JP6086268B1 - ナメクジ駆除器 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ナメクジを駆除するために、誘引殺虫剤を入れる容器として市販の使い捨て紙コップを用い、この紙コップをナメクジ駆除器の中に組み入れることにより、より利便性のあるナメクジ駆除器を提供する。【解決手段】 ナメクジ駆除器1は本体部2と、本体部2の上部に嵌め込む蓋部6とによりなり、本体部2は、市販の使い捨て紙コップ11を入れて保持する円筒形のホルダー3と、紙コップ11を受けると共にホルダー3を乗せて固着させる台4と、プロテクター5などにより構成され、本体部2に組み入れた紙コップ11を覆い誘引殺虫剤10に雨とか潅水が掛からぬ様に設けられた蓋部6は、カバー7と、摘まみ7aと、カバー受け8などにより構成される。本体部2から蓋部6を取り外すと直ぐそこにホルダー3があるので、使い捨て紙コップ11を必要に応じて入れたり取り出したりすることが容易に出来る。【選択図】図1
Description
本発明は、ナメクジを駆除するナメクジ駆除器に関するものである。
ナメクジは夜間とか雨上がりに餌などを求めて徘徊し、丹念に育てている野菜とか草花とか果樹などに食害を与える害虫である。このナメクジを駆除する方法の一つとして、以前から誘引殺虫剤を市販の使い捨て紙コップ(以下、紙コップ)に入れて、ナメクジが多発し、食害を受けている野菜とか草花などの付近に直に置くだけで手軽に駆除する方法がある。しかしながら、この方法には以下の様な問題点がある。(イ)、誘引殺虫剤に雨とか潅水がかかり、このために誘引殺虫剤の薬効が失われ用をなさなくなる。(ロ)、雨が降っている時に放置してしまうと、誘引殺虫剤とかナメクジの死骸が紙コップから溢れ出たりして気持ちの悪い状態になる。(ハ)、風がよく当たる所に置いていると、紙コップが吹き飛ばされ、誘引殺虫剤とかナメクジの死骸が紙コップから飛び出し散乱する。
(ニ)、犬とか猫などが誘引殺虫剤を誤食する恐れがある。この様な問題点があるため、誘引殺虫剤を紙コップに入れて直に置くだけで駆除するこの方法を実行してもその後の管理が面倒で継続することが難しく途中で諦めてしまい駆除が徹底せず一時的なもので終わってしまっている。
(ニ)、犬とか猫などが誘引殺虫剤を誤食する恐れがある。この様な問題点があるため、誘引殺虫剤を紙コップに入れて直に置くだけで駆除するこの方法を実行してもその後の管理が面倒で継続することが難しく途中で諦めてしまい駆除が徹底せず一時的なもので終わってしまっている。
本発明のナメクジ駆除器に関連する従来のナメクジを駆除または捕殺または捕獲などするための定置式装置に関して開示されている発明には、以下の様に種々のものがある。ナメクジ駆除器(特許文献14、特許文献19、特許文献20参照)とか、ナメクジ捕殺器(特許文献4、特許文献9参照)とか、ナメクジ捕獲器(特許文献8、特許文献13、特許文献21、特許文献27参照)とか、捕虫器(特許文献11参照)とか、軟体動物捕獲器(特許文献15参照)とか、害虫捕獲器(特許文献18参照)とか、ナメクジ捕獲容器(特許文献7参照)とか、ナメクジ類の駆除剤及び捕獲器(特許文献3参照)とか、保温材入りナメクジ駆除容器(特許文献6参照)とか、ナメクジ等の捕獲器(特許文献10、特許文献12、特許文献25参照)とか、ナメクジ等駆除具(特許文献1、特許文献2参照)とか、ナメクジ駆除剤載置用容器(特許文献23参照)とか、ナメクジ駆除装置(特許文献26参照)とか、ナメクジ捕獲器とその製造法(特許文献17参照)とか、害虫用の誘引殺虫剤を長持ちさせる方法(特許文献5参照)とか、なめくじ駆除装置(特許文献22参照)とか、なめくじ駆除具(特許文献16参照)とか、ナメクジ等の害虫誘引殺薬剤入れ(特許文献24参照)。
上記の開示されている種々の発明について、その各々の特許文献によると、ナメクジが好む特製の餌とか誘引殺虫剤などを雨とか潅水が掛からないようにされた装置の中に、直に置いたり、天井面に付着とか装着させたり、特製の容器に入れて置いたり、特製の皿に載せて置いたり、使い捨ての皿に載せて置いたり、底部に誘引シートを置いたりなどして、匂いでおびき寄せ食させるとか水死させるなどして駆除などをするとか、駆除などをしたナメクジなどの処理を容易にするとか、装置が風で飛ばされないようにするとか、犬とか猫などが誘引殺虫剤を誤食しないようにするなどといった種々の特徴のいずれかを有している。しかしながら、以下の問題点を有している様に見受けられるものがある。
(ホ)、駆除とか捕殺とか捕獲とかしたナメクジの死骸とか食べ残しの餌とか薬効が無くなった殺虫剤などが、ナメクジの出す体液で装置の底部などとか容器などの底などにこびり付き、汚れが酷い時には洗浄する必要があり、これを元の様な状態に戻すのに手間がかる。(ヘ)、夜行性のナメクジは装置の入り口に至る経路が明確でないので、装置の外面を這って来たりすると、ナメクジの出す体液が装置の外面に付着する可能性があり、装置に触ることに抵抗感が生じる。(ト)、装置ごと使い捨てにしている。(チ)、ナメクジが装置の中に入る口が1個所か2個所しかなく駆除をする範囲が限られる。
(ホ)、駆除とか捕殺とか捕獲とかしたナメクジの死骸とか食べ残しの餌とか薬効が無くなった殺虫剤などが、ナメクジの出す体液で装置の底部などとか容器などの底などにこびり付き、汚れが酷い時には洗浄する必要があり、これを元の様な状態に戻すのに手間がかる。(ヘ)、夜行性のナメクジは装置の入り口に至る経路が明確でないので、装置の外面を這って来たりすると、ナメクジの出す体液が装置の外面に付着する可能性があり、装置に触ることに抵抗感が生じる。(ト)、装置ごと使い捨てにしている。(チ)、ナメクジが装置の中に入る口が1個所か2個所しかなく駆除をする範囲が限られる。
前記のナメクジを駆除または捕殺または捕獲などするための定置式装置に関して開示されている発明についての後記の先行技術文献の特許文献の段落番号0006の特許文献1〜特許文献27の特許文献の中には、本発明の特徴であるナメクジを駆除するために誘引殺虫剤を入れる容器として市販の使い捨て紙コップを用い、この市販の使い捨て紙コップをナメクジ駆除器の中に組み入れていることを特徴とするといった特徴を有するものは見当たらなかった。
本発明は、ナメクジを駆除するために、前記、背景技術の段落番号0002に記述の問題点(イ)〜(ニ)の問題の解決と、併せて、前記、背景技術の段落番号0004に記述の問題点(ホ)〜(チ)の問題をも解決しようとするものであり、このために、誘引殺虫剤を入れる容器として市販の使い捨て紙コップを用い、この紙コップをナメクジ駆除器の中に組み入れることにより、より利便性のあるナメクジ駆除器を提供する。
ナメクジ駆除器1は、前記、背景技術に記述の問題点(イ)〜(ニ)と(ホ)〜(チ)の問題を解決し、より利便性のあるものにするために以下のような構成となっている。
ナメクジ駆除器1は、本体部2と、本体部2の上部に嵌め込む蓋部6とによりなり、本体部2は、市販の使い捨て紙コップ(以下、紙コップ)11の口を上向きにして入れて保持する円筒形のホルダー(以下、ホルダー)3と、この紙コップ11を受けると共にホルダー3を乗せて固着させる台4と、台4のトップ面の水抜き孔4aと、この水抜き孔4aに取り付けられた防虫ネット4bと、ホルダー3を囲う円筒形のプロテクター5と、ホルダー3の外面とプロテクター5の内面との間に設けられた複数のスペーサー5aとにより構成され、本体部2に組み入れた紙コップ11を覆い誘引殺虫剤10に雨とか潅水が掛からぬ様に設ける蓋部6は、本体部2を覆うカバー7と、摘まみ7aと、カバー7の下側に取り付けられた円筒形のカバー受け8と、このカバー受け8の上部の複数の切り欠き8aと、この複数の切り欠き8aに取り付けられたナメクジ逃避防止ネット(以下、逃避防止ネット)8bと、カバー受け8の内面に固着された複数のストッパー8cを有し、カバー受け8の下部を本体部2のプロテクター5の上部外面に嵌め込んだ時に、ストッパー8cの下端がプロテクター5の上端によって受け止められるように構成される。本体部2から蓋部6を取り外すと直ぐそこにホルダー3があるので、使い捨て紙コップ11を必要に応じて入れたり取り出したりすることが容易に出来る。
ナメクジ駆除器1に、誘引殺虫剤10を入れる容器として市販の使い捨て紙コップ(以下、紙コップ)11を用い、この紙コップ11をナメクジ駆除器1の中に組み入れたことにより、誘引殺虫剤10に雨とか潅水が掛かることもなく、誘引殺虫剤10を紙コップ11に入れてホルダー3に入れ置くだけで、誘引殺虫剤10の発生する匂いで本装置周辺のナメクジ12を誘き寄せ、ナメクジ12が紙コップ11の中に這入り込み誘引殺虫剤10を食して死に至り、駆除が確実にでき、駆除後の処理も紙コップ11ごと取り出しポリ袋などに入れ生ゴミとして廃棄すればたいした抵抗感もなく簡単に行える。また、誘引殺虫剤10と紙コップ11を新しいものに換えれば気持ち良く簡単に繰り返し使用でき、シンプルな部材で構成されたコンパクトな形態で、容易に取り扱え、前記、背景技術に記述の問題点(イ)〜(ニ)と(ホ)〜(チ)の問題も解決される。
前記、背景技術に記述の問題点(イ)〜(ニ)と(ホ)〜(チ)の問題の解決についての詳細は、後記の発明を実施するための形態において、(イ)と(ロ)と(ニ)については段落番号0030に、(ハ)については段落番号0027に、(ホ)については段落番号0036に、(ヘ)については段落番号0021と段落番号0024に、(ト)については段落番号0018に、(チ)については段落番号0021にて、記述している。
以下、本発明の実施の形態を図1〜図5に基づいて説明する。
図においては、1は本発明のナメクジ駆除器で、本体部2と、本体部2の上部に嵌め込む蓋部6とによりなっている。
図1〜図4に示すように、本体部2は、誘引殺虫剤10を入れる市販の使い捨て紙コップ(以下、紙コップ)11と、この紙コップ11の口を上向きにして入れて保持する円筒形のホルダー(以下、ホルダー)3と、紙コップ11を受けると共にホルダー3を乗せて固着させる鉢を伏せた形の台(以下、台)4と、この台4のトップ面の水抜き孔(以下、水抜き孔)4aと、この孔4a用の防虫ネット(以下、防虫ネット)4bと、円筒形のプロテクター(以下、プロテクター)5と、複数(本形態の図では、一例として4個としている)のスペーサー5aとにより構成されている。本体部2のプロテクター5の上部外面に、蓋部6の円筒形のカバー受け(以下、カバー受け)8の下部を嵌め込む。
図3と図4に示すように、本体部2の紙コップ11と、主要な部材であるホルダー3と、台4と、プロテクター5とは、平面的に見た外形が円形であり、中心を同じくする同心円となっている。このように、シンプルな部材で構成され、コンパクトな形態になっている。
誘引殺虫剤10はナメクジ用の出来るだけ強力な誘引と殺虫の効能がある粒状のものを使用するとよい。また、誘引殺虫剤10は使い捨てとなるので、使い切った時に手軽に購入できる市販品を用いる。紙コップ11は比較的安価な白無地、内面ポリエチレンラミネート加工のものか、又は同等の加工をされたものを使用するとよい。また、紙コップ11は使い捨てとなるので使い切った時に手軽に購入できる市販品を用いる。ただ、本ナメクジ駆除器1にて用いる市販の使い捨て紙コップ11の代わりとして、市販の使い捨て紙コップ11と同形のプラスチック製の安価な使い捨てコップがあれば用いてもよい。
本発明のナメクジ駆除器1は使い捨てではなく、誘引殺虫剤10と比較的安価な市販の紙コップ11のみを使い捨てとしている。この様にして、前記、背景技術の問題点(ト)の問題を解決している。
図1に示すように、ホルダー3は台4のトップ面に乗せて、ホルダー3の下端部を台4のトップ面に固着させる。紙コップ11は口を上向きにして、ホルダー3の上端の開口部から中に入れて保持されるのと同時に、紙コップ11の下端部を台4のトップ面で受けている。紙コップ11を入れて保持するホルダー3の高さと内径は市販の使い捨て紙コップ11をベースにして決める。
図1に示すように、紙コップ11を入れて保持するホルダー3の高さは、ホルダー3を台4のトップ面に乗せた状態で、紙コップ11の高さより10mm低くし、紙コップ11の上部が、ホルダー3の上端より上に10mmはみ出る様にしている。紙コップ11のこのはみ出た部分をピンセットなどで挟み、手を汚すことなく容易に取り出し廃棄できる様にしている。次に、ホルダー3の開口部の内径は、ホルダー3の高さと紙コップ11の同じ高さに於ける紙コップ11の外径と同一寸法とし、台4のトップ面にホルダー3を乗せた状態で、ホルダー3の中に紙コップ11を入れた時に、ホルダー3の開口部の内側の円周と紙コップ11の外面の円周とが一致して接触することにより隙間をなくすようにしている。これは、ホルダー3の外面を這い上がってきたナメクジ12が、ホルダー3の内部に入り込むと取り出すのに余計な手間が掛かるので、入らない様に紙コップ11の外面との隙間をなくしている。例えば、紙コップ11として、市販の7オンス 容量205ml口径73mm×高さ80mmのサイズのものを使用した場合、ホルダー3の高さは70mmとなるので、ホルダー3の開口部の内径は65mmとなる。しかし、紙コップ11はメーカーによっては同じ容量の205mlのものでも口径とか高さに若干の違いがあり、また、ホルダー3の製作誤差もあるので、これらを考慮して最終的にホルダー3の開口部の内径をきめるとよい。
図1と図4に示すように、ナメクジ駆除器1は、誘引殺虫剤10を入れている紙コップ11の口を上向きにして、本駆除器1の中央部に置いているので、誘引殺虫剤10が発生する匂いをナメクジ12が嗅げば、本駆除器1を中心にして平面的に360度のどの方向からでも、本駆除器1の台4の下部周囲に這い寄って来て、このまま這い上る。この後の本体2でのナメクジ12の経路は、台4の外面から、ホルダー3の外面に移り這い上がる。次に、紙コップ11の上部外面へと順次這い上がり、紙コップ11の開口部の縁上端まで登り詰め、この後、紙コップ11の内面を這い下がり、紙コップ11の底に置いている誘引殺虫剤10を食して死に至たる。この様にして、前記、背景技術の問題点(ヘ)と(チ)の問題を解決している。
ナメクジ12がホルダー3の外面を這い上がるスペースを確保するためと、誘引殺虫剤10が発生する匂いは、図1に於いて、矢印で示している様にカバー受け8の上部の切欠き8aに貼り付けている逃避防止ネット8bの網目から全部流れ出るのではなく、このナメクジ12が這い上がるスペースにも流れ降りて、ナメクジ12を上方に誘引させる。このために、図1から図4に示すように、ホルダー3の外面とプロテクター5の内面との間に複数の台形のスペーサー5a(以下、スペーサー)を取り付ける。複数(本形態の図では、一例として4個としている)のスペーサー5aは片側の端部をホルダー3の外周に等間隔で放射状に固着させる。その後、プロテクター5の内面にスペーサー5aの他の端部を固着させる。ただ、各部材をこの様に一個ずつ固着させて製作するか、ホルダー3と複数のスペーサー5aと、または、プロテクター5と複数のスペーサー5aとを一体化して製作するかは、コスト的に有利になる方を選択するとよい。それから、スペーサー5aを台形にしているのは、ナメクジ12がスペーサー5aの面を這い上がって来た時に、ナメクジ12はより高い所に上がりたがる習性がある様なので、スペーサー5aの下端はホルダー3からプロテクター5にかけて上り勾配を付け、スペーサー5aの上端はプロテクター5からホルダー3にかけて上り勾配を付けて紙コップの上部に向かって行くようにしている。
図1に示すように、プロテクター5はホルダー3の開口部の内側と紙コップ11の外面とが接触している個所から吹き降りの雨とか潅水がホルダー3の内部に入らないようにカバーするのと、雨とか潅水が地面から跳ね返り、紙コップ11の中に入れている誘引殺虫剤10にかからぬ様にカバーするのと、本ナメクジ駆除器1の設置場所を変える時にプロテクター5の外面を掴めるようにしているのと、プロテクター5の上部外面に蓋部6のカバー受け8を嵌め込む等のために設けている。ただ、この様な嵌め込み式にして製作するか、プロテクター5の上部外面に雄ネジをつけ、カバー受け8の下部内面に雌ネジをつけたネジ込み式にして製作するかは、使い勝手とコスト面で有利になる方を選択するとよいが、ネジ込み式にすると蓋部6の摘まみ7aをつまんで持ち運びできるようになるので、本ナメクジ駆除器1の設置場所を変える時など使い勝手がよくなる。
図1に示すように、蓋部6の摘まみ7aをつまんで、蓋部6のカバー受け8の下部内面を本体部2のプロテクター5の上部外面に、嵌め込んだり取り外したりするときは、例えば、左手でプロテクター5の外面を掴み、右手で摘まみ7aをつまんで行う。プロテクター5の外面とカバー7の上面と摘まみ7aは、ナメクジ12が這い上がる経路から外れているので安心して触れたり持つことができる。この様にして、前記、背景技術の問題点(ヘ)の問題を解決している。
図1と図4に示すように、雨とか潅水の飛沫が紙コップ11の上部外面につき滴になったものが、紙コップ11の外面の円周とホルダー3の開口部の内側の円周とが一致して接触している箇所の僅かな隙間からホルダー3の中に入り溜まる可能性があるので、直径8mmほどの水抜き孔4aを台4のトップ面の中心に設ける。台4のトップ面の水抜き孔4aの下面には、虫が侵入するのを防ぐために防虫ネット4bを貼り付ける。
図1に示すように、台4は本ナメクジ駆除器1が倒れにくく安定して置けるように鉢を伏せた形とし、安定さを増すために、一般的な洗面器とかボウルの縁の様に下端部は周囲全体に張り出している。
本ナメクジ駆除器1を温室内とかビニールハウス内など風が当たらない所に置く場合は、図1に示すように、この形態のままで地面13の上に置く。風がよく当たる家庭菜園とか野菜畑とか花壇とか果樹の根元付近などに置く場合は、地面14に台4の下端部が入る広さで、台4の高さの2分の1ほどの深さに穴を掘り、本ナメクジ駆除1を置く、この後、台4の下部の周囲を掘り出した土で埋め戻す。台4の下部の周囲を埋め戻した土の重さにより本駆除器1が風で倒されたり飛ばされたりしないようにしている。この様にして、前記、背景技術の問題点(ハ)の問題を解決している。ただ、台風とか強風などで横殴りの雨が降り、飛ばされる恐れがある様な時には影響のない所に一時的に保管する。図1に於ける地面14は台4の下部を台4の高さの2分の1ほどの深さに埋めた時の地面の位置を表示している。
図1〜図3と図5に示すように、蓋部6は、皿を伏せた形のカバー(以下、カバー)7と、鍔付丸棒形摘まみ(以下、摘まみ)7aと、円筒形のカバー受け(以下、カバー受け)8と、このカバー受け上部の複数(本形態の図では、一例として4個所としている)の切り欠き8aと、複数(本形態の図では、一例として4個としている)のナメクジ逃避防止ネット(以下、逃避防止ネット)8bと、複数(本形態の図では、一例として4個としている)のストッパー8cとにより構成されている。
図3に示すように、蓋部6の主要な部材であるカバー7と、摘まみ7aと、カバー受け8とは、平面的に見た外形が円形であり中心を同じくする同心円となっている。このように、シンプルな部材で構成され、コンパクトな形態になっている。
図1〜図3に示すように、蓋部6のカバー7は、誘引殺虫剤10を入れている紙コップ11を覆い、雨とか潅水が入らないようにしているので、誘引殺虫剤の効能が雨とか潅水により失われることはない。また、カバー7で覆うことにより犬とか猫などが誘引殺虫剤10を誤食できないようにしている。この様にして、前記、背景技術の問題点(イ)と(ロ)と(ニ)の問題を解決している。ただ、本ナメクジ駆除器1が何かの拍子で倒れた場合、紙コップ11の口から数粒の誘引殺虫剤10がこぼれる可能性があるので、この時はすぐに起こし、こぼれたのがあればピンセットなどでつまんで紙コップ11に戻すか、ポリ袋などに入れて廃棄すればよい。
図1に示すように、カバー7の縁部は斜め下方に向くようにし、吹き降りの雨とか潅水がカバー受け8の上部の切り欠き8aの内面に貼り付けている切欠き8a用ナメクジ逃避防止ネット(以下、逃避防止ネット)8bの網目を抜けて紙コップ11の中に入れている誘引殺虫剤10に掛からないように軒の役目をしているのと、誘引殺虫剤10が発生する匂いが、逃避防止ネット8bの網目を抜けて流れ出た後、斜め下方に流れ、物陰に潜んでいたり、餌などを求めて徘徊しているナメクジ12を、本ナメクジ駆除器1の台4の下部周囲に誘引するようにしている。
図1〜図3と図5に示すように、紙コップ11の開口部の縁上端まで登り詰めてきたナメクジ12が、紙コップ11の中に容易に入れる様にするために、紙コップ11の開口部の縁上端とカバー7のトップの内面との間にスペースを確保している。このために、カバー受け8と、ストッパー8cを設けている。
図1と図2と図5に示すように、蓋部6のカバー7のトップの内面に固着させる円筒形のカバー受け(以下、カバー受け)8の上部は凸凹させており、この複数(本形態の図において、一例として4個所としている)の凸部の内面に凸部の数と同数のストッパー8cを1個ずつ固着させるべく、ストッパー8cの上端と凸部の上端とを揃え、横方向は凸部の幅とストッパー8cの幅の差を左右均等に振り分けて固着させる。この後、凸部の上端とストッパー8cの上端とをカバー7のトップの内面に固着させて蓋部6の一部となるようにする。そして、蓋部6のカバー受け8の下部を本体部2のプロテクター5の上部外面に嵌め込んだ時に、ストッパー8cの下端を本体部2のプロテクター5の上端で受け止める様にしており、これにより、カバー7のトップの内面と紙コップ11の開口部縁上端との間に、ナメクジ12が通れるスペースを確保している。ただ、各部材をこの様に一個ずつ固着して製作するか、カバー受け8と、ストッパー8cとを一体化して製作するかは、コスト的に有利に成る方を選択するとよい。
図1〜図3と図5に示すように、カバー受け8の上部の複数(本形態の図において、一例として4個所としている)の凹部は誘引殺虫剤が発生する匂いを四方に流れ出る様にする切欠き8aであり、この切欠き8aにはナメクジが紙コップ11の開口部の方に行かずこの切欠き8aから逃げ出すのを防ぐために、複数(本形態の図において、一例として4個としている)の逃避防止ネット8bをカバー受け8の内面に貼り付けている。この逃避防止ネット8bの縦方向の寸法はストッパー8cの縦方向の寸法と同一寸法とし、上端はカバー7のトップの内面に接触させ、下端はストッパー8cの下端と同一レベルとし、横方向の寸法は左側のストッパー8cの右端と右側のストッパー8cの左端との間のカバー方向の寸法は左側のストッパー8cの右端と右側のストッパー8cの左端との間のカバー受け8の内面に沿わせた寸法とする。
図1〜図3に示すように、蓋部6を本体部2の上部に、嵌め込んだり取り外したりする時に、指でつまめる鍔付丸棒形の摘まみ(以下、摘まみ)7aをカバー7のトップ面中央に固着させる。
図1と図2と図4に示すように、本発明のナメクジ駆除器1は、本体部2の上部に嵌め込んでいる、蓋部6を摘まみ7aをつまんで持ち上げて外すと、直ぐそこに、本体部2のホルダー3があるので、最初は新しい誘引殺虫剤10を新しい紙コップ11の底部に、底が見えなくなる程度の僅かな量を入れた後、この紙コップ11をホルダー3の中に入れ、本体部2に蓋部6を嵌め込むだけなので至って簡単にできる。この後、ナメクジ駆除器1のプロテクター5の外面を掴んでナメクジ12が多発している場所に持って行き、段落番号0027に記述している内容を参照して設置する。そして、ナメクジ駆除器1を設置してから数日後に、蓋部6の透明なカバー7の上から紙コップ11の中を見て、紙コップ11の底部の誘引殺虫剤10がナメクジ12の死骸で見えなくなっているようであれば、誘引殺虫剤10の薬効がナメクジ12の体液で殆ど無くなっているので、摘まみ7aをつまんで蓋部6を持ち上げて外し、この紙コップ11の底部にあるナメクジ12の死骸と殆ど薬効が無くなった誘引殺虫剤10とを、このままの状態で、紙コップ11の上部の縁をピンセットなどで挟み持ち上げて紙コップ11ごと取り出しポリ袋などに入れて生ゴミとして廃棄すればたいした抵抗感もなく、手も汚さず手間もかからず短時間で簡単に処理でき、装置の中などを洗浄する必要もない。そしてその後、誘引殺虫剤10と紙コップ11を新しいものに換え、最初に使い始めた時と同様に行っていけば気持ち良く簡単に繰り返し使用できる。この様にして、前記、背景技術の問題点(ホ)の問題を解決している。
図1に於いて、本発明のナメクジ駆除器1に、例えば、使い勝手の良いサイズの紙コップ11として、市販の7オンス 容量205ml 口径73mm×高さ80mmのサイズのものを使用した場合、カバー7の最大直径は約130mm、台4の下端からカバー7付きの摘まみ7aの上端までの高さは約140mm、プロテクター5の外径は約100mm、台4の下端部の外径は約120mm程度のコンパクトな形態のものとなる。また、台4の下端から紙コップ11の開口部上端までの高さは約110mm程度なので、この程度の高さであれば体長12mm程の小さなナメクジ12でも苦にもせず這い上がって行き、そして、紙コップ11の底で死骸となっている。ただ、ナメクジの胴径が約7mm以上の大きなものに対しては、市販の9オンス 容量275ml以上の紙コップ11で対応することになり、上記の各サイズは大きくなる。また、プロテクター5の外径も大きくなり、本ナメクジ駆除器1の設置場所を変える時にプロテクター5の外面が掴みにくくなるので、このプロテクター5の外面にマグカップに付いている様な取っ手をつけるなどして対応するとよい。
図3に示すように、本発明のナメクジ駆除器1を構成しているホルダー3と、台4と、プロテクター5と、カバー7と、カバー受け8と、摘まみ7aとは、シンプルな形状の部材なので、これらの部材の全部又は一部を平面的に見た外形が四角形とか五画形とか或いは円に近い様な多角形とすることができる。が、平面的に見た外形は円形が基本の形なので、本発明を実施するための形態の図に於いては、これらの部材を平面的に見た外形は全て円形とし、本明細書においても全て円形として記述している。
図1〜図5に於いて、ナメクジ駆除器1を構成している、ホルダー3と、台4と、プロテクター5と、スペーサー5aと、カバー7と、摘まみ7aと、カバー受け8と、ストッパー8cとは、日光、雨、風などにさらされるので耐久性のある硬質の合成樹脂製とする。蓋部6のカバー7は、蓋部6を本体部2の上部に嵌めこんだ状態で、紙コップ11の中の状態を見ることができるように透明な合成樹脂製とする。このカバー7以外は透明とか不透明とかを限定せず有色も可とする。防虫ネット4bと、逃避防止ネット8bとは、市販品の合成樹脂製の鉢底用ネットをカットして用いるとよい。
ナメクジにより食害を受ける、家庭菜園とか、野菜畑とか、花壇とか、果樹の根元とか、温室内とか、ビニールハウス内などに置いて利用できるので、本ナメクジ駆除器の利用範囲は相当に広い。コンパクトな形態なので場所を取らない、簡単に取り扱えるなど多くの特徴を有する本ナメクジ駆除器を必要に応じて複数個、置いておくだけで、付近のナメクジを確実に駆除できる。本ナメクジ駆除器はシンプルな形状の部材で構成されているので、製作コストを低くおさえ、量産化され、利用したいと思われる方々が納得されるような安価のものが市場に提供できれば産業上の利用可能性はある。それと、家庭菜園とか野菜畑などの作物の周りに、誘引殺虫剤とか忌避剤を直接ばら撒くことに抵抗感のある方々には安心して利用して頂ける。
1 ナメクジ駆除器
2 本体部
3 ホルダー
4 台
4a 水抜き孔
4b 水抜き孔用防虫ネット
5 プロテクター
5a スペーサー
6 蓋部
7 カバー
7a 摘まみ
8 カバー受け
8a カバー受け上部の切り欠き
8b 切り欠き用ナメクジ逃避防止ネット
8c ストッパー
10 誘引殺虫剤
11 市販の使い捨て紙コップ
12 ナメクジ
13 本駆除器を風が当たらない場所に設置した場合の地面
14 本駆除器を風が当たる場所に設置した場合の地面(地中に台の下部を埋めた状態)
2 本体部
3 ホルダー
4 台
4a 水抜き孔
4b 水抜き孔用防虫ネット
5 プロテクター
5a スペーサー
6 蓋部
7 カバー
7a 摘まみ
8 カバー受け
8a カバー受け上部の切り欠き
8b 切り欠き用ナメクジ逃避防止ネット
8c ストッパー
10 誘引殺虫剤
11 市販の使い捨て紙コップ
12 ナメクジ
13 本駆除器を風が当たらない場所に設置した場合の地面
14 本駆除器を風が当たる場所に設置した場合の地面(地中に台の下部を埋めた状態)
Claims (4)
- ナメクジを駆除する装置であって、本体部と、本体部の上部に嵌め込む蓋部とによりなり、本体部は、市販の使い捨て紙コップの口を上向きにして入れて保持する円筒形のホルダーと、該紙コップを受けると共に該ホルダーを乗せて固着させる台と、該台のトップ面の水抜き孔と、該水抜き孔に取り付けられた防虫ネットと、ホルダーを囲う円筒形のプロテクターと、ホルダーの外面とプロテクターの内面との間に設けられた複数のスペーサーとにより構成され、蓋部は、本体部を覆うカバーと、摘まみと、カバーの下側に取り付けられた円筒形のカバー受けと、該カバー受け上部の複数の切り欠きと、該複数の切り欠きに取り付けられたナメクジ逃避防止ネットと、カバー受けの内面に固着された複数のストッパーを有し、カバー受けの下部を本体部のプロテクターの上部外面に嵌め込んだ時に、ストッパーの下端がプロテクターの上端によって受け止められるように構成されていることを特徴とするナメクジ駆除器。
- ナメクジを駆除するために誘引殺虫剤を入れる容器として市販の使い捨て紙コップを用い、該市販の使い捨て紙コップをナメクジ駆除器の中に組み入れていることを特徴とする請求項1に記載のナメクジ駆除器。
- 前記紙コップを入れて保持する前記ホルダーの高さは、該ホルダーを前記台のトップ面に乗せた状態で、該紙コップの高さより低くし、該紙コップの上部が該ホルダーの上端より上にはみ出る様にしており、該ホルダーの上端に於ける円形の開口部の内径は、該ホルダーの高さと該紙コップの同じ高さに於ける、該紙コップの外径と同一寸法とし、該台のトップ面に該ホルダーを乗せた状態で該ホルダーの中に該紙コップを入れた時に、該ホルダーの上端の内側の円周と該紙コップ外面の円周とが一致して接触することにより隙間をなくすようにされていることを特徴とする請求項1又は2に記載のナメクジ駆除器。
- 前記蓋部の前記円筒形のカバー受けの上部は凸凹させており、複数の凸部の内面に凸部の数と同数の前記ストッパーを固着させるべく、該ストッパーの上端と凸部の上端とを揃え、横方向は凸部の幅と該ストッパーの幅の差を左右均等に振り分けにして固着させた後に、凸部の上端と該ストッパーの上端とを前記カバーのトップの内面に固着させて蓋部の一部となるようにされており、複数の凹部は前記の切欠きであり、該切欠きには前記逃避防止ネットを該カバー受けの内面に貼り付け、該蓋部の該カバー受けの下部を前記本体部の前記プロテクターの上部外面に嵌め込んだ時に、該ストッパーの下端を該本体部の該プロテクターの上端で、受け止める様にされていることを特徴とする請求項1に記載のナメクジ駆除器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015243598A JP6086268B1 (ja) | 2015-11-26 | 2015-11-26 | ナメクジ駆除器 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP6086268B1 true JP6086268B1 (ja) | 2017-03-01 |
JP2017093413A JP2017093413A (ja) | 2017-06-01 |
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---|---|---|---|
JP2015243598A Expired - Fee Related JP6086268B1 (ja) | 2015-11-26 | 2015-11-26 | ナメクジ駆除器 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP6086268B1 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101909111B1 (ko) * | 2016-08-24 | 2018-10-17 | 박길미 | 엘이디 장착 프레임용 반사필름 부착장치 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20030070348A1 (en) * | 2001-10-17 | 2003-04-17 | Rockwell Laboratories,Ltd. | Insect baiting and trapping station |
JP2003274832A (ja) * | 2002-03-26 | 2003-09-30 | Akita Prefecture | ナメクジ等捕獲器 |
JP2007151422A (ja) * | 2005-12-01 | 2007-06-21 | Shigetoshi Tanaka | ナメクジ駆除器 |
-
2015
- 2015-11-26 JP JP2015243598A patent/JP6086268B1/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20030070348A1 (en) * | 2001-10-17 | 2003-04-17 | Rockwell Laboratories,Ltd. | Insect baiting and trapping station |
JP2003274832A (ja) * | 2002-03-26 | 2003-09-30 | Akita Prefecture | ナメクジ等捕獲器 |
JP2007151422A (ja) * | 2005-12-01 | 2007-06-21 | Shigetoshi Tanaka | ナメクジ駆除器 |
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---|---|---|---|---|
KR101909111B1 (ko) * | 2016-08-24 | 2018-10-17 | 박길미 | 엘이디 장착 프레임용 반사필름 부착장치 |
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---|---|
JP2017093413A (ja) | 2017-06-01 |
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