JP6032411B2 - リン酸第二鉄含水和物粒子粉末の製造方法 - Google Patents

リン酸第二鉄含水和物粒子粉末の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6032411B2
JP6032411B2 JP2012239190A JP2012239190A JP6032411B2 JP 6032411 B2 JP6032411 B2 JP 6032411B2 JP 2012239190 A JP2012239190 A JP 2012239190A JP 2012239190 A JP2012239190 A JP 2012239190A JP 6032411 B2 JP6032411 B2 JP 6032411B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ferric phosphate
phosphate hydrate
powder
particles
iron oxide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2012239190A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014088283A (ja
Inventor
真由美 阿部
真由美 阿部
千枝 作道
千枝 作道
直征 金子
直征 金子
伸二 時高
伸二 時高
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
RIN KAGAKU KOGYO CO.,LTD.
Original Assignee
RIN KAGAKU KOGYO CO.,LTD.
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by RIN KAGAKU KOGYO CO.,LTD. filed Critical RIN KAGAKU KOGYO CO.,LTD.
Priority to JP2012239190A priority Critical patent/JP6032411B2/ja
Publication of JP2014088283A publication Critical patent/JP2014088283A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6032411B2 publication Critical patent/JP6032411B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Description

本発明は、オリビン型リン酸鉄リチウム粒子の前駆体として良好な結晶性リン酸第二鉄含水和物粒子粉末およびその製造方法に関するものである。
近年、地球環境への配慮から二酸化炭素削減に向けて多くの取り組みが行われており、一つの取り組みとして電気エネルギーを化学エネルギーとして蓄積可能な蓄電池が注目されている。その中でも高エネルギー密度を有するリチウムイオン二次電池が注目されている。しかし主に正極材料に使用されているコバルト酸リチウムは希少金属のため高価であり供給安定性へ課題がある他、熱暴走・発火事故報告など安全性への問題、毒性が高いことが指摘されている。
一方、正極材料として知られているオリビン型リン酸鉄リチウムはコバルト酸リチウムに匹敵する実用可能放電容量を有し、毒性も低く、地球上に豊富な元素のみからなるため安価・安定に供給できる可能性があり、有望な材料とされている。それ以外に、高い性能(高サイクル特性、低抵抗、高出力)を発現するためには正極材料が均一で適度な粒径を有する粒子である必要がある。それは粒径が大きく比表面積が低い材料を使用すると、電解液との反応面積が十分に確保できず、反応抵抗上昇により高出力とならず、粒度分布が広い材料を使用すると、電池容量低下により反応低下などを引き起こすためである。
リン酸鉄リチウムの製造方法は固相法(特許文献1、特許文献2)、水熱法(特許文献3)、超臨界法(特許文献4)、常圧湿式法(特許文献5)などが報告されており、リン酸第二鉄含水和物はリン酸鉄リチウムの中間体として知られている。
特許文献6には、鉄(II)又は鉄(III)あるいは鉄(II)及び鉄(III)の混合物を5〜50%のリン酸と反応させ、酸化剤を添加することで鉄(II)を鉄(III)に変換する方法が記載されているが、反応は激しい撹拌を必要とし、得られるリン酸鉄(III)は非常に微細な一次粒子径を持つ。
特許文献7には、塩化鉄あるいは硫酸鉄の水溶液を用い、リン酸との反応時に界面活性剤を添加する方法が記載されており、ナノ粒子が得られている。
特許文献8では、緩衝液を使うことによりpH変動が小さく微粒で粒径の揃ったリン酸鉄粉末が得られることが記載されている。
これらの方法は硫酸鉄や塩化鉄を出発原料とするため、電池特性に悪影響を及ぼす硫酸塩あるいは塩化物を不純物として包含し、また、きわめて微細な粉末として得られる。微細性は正極材の導電性向上に作用するが、製造工程においては濾過漏れを起こしやすく作業性や効率が悪く、また、リン酸鉄リチウムとする際に、粉塵の発生や取り扱いにくいといった困難が生じる。
一方、特許文献2には、酸化鉄又は含水酸化鉄とリン化合物を比較的薄い水溶液中で反応させ、反応濃度が0.1〜3.0mol/L(Fe濃度換算)、P/Feモル比が1〜10、pH3以下で反応させることにより、微細な一次粒子が凝集した、比表面積が高く、不純物も極めて少ないリン酸第二鉄含水和物が生成することが記載されている。この製造方法で得られるリン酸第二鉄含水和物は、一次粒子が微細であるため、正極材としたときの電池性能は良好であり、凝集した二次粒子のため取扱い性の良いサイズとなる利点がある。
正極材には品質均一性、均一な電極膜の製造のため均一な粒度分布が求められ、その要求は前駆体としてのリン酸第二鉄においても同様に求められる。しかしながら、特許文献2の方法では、均一な粒度分布で安定して工業的に製造できないといった欠点を有する。
特許文献2では、リン酸第二鉄含水和物からリン酸鉄リチウムを製造する方法が示されており、リン酸第二鉄含水和物粒径が良好なリン酸鉄リチウムの製造に重要なことが示されており、均一で適度な粒径を有するリン酸鉄リチウムを得るためには、原料であるリン酸第二鉄含水和物も均一で適度な粒径を有する必要がある。しかし、工業的規模において粒径の整ったリン酸第二鉄含水和物の製造方法は開発されておらず、その方法が要求されている。
本発明の良好な結晶性リン酸第二鉄含水和物粒子粉末の製造方法は新規であり、均一で適度な粒径を有するリン酸第二鉄含水和物粒子が得られることを特徴とする。
WO2005/041327 WO2011/030786 特表2007―511458号公報 特開2004―095386号公報 WO2007/000251 特表2011―500492 特表2011―505332 WO2012/023439
リチウムイオン二次電池は様々な機器に搭載され、より高い放電容量を有し、毒性も低く、安価・安定に供給できる、また安全性の高い材料が求められている。また、リチウムイオン二次電池の商業利用を行う際には、安全性が問題となる。特に正極材料については、安全性が求められ、新たな製造方法が望まれている。
本発明は、リチウム二次電池等に用いることのできる安全性の高い正極材料のための中間体として有用な粒度が均一なリン酸第二鉄含水和物を提供するものである。
本発明者らは、先の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、リン酸第二鉄含水和物を種晶として添加する種晶法による均一な粒径のリン酸第二鉄含水和物を製造する方法を見出した。
すなわち本発明は、下記に関するものである。
1)酸化鉄粒子粉末または含水酸化鉄粒子粉末とリン化合物とを溶液中で反応してリン酸第二鉄含水和物を製造する方法において、リン酸第二鉄含水和物を種晶として用いることを特徴とするリン酸第二鉄含水和物の製造方法に関するものである。
2)前記種晶の量が、酸化鉄粒子粉末または含水酸化鉄粒子粉末に対して0.005〜5質量パーセントであることを特徴とする前記 1)記載のリン酸第二鉄含水和物の製造方法に関するものである。
3)前記種晶のメジアン径D50が、5〜10μmであることを特徴とする前記1)または2)記載のリン酸第二鉄含水和物の製造方法に関するものである。
4)前記種晶の形状が、板状の一次粒子が凝集して二次粒子を構成することを特徴とする前記1)〜3)のいずれかに記載のリン酸第二鉄含水和物の製造方法に関するものである。
5)前記種晶が、メタストレング構造であることを特徴とする前記1)〜4)のいずれかに記載のリン酸第二鉄含水和物の製造方法に関するものである。
6)前記種晶の添加時の状態が粉体、又は、水もしくはリン化合物を含むスラリーであることを特徴とする前記1)〜5)いずれかに記載のリン酸第二鉄含水和物の製造方法に関するものである。
7)前記1)〜6)のいずれかによって製造されるリン酸第二鉄含水和物粒子粉末に関するものである。
8)前記リン酸第二鉄含水和物粒子粉末が、単峰性の粒度分布を有することを特徴とする前記7)記載のリン酸第二鉄含水和物粒子粉末に関するものである。
9)前記リン酸第二鉄含水和物粒子粉末の結晶構造がストレング石構造およびメタストレング石構造のうち少なくとも一種であることを特徴とする前記7)または8)に記載のリン酸第二鉄含水和物粒子粉末に関するものである。
10)前記リン酸第二鉄含水和物粒子粉末のメジアン径D50が5〜20μmであることを特徴とする前記7)〜9)のいずれかに記載のリン酸第二鉄含水和物粒子粉末に関するものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で製造されるリン酸第二鉄含水和物の組成は、FePO4・nH2O(0<n≦2、nは水和水の量)であり、二水和物が最も安定である。ただし水和水の量は乾燥条件により変化する。またリン酸第二鉄含水和物の結晶構造はストレング石構造およびメタストレング石構造のいずれかあるいは双方を含むものである。
本発明のリン酸第二鉄含水和物の製造は、BET比表面積が50m2/g以上の微細な酸化鉄粒子粉末または含水酸化鉄粒子粉末とリン化合物とを溶液中で60〜100℃の温度領域で撹拌しながら、モル換算でP/Fe比が1〜10の範囲、pH3以下、反応濃度0.1〜3.0mol/L(Fe濃度換算)で反応することが望ましく、反応条件にもよるが、板状の一次粒子が凝集した二次粒子からなり、比表面積の大きな結晶となる。種晶として用いる結晶もこのような反応によって得られる結晶が好ましい。
本発明の酸化鉄粒子粉末または含水酸化鉄粒子粉末としては特にBET比表面積の大きい微細なゲーサイト粉末(α−FeOOH)を用いることが望ましく、リン化合物としてオルトリン酸、メタリン酸、五酸化リン等を用いることができ、特にオルトリン酸を用いることが望ましい。
酸化鉄粒子粉末または含水酸化鉄粒子粉末は反応前にヘンシェルミキサー、らいかい機、ハイスピードミキサー、万能攪拌機、ボールミル等の乾式および湿式混合機を用いて粉砕もしくは解砕を行い、リン化合物を含む水溶液と混合する。
種晶として用いるリン酸第二鉄含水和物の量が酸化鉄粒子粉末または含水酸化鉄粒子粉末に対して0.005〜5質量パーセントであることが望ましい。0.005質量パーセント未満では種晶としての効果が小さく単峰性のリン酸第二鉄含水和物が得られないが、例えば0.005質量%といった比較的少ない添加量で単峰性の粒度分布が得られるというのは驚くべきことであり、詳細はわからないが、本発明で用いる種晶および生成物が比表面積の大きな特殊形状をした結晶であることに起因し、特異な添加量で単峰性粒度分布となると考えられる。また5質量パーセントを超えて加えてもリン酸第二鉄含水和物粒径に変化が起きない。また種晶とするリン酸第二鉄含水和物のメジアン径D50は5〜10μmであることが望ましく、このように細かいものを用いることにより生成粒子がより均一となる。10μmを超える粒子を種晶として添加すると反応過程で種晶が成長し、均一性が低下する。また5μm未満では反応過程で溶解する可能性がある。望ましい粒度とするため添加前にヘンシェルミキサー、らいかい機、ハイスピードミキサー、万能攪拌機、ボールミル等の乾式および湿式混合機を用いて種晶を粉砕もしくは解砕を行って粒度調節したものを添加してもよい。種晶の形状は板状の一次粒子が凝集して二次粒子を構成するリン酸第二鉄含水和物であり、タップ密度の高いメタストレング構造であることが望ましい。
種晶の添加方法は、添加する種晶の状態が粉体、又は、水もしくはリン化合物を含むスラリーであることが望ましい。
リン酸第二鉄含水和物の製造は、種晶を添加しない場合、微細な粒子と粗大な粒子が生成し広い粒度分布となりリン酸鉄リチウムの前駆体として有用とならない。種晶の添加量、粒度、形状、結晶形等を適宜選択することにより、単峰性でシャープな粒度分布のリン酸第二鉄含水和物が得られ、リン酸鉄リチウムとなったときにも均一性の高い粒子となる。
反応終了後、通風乾燥機、凍結真空乾燥機、スプレー乾燥機、フィルタープレス、バキュームフィルター、フィルターシックナー等を用いて余分な水分を除去してもよい。
本発明で製造されるリン酸第二鉄含水和物は、製造条件にもよるが平均二次粒子径は5〜20μmの範囲となり、リン酸鉄リチウムの前駆体として望ましい粒度となる。
本発明のリン酸第二鉄含水和物の製造方法は、均一なリン酸第二鉄含水和物を製造できることからリン酸鉄リチウムの中間体として有用である。
実施例1、実施例2、実施例3で得られたリン酸第二鉄含水和物の粉末X線回折図である。 実施例1で得られたリン酸第二鉄含水和物の粒度分布図である。 実施例1で得られたリン酸第二鉄含水和物の走査型電子顕微鏡写真である。 実施例2で得られたリン酸第二鉄含水和物の粒度分布図である。 実施例2で得られたリン酸第二鉄含水和物の走査型電子顕微鏡写真である。 実施例3で得られたリン酸第二鉄含水和物の走査型電子顕微鏡写真である 比較例1および比較例2で得られたリン酸第二鉄含水和物の粉末X線回折図である。 比較例1で得られたリン酸第二鉄含水和物の粒度分布図である。 比較例1で得られたリン酸第二鉄含水和物の走査型電子顕微鏡写真である。 比較例2で得られたリン酸第二鉄含水和物の走査型電子顕微鏡写真である。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
平均二次粒子径は、レーザー回折・散乱型粒度分布計Microtrac MT330EXII(日機装製)を用い、メジアン径D50、D90、Dmaxを測定した。
粒子の結晶構造はX線回折装置RINT2200(理学電機製)を用い、Cu−Kα,40kV,20mAにより測定した。
粒子の形状観察は走査型電子顕微鏡JSM−5310(日本電子製)を用い、観察した。
<実施例1>
含水酸化鉄粒子は、3mmφジルコニアボールを用い、水溶液中で湿式粉砕した。
加熱式混合攪拌機に湿式粉砕を行った含水酸化鉄粒子29kgと純水511kgを懸濁した。85%オルトリン酸溶液を138kg、種晶(D50=8μm)29gを加え、85℃まで昇温し、6時間加熱反応した。反応混合物を放冷後、溶媒を除去、水洗浄した後、110℃で乾燥し、乳白色粉末51kgを得た。
粉末X線回折を行い、メタストレング石(phosphosiderite)構造であることを確認し、ストレング石(strengite)構造や不純物相は確認されなかった。得られたX線回折を図1に示す。
また走査型電子顕微鏡撮影による二次粒子形状は薄板状粒子が密に凝集した丸みをおびた正方柱状の二次粒子であり、各二次粒子径のサイズが揃っていた。レーザー回折法による粒子径測定の結果は、D50が7μmであった。得られた粉末の粒度分布図を図2に示すが、単峰性の粒度分布であった。また、走査型電子顕微鏡写真を図3に示す。
<実施例2>
含水酸化鉄粒子は、サイクロンミル150W(月島機械製)を用い、乾式粉砕した。
加熱式混合攪拌機に乾式粉砕を行った含水酸化鉄粒子29kgを純水511kgに懸濁した。85%オルトリン酸溶液を138kg、種晶(D50=8μm)29gを加え、85℃まで昇温し、6時間加熱反応した。反応混合物を放冷後、溶媒を除去、水洗浄した後、110℃で乾燥し、乳白色粉末47kgを得た。
粉末X線回折を行い、メタストレング石(phosphosiderite)構造であることを確認し、ストレング石(strengite)構造や不純物相は確認されなかった。得られたX線回折を図1に示す。
また走査型電子顕微鏡撮影による二次粒子形状は薄板状粒子が密に凝集した丸みをおびた正方柱状の二次粒子であり、レーザー回折法による粒子径測定の結果は、D50が7μmであった。得られた粉末の粒度分布図を図4に示すが、単峰性の粒度分布であった。また、走査型電子顕微鏡写真を図5に示す。
<実施例3>
含水酸化鉄粒子は、サイクロンミル150W(月島機械製)を用い、乾式粉砕した。
加熱式混合攪拌機に乾式粉砕を行った含水酸化鉄粒子29kgを純水511kgに懸濁した。85%オルトリン酸溶液を138kg、種晶(D50=5μm)145gを加え、85℃まで昇温し、6時間加熱反応した。反応混合物を放冷後、溶媒を除去、水洗浄した後、110℃で乾燥し、乳白色粉末47kgを得た。
粉末X線回折を行い、メタストレング石(phosphosiderite)構造であることを確認し、ストレング石(strengite)構造や不純物相は確認されなかった。得られたX線回折を図1に示す。
また走査型電子顕微鏡撮影による二次粒子形状は薄板状粒子が密に凝集した丸みをおびた正方柱状の二次粒子であり、レーザー回折法による粒子径測定の結果は、D50が7μmであり、また、単峰性の粒度分布であった。得られた粉末の走査型電子顕微鏡写真を図6に示す。
<比較例1>
含水酸化鉄粒子は、3mmφジルコニアボールを用い、水溶液中で湿式粉砕した。
加熱式混合攪拌機に湿式粉砕を行った含水酸化鉄粒子29kgを純水511kgに懸濁した。85%オルトリン酸溶液を138kg加え、85℃まで昇温し、6時間加熱反応した。反応混合物を放冷後、溶媒を除去、水洗浄した後、110℃で乾燥し、乳白色粉末54kgを得た。
粉末X線回折を行い、メタストレング石(phosphosiderite)構造であることを確認し、ストレング石(strengite)構造や不純物相は確認されなかった。得られたX線回折を図7に示す。
また走査型電子顕微鏡撮影による二次粒子形状は薄板状粒子が密に凝集した丸みをおびた正方柱状の二次粒子であったが、微細粒子と大粒子の混在したものであった。レーザー回折法による粒子径測定の結果は、D50が16μmであったが、微細粒子と大粒子の混在したものであった。得られた粉末の粒度分布図を図8に示すが、分布幅が広く双峰性の粒度分布であった。また、走査型電子顕微鏡写真を図9に示す。
<比較例2>
含水酸化鉄粒子は、サイクロンミル150W(月島機械製)を用い、乾式粉砕した。
加熱式混合攪拌機にD90が6μm、Dmaxが19μmの乾式粉砕を行った含水酸化鉄粒子29kgを純水511kgに懸濁した。85%オルトリン酸溶液138kgを加え、85℃まで昇温し、6時間加熱反応した。反応混合物を放冷後、溶媒を除去、水洗浄した後、110℃で乾燥し、乳白色粉末51kgを得た。
粉末X線回折を行い、メタストレング石(phosphosiderite)構造であることを確認し、ストレング石(strengite)構造や不純物相は確認されなかった。得られたX線回折を図7に示す。
また走査型電子顕微鏡撮影による二次粒子形状は薄板状粒子が密に凝集した丸みをおびた正方柱状の二次粒子であったが、微細粒子と大粒子の混在したものであった。レーザー回折法による粒子径測定の結果は、D50が12μmであったが、分布幅が広く双峰性の粒度分布であった。また、得られた粉末の走査型電子顕微鏡写真を図10に示す。
本発明のリン酸第二鉄含水和物の製造方法は、種晶を添加しない場合と比較して、均一な粒子が得られることを確認した。これによりオリビン型リン酸鉄リチウム粒子粉末の前駆体や遷移金属種に鉄を含むリン酸遷移金属リチウムの原料を簡易、均一に工業生産できる。

Claims (6)

  1. 酸化鉄粒子粉末または含水酸化鉄粒子粉末とリン化合物とを溶液中で反応してリン酸第二鉄含水和物を製造する方法において、
    モル換算でP/Fe比が1〜10の範囲、反応濃度0.1〜3.0mol/L(Fe濃度換算)で反応し、リン酸第二鉄含水和物を種晶として用い、種晶の量が酸化鉄粒子粉末または含水酸化鉄粒子粉末に対して0.005〜5質量パーセントであり、種晶のメジアン径D50が5〜10μmであることを特徴とする製造方法であって、
    板状の一次粒子が凝集した二次粒子からなり、メジアン径D50が5〜20μmであるリン酸第二鉄含水和物製造する方法。
  2. 前記種晶の形状が、板状の一次粒子が凝集して二次粒子を構成することを特徴とする請求項に記載のリン酸第二鉄含水和物の製造方法。
  3. 前記種晶が、メタストレング石構造であることを特徴とする請求項1または2に記載のリン酸第二鉄含水和物の製造方法。
  4. 前記種晶の添加時の状態が粉体、又は、水もしくはリン化合物を含むスラリーであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のリン酸第二鉄含水和物の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法であって、単峰性の粒度分布を有するリン酸第二鉄含水和物粒子粉末の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法であって、結晶構造がストレング石構造およびメタストレング石構造のうち少なくとも一種であるリン酸第二鉄含水和物粒子粉末の製造方法
JP2012239190A 2012-10-30 2012-10-30 リン酸第二鉄含水和物粒子粉末の製造方法 Expired - Fee Related JP6032411B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012239190A JP6032411B2 (ja) 2012-10-30 2012-10-30 リン酸第二鉄含水和物粒子粉末の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012239190A JP6032411B2 (ja) 2012-10-30 2012-10-30 リン酸第二鉄含水和物粒子粉末の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014088283A JP2014088283A (ja) 2014-05-15
JP6032411B2 true JP6032411B2 (ja) 2016-11-30

Family

ID=50790553

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012239190A Expired - Fee Related JP6032411B2 (ja) 2012-10-30 2012-10-30 リン酸第二鉄含水和物粒子粉末の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6032411B2 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110294466B (zh) * 2019-08-19 2020-11-17 四川轻化工大学 一种纳米片状磷酸铁的制备方法
CN111559738B (zh) * 2020-06-23 2022-01-11 中南大学 一种诱导合成磷酸铁的方法
CN112573496A (zh) * 2020-11-09 2021-03-30 湖南雅城新材料有限公司 一种高振实密度磷酸铁材料的制备方法
CN113562711B (zh) * 2021-07-19 2023-12-12 广东邦普循环科技有限公司 磷酸铁及其制备方法和应用
CN114314541B (zh) * 2021-12-24 2024-02-13 北京泰丰先行新能源科技有限公司 一种高压密用磷酸铁及其制备方法
CN116062723B (zh) * 2023-02-06 2024-04-09 广东邦普循环科技有限公司 一种利用镍铁合金制备电池级磷酸铁的方法
CN116534820B (zh) * 2023-03-30 2023-11-24 新洋丰农业科技股份有限公司 一种工业磷酸一铵和硫酸亚铁制备高压实磷酸铁的方法
CN117263153B (zh) * 2023-10-12 2024-08-23 金驰能源材料有限公司 一种多孔球形磷酸铁及其制备方法、金属磷酸盐

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4374109A (en) * 1981-12-17 1983-02-15 Ashland Oil, Inc. Manufacture of phosphosiderite iron phosphate
FR2534898B1 (fr) * 1982-10-20 1985-07-19 Pechiney Aluminium Procede d'obtention de trihydroxyde d'aluminium de diametre median regle a la demande dans l'intervalle de 2 a 100 microns
JP2007044639A (ja) * 2005-08-11 2007-02-22 Iwate Univ 晶析方法および晶析装置
CN102612487A (zh) * 2009-09-09 2012-07-25 户田工业株式会社 磷酸铁水合物颗粒粉末及其制造方法、橄榄石型磷酸铁锂颗粒粉末及其制造方法以及非水电解质二次电池
CN102205953B (zh) * 2011-05-05 2012-11-07 湖北浩元材料科技有限公司 一种用于磷酸铁锂电池材料的球形磷酸铁制造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014088283A (ja) 2014-05-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6032411B2 (ja) リン酸第二鉄含水和物粒子粉末の製造方法
JP5517032B2 (ja) 非水電解質二次電池用オリビン型複合酸化物粒子粉末及びその製造方法、並びに二次電池
JP5835540B2 (ja) リン酸第二鉄含水物粒子粉末の製造法、オリビン型リン酸鉄リチウム粒子粉末の製造法、並びに非水電解質二次電池の製造法。
JP6032410B2 (ja) リン酸第二鉄含水和物粒子粉末の製造方法
JP5748146B2 (ja) オルトリン酸鉄の製造
JP5450159B2 (ja) 電極用酸化チタン系化合物及びそれを用いたリチウム二次電池
JP5218918B2 (ja) 結晶状のナノメーターLiFePO4
TWI457273B (zh) 用於鋰離子電池之正磷酸鐵(iii)
US9437868B2 (en) Iron (III) orthophosphate-carbon composite
US9350020B2 (en) Metal phosphate containing manganese and method for its production
KR101371356B1 (ko) pH 조절을 이용한 FePO₄제조 방법 및 이를 이용한 리튬이차전지 양극용 LiFePO₄/C 복합재 제조 방법
CN102515129A (zh) 一种亚微米电池级正磷酸铁的制备方法
JP2007022894A (ja) リチウム鉄複合酸化物の製造方法
JP2015502325A (ja) 金属リン酸塩およびその製造プロセス
JP5678685B2 (ja) リチウム二次電池用正極活物質の前駆体とその製造方法およびリチウム二次電池用正極活物質の製造方法
JP6008024B2 (ja) オリビン型リチウム遷移金属酸化物の製造方法
WO2018129883A1 (zh) 磷酸铁锂/碳复合材料及其制备方法
JP5842792B2 (ja) 二次電池正極活物質前駆体の製造方法
Park et al. Synthesis of hollow spherical LiFePO 4 by a novel route using organic phosphate
JP5636772B2 (ja) オリビン型リチウム遷移金属複合酸化物及びその製造方法
JP2016108161A (ja) ニッケルリチウム金属複合酸化物の製造方法及び該製造方法により得られるニッケルリチウム金属複合酸化物とこれからなる正極活物質
CN115535991A (zh) 一种纳米晶磷酸系正极材料及其制备方法
CN109250697A (zh) 一种低成本高纯度绿色环保纳米晶电池级无水FePO4的制备方法
KR101480110B1 (ko) 동종결정성장을 이용한 이차전지 양극재용 나노 이산화망간(cmd) 제조방법
CN101369653B (zh) 制备锂离子电池正极材料磷酸锂铁粉体的方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150723

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160310

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160322

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160513

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160927

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20161011

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6032411

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees