JP6020350B2 - 内装部品の真空成形装置及び真空成形方法 - Google Patents

内装部品の真空成形装置及び真空成形方法 Download PDF

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Description

本発明は、アンダーカット部を有する基材の表面に、表皮材を真空成形によって被覆する内装部品の真空成形装置及び真空成形方法に関する。
例えば、図8に示すように、基材KZのアンダーカット部KZuにスライド部材103を進退させて表皮材HZを被覆する内装部品NBの真空成形装置100が知られている。
上記真空成形装置100には、予め射出成形された基材KZを載置する下型101と、基材表面に表皮材HZを押圧しながら真空吸引して賦形する上型102と、上型下端に摺動可能に支持されて基材KZのアンダーカット部KZuに表皮材HZを押圧しながら真空吸引して賦形するスライド部材103と、スライド部材103を進退させる駆動装置104と、表皮材HZの両端を保持し基材上に被せてから開放する表皮材チャック装置105とを備えている。駆動装置104は、上型102の側端に固定され、スライド部材103と連結されている。
この真空成形装置100によれば、上型102を型開き状態にして、基材KZを下型101に載置してから、加熱して柔らかくした表皮材HZの両端を保持する表皮材チャック装置105が所定の待機位置Pへ移動して、表皮材HZを基材表面に被せ、その後、上型102を閉じ、かつ、スライド部材103をアンダーカット部KZuに前進させてから、真空吸引することによってアンダーカット部KZuを有する基材表面に表皮材HZを被覆させることができる。
しかし、この真空成形装置100においては、アンダーカット部KZuにスライド部材103が進退する構造であるため、スライド部材103の移動距離Tを見込んで、表皮材チャック装置105の待機位置Pを外側に逃がしておく必要がある。
そのため、上記真空成形装置100には、表皮材チャック装置105の待機位置Pを外側に逃がした分だけ、基材端から表皮材端までの長さが増加するので、表皮ロスが増大する問題があった。また、上記内装部品NBにおいては、表皮材HZの占めるコスト比率が高く、内装部品NBのコスト低減を図るためにも、表皮ロスを最小限にできる真空成形装置及び真空成形方法が求められている。
この問題に関連する技術として、例えば、特許文献1には、上型の周縁部下面に設置され、中央側に向かい進退可能なスライド部材に取り付けたセットピンに表皮材端末を突き刺して仮止めし、上下型の型締め時、スライド部材を動作させて、樹脂芯材の端部に表皮材を巻き込む技術が開示されている。この特許文献1に記載された技術によれば、スライド部材の移動距離に応じて基材端から表皮材端までの長さを増加させる必要が無いので、表皮ロスが増大する問題は解消されることになる。
特開平6−55558号公報
しかしながら、特許文献1に記載された技術には、以下の問題があった。
すなわち、特許文献1に記載された表皮材の仮止め方法は、スライド部材の下面に表皮材を仮止めセットするセットピンが適宜箇所に取り付けられ、上型が上方位置にあるとき、表皮材をセットピンに突き刺して表皮材を保持する方法である。しかし、セットピンは上型に取り付けられているので、表皮材をセットピンに突き刺す作業が困難であり、また、表皮材は、加熱して柔らかくした状態であるので、たとえセットピンに突き刺しても簡単に落下してしまい、表皮材を安定して保持できないという問題があった。
また、一般に、内装部品の真空成形装置においては、表皮材のしわ、キレツを回避するため、上型を完全に閉じる前(例えば、閉じ位置の数cm手前)に表皮材チャック装置が表皮材を開放するように制御している。そのため、上述した特許文献1に記載された表皮材をセットピンに突き刺す仮止め方法では、上型の閉じ位置に対応した適正なタイミングで、表皮材を開放することができないという問題があった。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、基材のアンダーカット部にスライド部材を進退させて表皮材を被覆した内装部品の真空成形装置及び真空成形方法において、スライド部材の進退に伴う表皮ロスを低減できるとともに、表皮材を安定して保持し、開放できることを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る内装部品の真空成形装置及び真空成形方法は、次のような構成を有している。
(1)アンダーカット部を有する基材を載置する下型と、前記基材表面に表皮材を押圧しながら真空吸引して賦形する上型と、前記上型の下端に摺動可能に支持されて前記アンダーカット部に進退するスライド部材と、前記表皮材を保持し、開放する表皮材チャック装置とを備え、前記アンダーカット部表面に前記表皮材を被覆する内装部品の真空成形装置であって、
前記スライド部材の後端には、前方に凹む切り欠き部を形成し、前記スライド部材が前記アンダーカット部に向けてスライドして前記表皮材を成形した状態時において、少なくとも前記切り欠き部から前記スライド部材の移動距離だけ後方に離れた位置に前記表皮材チャック装置が待機することを特徴とする。
本発明においては、スライド部材の後端には、前方に凹む切り欠き部を形成し、スライド部材がアンダーカット部に向けてスライドして表皮材を成形した状態時において、少なくとも切り欠き部からスライド部材の移動距離だけ後方に離れた位置に表皮材チャック装置が待機するので、切り欠き部の凹み量に応じて、表皮材チャック装置を基材のアンダーカット部に近接させることができる。そのため、表皮材における、アンダーカット部外周端から表皮材外周端までの距離を短縮でき、表皮ロスを低減することができる。また、スライド部材がアンダーカット部に向けてスライドして表皮材を成形した状態時において、少なくとも切り欠き部からスライド部材の移動距離だけ後方に離れた位置に表皮材チャック装置が待機するので、表皮材を安定して保持し、上型の閉じ位置に対応した適正なタイミングで、表皮材を開放することができる。
よって、本発明によれば、スライド部材の進退に伴う表皮ロスを低減できるとともに、表皮材を安定して保持し、開放できる。
なお、切り欠き部はスライド部材の進退方向と直交する方向(長手方向)に複数個形成され、スライド部材がアンダーカット部に向けてスライドして表皮材を成形した状態時において、各切り欠き部からスライド部材の移動距離だけ後方に離れた位置に表皮材チャック装置がそれぞれ待機することが好ましい。この場合、表皮材チャック装置が、表皮材の端末を複数箇所で保持できるので、表皮材の端末におけるタルミ、ヒケ等を防止し、表皮ロスをより一層低減することができるとともに、表皮材をより安定して保持し、開放することができる。
(2)(1)に記載された内装部品の真空成形装置において、
前記切り欠き部には、前記表皮材チャック装置との干渉を避けた位置で、前記スライド部材を進退させる駆動装置を連結したことを特徴とする。
本発明においては、切り欠き部には、表皮材チャック装置との干渉を避けた位置で、スライド部材を進退させる駆動装置を連結したので、スライド部材における強度を保持しつつ、切り欠き部の凹み量を増加させて、表皮ロスを一層低減することができる。
すなわち、スライド部材の後端に前方に凹む切り欠き部を形成すると、スライド部材が切り欠き部で撓み、スライド部材における強度が低下する。しかし、切り欠き部に駆動装置を連結することによって、駆動装置の押圧力が切り欠き部に直接作用するので、スライド部材における強度低下を補完することができる。そのため、切り欠き部の凹み量を増加しても、スライド部材の撓み、変形を回避させることができる。その結果、切り欠き部の凹み量を増加させて、表皮材チャック装置を基材のアンダーカット部にさらに接近させることができ、表皮ロスをより一層低減することができる。
また、切り欠き部には、表皮材チャック装置との干渉を避けた位置でスライド部材を進退させる駆動装置を連結したので、表皮材チャック装置の待機位置を上下方向で変更しても、駆動装置と干渉するおそれが少ない。そのため、表皮材チャック装置は、表皮材の歩留まりを考慮しつつ、表皮材成形時のシワ、キレツを防止できる最適な高さで待機し、表皮材を保持し、開放することができる。その結果、表皮材の成形時におけるシワ、キレツを防止して、成形不良をより一層低減することもできる。
よって、本発明によれば、表皮材の成形不良を低減しつつ、より一層表皮ロスを低減することができる。
(3)(1)又は(2)に記載された内装部品の真空成形装置を用いた真空成形方法であって、
前記上型には、前記スライド部材の下端が摺接する固定板を備え、前記スライド部材が前記アンダーカット部に前進するとき、前記固定板と前記下型とで前記表皮材の周縁部を狭持することを特徴とする。
本発明においては、上型には、スライド部材の下端が摺接する固定板を備え、スライド部材がアンダーカット部に前進するとき、固定板と下型とで表皮材の周縁部を狭持するので、上型が閉じてスライド部材がアンダーカット部に前進するとき、表皮材の周縁部を固定板と下型とで挟み込んで押圧することができる。そのため、スライド部材がアンダーカット部の表皮材を成形するとき、表皮材の周縁部を固定板によって下型に押圧するので、仮に、表皮材を被覆するアンダーカット部の形状が複雑に起伏していても、表皮材の周縁部にシワが発生するのを抑制することができる。また、表皮材の周縁部を固定板と下型とで挟み込んで押圧することによって、表皮部材の周縁部におけるスクラップ代を縮小することができる。
よって、本発明によれば、表皮部材の周縁部にシワを発生させることなく、表皮ロスを低減できるとともに、表皮材を安定して保持し、開放できる。
本発明によれば、基材のアンダーカット部にスライド部材を進退させて表皮材を被覆した内装部品の真空成形装置及び真空成形方法において、スライド部材の進退に伴う表皮ロスを低減できるとともに、表皮材を安定して保持し、開放できる。
本発明の実施形態に係る内装部品の真空成形装置における模式的斜視図である。 図1に示す真空成形装置の部分断面図である。 図2において表皮材チャック装置の待機位置を上下方向で変更したときの部分断面図である。 図1に示す真空成形装置において、表皮材を基材表面に被せた時の部分断面図である。 図1に示す真空成形装置において、上型が閉じる手前の部分断面図である。 図1に示す真空成形装置において、上型が閉じた時の部分断面図である。 図1に示す真空成形装置において、スライド部材が前進した時の部分断面図である。 従来の内装部品の真空成形装置の模式的断面図である。
次に、本発明に係る実施形態である内装部品の真空成形装置及び真空成形方法について、図面を参照して詳細に説明する。はじめに、本実施形態に係る真空成形装置の全体構造を説明し、その後、本実施形態に係る真空成形装置を用いた内装部品の真空成形方法について、説明する。
<真空成形装置の全体構造>
まず、本実施形態に係る真空成形装置の全体構造を、図1〜図3を用いて説明する。図1に、本発明の実施形態に係る内装部品の真空成形装置における模式的斜視図を示す。図2に、図1に示す真空成形装置の部分断面図を示す。図3に、図2において表皮材チャック装置の待機位置を上下方向で変更したときの部分断面図を示す。
図1、図2に示すように、本実施形態に係る真空成形装置10は、上端が断面凸状に形成された下型1と、下端が断面凹状に形成された上型2と、長尺状のスライド部材3と、上型2の後端に固定され、スライド部材3を前後方向へ進退させる駆動装置4と、表皮材HZを保持し、開放する表皮材チャック装置5と、スライド部材3の下端が摺接する固定板6とを備えている。ここで、矢印X方向が前後方向を示し、矢印Y方向が左右方向を示し、矢印Z方向が上下方向を示す。なお、本真空成形装置10には、図示しない公知の型昇降装置と真空吸引装置とを備えているが、ここでは必要な場合を除き説明を割愛する。
下型1は、アンダーカット部KZuを有する基材KZを載置する型部材であって、上端に基材KZが当接する基材受け面12を、適宜備えている。また、下型1の上端には、基材KZのアンダーカット部端末KZu1が当接する位置に隣接して、表皮材HZの周縁部HZ1を押圧するシワ押え面11が形成されている。シワ押え面11は、スライド部材3に対応して左右方向(長手方向)に延設されている。下型1の下端13は、型昇降装置に締結されている。なお、基材KZは、ポリプロピレン(PP)などの熱可塑性樹脂で、表皮材HZは、上下で2層構造をなし、基材KZに接着される第1層は、ポリプロピレンフォーム(PPF)であり、第1層の上に形成される第2層は、オレフィン系エラストマ(TPO)であることが好ましい。
上型2は、基材表面KZjに表皮材HZを押圧しながら真空吸引して賦形する型部材であって、下端に表皮材表面を賦形する賦形面22を備えている。上型2には、賦形面22から表皮材HZを真空吸引するため、ポーラス状の電鋳材を用い、適宜吸引孔(図示せず)が形成されている。上型2の下端21には、スライド部材3の上端34と摺接して、スライド部材3の前後方向への移動を案内する案内部材23が固定されている。上型2の上端24は、型昇降装置に締結されている。上型2は、型昇降装置の昇降動作によって、型開き位置から型閉じ位置まで上下動する。
スライド部材3は、基材KZのアンダーカット部KZu表面に表皮材HZを押圧しながら真空吸引して賦形する型部材であって、アンダーカット部KZuの表皮材表面に賦形するアンダーカット賦形面33を備えている。スライド部材3には、アンダーカット賦形面33から表皮材HZを真空吸引するため、ポーラス状の電鋳材を用い、適宜吸引孔(図示せず)が形成されている。スライド部材3において、アンダーカット賦形面33と対向する後端には、前方に凹む切り欠き部31と、後方に突出する突出部32とが形成されている。切り欠き部31は、平面視で後方に開放されたコ字状端面を有している。切り欠き部31は、スライド部材3の左右方向(長手方向)に複数個(図1では、3個)形成されている。各切り欠き部31は、それぞれ左右方向(長手方向)の長さが同一で、同一の凹み量Lを有している。突出部32は、切り欠き部31同士の間と、スライド部材3の左右端とに形成されている。突出部32の上端は、案内部材23が摺接している。
駆動装置4は、上型2の後端25に装着され、スライド部材3を前後方向へ進退させる装置であって、シリンダー部41と、駆動ロッド部42と、連結板43と、支持部44と、スライド連結部45とを備えている。駆動装置4は、スライド部材3の左右対称な位置に2個に装着されている。シリンダー部41は、前端が上型後端25に固定されていて、後端から駆動ロッド部42が進退する。駆動ロッド部42の頭部には、周方向にリング溝が形成されている。スライド連結部45は、筒状体をなし、前端がスライド部材3の切り欠き部31に固定されている。スライド連結部45の胴体部には、周方向にリング溝が形成されている。連結板43は、上端下端にそれぞれU溝を有する板状体であって、上端のU溝が駆動ロッド部42のリング溝に係合され、下端のU溝がスライド連結部45のリング溝に係合されている。連結板43の中間部には、軸孔が形成され、その軸孔には支持部44の軸ピンが貫通している。シリンダー部41が作動することによって、スライド部材3が前後方向に移動距離Mだけ移動して、アンダーカット部KZuを被覆する表皮材HZを賦形する。
表皮材チャック装置5は、表皮材HZの前後方向両端を保持し、基材上に被せてから開放する表皮材搬送装置である。表皮材チャック装置5は、表皮材HZの前後方向両端を保持するため、上型2の前端側と後端側に配置されている。後端側に配置された表皮材チャック装置5には、複数個のクランプアーム51と各クランプアーム51を連結する連結アーム52とを備えている。前端側に配置された表皮材チャック装置5は、図示を省略しているが、後端側と同様に、複数個のクランプアーム51と各クランプアーム51を連結する連結アーム52とを備えている。
後端側に配置された表皮材チャック装置5の各クランプアーム51は、スライド部材3がアンダーカット部KZuに向けてスライドして表皮材HZを成形した状態時において、少なくともスライド部材3が進退する移動距離Mだけ、各切り欠き部31から離間して待機している。各クランプアーム51は、切り欠き部31に固定された駆動装置4と干渉しない位置P1に待機している。また、各クランプアーム51は、駆動装置4のスライド連結部45及び連結板43より左右方向にズレた位置に配置されている。クランプアーム51の先端には、クランプ爪511が回動可能に取り付けられている。クランプ爪511が閉じると、表皮材HZを保持し、クランプ爪511が開くと、表皮材HZを開放する。クランプ爪511の開放タイミングは、上型2の閉じ位置に応じて調節でき、表皮材HZの成形時にシワ、キレツが生じにくい最適な位置を選定する。
なお、図3に示すように、表皮材チャック装置5の待機位置P2を上方向へ変更しても、駆動装置4と干渉するおそれが少ない。表皮材チャック装置5の待機位置P2が上方へ移動すれば、表皮材HZの前後方向の寸法を短縮することができる。そのため、表皮材HZの歩留まりを考慮しつつ、表皮材成形時のシワ、キレツを防止できる最適な高さで待機し、表皮材HZを保持し、開放することができる。
図1、図2に示すように、固定板6は、上端62でスライド部材3を前後方向に案内するとともに、下端61で表皮材HZの周縁部HZ1を押圧する板部材である。固定板6の前端63にて、基材KZのアンダーカット部端末KZu1の表皮材HZを賦形する。固定板6の後端64は、スライド部材3の切り欠き部31及び突出部32の後端形状と、平面視で同一の形状に形成されている。
<内装部品の真空成形方法>
次に、上述した真空成形装置を用いて、端部にアンダーカット部を有する基材表面に表皮材を被覆する内装部品の真空成形方法を、図4〜図7を用いて説明する。図4に、図1に示す真空成形装置において、表皮材を基材表面に被せた時の部分断面図を示す。図5に、図1に示す真空成形装置において、上型が閉じる手前の部分断面図を示す。図6に、図1に示す真空成形装置において、上型が閉じた時の部分断面図を示す。図7に、図1に示す真空成形装置において、スライド部材が前進した時の部分断面図を示す。
図4に示すように、はじめに下型1の基材受け面12に基材KZを載置し、表皮材HZの端末を表皮材チャック装置5(51、52)が保持して、表皮材HZを基材表面KZjに被せる。この時、表皮材HZは、所定の温度に加熱されて柔らかくなった状態である。
表皮材HZを基材表面KZjに被せた後、上型2を矢印Pの方向に下降させる。この時、上型2に支持されたスライド部材3は、駆動装置4のスライド連結部45及び連結板43に戻されて後退位置に待機している。
次に、図5に示すように、上型2が所定の高さまで下降したら、表皮材チャック装置5のクランプ爪511が矢印Qの方向に回動する。クランプ爪511が回動することによって、表皮材HZが開放される。表皮材HZの開放タイミングは、上型2を完全に閉じる前(例えば、閉じ位置の数cm手前)に行うように制御されている。開放された表皮材HZの周縁部HZ1は、固定板6の下端61と下型1のシワ押え面11との間の空間によって、流入方向の拘束を受けることになる。この拘束によって、表皮材HZには適正な引張力を作用させる。その結果、表皮材を伸び成形させつつ型内に流入することができ、表皮材のしわ、キレツを回避することができる。
次に、図6に示すように、上型2を完全に閉じる。この段階では、スライド部材3は、後退位置に待機している。表皮材HZの周縁部HZ1は、固定板6の下端61と下型1のシワ押え面11とによって押圧されている。固定板6の前端63は、アンダーカット部端末KZu1の表皮材HZを押圧して賦形する。続いて、図7に示すように、スライド部材3は、駆動装置4(43、45)によって矢印Rの方向に押されてアンダーカット部KZuに前進し、アンダーカット賦形面33が表皮材HZを押圧しながら真空吸引して賦形する。この時、表皮材HZの周縁部HZ1は、固定板6の下端61と下型1のシワ押え面11から引張力を受けながら、型内(矢印Sの方向)に流入する。また、表皮材HZの周縁部HZ1は、固定板6の下端61と下型1のシワ押え面11とによって挟み込まれているので、シワが発生することもない。
<作用効果>
以上、詳細に説明したように、本実施形態に係る内装部品NBの真空成形装置10によれば、スライド部材3の後端には、前方に凹む切り欠き部31を形成し、スライド部材3がアンダーカット部KZuに向けてスライドして表皮材HZを成形した状態時において、少なくとも該切り欠き部31からスライド部材3の移動距離Mだけ後方に離れた位置に表皮材チャック装置5が待機するので、切り欠き部31の凹み量Lに応じて、表皮材チャック装置5を基材KZのアンダーカット部KZuに近接させることができる。そのため、表皮材HZにおける、アンダーカット部外周端から表皮材外周端までの距離を短縮でき、表皮ロスを低減することができる。また、スライド部材3がアンダーカット部KZuに向けてスライドして表皮材HZを成形した状態時において、少なくとも切り欠き部31からスライド部材3の移動距離Mだけ後方に離れた位置に表皮材チャック装置5が待機するので、表皮材HZを安定して保持し、上型2の閉じ位置に対応した適正なタイミングで、表皮材HZを開放することができる。
また、本実施形態によれば、切り欠き部31はスライド部材3の進退方向(前後方向)と直交する方向(左右方向)に複数個形成され、スライド部材3がアンダーカット部KZuに向けてスライドして表皮材HZを成形した状態時において、各切り欠き部31からスライド部材3の移動距離Mだけ後方に離れた位置P1に表皮材チャック装置5の各クランプアーム51がそれぞれ待機する。この場合、表皮材チャック装置5の各クランプアーム51が、表皮材HZの端末を複数箇所で保持できるので、表皮材HZの端末におけるタルミ、ヒケ等を防止し、表皮ロスをより一層低減することができるとともに、表皮材HZをより安定して保持し、開放することができる。
また、本実施形態によれば、切り欠き部31には、表皮材チャック装置5との干渉を避けた位置で、スライド部材3を進退させる駆動装置4を連結したので、スライド部材3における強度を保持しつつ、切り欠き部31の凹み量Lを増加させて、表皮ロスを一層低減することができる。
すなわち、スライド部材3の後端に前方に凹む切り欠き部31を形成すると、スライド部材3が切り欠き部31で撓み、スライド部材3における左右方向(長手方向)の強度が低下する。しかし、切り欠き部31に駆動装置4を連結することによって、駆動装置4の押圧力が切り欠き部31に直接作用するので、スライド部材3における強度低下を補完することができる。そのため、切り欠き部31の凹み量Lを増加しても、スライド部材3の撓み、変形を回避させることができる。その結果、切り欠き部31の凹み量Lを増加させて、表皮材チャック装置5を基材KZのアンダーカット部KZuにさらに接近させることができ、表皮ロスをより一層低減することができる。
また、本実施形態によれば、切り欠き部31には、表皮材チャック装置5との干渉を避けた位置でスライド部材3を進退させる駆動装置4を連結したので、表皮材チャック装置5の待機位置を上下方向で変更(P1からP2へ変更)しても、駆動装置4と干渉するおそれが少ない。そのため、表皮材チャック装置5は、表皮材HZの歩留まりを考慮しつつ、表皮材成形時のシワ、キレツを防止できる最適な高さで待機し、表皮材HZを保持し、開放することができる。その結果、表皮材HZの成形時におけるシワ、キレツを防止して、成形不良をより一層低減することもできる。
また、他の実施形態に係る内装部品NBの真空成形方法によれば、上型2には、スライド部材3の下端が摺接する固定板6を備え、スライド部材3がアンダーカット部KZuに前進するとき、固定板6と下型1とで表皮材HZの周縁部HZ1を狭持するので、上型2が閉じてスライド部材3がアンダーカット部KZuに前進するとき、表皮材HZの周縁部HZ1を固定板下端61と下型1のシワ押え面11とで挟み込んで押圧することができる。そのため、スライド部材3がアンダーカット部31の表皮材HZを成形するとき、表皮材HZの周縁部HZ1を固定板6によって下型1に押圧するので、仮に、表皮材HZを被覆するアンダーカット部KZuの形状が複雑に起伏していても、表皮材HZの周縁部HZ1にシワが発生するのを抑制することができる。また、表皮材HZの周縁部HZ1を固定板6と下型1とで挟み込んで押圧することによって、表皮部材HZの周縁部HZ1におけるスクラップ代を縮小することができる。
本発明は、アンダーカット部を有する基材の表面に、表皮材を真空成形によって被覆する内装部品の真空成形装置及び真空成形方法として利用できる。
1 下型
2 上型
3 スライド部材
4 駆動装置
5 表皮材チャック装置
6 固定板
6 加熱装置
10 真空成形装置
11 シワ押え面
12 基材受け面
21 上型の下端
31 切り欠き部
32 突出部
KZ 基材
KZu アンダーカット部
HZ 表皮材

Claims (3)

  1. アンダーカット部を有する基材を載置する下型と、前記基材表面に表皮材を押圧しながら真空吸引して賦形する上型と、前記上型の下端に摺動可能に支持されて前記アンダーカット部に進退するスライド部材と、前記表皮材を保持し、開放する表皮材チャック装置とを備え、前記アンダーカット部表面に前記表皮材を被覆する内装部品の真空成形装置であって、
    前記スライド部材を前後方向へ進退させ、前記スライド部材の後端には、前方に凹む切り欠き部を形成し、スライド部材がアンダーカット部に向けてスライドして表皮材を成形した状態時において、少なくとも該切り欠き部から前記スライド部材の移動距離だけ後方に離れた位置に前記表皮材チャック装置が待機することを特徴とする内装部品の真空成形装置。
  2. 請求項1に記載された内装部品の真空成形装置において、
    前記切り欠き部には、前記表皮材チャック装置との干渉を避けた位置で、前記スライド部材を前後方向へ進退させる駆動装置を連結したことを特徴とする内装部品の真空成形装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載された内装部品の真空成形装置を用いた真空成形方法であって、
    前記上型には、前記スライド部材の下端が摺接する固定板を備え、前記スライド部材が前記アンダーカット部に前進するとき、前記固定板と前記下型とで前記表皮材の周縁部を狭持することを特徴とする真空成形方法。
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