JP6023766B2 - 血漿分画用ポリエチレングリコール又は血漿分画用ポリエチレングリコールのモノメチルエーテル及びその製造方法 - Google Patents

血漿分画用ポリエチレングリコール又は血漿分画用ポリエチレングリコールのモノメチルエーテル及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、血漿分画用ポリエチレングリコール又は血漿分画用ポリエチレングリコールのモノメチルエーテル及びその製造方法に関する。
ポリエチレングリコールはその毒性が低いことから、種々の薬物の添加剤として利用されている。また、工程薬剤として血漿分画用としても利用されている。
血漿分画とは、多量の血漿成分から治療に有用なタンパク質を精製することである。血漿タンパクは100種類以上のタンパク成分からなり、主な成分はアルブミン、グロブリン、各種血液凝固因子、フィブリノーゲン、フィブロネクチン、プラスミノーゲン、プロトロンビン等である。血漿からこれらの血漿タンパク成分に分画する方法としては、コーンの低温エタノール分画法、硫安分画法、ポリエチレングリコール分画法(以下、PEG分画と略記)等が知られている。
この中のPEG分画に使用されるポリエチレングリコールは、通常、エチレングリコール、ジエチレングリコール及びトリエチレングリコール等の活性水素を2個以上有する化合物に、アルカリ触媒存在下でエチレンオキサイドを付加重合することにより製造される。そして、毒性の強いアルデヒドなどの副生物を抑制する観点から、蒸留した原料を使用する方法(特許文献1)や、遠心式薄膜分子蒸留機を使用し精製する方法(特許文献2)がなされてきた。
特表2007−514028号公報 特開2003−113239号公報
しかしながら、従来のポリエチレングリコールは、製造直後は、副生物は抑制されているものの、経時的にアルデヒド等のカルボニル化合物が発生し、血漿分画用として使用した場合、得られるタンパクに影響を与えることがあった。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、経時的にアルデヒドなどのカルボニル化合物の発生を抑制し、優れた製品安定性を有する血漿分画用ポリエチレングリコール又は血漿分画用ポリエチレングリコールのモノメチルエーテル及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は上記の目的を達成すべく検討を行った結果、本発明に到達した。すなわち、本発明は、下記一般式(1)で表される血漿分画用ポリエチレングリコール又は血漿分画用ポリエチレングリコールのモノメチルエーテルであって、カリウムイオンの含量が10〜700ppmであり、粒径500μm以下の粉体を62重量%以下含有し、かつ、ナトリウムイオンの含量が0.01〜6.0ppmである血漿分画用ポリエチレングリコール又は血漿分画用ポリエチレングリコールのモノメチルエーテルである。
RO−(CO)−H (1)
[式中、Rは水素原子又はメチル基を表し、nはオキシエチレン基の平均付加モル数を表し、4〜500の数を表す。]
本発明は、ポリエチレングリコール又はポリエチレングリコールのモノメチルエーテル中の経時的なカルボニル化合物の発生を抑制することができ、血漿分画において本発明のポリエチレングリコール又はポリエチレングリコールのモノメチルエーテルを使用した場合、得られるタンパク質の収率が向上するという効果を奏する。
本発明の血漿分画用ポリエチレングリコール又は血漿分画用ポリエチレングリコールのモノメチルエーテルは、一般式(1)で表されるポリエチレングリコール又はポリエチレングリコールのモノメチルエーテルである。
一般式(1)におけるRは、水素原子又はメチル基である。血漿分画能の観点から、水素原子であることが好ましい。本発明の一般式(1)におけるRは、水素原子又はメチル基以外の場合、経時的なカルボニル化合物の発生量が多くなり、pH低下や血漿分画において得られるタンパク質へ影響を及ぼすという問題が生じる。
nはオキシエチレン基の平均付加モル数を表し、4〜500の数である。なお、nは整数であるとは限らず、少数の場合もある。nが4未満又は500より大きい場合、血漿分画能が低下する。
一般式(1)におけるnは、血漿分画能の観点から、好ましくは20〜300であり、更に好ましくは45〜180である。
本発明の血漿分画用ポリエチレングリコール又は血漿分画用ポリエチレングリコールのモノメチルエーテルは、経時安定性の観点から、カリウムイオンの含量が10〜700ppmであり、かつ、ナトリウムイオンの含量が0.01〜6.0ppmである。カリウムイオンの含量が好ましくは10〜650ppmであり、かつ、ナトリウムイオンの含量が0.01〜5.0ppmであり、カリウムイオンの含量がさらに好ましくは10〜100ppmであり、かつ、ナトリウムイオンの含量が0.01〜4.5ppmである。
本発明の血漿分画用ポリエチレングリコール又は血漿分画用ポリエチレングリコールのモノメチルエーテルは、ナトリウムイオンの含量が6.0ppmを超えると経時的なカルボニル化合物の発生量が多くなり、pH低下や血漿分画において得られるタンパク質へ影響を及ぼすという問題が生じ、また、カリウムイオンの含量が700ppmを超えると、血漿分画能が低下する。
本発明の血漿分画用ポリエチレングリコール又は血漿分画用ポリエチレングリコールのモノメチルエーテルのナトリウムイオン及び/又はカリウムイオンの含量は、アルカリ金属化合物(A)の使用量及び/又はナトリウムイオンの含量が500ppm以下である(A)を使用することにより調整することができる。例えば、ナトリウムイオン及び/又はカリウムイオンの含量を減らす場合には、アルカリ金属化合物(A)の使用量を減らす方法及び/又はナトリウムイオンの含量が好ましくは500ppm以下の(A)を使用する方法等が挙げられる。
ナトリウムイオンの含量及びカリウムイオンの含量の測定方法としては、公知の方法、例えばイオンクロマトグラフィー法、原子吸光法、ICP発光分析法が利用できるが、分析の精度の観点から、ICP発光分析法が好ましい。
<ICP発光分析法による血漿分画用ポリエチレングリコール又は血漿分画用ポリエチレングリコールのモノメチルエーテル中のナトリウムイオン及びカリウムイオン含量の測定方法>
ICP発光分析法には、ICP発光分析装置(VARIAN社製、Varian730−ES)を用いて分析した。超純水で1000倍に希釈した試料をICP発光分析装置で定量した。測定波長は、ナトリウムが589.592nmであり、カリウムが766.491nmであった。この時、ナトリウム及びカリウムを超純水で、50、100、200、500ppbに希釈したものを検量線として用いた。
本発明の血漿分画用ポリエチレングリコール又は血漿分画用ポリエチレングリコールのモノメチルエーテルは、重量平均分子量が、好ましくは200〜22,000であり、更に好ましくは400〜20,000である。
この測定法は、第16改正日本薬局方「マクロゴール4000」の平均分子量試験に準ずる。
本発明の血漿分画用ポリエチレングリコール又は血漿分画用ポリエチレングリコールのモノメチルエーテルは、取り扱いの観点から、粒径500μm以下の粉体を好ましくは62重量%以下含有し、更に好ましくは60重量%以下含有する。粒径の測定は、JIS Z8815−1994に準拠して測定され、例えば、内径150mm、深さ45mmのふるい{目開き(μm):710、500、300、150及び106}を、目開きの狭いふるいを下にして重ね、一番上の最も目開きの広い710μmのふるいの上に、測定試料50gを入れ、ふるい振動機にて10分間ふるい、各ふるいの上に残った測定試料の重量を測定し、最初の測定試料の重量に基づく各ふるいの上に残った測定試料の重量%を求めることによって測定することができる。
本発明の血漿分画用ポリエチレングリコール又は血漿分画用ポリエチレングリコールのモノメチルエーテルは、経時安定性の観点から、ナトリウムイオンの含量が好ましくは500ppm以下であり、より好ましくは400ppm以下であるアルカリ金属化合物(A)の存在下で、グリコール(B)にエチレンオキサイドを付加反応させる工程を含む方法により製造することができる。
本発明の血漿分画用ポリエチレングリコール又は血漿分画用ポリエチレングリコールのモノメチルエーテルのナトリウムイオン及び/又はカリウムイオンの含量は、アルカリ金属化合物(A)の使用量及び/又はナトリウムイオンの含量が500ppm以下である(A)を使用することにより調整することができる。例えば、ナトリウムイオン及び/又はカリウムイオンの含量を減らす場合には、アルカリ金属化合物(A)の使用量を減らす方法及び/又はナトリウムイオンの含量が好ましくは500ppm以下の(A)を使用する方法等が挙げられる。
ナトリウムイオンの含量は、前記ICP発光分析法で測定することができる。
本発明の血漿分画用ポリエチレングリコール又は血漿分画用ポリエチレングリコールのモノメチルエーテルは通常、以下の方法等で製造することができる。アルカリ金属化合物(A)の存在下、メタノール又はグリコール(B)にエチレンオキサイドを反応温度90〜190℃で開環付加反応した後、130℃〜150℃において、6.7kPa以下の減圧条件で5時間、脱エチレンオキサイド工程を行い、粗ポリエチレングリコール又はポリエチレングリコールのモノメチルエーテルを得ることができる。その後、pH調整を行うことでポリエチレングリコール又はポリエチレングリコールのモノメチルエーテルを製造する方法等が例示できる。
エチレンオキサイドの添加方法は特に限定されず、一度に全量を加えてもよいし、複数回に分割して添加してもよい。通常、開環付加反応における圧力は、安全性の観点から−0.1MPaG〜0.5MPaGであることが好ましい。
アルカリ金属化合物(A)としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、又はナトリウムメチラート等が挙げられる。これらは1種類でもよいし2種類以上を併用してもよい。開環付加反応を複数回に分けて行う場合は、反応ごとに異なる種類の化合物を使用してもよい。
これらのうち、アルカリ金属化合物(A)としては、水酸化カリウム又は水酸化ナトリウムが好ましい。
アルカリ金属化合物(A)の使用量は、メタノール又はグリコール(B)1molに対して、好ましくは1〜100mmolであり、更に好ましくは1〜10mmolである。
グリコール(B)としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、これらのモノメチルエーテル及びこれらのエチレンオキサイド付加物からなる群から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
リン酸及び/又は有機酸(C1)としては、リン酸;有機カルボン酸[蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、シュウ酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、フマル酸等]が挙げられる。これらのうち、リン酸、シュウ酸又はクエン酸が好ましい。
pH調整剤(C)は、前記の(C1)を水で希釈してもよく、10〜95重量%に希釈したものが好ましい。
pH調整は、リン酸及び/又は有機酸(C1)を含有するpH調整剤(C)を加え、中和後のポリエチレングリコール5重量%水溶液のpHが好ましくは5.5〜7.5であり、更に好ましくは6.5〜7.5である。
pHはポリエチレングリコール5重量%水溶液を測定した。これは、日本薬局方「マクロゴール4000」の規格に準ずる。
以下、実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実施例1>
撹拌機、加熱冷却装置を備えた耐圧反応容器にジエチレングリコール297g(2.8mol)、ナトリウムイオン含量が275ppmである水酸化カリウム0.04g(0.63mmol)を投入し、窒素置換後、125±5℃、6.7kPa以下で減圧脱水した。そこにエチレンオキサイド1383g(31.4mol)を開環付加反応させた後、100±5℃に冷却し、6.7kPa以下で脱エチレンオキサイドを行い、粗ポリエチレングリコールを作製した。更に撹拌機、加熱冷却装置を備えた耐圧反応容器に粗ポリエチレングリコール285g(0.48mol)、ナトリウムイオン含量が275ppmである水酸化カリウム0.08g(1.4mmol)を投入し、窒素置換後、125±5℃、6.7kKPa以下で減圧脱水した。そこにエチレンオキサイド1120g(25.4mol)を135±5℃で開環付加反応させた後、6.7kPa以下で脱エチレンオキサイドを行い、80℃に冷却した。冷却後、90重量%のリン酸水溶液を加え、80±5℃で60分間撹拌し中和した。取り出し、固化後、ミキサー粉砕を行い、710μmの篩で分級した。得られたポリエチレングリコール(エチレンオキシドの平均付加モル数n=67)のカリウムイオン含量は42ppm、ナトリウムイオン含量は0.03ppmであった。このとき、粒径500μm以下の粉体は、60重量%であった。
<実施例2>
撹拌機、加熱冷却装置を備えた耐圧反応容器にジエチレングリコール297g(2.8mol)、ナトリウムイオン含量が382ppmである水酸化カリウム0.04g(0.63mmol)を投入し、窒素置換後、145±5℃、6.7kPa以下で減圧脱水した。そこにエチレンオキサイド1383g(31.4mol)を開環付加反応させた後、6.7kPa以下で脱エチレンオキサイドを行い、粗ポリエチレングリコールを作製した。更に撹拌機、加熱冷却装置を備えた耐圧反応容器に粗ポリエチレングリコール285g(0.48mol)、ナトリウムイオン含量が382ppmである水酸化カリウム0.08g(1.4mmol)を投入し、窒素置換後、130±5℃、6.7kPa以下で減圧脱水した。更に145℃まで昇温後、エチレンオキサイド1120g(25.4mol)を170±5℃の温度で開環付加反応させた。6.7kPa以下で脱エチレンオキサイドを行い、80℃に冷却し、90重量%のリン酸水溶液を加え、80±5℃で60分間撹拌し中和した。取り出し、固化後、ミキサー粉砕を行い、710μmの篩で分級した。得られたポリエチレングリコール(エチレンオキシドの平均付加モル数n=67)のカリウムイオン含量は42ppm、ナトリウムイオン含量は0.02ppmであった。このとき、粒径500μm以下の粉体は、60重量%であった。
<実施例3>
撹拌機、加熱冷却装置を備えた耐圧反応容器にジエチレングリコール149g(1.4mol)、ナトリウムイオン含量が57%である水酸化ナトリウム0.01g(0.2mmol)を投入し、窒素置換後、145±5℃、6.7kPa以下で減圧脱水した。そこにエチレンオキサイド692g(15.7mol)を開環付加反応させた後、6.7kPa以下で脱エチレンオキサイドを行い、粗ポリエチレングリコールを作製した。更に撹拌機、加熱冷却装置を備えた耐圧反応容器に粗ポリエチレングリコール285g(0.48mol)、ナトリウムイオン含量が376ppmである水酸化カリウム0.08g(1.4mmol)を投入し、窒素置換後、130±5℃、6.7kPa以下で減圧脱水した。更に、エチレンオキサイド1120g(25.4mol)を135±5℃の温度で開環付加反応させた。6.7kPa以下で脱エチレンオキサイドを行い、80℃に冷却し、90重量%のリン酸水溶液を加え、80±5℃で60分間撹拌し中和した。取り出し、固化後、ミキサー粉砕を行い、710μmの篩で分級した。得られたポリエチレングリコール(エチレンオキシドの平均付加モル数n=67)のカリウムイオン含量は39ppm、ナトリウムイオン含量は1.8ppmであった。このとき、粒径500μm以下の粉体は、60重量%であった。
<実施例4>
撹拌機、加熱冷却装置を備えた耐圧反応容器にジエチレングリコール297g(2.8mol)、ナトリウムイオン含量が299ppmである水酸化カリウム0.04g(0.63mmol)を投入し、窒素置換後、125±5℃、6.7kPa以下で減圧脱水した。そこにエチレンオキサイド1383g(31.4mol)を開環付加反応させた後、100±5℃に冷却し、6.7kPa以下で脱エチレンオキサイドを行い、粗ポリエチレングリコールを作製した。更に撹拌機、加熱冷却装置を備えた耐圧反応容器に粗ポリエチレングリコール285g(0.48mol)、ナトリウムイオン含量が299ppmである水酸化カリウム0.04g(0.7mmol)を投入し、窒素置換後、125±5℃、6.7kKPa以下で減圧脱水した。そこにエチレンオキサイド373g(8.5mol)を135±5℃で開環付加反応させた後、6.7kPa以下で脱エチレンオキサイドを行い、80℃に冷却した。冷却後、90重量%のリン酸水溶液を加え、80±5℃で60分間撹拌し中和した。取り出し、固化後、ミキサー粉砕を行い、710μmの篩で分級した。得られたポリエチレングリコール(エチレンオキシドの平均付加モル数n=22)のカリウムイオン含量は60ppm、ナトリウムイオン含量は0.1ppmであった。このとき、粒径500μm以下の粉体は、60重量%であった。
<比較例1>
撹拌機、加熱冷却装置を備えた耐圧反応容器にジエチレングリコール149g(1.4mol)、水酸化ナトリウム0.01g(0.2mmol)を投入し、窒素置換後、125±5℃、6.7KPa以下で減圧脱水した。そこにエチレンオキサイド692g(15.7mol)を開環付加反応させた後、6.7KPa以下で脱エチレンオキサイドを行い、粗ポリエチレングリコールを作製した。更に撹拌機、加熱冷却装置を備えた耐圧反応容器に粗ポリエチレングリコール285g(0.48mol)、水酸化ナトリウム0.05g(1.3mmol)を投入し、窒素置換後、130±5℃、6.7KPa以下で減圧脱水した。更に、エチレンオキサイド1120g(25.4mol)を135±5℃の温度で開環付加反応させた。6.7KPa以下で脱エチレンオキサイドを行い、80℃に冷却し、90重量%のリン酸水溶液を加え、80±5℃で60分間撹拌し中和した。取り出し、固化後、ミキサー粉砕を行い、710μmの篩で分級した。得られたポリエチレングリコール(エチレンオキシドの平均付加モル数n=67)のナトリウムイオン含量は25.7ppmであり、カリウムイオン含量は2ppmであった。このとき、粒径500μm以下の粉体は、60重量%であった。
<比較例2>
撹拌機、加熱冷却装置を備えた耐圧反応容器にジエチレングリコール149g(1.4mol)、水酸化ナトリウム0.01g(0.2mmol)を投入し、窒素置換後、145±5℃、6.7KPa以下で減圧脱水した。そこにエチレンオキサイド692g(15.7mol)を開環付加反応させた後、6.7KPa以下で脱エチレンオキサイドを行い、粗ポリエチレングリコールを作製した。更に撹拌機、加熱冷却装置を備えた耐圧反応容器に粗ポリエチレングリコール285g(0.48mol)、水酸化ナトリウム0.05g(1.3mmol)を投入し、窒素置換後、130±5℃、6.7kPa以下で減圧脱水した。更に145℃まで昇温し、エチレンオキサイド1120g(25.4mol)を170±5℃の温度で開環付加反応させた。6.7kPa以下で脱エチレンオキサイドを行い、6.7KPa以下で脱エチレンオキサイドを行い、80℃に冷却し、90重量%のリン酸水溶液を加え、80±5℃で60分間撹拌し中和した。取り出し、固化後、ミキサー粉砕を行い、710μmの篩で分級した。得られたポリエチレングリコール(エチレンオキシドの平均付加モル数n=67)のナトリウムイオン含量は25.7ppmであり、カリウムイオン含量は2ppmであった。このとき、粒径500μm以下の粉体は、60重量%であった。
<比較例3>
撹拌機、加熱冷却装置を備えた耐圧反応容器にジエチレングリコール149g(1.4mol)、ナトリウムイオン含量が0.22%である水酸化カリウム0.01g(0.2mmol)を投入し、窒素置換後、145±5℃、6.7KPa以下で減圧脱水した。そこにエチレンオキサイド692g(15.7mol)を開環付加反応させた後、6.7KPa以下で脱エチレンオキサイドを行い、粗ポリエチレングリコールを作製した。更に撹拌機、加熱冷却装置を備えた耐圧反応容器に粗ポリエチレングリコール285g(0.48mol)、ナトリウムイオン含量が0.22%である水酸化カリウム0.05g(1.3mmol)を投入し、窒素置換後、130±5℃、6.7kPa以下で減圧脱水した。更に145℃まで昇温し、エチレンオキサイド1120g(25.4mol)を170±5℃の温度で開環付加反応させた。6.7kPa以下で脱エチレンオキサイドを行い、6.7KPa以下で脱エチレンオキサイドを行い、80℃に冷却し、90重量%のリン酸水溶液を加え、80±5℃で60分間撹拌し中和した。取り出し、固化後、ミキサー粉砕を行い、710μmの篩で分級した。得られたポリエチレングリコール(エチレンオキシドの平均付加モル数n=67)のナトリウムイオン含量は7.7ppmであり、カリウムイオン含量は2ppmであった。このとき、粒径500μm以下の粉体は、60重量%であった。
<血漿分画用ポリエチレングリコールの熱劣化処理方法>
実施例1〜4、比較例1〜3で作製した血漿分画用ポリエチレングリコールをスターラーチップが入ったスクリュー管に20g入れて、70℃に温調したウォーターバス中で、大気存在下で回転速度250rpm、23時間撹拌を行い熱劣化した血漿分画用ポリエチレングリコールを作製した。
製造直後及び熱劣化させた血漿分画用ポリエチレングリコールのカルボニル含量、pH及びアンチトロンビンIIIの活性基準比率は、以下の方法で測定し、その結果を表1及び表2に示す。
<カルボニル含量測定>
カルボニル含量は以下の測定法で行った。まず、試料2gをイオン交換水2mLに溶かし、50重量%試料溶液を作製した。2−ニトロフェニルヒドラジン(2−NPH)塩酸塩0.038gを99.5重量%エタノールで10mLとし2−NPH塩酸塩溶液を作製した。チオ尿素0.2gを99.5重量%エタノールで10mLとしチオ尿素溶液を作製した。ピリジン0.7mLを99.5重量%エタノールで10mLとしピリジン溶液を作製した。カルボジイミド(DCC)0.516gを99.5重量%エタノールで10mLとし0.25M DCC溶液を作製する。更に水酸化カリウム1gにイオン交換水1mLを加え、メタノールで10mLとし、KOH溶液を作製した。
2−NPH塩酸塩溶液とチオ尿素溶液を5mLずつ混合し、NPH・チオ尿素混合溶液を作製した。上記の50重量%試料溶液60μL、NPH・チオ尿素混合溶液120μL、ピリジン溶液60μL更に0.25M DCC溶液60μLをサンプリングチューブ(MICRO TUBE製)に混合し、ボルテックスミキサーで撹拌後、振とう恒温水槽(タイテック株式会社製、TAIYO PERSONAL INCUBATOR)で37℃、1時間振とうし、反応させた。反応後、KOH溶液30μL混合し、ボルテックスミキサーで撹拌後、更に振とう恒温水槽中で60℃、15分間振とうし、反応させた。
その後、530nmの波長でプレートリーダー(BioTek製、PowerWave XS)を用い、吸光度測定を行い、カルボニル含量の定量を行った。この時、検量線には酢酸を用いた。
なお、血漿分画用ポリエチレングリコールの製造直後と熱劣化後においてカルボニル含量の差が低いほど、経時的なカルボニル化合物の発生を抑制していることを示す。
<pH測定>
pHはポリエチレングリコール5重量%水溶液のpHを測定した。これは、日本薬局方「マクロゴール4000」の規格に準ずる。
なお、血漿分画用ポリエチレングリコールの製造直後と熱劣化後において血漿分画用ポリエチレングリコール5重量%水溶液のpHの差が低いほど、製品安定性に優れていることを示す。
<アンチトロンビンIIIの活性基準比率>
アンチトロンビンIIIの活性基準比率(重量%)は以下の方法に準じて測定した。まず、希釈溶液にリン酸緩衝液(ライフテクノロジーズジャパン製、DPBS)を使用し、22重量%試料溶液を作製した。アンチトロンビンIII10μLに22重量%試料溶液を90μL加え、サンプリングチューブに混合し、5℃で2時間静置した。アンチトロンビンIIIの残存量の測定には、「ATIIIキット ベリクローム ATIII オートB」(SIEMENS製)を使用した。吸光度測定にはプレートリーダー(BioTek製、PowerWave XS)を用いた。
試料溶液およびブランク(生理食塩水)それぞれ4μLと予め37℃に加温していたトロンビン試液120μLを96ウェルプレート(BD Falcon製)に混和し、37℃で3分間反応させた。予め37℃に加温していたトシル−グリシル−プロリル−アルギニル−5−アミノ−2−ニトロ安息香酸イロプロピルアミド試薬(基質試薬)(20μL)を添加し、すばやく撹拌した後、30秒以内に37℃で407nmにおける初期吸光度を測定した。さらに60秒後、120秒後の吸光度を測定して、1分あたりの吸光度変化率ΔA/分を求め、それをアンチトロンビンIIIの残存量とした。式(2)によりアンチトロンビンIIIの活性基準比率を算出した。
アンチトロンビンIIIの活性基準比率(重量%)=2日後に測定したアンチトロンビンIII残存量/試料溶液とアンチトロンビンIII配合直後のアンチトロンビンIII残存量(2)
なお、血漿分画用ポリエチレングリコールの製造直後と熱劣化後において、アンチトロンビンIIIの活性基準比率の差が低いほど、血漿分画用ポリエチレングリコールのアンチトロンビンIIIに対する影響が低いことを示す。
表1及び表2から明らかなように、本発明で得られるポリエチレングリコールは、経時的なカルボニル化合物の発生を抑制し、かつ、血漿分画において得られるアンチトロンビンIIIへの影響を与えにくいことがわかる。
Figure 0006023766
Figure 0006023766
本発明で得られたポリエチレングリコール又は血漿分画用ポリエチレングリコールのモノメチルエーテルは、経時的なカルボニル化合物の発生が少なく、血漿分画において得られるタンパク質への影響を与えにくいことから、得られるタンパク質の収率向上が期待でき、血漿分画用等に使用されるポリエチレグリコール又は血漿分画用ポリエチレングリコールのモノメチルエーテルとして有用である。

Claims (3)

  1. 下記一般式(1)で表される血漿分画用ポリエチレングリコール又は血漿分画用ポリエチレングリコールのモノメチルエーテルであって、カリウムイオンの含量が10〜700ppmであり、粒径500μm以下の粉体を62重量%以下含有し、かつ、ナトリウムイオンの含量が0.01〜6.0ppmである血漿分画用ポリエチレングリコール又は血漿分画用ポリエチレングリコールのモノメチルエーテル。
    RO−(CO)−H (1)
    [式中、Rは水素原子又はメチル基を表し、nはオキシエチレン基の平均付加モル数を表し、4〜500の数を表す。]
  2. nが20〜300の数である請求項1に記載の血漿分画用ポリエチレングリコール又は血漿分画用ポリエチレングリコールのモノメチルエーテル。
  3. ナトリウムイオンの含量が500ppm以下であるアルカリ金属化合物(A)の存在下で、メタノール、グリコール(B)又は(B)のモノメチルエーテルにエチレンオキサイドを付加反応させる工程を含む請求項1または2に記載の血漿分画用ポリエチレングリコール又は血漿分画用ポリエチレングリコールのモノメチルエーテルの製造方法。
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