JP6028789B2 - 管路、およびケーブル布設方法 - Google Patents

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Description

本発明は、管路、およびケーブル布設方法に関する。
地中送電線路に使用される電力ケーブル(以下、ケーブル)は、地中に設けられた管路内に布設され、布設方向に一定間隔に設けられたマンホール内で接続される。管路内に布設されたケーブルが通電されると、ジュール熱によって、ケーブルが熱伸縮して、管路から軸方向に伸び出したり縮んだりすることがある。このため、ケーブルの熱伸縮によって、マンホール内のケーブルの接続部に負荷が加わらないようにするために、接続部付近では、ケーブルがS字状に屈曲された状態で布設される。この屈曲部分は「オフセット部」と呼ばれている。
しかしながら、マンホールが狭隘な場合は、接続部付近にオフセット部を設けることが困難となる可能性がある。このため、管路内でケーブルの熱伸縮を吸収または抑制することが求められている。そこで、管路内でケーブルの熱伸縮を吸収または抑制するために、様々な管路が開発されている(例えば、特許文献1および2)。
なかでも、特許文献2には、軸方向に沿って所定の間隔で、管路壁の内部に円環状に突出した突起を設けた管路が開示されている。円環状の突起の間の領域で、ケーブル自身の自重によってケーブルが垂れ下がる。ケーブルが通電された際に、ケーブルの垂れ下がり量が大きくなることにより、管路内でケーブルの熱伸縮を吸収することができる。
特開2002−44819号公報 実開平7−39240号公報
しかしながら、特許文献2では、円環状の突起によってケーブルが支持されるため、円環状の突起との接点においてケーブルに局所的な負荷が加わる可能性がある。この場合、ケーブルの機械的または電気的な特性が局所的に変化する可能性がある。
本発明の目的は、内部でケーブルの熱伸縮を吸収することができるとともに、ケーブルに局所的な負荷が加わることを抑制することができる管路、およびケーブル布設方法を提供することである。
本発明の一態様によれば、
内部にケーブルが挿通される管路であって、
鉛直方向に所定の位置に設けられる低底部と、
前記低底部から軸方向に離間して設けられ、前記低底部よりも鉛直方向に高い位置に設けられる高底部と、
前記低底部と前記高底部との間で底面が軸方向に連続的に傾斜するように設けられる傾斜底部と、
を有する管路が提供される。
本発明の他の態様によれば、
鉛直方向に所定の位置に設けられる低底部と、前記低底部から軸方向に離間して設けられ、前記低底部よりも鉛直方向に高い位置に設けられる高底部と、前記低底部と前記高底部との間で底面が軸方向に連続的に傾斜するように設けられる傾斜底部と、を有する管路の内部に、前記高底部によってケーブルを支持させながら、前記ケーブルを挿通させる工程と、
前記高底部によって前記ケーブルを支持させた状態で、前記ケーブルを自重により撓ませる工程と、
を有するケーブル布設方法が提供される。
本発明によれば、内部でケーブルの熱伸縮を吸収することができるとともに、ケーブルに局所的な負荷が加わることを抑制することができる管路、およびケーブル布設方法が提供される。
(a)は、本発明の第1実施形態に係る管路を示す軸方向断面図であり、(b)は、本発明の第1実施形態に係るケーブル布設時およびケーブル通電時の管路を示す軸方向断面図である。 (a)は、本発明の第2実施形態に係る管路を示す軸方向断面図であり、(b)は、本発明の第2実施形態に係るケーブル布設時およびケーブル通電時の管路を示す軸方向断面図である。
<本発明の第1実施形態>
(1)管路の構成
本発明の第1実施形態に係る管路10について、図1(a)を用いて説明する。図1(a)は、本実施形態に係る管路を示す軸方向断面図である。なお、図1(a)には、管路10内への挿通時のケーブル100が図示されている。
本実施形態の管路10は、ケーブル100を高底部220に支持させて自重によって鉛直方向に屈曲させる(撓ませる)とともに、ケーブル100の屈曲形状に沿ってケーブル100を鉛直下側から支持するように構成されている。以下、詳細を説明する。
なお、以下において、「軸方向」とは管路10の長手方向のことをいい、「径方向」とは管路10の軸方向に垂直な方向、すなわち、管路10の短手方向のことをいう。また、以下において、管路10の「底点」とは、管路10の軸方向の所定位置における軸方向に垂直な断面において、最も鉛直下側に位置する点のことをいい、管路10の「底面」とは、管路10の軸方向の所定位置における底点を含む面のことをいう。
図1(a)において、管路10は、地中に埋設されており、管路10の周囲は、土またはコンクリートにより固められている。また、管路10は、内部にケーブル100が挿通されるよう構成されている。管路10内に布設されるケーブル100は、例えば、高圧電力の地中送電線として用いられる単心のCVケーブル(Cross−Linked Polyethylene insulated Vinylchloride sheath Cable)として構成されている。
図1(a)に示されているように、本実施形態の管路10は、例えば、内径が軸方向に均一となっている円筒管200として構成されている。管路10を構成する円筒管200は、例えば、FRP(Fiber Reinforced Plastics)からなっている。
管路10は、例えば、鉛直方向の成分を有する方向にS字状(波形状)に屈曲しつつ、軸方向に延在している。言い換えれば、管路10は、鉛直方向の成分を有する方向に平行な平面に沿ってS字状に屈曲している。本実施形態では、例えば、管路10は鉛直方向にS字状に屈曲しており、管路10の軸方向の断面形状は、滑らかな正弦波形状となっている。これにより、管路10の鉛直下側には、軸方向に沿って、低底部210、傾斜底部230、および高底部220が設けられている。
低底部210は、鉛直方向に所定の位置に設けられており、例えば、管路10の底点のうちで底点が最も鉛直方向に低い位置に設けられている。また、低底部210は、例えば、鉛直下方向に凸の曲面を有している。
高底部220は、低底部210から軸方向に離間して設けられている。また、高底部220は、低底部210よりも鉛直方向に高い位置に設けられており、例えば、管路10の底点のうちで底点が最も鉛直方向に高い位置に設けられている。また、高底部220は、例えば、鉛直上方向に凸の曲面を有している。管路10内に挿通された後のケーブル100は、高底部220によって支持されて自重によって撓むことにより、S字状に屈曲される。
傾斜底部230は、低底部210と高底部220との間で底面が軸方向に連続的に傾斜するように設けられている。つまり、低底部210と高底部220との間には、底面が不連続に変化した段差部(変曲部)が形成されていない。ケーブル100が自重によって撓む際には、ケーブル100が傾斜底部230等に滑らかに当接することにより、ケーブル100に局所的に負荷が加わることが抑制される。また、ケーブル100の熱伸縮時には、ケーブル100は、傾斜底部230等に接触した部分を支点として、ケーブル100が鉛直上方向に突出するように屈曲する。これにより、ケーブル100の軸方向の伸び出しが抑制される。これらの効果については、詳細を後述する。
低底部210および高底部220は、軸方向に複数交互に設けられている。つまり、低底部210、傾斜底部230、高底部220、傾斜底部230は、この順で複数繰り返し設けられている。本実施形態では、複数の低底部210は軸方向に互いに等間隔に配置され、複数の高底部220も軸方向に互いに等間隔に配置されている。また、高底部220は、軸方向に隣接する2つの低底部210の間の略中心に配置されている。
なお、管路10の鉛直上側には、低底部210、傾斜底部230および高底部220にそれぞれ追従するように、低天井部260、傾斜天井部280および高天井部270が設けられている。
ここで、ケーブル100の直径をd、複数の高底部220のうちの隣接する2つの高底部220の間の(軸方向の)ピッチ(以下、高底部220のピッチ)をLとしたとき、高底部220のピッチLは、ケーブル100の曲げ剛性に応じて設計される。具体的には、高底部220のピッチLは、例えば、ケーブル100の直径dの20倍以上40倍以下である。高底部220のピッチLがケーブル100の直径dの20倍未満であると、ケーブル100の曲げ剛性に対して、高底部220のピッチLが短すぎて、隣接する2つの高底部220の間におけるケーブル100の撓みが不充分となる可能性がある。このため、ケーブル100の熱伸縮時においてケーブル100の軸方向の伸び出しを抑制することが不充分となる可能性がある。これに対して、高底部220のピッチLがケーブル100の直径dの20倍以上であることにより、ケーブル100の曲げ剛性に対して、高底部220のピッチLを充分に確保し、隣接する2つの高底部220の間におけるケーブル100の鉛直方向の撓み量を所定量確保することができる。これにより、ケーブル100の熱伸縮時においてケーブル100の軸方向の伸び出しを確実に抑制することができる。一方、高底部220のピッチLがケーブル100の直径dの40倍超であると、軸方向の所定距離当たりの高底部220の数が減少するため、軸方向の所定距離当たりのケーブル100の屈曲部分(撓み部分)の数が減少する。このため、ケーブル100の熱伸縮時においてケーブル100の軸方向の伸び出しを抑制することが不充分となる可能性がある。これに対して、高底部220のピッチLがケーブル100の直径dの40倍以下であることにより、軸方向の所定距離当たりの高底部220の数を充分に確保し、軸方向の所定距離当たりのケーブル100の屈曲部分(撓み部分)の数を充分に確保することができる。これにより、ケーブル100の熱伸縮時においてケーブル100の軸方向の伸び出しを確実に抑制することができる。
また、所定の位置で隣接する2つの高底部220の間の屈曲形状は、他の位置で隣接する2つの高底部220の間の屈曲形状と等しくなっている。所定の位置で隣接する低底部210と高底部220との間の段差は、他の位置で隣接する低底部210と高底部220との間の段差と等しくなっている。また、低底部210と高底部220との間の段差は、低天井部260と高天井部270との間の段差と等しくなっている。
ここで、管路10(円筒管200)の内径をD、低底部210と高底部220との間の段差をδ、管路10の有効内径(高底部220と低天井部260との間の内径)をDとしたとき、管路10の有効内径Dは、以下の式(1)で求められる。
=D−δ ・・・(1)
ケーブル100を管路10内に布設する際に、ケーブル100が低天井部260に干渉しないためには、管路10の有効径Dがケーブル100の直径dに対して所定倍率以上であることが必要である。一方で、ケーブル100の熱伸縮時においてケーブル100の軸方向の伸び出しを抑制するためには、ケーブル100の鉛直方向の撓み量は所定量以上であることが必要である。これらの条件から、低底部210と高底部220との間の段差δは、以下のように設計される。
すなわち、低底部210と高底部220との間の段差δは、例えば、ケーブル100の直径dの20%以上30%以下である。低底部210と高底部220との間の段差δがケーブル100の直径dの20%未満であると、隣接する2つの高底部220の間におけるケーブル100の撓みが不充分となり、ケーブル100の熱伸縮時においてケーブル100の軸方向の伸び出しを抑制することが不充分となる可能性がある。これに対して、低底部210と高底部220との間の段差δがケーブル100の直径dの20%以上であることにより、隣接する2つの高底部220の間におけるケーブル100の鉛直方向の撓み量を所定量確保し、ケーブル100の熱伸縮時においてケーブル100の軸方向の伸び出しを確実に抑制することができる。一方、低底部210と高底部220との間の段差δがケーブル100の直径dの30%超であると、例えば管路10の内径Dが標準的な値(D=1.5d程度)の場合、管路10の有効径Dが小さくなるため、ケーブル100を管路10内に布設する際に、ケーブル100が低天井部260に干渉する可能性がある。なお、低底部210と高底部220との間の段差δがケーブル100の直径dの30%超であっても、技術的には本実施形態のケーブル伸び出し抑制効果を得ることができる。しかしながら、ケーブル100の自重による垂れ下がり変形量に限界があるため、本実施形態のケーブル伸び出し抑制効果も所定の範囲に限られる。また、当該段差δが大きくなるに伴って、(ケーブル100の干渉抑制のため)管路Dを大きくする必要があり、経済性が失われる可能性がある。このため、低底部210と高底部220との間の段差δは、ケーブル100の直径dの30%以下であることが好ましい。低底部210と高底部220との間の段差δがケーブル100の直径dの30%以下であることにより、管路10の有効径Dがケーブル100の直径dに対して所定倍率以上となり(D=1.5dのとき(1)式よりD≧1.2d)、ケーブル100を管路10内に布設する際に、ケーブル100が低天井部260に干渉することを抑制することができる。また、傾斜底部230の傾きを緩やかにすることができ、ケーブル100に対して局所的な負荷が加わることを抑制することができる。
また、管路10(円筒管200)の内径Dは、ケーブル100の直径dの1.4倍以上である。管路10の内径Dがケーブル100の直径dの1.4倍未満であると、必要最低限の段差δ(上記最小値の0.2d)を確保したときに、式(1)より管路10の有効内径Dが1.2d未満となるため、ケーブル100を管路10内に挿通させることが困難となる。これに対して、管路10の内径Dがケーブル100の直径dの1.4倍以上であることにより、必要最低限の段差δ(上記最小値の0.2d)を確保したときに、管路10の有効内径Dが1.2d以上となるため、ケーブル100を管路10内に安定的に挿通させることが可能となる。また、ケーブル100の鉛直上方向の屈曲可能領域の高さは、D+δ(δ=0.2dのとき1.6d以上)となるため、ケーブル100の熱伸縮時において、ケーブル100を鉛直上方向に充分に屈曲させることが可能となる。なお、管路10(円筒管200)の内径Dの上限値は特に限定されないが、経済的観点からは、管路10(円筒管200)の内径Dはケーブル100の直径dの2.0倍以下であることが好ましい。
(具体的寸法)
例えば、ケーブル100は単心CVケーブルであり、ケーブル100の公称電圧は66kV(600SQ)以上77kV(2000SQ)以下であり、ケーブル100の直径dは68mm以上100mm以下である。高底部220のピッチLは、2.0m以上4.0m以下である。管路10(円筒管200)の内径Dは、100mm以上150mm以下である。低底部210と高底部220との間の段差δは、14mm以上30mm以下である。
(2)ケーブル布設方法
次に、図1(a)および(b)を用い、本実施形態に係るケーブル100の布設方法について説明する。図1(b)は、本実施形態に係るケーブル布設時およびケーブル通電時の管路を示す軸方向断面図である。
(ケーブル挿通工程)
まず、図1(a)に示されているように、管路10の内部に、複数の高底部220のそれぞれによってケーブル100を支持させながら、ケーブル100を挿通させる。
(ケーブル撓ませ工程)
次に、図1(b)に示されているように、複数の高底部220のそれぞれによってケーブル100を支持させた状態で、ケーブル100を自重により撓ませる(図中実線部)。このとき、ケーブル100が高底部220、傾斜底部230、および低底部210に沿うように、ケーブル100を撓ませる。これにより、ケーブル100は、S字状(スネーク状)に屈曲される。また、このとき、ケーブル100を、高底部220だけでなく、傾斜底部230および低底部210のうちの少なくともいずれかによっても支持させる。以上により、管路10内にケーブル100が布設される。
(3)本実施形態に係る効果
本実施形態によれば、以下に示す1つ又は複数の効果を奏する。
(a)本実施形態によれば、管路10は、軸方向に沿って、低底部210と、傾斜底部230と、高底部220と、を有しており、傾斜底部230は、低底部210と高底部220との間で底面が軸方向に連続的に傾斜するように設けられている。これにより、管路10は、ケーブル100を高底部220に支持させて自重によって鉛直方向に屈曲させる(撓ませる)とともに、ケーブル100の屈曲形状に沿ってケーブル100を鉛直下側から支持するように構成されている。その結果、管路10内でケーブル100の熱伸縮を吸収することができるとともに、ケーブル100に局所的な負荷が加わることを抑制することができる。
具体的には、図1(b)に示されているように、ケーブル100の布設時(ケーブル100が通電される前)では、ケーブル100は、高底部220に支持されて、自重によって撓むことにより、S字状に屈曲されている。このとき、ケーブル100は、高底部220、傾斜底部230、および低底部210に沿うように設けられている。また、ケーブル100は、高底部220だけでなく、傾斜底部230および低底部210のうちの少なくともいずれかによっても支持されている。このように、ケーブル100は、高底部220だけでなく、傾斜底部230および低底部210のうちの少なくともいずれかにおいても滑らかに当接している。これにより、ケーブル100に局所的な負荷が加わることを抑制することができる。その結果として、ケーブル100の機械的または電気的な特性が局所的に変化することを抑制することができる。
また、図1(b)に示されているように、ケーブル100が通電されたとき、ケーブル100のジュール熱によって、ケーブル100が熱伸縮する。このとき、ケーブル100の鉛直下側の屈曲部分では、傾斜底部230および低底部210のうちの少なくともいずれかによって、ケーブル100の鉛直下側への移動が規制されている一方で、ケーブル100の鉛直上側の屈曲部分では、高底部220の鉛直上方が開放されているため、ケーブル100の鉛直上側への移動が許容されている。このため、ケーブル100は、傾斜底部230および低底部210のうちの少なくともいずれかに接触した部分を支点として、高底部220よりも鉛直上方向に突出するように屈曲する(図中破線)。ケーブル100の伸び出しがケーブル100の鉛直上方向への屈曲によって吸収されることにより、ケーブル100が管路10の軸方向に伸び出すことが抑制される。このようにして、管路10内でケーブル100の熱伸縮を吸収することができる。
(b)本実施形態によれば、管路10(円筒管200)は、例えば、鉛直方向の成分を有する方向にS字状(波形状)に屈曲している。これにより、管路10の鉛直下側には、軸方向に沿って、上述のような低底部210、傾斜底部230、および高底部220が設けられている。このように、ケーブル100をS字状に屈曲させるための構造を、管路10(円筒管200)をS字状に屈曲させるだけで容易に製造することができる。
(c)本実施形態によれば、管路10内の全ての空間(高さD+δ)を使って、ケーブル100の熱伸縮を吸収することができる。これにより、管路10自体の内径を大きくする必要が無く、管路10にかかるコストを削減することができる。
なお、参考までに、特許文献2の管路について説明する。特許文献2の管路では、ケーブルが通電されたとき、円環状の突起の間の領域で、ケーブルの垂れ下がり量が大きくなることにより、管路内でケーブルの熱伸縮を吸収することができるとされている。この場合、管路の上半分の空間が活用されていないため、管路の建設費用が過大となる可能性がある。これに対して、本実施形態によれば、ケーブル100が通電されたとき、ケーブル100は、傾斜底部230および低底部210のうちの少なくともいずれかに接触した部分を支点として、鉛直上方向に屈曲することにより、管路10の下半分の空間だけでなく、管路10の上半分の空間および管路10の段差(δ)も利用して、ケーブル100の熱伸縮を吸収することができる。これにより、管路10自体の内径を大きくする必要が無く、管路10にかかるコストを削減することができる。
(d)本実施形態によれば、ケーブル100自体に特殊な構造を付加する必要が無く、標準のケーブル100を用いて、管路10の内部でケーブル100の熱伸縮を吸収することができる。
なお、参考までに、いわゆるセルフスネークケーブルについて説明する。セルフスネークケーブルとは、ケーブルシース表面にスパイラル状の突起を有するケーブルであり、既に一部で実用化されている。スパイラル状の突起によってセルフスネークケーブルがS字状に屈曲することにより、セルフスネークケーブルの軸方向の伸び出しが抑制される。セルフスネークケーブルの実用化後、20年以上が経過しており、セルフスネークケーブルの更新(交換)時期が迫っている。しかしながら、セルフスネークケーブルは、標準のケーブルに比べて高価であるため、更新のためのコストが増大する可能性がある。これに対して、本実施形態によれば、標準のケーブル100を用いて、管路10の内部でケーブル100の熱伸縮を吸収することができる。したがって、ケーブル100を更新する際のコストを抑えることができる。
(e)本実施形態によれば、ケーブル100を布設する際のケーブル挿通工程において、管路10の内部に、複数の高底部220のそれぞれによってケーブル100を支持させながら、ケーブル100を挿通させる。ケーブル挿通工程では、ケーブル100は高底部220のみに接触することにより、ケーブル100の挿通時の摩擦力を低減することができる。
なお、参考までに、特許文献1の管路にケーブルを布設する場合について説明する。特許文献1の管路の横断面構造は、V型となっている。特許文献1の管路では、V型の2つの底面でケーブルを接触させることにより、ケーブルと管路との間の摩擦力を向上させ、管路内でケーブルの熱伸縮を抑制できるとされている。しかしながら、特許文献1の管路では、ケーブルを布設する際においても、ケーブルと管路との間の摩擦力が上昇するため、管路内にケーブルを挿通させる(引き入れる)際の張力が上昇し、管路内にケーブルを布設することが困難となる場合がある。このため、V型の管路を線路全長に亘って構築することが困難となる可能性がある。これに対して、本実施形態によれば、ケーブル挿通工程では、ケーブル100は高底部220のみに接触することにより、ケーブル100の挿通時の摩擦力を低減することができる。その結果、管路10内にケーブル100を挿通させる際の張力を低減させることができるため、本実施形態の管路10を長尺化させることが可能となる。
(f)本実施形態によれば、管路10内に小石等の異物が存在したとしても、異物が低底部210によって捕捉される。ケーブル挿通工程にでは、高底部220によってケーブル100を支持させながら、ケーブル100を挿通させるため、ケーブル100が低底部210の異物に接触することが抑制される。これにより、ケーブル100のケーブルシースが異物によって損傷することを抑制することができる。
<本発明の第2実施形態>
図2を用い、本発明の第2実施形態について説明する。図2(a)は、本実施形態に係る管路を示す軸方向断面図であり、図2(b)は、本実施形態に係るケーブル布設時およびケーブル通電時の管路を示す軸方向断面図である。
本実施形態では、管路を屈曲させる態様が第1実施形態と異なる。以下、第1実施形態と異なる要素についてのみ説明し、第1実施形態で説明した要素と実質的に同一の要素には、同一の符号を付してその説明を省略する。
(1)管路の構成
本実施形態の管路12を構成する円筒管202は、例えば、可とう性部材により構成されている。可とう性部材としては、例えば、ポリエチレン、高密度ポリエチレン(HDPE)、およびポリ塩化ビニル(PVC)等が挙げられる。
図2(a)に示されているように、管路12が埋設される地中には、溝部90が設けられている。溝部90の底面上には、所定の位置に、支持部302が設けられている。そして、支持部302および溝部90に追従するように、管路12を構成する可とう性の円筒管202が載置されている。管路12の高底部222は、鉛直上方から見て支持部302と重なる位置に設けられ、鉛直下側から支持部302によって支持されている。これにより、管路12は鉛直方向にS字状に屈曲し、管路12の鉛直下側には、軸方向に沿って、低底部212、傾斜底部232、高底部222が設けられている。なお、管路12の周囲と、溝部90および支持部302の周囲とは、土またはコンクリートにより固められている。
また、例えば、支持部302の鉛直上面は、鉛直上側に凸となるように円弧状に湾曲している。支持部302の鉛直上面の湾曲した形状に沿って、管路12が屈曲することにより、低底部212と高底部222との間に設けられた傾斜底部232の底面は、軸方向に滑らかに傾斜している。
また、支持部302は、例えば、コンクリート又はFRP等からなっている。このように支持部302が所定の剛性を有する材料からなっていることにより、ケーブル100が管路12内に挿通された場合であっても、ケーブル100の重さによって支持部302が変形することを抑制することができる。
支持部302は、管路12の軸方向に沿って複数設けられている。複数の支持部302のうちの隣接する2つの支持部302の間のピッチは所定の間隔Lとなっており、複数の高底部222のうちの隣接する2つの高底部222の間のピッチ(高底部222のピッチ)は、複数の支持部302のうちの隣接する2つの支持部302の間のピッチと等しく、所定の間隔Lとなっている。例えば、高底部222のピッチLは、第1実施形態と同様に、例えば、ケーブル100の直径dの20倍以上40倍以下である。
また、低底部212と高底部222との間の段差δは、支持部302の高さと等しくなっている。低底部212と高底部222との間の段差δは、第1実施形態と同様に、例えば、ケーブル100の直径dの20%以上30%以下である。
また、管路12(円筒管202)の内径Dは、第1実施形態と同様に、ケーブル100の直径dの1.4倍以上である。
(2)本実施形態に係る効果
本実施形態によれば、以下に示す1つ又は複数の効果を奏する。
(a)本実施形態によれば、管路12は可とう性部材により構成され、管路12の高底部222は、鉛直下側から支持部302によって支持されている。これにより、管路12は鉛直方向にS字状に屈曲し、管路12の鉛直下側には、軸方向に沿って、低底部212、傾斜底部232、高底部222が設けられている。その結果、第1実施形態と同様に、管路12内でケーブル100の熱伸縮を吸収することができるとともに、ケーブル100に局所的な負荷が加わることを抑制することができる。
具体的には、図2(b)に示されているように、ケーブル100の布設時(ケーブル100が通電される前)では、ケーブル100は、高底部222、傾斜底部232、および低底部212に沿うように設けられ、高底部222だけでなく傾斜底部232および低底部212のうちの少なくともいずれかにおいても滑らかに当接している。これにより、ケーブル100に局所的な負荷が加わることを抑制することができる。
また、図2(b)に示されているように、ケーブル100が通電されたとき、ケーブル100は、傾斜底部232および低底部212のうちの少なくともいずれかに接触した部分を支点として、高底部222よりも鉛直上方向に突出するように屈曲する(図中破線)。これにより、ケーブル100が管路10の軸方向に伸び出すことが抑制される。このようにして、管路12内でケーブル100の熱伸縮を吸収することができる。
(b)本実施形態によれば、支持部302および溝部90に追従するように、可とう性の円筒管202を載置するだけで、S字状に屈曲した管路12を容易に製造することができる。特殊な円筒管を用いる必要が無く、現在の市場に存在する可とう性の円筒管202を用いることができる。これにより、管路12を安価に製造することができる。
<本発明の他の実施形態>
以上、本発明の実施形態および変形例について具体的に説明したが、本発明は上述の実施形態および変形例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
上述の第2実施形態では、支持部302が円筒管202と別体として設けられている場合について説明したが、支持部は管路の一部として考えても良く、支持部は円筒管に取り付けられていても良い。
<本発明の好ましい態様>
以下、本発明の好ましい態様を付記する。
(付記1)
本発明の一態様によれば、
内部にケーブルが挿通される管路であって、
鉛直方向に所定の位置に設けられる低底部と、
前記低底部から軸方向に離間して設けられ、前記低底部よりも鉛直方向に高い位置に設けられる高底部と、
前記低底部と前記高底部との間で底面が軸方向に連続的に傾斜するように設けられる傾斜底部と、
を有する管路が提供される。
(付記2)
好ましくは、付記1に記載の管路であって、
前記ケーブルを前記高底部に支持させて自重によって鉛直方向に屈曲させるとともに、前記ケーブルの屈曲形状に沿って前記ケーブルを鉛直下側から支持するように構成される。
(付記3)
好ましくは、付記1又は2に記載の管路であって、
鉛直方向の成分を有する方向にS字状に屈曲することにより、軸方向に沿って、前記低底部、前記傾斜底部および前記高底部が設けられる。
(付記4)
好ましくは、付記1〜3のいずれかに記載の管路であって、
可とう性部材により構成され、
前記高底部は、鉛直下側から支持部によって支持される。
(付記5)
好ましくは、付記1〜4のいずれかに記載の管路であって、
前記低底部および前記高底部は、軸方向に複数交互に設けられる。
(付記6)
好ましくは、付記5に記載の管路であって、
前記複数の高底部のうちの隣接する2つの高底部の間のピッチは、前記ケーブルの直径の20倍以上40倍以下である。
(付記7)
好ましくは、付記1〜6のいずれかに記載の管路であって、
前記低底部と前記高底部との間の段差は、前記ケーブルの直径の20%以上30%以下である。
(付記8)
好ましくは、付記1〜7のいずれかに記載の管路であって、
前記低底部、前記傾斜底部および前記高底部にそれぞれ追従するように設けられる低天井部、傾斜天井部および高天井部を有する。
(付記9)
好ましくは、付記1〜8のいずれかに記載の管路であって、
内径は軸方向に均一となっている。
(付記10)
本発明の他の態様によれば、
鉛直方向に所定の位置に設けられる低底部と、前記低底部から軸方向に離間して設けられ、前記低底部よりも鉛直方向に高い位置に設けられる高底部と、前記低底部と前記高底部との間で底面が軸方向に連続的に傾斜するように設けられる傾斜底部と、を有する管路の内部に、前記高底部によってケーブルを支持させながら、前記ケーブルを挿通させる工程と、
前記高底部によって前記ケーブルを支持させた状態で、前記ケーブルを自重により撓ませる工程と、
を有するケーブル布設方法が提供される。
(付記11)
好ましくは、付記10に記載のケーブル布設方法であって、
前記ケーブルを自重により撓ませる工程では、
前記ケーブルが前記高底部、前記傾斜底部および前記低底部に沿うように前記ケーブルを撓ませる。
(付記12)
好ましくは、付記10又は11に記載のケーブル布設方法であって、
前記ケーブルを自重により撓ませる工程では、
前記ケーブルを前記傾斜底部および前記低底部の少なくともいずれかによって支持させる。
10,12 管路
90 溝部
100 ケーブル
200,202 円筒管
210,212 低底部
220,222 高底部
230,232 傾斜底部
260 低天井部
270 高天井部
280 傾斜天井部
302 支持部

Claims (9)

  1. 内部にケーブルが挿通される管路であって、
    鉛直方向に所定の位置に設けられる低底部と、
    前記低底部から軸方向に離間して設けられ、前記低底部よりも鉛直方向に高い位置に設けられる高底部と、
    前記低底部と前記高底部との間で底面が軸方向に連続的に傾斜するように設けられる傾斜底部と、
    前記低底部、前記傾斜底部、および前記高底部のそれぞれの鉛直上側に、前記低底部、前記傾斜底部、および前記高底部のそれぞれに追従するように設けられる低天井部、傾斜天井部、および高天井部と、
    を有し、
    前記高底部と前記低天井部との間の内径である前記管路の有効内径は、前記ケーブルの直径よりも大きい管路。
  2. 前記高底部は、前記ケーブルを鉛直方向に弛ませずに該高底部上に支持させたときに前記低天井部が前記ケーブルに干渉しないように配置される請求項1に記載の管路。
  3. 前記ケーブルを前記高底部に支持させて自重によって鉛直方向に屈曲させるとともに、前記ケーブルの屈曲形状に沿って前記ケーブルを鉛直下側から支持するように構成される請求項1又は2に記載の管路。
  4. 鉛直方向の成分を有する方向にS字状に屈曲することにより、軸方向に沿って、前記低底部、前記傾斜底部および前記高底部が設けられる請求項1〜3のいずれか1項に記載の管路。
  5. 可とう性部材により構成され、
    前記高底部は、鉛直下側から支持部によって支持される請求項1〜4のいずれか1項に記載の管路。
  6. 前記低底部および前記高底部は、軸方向に複数交互に設けられる請求項1〜5のいずれか1項に記載の管路。
  7. 前記複数の高底部のうちの隣接する2つの高底部の間のピッチは、前記ケーブルの直径の20倍以上40倍以下である請求項6に記載の管路。
  8. 前記低底部と前記高底部との間の段差は、前記ケーブルの直径の20%以上30%以下である請求項1〜7のいずれか1項に記載の管路。
  9. 鉛直方向に所定の位置に設けられる低底部と、前記低底部から軸方向に離間して設けられ、前記低底部よりも鉛直方向に高い位置に設けられる高底部と、前記低底部と前記高底部との間で底面が軸方向に連続的に傾斜するように設けられる傾斜底部と、前記低底部、前記傾斜底部、および前記高底部、のそれぞれの鉛直上側に、前記低底部、前記傾斜底部、および前記高底部のそれぞれに追従するように設けられる低天井部、傾斜天井部、および高天井部と、を有し、前記高底部と前記低天井部との間の内径である有効内径ケーブルの直径よりも大きい管路の内部に、前記高底部によって前記ケーブルを支持させながら、前記ケーブルを挿通させる工程と、
    前記高底部によって前記ケーブルを支持させた状態で、前記ケーブルを自重により撓ませる工程と、
    を有するケーブル布設方法。
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