JP6031660B2 - 自己集合界面活性剤構造 - Google Patents

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Description

関連出願の相互参照
本出願は、2010年5月21日付で出願された米国特許仮出願第61/347,317号(表題「階層的および/またはマルチスケール材料の物理的閉じ込めによる自己集合」)および2010年11月19日付で出願された米国特許仮出願第61/415,761号(表題「自立性階層的自己集合フィルム」)の出願の優先権および恩恵を主張する。明細書およびその請求の範囲は、参照することによって本明細書中に組み込まれる。
本発明の実施形態は、生体模倣型マルチスケール自己集合および、種々の形状の材料、例えば、それから作製され、バッチおよび自動製造を用いて製造された膜を用いて、水分離および溶質の濃縮を可能にする。本発明の実施形態はさらに、マルチスケール自己集合の方法およびそれから作製される材料に関し、この場合、界面活性剤メソ構造は、好ましくは、同時に自己集合し、2以上の別個の表面間で物理的に閉じ込めることによって、および/または2以上の面上に物理的に閉じ込めることによって、1以上の材料と統合される。
以下の考察は、多くの刊行物を著者および出版年により引用する場合があり、最近の出版日であるために、ある刊行物は本発明と比べて先行技術とみなされないことに留意されたい。本明細書中でのそのような刊行物の考察は、より完全な予備知識のために提供されるものであり、そのような刊行物が特許資格を決定する目的で先行技術であることを容認すると解釈されるべきではない。
膜を用いて、イオン、分子、およびコロイドを分離する。例えば、限外ろ過膜を用いて、水および分子を2kダルトン以上であるコロイドから分離することができる。イオン交換膜を用いて、カチオンおよびアニオンを分離することができる。そして薄フィルム複合膜を用いて、水から塩を分離することができる。これらの膜は全て、同じ分離物理現象を使用する。特定のクラス(複数可)のイオン、分子、コロイド、および/または粒子に対する膜の透過性は、別のクラス(複数可)のイオン、分子、コロイド、および/または粒子よりもはるかに低い。例えば、限外ろ過膜は、特定のサイズの分子および粒子のクロスオーバーを防止する特定のサイズの孔を有する。この技術はサイズ排除として知られる。逆浸透膜は、分子を分離するために溶解度の差を使用する。典型的な薄フィルム複合膜では、水は塩化ナトリウムよりも3桁溶解度が高い。その結果、>100:1の水分子対塩イオンの選好性を有する材料が得られる。具体的に言うと、材料は、塩化ナトリウムの99.7%を拒絶することによって水をろ過する。
ほとんどの分離膜に関して、膜の透過性は、所定の時間で膜を通る溶媒フラックスの、膜の面積および膜に加えられる圧力に対する比として定義される。下記は、膜を通るフラックスを支配する式である
フラックス=P×(ΔP−Δπ)
(式中、ΔPは膜にかかる圧力であり、Δπは膜にかかる浸透圧であり、Pは膜透過性である)。膜の透過性は膜構造パラメータの関数である。構造パラメータは
であり、式中、Sは構造パラメータであり、τはねじれであり、tは厚さであり、εは膜の多孔率である。ねじれは、材料を通る2点間の距離の、その2点間の最短距離に対する比として定義される。構造パラメータは膜の透過性に比例するので、ねじれは透過性に比例する。
分離用膜は、多くの形状で用いられる。逆浸透(RO)および正浸透(FO)適用に関して、それらは多くの場合、中空コアのまわりに膜が巻き付けられた渦巻き構造に構成される。水はコアから膜エンベロープ中に流れ、次いでコアに戻る。圧力遅延浸透(PRO)では、膜は渦巻き形状でもあり得る。PROでは、水は圧力下で膜エンベロープ中に流入し、膜にかかる浸透勾配がさらに多くの水を膜エンベロープ中に引き入れる。RO、FO、およびPRO用の膜は、中空糸として構成することもできる。中空糸では、中空多孔性円筒膜が製造される。水は膜表面に対して接線方向に流れ、繊維中の孔が分離を可能にする。膜はまた、典型的には、タンパク質、ウイルス、細菌、糖、および他の生物材料の濃縮用のカートリッジとして製造することもできる。これらの膜は、溶質の容易な濃縮を可能にするカセットで提供することができる。
塩素アルカリプロセス、電池および燃料電池について、アノードおよびカソードは電解質によって分離される。この電解質はカチオンまたはアニオンを伝導し、電子、アノード液、および/またはカソード液をブロックする。いくつかの装置では、電解質はイオン交換膜である。典型的には、イオン交換膜は、カチオンまたはアニオンのいずれかの通過を許容するが、両方の通過は許容しない。イオン交換膜は、一価および二価イオンの両方または一価イオンだけのいずれかの通過を許容するように構成することができる。望ましくない溶質の電解質を越える輸送は、膜クロスオーバーとして知られる。膜クロスオーバーは、アノードおよび/またはカソードで過電圧を形成し、電池の電流効率を低下させる。膜クロスオーバーは、直接メタノール型燃料電池、直接エタノール型燃料電池、バナジウムレドックス電池、鉄クロム電池、フロー電池などのような多くの装置における限定因子である。
生物学では、水は、脂質と呼ばれる一種の界面活性剤を水中で自己集合させて、細胞中で拡散バリヤとして機能する脂質二重層を形成する。モデル細胞膜の水および種々の低分子量溶質に対する透過性が測定されている。脂質二重層の選択性の典型的な測定は、浸透作用(正浸透としても知られる)を用いて水性懸濁液中で実施される。さらに、これらの実験の結果は、脂質二重層が、市販の浸透(正浸透としても知られる)膜よりも大きな透過性を有することを示す。モデル細胞膜は、水によって自己集合してベシクルと呼ばれる構造になるリン脂質である。リン脂質は、親水性頭基および2つの疎水性脂肪酸尾部を有する。ベシクルは、直径30nm〜20,000nmの球状中空脂質二重層である。脂質二重層は、ベシクル内に含まれる水の体積に対して物理的バリヤを形成する。典型的な透過性実験は2つのステップから構成される。第1ステップは、ベシクルを含有する水溶液中の溶質の浸透強度を変えることである。第2ステップは、ベシクル中へ、またはベシクルからの、脂質二重層を越える溶質および/または溶媒の拡散を測定することである。この実験は、高濃度の塩水溶液を用いて膜を通して水が抽出される、正浸透の工業的プロセスに類似している。
これらの実験の結果は、二重層の疎水性コアが種々の低分子量化合物を分離することを示す。1つのメカニズムは、二重層中の脂質と二重層の疎水性コアとの間の間隙によって形成されるナノメートル以下の孔が、水、プロトン、100以下の分子量の非荷電有機物、およびイオンについてこの順での優先的選択を可能にすることである。さらに、二重層の分子構造のばらつきは、水およびプロトンの予想されるよりも速い輸送を可能にする。さらに、これらの実験は、使用される脂質の化学的構造による選択性に対する制御を示した。特に、脂質二重層の分離特性は、脂質の脂肪酸尾部の長さに依存する。
本発明の実施形態は、多孔性支持体の表面に結合した、安定化された界面活性剤メソ構造を含む膜を含む。安定化された界面活性剤メソ構造は、好ましくは、界面活性剤分子の配列を保存する材料で安定化される。材料は場合によって多孔性であり、安定化された界面活性剤メソ構造は、場合によって、多孔性材料を含むラメラと交互になったラメラを含む。あるいは、材料は場合によって無孔性であり、安定化された界面活性剤メソ構造は、場合によって、円状に配置された界面活性剤分子を含む六角形に充填されたカラムを含み、カラムのそれぞれは、実質的に、無孔性材料によって囲まれている。膜は、好ましくは、安定化された界面活性剤メソ構造中の界面活性剤と表面との間の水素結合ネットワークを保存するために、安定化された界面活性剤メソ構造と表面との間に配置された材料をさらに含む。材料は、好ましくは、シラン、有機物、無機物、金属、金属酸化物、アルキルシラン、カルシウム、およびシリカからなる群から選択される材料を含む。表面は、好ましくは安定化された界面活性剤メソ構造を表面上に結合させる前に、酸化され、融解され、そして再凝固される。そのような場合、再凝固表面での平均孔サイズは、好ましくは多孔性支持体のバルクにおける平均孔サイズよりも小さい。多孔性支持体の孔サイズは、好ましくは、安定化された界面活性剤メソ構造に対して前駆体溶液が、安定化された界面活性剤メソ構造の形成前に支持体を完全に透過することを防ぐために十分小さい。膜は場合によって、多孔性支持体を機械的または化学的に安定化させるために、表面から反対の多孔性支持体の側に配置されたさらなる多孔性構造をさらに含む。安定化された界面活性剤メソ構造は、場合によってトランスポーターを含む。膜は、場合によって第2の多孔性支持体を含み、この場合、安定化された界面活性剤メソ構造が多孔性支持体と第2の多孔性支持体との間に挟まれている。膜は、好ましくは約1.09未満のねじれを含む。安定化された界面活性剤メソ構造は、好ましくは、約0.3オングストローム〜約4nmの孔サイズを含む。膜は、好ましくは、約1%より大きい多孔性を含む。多孔性支持体は、好ましくはプラスチックおよび/またはセルロースを含む。多孔性支持体は、好ましくは、安定化された界面活性剤メソ構造を機械的に安定化させる。膜は場合によって、表面とは反対の多孔性支持体の側に結合した、第2の安定化された界面活性剤メソ構造をさらに含む。膜には、場合によって、他の同じ膜が積み重ねられ、それによって多層膜を形成する。安定化された界面活性剤メソ構造の表面は、場合によって修飾されている。膜は、場合によってイオン交換膜および/またはガス拡散層を含み、この膜は、膜電極集合体または電解質を含む。
本発明の別の実施形態は、膜を産生する方法であって、この方法は、多孔性支持体の表面を修飾することと、修飾された表面を第1溶媒で湿らせることと、湿らせた表面上に、少なくとも1つの界面活性剤および少なくとも1つの第2溶媒を含む溶液を配置することであって、少なくとも1つの界面活性剤は溶液中の分散相中にある、配置することと、2以上の拘束面間に溶液を閉じ込めることと、1以上の界面活性剤を安定化させて、多孔性支持体の表面上に安定化された界面活性剤メソ構造を形成することとを含む。第1溶媒および/または第2溶媒は、好ましくは水を含む。溶液は場合によって、前駆体溶質および/またはトランスポーターをさらに含む。溶液を配置し、溶液を閉じ込めることは、場合によって、実質的に同時に実施される。溶液を閉じ込めることは、好ましくは、多孔性支持体の表面と少なくとも1つの第2の表面との間に溶液を閉じ込めることを含む。少なくとも1つの第2表面は、好ましくは、溝側壁、ローラー、および刃先からなる群から選択される。表面の修飾は、好ましくは、表面官能化、表面グラフト、共有表面修飾、表面吸着、表面酸化、表面アブレーション、表面リンス、表面上に材料を堆積させること(この材料は、シラン、有機物、無機物、金属、金属酸化物、アルキルシラン、カルシウム、およびシリカからなる群から選択され、安定化された界面活性剤メソ構造中の界面活性剤と表面との間の水素結合ネットワークを保存する)、ならびに表面の酸化、融解および再凝固、ならびにそれらの組み合わせからなる群から選択される作用を含む。方法は、好ましくは、大量生産コーティングプロセスの一部として実施される。方法は、好ましくは、安定化された界面活性剤メソ構造の厚さを制御することをさらに含む。溶液は、場合によって、酸、塩基または親水性化合物を含まない。少なくとも1つの界面活性剤は、好ましくは、溶液が表面上に配置された後に溶液から除去されない。方法は、場合によって、多孔性支持体の両側で実施される。方法は、場合によって、安定化された界面活性剤メソ構造の表面の修飾、好ましくは表面官能化の使用、安定化された界面活性剤メソ構造の表面の疎水性の変更、および/または安定化された界面活性剤メソ構造の表面のメチル化をさらに含む。方法を繰り返して、多層膜を形成することができる。多孔性支持体は、好ましくは、プラスチックおよび/またはセルロースを含む。方法は、場合によって、安定化された界面活性剤メソ構造の表面上に第2の多孔性支持体を配置し、それによって多孔性支持体と第2の多孔性支持体との間に安定化された界面活性剤メソ構造を挟むことをさらに含む。
本発明の別の実施形態は、20℃で10wt%のNaClのドロー溶液濃度について約15LM−2−1以上の透過性を含む正浸透膜である。透過性は、好ましくは、20℃で10wt%NaClのドロー溶液濃度について約20LM−2−1以上であり、なお一層好ましくは20℃で10wt%NaClのドロー溶液濃度については約60LM−2−1以上である。正浸透膜は、好ましくは約96%以上のNaClの拒絶を含む。正浸透膜は、好ましくは1以上の界面活性剤を含む。
本発明の別の実施形態は、分離を実施するための装置であり、この装置は、1以上の界面活性剤を含む活性層を含む。活性層は、好ましくは1以上のトランスポーターを含む。装置は、好ましくは、正浸透膜またはモジュール、逆浸透膜またはモジュール、圧力遅延浸透膜またはモジュール、中空糸膜、渦巻き膜またはモジュール、カートリッジ、タンジェンシャル・フロー・フィルター(TFF)カートリッジ、プレートおよびフレームモジュール、管膜、ならびにバッグからなる群から選択される。装置は、好ましくは、両面が1以上の界面活性剤でコーティングされた多孔性支持体を含む。1以上の界面活性剤は、好ましくは、1以上の多孔性支持体上で機械的に安定化された膜を形成する。
本発明の目的、利点および新規特徴、ならびにさらなる適用範囲は、添付の図面とあわせて以下の詳細な説明で一部記載され、また一部は以下の考察により当業者には明らかになるか、または本発明の実施によってわかる可能性がある。本発明の目的および利点は、添付の請求の範囲で特に指摘された手段および組み合わせによって実現することができ、達成することができる。
定義
明細書および請求の範囲全体にわたって用いられる場合、以下の用語は次のように定義される。
「両親媒性」は、溶媒選択性ドメインおよび溶媒排除ドメインの両方を有する分子を意味する。
「親水性」は、水選択性を意味する。親水性化合物および表面は、高い表面張力を有する。
「疎水性」は、撥水性を意味する。疎水性化合物および表面は、低い表面張力を有する。
「界面活性剤」は、親水性である少なくとも1つのドメインと、疎水性である少なくとも1つのドメインとを有する両親媒性物質の一種を意味する。界面活性剤と機能するように操作された系は、全ての両親媒性物質と機能する可能性が高い。
「リン脂質」は、細胞膜の大部分の構成成分を意味する。これらの分子は水中で自己集合してベシクルになり、低表面張力溶媒中では分散相中に存在する。
「ラメラ」は、多重層または二重層を含むことを意味する。
「中間相」は、1以上の溶媒と1以上の界面活性剤との間の相互作用によって形成される界面活性剤液晶構造を意味する。
「ミセル相」は、界面活性剤の疎水性ドメインがミセル内部のバルク溶液から隠されている界面活性剤の球状相を意味する。
「臨界ミセル濃度」は、それより高いと界面活性剤が整列してミセルになる濃度を意味する。
「六方晶相」は、界面活性剤の円柱の二次元六角形配置であって、界面活性剤の疎水性ドメインが円筒の内部にある物を意味する。
「逆」は、親水性ドメインが構造の内部上にある界面活性剤構造を意味する。例えば、油中の界面活性剤は、親水性頭部がミセル内部のバルク溶液から隠されている、逆ミセルを形成する。
「安定化界面活性剤メソ構造」は、溶媒の除去後にその構造を維持する中間相を意味する。
「自己集合界面活性剤薄フィルム」は、典型的には厚さが10ミクロン以下のフィルムであり、このフィルムの1成分が中間相である物を意味する。
「生体模倣型膜」は、トランスポーターを含む単一のリン脂質二重層を意味する。
「生体模倣型界面活性剤ナノ構造(「BSNS」)」は、多孔性支持体上で集合された、トランスポーターを含むかまたは含まないラメラ安定化界面活性剤メソ構造を意味する。
「トランスポーター」は、特定の種類のイオン、分子、分子の複合体、生物学的構造、および/またはコロイド粒子の輸送速度を調節する、分子、分子の複合体、構造、タンパク質、ゼオライト、イオンチャネル、膜タンパク質、カーボンナノチューブ、シクロデキストリン、または任意の他の構造を意味する。
「自立性」とは、フィルムの両面が溶液にアドレス可能であり、フィルムが必ずしも物理的バリヤによって閉じ込められるわけではない界面活性剤鋳造薄フィルムを意味する。
「支持された」とは、第2の材料が第1の材料に対して、その機能の全てを排除することなく機械的安定性を付与するように、第2の材料上で材料が組み立てられていることを意味する。
「中空糸膜」とは、中空多孔性円筒状構造を意味する。この材料は、多孔性であること以外ワラと類似している。この材料は、典型的には水分離のために用いられる。
「膜/半透膜」は、特定の種類のイオン、分子、タンパク質、酵素、ウイルス、細胞、コロイド、および/または粒子を他のクラスから分離するために用いられる材料を意味する。
「機械的バッキング」とは、第2の材料の機械的安定性を増大させるために用いられる固体または多孔性支持体を意味する。
「濃度分極」とは、ろ過の間、膜の表面での化合物の局所濃度が化合物のバルク濃度と異なることを意味する。
「逆浸透」は、塩および水を分離するために圧力を使用するプロセスを意味する。
「正浸透」は、水フラックスを形成するために浸透勾配を使用するプロセスを意味する。
「圧力遅延浸透」とは、正浸透からエネルギーを得るために、浸透勾配および圧力を使用するプロセスを意味する。
「膜クロスオーバー」とは、望ましくない分子またはイオン種の電解質を越える輸送を意味する。
「過電圧」とは、電気化学的半電池の電位の理論的に予想される値からの減少を意味する。膜クロスオーバーは、電気化学的半電池の過電圧の原因である可能性がある。
材料調製法の定義
以下の方法を用いて、界面活性剤鋳造ゾル・ゲル薄フィルムの集合体のための表面を調製した。各材料を水、エタノール中でリンスし、次いでさらなる調製の前に乾燥した。全ての材料は使用前に水中で保管した。UV光源は、UVPから得られるオゾン産生ペンランプであった。
「リンスオンリー」−材料をリンス後にさらに処理しなかった。
「UVクリーン」−材料をペンランプからのオゾン産生UV光に1分を超えて露光した。処理後、材料を水中で保存した。
「UVクリーンネット」−材料をペンランプからのオゾン産生UV光に1分を超えて露光した。処理後、材料を水中で保存した。自己集合溶液堆積前に、微小孔性メッシュを物理的閉じ込め細胞において固体表面と膜との間に配置した。
「H2O2ボイル」−材料を熱(>20℃)過酸化水素中で1時間リンスした。
「H2O2ボイルTEOS」−材料を熱(>20℃)過酸化水素中で1時間リンスした。次いで材料をストックシリカ溶液中に浸漬し、少なくとも3時間空気乾燥させ、そして最後に>80℃で3時間を超えて硬化させた。
「UV TEOS」−材料をペンランプからのオゾン産生UV光に1分を超えて露光した。次いで、材料をストックシリカ溶液中に浸漬し、少なくとも3時間空気乾燥させ、そして最後に>80℃で3時間以上硬化させた。
界面活性剤メソ構造
界面活性剤メソ構造を本発明の実施形態による分離のために用いることができる。界面活性剤メソ構造を用いた分離のための少なくとも3つの独立したメカニズムがある。第1の物は、メソ構造中の界面活性剤間の間隙を使用することを含む。間隙は、これらに限定される物ではないが、低ねじれ、調節可能な孔サイズ、調節可能な表面電荷、および非極性または極性孔のいずれかを含む、分離のためのいくつかの利点を有する。さらに、メソ構造中の界面活性剤の厚さは、制御が容易である。第2のメカニズムは、欠陥を通る分子輸送であり、薄フィルムにおける選択性を可能にする。これらの欠陥は、分子レベル(例えば、欠失分子または適合不良分子)および/または巨視的レベル(例えば、堆積中の湿潤不安定性に由来する)であり得る。第3のメカニズムは、界面活性剤メソ構造が形成中に溶媒を封入することにより孔自体を形成できることである。形成後、溶媒を除去して、輸送を可能にすることができるか、または、生物学における水ワイヤと同様に、残留して、輸送を可能にすることができる。本発明のこの実施形態は生物学的(例えば、細胞)膜によって着想されるが、好ましくは生体模倣型膜を含まない。なぜなら、本発明は自己集合界面活性剤薄フィルムを安定化させ、それらを装置と統合するために材料ナノサイエンスを必要とするからである。本発明のこの実施形態はまた、好ましくは界面活性剤鋳造ゾル・ゲル材料ではない。なぜなら、好ましくは、望ましいゾル・ゲル構造を作製するために界面活性剤を用いるよりもむしろ、化合物を分離するために界面活性剤メソ構造の物理的特性を使用するからである。換言すれば、本発明の実施形態は、好ましくは、安定化された界面活性剤メソ構造の構造を形成するために、界面活性剤を利用し、無機ゾル・ゲル構造、例えばシリカまたは二酸化チタンを利用しない。本発明の実施形態は、浸透作用を含むが、これに限定されない分離のための、脂質二重層を含むがこれに限定されない安定化された界面活性剤メソ構造を含む。
安定化された界面活性剤メソ構造の望ましい透過性および分離能力は、本発明の実施形態の最も単純なクラス、すなわち、ラメラ相に集合した界面活性剤の一次元結晶に関連する。このクラス内の1つの具体的な実施形態は、脂質二重層のz次元ラメラである。脂質二重層は、脂質尾部から構成される油相中の分子のエネルギー損失を用いて、溶解度バリヤを形成し、膜を越える輸送を制限する。このメカニズムは、溶解度拡散モデルによってモデル化することができる。水およびプロトンは、図1に示すように、膜中に形成される自然発生孔を通って膜を越えて移動する。図1Aは、ラメラ二重層界面活性剤構造の垂直断面図である。界面活性剤の親水性ドメインを点描された灰色丸によって表す。界面活性剤の疎水性ドメインを2本の点描された黒色の線で表す。矢印は界面活性剤間の分子の経路を示す。図1Bは、ラメラ二重層界面活性剤構造の上面図である。点描された灰色の円は、界面活性剤を表す。黒い点は、構造を通る輸送を可能にする界面活性剤間の間隙を表す。
この実施形態は、イオンチャネルおよび/または別のトランスポーターが界面活性剤内に含まれる、古典的な生体模倣型膜と異なる。それらの系では、膜を越える輸送は、チャネルまたはトランスポーターの機能である。本発明のこの実施形態は、トランスポーターまたはイオンチャネルを含まない膜である。あるいは、本発明の他の実施形態は、1以上のトランスポーターを含み得るが、好ましくは多層であり、したがって生体模倣型膜でない。
X線回折測定によって、脂質の直径は7.189Åであることが確認されている。平面中の脂質が局所的に最密であり、円として表すことができると仮定すると、脂質間に内接する円の直径は1.112Åである。参考として、結合長さは、典型的には約1.0Å〜約2.5Åである。これにより、界面活性剤が原子レベルでサイズ排除分離をおこなうことが可能になる。このクラスの実施形態では、X線実験により、1つの二重層の2面間の距離は約42.00Åであることが示された。1つの二重層を通る分子の最大/最小経路長は約45.59Å/42.00Åである。最大経路長は、1つの層の脂質が他の脂質層の間隙上にある場合に起こる。したがって、1つの二重層のねじれは、約1.09〜1.00である。自己集合中間相について最小の場合では、材料のねじれは1.00であり、当然、可能な最小のねじれである。本発明の膜のねじれは、好ましくは1つの脂質二重層のねじれにほぼ近い。これによって、本発明の膜が好ましくは0.5mm未満、さらに好ましくは約0.1mm未満の構造パラメータを有することが可能になる。材料科学技術は、好ましくは、z次元ラメラの数を1から数千までに制御する。ゾル・ゲル層の水輸送に対する効果は無視できる。なぜなら、有孔率が高く、厚さが数分子であり、ねじれが1に近いからである。
実施形態のラメラクラスにおいて、ラメラの多孔性は、異なるサイズおよび形状の界面活性剤ならびに界面活性剤の混合物を使用することによって制御できる。例えば、界面活性剤間の間隙孔の直径は、界面活性剤が円形面としてモデル化される場合に、界面活性剤の直径の15.5%である。例えば、単鎖界面活性剤は脂質よりも小さな面内面積を有する。結果として、さらに小さな孔を含む膜が得られる。1つの実施形態において、脂質二重層のラメラを、本発明に含まれる様々な方法を用いて微小孔性支持体上で組み立てた。予想されるように、現行の正浸透膜と比べた場合、安定化された界面活性剤メソ構造は水に対してより高い透過性を有する。この実施形態では、界面活性剤はラメラ相中にある。この実施形態を後でさらに詳細に記載する。この実験の結果を表1にまとめる。以上のように、本発明の実施形態の安定化された界面活性剤メソ構造の透過性は、典型的な市販のFO膜よりも約5倍大きい。したがって、本発明は、20℃で10wt%NaClのドロー溶液濃度について、15LM−2−1超、さらに好ましくは20LM−2−1超、なお一層好ましくは60LM−2−1超の透過性を有し得る。さらに、これらの膜について、NaClの拒絶は、約96%超であった。
細胞では、外圧を使用することなく細胞の内外で選択的輸送を可能にするために脂質膜を使用する。下記は、実験的に測定された脂質二重層を越える水(表2)、イオン(表2)および小分子(表3)の透過性のまとめである。イオンチャネルなしで、水は他のイオンおよび分子よりも速く脂質二重層を透過する。グラミシジンがあれば、イオンチャネル、水および一価イオン透過性は増大し、その結果、分子からの水の分離効率が増強され、一価イオンからの水の選択性が減少する。グラミシジンを含有する膜の透過性を、脂質二重層中10%の密度でグラミシジンのフラックス(ml/分)から計算した。計算のために、脂質(溶媒)あたりの面積、0.596nmあたり1分子を、グラミシジン(溶質)あたりの面積の代わりに使用した。グラミシジンの面積は、二重層中の分子の10%として計算して10%であった。グラミシジン含有膜を通したカリウムの透過性は、8:1の水対カリウムイオン化学量論を仮定することによって計算した。ナトリウム輸送は、0.338の周知のナトリウム対カリウム伝導率を用いたカリウム輸送から計算した。
異なるトランスポーターを場合によって使用して、選択性を変えることができる。対象のトランスポーターとしては、速い水透過のためのアクアポリン、そのいくつかは水透過性を増大させる化学的に修飾された天然のチャネル(例えば、デスホルミルグラミシジン)、および/またはそのいくつかは特定のイオンおよび/または分子についての選択性に影響を及ぼす化学的に修飾された天然のチャネル(例えば、修飾されたアルファヘモリシン)が挙げられるが、これらに限定される物ではない。アクアポリンおよびデスホルミルグラミシジンは、グラミシジンAと比べて100倍以上増加した水フラックスを有する。水対他の溶質の透過性における差は、脂質二重層を分離、特に低圧適用について理想的にする。
別のクラスの本発明の実施形態において、安定化された界面活性剤メソ構造は、六方晶相または逆六方晶相のいずれかにある。六方晶相では、界面活性剤は自己集合して、界面活性剤の疎水性ドメインが円筒間の親水性間隙から隠されている円筒の六角形格子になる。この構造を、図2で示す様に、分離のために使用することができる。界面活性剤の親水性ドメインは、点描された灰色丸によって表される。界面活性剤の疎水性ドメインは点描された黒線で表される。図2Aは、六方晶相の六角形充填の上面図である。図2Bは、最密形状で編成された界面活性剤の六方晶相の側断面図である。図2Aおよび図2Bのどちらにおいても、クロスハッチされた部分は、好ましくは固体無孔性安定化材料、例えばシリカ、有機ポリマー、または重合性基をメソ構造の界面活性剤の一部または全部の上に含む。図2Cは、六方晶相中の1つの界面活性剤円筒の上面図である。矢印は界面活性剤間の分子の経路を示す。材料の集合中に、疎水性分子を円筒内で溶媒和させることができる。集合後、それらは残存し得るか、または除去され得る。どちらの方法も、材料を通した輸送を可能にする。図2Dは、六方晶相中の1つの円筒の側断面図である。矢印は界面活性剤間の分子の経路を示す。
逆六方晶相では、それらは自己集合して、界面活性剤の界面活性剤親水性ドメインが内側に向き、界面活性剤疎水性ドメインが円筒から疎水性間隙へ外側に向いている円筒の六角形格子になる。この相は、図3に示される様に、分離のために用いることもできる。界面活性剤の親水性ドメインは、点描された灰色丸で表される。界面活性剤の疎水性ドメインは、点描された黒色の線で表される。図3Aは、逆六方晶相における円筒の六角形充填の上面図である。図3Bは、最密形状で編成された界面活性剤の逆六方晶相の側断面図である。図3Aおよび図3Bの両方で、クロスハッチされた部分は、好ましくは、固体無孔性安定化材料、例えば、シリカ、有機ポリマー、または重合性基をメソ構造中の界面活性剤の一部または全部の上に含む。図3Cは、逆六方晶相における1つの界面活性剤円筒の上面図である。矢印は界面活性剤間の分子の経路を示す。材料の集合中に、親水性分子を円筒内で溶媒和させることができる。集合後、それらは残留する可能性があるか、または除去される可能性がある。どちらの方法も、材料を通る輸送を可能にする。図3Dは、逆六方晶相における1つの円筒の側断面図である。矢印は、界面活性剤円筒を通る分子の経路を示す。六角形および逆六角形構造はどちらも、六角形円筒の内側を用いた分子の分離を可能にする。六角形円筒内の孔のサイズは、少なくとも2つのメカニズムによって制御することができる。第1のメカニズムは、第1のメカニズムは、構造を形成するための界面活性剤(複数可)の選択である。界面活性剤は、逆六方晶相または六方晶相それぞれについて、親水性界面活性剤頭部または疎水性界面活性剤尾部間の間隙において孔を形成するために完全に充填することはできない。不完全な充填のモデルとして、臭化セトリモニウム(CTAB)ミセルは直径がほぼ50Åであるが、個々の分子の長さはほぼ20Åである。このことは、直径10Åほどの大きさの分子がミセルをちょうど通り抜けることができることを示唆する。六方晶相における界面活性剤円筒のスライスは二次元ミセルであるので、3次元ミセル、10Åと同じ多孔性を有する。それらの分子の例としては、直線状分子、例えば限定されるわけではないが、アルカン、アルケン、アルキレン、エーテル、およびエステルが挙げられる。なぜなら、末端メチル基は、ほぼ3.14Åの直径を有するからである。1つの実施形態において、疎水性ドメインの不十分な充填は、大親水性ドメインまたは大および/もしくは分枝疎水性ドメインを有する1以上の界面活性剤を用いて形成することができる。
六角形円筒内の孔のサイズを制御するための第2のメカニズムは、自己集合中に溶液を溶媒和する構造(六角形および逆六角形の両方)内の円筒である。自己集合後に溶液を抽出してもよいし、または抽出しなくてもよい。溶媒を抽出するための簡単な方法には、蒸発または集合後のリンスが含まれるが、これらに限定される物ではない。溶液の量および化学組成は、円筒内の孔を規定する。六方晶相メソ構造について、疎水性溶液は六角形円筒の内部で溶媒和される。疎水性溶液の例は、アルカン、エステルおよびエーテルである。逆六方晶相メソ構造について、親水溶液は、六角形円筒の内部で溶媒和される。親水溶液の例は、水、グリセロール、エチレングリコールおよび他の高表面張力溶媒および任意の付随する溶質である。
1つの界面活性剤または界面活性剤の組み合わせを選択して、界面活性剤メソ構造の選択性を操作することができる。例えば、リン脂質の鎖長は、膜を越える輸送を調節することが示されている。同様に、コレステロールは、生物学的膜の構造に影響を及ぼすことが知られている。例えば、単鎖カチオン性界面活性剤(例えば、CTAB)およびアニオン性界面活性剤(例えば、ドデシル硫酸ナトリウム)の1モル対1モル混合物は、密接に充填されたラメラ構造を形成するであろう。なぜなら、全頭基の充填のエンタルピー的ペナルティーは、電荷バランスのために減少するからである。結果として、脂質と比較すると、ラメラ層内でより密接な界面活性剤の充填が起こる。あるいは、頭部基が同じ荷電を有する単一の界面活性剤または界面活性剤の混合物を用いることができる。結果は、ラメラ層内で、脂質と比べてよりルーズな界面活性剤の充填となる。界面活性剤のサイズミスマッチはさらに、充填に影響を及ぼすために用いることもできる。例えば、1つの界面活性剤(例えば、ジミリストイルホスファチジルコリン)は、他の界面活性剤(例えば、CTAB)の2倍の面積を有する可能性がある。結果として得られる構造は、分子の不完全なサイズのために最密構造を達成することができない可能性がある。非最密構造の結果は、脂質と比べて、界面活性剤間のより大きな間隙孔サイズであり、より大きなフラックスおよびより低い選択性を可能にする。限定されるわけではないが、構造中の界面活性剤の直径の比、界面活性剤のそれぞれの相対的濃度、界面活性剤の代表的な円錐形状、温度、および構造の集合体の熱力学をはじめとする多くの因子が最終界面活性剤メソ構造に影響を及ぼす。例えば、脂質の充填密度は、コレステロールを含めることによって、調節される。コレステロールは、二重層の間隙中にある平面状分子であって、分子間の間隙空間を減少させる。結果は、脂質と比較して、ラメラ層内のより密接な界面活性剤の充填である。
本発明の実施形態は、界面活性剤ナノ構造において巨視的欠陥を作製する方法を含む。このクラスの実施形態において、欠陥は、集合プロセスの間にナノ構造で作製される。1つの実施形態において、フィルムはあまりに急速に堆積され、湿潤不安定性のためにストライプ状欠陥を形成する。これらの欠陥のサイズは、どこでも約1nm〜約10,000nmであり得る。
本発明の実施形態は、分離を実施するための、ラメラ、六角形、および逆六角形中間相以外の界面活性剤中間相の使用を含む。単一の界面活性剤は、ラメラ相、六方晶相、立方相、逆立方相、管状相、およびミセル相を含むが、これらに限定されない複数の相を形成することができる。界面活性剤は、円錐の断面として表すことができる。界面活性剤は、パイピース、くさび、および円筒のような形状を有する。使用される界面活性剤(複数可)の形状および濃度は、相の形状に直接影響を及ぼす。さらに、界面活性剤の混合物は、界面活性剤が特定の相に分割されるように選択することができる。例えば、コレステロールは優先的に飽和脂質相に分割され、そして逆円錐界面活性剤(例えば、ジデシルジメチルアンモニウムブロミドおよびジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン)は優先的に立方相に分割される。これらの混合物の選択の結果、独特の形状および構造を得ることができる。結果として得られる界面活性剤相は、ラメラ、管状、無秩序、立方、逆立方、または任意の他の形状であり得る。界面活性剤は、多くの技術によって安定化させることができる。ゾル・ゲル化学を用いて界面活性剤を安定化させることができる。安定化化学物質には、化学前駆体から形成されるシリカ、アルミナ、およびチタニアが含まれる。前駆体はアルコキシ前駆体であり得る。例えば、テトラエチルオルトシリケート(TEOS)は、シリカの前駆体である。界面活性剤はさらに、界面活性剤に結合した重合基によっても安定化させることができる。例えば、エポキシ基を含む界面活性剤を架橋させて、メソ構造を安定化させることができる。
本発明のこの実施形態は、好ましくは界面活性剤鋳造ゾル・ゲル材料ではない。界面活性剤鋳造ゾル・ゲル材料は、界面活性剤液晶中間相を使用して、所望のナノ構造の逆レプリカを作製する。界面活性剤鋳造材料で、界面活性剤は、典型的には400℃での焼成によって除去される。大きなクラスの材料(例えば、プラスチック)は、界面活性剤を除去するために必要な抽出プロトコルによって破壊および/または損傷される。その代わりに、この実施形態は、好ましくは保持された界面活性剤中間相を活性層として使用して、分離を可能にする。構造はもはや、界面活性剤を除去するために高温、積極的な溶媒抽出、および/または酸化ステップを必要とせず、本発明の実施形態の材料をプラスチックと併用することを可能にする。
本発明のこの実施形態は、好ましくは自己集合界面活性剤薄フィルムを作製するために独特な方法を使用する。典型的な界面活性剤鋳造ゾル・ゲル法は、1つの疎水性化合物、1つの親水性化合物、界面活性剤および水とアルコールとの混合物を溶媒として必要とする。疎水性化合物は、典型的には、金属前駆体、すなわち、テトラエチルオルトシリケート(TEOS)を含む。親水性化合物は、典型的には、酸または塩基である。対照的に、本発明の実施形態において、親水性化合物の使用は、自己集合界面活性剤薄フィルムまたは安定化された界面活性剤メソ構造を形成するために必要とされない。
自立性界面活性剤鋳造薄フィルム
自己集合界面活性剤薄フィルムは、多孔性フィルム上で集合することが困難である。自己集合の課題は、秩序状態と無秩序状態との間のエネルギー差が最大でも約4.0〜5.0kcal/mol、つまり水素結合のエネルギーであることである。比較のために、炭素−炭素二重結合におけるパイ結合(多くのポリマー反応で用いられる結合)は、63.5kcal/molを含む。したがって、集合の熱力学における差異は、最終構造の形成の劇的に影響を及ぼす。例えば、3ケルビンは、生成エンタルピーの1パーセントである。さらなる課題は、材料が溶液相で集合されることである。これは、多孔性材料を使用する場合に課題を提示する。なぜなら、溶液が材料に浸透するからである。一旦溶液が多孔性媒体に浸透すると、界面活性剤の自己集合は破壊される可能性がある。本発明の実施形態は、界面活性剤中間相の集合体を局所化して、それらの破壊を防止する方法、表面を化学的に調製および/または修飾して、所望の材料上での界面活性剤中間相の作製を可能にする方法、ならびに界面活性剤中間相の集合体を可能にして、限定されるわけではないが分離を含むあらゆる用途のために望ましい構造および材料を作製する方法を含む。
本発明の実施形態は分離のための安定化された界面活性剤メソ構造の使用を含むが、本発明で記載されるメカニズム、方法、および適用は、生体模倣型薄フィルム、界面活性剤鋳造ゾル・ゲル材料、ハイブリッド生体模倣型ゾル・ゲル材料、ゾル・ゲル鋳造薄フィルム、およびブロックコポリマーをはじめとするあらゆる自己集合界面活性剤薄フィルムに適用可能である。以下は、他の適用可能な自己集合薄フィルム化学の説明である。
本発明の実施形態は、2以上の慎重な表面および/または2面以上での物理的閉じ込めにおいて溶液からの界面活性剤鋳造ナノ構造の自己集合を含み、好ましくは界面活性剤鋳造ナノ構造の1以上の特性を含む独特のクラスの材料の作製を可能にする。界面活性剤鋳造ナノ構造例は、Brinkerら(米国特許第6,264,741号)およびその中の参考文献によって記載されている物と類似した鋳造溶液の物理的閉じ込めによる自己集合であり得る。溶液は、典型的には、少なくとも1つの疎水性化合物、1つの親水性化合物、および少なくとも1つの両親媒性界面活性剤を含む。古典的には、溶媒が除去されるにつれ、溶液は界面活性剤の臨界ミセル濃度を超えて、物理的に閉じ込められた体積中でナノ構造の形成を誘発する可能性がある。溶液は、外部電磁場、温度、および/または老化によって誘発される開始剤を含み得る。形成後、材料を洗浄して、過剰の溶液を除去するか、または界面活性剤を抽出することができる。界面活性剤は、焼成によって除去することもできる。換言すれば、溶媒が蒸発するにつれ、シリカが界面活性剤構造のまわりに凝結して、界面活性剤相の3次元逆レプリカを産生する。この方法は、孔サイズが制御されることを可能にし、これは分離のために特に有用である。
生物界面活性剤(例えば、リン脂質)によって形成される構造(例えば、米国特許公開第2007/0269662を参照のこと)を、ラメラ相中で産生して、輸送をブロックすることができるか、またはイオンチャネルなどの輸送調節分子を組み入れることによって産生して、典型的には界面活性剤を除去することなく、材料の孔を規定することができる。この構造は生体模倣型界面活性剤ナノ構造(「BSNS」)であり、これはすでに記載した界面活性剤鋳造ナノ構造に類似した界面活性剤で規定された構造を有し、そして場合によって膜を越える輸送を能動的または受動的に調節する構造(「トランスポーター」)を部分的または完全に溶媒和する界面活性剤相のさらなる機能を含む。これらのフィルムを電気化学電池の成分と結合させるか、または電解質として結合させて電気化学電池にすることによって、それらは水性分子および/またはイオンの「クロスオーバー」を低減する可能性を有する。Nafion膜間にこれらのフィルムを集合させることによって、自立性界面活性剤鋳造膜を作製することができる。多くの分子、巨大分子集合体、ポリマー、タンパク質などは溶媒和され、脂質二重層中でトランスポーターとして作用することができる。タンパク質、膜タンパク質およびイオンチャネルを精製するために用いられる界面活性剤をはじめとする、天然脂質を含むが、これに限定されない任意の界面活性剤(複数可)を用いることができる。この方法の単純な性質のために、商業的製造や既存の製造後膜処理に拡大することが可能になる。本発明にしたがって製造される階層的構造は、光学、分離、燃料電池、エネルギー貯蔵、エネルギー変換、化学薬品製造、イオン交換、精製、電気化学、表面コーティング、金属イオン封鎖、医療診断および/または環境モニターのためのバイオセンシング、化学的および生物学的兵器剤分離、およびアクチュエーター開発をはじめとする用途を含む。物理的閉じ込めを用いて、BSNSをサイズ排除膜、イオン交換膜、ガス拡散層、触媒および/または電気化学電池で用いられる他の材料と、場合によってマルチスケール自己集合体によって統合することができる。
天然脂質の使用を、トランスポーターを含む界面活性剤鋳造ナノ構造について示してきたが、他の界面活性剤を場合によって使用することができる。例えば、膜タンパク質の精製のためにすでに使用された界面活性剤は、同時に、ナノ構造を鋳造し、イオンチャネルを埋め込む可能性を有する。他の脂質模倣界面活性剤を用いて、結果として得られるナノ構造の安定性、耐性または他の物理的特性を増大させることができた。界面活性剤の例は、Brij、ドデシル硫酸ナトリウム、アニオン性界面活性剤、例えばラウリル硫酸ナトリウム、パーフルオロオクタノエート、パーフルオロオクタンスルホネート、またはドデシル硫酸ナトリウム、カチオン性界面活性剤、例えばセチルトリメチルアンモニウムブロミド、または双性イオン性界面活性剤、例えば1,2−ジ−O−テトラデシル−sn−グリセロ−3−ホスホコリンである。任意の双性イオン性界面活性剤は、界面活性剤が自発的に自己集合してベシクルになる場合に特に興味深い。
対象のトランスポーターは、天然または合成いずれかのチャネルを含み得る。1以上のチャネルを、界面活性剤鋳造ナノ構造中にトランスポーターとして含めて、透過性、輸送を制御し、分子勾配を他の形態のエネルギーに変換することができる。チャネルは、選択的膜の受動輸送を可能にすることに消極的であり得る(例えば、グラミシジン)、自由エネルギーポテンシャルに対して膜輸送を可能にすることに有効であり得る(例えば、ロドプシン)、選択的条件下での受動的膜輸送を可能にすることに有効であり得る(例えば、電位依存性チャネル)、および/または活性であり得、受動的膜輸送を用いた分子変換を可能にする(例えば、ATPase)。さらに、トランスポーターは、電磁場、圧力、および化学認識をはじめとする外部刺激によって活性化される場合にあわせて作用することができる。トランスポーターは、自由エネルギー勾配に対して能動的に輸送を駆動することができる。多孔性表面間で集合された生体模倣型界面活性剤ナノ構造を有する材料は、透析、分離、電気化学電池、燃料電池、および電池に特に興味深い物である。これらのチャネルは、燃料電池をはじめとする種々の電気分解適用のためのナノメートル以下の孔サイズを有する膜を作製することができる。カーボンナノチューブを含むが、これに限定されない生体模倣型界面活性剤ナノ構造中に、非生物学的トランスポーターを含めることができる。多くの分子、巨大分子集合体、ポリマー、タンパク質などは、脂質二重層中で溶媒和される。このクラスの構造は、受動的拡散または能動的調節の選択的調節によって脂質膜を越える輸送を調節することができる。活性酵素または合成変異体を膜中に含めて、高電圧電池、化学電気的エネルギー変換、光化学的エネルギー変換、および/または光電気的エネルギー変換をもたらすことができる。
本発明の実施形態は、界面活性剤中間相の集合を可能および/または増強するために表面官能化化学を利用する。表面官能化化学は、バルク特性を変えることなく材料の表面特性(複数可)を変える。表面官能化化学の一例は、シリコンウェハ上のオクタデシルトリクロロシランの自己集合単層(SAM)を集合させるための化学である。ウェハの表面は、疎水性になるが、機械的および光学特性は同じままである。界面活性剤と化学的に修飾された表面との間の相互作用は、自己集合を駆動し、集合後の薄フィルムに対して安定性を付与する。このことは、固体表面上の自己集合単層の集合において十分に研究されている。例えば、オクタデシルトリクロロシランの単分子層をシリコンウェハ上で集合させて、表面を疎水性にすることができる。界面活性剤二重層(すなわち、支持された脂質二重層)の先行研究は、最終材料の物理的特性に対する基質調製の効果を証明している。本発明の実施形態は、固体および多孔性支持体上の界面活性剤中間相の集合を可能にする。典型的な表面官能化化学は、表面グラフト、共有表面修飾、表面吸着、表面酸化、表面アブレーション、および表面リンスを含む。化学物質は、液相および/または蒸気相で堆積させることができる。シラン、有機物、無機物、金属、および金属酸化物を含むが、これに限定されない、表面に共有結合させることができる分子。金属酸化物は、材料の表面張力を劇的に増加させることができるので、興味深い。例えば、アルキルシランの集合は、親水性表面を疎水性にすることができる。表面修飾は、界面活性剤の秩序化および集合も可能にすることができる。例えば、カルシウムは、界面活性剤の集合を増強することができる。カルシウムを支持材料中にドーピングすることは、界面活性剤中間相中の欠陥を減少させることができる。別の例として、シリカは、脂質の水素結合ネットワークを安定化させることができる。1つの実施形態において、表面官能化化学を用いて、ポリエーテルスルホン限外ろ過膜をシリカでコーティングする。結果は、界面活性剤中間相集合体による溶質の増強された拒絶であり、秩序ラメラ相における増強された集合の結果である。
本発明の実施形態は、界面活性剤メソ構造の集合体の局所化を利用し、これは、自己集合溶液による多孔性表面の湿潤を防止するために特に有用である。自己集合溶液が多孔性表面を湿らせる場合、メソ構造が破壊される可能性がある。1つの局所化メカニズムは、界面活性剤溶液を界面で相変化させ、ここで、溶媒および/または溶質の添加を用いて集合が起こることである。1つの実施形態において、多孔性材料をまず水溶液(溶液1)で実質的に飽和させる。第2に、TEOS、ジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC)、エタノールおよび水(溶液2)を含む自己集合溶液を表面上に堆積させる。DMPCは、好ましくは表面上に堆積される際に、溶液2で気相中にある。溶液1および溶液2は、多孔性材料の表面で混ざる。DMPCは、水濃度の増加のためにラメラ相へと押しやられる。この実施形態では、DMPCの自己集合は、粘度および不透明度が急速に増加する溶液によって好ましくは視角化される。このプロセスは、急速な自己集合を可能にし、繰り返して多重層を集合させることができる。例えば、溶液2の堆積後、溶液1と続いて溶液2による別のコーティングを適用することができる。
このメカニズムを図4で説明する。多孔性支持体を溶液(溶液1)によって湿らせる。次の溶液(溶液N)を導入する。溶液Nおよび/または溶液1をそれぞれ添加することによって、溶液1または溶液N中の界面活性剤を相変化させる。1以上のレベルの溶質での集合後、第2のセットの溶液(溶液1および溶液N)を導入して、プロセスを繰り返す、および/またはさらなるコートを添加することができる。界面活性剤中間相自己集合は、溶液1および溶液N間の界面で起こる。最終材料は、好ましくは支持体に付着した自立性階層的材料であり、これは、自己集合界面活性剤メソ構造および支持体の両方の特性の一部または全てを有する。この技術は、多孔性支持体上の集合体に特に有用である。結果として得られる材料で現れ得るそのような特性の例としては、イオンおよび分子の輸送の制御、薄フィルム耐久性の増大、ならびに/または周知の抗菌ナノ粒子を用いた薄フィルムの保護および/もしくは包装が挙げられる。
1つの実施形態において、多孔性膜を極性溶媒で湿らせる。この実施形態では、極性溶媒は溶液1である。極性溶媒は、水、エチレングリコール、グリセロールまたはそれらの混合物を含み得る。極性溶媒は、酸性または塩基性であり得る。その後、有機溶媒中の自己集合溶液のアリコートを堆積させる。この実施形態では、有機溶媒は溶液Nであり、これは好ましくは、界面活性剤を含む。この具体的な実施形態において、溶液Nは、5wt%のテトラエチルオルトシリケート(TEOS)、1wt%のDMPCを有機溶媒中に含む。有機溶媒は、限定されるわけではないが、1以上のアルコール、アルカン、エステル、エーテル、またはそれらの混合物を含み得る。2つの溶媒の界面で、界面活性剤を相転移させて、溶液1の存在によって界面活性剤メソ構造を形成する。最後に、溶媒は蒸発して、シリカの集合体を駆動して、溶液1および溶液N間の界面で界面活性剤メソ構造を安定化させる。図5は、構造のスラブモデル、構造の概略図、および界面集合の前(左)および後(右)の親水性Teflon膜の画像を示す。
自己集合フィルム内の集合体および多孔性表面を有する薄フィルムの集合体は、これをマルチスケール自己集合材料にする。図5に示すように、ミクロスケールでは2つのフィルムAおよびBの集合体である。この実施形態では、Aはナノ構造薄フィルムであり、Bは多孔性膜である。ナノスケールでは、AとCの拡大図の両方で示される、シリカおよび脂質二重層の交互ラメラの集合体である。脂質二重層内には、任意のイオンチャネル、グラミシジン(Cにおけるベータリボン構造)が含まれる。この写真では、左側がコーティング前の膜であり、右側がコーティング後の膜である。膜は、0.1ミクロン孔を有する親水性PTFEであり、呼称直径47mmである。右側の膜は、前記実施形態で使用した脂質、つまりAvanti Polar Lipids(Alabaster,AL)から得られるSoy PC(95%)の自然な色に由来する黄色い色合いである
他の方法を用いて、自己集合体を局所化することができる。温度、圧力、体積および/もしくは分子の数を含む1以上の熱力学的変数を変えることを通して、ならびに/または電磁場の適用によって、自己集合を誘導することができる。光エネルギー、紫外線光、電気泳動場、および/または交流電場を含む外部刺激は、集合をおこなって、分子、孔、またはチャネルを整列させることができる。光学的および電気的外部場はどちらもモデル、コロイド系の集合をおこなうことができる。
物理的閉じ込め製造法
本発明の実施形態は、好ましくは同時に、フィルム構造を鋳造し、フィルム集合をおこない、そして物理的閉じ込めに使用される表面と薄フィルムを集合させ、その結果、単一の独特な材料を得る、界面活性剤自己集合溶液の物理的閉じ込めを使用する。物理的閉じ込めに基づく自己集合の間、マルチスケール集合および階層的集合の両方が起こり得る。本発明の実施形態では、ナノ構造薄フィルム内でのナノスケールでの自己集合ならびにナノ構造薄フィルムおよび物理閉じ込めに用いられる表面(複数可)間でのマクロスケールでの自己集合などの、多くの集合スケールがあり得る。本発明の実施形態では、分子間集合(例えば、界面活性剤−界面活性剤集合)、分子集合(例えば、シリカ凝結)、材料集合(例えば、表面と集合する薄フィルム)、界面活性剤の溶媒との相互作用に基づく集合、および表面の自己集合溶液との相互作用に基づく集合を含む多くのレベルの集合があり得る。
閉じ込め面の物理的および化学的トポロジーの相互影響、集合体を誘導するために使用される方法、および自己集合溶液全ての混合物は、材料の最終構造を決定する可能性がある。1以上の以下の特性、すなわち固体、多孔性、化学的積層(例えば、表面上に自己集合させた薄フィルムまたは固体表面上にスピンコーティングされた化学物質)、物理的積層(例えば、固体表面の上面上の1以上の表面)を含み、巨視的フィーチャーを含み、微視的フィーチャーを含み、非放射対称表面、安定なメニスカスの形成不能性、3次元以上の物理的フィーチャー、および/または不均一な表面化学を含む表面を含むが、これに限定されない、独特のクラスの表面を、本発明によって界面活性剤鋳型ナノ構造と統合することができる。集合のために使用される表面を、残存する材料を破壊することなく集合後に修飾および/または除去して、材料が完全に消滅することなく集合後に表面を除去することができるように設計することができる。本発明の実施形態は、好ましくは、合理的にデザインし、界面活性剤鋳造ナノ構造を同時に集合させ、鋳造し、そして統合するための確固とした方法を含む。階層的集合体は、例えば、膜電極集合体、センサ、またはスイッチなどの通常は複数のステップを必要とする材料を1つのステップで製造することができる。
多孔性プラスチック支持体上の自己集合界面活性剤薄フィルムの集合の2つの重要な態様は、支持体の表面官能化化学および界面重合法である。物理的閉じ込め法とあわせると、これらは最終材料である自己集合界面活性剤薄フィルムの、多孔性プラスチック支持体の表面での形成を可能にする。
本発明の界面活性剤中間相の実施形態は、分離を実施することができる。集合方法および結果として得られる生体模倣型界面活性剤ナノ構造を図6に示す。この実施形態では、2つの膜または多孔性表面を、実施例セクション中の「材料調製」で定義される種々のプロトコルのうちの1つを用いて自己集合溶液の支持体として調製する。重要なプロトコルには、溶媒での表面クリーニング、表面酸化、および/または表面化学堆積が含まれるが、これらに限定されるものではない。材料は、生体模倣型界面活性剤鋳造ゾル・ゲル薄フィルムと統合された2つのPES膜から構成されていた。2つのポリエーテルスルホン(PES)膜を18.2MΩの水中に浸漬し、次いで物理的閉じ込めに使用される2つの異なる平坦なTeflon片上に置いた。10wt%の10モルDLPC:1モルグラミシジンのストックシリカ溶液中のアリコート(約500ul)をマイクロピペットからPES膜のうちの1つの上に分配した。Teflonによって裏打ちされた第2のNafion膜を用いて、図6Aに示されるように、BSNS溶液を2枚の膜の間に挟んだ。断片を寄せ合って接触させた。試料を室温にて1時間以上乾燥した後、80℃まで3時間以上加熱した。最後に、膜電極集合体の集合をモデル化するために、いくつかの試料を、130℃を超えて15分間加熱した。試料をゆっくりと冷却した後、Teflon材料を除去して、図6Bに示すような、自立性膜を製造した。この実施形態では、Teflonを物理的閉じ込めのために使用した。別法として、金属、プラスチック、セラミック、ガラス、および有機物(例えば、木材)をはじめとする任意の固体表面を使用することができる。膜は4cm×4cmである。閉じ込めは、同時に集合をおこない、結果として得られるフィルムを物理的閉じ込め集合体と統合する。
図7は、この実施形態における結果として得られる生体模倣型界面活性剤ナノ構造構造の概略図である。2つの支持多孔性材料は、交互になったシリカ層および脂質二重層を有するラメラナノ構造を挟んでいる。材料はマルチスケール自己集合材料である。ミクロスケール集合体は3つのフィルム(A、B、およびC)を有する物である。この実施形態では、AおよびCは多孔性膜であり、Bはナノ構造薄フィルムである。ナノスケール集合体は、シリカ層および脂質二重層(BおよびD)が交互になったラメラである。脂質二重層内には、イオンチャネル、グラミシジン(D中のベータリボン構造)が含まれる。あるいは、支持多孔性材料の1つだけ(AまたはC)を用いることができる。
物理的閉じ込めはまた、ロールコーティングの使用を可能にする。自己集合溶液は、多孔性支持体材料と円筒状ローラーとの間に挟まれる。ローラーの温度を制御して、溶液の蒸発速度を制御することができる。溶液をローラーに直接適用することができる。ローラーを多孔性材料上の自己集合溶液に2回以上適用することができる。ローラーは1以上のプロセスステップによって支持体材料を押したり引いたりすることができる。挟み込むことによって、多孔性支持体材料上への材料の均一な堆積が可能になる。
図8はいくつかの異なる物理的閉じ込め法である。2つの固体表面による閉じ込め(A)、自己集合溶液および2つの多孔性材料の閉じ込め(B)ならびに多くの材料を独特の化学物質と同時に集合させるためのプロトタイプ高スループット装置およびシステム(C)を示す。高スループット装置は、その中に穴を有するTeflonプレートであり、Teflonの固体片がNafion片を挟んでいた。界面活性剤鋳造溶液を各ウェルに添加し、続いてNafion膜およびTeflon片を添加して、NafionがTeflonによって支持されるようにした。材料を、多ステップ乾燥プロトコルを用いた物理的閉じ込めで自己集合させた。集合後、セットアップを解体して、新しい自立性膜材料を回収した。図8A〜図8Cの中央の画像は、集合中のシステムの画像である。図8A〜図8Cの下部の画像は、材料の集合後の解体された構造の画像である。
図8は、界面活性剤鋳造ゾル・ゲル溶液の物理的閉じ込めおよび結果として得られる材料のいくつかの異なる例を示す。界面活性剤鋳造ゾル・ゲル溶液を新たに酸化されたシリコンウェハ上に堆積させた。その後、オクタデシルトリクロロシランの自己集合単層を有するシリカカバースリップを用いて、2つの慎重な表面間に溶液を挟んだ。乾燥が完了したら、カバースリップの除去後、表面上に薄フィルムが残っていた。図8Aは、界面活性剤鋳造ゾル・ゲル溶液を挟んでいる疎水性および親水性表面を示す。フィルムを乾燥した後、疎水性表面を除去した。画像は、除去後のフィルム画像である。
図8Bは、物理的に閉じ込める「挟み込み」の別の実施形態の概略図を示す。この膜を集合させるために、2つのNafion膜をシリカ前駆体溶液中に浸漬し、次いで2つの異なる平坦なTeflon片上に置いた。5wt%BSNS溶液のアリコート(約100μl)をマイクロピペットにより1つのNafion膜上に分配した。Teflonによって裏打ちされた第2のNafion膜を使用して、BSNS溶液を2つの膜の間に挟んだ。(別法として、他の実施形態では、膜は、任意の固体表面または固体表面上のガス拡散層(GDL)によって支持される場合もある。)表面をワニ口クリップでまとめてとめた。試料を室温で1時間以上乾燥させた後、3時間にわたって80℃まで加熱した。最後に、膜電極集合体の集合をモデル化するために、いくつかの試料を、15分間130℃を超えて加熱した。試料をゆっくりと冷却した後、Teflon表面を除去して、自立性膜を産生した。
結果として得られる膜は、膜を2本の指でこすることによって生じるせん断力に対して、そしてピンセットではがすことによって誘発される歪力に対して安定であった。Nafion膜に特有な、典型的な実験室中での損傷から膜を保護するために注意する必要はなかった。中央の画像は、集合後の鋳造溶液中に界面活性剤を含まない典型的な試料膜の画像である。最終材料は白色半透明である。下部の画像は、鋳造溶液中の界面活性剤との集合後の代表的な自立性BSNSの画像である。膜、物理的閉じ込めにおいてBSNSに集合される脂質に特有の黄色である。表面上で蒸発した脂質は、同様の熱処理後に黄変しない。界面活性剤鋳造ナノ構造の匹敵する周期性および可視光の波長のために、黄色はラメラナノ構造からの散乱の結果である可能性が高い。これらの膜は、脱水、130℃までの熱処理、ならびに2つの固体表面およびワニ口クリップによる圧力処理にもかかわらず安定であった。
図8Cは、図8Bの変形を示し、多くの材料を独特の化学物質と同時に集合させるためのプロトタイプ高スループット装置およびシステムを表す。その中に穴を有するTeflonプレートおよびTeflonの固体片でNafion片を挟んだ。界面活性剤鋳造溶液を各ウェルに添加し、続いてNafion膜およびTeflon片を添加して、NafionがTeflonによって支持されるようにした。多ステップ乾燥プロトコルを用いて物理的閉じ込めで材料を自己集合させた。集合後、セットアップを解体して、新しい自立性膜材料を回収した。中央の画像は集合中のシステムの画像である。下部の画像は、材料の集合後の解体された構造の画像である。
以下の本発明の実施形態は、表面官能化化学作用がどのようにして界面活性剤メソ構造の集合体を増強するかを示し、これは、溶質の改善された拒絶によって観察することができる。界面活性剤中間相を逆浸透膜として用いて、メタノールを水から分離する。図9は、膜のフラックスおよびメタノール拒絶に対する表面調製技術の効果を示す。ここで、性能は2つの測定基準、すなわちメタノール拒絶パーセンテージおよび溶液フラックスによって定義される。メタノール拒絶パーセンテージは、透過メタノール濃度のフィードメタノール濃度に対する比を1から引いた物である。自立性界面活性剤鋳造薄フィルムを支持するために使用した多孔性表面の調製法の機能としての25%v/vメタノール(Rej%)の拒絶パーセンテージを、図9Aで示す。溶液フラックスは、図9Bで各調製法について示される、膜を通る一定面積についての1時間あたりの溶液の体積である。3つの代表的な方法、すなわち化学的クリーニング(リンスクリーン)、表面酸化(UVクリーンおよびHボイル)、化学蒸着(TEOS)ならびにそれらの組み合わせを調べた。この実施形態では、自己集合溶液は、10wt%の10モルのDLPC:1モルのグラミシジンをストックシリカ溶液中に含有していた。この実施形態では、自己集合溶液を2つの0.03ミクロンポリエーテルスルホン(PES)膜によって挟んだ。膜の有効面積は1.13cmであった。分離を5PSIで実施した。メタノール分離は、ストックPES膜を用いた対照実験では観察されなかった。PES膜の孔サイズ(30nm)はメタノールの直径(0.41nm)よりもはるかに大きいので、メタノールの拒絶は期待されなかった。メタノールの拒絶(図9試料、すなわちUVクリーン UVクリーンネット、Hボイル、HボイルTEOS)は、界面活性剤中間相膜の小分子逆浸透分離を実施する能力を示す。
さらに、図10は、純水および25%w%/w%水中メタノールの、10:1のDLPC対グラミシジンを、UVクリーンを用いて調製された2つのPES膜間に含む10脂質wt%溶液から集合された単一自立性生体模倣型界面活性剤中間相膜を通る、5psi〜15psiでのフラックスを比較する。全ての圧力での25w%/w%メタノール性溶液のフラックス対純水フラックスにおける>50%減少は、濃度分極、つまり水についての膜の選択性による膜表面での溶質(メタノール)濃度の増加の結果である。さらに、フラックスは圧力とともに増加するので、25%w%/w%メタノール溶液および純粋な溶媒(18.2MΩ水)のフラックス間の相対的差異は増大する。このことは、濃度分極の効果が膜フラックスの関数であることから予想される。すなわち、膜を通る溶液のフラックスが増大する場合、さらに多くのメタノールが表面で蓄積する。
本発明の実施形態は、中空糸膜上の自己集合界面活性剤薄フィルムの共形コーティングを使用する。限外ろ過および微量ろ過膜を中空円筒として構築することができる。繊維の壁中には、典型的には約30nm〜数百ミクロンのサイズの孔がある。1つの実施形態において、中空糸を、H2O2ボイルTEOS法を用いてシリカでコーティングする。繊維を次いで水でリンスする。その後、繊維を界面活性剤自己集合溶液で満たす。繊維を界面活性剤自己集合溶液で満たした後、両端でシールする。溶媒を膜の孔から蒸発させる。オーブン中80℃で1日加熱した後、繊維の内部を好ましくは水でリンスする。繊維の内部を界面活性剤自己集合薄フィルムによってコーティングする。
本発明の実施形態にしたがって構築された材料は、好ましくは、自己集合ナノ構造および/または薄フィルムと、閉じ込めに使用される表面とを統合する。結果として得られる材料は、したがって好ましくは自己集合ナノ構造および表面の両方の特性の一部または全てを有する。結果として得られる材料で生じ得るそのような表面特性の例には、イオンおよび分子の輸送の制御、薄フィルム耐久性の増加、および/または薄フィルムの保護および/または包装が含まれる。集合のために使用される表面を、材料が消滅することなく集合後に除去または修飾することができる。
理論は、界面活性剤鋳造ナノ構造が分離に有用な構造を産生できることを示唆するが、欠陥のない集合体の問題のために、そのように使用されることができない。界面活性剤鋳造ナノ構造自己集合溶液を物理的に閉じ込めるために1以上の膜を用いることによって、最終材料の結果としての選択性は、統合された膜(複数可)およびナノ構造薄フィルムの複合体であり得る。1つの実施形態において、高伝導度および高選択性を有する生体模倣型薄フィルムを、Nafionフィルム上で集合させることができる。フィルムの薄い性質のために、薄フィルムの伝導度は、Nafionと比較してごくわずかである。フィルムの構造は、他のイオンの伝導度をより困難にする。生体模倣型薄フィルムは、脂質二重層およびゾル・ゲルシリカのz次元結晶である。各脂質二重層内には、イオンチャネル、グラミシジンがある。結果としての材料の複合耐性のために、生体模倣型フィルムにおけるピンホール欠陥に起因する膜を通る短絡は可能でない。さらに、最終材料は自立性であり得る。例えば、特別な技術および/または装置をさらに必要とすることなく、取り扱い、移動、操作および適用することができる。この方法で製造される階層的構造は、光学、分離、燃料電池、電気化学、表面コーティング、金属イオン封鎖、医療診断および/または環境モニターのためのバイオセンシング、化学および生物学的化学兵器剤分離、ならびにアクチュエーター開発で適用される。
界面活性剤鋳造ゾル・ゲル溶液、例えばモデルコロイド系の自己集合を含む物を物理的に閉じ込めるための多くの異なる形状が存在する。物理的閉じ込めの1つの形状は、界面活性剤自己集合溶液を2以上の慎重な表面間に導入する。一例は、2つの平坦な表面間に挟まれた界面活性剤ゾル・ゲル溶液である。物理的閉じ込めの1つの形状は、界面活性剤自己集合溶液を、2以上の面を有する体積中に導入する。一例は、1つの折り畳まれた表面であり、これは3つの内面すなわち、上面、底面、およびひだ面を有する。別の形状は、対称軸を有しない表面、成形面、ミクロ加工された表面、またはエッチングされた表面などの3次元トポグラフィーを有する単一表面による自己集合溶液の物理的閉じ込めである。この例では、1つの3次元表面の面が界面活性剤鋳造ゾル・ゲル溶液を閉じ込める。
図11では、ストックおよび希釈自己集合溶液から調製されたBSNS膜を比較する。ストック膜を、典型的な脂質溶液であるストックシリカ溶液中10wt%の10モルのDLPC:1モルのグラミシジンを用いて調製した。希釈された膜は、エタノールで1:1v%/v%に希釈されたストックシリカ溶液中、典型的な脂質溶液である10wt%の10モルのDLPC:1モルのグラミシジンを用いて調製した。両膜を、UVクリーンによって調製された2つのPES膜間で集合させた。膜の有効面積は2cmであった。さらに低濃度のBSNS自己集合溶液および一定面積の支持膜および一定体積の自己集合溶液では、BSNSフィルムに集合する材料はより少ない。希釈された自己集合溶液(UVクリーン希釈度1:1)を用いて製造された膜は、ストック自己集合溶液を用いて製造された膜と比較して、より薄い膜のように挙動する。すなわち、UVクリーンによって調製された2つのPES膜間で集合されたストックシリカ溶液中10wt%の10モルのDLPC:1モルのグラミシジン(標準的生体模倣型界面活性剤ナノ構造)よりも少ないメタノール拒絶(図11A)および大きな溶液フラックス(図11B)を有する。
本発明の1つの実施形態において、結果としての薄フィルムの厚さは、溝中の膜の物理的閉じ込めによって制御される。好ましくはセルの全長にわたる少なくとも1つの直線状溝を含む一次元セルが構築される。膜は、好ましくは溝の底部にぺったりとついている。膜を、好ましくは、まず水でコーティングする。次いで、界面活性剤自己集合溶液を膜上に置く。溶液の体積は、好ましくは溝の高さを超えるように選択される。過剰の体積を次いで好ましくはブレード、ストレートエッジおよび/またはローラーで除去する。最終フィルムの厚さは、溝の深さおよび界面活性剤自己集合溶液の固形分によって決定される。図12は、ローラーとTeflonの平坦片との間の物理的閉じ込めでの膜自己集合(溝なし)と比較して、直線状の溝を用いた物理的閉じ込めでの膜自己集合(溝あり)の透過性における減少を示す。2つの20wt%DLPC溶液をUVクリーン0.1ミクロンPES膜上で自己集合させた。溶液は、界面法を用い、ローラーと多孔性膜との間に溶液を物理的に閉じ込めることによって、自己集合させた。集合前に、1つの膜を溝の底部に置いた。溝の深さは、0.5ミリメートルであった。結果、膜をコーティングした自己集合溶液の体積が増加した。膜をデッドエンドカートリッジ中にロードした。水透過性を5PSIで測定した。水透過性を測定した場合、溝中で集合させた材料は、平坦な表面上で集合させた材料よりも低い透過性を有していた。溝中で自己集合させた膜の閉じ込め体積における増加の結果、さらに厚い安定化された界面活性剤メソ構造薄フィルムが得られる。薄フィルム厚さにおける増加の結果、薄フィルム透過性が減少する。
1つの可能な閉じ込めスキームは、複雑な3次元形状に集合された界面活性剤鋳造薄フィルム、例えば1以上の表面が非対称3次元トポロジーを有する物理的閉じ込めにおけるコロイドの自己集合を含む(Yang et al,“Opal chips:vectorial growth of colloidal crystal patterns inside silicon wafers”,Chem.Commun.2000,2507−2508)。例えば、表面は、3次元トポロジーを有する成型されたポリジメチルシロキサン(PDMS)表面、またはエッチングされたシリコンウェハであり得る。界面活性剤鋳造ナノ構造は、好ましくは、3次元固体表面(複数可)の面間からの溶媒蒸発のために溝中に優先的に集合する。このスキームは、3次元表面を有する界面活性剤鋳造ナノ構造を鋳造し、統合する。いくつかの実施形態は、チャネル内の局在化した集合体、および/またはマイクロ流体および光学適用のためのナノスケールパターンを含む。この構造は、好ましくは、薄フィルムに、固体表面の安定性を与え、他の集合方法では可能ではない全体的輸送の利用を提供する。好ましい結果は、それに対して表面がナノ材料を保護し、足場を組み、ナノ材料が新しい機能を付加する、マルチスケール自己集合材料である。
別の物理的閉じ込めスキームは、化学的パターン化を物理的閉じ込めと組み合わせて、自己集合および界面活性剤鋳造ナノ構造のパターン化を可能にする。このスキームは自己集合し、モデルコロイド系をパターン化することが証明されている(Brozell et al,“Formation of Spatially Patterned Colloidal Photonic Crystals through the Control of Capillary Forces and Template Recognition”,Langmuir,21,2005,11588−11591)。このスキームでは、薄フィルム集合体は2つの表面の物理的閉じ込めによって駆動される。化学的にパターン化された表面(複数可)上の1以上の部分は、薄フィルムが不安定になる原因となる。集合後、薄フィルムは、不安定領域で破壊される。一例では、薄フィルムを、パターン化された湿潤性表面と親水性表面との間で集合させることができた。表面湿潤性をパターン化するための多くの方法がある。一例は、疎水性自己集合シランを用いて均一に疎水性の表面を作製し、次いで深UVリソグラフィーでシランを選択的に除去することである。疎水性シランの2つの例は、オクタデシルトリクロロシラン(CH(CH17SiCl、OTS)(90%Aldrich)およびフルオロアルキルトリクロロシラン(CF(CF10SiCl、1,1,2,2,テトラメチレンフルオロデシルトリクロロシラン、FDTS)である。それらは、新たに酸化された表面を2.5mM溶液(100ml体積)中で無水ヘキサデカン(99%Sigma−Aldrich)とともにインキュベートすることによって集合されるか、またはHPLC等級のトルエン(99%Sigma−Aldrich)を好ましくは溶媒として使用する。全てのシラン化反応は、好ましくは名目上乾燥周囲条件(相対湿度<20%)下、ガラス容器中で実施される。60分のインキュベーション後、試料を好ましくは溶液から除去し、表面をクロロホルムおよびアセトンでよくリンスし、そして窒素流下で乾燥する。シランを、好ましくは、クオーツシースおよびクロムフィーチャーを有するクオーツリソグラフィーマスク中に包まれたオゾン生成中圧Hg灯(UVP,Inc)を用いて、短波長UVリソグラフィー(187、254nm)の組み合わせにより、リソグラフィー的に除去する。湿潤性をパターン化するための他の方法は、ミクロ密着焼き付け法を含む。パターン化された表面は、電極のパターンを示す表面を含む。
本発明は、ディップコーティングおよびスピンコーティングの標準的技術とともに使用することができない多くの表面上での、安定化された界面活性剤メソ構造薄フィルムおよび界面活性剤鋳造ゾル・ゲル薄フィルムを含むが、これに限定されない自己集合薄フィルムの集合体の技術を可能にする。Teflon、プラスチック、アクリル、Nafion、セラミック、シリカ、シリコン、半導体、酸化物、金、ガラス、金属、ポリマー、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、成形ポリマー、膜、ポリカーボネート膜、サイズ排除膜、イオン交換膜またはグラファイトなどの多くの表面を物理的閉じ込めのために使用することができる。これらの表面は、平面、放射または球対称(例えば、ボールベアリング)、円筒対称(例えば、ローラー)であり得、二次元物理的および/または化学的トポロジーを有し、および/または3次元物理的および/または化学的トポロジーを有し得る。表面は、製造で用いられるローラーまたはプレスであり得る。1以上の化学的および/または物理的層を含む表面を積層することができる。化学層は、自己集合層、物理的に吸収された層、および堆積層(例えば、Langmuir Blodgettアセンブル層またはスピンコート層)を含むが、これに限定されない。物理的層は、微小孔性表面、マクロ多孔性表面、望ましい電気特性を有する層、および望ましい光学特性を有する層を含むが、これらに限定されない。
多孔性表面、例えばNafion(Nafion117を含むが、これに限定されない任意の厚さの物)、イオン交換膜、炭素フェルト、炭素クロス、セルロース膜、ポリアミド膜、ポリビニル膜、ポリカーボネート膜、他の膜、ガス拡散層、ガス拡散電極、金属、Teflon、プラスチック、シリカゲル、Nafion、炭素クロス、UltrexTM(Membranes−International Ltd.)、Neosepta(登録商標)AHA膜(Eurodia Industrie SA)、サイズ排除膜、および/またはガス拡散電極を用いることができる。多孔性材料に関して、材料の物理的および化学的トポロジーならびにその孔サイズは、典型的には、材料の最終構造および機能を規定する。孔サイズは、マクロスケールもしくはミクロスケールまたは両方のいずれかであり得る。マクロスケール孔は、材料を通る界面活性剤の透過を可能にし、好ましくは、膜内で界面活性剤鋳造ナノ構造を集合させる。ミクロスケール孔構造は、典型的には、材料全体にわたる界面活性剤の透過を防止または制限し、好ましくは、膜の表面上または表面付近で界面活性剤鋳造ナノ構造を集合させる。孔サイズ特性化(マクロ孔対ミクロ孔)は、好ましくは、孔の形状ではなく、界面活性剤の物理化学によって規定される。界面活性剤はコヒーレンス長を有する。したがって、材料は、1つの界面活性剤溶液についてマクロスケール孔および異なる界面活性剤溶液についてミクロスケール孔を有し得る。例えば、水性条件において1mg/ml濃度の脂質ベシクルは、45nm孔を有するコロイド状結晶の上面上で自己集合し、この場合、表面は微小孔性である。異なる界面活性剤であるTriton−Xは、45nm孔を有するコロイド状結晶を透過し、この場合、表面はマクロ多孔性である。
本発明の特定の実施形態は、安定化された界面活性剤メソ構造、生体模倣型界面活性剤メソ構造およびゾル・ゲル鋳造メソ構造を含む界面活性剤自己集合薄フィルムの自動製造を含む。本発明は、スプレーコーティング、塗装、インクジェット印刷、ロールコーティング、逆ロールコーティング、ブレードコーティング、グラビアコーティング、ギャップコーティング、浸漬コーティング、カーテンコーティング、測定棒コーティング、スロットコーティング、エアナイフコーティングおよびナイフコーティングを含む、これらのフィルムのための多くの自動化または大量生産製造技術を含む。図13は、膜および他の材料上で自己集合薄フィルムを製造するための自動化システムの、限定されるわけではないが代表的な形状を示す。文字A〜Hで標識された各点は、製造システムに含まれていても、含まれていなくてもよい。点Aは、自己集合溶液の堆積が起こる場所である。点Bおよび点Cは、それぞれ前処理および後処理ステップである。これらのステップでは、材料を以下のうちの1つ、いくつか、または全部に供してもよい。温度変化、酸化的環境(例えば、オゾンを産生するUV光、オゾンガス)への暴露、化学物質の堆積(例えば、付着を促進するため)、化学的リンスまたはクリーニング、材料の付加または除去、化学的エッチング剤、圧力、および/または張力など。点Dは材料フィードである。この材料は、膜、PTFE膜、PES膜、PVP膜、プラスチック、炭素クロス、炭素フェルト、または任意の他の材料を含むが、これらに限定されないどんな物でもあり得る。集合前に、材料を水および/または他の溶媒中で洗浄し、温度処理し、超音波浴中に入れ、および/または他の分子をその上に堆積させることができる。点Eは、最終材料である。この点での材料は、膜のロール、スパイラル膜カートリッジ、またはより大きなプロセス中の中間点であり得るが、これらに限定されない。点Fは、製造を通過する材料フィードである。点Gは、点Eで最終材料に供給される別の材料である。点Hは、点Fで材料の処理のうちの1つ、いくつか、または全てを受け、点Eで材料に供給される、別の材料である。いくつかの例では、点Fまたは点Gのいずれかからの材料は、点F上に堆積した自己集合材料の物理的閉じ込めを誘導し、点Eで圧延される。この装置の配向は例にすぎず、示された方法ステップを実施するために垂直方向に対して多くの好適な配向で要素を再配列することができる。さらなる従来の支持体、例えばガイド、ローラーなどを用いて、フィード膜および生体模倣型界面活性剤ナノ構造を支持、伸長、曲げ、および/またはねじることができる。
本発明の方法のある実施形態は、界面活性剤自己集合溶液の堆積後に1以上のアニーリングステップを含む。特定の溶液の添加は、界面活性剤の一部が秩序相から無秩序相へ流出することを可能にする。溶液は、好ましくは少なくとも2つの溶媒および界面活性剤を含む多成分混合物の状態図に基づいて選択される。第2の特定の溶液のその後の添加および/または蒸発は、界面活性剤の一部を秩序相にする。第2の溶液も、好ましくは、界面活性剤が所望の秩序相になるように、多成分状態図から選択される。アニーリングプロセスのいずれかの後の界面活性剤の秩序相は独特であり、界面活性剤は材料内の別の相中にあり得る。プロセスを3つのステップ全てまたはステップの任意の組み合わせで1回以上繰り返すことができる。このプロセスは、界面活性剤中間相をアニールして、欠陥および過剰の界面活性剤を除去する、および/または界面活性剤のさらなる相を添加する。このアニーリングプロセスは、材料破壊の可能性を低減するための金属またはガラスのアニーリングと類似している。図14では、唯一の差がアニーリングステップである2つの膜の透過性を比較する。膜は、0.1ミクロンPES膜上のUVクリーン20wt%10:1のDLPC対グラミシジンである。膜の透過性は、ホームビルトクロスフロー膜試験セルを用いて測定した。セル全体にわたる圧力降下は55PSIであった。アニールされた膜は、フルオレセイン塩に対する拒絶での損失がなく、より高い透過性を示す。
本発明の実施形態は、材料の両面上の堆積を可能にして、対称膜を作製する。界面自己集合方法を使用した場合、非対称膜、すなわち一面のみの上に薄フィルムを有する膜が得られる。自己集合界面活性剤薄フィルムを堆積させるためのプロセスを、多孔性材料の他の面上で繰り返すことができる。非対称および対称膜を比較する概略図を図15に示す。1つの実施形態において、0.1ミクロンPES膜上のUVクリーン20wt%DLPCを集合させた。膜を80℃で1日硬化させた後、プロセスをPES膜の他の面上で繰り返した。正浸透実験を10Lのバケツ2杯の水間で実施した。フィードの伝導度は1μS/cm未満であった。塩水の伝導度は110mS/cmであった。塩水中の溶質はNaClであった。圧力降下はフィードから塩水まで5PSIであった。膜面積は3平方インチであり、これをホームビルトクロスフロー試験セル中で試験した。予想されるように、両面膜は、図16で示されるように、塩水から実験のフィードへの塩の拡散速度が低かった。
本発明の実施形態は、最終材料の表面官能化化学を含む。界面活性剤は、カチオン性、アニオン性、または双性イオン性であり得る。逆浸透に関して、これは塩について課題をもたらす。なぜなら、DLVO理論によると、溶液中の塩は、膜表面で二重層を形成するからである。溶液中の疎水性表面については逆が当てはまる。表面で水の密度が減少し、その結果、溶解したイオンの密度が減少する。表面官能化化学は、適用(例えば、正浸透対逆浸透)に応じて、表面を親水性または疎水性にすることができる。
本発明の1つの実施形態において、材料の表面を(CHCHO)(CHSiでメチル化して、材料を疎水性にする。結果は、低表面張力液体、例えばアルカンおよびアルコールを水から抽出するためのナノメートル以下の多孔性を有する疎水性膜である。図17では、10μlの数滴を、0.1ミクロンPES膜上のUVクリーン20wt%DLPC(左の試料)、および集合および硬化後にメチル化シラン(具体的には、600マイクロリットルの10wt%エトキシ(トリメチル)シラン)で表面を官能化した、0.1ミクロンPES膜上のUVクリーン20wt%DLPC(右の試料)上に置いた。結果として得られる材料は、処理された疎水性膜表面上において未処理親水性膜表面よりも水滴が広がらないことにより示されるように、もとの材料よりも疎水性が高い。
多孔性支持体上の自己集合薄フィルムを、分離のための多くの形状で用いることができる。図18は、フラットシート膜カートリッジ形状の1つの実施形態を示す。この形状では、水は膜の表面に対して垂直に流れる。膜を通過する水(透過液)は、保持液(カートリッジ中に残存する水)よりも低い溶質濃度を有する。(A)は、保持液の流れを示し、そして(B)は透過液の流れを示す。(CおよびG)は、生体模倣型界面活性剤ナノ構造を定位置に保持する取り付け器具または取り付け器具の組み合わせである。(D)は、生体模倣型界面活性剤ナノ構造を支持および/または構成する任意の多孔性材料である。いくつかの実施形態において、この層は金属ワッシャーを含み、これは、膜がバックフラッシュされる、および/または膜漏出を防止する必要がある適用において特に重要である。(E)は生体模倣型界面活性剤ナノ構造を示し、(F)は、生体模倣型界面活性剤ナノ構造の機械的安定性を増大させるための任意の多孔性材料である。(H)は、拒絶された溶液の流れまたはドレインを可能にする任意の出口である。この構造について実施例で提示された全てのデータは、ドレインおよび/または拒絶流なしで平坦なシート状膜カートリッジを用いて測定した。
図19および20は、渦巻き膜カートリッジで使用される本発明の実施形態を示す。この形状では、水流は膜表面に対して接線方向である。濃縮適用に関して(図19)、溶液は、膜が巻き付けられているコアを直接通過することができる。保持液(コア内の溶液)は、コアを流れ落ちるにつれて濃縮され、水はスパイラル状のラップされた膜を通って接線方向に選択的に透過する。(A)は、保持液の流れを示す。(B)は、スパイラル膜カートリッジである。(C)は溶液から除去される水の流れであり、(D)は濃縮物の流れである。(E)は、接線流を可能にする多孔性の中空コアである。(F)は、1以上の層を含む膜スパイラルを示す。これらの層は1片または複数片を含み得る。各層は同一である可能性があるか、または異なっている可能性がある。大孔メッシュを生体模倣型界面活性剤ナノ構造層間に配置して、生体模倣型界面活性剤ナノ構造表面全体にわたって均一に圧力を分布されることが好ましい。(G)は除去される水の流れの方向である。水精製および濃縮適用(図20)に関して、コアは、好ましくはフィード溶液の直接流を防止するための栓を含む。(A)は、保持液(retentate)の流れを示す。(B)は、流れ栓である。(C)は精製される水の流れである。(DおよびI)は、カートリッジからの水の損失を防止する固体層を示す。(E)は拒絶された溶液の流れであり、(F)は精製水の流れである。(G)は直接流栓で接線水流を可能にする中空コアである。中空コアは、好ましくは0.03ミクロンよりも大きな孔サイズを含む。(H)は膜スパイラルを示し、これは好ましくは多重層を含む。これらの層は、1片または複数片を含み得る。各層は同一である可能性があるか、または異なっている可能性もある。生体模倣型界面活性剤ナノ構造層間に大孔メッシュを配置して、生体模倣型界面活性剤ナノ構造表面全体にわたって均一に圧力を分布させることが好ましい。水は膜を通して流れなければならず、そして栓の後ろのコア中に戻り、透過液中に集められなければならない。拒絶された水は側面から流れ落ちる。
異なる材料配向、流れ方向、化学物質のさらなる堆積、1以上の電極の挿入、および/または薄フィルムの添加を有する形状をはじめとする、提示された物以外の他の形状が適用特異性に基づいて好ましい可能性がある。例えば、イオン交換適用のために、または燃料電池で生体模倣型界面活性剤ナノ構造を使用するために、生体模倣型界面活性剤ナノ構造のいずれかの側での電極の挿入が典型的には必要とされる。
中空膜繊維を用いて水をろ過することができる。繊維は1エレメント体積あたりより高い透過性を可能にする。なぜなら、繊維は渦巻きエレメントよりも広い表面積を有するからである。本発明の実施形態の界面活性剤中間相を用いて分離を実施する能力、および界面活性剤自己集合薄フィルムを多孔性支持体上に形成する能力によって、中空糸の内側および外側上での界面活性剤自己集合薄フィルムの集合体が可能になる。内側上に中空糸膜をコーティングするために、H2O2ボイルTEOSプロトコルを好ましくは使用して、表面を調整する。ミリポア水を好ましくは使用して、界面集合体のために、繊維をフラッシュし、前もって湿らせる。自己集合溶液を次いで繊維の内側を通してフラッシュさせ、好ましくは一晩重合させる。繊維の末端を場合によってブロックして、自己集合溶液の漏出を防止することができる。繊維の外側をコーティングするために、繊維を好ましくは同じH2O2ボイルTEOSプロトコルに供する。次いで、繊維を水でフラッシュし、好ましくはコーティングする。繊維の外側を次いで、好ましくは自己集合溶液でコーティングする。繊維の外側をコーティングするための1つの方法は、自己集合溶液を含む円形オリフィスを通して繊維を引っ張ることである。自己集合溶液を好ましくは一晩重合させる。
本発明の実施形態によるある方法は、結果として得られる薄フィルムを安定化させ、機械的変形(伸長および/または圧縮)により良好に耐えることを可能にする。脂質二重層輸送の数学的モデルと実験結果はどちらも、脂質二重層を越える溶質透過性が膜厚の増加にともなって減少することを裏付ける。例えば、脂質鎖長および二重層透過性間の逆相関は実験的に測定された。脂質分子構造(例えば、尾部長さ、脂質クラス)、機械的張力、化学的膨潤、化学的会合、および/または脂質相互嵌合を含むが、これらに限定されない、膜厚を変えるための方法が数多くある。同じことが安定化された界面活性剤メソ構造薄フィルムについても当てはまる。通常の表面圧力によって誘導される張力の生体模倣型界面活性剤ナノ構造に対する効果を図21に示す。圧力の拒絶パーセンテージに対する効果。図21Aは、10:1DLPC対グラミシジンを、UVクリーンを用いて調製された2枚のPES膜間に含む5wt%脂質溶液から集合された単一の自立性生体模倣型界面活性剤ナノ構造についてのデータである。図21Bは、UVクリーンを用いて調製された2枚のPES膜間に10:1DLPC対グラミシジンを含む10wt%脂質溶液から集合された単一の自立性生体模倣型界面活性剤ナノ構造についてのデータである。生体模倣型界面活性剤ナノ構造によるメタノールの拒絶は、膜を通る溶媒流によって誘導される横方向の張力のために、圧力とともに減少する。例えば、単一自立性生体模倣型界面活性剤ナノ構造(10:1のDLPC対グラミシジンを、20%w/wのメタノール濃度でUVクリーンを用いて調製された2枚のPES膜間に含む10脂質wt%溶液から集合させた物)の後ろに配置された金属メッシュ(約5mm孔)の多孔性メッシュ(DelStar,El Cajon,CAによって製造された約0.1mmの孔)などの機械的バッキングを挿入することによって、図22Aに示すように、約40分後にメタノールの拒絶は定常状態操作に達した。さらに、図22Bに示されるように膜を通る溶液のフラックスは、時間の関数として減速し、このことは、保持液内のメタノールを濃縮する能力を示唆する。
本発明の特定の実施形態は、膜による溶質の濃縮を提供する。膜によって拒絶される分子、イオン、および粒子を、溶質内で濃縮することができる。1つの例示的方法は、接線流装置中で膜を構成することを含む。本発明の特定の実施形態を用いて、メタノールを濃縮することができる。図23で示されるように、ある体積(5.5ml)の20%w%/w%のメタノール溶液(25ml)を、UVクリーンを用いて調製された2枚のPES膜間に10:1DLPC対グラミシジンを含む10脂質wt%溶液から集合された単一の自立性生体模倣型界面活性剤ナノ構造を通してポンプで供給した。膜は、ミリメートルサイズの多孔性メッシュで裏打ちされ、これは多孔性金属スカフォールドでさらに裏打ちされていた。1インチ金属ワッシャーをDevcon 5 minuteエポキシを有する膜の他の側にのり付けした。流速は0.074ml/分であり、平均圧力は11.4PSIであった。膜面積は1.13cmであった。膜は、手作りの膜カートリッジにおいて溶液流に対して直角であった。膜の両面をのり付けして漏出を防止した。フィード溶液の初期メタノール濃度および透過溶液の測定されたメタノール濃度を考慮した質量バランスから予想されるように、保持された溶液中のメタノールの濃度は5.3%増加した。
本発明のある実施形態は、様々な種類の多孔性材料を用いた生体模倣型界面活性剤ナノ構造の形成を提供する。増強された材料安定性のための特定の膜支持体の合理的な設計および統合は、溶質における化学的安定性、溶質における機械的安定性、孔サイズ、孔形状、コスト、分離効率、およびシステム互換性を含むが、これらに限定されない支持材料の制限のために、特定の溶質の分離に重要である。アルコール、ケトン、アセトン、またはベンゼンのような溶媒の分離の1つの制限は、支持膜の化学的安定性である。例えば、PESは、アセトンをはじめとする多くの有機溶媒中に溶解し、アルコール中で機械的に不安定である。PES、HI−PTFE(親水性)、およびHO−PTFE(疎水性)の機械的安定性は、アルコール中で異なる。ここで、膜の機械的安定性は、アルコールの混合物中での材料の膨張として定義される。図24Aは、アルコールの種類およびアルコール濃度の関数としてのPESの5cm×1cm片の膨張を示す。図24Bは、PTFE膜の種類、アルコールの種類およびアルコール濃度の関数としてのHI−PTFEおよびHO−PTFE膜の5cm×1cm片の膨張を示す。水に対して標準化すると、PESは純粋エタノールおよび純粋ブタノール中で6%膨張する。水に対して標準化すると、HI−PTFEおよびHO−PTFEはどちらも純粋エタノールおよび純粋ブタノール中で膨張しない。これにより、HI−PTFEおよびHO−PTFEはどちらも少量の有機溶媒との使用に理想的になる。支持体の膨張は、生体模倣型界面活性剤ナノ構造上の横方向の張力を誘導し、これはその性能を低下させる。
図25は、25mlの10w%/w%水性エタノール溶液を水から分離する本発明の2つの特定の実施形態を比較する。単一の自立性生体模倣型界面活性剤ナノ構造を、UVクリーンを用いて調製された2つのHI−PTFE膜間に10:1のDLPC対グラミシジンを含む10脂質wt%溶液から集合させた。膜は、ミリメートルサイズの多孔性メッシュおよび多孔性金属スカフォールドの両方で裏打ちされていた。図25Bで示されるように、この形状は、UV調製法を用いて調製された2つのPES膜間に10:1のDLPC対グラミシジンを含む10脂質wt%溶液から集合された単一自立性生体模倣型界面活性剤ナノ構造に対して相当の圧力で拒絶パーセンテージにおいて17.5%の増加を示す(図25A)。どちらの実施形態も、膜を安定化させるために多孔性シートメタルの機械的バッキングを有していた。
本発明のある実施形態において、エタノールを濃縮することができる。図26では、エタノール濃縮実験の結果を記載する。ある体積(7.4ml)の20.5%w%/w%エタノール溶液(25ml)を、UVクリーンを用いて調製された2枚のHI−PTFE支持体膜間に10:1のDLPC対グラミシジンを含む10脂質wt%溶液から集合された単一の自立性生体模倣型界面活性剤ナノ構造を通してポンプで供給した。膜は、ミリメートルサイズの多孔性メッシュによって裏打ちされ、これは多孔性金属スカフォールドによってさらに裏打ちされていた。1インチ金属ワッシャーを、Devcon 5 minuteエポキシを有する膜の他面にのり付けした。膜面積は1.13cmであった。流速は、5PSIの圧力で1.2×10−5/m/秒であった。圧力標準化流速は、3.48×10−10/m/秒/Paであった。損失は、0.1mlであった。膜は手作りの膜カートリッジにおける溶液流に対して直角であった。膜の両面をのり付けして、漏出を防止した。保持液のエタノール濃度は、透過液の測定されたエタノール濃度を考慮して質量バランスから予想されるように、初期エタノール濃度よりも2.4%増加した。
本発明のある実施形態において、水性NaClを図27で示されるように水から分離することができる。材料は、2つのUVクリーン化PES膜(0.030ミクロン孔)間で集合された標準的シリカ溶液中、Avanti Polar Lipids(Alabaster,AL)から得られる10wt%Soy PC(95%)であった。NaCl溶液の体積は233mlであり、伝導度は15.4mS/cmであった。伝導度は、Horiba B−173 伝導度メーターを用いて測定した。膜はミリメートルサイズの多孔性メッシュおよび多孔性金属スカフォールドの両方で裏打ちされていた。膜の面積は1.13cmであった。圧力は5psiであった。
本発明のある実施形態では、水性MgSOを図28で示すように分離することができる。膜は、2つのUVクリーン化PES膜(0.030ミクロン孔)間で集合されたストックシリカ溶液中Avanti Polar Lipids(Alabaster,AL)から得られる30wt%のSoy PC(95%)であった。MgSO溶液の体積は13.2mlであり、9.0mS/cmの初期伝導度を有していた。最終伝導度は9.2mS/cmであった。伝導度は、Horiba B−173伝導度メーターを用いて測定した。膜は、ミリメートルサイズの多孔性メッシュおよび多孔性金属スカフォールドの両方に裏打ちされていた。膜の面積は1.13cmであった。圧力は5psiであった。
多層膜
本発明の実施形態は多層膜を含む。多層膜は、好ましくは、自己集合材料および支持体材料の交互ラメラ層である。1つの実施形態を図29に示す。2つの固体表面(A)は多孔性材料(B)および界面活性剤鋳造ゾル・ゲル自己集合溶液(C)の交互層を挟んでいた。特に、HI−PTFE膜を、HボイルTEOSによって調製し、18.2ΜΩの水中でリンスした。HI−PTFE膜の調製後、膜および400マイクロリットルのBSNS溶液の交互層を固体表面上で構築し、第1の最終層はHボイルTEOS HI−PTFE膜であった。3つのスタック膜を別の固体表面で挟み、室温で1時間以上乾燥し、次いで80℃で3時間以上乾燥した。結果として得られる膜を機械的バッキングにのり付けした。閉じ込めは、同時に、集合をおこない、そして結果としてのフィルムを物理的閉じ込め集合体と統合する。
多層膜の一例では、3つのBSNS層自立性生体模倣型界面活性剤ナノ構造を、10:1のDLPC対グラミシジンを含有する10脂質wt%溶液を用いて集合させた。多孔性材料は、UV調製法(HボイルTEOSおよび18.2ΜΩの水中でリンスする)を用いて調製された4つのHI−PTFE膜であった。調製後、HボイルTEOS HI−PTFE膜およびBSNS溶液の交互層を固体表面上に置き、最終層はHボイルTEOS HI−PTFE膜であった。膜のスタックを別の固体表面によって挟み、室温で1時間以上、次いで80℃で3時間以上乾燥した。結果として得られる膜を機械的バッキングにのり付けした。膜の面積は6.16cmであった。10%w%/w%エタノール溶液の分離は、2.5PSIで実施した。多層膜は、図30で示されるように、エタノールを平均80.5%で拒絶し、図30Bで示すように、200分以上の間ほぼ一定の水フラックスを示した。
多層膜の実施形態の物理的特性は、連続して積み重ねられた複数の単一膜と基本的にかなり異なる可能性がある。多層材料の分離は、単一層膜材料や連続した3つの単一層膜の性能の計算値よりも改善された性能を示す。以下は、単一層(単一層)、連続した3つの単一層(3つの単一層)、および三重多層(三重多層)のの拒絶およびフラックスを比較する表である。3つの単一層の計算のために、1つの層についての圧力に層数をかけることによって圧力を計算し、フラックスは、1つの層についてのフラックスを層の数で割ることによって計算し、そして拒絶パーセンテージは、1から拒絶パーセンテージを引いた物を層数でべき乗し、次いでその数を1から引くことによって計算した。多層膜の圧力、フラックスおよび拒絶は、連続した膜について推定される物よりも良好である。これは、単一層(各多孔性材料が一面上に固体表面を有する)および多層(2つの多孔性材料以外はいずれの側にも固体表面を有さない)間の集合体条件間の差異に起因する可能性がある。
多層膜の1つの実施形態において、10:1のDLPC対グラミシジンを含有する10脂質wt%溶液を用いて、4つの生体模倣型層膜を集合させた。多孔性材料は、UV調製法(HボイルTEOSおよび18.2ΜΩの水中でリンスする)を用いて調製された5つのHI−PTFE膜であった。調製後、HボイルTEOS HI−PTFE膜およびBSNS溶液の交互層をTeflon片上に置き、最終層はHボイルTEOS HI−PTFE膜であった。膜のスタックを別の固体表面によって挟み、室温で1時間以上乾燥し、次いで80℃で3時間以上乾燥した。乾燥後、結果として得られる膜を機械的バッキングにのり付けした。試料面積は6.15cmであった。5%w%/w%ブタノール溶液の分離を25PSIおよび10PSI実施した。フラックスおよび拒絶データを図31に示す。菱形付きの線は、左側の軸(フラックス)を参照する。四角付きの線は、右側の軸(拒絶パーセンテージ)を参照する。
電気化学的および関連する適用
表5は、10mol%のグラミシジン、トランスポーターを含む自立性BSNSについての計算値に対してNafion膜の選択性を比較する。Nafionについて列挙した値は、文献から得られる。BSNSについて列挙された値は、実験測定によってパラメータ化された計算に基づく。各脂質二重層のプロトンおよびメタノール伝導度は、それぞれ、単一チャネルグラミシジン伝導度測定および巨大なユニラメラベシクル(「GUV」)実験から得られたパラメータを用いてモデル化した。プロトン伝導度は、602.6S/cmと測定され、メタノール透過性は、1.2×10−5cm/sec/二重層と測定された。BSNS等価回路は、ほぼ厚さ1ミクロンの材料と平行した100の脂質二重層の等価な回路であった。プロトン伝導度およびメタノール透過性を、脂質二重層の等価回路モデルによる層の総数で割った。このように、3つの値は、このBSNSを用いて構築された直接メタノール型燃料電池(DMFC)の性能の推定値を表す。典型的なDMFCにおける膜クロスオーバーは、アノードで3M〜4Mにメタノールを希釈する必要があり、燃料電池電力密度(Wcm−2)を約50%減少させる。しかし、前述のBSNSについて、本発明者等は、メタノール透過性の1733×の減少、および多価カチオン透過性対Nafionにおいて5.93×10−8の減少を予想する。結果として得られるDMFCは「ニート」なメタノールに対して約50%より効率的であり、効果があり得る。
生体模倣型界面活性剤ナノ構造(一部はグラミシジンを含む)は、図8で記載されるように2枚のNafion膜間で自己集合する。BSNS自己集合溶液は、脂質(脂質5、脂質1、脂質2、5wt%のDLPC、10wt%のDMPC)を含んでいた、脂質およびグラミシジン(Gram4、10wt%の10DMPC:1Gram)を含んでいた、または脂質もグラミシジン(シリカ、シリカ1、シリカ2)も含んでいなかった。トランスポーター材料を、平面通過伝導度測定によって特性化した。膜を2つのスチールプレート約1cm間に挟み、耐性をオーム計で測定することによって、平面通過伝導度を測定した。膜およびスチールプレートを、測定前に少なくとも2分間、特定濃度の酸中で保存した。図32A〜32Cは、対照および3枚の自立性BSNS階層的膜(トランスポーターの有無を問わない)の伝導度を比較する。図32Aにおいて、3腫の膜、すなわちシリカ(脂質を含まない)、脂質5(トランスポーターを含まない)、およびGram4(トランスポーターを含む)の平面通過耐性を様々な硫酸濃度で比較した。本発明者らは、トランスポーターを含まないBSNS膜(脂質5)対トランスポーターを含むBSNS膜Gram4の耐性において6.375×の増加を測定した。溶液中のベシクルを用いた実験から予想されるように、この結果は、トランスポーターグラミシジンをBSNS中に含めることは、生体模倣型界面活性剤ナノ構造の伝導度を増大させることを示す。さらに、対照膜(シリカ)の耐性は、1Mの硫酸で、トランスポーター含有BSNS(Gram4)に匹敵した。したがって、耐性は膜限定的であり、トランスポーター限定的ではなかった。表5と比較した場合、このことは、BSNS層の厚さが1ミクロン未満であることを示唆する。
酸性および高濃度アルコール中でのこれらの材料の安定性は、燃料電池適用にとって重要である。膜の伝導度は、純粋(ニート)メタノール(図32B)または1MのHSO(図32C)中のいずれかで試料を保存するにも関わらず約1日にわたって維持された。図32Bで示されるように、1日後、耐性に劇的な増加があり、このことは、材料破壊を示唆する。図32Cでは、2つの界面活性剤を含まない材料(シリカ1、シリカ2)および1つの界面活性剤含有材料(5wt%DLPC)を1Mの硫酸中で保存した。3日後、界面活性剤含有材料の耐性は有意に変化しなかった。このことは、腐食的環境にも関わらず、材料が集合されたままであることを示唆する。この安定性は、この実施形態による材料が、電気分解、分離および燃料電池適用について有用であり得ることを示唆する。
直接メタノール型燃料電池および分子分離に関して、膜を通るメタノールの透過性の減少が重要である。この実施形態、自立性BSNSは、Nafionと比べてメタノール透過性が4×減少している。メタノール透過性は、等体積の18.2ΜΩのミリポア水および高濃度水性(18−23Brix)メタノール溶液中、Nafion117または自立性BSNSのいずれかでメタノールを分離することによって測定した。初期の純水メタノール濃度は、Atago 4436 PAL−36S Digital Pocketメチルアルコール屈折計を用いて時間の関数として測定した。透過係数は、以下の式を用いて濃度勾配に対してフラックスを関連させる。
(式中、Jはフラックス(cm/秒)であり、Pは透過性(cm/秒)であり、ΔCは濃度勾配(Brix)であり、Vは一面の体積であり、Aは界面面積である。透過性セルについての体積対面積比は0.3cmであった)。濃度勾配(ΔC)対時間(図32Dに示すとおり)を速度係数kで単一指数にフィットさせた。透過性を、
(式中、Pは透過性(cm/秒)であり、Vは一面の体積(cm)であり、Aは界面面積(cm)であり、k(秒−1)は適合から得られる速度定数である)を用いて計算した。メタノール透過性を3つのNafion117膜、トランスポーターを含まない生体模倣型ナノ構造膜、およびトランスポーターを含む生体模倣型ナノ構造膜について測定した。Nafion117膜について、3つの実験全部におよぶ平均メタノール透過係数は1.2×10−4cm/秒−1であった。これは、表5のNafion117メタノール透過性値と非常によく一致する。本発明の試料実施形態について、平均メタノール透過性は0.3×10−5cm/秒−1であった。トランスポーターがBSNS中に含まれているにもかかわらず(10wt%の10DMPC:1Gram)、透過係数は、トランスポーターを含まないBSNS(10wt%のDMPC)と同じであった。溶液中ベシクルを用いた実験から予想されるように、この結果は、グラミシジンをBSNS中に含めることによって、生体模倣型界面活性剤ナノ構造のメタノール透過性は増大しないことを示す。したがって、トランスポーターを含むにもかかわらず、脂質構造が保存される。メタノール透過性は、Nafion117に対して、本発明について4倍減少した。
本発明の実施形態は、電気化学について、電解質、膜電極集合体、または電気化学電池として用いることができる、1つの形状を図33に示す。生体模倣型界面活性剤ナノ構造の高伝導度および低クロスオーバーは、それらを液体供給燃料電池および電池のための電解質として望ましくする。生体模倣型界面活性剤ナノ構造3330は、ガスケット層3320およびアノードフロープレート3310およびカソードフロープレート3340間に配置される。フロープレートのいずれかまたはどちらも、場合によって、蛇行グラファイトプレートを含む。プレートは異なる可能性がある。受動的トランスポーターを含有するBSNS、あるいは安定化された界面活性剤メソ構造に、1以上のNafion膜を組み入れて自立性膜を作製することは、好ましくは現行の工業用膜よりも高い選択性を含む。これは、燃料電池および電池両方について重要な用途を有し、この場合、燃料または電解質の膜「クロスオーバー」は、効率およびエネルギー貯蔵容量を減少させる。生体模倣型界面活性剤ナノ構造3330は、場合によって、マルチスケール自己集合膜電極集合体(MEA)を含み得、これは場合によって以下の1以上を含み得る、すなわち触媒、膜、ガス拡散層(GDL)、および/またはカーボン紙。MEAの挟まれた部分は、物理的閉じ込めを用いて製造された界面活性剤鋳造ナノ構造である。膜は、任意の固体表面またはGDLによって固体表面で支持され得る。GDL上に触媒層を含む完全膜電極集合体(MEA)は、同様の方法で製造することができる。別法として、この装置は、導電性イオン交換膜がGDLで置換されているならば、バッテリー用電解質を含み得る。
同様に、レドックスフロー電池、例えばバナジウムイオンレドックス電池(VRB)は、水性レドックスイオンの膜クロスオーバーのために低下した効率を有する。前記BSNSを使用したレドックスフロー電池におけるクロスオーバーの除去は、電解質クロスオーバーを被らないリチウムイオン電池と同様に、>90%の効率を有する電池を可能にするであろう。
類似した形状を、尿素除去、透析、脱塩、蒸留、アルコール精製およびクロロ−アルカリプロセスなどの分離に用いることができる。
本発明の方法の実施形態にしたがって作製された材料は、直接メタノール型燃料電池用の膜電極集合体中の膜として、燃料電池用の膜電極集合体として、バイオ燃料電池用に用いられる膜電極集合体中の膜として、電気化学電池用に用いられる膜電極集合体中の膜として、チャネルの相乗効果による能動デバイスおよび高性能デバイス、クロロ−アルカリ電池、電気化学、化学薬品製造、および/または分子の酵素的変換における使用に適している可能性がある。
本発明を記載した実施形態を特に参照して詳細に記載したが、他の実施形態で同じ結果を達成できる。本発明の変形および修飾は、当業者には明らかであり、そのような修飾および同等物の全てを網羅することが意図される。前述の全ての特許および刊行物の全開示は、参照によって本明細書中に組み込まれる。
明細書に組み入れられ、その一部を形成する添付の図面は、本発明のいくつかの実施形態を解説し、そして、記述とあわせて、本発明の原理を説明する役目をする。図面は、本発明の実施形態(複数可)を解説する目的のためだけであり、本発明を制限する物と解釈されるべきではない。図中、
ラメラ相における界面活性剤分子間の間隙をどのようにして分離のために使用することができるかを解説する。 六方晶相における界面活性剤分子間の間隙をどのようにして分離のために使用することができるかを解説する。 逆六方晶相における界面活性剤分子間の間隙をどのようにして分離のために使用することができるかを解説する。 界面活性剤中間相薄フィルム自己集合を多孔性材料の表面に局所化させるプロセスを解説する。結果として、多孔性材料に付着した自立性界面活性剤中間相材料が得られる。 安定化された界面活性剤メソ構造薄フィルムの実施形態を示し、この場合、集合体は、多孔性材料の表面に局所化していた。 表示された自立性界面活性剤鋳造膜を作製するために用いられる物理的閉じ込め法を表す。 物理的閉じ込めによって組み立てられる生体模倣型界面活性剤ナノ構造の概略図である。 本発明の実施形態にしたがった二次元マルチスケール自己集合の種々の形状を解説する。 結果としての材料のフラックスおよび拒絶レベルに対する膜材料表面化学調製の効果を表す。 生体模倣型界面活性剤ナノ構造を通るフラックスに対するメタノールの濃度分極の効果を示す。 自己集合溶液溶質濃縮による膜厚の制御およびその透過性に対する影響を示す。 物理的閉じ込めによる膜厚制御および透過性に対するその効果を示す。 膜を製造するための、自動化されたロール・トゥ・ロールスタイルプロセスの実施形態の概略図である。 膜透過性に対するアニーリングの影響を示す。 対称膜と非対称膜との差を示す。 対称および非対称自立性生体模倣型界面活性剤ナノ構造を比較する、塩の逆拡散のプロットである。 膜疎水性に対する表面官能化化学作用の効果を示す。 分離および濃縮のために平膜を使用するカートリッジの実施形態のデザインを示す。 溶質の濃縮のために用いられるスパイラルカートリッジの実施形態のデザインを示す。 水の精製のために用いられるスパイラルカートリッジの実施形態のデザインを示す。 本発明にしたがった膜の実施形態の拒絶レベルに対する圧力の効果を示す。 膜の実施形態の長期安定性に対する機械的バッキングの効果を示す。 メタノールを濃縮するための膜の実施形態の使用を示す。 種々の支持体に対するアルコールの効果を測定する。 エタノールの分離に対する下にある支持体の効果を示す。 エタノールを濃縮するための膜の実施形態の使用を示す。 膜の実施形態によるNaCl拒絶を示す。 膜の実施形態によるMgSO拒絶を示す。 多層膜の実施形態の断面を示す。 3BSNS層膜の実施形態のエタノール拒絶を示す。 4BSNS層膜の実施形態によるブタノール拒絶を示す。 生体模倣型界面活性剤ナノ構造の平面通過伝導度、メタノール透過性および安定性を示す。 電気化学電池で使用されるマルチスケール自己集合膜の概略図である。

Claims (34)

  1. 多孔性プラスチック支持体の官能化表面に結合した、安定化された界面活性剤メソ構造を含み、前記安定化された界面活性剤メソ構造が界面活性剤を含む、膜。
  2. 前記安定化界面活性剤メソ構造が、界面活性剤分子の配列を保存する材料で安定化される、請求項1に記載の膜。
  3. 前記材料が多孔性であり、前記安定化界面活性剤メソ構造が、前記多孔性材料を含むラメラと交互になったラメラを含む、請求項2に記載の膜。
  4. 前記材料が無孔性であり、前記安定化界面活性剤メソ構造が、円状に配列した界面活性剤分子を含む六角形に充填されたカラムを含み、前記カラムのそれぞれが、実質的に前記無孔性材料によって囲まれている、請求項2に記載の膜。
  5. 前記安定化界面活性剤メソ構造中の界面活性剤と前記官能化表面との間の水素結合ネットワークを保存するために、前記安定化界面活性剤メソ構造と前記官能化表面との間に配置された材料をさらに含む、請求項1に記載の膜。
  6. 前記材料が、シラン、有機物、無機物、金属、金属酸化物、アルキルシラン、カルシウム、およびシリカからなる群から選択される材料を含む、請求項5に記載の膜。
  7. 前記安定化界面活性剤メソ構造が前記官能化表面上に結合する前に、前記官能化表面が酸化され、融解し、そして再凝固した、請求項1に記載の膜。
  8. 前記再凝固した官能化表面での平均孔サイズが、前記多孔性プラスチック支持体のバルクの平均孔サイズよりも小さい、請求項7に記載の膜。
  9. 前記多孔性プラスチック支持体の孔サイズは、前記安定化界面活性剤メソ構造に対する前駆体溶液が、安定化界面活性剤メソ構造の形成前に支持体を完全に透過することを防止するために十分小さい、請求項1に記載の膜。
  10. 前記多孔性プラスチック支持体を機械的にまたは化学的に安定化させるために、前記多孔性プラスチック支持体の前記官能化表面から反対の側上に配置されたさらなる多孔性構造をさらに含む、請求項1に記載の膜。
  11. 前記安定化界面活性剤メソ構造がトランスポーターを含む、請求項1に記載の膜。
  12. 第2の多孔性支持体をさらに含む請求項1に記載の膜であって、前記安定化界面活性剤メソ構造が前記多孔性プラスチック支持体と前記第2の多孔性支持体との間に挟まれた、膜。
  13. 1.09未満のねじれを含む、請求項1に記載の膜。
  14. 前記安定化界面活性剤メソ構造が0.3オングストローム〜nmの孔サイズを含む、請求項1に記載の膜。
  15. %より大きい多孔性を含む、請求項1に記載の膜。
  16. 前記多孔性プラスチック支持体セルロースを含む、請求項1に記載の膜。
  17. 前記多孔性プラスチック支持体が前記安定化界面活性剤メソ構造を機械的に安定化する、請求項1に記載の膜。
  18. 前記多孔性プラスチック支持体の前記官能化表面から反対の側に結合した第2の安定化された界面活性剤メソ構造をさらに含む、請求項1に記載の膜。
  19. 請求項1に記載の他の膜と積み重ね、それによって多層膜を形成する、請求項1に記載の膜。
  20. イオン交換膜および/またはガス拡散層を含み、前記膜が膜電極集合体または電解質を含む、請求項1に記載の膜。
  21. 膜を産生する方法であって、
    多孔性プラスチック支持体の表面を官能化することと、
    官能化された表面を第1溶媒で湿らせることと、
    溶液を湿らせた表面上に配置することであって、前記溶液が少なくとも1つの界面活性剤および少なくとも1つの第2溶媒を含み、少なくとも1つの界面活性剤が溶液中の分散相中にある、配置することと、
    溶液を2以上の閉じ込め面間に閉じ込めることと、
    1以上の界面活性剤を安定化させて、多孔性プラスチック支持体の表面上に安定化された界面活性剤メソ構造を形成すること
    とを含む、方法。
  22. 第1溶媒および/または第2溶媒が水を含む、請求項21に記載の方法。
  23. 溶液が界面活性剤の安定化化学物質を形成する化学前駆体溶質および/またはトランスポーターをさらに含む、請求項21に記載の方法。
  24. 溶液の配置および閉じ込め同時に実施される、請求項21に記載の方法。
  25. 溶液の閉じ込めが、多孔性プラスチック支持体の官能化表面と少なくとも1つの第2の表面との間に溶液を閉じ込めることを含む、請求項21に記載の方法。
  26. 少なくとも1つの第2の表面が、溝側壁、ローラー、および刃先からなる群から選択される、請求項25に記載の方法。
  27. 大量生産コーティングプロセスの一部として実施される、請求項21に記載の方法。
  28. 安定化された界面活性剤メソ構造の厚さを制御することをさらに含む、請求項21に記載の方法。
  29. 溶液が、酸、塩基または親水性化合物を含まない、請求項21に記載の方法。
  30. 少なくとも1つの界面活性剤が、溶液が表面上に堆積された後に溶液から除去されない、請求項21に記載の方法。
  31. 多孔性プラスチック支持体の両面で実施される、請求項21に記載の方法。
  32. 多層膜を形成するために繰り返される、請求項21に記載の方法。
  33. 多孔性支持体セルロースを含む、請求項21に記載の方法。
  34. 第2の多孔性支持体を安定化された界面活性剤メソ構造の表面上に配置し、それによって、安定化された界面活性剤メソ構造を多孔性プラスチック支持体と第2の多孔性支持体との間に挟むことをさらに含む、請求項21に記載の方法。
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