以下に、本発明を具体化した一実施の形態について図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、建物として折板屋根を有するユニット式建物について具体化している。図1は建物全体を示す斜視図である。
図1に示すように、建物10は、複数の建物ユニット15が横並びに連結されることにより構成されている。建物10は、平屋建ての建物となっており、図1では3つの建物ユニット15がその短手方向(ユニット短手方向)に横並びで配置されている。建物ユニット15は、建物10の躯体部分を構成するユニット本体部20と、ユニット本体部20の上方に配設され建物10の屋根部分を構成する屋根パネル30とを備える。
ユニット本体部20は、その四隅に配設される4本の柱21と、各柱21の上端部及び下端部をそれぞれ連結する各4本の天井大梁22及び床大梁23とを備えている。そして、それら柱21、天井大梁22及び床大梁23により直方体状の骨格(フレーム)が形成されている。柱21は四角筒状の角形鋼よりなる。天井大梁22及び床大梁23は断面コ字状の溝形鋼よりなり、その開口部が向き合うようにして設置されている。
ユニット本体部20の長辺部の相対する天井大梁22の間には、所定間隔で複数の天井小梁25が架け渡されている。同じくユニット本体部20の長辺部の相対する床大梁23の間には、所定間隔で複数の床小梁26が架け渡されている。天井小梁25と床小梁26とはそれぞれ同間隔でかつ各々上下に対応する位置に設けられている。例えば、天井小梁25はリップ溝形鋼よりなり、床小梁26は角形鋼よりなる。
また、ユニット本体部20の長辺部の相対する天井大梁22の間には、床小梁26の他に支持梁29が架け渡されている。支持梁29は、ユニット本体部20の長辺部における略中央位置に配置されている。支持梁29は、天井大梁22と同様、断面コ字状の溝形鋼よりなる。天井小梁25及び支持梁29によって天井面材27が支持され、床小梁26によって床面材(図示略)が支持されている。また、ユニット本体部20の側面には、外壁パネル51や内壁パネル(図示略)が取り付けられている。
屋根パネル30は、ユニット本体部20上に配設されて折板屋根を形成するものである。屋根パネル30は、平面視におけるユニット本体部20の大きさ(縦横寸法)と略同じ大きさを有する矩形形状(長方形状)に形成され、ユニット本体部20を上方から覆うように設けられている。
各建物ユニット15が並設された状態では、各々の建物ユニット15のユニット本体部20が横並びで配置されており、それら各ユニット本体部20によって建物10における建物本体が構成されている。また、各々の建物ユニット15の屋根パネル30も横並びで配置されており、それら各屋根パネル30によって建物10における屋根部が構成されている。
なお、本実施形態では、ユニット本体部20と屋根パネル30とがそれぞれユニット製造工場で製造されるものとなっており、さらには同工場にて屋根パネル30がユニット本体部20に組み付けられ建物ユニット15が製造されるものとなっている。
次に、屋根パネル30の構成について図2に基づいて説明する。図2は、屋根パネル30の基本的構成を示す斜視図である。
図2に示すように、屋根パネル30は、横方向に延びる長尺状をなすとともに所定の間隔で横並びに設けられた複数(具体的には3つ)の屋根支持体31と、それら各屋根支持体31上に跨がって設けられるとともに屋根支持体31の長手方向に横並びで配置された複数の折板材32とを備える。なお、図2では便宜上、紙面手前側の2枚の折板材32について図示を省略している(後述する図3及び図5も同様)。
各屋根支持体31はそれぞれ、横方向に延びる長尺状のベース部材34と、ベース部材34上に固定されたタイトフレーム35とを備える。ベース部材34は、四角筒状の角形鋼よりなり、その長さが平面視における建物ユニット15の短手方向の長さと略同じとされている。各屋根支持体31のベース部材34は互いに平行をなして横並びで配置されている。
タイトフレーム35は、帯状をなす鋼板が台形波形状に折り曲げられることにより形成されている。タイトフレーム35は、山部39と、山部39を挟んで両側に設けられた一対の谷部40とを有している。タイトフレーム35は、ベース部材34の長手方向に山部39と谷部40とが並ぶようにして当該ベース部材34上に配置され、その配置状態において各谷部40がベース部材34の上面に溶接により固定されている。
タイトフレーム35は、ベース部材34の長手方向に沿って所定の間隔(詳しくは等間隔)で複数(本実施形態では5つ)配置されている。各屋根支持体31において、タイトフレーム35の設置個数はいずれも同じとなっており、ベース部材34上における各タイトフレーム35の配置間隔も同じとなっている。また、各屋根支持体31において、ベース部材34の長手方向における各タイトフレーム35の各々の位置(位置関係)も同じとなっている。
タイトフレーム35の構成についてより詳しくは、タイトフレーム35はベース部材34の上面と所定の間隔を隔てて対向する上板部35aと、ベース部材34の長手方向において上板部35aの両端部からそれぞれ互いに離間しながら下方傾斜する一対の傾斜板部35bと、上記長手方向において各傾斜板部35bの下端部からそれぞれ互いに離間する側に延びる一対の下板部35cとを有している。各下板部35cはそれぞれベース部材34の上面に当接され、その当接状態においてベース部材34の上面に溶接固定されている。この場合、上板部35aと各傾斜板部35bとにより山部39が構成され、下板部35cにより谷部40が構成されている。
タイトフレーム35の山部39とベース部材34の上面とにより囲まれた空間は山形状をなす山状空間45となっている。山状空間45はベース部材34の長手方向と直交する方向において両側に開放されている。屋根支持体31において山状空間45は各タイトフレーム35(山部39)ごとにそれぞれ形成されており、したがって一の屋根支持体31に対して複数の山状空間45がタイトフレーム35(山部39)の配置間隔と同間隔で配置されている。より具体的には、各屋根支持体31において、ベース部材34の長手方向における各山状空間45の位置(位置関係)はいずれも同じとなっている。したがって、各屋根支持体31の各々の山状空間45は一直線上に並ぶように配置されている。
各屋根支持体31にはそれぞれ長手方向の両端部にブラケット36〜38が設けられている。各屋根支持体31のうち、図2における左側の屋根支持体31(以下、この屋根支持体31の符号にAを付す)にはブラケット36が設けられ、中央の屋根支持体31(以下、この屋根支持体31の符号にBを付す)にはブラケット37が設けられ、右側の屋根支持体31(以下、この屋根支持体31の符号にCを付す)にはブラケット38が設けられている。ブラケット36〜38は、各屋根支持体31A〜31Cにおいてベース部材34の長手方向両端部に固定されており、ユニット本体部20の天井大梁22上に載置された状態で支持される支持板部36a〜38aを有している。
各ブラケット36〜38に関して順に説明すると、まずブラケット36はL字状をなす鋼板よりなり、四角筒状の角形鋼管よりなる連結金具43を介してベース部材34に固定されている。連結金具43はベース部材34の下面に当該ベース部材34と直交する向きで溶接固定され、その連結金具43の外側面にブラケット36の固定板部36bが支持板部36aを側方(外側)に向けた状態で溶接固定されている。この場合、各ブラケット36の支持板部36aは互いに反対側を向いた状態とされている。また、支持板部36aには、ボルトを挿通するための挿通孔部55が複数(具体的には2つ)形成されている。
ブラケット37は、平板状の鋼板よりなり、その全体が支持板部37aとなっている。ブラケット37(37a)は、ベース部材34の下面に溶接により固定されており、ベース部材34の幅方向における両側部分がそれぞれベース部材34から側方にはみ出している。ブラケット37の上記各はみ出し部分にはそれぞれボルトを挿通するため挿通孔部56が形成されている。
ブラケット38は、ブラケット36と同様、L字状をなす鋼板よりなり、連結金具43を介してベース部材34に固定されている。連結金具43は、ベース部材34の長手方向と直交する向きでベース部材34の長手方向の端面に溶接固定され、その連結金具43の外側面にブラケット38の固定板部38bが支持板部38aを側方(外側)に向けた状態で溶接固定されている。この場合、各ブラケット38の支持板部38aは互いに反対側を向いた状態とされている。また、支持板部38aには、ボルトを挿通するための挿通孔部57が複数(具体的には2つ)形成されている。
このように各屋根支持体31A〜31Cではそれぞれベース部材34に対するブラケット36〜38の固定構成が相違しており、その相違によってブラケット36〜38の支持板部36a〜38aに対するベース部材34(タイトフレーム35)の高さ位置がそれぞれ相違している。具体的には、支持板部36a〜38aに対するベース部材34(タイトフレーム35)の高さ位置は屋根支持体31A→屋根支持体31B→屋根支持体31Cの順に低くなっている。
折板材32は、長尺状の鋼板が長手方向に沿って折り曲げられることで波形状(台形波形状)に形成された屋根材である。なおここで、折板材32が折板屋根材に相当する。折板材32は、屋根支持体31と直交する向きで各屋根支持体31上に跨がって設けられ、それら各屋根支持体31のタイトフレーム35にそれぞれ取り付けられている。折板材32は、屋根支持体31の長手方向に横並びで複数(具体的には4つ)配設され、これら各折板材32により折板屋根部33が構成されている。
折板屋根部33は、屋根支持体31(換言するとベース部材34)の長手方向に沿って屋根山部48と屋根谷部49とが交互に並ぶ波形状をなしている。これら屋根山部48と屋根谷部49とはいずれも折板材32の長手方向(換言すると屋根支持体31と直交する方向)に沿って延びている。屋根山部48は各屋根支持体31のタイトフレーム35の山部39に跨がって延びており、屋根谷部49は各屋根支持体31のタイトフレーム35の谷部40に跨がって延びている(図6も参照)。
次に、ユニット本体部20上における屋根パネル30の設置構成について図3及び図4に基づいて説明する。図3は、ユニット本体部20上に屋根パネル30が設置された状態を示す斜視図である。図4は、(a)が図3のA−A線断面図、(b)がB−B線断面図、(c)がC−C線断面図である。なお、図4では便宜上、折板材32の図示を省略している。また、図4(b)中の符号69は天井大梁22と支持梁29とを連結するブラケットである。
図3に示すように、屋根パネル30は、各屋根支持体31A〜31Cがそれぞれユニット本体部20の長辺側の各天井大梁22間に架け渡されることにより設置されている。各屋根支持体31A〜31Cのうち、屋根支持体31Aは、図4(a)に示すように、各ブラケット36の支持板部36aがそれぞれ天井大梁22(詳しくはその上フランジ22a)の上面に載置された状態で架け渡されており、その状態で各ブラケット36の支持板部36aがそれぞれ天井大梁22の上面にボルト64及びナット65を用いて固定されている。詳細には、ボルト64は、支持板部36aの挿通孔部55と天井大梁22の上フランジ22aの挿通孔部(図示略)とにそれぞれ挿通された状態でナット65と締結されている。
屋根支持体31Bは、図4(b)に示すように、各ブラケット37(支持板部37a)がそれぞれ天井大梁22(詳しくはその上フランジ22a)の上面に載置された状態で架け渡されており、その状態で各ブラケット37が天井大梁22の上面にボルト64及びナット65を用いて固定されている。詳細には、ボルト64はブラケット37の挿通孔部56と天井大梁22(上フランジ22a)の挿通孔部とにそれぞれ挿通された状態でナット65と締結されている。また、屋根支持体31Bは、支持梁29の上方において当該支持梁29に沿って配設されており、そのベース部材34が支持梁29上に載置されている。
屋根支持体31Cは、図4(c)に示すように、各ブラケット38の支持板部38aがそれぞれ天井大梁22(詳しくはその上フランジ22a)の上面に載置された状態で架け渡されており、その状態で各ブラケット38の支持板部38aが天井大梁22の上面にボルト64及びナット65を用いて固定されている。詳細には、ボルト64は支持板部38aの挿通孔部57と天井大梁22(上フランジ22a)の挿通孔部とにそれぞれ挿通された状態でナット65と締結されている。
このように各屋根支持体31A〜31Cはそれぞれブラケット36〜38(支持板部36a〜38a)を対向する各天井大梁22上に載置することでそれら天井大梁22間に架け渡されている。ここで本屋根パネル30では、上述したように、各屋根支持体31A〜31Cごとにブラケット36〜38(詳しくは支持板部36a〜38a)に対するベース部材34(タイトフレーム35)の高さ位置が相違しており、具体的にはブラケット36〜38に対するベース部材34の高さ位置が屋根支持体31C→屋根支持体31B→屋根支持体31Aの順に高くなっている。そのため、各屋根支持体31A〜31Cが天井大梁22間に架け渡された状態では、屋根支持体31A〜31Cのベース部材34(及び各タイトフレーム35)の高さ位置が屋根支持体31C→屋根支持体31B→屋根支持体31Aの順に高くなっている。これにより、これら各屋根支持体31A〜31Cのベース部材34上に支持されている折板材32(ひいては折板屋根部33)は屋根支持体31A側から屋根支持体31C側に向かって下方傾斜しており、その傾斜によって上面(屋根面)に水勾配が形成されている。
なお、各屋根支持体31A〜31Cのうち、屋根支持体31Aが、折板材32の水勾配方向において勾配上側(水上側)に位置し、屋根支持体31Bが勾配中間に位置し、屋根支持体31Cが勾配下側(水下側)に位置しているため、各屋根支持体31A〜31Cをそれぞれ水上側屋根支持体31A、中間屋根支持体31B、水下側屋根支持体31Cということもできる。
図4におけるその他の構成として、天井大梁22の屋外側には外壁パネル51が固定されている。外壁パネル51は、窯業系サイディングよりなる外壁面材52と、その裏面側に固定された外壁フレーム53とを備える。外壁フレーム53は、断面コ字状の軽量形綱(軽溝形綱)よりなり、そのフレーム上端部53aが天井大梁22のウェブ部22bの外側面にボルト61及びナット62により固定されている。
ところで、本実施形態の屋根パネル30は、さらに折板屋根部33の下面側(裏面側)に屋根断熱材を備えている。以下、この屋根断熱材の構成について図5乃至図8に基づいて説明する。図5は屋根パネル30の構成を示す斜視図であり、図6は図5のD−D線断面図、図7は図5のE−E線断面図である。また、図8は、(a)が屋根断熱材としての山部断熱材を示す斜視図であり、(b)が屋根断熱材としての谷部断熱材を示す斜視図である。
図5乃至図7に示すように、屋根パネル30は、屋根断熱材として、折板屋根部33における屋根山部48の下面側に設けられた山部断熱材71と、屋根谷部49の下面側に設けられた谷部断熱材72とを備える。山部断熱材71は、各屋根山部48ごとにそれぞれ設けられ、谷部断熱材72は、各屋根谷部49ごとにそれぞれ設けられている。
山部断熱材71は、発泡系断熱材により形成されており、例えば硬質ウレタンフォームにより形成されている。山部断熱材71は、屋根山部48の内側に配設されており、屋根山部48に沿って(換言すると屋根支持体31に対して直交する方向に)延びる棒状をなしている(図8(a)も参照)。山部断熱材71は、その長さが屋根支持体31Aと屋根支持体31Cとの間の間隔よりも長くなっており、各屋根支持体31A〜31Cに跨がって設けられている。
山部断熱材71は、各屋根支持体31A〜31Cの山状空間45にそれぞれ挿入されている。山部断熱材71は、各屋根支持体31A〜31Cの山状空間45にそれぞれ挿入されることにより各屋根支持体31A〜31Cに組み付けられている。なお、山部断熱材71のうち山状空間45に挿入されている部分が挿入部に相当する。
山部断熱材71は、その長手方向全域に亘って同一の横断面形状(詳細には長手方向に対して直交する方向の断面形状)を有している。山部断熱材71は、その横断面が屋根支持体31の山状空間45と略同じ形状でかつ略同じ大きさとなっている。これにより、山部断熱材71は、各屋根支持体31A〜31Cの山状空間45にそれぞれ嵌合状態で挿入されており、その嵌合によって各屋根支持体31A〜31Cに組み付けられている。
谷部断熱材72は、山部断熱材71と同様、発泡系断熱材により形成され、例えば硬質ウレタンフォームにより形成されている。谷部断熱材72は、折板屋根部33の屋根谷部49の下面側において当該屋根谷部49に沿って延びる長尺状でかつ板状をなしている(図8(b)も参照)。谷部断熱材72は、その長さが隣り合う屋根支持体31(ベース部材34)の間の間隔とほぼ同じとされており、隣り合う屋根支持体31の間においてそれら各屋根支持体31に跨がるようにして設けられている。したがって、谷部断熱材72は、一の屋根谷部49の下面側において屋根支持体31Bを挟んだ両側にそれぞれ配置されている。
谷部断熱材72は、当該断熱材72を挟んで隣り合う各屋根支持体31に支持部材75を介して支持されている。支持部材75は、略L字状をなす鋼板により形成されており、隣り合う各屋根支持体31にそれぞれ設けられている。支持部材75は、屋根支持体31のベース部材34の側面(谷部断熱材72側の側面)に溶接により固定された固定板部75aと、その固定板部75aの下端部から谷部断熱材72の下方に向かって側方に延びる支持板部75bとを有している。谷部断熱材72は、隣り合う各屋根支持体31(ベース部材34)の支持部材75(支持板部75b)上に跨がって設けられ、それら各支持板部75bによって下方から支持されている。
谷部断熱材72は、その短手方向(換言すると各山部断熱材71が並ぶ方向)の長さ(すなわち幅寸法)が隣り合う山部断熱材71の間の間隔よりも長くなっている。谷部断熱材72は、隣り合う各山部断熱材71の下方に跨がって設けられており、その幅方向の両端部がそれぞれ各山部断熱材71と上下に重なっている。したがって、平面視で見た場合に、各山部断熱材71と各谷部断熱材72とは屋根支持体31の長手方向に連続して配置されている。
また、谷部断熱材72は、隣り合う山部断熱材71の底面(下面)とそれぞれ連続させて設けられている。谷部断熱材72は、屋根谷部49の下面と対向する略平坦状の対向面部77を有しているとともに、その幅方向の両端部において対向面部77よりも上方に突出する一対の突出部78を有している。これら各突出部78はそれぞれ谷部断熱材72の長手方向全域に亘って形成されており、隣り合う各山部断熱材71の底面にそれぞれ接触している。これにより、谷部断熱材72は隣り合う各山部断熱材71とそれぞれ連続しており、その結果折板屋根部33の下面側では山部断熱材71と谷部断熱材72とにより屋根支持体31の長手方向に連続する断熱層が形成されている。
本実施形態では、建物ユニット15の屋根天井部(ユニット本体部20の天井部と屋根パネル30とを含んだ部分)において、屋根パネル30側の上記屋根断熱材71,72に加えて、ユニット本体部20側にも天井断熱材等が設けられている。以下、建物ユニット15の屋根天井部における断熱構造について図9を用いながら説明する。図9は、建物ユニット15の屋根天井部における断熱構造を示す縦断面図である。なお、図中の符号83は天井面材27を天井大梁22に固定する天井下地材としての野縁である。
図9に示すように、建物ユニット15の屋根天井部(室内空間84と屋外とを上下に区画する部分)において屋根パネル30とユニット本体部20の天井面材27との間の空間は屋根裏空間81となっている。この屋根裏空間81においてユニット本体部20の天井部分には、天井面材27の上面に沿って防湿シート82が設けられている。防湿シート82は、室内空間84側から屋根裏空間81に湿気が入り込むのを防止するものである。防湿シート82の屋外側の端縁部は天井大梁22の溝内に入り込み、同大梁22の内側面に沿って配設されている。
防湿シート82(天井面材27)上には、天井断熱材85が設置されている。天井断熱材85は、繊維系断熱材としてのグラスウールよりなり、所定の厚みを有する板状をなしている。天井断熱材85は、屋根裏空間81において天井面材27上に設けられており、詳しくは天井面材27の上面全域に亘って設けられている。また、天井断熱材85は、その屋外側の端縁部が各天井大梁22の溝部に入り込んで梁内断熱部85aとなっている。梁内断熱部85aは、天井大梁22の溝部を埋めるようにして天井大梁22の長手方向全域に亘って設けられている。
なお、梁内断熱部85aは、必ずしも天井断熱材85の一部により構成する必要はなく、天井断熱材85とは別に梁内断熱材を設け、その梁内断熱材を天井大梁22の溝部に配設することで梁内断熱部としてもよい。
また、屋根裏空間81には、天井断熱材85と屋根パネル30の山部断熱材71とを上下に繋ぐ繋ぎ断熱材87が設けられている。繋ぎ断熱材87は、繊維系断熱材としてのグラスウールよりなる。繋ぎ断熱材87は、その下端部において天井断熱材85と連続し、上端部において山部断熱材71と連続している。これにより、屋根断熱材71,72と天井断熱材85と繋ぎ断熱材87とにより連続した断熱ライン(断熱層)が形成されている。
このように、建物ユニット15の天井部分に天井断熱材85が設けられていることから、本建物ユニット15の屋根天井部では、屋根パネル30の屋根断熱材(山部断熱材71及び谷部断熱材72)と天井断熱材85とが上下に重複して(オーバーラップして)配置されている。これにより、建物ユニット15の屋根天井部では、これら各屋根断熱材71(72),85によって二重断熱構造が構築されている。したがって、本建物ユニット15では、屋根天井部の断熱性能が大いに高められている。
続いて、隣り合う建物ユニット15の屋根天井部の境界部の構成について図10を用いながら説明する。なお、図10は隣り合う建物ユニット15の屋根天井部の境界部周辺を示す縦断面図である。
図10に示すように、隣り合う建物ユニット15(ユニット本体部20)において対向する各天井大梁22の溝部にはグラスウールよりなる梁内断熱材91が設けられている。これら対向する各天井大梁22の間の隙間(以下、梁間隙間92という)には、同じくグラスウールよりなる梁間断熱材93が設けられている。梁内断熱材91と梁間断熱材93とはいずれも天井大梁22の長手方向全域に亘って延びるように設けられている。
隣り合う建物ユニット15の屋根パネル30同士の境界部には境界折板材95が設けられている。境界折板材95は、屋根パネル30の折板材32と同じ構成を有している。境界折板材95は、隣り合う各屋根パネル30の屋根支持体31に跨がって設けられており、それら各屋根支持体31のタイトフレーム35にそれぞれ取り付けられている。これにより、隣り合う各屋根パネル30の折板屋根部33が境界折板材95を介して連続しており、各屋根パネル30の折板屋根部33と境界折板材95とにより折板屋根が形成されている。
次に、建物10を製造する際の製造手順について説明する。
まずユニット製造工場において建物10を構成する各建物ユニット15を製造する。建物ユニット15の製造に際しては、まず同ユニット15を構成するユニット本体部20と屋根パネル30とを製造する。ここでは特に屋根パネル30の製造手順について説明する。
屋根パネル30の製造に際しては、まず各折板材32をそれぞれ各屋根支持体31A〜31Cのタイトフレーム35に取り付ける作業を行う。これにより、各屋根支持体31A〜31Cと各折板材32とが一体化され、屋根パネル30の基本的構成が構築される。
次に、各折板材32(すなわち折板屋根部33)の下面側に屋根断熱材71,72を設置する作業を行う。まず、折板屋根部33の各屋根山部48の内側(下面側)にそれぞれ山部断熱材71を設置する。この設置作業は、山部断熱材71を各屋根支持体31A〜31Cの山状空間45にそれぞれ挿入することにより行う。
続いて、折板屋根部33の各屋根谷部49の下面側にそれぞれ谷部断熱材72を設置する。この設置作業は、谷部断熱材72を隣り合う屋根支持体31の支持部材75(支持板部75b)上に跨がるように配置することで行う。これにより、山部断熱材71と谷部断熱材72とがそれぞれ隣り合う屋根支持体31に組み付けられ、屋根パネル30の製造が完了する。
次に、屋根パネル30をユニット本体部20上に設置する作業を行う。この設置作業は、屋根パネル30の各屋根支持体31A〜31Cのブラケット36〜38(支持板部36a〜38a)をそれぞれ長辺側の各天井大梁22上に載置するとともに、支持板部36a〜38aをそれぞれボルト64及びナット65を用いて天井大梁22に固定することにより行う。
なおユニット本体部20上への、屋根パネル30の設置作業はクレーンにより屋根パネル30を吊り下げ支持しながら行う。クレーンによる屋根パネル30の吊り下げは、例えば屋根支持体31A〜31Cのブラケット36〜38の挿通孔部55〜57を利用して行う。具体的には、ブラケット36〜38の挿通孔部55〜57にクレーンのワイヤ先端部に設けられたフックを引っ掛ける等して行う。この場合、ボルト挿通用の挿通孔部55〜57がクレーンの吊り下げに兼用されることから当該挿通孔部55〜57の有効利用を図ることができる。以上の作業によって、建物ユニット15の製造が完了する。
各建物ユニット15を製造した後、それら各建物ユニット15をトラック等により施工現場へ搬送する。なお、建物ユニット15を搬送する際には、境界折板材95を屋根パネル30の折板屋根部33上に重ね合わせゴムバンド等で仮固定しておく。
施工現場では、まず各建物ユニット15をそれぞれ所定の位置に設置するとともに、それら各建物ユニット15を連結部材(ドッキングプレート等)を介して互いに連結する作業を行う。
その後、隣り合う各建物ユニット15の間の境界部(ユニット境界部)に各種ユニット境界部材を設置する作業を行う。具体的には、隣り合う各建物ユニット15(ユニット本体部20)において対向する天井大梁22同士の間の梁間隙間92に梁間断熱材93を設置する。また、隣り合う建物ユニット15の屋根パネル30の間に境界折板材95を設置する(図10における一点鎖線を参照)。この場合、境界折板材95を各屋根パネル30のタイトフレーム35にそれぞれ取り付ける。以上の作業により、建物10が構築される。
以上、詳述した本実施形態の構成によれば、以下の優れた効果が得られる。
折板屋根部33の各屋根山部48の内側(下面側)にそれぞれ山部断熱材71を設け、その山部断熱材71を屋根山部48に沿って延びる棒状とするとともに、屋根パネル30の各屋根支持体31に跨がって設けた。そして、山部断熱材71を各屋根支持体31の山状空間45にそれぞれ挿入することで各屋根支持体31に組み付けるようにした。これにより、山部断熱材71を安定した状態で屋根パネル30に組み付けることができるため、山部断熱材71を屋根パネル30に組み込んだ状態で同パネル30(詳しくは建物ユニット15)を施工現場に搬送することが可能となる。すなわち、山部断熱材71が屋根パネル30から脱落することなく同パネル30を搬送することが可能となる。これにより、施工現場において山部断熱材71の組み付け作業を行う必要がなくなるため、施工工数の削減を図ることが可能となる。
具体的には、山部断熱材71を屋根パネル30を構成するすべての屋根支持体31の山状空間45に挿入することでそれらすべての屋根支持体31に組み付けるようにしたため、屋根断熱材(山部断熱材71)をより一層安定した状態で屋根パネル30に組み付けることができる。
折板屋根部33の各屋根谷部49の下面側にそれぞれ谷部断熱材72を設け、その谷部断熱材72を屋根谷部49に沿って延びる長尺状とするとともに隣り合う各屋根支持体31の間に跨がるように設けた。そして、谷部断熱材72をそれら各屋根支持体31に支持部材75を介して支持させるようにした。これにより、山部断熱材71に加え谷部断熱材72についても、製造工場において屋根パネル30に組み付けることができるため、施工工数のさらなる削減を図ることができる。
また、谷部断熱材72をその両端部で支持部材75により支持させるようにしたため、谷部断熱材72を安定した状態で屋根パネル30に組み付けることができる。これにより、屋根パネル30を施工現場に搬送するに際し、谷部断熱材72が脱落する不都合を生じにくくすることができる。
谷部断熱材72を、隣り合う各山部断熱材71の下方に跨がって設けたため、平面視において山部断熱材71と谷部断熱材72とを屋根支持体31の長手方向に連続して配置することができる。これにより、山部断熱材71と谷部断熱材72とを屋根断熱材として設ける構成において、屋根部における断熱性能の向上を図ることができる。
谷部断熱材72を隣り合う各山部断熱材71にそれぞれ連続させて設けたため、折板屋根部33の下面側において谷部断熱材72と山部断熱材71とにより連続した断熱層を形成することができる。これにより、屋根部における断熱性能の向上をさらに図ることができる。
谷部断熱材72に、屋根谷部49の下面と対向する対向面部77を形成するとともに、幅方向の両側部分にそれぞれ対向面部77よりも上方に突出する一対の突出部78を形成した。そして、それら各突出部78をそれぞれ隣り合う山部断熱材71に接触させて当該断熱材71と連続させた。この場合、山部断熱材71が屋根山部48の内側に配設されているにもかかわらず、山部断熱材71に谷部断熱材72をより確実に接触(換言すると連続)させることが可能となり、谷部断熱材72と山部断熱材7とを連続させて断熱性能の向上を図るという上述の効果をより確実に得ることが可能となる。
建物ユニット15を、建物10の躯体部分を構成するユニット本体部20と、ユニット本体部20上に配設される屋根パネル30とを備えて構成し、製造工場において屋根パネル30をユニット本体部20に組み付けて建物ユニット15を製造し、その組み付け状態で同ユニット15を施工現場へ搬送するようにした。これにより、施工現場において屋根パネル30の設置作業を行わなくても済むため、ユニット式建物の施工工数を大いに削減することができる。
また、製造工場において屋根パネル30をユニット本体部20上に組み付け建物ユニット15を製造するようにしたことで、雨天の際にも施工現場にて建物ユニット15を組み合わせ建物10を構築する作業を行うことが可能となる。
本発明は上記実施形態に限らず、例えば次のように実施されてもよい。
(1)上記実施形態では、折板屋根部33の下面側に、屋根断熱材として、屋根山部48の下面側に山部断熱材71を配置し、屋根谷部49の下面側に谷部断熱材72を配置した。すなわち、上記実施形態では、折板屋根部33の下面側にて複数の屋根断熱材71,72を屋根山部48ごと屋根谷部49ごとに配置したが、折板屋根部33の下面側における屋根断熱材の配置態様(換言すると、屋根断熱材の切り分け)は必ずしもこれに限ることはない。そこで、以下に、屋根断熱材の配置態様(切り分け)の別例を図11及び図12に基づき説明する。図11は、屋根断熱材の配置態様の別例を示す平面図であり、(a)が屋根断熱材が屋根支持体31に組み付けられた状態を示しており、(b)が屋根断熱材を屋根支持体31から分離させた状態を示している。図12は図11(a)のF−F線断面図である。なお、図11では便宜上、折板材32(折板屋根部33)の図示を省略している。
図11及び図12に示す屋根パネル100には、折板屋根部33の下面側に各屋根山部48と各屋根谷部49とに跨がって延びる2つの屋根断熱材101(101A,101B)が設けられている。これら各屋根断熱材101は、屋根支持体31Bを挟んだ両側にそれぞれ配設されており、いずれも隣り合う各屋根支持体31の間に配置されている。屋根断熱材101は、その平面視において全体として矩形板状をなしており、隣り合う2辺のうち一方の辺の長さが屋根支持体31の長さと略同じとされ、他方の辺の長さが隣り合う各屋根支持体31の間の間隔(離間距離)と略同じとされている。屋根断熱材101は、隣り合う屋根支持体31の間において、それら各屋根支持体31に跨がるようにかつ屋根支持体31の長手方向全域に亘るように設けられている。
屋根断熱材101は、その上面が折板屋根部33の下面(裏面)に沿う波形状をなしており、各屋根山部48の内側にそれぞれ配設された複数の山部103を有している。これら各山部103は、屋根山部48に沿って延びる長尺状をなしており、屋根山部48の形状に対応した山形状をなしている。
屋根断熱材101には、各屋根支持体31の並ぶ並び方向における両側面から互いに反対側に向けて突出する複数の突出部105が設けられている。突出部105は、屋根断熱材101の山部103において突出しており、具体的には複数の山部103のうち所定の山部103の両端部からそれぞれ側方に突出している。より詳しくは、各屋根断熱材101A,101Bではそれぞれ突出部105が複数の山部103においてひとつおきに設けられており、さらに付言すると屋根断熱材101Aと屋根断熱材101Bとでは突出部105が設けられている山部103が互い違いとなっている。なお、本例では突出部105が挿入部に相当する。
屋根断熱材101の各突出部105は隣り合う各屋根支持体31の山状空間45にそれぞれ挿入されている。具体的には、各突出部105のうち一部の突出部105については隣り合う各屋根支持体31のうち一方の屋根支持体31の山状空間45に挿入され、残りの突出部105については他方の屋根支持体31の山状空間45に挿入されている。そして、これら突出部105の山状空間45への挿入によって、屋根断熱材101が各屋根支持体31に組み付けられている。
上記構成によれば、屋根断熱材101を隣り合う各屋根支持体31に安定した状態で組み付けることができるため、製造工場において屋根断熱材101を各屋根支持体31すなわち屋根パネル100に組み付け、その組み付け状態で屋根パネル100を施工現場に搬送することができる。したがって、この場合にも、施工現場において屋根断熱材101の設置作業を行う必要がなく、施工工数の削減を図ることができる。また、上記構成によれば、上記実施形態の構成と比べ、屋根断熱材101の設置個数を減らすことができるため、製造工場における屋根断熱材101の組み付け工数削減を図ることもできる。
(2)谷部断熱材72の構成は必ずしも上記実施形態のものに限定されない。例えば、谷部断熱材72に突出部78を設けないようにしてもよい。この場合でも、谷部断熱材72を、その幅方向の両端部において隣り合う各山部断熱材71の底面(下面)と接触させるようにすれば、各谷部断熱材72と各山部断熱材71とにより連続した断熱層を形成することができる。
また、谷部断熱材72を、隣り合う各山部断熱材71に対して非連続(非接触)の状態で設けてもよい。例えば、谷部断熱材72を隣り合う各山部断熱材71の下方においてそれら各山部断熱材71と所定の隙間を隔てて(換言すると、隣り合う各山部断熱材71の底面に近接させて)配置することが考えられる。その場合にも、平面視において山部断熱材71と谷部断熱材72とを屋根支持体31の長手方向に途切れることなく配置することができ、屋根部における断熱性能の向上を図ることができる。
さらに、谷部断熱材72を屋根谷部49の下方にのみ配置するようにしてもよい。つまり、谷部断熱材72を隣り合う各山部断熱材71の下方に跨がらないように配置してもよい。具体的には、谷部断熱材72を、その幅が隣り合う各山部断熱材71の間隔よりも小さくなるように形成し、その谷部断熱材72を平面視において隣り合う各山部断熱材71の間に位置するように配置することが考えられる。その場合においても、折板屋根部33の各屋根山部48ごと各屋根谷部49ごとにそれぞれ屋根断熱材71,72が配設されるため、折板屋根部33の全域において断熱性能を確保することができる。
なお、折板屋根部33の下面側に谷部断熱材72を設けないようにしてもよい。その場合、折板屋根部33の下面側には屋根断熱材として山部断熱材71のみ設けられることとなる。
(3)折板屋根部33における屋根谷部49の断熱性確保のために、各屋根谷部49の下面側に谷部断熱材72を設けることに代え、板状の屋根断熱材を各屋根山部48(詳しくは山部断熱材71)の下面側と各屋根谷部49の下面側とに跨がって設けるようにしてもよい。その場合、屋根谷部49の断熱性能を確保するにあたり屋根断熱材の個数を減らすことができるため、製造工場での屋根断熱材の組み付け工数を削減することが可能となる。また、屋根山部48の下面側では山部断熱材71と板状の屋根断熱材とが上下に並んで配設されるため、断熱性能の向上を図ることもできる。
(4)上記実施形態では、谷部断熱材72を隣り合う各屋根支持体31に支持部材75を介して支持させことにより谷部断熱材72を屋根パネル30に組み付けたが、谷部断熱材72を屋根パネル30に組み付けるための構成は必ずしもこれに限らない。例えば、谷部断熱材72の対向面部77に板状のマグネットを設け、そのマグネットを折板屋根部33の屋根谷部49の下面に取り付けることで谷部断熱材72を屋根谷部49(ひいては屋根パネル30)に組み付けるようにしてもよい。この場合、マグネットが取付手段に相当する。
また、取付手段として、マグネットに代えて面ファスナを用いてもよい。この場合、面ファスナを構成する雄接合部及び雌接合部のうち一方を谷部断熱材72の対向面部77に、他方を屋根谷部49の下面に設け、雄接合部と雌接合部とを互いに接合させることで谷部断熱材72を屋根谷部49の下面に取り付けるようにすればよい。
さらに、支持部材75と取付手段(マグネット、面ファスナ)との両方を用いるようにしてもよい。つまり、谷部断熱材72を、支持部材75を介して各屋根支持体31に支持させるとともに、取付手段を介して折板屋根部33の屋根谷部49に取り付けるようにしてもよい。その場合、谷部断熱材72をより一層安定した状態で屋根パネル30に組み付けることが可能となる。
なお、各屋根断熱材71,72のうち山部断熱材71だけを製造工場において屋根パネル30に組み付け、谷部断熱材72については施工現場で組み付けるようにしてもよい。その場合には、谷部断熱材72を折板屋根部33の屋根谷部49の下面に接着剤を用いて貼り付けることが可能となる。
(5)建物ユニット15の屋根天井部に天井断熱材85を設けないようにしてもよい。その場合であっても、屋根断熱材71,72により屋根部の断熱性能を確保することができる。
(6)上記実施形態の屋根パネル30において、さらに折板材32(折板屋根部33)の下面(裏面)に吹き付け断熱材(例えば発泡硬質ウレタン等)を吹き付けてもよい。この場合、吹き付け断熱材を山部断熱材71と折板材32との間、及び谷部断熱材72と折板材32との間に介在させることができるため、屋根パネル30の断熱性能をさらに向上させることができる。
(7)上記実施形態では、ユニット式建物への適用例を説明したが、鉄骨軸組工法により構築される建物や、在来木造工法により構築される建物等、他の構造の建物に本発明の屋根構造を適用してもよい。この場合においても、製造工場において屋根パネル30を屋根断熱材71,72を含んで製造することで、施工現場での屋根断熱材71,72の設置作業を不要とすることができ、施工工数の削減を図ることができる。