JP6052260B2 - パターン形成方法およびパターン形成用基材 - Google Patents

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本発明は、パターン形成方法およびパターン形成用基材に関するものである。
微細パターンの形成方法として、フォトリソグラフィ法が知られている。フォトリソグラフィ法では、例えばフォトレジストの成膜、露光および現像、被加工膜のエッチング、ならびにフォトレジストの除去等を行う。また、対象となる被加工膜毎に上記工程が行われる。そのため、工程数が多く製造工程が煩雑であり、リードタイムが長く、製造コストが高いという問題がある。
これに対し、パターンを直接形成する印刷法は、フォトレジストを用いる必要がなく、製造工程を大幅に省略することができる。微細パターンを形成可能な印刷法としては、例えば特許文献1に記載されているような反転オフセット印刷法や、インクジェット法が知られている。しかしながら、反転オフセット印刷法では、ブランケットから版に転写された不要なインキを洗浄する必要があり、連続的なパターン形成に適しておらず、また使用可能なインキが限られている。また、インクジェット法では、版が不要であり、工程数が非常に少ないものの、ノズルに詰まりが生じるため、連続的なパターン形成は困難であり、またタクトタイムが長いという問題がある。また、インクジェット法に適した材料のインキ化が必要であり、コスト高を招く。
特開2011−73264号公報
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、簡便かつ安価に高精細なパターンを形成することが可能なパターン形成方法およびそれに用いられるパターン形成用基材を提供することを主目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、基材上に離型材料を含有する離型層をパターン状に形成する離型層形成工程と、上記基材および上記離型層上に被加工膜を形成する被加工膜形成工程と、上記離型層上の上記被加工膜を除去する被加工膜除去工程とを有し、上記基材上に上記被加工膜をパターン状に形成することを特徴とするパターン形成方法を提供する。
本発明においては、パターン状の離型層を利用して被加工膜をパターニングすることができ、被加工膜の材料は制約を受けないため、製造工程を簡略化し、製造コストを削減することができる。また、離型層を微細なパターン状に形成することで、被加工膜の高精細なパターニングが可能になる。さらには、連続的なパターン形成も可能である。
また本発明においては、上記離型層形成工程では、基体上に、少なくとも表面に上記離型材料を有する凸部がパターン状に形成された凸版を用い、上記基材表面に上記凸版の上記凸部を押し当てることが好ましい。凸版の凸部を基材表面に押し当てることで、凸部表面の離型材料を基材表面に移行させ、基材上に離型層をパターン状に形成することができる。そのため、パターン状の離型層を容易かつ効率的に形成することができ、さらなる生産性向上およびコスト削減が可能である。また、凸版の凸部を微細なパターン状に形成することで、被加工膜の高精細なパターニングが可能になる。
上記の場合、上記凸部がシリコーンゴムを含有することが好ましい。一般に、シリコーンゴムには低分子量成分が含まれており、シリコーンゴムを含有する部材では低分子量成分が表面に浮き出てくることが知られている。そのため、凸部がシリコーンゴムを含有する場合には、凸部に含まれる低分子量成分が基材表面に移行し、離型材料として低分子量成分を含有する離型層を形成することができる。
また本発明においては、上記離型材料がシリコーンであることが好ましい。シリコーンは離型性に優れているからである。
上記の場合、上記シリコーンが低分子量ポリシロキサンであることが好ましい。一般にシリコーンゴムには低分子量ポリシロキサンが含まれており、上記の凸版を用いた離型層形成工程によって、離型材料として低分子量ポリシロキサンを含有する離型層を形成することができる。
また本発明においては、上記被加工膜除去工程は、第1基材上に粘着層が形成された粘着積層体を用い、上記被加工膜表面に上記粘着積層体の上記粘着層を接触させる接触工程と、上記粘着積層体を剥離する剥離工程とを有することが好ましい。被加工膜および離型層の密着力は、被加工膜および基材の密着力よりも弱いため、粘着積層体を剥離する際、離型層上の被加工膜を粘着積層体とともに除去することができる。そのため、簡便な方法で離型層上の被加工膜を除去することができる。
さらに本発明においては、上記被加工膜除去工程は、第2基材上に流動性を有する樹脂層が形成された樹脂積層体を用い、上記被加工膜表面に上記樹脂積層体の上記樹脂層を接触させる接触工程と、上記被加工膜に接触している上記樹脂層を硬化する硬化工程と、上記樹脂積層体を剥離する剥離工程とを有することも好ましい。上記の場合と同様に、被加工膜および離型層の密着力は、被加工膜および基材の密着力よりも弱いため、樹脂積層体を剥離する際、離型層上の被加工膜を樹脂積層体とともに除去することができる。そのため、離型層上の被加工膜を容易に除去することができる。
また本発明は、基材と、上記基材上にパターン状に形成され、離型材料を含有する離型層とを有することを特徴とするパターン形成用基材を提供する。
本発明においては、離型層がパターン状に形成されているため、本発明のパターン形成用基材を用いた上述のパターン形成方法により、簡便かつ安価に高精細なパターンを形成することができる。
上記発明においては、上記離型材料がシリコーンであることが好ましい。この場合、上記シリコーンが低分子量ポリシロキサンであることが好ましい。シリコーンは離型性に優れているからである。
本発明においては、簡便かつ安価に高精細なパターンを形成することが可能であるという効果を奏する。
本発明のパターン形成方法の一例を示す工程図である。 本発明のパターン形成方法における離型層形成工程の一例を示す模式図である。 本発明のパターン形成方法における被加工膜除去工程の一例を示す工程図である。 本発明のパターン形成用基材の一例を示す概略断面図である。 本発明のパターン形成装置の一例を示す模式図である。 本発明のパターン形成装置における被加工膜除去手段を用いた被加工膜除去工程の一例を示す工程図である。
以下、本発明のパターン形成方法、パターン形成用基材およびパターン形成装置について詳細に説明する。
A.パターン形成方法
本発明のパターン形成方法は、基材上に離型材料を含有する離型層をパターン状に形成する離型層形成工程と、上記基材および上記離型層上に被加工膜を形成する被加工膜形成工程と、上記離型層上の上記被加工膜を除去する被加工膜除去工程とを有し、上記基材上に上記被加工膜をパターン状に形成することを特徴とする方法である。
本発明のパターン形成方法について図面を参照しながら説明する。
図1(a)〜(g)は、本発明のパターン形成方法の一例を示す工程図である。まず、図1(a)に示すように、基材1と、基体11上に、少なくとも表面に離型材料を有する凸部12がパターン状に形成された凸版10とを準備し、図1(b)に示すように、基材1表面に凸版10の凸部12を押し当てる。これにより、凸部12表面の離型材料が基材1表面に移行し、図1(c)に示すように、基材1上に離型材料から構成される離型層2が形成される。次いで、図1(d)に示すように、基材1の全面に離型層2を覆うように被加工膜3を形成する。次に、図1(e)に示すように、第1基材21上に粘着層22が形成された粘着積層体20を準備し、図1(f)に示すように、粘着積層体20の粘着層22を被加工膜3に密着させる。その後、図1(g)に示すように、粘着積層体20を剥離する。この際、被加工膜3および離型層2の密着力は、被加工膜3および基材1の密着力よりも弱いため、離型層2上の被加工膜3が離型層2から引き離されて、粘着層22側に転移する。これにより、離型層2上の被加工膜3が除去され、基材1上に被加工膜3がパターン状に形成される。
本発明においては、パターン状の離型層を利用して、離型層上の被加工膜を除去することで被加工膜をパターニングすることができる。そのため、工程数が少なく、製造工程を簡略化することができる。また、被加工膜は基材および離型層上に形成することができるものであればよく、被加工膜の材料は制約を受けないという利点を有する。したがって、生産性の向上およびコストの削減を実現することができる。
また、離型層を微細なパターン状に形成することにより、被加工膜の高精細なパターニングが可能になる。
また、従来の反転オフセット印刷法やインクジェット法では連続印刷が困難であったが、本発明においては連続的なパターン形成が可能である。さらには、ロールツーロール方式により連続的なパターン形成も可能であり、さらなる生産性の向上を図ることができる。
以下、本発明のパターン形成方法における各工程について説明する。
1.離型層形成工程
本発明における離型層形成工程は、基材上に離型材料を含有する離型層をパターン状に形成する工程である。
離型層に含有される離型材料としては、離型層の形成方法等に応じて異なる。
例えば、図1(a)〜(c)に示すように、基体11上に、少なくとも表面に離型材料を有する凸部12がパターン状に形成された凸版10を用いて離型層2を形成する場合には、離型材料は、基材表面に凸版の凸部を押し当てた際に、凸部から基材表面に移行し得るものであることが好ましく、凸部の材料に応じて異なる。例えば、凸部がシリコーンゴムを含有する場合、離型材料としては、シリコーンゴムを含有する凸部から基材表面に移行し得るものであればよく、例えばシリコーンゴム製造時の未反応成分、未架橋成分および副生成物、シリコーンゴムの劣化による分解生成物、ならびに添加剤等が挙げられる。
これらの成分としては、例えばシリコーンを挙げることができ、具体的にはシリコーンオイルが挙げられる。より具体的には、シリコーンは低分子量ポリシロキサンであることが好ましい。低分子量ポリシロキサンは、重合度が10以下であるものである。低分子量ポリシロキサンの分子量は、例えば100〜10000の範囲内である。一般にシリコーンゴムは上述したような成分としてシリコーンオイル、特に低分子量ポリシロキサンを含んでいる。そのため、基材表面に凸版の凸部を押し当てることで、凸部に含まれるシリコーンオイル、特に低分子量ポリシロキサンを基材表面に移行させることができ、基材上にシリコーンオイル、中でも低分子量ポリシロキサンを含有する離型層をパターン状に形成することができる。
シリコーンオイルとしては、直鎖状シリコーンおよび環状シリコーンのいずれであってもよく、例えばジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、変性シリコーンオイルや、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、ペンタメチルジシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、テトラデカメチルシクロヘプタシロキサン、ヘキサデカメチルシクロオクタシロキサン、オクタデカメチルシクロノナシロキサン、エイコサメチルシクロデカシロキサン等が挙げられる。
また、離型材料を含む離型層形成用塗工液を用いて離型層を形成する場合には、離型材料としては、離型性を有するものであればよく、一般的な離型剤を用いることができ、例えばシリコーン系離型剤、フッ素系離型剤、ワックス系離型剤、ポリビニルアルコール系離型剤が挙げられる。中でも、離型材料は、シリコーン系離型剤、すなわちシリコーンであることが好ましい。また、シリコーン系離型剤はシリコーンオイルであることが好ましい。シリコーンは離型性に優れているからである。シリコーンオイルとしては、上記のシリコーンオイルと同様とすることができる。
離型層の形成方法としては、基材上に離型層をパターン状に形成可能な方法であれば特に限定されるものではなく、例えば、基体上に、少なくとも表面に離型材料を有する凸部がパターン状に形成された凸版を用い、基材表面に凸版の凸部を押し当てる方法や、離型材料を含む離型層形成用塗工液を用い、離型層形成用塗工液を基材上にパターン状に塗布する方法、離型層形成用塗工液を塗布した後、離型層をパターニングする方法等が挙げられる。
中でも、基材表面に凸版の凸部を押し当てる方法が好ましい。凸版の凸部を基材表面に押し当てることで、凸部表面の離型材料を基材表面に移行させ、基材上に離型層をパターン状に形成することができる。そのため、パターン状の離型層を容易かつ効率的に形成することができ、さらなる生産性向上およびコスト削減が可能である。また、凸版の凸部を微細なパターン状に形成することで、被加工膜の高精細なパターニングが可能になる。
凸版を用いる方法の場合、凸版の凸部に用いられる材料としては、上記離型材料を含むものであればよいが、基材表面に凸版の凸部を押し当てた際に、離型材料を基材表面に移行させることが可能なものであることが好ましく、中でもシリコーンゴムであることが好ましい。一般にシリコーンゴムは上述したようなシリコーンの成分を含んでおり、シリコーンは離型性を有している。そのため、基材表面に凸版の凸部を押し当てることで、凸部に含まれるシリコーンを基材表面に移行させることができ、基材上にシリコーンを含有する離型層をパターン状に形成することができる。また、シリコーンゴムは弾性を有するため、基材表面に凸版を押し当てる際に、凸版に均一に圧力を加えるとともに、凸版および基材の密着性を高めることができ、離型層のパターンを高精細に形成することができる。その結果、高精細な被加工膜のパターニングが可能になる。
シリコーンゴムの材料としては、例えばポリジメチルシロキサンおよびその共重合体、フッ素基含有ポリジメチルシロキサンおよびその共重合体、ポリビニルメチルシロキサン、ポリフェニルメチルシロキサン等が挙げられる。中でも、ポリジメチルシロキサンが好ましい。ポリジメチルシロキサンは、インプリント技術の版として汎用されている材料であるため、賦形により微細な凹凸を容易に形成することができるからである。また、ポリジメチルシロキサンは、離型性に優れるという利点も有する。
凸版としては、基体と、基体上にパターン状に形成され、少なくとも表面に離型材料を有する凸部とを有するものであればよい。例えば、図2(a)に示すように基体11および凸部12が一体に形成されていてもよく、図2(b)に示すように凸部12が基体11上に形成された第1凸部12aと、第1凸部12a上に形成され、少なくとも表面に離型材料を有する第2凸部12bとを有し、基体11および第1凸部12aが一体に形成されていてもよく、図2(c)に示すように基体11および凸部12が別体であってもよい。なお、図2(a)〜(c)はいずれも離型層形成工程の他の例を示す模式図である。
基体が凸部とは別体である場合、基体としては、例えばガラス基板、樹脂基板、セラミック基板、金属基板等を用いることができる。
凸版の形状としては、板状であってもよくロール状であってもよい。凸版がロール状である場合には、ロールツーロール方式で連続的な離型層の形成が可能になる。
凸版の作製方法としては、基体と、基体上にパターン状に形成され、少なくとも表面に離型材料を有する凸部とを有する凸版を作製可能な方法であれば特に限定されるものではない。
図2(a)に例示する凸版10は、例えば賦形により作製することができる。この場合、凸版の作製が容易であり、また凸版を容易に複製することもできる。
また、図2(b)に例示する凸版10は、例えば基体11上に第1凸部12aがパターン状に形成された凸版を準備し、第1凸部12a上に、少なくとも表面に離型材料を有する第2凸部12bを形成することで得られる。この場合、少なくとも表面に離型材料を有する第2凸部の形成が容易であり、また基体および第1凸部の材料が制約を受けないため、材料の選択肢が広くなる。第2凸部の形成方法としては、例えば第1凸部上に離型材料を塗布する方法や、シート状のシリコーンゴムに第1凸部を押し当てる方法等が挙げられる。
また、図2(c)に例示する凸版10は、例えば表面に離型材料を有する表面層を有するブランケットを準備し、ブランケットの表面層をレーザー等でパターニングすることで得られる。この場合、レーザー等でパターニングを行うため、凸部のパターンを高精細に形成することができる。その結果、離型層のパターンを高精細に形成することができ、高精細な被加工膜のパターニングが可能になる。
また、離型層形成用塗工液を用いる方法の場合、離型層形成用塗工液には、離型材料の他に、溶媒等が含まれていてもよい。
離型層形成用塗工液を基材上にパターン状に塗布する場合、塗布方法としては、基材上に離型層形成用塗工液をパターン状に塗布することができる方法であればよく、例えばインクジェット法、スクリーン印刷法等が挙げられる。
また、離型層形成用塗工液を基材上に塗布した後、離型層をパターニングする場合、塗布方法としては、基材の全面に離型層形成用塗工液を塗布することができる方法であればよく、例えばスピンコート法、ダイコート法、バーコート法等、一般的な方法から適宜選択することができる。離型層のパターニング方法としては、例えばレーザーを用いる方法が挙げられる。
離型層の厚みとしては、離型性が発現され得る程度であれば特に限定されるものではなく、離型層の形成方法等に応じて適宜調整される。
例えば、凸版を用いて離型層を形成する場合、離型層の厚みは30nm〜300nmの範囲内であることが好ましい。離型層の厚みが薄いと、十分な離型性が得られない場合がある。また、厚みが厚い離型層は、凸版を用いて離型層を形成する方法では形成が困難である。
また、離型層形成用塗工液を用いて離型層を形成する場合、離型層の厚みは500nm〜1000nmの範囲内であることが好ましい。離型層の厚みが薄いと、十分な離型性が得られない場合がある。また、後述の被加工膜除去工程後も基材上に離型層が残るため、離型層の厚みが厚いと、被加工膜上に別の層を形成するのが困難になる場合がある。また、離型層の厚みが厚いと、液だれ等、隣接する被加工膜に悪影響を及ぼし、高精細なパターンの形成が困難になる場合がある。
本発明に用いられる基材としては、離型層および被加工膜を支持することができるものであればよく、用途等に応じて適宜選択されるものであり、例えばガラス基材、樹脂基材、セラミック基材、金属基材等を挙げることができる。また、基材は剛性を有していてもよく可撓性を有していてもよい。
中でも、基材は、被加工膜との密着性を高めるために、表面処理が施されたものである、あるいは、表面にアンカーコート層が形成されたものであることが好ましい。表面処理方法としては、例えばUV−オゾン処理、真空紫外光照射、プラズマ照射等が挙げられる。基材および被加工膜の密着性が高い場合には、後述の被加工膜除去工程での基材からの被加工膜の剥がれを抑制することができる。
基材は、枚葉であってもよく長尺であってもよい。長尺の基材の場合には、ロールツーロール方式で連続的な離型層の形成が可能になる。
2.被加工膜形成工程
本発明における被加工膜形成工程は、上記基材および上記離型層上に被加工膜を形成する工程である。
被加工膜に用いられる材料としては、用途等に応じて適宜選択されるものであり、例えば、導電性材料、半導体材料、絶縁性材料、発光材料、正孔注入性材料、着色材料、樹脂材料、生体材料等を挙げることができる。また、無機材料および有機材料のいずれも用いることができる。中でも、無機材料が好ましく、金属材料がより好ましい。金属材料としては、例えば金属や合金、金属酸化物等の金属化合物が挙げられる。無機材料は、PVD法やCVD法の乾式法で成膜可能であり、後述するように基材との密着性の良好な被加工膜を得ることができるからである。
被加工膜の形成方法としては、例えばスパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法等のPVD法やCVD法等の乾式法であってもよく、被加工膜形成用塗工液を用い、被加工膜形成用塗工液を塗布する湿式法であってもよく、材料に応じて適宜選択される。
被加工膜形成用塗工液の塗布方法としては、基材の全面に被加工膜形成用塗工液を塗布することができる方法であれば特に限定されるものではなく、例えばスピンコート法、ダイコート法、バーコート法等、一般的な方法から適宜選択することができる。
中でも、被加工膜の形成方法は、乾式法であることが好ましい。基材との密着性が良好な被加工膜を得ることができるからである。これにより、後述の被加工膜除去工程での基材からの被加工膜の剥がれを抑制することができる。
被加工膜の厚みは、後述の被加工膜除去工程にて離型層上の被加工膜を除去することができる厚みであればよいが、例えば20nm〜10μmの範囲内であることが好ましい。被加工膜の厚みが厚いと、被加工膜除去工程にて離型層上の被加工膜を除去するのが困難になる場合がある。また、被加工膜の厚みが薄いと、離型層が形成されていない領域の被加工膜も除去されてしまうおそれがある。
3.被加工膜除去工程
本発明における被加工膜除去工程は、上記離型層上の上記被加工膜を除去する工程である。
離型層上の被加工膜を除去する方法としては、離型層上の被加工膜を除去し、離型層が形成されていない領域の被加工膜を残すことができる方法であれば特に限定されないが、中でも、下記の2つの態様のいずれかであることが好ましい。
(1)第1態様
本態様の被加工膜除去工程は、第1基材上に粘着層が形成された粘着積層体を用い、上記被加工膜表面に上記粘着積層体の上記粘着層を接触させる接触工程と、上記粘着積層体を剥離する剥離工程とを有する。
図1(e)〜(g)は本態様の被加工膜除去工程の一例を示す工程図である。まず、図1(e)に示すように、第1基材21上に粘着層22が形成された粘着積層体20を準備し、図1(f)に示すように、粘着積層体20の粘着層22を被加工膜3に密着させる。その後、図1(g)に示すように、粘着積層体20を剥離する。この際、被加工膜3および離型層2の密着力は、被加工膜3および基材1の密着力よりも弱いため、離型層2上の被加工膜3が離型層2から引き離されて、粘着層22側に転移する。これにより、離型層2上の被加工膜3が除去され、基材1上に被加工膜3がパターン状に形成される。
この場合、被加工膜および離型層の密着力は、被加工膜および基材の密着力よりも弱いため、粘着積層体を剥離する際、離型層上の被加工膜を粘着積層体とともに除去することができる。そのため、簡便な方法で離型層上の被加工膜を除去することができる。
以下、本態様の被加工膜除去工程における各工程について説明する。
(a)接触工程
本態様における接触工程では、第1基材上に粘着層が形成された粘着積層体を用い、上記被加工膜表面に上記粘着積層体の上記粘着層を接触させる。
粘着積層体における粘着層の材料としては、粘着層および被加工膜の密着力が、被加工膜および離型層の密着力よりも大きく、被加工膜および基材の密着力よりも小さくなるようなものであればよく、一般的な粘着剤から適宜選択することができる。
粘着層の厚みとしては、所望の粘着性が得られれば特に限定されるものではなく、例えば25μm〜100μm程度とすることができる。
粘着積層体における第1基材としては、粘着層を支持することができるものであればよく、例えばガラス基材、樹脂基材等を挙げることができる。また、第1基材は剛性を有していてもよく可撓性を有していてもよい。また、第1基材は、枚葉であってもよく長尺であってもよい。長尺の場合には、ロールツーロール方式で連続的な被加工膜の除去が可能になる。
被加工膜表面に粘着積層体の粘着層を接触させる方法としては、被加工膜表面に粘着層を圧着できる方法であればよい。
(b)剥離工程
本態様における剥離工程では、上記粘着積層体を剥離する。粘着積層体を剥離する際に、離型層上の被加工膜を除去することができ、基材上に被加工膜をパターン状に形成することができる。
なお、図1(g)においては、離型層2が形成されていない領域の被加工膜3は粘着層22側に転移していないが、図示しないが、離型層2が形成されていない領域の被加工膜3の一部も粘着層22側に転移し、層間剥離が生じていてもよい。
(2)第2態様
本態様の被加工膜除去工程は、第2基材上に流動性を有する樹脂層が形成された樹脂積層体を用い、上記被加工膜表面に上記樹脂積層体の上記樹脂層を接触させる接触工程と、上記被加工膜に接触している上記樹脂層を硬化する硬化工程と、上記樹脂積層体を剥離する剥離工程とを有する。
図3(a)〜(c)は本態様の被加工膜除去工程の一例を示す工程図である。まず、図3(a)に示すように、第2基材31上に流動性を有する樹脂層32が形成された樹脂積層体30を準備し、図3(b)に示すように、流動状態の樹脂層32を被加工膜3に接触させる。次いで、図3(b)に示すように、第2基材31側から樹脂層32に紫外線33を照射し、樹脂層32を硬化する。これにより、樹脂層32を被加工膜3に対して強固に密着させることができる。その後、図3(c)に示すように、第2基材31および硬化状態の樹脂層32を剥離する。この際、被加工膜3および離型層2の密着力は、被加工膜3および基材1の密着力よりも弱いため、離型層2上の被加工膜3が離型層2から引き離されて、樹脂層32側に転移する。また、離型層2が形成されていない領域では被加工膜3の一部が樹脂層32側に転移するが、基材1上に被加工膜3が残る。これにより、離型層2上の被加工膜3が除去され、基材1上に被加工膜3がパターン状に形成される。
ここで、「流動性」または「流動状態」とは、樹脂層および被加工膜を接触させる際の圧力によって樹脂層が流動する性質または状態をいう。
この場合、被加工膜および離型層の密着力は、被加工膜および基材の密着力よりも弱いため、樹脂積層体を剥離する際、離型層上の被加工膜を樹脂積層体とともに除去することができる。そのため、離型層上の被加工膜を容易に除去することができる。
以下、本態様の被加工膜除去工程における各工程について説明する。
(a)接触工程
本態様における接触工程では、第2基材上に流動性を有する樹脂層が形成された樹脂積層体を用い、上記被加工膜表面に上記樹脂積層体の上記樹脂層を接触させる。
樹脂積層体における樹脂層に用いられる樹脂組成物としては、流動性を有する樹脂層を形成可能なものであればよく、例えば電離放射線硬化性樹脂組成物、熱硬化性樹脂組成物および熱可塑性樹脂組成物を挙げることができる。
ここで、「電離放射線硬化性樹脂組成物」とは、電離放射線の照射により硬化するものをいう。「電離放射線」とは、電磁波または荷電粒子線のうち、分子を重合あるいは架橋し得るエネルギー量子を有するものをいい、例えば、紫外線や電子線の他、可視光線、X線、γ線等の電磁波、α線等の荷電粒子線が挙げられる。
電離線硬化性樹脂組成物としては、電離放射線により硬化するモノマー、またはプレポリマーやオリゴマーを用いることができる。モノマー、プレポリマーやオリゴマーとしては、例えば、特許第4436441号公報に記載されているプライマー層に用いられる電離線硬化性樹脂が挙げられる。モノマーおよびプレポリマーは、1種類単独で用いてもよく、2種類以上混合して用いてもよく、モノマーおよびプレポリマーを混合して用いてもよい。
熱硬化性樹脂組成物としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ユリア樹脂等が挙げられる。
熱可塑性樹脂組成物としては、例えば、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂等が挙げられる。
樹脂層の厚みとしては、被加工膜に対して所望の密着力が得られれば特に限定されるものではない。
樹脂積層体における第2基材としては、樹脂層を支持することができるものであればよいが、後述の硬化工程にて紫外線等を照射して樹脂層を硬化する場合には、第1基材は光透過性を有することが好ましい。例えばガラス基材、樹脂基材等を挙げることができる。また、第2基材は剛性を有していてもよく可撓性を有していてもよい。また、第2基材は、枚葉であってもよく長尺であってもよい。長尺の場合には、ロールツーロール方式で連続的な被加工膜の除去が可能になる。
被加工膜表面に樹脂積層体の樹脂層を接触させる際には、樹脂層を流動状態とする。例えば電離放射線硬化性樹脂組成物や熱硬化性樹脂組成物を用いる場合には、第2基材上に硬化性樹脂組成物を塗布した状態とすればよい。一方、熱可塑性樹脂組成物を用いる場合には、第2基材上に熱可塑性樹脂組成物を塗布した後、加熱して、硬化性樹脂層を軟化状態とすればよい。この際の加熱温度としては、熱可塑性樹脂組成物の種類等に応じて異なるが、例えば50℃〜200℃程度とすることができる。また、加熱に際しては、被加工膜表面に樹脂層を接触させる前に加熱してもよく、加熱ロール等を用いて被加工膜表面に樹脂層を接触させると同時に加熱してもよい。
被加工膜表面に樹脂積層体の樹脂層を接触させる方法としては、被加工膜表面に樹脂層を圧着できる方法であればよい。
(b)硬化工程
本態様における硬化工程では、上記被加工膜に接触している上記樹脂層を硬化する。
樹脂層の硬化方法としては、樹脂組成物の種類等に応じて異なる。例えば電離放射線硬化性樹脂組成物を用いる場合には電離放射線を照射する方法、熱硬化性樹脂組成物を用いる場合には加熱する方法が用いられる。また、熱可塑性樹脂組成物を用いる場合には冷却する方法が用いられる。
樹脂層を硬化させる際には、樹脂層および被加工膜の密着力を所望の範囲とすることができればよく、例えば樹脂層を完全に硬化させてもよく、半硬化させてもよい。樹脂層の硬化状態によって、樹脂層および被加工膜の密着力を調整することができる。
(c)剥離工程
本態様における剥離工程では、上記樹脂積層体を剥離する。樹脂積層体を剥離する際に、離型層上の被加工膜を除去することができ、基材上に被加工膜をパターン状に形成することができる。
樹脂積層体を剥離する際には、樹脂層を硬化状態とする。例えば熱可塑性樹脂組成物を用いる場合には、樹脂層の流動性がなくなる程度まで冷却したままにすればよい。
4.用途
本発明のパターン形成方法の用途としては、例えば、トランジスタやダイオード等の半導体素子における電極、半導体層、絶縁層の形成、タッチパネルセンサにおける電極、配線の形成、太陽電池における背面電極の形成、有機EL素子における背面電極の形成、不揮発性メモリの電極およびポリマー層の形成、圧力センサーの電極およびポリマー層の形成、配線基板における配線の形成、カラーフィルタにおける着色層および遮光部の形成、バイオチップの作製等を挙げることができる。特に、本発明のパターン形成方法は、電子デバイスにおいてパターンの微細化が要求される電極、配線等の形成に好適に用いることができる。
B.パターン形成用基材
本発明のパターン形成用基材は、基材と、上記基材上にパターン状に形成され、離型材料を含有する離型層とを有することを特徴とするものである。
図4は本発明のパターン形成用基材の一例を示す概略断面図である。図4に例示するように、パターン形成用基材40は、基材1と、基材1上にパターン状に形成された離型層2とを有している。
本発明のパターン形成用基材は、上述のパターン形成方法に用いられるものである。本発明のパターン形成用基材を用いることにより、パターン状の離型層を利用して、簡便かつ安価に高精細なパターニングを行うことが可能である。
なお、基材および離型層については、上記「A.パターン形成方法 1.離型層形成工程」に詳しく記載したので、ここでの説明は省略する。
C.パターン形成装置
本発明のパターン形成装置は、基材上に被加工膜をパターン状に形成するものであって、基材上に離型材料を含有する離型層をパターン状に形成する離型層形成手段と、上記基材および上記離型層上に被加工膜を形成する被加工膜形成手段と、上記離型層上の上記被加工膜を除去する被加工膜除去手段とを有することを特徴とするものである。
図5は、本発明のパターン形成装置の一例を示す模式図である。図5に例示するパターン形成装置60は、基材1上に離型層2をパターン状に形成する離型層形成手段であるロール状の凸版10と、基材1および離型層2上に被加工膜3を形成する被加工膜形成手段50と、離型層2上の被加工膜3を除去する被加工膜除去手段25とを有している。凸板10は、基体11と、基体11上にパターン状に形成され、少なくとも表面に離型材料を有する凸部12とを有しており、基体11および凸部12が一体に形成されている。被加工膜形成手段50は、スパッタリング装置であり、チャンバー51と、ターゲット52と、ステージ53とを有している。被加工膜除去手段25は、第2基材上に粘着層が形成された粘着積層体20と、粘着積層体20を搬送し被加工膜3表面に接触させる圧胴26とを有している。
このパターン形成装置60においては、まず、凸版10の凸部12を基材1表面に押し当てることで、基材1上に離型層2をパターン状に形成する。次に、離型層2が形成された基材1はスパッタリング装置50内に搬送され、基材1および離型層2上に被加工膜3を形成する。次に、離型層2および被加工膜3が形成された基材1はスパッタリング装置50から搬出され、被加工膜3が、圧胴26によって搬送される粘着積層体20に接触する。これにより、離型層2上の被加工膜3が粘着積層体20側に転移し、基材1上に被加工膜3がパターン状に形成される。
本発明においては、上記「A.パターン形成方法」に記載したように、簡便かつ安価に被加工膜の高精細なパターニングが可能である。
以下、本発明のパターン形成装置における各構成について説明する。
1.離型層形成手段
本発明における離型層形成手段は、基材上に離型材料を含有する離型層をパターン状に形成するものである。
離型層形成手段としては、基材上に離型層をパターン状に形成可能なものであれば特に限定されるものではなく、例えば、基体上に、少なくとも表面に離型材料を有する凸部がパターン状に形成された凸版、離型材料を含む離型層形成用塗工液をパターン状に塗布する塗工機、および、離型材料を含む離型層形成用塗工液を塗布する塗工機と、離型層をパターニングするパターニング手段とを有するもの等が挙げられる。
中でも、離型層形成手段は、凸版を有することが好ましい。凸版の凸部を基材表面に押し当てることで、凸部表面の離型材料を基材表面に移行させ、基材上に離型層をパターン状に形成することができる。そのため、パターン状の離型層を容易かつ効率的に形成することができ、さらなる生産性向上およびコスト削減が可能である。また、凸部を微細なパターン状に形成することで、被加工膜の高精細なパターニングが可能になる。
上記の場合、離型層形成手段は、凸版と、凸版が基材表面に接触するよう移動させる移動手段とを有する。凸版がロール状の場合には、凸版が移動手段も兼ねる。一方、凸版が板状の場合には、凸版を保持し、凸版が基材表面に接触するよう移動させる移動手段が設けられる。
なお、凸版については、上記「A.パターン形成方法」に詳しく記載したので、ここでの説明は省略する。
離型層形成用塗工液をパターン状に塗布する塗工機としては、基材上に離型層形成用塗工液をパターン状に塗布することができるものであればよく、例えばインクジェット印刷機、スクリーン印刷機等が挙げられる。
また、離型層形成用塗工液を塗布する塗工機としては、基材の全面に離型層形成用塗工液を塗布することができるものであればよく、例えばスピンコーター、ダイコーター、バーコーター等、一般的な塗工機から適宜選択することができる。
パターニング手段としては、離型層をパターニングできるものであればよく、例えばレーザー装置が挙げられる。
2.被加工膜形成手段
本発明における被加工膜形成手段は、上記基材および上記離型層上に被加工膜を形成するものである。
被加工膜形成手段としては、被加工膜の材料に応じて適宜選択されるものであり、例えばスパッタリング装置、真空蒸着装置等のPVD装置やCVD装置、被加工膜形成用塗工液を塗布する塗工機が挙げられる。中でも、被加工膜形成手段は、PVD装置やCVD装置であることが好ましい。基材との密着性が良好な被加工膜を得ることができるからである。これにより、後述の被加工膜除去手段での基材からの被加工膜の剥がれを抑制することができる。
塗工機としては、基材の全面に離型層形成用塗工液を塗布することができるものであればよく、例えばスピンコーター、ダイコーター、バーコーター等、一般的な塗工機から適宜選択することができる。
3.被加工膜除去手段
本発明における被加工膜除去手段は、上記離型層上の上記被加工膜を除去するものである。
被加工膜除去手段は、離型層上の被加工膜を除去し、離型層が形成されていない領域の被加工膜を残すことができるものであれば特に限定されないが、中でも、下記の2つの態様のいずれかであることが好ましい。
(1)第3態様
本態様の被加工膜除去手段は、第1基材上に粘着層が形成された粘着積層体と、上記粘着積層体の上記粘着層が上記被加工膜表面に接触するよう、上記粘着積層体を移動させる移動手段とを有する。
例えば図5に示す被加工膜除去手段25は、第1基材上に粘着層が形成された粘着積層体20と、粘着積層体20を保持し搬送する圧胴26とを有している。この例では、圧胴26が移動手段である。圧胴26によって粘着積層体20の粘着層を被加工膜3表面に接触させ、粘着積層体20を搬送することで、離型層2上の被加工膜3が粘着積層体20側に転移し、基材1上に被加工膜3がパターン状に形成される。
この場合、被加工膜および離型層の密着力は、被加工膜および基材の密着力よりも弱いため、粘着積層体を剥離する際、離型層上の被加工膜を粘着積層体とともに除去することができる。そのため、簡便な方法で離型層上の被加工膜を除去することができる。
以下、本態様の被加工膜除去手段における各構成について説明する。
(a)粘着積層体
粘着積層体については、上記「A.パターン形成方法」に詳しく記載したので、ここでの説明は省略する。
(b)移動手段
移動手段は、上記粘着積層体の上記粘着層が上記被加工膜表面に接触するよう、上記粘着積層体を移動させるものである。
移動手段は、粘着積層体の粘着層を被加工膜表面に圧着させることができるものであればよく、例えば粘着積層体を保持して搬送する圧胴等が挙げられる。
(2)第4態様
本態様の被加工膜除去手段は、第2基材上に流動性を有する樹脂層が形成された樹脂積層体と、上記樹脂積層体の上記樹脂層が上記被加工膜表面に接触するよう、上記樹脂積層体を移動させる手段と、上記被加工膜に接触している上記樹脂層を硬化する硬化手段とを有する。
図6(a)〜(d)は本態様の被加工膜除去手段を用いた被加工膜除去工程の一例を示す工程図である。図6(a)〜(d)に示すように、被加工膜除去手段は、第2基材31上に樹脂組成物を塗工する塗工機37と、第2基材31上に流動性を有する樹脂層32が形成された樹脂積層体30と、樹脂積層体30を保持し搬送する搬送ロール36a〜36dと、樹脂積層体30を第2基材31側から被加工膜3に向けて押圧する押圧ロール34と、紫外線等を照射して樹脂層32を硬化する硬化手段35とを有している。この例において、搬送ロール36c、36dおよび押圧ロール34が移動手段である。
まず、図6(a)に示すように、搬送ロール36a〜36dで搬送される第2基材31上に、塗工機37で樹脂組成物を塗布し、流動性を有する樹脂層32を形成する。次いで、図6(b)に示すように、塗工機37による樹脂組成物の塗布を停止し、樹脂層32が被加工膜3に接触するまで、搬送ロール36c、36dおよび押圧ロール34を用いて、樹脂積層体30を移動させる。例えば、一対の搬送ロール36c、36dの少なくとも一方が被加工膜3に向かって移動する。その後、押圧ロール34が、樹脂積層体30を第2基材31側から被加工膜3に向かって押圧する。これにより、樹脂層32が被加工膜3表面に密着する。続いて、図6(c)に示すように、硬化手段35によって第2基材31側から樹脂層32に紫外線33を照射し、樹脂層32を硬化する。これにより、樹脂層32を被加工膜3に対して強固に密着させることができる。次に、図6(d)に示すように、第2基材31および硬化状態の樹脂層32を剥離する。この際、被加工膜3および離型層2の密着力は、被加工膜3および基材1の密着力よりも弱いため、離型層2上の被加工膜3が離型層2から引き離されて、樹脂層32側に転移する。また、離型層2が形成されていない領域では被加工膜3の一部が樹脂層32側に転移するが、基材1上に被加工膜3が残る。これにより、離型層2上の被加工膜3が除去され、基材1上に被加工膜3がパターン状に形成される。
この場合、被加工膜および離型層の密着力は、被加工膜および基材の密着力よりも弱いため、樹脂積層体を剥離する際、離型層上の被加工膜を樹脂積層体とともに除去することができる。そのため、離型層上の被加工膜を容易に除去することができる。
以下、本態様の被加工膜除去手段における各構成について説明する。
(a)樹脂積層体
樹脂層積層体については、上記「A.パターン形成方法」に詳しく記載したので、ここでの説明は省略する。
樹脂積層体としては、予め第2基材上に樹脂層が形成された樹脂積層体を用いてもよい。この場合、一般には樹脂層は剥離シート等で覆われているため、被加工膜除去手段は、この剥離シートを除去する手段を有することができる。
また、被加工膜除去手段は、図6(a)に例示するように、第2基材31上に樹脂組成物を塗布する塗工機37を有していてもよい。この場合、塗工機によって樹脂層が形成されてから樹脂層が被加工膜に接触するまでの時間や周囲環境を制御することができる。そのため、被加工膜に接触する際の樹脂層の特性、例えば流動性を調整することができる。
塗工機37では、図6(a)に示すように、第2基材31のうち、少なくとも被加工膜3と対向する領域に樹脂組成物が行き渡るまで、樹脂組成物を塗布する。その後は、図6(b)に示すように、塗工機37での樹脂組成物の塗布を停止してもよい。
被加工膜除去手段が塗工機を有する場合であって、塗工機で塗布する樹脂組成物に溶剤が含まれている場合、塗工機の下流側に、樹脂組成物中の溶剤を除去するための乾燥手段がさらに設けられていてもよい。これにより、塗工機による樹脂組成物の塗布時の塗工性能を高めながら、被加工膜に到達する際の樹脂層の流動性を適切に調整することができる。
なお、溶剤の乾燥を不要にするため、樹脂組成物が、少なくとも1種類のモノマーを含んでいてもよい。これにより、樹脂組成物に溶剤が含まれていない場合であっても、樹脂組成物の十分な塗工性能および適切な流動性を確保することができる。すなわち、いわゆる無溶剤の樹脂組成物を採用することが可能となる。この結果、乾燥処理が不要になるため、工程数および設備を削減することができ、これによって製造コストを削減することができる。
(b)移動手段
移動手段は、上記樹脂積層体の上記樹脂層が上記被加工膜表面に接触するよう、上記樹脂積層体を移動させるものである。
移動手段は、樹脂積層体の樹脂層を被加工膜表面に圧着させることができるものであればよく、例えば図6(b)〜(c)に示すように、樹脂積層体30を被加工膜3に沿って搬送する一対の搬送ロール36c、36dと、樹脂積層体30を第2基材31側から被加工膜3に向けて押圧する押圧ロール34とを有するもの等が挙げられる。また、押圧ロールは、一対の搬送ロールの間で回転移動しながら樹脂積層体を被加工膜に向けて押圧するよう構成されていてもよい。これにより、離型層および被加工膜が形成された基材が静止状態にある場合であっても、離型層上の被加工膜を樹脂層側に転移させることができる。
(c)硬化手段
硬化手段は、上記被加工膜に接触している上記樹脂層を硬化するものである。
硬化手段は、樹脂組成物の種類等に応じて異なる。例えば電離放射線硬化性樹脂組成物を用いる場合には紫外線や電子線等の電離放射線を照射する照射手段、熱硬化性樹脂組成物を用いる場合にはヒーター等の加熱手段が用いられる。また、熱可塑性樹脂組成物を用いる場合には冷却手段が用いられる。
照射手段、加熱手段および冷却手段の配置は、第2基材や、基材、離型層および被加工膜の構成に応じて適宜設定される。例えば、第2基材が光透過性を有する場合、照射手段は、第2基材を介して紫外線等を樹脂層に照射するように配置することができる。また、基材、離型層および被加工膜が光透過性を有する場合、照射手段は、基材、離型層および被加工膜を介して紫外線等を樹脂層に照射するように配置することができる。また、照射手段は、一対の搬送ロールの間で押圧ロールに続いて移動しながら、樹脂層に紫外線等を照射してもよい。加熱手段は、一対の搬送ロールの間で押圧ロールに続いて移動しながら、樹脂層を加熱してもよい。冷却手段は、一対の搬送ロールの間で押圧ロールに続いて移動しながら、樹脂層を冷却してもよい。
一般に、電離放射線による硬化は、加熱による硬化よりも迅速に完了することができる。そのため、被加工膜を除去する際のスループットを高める上では、硬化手段は、電離放射線を照射する照射手段であることが好ましい。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下に実施例を示し、本発明をさらに詳細に説明する。
[実施例1]
まず、ポリジメチルシロキサンを主成分とするブランケットを基材に押し当てて、基材上に離型層を形成する方式にて検証した。
基材にはポリカーボネートフィルムを使用した。ポリカーボネートフィルムとしては、前処理としてウシオ電機社製エキシマ照射ユニットを用いて3分間のVUV処理を実施したものと実施していないものとを用いた。まず、基材に対してブランケットを押し当てることにより、30mm□のベタ状の離型層を形成した。この際、離型層の厚みは、ブランケットの厚みおよび押し当て回数により調整した。次いで、基材および離型層上に、スパッタリング法により銀パラジウム銅合金(APC)を厚みが100nmになるように成膜し、被加工膜を形成した。その後、30mm□の枠内にカッターを用いて幅1mm間隔にて縦5本×横5本の碁盤目を形成した。次に、被加工膜まで形成した上記基材表面を、昭和トレーディング社製のクリーンローラーYC−12Pで2kgの荷重をかけながらなぞり、離型層上に形成された被加工膜を除去した。
離型層上の被加工膜の剥がれ率を測定した。被加工膜の剥がれ率は、切込みを入れた合計25個の升目のなかで、被加工膜が除去された個数を数えて割合を算出した。すなわち、下記式によって剥がれ率を算出した。
(剥がれ率)=(被加工膜が除去された個数)×4
結果を表1に示す。
Figure 0006052260
いずれの場合においても、被加工膜を除去することが可能であった。
[実施例2]
次に、離型層をダイコート法により形成する方式にて検証した。
基材にはポリカーボネートフィルムを使用した。ポリカーボネートフィルムとしてはVUV処理を施していないものを用いた。まず、基材上に、信越化学工業社製のシリコーンオイルKF96をダイコート法により塗布し、30mm□のベタ状の離型層を形成した。次いで、基材および離型層上に、スパッタリング法により銀パラジウム銅合金(APC)を厚みが100nmになるように成膜し、被加工膜を形成した。次に、実施例1と同様にして、離型層上の被加工膜を除去した。
実施例1と同様にして、離型層上の被加工膜の剥がれ率を測定した。結果を表2に示す。
Figure 0006052260
いずれの場合においても、被加工膜を除去することが可能であった。ただし、離型層の厚みが3000nm以上の場合は、被加工膜除去部分に厚い離型層が残るため、被加工膜上に別層を形成するのが困難であると予想された。
1 … 基材
2 … 離型層
3 … 被加工膜
10 … 凸版
11 … 基体
12 … 凸部
20 … 粘着積層体
21 … 第1基材
22 … 粘着層
30 … 樹脂積層体
31 … 第2基材
32 … 樹脂層
40 … パターン形成用基材

Claims (7)

  1. 基材上に離型材料を含有する離型層をパターン状に形成する離型層形成工程と、
    前記基材および前記離型層上に被加工膜を形成する被加工膜形成工程と、
    前記離型層上の前記被加工膜を除去する被加工膜除去工程と
    を有し、前記基材上に前記被加工膜をパターン状に形成することを特徴とするパターン形成方法。
  2. 前記離型層形成工程では、基体上に、少なくとも表面に前記離型材料を有する凸部がパターン状に形成された凸版を用い、前記基材表面に前記凸版の前記凸部を押し当てることを特徴とする請求項1に記載のパターン形成方法。
  3. 前記凸部がシリコーンゴムを含有することを特徴とする請求項2に記載のパターン形成方法。
  4. 前記離型材料がシリコーンであることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかに記載のパターン形成方法。
  5. 前記シリコーンが低分子量ポリシロキサンであることを特徴とする請求項4に記載のパターン形成方法。
  6. 前記被加工膜除去工程は、第1基材上に粘着層が形成された粘着積層体を用い、前記被加工膜表面に前記粘着積層体の前記粘着層を接触させる接触工程と、前記粘着積層体を剥離する剥離工程とを有することを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれかに記載のパターン形成方法。
  7. 前記被加工膜除去工程は、第2基材上に流動性を有する樹脂層が形成された樹脂積層体を用い、前記被加工膜表面に前記樹脂積層体の前記樹脂層を接触させる接触工程と、前記被加工膜に接触している前記樹脂層を硬化する硬化工程と、前記樹脂積層体を剥離する剥離工程とを有することを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれかに記載のパターン形成方法。
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