JP6020085B2 - 酸性ガス安定処理方法及び燃焼排ガス処理施設 - Google Patents

酸性ガス安定処理方法及び燃焼排ガス処理施設 Download PDF

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Description

本発明は、都市ごみ廃棄物焼却炉、産業廃棄物焼却炉、発電ボイラ、炭化炉、民間工場等の燃焼施設において発生する有害な塩化水素、硫黄酸化物等の酸性ガスを含む燃焼排ガスの安定処理方法及び燃焼排ガス処理施設に関し、詳しくは、酸性ガスを処理するアルカリ剤の添加量を効率的に制御する燃焼排ガスの安定処理方法及び燃焼排ガス処理施設に関する。
都市ごみ廃棄物焼却炉、産業廃棄物焼却炉、発電ボイラ、炭化炉、民間工場等の燃焼施設の燃焼炉において発生する燃焼排ガスは、有害な塩化水素ガス、硫黄酸化物ガス等の酸性ガスを含む。そして、燃焼施設は、酸性ガスに、消石灰、重曹等のアルカリ剤を添加し、その後、バグフィルターのような集塵機で除塵し、その後、有害な酸性ガスが殆ど含まれない状態で煙突から排出される。
集塵機で集塵された飛灰は、有害なパラジウム(Pd)、カドミウム(Cd)等の重金属類を含有している。これら有害な重金属類は、安定化処理された後、最終処分場で埋め立て処分される(例えば、特許文献1参照)。
酸性ガスを処理する消石灰は、塩化水素ガスとの反応速度が塩化水素ガスの濃度と共に増加するという性質を有する(例えば、非特許文献1参照)が、酸性ガスとの反応性が低く、硫黄酸化物との反応性が特に低い性質を有する。
酸性ガスを処理するアルカリ剤である重曹は消石灰に比べて酸性ガスとの反応性が高く、5〜30μmに微粉加工された重曹は酸性ガスとの反応性が特に高い性質を有する(例えば、特許文献2参照)。換言すると、重曹は、酸性ガスを安定的に処理することでき、また、酸性ガスの未反応分が少ない。したがって、酸性ガスの濃度が激しく変動しても、酸性ガスの濃度に応じて適切な量の重曹を添加することにより、酸性ガスを安定的に処理しつつ、重曹の添加量を削減することができる。このため、集塵された飛灰の量ひいては埋め立て処分量を削減できるので、重曹を酸性ガスに添加することは、環境負荷の低減に有効な手段である。
特開平9−99215号公報 特開2000−218128号公報
社団法人 化学工学会 発行、化学工学論文集 33(2), 154−159, 2007−03−20(http://ci.nii.ac.jp/naid/10018903497)
ところで、一般に、産業廃棄物焼却炉、民間工場等の燃焼炉から排出される酸性ガスの濃度は激しく変動する。消石灰は、経済的に安価であるが、酸性ガスとの反応が遅く、硫黄酸化物との反応が特に遅い。このため、消石灰のみを酸性ガスに添加する方法を、酸性ガスの濃度の変動が激しい産業廃棄物焼却炉、民間工場等に適用しにくい。
また、重曹は、酸性ガスとの反応性が高いと共に反応が速く、酸性ガスを安定的に処理することができる。しかし、重曹は消石灰に比べて高価である。このため、重曹のみを酸性ガスに添加して安定的に処理する方法を、特に大量の酸性ガスが発生する産業廃棄物焼却炉、民間工場等に適用すると、経済的な負担が大きくなる。
本発明は、酸性ガスに添加する互いに性質の異なる2つのアルカリ剤の添加量を適切に制御する酸性ガス安定処理方法及び燃焼排ガス処理施設を提供することを目的とする。
本発明者らは、互いに性質の異なる2つのアルカリ剤のうち、第1アルカリ剤の添加量は酸性ガスに関する情報に基づいて算出し、第2アルカリ剤の添加量は第1アルカリ剤の添加量の情報に基づいて算出し、それらの添加量のアルカリ剤を酸性ガスに添加することにより、上記目的が達成されることを見いだし、本発明を完成した。
本発明は以下のものを提供するものである。
本発明に係る安定処理方法は、酸性ガスが含まれる燃焼排ガスを燃焼排ガス処理施設で安定的に処理するものである。
そして、本発明に係る安定処理方法は、前記燃焼排ガスを集塵機で処理した処理後燃焼排ガス中の酸性ガス濃度を測定する酸性ガス濃度測定工程と、
前記酸性ガス濃度測定工程において測定されたリアルタイムの酸性ガス濃度である瞬時酸性ガス濃度の変化の割合を表す酸性ガス濃度量を、前記酸性ガス濃度に基づいて算出した酸性ガスに関する情報である酸性ガス情報とした場合において、
前記酸性ガス情報を算出し、前記酸性ガス情報に基づいて、少なくとも5〜30μmの微粉の重曹を含有した第1アルカリ剤の通常添加量値を算出し、前記通常添加量値を第1添加量として算出する第1算出工程と、
所定時間における複数の前記第1添加量から算出した平均第1添加量を、前記第1添加量に関する第1添加量情報とした場合において、
前記第1添加量情報に基づいて、少なくとも消石灰を含有した第2アルカリ剤の第2添加量を算出する第2算出工程と、
前記第1添加量の前記第1アルカリ剤を前記燃焼排ガスに添加する第1添加工程と、
前記第2添加量の前記第2アルカリ剤を前記燃焼排ガスに添加する第2添加工程とを含む。
過去の第2添加量から前記所定時間における前記第2添加量の平均第2添加量を第2添加量情報とした場合において、
前記第2算出工程は、前記第2添加量情報を算出し、前記平均第1添加量と前記平均第2添加量と予め規定された、前記第1アルカリ剤の目標添加量とに基づいて前記第2添加量を算出することが好ましい。
予め、前記瞬時酸性ガス濃度と前記第1アルカリ剤の添加量とを関係づけた基本添加量対応情報を規定し、
前記第1算出工程は、
前記酸性ガス情報を算出し、前記酸性ガス情報に基づいて、前記第1アルカリ剤の通常添加量値を算出し、前記通常添加量値を第1添加量として算出する代わりに、
前記酸性ガス濃度が一定状態を保っている又は減少している下降状態の場合、前記瞬時酸性ガス濃度と、前記基本添加量対応情報における前記酸性ガス濃度に対する前記第1アルカリ剤の添加量の値を所定の補正方法で下げた減少用添加量対応情報と、に基づいて前記通常添加量値を算出し、
また、前記酸性ガス濃度が増加している上昇状態の場合、前記瞬時酸性ガス濃度と、前記基本添加量対応情報における酸性ガス濃度の値を所定の補正方法で小さくした増加用添加量対応情報と、に基づいて前記通常添加量値を算出することが好ましい。
前記第1添加工程において添加できる最大添加量と最小添加量との間に複数の対応添加量上限値が設けられ、
前記複数の対応添加量上限値は、それぞれ、複数の酸性ガスの所定濃度値に対応しており、
前記酸性ガス情報は、前記酸性ガス濃度測定工程において測定された酸性ガス濃度である瞬時酸性ガス濃度を含んでおり、
前記第1算出工程は、前記瞬時酸性ガス濃度が、前記複数の酸性ガスの所定濃度値のうち隣接する2つの酸性ガスの所定濃度値の範囲内にある場合、その隣接する2つの酸性ガスの所定濃度値のうち高い濃度に対応する対応添加量上限値に基づいて、前記通常添加量値を算出することが好ましい。
前記酸性ガスは、塩化水素ガスと硫黄酸化物ガスとを含み、
前記酸性ガス濃度測定工程は、前記酸性ガス中の塩化水素ガス濃度を測定する塩化水素ガス濃度測定工程と、前記酸性ガス中の硫黄酸化物濃度を測定する硫黄酸化物濃度測定工程と、を含み、
前記塩化水素ガス濃度測定工において測定されたリアルタイムの前記酸性ガス中の塩化水素ガス濃度を前記塩化水素ガスに関する塩化水素情報とし、
また、前記硫黄酸化物濃度測定工程において測定されたリアルタイムの前記酸性ガス中の硫黄酸化物濃度を前記硫黄酸化物ガスに関する硫黄酸化物情報とした場合において、
前記酸性ガス情報は、前記塩化水素情報と前記硫黄酸化物情報とを含み、
前記第1算出工程は、前記塩化水素情報に基づいて算出した塩化水素ガス添加量と、前記硫黄酸化物情報に基づいて算出した硫黄酸化物ガス添加量と、所定の時間における複数の前記第1添加量の平均添加量に基づいて算出される基礎添加量と、に基づいて、前記通常添加量値を算出することが好ましい。
前記酸性ガス情報は、所定時間における複数の前記酸性ガス濃度から算出した平均酸性ガス濃度を含み、
前記第1算出工程は、前記平均酸性ガス濃度が予め規定された緊急添加濃度を超えると、前記通常添加量値のわりに、予め規定された緊急添加量を前記第1添加量として算出することが好ましい。
さらに、前記集塵機において集塵された飛灰に、鉄系化合物、リン酸含有化合物及び中和剤から選ばれる少なくとも1種以上を添加する固定化処理工程を含むことが好ましい。
本発明に係る燃焼排ガス処理施設は、上述のいずれかに記載の酸性ガス安定処理方法を実行するものである。
本発明に係る燃焼排ガス処理施設は、
集塵機と、
前記燃焼排ガスを前記集塵機に導入する導入路と、
前記集塵機で処理された処理後燃焼排ガスを前記集塵機から排出する排出路と、
前記酸性ガス濃度測定工程を実行し、前記酸性ガス情報を酸性ガス濃度信号として出力する酸性ガス測定装置と、
前記酸性ガス濃度信号の前記酸性ガス情報に基づいて前記第1算出工程を実行し、前記第1添加量を第1添加量信号として出力する第1添加量算出部と前記第1添加量信号に基づいて前記第2算出工程を実行し、前記第2添加量を第2添加量信号として出力する第2添加量算出部とを有する添加量制御装置と、
前記第1添加量信号に基づいて前記第1添加工程を実行する第1添加装置と、
前記第2添加量信号に基づいて前記第2添加工程を実行する第2添加装置と、を備える。
本発明によれば、酸性ガスに添加する互いに性質の異なる2つのアルカリ剤の添加量を適切に制御する酸性ガス安定処理方法及び燃焼排ガス処理施設を提供することができる。
本発明に係る酸性ガス安定処理方法及び燃焼排ガス処理施設を示す概念図である。 図1に示した酸性ガス安定処理方法及び燃焼排ガス処理施設の一部の詳細概念図である。 図1に示した酸性ガス安定処理方法及び燃焼排ガス処理施設の別の一部の詳細概念図である。 図1に示した酸性ガス安定処理方法及び燃焼排ガス処理施設の基本添加量対応情報とその補正を示すグラフである。 図1に示した酸性ガス安定処理方法及び燃焼排ガス処理施設の基本添加量対応情報とその別の補正を示すグラフである。 図1に示した酸性ガス安定処理方法を説明するフローチャートである。 図6に続く酸性ガス安定処理方法を説明するフローチャートである。 比較例の結果を示すグラフである。 実施例1の結果を示すグラフである。 実施例2の結果を示すグラフである。 比較例の結果を示す時系列グラフである。 実施例1の結果を示す時系列グラフである。 実施例2の結果を示す時系列グラフである。
以下、本発明に係る実施の形態を、添付図面を参照して説明する。なお、以下に実施形態を挙げて具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
図1から図3に示すように、本発明に係る酸性ガス安定処理方法が適用される燃焼排ガス処理施設10は、例えば、都市ごみ廃棄物焼却炉、産業廃棄物焼却炉、発電ボイラ、炭化炉、民間工場等の燃焼施設である。燃焼排ガス処理施設10は、都市ごみのような燃焼物を燃焼させ、有害な酸性ガスを含む高温の燃焼排ガスを発生させる燃焼炉12と、燃焼排ガスの熱を利用するボイラ14と、燃焼排ガスの熱を減温させる減温塔16と、1つ以上の集塵機18と、燃焼排ガスを集塵機18で処理した処理後燃焼排ガスを排気する煙突22と、集塵機18で取り除かれた飛灰を回収する飛灰集積装置19とを備える。
燃焼排ガス処理施設10は、燃焼炉12で発生した高温の燃焼排ガスを、ボイラ14を経由して減温塔16に送る配管2と、減温塔16から集塵機18に接続している導入路3と、集塵機18から煙突22に接続している排出路4とを含む。燃焼排ガス処理施設10が複数の集塵機18を備える場合、導入路3の終端は、複数の集塵機18のうち、減温塔16から最も遠い位置に設けられた集塵機18の位置をいう。
燃焼排ガス処理施設10は、配管2及び導入路3内の燃焼排ガスを効率良く集塵機18に送り、また、排出路4内の処理後燃焼排ガスを効率良く煙突22から排出するように、排出路4にファン20を備える。
燃焼排ガス処理施設10は、さらに、燃焼炉12から排出される燃焼排ガス中の酸性ガスを安定化処理するために、導入路3に設けられた第1添加装置42及び第2添加装置44と、排出路4に設けられた酸性ガス測定装置30と、添加量制御装置50とを含む。
第1添加装置42は、添加量制御装置50からの第1添加量信号S21に基づいて、導入路3内を流れる燃焼排ガスに第1アルカリ剤を添加する添加装置である。第2添加装置44は、添加量制御装置50からの第2添加量信号S22に基づいて、導入路3内を流れる燃焼排ガスに第2アルカリ剤を添加する添加装置である。後述するように、添加量制御装置50は、第1添加量信号S21に基づいて第2添加量信号S22を出力する。したがって、第2添加装置44は、第1添加装置42が添加する第1アルカリ剤の添加量に応じて第2アルカリ剤を導入路3に添加する。
第1アルカリ剤は、酸性ガスの適正処理を目的として添加されるので、その種類には特に制限はないが、酸性ガスとの反応性が比較的高いアルカリ剤が好ましい。第1アルカリ剤としては、平均粒子径が5〜30μmに調整された微粉重曹、比表面積が30m2/g以上の高反応消石灰が例示できる。特に、平均粒子径が5〜30μmの微粉重曹は、塩化水素だけでなく、硫黄酸化物とも高い反応性を示すことから、硫黄酸化物の処理が必要な施設においては、微粉重曹を適用することが好ましい。また、例えば重曹等のこれらアルカリ剤は、粒度の粗いアルカリ剤を現地で粉砕して利用しても良い。
第2アルカリ剤は、酸性ガスの粗取りを目的として添加されるので、その種類には特に制限はないが、酸性ガスとの反応性が比較的低くてもよく、安価なアルカリ剤が経済的に好ましい。第2アルカリ剤としては、例えば、JIS特号消石灰、比表面積が30m2/g以上の高反応消石灰、水酸化ナトリウム、粗重曹、セスキ炭酸ナトリウム、天然ソーダ、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム等が例示できる。また、第2アルカリ剤は、各アルカリ剤を水に溶解したスラリー又は水溶液でもよい。
第2アルカリ剤が消石灰である場合において、第2アルカリ剤は、発生する酸性ガス濃度(HCl、SO2)あたり、0.5〜3当量、好ましくは1〜2当量となるよう添加することが好ましい。
第1アルカリ剤が微粉重曹である場合において、第1アルカリ剤は、塩化水素、硫黄酸化物共に安定して処理することができるように、発生する酸性ガス濃度(HCl、SO2)あたり、0.10〜0.60当量、好ましくは0.15〜0.50当量となるよう添加することが好ましい。
第1添加装置42及び第2添加装置44は、いずれも、導入路3に設けられていればよく、例えば、酸性ガスの流れ方向Wにおいて、第1添加装置42が第2添加装置44の上流側であってもよく、第2添加装置44が第1添加装置42の上流側であってもよい。
集塵機18は、例えば、燃焼排ガスから飛灰を取り除くバグフィルターである。燃焼排ガス処理施設10が複数の集塵機18を備える場合、酸性ガスが適正に処理されるように、導入路3において第2添加装置44を第1添加装置42の上流側に設け、複数の集塵機18のうちの1つを第1添加装置42と第2添加装置44との間に設け、他の1つを第1添加装置42の下流側に設けることが好ましい。
酸性ガス測定装置30は、燃焼排ガスを集塵機18で処理した処理後燃焼排ガス中の酸性ガス濃度を測定し、測定された酸性ガス濃度を酸性ガス濃度信号S0として出力する。具体的には、酸性ガス測定装置30は、塩化水素ガス濃度測定装置32と、硫黄酸化物ガス濃度測定装置34とを含む。塩化水素ガス濃度測定装置32は、排出路4内を流れる処理後燃焼排ガス中のリアルタイムの塩化水素ガス濃度である瞬時化水素ガス濃度を測定し、測定された瞬時塩化水素ガス濃度を塩化水素ガス濃度信号S1として出力する。同様に、硫黄酸化物ガス濃度測定装置34は、排出路4内を流れる処理後燃焼排ガス中のリアルタイムの硫黄酸化物ガス濃度である瞬時硫黄酸化ガス濃度を測定し、測定された瞬時硫黄酸化物ガス濃度を硫黄酸化物ガス濃度信号S2として出力する。
塩化水素ガス濃度測定装置32及び硫黄酸化物ガス濃度測定装置34は、それぞれ、塩化水素ガス濃度及び硫黄酸化物ガス濃度を測定できる測定装置であればよく、測定装置の形式は限定されない。塩化水素ガス濃度は、イオン電極法、レーザーによる単一吸収線吸収分光法等で測定可能であり、硫黄酸化物ガス濃度は、非分散型赤外線吸収法、紫外線蛍光法等で測定が可能である。
また、燃焼排ガス処理施設10は、通常、排出路4に設置されている塩化水素ガス濃度測定装置32の塩化水素ガス濃度信号S1と、硫黄酸化物ガス濃度測定装置34の硫黄酸化物ガス濃度信号S2とに応じて、第1アルカリ剤の添加量をフィードバック制御するので、従来の燃焼排ガス処理施設に、新たな測定装置を設置することなく、第1アルカリ剤と第2アルカリ剤との添加量を適正に制御することが可能である。
添加量制御装置50は、酸性ガス濃度(ppm)を制御目標値(制御出力開始濃度ともいう)SV(ppm)以下にするフィードバック制御が行えるように、酸性ガス濃度信号S0を受信し、第1添加量信号S21を出力する第1添加量算出部60と、第1添加量信号S21を受信し、第2添加量信号S22を出力する第2添加量算出部70とを備える。
第1添加量信号S21は、第1添加装置42が添加する第1アルカリ剤の単位時間当たりの第1添加量(kg/h)を示す。第2添加量信号S22は、第1添加装置42が添加する第2アルカリ剤の単位時間当たりの第2添加量(kg/h)を示す。
添加量制御装置50は、処理後燃焼排ガスの酸性ガス濃度(ppm)が制御目標値SV(ppm)以下になるように、酸性ガス濃度信号S0の酸性ガス濃度に基づいて、第1添加量信号S21、第2添加量信号S22を出力する。
ここで、一般に、塩化水素ガス濃度測定装置は、計測遅延時間が5〜10分と長いイオン電極法を採用している装置が主流である。また、一般に、硫黄酸化物ガス濃度測定装置は、計測遅延時間が3〜5分である赤外線吸収法を採用している装置が主流である。
添加量制御装置50は、塩化水素ガス濃度測定装置32や硫黄酸化物ガス濃度測定装置34の計測遅延時間、第1添加装置42及び第2添加装置44から導入路3までの添加遅延時間等、遅延時間が大きくなるにつれて、フィードバック制御の悪影響を受け、第1添加装置42及び第2添加装置44がそれぞれ添加する第1アルカリ剤及び第2アルカリ剤の添加量を増加させるおそれがある。
そこで、添加量制御装置50は、後述するように、計測遅延時間やフィードバック制御の演算に要する時間を考慮した、計測遅延時間による安定化制御を行う。
第1添加量算出部60は、メイン添加量算出部61と、基礎添加量算出部63と、通常添加量算出部64と、緊急時判断部65と、仮添加量算出部66と、機器添加量制限部67とを備える。
メイン添加量算出部61は、酸性ガス濃度信号S0に基づいて、第1アルカリ剤の基本となる添加量を算出する。メイン添加量算出部61は、酸性ガス濃度信号S0のうち塩化水素ガス濃度信号S1を受信する塩化水素ガス算出部62aと、硫黄酸化物ガス濃度信号S2を受信する硫黄酸化物ガス算出部62bとを備える。
塩化水素ガス算出部62aは、後述するように、塩化水素ガス濃度信号S1に基づいて、単位時間当たりの添加量(kg/h)である塩化水素側添加量AgS1(kg/h)を算出し、塩化水素添加量信号S3として出力する。
硫黄酸化物ガス算出部62bは、後述するように、硫黄酸化物ガス濃度信号S2に基づいて、単位時間当たりの添加量(kg/h)である硫黄酸化物側添加量AgS2(kg/h)を算出し、硫黄酸化物添加量信号S4として出力する。
基礎添加量算出部63は、第1添加量信号S21の第1添加量(kg/h)に基づいて、基礎添加量Fa(kg/h)を算出し、算出した基礎添加量Fa(kg/h)を基礎添加量信号S5として出力する。
基礎添加量Fa(kg/h)は、例えば、10分間のような所定の時間当たりにおける第1添加量(kg/h)の平均添加量(kg/h)とされる。
通常添加量算出部64は、塩化水素添加量信号S3、硫黄酸化物添加量信号S4、基礎添加量信号S5に基づいて、単位時間当たりの添加量(kg/h)である通常添加量値AgSQを算出し、通常添加量信号S6として出力する。
一般に、添加量制御装置には、PID制御がよく用いられる。そして、PID制御は、単一の上限出力値と下限出力値しか設定できない。このため、例えば、一般のPID制御において、排出路における塩化水素ガス濃度の制御目標値(ppm)を40ppmに設定した場合、塩化水素ガス濃度が制御目標値以下であるとき、PID制御は、制御出力の下限である下限添加量(kg/h)で添加するよう信号を出力し、また、塩化水素ガス濃度が制御目標値以上であるとき、制御出力の上限である上限添加量(kg/h)で添加するよう信号を出力する。このとき、塩化水素ガス濃度が短時間で高くなったり低くなったりすることが繰り返す状態が発生すると、一般のPID制御は、短時間で、下限添加量と上限添加量との間の出力値を繰り返して出力することによる、アルカリ剤の不適切添加(過剰添加、不足添加)を引き起こす。このような場合、排出路における塩化水素ガス濃度は大きく変動すると共に、導入路におけるアルカリ剤の過剰添加の原因となる。
そこで、通常添加量算出部64は、従来のフィードバック制御(PID制御)では加味できない導入路3における塩化水素ガス濃度、硫黄酸化物ガス濃度に関連し、かつ、妥当性のある値として、過去平均添加量を示す基礎添加量Fa(kg/h)をベースとして第1添加量(kg/h)を算出することにより、添加量制御装置50は、第1アルカリ剤の添加不良(過剰添加、不足添加)により引き起こす酸性ガス濃度のハンチングを抑制し、適切な量の第1アルカリ剤の添加を安定して行うことができる。
緊急時判断部65は、塩化水素ガス濃度信号S1に基づいて算出した平均濃度(ppm)が予め規定した緊急平均塩化水素ガス濃度(ppm)を超えた状態か否かを判断し、又は、硫黄酸化物ガス濃度信号S2に基づいて算出した平均濃度(ppm)が予め規定した緊急平均硫黄酸化物濃度(ppm)を超えた状態か否かを判断し、緊急又は定常を示す緊急時判断信号S7を出力する。
一般に、燃焼排ガス処理施設は、排出される処理後燃焼排ガスを、塩化水素ガス濃度(ppm)や硫黄酸化物ガス濃度(ppm)の1時間平均濃度(ppm)で管理する。
これに対して、燃焼排ガス処理施設10は、集塵機によって処理された処理後燃焼排ガスの濃度(ppm)に基づいて、集塵機で処理される前の燃焼排ガスにアルカリ剤を添加する添加量(kg/h)を制御するフィードバック制御を行う。このフィードバック制御は、塩化水素ガス濃度(ppm)や硫黄酸化物ガス濃度(ppm)の瞬時値に対し制御目標値(ppm)を設けるのが一般的であるが、制御目標値(ppm)はあくまで最終目標値であり、最終目標値になるよう制御している最中に、制御目標値(ppm)を超える塩化水素ガス濃度(ppm)や硫黄酸化物ガス濃度(ppm)となることがある。
特に、アルカリ剤の添加量(kg/h)の削減と塩化水素ガスや硫黄酸化物ガスの安定処理は相反する思想であることから、アルカリ剤の添加量(kg/h)を削減すると、1時間平均濃度(ppm)が決められた管理濃度(ppm)を超える可能性が高い。
そこで、緊急時判断部65は、塩化水素ガス濃度信号S1に基づいて算出した、例えば、1時間における塩化水素ガス濃度の平均濃度(ppm)が予め規定した緊急平均塩化水素ガス濃度(ppm)を超えた状態か否かを判断し、又は、硫黄酸化物ガス濃度信号S2に基づいて算出した、例えば、1時間における硫黄酸化物ガス濃度の平均濃度(ppm)が予め規定した緊急平均硫黄酸化物濃度(ppm)を超えた状態か否かを判断し、少なくともいずれかが、超えた状態と判断した場合、緊急を示す緊急時判断信号S7を出力し、そうでない場合、定常を示す緊急時判断信号S7を出力し、仮添加量算出部66に適切な添加量を選択させる。
仮添加量算出部66は、定常を示す緊急時判断信号S7を受信している場合、通常添加量信号S6に基づいて仮第1添加量信号S8を出力し、緊急を示す緊急時判断信号S7を受信している場合、通常添加量値(kg/h)よりも多い予め規定した緊急添加量(kg/h)を仮第1添加量信号S8として出力する。
つまり、仮添加量算出部66は、酸性ガス濃度(ppm)の平均値が予め規定された緊急添加濃度(ppm)を超えると、通常添加量値(kg/h)の変わりに、予め規定された緊急添加量(kg/h)を添加するような第1添加量を算出する。このため、アルカリ剤の添加量(kg/h)をフィードバック制御する際に、1時間平均値(ppm)が管理濃度(ppm)以上、もしくはそれに近い濃度(ppm)に達した場合、仮添加量算出部66は、緊急時判断部65からの緊急時判断信号S7に基づいて、通常添加量値(kg/h)よりも多い緊急添加量(kg/h)を算出するので、添加量削減と酸性ガスの安定処理が両立できる安心度の高い制御が可能となる。
機器添加量制限部67は、仮第1添加量信号S8に基づいて、第1添加量(kg/h)を算出する。具体的には、機器添加量制限部67は、仮第1添加量(kg/h)が第1添加装置42の最大添加量LHS(kg/h)を超えている場合は、最大添加量LHS(kg/h)を第1添加量(kg/h)として第1添加量信号S21の出力を行う。また、機器添加量制限部67は、仮第1添加量(kg/h)が第1添加装置42の最小添加量LOS(kg/h)を下回っている場合は、最小添加量LOS(kg/h)を第1添加量(kg/h)として第1添加量信号S21の出力を行う。
これにより、機器添加量制限部67は、制御目標値SV(ppm)以下になるように、常に、最大添加量LHS(kg/h)と最小添加量LOS(kg/h)との間にある第1添加量(kg/h)の第1アルカリ剤を添加させるべく、第1添加量信号S21の出力を行う。
第2添加量算出部70は、平均第1添加量算出部71と、平均第2添加量算出部72と、目標添加量規定部73と、第2添加量信号S22を出力する第2添加量基礎算出部74とを備える。
平均第1添加量算出部71は、第1添加量信号S21を受信し、例えば、10分のような所定時間における第1添加量(kg/h)の平均値である平均第1添加量AgSQA(kg/h)を算出し、算出された平均第1添加量AgSQA(kg/h)を平均第1添加量信号S11として出力する。
平均第2添加量算出部72は、第2添加量信号S22に基づいて、例えば、10分のような所定時間における第2添加量(kg/h)の平均値である平均第2添加量(kg/h)を算出し、算出された平均第2添加量AgCQA(kg/h)を平均第2添加量信号S12として出力する。
目標添加量規定部73は、予め規定された目標添加量AgSQT(kg/h)を目標添加量信号S13として出力する。
第2添加量基礎算出部74は、平均第1添加量信号S11と、平均第2添加量信号S12と、目標添加量信号S13とに基づいて、第2添加量AgCQ(kg/h)を第2添加量信号S22として出力する。
第1添加装置42は、第1添加量信号S21に基づいて第1添加量(kg/h)の第1アルカリ剤を処理後燃焼排ガスに添加する。同様に、第2添加装置44は、第2添加量信号S22に基づいて第2添加量(kg/h)の第2アルカリ剤を処理後燃焼排ガスに添加する。
飛灰集積装置19は、集塵機18によって燃焼排ガスから取り除かれた飛灰を回収する。飛灰集積装置19は、集塵された飛灰に、鉄系化合物、リン酸含有化合物及び中和剤から選ばれる少なくとも1種以上を添加して、飛灰を安定化処理する。
具体的には、飛灰に含まれる重金属類は、一般的に、ジエチルジチオカルバミン酸塩等のキレートの添加によって固定化され、不溶化処理される。しかし、重金属類のキレートによる固定効果は短期的には高いが、最終処分場における酸性雨によるpH低下及びキレートの酸化自己分解により、固定化された重金属類から鉛等の重金属類が再溶出する虞がある。
そこで、リン酸等のリン酸化合物を重金属類に添加することによって、添加された重金属類は、無機鉱物であるヒドロキシアパタイト形態まで変化させることができるので、最終処分場における長期安定性に優れる。このため、リン酸等のリン酸化合物を重金属類に添加する安定化処理は、環境保護の観点から非常に価値の高い処理方法である。さらに、微粉重曹で処理した飛灰をリン酸等の重金属固定剤で処理する方法は、多くの環境負荷低減効果を持つ有効な手段である。
飛灰に含まれる重金属を固定する重金属固定剤は、特に制限なく、飛灰に適用が可能で重金属の固定効果を得ることができるものであればよい。重金属固定剤としては、一般的に有機キレート剤が使用されている。有機キレート剤としては、ピペラジンジチオカルバミン酸塩、ジエチルジチオカルバミン酸塩、ジメチルジチオカルバミン酸塩、ジブチルジチオカルバミン酸塩等が例示できる。
また、処分場における重金属の長期固定化の観点からは、クロロピロモルファイトを形成し鉱物の形態で固定するリン酸化合物による重金属固定は、有効な手段である。リン酸化合物としては、リン酸もしくはリン酸塩は、水溶性のリン酸化合物であれば良く、形状は粉体でも、水溶液でもよいが、例えば、正リン酸(オルソリン酸)、ポリリン酸、メタリン酸、次リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、ピロリン酸、過リン酸、第一リン酸ソーダ、第二リン酸ソーダ、第三リン酸ソーダ、第一リン酸カリウム、第二リン酸カリウム、第三リン酸カリウム、第一リン酸カルシウム、第二リン酸カルシウム、第一リン酸マグネシウム、第二リン酸マグネシウム、第一リン酸アンモニウム、第二リン酸アンモニウム、過燐酸石灰、トリポリリン酸ナトリウム、トリポリリン酸カリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸カリウム、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム、亜リン酸ナトリウム、亜リン酸カリウム、次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム等が上げられる。特に正リン酸、第一リン酸塩、第二リン酸塩、第三リン酸塩、トリポリリン酸塩、ヘキサメタリン酸塩、ピロリン酸塩は良好な重金属固定効果を示す。また、酸度の高い正リン酸等は配管への腐食の懸念があるため、リン酸塩の水溶液や水酸化ナトリウム等のアルカリ剤を混合し、pHを3以上にして適用することが好ましい。
また、六価クロム、砒素、セレン、水銀等が重金属から溶出しないように、これらの剤に加え、鉄系化合物を添加することが好ましい。鉄系化合物としては、塩化第一鉄、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、ポリ硫酸鉄、鉄粉等が上げられ、塩化第一鉄が最も好ましい。
さらに飛灰に多くのアルカリ残分が含まれている場合、安価な塩化アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、塩酸、硫酸バンド等の中和剤をアルカリ剤と共に併用することが好ましい。
飛灰の固化処理を行う際には、焼き石膏、ポルトランドセメント、早強セメント、ジェットセメント、高炉セメント、アルミナセメント等のセメント類を添加しても良い。
特に飛灰中の重金属に、鉄系化合物、リン酸化合物、中和剤の少なくとも1つ以上を適用し、重金属処理を実施する場合、未反応のアルカリ残分は、これらの重金属固定剤の添加量を増加させる。これに対し、本発明に係る安定処理方法を適用することにより、アルカリ剤の添加量を適正化し、未反応のアルカリ残分を減少させることができ、飛灰重金属固定剤の添加量を削減でき、環境負荷を低減できる。
また、飛灰の上記中和剤、リン酸等の酸性薬剤の添加量を規定する手段として、飛灰中のアルカリ残分を測定し、測定されたアルカリ残分の値に応じて添加量を調節することが好ましい。これにより、中和剤、リン酸等の酸性薬剤を過不足なく添加することができ、薬品の適正利用及び安定処理を実現することができる。
図2に示すように、塩化水素ガス算出部62aは、塩化水素ガス用の、基本添加量対応情報(図4及び図5参照)が規定されている添加量対応規定部625aと、濃度量算出部622aと、基礎添加量算出部623aと、上昇補正値規定部621aと、下降補正値規定部624aと、添加量算出部626aとを備える。
添加量対応規定部625aは、瞬時塩化水素ガス濃度PVに対して添加すべき第1アルカリ剤の添加量を規定した基本添加量対応情報を規定している。
基本添加量対応情報は、第1アルカリ剤の添加量を添加量制御装置50の下限(最小添加量LOS(kg/h))に対応する酸性ガス濃度と上限(最大添加量LHS(kg/h))に対応する酸性ガス濃度との間に、ある一定の塩化水素ガス濃度範囲で、ある一定の制御出力値を超える出力がされないよう添加量を制限するように、規定されている。
一般のPID制御は、制御出力上限値は1つしかなく、例えば、制御目標値を40ppmとすると、例えば、酸性ガス濃度が制御目標値以上になると導入路内の酸性ガス濃度にかかわらず、その制御出力上限値まで第1アルカリ剤を添加し、ひいては、過剰添加を引き起こす。
これに対し、添加量対応規定部625aは、現在の酸性ガス濃度に応じた制御出力の制限を加えられるように、すなわち、導入路3の酸性ガス濃度に応じて適正な量の第1アルカリ剤を添加することができ、第1アルカリ剤の添加量を削減することができるように、基本添加量対応情報を規定している。
例えば、基本添加量対応情報は、具体的には、図4及び図5に示すように、塩化水素ガス濃度信号S1の瞬時塩化水素ガス濃度PVに対して添加すべき添加量SQ(kg/h)の関係を0−点a−点b間を結ぶ線、点c−点d間を結ぶ線、点e以降の線からなる添加量対応情報線Lで示される。
添加量対応情報線Lは、具体的には以下のようになっている。瞬時塩化水素ガス濃度PV(ppm)が、0ppmから、制御目標値(制御出力開始濃度ともいう)SV(ppm)未満までの範囲(0から点aの範囲)では、添加量SQ(kg/h)は0に規定される。
瞬時塩化水素ガス濃度PV(ppm)が、制御目標値SV(ppm)以上、第1出力制限添加量LM1(kg/h)に対応する第1出力制限対応濃度SM1(ppm)未満の範囲(点aから点bの範囲)では、添加量SQ(kg/h)は以下の式に基づいて規定される。
添加量SQ=(第1出力制限添加量LM1)×(瞬時塩化水素ガス濃度PV−制御目標値SV)/(第1出力制限対応濃度SM1−制御目標値SV)
瞬時塩化水素ガス濃度PV(ppm)が、第1出力制限添加量LM1(kg/h)に対応する第1出力制限対応濃度SM1(ppm)以上、第2出力制限添加量LM2(kg/h)に対応する第2出力制限対応濃度SM2(ppm)未満の範囲(点cから点dの範囲)では、添加量SQ(kg/h)は第2出力制限添加量LM2(kg/h)に規定される。
瞬時塩化水素ガス濃度PV(ppm)が、第2出力制限添加量LM2(kg/h)に対応する第2出力制限対応濃度SM2(ppm)以上(点e以降の範囲)では、添加量SQ(kg/h)は出力上限添加量LM3に規定される。なお、第2出力制限添加量LM2、出力上限添加量LM3は、いずれも、対応添加量上限値である。
図2に示すように、濃度量算出部622aは、塩化水素ガス濃度信号S1に基づいて、瞬時塩化水素ガス濃度(ppm)が上昇しているか下降しているかを判断できるよう、瞬時塩化水素ガス濃度(ppm)の増減の割合(瞬時塩化水素ガス濃度の変化の傾き)を表す塩化水素ガス濃度量θを算出する。
基礎添加量算出部623aは、基礎添加量算出部63と同様、例えば、10分間のような所定の時間における第1添加量(kg/h)の平均添加量に基づいて基礎添加量Fa(kg/h)を算出する。
上昇補正値規定部621aは、塩化水素ガス濃度量θの値が正のとき、すなわち、塩化水素ガス濃度が上昇している上昇状態のとき、基本添加量対応情報を補正する基本となる上昇補正値SVA(ppm)を規定している。
下降補正値規定部624aは、塩化水素ガス濃度量θの値が0又は負のとき、すなわち、塩化水素ガス濃度が安定しているか降下している下降状態のとき、基本添加量対応情報を補正する基本となる降下補正係数LMG(単位は無次元)を規定している。降下補正係数LMGは、1未満の値とされる。
添加量算出部626aは、酸性ガス濃度量θ、基礎添加量Fa、上昇補正値SVA、降下補正係数LMGに基づいて、基本添加量対応情報を補正し、塩化水素添加量信号S3を出力する。
図3に示すように、硫黄酸化物ガス算出部62bも、塩化水素ガス算出部62aと同様、硫黄化合物用の、基本添加量対応情報(図4及び図5と同様)が規定されている添加量対応規定部625bと、濃度量算出部622bと、基礎添加量算出部623bと、上昇補正値規定部621bと、下降補正値規定部624bと、添加量算出部626bとを備える。
添加量対応規定部625bは、硫黄酸化物ガス濃度に対して添加すべき第1アルカリ剤の添加量を規定した基本添加量対応情報を規定している。基本添加量対応情報である硫黄酸化物ガス濃度信号S2の瞬時硫黄酸化物ガス濃度PVに対して添加すべき添加量SQ(kg/h)の関係は、図4及び図5に示す添加量対応情報線Lと同様の関係である。
図3に示すように、濃度量算出部622bは、硫黄酸化物ガス濃度信号S2に基づいて、瞬時硫黄酸化物ガス濃度(ppm)の増減の割合(瞬時硫黄酸化物ガス濃度の変化の傾き)を表す硫黄酸化物ガス濃度量θを算出し、瞬時硫黄酸化物ガス濃度(ppm)が上昇しているか下降しているかを判断する。
基礎添加量算出部623bは、基礎添加量算出部63と同様、例えば、10分間のような所定の時間における第1添加量(kg/h)の平均添加量に基づいて基礎添加量Faを算出する。
上昇補正値規定部621bは、硫黄酸化物ガス濃度量θの値が正のとき、すなわち、硫黄酸化物ガス濃度が上昇しているとき、基本添加量対応情報を補正する基本となる上昇補正値SVA(ppm)を規定している。
下降補正値規定部624bは、硫黄酸化物ガス濃度量θの値が0又は負のとき、すなわち、硫黄酸化物ガス濃度が安定しているか降下しているとき、基本添加量対応情報を補正する基本となる降下補正係数LMG(単位は無次元)を規定している。降下補正係数LMGは、1未満の値とされる。
添加量算出部626bは、硫黄酸化物ガス濃度量θ、基礎添加量Fa、上昇補正値SVA、降下補正係数LMGに基づいて、基本添加量対応情報を補正し、硫黄酸化物添加量信号S4を出力する。
燃焼排ガス処理施設10が行う酸性ガス安定処理方法を説明する。
まず、燃焼排ガス処理施設10が作動中、燃焼排ガスを集塵機18で処理し、導入路3内を流れる処理後燃焼排ガス中の酸性ガス濃度を測定する酸性ガス濃度測定工程が行われる。
具体的には、塩化水素ガス濃度測定装置32が、酸性ガス中のリアルタイムの塩化水素ガス濃度である瞬時塩化水素ガス濃度を測定する塩化水素ガス濃度測定工程を行い、測定された瞬時塩化水素ガス濃度を塩化水素ガス濃度信号S1として、出力する。同様に、硫黄酸化物ガス濃度測定装置34が、酸性ガス中のリアルタイムの硫黄酸化物ガス濃度である瞬時硫黄酸化物ガス濃度を測定する硫黄酸化物濃度測定工程を行い、測定された瞬時硫黄酸化物ガス濃度を硫黄酸化物ガス濃度信号S2として、出力する。
図6及び図7に示すように、塩化水素ガス算出部62aは、塩化水素ガス濃度信号S1に基づいて、単位時間当たりの第1添加剤の添加量(kg/h)である塩化水素側添加量AgS1(kg/h)を算出し、塩化水素添加量信号S3として出力する。
図6に示すように、基礎添加量算出部623aにおいて、例えば、10分間のような所定の時間における第1添加量(kg/h)の平均添加量に基づいて基礎添加量Faを算出する(ステップST01)。ここで算出された基礎添加量Faは添加量SQ(kg/h)を下げるための基礎となる値であり、ステップST11及びST15で用いられる。
次に、添加量算出部626aは、濃度量算出部622aが塩化水素ガス濃度信号S1に基づいて算出した瞬時塩化水素ガス濃度(ppm)に基づいて、瞬時塩化水素ガス濃度(ppm)が上昇している上昇状態か、一定状態を保っている又は減少している下降状態かを判断する(ステップST03)。添加量算出部626aは、上昇状態と判断した場合、ステップST04に処理を移し、下降状態と判断した場合、ステップST18に処理を移す。
図4に示すように、添加量算出部626aは、ステップST03において上昇状態と判断しているので、添加量対応情報線Lを添加量対応情報線L1を介して添加量対応情報線L2に補正する(ステップST04)。
具体的には、添加量算出部626aは、まず、添加量対応情報線L(0−点a−点b間を結ぶ線、点c−点d間を結ぶ線、点e以降の線)の瞬時塩化水素ガス濃度PVの値を上昇補正値SVAだけ減算して、添加量対応情報線L1(0−点a1−点b1間を結ぶ線、点c1−点d1間を結ぶ線、点e1以降の線)を算出する。
添加量算出部626aは、次に、添加量対応情報線L1で得られる添加量SQの値を基礎添加量Faだけ少なくした添加量対応情報線L2(0−点a1−点b2間を結ぶ線、点c2−点d2間を結ぶ線、点e2以降の線、増加用添加量対応情報)を算出する。
図6に示すように、次に、添加量算出部626aは、添加量対応情報線L2に基づいて、瞬時塩化水素ガス濃度PVに応じた添加すべき添加量SQ(kg/h)を算出する(ステップST05〜ST17)。
まず、添加量算出部626aは、瞬時塩化水素ガス濃度PVが、0から(制御目標値SV(ppm)−上昇補正値SVA(ppm))までの範囲にあると判断すると(ステップST05)、添加量対応情報線L2に基づいて、添加量SQ(kg/h)を0と算出する(ステップST07)。
また、添加量算出部626aは、瞬時塩化水素ガス濃度PVが、(制御目標値SV(ppm)−上昇補正値SVA(ppm))から(第1出力制限対応濃度SM1(ppm)−上昇補正値SVA(ppm))までの範囲にあると判断すると(ステップST09)、添加量対応情報線L2に基づいて、添加量SQ(kg/h)を算出する(ステップST11)。
具体的には、添加量対応情報線L2の(制御目標値SV(ppm)−上昇補正値SVA(ppm))から(第1出力制限対応濃度SM1(ppm)−上昇補正値SVA(ppm))までの範囲における添加量SQ(kg/h)は、以下の式に基づいて算出される。
添加量SQ=(第1出力制限添加量LM1−基礎添加量Fa)×(瞬時塩化水素ガス濃度PV−(制御目標値SV−上昇補正値SVA))/(第1出力制限対応濃度SM1−制御目標値SV)
また、添加量算出部626aは、瞬時塩化水素ガス濃度PVが、(第1出力制限対応濃度SM1(ppm)−上昇補正値SVA(ppm))から(第2出力制限対応濃度SM2(ppm)−上昇補正値SVA(ppm))までの範囲にあると判断すると(ステップST13)、添加量対応情報線L2に基づいて、添加量SQ(kg/h)を算出する(ステップST15)。ここで、添加量対応情報線L2の(第1出力制限対応濃度SM1(ppm)−上昇補正値SVA(ppm))から(第2出力制限対応濃度SM2(ppm)−上昇補正値SVA(ppm))までの範囲における添加量SQ(kg/h)は、以下の式に基づいて算出される。
添加量SQ=第2出力制限添加量LM2−基礎添加量Fa
また、添加量算出部626aは、瞬時塩化水素ガス濃度PVが、(第2出力制限対応濃度SM2(ppm)−上昇補正値SVA(ppm))を超えると判断すると(ステップST13)、添加量対応情報線L2に基づいて、添加量SQ(kg/h)を算出する(ステップST17)。ここで、添加量対応情報線L2の(第2出力制限対応濃度SM2(ppm)−上昇補正値SVA(ppm))を超える範囲における添加量SQ(kg/h)は、以下の式に基づいて算出される。
添加量SQ=出力上限添加量LM3−基礎添加量Fa
図7に示すように、次に、添加量算出部626aは、ステップST03において下降状態と判断しているので、添加量対応情報線Lに基づいて、瞬時塩化水素ガス濃度PVに応じた添加すべき添加量SQ(kg/h)を算出する(ステップST19〜ST33)。
図5に示すように、添加量算出部626aは、ステップST03において下降状態と判断しているので、添加量対応情報線Lを添加量対応情報線L3を介して添加量対応情報線L4に補正する(ステップST18)。
具体的には、添加量算出部626aは、まず、添加量対応情報線L(0−点a−点b間を結ぶ線、点c−点d間を結ぶ線、点e以降の線)の瞬時塩化水素ガス濃度PVの値を基礎添加量Faだけ下げて、添加量対応情報線L3(0−点a−点b3間を結ぶ線、点c3−点d3間を結ぶ線、点e3以降の線)を算出する。
図7に示すように、添加量算出部626aは、まず、添加量対応情報線Lに基づいて、瞬時塩化水素ガス濃度PVに応じた添加すべき添加量SQ(kg/h)として算出する(ステップST19〜ST31)。図5における添加量対応情報線L4は、添加量対応情報線L3を降下補正係数LMGの割合だけ小さくした線であり、0−点a−点b4間を結ぶ線、点c4−点d4間を結ぶ線、点e4以降の線(減少用添加量対応情報)である。
まず、添加量算出部626aは、瞬時塩化水素ガス濃度PVが、0から(制御目標値SV(ppm))までの範囲にあると判断すると(ステップST19)、添加量対応情報線L4に基づいて、添加量SQ1(kg/h)を0と算出する(ステップST21)。
また、添加量算出部626aは、瞬時塩化水素ガス濃度PVが、(制御目標値SV(ppm))から(第1出力制限対応濃度SM1(ppm))までの範囲にあると判断すると(ステップST23)、添加量対応情報線L4に基づいて、添加量SQ1(kg/h)を算出する(ステップST25)。
具体的には、添加量対応情報線Lの(制御目標値SV(ppm))から(第1出力制限対応濃度SM1(ppm))までの範囲における添加量SQ1(kg/h)は、以下の式に基づいて算出される。
添加量SQ1=(第1出力制限添加量LM1×降下補正係数LMG−基礎添加量Fa)×(瞬時塩化水素ガス濃度PV−制御目標値SV)/(第1出力制限対応濃度SM1−制御目標値SV)
また、添加量算出部626aは、瞬時塩化水素ガス濃度PVが、(第1出力制限対応濃度SM1(ppm))から(第2出力制限対応濃度SM2(ppm))までの範囲にあると判断すると(ステップST27)、添加量対応情報線Lに基づいて、添加量SQ1(kg/h)を算出する(ステップST29)。ここで、添加量対応情報線Lの(第1出力制限対応濃度SM1(ppm))から(第2出力制限対応濃度SM2(ppm))までの範囲における添加量SQ1(kg/h)は、以下の式に基づいて算出される。
添加量SQ1=第2出力制限添加量LM2×降下補正係数LMG−基礎添加量Fa
また、添加量算出部626aは、瞬時塩化水素ガス濃度PVが、(第2出力制限対応濃度SM2(ppm))を超えると判断すると(ステップST27)、添加量対応情報線L4に基づいて、添加量SQ1(kg/h)を算出する(ステップST31)。ここで、添加量対応情報線Lの(第2出力制限対応濃度SM2(ppm))を超える範囲における添加量SQ1(kg/h)は、以下の式に基づいて算出される。
添加量SQ1=出力上限添加量LM3×降下補正係数LMG−基礎添加量Fa
こうして、添加量算出部626aは、添加量SQ(kg/h)を塩化水素側添加量AgS1(kg/h)とし、塩化水素側添加量AgS1(kg/h)を示す塩化水素添加量信号S3として出力する。
硫黄酸化物ガス算出部62bは、硫黄酸化物ガス濃度信号S2に基づいて、単位時間当たりの第1添加剤の添加量(kg/h)である硫黄酸化物側添加量AgS2(kg/h)を算出し、硫黄酸化物添加量信号S4として出力する。硫黄酸化物ガス算出部62bで硫黄酸化物側添加量AgS2を算出する添加量算出部626bも、添加量算出部626aと同様に、硫黄酸化物ガス濃度信号S2に基づいて添加量SQ(kg/h)算出し、算出された添加量SQ(kg/h)を硫黄酸化物側添加量AgS2(kg/h)として出力する。
基礎添加量算出部63は、常に、第1添加量信号S21の第1添加量(kg/h)に基づいて、基礎添加量Fa(kg/h)を基礎添加量信号S5として出力する。
通常添加量算出部64は、以下の式に基づいて、塩化水素添加量信号S3の塩化水素側添加量AgS1、硫黄酸化物添加量信号S4の硫黄酸化物側添加量AgS2、基礎添加量信号S5の基礎添加量Fa(kg/h)に基づいて、通常添加量値AgSQ(kg/h)を算出する。このとき、塩化水素側添加量AgS1(kg/h)と硫黄酸化物側添加量AgS2(kg/h)とは、いずれも、上述の計算式で示したように下限(基礎添加量Fa(kg/h))が影響しないように、基礎添加量Faを減算して、超えた部分の添加量を示している。このため、通常添加量値AgSQ(kg/h)は、通常添加量値AgSQ(kg/h)の下限が基礎添加量Fa(kg/h)となるように、塩化水素側添加量AgS1(kg/h)と硫黄酸化物側添加量AgS2(kg/h)との他に、下限(基礎添加量)を加えて、塩化水素ガス濃度信号S1と硫黄酸化物ガス濃度信号S2とから導かれる添加量の下限を調整している。
通常添加量値AgSQ(kg/h)=塩化水素側添加量AgS1(kg/h)+硫黄酸化物側添加量AgS2(kg/h)+基礎添加量Fa(kg/h)
緊急時判断部65は、常に、塩化水素ガス濃度信号S1及び硫黄酸化物ガス濃度信号S2に基づいて、緊急又は定常を示す緊急時判断信号S7を出力する。
仮添加量算出部66は、定常を示す緊急時判断信号S7を受信している場合、通常添加量信号S6に基づいて仮第1添加量信号S8を出力し、緊急を示す緊急時判断信号S7を受信している場合、通常添加量値AgSQ(kg/h)よりも多い予め規定した緊急添加量(kg/h)を仮第1添加量信号S8として出力する。
機器添加量制限部67は、仮第1添加量信号S8に基づいて、第1添加装置42の最大添加量LHS(kg/h)と、最小添加量LOS(kg/h)との範囲になるよう、第1添加量(kg/h)を算出する。
平均第1添加量算出部71は、第1添加量信号S21に基づいて算出した平均第1添加量AgSQA(kg/h)を平均第1添加量信号S11として出力する。
平均第2添加量算出部72は、第2添加量信号S22に基づいて算出した平均第2添加量(kg/h)を平均第2添加量信号S12として出力する。
目標添加量規定部73は、目標添加量AgSQT(kg/h)を示す目標添加量信号S13として出力する。
第2添加量基礎算出部74は、平均第1添加量信号S11と、平均第2添加量信号S12と、目標添加量信号S13とに基づいて、例えば、以下の式を用いて第2添加量AgCQ(kg/h)を算出し、第2添加量信号S22として出力する。
第2添加量AgCQ=平均第1添加量AgSQA+平均第2添加量AgCQA−目標添加量AgSQT
第1添加装置42は、第1添加量信号S21に基づいて、第1添加量の第1アルカリ剤を導入路3内の燃焼排ガスに添加し、また、第2添加装置44は、第2添加量信号S22に基づいて、第2添加量の第2アルカリ剤を導入路3内の燃焼排ガスに添加する。
燃焼排ガス処理施設10は、互いに異なる2つのアルカリ剤の添加量を適切に制御することができるので、酸性ガスの安定処理を維持しつつ、アルカリ剤の過剰な添加を防止することができる。また、アルカリ剤の添加量を適正に行うことができるので、飛灰中の未反応アルカリの残分を減少させ、飛灰の発生量を減少させることができ、重金属類を固定化させる固定剤の使用量を減少させ、ひいては、環境負荷を低減させることができる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明に係る燃焼排ガス処理施設10は、第1アルカリ剤及び第2アルカリ剤の適正な添加及び酸性ガスの安定処理が可能なように、集塵機18の下流側に塩化水素ガス濃度信号S1、硫黄酸化物ガス濃度信号S2に基づいて第1アルカリ剤の添加量を制御し、また、第1アルカリ剤の添加量に基づいて第2アルカリ剤の添加量を制御するフィードバック制御をするものであり、本発明は実施例に限定されるものではない。
比較例
酸性ガスの変動が激しい産業廃棄物焼却炉において、アルカリ剤添加装置が設置されている位置より、上流側の導入路3(入口HCl)に塩化水素測定機器(京都電子工業株式会社製、KLA−1)を設置し、塩化水素ガス濃度を測定した。また、消石灰(第2アルカリ剤、JIS特号消石灰)を集塵機18の上流側に338kg/hの定量で添加すると共に、微粉重曹(第1アルカリ剤2、栗田工業株式会社製、ハイパーサーB−200)を集塵機18の下流側の排出路4に設置された塩化水素測定機器(京都電子工業株式会社製、KLA−1)で測定された塩化水素ガス濃度(出口HCl)が出力される塩化水素ガス濃度信号S1と、硫黄酸化物測定機器(富士電機株式会社製、ZRG)で測定された硫黄酸化物ガス濃度(出口SOx)が出力される硫黄酸化物ガス濃度信号S2と、に基づいて排出路4内の濃度を管理する酸素換算値にてフィードバック制御を実施した。
尚、この際、微粉重曹(第1アルカリ剤)の出口塩化水素(入口HCl)、硫黄酸化物濃度信号によるフィードバック制御は、以下に示す設定で行った。
また、本適用方法における飛灰を定期的に採取し、アルカリ剤の未反応分の指標となる原灰INDEX(アルカリ残分)を測定した。さらに、硫酸バンド、リン酸水溶液を添加し、重金属の溶出試験(環境庁告示13号試験)を行い、必要添加量を評価した。
本評価条件においては、消石灰を1.88当量(338kg/h)、微粉重曹0.28当量(115kg/h)添加することにより出口塩化水素ガス濃度(出口HCl)を195ppm(制御目標値200ppm)と制御目標値と同等の処理ができており、適正な制御が可能であった。
図8及び図11に入口塩化水素ガス濃度(入口HCl)と消石灰添加当量の推移を示す。
図8のグラフによれば、入口塩化水素ガス濃度(入口HCl)が増加するにつれて消石灰添加当量が低下する傾向がある。これは、入口塩化水素ガス濃度(入口HCl)が低い場合には消石灰が過剰に噴霧され、入口塩化水素ガス濃度(入口HCl)が低下した際には消石灰が不足し、比較的高価な第1アルカリ剤の添加量が増加することを示す。
飛灰の重金属処理に関しては、飛灰中の原灰INDEX(アルカリ残分)平均は、305であった。また、75%リン酸水溶液3%を添加し、27%硫酸アルミニウム水溶液の添加量を変え必要添加量を評価した結果、27%硫酸アルミニウム水溶液の必要添加量は、平均で55%であった。
第2アルカリ剤の添加条件
第2アルカリ剤:消石灰:338(kg/h)定量添加
第1アルカリ剤:微粉重曹のフィードバック制御
AgSO=AgSQ÷LHS×100
AgSO:微粉重曹添加出力(%)
AgSQ:微粉重曹添加量(通常添加量値)(kg/h)
LHS:微粉重曹添加装置の最大添加量(第1添加装置の最大添加量):400(kg/h)
AgSQ=(AgS1+AgS2)+Fa
AgS1:出口HCl測定機器の出力から規定される添加量(塩化水素側添加量)(kg/h)
AgS2:出口SO2測定機器の出力から規定される添加量(硫黄酸化物側添加量)(kg/h)
Fa:微粉重曹基礎添加量(基礎添加量)(kg/h)
Fa:基礎添加量(kg/h):n分移動平均添加量(kg/h)×係数(%)÷100
n分移動平均:10(分)
係数:70.0(%)
ここで、AgSQがLHSを超える場合は、LHSとした。
また、AgSQがLOS(微粉重曹添加装置の最小添加量(第1添加装置の最小添加量))(kg/h)以下の場合は、LOSとした。
LOS:微粉重曹添加装置の最小添加量(第1添加装置の最小添加量):40(kg/h)
また、出口HCl濃度(塩化水素ガス濃度)、出口SO2濃度(硫黄酸化物ガス濃度)がある一定濃度以上になった場合、本添加出力とは緊急添加量の添加出力を規定した。
緊急添加量
緊急添加[出口HCl 1時間平均による制御]
HCl緊急添加濃度:213(ppm)
HCl緊急添加量:260(kg/h)
緊急添加[出口SO2 1時間平均による制御]
SO2緊急添加濃度:200(ppm)
SO2緊急添加量:260(kg/h)
制御設定を表1及び表2に示す。
実施例1
同一施設において、消石灰(第2アルカリ剤、JIS特号消石灰)を前述した微粉重曹(第1アルカリ剤、栗田工業株式会社製、ハイパーサーB−200)の添加量をもとに添加制御した以外は、比較例と同一の方法で行った。
消石灰(第2アルカリ剤)と微粉重曹(第1アルカリ剤)との制御は、以下に示す制御設定で行った。
また、本適用方法における飛灰も定期的に採取し、比較例と同様にアルカリ剤の未反応分の指標となる原灰INDEX(アルカリ残分)平均を測定すると共に、硫酸バンド、リン酸水溶液を用いて、必要添加量を評価した。
消石灰の添加量を微粉重曹の添加量で以下の式で制御したことにより、消石灰を1.74当量(295kg/h)、微粉重曹0.28当量(106kg/h)の添加で出口塩化水素ガス濃度(出口HCl)を195ppm(制御目標値200ppm)と同様に適正な制御が可能であった。また、本発明により消石灰を制御することで、消石灰の必要添加量を比較例に比べ削減することができた。
図9及び図12に、入口塩化水素ガス濃度(入口HCl)と消石灰添加当量の推移を示すが、入口塩化水素ガス濃度増加時に、添加当量のバラツキはわずかであり、また、添加当量が低下する傾向は減少した。
飛灰の重金属処理に関しては、飛灰中の原灰INDEX(アルカリ残分)平均は、260と比較例に比べアルカリ残分を低下することができた。また、添加当量のバラツキもわずかであり、変動の範囲は230〜290であった。
また、同様に75%リン酸水溶液3%を添加し、27%硫酸アルミニウム水溶液の添加量を変え必要添加量を評価した結果、27%硫酸アルミニウム水溶液の必要添加量は、平均で45%と重金属固定剤の添加量を削減することができた。
第2アルカリ剤(JIS特号消石灰適用)のフィードバック制御
AgCO=AgCQ÷LHC×100
AgCO:消石灰添加出力(%)
AgCQ:消石灰添加量(kg/h)
AgCQ=AgCQAve+AgSQAve−AgSQT
AgCQAve:第2アルカリ剤消石灰のn分移動平均添加量(kg/h)
AgSQAve:第1アルカリ剤微粉重曹のn分移動平均添加量(kg/h)
AgSQT:第1アルカリ剤微粉重曹の目標添加量(kg/h)
ここで、AgCQがLMHCを超える場合は、LMHCとした。
また、AgCQがLMOC以下の場合は、LMOCとした。
また、n分移動平均は、以下のように設定する。
第2アルカリ剤(消石灰)の制御
LOC:消石灰機器最小添加量:45(kg/h)
LHC:消石灰機器最大添加量(kg/h):450(kg/h)
LMOC消石灰制御最小添加量:200(kg/h)
LMHC消石灰制御最大添加量:360(kg/h)
消石灰:AgCQAveのn分移動平均時間:10分
微粉重曹:AgSQAveのn分移動平均時間:30分
また、微粉重曹の目標添加量は、以下のように設定する。
微粉重曹の目標添加量:105(kg/h)
また、第1アルカリ剤(微粉重曹)の制御は、比較例1と同一設定にした。
実施例2
同一施設において、消石灰(第2アルカリ剤、JIS特号消石灰)を前述した微粉重曹(第1アルカリ剤、栗田工業株式会社製、ハイパーサーB−200)の添加量をもとに添加制御した以外は、比較例と同一の方法で行った。
尚、この際、消石灰(第2アルカリ剤)と微粉重曹(第1アルカリ剤)との制御は、以下に示す制御設定で行った。
AgCQ=AgCQ1Ave
AgCQ1Ave:AgCQ1のn分移動平均添加量(kg/h)
AgCQ1=A×AgSQ+B
AgSQ:アルカリ剤2微粉重曹の添加量(kg/h)
AgCQ1の係数A:1.5
AgCQ1の切片B:100
ここで、AgCQがLMHCを超える場合は、LMHCとした。
また、AgCQがLMOC以下の場合は、LMOCとした。
LOC:消石灰機器最小添加量:45(kg/h)
LHC:消石灰機器最大添加量:450(kg/h)
LMOC:消石灰 制御最小添加量:45(kg/h)
LMHC:消石灰 制御最大添加量:405(kg/h)
また、n分移動平均は、以下のように設定する。
AgCQ1:Aveのn分移動平均時間:30(分)
また、本適用方法における飛灰も定期的に採取し、比較例と同様にアルカリ剤の未反応分の指標となる原灰INDEX(アルカリ残分)平均を測定すると共に、硫酸バンド、リン酸水溶液を用いて、必要添加量を評価した。
消石灰の添加量を微粉重曹の添加量で以下の式で制御したことにより、消石灰を1.65当量(268kg/h)、微粉重曹0.29当量(109kg/h)の添加で出口塩化水素ガス濃度(出口HCl)を199ppm(制御目標値200ppm)と同様に適正な制御が可能であった。
また、本発明により消石灰を制御することで、消石灰の必要添加量を比較例に比べ大きく削減することができた。
図10及び図13に入口塩化水素濃度(入口HCl)と消石灰添加当量の推移を示すが、本制御は、入口塩化水素濃度(入口HCl)の変動に関わらず、安定した当量で消石灰の添加が可能であり、非常にコントロール性に優れた制御である。
また、飛灰の重金属処理に関しても、飛灰中の原灰INDEX(アルカリ残分)平均は、230と比較例に比べアルカリ残分を低下し、コントロール性向上により変動も少なくなっており、酸性薬剤で処理しやすい飛灰性状と言える。
また、同様に75%リン酸水溶液3%を添加し、27%硫酸アルミニウム水溶液の添加量を変え必要添加量を評価した結果、27%硫酸アルミニウム水溶液の必要添加量は、平均で40%と重金属固定剤の添加量も削減することができた。
酸性ガス処理の結果を表3に、重金属処理結果を表4に測定結果を示す。
AgCQ 第2添加量
AgCQA 平均第2添加量
AgS1 塩化水素側添加量
AgS2 硫黄酸化物側添加量
AgSQ 第1添加量、通常添加量値
AgSQA 平均第1添加量
AgSQT 目標添加量
Fa 基礎添加量
L、L1、L2、L3、L4 添加量対応情報線
LHS 最大添加量
LM1 第1出力制限添加量
LM2 第2出力制限添加量
LM3 出力上限添加量
LMG 降下補正係数
LOS 最小添加量
PV 瞬時塩化水素ガス濃度、瞬時硫黄酸化物ガス濃度
S0 酸性ガス濃度信号
S1 塩化水素ガス濃度信号
S2 硫黄酸化物ガス濃度信号
S3 塩化水素添加量信号
S4 硫黄酸化物添加量信号
S5 基礎添加量信号
S6 通常添加量信号
S7 緊急時判断信号
S8 仮第1添加量信号
S11 平均第1添加量信号
S12 平均第2添加量信号
S13 目標添加量信号
S21 第1添加量信号
S22 第2添加量信号
SM1 第1出力制限対応濃度
SM2 第2出力制限対応濃度
SQ、SQ1 添加量
SV 制御目標値
SVA 上昇補正値
2 配管
3 導入路
4 排出路
10 燃焼排ガス処理施設
12 燃焼炉
14 ボイラ
16 減温塔
18 集塵機
19 飛灰集積装置
20 ファン
22 煙突
30 酸性ガス測定装置
32 塩化水素ガス濃度測定装置
34 硫黄酸化物ガス濃度測定装置
42 第1添加装置
44 第2添加装置
50 添加量制御装置
60 第1添加量算出部
61 メイン添加量算出部
62a 塩化水素ガス算出部
62b 硫黄酸化物ガス算出部
63 基礎添加量算出部
64 通常添加量算出部
65 緊急時判断部
66 仮添加量算出部
67 機器添加量制限部
70 第2添加量算出部
71 平均第1添加量算出部
72 平均第2添加量算出部
73 目標添加量規定部
74 第2添加量基礎算出部
621a、621b 上昇補正値規定部
622a、622b 濃度量算出部
623a、623b 基礎添加量算出部
624a、624b 下降補正値規定部
625a、625b 添加量対応規定部
626a、626b 添加量算出部

Claims (8)

  1. 酸性ガスが含まれる燃焼排ガスを燃焼排ガス処理施設で安定的に処理する安定処理方法であって、
    前記燃焼排ガスを集塵機で処理した処理後燃焼排ガス中の酸性ガス濃度を測定する酸性ガス濃度測定工程と、
    前記酸性ガス濃度測定工程において測定されたリアルタイムの酸性ガス濃度である瞬時酸性ガス濃度の変化の割合を表す酸性ガス濃度量を、前記酸性ガス濃度に基づいて算出した酸性ガスに関する情報である酸性ガス情報とした場合において、
    前記酸性ガス情報を算出し、前記酸性ガス情報に基づいて、少なくとも5〜30μmの微粉の重曹を含有した第1アルカリ剤の通常添加量値を算出し、前記通常添加量値を第1添加量として算出する第1算出工程と、
    所定時間における複数の前記第1添加量から算出した平均第1添加量を、前記第1添加量に関する第1添加量情報とした場合において、
    前記第1添加量情報に基づいて、少なくとも消石灰を含有した第2アルカリ剤の第2添加量を算出する第2算出工程と、
    前記第1添加量の前記第1アルカリ剤を前記燃焼排ガスに添加する第1添加工程と、
    前記第2添加量の前記第2アルカリ剤を前記燃焼排ガスに添加する第2添加工程とを含む、酸性ガス安定処理方法。
  2. 過去の第2添加量から前記所定時間における前記第2添加量の平均第2添加量を第2添加量情報とした場合において、
    前記第2算出工程は、前記第2添加量情報を算出し、前記平均第1添加量と前記平均第2添加量と予め規定された、前記第1アルカリ剤の目標添加量とに基づいて前記第2添加量を算出する、請求項1に記載の酸性ガス安定処理方法。
  3. 予め、前記瞬時酸性ガス濃度と前記第1アルカリ剤の添加量とを関係づけた基本添加量対応情報を規定し、
    前記第1算出工程は、
    前記酸性ガス情報を算出し、前記酸性ガス情報に基づいて、前記第1アルカリ剤の通常添加量値を算出し、前記通常添加量値を第1添加量として算出する代わりに、
    前記酸性ガス濃度が一定状態を保っている又は減少している下降状態の場合、前記瞬時酸性ガス濃度と、前記基本添加量対応情報における前記酸性ガス濃度に対する前記第1アルカリ剤の添加量の値を所定の補正方法で下げた減少用添加量対応情報と、に基づいて前記通常添加量値を算出し、
    また、前記酸性ガス濃度が増加している上昇状態の場合、前記瞬時酸性ガス濃度と、前記基本添加量対応情報における酸性ガス濃度の値を所定の補正方法で小さくした増加用添加量対応情報と、に基づいて前記通常添加量値を算出する、請求項2に記載の酸性ガス安定処理方法。
  4. 前記第1添加工程において添加できる最大添加量と最小添加量との間に複数の対応添加量上限値が設けられ、
    前記複数の対応添加量上限値は、それぞれ、複数の酸性ガスの所定濃度値に対応しており、
    前記酸性ガス情報は、前記酸性ガス濃度測定工程において測定された酸性ガス濃度である瞬時酸性ガス濃度を含んでおり、
    前記第1算出工程は、前記瞬時酸性ガス濃度が、前記複数の酸性ガスの所定濃度値のうち隣接する2つの酸性ガスの所定濃度値の範囲内にある場合、その隣接する2つの酸性ガスの所定濃度値のうち高い濃度に対応する対応添加量上限値に基づいて、前記通常添加量値を算出する、請求項1に記載の酸性ガス安定処理方法。
  5. 前記酸性ガスは、塩化水素ガスと硫黄酸化物ガスとを含み、
    前記酸性ガス濃度測定工程は、前記酸性ガス中の塩化水素ガス濃度を測定する塩化水素ガス濃度測定工程と、前記酸性ガス中の硫黄酸化物濃度を測定する硫黄酸化物濃度測定工程と、を含み、
    前記塩化水素ガス濃度測定工において測定されたリアルタイムの前記酸性ガス中の塩化水素ガス濃度を前記塩化水素ガスに関する塩化水素情報とし、
    また、前記硫黄酸化物濃度測定工程において測定されたリアルタイムの前記酸性ガス中の硫黄酸化物濃度を前記硫黄酸化物ガスに関する硫黄酸化物情報とした場合において、
    前記酸性ガス情報は、前記塩化水素情報と前記硫黄酸化物情報とを含み、
    前記第1算出工程は、前記塩化水素情報に基づいて算出した塩化水素ガス添加量と、前記硫黄酸化物情報に基づいて算出した硫黄酸化物ガス添加量と、所定の時間における複数の前記第1添加量の平均添加量に基づいて算出される基礎添加量と、に基づいて、前記通常添加量値を算出する、請求項1又は2に記載の酸性ガス安定処理方法。
  6. 前記酸性ガス情報は、所定時間における複数の前記酸性ガス濃度から算出した平均酸性ガス濃度を含み、
    前記第1算出工程は、前記平均酸性ガス濃度が予め規定された緊急添加濃度を超えると、前記通常添加量値のわりに、予め規定された緊急添加量を前記第1添加量として算出する、請求項1から5のいずれかに記載の酸性ガス安定処理方法。
  7. さらに、前記集塵機において集塵された飛灰に、鉄系化合物、リン酸含有化合物及び中和剤から選ばれる少なくとも1種以上を添加する固定化処理工程を含む、請求項1から6のいずれかに記載の酸性ガス安定処理方法。
  8. 請求項1から7のいずれかに記載の酸性ガス安定処理方法を実行する燃焼排ガス処理施設であって、
    集塵機と、
    前記燃焼排ガスを前記集塵機に導入する導入路と、
    前記集塵機で処理された処理後燃焼排ガスを前記集塵機から排出する排出路と、
    前記酸性ガス濃度測定工程を実行し、前記酸性ガス情報を酸性ガス濃度信号として出力する酸性ガス測定装置と、
    前記酸性ガス濃度信号の前記酸性ガス情報に基づいて前記第1算出工程を実行し、前記第1添加量を第1添加量信号として出力する第1添加量算出部と前記第1添加量信号に基づいて前記第2算出工程を実行し、前記第2添加量を第2添加量信号として出力する第2添加量算出部とを有する添加量制御装置と、
    前記第1添加量信号に基づいて前記第1添加工程を実行する第1添加装置と、
    前記第2添加量信号に基づいて前記第2添加工程を実行する第2添加装置と、を備える燃焼排ガス処理施設。
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