JP6059538B2 - 硬化性エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、硬化性エポキシ樹脂組成物、該硬化性エポキシ樹脂組成物を硬化して得られる硬化物、及び該硬化性エポキシ樹脂組成物の硬化物により光半導体素子が封止された光半導体装置に関する。
近年、光半導体装置の高出力化が進んでおり、このような光半導体装置において光半導体素子を被覆する樹脂(封止材)には、高い耐熱性、耐光性が求められている。従来、耐熱性が高い封止材を形成するための封止剤として、例えば、モノアリルジグリシジルイソシアヌレートとビスフェノールA型エポキシ樹脂を含む組成物が知られている(特許文献1参照)。しかしながら、上記組成物を高出力の青色・白色光半導体用の封止剤として用いた場合には、光半導体素子から発せられる光及び熱によって封止材の着色が進行し、本来出力されるべき光が吸収されてしまい、その結果、光半導体装置から出力される光の光度が経時で低下するという問題が生じていた。
高い耐熱性及び耐光性を有し、黄変しにくい硬化物(封止材)を形成する封止剤として、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(3,4−エポキシ)シクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(3,4−エポキシ)シクロヘキサンカルボキシレートとε−カプロラクトンの付加物、1,2,8,9−ジエポキシリモネンなどの脂環骨格を有する液状の脂環式エポキシ樹脂が知られている。しかし、これらの脂環式エポキシ樹脂の硬化物は各種応力に弱く、冷熱サイクル(加熱と冷却を周期的に繰り返すこと)のような熱衝撃が加えられた場合に、クラック(ひび割れ)が発生する等の問題が生じていた。
また、光半導体装置(例えば、表面実装型の光半導体装置)は、はんだ付けにより光半導体装置の電極を配線基板に接合するためのリフロー工程を経るのが一般的である。近年、接合材としてのはんだとして、融点の高い無鉛はんだが使用されるようになってきており、リフロー工程での加熱処理がより高温(例えば、ピーク温度が240〜260℃)になってきている。このような状況下、従来の光半導体装置においては、リフロー工程での加熱処理により封止材が光半導体装置のリードフレームから剥離したり、封止材にクラックが生じたりする等の劣化の問題が生じていた。
このため、光半導体装置における封止材には、高い耐熱性、耐光性に加え、熱衝撃が加えられた場合にもクラックが生じにくい特性(「耐熱衝撃性」と称する場合がある)、及び、リフロー工程において加熱処理された際にもクラックや剥離が生じにくい特性が求められている。特に、近年、封止材のより高い信頼性確保の観点から、光半導体装置を高湿条件下で一定時間(例えば、30℃、70%RHの条件下で168時間;60℃、60%RHの条件下で40時間など)置いて吸湿させた後にリフロー工程で加熱処理した場合にもなお上述のクラックや剥離が生じにくいこと(このような特性を「耐吸湿リフロー性」と称する場合がある)が求められている。
特開2000−344867号公報
従って、本発明の目的は、高い耐熱性、耐光性、及び耐熱衝撃性を有し、特に、光半導体装置の高温における通電特性及び耐吸湿リフロー性を向上させることが可能な硬化物を形成できる硬化性エポキシ樹脂組成物を提供する。
また、本発明の他の目的は、高い耐熱性、耐光性、及び耐熱衝撃性を有し、特に、光半導体装置の高温における通電特性及び耐吸湿リフロー性を向上させることが可能な硬化物を提供する。
また、本発明の他の目的は、高温における通電特性に優れ、さらに高湿条件下で保管された後にリフロー工程で加熱処理した場合の光度低下等の劣化が抑制された、耐久性及び品質の高い光半導体装置を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、脂環式エポキシ化合物と、モノアリルジグリシジルイソシアヌレート化合物と、過酸化物分解剤とを含有する硬化性エポキシ樹脂組成物が、高い耐熱性、耐光性、及び耐熱衝撃性を有し、特に、光半導体装置の高温における通電特性及び耐吸湿リフロー性を向上させることが可能な硬化物を形成できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、脂環式エポキシ化合物(A)と、下記式(1)
Figure 0006059538
[式中、R1、R2は、同一又は異なって、水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を示す。]
で表されるモノアリルジグリシジルイソシアヌレート化合物(B)と、過酸化物分解剤(C)とを含むことを特徴とする硬化性エポキシ樹脂組成物を提供する。
さらに、脂環式エポキシ化合物(A)が、シクロヘキセンオキシド基を有する化合物である前記の硬化性エポキシ樹脂組成物を提供する。
さらに、脂環式エポキシ化合物(A)が、下記式(I−1)
Figure 0006059538
で表される化合物である前記の硬化性エポキシ樹脂組成物を提供する。
さらに、過酸化物分解剤(C)が、リン系酸化防止剤及びイオウ系酸化防止剤からなる群より選択された少なくとも1種の過酸化物分解剤である前記の硬化性エポキシ樹脂組成物を提供する。
さらに、ゴム粒子を含む前記の硬化性エポキシ樹脂組成物を提供する。
さらに、硬化剤(D)及び硬化促進剤(E)を含む前記の硬化性エポキシ樹脂組成物を提供する。
さらに、硬化触媒(F)を含む前記の硬化性エポキシ樹脂組成物を提供する。
また、本発明は、前記の硬化性エポキシ樹脂組成物を硬化して得られる硬化物を提供する。
さらに、光半導体封止用樹脂組成物である前記の硬化性エポキシ樹脂組成物を提供する。
また、本発明は、前記の硬化性エポキシ樹脂組成物の硬化物により光半導体素子が封止された光半導体装置を提供する。
本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物は上記構成を有するため、該樹脂組成物を硬化させることにより、高い耐熱性、耐光性、及び耐熱衝撃性を有し、特に、光半導体装置の高温における通電特性及び耐吸湿リフロー性を向上させることが可能な硬化物を形成することができる。このため、本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物を光半導体封止用樹脂組成物として使用した場合には、特に、高温の過酷な条件下において光度低下等の劣化が生じにくく、さらに、高湿条件下で保管した後にリフロー工程で加熱処理した場合でも光度低下等の劣化が生じにくい、耐久性及び品質の高い光半導体装置を得ることができる。
本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物の硬化物により光半導体素子が封止された光半導体装置の一実施形態を示す概略図である。左側の図(a)は斜視図であり、右側の図(b)は断面図である。 実施例のはんだ耐熱性試験における光半導体装置の表面温度プロファイル(二度の加熱処理のうち一方の加熱処理における温度プロファイル)の一例である。
<硬化性エポキシ樹脂組成物>
本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物は、脂環式エポキシ化合物(A)と、下記式(1)
Figure 0006059538
で表されるモノアリルジグリシジルイソシアヌレート化合物(B)と、過酸化物分解剤(C)とを少なくとも含む硬化性組成物である。
[脂環式エポキシ化合物(A)]
本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物における脂環式エポキシ化合物(A)は、分子内(一分子中)に脂環(脂肪族環)構造とエポキシ基とを少なくとも有する化合物である。脂環式エポキシ化合物(A)としては、具体的には、(i)脂環を構成する隣接する2つの炭素原子と酸素原子とで構成されるエポキシ基(脂環エポキシ基)を有する化合物、(ii)脂環にエポキシ基が直接単結合で結合している化合物などが挙げられる。
上述の(i)脂環を構成する隣接する2つの炭素原子と酸素原子とで構成されるエポキシ基(脂環エポキシ基)を有する化合物としては、公知乃至慣用のものの中から任意に選択して使用することができる。中でも、上記脂環エポキシ基としては、シクロヘキセンオキシド基が好ましい。
上述の(i)脂環を構成する隣接する2つの炭素原子と酸素原子とで構成されるエポキシ基を有する化合物としては、透明性、耐熱性の観点で、シクロヘキセンオキシド基を有する化合物が好ましく、特に、下記式(I)で表される化合物(脂環式エポキシ化合物)が好ましい。
Figure 0006059538
上記式(I)中、Xは単結合又は連結基(1以上の原子を有する2価の基)を示す。上記連結基としては、例えば、2価の炭化水素基、カルボニル基、エーテル結合、エステル結合、カーボネート基、アミド基、これらが複数個連結した基などが挙げられる。
上記式(I)中のXが単結合である化合物としては、3,4,3’,4’−ジエポキシビシクロヘキサンなどが挙げられる。
上記2価の炭化水素基としては、炭素数が1〜18の直鎖又は分岐鎖状のアルキレン基、2価の脂環式炭化水素基などが挙げられる。炭素数が1〜18の直鎖又は分岐鎖状のアルキレン基としては、例えば、メチレン基、メチルメチレン基、ジメチルメチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基などが挙げられる。上記2価の脂環式炭化水素基としては、例えば、1,2−シクロペンチレン基、1,3−シクロペンチレン基、シクロペンチリデン基、1,2−シクロヘキシレン基、1,3−シクロヘキシレン基、1,4−シクロヘキシレン基、シクロヘキシリデン基などの2価のシクロアルキレン基(シクロアルキリデン基を含む)などが挙げられる。
上記連結基Xとしては、特に、酸素原子を含有する連結基が好ましく、具体的には、−CO−、−O−CO−O−、−COO−、−O−、−CONH−;これらの基が複数個連結した基;これらの基の1又は2以上と2価の炭化水素基の1又は2以上とが連結した基などが挙げられる。2価の炭化水素基としては上記で例示したものが挙げられる。
上記式(I)で表される脂環式エポキシ化合物の代表的な例としては、下記式(I−1)〜(I−10)で表される化合物などが挙げられる。なお、下記式(I−5)、(I−7)中のl、mは、それぞれ1〜30の整数を表す。下記式(I−5)中のRは炭素数1〜8のアルキレン基であり、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、ブチレン基、イソブチレン基、s−ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基等の直鎖又は分岐鎖状のアルキレン基が挙げられる。これらの中でも、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基等の炭素数1〜3の直鎖又は分岐鎖状のアルキレン基が好ましい。下記式(I−9)、(I−10)中のn1〜n6は、それぞれ1〜30の整数を示す。
Figure 0006059538
Figure 0006059538
上述の(ii)脂環にエポキシ基が直接単結合で結合している化合物としては、例えば、下記式(II)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0006059538
式(II)中、R′はp価のアルコールからp個の−OHを除した基であり、p、nはそれぞれ自然数を表す。p価のアルコール[R′−(OH)p]としては、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノール等の多価アルコールなど(炭素数1〜15のアルコール等)が挙げられる。pは1〜6が好ましく、nは1〜30が好ましい。pが2以上の場合、それぞれの( )内(丸括弧内)の基におけるnは同一でもよく異なっていてもよい。上記化合物としては、具体的には、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサン付加物、商品名「EHPE3150」((株)ダイセル製)などが挙げられる。
本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物において、脂環式エポキシ化合物(A)は1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。また、脂環式エポキシ化合物(A)としては、例えば、商品名「セロキサイド2021P」、「セロキサイド2081」(以上、(株)ダイセル製)などの市販品を使用することもできる。
脂環式エポキシ化合物(A)としては、上記式(I−1)で表される3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(3,4−エポキシ)シクロヘキサンカルボキシレート[例えば、商品名「セロキサイド2021P」((株)ダイセル製)など]が特に好ましい。
本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物における脂環式エポキシ化合物(A)の含有量(配合量)は、特に限定されないが、硬化性エポキシ樹脂組成物(100重量%)に対して、10〜95重量%が好ましく、より好ましくは15〜90重量%、さらに好ましくは20〜85重量%である。脂環式エポキシ化合物(A)の含有量が上記範囲を外れると、硬化物の耐熱性や耐光性が不十分となる場合がある。
また、本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物における脂環式エポキシ化合物(A)の含有量(配合量)は、特に限定されないが、本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物が硬化剤(D)を必須成分として含む場合には、硬化性エポキシ樹脂組成物(100重量%)に対して、10〜90重量%が好ましく、より好ましくは15〜80重量%、さらに好ましくは20〜70重量%である。一方、本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物が硬化触媒(F)を必須成分として含む場合には、脂環式エポキシ化合物(A)の含有量(配合量)は、硬化性エポキシ樹脂組成物(100重量%)に対して、25〜95重量%が好ましく、より好ましくは30〜90重量%、さらに好ましくは35〜90重量%である。
硬化性エポキシ樹脂組成物に含まれるエポキシ基を有する化合物の全量(全エポキシ化合物)(100重量%)に対する脂環式エポキシ化合物(A)の含有量(配合量)は、特に限定されないが、20〜95重量%が好ましく、より好ましくは30〜92重量%、さらに好ましくは40〜90重量%である。脂環式エポキシ化合物(A)の含有量が20重量%未満では、硬化物の耐熱性、耐光性、耐熱衝撃性、耐吸湿リフロー性が低下する場合がある。
[モノアリルジグリシジルイソシアヌレート化合物(B)]
本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物におけるモノアリルジグリシジルイソシアヌレート化合物(B)は、上記式(1)で表される化合物である。モノアリルジグリシジルイソシアヌレート化合物(B)は、特に、硬化物の靭性を向上させ、耐熱衝撃性や耐吸湿リフロー性(特に、吸湿後のリフロー工程での加熱処理における耐クラック性(クラックを生じにくい特性))を向上させる役割を担う。
上記式(1)中、R1、R2は、同一又は異なって、水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を示す。炭素数1〜8のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等の直鎖又は分岐鎖状のアルキル基が挙げられる。中でも、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等の炭素数1〜3の直鎖又は分岐鎖状のアルキル基が好ましい。上記式(1)中のR1及びR2は、水素原子であることが特に好ましい。
モノアリルジグリシジルイソシアヌレート化合物(B)の代表的な例としては、モノアリルジグリシジルイソシアヌレート、1−アリル−3,5−ビス(2−メチルエポキシプロピル)イソシアヌレート、1−(2−メチルプロペニル)−3,5−ジグリシジルイソシアヌレート、1−(2−メチルプロペニル)−3,5−ビス(2−メチルエポキシプロピル)イソシアヌレートなどが挙げられる。なお、モノアリルジグリシジルイソシアヌレート化合物(B)は1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
なお、モノアリルジグリシジルイソシアヌレート化合物(B)は、アルコールや酸無水物などのエポキシ基と反応する化合物を加えてあらかじめ変性して用いてもよい。
モノアリルジグリシジルイソシアヌレート化合物(B)の含有量(配合量)は、特に限定されないが、硬化性エポキシ樹脂組成物に含まれるエポキシ基を有する化合物の全量(100重量%)に対して、5〜60重量%が好ましく、より好ましくは8〜55重量%、さらに好ましくは10〜50重量%である。モノアリルジグリシジルイソシアヌレート化合物(B)の含有量が60重量%を超えると、モノアリルジグリシジルイソシアヌレート化合物(B)の硬化性エポキシ樹脂組成物における溶解性が低下し、硬化物の物性に悪影響が及ぶ場合がある。一方、モノアリルジグリシジルイソシアヌレート化合物(B)の含有量が5重量%未満であると、硬化物の耐熱衝撃性や耐吸湿リフロー性が低下する場合がある。
また、脂環式エポキシ化合物(A)とモノアリルジグリシジルイソシアヌレート化合物(B)の合計量(100重量%)に対するモノアリルジグリシジルイソシアヌレート化合物(B)の含有量(配合量)は、特に限定されないが、5〜60重量%が好ましく、より好ましくは8〜55重量%、さらに好ましくは10〜50重量%である。モノアリルジグリシジルイソシアヌレート化合物(B)の含有量が60重量%を超えると、モノアリルジグリシジルイソシアヌレート化合物(B)の硬化性エポキシ樹脂組成物における溶解性が低下し、硬化物の物性に悪影響が及ぶ場合がある。一方、モノアリルジグリシジルイソシアヌレート化合物(B)の含有量が5重量%未満であると、硬化物の耐熱衝撃性や耐吸湿リフロー性が低下する場合がある。
[過酸化物分解剤(C)]
本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物における過酸化物分解剤(C)は、系中(硬化性エポキシ樹脂組成物又はその硬化物中)に生成した過酸化物を分解し、安定な物質へと変換することができる化合物である。過酸化物分解剤としては、過酸化物を分解できる公知乃至慣用の化合物を使用することができ、特に限定されないが、例えば、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤などが挙げられる。なお、本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物において過酸化物分解剤(C)は、1種を単独で使用することもできるし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
上記リン系酸化防止剤としては、例えば、下記式(2)で表される化合物、下記式(3)で表される化合物などが挙げられる。
Figure 0006059538
Figure 0006059538
上記式(2)中、R3、R4、及びR5は、同一又は異なって、有機基(1価の有機基;炭素原子を少なくとも有する1価の基)を示す。1価の有機基としては、例えば、置換又は無置換の炭化水素基、置換又は無置換の複素環式基、これらの基の1以上と連結基やリン原子を含む結合などの1以上とが結合した基などが挙げられる。上記炭化水素基としては、例えば、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、これらが2以上結合した基などが挙げられる。上記脂肪族炭化水素基としては、例えば、アルキル基[メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、イソオクチル基、デシル基、ドデシル基などのC1-20アルキル基など]、アルケニル基[ビニル基、アリル基、メタリル基、1−プロペニル基、イソプロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、5−ヘキセニル基などのC2-20アルケニル基など]、アルキニル基[エチニル基、プロピニル基などのC2-20アルキニル基など]が挙げられる。上記脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロドデシル基などのC3-12のシクロアルキル基;シクロヘキセニル基などのC3-12のシクロアルケニル基;ビシクロヘプタニル基、ビシクロヘプテニル基などのC4-15の架橋環式炭化水素基などが挙げられる。上記芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基等のC6-14アリール基などが挙げられる。
また、上記炭化水素基としては、例えば、シクロへキシルメチル基、メチルシクロヘキシル基などの脂肪族炭化水素基と脂環式炭化水素基とが結合した基;ベンジル基、フェネチル基等のC7-18アラルキル基、シンナミル基等のC6-10アリール−C2-6アルケニル基、トリル基等のC1-4アルキル置換アリール基、スチリル基等のC2-4アルケニル置換アリール基などの脂肪族炭化水素基と芳香族炭化水素基とが結合した基などが挙げられる。
上記複素環式基としては、例えば、ピリジル基、フリル基、チエニル基などが挙げられる。また、上記複素環式基としては、2以上の複素環式基が直接結合した基や、1以上の複素環式基と1以上の炭化水素基とが結合した基なども挙げられる。
上記1価の有機基における上記炭化水素基や複素環式基が有していてもよい置換基としては、例えば、炭素数0〜20(より好ましくは炭素数0〜10)の置換基などが挙げられ、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;ヒドロキシル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロピルオキシ基、ブトキシ基、イソブチルオキシ基等のアルコキシ基;アリルオキシ基等のアルケニルオキシ基;フェノキシ基、トリルオキシ基、ナフチルオキシ基等の、芳香環にアルキル基、アルケニル基、ハロゲン原子、アルコキシ基等の置換基を有していてもよいアリールオキシ基;ベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基等のアラルキルオキシ基;アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、(メタ)アクリロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等のアシルオキシ基;メルカプト基;メチルチオ基、エチルチオ基等のアルキルチオ基;アリルチオ基等のアルケニルチオ基;フェニルチオ基、トリルチオ基、ナフチルチオ基等の、芳香環にアルキル基、アルケニル基、ハロゲン原子、アルコキシ基等の置換基を有していてもよいアリールチオ基;ベンジルチオ基、フェネチルチオ基等のアラルキルチオ基;カルボキシル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基;フェノキシカルボニル基、トリルオキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基等のアリールオキシカルボニル基;ベンジルオキシカルボニル基等のアラルキルオキシカルボニル基;アミノ基;メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等のモノ又はジアルキルアミノ基;アセチルアミノ基、プロピオニルアミノ基、ベンゾイルアミノ基等のアシルアミノ基;エチルオキセタニルオキシ基等のオキセタニル基含有基;アセチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基等のアシル基;オキソ基;これらの2以上が必要に応じてアルキレン基を介して結合した基などが挙げられる。
上記1価の有機基としては、例えば、上述の炭化水素基の1以上と、連結基[1以上の原子を有する2価の基;例えば、エステル結合、エーテル結合、カーボネート結合、アミド結合、チオエーテル結合、チオエステル結合、−NRa−(Raは、水素原子、水酸基、又はアルキル基を示す)、イミド結合、これらの2以上が結合した基など]の1以上とが結合した基なども挙げられる。また、上記1価の有機基は、上述の炭化水素基の1以上と、リン原子を含む結合[例えば、リン酸、亜リン酸、ホスホン酸、亜ホスホン酸、ホスフィン酸、亜ホスフィン酸などのリン酸類から、当該リン酸類におけるOH基の水素原子の1以上を除いて形成される基(例えば、1〜3価の基)など]の1以上と、さらに必要に応じて上記連結基の1以上とが結合した基などであってもよい。さらに、上記1価の有機基としては、例えば、複素環式基の1以上と、上記連結基や上記リン原子を含む結合などの1以上とが結合した基なども挙げられる。
なお、上記式(2)においては、R3、R4、及びR5から選ばれた2以上が互いに結合して環(例えば、5〜7員環)を形成していてもよい。
上記式(3)中、R6は、有機基(1価の有機基)を示す。1価の有機基としては、上記式(2)中のR3、R4、及びR5として例示した基が挙げられる。また、上記式(3)中、Yは、水素原子、アルカリ金属(例えば、リチウム、ナトリウム、カリウムなど)、又は第2族元素(例えば、カルシウム、バリウム、マグネシウムなど)を示す。
上記リン系酸化防止剤としては、より具体的には、例えば、下記式(2−1)で表される2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)[1,1−ビフェニル]−4,4’−ジイルビスホスファイト、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド、トリエチルホスファイト、トリ−n−ブチルホスファイト、トリフェニルホスファイト、ジフェニルモノオクチルホスファイト、トリ(p−クレジル)ホスファイト、ジフェニルモノデシルホスファイト、ジフェニルモノ(トリデシル)ホスファイト、トリス(2−エチルヘキシル)ホスファイト、フェニルジデシルホスファイト、トリデシルホスファイト、テトラフェニルジプロピレングリコールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、トリス(トリデシル)ホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス[2,4−ジ(1−フェニルイソプロピル)フェニル]ペンタエリスリトールジホスファイト、トリラウリルトリチオホスファイト、トリス(ジノニルフェニル)ホスファイト、トリオレイルホスファイト、トリステアリルホスファイト、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニルジトリデシル)ホスファイト、テトラ(C12-15混合アルキル)−4,4’−イソプロピリデンジフェニルジホスファイト、テトラ(トリデシル)−4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)ジホスファイト、ヘキサ(トリデシル)−1,1,3−トリス(2−メチル−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン−トリホスファイト、水添ビスフェノールAホスファイトポリマー、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニルオキシ)4,4’−ビフェニレン−ジ−ホスフィン、トリス[2−[[2,4,8,10−テトラ−t−ブチルジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサフォスフェフィン−6−イル]オキシ]エチル]アミン、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチル−5−メチルフェニルオキシ)4,4′−ビフェニレン−ジ−ホスフィン、2−[[2,4,8,10−テトラキス(1,1−ジメチルエテル)ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサフォスフェピン6−イル]オキシ]−N,N−ビス[2−[[2,4,8,10−テトラキス(1,1−ジメチルエチル)ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサフォスフェピン−6−イル]オキシ]−エチル]エタナミンなどが挙げられる。なお、リン系酸化防止剤は1種を単独で使用することもできるし、2種以上を併用することもできる。
Figure 0006059538
リン系酸化防止剤としては、市販品を使用することもできる。当該市販品としては、例えば、商品名「アデカスタブ HP−10」、「アデカスタブ TPP」、「アデカスタブ C」、「アデカスタブ 517」、「アデカスタブ 3010」、「アデカスタブ PEP−24G」、「アデカスタブ PEP−4C」、「アデカスタブ PEP−36」、「アデカスタブ PEP−45」、「アデカスタブ 1178」、「アデカスタブ 135A」、「アデカスタブ 1178」、「アデカスタブ PEP−8」、「アデカスタブ 329K」、「アデカスタブ 260」、「アデカスタブ 522A」、「アデカスタブ 1500」(以上、(株)ADEKA製);商品名「GSY−P101」、「Chelex−OL」、「Chelex−PC」(堺化学工業(株)製);商品名「JP302」、「JP304」、「JPM313」、「JP308」、「JPP100」、「JPS312」、「JP318E」、「JP333E」、「JPH1200」、「HBP」(以上、城北化学工業(株)製);商品名「IRGAFOS 168」、「IRGAFOS P−EPQ」、「IRGAFOS 12」(以上、BASF製);商品名「SANKO−HCA」(三光(株)製)などが挙げられる。
上記イオウ系酸化防止剤としては、例えば、下記式(4)で表される化合物などが挙げられる。
Figure 0006059538
上記式(4)中、R7及びR8は、同一又は異なって、有機基(1価の有機基)を示す。1価の有機基としては、上記式(2)中のR3、R4、及びR5として例示した基が挙げられる。なお、上記式(4)においてR7及びR8は、互いに結合して環(例えば、5〜7員環)を形成していてもよい。
上記イオウ系酸化防止剤としては、より具体的には、例えば、ジラウリルチオジプロピオネート(例えば、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート)、ジミリスチルチオジプロピオネート(例えば、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオネート)、ジステアリルチオジプロピオネート(例えば、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート)、ビス[2−メチル−4−{3−n−アルキルチオプロピオニルオキシ}−5−t−ブチルフェニル]スルフィド、テトラキス[メチレン−3−(ラウリルチオ)プロピオネート]メタン、テトラキス[メチレン−3−(ミリスチルチオ)プロピオネート]メタン、テトラキス[メチレン−3−(ステアリルチオ)プロピオネート]メタン、2−メルカプトベンズイミダゾール、ジトリデシルチオジプロピオネート、1,3,5−トリス−β−ステアリルチオプロピオニルオキシエチルイソシアヌレートなどが挙げられる。なお、イオウ系酸化防止剤は1種を単独で使用することもできるし、2種以上を併用することもできる。
イオウ系酸化防止剤としては、市販品を使用することもできる。当該市販品としては、例えば、商品名「Irganox PS800FD」、「Irganox PS802FD」、「Irganox PS800FL」、「Irganox PS802FL」(以上、BASF製);商品名「アデカスタブ AO−23」、「アデカスタブ AO−412S」、「アデカスタブ AO−503」(以上、(株)ADEKA製);商品名「Sumilizer TPL−R」、「Sumilizer TPM」、「Sumilizer TPS」、「Sumilizer TP−D」、「Sumilizer TL」、「Sumilizer MB」(以上、住友化学(株)製)などが挙げられる。
特に、本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物は、過酸化物分解剤(C)として、リン系酸化防止剤及びイオウ系酸化防止剤からなる群より選択された少なくとも1種の過酸化物分解剤を含むことが好ましく、リン系酸化防止剤及びイオウ系酸化防止剤の両方を含むことが特に好ましい。
過酸化物分解剤(C)の含有量(配合量)は、特に限定されないが、硬化性エポキシ樹脂組成物に含まれるエポキシ基を有する化合物の全量(100重量部)に対して、0.01〜10重量部が好ましく、より好ましくは0.1〜7重量部、さらに好ましくは0.1〜5重量部である。過酸化物分解剤(C)の含有量が0.01重量部未満であると、硬化物の耐熱衝撃性や耐吸湿リフロー性向上の点において効果がない場合がある。一方、過酸化物分解剤(C)の含有量が10重量部を超えると、硬化物が着色して色相が悪化する場合がある。なお、2種以上の過酸化物分解剤(C)を併用する場合には、これらの合計量を上記範囲に制御することが好ましい。
過酸化物分解剤(C)として、例えば、リン系酸化防止剤とイオウ系酸化防止剤を併用する場合、リン系酸化防止剤とイオウ系酸化防止剤の割合(重量比)[リン系酸化防止剤/イオウ系酸化防止剤]は、特に限定されないが、10/90〜90/10が好ましく、より好ましくは25/75〜75/25、さらに好ましくは40/60〜60/40である。リン系酸化防止剤とイオウ系酸化防止剤の割合を上記範囲に制御することにより、硬化物の耐熱性や耐吸湿リフロー性向上の効果をいっそう高めることができる傾向がある。
[硬化剤(D)]
本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物は、硬化剤(D)を含んでいてもよい。硬化剤(D)は、エポキシ基を有する化合物を硬化させる働きを有する化合物である。硬化剤(D)としては、エポキシ樹脂用硬化剤として公知乃至慣用の硬化剤を使用することができる。硬化剤(D)としては、中でも、25℃で液状の酸無水物が好ましく、例えば、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、ドデセニル無水コハク酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸などが挙げられる。また、例えば、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルシクロヘキセンジカルボン酸無水物などの常温(約25℃)で固体状の酸無水物についても、常温(約25℃)で液状の酸無水物に溶解させて液状の混合物とすることで、本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物における硬化剤(D)として好ましく使用することができる。なお、硬化剤(D)は1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。上述のように、硬化剤(D)としては、硬化物の耐熱性、耐光性、耐クラック性の観点で、飽和単環炭化水素ジカルボン酸の無水物(環にアルキル基等の置換基が結合したものも含む)が好ましい。
また、本発明においては、硬化剤(D)として、商品名「リカシッド MH−700」、「リカシッド MH−700F」(以上、新日本理化(株)製);商品名「HN−5500」(日立化成工業(株)製)等の市販品を使用することもできる。
硬化剤(D)の含有量(配合量)は、特に限定されないが、硬化性エポキシ樹脂組成物に含まれるエポキシ基を有する化合物の全量100重量部に対して、50〜200重量部が好ましく、より好ましくは100〜145重量部である。より具体的には、本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物に含まれる全てのエポキシ基を有する化合物におけるエポキシ基1当量当たり、0.5〜1.5当量となる割合で使用することが好ましい。硬化剤(D)の含有量が50重量部未満であると、硬化が不十分となり、硬化物の強靱性が低下する傾向がある。一方、硬化剤(D)の含有量が200重量部を超えると、硬化物が着色して色相が悪化する場合がある。なお、硬化剤(D)として2種以上を使用する場合には、これらの硬化剤(D)の総量が上記範囲を満たすことが好ましい。
[硬化促進剤(E)]
本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物は、硬化促進剤(E)を含んでいてもよい。硬化促進剤(E)は、エポキシ基を有する化合物が硬化剤(D)により硬化する際に、硬化速度を促進する機能を有する化合物である。硬化促進剤(E)としては、公知乃至慣用の硬化促進剤を使用することができ、例えば、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7(DBU)又はその塩(例えば、フェノール塩、オクチル酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、ギ酸塩、テトラフェニルボレート塩);1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン−5(DBN)又はその塩(例えば、フェノール塩、オクチル酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、ギ酸塩、テトラフェニルボレート塩);ベンジルジメチルアミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミンなどの3級アミン;2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾールなどのイミダゾール;リン酸エステル、トリフェニルホスフィンなどのホスフィン類;テトラフェニルホスホニウムテトラ(p−トリル)ボレートなどのホスホニウム化合物;オクチル酸亜鉛やオクチル酸スズなどの有機金属塩;金属キレートなどが挙げられる。硬化促進剤(E)は1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、本発明においては、硬化促進剤(E)として、商品名「U−CAT SA 506」、「U−CAT SA 102」、「U−CAT 5003」、「U−CAT 18X」、「12XD」(開発品)(以上、サンアプロ(株)製);商品名「TPP−K」、「TPP−MK」(以上、北興化学工業(株)製);商品名「PX−4ET」(日本化学工業(株)製)などの市販品を使用することもできる。
硬化促進剤(E)の含有量(配合量)は、特に限定されないが、硬化性エポキシ樹脂組成物に含まれるエポキシ基を有する化合物の全量(100重量部)に対して、0.01〜5重量部が好ましく、より好ましくは0.03〜3重量部、さらに好ましくは0.03〜2重量部である。硬化促進剤(E)の含有量が0.01重量部未満であると、硬化促進効果が不十分となる場合がある。一方、硬化促進剤(E)の含有量が5重量部を超えると、硬化物が着色して色相が悪化する場合がある。
[硬化触媒(F)]
本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物は、さらに(例えば、硬化剤(D)及び硬化促進剤(E)の代わりに)、硬化触媒(F)を含んでいてもよい。硬化触媒(F)は、エポキシ基を有する化合物の硬化反応を開始及び/又は促進する機能を有する化合物である。硬化触媒(F)としては、特に限定されないが、紫外線照射又は加熱処理を施すことによりカチオン種を発生して、重合を開始させるカチオン触媒(カチオン重合開始剤)が挙げられる。なお、硬化触媒(F)は1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
紫外線照射によりカチオン種を発生するカチオン触媒としては、例えば、ヘキサフルオロアンチモネート塩、ペンタフルオロヒドロキシアンチモネート塩、ヘキサフルオロホスフェート塩、ヘキサフルオロアルゼネート塩などが挙げられる。上記カチオン触媒としては、例えば、商品名「UVACURE1590」(ダイセル・サイテック(株)製);商品名「CD−1010」、「CD−1011」、「CD−1012」(以上、米国サートマー製);商品名「イルガキュア264」(BASF製);商品名「CIT−1682」(日本曹達(株)製)などの市販品を好ましく使用することもできる。
加熱処理を施すことによりカチオン種を発生するカチオン触媒としては、例えば、アリールジアゾニウム塩、アリールヨードニウム塩、アリールスルホニウム塩、アレン−イオン錯体などが挙げられ、商品名「PP−33」、「CP−66」、「CP−77」(以上(株)ADEKA製);商品名「FC−509」(スリーエム製);商品名「UVE1014」(G.E.製);商品名「サンエイド SI−60L」、「サンエイド SI−80L」、「サンエイド SI−100L」、「サンエイド SI−110L」、「サンエイド SI−150L」(以上、三新化学工業(株)製);商品名「CG−24−61」(BASF製)などの市販品を好ましく使用することができる。さらに、アルミニウムやチタンなどの金属とアセト酢酸若しくはジケトン類とのキレート化合物とトリフェニルシラノール等のシラノールとの化合物、又は、アルミニウムやチタンなどの金属とアセト酢酸若しくはジケトン類とのキレート化合物とビスフェノールS等のフェノール類との化合物であってもよい。
硬化触媒(F)の含有量(配合量)は、特に限定されないが、硬化性エポキシ樹脂組成物に含まれるエポキシ基を有する化合物の全量(100重量部)に対して、0.01〜15重量部が好ましく、より好ましくは0.01〜12重量部、さらに好ましくは0.05〜10重量部、特に好ましくは0.05〜8重量部である。硬化触媒(F)を上記範囲内で使用することにより、耐熱性、耐光性、透明性に優れた硬化物を得ることができる。
[ゴム粒子]
本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物は、さらに、ゴム粒子を含んでいてもよい。上記ゴム粒子としては、例えば、粒子状NBR(アクリロニトリル−ブタジエンゴム)、反応性末端カルボキシル基NBR(CTBN)、メタルフリーNBR、粒子状SBR(スチレン−ブタジエンゴム)などのゴム粒子が挙げられる。上記ゴム粒子としては、ゴム弾性を有するコア部分と、該コア部分を被覆する少なくとも1層のシェル層とからなる多層構造(コアシェル構造)を有するゴム粒子が好ましい。上記ゴム粒子は、特に、(メタ)アクリル酸エステルを必須モノマー成分とするポリマー(重合体)で構成されており、表面に脂環式エポキシ化合物(A)などのエポキシ基を有する化合物と反応し得る官能基としてヒドロキシル基及び/又はカルボキシル基(ヒドロキシル基及びカルボキシル基のいずれか一方又は両方)を有するゴム粒子が好ましい。上記ゴム粒子の表面にヒドロキシル基及び/又はカルボキシル基が存在しない場合、冷熱サイクル等の熱衝撃により硬化物が白濁して透明性が低下するため好ましくない。
上記ゴム粒子におけるゴム弾性を有するコア部分を構成するポリマーは、特に限定されないが、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチルなどの(メタ)アクリル酸エステルを必須のモノマー成分とすることが好ましい。上記ゴム弾性を有するコア部分を構成するポリマーは、その他、例えば、スチレン、α−メチルスチレンなどの芳香族ビニル、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのニトリル、ブタジエン、イソプレンなどの共役ジエン、エチレン、プロピレン、イソブテンなどをモノマー成分として含んでいてもよい。
中でも、上記ゴム弾性を有するコア部分を構成するポリマーは、モノマー成分として、(メタ)アクリル酸エステルと共に、芳香族ビニル、ニトリル、及び共役ジエンからなる群より選択された1種又は2種以上を組み合わせて含むことが好ましい。即ち、上記コア部分を構成するポリマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸エステル/芳香族ビニル、(メタ)アクリル酸エステル/共役ジエン等の二元共重合体;(メタ)アクリル酸エステル/芳香族ビニル/共役ジエン等の三元共重合体などが挙げられる。なお、上記コア部分を構成するポリマーには、ポリジメチルシロキサンやポリフェニルメチルシロキサンなどのシリコーンやポリウレタン等が含まれていてもよい。
上記コア部分を構成するポリマーは、その他のモノマー成分として、ジビニルベンゼン、アリル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジアリルマレエート、トリアリルシアヌレート、ジアリルフタレート、ブチレングリコールジアクリレートなどの1モノマー(1分子)中に2以上の反応性官能基を有する反応性架橋モノマーを含有していてもよい。
上記ゴム粒子のコア部分は、中でも、(メタ)アクリル酸エステル/芳香族ビニルの二元共重合体(特に、アクリル酸ブチル/スチレン)より構成されたコア部分であることが、ゴム粒子の屈折率を容易に調整できる点で好ましい。
上記ゴム粒子のコア部分を構成するポリマーのガラス転移温度は、特に限定されないが、60℃未満(例えば、−150℃以上、60℃未満)が好ましく、より好ましくは−150〜15℃、さらに好ましくは−100〜0℃である。上記ポリマーのガラス転移温度が60℃以上であると、硬化物の耐クラック性(各種応力に対してクラックを生じにくい特性)が低下する場合がある。なお、上記コア部分を構成するポリマーのガラス転移温度は、下記Foxの式により算出される計算値を意味する(Bull.Am.Phys.Soc.,1(3)123(1956)参照)。下記Foxの式中、Tgはコア部分を構成するポリマーのガラス転移温度(単位:K)を示し、Wiはコア部分を構成するポリマーを構成する単量体全量に対する単量体iの重量分率を示す。また、Tgiは単量体iの単独重合体のガラス転移温度(単位:K)を示す。下記Foxの式は、コアを構成するポリマーが単量体1、単量体2、・・・・、及び単量体nの共重合体である場合の式を示す。
1/Tg=W1/Tg1+W2/Tg2+・・・・+Wn/Tgn
上記単独重合体のガラス転移温度は、各種文献に記載の値を採用することができ、例えば、「POLYMER HANDBOOK 第3版」(John Wiley & Sons,Inc.発行)に記載の値を採用できる。なお、文献に記載のないものについては、単量体を常法により重合して得られる単独重合体の、DSC法により測定されるガラス転移温度の値を採用することができる。
上記ゴム粒子のコア部分は、通常用いられる方法で製造することができ、例えば、上記モノマーを乳化重合法により重合する方法などにより製造することができる。乳化重合法においては、上記モノマーの全量を一括して仕込んで重合してもよいし、上記モノマーの一部を重合した後、残りを連続的に又は断続的に添加して重合してもよいし、さらに、シード粒子を使用する重合方法を使用してもよい。
上記ゴム粒子のシェル層を構成するポリマーは、上記コア部分を構成するポリマーとは異種のポリマーであることが好ましい。また、上述のように、上記シェル層は、脂環式エポキシ化合物(A)などのエポキシ基を有する化合物と反応し得る官能基としてヒドロキシル基及び/又はカルボキシル基を有することが好ましい。これにより、特に、脂環式エポキシ化合物(A)との界面で接着性を向上させることができ、該シェル層を有するゴム粒子を含む硬化性エポキシ樹脂組成物を硬化させた硬化物に対して、優れた耐クラック性を発揮させることができる。また、硬化物のガラス転移温度の低下を防止することもできる。
上記シェル層を構成するポリマーは、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチルなどの(メタ)アクリル酸エステルを必須のモノマー成分として含むことが好ましい。例えば、上記コア部分における(メタ)アクリル酸エステルとしてアクリル酸ブチルを用いた場合、シェル層を構成するポリマーのモノマー成分として、アクリル酸ブチル以外の(メタ)アクリル酸エステル(例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、メタクリル酸ブチルなど)を使用することが好ましい。(メタ)アクリル酸エステル以外に含んでいてもよいモノマー成分としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレンなどの芳香族ビニル、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのニトリルなどが挙げられる。上記ゴム粒子においては、シェル層を構成するモノマー成分として、(メタ)アクリル酸エステルと共に、上記モノマーを単独で、又は2種以上を組み合わせて含むことが好ましく、特に、少なくとも芳香族ビニルを含むことが、上記ゴム粒子の屈折率を容易に調整できる点で好ましい。
さらに、上記シェル層を構成するポリマーは、モノマー成分として、脂環式エポキシ化合物(A)などのエポキシ基を有する化合物と反応し得る官能基としてのヒドロキシル基及び/又はカルボキシル基を形成するために、ヒドロキシル基含有モノマー(例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートなど)や、カルボキシル基含有モノマー(例えば、(メタ)アクリル酸などのα,β−不飽和酸、マレイン酸無水物などのα,β−不飽和酸無水物など)を含有することが好ましい。
上記ゴム粒子におけるシェル層を構成するポリマーは、モノマー成分として、(メタ)アクリル酸エステルと共に、上記モノマーから選択された1種又は2種以上を組み合わせて含むことが好ましい。即ち、上記シェル層は、例えば、(メタ)アクリル酸エステル/芳香族ビニル/ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸エステル/芳香族ビニル/α,β−不飽和酸等の三元共重合体などから構成されたシェル層であることが好ましい。
また、上記シェル層を構成するポリマーは、その他のモノマー成分として、コア部分と同様に、上記モノマーの他にジビニルベンゼン、アリル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジアリルマレエート、トリアリルシアヌレート、ジアリルフタレート、ブチレングリコールジアクリレートなどの1モノマー(1分子)中に2以上の反応性官能基を有する反応性架橋モノマーを含有していてもよい。
上記ゴム粒子のシェル層を構成するポリマーのガラス転移温度は、特に限定されないが、60〜120℃が好ましく、より好ましくは70〜115℃である。上記ポリマーのガラス転移温度が60℃未満であると、硬化物の耐熱性が低下する場合がある。一方、上記ポリマーのガラス転移温度が120℃を超えると、硬化物の耐クラック性が低下する場合がある。なお、上記シェル層を構成するポリマーのガラス転移温度は、上記Foxの式により算出される計算値を意味し、例えば、上述のコアを構成するポリマーのガラス転移温度と同様にして測定できる。
上記ゴム粒子(コアシェル構造を有するゴム粒子)は、上記コア部分をシェル層により被覆することで得られる。上記コア部分をシェル層で被覆する方法としては、例えば、上記方法により得られたゴム弾性を有するコア部分の表面に、シェル層を構成する共重合体を塗布することにより被覆する方法、上記方法により得られたゴム弾性を有するコア部分を幹成分とし、シェル層を構成する各成分を枝成分としてグラフト重合する方法などを挙げることができる。
上記ゴム粒子の平均粒子径は、特に限定されないが、10〜500nmが好ましく、より好ましくは20〜400nmである。また、上記ゴム粒子の最大粒子径は、特に限定されないが、50〜1000nmが好ましく、より好ましくは100〜800nmである。平均粒子径が500nmを上回ると、又は、最大粒子径が1000nmを上回ると、硬化物におけるゴム粒子の分散性が低下し、耐クラック性が低下する場合がある。一方、平均粒子径が10nmを下回ると、又は、最大粒子径が50nmを下回ると、硬化物の耐クラック性向上の効果が得られにくくなる場合がある。
上記ゴム粒子の屈折率は、特に限定されないが、1.40〜1.60が好ましく、より好ましくは1.42〜1.58である。また、ゴム粒子の屈折率と、該ゴム粒子を含む硬化性エポキシ樹脂組成物(本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物)を硬化して得られる硬化物の屈折率との差は±0.03以内であることが好ましい。屈折率の差が±0.03を上回ると、硬化物の透明性が低下し、時には白濁して、光半導体装置の光度が低下する傾向があり、光半導体装置の機能を消失させてしまう場合がある。
ゴム粒子の屈折率は、例えば、ゴム粒子1gを型に注型して210℃、4MPaで圧縮成形し、厚さ1mmの平板を得、得られた平板から、縦20mm×横6mmの試験片を切り出し、中間液としてモノブロモナフタレンを使用してプリズムと該試験片とを密着させた状態で、多波長アッベ屈折計(商品名「DR−M2」、(株)アタゴ製)を使用し、20℃、ナトリウムD線での屈折率を測定することにより求めることができる。
本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物の硬化物の屈折率は、例えば、下記硬化物の項に記載の加熱硬化方法により得られた硬化物から、縦20mm×横6mm×厚さ1mmの試験片を切り出し、中間液としてモノブロモナフタレンを使用してプリズムと該試験片とを密着させた状態で、多波長アッベ屈折計(商品名「DR−M2」、(株)アタゴ製)を使用し、20℃、ナトリウムD線での屈折率を測定することにより求めることができる。
本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物における上記ゴム粒子の含有量(配合量)は、特に限定されないが、硬化性エポキシ樹脂組成物に含まれるエポキシ基を有する化合物の全量(100重量部)に対して、0.5〜30重量部が好ましく、より好ましくは1〜20重量部である。ゴム粒子の含有量が0.5重量部を下回ると、硬化物の耐クラック性が低下する傾向がある。一方、ゴム粒子の含有量が30重量部を上回ると、硬化物の耐熱性が低下する傾向がある。
[添加剤]
本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物は、上記以外にも、本発明の効果を損なわない範囲内で各種添加剤を含有していてもよい。上記添加剤として、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンなどの水酸基を有する化合物を含有させると、反応を緩やかに進行させることができる。その他にも、粘度や透明性を損なわない範囲内で、シリコーン系やフッ素系消泡剤、レベリング剤、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランや3−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどのシランカップリング剤、界面活性剤、シリカ、アルミナなどの無機充填剤、難燃剤、着色剤、酸化防止剤(過酸化物分解剤(C)を除く)、紫外線吸収剤、イオン吸着体、顔料、蛍光体(例えば、YAG系の蛍光体微粒子、シリケート系蛍光体微粒子などの無機蛍光体微粒子など)、離型剤などの慣用の添加剤を使用することができる。
本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物は、特に限定されないが、上記の各成分を、必要に応じて加熱した状態で攪拌・混合することにより調製することができる。なお、本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物は、各成分があらかじめ混合されたものをそのまま使用する1液系の組成物として使用することもできるし、例えば、別々に保管しておいた2以上の成分を使用前に所定の割合で混合して使用する多液系(例えば、2液系)の組成物として使用することもできる。上記攪拌・混合の方法は、特に限定されず、例えば、ディゾルバー、ホモジナイザーなどの各種ミキサー、ニーダー、ロール、ビーズミル、自公転式撹拌装置などの公知乃至慣用の攪拌・混合手段を使用できる。また、攪拌・混合後、真空下にて脱泡してもよい。
特に限定されないが、本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物にゴム粒子を配合する場合、当該ゴム粒子は、あらかじめ脂環式エポキシ化合物(A)中に分散させた組成物(当該組成物を「ゴム粒子分散エポキシ化合物」と称する場合がある)の状態で配合することが好ましい。即ち、本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物にゴム粒子を配合する場合、本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物は、上記ゴム粒子分散エポキシ化合物と、モノアリルジグリシジルイソシアヌレート化合物(B)と、過酸化物分解剤(C)と、必要に応じてその他の成分とを混合することにより調製することが好ましい。このような調製方法により、特に、硬化性エポキシ樹脂組成物におけるゴム粒子の分散性を向上させることができる。但し、ゴム粒子の配合方法は、上記方法に限定されず、それ単独で配合する方法であってもよい。
(ゴム粒子分散エポキシ化合物)
上記ゴム粒子分散エポキシ化合物は、上記ゴム粒子を脂環式エポキシ化合物(A)に分散させることによって得られる。なお、上記ゴム粒子分散エポキシ化合物における脂環式エポキシ化合物(A)は、硬化性エポキシ樹脂組成物を構成する脂環式エポキシ化合物(A)の全量であってもよいし、一部の量であってもよい。同様に、上記ゴム粒子分散エポキシ化合物におけるゴム粒子は、硬化性エポキシ樹脂組成物を構成するゴム粒子の全量であってもよいし、一部の量であってもよい。
上記ゴム粒子分散エポキシ化合物の粘度は、例えば、反応性希釈剤を併用することにより調整することができる(即ち、ゴム粒子分散エポキシ化合物は、さらに反応性希釈剤を含んでいてもよい)。上記反応性希釈剤としては、例えば、常温(25℃)における粘度が200mPa・s以下の脂肪族ポリグリシジルエーテルを好ましく使用できる。粘度(25℃)が200mPa・s以下の脂肪族ポリグリシジルエーテルとしては、例えば、シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、シクロヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテルなどが挙げられる。
上記反応性希釈剤の使用量は、適宜調整することができ、特に限定されないが、脂環式エポキシ化合物(A)とゴム粒子の合計量100重量部に対して、30重量部以下が好ましく、より好ましくは25重量部以下(例えば、5〜25重量部)である。使用量が30重量部を超えると、耐クラック性等の所望の性能を得ることが困難となる傾向がある。
上記ゴム粒子分散エポキシ化合物の製造方法は、特に限定されず、周知慣用の方法を使用することができる。例えば、ゴム粒子を脱水乾燥して粉体とした後に、脂環式エポキシ化合物(A)に混合し、分散させる方法や、ゴム粒子のエマルジョンと脂環式エポキシ化合物(A)とを直接混合し、続いて脱水する方法などが挙げられる。
本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物の25℃における粘度は、特に限定されないが、100〜10000mPa・sが好ましく、より好ましくは200〜9000mPa・s、さらに好ましくは300〜8000mPa・sである。25℃における粘度が100mPa・s未満であると、硬化物の耐熱性が低下する傾向がある。一方、25℃における粘度が10000mPa・sを超えると、注型時の作業性が低下したり、硬化物に注型不良に由来する不具合が生じやすくなる傾向がある。なお、硬化性エポキシ樹脂組成物の25℃における粘度は、例えば、デジタル粘度計(型番「DVU−EII型」、(株)トキメック製)を用いて、ローター:標準1°34′×R24、温度:25℃、回転数:0.5〜10rpmの条件で測定することができる。
<硬化物>
本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物を硬化させることにより、耐熱性、耐光性、及び耐熱衝撃性に優れ、特に、光半導体装置の高温における通電特性及び耐吸湿リフロー性を向上させることが可能な硬化物を得ることができる。硬化の際の加熱温度(硬化温度)は、特に限定されないが、45〜200℃が好ましく、より好ましくは100〜190℃、さらに好ましくは100〜180℃である。また、硬化の際に加熱する時間(硬化時間)は、特に限定されないが、30〜600分が好ましく、より好ましくは45〜540分、さらに好ましくは60〜480分である。硬化温度と硬化時間が上記範囲の下限値より低い場合は硬化が不十分となり、逆に上記範囲の上限値より高い場合は樹脂成分の分解が起きる場合があるので、いずれも好ましくない。硬化条件は種々の条件に依存するが、例えば、硬化温度を高くした場合は硬化時間を短く、硬化温度を低くした場合は硬化時間を長くする等により、適宜調整することができる。
<光半導体封止用樹脂組成物>
本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物は、光半導体装置における光半導体(光半導体素子)を封止するための樹脂組成物、即ち、光半導体封止用樹脂組成物として好ましく使用できる。上記光半導体封止用樹脂組成物として用いることにより、高い耐熱性、耐光性、及び耐熱衝撃性を有し、特に耐吸湿リフロー性に優れた硬化物により光半導体素子が封止された光半導体装置が得られる。上記光半導体装置は、高出力、高輝度の光半導体素子を備える場合であっても、経時で光度が低下しにくく、特に、高湿条件下で保管された後にリフロー工程にて加熱された場合でも光度低下等の劣化が生じにくい。
<光半導体装置>
本発明の光半導体装置は、本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物(光半導体封止用樹脂組成物)の硬化物により光半導体素子が封止された光半導体装置である。光半導体素子の封止は、上述の方法で調製した硬化性エポキシ樹脂組成物を所定の成形型内に注入し、所定の条件で加熱硬化して行う。これにより、硬化性エポキシ樹脂組成物の硬化物により光半導体素子が封止された光半導体装置が得られる。硬化温度と硬化時間は、硬化物の調製時と同様の範囲で適宜設定することができる。
本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物は、上述の光半導体素子の封止用途に限定されず、例えば、接着剤、電気絶縁材、積層板、コーティング、インク、塗料、シーラント、レジスト、複合材料、透明基材、透明シート、透明フィルム、光学素子、光学レンズ、光学部材、光造形、電子ペーパー、タッチパネル、太陽電池基板、光導波路、導光板、ホログラフィックメモリなどの用途にも使用することができる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。なお、表1、2における「−」は、当該成分の配合を行わなかったことを意味する。
製造例1
(ゴム粒子の製造)
還流冷却器付きの1L重合容器に、イオン交換水500g、及びジオクチルスルホコハク酸ナトリウム0.68gを仕込み、窒素気流下に撹拌しながら、80℃に昇温した。ここに、ゴム粒子のコア部分を形成するために必要とする量の約5重量%分に該当するアクリル酸ブチル9.5g、スチレン2.57g、及びジビニルベンゼン0.39gからなる単量体混合物を一括添加し、20分間撹拌して乳化させた後、ペルオキソ二硫酸カリウム9.5mgを添加し、1時間撹拌して最初のシード重合を行った。続いて、ペルオキソ二硫酸カリウム180.5mgを添加し、5分間撹拌した。ここに、コア部分を形成するために必要とする量の残り(約95重量%分)のアクリル酸ブチル180.5g、スチレン48.89g、ジビニルベンゼン7.33gにジオクチルスルホコハク酸ナトリウム0.95gを溶解させてなる単量体混合物を2時間かけて連続的に添加し、2度目のシード重合を行い、その後、1時間熟成してコア部分を得た。
次いで、ペルオキソ二硫酸カリウム60mgを添加して5分間撹拌し、ここに、メタクリル酸メチル60g、アクリル酸1.5g、及びアリルメタクリレート0.3gにジオクチルスルホコハク酸ナトリウム0.3gを溶解させてなる単量体混合物を30分かけて連続的に添加し、シード重合を行った。その後、1時間熟成し、コア部分を被覆するシェル層を形成した。
次いで、室温(25℃)まで冷却し、目開き120μmのプラスチック製網で濾過することにより、コアシェル構造を有するゴム粒子を含むラテックスを得た。得られたラテックスをマイナス30℃で凍結し、吸引濾過器で脱水洗浄した後、60℃で一昼夜送風乾燥してゴム粒子を得た。得られたゴム粒子の平均粒子径は254nm、最大粒子径は486nmであった。
なお、ゴム粒子の平均粒子径、最大粒子径は、動的光散乱法を測定原理とした「NanotracTM」形式のナノトラック粒度分布測定装置(商品名「UPA−EX150」、日機装(株)製)を使用して試料を測定し、得られた粒度分布曲線において、累積カーブが50%となる時点の粒子径である累積平均径を平均粒子径、粒度分布測定結果の頻度(%)が0.00%を超えた時点の最大の粒子径を最大粒子径とした。なお、上記試料としては、下記製造例2で得られたゴム粒子分散エポキシ化合物1重量部をテトラヒドロフラン20重量部に分散させたものを用いた。
製造例2
(ゴム粒子分散エポキシ化合物の製造)
製造例1で得られたゴム粒子20重量部を、窒素気流下、60℃に加温した状態でディゾルバーを使用して、商品名「セロキサイド2021P」(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(3,4−エポキシ)シクロヘキサンカルボキシレート、(株)ダイセル製)80重量部に分散させ(1000rpm、60分間)、真空脱泡して、ゴム粒子分散エポキシ化合物(25℃での粘度:746mPa・s)を得た。
なお、製造例2で得られたゴム粒子分散エポキシ化合物(20重量部のゴム粒子を80重量部のセロキサイド2021Pに分散させたもの)の粘度(25℃での粘度)は、デジタル粘度計(商品名「DVU−EII型」、(株)トキメック製)を使用して測定した。
製造例3
(硬化剤組成物の製造)
表1に示す配合割合(単位:重量部)で、商品名「リカシッド MH−700」(硬化剤、新日本理化(株)製)、商品名「U−CAT 18X」(硬化促進剤、サンアプロ(株)製)、及びエチレングリコール(添加剤、和光純薬工業(株)製)を、自公転式攪拌装置(商品名「あわとり練太郎AR−250」、(株)シンキー製)を使用して均一に混合し、脱泡して硬化剤組成物(「K剤」と称する場合がある)を得た。
実施例1(実施例1は参考例とする)
まず、表1に示す配合割合(単位:重量部)で、商品名「セロキサイド2021P」(脂環式エポキシ化合物、(株)ダイセル製)、モノアリルジグリシジルイソシアヌレート(MA−DGIC、四国化成工業(株)製)、及び、商品名「アデカスタブ HP−10」(リン系酸化防止剤、(株)ADEKA製)を、自公転式攪拌装置(商品名「あわとり練太郎AR−250」、(株)シンキー製)を使用して均一に混合し、脱泡して、エポキシ樹脂とリン系酸化防止剤の混合物を作製した。なお、上記混合は、MA−DGIC及びリン系酸化防止剤を溶解させるために、80℃で1時間攪拌して実施した。
次に、表1に示す配合割合(単位:重量部)となるように、上記で得た混合物と、製造例3で得られた硬化剤組成物とを自公転式攪拌装置(商品名「あわとり練太郎AR−250」、(株)シンキー製)を使用して均一に混合し、脱泡して、硬化性エポキシ樹脂組成物を得た。
さらに、上記で得た硬化性エポキシ樹脂組成物を図1に示す光半導体のリードフレーム(InGaN素子、3.5mm・2.8mm)に注型した後、120℃のオーブン(樹脂硬化オーブン)で5時間加熱することで、上記硬化性エポキシ樹脂組成物の硬化物により光半導体素子が封止された光半導体装置を得た。なお、図1において、100はリフレクター(光反射用樹脂組成物)、101は金属配線、102は光半導体素子、103はボンディングワイヤ、104は硬化物(封止材)を示す。
実施例2〜10(実施例2〜8は参考例とする)、比較例1〜7
硬化性エポキシ樹脂組成物の組成を表1に示す組成に変更したこと以外は実施例1と同様にして、硬化性エポキシ樹脂組成物を調製した。なお、実施例10においては、エポキシ樹脂の構成成分として、製造例2で得られたゴム粒子分散エポキシ化合物を使用した。
また、実施例1と同様にして光半導体装置を作製した。
実施例11(実施例11は参考例とする)
まず、表2に示す配合割合(単位:重量部)で、商品名「セロキサイド2021P」(脂環式エポキシ化合物、(株)ダイセル製)、モノアリルジグリシジルイソシアヌレート(MA−DGIC、四国化成工業(株))、及び、商品名「アデカスタブ HP−10」(リン系酸化防止剤、(株)ADEKA製)を、自公転式攪拌装置(商品名「あわとり練太郎AR−250」、(株)シンキー製)を使用して均一に混合し、脱泡して、エポキシ樹脂とリン系酸化防止剤の混合物を作製した。なお、上記混合は、MA−DGIC及びリン系酸化防止剤を溶解させるために、80℃で1時間攪拌して実施した。
次に、表2に示す配合割合(単位:重量部)となるように、上記で得た混合物と、商品名「サンエイド SI−100L」(硬化触媒、三新化学工業(株)製)とを自公転式攪拌装置(商品名「あわとり練太郎AR−250」、(株)シンキー製)を使用して均一に混合し、脱泡して、硬化性エポキシ樹脂組成物を得た。
さらに、上記で得た硬化性エポキシ樹脂組成物を図1に示す光半導体のリードフレーム(InGaN素子、3.5mm・2.8mm)に注型した後、120℃のオーブン(樹脂硬化オーブン)で5時間加熱することで、上記硬化性エポキシ樹脂組成物の硬化物により光半導体素子が封止された光半導体装置を得た。
実施例12〜20(実施例12〜18は参考例とする)、比較例8〜14
硬化性エポキシ樹脂組成物の組成を表2に示す組成に変更したこと以外は実施例11と同様にして、硬化性エポキシ樹脂組成物を調製した。なお、実施例20においては、エポキシ樹脂の構成成分として、製造例2で得られたゴム粒子分散エポキシ化合物を使用した。
また、実施例11と同様にして光半導体装置を作製した。
<評価>
実施例及び比較例で得られた光半導体装置について、下記の評価試験を実施した。
[通電試験]
実施例及び比較例で得られた光半導体装置の全光束を全光束測定機を用いて測定し、これを「0時間の全光束」とした。さらに、85℃の恒温槽内で100時間、光半導体装置に60mAの電流を流した後の全光束を測定し、これを「100時間後の全光束」とした。そして、次式から光度保持率を算出した。結果を表1、2の「光度保持率[%]」の欄に示す。
{光度保持率(%)}
={100時間後の全光束(lm)}/{0時間の全光束(lm)}×100
[熱衝撃試験]
実施例及び比較例で得られた光半導体装置(各硬化性エポキシ樹脂組成物につき2個ずつ用いた)に対し、−40℃の雰囲気下に30分曝露し、続いて、120℃の雰囲気下に30分曝露することを1サイクルとした熱衝撃を、熱衝撃試験機を用いて200サイクル分与えた。その後、光半導体装置における硬化物に生じたクラックの長さを、デジタルマイクロスコープ(商品名「VHX−900」、(株)キーエンス製)を使用して観察し、光半導体装置2個のうち、硬化物に長さが90μm以上のクラックが発生した光半導体装置の個数を計測した。結果を表1、2の「熱衝撃試験[個数]」の欄に示す。
[はんだ耐熱性試験]
実施例及び比較例で得られた光半導体装置(各硬化性エポキシ樹脂組成物につき2個ずつ用いた)を、30℃、70%RHの条件下で192時間静置して吸湿処理した。次いで、上記光半導体装置をリフロー炉に入れ、下記加熱条件にて加熱処理した。その後、上記光半導体装置を室温環境下に取り出して放冷した後、再度リフロー炉に入れて同条件で加熱処理した。即ち、当該はんだ耐熱性試験においては、光半導体装置に対して下記加熱条件による熱履歴を二度与えた。
〔加熱条件(光半導体装置の表面温度基準)〕
(1)予備加熱:150〜190℃で60〜120秒
(2)予備加熱後の本加熱:217℃以上で60〜150秒、最高温度260℃
但し、予備加熱から本加熱に移行する際の昇温速度は最大で3℃/秒に制御した。
図2には、リフロー炉による加熱の際の光半導体装置の表面温度プロファイル(二度の加熱処理のうち一方の加熱処理における温度プロファイル)の一例を示す。
その後、デジタルマイクロスコープ(商品名「VHX−900」、(株)キーエンス製)を使用して光半導体装置を観察し、硬化物に長さが90μm以上のクラックが発生したか否かを評価した。光半導体装置2個のうち、硬化物に長さが90μm以上のクラックが発生した光半導体装置の数(個数)を、表1、2の「はんだ耐熱性試験[個数]」の欄に示した。
[総合判定]
各試験の結果、下記(1)〜(3)をいずれも満たすものを○(良好)と判定した。一方、下記(1)〜(3)のいずれかを満たさない場合には×(不良)と判定した。
(1)通電試験:光度保持率が90%以上
(2)はんだ耐熱性試験:硬化物に長さが90μm以上のクラックが発生した光半導体装置の個数が0個
(3)熱衝撃試験:硬化物に長さが90μm以上のクラックが発生した光半導体装置の個数が0個
結果を表1、2の「総合判定」の欄に示す。
Figure 0006059538
Figure 0006059538
なお、実施例、比較例で使用した成分は、以下の通りである。
(エポキシ樹脂)
CEL2021P(セロキサイド2021P):3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(3,4−エポキシ)シクロヘキサンカルボキシレート、(株)ダイセル製
MA−DGIC:モノアリルジグリシジルイソシアヌレート、四国化成工業(株)製
YD−128:ビスフェノールA型エポキシ樹脂、新日鐵化学(株)製
(リン系酸化防止剤)
HP−10(アデカスタブ HP−10):リン系酸化防止剤、(株)ADEKA製
GSY−P101:リン系酸化防止剤、堺化学工業(株)製
(イオウ系酸化防止剤)
AO−412S(アデカスタブ AO−412S):イオウ系酸化防止剤、(株)ADEKA製
AO−503(アデカスタブ AO−503);イオウ系酸化防止剤、(株)ADEKA製
(フェノール系酸化防止剤)
AO−60(アデカスタブ AO−60):フェノール系酸化防止剤、(株)ADEKA製
(硬化性組成物)
MH−700(リカシッド MH−700):4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸/ヘキサヒドロ無水フタル酸=70/30、新日本理化(株)製
18X(U−CAT 18X):硬化促進剤、サンアプロ(株)製
エチレングリコール:和光純薬工業(株)製
(硬化触媒)
サンエイド SI−100L:硬化触媒、三新化学工業(株)製
試験機器
・樹脂硬化オーブン
エスペック(株)製 GPHH−201
・恒温槽
エスペック(株)製 小型高温チャンバー ST−120B1
・全光束測定機
オプトロニックラボラトリーズ社製 マルチ分光放射測定システム OL771
・熱衝撃試験機
エスペック(株)製 小型冷熱衝撃装置 TSE−11−A
・リフロー炉
日本アントム(株)製、UNI−5016F
100:リフレクター(光反射用樹脂組成物)
101:金属配線
102:光半導体素子
103:ボンディングワイヤ
104:硬化物(封止材)

Claims (10)

  1. シクロヘキセンオキシド基を有する脂環式エポキシ化合物(A)と、下記式(1)
    Figure 0006059538
    [式中、R1、R2は、同一又は異なって、水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を示す。]
    で表されるモノアリルジグリシジルイソシアヌレート化合物(B)と、リン系酸化防止剤及びイオウ系酸化防止剤の両方を含む過酸化物分解剤(C)とを含むことを特徴とする硬化性エポキシ樹脂組成物。
  2. リン系酸化防止剤とイオウ系酸化防止剤の割合(重量比)[リン系酸化防止剤/イオウ系酸化防止剤]が10/90〜90/10である、請求項1に記載の硬化性エポキシ樹脂組成物。
  3. 硬化性エポキシ樹脂組成物に含まれるエポキシ基を有する化合物の全量100重量部に対する過酸化物分解剤(C)の含有量が0.01〜10重量部である、請求項1又は2に記載の硬化性エポキシ樹脂組成物。
  4. 脂環式エポキシ化合物(A)が、下記式(I−1)
    Figure 0006059538
    で表される化合物である請求項1〜3のいずれか1項に記載の硬化性エポキシ樹脂組成物。
  5. さらに、ゴム粒子を含む請求項1〜4のいずれか1項に記載の硬化性エポキシ樹脂組成物。
  6. さらに、硬化剤(D)及び硬化促進剤(E)を含む請求項1〜5のいずれか1項に記載の硬化性エポキシ樹脂組成物。
  7. さらに、硬化触媒(F)を含む請求項1〜5のいずれか1項に記載の硬化性エポキシ樹脂組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の硬化性エポキシ樹脂組成物硬化物。
  9. 光半導体封止用樹脂組成物である請求項1〜7のいずれか1項に記載の硬化性エポキシ樹脂組成物。
  10. 請求項9に記載の硬化性エポキシ樹脂組成物の硬化物により光半導体素子が封止された光半導体装置。
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