JP6017803B2 - 非水電解液用添加剤、非水電解液、及び、蓄電デバイス - Google Patents

非水電解液用添加剤、非水電解液、及び、蓄電デバイス Download PDF

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Description

本発明は、新規の環状ジスルホン酸アミド化合物に関する。また、本発明は、非水電解液二次電池、電気二重層キャパシタ等の蓄電デバイスに用いた場合に、電極表面上に安定な固体電解質界面を形成して、サイクル特性、充放電容量、内部抵抗等の電池特性を改善することができる非水電解液用添加剤に関する。更に、本発明は、該非水電解液用添加剤を用いた非水電解液、及び、該非水電解液を用いた蓄電デバイスに関する。
近年、環境問題の解決、持続可能な循環型社会の実現に対する関心が高まるにつれ、非水電解液二次電池、電気二重層キャパシタ等の蓄電デバイスの研究が広範囲に行われている。なかでもリチウムイオン電池は高い使用電圧とエネルギー密度から、ノート型パソコン、携帯電話等の電源として用いられている。これらリチウムイオン電池は、鉛電池やニッケルカドミウム電池と比較してエネルギー密度が高く、高容量化が実現されるため期待されている。
しかしながら、リチウムイオン電池には、充放電サイクルの経過に伴って電池の容量が低下するという問題がある。これは長期間の充放電サイクルの経過に伴い、電極反応による電解液の分解や電極活物質層への電解質の含浸性の低下、更にリチウムイオンのインターカレーション効率の低下が生じること等が要因に挙げられる。
充放電サイクルの経過に伴う電池の容量の低下を抑制する方法として、電解液に各種添加剤を加える方法が検討されている。添加剤は、最初の充放電時に分解され、電極表面上に固体電解質界面(SEI)と呼ばれる被膜を形成する。SEIは、充放電サイクルの最初のサイクルにおいて形成されるため、電解液中の溶媒等の分解に電気が消費されることはなく、リチウムイオンはSEIを介して電極を行き来することができる。すなわち、SEIの形成は充放電サイクルを繰り返した場合の非水電解液二次電池の劣化を防ぎ、電池特性、保存特性又は負荷特性等を向上させることに大きな役割を果たすと考えられている。
SEIを形成する電解液用添加剤として、例えば、特許文献1〜3には、環状モノスルホン酸エステルが開示されている。また、特許文献4には、含硫黄芳香族化合物が開示されており、特許文献5にはジスルフィド化合物が開示されている。更に、特許文献6〜9にはジスルホン酸エステルが開示されている。
また、特許文献10〜13には、ビニレンカーボネート及びビニルエチレンカーボネートを含有する電解液が開示されており、特許文献14、15では1,3−プロパンスルトン及びブタンスルトンを含有する電解液が開示されている。
特開昭63−102173号公報 特開2000−003724号公報 特開平11−339850号公報 特開平05−258753号公報 特開2001−052735号公報 特開2009−038018号公報 特開2005−203341号公報 特開2004−281325号公報 特開2005−228631号公報 特開平04−87156号公報 特開平05−74486号公報 特開平08−45545号公報 特開2001−6729号公報 特開昭63−102173号公報 特開平10−50342号公報
電極表面に形成されるSEIの性能は、用いる添加剤によって異なり、サイクル特性、充放電容量、内部抵抗等多くの電池特性に深く関与している。しかしながら、従来の添加剤を用いた場合では、充分な性能を持つSEIを形成させ、長期に亘ってその電池特性を高く維持し続けることは困難であった。
例えば、特許文献10〜15に記載されているビニレンカーボネート系化合物や1,3−プロパンスルトン等のスルトン系化合物を添加剤として用いた電解液は、負極表面上に電気的還元分解を生じて生成したSEIによって、不可逆的容量低下を抑制することが可能となっている。しかし、これらの添加剤によって形成されたSEIは電極を保護する性能に優れるものの、リチウムイオンのイオン伝導性が低いため、内部抵抗を低下させる性能は小さかった。更に、形成されたSEIは、長期間の使用に耐える強度がなく、使用中にSEIが分解したり、SEIに亀裂が生じたりすることによって負極表面が露出し、電解液溶媒の分解が生じて電池特性が低下するといった問題点があった。
また、上記したように、非水電解液用添加剤は、最初の充放電時に還元分解され、電極表面上にSEI被膜を形成する。しかしながら、上記特許文献に開示されているスルトン系化合物や環状モノスルホン酸エステル等は、一般的に水分に対する安定性が低く、容易に水と反応し、いわゆる加水分解を起こしやすい傾向にある。従って、電解液中に水分が含まれた場合、還元分解してSEI被膜を形成する前に加水分解する可能性が高く、添加剤としての働きが抑制されるおそれがあった。従って、電解液中の水分含量に対して厳密な管理が必要であった。
このように、従来の非水電解液用添加剤は、電極を保護する性能や内部抵抗を低下させる性能において、長期に亘って充分な性能を有するものではなく、改善の余地があった。即ち、電極表面上に安定で、かつ、サイクル特性、充放電容量、内部抵抗等を向上させるSEIを形成させ、非水電解液二次電池等の電池特性を向上させる新規な電解液用添加剤の開発が望まれていた。
本発明は、特に非水電解液用添加剤として好適に用いられる環状ジスルホン酸アミド化合物を提供することを目的とする。また、本発明は、該化合物を非水電解液二次電池等の蓄電デバイスに用いた場合に、電極表面上に安定なSEIを形成して、サイクル特性、充放電容量、内部抵抗等の電池特性を改善することができる非水電解液用添加剤を提供することを目的とする。更に、本発明は、該非水電解液用添加剤を用いた非水電解液、及び、該非水電解液を用いた蓄電デバイスを提供することを目的とする。
本発明は、下記式(1)で表される環状ジスルホン酸アミド化合物からなる非水電解液用添加剤である。
Figure 0006017803
式(1)中、R及びRは、それぞれ独立し、置換されていてもよい炭素数0〜6のアルキレン基を示す。Rは、置換されていてもよい炭素数1〜5のアルキレン基を示し、Rは、置換されていてもよい炭素数1〜5のアルキレン基、置換されていてもよいフェニレン基、カルボニル基、スルフィニル基、又は、エーテル結合を介してアルキレン単位若しくはフルオロアルキレン単位が結合した炭素数2〜6の2価の基を示す。X及びXは、それぞれ独立し、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキル基、又は、置換されていてもよいフェニル基を示す。
以下に本発明を詳細に説明する。
非水電解液二次電池等の電極における電気化学的還元に対する非水電解液用添加剤の適応性の指標として、例えば、「Geun−Chang,Hyung−Jin kim,Seung−ll Yu,Song−Hui Jun,Jong−Wook Choi,Myung−Hwan Kim.Journal of The Electrochemical Society,147,12,4391(2000)」には、非水電解液用添加剤を構成する化合物のLUMO(最低空分子軌道)エネルギーのエネルギー準位を用いる方法が報告されている。このような文献では、LUMOエネルギーが低い化合物ほど優れた電子受容体であり、非水電解液二次電池等の電極表面上に安定なSEIを形成することができる非水電解液用添加剤になるとされている。従って、化合物のLUMOエネルギーを測定することにより、該化合物が非水電解液二次電池等の電極表面上に安定なSEIを形成する性能を有するかどうかを容易に評価することができ、この方法が現在では非常に有用な手段となっている。
本発明者らは、上記式(1)で表される環状ジスルホン酸アミド化合物は、電気化学的還元を受けやすい低いLUMOエネルギーを示し、かつ、化学的に安定であることを見出した。そこで本発明者らは、該環状ジスルホン酸アミド化合物からなる非水電解液用添加剤を非水電解液に用い、更に該非水電解液を非水電解液二次電池等の蓄電デバイスに用いた場合に、電極表面上に安定なSEIを形成して、サイクル特性、充放電容量、内部抵抗等の電池特性を改善することができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明は、上記式(1)で表される環状ジスルホン酸アミド化合物である。
上記式(1)中、R及びRは、それぞれ独立し、置換されていてもよい炭素数0〜6のアルキレン基を示す。R及びRで示されるアルキレン基の炭素数が7以上であると、非水溶媒への溶解性が低下するおそれがある。R及びRで示されるアルキレン基の炭素数の好ましい上限は3である。
なお、上記式(1)中、R及びRについて「炭素数0のアルキレン基である」とは、RやRと結合している窒素がXやXと直接結合していることを意味する。
上記式(1)中、R及びRで示される、炭素数1〜6のアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、イソプロピレン基、n−ブチレン基、エチリデン基、1−メチルエチレン基、1−エチルエチレン基、n−ペンチレン基、n−へキシレン基等が挙げられる。なかでも、メチレン基であることが好ましい。
また、R及びRで示されるアルキレン基が置換されている場合、ハロゲン原子で置換されていることが好ましく、フッ素原子で置換されていることがより好ましい。
上記式(1)中、Rは、置換されていてもよい炭素数1〜5のアルキレン基を示す。Rで示されるアルキレン基の炭素数が6以上であると、非水溶媒への溶解性が低下するおそれがある。Rで示されるアルキレン基の炭素数の好ましい上限は4である。
上記式(1)中、Rで示される、炭素数1〜5のアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、イソプロピレン基、n−ブチレン基、エチリデン基、1−メチルエチレン基、1−エチルエチレン基、n−ペンチレン基等が挙げられる。なかでも、メチレン基であることが好ましい。
また、Rで示されるアルキレン基が置換されている場合、ハロゲン原子で置換されていることが好ましく、フッ素原子で置換されていることがより好ましい。
上記式(1)中、Rは、置換されていてもよい炭素数1〜5のアルキレン基、置換されていてもよいフェニレン基、カルボニル基、スルフィニル基、又は、エーテル結合を介してアルキレン単位若しくはフルオロアルキレン単位が結合した炭素数2〜6の2価の基を示す。
がアルキレン基である場合、Rで示されるアルキレン基の炭素数が6以上であると、非水溶媒への溶解性が低下するおそれがある。Rで示されるアルキレン基の炭素数の好ましい上限は4である。
上記式(1)中、Rで示される、炭素数1〜5のアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、イソプロピレン基、n−ブチレン基、エチリデン基、1−メチルエチレン基、1−エチルエチレン基、n−ペンチレン基等が挙げられる。なかでも、メチレン基であることが好ましい。
また、Rで示されるアルキレン基が置換されている場合、ハロゲン原子で置換されていることが好ましく、フッ素原子で置換されていることがより好ましい。
上記式(1)中、Rが置換されたフェニレン基である場合、ハロゲン原子で置換されていることが好ましく、フッ素原子で置換されていることがより好ましい。
上記式(1)中、Rがエーテル結合を介してアルキレン単位又はフルオロアルキレン単位が結合した炭素数2〜6の2価の基である場合、Rで示される、エーテル結合を介してアルキレン単位又はフルオロアルキレン単位が結合した炭素数2〜6の2価の基の炭素数が7以上であると、非水溶媒への溶解性が低下するおそれがある。Rで示される、エーテル結合を介してアルキレン単位又はフルオロアルキレン単位が結合した炭素数2〜6の2価の基の炭素数の好ましい上限は4である。
上記アルキレン単位又はフルオロアルキレン単位が結合した炭素数2〜6の2価の基において、アルキレン単位としては、メチレン単位が好ましく、フルオロアルキレン単位としては、フルオロメチレン単位が好ましい。
上記式(1)中、X及びXは、それぞれ独立し、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキル基、又は、置換されていてもよいフェニル基を示す。
及びXの少なくとも1つが置換されていてもよいアルキル基である場合、X及びXで示されるアルキル基の炭素数が7以上であると、非水溶媒への溶解性が低下するおそれがある。X及びXで示されるアルキル基の炭素数の好ましい上限は4である。
上記式(1)中、X及びXで示される、炭素数1〜6のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、1−メチルエチル基、n−ペンチル基、n−へキシル基等が挙げられる。なかでも、メチル基であることが好ましい。
また、X及びXで示されるアルキル基が置換されている場合、ハロゲン原子で置換されていることが好ましく、フッ素原子で置換されていることがより好ましい。
上記式(1)中、X及びXの少なくとも1つが置換されていてもよいフェニル基である場合、該置換されていてもよいフェニル基としては、例えば、フェニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、2−エチルフェニル基、3−エチルフェニル基、4−エチルフェニル基、2−メトキシフェニル基、3−メトキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、2−エトキシフェニル基、3−エトキシフェニル基、4−エトキシフェニル基、2−(ジメチルアミノ)フェニル基、3−(ジメチルアミノ)フェニル基、4−(ジメチルアミノ)フェニル基、2−フルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基、4−フルオロフェニル基、2−クロロフェニル基、3−クロロフェニル基、4−クロロフェニル基、2−ブロモフェニル基、3−ブロモフェニル基、4−ブロモフェニル基等が挙げられる。なかでも、電気化学的還元を受けやすい低いLUMOエネルギーを示すことから、フェニル基、2−フルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基、4−フルオロフェニル基であることが好ましい。
上記式(1)で表される環状ジスルホン酸アミド化合物としては、なかでも、特に化学的に安定であり、SEI被膜を形成した場合に電解液溶媒等の分解による電池の劣化を防止することができ、かつ、LUMOエネルギーが低いこと等により、下記式(2)〜(5)で表される環状ジスルホン酸アミド化合物が好ましく、下記式(4)〜(5)で表される環状ジスルホン酸アミド化合物がより好ましい。下記式(2)〜(5)で表される環状ジスルホン酸アミド化合物もまた、それぞれ本発明の1つである。
Figure 0006017803
式(2)中、X、及び、Xは、それぞれ式(1)におけるX、及び、Xと同じ原子又は基を示す。
Figure 0006017803
式(3)中、X、及び、Xは、それぞれ式(1)におけるX、及び、Xと同じ原子又は基を示し、Xは、水素原子又はハロゲン原子、置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキル基を示す。
Figure 0006017803
Figure 0006017803
上記式(1)で表される環状ジスルホン酸アミド化合物を製造する方法としては、例えば、−R、−R及び−R−を有する一級又は二級ジアミン(R、R、R、X、Xは、上記式(1)と同じ)とアルキレンジスルホニルクロライドとを反応させる方法等が挙げられる。
例えば、上記式(4)で表される環状ジスルホン酸アミド化合物を製造する場合は、N,N’−ジフェニルエチレンジアミン、及びメタンジスルホニルクロライドの混合液に、トリエチルアミンを滴下して撹拌し、反応終了後、晶析操作により析出した結晶をろ過する方法を用いることができる。なお、該化合物を製造する場合、必要に応じて1,2−ジメトキシエタン、ジクロロメタン等の反応溶媒を用いることができる。また、上記式(5)で表される環状ジスルホン酸アミド化合物を製造する場合は、上記式(4)で表される環状ジスルホン酸アミド化合物を製造する場合のN,N’−ジフェニルエチレンジアミンに代えて、o−フェニレンジアミンをメタンジスルホニルクロライドと反応させる方法を用いることができる。
本発明の環状ジスルホン酸アミド化合物からなる非水電解液用添加剤もまた、本発明の1つである。本発明の環状ジスルホン酸アミド化合物は、化学的に安定であり、SEI被膜を形成した場合に電解液溶媒等の分解による電池の劣化を防止することができ、かつ、電気化学的還元を受けやすい低いLUMOエネルギーを示す。また、該化合物からなる本発明の非水電解液用添加剤は、非水電解液に含有され非水電解液二次電池等の蓄電デバイスに用いた場合に、電極表面上に安定なSEIを形成して電池の寿命や容量等の電池特性を改善することができる。
本発明の非水電解液用添加剤、非水溶媒、及び、電解質を含む非水電解液もまた、本発明の1つである。
本発明の非水電解液における非水電解液用添加剤の含有量(即ち、上記式(1)で表される環状ジスルホン酸アミド化合物の含有量)は特に限定されないが、好ましい下限は0.005質量%、好ましい上限は10質量%である。本発明の非水電解液用添加剤の含有量が0.005質量%未満であると、非水電解液二次電池等に用いた場合に電極表面での電気化学的還元反応によって安定なSEIを充分に形成できないおそれがある。本発明の非水電解液用添加剤の含有量が10質量%を超えると、溶解しにくくなるだけでなく非水電解液の粘度が上昇し、イオンの移動度を充分に確保できなくなるため、電解液の導電性等を充分に確保することができず、非水電解液二次電池等の蓄電デバイスに用いた場合に充放電特性等に支障をきたすおそれがある。本発明の非水電解液用添加剤の含有量のより好ましい下限は0.01質量%である。
上記非水溶媒としては、例えば、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ブチレン等の環状カーボネートや、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸エチルメチル等の鎖状カーボネートや、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、イソ酪酸メチル、トリメチル酢酸メチル等の脂肪族カルボン酸エステルや、γ−ブチロラクトン等のラクトンや、ε−カプロラクタム、N−メチルピロリドン等のラクタムや、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,3−ジオキソラン等の環状エーテルや、1,2−エトキシエタン、エトキシメトキシエタン等の鎖状エーテルや、スルホラン等のスルホンや、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−クロロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン等のハロゲン誘導体等が挙げられる。これらの非水溶媒は、単独で用いてもよいし、複数種を混合してもよい。
上記非水溶媒としては、得られる非水電解液の粘度を低く抑える等の観点から、非プロトン性溶媒が好適である。なかでも、環状カーボネート、鎖状カーボネート、脂肪族カルボン酸エステル、ラクトン、ラクタム、環状エーテル、鎖状エーテル、及び、これらのハロゲン誘導体からなる群より選択される少なくとも1種を含有することが好ましい。これらの中でも環状カーボネート及び鎖状カーボネートをそれぞれ1種以上含有することがより好ましい。
前記非水溶媒は、例えば、リチウムイオン電池等の非水電解液二次電池や、リチウムイオンキャパシタ等の電気二重層キャパシタ等に好ましく用いられる。
上記電解質としては、リチウムイオンのイオン源となるリチウム塩が好ましい。なかでも、LiAlCl、LiBF、LiPF、LiClO、LiAsF、及び、LiSbFからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、LiBF、LiPFであることがより好ましく、LiPFが更に好ましい。これらの電解質は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。なお、上記LiPFが用いられる場合、非水溶媒としては、環状カーボネート及び鎖状カーボネートをそれぞれ1種以上混合することが好ましく、炭酸エチレン及び炭酸ジエチルを混合することがより好ましい。
本発明の非水電解液における上記電解質の濃度は特に限定されないが、好ましい下限は0.1mol/L、好ましい上限は2.0mol/Lである。上記電解質の濃度が0.1mol/L未満であると、非水電解液の導電性等を充分に確保することができず、非水電解液二次電池等の蓄電デバイスに用いた場合に充放電特性等に支障をきたすおそれがある。上記電解質の濃度が2.0mol/Lを超えると、粘度が上昇し、イオンの移動度を充分に確保できなくなるため、非水電解液の導電性等を充分に確保することができず、非水電解液二次電池等の蓄電デバイスに用いた場合に放電特性及び充電特性等に支障をきたすおそれがある。上記電解質の濃度のより好ましい下限は0.5mol/L、より好ましい上限は1.5mol/Lである。
本発明の非水電解液、正極、及び、負極を備えた蓄電デバイスもまた、本発明の1つである。蓄電デバイスとしては、非水電解液二次電池や電気二重層キャパシタ等がある。これらの中でもリチウムイオン電池、リチウムイオンキャパシタが好適である。
図1は、本発明にかかる非水電解液二次電池の一例を模式的に示した断面図である。
図1において、非水電解液二次電池1は、正極集電体2の一方面側に正極活物質層3が設けられてなる正極板4、及び、負極集電体5の一方面側に負極活物質層6が設けられてなる負極板7を有する。正極板4と負極板7とは、本発明の非水電解液8と非水電解液8中に設けたセパレータ9を介して対向配置されている。
本発明にかかる非水電解液二次電池において、正極集電体2及び負極集電体5としては、例えば、アルミニウム、銅、ニッケル、ステンレス等の金属からなる金属箔を用いることができる。
本発明にかかる非水電解液二次電池において、正極活物質層3に用いる正極活物質としては、リチウム含有複合酸化物が好ましく用いられ、例えば、LiMnO、LiFeO、LiCoO、LiMn、LiFeSiO、LiNi1/3Co1/3Mn1/3、LiFePO等のリチウム含有複合酸化物が挙げられる。
本発明にかかる非水電解液二次電池において、負極活物質層6に用いる負極活物質としては、例えば、リチウムを吸蔵、放出することができる材料が挙げられる。このような材料としては、黒鉛、非晶質炭素等の炭素材料や、酸化インジウム、酸化シリコン、酸化スズ、酸化亜鉛、及び、酸化リチウム等の酸化物材料等が挙げられる。
また、負極活物質として、リチウム金属、及び、リチウムと合金を形成することができる金属材料を用いることもできる。上記リチウムと合金を形成することができる金属としては、例えば、Cu、Sn、Si、Co、Mn、Fe、Sb、Ag等が挙げられ、これらの金属とリチウムを含む2元又は3元からなる合金を用いることもできる。
これらの負極活物質は単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明の非水電解液二次電池において、セパレータ9としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、フッ素樹脂等からなる多孔質フィルムを用いることができる。
なお、本実施形態においては、非水電解液二次電池を例示したが、これに限定されることはなく、本発明は、その他の電気二重層キャパシタ等の蓄電デバイスに適用できる。
本発明によれば、新規の環状ジスルホン酸アミド化合物を提供することができる。また、本発明によれば、非水電解液二次電池等の蓄電デバイスに用いた場合に、電極表面上に安定なSEIを形成して、サイクル特性、充放電容量、内部抵抗等の電池特性を改善することができる非水電解液用添加剤を提供することができる。更に、本発明によれば、該非水電解液用添加剤を用いた非水電解液、及び、該非水電解液を用いた蓄電デバイスを提供することができる。
本発明にかかる非水電解液二次電池の一例を模式的に示した断面図である。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
(実施例1)
(2,5−Diphenyl−[1,6,2,5]dithiadiazepane 1,1,6,6−tetraoxide(化合物1:式(4)で表される環状ジスルホン酸アミド化合物)の作製)
撹拌機、冷却管、温度計及び滴下ロートを備え付けた300mL容の4つ口フラスコに、N,N’−ジフェニルエチレンジアミン4.25g(0.020モル)及びジクロロメタン120.0gを仕込み、ジクロロメタン40.0gに混合させたメタンジスルホニルクロライド4.26g(0.020モル)を、0℃に維持しながら1時間かけて滴下した。引き続き、同温度に維持しながら、ジクロロメタン40.0gに溶解させたトリエチルアミン4.5g(0.044モル)を、1時間かけて滴下し、同温度に維持しながら終夜撹拌した。
反応終了後、反応液をろ過した後、ろ液にトルエン200.0g及び水100.0gを添加して分液した。得られた有機層より溶媒の一部を25℃で減圧留去し、析出した結晶をろ過し、得られた結晶を乾燥した。この結晶をジクロロメタン及びヘプタンを用いて再結晶し、ろ過して得られた結晶を乾燥して化合物1(式(4)で表される環状ジスルホン酸アミド化合物)1.8g(0.005モル)を取得した。得られた化合物1の収率は、メタンジスルホニルクロライドに対して25.0%であった。
なお、得られた化合物1は、下記の物性を有することから同定することができた。
H−核磁気共鳴スペクトル(溶媒:CDCl)δ(ppm):7.63−7.65(m、4H)、7.45−7.49(m、4H)7.41−7.42(m、2H)、5.20(s、2H)、4.18(s、4H)
LC/MS(m/z[M−H]+):351
(実施例2)
(5,9−Dihydro−6,8−dithia−5,9−diaza−benzocycloheptene 6,6,8,8−tetraoxide(化合物2:式(5)で表される環状ジスルホン酸アミド化合物)の作製)
撹拌機、冷却管、温度計及び滴下ロートを備え付けた500mL容の4つ口フラスコに、1,2−ジメトキシエタン140.0gを仕込み、1,2−ジメトキシエタン80.0gに溶解させたメタンジスルホニルクロライド21.3g(0.10モル)及び1,2−ジメトキシエタン80.0gに溶解させたo−フェニレンジアミン11.9g(0.11モル)を、−20℃に維持しながら1時間かけて同時に滴下した。引き続き、同温度に維持しながら、1,2−ジメトキシエタン50.0gに溶解させたトリエチルアミン21.3g(0.21モル)を、1時間かけて滴下し、同温度に維持しながら終夜撹拌した。
反応終了後、反応液をろ過した後、ろ液にトルエン200.0g及び水100.0gを添加して分液した。得られた有機層より溶媒を25℃で減圧留去し、析出した結晶をジクロロメタン200.0gでリパルプ後、結晶をろ過、乾燥した。続いて、この結晶をメタノール及びトルエンで再結晶し、ろ過して得られた結晶を乾燥して化合物2(式(5)で表される環状ジスルホン酸アミド化合物)4.8g(0.019モル)を取得した。化合物2の収率は、メタンジスルホニルクロライドに対して19.1%であった。
なお、得られた化合物2は、下記の物性を有することから同定することができた。
H−核磁気共鳴スペクトル(溶媒:CDCN)δ(ppm):8.05(s、2H)、7.36−7.37(m、2H)、7.26−7.27(m、2H)、5.03(s、2H)
LC/MS(m/z[M−H]+):247
(比較例1)
1,3−プロパンスルトン(アルドリッチ社製)を化合物3とした。
(比較例2)
(エチレンメタンジスルホネート(化合物4)の作製)
N,N’−ジフェニルエチレンジアミン4.25g(0.020モル)に代えて、エチレングリコール1.24g(0.020モル)を用いた以外は実施例1と同様にして化合物4(エチレンメタンジスルホネート)1.11g(0.0055モル)を取得した。化合物4の収率は、メタンジスルホニルクロライドに対して27.5%であった。
(比較例3)
(2,3−Dimethyl−[1,4,2,3]dithiadiazolidine 1,1,4,4−tetraoxide(化合物5)の作製)
N,N’−ジフェニルエチレンジアミン4.25g(0.020モル)に代えてN,N’−ジメチルヒドラジン1.20g(0.020モル)を用いた以外は実施例1と同様にして化合物5(2,3−Dimethyl−[1,4,2,3]dithiadiazolidine 1,1,4,4−tetraoxide)0.88g(0.0044モル)を取得した。化合物5の収率は、メタンジスルホニルクロライドに対して22.0%であった。
<評価>
(LUMOエネルギーの測定)
実施例及び比較例で得られた化合物1〜5について、LUMO(最低空分子軌道)エネルギーを測定するため、Gaussian03ソフトウェアにより、半経験的分子軌道計算を行った。軌道計算により得られた化合物1〜5のLUMOエネルギーを表1に示した。
Figure 0006017803
表1より、式(1)で表される環状ジスルホン酸アミド化合物(化合物1〜2)のLUMOエネルギーは負の値を示す約−0.65eVから約−1.01eVであり、本発明の非水電解液用添加剤に係るこれらの環状ジスルホン酸アミド化合物は、低いLUMOエネルギーを有していることがわかる。そのため、化合物1〜2を非水電解液用添加剤として非水電解液二次電池等の蓄電デバイスに用いた場合、非水電解液の溶媒(例えば、環状カーボネートや鎖状カーボネート:LUMOエネルギー約1.2eV)よりも先に化合物1〜2の電気化学的還元が起こり、電極上にSEIが形成されるため電解液中の溶媒分子の分解を抑制することができる。その結果、高抵抗性を示す溶媒の分解被膜が電極上に形成されにくくなり電池特性の向上が期待される。
一方、従来用いられている1,3−プロパンスルトン(化合物3)、エチレンメタンジスルホネート(化合物4)、及び式(1)で表される環状ジスルホン酸アミド化合物以外の環状ジスルホン酸アミド化合物である化合物5は約−0.12eVから約0.97eVと比較的高いLUMOエネルギーを示すことがわかる。即ち、化合物3〜5は電気化学的還元に対して比較的安定であり、電極上にSEIが形成され難い。
以上より、本発明の非水電解液用添加剤にかかる式(1)で表される環状ジスルホン酸アミド化合物は充分に低いLUMOエネルギーを有しており、リチウムイオン電池等の非水電解液二次電池等の電極上に安定なSEIを形成する新規の非水電解液用添加剤として有効であることを示している。
(LSV(リニアスウィープボルタンメトリー)の測定)
炭酸エチレン(EC)と炭酸ジエチル(DEC)とを、EC:DEC=30:70の体積組成比で混合して得られた混合非水溶媒に、電解質としてLiPFを1.0mol/Lの濃度となるように溶解し、該混合非水溶媒と該電解質とからなる溶液全重量に対し、非水電解液用添加剤として各実施例、各比較例における化合物1〜5を、含有割合が1.0質量%となるように添加し、非水電解液を調製した。得られた非水電解液、及び、電極としてグラッシーカーボンからなるディスク電極、対極として白金を用い、5mV/secの走査電位速度で分極測定を行った。参照電極として銀電極を用い、100μAの電流が流れる時の参照電極に対する電位を酸化電位、−100μAの電流が流れる時の参照電極に対する電位を還元電位とし、還元開始電圧を算出した。また、参考例1として、非水電解液用添加剤を添加せずに得られた非水電解液についても同様にして還元開始電圧を算出した。結果を表2に示した。
Figure 0006017803
表2から、実施例の非水電解液は、比較例の非水電解液と比較して還元開始電圧が高いことがわかる。従って、実施例で得られた環状ジスルホン酸アミド化合物からなる非水電解液用添加剤を含む非水電解液を非水電解液二次電池等の蓄電デバイスに用いた場合、参考例1の非水電解液の溶媒及び比較例1〜3の化合物を用いた非水電解液より先に環状ジスルホン酸アミド化合物の電気化学的還元が起こり、非水電解液二次電池等の電極表面上に安定なSEIを形成し易いことがわかる。
(電池の作製)
正極活物質としてLiMn、及び、導電性付与剤としてカーボンブラックを乾式混合し、バインダーとしてポリフッ化ビニリデン(PVDF)を溶解させたN−メチル−2−ピロリドン(NMP)中に均一に分散させ、スラリーを作製した。得られたそのスラリーを正極集電体となるアルミ金属箔(角型、厚さ20μm)上に塗布後、NMPを蒸発させることにより正極シートを作製した。得られた正極シート中の固形分比率は、質量比で、正極活物質:導電性付与剤:PVDF=80:10:10とした。
一方、負極シートとして、市販の黒鉛塗布電極シート(宝泉社製)を用いた。
炭酸エチレン(EC)と炭酸ジエチル(DEC)とを、EC:DEC=30:70の体積組成比で混合して得られた混合非水溶媒に、電解質としてLiPFを1.0mol/Lで溶解し、該混合非水溶媒と該電解質とからなる溶液全重量に対し、非水電解液用添加剤として各実施例、各比較例で得られた環状ジスルホン酸アミド化合物を、含有割合が1.0質量%となるように添加し、非水電解液を調製した。
得られた非水電解液中にて、負極シートと正極シートとを、ポリエチレンからなるセパレータを介して積層し、円筒型二次電池を作製した。また、参考例1として、非水電解液用添加剤を添加せずに得られた非水電解液についても同様にして円筒型二次電池を作製した。
(放電容量維持率及び内部抵抗比の測定)
得られた各円筒型二次電池に対して、25℃において、充電レートを0.3C、放電レートを0.3C、充電終止電圧を4.2V、及び、放電終止電圧を2.5Vとして充放電サイクル試験を行った。200サイクル後の放電容量維持率(%)及び内部抵抗比を表3に示した。
なお、200サイクル後の「放電容量維持率(%)」とは、200サイクル試験後の放電容量(mAh)を、10サイクル試験後の放電容量(mAh)で割った値に100をかけたものである。また、200サイクル後の「内部抵抗比」とは、サイクル試験前の抵抗を1としたときの、200サイクル試験後の抵抗を相対値で示したものである。
Figure 0006017803
表3から、実施例で得られた環状ジスルホン酸アミド化合物を含む非水電解液を用いた円筒型二次電池は、参考例の非水電解液の溶媒及び比較例で得られた環状ジスルホン酸アミド化合物を含む非水電解液を用いた円筒型二次電池と比較してサイクル試験時における放電容量維持率が高いことが分かる。従って、実施例で得られた環状ジスルホン酸アミド化合物からなる非水電解液用添加剤を含む非水電解液を非水電解液二次電池等に用いた場合、参考例1の非水電解液の溶媒及び比較例1〜3の化合物を含む非水電解液を用いた場合と比較して、非水電解液二次電池等の電極表面上に充放電サイクルに対して安定性の高いSEIが形成していることがわかる。
また、実施例で得られた環状ジスルホン酸アミド化合物を用いた非水電解液は、比較例で得られた環状ジスルホン酸アミド化合物を用いた非水電解液に比べて、内部抵抗比が小さいことから、サイクル時による内部抵抗の増加を抑制できることが分かる。
本発明によれば、新規の環状ジスルホン酸アミド化合物を提供することができる。また、本発明によれば、非水電解液二次電池等の蓄電デバイスに用いた場合に、電極表面上に安定なSEIを形成してサイクル特性、充放電容量、内部抵抗等の電池特性を改善することができる非水電解液用添加剤を提供することができる。更に、本発明によれば、該非水電解液用添加剤を用いた非水電解液、及び、該非水電解液を用いた蓄電デバイスを提供することができる。
1 非水電解液二次電池
2 正極集電体
3 正極活物質層
4 正極板
5 負極集電体
6 負極活物質層
7 負極板
8 非水電解液
9 セパレータ

Claims (9)

  1. 下記式(1)で表される環状ジスルホン酸アミド化合物からなることを特徴とする非水電解液用添加剤。
    Figure 0006017803
    式(1)中、R 及びR は、それぞれ独立し、置換されていてもよい炭素数0〜6のアルキレン基を示す。R は、置換されていてもよい炭素数1〜5のアルキレン基を示し、R は、置換されていてもよい炭素数1〜5のアルキレン基、置換されていてもよいフェニレン基、カルボニル基、スルフィニル基、又は、エーテル結合を介してアルキレン単位若しくはフルオロアルキレン単位が結合した炭素数2〜6の2価の基を示す。X 及びX は、それぞれ独立し、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキル基、又は、置換されていてもよいフェニル基を示す。
  2. 請求項記載の非水電解液用添加剤、非水溶媒、及び、電解質を含むことを特徴とする非水電解液。
  3. 非水溶媒は、非プロトン性溶媒であることを特徴とする請求項記載の非水電解液。
  4. 非プロトン性溶媒は、環状カーボネート、鎖状カーボネート、脂肪族カルボン酸エステル、ラクトン、ラクタム、環状エーテル、鎖状エーテル、及び、これらのハロゲン誘導体からなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項記載の非水電解液。
  5. 電解質は、リチウム塩を含有することを特徴とする請求項2、3又は4記載の非水電解液。
  6. リチウム塩は、LiAlCl、LiBF、LiPF、LiClO、LiAsF、及び、LiSbFからなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項記載の非水電解液。
  7. 請求項2、3、4、5又は6記載の非水電解液、正極、及び、負極を備えたことを特徴とする蓄電デバイス。
  8. 蓄電デバイスがリチウムイオン電池である、請求項記載の蓄電デバイス。
  9. 蓄電デバイスがリチウムイオンキャパシタである、請求項記載の蓄電デバイス。
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