JP6086287B2 - 記録材料の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真で使用可能なトナー及びインクジェット記録方式で使用可能なインク等の記録材料の製造方法に関するものである。
電子写真に用いられる記録材料であるトナーとしては、粉砕トナーよりも小粒径化が容易で、形状が基本的に球形であり、画質が良好となる重合トナーが知られている。重合トナーの製法としては、現在主流となっているものとして、懸濁重合法、乳化凝集法、溶解懸濁法、伸張法がある。これらの製法では、何れも造粒工程、ろ過工程及びトナー洗浄工程を含んでいる。
造粒工程は、水を用いた展色剤(「ビヒクル」ともいう)中に色剤を分散した分散液中で、トナー粒子を生成する工程である。ろ過工程は、造粒工程で生成したトナー粒子を分散液からろ過する工程であり、トナー洗浄工程は、ろ過で残ったトナー粒子を、水を用いた洗浄液で洗浄する工程である。トナーの製造では、上記造粒工程において、色剤を展色剤に分散させることを「乳化」と呼ぶのが一般的である。
このような各工程を含むトナーの製法では、多くの水を必要とし、また、多くの排水が生じる。さらに、排水中には水以外の物質が多く含まれている。このため、排水をそのまま破棄するのは省資源上、及び、環境負荷低減上、好ましいことではなかった。
特許文献1には、トナーの製造工程で発生した排水に対して、固形分を除去してトナーの製造設備から河川等の外部環境に放出する排水処理方法が記載されている。このように、排水処理を行うことで環境負荷の低減を図ることができるが、トナー製造工程に用いるために外部環境から導入する水の量は変化しないため、水資源の省資源化を図ることができない。
特許文献2には、トナーの製造工程のろ過工程で生成するろ液を回収して、トナー洗浄工程の洗浄液として用いることが記載されている。また、特許文献3には、トナー洗浄工程で用いた洗浄液を回収し、再度、トナー洗浄工程の洗浄液として用いることが記載されている。
上記ろ液やトナー洗浄工程で用いた洗浄液は、トナーの製造工程で発生した排水である。これら排水をトナー洗浄工程の洗浄液として用いることにより、トナーの製造設備から外部環境に放出する排水の量を低減できるとともに、トナー製造工程に用いるために外部環境から導入する水の量を低減できる。これにより、環境負荷の低減と水資源の省資源化とを図ることができる。
しかしながら、特許文献2及び特許文献3では、排水を再利用した水を使用するのはトナー洗浄工程の洗浄液のみであり、他の工程で使用する水は外部環境から導入する必要がある。このため、排水の再利用として不十分である。
また、トナーの製造に関係する排水としては、トナー製造時に生じるものだけではない。トナーの製造設備は、製造するトナーの色を変更する際や設備の性能を維持するための保守整備の際などに製造設備を、水を用いた洗浄液で洗浄する。この製造設備の洗浄作業でも排水が生じており、この排水についても外部環境に放出する量を低減することが望ましい。
上述した説明では、製造工程において水から成る展色剤に色剤を分散させて製造する記録材料がトナーである場合について説明したが、インクについても同様の課題が生じている。すなわち、製造工程において水から成る展色剤に色剤を分散させて製造するインクにおいても、製造工程に使用する水の量の低減、及び、インクの製造に関係する排水の外部環境に放出する量の低減が望まれている。
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、水から成る展色剤を用いる記録材料の製造工程に使用するために外部環境から導入する水の量の低減、及び、製造に関する排水の外部環境に放出する量の低減を図ることが可能となる記録材料の製造方法を提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、水を含有する展色剤に色剤を分散させる分散工程を含む記録材料の製造方法において、
上記記録材料の製造工程で生じる排水または該記録材料の製造設備の洗浄作業で生じる排水の少なくとも一方の排水を回収し、回収した排水に含まれる水以外の異物を除去する異物除去工程を含み、上記分散工程で用いる展色剤の水として該異物除去工程で得た水を用いることを特徴とするものである。
記録材料がトナーである場合、水から成る展色剤に色剤を分散させて分散液を作成し、この分散液を重合反応させてトナー粒子を造粒し、ろ過及びトナー洗浄等を行い、製品であるトナーを製造する。このとき、製造されたトナーは、色剤のみではなく、展色剤も含んでおり、水から成る展色剤は、製品であるトナーの材料の一部を構成する。
また、記録材料がインクである場合は、水から成る展色剤に色剤を分散させて分散液を作成し、この分散液が製品としてのインクとなるため、水から成る展色剤は、製品であるインクの材料の一部を構成する。
このように、展色剤は、製品としての記録材料の一部を構成するものであり、製品品質の維持のため、展色剤に用いる水は、トナー洗浄に用いられる洗浄液よりも水以外の混入物が少ないことが求められる。このため、従来は展色剤に用いる水としては、記録材料の製造に関係する排水を使用せず、井水等の外部環境から導入した水を用いていた。これは、記録材料の製造に関係する排水は、水以外の物質が多く含まれているためである。
記録材料の製造に関係する排水を展色剤として用いることが出来る程度まで異物の除去処理を行おうとすると、特許文献2及び3のように排水を洗浄液として用いることが出来るように処理するよりもコストや手間がかかる。しかし、異物を除去する処理の手間やコストが増えても、記録材料の製造に関係する排水を展色剤として用いることで、近年の水資源の省資源化、及び、環境負荷の低減の要望に沿うことが出来る。そして、水源確保のコストや排水を外部環境に破棄できるレベルまで処理するコスト等を鑑みると、製品コストの低減も可能である。
本発明においては、排水を従来は排水を使用していなかった展色剤に用いることにより、展色剤に使用するために外部から導入する水を低減することができる。このため、記録材料の製造工程に使用するために外部環境から導入する水の量の低減を図ることが可能となる。また、従来は排水を使用していなかった展色剤に排水を用いることで、排水の利用先が増え、製造に関する排水の外部環境に放出する量の低減を図ることが可能となる。
本発明によれば、水から成る展色剤を用いる記録材料の製造工程に使用するために外部環境から導入する水の量の低減、及び、製造に関する排水の外部環境に放出する量の低減を図ることが可能となるという優れた効果がある。
実施形態1のトナー製造方法におけるトナーの製造工程の説明図。 異物除去工程の一例のフローを示す説明図。 泡発生抑制手段の一例の説明図、(a)は、排水投入口を排水の水面の近くに配置した構成の説明図、(b)は、排水投入口を排水の水中に配置した構成の説明図。 泡排出促進手段の一例の説明図。 異物除去工程の他の例のフローを示す説明図。 フローテスターのフローカーブの一例を示すグラフ。
〔実施形態1〕
以下、本発明をトナー製造方法に適用した本発明の一つ目の実施形態(以下、実施形態1という)について説明する。なお、以下の説明は一例であり、本発明は以下の内容に限定されない。
実施形態1は、電子写真用トナーの製造方法に関し、特に水からなる展色剤を用いてトナーを生成するトナー製造方法に本発明を適用するものである。
まず、従来の電子写真用トナーの製造方法について説明する。
電子写真技術は、複写機、プリンター、FAXに共通して用いられる画像形成装置の標準技術となり、最近ではこれらを一台に集積したMFP(複合機)が普及するに到っている。
電子写真技術に供されるトナーは、1990年頃迄は全て、粉砕法により製造されていたが、それ以降、重合法による製法が現れ、実用化されるに到っている。
粉砕法による粉砕トナーと重合法による重合トナーの主な点を比較すると、粉砕トナーは製造が比較的容易で、製造条件・製造品質の維持管理も容易で、製造時に廃棄物質が発生せず、低コストであるという利点を有する。しかし、粉砕トナーは小粒径化が困難であり、画質が劣るという欠点を有する。
これに対して、重合トナーは小粒径化が容易で、基本的に球形であり、画質は良好であるという利点を有する。しかし、重合トナーは製造工程が比較的複雑で、製造条件、製造品質の維持管理が困難で、製造時に多量の廃棄物質が発生し、コスト高という欠点を有する。
重合トナーの製法としては、現在主流となっているものとして、懸濁重合法、乳化凝集法、溶解懸濁法、伸張法がある。これらの重合トナーの製法のいずれも水系媒体中で生成し、少なくとも造粒工程、トナー粒子を水系媒体からろ過するろ過工程、ろ過で残ったトナー粒子を洗浄する洗浄工程から成っている。各工程からの排水は量も多く、また排水には非溶解物が多く含まれており、排水を外部環境に放出することは、水資源の省資源化や環境負荷低減上、好ましいことではなかった。これらの課題を解決する方法として、特許文献2及び3には、排水の一部を洗浄液にのみ再利用する方法が開示されているが、水のリサイクル率が低いという問題があった。
実施形態1のトナー製造方法は、このような問題に鑑み、トナーの製造時に消費される、すなわち、廃棄される水の量を低減させることにより、水資源の省資源化、及び、環境負荷低減、製品コスト低減という課題を解決するトナー製造方法である。
図1は、実施形態1のトナー製造方法におけるトナーの製造工程の概略を模式的に示す説明図である。
図1に示すように、実施形態1のトナー製造方法は、造粒工程、ろ過工程、トナー洗浄工程、及び、乾燥工程を含む。
実施形態1の造粒工程では、顔料等の色剤と、水を含有し、色剤を延べる(展べる)展色剤と、トナー粒子の核となる重合剤とを混ぜ合わせ、展色剤に色剤が分散された状態で、重合反応によって分散液中にトナー粒子を生成し、造粒を行っている。
なお、トナーの製造工程では、分散工程を行った後に造粒工程を行っても良い。この場合、分散工程では、色剤、及び、展色剤を分散容器に入れ、攪拌させることで、色剤を液体中に分散させて(液体に対して乳化させて)トナーの原料となる分散液を得る。そして、造粒工程では、分散工程で得た分散液とトナー粒子の核となる重合剤とを重合容器に入れて、重合反応によって分散液中にトナー粒子を生成する。
ろ過工程は、造粒工程で得たトナー粒子と分散液を構成するトナー粒子以外の液体成分とを分離する工程である。ろ過工程で残ったトナー粒子は、捕集されトナー洗浄工程に送られる。一方、ろ過工程で流れ出たろ液は排水として回収され、異物除去工程へと送られる。
トナー洗浄工程は、ろ過工程で捕集されたトナー粒子を水からなる洗浄液によって洗浄する工程である。トナー洗浄工程で洗浄されたトナー粒子は乾燥工程へと送られる。一方、トナー洗浄工程に使用された洗浄液は排水として回収され、異物除去工程へと送られる。
乾燥工程へと送られたトナー粒子は、残留する水分が除去され、必要に応じて添加剤が添加され製品としてのトナーとなる。なお、乾燥工程で除去された水分が回収可能な場合は、回収し、異物除去工程に送ってもよい。
図1に示す説明図では、ろ過工程及びトナー洗浄工程から排出される排水を異物除去工程に送っているが、異物除去工程に送られる排水はろ過工程やトナー洗浄工程から排出されるもののみではない。造粒工程で、色剤、展色剤及び重合剤を混ぜ合わせた容器のように各工程の機器(トナー製造における製造設備)の洗浄に用いられた洗浄液なども含まれる。
トナーの製造に関係する排水中には、トナー製法に依るが、水以外の異物が混入している。このような異物としては、展色剤(水)での乳化時(分散時)に使用された無機微粒子等の乳化制御剤や界面活性剤、未重合の単量体、プレポリマーの一部、結着剤ポリマーの一部、着色剤、微粉トナー粒子等が挙げられる。
排水中の異物の除去としては、トナー洗浄工程からの排水のみに対して行っても良いし、トナー洗浄工程以外の工程からの排水のみで行ってもよい。また、トナー洗浄工程とトナー洗浄工程以外の工程からの排水を混ぜて行ってもよい。実施形態1では、トナー洗浄工程から出た排水と、トナー洗浄工程以外の工程であるろ過工程で出た排水とを混ぜて異物除去工程に送り、異物の除去を行っている。
次に、本発明に適用可能な異物除去工程について説明する。
図2は、異物除去工程の一例のフローを示す説明図である。
異物除去工程に送られた排水中に含まれる異物は反応槽にて凝集剤に取り込まれて、フロックとなる。凝集剤としては、アルミ系や鉄系の無機凝集剤や、高分子凝集剤などが用いられる。凝集剤によってはpH調整してもよい。さらに、凝集助剤を添加しても良い。
フロックを含む排水は、反応槽から浮上槽に送られ、排水中で浮上してきたフロックは汚泥槽へと排出され得る。また、浮上したフロック以外の排水は、ろ過装置へと送られる。
フロックの比重は水よりも大きいが、泡がフロックに付着することで、小さいフロックは泡と共に浮上し、汚泥槽へと送られ、排水の液体成分から分離される。浮上槽では加圧水を注入することで、フロックを付着させる泡を積極的に発生させてもよい。
ろ過装置では、浮上槽で浮上しなかった大きいフロックが、排水の液体成分から分離される。
図2に示す異物除去工程では、排水に凝集剤を添加することで、排水中に異物を凝集し、凝集した異物を泡と共に汚泥槽へ送ったり、ろ過工程でこし取ったりすることで、異物を水から分離させる凝集分離処理を実行している。図2に示す異物除去工程では、反応槽中の排水に凝集剤を添加することで、浮上槽で泡と共に異物を除去し、さらに、ろ過処理で凝集した異物を除去する処理が、凝集分離処理である。
また、図2に示す異物除去工程では、排水中に泡を発生させて、発生させた泡に異物を付着させ、泡を汚泥槽に送ることで水と泡とを分離させて、泡に付着した異物を水から分離させる。このように、浮上槽で泡を発生させて、水と泡とを分離させることで、泡に付着した異物を水から分離させるため、泡付着分離処理を実行しているということもできる。
上述した異物除去工程では、泡付着分離処理を実行するために浮上槽で排水に泡を発生させている。排水を一時的に溜める排水槽では、排水搬送管から排水が受け渡されるときに、泡が大量発生する場合がある。排水中に泡が発生すると、排水の嵩が大きくなり、処理に要するスペースが大きくなる問題が生じる。このため、排水槽に泡が発生する構成で、泡が発生することが好ましくない場合は、泡の発生抑制を抑制する泡発生抑制手段を設けてもよい。
図3は、泡発生抑制手段の一例の説明図であり、図3中の矢印αが排水の流れる方向を示している。図3(a)は、排水搬送管3の排水投入口2を排水槽1中の排水の水面Fの近くに配置した構成の説明図である。また、図3(b)は、排水搬送管3の排水投入口2を排水槽1中の排水の水面Fよりも下方、すなわち、排水の水中に配置した構成の説明図である。排水投入口2を排水の水面Fよりも離して配置すると、排水投入時に泡立ち易くなる。一方、排水投入口2を図3(a)のように水面Fの近く、もしくは、図3(b)のように水中に位置させることで、泡の発生を抑制することが出来る。
また、発生した泡をシャワーで潰したり、温度制御を行うなどして泡の発生を抑制したりしてもよい。さらに、排水搬送管3の形状を排水投入口2の位置で下流側ほど流路断面が大きくなるような形状としたり、排水搬送管3等の排水の搬送経路にシリコンを塗布したりすることによっても泡の発生を抑制することができる。
また、水素イオン指数(pH)の値を調節することで泡の発生を抑制することができる場合がある。本発明者らが行った排水処理では、pHの値を中性よりも酸性側に寄せるように調節すると泡の発生を抑制することが出来た。なお、pHの値を調節した場合は、排水処理の最後にpHの値を元に戻す調節を行う。
また、発排水から発生した泡の排出を促進する泡排出促進手段を設けてもよい。
図4は、泡排出促進手段の一例の説明図である。
図4は、泡排出促進手段として、浮上槽10と汚泥槽20との間のパイプに吸引ポンプ30を設けて、浮上槽10中の泡を図4中の矢印βで示すように吸引し、汚泥槽20に引き込む構成である。また、泡排出促進手段としては、浮上槽10から汚泥槽20へのパイプの曲がりを少なくして、泡の流れを止めないようにする構成などがある。
ろ過を行うろ過装置や活性炭による活性炭吸着手段は公知の一般的な手段を用いることができる。図2に示す例では、さらに微生物による物質の分解処理(生物処理)を行い、その後、MF膜とRO膜とを備えた膜処理装置によって膜処理を行い、イオン交換樹脂などを備えた純水装置による純水化処理を行っている。
膜処理に用いる処理膜としては、NF膜、UF膜、MF膜、RO膜などを挙げることが出来る。また、純水化処理としては、イオン交換樹脂を用いるものの他、RO膜を用いるものを挙げることができる。
図5は、異物除去工程の他の例のフローを示す説明図である。
図5に示す異物除去工程は、図2に示す例の「膜処理」の代わりに、凝集剤を用いた凝集分離処理を行っており、凝集分離処理を二回行うものである。
このように、排水中の異物の量が多く、一度の凝集分離処理では十分に異物の除去を行えない場合は、図5に示す例のように、凝集分離処理を二回行うことにより、十分に異物を除去することが出来る。
なお、本実施形態の異物除去工程の凝集分離処理では、泡を発生させて泡と共に異物を除去することも行っているため、図5に示す例は、泡付着分離処理を二回行っているということができる。
また、図2に示す例では、膜処理としてRO膜を用いており、RO膜は純水化処理として用いられる処理膜であるため、図2に示す例は、純水化処理を二回行っているということができる。
トナーの製造に使用する水(展色剤としての水)は、その全てを異物除去工程によって排水から異物を除去した水を用いても良いし、排水から異物を除去した水を部分的に用いてもよい。
トナー製造に使用する際に、展色剤としての水の温度を調整したい場合は、混入物除去時に温度制御や変温防止手段を設けてもよいし、分散を行うときに温度調整してもよい。
ここで、従来技術のトナー製造工程における排水を再利用するための処理について説明する。
特許文献2では、一度使った洗浄液の汚れが少ない場合は、pH調整のみを行ってトナー洗浄工程の洗浄液として再利用している。また、特許文献3では、排水中の異物である非溶解物をメッシュ、フィルター、カラム等で除去し、除去後の水を再利用している。これらの従来技術では、トナー洗浄工程の洗浄液にのみ排水が再利用され、実施形態1のようにトナーそのものの材料となる展色剤には排水の再利用はされていない。
一方、実施形態1では、トナー製造及び製造設備の洗浄で生じる排水を展色剤として再利用している。このように、排水を展色剤として再利用できるのは、図2に示す例のように純水化処理を二回行ったり、図5に示す例のように凝集分離処理を二回行ったりするなど、従来の排水処理よりも処理の手間を増やしているためである。
なお、排水の汚れが激しい(異物が多い)トナー製造工程の場合は、図5に示すように、凝集剤分離処理を二回行う異物除去工程が望ましい。また、排水の汚れが激しくない(異物が少ない)トナー製造工程の場合は、図2に示すように、純水化処理を二回行う異物除去工程が望ましい。
異物除去工程としては、凝集分離処理、活性炭による処理、生物処理などを1セットとして、各処理を一回ずつ行うことが考えられる。これに対して、本実施形態の異物除去工程では、上記1セットの処理に加えて、凝集分離処理や純水化処理をもう一回以上実施することで、異物を除去する処理の手間を増やしている。このように、異物を除去する処理の手間を増やすことで、異物除去工程についてはコストが増加することが考えられる。しかし、この手間を増やし、トナーの製造に関係する排水を展色剤として用いることで、近年の水資源の省資源化、及び、環境負荷の低減の要望に沿うことが出来る。そして、水源確保のコストや排水を外部環境に破棄できるレベルまで処理するコスト等を鑑みると、製品コストの低減も可能である。
〔実験例1〕
次に、実施形態1の実験例として、異なる条件で複数種類のトナーを作成した実験例1について説明する。実験例1では、作成した各トナーについて、体積平均粒径、体積平均粒径と個数平均粒径との比、平均円形度、帯電量、1/2流出温度、ガラス転移温度(Tg)、及び、導電率を測定した。
〔参考例1〕
スチレンモノマーとメチルメタクリレートモノマーとに、合成ワックスST100((株)日本触媒製)、カーボンブラック#44、及び、サリチル酸亜鉛を混合して、分散して分散液を得た。各材料の割合は、スチレンモノマーを4[重量部]、メチルメタクリレートモノマーを1[重量部]、合成ワックスST100を0.25[重量部]、カーボンブラック#44を250[重量部]、サリチル酸亜鉛を100[重量部]とした。
この分散液に、150[重量部]の過酸化ベンゾイルを溶かした。さらに、これを75[重量部]の過硫酸カリウムを溶かした1.2%ポリビニールアルコール水溶液、50[重量部]中に加え、分散して平均粒径13[μm]の着色分散液を得た。これを60[℃]に昇温して懸濁重合させた。
次に、この分散液を冷水中に投入し、ろ過した後、水により洗浄し、ろ過した。その後、洗浄・ろ過を繰り返し、トナー1を得た。
参考例1のトナー1の製造時に使用した水は、トナー製造工程で一度も使用されていない井戸からくみ上げた水をイオン交換樹脂に通して作成した純水であった。
〔実施例1〕
参考例1のトナー製造時に発生した排水をすべて収集し、収集した排水に対して図2に示す例の異物除去工程で異物を除去した。凝集剤はポリ塩化アルミを使用した。また、泡発生抑制手段として、図3(a)を使用し、泡排出促進手段としては、図4のように、吸引ポンプ30を用いて浮上槽10内の泡を汚泥槽20に吸引した。また、図2に示す膜処理として、実施例1では、MF膜とRO膜とを用いた処理を行った。
このように、図2に示す例の異物除去工程によって異物を除去した水を使用して、参考例1と同様にして、トナー11を得た。
〔実施例2〕
凝集剤として塩化第二鉄を使用した以外は実施例1と同様にしてトナー12を得た。
〔比較例1〕
参考例1のすべての工程から排出された排水を収集し、砂ろ過により、ろ過した。ろ過した水を使って参考例1と同様にして、トナー21を得た。
〔参考例2〕
<微粒子分散液の作製>
メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30、三洋化成工業製)、スチレン、メタクリル酸、アクリル酸ブチル、及び、過硫酸アンモニウムを水に懸濁させ、75[℃]に加温して5時間反応させた。各材料の割合は、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩を11[重量部]、スチレンを83[重量部]、メタクリル酸を83[重量部]、アクリル酸ブチルを110[重量部]、過硫酸アンモニウムを1[重量部]とした。水は683[重量部]とした。さらに、30[重量部]の1%過硫酸アンモニウム水溶液を加え、75[℃]で5時間熟成させた。これにより、ビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液(微粒子分散液)を得た。
<水相の作製>
80[重量部]の微粒子分散液、40[重量部]のドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(エレミノールMON−7:三洋化成工業製)、及び、90[重量部]の酢酸エチルを、990[重量部]の水に混合撹拌し、水相1を得た。
<低分子ポリエステルの作製>
反応容器に220[重量部]のビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物、561[重量部]のビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物を入れた。さらに、218[重量部]のテレフタル酸、48[重量部]のアジピン酸、及び、2[重量部]のジブチルチンオキサイドを反応容器に入れた。これを、常圧230[℃]で8時間反応させ、さらに10〜15[mmHg]の減圧で5時聞反応させた。その後、反応容器に、45[重量部]の無水トリメリット酸を入れ、180[℃]、常圧で2時間反応させ、低分子ポリエステルを得た。
<プレポリマーの作製>
反応容器に、682[重量部]のビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物と、81[重量部]のビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物と入れた。さらに、283[重量部]のテレフタル酸、22[重量部]の無水トリメリット酸、及び、2[重量部]のジブチルチンオキサイドを反応容器に入れた。これを、常圧230[℃]で8時間反応させ、さらに10〜15[mmHg]の減圧で5時間反応させて中間体ポリエステルを得た。
別の反応容器に、411[重量部]の上記中間体ポリエステル、89[重量部]のイソホロンジイソシアネート、及び、500[重量部]の酢酸エチルを入れて、100[℃]で5時間反応させ、プレポリマー1を得た。
<ケチミンの作製>
反応容器に、170[重量部]のイソホロンジアミンと、75[重量部]のメチルエチルケトンとを仕込み、50[℃]で5時間反応を行い、ケチミン化合物を得た。
<マスターバッチの作製>
40[重量部]のカーボンブラック(キャボット社性 リーガル400R)と、60[重量部]のポリエステル樹脂(三洋化成RS−801 酸価10、Mw20000、Tg64℃)とを、30[重量部]の水に混合した。これにより、顔料凝集体中に水が染み込んだ混合物を得た。これを混練して、マスターバッチを得た。
<油相の作製>
反応容器に、378[重量部]の低分子ポリエステル、110[重量部]のカルナバワックス、22[重量部]のCCA(サリチル酸金属錯体E−84:オリエント化学工業)、947[重量部]の酢酸エチルを仕込んだ。これを、撹拌下で80[℃]に昇温し、80[℃]のまま5時間保持した後、1時間で30[℃]に冷却した。次いで1500[重量部]の上記マスターバッチと、500[重量部]の酢酸エチルとを仕込み、1時間混合し原料溶解液を得た。
1324[重量部]の上記原料溶解液を分散して、1324[重量部]の低分子ポリエステルの65%酢酸エチル溶液を加え、さらに分散し、顔料・ワックス分散液を得た。
<トナーの作製>
648[重量部]の上記顔料・ワックス分散液、154[重量部]の上記プレポリマー1、及び、6.6[重量部]のケチミン化合物を混合した後、1200[重量部]の上記水相1を加え、さらに混合して乳化スラリーを得た。脱溶後、45[℃]で4時間熟成を行い、分散スラリーを得た。この分散スラリーをろ過した後、水により洗浄し、ろ過した。その後、洗浄・ろ過を繰り返し、トナー2を得た。
参考例2のトナー2の製造時に使用した水はトナー製造工程で一度も使用されていない井戸からくみ上げた水をイオン交換樹脂に通して作成した純水であった。
〔実施例3〕
参考例2のトナー製造時に発生した排水をすべて収集し、収集した排水に対して図5に示す例の異物除去工程で異物を除去した。凝集剤はポリ塩化アルミを使用した。また、泡発生抑制手段として、図3(a)を使用し、泡排出促進手段としては、図4のように、吸引ポンプ30を用いて浮上槽10内の泡を汚泥槽20に吸引した。
上記混入物を除去した水を使って、参考例2と同様にして、トナー13を得た。
このように、図5に示す例の異物除去工程によって異物を除去した水を使用して、参考例2と同様にして、トナー13を得た。
〔実施例4〕
凝集剤として塩化第二鉄を使用した以外は実施例3と同様にしてトナー14を得た。
参考例2のトナー製造時に発生した排水は、参考例1のトナー製造時に発生した排水よりも異物の量が多かった。このため、参考例2のトナー製造時に発生した排水を用いる実施例3及び4では凝集分離処理を二回行い、参考例1のトナー製造時に発生した排水を用いる実施例1及び2では純水化処理を二回行っている。
〔比較例2〕
参考例2のトナー製造時に発生した排水をすべて収集し、収集した排水を砂ろ過により、ろ過した。ろ過した水を使って参考例2と同様にして、トナー22を得た。
トナー1、2、11〜14、21及び22のトナー物性評価結果を表1に示す。
Figure 0006086287
また、トナー1、2、11〜14、21及び22のそれぞれを用いて、プリンターIPSiO SP 8200(株式会社リコー製)で画像出しをした。トナー1、2、11〜14を用いた場合、いずれのトナーも良好な画像が得られ、10万枚ランニングしたが10万枚目も初期と変わらない画像品質であった。
一方、トナー21または22を用いた場合、一枚目から地汚れが発生し、不良画像となった。
トナー物性評価の体積平均粒径はコールターマルチサイザーIII(ベックマンコールター製)にて算出した。
Dv/Dnは(体積平均粒径)/(個数平均粒径)であり、コールターマルチサイザーIII(ベックマンコールター製)にて算出した。
平均円形度は、フロー式粒子像分析装置FPIA−3000(東亜医用電子製)にて算出した。
帯電量はリコー創造開発株式会社製のVブローオフ装置を用いて測定した。トナーとキャリアとからトナー濃度が7[wt%]の現像剤を作成した。そして、所定の環境(温度、湿度)に2時間放置した後、上記現像剤を金属ゲージに入れ、回転数280[rpm]の攪拌装置で600秒攪拌混合して6[g]の初期剤を得た。この初期剤から、1[g]の現像剤を計量し、シングルモード法により測定した。ブロー時、目開き635メッシュを用いた。
ここでのシングルモード法とは、上記記載のVブローオフ装置(リコー創造開発株式会社製)で、装置マニュアルに従い、シングルモードを選び、測定条件は高さ5[mm]、吸い込み100、2回ブローである。
1/2流出温度は、高架式フローテスターCFT−500D(島津製作所製)を用いてJIS K72101に記載された方法に準拠して測定し、算出した。1[cm]の試料を昇温速度6[℃/min]で加熱しながら、プランジャーにより10[kg/cm]の荷重を与え、直径0.5[mm]、長さ1[mm]のノズルを押し出すようにし、これにより、プランジャー降下量−温度曲線を描く。
このフローテスターのフローカーブは図6に示されるようなデータになり、そこから1/2流出温度を読み取った。
ガラス転移温度(Tg)は、TG−DSCシステムTAS−100(理学電機社製)にて算出した。試料約10[mg]をアルミ製試料容器に入れ、それをホルダユニットにのせ、電気炉中にセットする。室温から昇温速度10[℃/min]で150[℃]まで加熱した後、150[℃]で10[min]間放置、室温まで試料を冷却して10[min]放置、窒素雰囲気下で再度150[℃]まで昇温速度10[℃/min]で加熱してDSC測定を行った。TAS−100システム中の解析システムを用いて、Tg近傍の吸熱カーブの接線とベースラインとの接点から算出した。
また、導電率は、Lutron CONDUCTIVITY METER CD−4307SDで測定した。
表1に示すように、実施例1〜4のように、図2または図5に示す異物除去工程を行うことにより、排水から異物を取り除いた水を使用した場合も、井戸からくみ上げた水を使用した場合と同様のトナーを製造できた。一方、実施例1〜4と同様の排水を用いた場合であっても、比較例1及び2のように異物除去工程がろ過のみであると、井戸からくみ上げた水を使用した場合と比較して、帯電量が低く、導電率が高いトナーとなり、製品として使用できるものとはならなかった。
このように、実施形態1のトナー製造方法で製造したトナーであれば、展色剤に排水を用いない従来のトナーと同様の性能のトナーを製造することができた。また、実施形態1のトナー製造方法であれば、排水を積極的に利用することにより、排水量を削減でき、また、新たな水の使用量も低減できるため、環境負荷を低減させ、もって製品コストを低下させることができる。さらに、トナー洗浄工程の排水だけでなく、ろ過工程や製造設備の洗浄で生じた排水を、異物除去工程で処理し、展色剤等のトナーの製造に用いる水として再利用することにより、水のリサイクル率が向上する。
〔実施形態2〕
以下、本発明をインク製造方法に適用した本発明の二つ目の実施形態(以下、実施形態2という)について説明する。なお、以下の説明は一例であり、本発明は以下の内容に限定されない。
実施形態2は、インクを記録媒体に吐出することにより記録媒体に画像を形成するインクジェット記録方式に使用可能なインクに関し、詳しくは少なくとも水を含有するインクの製造方法に本発明を適用するものである。
インクは、色剤を展色剤に分散して製造する。インクはトナーのように、造粒したものをろ過することにより取り出す工程や製品となる粒子を洗浄する工程がないため、インクの製造工程そのものでは排水はほとんど生じない。このため、インクの製造に関係する排水のほとんどは、インクの製造設備の洗浄に用いた洗浄液である。
インクの製造においてもトナーの製造と同様に、インクの材料となる水を外部環境から導入することや、インク製造工程の排水を外部環境に出すということは、省資源、環境負荷低減上好ましくないという問題がある。
実施形態2のインク製造方法は、インクの製造設備の洗浄に用いた洗浄液をインクの材料となる展色剤に用いるものである。インクの製造工程によって、製造中に排水が生じる場合は、この排水もインクの展色剤として用いてもよい。実施形態2では、インクの製造に関係する排水を、上述した実施形態1で図2や図5を用いて説明した異物除去工程と同様の処理を行い、この異物処理工程によって得た水をインクの展色剤として用いる。
インクの製造に使用する水(展色剤としての水)は、その全てを異物除去工程によって排水から異物を除去した水を用いても良いし、排水から異物を除去した水を部分的に用いてもよい。
実施形態2のインク製造方法であれば、インクの製造に関係する排水を積極的に利用することにより、排水量を削減でき、また、新たな水の使用量も低減できるため、環境負荷を低減させ、もって製品コストを低下させることができる。
また、本発明者らは、実施形態2のように、インクの展色剤の水に排水を用いて製造したインクは、インクジェット記録装置に用いたときに、展色剤に井水を用いたインクよりもノズル詰りが生じ難くなることを見出した。
一般に、インクジェット記録方式に用いられるインクは、特許文献4に開示されるように、水を含んでいる。そして、インクジェット記録装置は、このようなインクを搬送中の記録媒体に向けてヘッドから吐出することにより、記録媒体に画像を形成する。このようなヘッドのノズル面ではインクの乾燥などによりノズル詰りが起き、インクの不吐出が起きてしまうことがある。
特許文献2には、乾燥したインクの再溶解性に優れたインクが開示されている。しかし当該インクを使用しても詰りは発生するという問題があった。
実施形態2のインク製造方法は、インク製造工程の排水を減らし、省資源、環境負荷低減に貢献する製造方法であり、さらに、ノズル面に詰り原因物質が発生し難いインクを製造するものである。
本発明者らは、インクの展色剤として用いる水に含有されるカルシウムやシリカなどのスケール原因物質の減らすことにより、ノズル詰りが解消されることを見出した。
インクがノズルの表面に付着すると、水中のカルシウムやシリカ成分が、空気中の二酸化炭素や酸素と反応して、スケールとして析出してくる。本発明者らは、このスケールがノズル詰りの原因になっていることに着目した。
井水には、カルシウムやシリカが含まれているため、これを取り除くには、コストがかかる。
これに対して、実施形態2のように、インク製造に関係する排水中の異物を除去して、再利用することにより、カルシウムやシリカが少ない水を展色剤として用いることができる。インク製造に関係する排水は主に設備洗浄の洗浄液であり、着色剤、界面活性剤、溶剤などの異物が混入しており、そのままではインクの展色剤として用いることができない。しかし、実施形態2では、上述した図2や図5に示す異物除去工程によって異物を除去しているため、排水をインクの展色剤として再利用することができる。
〔実験例2〕
次に、実施形態2の実験例として、異なる条件で複数種類のインクを作成した実験例2について説明する。実験例2では、作成した各インクについて、導電率、カルシウム量、及び、シリカ量を測定した。さらに、各インクについて、インクジェット記録装置に使用したときの、発色性、吐出安定性、及び、放置後吐出安定性を確認した。
〔比較例3〕
<インク1(イエロー系)の作製>
イエロー顔料としてC.I.ピグメントイエロー128を低温プラズマ処理してカルボン酸基を導入した顔料を作製した。これを水に分散したものを、限外ろ過膜にて脱塩濃縮し、顔料濃度が15[質量%]のイエロー顔料分散液を調製した。
次に、下記インク処方を混合撹拌した後、平均孔径0.8[μm]のポリプロピレンフィルターでろ過を行って、インク1を作製した。
以下に、比較例3のインク1の組成を示す。
・上記イエロー顔料分散液:40[質量部]
・ジエチレングリコール:20[質量部]
・グリセリン:10[質量部]
・フッ素系界面活性剤(FS−300、DuPont社製):1.5[質量部]
・2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール:0.6[質量部]
・プロキセルLV(アビシア社製):0.2[質量部]
・水:28.7[質量部]
なお、上記フッ素系界面活性剤の化学式は化1に示すようになる。
Figure 0006086287
上記化1に示す構造式中、「j」は6〜8、「k」は26以上である。
比較例3のインク1の製造時に使用した水は、インク製造工程やインク製造設備の洗浄で一度も使用されていない、井戸からくみ上げた水をイオン交換樹脂に通して作成した純水であった。
〔実施例5〕
比較例3のインク1の製造時に使用した装置を洗浄し、この洗浄に用いた水を排水としてすべて収集し、収集した排水に対して図2に示す例の異物除去工程で異物を除去した。凝集剤はポリ塩化アルミを使用した。このようにして、排水から異物を除去した水を展色剤等のインク製造に用いる水として使用し、比較例3と同様のインク製造工程を経て、実施例5のインク11を得た。
実施例5では、インク11の製造に用いた水について新しく井戸からくみ上げた水の使用量はゼロであった。
〔比較例4〕
<インク2(マゼンタ系)の作製>
マゼンタ顔料としてC.I.ピグメントマゼンタ122を低温プラズマ処理しカルボン酸基を導入した顔料を作製した。これを水に分散したものを、限外ろ過膜にて脱塩濃縮し、顔料濃度が15[質量%]のマゼンタ顔料分散液を調製した。
次に、下記インク処方を混合撹拌した後、平均孔径0.8[μm]のポリプロピレンフィルターでろ過を行って、インク2を作製した。
以下に、比較例4のインク2の組成を示す。
・前記マゼンタ顔料分散液:40[質量部]
・ジエチレングリコール:20[質量部]
・グリセリン:10[質量部]
・比較例3と同様のフッ素系界面活性剤:1[質量部]
・1−メチルアミノ−2,3−プロパンジオール:0.4[質量部]
・プロキセルLV(アビシア社製):0.5[質量部]
・水:28.1[質量部]
比較例4のインク2の製造時に使用した水は、インク製造工程やインク製造設備の洗浄で一度も使用されていない、井戸からくみ上げた水をイオン交換樹脂に通して作成した純水であった。
〔実施例6〕
比較例4のインク2の製造時に使用した装置を洗浄し、この洗浄に用いた水を排水としてすべて収集し、収集した排水に対して図2に示す例の異物除去工程で異物を除去した。凝集剤はポリ塩化アルミを使用した。このようにして、排水から異物を除去した水を展色剤等のインク製造に用いる水として使用し、比較例4と同様のインク製造工程を経て、実施例6のインク12を得た。
実施例6では、インク12の製造に用いた水について新しく井戸からくみ上げた水の使用量はゼロであった。
〔比較例5〕
<インク3(シアン系)の作製>
特許文献6の調製例3を参考にして、銅フタロシアニン顔料含有ポリマー微粒子分散液を調製した。
まず、ポリマー溶液の調製として、機械式攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、還流管及び滴下ロートを備えた1[L]のフラスコ内を十分に窒素ガスで置換した。その後、このフラスコ内に、11.2[g]のスチレン、2.8[g]のアクリル酸、12.0[g]のラウリルメタクリレート、4.0[g]のポリエチレングリコールメタクリレート、4.0[g]のスチレンマクロマー(東亜合成株式会社製、商品名:AS−6)、及び、0.4[g]のメルカプトエタノールを仕込み、65[℃]に昇温した。次に、100.8[g]のスチレン、25.2[g]のアクリル酸、108.0[g]のラウリルメタクリレート、36.0[g]のポリエチレングリコールメタクリレート、60.0[g]のヒドロキシエチルメタクリレート、36.0[g]のスチレンマクロマー(東亜合成株式会社製、商品名:AS−6)、3.6[g]のメルカプトエタノール、2.4[g]のアゾビスジメチルバレロニトリル、及び、18[g]のメチルエチルケトンの混合溶液を2.5時間かけてフラスコ内に滴下した。
滴下終了後、0.8[g]のアゾビスジメチルバレロニトリルと、18[g]のメチルエチルケトンとの混合溶液を0.5時間かけてフラスコ内に滴下した。65[℃]にて1時間熟成した後、0.8[g]のアゾビスジメチルバレロニトリルを添加し、更に1時間熟成した。反応終了後、フラスコ内に、メチルエチルケトン364[g]を添加し、濃度が50[質量%]のポリマー溶液を800[g]得た。
得られたポリマー溶液を28[g]、26[g]の銅フタロシアニン顔料、13.6[g]の1[mol/L]水酸化カリウム水溶液、20[g]のメチルエチルケトン、及び、30[g]のイオン交換水を十分に攪拌した。その後、3本ロールミル(株式会社ノリタケカンパニー製、商品名:NR−84A) を用いて20回混練してペーストを得た。得られたペーストを200[g]のイオン交換水に投入し、十分に攪拌した後、エバポレーターを用いてメチルエチルケトン及び水を留去し、固形分量が20.0[質量%]のシアンポリマー微粒子分散液を160[g]得た。得られたシアンポリマー微粒子分散液を用いて、下記インク処方を混合撹拌した後、平均孔径0.8[μm]のポリプロピレンフィルターでろ過を行って、インクを作製した。
以下に、比較例5のインク3の組成を示す。
・前記シアンポリマー微粒子分散液:45[質量部]
・1,3−ブタンジオール:21[質量部]
・グリセリン:8[質量部]
・比較例3と同様のフッ素系界面活性剤:1[質量部]
・2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール:0.8[質量部]
・プロキセルLV(アビシア社製):0.5[質量部]
・水:21.7[質量部]
比較例5のインク3の製造時に使用した水は、インク製造工程やインク製造設備の洗浄で一度も使用されていない、井戸からくみ上げた水をイオン交換樹脂に通して作成した純水であった。
〔実施例7〕
比較例5のインク3の製造時に使用した装置を洗浄し、この洗浄に用いた水を排水としてすべて収集し、収集した排水に対して図2に示す例の異物除去工程で異物を除去した。凝集剤はポリ塩化アルミを使用した。このようにして、排水から異物を除去した水を展色剤等のインク製造に用いる水として使用し、比較例5と同様のインク製造工程を経て、実施例7のインク13を得た。
実施例7では、インク13の製造に用いた水について新しく井戸からくみ上げた水の使用量はゼロであった。
〔実施例8〕
凝集剤として塩化第二鉄を使用した点、排水の再利用水の使用割合を変更した点以外は実施例7と同様にしてインク14を得た。
実施例8では、インク14の製造に用いた水について、半分は新しく井戸からくみ上げた水をイオン交換樹脂に通して作成した純水であった。
実施例5〜8及び比較例3〜5について、インクの製造に使用した水の水質についての測定結果を表2に示す。
Figure 0006086287
表2の導電率はLutron CONDUCTIVITY METER CD−4307SDで測定した。また、表2のシリカ量はJIS K0101に基づいて測定し、カルシウム量はJIS K0102に基づいて測定した。
各インクについて、インクジェット記録装置に使用したときの諸特性の評価結果を表3に示す。
Figure 0006086287
<使用プリンター>
本実験例2では、インクジェットプリンター(株式会社リコー製、IPSiO GX e2600)を用いた。
<発色性(彩度)>
各インクについて、評価用紙としてはマイペーパー(株式会社NBSリコー製)を用い、印字条件は記録密度360[dpi]、ワンパス印字、印刷パターンは100%dutyで印字した。
印字乾燥後、ベタ画像部において、反射型カラー分光測色濃度計(X−Rite社製)により測定した。そして、CIE(Commision International de l’ Eclairage)で規定されている色差表示法のL表色系の座標を求め、それぞれ各色において彩度Cを求めた。この彩度Cの値が高いほど、発色良好なインクといえる。なお、彩度Cは下記(1)式で定義される。
={(a+(b1/2・・・・(1)
<連続印字後の吐出安定性評価>
各インクについて、画像領域中、印字面積が、紙面全面積中、各色印字面積が5[%]であるチャートを100%duty、記録密度360[dpi]、ワンパス印字を10分間連続で行った。その後のベタ部の筋、白抜け、及び噴射乱れの有無を目視にて以下の基準で評価した。
〔評価基準〕
A:ベタ部に筋、白抜け、及び噴射乱れが全く無い。
B:ベタ部に筋、白抜け、及び噴射乱れが若干認められる。
C:1スキャン目に筋、白抜け、及び噴射乱れが認められる。
D:ベタ部全域にわたって筋、白抜け、及び噴射乱れが認められる。
<吐出安定性の評価>
連続印字後の吐出安定性評価と同じ条件で、各インクについて、10分間連続印字を行った。そして、ヘッド面にインクが付着した状態で保湿キャップをしてプリンターを50[℃]−60[%]RH環境下にて1ヶ月間放置した後、クリーニングを実施して放置前と同等に復帰させた。その後、以下の条件で間欠印写試験を行い吐出安定性を評価した。
即ち、以下の印刷パターンチャートを20枚連続で印字した後、20分間印字を実施しない休止状態にした。これを50回繰り返し、累計で1000枚印写後、もう1枚同チャートを印写した時の5%チャートベタ部の筋、白抜け、及び噴射乱れの有無を目視にて以下の基準で評価した。
なお、印刷パターンチャートは、画像領域中、印字面積が、紙面全面積中、各色印字面積が5[%]であるチャートにおいて、各インクを100%dutyで印字した。印字条件は、記録密度は360[dpi]、ワンパス印字とした。
〔評価基準〕
A:ベタ部に筋、白抜け、及び噴射乱れが無い。
B:ベタ部に筋、白抜け、及び噴射乱れが若干認められる。
C:1スキャン目に筋、白抜け、及び噴射乱れが認められる。
D:ベタ部全域にわたって筋、白抜け、及び噴射乱れが認められる。
表3に示す結果から、インク11〜14(実施例5〜8)は、インク1〜3(比較例3〜5)に比べて、発色性は同等であり、吐出安定性はいずれも優れていることが認められる。
また、排水を再利用してインクの製造に使用しているため排水が減り、新しく井戸からくみ上げる水も減り、省資源、環境負荷低減に貢献することも明らかである。
以上に説明したものは一例であり、本発明は、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様A)
水を含有する展色剤に色剤を分散させる分散工程を含むトナーやインク等の記録材料の製造方法において、記録材料の製造工程で生じる排水または記録材料の製造設備の洗浄作業で生じる排水の少なくとも一方の排水を回収し、回収した排水に含まれる水以外の異物を除去する異物除去工程を含み、造粒工程等の分散工程で用いる展色剤の水として異物除去工程で得た水を用いる。
これによれば、上記実施形態1及び上記実施形態2について説明したように、記録材料の製造工程に使用するために外部環境から導入する水の量の低減、及び、製造に関する排水の外部環境に放出する量の低減を図ることが可能となる。これにより、水資源の省資源化及び環境負荷の低減を図ることができる。
(態様B)
(態様A)において、異物除去工程では、排水に含まれる異物を凝集し、凝集した異物を水から分離させる凝集分離処理を二回以上実行する。
これによれば、上記実施形態1及び上記実施形態2について図5を用いて説明したように、異物が多い排水をトナーやインク等の記録材料そのものの材料となる展色剤に排水を利用しても記録材料の品質を維持することができる。
(態様C)
(態様A)または(態様B)において、異物除去工程では、浮上槽と汚泥槽とを用いた処理等、排水中に泡を発生させて、発生させた泡に異物を付着させ、水と泡とを分離させることで、泡に付着した異物を水から分離させる泡付着分離処理を二回以上実行する。
これによれば、上記実施形態1及び上記実施形態2について図5を用いて説明したように、従来よりも異物処理の手間を増やすことで、排水をトナーやインク等の記録材料そのものの材料となる展色剤に排水を利用しても記録材料の品質を維持することができる。
(態様D)
(態様A)乃至(態様C)の何れかの態様において、異物除去工程では、純水化処理を二回以上実行する。
これによれば、上記実施形態1及び上記実施形態2について図2を用いて説明したように、従来よりも異物処理の手間を増やすことで、排水をトナーやインク等の記録材料そのものの材料となる展色剤に排水を利用しても記録材料の品質を維持することができる。
(態様E)
(態様A)乃至(態様D)の何れかの態様において、排水中の異物の一部または全部を除去する異物除去工程で、排水を通過させる流路に、排水投入口2を水面Fの近くや水中に位置させる配置構成等のように、排水から泡が発生することを抑制する泡発生抑制手段を有する。
これによれば、上記実施形態1について説明したように、泡の発生を抑制することで、異物除去工程における排水の流路を泡が塞ぐことを抑制し、効率よく異物除去処理を行うことができる。
(態様F)
(態様A)乃至(態様E)の何れかの態様において、排水中の異物の一部または全部を除去する異物除去工程が排水から発生した泡の排出を促進する吸引ポンプ30等の泡排出促進手段を有する。
これによれば、上記実施形態1について説明したように、発生した泡の排出を促進することで、異物除去工程における排水の流路を泡が塞ぐことを抑制し、効率よく異物除去処理を行うことができる。
(態様G)
(態様A)乃至(態様F)の何れかの態様において、異物除去工程でポリ塩化アルミ等の凝集剤によって排水に含まれる異物を除去する。
これによれば、上記実施形態1について説明したように、浮上槽やろ過装置によって排水中の異物の一部または全部を除去することができ、膜処理や純水化処理のみよりも効率よく異物除去処理を行うことができる。
(態様H)
(態様A)乃至(態様G)の何れかの態様において、記録材料はトナーである。
これによれば、上記実施形態1について説明したように、トナーの製造に関係する排水をトナーの材料となる展色剤に用いるため、トナーの製造工程に使用するために外部環境から導入する水の量の低減、及び、トナーの製造に関する排水の外部環境に放出する量の低減を図ることが可能となる。これにより、トナーの製造における水資源の省資源化及び環境負荷の低減を図ることができる。
(態様I)
(態様H)において、分散工程で得た分散液からトナーの粒子形状を形成する造粒工程と、造粒工程で形成されたトナー粒子を展色剤等の液体成分からろ過によって分離するろ過工程と、ろ過工程で分離した該トナー粒子を、水を含むトナー洗浄液によって洗浄するトナー洗浄工程と、を含み、トナー洗浄工程からの排水の全部または一部と、ろ過工程等のトナー洗浄工程以外の記録材料の製造工程で生じる排水の全部または一部とを、混合して回収し異物除去工程で異物を除去する。
これによれば、上記実施形態1について説明したように、トナー洗浄工程からの排水とトナー洗浄工程以外の記録材料の製造工程で生じる排水とを混合して回収し、展色剤としての水に再利用することにより、水のリサイクル率が向上する。
(態様J)
(態様H)において、分散工程で得た分散液から上記トナーの粒子形状を形成する造粒工程と、造粒工程で形成されたトナー粒子を展色剤等の液体成分からろ過によって分離するろ過工程と、ろ過工程で分離したトナー粒子を、水を含むトナー洗浄液によって洗浄するトナー洗浄工程と、を含み、トナー洗浄工程以外の該記録材料の製造工程で生じる排水の全部または一部を回収し、異物除去工程で異物を除去する。
これによれば、上記実施形態1について説明したように、従来は再利用されていなかったナー洗浄工程以外の該記録材料の製造工程で生じる排水を展色剤としての水に再利用することにより、水のリサイクル率が向上する。
(態様K)
(態様A)乃至(態様G)の何れかの態様において、記録材料はインクである。
これによれば、上記実施形態2について説明したように、インクの製造に関係する排水をインクの材料となる展色剤に用いるため、インクの製造工程に使用するために外部環境から導入する水の量の低減、及び、インクの製造に関する排水の外部環境に放出する量の低減を図ることが可能となる。これにより、インクの製造における水資源の省資源化及び環境負荷の低減を図ることができる。さらに、インクジェット記録装置に用いたときに、展色剤に井水を用いたインクよりもノズル詰りが生じ難くなるインクを提供することができる。
1 排水槽
2 排水投入口
3 排水搬送管
10 浮上槽
20 汚泥槽
30 吸引ポンプ
F 水面
特開2006−181549号公報 特許4018351号 特許4775905号 特許4768977号 特開2012−025880号公報 特開2001−139849号公報

Claims (11)

  1. 水を含有する展色剤に色剤を分散させる分散工程を含む記録材料の製造方法において、
    上記記録材料の製造工程で生じる排水または該記録材料の製造設備の洗浄作業で生じる排水の少なくとも一方の排水を回収し、回収した排水に含まれる水以外の異物を除去する異物除去工程を含み、
    上記分散工程で用いる展色剤の水として該異物除去工程で得た水を用いることを特徴とする記録材料の製造方法。
  2. 請求項1の記録材料の製造方法において、
    上記異物除去工程では、排水に含まれる異物を凝集し、凝集した異物を水から分離させる凝集分離処理を二回以上実行することを特徴とする記録材料の製造方法。
  3. 請求項1または2の記録材料の製造方法において、
    上記異物除去工程では、排水中に泡を発生させて、発生させた泡に異物を付着させ、水と泡とを分離させることで、泡に付着した異物を水から分離させる泡付着分離処理を二回以上実行することを特徴とする記録材料の製造方法。
  4. 請求項1乃至3の何れかの記録材料の製造方法において、
    上記異物除去工程では、純水化処理を二回以上実行することを特徴とする記録材料の製造方法。
  5. 請求項1乃至4の何れかの記録材料の製造方法において、
    上記異物除去工程で上記排水を通過させる流路に、該排水から泡が発生することを抑制する泡発生抑制手段を有することを特徴とする記録材料の製造方法。
  6. 請求項1乃至5の何れかの記録材料の製造方法において、
    上記異物除去工程が、該排水から発生した泡の排出を促進する泡排出促進手段を有することを特徴とする記録材料の製造方法。
  7. 請求項1乃至6の何れかの記録材料の製造方法において、
    上記異物除去工程で凝集剤によって上記排水に含まれる上記異物を除去することを特徴とする記録材料の製造方法。
  8. 請求項1乃至7の何れかの記録材料の製造方法において、
    上記記録材料はトナーであることを特徴とする記録材料の製造方法。
  9. 請求項8の記録材料の製造方法において、
    上記分散工程で得た上記分散液から上記トナーの粒子形状を形成する造粒工程と、
    該造粒工程で形成されたトナー粒子を上記展色剤等の液体成分からろ過によって分離するろ過工程と、
    該ろ過工程で分離した該トナー粒子を、水を含むトナー洗浄液によって洗浄するトナー洗浄工程と、を含み、
    上記トナー洗浄工程からの排水の全部または一部と、
    該トナー洗浄工程以外の該記録材料の製造工程で生じる排水の全部または一部とを、混合して回収し上記異物除去工程で異物を除去することを特徴とする記録材料の製造方法。
  10. 請求項8の記録材料の製造方法において、
    上記分散工程で得た上記分散液から上記トナーの粒子形状を形成する造粒工程と、
    該造粒工程で形成されたトナー粒子を上記展色剤等の液体成分からろ過によって分離するろ過工程と、
    該ろ過工程で分離した該トナー粒子を、水を含むトナー洗浄液によって洗浄するトナー洗浄工程と、を含み、
    上記トナー洗浄工程以外の該記録材料の製造工程で生じる排水の全部または一部を回収し、上記異物除去工程で異物を除去することを特徴とする記録材料の製造方法。
  11. 請求項1乃至7の何れかの記録材料の製造方法において、
    上記記録材料はインクであることを特徴とする記録材料の製造方法。
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