図1(斜視図)及び図2(平面図)は、本発明に係る光電気複合コネクタ装置の第1の例を、それに装着された複数の同軸ケーブル及び光電変換モジュ−ルが取り付けられた基板の一部分と共に示す。
図1及び図2において、本発明に係る光電気複合コネクタ装置の第1の例を成す光電気複合コネクタ装置11は、例えば、配列配置された複数の同軸ケーブルとされる複数のケーブル12と光ファイバーケーブル13の端部に配される光電変換モジュール14(後述される図6に示されている。)とが装着されたもとで、例えば、ソリッド印刷配線基板とされる主基板にそれに設けられた電気回路構成部との電気的接続がなされて取り付けられた基板側コネクタ装置とされる相手方コネクタ装置に嵌合せしめられる、ケーブル側コネクタ装置として用いられるものとされている。光電変換モジュール14は、基板15に取り付けられた状態をもって装着されている。そして、光電気複合コネクタ装置11は、合成樹脂等の絶縁材料によって形成された絶縁ハウジング16, 外部からの電磁波ノイズ対策のため絶縁ハウジング16の外面部を部分的に覆うものとされた導電性シェル17及び導電性カバー18を備えている。
導電性シェル17を単体で示す図3に示されるように、導電性シェル17は、例えば、弾性を有した金属板材料が打抜き・屈曲加工されて形成され、それに絶縁ハウジング16が、例えば、インサートモールド成型の手法により固着されるものとされている。そして、導電性シェル17は、複数の矩形透孔及び半円形透孔を含んだ透孔群が形成された平板状部20、及び、平板状部20における長手方向の両端部に導電性カバー18との係合状態をとるべく設けられた複数の係合部21を有している。平板状部20の一部分は、光電変換モジュール14が取り付けられた基板15に当接して基板15を当接支持する状態をとる光電変換モジュール当接部20aを形成している。また、複数の係合部21の夫々には、係合突起21aが形成されている。
さらに、導電性シェル17には、平板状部20における長手方向の両端部の間の部分に、光電変換モジュール14が取り付けられた基板15に設けられたグラウンド端子部に接続される一対のグラウンド接続部22が備えられている。一対のグラウンド接続部22の夫々は、平板状部20の側縁部から伸び、平板状部20に対面すべく折り返されたものとされている。
図4及び図5に示されるように、図3に示される導電性シェル17には、その平板状部20の大部分を覆うようにして、絶縁ハウジング16が、例えば、インサートモールド成型の手法により固着される。そして、絶縁ハウジング16には、複数のケーブル12が夫々電気的に接続される複数のケーブル接続端子25が設けられ、複数のケーブル12が取り付けられるケーブル固定部26と、光電変換モジュール14が取り付けられた基板15が配置される光電変換モジュール収容部27と、ケーブル固定部26の外部へと伸びた複数のケーブル接続端子25の夫々の部分25aが配された、相手方コネクタ装置との連結部28と、が形成されている。光電変換モジュール収容部27は、それに導電性シェル17における光電変換モジュール当接部20aが隣接することになる位置をとるものとされている。
絶縁ハウジング16に形成されたケーブル固定部26は、絶縁ハウジング16の長手方向に伸びており、斯かるケーブル固定部26には、複数のケーブル接続端子25が、絶縁ハウジング16の長手方向に沿って配列配置されている。また、絶縁ハウジング16に形成された光電変換モジュール収容部27は、導電性シェル17に備えられた一対のグラウンド接続部22が露出する平坦部分を成している。そして、これらのケーブル固定部26及び光電変換モジュール収容部27は、絶縁ハウジング16の長手方向に沿って並べられている。
また、絶縁ハウジング16に形成された連結部28は、絶縁ハウジング16におけるケーブル固定部26から突出する突出部を成していて、絶縁ハウジング16の長手方向に伸びるものとされている。そして、連結部28には、複数のケーブル接続端子25の部分25aが、絶縁ハウジング16の長手方向に沿って配列配置されている。また、連結部28における絶縁ハウジング16の長手方向に沿って伸びる端縁部分には、先端傾斜面部29が形成されている。
基板15に取り付けられた光電変換モジュール14は、図6に示されるように、ICチップ(半導体集積回路素子)30,ICチップ30との電気的接続がなされた光電変換素子31、及び、光電変換素子31と光学的に連結された光ファイバーケーブル挿入口形成部32が、例えば、合成樹脂から成る封止材33によって封じ込められて構成されている。光ファイバーケーブル挿入口形成部32には、光ファイバーケーブル13の一端が挿入されて接続される。それにより、光電変換モジュール14が光ファイバーケーブル13の端部に配されたものとされる。
そして、光電変換モジュール14の外部から光ファイバーケーブル13を通じて光電変換素子31に導かれた光信号が、光電変換素子31によって電気信号に変換され、その電気信号が、光電変換素子31からICチップ30に供給されて、ICチップ30による処理に供される。また、ICチップ30からの電気信号が、光電変換素子31に供給されて光電変換素子31により光信号に変換され、その光信号が、光電変換素子31から光ファイバーケーブル13に導かれて、光ファイバーケーブル13を通じて光電変換モジュール14の外部へと伝送される。
光電変換モジュール14が取り付けられた基板15は、図6に示されるように、一対の相互対向面の一方(以下、上面15aという。)に光電変換モジュール14が固定されたものとされている。そして、光電変換モジュール14が固定された上面15aに複数の光電変換モジュール接続端子34が配列配置されて設けられており、また、図7に示されるように、一対の相互対向面の他方(以下、下面15bという。)に、一対のグラウンド端子部35が設けられている。これら複数の光電変換モジュール接続端子34及びグラウンド端子部35の夫々は、ICチップ30に電気的に連結されている。
基板15におけるその上面15aに配列配置された複数の光電変換モジュール接続端子34の夫々の一部分が配された端縁部分が、相手方コネクタ装置との連結部36を形成している。連結部36には、複数の光電変換モジュール接続端子34の夫々の一端部が配列配置されており、また、連結部36には、複数の光電変換モジュール接続端子34の夫々の一端部の配列方向に沿って伸びる先端傾斜面部36aが形成されている。
図6及び図7に示される光電変換モジュール14が取り付けられた基板15は、図8に示されるように、図4及び図5に示される導電性シェル17に固着された絶縁ハウジング16に形成された平坦部分を成す光電変換モジュール収容部27に配置される。その際、基板15の下面15bに設けられた一対のグラウンド端子部35が、導電性シェル17に備えられていて光電変換モジュール収容部27に露出する一対のグラウンド接続部22に夫々対面するものとされる。そして、一対のグラウンド端子部35の夫々は、例えば、予め一対のグラウンド接続部22の夫々に塗布されていた半田によって、対応するグラウンド接続部22に半田付け接続される。また、基板15の下面15bに、導電性シェル17の平板状部20の一部分が形成する光電変換モジュール当接部20aが当接して、光電変換モジュール14が取り付けられた基板15が光電変換モジュール当接部20aにより当接支持される。このようにして、光電変換モジュール14が取り付けられた基板15が光電変換モジュール収容部27に配置されることにより、光電変換モジュール14が光電変換モジュール収容部27に配された状態が得られる。
光電変換モジュール収容部27に配置された基板15は、その連結部36が、絶縁ハウジング16の長手方向に沿って、絶縁ハウジング16に形成された連結部28に連なるものとされる。斯かるもとにおいて、連結部28に形成された先端傾斜面部29と連結部36に形成された先端傾斜面部36aとが、絶縁ハウジング16の長手方向に沿って伸びる一連の先端傾斜面部を形成するものとされる。それにより、絶縁ハウジング16に形成された連結部28と基板15に形成された連結部36とが、相互隣接して絶縁ハウジング16の長手方向に沿って伸びる一連の連結部を形成し、斯かる連結部28と連結部36とが、複数のケーブル接続端子25の夫々の部分25a及び光電変換モジュール接続端子34の夫々の一端が配列配置された突出部を成すものとして形成されていることになる。
続いて、図9に示されるように、導電性シェル17に固着され、それに形成された光電変換モジュール収容部27に光電変換モジュール14が取り付けられた基板15が配置された絶縁ハウジング16には、それに形成されたケーブル固定部26に複数のケーブル12が取り付けられ、また、絶縁ハウジング16に形成された光電変換モジュール収容部27に配置された基板15に取り付けられた光電変換モジュール14には、光ファイバーケーブル13が連結される。
複数のケーブル12がケーブル固定部26に取り付けられるにあたっては、複数のケーブル12の夫々である同軸ケーブルの一端部に、絶縁被覆及び内部絶縁層が除去されて外側導体38及び中心導体39が露出せしめられる処理が施され、複数のケーブル12の外側導体38がグラウンディング・バー40によって連結される。そして、各々の外側導体38がグラウンディング・バー40によって連結された複数のケーブル12の夫々の一端部が、絶縁ハウジング16に形成されたケーブル固定部26に配されて、複数のケーブル12の中心導体39が、ケーブル固定部26に配列配置された複数のケーブル接続端子25に夫々、例えば、半田付けによって接続される。それにより、複数のケーブル12の夫々の一端部が絶縁ハウジング16に形成されたケーブル固定部26に固定され、配列配置された複数の同軸ケーブルとされる複数のケーブル12が、絶縁ハウジング16に形成されたケーブル固定部26に取り付けられた状態が得られる。
また、光ファイバーケーブル13が光電変換モジュール14に連結されるにあたっては、光ファイバーケーブル13の一端が、光電変換モジュール14における光ファイバーケーブル挿入口形成部32に挿入されて、光電変換モジュール14における封止材33によって封じ込められた光電変換素子31に光学的に連結される。
導電性カバー18は、図1及び図2に示されるように、例えば、弾性を有した金属板材料が打抜き・屈曲加工されて形成され、複数の透孔41及び複数の接触片部42が形成された平板状部43、及び、平板状部43における長手方向の両端部に導電性シェル17との係合状態をとるべく設けられた複数の係合部44を有している。複数の係合部44の夫々には、係合孔44aが形成されている。
そして、図9に示されるように、導電性シェル17に固着された絶縁ハウジング16が、それに形成された光電変換モジュール収容部27に光電変換モジュール14が取り付けられた基板15が配置され、基板15に取り付けられた光電変換モジュール14に光ファイバーケーブル13が連結されるとともに、それに形成されたケーブル固定部26に複数のケーブル12が取り付けられたものとされたもとで、導電性カバー18が、図2における X−X 線断面を示す図10に示されるように、絶縁ハウジング16を挟んで導電性シェル17と対向して配され、その平板状部43によって絶縁ハウジング16を部分的に覆うものとされて、図1及び図2に示される光電気複合コネクタ装置11が組み立てられる。
その際、導電性カバー18における複数の係合部44の夫々が、それに設けられた係合孔44aを、導電性シェル17における複数の係合部21のうちの対応するものに設けられた係合突起21aに嵌合させて、対応する係合部21に係合するものとされる。また、導電性カバー18における平板状部43が、絶縁ハウジング16に形成された光電変換モジュール収容部27に配置された基板15に取り付けられた光電変換モジュール14、及び、絶縁ハウジング16に形成されて複数のケーブル12が取り付けられたケーブル固定部26を覆うものとされ、図10に示されるように、平板状部43の長手方向に伸びる一対の対向側縁部の一方に設けられた折返し部43aの部分が、基板15に取り付けられた光電変換モジュール14を係止する。さらに、導電性カバー18における平板状部43に形成された複数の接触片部42が、ケーブル固定部26に取り付けられた複数のケーブル12の夫々の外側導体38を連結するグラウンディング・バー40に接触接続される。それにより、複数のケーブル12の夫々の外側導体38が、導電性カバー18を介して導電性シェル17に電気的に連結され、導電性カバー18及び導電性シェル17に複数のケーブル12の夫々の外側導体38を通じてグラウンド電位が与えられる。
上述のようにして組み立てられて得られる光電気複合コネクタ装置11は、例えば、ソリッド印刷配線基板とされる主基板にそれに設けられた電気回路構成部との電気的接続がなされて取り付けられた基板側コネクタ装置とされる相手方コネクタ装置に嵌合せしめられて用いられる。
図11(平面図)及び図12(正面図)は、光電気複合コネクタ装置11が嵌合せしめられる相手方コネクタ装置の一例を成す相手方コネクタ装置51を示す。斯かる相手方コネクタ装置51は、主基板(図示が省略されている。)に配されたものとされる。
図11及び図12に示される相手方コネクタ装置51には、合成樹脂等の絶縁材料によって形成されて、光電気複合コネクタ装置11における絶縁ハウジング16に形成された連結部28と、絶縁ハウジング16に形成された光電変換モジュール収容部27に配置された基板15の端縁部分が形成する連結部36と、の両者が差し込まれる開口部52が設けられた絶縁ハウジング53と、絶縁ハウジング53の外面部を覆う導電性シェル54とが備えられる。導電性シェル54の一部は、開口部52に差し込まれる光電気複合コネクタ装置11における連結部28及び連結部36を開口部52へと案内する平板状案内部55を形成している。また、導電性シェル54には、主基板に、例えば、半田付けによって連結される複数の基板連結部56が設けられている。これらの基板連結部56は、主基板に連結されることにより相手方コネクタ装置51を主基板に固定する役割と導電性シェル54に主基板からの接地電位を与える役割とを果たす。
相手方コネクタ装置51の絶縁ハウジング53にあっては、開口部52に連なる内部空間内に、光電気複合コネクタ装置11における連結部28に配列配置された複数のケーブル接続端子25の部分25a、及び、光電変換モジュール14が取り付けられた基板15の連結部36に配列配置された複数の光電変換モジュール接続端子34の端部が夫々接触接続される、複数のコンタクト57が配列配置されている。これらの相手方コネクタ装置51における複数のコンタクト57の夫々は、主基板に設けられた電気回路構成部に、例えば、半田付けによって電気的に接続される接続端子部57aを有している。
図1及び図2に示される光電気複合コネクタ装置11が図11及び図12に示される相手方コネクタ装置51に嵌合せしめられる際には、光電気複合コネクタ装置11が、絶縁ハウジング16の長手方向に沿って伸びる一連の連結部を形成する、絶縁ハウジング16に形成された連結部28及び光電変換モジュール14が取り付けられた基板15の連結部36を、相手方コネクタ装置51における開口部52の位置に対応する位置をとらせて、相手方コネクタ装置51に対して対向配置される。その後、光電気複合コネクタ装置11が相手方コネクタ装置51に近接せしめられ、光電気複合コネクタ装置11における絶縁ハウジング16に形成された連結部28及び光電変換モジュール14が取り付けられた基板15の連結部36が、相手方コネクタ装置51における導電性シェル54の一部が形成する平板状案内部55による案内を受けつつ、相手方コネクタ装置51における開口部52に差し込まれて、光電気複合コネクタ装置11が相手方コネクタ装置51に嵌合せしめられた状態がとられる。
このようにして、光電気複合コネクタ装置11が相手方コネクタ装置51に嵌合せしめられたときには、光電気複合コネクタ装置11の絶縁ハウジング16に形成された連結部28に配列配置された複数のケーブル接続端子25の部分25a、及び、光電変換モジュール14が取り付けられた基板15の連結部36に配列配置された複数の光電変換モジュール接続端子34の端部が、相手方コネクタ装置51の絶縁ハウジング53内に配された複数のコンタクト57に夫々接触接続され、それにより、光電気複合コネクタ装置11に装着された、配列配置された複数の同軸ケーブルとされる複数のケーブル12と光ファイバーケーブル13の端部に配された光電変換モジュール14とが、相手方コネクタ装置51を介して、相手方コネクタ装置51が配された主基板に設けられた電気回路構成部に電気的に接続される。
上述の光電気複合コネクタ装置11においては、例えば、配列配置された複数の同軸ケーブルとされる複数のケーブル12と光ファイバーケーブル13の端部に配される光電変換モジュール14との両者が装着されたものとされるにあたり、先ず、ケーブル固定部26に複数のケーブル接続端子25が配された絶縁ハウジング16が導電性シェル17に固着され、それとは別に、光電変換モジュール接続端子34が設けられた基板15に光電変換モジュール14が取り付けられて光電変換モジュール14が光電変換モジュール接続端子34に電気的に接続されたものとされる。そして、斯かるもとで、光電変換モジュール14が取り付けられた基板15が、導電性シェル17に固着された絶縁ハウジング16における光電変換モジュール収容部27に配置されて、光電変換モジュール14が絶縁ハウジング16における光電変換モジュール収容部27に配される。続いて、複数のケーブル12が、絶縁ハウジング16におけるケーブル固定部26における複数のケーブル接続端子25に、例えば、夫々半田付けにより電気的に接続されることによってケーブル固定部26に取り付けられるとともに、光ファイバーケーブル13が、その一端部を光電変換モジュール14における光ファイバーケーブル挿入口形成部32に挿入されるものとして、光電変換モジュール14における封止材33によって封じ込められた光電変換素子31に光学的に連結される。さらに、導電性カバー18が、その複数の係合部44を導電性シェル17が有する複数の係合部21に夫々係合させて、絶縁ハウジング16を挟んで導電性シェル17と対向して絶縁ハウジング16を部分的に覆うものとされて配設される。その結果、複数のケーブル12がケーブル固定部26に取り付けられるとともに、光電変換モジュール14が光電変換モジュール収容部27に配されて、複数のケーブル12と光電変換モジュール14とが装着された光電気複合コネクタ装置11が組み立てられる。
従って、光電気複合コネクタ装置11にあっては、その組立工程において、予め光電変換モジュール14が電気的に接続されて取り付けられた基板15を、導電性シェル17に固着された絶縁ハウジング16における光電変換モジュール収容部27に配置することによって、光電変換モジュール14を光電変換モジュール収容部27に配されたものとすることができる。それにより、光電変換モジュール14に対して内部破壊や損傷が生じることがないようにする格別な注意を払うことなく、複数のケーブル12及び光電変換モジュール14の適正な装着を行うことができ、その結果、一連の組立作業を容易かつ効率的に進めることができることになる。
さらに、光電気複合コネクタ装置11によれば、光電変換モジュール14が取り付けられた基板15が、導電性シェル17に固着された絶縁ハウジング16における光電変換モジュール収容部27に配置されることによって、光電変換モジュール14が光電変換モジュール収容部27に配された後に、絶縁ハウジング16におけるケーブル固定部26やそれに取り付けられた複数のケーブル12に電気的不導通等の不都合が生じた場合にも、光電変換モジュール14を伴った装置全体を破棄することは必要とされず、光電変換モジュール14が取り付けられた基板15をそれが配置された絶縁ハウジング16における光電変換モジュール収容部27から分離させることにより、簡単で容易な操作によって一旦光電変換モジュール収容部27に配された光電変換モジュール14の取外しを行うことができ、その結果、光電変換モジュール14を無駄に消費することなく再利用可能なものとすることができる。
図13(斜視図)及び図14(平面図)は、本発明に係る光電気複合コネクタ装置の第2の例を、それに装着された複数の同軸ケーブル及び光電変換モジュ−ルが取り付けられた基板の一部分と共に示す。
図13及び図14において、本発明に係る光電気複合コネクタ装置の第2の例を成す光電気複合コネクタ装置61は、前述の本発明に係る光電気複合コネクタ装置の第1の例を成す光電気複合コネクタ装置11と同様に構成された部分を多々有しており、斯かる部分は、光電気複合コネクタ装置11と共通の符号が付されて示され、重複説明は省略される。そして、光電気複合コネクタ装置61も、前述の光電気複合コネクタ装置11と同様に、例えば、配列配置された複数の同軸ケーブルとされる複数のケーブル12と光ファイバーケーブル13の端部に配される光電変換モジュ−ル14(後述される図20及び図21に示されている。)とが装着されたもとで、例えば、ソリッド印刷配線基板とされる主基板にそれに設けられた電気回路構成部との電気的接続がなされて取り付けられた基板側コネクタ装置とされる相手方コネクタ装置に嵌合せしめられる、ケーブル側コネクタ装置として用いられるものとされている。光電変換モジュール14は、基板15に取り付けられた状態をもって装着されている。
光電気複合コネクタ装置61には、合成樹脂等の絶縁材料によって形成された絶縁ハウジング63, 外部からの電磁波ノイズ対策のため絶縁ハウジング63の外面部を部分的に覆うものとされた導電性シェル64及び導電性カバー65が備えられている。
導電性シェル64を単体で示す図15に示されるように、導電性シェル64は、例えば、弾性を有した金属板材料が打抜き・屈曲加工されて形成され、それに絶縁ハウジング63が、例えば、インサートモールド成型の手法により固着されるものとされている。そして、導電性シェル64は、複数の矩形透孔及び半円形透孔を含んだ透孔群が形成された平板状部66、及び、平板状部66における長手方向の両端部に導電性カバー65との係合状態をとるべく設けられた複数の係合部67を有している。平板状部66の一部分は、光電変換モジュール14が取り付けられた基板15に当接して基板15を当接支持する状態をとる光電変換モジュール当接部66aを形成している。また、複数の係合部67の夫々には、係合突起67aが形成されている。
さらに、導電性シェル64には、平板状部66における長手方向の両端部の間の部分に、光電変換モジュール14が取り付けられた基板15に設けられたグラウンド端子部35に接続される一対のグラウンド接続部68が備えられている。一対のグラウンド接続部68の夫々は、平板状部66から切り起こされた弾性片持接触部を形成している。
また、導電性カバー65をその内側から見たものとして単体で示す図16に示されるように、導電性カバー65は、例えば、弾性を有した金属板材料が打抜き・屈曲加工されて形成されており、一対の透孔70が形成されるとともに各透孔70に一対の接触片部71が臨むものとされた平板状部72、及び、平板状部72における長手方向の両端部に導電性シェル64との係合状態をとるべく設けられた複数の係合部73を有している。複数の係合部73の夫々には、図13に示されるように、係合孔73aが形成されている。また、平板状部72の長手方向に伸びる一対の対向側縁部の一方には、平板状部72の内側に折り返された折返し部74及び75が相互隣接して設けられている。折返し部75は、一対の切込みスリット76によって挟まれており、それによって、平板状部72の内側から外側への方向及び平板状部72の外側から内側への方向に弾性変位可能な弾性片持変位部を形成している。
図17に示されるように、図15に示される導電性シェル64には、その平板状部66の大部分を覆うようにして、絶縁ハウジング63が、例えば、インサートモールド成型の手法により固着される。そして、絶縁ハウジング63には、複数のケーブル12が夫々電気的に接続される複数のケーブル接続端子80が設けられて、複数のケーブル12が取り付けられるケーブル固定部81と、光電変換モジュール14が取り付けられた基板15が配置される光電変換モジュール収容部82と、ケーブル固定部81の外部へと伸びた複数のケーブル接続端子80の夫々の部分80aが配された、相手方コネクタ装置との連結部83と、が形成されている。光電変換モジュール収容部82は、それに導電性シェル64における光電変換モジュール当接部66aが隣接することになる位置をとるものとされている。
絶縁ハウジング63に形成されたケーブル固定部81は、絶縁ハウジング63の長手方向に伸びており、斯かるケーブル固定部81には、複数のケーブル接続端子80が、絶縁ハウジング63の長手方向に沿って配列配置されている。また、絶縁ハウジング63に形成された光電変換モジュール収容部82は、導電性シェル64に備えられた一対のグラウンド接続部68が露出する平坦部分を成している。そして、これらのケーブル固定部81及び光電変換モジュール収容部82は、絶縁ハウジング63の長手方向に沿って並べられている。
また、絶縁ハウジング63に形成された連結部83は、絶縁ハウジング63におけるケーブル固定部81から突出する突出部を成していて、絶縁ハウジング63の長手方向に伸びるものとされている。そして、連結部83には、複数のケーブル接続端子80の部分80aが、絶縁ハウジング63の長手方向に沿って配列配置されている。また、連結部83における絶縁ハウジング63の長手方向に沿って伸びる端縁部分には、先端傾斜面部84が形成されている。
図18に示されるように、導電性シェル64に固着された絶縁ハウジング63には、それに形成されたケーブル固定部81に複数のケーブル12が取り付けられる。複数のケーブル12がケーブル固定部81に取り付けられるにあたっては、複数のケーブル12の夫々である同軸ケーブルの一端部に、絶縁被覆及び内部絶縁層が除去されて外側導体38及び中心導体39が露出せしめられる処理が施され、複数のケーブル12の外側導体38がグラウンディング・バー40によって連結される。そして、各々の外側導体38がグラウンディング・バー40によって連結された複数のケーブル12の夫々の一端部が、絶縁ハウジング63に形成されたケーブル固定部81に配されて、複数のケーブル12の中心導体39が、ケーブル固定部81に配列配置された複数のケーブル接続端子80に夫々、例えば、半田付けによって接続される。それにより、複数のケーブル12の夫々の一端部が絶縁ハウジング63に形成されたケーブル固定部81に固定され、配列配置された複数の同軸ケーブルとされる複数のケーブル12が、絶縁ハウジング63に形成されたケーブル固定部81に取り付けられた状態が得られる。
続いて、図19に示されるように、導電性シェル64に固着された絶縁ハウジング63が、それに形成されたケーブル固定部81に複数のケーブル12が取り付けられたものとされたもとで、導電性カバー65が、絶縁ハウジング63を挟んで導電性シェル64と対向して配され、その平板状部72によって絶縁ハウジング63を部分的に覆うものとされる。その際、導電性カバー65における複数の係合部73の夫々が、それに設けられた係合孔73aを、導電性シェル64における複数の係合部67のうちの対応するものに設けられた係合突起67aに嵌合させて、対応する係合部67に係合するものとされる。また、導電性カバー65における平板状部72が、絶縁ハウジング63に形成された光電変換モジュール収容部82、及び、絶縁ハウジング63に形成されて複数のケーブル12が取り付けられたケーブル固定部81を覆うものとされ、さらに、導電性カバー65における平板状部72に形成された複数の接触片部71が、ケーブル固定部81に取り付けられた複数のケーブル12の夫々の外側導体38を連結するグラウンディング・バー40に接触接続される。それにより、複数のケーブル12の夫々の外側導体38が、導電性カバー65を介して導電性シェル64に電気的に連結され、導電性カバー65及び導電性シェル64に、複数のケーブル12の夫々の外側導体38を通じてグラウンド電位が与えられる。
さらに、図20に示されるように、絶縁ハウジング63に形成され、図19に示されるようにして導電性カバー65における平板状部72によって覆われた光電変換モジュール収容部82に、光電変換モジュール14が取り付けられた基板15が配置される。その際、基板15に取り付けられた光電変換モジュール14にあっては、予め、光ファイバーケーブル13が連結される。光ファイバーケーブル13が光電変換モジュール14に連結されるにあたっては、光ファイバーケーブル13の一端が、光電変換モジュール14における光ファイバーケーブル挿入口形成部に挿入されて、光電変換モジュール14における封止材によって封じ込められた光電変換素子に光学的に連結される。それにより、光電変換モジュール14が、光ファイバーケーブル13の端部に配されたものとされる。
そして、光ファイバーケーブル13の端部に配された光電変換モジュール14が取り付けられた基板15が、基板15の上面に配された複数の光電変換モジュール接続端子34の夫々の一端部が配列配置された連結部36における先端傾斜面部36aを先頭にして、絶縁ハウジング63に形成された光電変換モジュール収容部82とそれを覆う導電性カバー65における平板状部72との間に、図20における矢印Lにより示されるように差し込まれる。そして、光電変換モジュール収容部82とそれを覆う導電性カバー65における平板状部72との間への基板15の差込みが完了すると、光電変換モジュール14が取り付けられた基板15が、絶縁ハウジング63に形成された光電変換モジュール収容部82に配置される。
このようにして、光電変換モジュール14が取り付けられた基板15が絶縁ハウジング63に形成された光電変換モジュール収容部82に配置されたときには、図14における XXI−XXI 線断面を示す図21に示されるように、導電性カバー65における平板状部72の長手方向に伸びる一対の対向側縁部の一方に設けられた折返し部75が、光電変換モジュール14における封止材33に対接して、光電変換モジュール14を係止する状態をとる。また、基板15の下面15bに設けられた一対のグラウンド端子部35に、導電性シェル64に備えられていて光電変換モジュール収容部82に露出する一対のグラウンド接続部68が弾性当接して、基板15の下面15bに設けられた一対のグラウンド端子部35が導電性シェル64に電気的に接続される。さらに、基板15の下面15bに、導電性シェル64の平板状部66の一部分が形成する光電変換モジュール当接部66aが当接して、光電変換モジュール14が取り付けられた基板15が光電変換モジュール当接部66aにより当接支持される。このようにして、光電変換モジュール14が取り付けられた基板15が光電変換モジュール収容部82に配置されることにより、光電変換モジュール14が光電変換モジュール収容部82に配された状態が得られる。
光電変換モジュール収容部82に配置された基板15は、その連結部36が、絶縁ハウジング63の長手方向に沿って、絶縁ハウジング63に形成された連結部83に連なるものとされる。斯かるもとにおいて、連結部83に形成された先端傾斜面部84と連結部36に形成された先端傾斜面部36aとが、絶縁ハウジング63の長手方向に沿って伸びる一連の先端傾斜面部を形成するものとされる。それにより、絶縁ハウジング63に形成された連結部83と基板15に形成された連結部36とが、相互隣接して絶縁ハウジング63の長手方向に沿って伸びる一連の連結部を形成し、斯かる連結部83と連結部36とが、複数のケーブル接続端子80の夫々の部分80a及び光電変換モジュール接続端子34の夫々の一端が配列配置された突出部を成すものとして形成されていることになる。
このようにして、導電性シェル64に固着され、ケーブル固定部81に複数のケーブル12が取り付けられた絶縁ハウジング63における、導電性カバー65の平板状部72によって覆われた光電変換モジュール収容部82に、光電変換モジュール14が取り付けられた基板15が配置されることにより、図13及び図14に示される光電気複合コネクタ装置61が組み立てられる。そして、組み立てられた光電気複合コネクタ装置61は、例えば、ソリッド印刷配線基板とされる主基板にそれに設けられた電気回路構成部との電気的接続がなされて取り付けられた基板側コネクタ装置とされる相手方コネクタ装置に嵌合せしめられて用いられる。
光電気複合コネクタ装置61が嵌合せしめられる相手方コネクタ装置は、例えば、前述の図11及び12に示される相手方コネクタ装置51とされる。光電気複合コネクタ装置61が図11及び図12に示される相手方コネクタ装置51に嵌合せしめられる際には、光電気複合コネクタ装置61が、絶縁ハウジング63の長手方向に沿って伸びる一連の連結部を形成する、絶縁ハウジング63に形成された連結部83及び光電変換モジュール14が取り付けられた基板15の連結部36を、相手方コネクタ装置51における開口部52の位置に対応する位置をとらせて、相手方コネクタ装置51に対して対向配置される。その後、光電気複合コネクタ装置61が相手方コネクタ装置51に近接せしめられ、光電気複合コネクタ装置61における絶縁ハウジング63に形成された連結部83及び光電変換モジュール15が取り付けられた基板15の連結部36が、相手方コネクタ装置51における導電性シェル54の一部が形成する平板状案内部55による案内を受けつつ、相手方コネクタ装置51における開口部52に差し込まれて、光電気複合コネクタ装置61が相手方コネクタ装置51に嵌合せしめられた状態がとられる。
光電気複合コネクタ装置61が相手方コネクタ装置51に嵌合せしめられたときには、光電気複合コネクタ装置61の絶縁ハウジング63に形成された連結部83に配列配置された複数のケーブル接続端子80の部分80a、及び、光電変換モジュール14が取り付けられた基板15の連結部36に配列配置された複数の光電変換モジュール接続端子34の一端が、相手方コネクタ装置51の絶縁ハウジング53内に配された複数のコンタクト57に夫々接触接続され、それにより、光電気複合コネクタ装置61に装着された、配列配置された複数の同軸ケーブルとされる複数のケーブル12と光ファイバーケーブル13の端部に配された光電変換モジュール14とが、相手方コネクタ装置51を介して、相手方コネクタ装置51が配された主基板に設けられた電気回路構成部に電気的に接続される。
上述の光電気複合コネクタ装置61においては、例えば、配列配置された複数の同軸ケーブルとされる複数のケーブル12と光ファイバーケーブル13の端部に配された光電変換モジュール14との両者が装着されたものとされるにあたり、先ず、ケーブル固定部81に複数のケーブル接続端子80が配された絶縁ハウジング63が導電性シェル64に固着され、それとは別に、光電変換モジュール接続端子34が設けられた基板15に光電変換モジュール14が取り付けられて光電変換モジュール14が光電変換モジュール接続端子34に電気的に接続されたものとされるとともに、光電変換モジュール14に光ファイバーケーブル13の端部が連結される。そして、斯かるもとで、複数のケーブル12が、絶縁ハウジング63におけるケーブル固定部81における複数のケーブル接続端子80に、例えば、夫々半田付けにより電気的に接続されることによってケーブル固定部81に取り付けられ、また、導電性カバー65が、その複数の係合部73を導電性シェル64が有する複数の係合部67に夫々係合させて、絶縁ハウジング63を挟んで導電性シェル64と対向して絶縁ハウジング63を部分的に覆うものとされて配設される。さらに、その後、光ファイバーケーブル13の端部に配された光電変換モジュール14が取り付けられた基板15が、導電性シェル64に固着された絶縁ハウジング63における光電変換モジュール収容部82に配置されて、光電変換モジュール14が絶縁ハウジング63における光電変換モジュール収容部82に配される。その結果、複数のケーブル12がケーブル固定部81に取り付けられるとともに、光電変換モジュール14が光電変換モジュール収容部82に配されて、複数のケーブル12と光電変換モジュール14とが装着された光電気複合コネクタ装置61が組み立てられる。
従って、光電気複合コネクタ装置61にあっても、その組立工程において、予め光電変換モジュール14が電気的に接続されて取り付けられた基板15を、導電性シェル64に固着された絶縁ハウジング63における光電変換モジュール収容部82に配置することによって、光電変換モジュール14を光電変換モジュール収容部82に配されたものとすることができる。それにより、光電変換モジュール14に対して内部破壊や損傷が生じることがないようにする格別な注意を払うことなく、複数のケーブル12及び光電変換モジュール14の適正な装着を行うことができ、その結果、一連の組立作業を容易かつ効率的に進めることができることになる。
さらに、光電気複合コネクタ装置61によれば、光電変換モジュール14が取り付けられた基板15が、導電性シェル64に固着された絶縁ハウジング63における光電変換モジュール収容部82に配置されることによって、光電変換モジュール14が光電変換モジュール収容部82に配された後に、絶縁ハウジング63におけるケーブル固定部81やそれに取り付けられた複数のケーブル12に電気的不導通等の不都合が生じた場合にも、光電変換モジュール14を伴った装置全体を破棄することは必要とされず、光電変換モジュール14が取り付けられた基板15をそれが配置された絶縁ハウジング63における光電変換モジュール収容部82から分離させることにより、簡単で容易な操作によって一旦光電変換モジュール収容部82に配された光電変換モジュール14の取外しを行うことができ、その結果、光電変換モジュール14を無駄に消費することなく再利用可能なものとすることができる。