JP5984948B2 - ローラーガイド、及びその製造方法 - Google Patents
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Description
前記ガイドレール上を転動するローラーと、
このローラーをローラー軸を介して回転自在に支持したガイドフレームと、を備え、
前記ガイドフレームは、前記昇降体に取付けられるフレーム取付面部と、
前記フレーム取付面部から前記ガイドレールから離れる方向に弾性変位可能に起立しているとともに前記ローラー軸が取付けられているローラー取付面部とから構成され、
前記フレーム取付面部及び前記ローラー取付面部は、一枚の鋼板で形成されており、
前記ローラー取付面部は、前記ローラー軸を収めた折曲した受け部を有しており、前記ガイドレールから離れる方向に弾性変位した際には、前記ローラー軸は、弾性変位した方向に付勢される。
平板状の前記鋼板を、塑性変形する前の前記フレーム取付面部及び前記ローラー取付面部に切削加工する工程と、
前記フレーム取付面部に対して前記ローラー取付面部を起立する工程と、
前記ローラー取付面部に、前記ローラーが設けられた前記ローラー軸を固定する工程と、を備えている。
また、この発明に係るローラーガイドの製造方法によれば、一枚の鋼板を塑性変形することで、ローラーガイドを簡単に製造することができる。
図1はこの発明の実施の形態1のローラーガイドを示す平面図、図2は図1の正面図である。
この実施の形態1のローラーガイドは、ガイドフレーム1Aと、エレベーターの昇降路の壁面に沿って上下方向に延びたガイドレール30上を転動する3個のローラー4と、を備えている。
ガイドフレーム1Aは、昇降体であるかご(図示せず)に取付ボルト8により取付けられる三角平板形状のフレーム取付面部2と、フレーム取付面部2の各端部からそれぞれ一対ガイドレール30から離れる方向に弾性変位可能に90°起立したローラー取付面部3と、から形成されている。
フレーム取付面部2には、ガイドレール30に接近してストッパー部9が形成されている。
互いに対向した一対のローラー取付面部3間には、ローラー軸5が固定金具6及びローラー取付ボルト7でローラー取付面部3に固定されている。このローラー軸5には、一対のローラー取付面部3間に挟まれてローラー軸5に対して回転自在のローラー4が設けられている。
先ず、平板の鋼板を、塑性変形する前のフレーム取付面部2及びローラー取付面部3に切削加工した後、フレーム取付面部2に対してローラー取付面部3を塑性変形により90°起立させる。
この後、それぞれ三方に一対延びたローラー取付面部3間に、ローラー4が設けられたローラー軸5を固定金具6及びローラー取付ボルト7を用いて固定することで、ローラーガイドは完成する。
従って、かごが走行する際に振動すると、フレーム取付面部2とローラー取付面部3との間の折曲部20を支点として、ローラー取付面部3が弾性変位(揺動)するため、かごが防振支持されていることと同じである。
また、フレーム取付面部2、及びフレーム取付面部2からガイドレール30から離れる方向に弾性変位可能に起立したローラー取付面部3は、一枚の鋼板から形成されている。
このことから分かるように、先の特許文献1に記載されたローラーガイドのように複雑な機構を一切持つことなく、部品点数が削減されて、組立ての時間が大幅に短縮され、また加工費も大幅に低減された、防振性能を有するローラーガイドを得ることができる。
これに対しては、フレーム取付面部2にガイドレール30に接近して形成されたストッパー部9に、ガイドレール30が衝突するので、それ以上のガイドレール30の水平方向の移動が抑制され、ローラー取付面部3が大きく変位して塑性変形するのが防止される。
図3はこの発明の実施の形態2のローラーガイドを示す正面図、図4は図3の左側面図、図5は図3の平面図である。
この実施の形態のローラーガイドでは、各ローラー4は、個々のガイドフレーム1に設けられている。
フレーム取付面部2の片側辺部には、90°起立し先端部がローラー取付面部3に対向した第1のストッパー部9Aが形成されている。また、フレーム取付面部2には、対向した一対のローラー取付面部3間であって先端部が水平に延びた第2のストッパー部9Bが形成されている。
地震時などの非常時において、水平方向に大きな荷重がローラー取付面部3に作用し、ローラー取付面部3が塑性変形を起こすことが考えられるが、第1のストッパー部9Aがローラー取付面部3に干渉し、第2のストッパー部9Bがローラー4に干渉して更なるローラー取付面部3の塑性変形を防止している。
ストッパー部9A,9Bを有するフレーム取付面部2、及びローラー取付面部3は、一枚の平板状の鋼板から形成されている。
なお、ストッパー部9A,9Bは、何れか一方でもよく、またローラー取付面部3の変位を規制する機構を別途設けた場合には、省略してもよい。
他の構成は、実施の形態1のローラーガイドと同じである。
また、効果も実施の形態1のローラーガイドと同様に、部品点数が削減されて、組立ての時間が大幅に短縮され、また加工費も大幅に低減された、防振性能を有するローラーガイドを得ることができる。
図6はこの発明の実施の形態3のローラーガイドを示す正面図、図7は図6の平面図である。
かごが軽量でローラー取付面部3の全長が短くなると、ローラー取付面部3の剛性が高くなり、固有振動数が大きくなって防振性能が得られ難い。
この場合、ローラー取付面部3の全長を長くして剛性を下げることで固有振動数を小さくして防振性能を確保することが可能であるが、ガイドローラーの高さ方法の寸法が大きくなってしまう。
また、ローラー取付面部3Aは、その端部に90°ローラー軸5側に折曲された受け部10が形成されている。この受け部10は、ローラー軸5に対して2面で接触している。
一対のローラー取付面部3A間に設けられたローラー軸5は、両端部がローラー取付ボルト7でローラー取付面部3Aに固定されている。このローラー軸5にローラー4が回転自在に設けられている。
また、ローラー4に入力される力は、ローラー取付面部3Aを弾性変位する方向に作用し、ローラー取付ボルト7が緩んだ際にも、ローラー軸5は、受け部10側に付勢されているので、ローラー4の脱落を防止することができる。
なお、他の構成は、実施の形態2のローラーガイドと同様であり、また効果も実施の形態2のローラーガイドと同様の効果を得ることができる。
図8はこの発明の実施の形態4のローラーガイドを示す正面図、図9は図8の左側面図である。
この実施の形態では、ローラー取付面部3Bは、フレーム取付面部2に接近するに従ってローラー取付面部3Bの幅寸法が大きくなっている。
かごの重量が大きい場合には、一様な板厚のローラー取付面部では、必要な片持ち梁の剛性が得られない場合がある。
この実施の形態のローラーガイドでは、モーメントがより大きく作用するフレーム取付面部2に近づく程ローラー取付面部3Bの幅寸法が大きくなっており、必要な片持ち梁の剛性の確保がされる。
なお、他の構成は、実施の形態2のローラーガイドと同じであり、また効果も実施の形態2のローラーガイドと同様の効果を得ることができる。
図10はこの発明の実施の形態5のローラーガイドを示す正面図、図11は図10の左側面図である。
この実施の形態では、フレーム取付面部2とローラ取付面部3Cとの間の曲げ部21にL字形状の補助フレーム11が重ねられている。
この補助フレーム11は、補助ボルト12によりローラ取付面部3Cに固定されており、またフレーム取付面部2に対して取付ボルト8で共締めにより固定されている。
このローラー取付面部3Cは、ガイドレール30と反対側にV字状に隆起しローラー軸5に2点で接触した受け部10Aを有している。ローラー軸5は、受け部10Aと、ローラー取付ボルト7によりローラー取付面部3Cに固定された固定金具6Aとで挟まれて、ローラー取付面部3Cに支持されている。
この実施の形態では、ガイドフレーム1の曲げ部21に補助フレーム11が重ねられて、曲げ部20が補強されており、ローラー4に入力される変動荷重は、一部補助フレーム11で分散され、ローラー取付面部3Cに発生する応力振幅が小さくなり、簡素な構造で防振性能を確保することができる。
また、ローラー軸5は、受け部10Aと固定金具6Aとで挟まれて、ローラー取付面部3Cに支持されており、ガイドレール30からローラー4に加わる荷重を、V字形状の受け部10Aの谷部で受けるため、固定金具6Aが仮にローラー取付面部3Cから外れた場合でもローラー4の脱落は予防される。
なお、他の構成は、実施の形態2のローラーガイドと同様であり、また効果も実施の形態2のローラーガイドと同様の効果を得ることができる。
図12はこの発明の実施の形態6のローラーガイドを示す正面図、図13は図12の右側面図、図14は図12の平面図である。
この実施の形態では、対向した一対のローラー取付面部3D間にはローラー軸5が設けられている。このローラー軸5は、その両端部がローラー取付ボルト7により両ローラー取付面部3Dに固定されている。このローラー軸5にローラー4が回転自在に設けられている。
また、フレーム取付面部2の全域及びローラー取付面部3Dの下半分領域にL字形状の補助フレーム11が重ねられている。
この補助フレーム11は、フレーム取付面部2に対して取付ボルト8で共締めにより固定されている。また、両者は、一対のスプリングピン13でずれが発生しないようになっている。
補助フレーム11のローラー取付面部3D側の部位には、長穴14が形成されている。この長穴14には、先端部がローラー取付面部3Dに螺着した接触圧調整手段である補助ボルト12Aが設けられており、この補助ボルト12Aの頭部により補助フレーム11の起立した部位はローラー取付面部3Dを押圧している。
よって、ローラーの取付面部3Dと補助フレーム11との接触面の表面粗さやメッキなどの状態を管理した上で、補助ボルト12Aの頭部により補助フレーム11をローラー取付面部3Dに押圧してローラー取付面部3Dとの接触圧を調整することで、滑りを摩擦抵抗に変換することが可能となる。
従って、ローラー取付面部3Dの揺動に対して減衰力が得られるため、かごの乗り心地を向上させることができる。
なお、他の構成は、実施の形態2のローラーガイドと同様であり、また効果も実施の形態2のローラーガイドと同様の効果を得ることができる。
図15はこの発明の実施の形態7のローラーガイドを示す正面図である。
この実施の形態では、補助ボルト12Aの頭部と補助フレーム11との間に線形性が高いコイルばね16が介在している。
実施の形態6のガイドローラーの場合、ローラー取付面部3Dと補助フレーム11との間の接触圧は、補助ボルト12Aのトルク管理で行なっており、簡単な構成である利点があるものの、微妙な接触圧の調整が困難である不利な点がある。
これに対して、この実施の形態のガイドローラーでは、補助ボルト12Aの頭部と補助フレーム11との間に、荷重に対して伸縮量が比例するコイルばね16が介在しているので、補助ボルト12Aの締め込み量により、ローラー取付面部3Dと補助フレーム11との間の微妙な接触圧の調整を簡単に行なうことができる。
これに加えて、ローラー取付面部3Dと補助フレーム11との接触面の面荒さやメッキ等を管理することで、摩擦係数と接触力の両方を管理することが可能となるため、必要な減衰力を容易に調整可能となり、かごの乗り心地を向上させることができる。
図16はこの発明の実施の形態8のローラーガイドを示す正面図である。
この実施の形態では、ローラー取付面部3と補助フレーム11との間にヒステリシス性の高い樹脂17(例えば、粘弾性ダンパー)が接着されて設けられている。
この実施の形態では、エレベーターが走行する際に折曲部20を支点としてローラー取付面部3が弾性変位(揺動)し、ローラー取付面部3と補助フレーム11との間には相対変位が発生する。その際、両者間にヒステリシス性の高い樹脂17が設けられているので、相対変位による抵抗が発生し、ローラー取付面部3の弾性変位に対して減衰力が得られるため、かごの乗り心地が良好となる。
また、接触圧調整手段として、補助ボルト12Aを用いたが、このものに限定されないのは勿論である。
Claims (10)
- 昇降体に取付けられ、昇降路の壁面に沿って上下方向に延びたガイドレールに沿って上下方向に前記昇降体を案内するローラーガイドであって、
前記ガイドレール上を転動するローラーと、
このローラーをローラー軸を介して回転自在に支持したガイドフレームと、を備え、
前記ガイドフレームは、前記昇降体に取付けられるフレーム取付面部と、
前記フレーム取付面部から前記ガイドレールから離れる方向に弾性変位可能に起立しているとともに前記ローラー軸が取付けられているローラー取付面部とから構成され、
前記フレーム取付面部及び前記ローラー取付面部は、一枚の鋼板で形成されており、
前記ローラー取付面部は、前記ローラー軸を収めた折曲した受け部を有しており、前記ガイドレールから離れる方向に弾性変位した際には、前記ローラー軸は、弾性変位した方向に付勢されることを特徴とするエレベーターのローラーガイド。 - 前記ガイドフレームは、前記ガイドレール及び前記ローラー取付面部の少なくとも一方に接近して形成され前記ローラー取付面部の弾性変位幅を規制するストッパーを有していることを特徴とする請求項1に記載のエレベーターのローラーガイド。
- 前記ローラー取付面部は、前記フレーム取付面部から90°を超えて折曲されていることを特徴とする請求項1または2に記載のエレベーターのローラーガイド。
- 前記ローラー取付面部は、その幅寸法が前記フレーム取付面部に接近するに従って漸次大きくなっていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のエレベーターのローラーガイド。
- 前記ガイドフレームは、少なくとも、前記フレーム取付面部と前記ローラー取付面部との曲げ部に補助フレームが重ねて設けられていることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のエレベーターのローラーガイド。
- 前記ローラー取付面部に面接触した補助フレームの部位には、前記補助フレームをローラー取付面部に押圧してローラー取付面部との接触圧を調整する接触圧調整手段が設けられ、この接触圧調整手段により、前記ローラー取付面部の弾性変位に伴う前記ローラー取付面部と前記補助フレームとの相対変位で生じる摩擦力を調整するようになっていることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のエレベーターのローラーガイド。
- 接触圧調整手段は、前記補助フレームに形成された長穴を通じて前記ローラー取付面部に螺着され、頭部が前記長穴の周縁部を押圧する補助ボルトであることを特徴とする請求項6に記載のエレベーターのローラーガイド。
- さらに、前記補助ボルトの前記頭部と前記補助フレームとの間に、荷重に対して伸縮量が比例するばねが介在していることを特徴とする請求項7に記載のエレベーターのローラーガイド。
- 前記ローラー取付面部に高ヒステリシス性の樹脂を介して補助フレームが設けられていることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のエレベーターのローラーガイド。
- 前記請求項1に記載のエレベーターのローラーガイドの製造方法であって、
平板状の前記鋼板を、塑性変形する前の前記フレーム取付面部及び前記ローラー取付面部に切削加工する工程と、
前記フレーム取付面部に対して前記ローラー取付面部を起立する工程と、
前記ローラー取付面部に、前記ローラーが設けられた前記ローラー軸を固定する工程と、を備えたことを特徴とするローラーガイドの製造方法。
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