JP6019977B2 - 発光装置 - Google Patents
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このような反射防止層を有する発光装置において、配光特性が良好であることが必要とされており、配光特性のさらなる向上が求められている。
前記蓋体は、前記発光素子からの光を透過する透光性部材と、該透光性部材の外周に設けられ前記透光性部材を保持する枠材と、を有し、前記枠材が前記基体の上面と接合してなり、
前記透光性部材の上面および下面の少なくともいずれか一方の面に反射防止層が、前記透光性部材と前記枠材との接合部から離間して形成されてなることを特徴とする。
上記構成によれば、反射防止層が、透光性部材と枠材との接合部から離間して形成されているため、配光特性を向上させることができる。
前記蓋体は、前記発光素子からの光を透過する透光性部材と、該透光性部材の外周に設けられ前記透光性部材を保持する枠材と、を有し、前記枠材が前記基体の上面と接合してなり、
前記基体の上面と凹部との境界は、前記接合部より内側にあることを特徴とする。これにより、凹部からの光を枠材で遮ることなく、効率よく外部に放出することができる。
図1は、本発明の実施の形態1に係る発光装置の斜視図であり、図2は、その発光装置を構成する基体の斜視図である。また、図3は、その発光装置の、X−X’における断面図であり、図4(a)は、その発光装置の上面図、図4(b)は、その発光装置の右側面図、図4(c)は、その発光装置の前面図である。
本発明に係る発光装置1において、蓋体4は、以下に説明する基体3を覆うためのものであり、上述したように、発光素子2からの光を透過する透光性部材5と、透光性部材5の外周に設けられ透光性部材5を保持する枠材6と、を備える。
実施の形態1に係る発光装置1において、蓋体4を構成する透光性部材5は、基体3のキャビティ26内に配置された発光素子2からの光を透過させて、発光装置1の外部に光を放出させる機能を有する。
実施の形態1に係る発光装置1において、枠材6は、透光性部材5を保持することができれば如何なる形状であっても良いが内側の開口が円形であることが好ましい。また例えば、図5に示すように、枠材6に形成された開口部14が円形であって、その内周面18に周回するように保持部16が設けられていてもよい。保持部16は、鉛直な断面において矩形の形状を有していてもよい。保持部16は、開口部14の内周面18に周回するように設けられていることが好ましい。開口部14の内周面18に周回するように設けられた保持部16及び開口部18の内周面18に透光性部材5を融着させることにより、透光性部材5を枠材6に密着させることができる。しかしながら、透光性部材5を保持することが可能であれば、内周面18の少なくとも一部に設けられていてもよい。
実施の形態1に係る発光装置において、接着材(不図示)が、蓋体4を基体3に接着するために使用される。接着材としては、例えば、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、フッ素系エラストマー、ガラス、Au、Ag、Bi、Cu、In、Pb、SnおよびZnから選択された少なくとも一種を含む共晶材(例えば、Au−Sn)、ホットメルト系樹脂、変性シリコーンおよび有機無機ハイブリッド樹脂から選択された少なくとも一種を含む材料を例示することができる。
基体3は、発光素子2を収容するためのものであり、中央部に後述のキャビティ26が形成され、キャビティ26内に発光素子2が配置されている。基体3には、接着材(不図示)を介し、後述の蓋体4が配置される。
また、キャビティ26の周囲に、蓋体4が載置される蓋体載置部27が形成されている。蓋体載置部27の上面の、キャビティ26に近接する領域には、キャビティ26に沿って略八角形形状を有する環状の隆起部28が形成されている。さらに、略八角形形状のキャビティ26の対向する2つの辺29から、それぞれ、当該辺29と対向する基体3の辺30に、通気のための通路32が形成されている。通路32を設けることにより、リフロー処理を安全且つ確実に行なうことができるほか、外部環境の温度湿度の急激な変化により、キャビティ26内部空間と基体3の外部との温度差が生じて透光性部材5の内部に結露が発生し、透光性部材5が曇った場合であっても、短時間でキャビティ26の内部空間と基体3の外部との温度・湿度を均一化し、曇りを除去することができる。通路32の両サイドには、それぞれ、環状の隆起部28から基体3の辺30へ延びる第1の放射状隆起部33が形成されている。各通路32の両サイドに形成された一対の第1の放射状隆起部33間において、環状の隆起部28は形成されておらず、環状隆起部28と第1の放射状隆起部33とは連続している。このように構成されることにより、基体3を蓋体4で覆った状態において、キャビティ26内の空間と基体3の外空間とが通路32により連通している。
前述したように、基体3は上面が、透光性部材5と枠材6とを有する蓋体4のうち、枠材6と接合され、基体3の凹部(キャビティ26)を覆う。ここで、基体3の上面と凹部(キャビティ26)との境界は、透光性部材5と枠材6との接合部10より内側にあることが好ましい。これにより、凹部(キャビティ26)からの光を枠材6で遮ることなく、効率よく外部に放出することができる。さらには、反射防止層12を好ましい位置に形成することが可能となる。この理由を以下に説明する。
反射防止層12は、透光性部材5のうち、基体3の凹部(キャビティ26)の上方から、凹部(キャビティ26)の上方より外側まで延在して設けられることが好ましく、これにより凹部からの光を効率よく外部に放出することができるが、ここで反射防止層12は、透光性部材5と枠材6との接合部から離間して形成する必要がある。つまり、基体3の上面と凹部(キャビティ26)との境界と、接合部10との間に、反射防止層12の外周が位置するように設けることができ、配光特性と凹部(キャビティ26)から光を効率よく外部に放出することとの両立が容易に達成できることとなる。
発光素子2を構成する半導体発光素子としては、ZnSeやGaNなどの種々の半導体を使用したものを挙げることができるが、蛍光物質を有する発光装置とする場合には、その蛍光物質を効率良く励起することができる短波長の光を発光可能な窒化物半導体(InXAlYGa1−X−YN、0≦X、0≦Y、X+Y≦1)が好適に挙げられる。他の発光素子としては、基板上に、III−V族化合物半導体、II−VI族化合物半導体等、種々の半導体によって、活性層を含む積層構造が形成されたものが挙げられる。基板としては、C面、A面、R面のいずれかを主面とするサファイアやスピネル(MgAl2O4)のような絶縁性基板、または窒化珪素(6H、4H、3C)、シリコン、ZnS、ZnO、GaAs、ダイヤモンド;ニオブ酸リチウム、ガリウム酸ネオジウム等の酸化物基板、窒化物半導体基板(GaN、AlN等)等が挙げられる。半導体の構造としては、MIS接合、PIN接合、PN接合などのホモ構造、ヘテロ構造あるいはダブルヘテロ構造のものが挙げられる。また、半導体活性層を量子効果が生ずる薄膜に形成させた単一量子井戸構造、多重量子井戸構造としてもよい。活性層には、Si、Ge等のドナー不純物及び/又はZn、Mg等のアクセプター不純物がドープされる場合もある。得られる発光素子の発光波長は、半導体の材料、混晶比、活性層のInGaNのIn含有量、活性層にドープする不純物の種類を変化させるなどによって、発光波長を種々選択することができる。発光波長としては、例えば430nm以下、好ましくは405nm以下が、つまり紫外光発光の発光素子が好ましい。
図6は、実施の形態2に係る発光装置1に用いられる蓋体4の断面図である。実施の形態2では、図6に示すように、透光性部材5の上面21と枠材6の上面22とが面一となるように配置されている。実施の形態2では、実施の形態1と同様に、枠材6の中央付近に開口部14が形成され、開口部14の内周面18に、透光性部材5を保持するための保持部16が形成されている点で実施の形態2は実施の形態1と一致するが、実施の形態1では透光性部材5が枠材6に対して上側に突出しているのに対して、実施の形態2では透光性部材5の上面21が枠材6の上面22と面一に形成されている点で実施の形態2は実施の形態1と異なる。その他の構成については、実施の形態1と同様である。実施の形態2において、本発明に係る「前記反射防止層が、透光性部材と前記枠材との接合部から離間して形成されてなる」とは、透光性部材5の上面21において、透光性部材5と枠材6との接合部10と、上側反射防止層12との間の領域(すなわち、透光性部材5の上面21において、上側反射防止層12が形成された領域から透光性部材5の側面20までの領域)A1、並びに、透光性部材5の下面23において、透光性部材5と枠材6との接合部10と、下側反射防止層12との間の領域A2に反射防止層12が存在しないことを意味する。このような構成とすることにより、上記と同様の効果を得ることができるとともに、透光性部材5の上面21と、枠材6の上面22とが面一に形成されているため、審美性に優れ、また透光性部材5の側面20が露出しておらず、側面20が障害とならないため好適である。
図7は、実施の形態3に係る発光装置1に用いられる蓋体4の断面図である。実施の形態3では、図7に示すように、上述した保持部を有せず、さらに透光性部材5の上面21と枠材6の上面22とが面一に形成されている。実施の形態3では、透光性部材5の上面21が枠材6の上面22と面一に形成されているのに対し、実施の形態1では、透光性部材5が枠材6に対して上側に突出して形成されている点、さらに、実施の形態3では、透光性部材5を保持するための保持部16を有せず透光性部材5の外周面20と枠材6の内周面18とが当接しこれらが融着されて透光性部材5が枠材6に固定されているのに対して、実施の形態1では、枠材6の開口部14の内周面18に開口部14の内方に向かって突出して形成された保持部16に透光性部材5が融着されて透光性部材5が枠材6に固定されている点で、実施の形態3は実施の形態1と異なる。その他の構成については、実施の形態1と同様である。
図8は、実施の形態4に係る発光装置1に用いられる蓋体4の断面図である。実施の形態4では、図8に示すように、枠材6の開口部14の内周面18の上部に、透光性部材5を保持する保持部16を有する。実施の形態4では、保持部16は、枠材6の開口部14の内周面18の上部に設けられ、保持部16の下面と透光性部材5の上面21の外縁部分及び側面20とが融着されて固定されているのに対して、実施の形態1では、保持部16は、枠材6の開口部14の内周面18の下部に設けられ、保持部16の上面と透光性部材5の下面23の外縁部分及び側面20の一部とが融着されて固定されている点で、実施の形態4は実施の形態1と異なる。その他の構成については、実施の形態1と同様である。
2 発光素子
3 基体
4 蓋体
5 透光性部材
6 枠材
12 反射防止層
Claims (11)
- 発光素子と、該発光素子を収容する凹部を有する基体と、前記発光素子の上部に離間して配置され前記基体の凹部を覆う蓋体と、を有してなり、
前記蓋体は、前記発光素子からの光を透過する透光性部材と、該透光性部材の外周に設けられ前記透光性部材を保持する枠材と、を有し、前記枠材が前記基体の上面と接合してなり、
前記透光性部材の上面および下面の少なくともいずれか一方の面に反射防止層が、前記透光性部材と前記枠材との接合部から離間して形成されてなることを特徴とする発光装置。 - 前記反射防止層は、前記透光性部材における前記基体の凹部上方から、前記凹部上方より外側まで延在してなる請求項1に記載の発光装置。
- 前記基体の上面と凹部との境界は、前記接合部より内側にある請求項1または2に記載の発光装置。
- 前記基体の上面と凹部との境界は、八角形である請求項1乃至3のいずれかに記載の発光装置。
- 前記枠材は、内側の開口が円形である請求項1乃至4のいずれかに記載の発光装置。
- 前記反射防止層と前記接合部との間の距離が、0.2mm〜0.6mmである請求項1乃至5のいずれかに記載の発光装置。
- 前記枠材は、コバール、ニッケル・鉄、およびインバーなどのニッケル鉄合金からなる群から選択された少なくとも一種により構成されている請求項1乃至6のいずれかに記載の発光装置。
- 前記透光性部材が、ホウ珪酸ガラス、石英ガラス、サファイアガラス、フッ化カルシウムガラス、アルミノホウ珪酸ガラス、オキシナイトライドガラス、カルコゲナイドガラスからなる群から選択された少なくとも1種により構成されている請求項1乃至7のいずれかに記載の発光装置。
- 前記透光性部材の熱膨張係数と前記枠材の熱膨張係数とが同じである請求項1乃至8のいずれかに記載の発光装置。
- 前記透光性部材の上面と前記枠材の上面とが面一である請求項1乃至9のいずれかに記載の発光装置。
- 前記反射防止層が形成されていない領域の面積と、前記反射防止層が形成されている領域の面積との比率が、1:2〜1:5である請求項1乃至10のいずれかに記載の発光装置。
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