JP6031702B2 - 射出成形用遮熱装置、スプルーブッシュおよび射出成形型装置 - Google Patents

射出成形用遮熱装置、スプルーブッシュおよび射出成形型装置 Download PDF

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Description

本発明は、射出成形用遮熱装置およびスプルーブッシュに関し、さらに詳細には、加熱溶融された樹脂材料を射出成形型内に射出することによって、製品を成形する射出成形技術に関する。
射出成形は、プラスチック製品を高い精度を保証しつつ大量生産するのに最も適したプラスチック成形法であり、今日のプラスチック製品のほとんどは、この射出成形により成形加工されている。
この種の射出成形に用いられる射出成形型の一般的構造が図18に示されている。この射出成形型aは、固定型bと、この固定型bに対して開閉動作する可動型cとからなる分割構造とされ、これら両型間b、cに、製品形状に対応した形状寸法のキャビティdが設けられてなる。また、固定型bには、スプルーブッシュeが一体的に取付け固定され、このスプルーブッシュeが、射出成型機の射出ノズルfからの加熱溶融された樹脂材料を射出成形型a内に注入する射出注入部を構成している。
スプルーブッシュeは、その中心部に樹脂材料の流路であるスプルーgが貫通形成され、このスプルーgは、同じく樹脂材料の流路であるランナーhを介して、ゲートiから上記キャビティdに連通されている。
そして、上記射出成型機の射出ノズルfから加熱溶融された樹脂材料が、高い射出力をもって射出成形型aのスプルーgに射出注入され、さらにランナーhを介してゲートiからキャビティd内に注入充填される。このキャビティd内に充填された樹脂材料は、冷却されて固化した後に、射出成形型aが可動型cの移動により型開きして、上記キャビティd内から成形品(プラスチック製品)として取り出される。
ところで、上記射出成形における熱分布構成は、射出ノズルfから加熱溶融された樹脂材料が上記スプルーgに射出注入される際に、射出成形型aが樹脂適正固化温度に温度調整されている一方、射出ノズルfは樹脂材料を加熱溶融する温度に設定されている。特に射出ノズルfの先端部位は、ヒータにより常に加熱溶融された樹脂材料が温度低下により固化しないように構成されている。
つまり、射出成形においては、射出ノズルfが樹脂材料の溶融に適正な温度まで加熱される一方、射出成形型aが樹脂材料を冷却固化に適正な温度まで冷却されるという相反する温度管理環境が必要で、両者f、a間では実質的に100℃以上の温度差があることになる。
このような熱分布構成においては、高温側である上記射出ノズルfの熱が低温側である射出成形型aへ伝わっていく傾向は顕著なもので、この熱伝導によりエネルギが過度に消費されることになる。しかも、射出成形は数秒間という短い時間で一つの成形サイクルが完了するところ、大量生産現場ではこの成形サイクルが連続して繰り返されることで、上記エネルギ消費によるエネルギロスは多大なものとなっていた。
また、上記のように射出ノズルfの熱が射出成形型aへ伝わっていくことに関連して、この伝導熱を射出成形型aから逃がしてやらないと、均一な品質の成形品が得られないので、射出成形型aやその構成部品であるスプルーブッシュeを冷却する構成が採用されているが、このような冷却構成の採用は、上記エネルギロスの増大をさらに助長し、このエネルギロスの低減化は射出成形業界において解決されるべき最重要課題の一つであった。
さらに、上記成形品の取出しは、上述のごとく、キャビティd内に充填された樹脂材料が冷却固化された後に、射出成形型aが型開きして取り出されるところ、上記スプルーブッシュeのスプルーgが射出ノズルfから離れる時に、このスプルーg内に樹脂材料が糸状にタレるいわゆる糸引き現象を生じたり、スプルーgおよびランナーh内に樹脂材料が残ることを防止するために、これらスプルーgおよびランナーh内の樹脂材料が十分に冷却固化されていることが必要となる。
ところが、上記スプルーブッシュeのスプルーgは、溶融した高熱の樹脂材料が最初に通過することに加えて、上記のごとく射出ノズルfの熱が直に伝わってくる環境下にあり、必然的にスプルーブッシュeは高温となり、これがため、スプルーg内に充填された樹脂材料の冷却固化には時間がかかり、場合によっては、上記キャビティd内に充填された樹脂材料が冷却固化されるよりも長時間を要する。
特に、電子部品や光学レンズ等の小さな精密プラスチック製品を射出成形する射出成形型aにおいては、これら成形品(プラスチック製品)を成形するキャビティdの容積よりも、スプルーgおよびランナーh、とりわけスプルーgの容積の方がはるかに大きく、したがって、スプルーg内の樹脂材料が冷却固化されるまでに要する時間は、上記キャビティc内に充填された樹脂材料が冷却固化される時間よりもはるかに長くなり、これが射出成形一工程のサイクルタイムの短縮化さらには生産効率の向上のための大きな障壁となっていた。
この点に関して、例えば特許文献1に開示されるように、射出成形における射出ノズル先端部の断熱技術が開発され提案されている。
特開平9−10907号公報
特許文献1に開示される断熱技術は、射出ノズル先端部の構成材料、またはこの射出ノズル先端部が接合する金型またはスプルーブッシュの構成材料として熱伝導率の低い材料を用いることにより、射出ノズルと金型が接合された時に、射出ノズルから金型への熱の流出を防止し、ノズル先端部の温度制御域の温度低下を防止することによって、ノズル先端部の溶融金属の温度低下を防止するようにしている。
しかしながら、この断熱技術は、あくまでも射出ノズル先端部の溶融金属の温度低下を防止するためのものであって、上述した射出ノズルfの熱が低温側である射出成形型aへ伝わっていく熱伝導の問題を抜本的に解決し得るものではなかった。
以上は熱可塑性樹脂の射出成形における従来の解決すべき問題であるが、熱硬化性樹脂の射出成形においても、射出成形型aと射出ノズルfとの間の温度差に関する相互間の熱伝導は同様に解決すべき問題であった。
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、射出成形型装置において、射出成形機の射出ノズルと射出成形型との間の熱伝導の遮熱を実現することができ、これによりエネルギロスを低減しつつ成形性の向上を図ることができる遮熱装置を提供することにある。
本発明の他の目的とするところは、上記遮熱装置を備えたスプルーブッシュを提供することにある。
この目的を達成するため、本発明の第1の射出成形用遮熱装置は、射出成形に用いられる射出成形型の射出注入部に設けられて、射出成形型と射出成形機の射出ノズルとの間の熱伝導を遮熱するものであって、金属製支持基板と遮熱層との積層構造を有する遮熱板体の形態とされるとともに、上記射出成形型に対して取外し交換可能に取付固定される構造とされ、この遮熱板体は、少なくとも上記射出成形型の射出注入部における上記射出ノズルとの接続座面を密接被覆する形状寸法の接続座面部を有し、この接続座面部は、上記遮熱板体が固定手段により上記射出成形型に対して取外し交換可能に取付固定された状態において、上記射出ノズルの先端形状に対応した球面形状の遮熱接続座面を有し、上記遮熱層は、耐熱塗料からなる基材に、微細な真空セラミックパウダーが均一に混合含有されてなる真空遮熱層であることを特徴とする。
ここに「遮熱」とは、熱の伝わり方(熱エネルギの移動形態)のうち熱伝導と熱放射(輻射)の両者を遮断することを意味する(以下、本明細書および特許請求の範囲を通じて同様とする)。
好適な実施態様として、以下の構成が採用される。
(1)上記真空遮熱層に放射熱を反射する遮熱成分が含有されてなる。
)上記射出成形型の接続座面は、射出成形型の射出注入部を構成するスプルーブッシュの取付けフランジに形成され、上記遮熱板体の外周輪郭形状寸法が上記スプルーブッシュの取付けフランジの外周輪郭形状寸法に対応して設定されるとともに、上記遮熱板体の取付面が上記スプルーブッシュの取付けフランジの表面および接続座面に密接状に当接係合する構造とされている。
)上記遮熱板体は、金属製支持基板の表面側に上記遮熱層が密着重合された2層構造とされている。
上記遮熱板体は、金属製支持基板の表面側に上記遮熱層が密着重合された2層構造とされるとともに、上記接続座面部においては、上記金属製支持基板と上記遮熱層の2層構造の表面側に、金属製支持基板がサンドイッチ状に密着重合されてなる3層構造とされてなる。
本発明の第2の射出成形用遮熱装置は、射出成形に用いられる射出成形型の射出注入部に設けられて、射出成形型と射出成形機の射出ノズルとの間の熱伝導を遮熱するものであって、金属製支持基板と遮熱層との積層構造を有する遮熱板体の形態とされるとともに、上記射出成形型に対して取外し交換可能に取付固定される構造とされ、この遮熱板体は、少なくとも上記射出成形型の射出注入部における上記射出ノズルとの接続座面を密接被覆する形状寸法の接続座面部を有し、この接続座面部は、上記遮熱板体が固定手段により上記射出成形型に対して取外し交換可能に取付固定された状態において、上記射出ノズルの先端形状に対応した球面形状の遮熱接続座面を有し、上記遮熱板体は、2枚の金属製支持基板の間に上記遮熱層がサンドイッチ状に密着重合された3層構造とされている。
好適な実施態様として、以下の構成が採用される。
)上記遮熱層は、補強用金属網板材に遮熱材が一体結合されてなる。
)上記補強用金属網板材はメタルラスである。
)上記2枚の金属製支持基板の一体固定構造は、一方の金属製支持基板の外周縁に設けられた固定フランジが他方の金属製支持基板の外周縁に圧入固定されてなる。
)上記2枚の金属製支持基板の一体固定構造は、一方の金属製支持基板の外周縁に設けられた固定フランジが他方の金属製支持基板の外周縁に溶接固定されてなる。
)上記2枚の金属製支持基板の一体固定構造は、一方の金属製支持基板の外周縁に設けられた複数の固定片が他方の金属支持基板の外周部に折曲固定されてなる。
)上記2枚の金属製支持基板の一体固定構造は、一方の金属製支持基板の内側面に設けられた複数の係合凸部が、他方の金属製支持基板の内側面に上記係合凸部に対応して設けられた複数の係合凹部にそれぞれ突入して係合固定されてなる。
)上記遮熱板体は、上記射出成形型に対して耐熱両面テープにより取外し交換可能に取付固定される。
)上記遮熱板体の外周縁に上記スプルーブッシュの取付けフランジ外周に弾発的に係止する取付部が一体的に設けられ、この取付部により、上記遮熱板体が上記スプルーブッシュに取外し可能に取付固定される。
)上記取付部は、上記遮熱板体の外周縁全周に連続して設けられた環状取付部の形態とされるとともに、この環状取付部の先端縁が上記スプルーブッシュの取付けフランジ外周の環状溝部に係止する構造とされ、上記環状取付部により、上記スプルーブッシュの取付けフランジ外周が密接被覆されるとともに、上記遮熱板体が上記スプルーブッシュに取外し可能に取付固定される。
本発明の射出成形用スプルーブッシュは、射出成形に用いられる射出成形型の射出注入部を構成し、その中心部に溶融樹脂材料の流通するスプルーが貫通形成されたスプルーブッシュ本体と、上記射出成形型に対する取付けフランジとを備えてなるものであって、上記取付けフランジの上面に、射出成形機の射出ノズルが密接に接続する接続座面が設けられるとともに、この接続座面が遮熱手段により密接被覆される構造とされ、この遮熱手段は、上記遮熱装置により構成されていることを特徴とする。
本発明の射出成形用遮熱装置によれば、金属製支持基板と遮熱層との積層構造を有する遮熱板体の形態とされるとともに、上記射出成形型に対して取外し交換可能に取付固定される構造とされ、この遮熱板体は、少なくとも上記射出成形型の射出注入部における上記射出ノズルとの接続座面を密接被覆する形状寸法の接続座面部を有し、この接続座面部は、上記遮熱板体が固定手段により上記射出成形型に対して取外し交換可能に取付固定された状態において、上記射出ノズルの先端形状に対応した球面形状の遮熱接続座面を有し、上記遮熱層は、耐熱塗料からなる基材に、微細な真空セラミックパウダーが均一に混合含有されてなる真空遮熱層であるから、または、上記遮熱板体は、2枚の金属製支持基板の間に上記遮熱層がサンドイッチ状に密着重合された3層構造とされているから、射出成形型の射出注入部に設けられることで、射出成形型と射出成形機の射出ノズルとの間の熱伝導を有効に遮熱することができ、以下に列挙するような種々の特有の効果が得られる。
(A)熱可塑性樹脂の射出成形に関して:
(1)エネルギロスの低減
射出成形においては、射出成形機の射出ノズルが樹脂材料の溶融に適正な温度まで加熱される一方、射出成形型が樹脂材料を冷却固化に適正な温度まで冷却されるという相反する温度管理環境が必要で、両者間には大きな温度差があり、高温側である上記射出ノズルの熱が低温側である射出成形型へ過度に伝わっていく(エネルギロス)という傾向は顕著である。
本発明の遮熱装置は、金属製支持基板と遮熱層との積層構造を有する遮熱板体の形態とされて、少なくとも、射出成形型の射出注入部つまり上記射出ノズルが密接に接続される接続座面を密接被覆することで、射出成形における熱伝導が最も激しい部位の遮熱作用を有効に発揮し、その結果、この熱伝導によるエネルギロスを可及的に低減する。
(2)成形条件(品質)の安定化・成形性の向上
上記(1)のごとく、遮熱板体の形態とされた遮熱装置により密接被覆されることで、射出成形における熱伝導が最も激しい部位の遮熱作用が確保される結果、射出成形型は射出ノズルからの熱伝導による悪影響を有効に抑えられ、これにより射出成形型の温度を適正値に安定して制御保持することができ(成形条件の安定化)、均一な品質の成形品を安定して得ることができ、成形性が向上する。
(3)糸引き・鼻たれの減少
上記(1)のごとく、遮熱板体の形態とされた遮熱装置により密接被覆されることで、射出成形における熱伝導が最も激しい部位の遮熱作用が確保される結果、射出成形型の過度な温度上昇が有効に抑えられ、これにより、射出ノズル湯口からスプルーに連通する部位の樹脂材料が迅速に短時間で冷却固化されることとなり、成形品の取出し時における、樹脂材料のいわゆる糸引き・鼻たれ現象が減少し、ないしはその発生が有効に防止される。
また、この糸引き・鼻たれ現象がなくなると、成形品の成形効率が向上して、良品が成形しやすくなり、歩留まりの良い射出成形が実現し得る。
(4)成形時間の短縮・成形効率の向上
上記(3)の効果と相まって、射出成形型の温度上昇が抑えられて、スプルー内に充填された樹脂材料が迅速に短時間で冷却固化される結果、例えば、電子部品や光学レンズ等の小さな精密プラスチック製品の射出成形においても、射出成形一工程のサイクルタイムの短縮化が可能となり、成形効率の向上さらには生産効率の向上が実現する。
(B)熱硬化性樹脂の射出成形に関して:
熱硬化性樹脂の射出成形においても、少なくとも、射出成形型の射出注入部つまり上記射出ノズルが密接に接続される接続座面を密接被覆することで、射出成形における熱伝導が最も激しい部位の遮熱作用を有効に発揮し、その結果、高温側である射出成形型の熱が低温側である射出ノズルへ伝わるのが遮断されて、射出ノズルの温度上昇が防止されて、樹脂材料の熱硬化による射出ノズルの詰まりが有効に防止され、連続した成形が行える。
本発明の実施形態1である射出成形型装置の内部の概略構成を示す正面断面図である。 同射出成形型装置を示す平面図である。 同射出成形型装置の射出注入部であるスプルーブッシュと遮熱装置を示す斜視図で、射出成形型の外観形態を二点鎖線で示す。 同遮熱装置の構成を示し、図4(a)は平面図、図4(b)は図4(a)におけるB−B線に沿った断面図である。 同じく同遮熱装置を示し、図5(a)は図4(b)の一点鎖線5A内の部位を拡大して示す断面図、図5(b)は図4(b)の一点鎖線5B内の部位を拡大して示す断面図内の部位を拡大して示す断面図である。 同射出成形装置における遮熱装置の有無による熱移動量の変化を説明するための模式図である。 本発明の実施形態2である射出成形型装置の内部の概略構成を示す正面断面図である。 同射出成形装置における遮熱装置の有無による熱移動量の変化を説明するための模式図である。 本発明の実施形態3である遮熱装置を示し、図9(a)は平面図、図9(b)は図9(a)におけるB−B線に沿った断面図である。 同じく同遮熱装置を示し、図10(a)は図9(b)の一点鎖線10A内の部位を拡大して示す断面図、図10(b)は図9(b)の一点鎖線10B内の部位を拡大して示す断面図内の部位を拡大して示す断面図である。 本発明の実施形態4である遮熱装置を示し、図11(a)は平面図、図11(b)は図11(a)におけるB−B線に沿った断面図である。 同じく同遮熱装置を示し、図12(a)は図11(b)の一点鎖線10A内の部位を拡大して示す断面図、図12(b)は図11(b)の一点鎖線10B内の部位を拡大して示す断面図内の部位を拡大して示す断面図である。 本発明の実施形態5である遮熱装置を示し、図13(a)は平面図、図13(b)は図13(a)におけるB−B線に沿った断面図である。 同じく同遮熱装置を示し、図14(a)は図13(b)の一点鎖線14A内の部位を拡大して示す断面図、図14(b)は図13(b)の一点鎖線14B内の部位を拡大して示す断面図内の部位を拡大して示す断面図である。 本発明の実施形態6である遮熱装置を示し、図15(a)は平面図、図15(b)は図15(a)におけるB−B線に沿った断面図である。 同じく同遮熱装置を示し、図16(a)は図15(b)の一点鎖線17a内の部位を拡大して示す断面図、図16(b)は図15(b)の一点鎖線17b内の部位を拡大して示す断面図内の部位を拡大して示す断面図である。 本発明の実施形態7である遮熱装置を備えたスプルーブッシュを示し、図17(a)は遮熱装置が装着された状態を一部断面で示す正面図、図17(b)は遮熱装置が取り外された状態を一部断面で示す正面図である。 従来の射出成形型装置の内部の概略構成を示す正面断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、図面全体にわたって同一の符号は同一の構成部材または要素を示している。
実施形態1
本発明に係る射出成形型装置を図1〜図6に示し、この装置1は、具体的には、電子部品や光学レンズ等の小さな精密プラスチック製品を射出成形するためのもので、固定型2と可動型3とからなる分割構造の射出成形型4を主要部として備え、上記固定型2および可動型3の分割面2a、3a間部分に設けられたキャビティC内に、上記固定型2に設けられたスプルーSを介して、加熱溶融された樹脂材料Pが高圧をもって射出注入される構成とされ、このスプルーSは、上記固定型2に取付け固定されるスプルーブッシュ5に形成されている。また、このスプルーブッシュ5の上面、つまり射出成形型4の射出注入部には遮熱手段(遮熱装置)6が設けられて、射出成形型4と射出成形機の射出ノズル7との間の熱伝導を遮熱する構造とされている。
Rはランナー、Gはゲートをそれぞれ示しており、これらランナーRおよびゲートGは上記スプルーSと共に、射出成形機の射出ノズル7の湯口からキャビティCへ続く加熱溶融された樹脂材料Pの樹脂通路としてのランナー部分を形成する。
固定型2は、射出成形型4の固定側を構成するもので、図外の固定側取付プレートに取付けられており、分割面2aに、上記キャビティCの形成部Caが設けられている。また、固定型2の中央部分には、上記スプルーブッシュ5が取外し可能に嵌合固定されてスプルーSが設けられている。このスプルーSには、射出成形型4を射出成形機に取り付ける際に、上記射出ノズル7の湯口が接続され、この目的のため、この部位には射出ノズル7とスプルーSのセンタ合わせ(心出し)を行うためのロケートリング(図示省略)が設けられている。
可動型3は、射出成形型4の可動側を構成するもので、図外の可動側取付プレートに取付けられており、分割面3aに、上記キャビティCの形成部CbおよびキャビティCと上記スプルーSを接続するゲートGおよびランナーRが設けられている。上記可動側取付プレートは、成形型開閉装置に駆動連結されて、可動型3を固定型2に対して開閉動作する構成とされている。
スプルーブッシュ5は、射出成形型4の射出注入部を構成するもので、具体的には、スプルーブッシュ本体8と取付けフランジ9とからなる一体構造とされるとともに、その内部に冷却機構10を備えてなる。
スプルーブッシュ本体8は円筒状のもので、その中心部に溶融樹脂材料の流通するスプルーSが貫通形成されている。このスプルーSは、スプルーブッシュ5が固定型2に取付け固定された状態において、図1に示すように、その基端Saが射出成形機の射出ノズル7の湯口に接続可能とされた注入口とされるとともに、その先端Sbが射出成形型4のキャビティCに連通可能な排出口とされている。
上記スプルーSは、その口径が上記注入口Saから排出口Sbへ向けて徐々にかつ連続的に増大する先太のテーパ内周面を備えてなり、スプルーS内に充填されて冷却固化された樹脂材料Pが円滑に抜ける構成とされている。また、上記スプルーSの注入口Saにおける接続座面11は、取付けフランジ9の上面中央部に設けられており、上記射出ノズル7の先端形状に対応した球面形状に形成されて、射出ノズル7との密接な接続状態が確保される。
取付けフランジ9は、スプルーブッシュ5を固定型2の取付け凹部15に取り付ける際の取付固定部を構成し、スプルーブッシュ本体8と同心状の厚肉円板の形態とされている。
取付けフランジ9の上面には、射出成形機の射出ノズル7が密接に接続する上記接続座面11が設けられるとともに、この接続座面11は、後述するように、遮熱板体(遮熱手段、遮熱装置)6により密接被覆される構造とされている。
冷却機構10は、具体的には冷却用流体CLが流通する冷却流路の形態とされ、スプルーブッシュ5の内部、特にスプルーブッシュ本体8の内部にほぼ全長にわたって延びて形成されて、スプルーSの周囲を高効率で冷却する配設経路構成とされている。
図示の実施形態の冷却流路10は、上記取付けフランジ9内に設けられた供給側および排出側フランジ流路10a、10e、スプルーブッシュ本体8内に設けられた供給側および排出側本体流路10b、10dおよび接続流路10cから構成されている。
このような配設経路構成とされることにより、つまり、供給側フランジ流路10aがスプルーSの基端部近傍位置で供給側本体流路10bの一端に連通されるとともに、排出側フランジ流路10eがスプルーSの基端部近傍位置で排出側本体流路10dの一端に連通されて、これらフランジ流路10a、10eと本体流路10b、10dとの接続点つまり折返し点が、射出成形機の射出ノズル7の湯口の接合部位に近接し、しかも、両流路10aと10bおよび10dと10eの接続交差角度θが鋭角に設定されることにより、これら両流路10aと10bおよび10dと10eの折返し連通部の流路断面積が単独流路の場合よりも大きくなるので、射出ノズル7の湯口近傍における冷却流体CLの流量が実質的に増加して、この部位の高い冷却効率が確保されることになる。
また、上記接続流路10cが、スプルーSの排出口Sbの近傍位置、つまりスプルーS内に充填されて冷却固化された樹脂材料Pの厚肉部分の外周を取り囲むように延びているから、この樹脂材料Pの厚肉部位の高い冷却効率が確保されることになる。
以上のように構成されたスプルーブッシュ5は、図1および図2に示すように、射出成形型4の固定型2の取付け凹部15に嵌合されるとともに、取付けフランジ9が取付けボルト(図示省略)により固定型2に締付け固定されることにより、スプルーブッシュ5が固定型2に取付け固定される。このスプルーブッシュ5の取付け状態において、スプルーSの排出口Sbが射出成形型4のランナーRに連通され、これにより、射出注入部であるスプルーSから、ランナーRおよびゲートGを介してキャビティCに続く一連の樹脂材料Pの流路が形成される。
また、スプルーブッシュ5の冷却流路10は、その供給側端である供給側フランジ流路10aが固定型2に設けられた流体供給路17aに連通接続されるとともに、その排出側端である排出側フランジ流路10eが固定型2に設けられた流体排出路17bに連通接続される。これにより、図外の冷却流体供給源(冷却液体タンク、供給ポンプおよび冷却液体用熱交換器等を含む)から、上記冷却流路10を介して、再び上記冷却流体供給源に戻る冷却液体循環経路が形成され、上記スプルーブッシュ5の冷却流路10に冷却流体CLが循環供給されることとなる。
循環供給される冷却流体CLとしては、冷却水、冷却油、冷却空気、ドライアイス等の冷媒から射出成形条件等に適したものが選択採用され、図示の実施形態においては、冷却水が用いられている。なお、固定型2とスプルーブッシュ5との接合面間には、Oリング等の液密シールが介装されて、これら固定型2とスプルーブッシュ5との接合面間からの冷却流体CLの漏出が有効に防止される。
遮熱装置6は、射出成形型4の射出注入部に設けられて、この射出成形型4と射出成形機の射出ノズル7との間の熱伝導を遮熱するもので、遮熱機能を有する遮熱板体の形態とされるとともに、射出成形型4に対して取外し交換可能に取付固定される構造とされている。
遮熱板体(遮熱装置)6は、金属製支持基板21と遮熱層22との積層構造を有する板状体であり、図示の実施形態の遮熱板体6は、2枚の金属製支持基板21A、21Bの間に上記遮熱層22がサンドイッチ状に密着重合された3層構造とされ、その具体的構造が図4および図5に示されている。
金属製支持基板21(21A、21B)は、遮熱層22の形成基板と遮熱板体6の取付基板としての機能を兼備するもので、ステンレス鋼、銅、アルミニウム、鉄、マグネシウム等の金属板から構成され、図示の実施形態においてはステンレス鋼板が用いられている。
遮熱層22は、出成形型4と射出ノズル7間の熱伝導を遮断するもので、遮熱作用を有効に発揮し得る遮熱材から構成されており、具体的には、耐熱塗料からなる基材に、微細な真空セラミックパウダーが均一に混合含有されてなる真空遮熱層である。
上記真空セラミックパウダーは、断熱・遮熱性能を有するもので、その混合割合(混合密度)により真空遮熱層の断熱・遮熱性能が決定される。つまり、真空セラミックパウダーの混合割合が増えることにより、真空遮熱層は真空層により近づくことになる。
上記耐熱塗料は真空セラミックパウダーのバインダとして機能するものである。
また、上記遮熱層22は、補強用金属網板材23に上記遮熱材が一体結合されてなる補強構造を有し、上記補強用金属網板材23としては、加圧強度に優れ寸法精度にも優れるメタルラスが好適に使用される。
遮熱板体6の厚さ寸法は、遮熱体6が射出成形型4の射出注入部に設けられるという目的・用途から、0.15〜3mmに設定され、その構成材料である金属製支持基板21A、21Bの厚さ寸法が0.05〜1mm、遮熱層22の厚さ寸法が0.05〜1mmにそれぞれ設定される。
遮熱板体6が2枚の金属製支持基板21A、21Bの間に遮熱層22がサンドイッチ状に密着重合された3層構造とされていることに関連して、2枚の金属製支持基板21A、21Bの一体固定構造は、一方のつまり上側の金属製支持基板21Aの外周縁に全周にわたって固定フランジ30が下向きに折曲形成されて、この固定フランジ30が、他方のつまり下側の金属製支持基板21Bの外周縁に圧入固定されてなる。
なお、図示の実施形態においては、下側の金属製支持基板21Bの外周縁にも全周にわたって固定フランジ31が下向きに折曲形成されて、上記固定フランジ30との圧入固定を確実なものとしている。
また、後述するように、遮熱板体6中央の接続座面部20には、射出成形型4の接続座面11の注入口Saに同心状に連通する連通口32が開口されており、この連通口32の内径縁にも全周にわたって固定フランジ33が下向きに折曲形成されて、下側の金属製支持基板21Bとの嵌合固定を確実なものとしている。
さらに、遮熱板体6は、2枚の金属製支持基板21A、21Bにより、遮熱層22の密封空間が形成されていることに関連して、遮熱層22との間に形成された間隙34が空気断熱層を形成して、より強い遮熱作用を確保している。
また、下側の金属製支持基板21Bの外周部位には、外部に連通する通気孔35が複数(図示例の場合は4つ)形成されており、これら通気孔35、35、…が、上記遮熱層22の密封空間の空気を外部へ逃す逃がし孔として機能する。
遮熱板体6は、少なくとも射出成形型4の射出注入部における射出ノズル7との接続座面11を密接被覆する形状寸法の接続座面部20を有する。この接続座面部20は、遮熱板体6が固定手段(後述)により射出成形型4に対して取外し交換可能に取付固定された状態において、上記射出ノズル7の先端形状に対応した球面形状の遮熱接続座面25を有する。この接続座面部20により、射出成形における熱伝導が最も激しい上記接続座面11の部位の遮熱作用が確保される。
図示の実施形態の遮熱板体6は、射出成形型4の射出注入部を構成するスプルーブッシュ5に対して取外し交換可能に取付固定される構造とされている。
すなわち、遮熱板体6は、その外周輪郭形状寸法がスプルーブッシュ5の取付けフランジ9の外周輪郭形状寸法に対応して設定された円板状のもので、その取付面である底面6bが、上記取付けフランジ9の平坦な上面(表面)および上面中央部の接続座面11に密接状に当接係合する構造とされている。そして、この接続断面11に当接係合する遮熱板体6の中央部分が、上記接続座面11を密接被覆する形状寸法の接続座面部20とされている。
上記遮熱板体6のスプルーブッシュ5の取付けフランジ9に対する取付固定は、耐熱両面テープ37により行われる。これにより、遮熱板体6は、射出成形型4に対して取外し交換可能に取付固定されることとなり、消耗品としての交換作業が容易である。
以上のように構成された射出成形型4は、図外の射出成形機に取り付けられるに際して、その接続座面11が上記遮熱板体6により密接被覆された状態で、この遮熱板体6の遮熱接続座面25が、射出成形機の射出ノズル7に密接状に接合されて、スプルーSの注入口Saが射出ノズル7の湯口に連通される。
しかして、上記射出成形機で加熱溶融された樹脂材料Pは、上記射出ノズル7から高い射出力をもってスプルーSに射出注入され、さらにランナーRおよびゲートGを介して、キャビティC内に注入充填される。
キャビティC内に充填された樹脂材料Pは、冷却されて固化した後に、射出成形型4が可動型3の移動により型開きして、上記キャビティC内から成形品(プラスチック製品)として取り出される。
この場合、2枚の金属製支持基板21A、21Bの間に遮熱層22がサンドイッチ状に密着重合されてなる3層構造の遮熱板体(遮熱手段、遮熱装置)6が、スプルーブッシュ5の取付けフランジ9の上面および接続座面11に密接状に当接係合して、この遮熱板体6接続座面部20が上記射出ノズル7の先端形状に対応した球面形状の遮熱接続座面25を有するから、射出成形型4と射出成形機の射出ノズル7との間の熱伝導を有効に遮熱することができる。
すなわち、図6の模式図を参照して、図6(a)に示すように、少なくとも、射出成形型4の射出注入部(本実施形態においてはスプルーブッシュ5)の射出ノズル7が密接に接続される接続座面11を遮熱板体(遮熱装置)6により密接被覆することで、射出成形における熱伝導の最も激しい部位の遮熱作用が有効に発揮されて、図6(b)に示すように、上記遮熱板体(遮熱装置)6が設けられていない場合に比較して、高温側である上記射出ノズル7から低温側である射出成形型4への移動熱が小さく、射出成形型4における熱溜りを小さく抑えることができる(実際に行った遮熱効果試験の結果、本実施形態の遮熱板体(遮熱装置)6を装着することにより、諸条件によりバラつきはあるものの20〜35%の遮熱効果が得られることが判明した。)。
以上より、本実施形態の遮熱板体(遮熱手段、遮熱装置)6により、以下に列挙するような種々の効果が得られる。
(1)エネルギロスの低減
射出成形においては、射出成形機の射出ノズル7が樹脂材料の溶融に適正な温度まで加熱される一方、射出成形型4が樹脂材料を冷却固化に適正な温度まで冷却されるという相反する温度管理環境が必要で、両者間には大きな温度差があり、高温側である上記射出ノズル7の熱が低温側である射出成形型4へ過度に伝わっていく(エネルギロス)という傾向は顕著である。
本実施形態の遮熱板体6は、2枚の金属製支持基板21A、21Bの間に遮熱層22がサンドイッチ状に密着重合されてなる3層構造とされ、この遮熱板体6が、射出成形型4の射出注入部つまり上記射出ノズル7が密接に接続される接続座面11を密接被覆することで、射出成形における熱伝導の最も激しい部位の遮熱作用を有効に発揮し、その結果、この熱伝導によるエネルギロスを可及的に低減する。
(2)成形条件(品質)の安定化・成形性の向上
上記(1)のごとく、遮熱板体6により密接被覆されることで、射出成形における熱伝導が最も激しい部位の遮熱作用が確保される結果、射出成形型4は射出ノズル7からの熱伝導による悪影響を有効に抑えられ、これにより射出成形型4の温度を適正値に安定して制御保持することができ(成形条件の安定化)、均一な品質の成形品を安定して得ることができ、成形性が向上する。
(3)糸引き・鼻たれの減少
上記(1)のごとく、遮熱板体6により密接被覆されることで、射出成形における熱伝導が最も激しい部位の遮熱作用が確保される結果、射出成形型4の過度な温度上昇が有効に抑えられ、これにより、射出ノズル7の湯口からスプルーSに連通する部位の樹脂材料Pが迅速に短時間で冷却固化されることとなり、成形品の取出し時における、樹脂材料Pのいわゆる糸引き・鼻たれ現象が減少し、ないしはその発生が有効に防止される。
また、この糸引き・鼻たれ現象がなくなると、成形品の成形効率が向上して、良品が成形しやすくなり、歩留まりの良い射出成形が実現し得る。
(4)成形時間の短縮・成形効率の向上
上記(3)の効果と相まって、射出成形型4の温度上昇が抑えられて、スプルーS内に充填された樹脂材料Pが迅速に短時間で冷却固化される結果、例えば、電子部品や光学レンズ等の小さな精密プラスチック製品の射出成形においても、射出成形一工程のサイクルタイムの短縮化が可能となり、成形効率の向上さらには生産効率の向上が実現する。
実施形態2
本実施形態は図7および図8に示されており、実施形態1の遮熱板体(遮熱手段、遮熱装置)6が熱硬化性樹脂の射出成形型装置41に適用されたものである。
すなわち、実施形態1においては、遮熱板体6が熱可塑性樹脂の射出成形型装置1に適用されたものであるが、上記遮熱板体6は、熱硬化性樹脂の射出成形においても有効に作用する。
すなわち、図8の模式図を参照して、熱硬化性樹脂の射出成形においても、図8(a)に示すように、少なくとも、射出成形型4の射出注入部(本実施形態においてはスプルーブッシュ5)の射出ノズル7が密接に接続される接続座面11を遮熱板体(遮熱装置)6により密接被覆することで、実施形態1の熱可塑性樹脂の場合と同様に、射出成形における熱伝導が最も激しい部位の遮熱作用を有効に発揮し、その結果、高温側である射出成形型4の熱が低温側である射出ノズル7へ伝わるのが遮断されて(熱伝導遮断)、射出ノズル7の温度上昇が防止されて、樹脂材料Pの熱硬化による射出ノズル7の詰まりが有効に防止され、連続した成形が行える。
これに対して、図8(b)に示すように、上記遮熱板体(遮熱装置)6が設けられていない場合は、高温側である射出成形型4の熱が低温側である射出ノズル7へ伝わり(熱伝導)、射出ノズル7の温度上昇を招き、樹脂材料Pの熱硬化による射出ノズル7の詰まりが生じて、連続した成形が中断することもあることが試験的に判明している。
その他の構成および作用は実施形態1と同様である。
実施形態3
本実施形態は図9および図10に示されており、実施形態1の遮熱板体(遮熱手段、遮熱装置)6の具体的構造が改変されたものである。
すなわち、本実施形態の遮熱板体(遮熱手段、遮熱装置)16は、2枚の金属製支持基板21A、21Bの一体固定構造が、一方のつまり下側の金属製支持基板21Bの外周縁に設けられた複数の固定片40、40、…(図示例においては3つ)が他方のつまり上側の金属支持基板21Aの外周部に外側から折曲固定されてなる。
その他の構成および作用は実施形態1と同様である。
実施形態4
本実施形態は図11および図12に示されており、実施形態1の遮熱板体(遮熱手段、遮熱装置)6の具体的構造が改変されたものである。
すなわち、本実施形態の遮熱板体(遮熱手段、遮熱装置)26は、具体的には図示しないが、2枚の金属製支持基板21A、21Bの一体固定構造が、一方の例えば上側の金属製支持基板21Aの内側面(下側面)に設けられた複数の係合凸部が、他方の例えば下側の金属製支持基板21Bの内側面(上側面)に上記係合凸部に対応して設けられた複数の係合凹部にそれぞれ突入して係合固定されてなる。
その他の構成および作用は実施形態1と同様である。
実施形態5
本実施形態は図13および図14に示されており、実施形態1の遮熱板体(遮熱手段、遮熱装置)6の具体的構造が改変されたものである。
すなわち、本実施形態の遮熱板体(遮熱手段、遮熱装置)36は、1枚の金属製支持基板21の表面側つまり上面側に遮熱層22が密着重合された2層構造とされている。
具体的には、金属製支持基板21の上面側に遮熱材が塗布されることにより上記遮熱層22が形成されてなる。
その他の構成および作用は実施形態1と同様である。
実施形態6
本実施形態は図15および図16に示されており、実施形態5の遮熱板体(遮熱手段、遮熱装置)36の具体的構造が改変されたものである。
すなわち、本実施形態の遮熱板体(遮熱手段、遮熱装置)46は、実施形態5の遮熱板体36と同様、1枚の金属製支持基板21の表面側つまり上面側に遮熱層22が密着重合された2層構造とされるとともに、接続座面部20においては、金属製支持基板21と遮熱層22の2層構造の上側に、金属製支持基板21Cがサンドイッチ状に密着重合されてなる3層構造とされてなる。
その他の構成および作用は実施形態5と同様である。
実施形態7
本実施形態は図17に示されており、実施形態5の遮熱板体(遮熱手段、遮熱装置)36の具体的構造が改変されたものである。
すなわち、本実施形態の遮熱板体(遮熱手段、遮熱装置)56は、実施形態5の遮熱板体36と同様、1枚の金属製支持基板21の表面側つまり上面側に遮熱層22が密着重合された2層構造とされるとともに、遮熱板体56の外周縁にスプルーブッシュ5の取付けフランジ外周に弾発的に係止する取付部57が一体的に設けられて、この取付部57により、上記遮熱板体6が上記スプルーブッシュ5に取外し可能に取付固定される構造とされている。
上記取付部57は、具体的には、上記遮熱板体56の外周縁全周が径方向外方へ延長された2層構造とされ、この取付部57が遮熱板体56の外周縁で下側へ折曲加工されることにより、遮熱板体56の外周縁全周に連続して設けられた環状取付部の形態とされている。
この環状取付部57の先端縁つまり下端縁57aは、径方向内方へ折曲加工されることにより、上記スプルーブッシュ5の取付けフランジ9外周の環状溝部58に弾発的に係止する構造とされている。
しかして、この環状取付部57aにより、上記スプルーブッシュ5の取付けフランジ9の円筒外周が密接被覆されて遮熱されるとともに、上記遮熱板体56が取付けフランジ9スプルーブッシュ5に取外し可能に取付固定される。
その他の構成および作用は実施形態5と同様である。
なお、上述した実施形態1〜7はあくまでも本発明の好適な実施態様を示すものであって、本発明はこれに限定されることなく、その範囲において種々の設計変更が可能である。
例えば、実施形態1において、遮熱板体6を構成する2枚の金属製支持基板21A、21Bの一体固定構造は圧入固定を利用したものであるが、2枚の金属製支持基板21A、21Bの一方の金属製支持基板2Aの外周縁に設けられた固定フランジが他方の金属製支持基板21Bの外周縁に溶接固定される一体固定構造も採用可能である。
また、実施形態1におけるスプルーブッシュ5は、冷却機構10を備えるいわゆる冷却スプルーブッシュであるが、本発明の遮熱装置6は、冷却機構10を備えない一般的なスプルーブッシュにも適用可能である。
1 射出成形型装置
2 固定型
3 可動型
4 射出成形型
2a、3a 射出成形型の分割面
5 スプルーブッシュ
6 遮熱板体(遮熱手段、遮熱装置)
7 射出成形機の射出ノズル
8 スプルーブッシュ本体
9 取付けフランジ
10 冷却流路(冷却機構)
11 接続座面
16 遮熱板体(遮熱手段、遮熱装置)
20 接続座面部
21、21A、21B、21C 金属製支持基板
22 遮熱層
25 遮熱接続座面
26 遮熱板体(遮熱手段、遮熱装置)
30、31、33 固定フランジ
32 連通口
35 通気孔
36 遮熱板体(遮熱手段、遮熱装置)
37 耐熱両面テープ

40 固定片
46 遮熱板体(遮熱手段、遮熱装置)
56 遮熱板体(遮熱手段、遮熱装置)
57 環状取付部
57a 下端縁
58 環状溝部
C キャビティ
S スプルー
Sa スプルーの注入口
Sb スプルーの排出口
P 樹脂材料
G ゲート
CL 冷却用流体

Claims (16)

  1. 射出成形に用いられる射出成形型の射出注入部に設けられて、射出成形型と射出成形機の射出ノズルとの間の熱伝導を遮熱するものであって、
    金属製支持基板と遮熱層との積層構造を有する遮熱板体の形態とされるとともに、前記射出成形型に対して取外し交換可能に取付固定される構造とされ、
    この遮熱板体は、少なくとも前記射出成形型の射出注入部における前記射出ノズルとの接続座面を密接被覆する形状寸法の接続座面部を有し、
    この接続座面部は、前記遮熱板体が固定手段により前記射出成形型に対して取外し交換可能に取付固定された状態において、前記射出ノズルの先端形状に対応した球面形状の遮熱接続座面を有し、
    前記遮熱層は、耐熱塗料からなる基材に、微細な真空セラミックパウダーが均一に混合含有されてなる真空遮熱層である
    ことを特徴とする射出成形用遮熱装置
  2. 前記真空遮熱層に放射熱を反射する遮熱成分が含有されてなる
    ことを特徴とする請求項に記載の射出成形用遮熱装置。
  3. 前記射出成形型の接続座面は、射出成形型の射出注入部を構成するスプルーブッシュの取付けフランジに形成され、
    前記遮熱板体の外周輪郭形状寸法が前記スプルーブッシュの取付けフランジの外周輪郭形状寸法に対応して設定されるとともに、前記遮熱板体の取付面が前記スプルーブッシュの取付けフランジの表面および接続座面に密接状に当接係合する構造とされている
    ことを特徴とする請求項1に記載の射出成形用遮熱装置。
  4. 前記遮熱板体は、金属製支持基板の表面側に前記遮熱層が密着重合された2層構造とされている
    ことを特徴とする請求項1に記載の射出成形用遮熱装置。
  5. 前記遮熱板体は、金属製支持基板の表面側に前記遮熱層が密着重合された2層構造とされるとともに、前記接続座面部においては、前記金属製支持基板と前記遮熱層の2層構造の表面側に、金属製支持基板がサンドイッチ状に密着重合されてなる3層構造とされてなる
    ことを特徴とする請求項に記載の射出成形用遮熱装置。
  6. 射出成形に用いられる射出成形型の射出注入部に設けられて、射出成形型と射出成形機の射出ノズルとの間の熱伝導を遮熱するものであって、
    金属製支持基板と遮熱層との積層構造を有する遮熱板体の形態とされるとともに、前記射出成形型に対して取外し交換可能に取付固定される構造とされ、
    この遮熱板体は、少なくとも前記射出成形型の射出注入部における前記射出ノズルとの接続座面を密接被覆する形状寸法の接続座面部を有し、
    この接続座面部は、前記遮熱板体が固定手段により前記射出成形型に対して取外し交換可能に取付固定された状態において、前記射出ノズルの先端形状に対応した球面形状の遮熱接続座面を有し、
    前記遮熱板体は、2枚の金属製支持基板の間に前記遮熱層がサンドイッチ状に密着重合された3層構造とされている
    ことを特徴とする射出成形用遮熱装置
  7. 前記遮熱層は、補強用金属網板材に遮熱材が一体結合されてなる
    ことを特徴とする請求項に記載の射出成形用遮熱装置。
  8. 前記補強用金属網板材はメタルラスである
    ことを特徴とする請求項に記載の射出成形用遮熱装置。
  9. 前記2枚の金属製支持基板の一体固定構造は、一方の金属製支持基板の外周縁に設けられた固定フランジが他方の金属製支持基板の外周縁に圧入固定されてなる
    ことを特徴とする請求項に記載の射出成形用遮熱装置。
  10. 前記2枚の金属製支持基板の一体固定構造は、一方の金属製支持基板の外周縁に設けられた固定フランジが他方の金属製支持基板の外周縁に溶接固定されてなる
    ことを特徴とする請求項に記載の射出成形用遮熱装置。
  11. 前記2枚の金属製支持基板の一体固定構造は、一方の金属製支持基板の外周縁に設けられた複数の固定片が他方の金属支持基板の外周部に折曲固定されてなる
    ことを特徴とする請求項に記載の射出成形用遮熱装置。
  12. 前記2枚の金属製支持基板の一体固定構造は、一方の金属製支持基板の内側面に設けられた複数の係合凸部が、他方の金属製支持基板の内側面に前記係合凸部に対応して設けられた複数の係合凹部にそれぞれ突入して係合固定されてなる
    ことを特徴とする請求項に記載の射出成形用遮熱装置。
  13. 前記遮熱板体は、前記射出成形型に対して耐熱両面テープにより取外し交換可能に取付固定される
    ことを特徴とする請求項1に記載の射出成形用遮熱装置。
  14. 前記遮熱板体の外周縁に前記スプルーブッシュの取付けフランジ外周に弾発的に係止する取付部が一体的に設けられ、
    この取付部により、前記遮熱板体が前記スプルーブッシュに取外し可能に取付固定される
    ことを特徴とする請求項に記載の射出成形用遮熱装置。
  15. 前記取付部は、前記遮熱板体の外周縁全周に連続して設けられた環状取付部の形態とされるとともに、この環状取付部の先端縁が前記スプルーブッシュの取付けフランジ外周の環状溝部に係止する構造とされ、
    前記環状取付部により、前記スプルーブッシュの取付けフランジ外周が密接被覆されるとともに、前記遮熱板体が前記スプルーブッシュに取外し可能に取付固定される
    ことを特徴とする請求項14に記載の射出成形用遮熱装置。
  16. 射出成形に用いられる射出成形型の射出注入部を構成し、その中心部に溶融樹脂材料の流通するスプルーが貫通形成されたスプルーブッシュ本体と、前記射出成形型に対する取付けフランジとを備えてなるスプルーブッシュであって、
    前記取付けフランジの上面に、射出成形機の射出ノズルが密接に接続する接続座面が設けられるとともに、この接続座面が遮熱手段により密接被覆される構造とされ、
    この遮熱手段は、請求項1から15のいずれか一つに記載の遮熱装置により構成されている
    ことを特徴とする射出成形用スプルーブッシュ。
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