ガスコンロ1は、左コンロ4L、後コンロ4B、及び右コンロ4Rに、それぞれ燃料ガスを供給するガス供給路31(31L,31B,31R)と、グリルバーナ6a,6bに燃料ガスを供給するガス供給路32と、ガスコンロ1の作動を制御するコントロールユニット50とを、コンロ本体の内部に備えている。
ガス供給路31,32は、外部から燃料ガスが供給されるメインガス供給路33から分岐しており、メインガス供給路33のガス供給路31,32への分岐箇所の上流側には、メインガス供給路33を開閉する元電磁弁36が設けられている。
ガス供給路31Lには、ガス供給路31Lを開閉する電磁弁34Lとガス供給路31Lを流通する燃料ガスの流量を調節する流量調節弁35Lとが設けられている。同様に、ガス供給路31Bには電磁弁34Bと流量調節弁35Bが設けられ、ガス供給路31Rには電磁弁34Rと流量調節弁35Rが設けられ、ガス供給路32には電磁弁34Gと流量調節弁35Gが設けられている。
また、左コンロ4Lに点火するための点火電極40L、後コンロ4Bに点火するための点火電極40B、右コンロ4Rに点火するための点火電極40R、及びグリルバーナ6a,6bに点火するための点火電極41a,41bが設けられている。
また、左コンロ4Lの燃焼状態を検出する熱電対42L、後コンロ4Bの燃焼状態を検出する熱電対42B、右コンロ4Rの燃焼炎の温度を検出する熱電対42R、及びグリル5の燃焼状態を検出する熱電対43a,43bが設けられている。
コントロールユニット50は、図示しないCPU,メモリ等により構成された電子回路ユニットであり、メモリに保持されたガスコンロ1の制御用プログラムを実行することによって、ガスコンロ1の作動を制御する機能を果たし、調理モード設定部51、昇温速度測定部52、被調理物量算出部53、沸騰検知部54、調理運転実行部55として機能する。
コントロールユニット50には、コンロ4R,4B,4L用の点火・消火ボタン10L,10B,10Rの操作信号、グリル5用の点火・消火ボタン11の操作信号、操作パネル12の操作信号、温度センサ8L,8B,8Rの温度検出信号、及び熱電対42L,42B,42R,43a,43bの温度検出信号等が入力される。
また、コントロールユニット50から出力される制御信号によって、電磁弁34L,34B,34R,34G、流量調節弁35L,35B,35R,35G、元電磁弁36、点火電極40L,40B,40R,41a,41b、及び表示パネル13等の作動が制御される。
調理モード設定部51は、操作パネル12の操作信号に基づいて、コンロバーナ4L,4Rの火力及び加熱時間を調節する自動調理モードが設定された状態と、前記自動調理モードが設定されていない状態とを切り替える。自動調理モードとして、「湯沸かしモード」、「茹で物モード」、「麺茹でモード」、「麺茹で大モード」のいずれか1つを設定することができる。
昇温速度測定部52は、温度センサ8の温度検出信号に基づいて温度センサ8の検出温度の上昇速度である昇温速度を測定する。
被調理物量算出部53は、昇温速度測定部52により測定された昇温速度と、昇温速度測定の際に被調理物の温度上昇に要したコンロバーナ4の加熱力との関係から、調理容器W内の被調理物量を算出する。
沸騰検知部54は、温度センサ8の検出温度から調理容器W内の水の沸騰を検知する。
調理運転実行部55は、算出された被調理物量に基づいて決定した調理パターンに従って、コンロバーナ4L,4Rの火力(加熱力)及び加熱時間を調節する自動調理モードによる加熱調理を実行する。コンロバーナ4L,4Rの火力は、火力が小さいものから大きいものへ1〜9段となっている。
次に、図3に示したフローチャートに従って、主として調理運転実行部55により実行される左コンロ4Lの麺茹でモードによる加熱調理運転(自動加熱調理運転)の処理について説明する。尚、右コンロ4Rの麺茹でモードによる加熱調理運転の処理も同様に実行される。
使用者が、調理容器WLとしての鍋に水を入れて左コンロ4Lの五徳の上に載置し、左コンロ4Lの点火・消火ボタン10L(図1参照)を点火操作すると、点火・消火ボタン10LがONになる。
調理運転実行部55は、点火・消火ボタン10LがONになると、STEP1に進む。
STEP1で、調理運転実行部55は、点火・消火ボタン10LがOFFである場合にはSTEP30に進み、点火・消火ボタン10LがOFFでない場合にはSTEP2に進む。STEP30で、調理運転実行部55は、コンロバーナ4Lを消火する。
STEP2で、調理運転実行部55は、沸騰検知部54により調理容器WL内の水の沸騰が検知されているか否かを判断し、水の沸騰が検知済みである場合にはSTEP3に進み、水の沸騰が未だ検知されていない場合にはSTEP4に進む。
STEP3では、調理運転実行部55は、沸騰検知部54により水の沸騰が検知された時からの経過時間が所定時間(例えば10分間)を超えたか否かを判断する。所定時間を超えていない場合にはSTEP4に進み、所定時間を超えている場合にはSTEP1に戻る。
STEP4では、調理運転実行部55は、調理モード設定部51により自動調理モードが設定されているか否かを判断する。自動調理モードが設定されていない場合には、STEP10に進んで前処理を行い、その後STEP1に戻る。一方、自動調理モードが設定されている場合には、STEP20に進んで自動加熱処理を行い、その後STEP30に進んでコンロバーナ4Lを消火する。
次に、STEP10で実行される前処理について説明する。
まず、STEP11で、調理運転実行部55は、昇温速度測定部52により、温度センサ8の温度検出信号に基づいて温度センサ8の検出温度の上昇速度である昇温速度を測定し、STEP12に進む。
昇温速度測定部52は、例えば、温度センサ8の検出温度が第1設定温度(例えば70℃)から第2設定温度(例えば90℃)まで上昇するときに要した温度上昇時間Δtを測定することにより、前記昇温速度を得ることができる。
STEP12で、調理運転実行部55は、被調理物量算出部53により、昇温速度測定部52により測定された昇温速度と、昇温速度測定の際に被調理物の温度上昇に要したコンロバーナ4の加熱力との関係から、調理容器WL内の被調理物量(水量)を算出し、STEP13に進む。
具体的には、被調理物量算出部53は、以下の表1に示した判定マップにより、昇温速度測定部52で測定した温度上昇時間Δtと、昇温速度測定時のコンロバーナ4の火力(1〜9段)とに基づいて、調理容器WLの水量(大・中・小)を判定する。
STEP13で、調理運転実行部55は、沸騰検知部54により、温度センサ8の検出温度から調理容器WL内の水の沸騰を検知し、その後、処理を終了する。
沸騰検知部54は、例えば特開2008−232560号公報に開示された手法により、昇温速度測定部52によって温度センサ8の検出温度が5℃上昇するのに要する加熱時間を測定し、前記加熱時間が所定時間を超えた場合に、調理容器WL内の水が沸騰したと判定する。
次に、STEP20で実行される自動加熱処理について説明する。
まず、STEP21で、調理運転実行部55は、前処理が終了したか否かを判断し、前処理が終了していない場合にはSTEP22に進み、前処理が終了している場合にはSTEP24に進む。
STEP22で、調理運転実行部55は、上述の前処理(STEP10)を行った後、STEP23に進む。
STEP23で、調理運転実行部55は、前処理が終了したか否かを判定し、前処理が終了していない場合にはSTEP22に戻り、前処理が終了している場合にはSTEP24に進む。
STEP24で、調理運転実行部55は、前記被調理物量に基づいて決定される調理パターンに従って、調理モード設定部51により設定された自動調理モードによる加熱調理を実行し、その後、処理を終了する。
前記調理パターンは、自動調理モードの種類(湯沸かしモード、茹で物モード、麺茹でモード、麺茹で大モード)と被調理物量(大、中、小)との組み合わせ毎に設定されている。前記調理パターンの一例を挙げると、調理モード設定部51により麺茹でモードが設定され被調理物量が大である場合には、小火(2段)で第1加熱時間加熱した後に大火(4段)で第2加熱時間加熱することを第1所定回数繰り返した後に、小火(2段)で第3加熱時間加熱しさらに大火(4段)で第4加熱時間加熱することを第2所定回数繰り返す。
次に、図4に示したフローチャートに従って、調理モード設定部51により実行される調理モード設定処理について説明する。
使用者が湯沸かしスイッチ60(図2(a)参照)を操作すると、湯沸かしスイッチ60がONになる。
調理モード設定部51は、STEP41で、湯沸かしスイッチ60がONされたか否かを判断し、ONされていなければSTEP41に戻り、ONされていればSTEP42に進む。
STEP42で、調理モード設定部51は、沸騰検知部54により水の沸騰が検知された時からの経過時間が所定時間(例えば10分間)を超えたか否かを判断し、所定時間を超えた場合にはSTEP43に進み、所定時間を超えていない場合にはSTEP44に進む。
STEP43で、調理モード設定部51は、表示パネル13に自動調理モードを設定できない旨のエラーを表示し、処理を終了する。すなわち、調理モード設定部51は、沸騰検知部54によって水の沸騰が初めて検知された時からの経過時間が所定時間を超えた場合には、自動調理モードの設定を不能とする。
STEP44で、調理モード設定部51は、所定待機時間(例えば5秒間)が経過する前に湯沸かしスイッチ60が再度ONされたか否かを判断し、ONされていなければSTEP45に進み、ONされていればSTEP46に進む。
STEP45で、調理モード設定部51は、左コンロ4Lの自動調理モードを「湯沸かしモード」に設定し、調理運転実行部55により湯沸かしモードによる自動加熱調理を実行した後、処理を終了する。すなわち、調理モード設定部51は、湯沸かしスイッチ60が1回操作されたとき、左コンロ4Lの自動調理モードを湯沸かしモードに設定する。
STEP46で、調理モード設定部51は、所定待機時間が経過する前に湯沸かしスイッチ60が再度ONされたか否かを判断し、ONされていなければSTEP47に進み、ONされていればSTEP48に進む。
STEP47で、調理モード設定部51は、左コンロ4Lの自動調理モードを「茹で物モード」に設定し、調理運転実行部55により茹で物モードによる自動加熱調理を実行した後、処理を終了する。すなわち、調理モード設定部51は、湯沸かしスイッチ60が2回操作されたとき、左コンロ4Lの自動調理モードを茹で物モードに設定する。
STEP48で、調理モード設定部51は、所定待機時間が経過する前に湯沸かしスイッチ60が再度ONされたか否かを判断し、ONされていなければSTEP49に進み、ONされていればSTEP50に進む。
STEP49で、調理モード設定部51は、左コンロ4Lの自動調理モードを「麺茹でモード」に設定し、調理運転実行部55により麺茹でモードによる自動加熱調理を実行した後、処理を終了する。すなわち、調理モード設定部51は、湯沸かしスイッチ60が3回操作されたとき、左コンロ4Lの自動調理モードを麺茹でモードに設定する。
STEP50で、調理モード設定部51は、所定待機時間が経過する前に湯沸かしスイッチ60が再度ONされたか否かを判断し、ONされていなければSTEP51に進み、ONされていればSTEP52に進む。
STEP51で、調理モード設定部51は、左コンロ4Lの自動調理モードを「麺茹で大モード」に設定し、調理運転実行部55により麺茹でモードによる自動加熱調理を実行した後、処理を終了する。すなわち、調理モード設定部51は、湯沸かしスイッチ60が4回操作されたとき、左コンロ4Lの自動調理モードを麺茹で大モードに設定する。
STEP52で、調理モード設定部51は、左コンロ4Lの自動調理モードの設定を解除してSTEP41に戻る。すなわち、調理モード設定部51は、湯沸かしスイッチ60が5回操作されたときに、左コンロ4Lの自動調理モードの設定を解除して、自動調理モードが設定されていない待機状態に復帰する。
本実施形態のガスコンロ1によれば、図3に示すように、調理モード設定部51に自動調理モードが設定された後に調理容器Wの加熱が開始された場合だけでなく、調理容器Wの加熱が開始された後に自動調理モードが設定された場合であっても、昇温速度測定部52により、温度センサ8の検出温度の上昇速度である昇温速度を測定する。このため、前記昇温速度に基づいて調理容器W内の被調理物量を算出することができる。そして、水の沸騰が検知された後に、調理運転実行部55によって、前記被調理物量に基づいて決定される調理パターンに従って、自動調理モードによる加熱調理を実行することができる。
また、本実施形態のガスコンロ1は、沸騰検知部54により水の沸騰が検知された後に自動調理モードが設定された場合であっても、再度水の沸騰を検知することなく、速やかに、自動調理モードによる加熱調理を開始することができる。
したがって、本実施形態のガスコンロ1は、使用者の使い勝手に優れたものとすることができる。
また、本実施形態のガスコンロ1においては、調理モード設定部51は、沸騰検知部54により水の沸騰が初めて検知された時から所定時間以上が経過した後は、エラーを表示して自動調理モードの設定を不能としている(STEP43)。これにより、沸騰検知部54により水の沸騰が最初に検知された時から所定時間以上が経過して、調理容器内の水が蒸発して被調理物量算出部53により算出された被調理物量よりも大幅に少なくなった場合に、実際の被調理物量に対してコンロバーナ4の加熱力が大きくなり過ぎて吹き零れが生じる等の問題が生じることを防ぐことができる。
また、本実施形態のガスコンロ1においては、調理モード設定部51は、湯沸かしスイッチ60が操作された後、所定待機時間が経過した後に自動調理モードを確定する。これにより、水の沸騰が検知された後に、例えば使用者が湯沸かしスイッチ60を3回操作して麺茹でモードに設定しようとする場合に、湯沸かしスイッチ60を1回操作した時点で、沸騰検知後にコンロバーナ4を消火する湯沸かしモードに設定されてコンロバーナ4が消火されることはなく、目的の自動調理モード(麺茹でモード)に設定することができる。
また、本実施形態のガスコンロ1においては、自動調理モードによる加熱調理中に、自動調理モードによる火力調整と他の制御による火力調整とが重複する場合があるが、自動調理モードによる火力調整を優先させることとする。ただし、温度センサ8の検出温度が急上昇する等によって安全に係わる制御が行われている場合には、その制御による火力調整を優先し、さらに、これ以外の制御も終了することとする。
なお、本実施形態では、本発明の加熱調理装置としてガスコンロを示しているが、電気コンロ等の他の種類の加熱調理装置に対しても、本発明の適用が可能である。
1…ガスコンロ(加熱調理装置)、4…コンロバーナ(加熱部)、8…温度センサ、51…調理モード設定部、52…昇温速度測定部、53…被調理物量算出部、54…沸騰検知部、55…調理運転実行部。

Claims (3)

  1. 被調理物が入れられた調理容器を加熱する加熱部と、
    前記調理容器又は前記調理容器内の被調理物の温度を検出する温度センサと、
    使用者の操作に応じて、所定の調理パターンに従って前記加熱部の加熱力及び加熱時間を調節する自動調理モードが設定された状態と、前記自動調理モードが設定されていない状態とを切り替える調理モード設定部と、
    前記自動調理モードが設定されているか否かに係わらず、前記加熱部による前記調理容器の加熱が開始されたときに、前記温度センサの検出温度の上昇速度である昇温速度を測定する昇温速度測定部と、
    前記昇温速度測定部により測定された昇温速度と、前記昇温速度を測定する際の前記加熱部の加熱力とに基づいて、前記調理容器内の被調理物量を算出する被調理物量算出部と、
    前記自動調理モードが設定されたときに、前記被調理物量算出部により算出された前記被調理物量に基づいて決定した前記調理パターンに従って、前記自動調理モードによる加熱調理を実行する調理運転実行部と
    を備えたことを特徴とする加熱調理装置。
  2. 被調理物が入れられた調理容器を加熱する加熱部と、
    前記調理容器又は前記調理容器内の被調理物の温度を検出する温度センサと、
    使用者の操作に応じて、所定の調理パターンに従って前記加熱部の加熱力及び加熱時間を調節する自動調理モードが設定された状態と、前記自動調理モードが設定されていない状態とを切り替える調理モード設定部と、
    前記自動調理モードが設定されているか否かに係わらず、前記加熱部による前記調理容器の加熱が開始されたときに、前記温度センサの検出温度の上昇速度である昇温速度を測定する昇温速度測定部と、
    前記自動調理モードが設定されているか否かに係わらず、前記加熱部による調理容器の加熱が開始されたときに、前記温度センサの検出温度に基づいて、前記被調理物の沸騰を検知する沸騰検知部と、
    前記昇温速度測定部により測定された昇温速度と、前記昇温速度を測定する際の前記加熱部の加熱力とに基づいて、前記調理容器内の被調理物量を算出する被調理物量算出部と、
    前記沸騰検知部により前記被調理物の沸騰が検知される前に、前記自動調理モードが設定されたときは、前記沸騰検知部により前記被調理物の沸騰が検知された後に、前記被調理物量算出部により算出された前記被調理物量に基づいて決定した前記調理パターンに従って前記自動調理モードによる加熱調理を実行し、前記沸騰検知部により前記被調理物の沸騰が検知された後に、前記自動調理モードが設定されたときは、直ちに前記被調理物量算出部により算出された前記被調理物量に基づいて決定した前記調理パターンに従って前記自動調理モードによる加熱調理を実行する調理運転実行部と
    を備えたことを特徴とする加熱調理装置。
  3. 請求項2記載の加熱調理装置において、
    前記調理モード設定部は、前記沸騰検知部により前記被調理物の沸騰が検知された時から所定時間が経過した後は、前記自動調理モードの設定を不能とすることを特徴とする加熱調理装置。
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