以下、図面に基づいて、本発明の実施形態につき詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る画像読取装置22を備えた画像形成装置1の内部構造を示す断面図である。ここでは、画像形成装置1として、いわゆる胴内排紙型の複写機を例示している。なお、本発明に係る画像読取装置22が適用される装置は複写機に限られるものではなく、例えばスキャナー装置、ファクシミリ装置、或いは複合機であってもよい。
画像形成装置1は、略直方体形状の筐体構造を有し胴内空間(胴内排紙部24)を備えた装置本体2を備える。装置本体2は、画像形成のための各種機器が収容される下部筐体21と、下部筐体21の上方に配設された上部筐体220と、下部筐体21と上部筐体220とを連結する連結筐体23とを含む。上部筐体220は、扁平状の略直方体形状からなる筐体である。上部筐体220には、画像読取装置22が配置される。画像読取装置22は、原稿シートの画像を光学的に読み取り、原稿画像に応じた画像データを生成する。下部筐体21は、前記画像データに基づき、シートに対してトナー画像を形成する処理を行う。下部筐体21と上部筐体220との間には、画像形成後のシートが排紙される胴内排紙部24が設けられている。連結筐体23は、装置本体2の右側面の側に配置され、胴内排紙部24へシートを排出するための排出口961が設けられている。
下部筐体21の内部には、上方から順に、トナーコンテナ99Y、99M、99C、99K、中間転写ユニット92、画像形成部93、露光ユニット94、及び給紙カセット211が収容されている。
画像形成部93は、画像読取装置22から出力される画像データに基づいて、シートに画像を形成する。画像形成部93は、フルカラーのトナー像を形成するために、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(Bk)の各トナー像を形成する4つの画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkを備える。各画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkは、感光体ドラム11と、この感光体ドラム11の周囲に配置された、帯電器12、現像装置13、一次転写ローラー14及びクリーニング装置15とを含む。
感光体ドラム11は、その軸回りに回転し、その周面に静電潜像及びトナー像が形成される。感光体ドラム11としては、アモルファスシリコン(a−Si)系材料を用いた感光体ドラムを用いることができる。帯電器12は、感光体ドラム11の表面を均一に帯電する。帯電後の感光体ドラム11の周面は、露光ユニット94によって露光され、静電潜像が形成される。
現像装置13は、感光体ドラム11上に形成された静電潜像を現像するために、感光体ドラム11の周面にトナーを供給する。現像装置13は、2成分現像剤用のものであり、攪拌ローラー16、17、磁気ローラー18、及び現像ローラー19を含む。攪拌ローラー16、17は、2成分現像剤を攪拌しながら循環搬送することで、トナーを帯電させる。磁気ローラー18の周面には2成分現像剤層が担持され、現像ローラー19の周面には、磁気ローラー18と現像ローラー19との間の電位差によってトナーが受け渡されることにより形成されたトナー層が担持される。現像ローラー19上のトナーは、感光体ドラム11の周面に供給され、前記静電潜像が現像される。
一次転写ローラー14は、中間転写ユニット92に備えられている中間転写ベルト921を挟んで感光体ドラム11とニップ部を形成し、感光体ドラム11上のトナー像を中間転写ベルト921上に一次転写する。クリーニング装置15は、トナー像転写後の感光体ドラム11の周面を清掃する。
イエロー用トナーコンテナ99Y、マゼンタ用トナーコンテナ99M、シアン用トナーコンテナ99C、及びブラック用トナーコンテナ99Bkは、それぞれ各色のトナーを貯留するものであり、YMCBk各色に対応する画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkの現像装置13に、図略の供給経路を通して各色のトナーを供給する。
露光ユニット94は、光源やポリゴンミラー、反射ミラー、偏向ミラーなどの各種の光学系機器を有し、画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkの各々に設けられた感光体ドラム11の周面に、原稿画像の画像データに基づく光を照射して、静電潜像を形成する。
中間転写ユニット92は、中間転写ベルト921、駆動ローラー922及び従動ローラー923を備える。中間転写ベルト921上には、複数の感光体ドラム11からトナー像が重ね塗りされる(一次転写)。重ね塗りされたトナー像は、給紙カセット211又は給紙トレイ30から供給されるシートに、二次転写部98において二次転写される。中間転写ベルト921を周回駆動させる駆動ローラー922及び従動ローラー923は、下部筐体21によって回転自在に支持される。
給紙カセット211は、複数のシートが積層されてなるシート束を収納する。給紙カセット211の右端側の上部には、ピックアップローラ212が配置されている。ピックアップローラ212の駆動により、給紙カセット211内のシート束の最上層のシートが1枚ずつ繰り出され、搬入搬送路26へ搬入される。なお、下部筐体21の右側面には、手差し給紙用の給紙トレイ30を備えた給紙ユニット40が備えられている。給紙トレイ30に載置されたシートは、給紙ユニット40の給紙ローラー41の駆動によって、搬入搬送路26へ搬入される。
搬入搬送路26の下流側には、二次転写部98、後述する定着ユニット97及び排紙ユニット96を経由して排出口961まで延びるシート搬送路28が設けられている。シート搬送路28の上流部分は、下部筐体21に形成された内壁と、反転搬送ユニット29の内側面を形成する内壁との間に形成されている。なお、反転搬送ユニット29の外側面は、両面印刷の際にシートを反転搬送する反転搬送路291の片面を構成している。シート搬送路28の、二次転写部98よりも上流側にはレジストローラ対27が配置されている。シートは、レジストローラ対27にて一旦停止され、スキュー矯正が行われた後、画像転写のための所定のタイミングで、二次転写部98に送り出される。
連結筐体23の内部には、定着ユニット97と排紙ユニット96とが収納されている。定着ユニット97は、定着ローラーと加圧ローラーとを含み、二次転写部98においてトナー像が二次転写されたシートを加熱及び加圧することで、定着処理を施す。定着処理されたカラー画像付のシートは、定着ユニット97の下流に配置されている排紙ユニット96により、排出口961から胴内排紙部24に向けて排出される。
画像読取装置22は、第1コンタクトガラス222および第2コンタクトガラス223(いずれも載置板)と、読取ユニット224と、を備える。第1コンタクトガラス222および第2コンタクトガラス223は、前記上部筐体220の上面221に嵌め込まれた透明な板状ガラスである。第1コンタクトガラス222は、自動原稿給送装置(ADF、図示せず)が画像読取装置22上に配置される場合に、ADFから自動給送される原稿シートの読取用に設けられている。第2コンタクトガラス223は、手置きされる原稿シートの読取用に設けられている。
読取ユニット224は、上部筐体220の内部において不図示の移動部によって移動可能とされる。読取ユニット224は、主走査方向(前後方向)に沿って延設されるユニットであり、副走査方向(左右方向)に沿って移動可能とされる。読取ユニット224は、原稿シートの原稿画像を読み取る機能を備える。
詳しくは、読取ユニット224は、第1コンタクトガラス222及び第2コンタクトガラス223の下面に沿って、左右方向に往復移動する(図1の矢印参照)。読取ユニット224は、原稿シートが図略の自動原稿給送装置から自動給送される自動給送モードのとき、第1コンタクトガラス222の直下に移動し、静止状態となる。この静止状態において、後記の照明ユニット50から原稿シートに向けて光が発せられる。一方、原稿シートが第2コンタクトガラス223上に載置される手置きモードのとき、読取ユニット224は、第2コンタクトガラス223の左端直下から原稿シートのサイズに応じて右方へ移動する。この移動の際に、照明ユニット50から原稿シートに向けて光が発せられる。
続いて、本発明の実施形態に係る読取ユニット224の構造について詳述する。図2は、本実施形態に係る照明ユニット50の斜視図である。図3および図4は、本実施形態に係る読取ユニット224の一部の分解斜視図である。図5は、読取ユニット224の分解斜視図である。また、図6は、読取ユニット224の断面図である。
読取ユニット224は、ユニットハウジング60(図4)と、図5に示すように、照明ユニット50(光源ユニット)と、第1ミラー71(光学素子、ミラー)と、第2ミラー72と、第3ミラー73と、第4ミラー74と、レンズ75と、CCD76(撮像素子)とを備える。
ユニットハウジング60は、読取ユニット224の外観を画定する。図5を参照して、ユニットハウジング60は、略直方体形状からなる。ユニットハウジング60は、ハウジング蓋部61(蓋部材、アパーチャー部材)およびハウジング本体62(ハウジング)を備える。ハウジング本体62は、ユニットハウジング60の本体部分である。ハウジング蓋部61は、ハウジング本体62の上方を覆う蓋部材である。
ハウジング本体62は、上部が開放された形状を備える箱型部材である。ハウジング本体62の内部に読取ユニット224を構成する各部材が配置される。図3を参照して、ハウジング本体62は、第1円筒部621(位置決め部)と、第1締結部622と、第2円筒部623(位置決め部)と、シャフト軸受部624と、を備える。
第1円筒部621は、ハウジング本体62の内部のうち、左右方向の中央部であって、前後方向においてハウジング本体62の後端部に配置される。第1円筒部621は、ハウジング本体62の主走査方向(前後方向)の一端側(後端側)において、ハウジング本体62から上方に向かって突設される円筒部材である。また、第1円筒部621は、上方に開放される中空状の内部空間を備える。
第1締結部622は、第1円筒部621の右側において、ハウジング本体62に開口されるネジ穴である。後記の照明ユニット50の第2締結部515が第1締結部622に対向して配置される。
第2円筒部623は、ハウジング本体62の内部のうち、左右方向の中央部であって、前後方向においてハウジング本体62の前端部に配置される。第2円筒部623は、ハウジング本体62の主走査方向の他端側(前端側)において、ハウジング本体62から上方に向かって突設される円筒部材である。なお、図3および図4に示すように、第2円筒部623の外周部のうち左方および右方の一部は、それぞれ主走査方向沿った面によって切り込まれたD面形状からなる。また、第2円筒部623も、上方に開放される中空状の内部空間を備える。そして、第1円筒部621および第2円筒部623は、ハウジング本体62の主走査方向(前後方向)の一端側および他端側に配置された一対の位置決め部として機能する。
シャフト軸受部624は、ハウジング本体62の後端部において、ハウジング本体62を左右方向に貫通して形成される円筒状の開口部である。シャフト軸受部624には、読取ユニット224を副走査方向(左右方向)に移動させるための不図示の駆動シャフトが挿通される(図10のシャフト89参照)。
また、図4を参照して、ハウジング本体62は、第1爪部625と、第2爪部626と、第3爪部627と、第4係合部628(図3)と、を備える。
第1爪部625は、ハウジング本体62の左側の側縁の後方部分において、左方に向かって突設される一対の突片である。第1爪部625は、後記のハウジング蓋部61の第1係合部615に係合する。第2爪部626は、ハウジング本体62の左側の側縁の前方部分において、左方に向かって突設される一対の突片である。第2爪部626は、後記のハウジング蓋部61の第2係合部616に係合する。第3爪部627は、ハウジング本体62の前側の側面において、前方に向かって突設される突片である。第3爪部627は、後記のハウジング蓋部61の第3係合部617に係合する。第4係合部628(図3)は、ハウジング本体62の右側の側面の前後方向の中央部に開口される開口部である。第4係合部628には、後記の照明ユニット50のフレーム係合部511B(図6)が係合する。
更に、ハウジング本体62は、第1支持部620Aと、第2支持部620Bと、第3支持部620Cと、第4支持部620Dとを備える。
第1支持部620Aは、ハウジング本体62の後端部において、ハウジング本体62の底部62Tの上方に所定の間隔をおいて配置される板状部材である。図4および図6を参照して、第1支持部620Aは、右方から左方に向かって先下がりに傾斜して配置される。同様に、第2支持部620Bは、ハウジング本体62の前端部において、ハウジング本体62の底部62Tの上方に所定の間隔をおいて配置される板状部材である。第2支持部620Bも、右方から左方に向かって先下がりに傾斜して配置される。第1支持部620Aおよび第2支持部620Bは、後記の第1ミラー71を支持する。
第3支持部620Cは、第1支持部620Aの左方かつ僅かに前方において、底部62Tから上方に向かって突設される板状部材である。同様に、第4支持部620Dは、第2支持部620Bの左方かつ僅かに後方において、底部62Tから上方に向かって突設される板状部材である。第3支持部620Cおよび第4支持部620Dの左側の側縁は、右方から左方に向かって先下がりに傾斜して配置される。第3支持部620Cおよび第4支持部620Dは、後記の第2ミラー72を支持する。なお、第1支持部620A、第2支持部620B、第3支持部620C及び第4支持部620Dは、ハウジング本体62と一体的に成型される。
ハウジング蓋部61は、ハウジング本体62の上部に装着される。ハウジング蓋部61は、左右方向に所定の幅をもって前後方向に延伸される板状部材である。なお、図5および図6に示すように、ハウジング蓋部61は、ハウジング本体62の左右方向の中央部から左端部にかけて、ハウジング本体62の上方を覆う。この際、ハウジング本体62の右端部側には、後記の照明ユニット50が固定される。そして、ハウジング蓋部61と照明ユニット50との間には、アパーチャーAPが形成される。アパーチャーAPは、第1コンタクトガラス222及び第2コンタクトガラス223上の原稿シート(被照射物)によって反射された光(L)が通過する開口部である。本実施形態では、ハウジング蓋部61は、ハウジング本体62に固定されることで、アパーチャーAPの少なくとも一部を形成するアパーチャー部材としても機能する。
更に、ハウジング蓋部61は、第1開口部611(孔部)と、第2開口部612(孔部)と、退避スリット613と、アパーチャー壁部614(端縁)と、第1係合部615と、第2係合部616と、第3係合部617とを備える。
第1開口部611および第2開口部612は、ハウジング蓋部61に配置される一対の孔部である。第1開口部611は、ハウジング蓋部61の後端部(一端側)において、円形に開口される孔部である。第2開口部612は、ハウジング蓋部61の前端部(他端側)において、同様に、円形に開口される孔部である。第1開口部611は、後記の照明ユニット50の第1規制部514に外嵌される。また、第2開口部612は、照明ユニット50の第2規制部516に外嵌される。
退避スリット613は、ハウジング蓋部61の左側端部において、前後方向に延設されるスリットである。退避スリット613は、ハウジング蓋部61がハウジング本体62に固定された際に、ハウジング蓋部61と後記の第2ミラー72とが干渉することを防止するために形成された逃げ穴である。
アパーチャー壁部614は、ハウジング蓋部61の右側部において前後方向に延伸される端縁である。アパーチャー壁部614は、前記アパーチャーAPの左側部分を画定する。
第1係合部615は、ハウジング蓋部61の左側縁の後方部分から下方に向かって突設された突片に開口される。第1係合部615は、前述の第1爪部625と係合される。また、第2係合部616は、ハウジング蓋部61の左側縁の前方部分から下方に向かって突設された突片に開口される。第2係合部616は、前述の第2爪部626と係合される。第3係合部617は、ハウジング蓋部61の前側の側縁から下方に向かって突設された突片に開口される。第3係合部617は、前述の第3爪部627と係合される。
照明ユニット50は、ハウジング本体62に固定されるユニットである。図2を参照して、照明ユニット50は、反射フレーム51と、LED基板52と、導光体53と、を備える。
反射フレーム51は、LED基板52および導光体53を支持する部材である。反射フレーム51は、前後方向に延設される板状部材である。反射フレーム51は、上面視で、左方に向かって開口される略コの字型形状からなる。反射フレーム51は、フレーム部511と、後方固定部512と、前方固定部513と、を備える。
フレーム部511は、棒状の導光体53を下方から支持する。図6を参照して、フレーム部511は、反射部511Aと、フレーム係合部511Bとを備える。反射部511Aは、フレーム部511の左端部が略U字型に湾曲された部分である。反射部511Aは、導光体53を下方から囲むように配置される。詳しくは、反射部511Aは、主走査方向と交差する断面視(図6)において、導光体53の後記の出射面531の反対側で導光体53を覆う。フレーム係合部511Bは、フレーム部511の右端部であって、前後方向の中央部から下方に向かって突設される突片である。フレーム係合部511Bはスナップフィットとして機能し、前述のハウジング本体62の第4係合部628に係合する。
後方固定部512は、フレーム部511の後端部から左方に向かって延設される。後方固定部512は、上面視で略正方形形状の板状部分である。図2に示すように、後方固定部512の後端縁から上方に向かって立設される側壁部分に、導光体53の後端部が支持される。また、前記側壁の後側に、後記のLED基板52が装着される。LED基板52は、第1規制部514と、第2締結部515とを備える。
第1規制部514は、後方固定部512から上方に向かって突設された円筒部材である。第1規制部514は、前述の第1円筒部621に外嵌される。詳しくは、第1規制部514は、第1内周部514A(内周部)と、第1外周部514B(外周部)と、第1挿入空間514Sとを備える。第1内周部514Aは、第1規制部514の内周部であり、第1外周部514Bは、第1規制部514の外周部である。そして、第1内周部514Aの内側に中空状の第1挿入空間514Sが形成されている。第1挿入空間514Sに第1円筒部621が挿入される。第2締結部515は、第1規制部514の右側において、後方固定部512に開口される円形状のネジ穴である。
前方固定部513は、フレーム部511の前端部から左方に向かって延設される。前方固定部513は、上面視で略長方形形状の板状部分である。図2に示すように、前方固定部513の前端縁から上方に向かって立設される側壁部分に、導光体53の前端部が支持される。前方固定部513は、第2規制部516を備える。
第2規制部516は、前方固定部513から上方に向かって突設される。第2規制部516は、前述の第2円筒部623に外嵌される。第2規制部516は、前方固定部513に開口された略円形状の孔部と前記孔部の縁から上方に向かって突設された一対の支持突起516Tとを備える。支持突起516Tは、前述の第2円筒部623のD面部に対応して配置される。支持突起516Tは、第2内周部516A(内周部)と、第2外周部516B(外周部)とを備える。一対の支持突起516Tの間に第2挿入空間516Sが形成される。なお、第2規制部516は、第1規制部514と同様に、外周部と内周部とを備えた円筒部材であってもよい。また、上記の第2規制部516について換言すれば、第2規制部516は、第1規制部514と同様の円筒状の部材であって、一対の支持突起516Tを除く他の外周部が部分的に切りかかれた形状に相当する。そして、第1規制部514および第2規制部516は、上記のように、それぞれ内周部と外周部とを含み、照明ユニット50の主走査方向の一端側および他端側に配置される一対の円筒状の規制部として機能する。
LED基板52は、後方固定部512の後側に固定される。LED基板52は、LED(Light Emitting Diode)52A(発光素子)を備える。LED52Aは、棒状の導光体53の後側の端面(入射面)に対向して配置される。LED52Aから前方に向かって照射され、前記端面に入射した照射光は導光体53の内部に進入する。LED52Aは、薄い円板状の形状を有し、白色光を発する。LED52Aとしては、例えば、青色光又は紫外光を発するGaN系またはInGaN系半導体発光素子を、蛍光体入り透明樹脂で封入してなる高輝度LEDパッケージを用いることができる。
導光体53は、LED52Aから発せられた照明光を伝搬すると共に、ライン状の照明光に変換して出射する。導光体53は、アクリル樹脂などの透光性の樹脂材料によって成形され、主走査方向に長い棒状の形状からなる。導光体53は、不図示の前記入射面と、出射面531とを備える(図2)。入射面は、導光体53の後側の端部において、主走査方向に面して形成される。出射面531は、主走査方向に沿って延設され、前記主走査方向と交差する方向(左方かつ上方に向かう方向、図6の矢印DL参照)に前記光を出射する。前記光は、原稿シートに向かって出射される。
なお、上記のLED52Aおよび導光体53によって、光源50A(図2)が構成される。光源50Aは、主走査方向に沿って長いライン状の照明光(光)を、被照射物としての原稿シートに向かって照射する。具体的には、光源50Aは、第1コンタクトガラス222上を通過する自動給送の原稿シート若しくは第2コンタクトガラス223上に載置される手置きの原稿シートに向けて、原稿画像の光学的な読み取りのために照明光を発する。この際、光源50Aは、第1コンタクトガラス222若しくは第2コンタクトガラス223(載置板)に配置された原稿シート(被照射物)を焦点として光を照射する。
第1ミラー71、第2ミラー72、第3ミラー73および第4ミラー74は、図6に示すように、ハウジング本体62の内部に固定され、光を反射させるミラー(光学素子)である。これらのミラーは、ユニットハウジング60内に光路Lを形成するミラーである。原稿シートによって反射された光は、アパーチャーAPを通過しながら、下方に向かってユニットハウジング60の内部に入光する。そして、前記光は、第1ミラー71、第2ミラー72、第3ミラー73、第4ミラー74によって順に反射された後、レンズ75に導かれる。レンズ75は、第4ミラー74において反射された反射光の光像を、CCD76の撮像面に結像させる。
CCD(charge coupled device)76は、前記光路L上に配置され、前記ミラーによって反射され、レンズ75によって結像された光を受光して、画像データとしての電気信号に変換する。詳しくは、CCD76は、原稿シートからの反射光を受光してアナログ電気信号に光電変換する。このアナログ電気信号は、A/D変換回路(図略)によってデジタル電気信号に変換された後、上述の露光ユニット94に画像データとして入力される。
かくして、照明ユニット50の光源50Aから原稿シートに向かって照射され、該原稿シートによって反射された光が、CCD76に至るまでの所定の光路Lが、図6に示すようにユニットハウジング60内に形成される。
本実施形態では、光源50Aは照明ユニット50に支持される。また、アパーチャーAPは、アパーチャー部材としての機能を備えるハウジング蓋部61によって画定される。図3を参照して、照明ユニット50がユニットハウジング60のハウジング本体62に固定されるにあたり、照明ユニット50は、第1円筒部621および第2円筒部623においてハウジング本体62に位置決めされる。詳しくは、照明ユニット50の第1規制部514の第1内周部514Aが、ハウジング本体62の第1円筒部621に外嵌される。同様に、照明ユニット50の第2規制部516の第2内周部516Aが、ハウジング本体62の第2円筒部623に外嵌される。また、補完的に、照明ユニット50のフレーム係合部511B(図6)が、ハウジング本体62の第4係合部628に係合される。その後、第2締結部515に上方から挿通された不図示のスクリューが、第1締結部622に締結される。この結果、ユニットハウジング60に対する光源50Aの位置が決定される。
更に、ハウジング蓋部61がハウジング本体62に固定されるにあたり、第1円筒部621および第2円筒部623において、ハウジング蓋部61がハウジング本体62に位置決めされる。詳しくは、ハウジング蓋部61の第1開口部611が、第1円筒部621に外嵌された第1規制部514の第1外周部514Bに外嵌される。同様に、ハウジング蓋部61の第2開口部612が、第2円筒部623に外嵌された第2規制部516の第2外周部516Bに外嵌される。また、補完的に、ハウジング蓋部61の第1係合部615、第2係合部616および第3係合部617が、それぞれ、ハウジング本体62の第1爪部625、第2爪部626および第3爪部627と係合される(図4)。この結果、ハウジング本体62に対するハウジング蓋部61の位置が決定される。なお、ハウジング本体62に、照明ユニット50およびハウジング蓋部61が装着されると、図5に示すように、ハウジング蓋部61の第1開口部611および第2開口部612を介して、第1円筒部621および第2円筒部623がユニットハウジング60の外部に露出する。
このように、本実施形態では、照明ユニット50およびハウジング蓋部61が、それぞれ第1円筒部621および第2円筒部623において、ハウジング本体62に固定されることで、前記光路Lに対する光源50AおよびアパーチャーAPの位置が規制される。したがって、光源50AおよびアパーチャーAPが共通の位置決め部において位置決めされるため、光源50AとアパーチャーAPとの相対的な位置精度が安定して維持される。換言すれば、光源50AおよびアパーチャーAPが異なる位置決め部によってそれぞれ位置決めされた場合、各位置決め部の累積交差を含んだ状態で、光源50AとアパーチャーAPとの相対的な位置が決定される。この結果、光源50AおよびアパーチャーAPの相対的な位置精度が本実施形態と比較して低下してしまう。
また、上記のように、光源50Aがハウジング蓋部61とは別の部材によって支持されるため、光源50AおよびアパーチャーAPの全域が同じ部材によって支持および画定される場合と比較して、光源50AおよびアパーチャーAPのうちの一方の位置決めが優先され他方の位置精度が悪化することが抑制される。したがって、所定の光路Lに対する光源50AおよびアパーチャーAPのそれぞれの位置精度が安定して維持される。
特に、本実施形態では、第1規制部514および第2規制部516が、それぞれ第1円筒部621および第2円筒部623に外嵌され、第1開口部611および第2開口部612がそれぞれ第1規制部514よび第2規制部516に外嵌されることによって、照明ユニット50およびハウジング蓋部61がハウジング本体62に固定される。このため、照明ユニット50およびハウジング蓋部61の簡易な構成によって、光源50AおよびアパーチャーAPが共通の位置決め部においてハウジング本体62に対して位置決めされる。また、一対の円筒部材(第1円筒部621、第2円筒部623)、規制部(第1規制部514、第2規制部516)および孔部(第1開口部611、第2開口部612)が、それぞれ同軸上に配置されるため、光源50AおよびアパーチャーAPの位置精度が好適に向上される。
なお、図6を参照して、前述のように、本実施形態では、ハウジング蓋部61がアパーチャーAPを形成する機能を兼ね備える。更に、ハウジング蓋部61の右方には、導光体53がアパーチャー壁部614に対向するように、照明ユニット50が配置されている。そして、照明ユニット50のフレーム部511もまた、ハウジング本体62の上方部分を覆う蓋部の機能を兼ね備えている。この結果、照明ユニット50およびハウジング蓋部61によってハウジング本体62の上方部分が覆われるとともに、アパーチャーAPを形成することが可能となる。また、フレーム部511の一部である反射部511Aによって、前記入射面から導光体53の内部に進入した光を出射面531に向かって反射させることができる。
次に、図6に加え、図7および図8を参照して、ユニットハウジング60に対する各ミラーの固定について説明する。図7は、ハウジング本体62の第1支持部620A周辺の断面図である。また、図8は、図7の一部を更に拡大した断面図である。ここでは、ユニットハウジング60に対する第1ミラー71の固定および位置決めについて説明するが、他のミラーにおいても同様である。
前述のように、第1ミラー71は、第1支持部620Aおよび第2支持部620B(いずれも支持部)によって支持される。詳しくは、第1ミラー71は、第1支持部620Aおよび第2支持部620Bの下面側に固定される。第1支持部620Aは、第11突起部620A1および第12突起部620A2(いずれも当接部)を備える。第11突起部620A1および第12突起部620A2は、第1支持部620Aの下面から突設された突起部である。図8に示すように、第11突起部620A1および第12突起部620A2は、第1ミラー71の反射面である第1ミラー面711と平行な端面を備える。そして、前記端面と第1ミラー面711とが接着されることで、第1ミラー71が第1支持部620Aに固定される。本実施形態では、第11突起部620A1および第12突起部620A2の前記端面の位置は、前述の第1円筒部621を基準に設定されている。詳しくは、第1円筒部621の上面部と第1円筒部621の円筒軸との交点を基準として、ハウジング本体62における前記端面の位置が規定されている。
図7を参照して、円筒形状からなる第1円筒部621の上面部621Fを含む平面が第1基準面F1と定義される。また、第1円筒部621の円筒軸を含む平面が第2基準面F2と定義される。そして、第1基準面F1と第2基準面F2との交点である基準位置F3を基準として、第11突起部620A1および第12突起部620A2の前記端面の位置が設定される。より詳しくは、予め、第1基準面F1に対して設定された角度が基準角度θと定義される。そして、基準位置F3を通り、第1基準面F1に対して基準角度θをなす基準直線Lθから距離Rだけ離れ、基準直線Lθと平行な平面上に、第11突起部620A1および第12突起部620A2の前記端面の位置が設定される。このように、ハウジング本体62が成型されるにあたり、基準角度θおよび距離Rが予め設計図面に指示されることによって、第1円筒部621を基準として第1ミラー面711が位置決めされる。
一方、第2支持部620Bの下面には、第11突起部620A1および第12突起部620A2と同様の突起部(不図示)が1つ配置されている。該突起部の端面の位置も同様に第2円筒部623を基準に予め設定されている。そして、第1ミラー面711の前側端部が、同様に、前記突起部の端面に接着固定される。この結果、第1ミラー71が、前後の3箇所において、ハウジング本体62に固定される。そして、他のミラーも同様に第1円筒部621および第2円筒部623を基準として、ハウジング本体62に対して位置決めされる。図3および図6を参照して、第2ミラー72の反射面である第2ミラー面721が、第3支持部620Cから突設された第31突起部620C1および第32突起部620C2、更に、第4支持部620Dから突設された第41突起部620D1に当接および接着される。この結果、第2ミラー72が前後の3箇所においてハウジング本体62に固定される。この際、第31突起部620C1、第32突起部620C2および第41突起部620D1の第2ミラー面721に当接する端面の位置も、第1円筒部621および第2円筒部623を基準として予め設定されている。
このように、本実施形態では、ハウジング本体62に対する照明ユニット50およびハウジング蓋部61の位置を規制する位置決め部(第1円筒部621、第2円筒部623)を利用して、各ミラーのハウジング本体62に対する位置決めを実現することができる。この結果、前記光路Lに対する各ミラーの位置が安定して維持される。また、光源50A、アパーチャーAPおよび各ミラーの相対的な位置精度が安定して維持される。なお、第1円筒部621および第2円筒部623に基づいて位置決めされるミラーは、上記の各ミラーのうちの何れかであってもよい。また、第1円筒部621および第2円筒部623の何れか一方を基準として、ミラーの前後の両方の位置が位置決めされる態様であってもよい。
更に、図9は、本実施形態に係る読取ユニット224の組み立て後の出荷検査段階において、読取ユニット224が調整冶具プレート8に装着される様子を示した斜視図である。調整冶具プレート8(調整治具)は、金属製のプレートである。前記出荷検査段階では、読取ユニット224において、光路Lに対するレンズ75およびCCD76の位置が調整される。調整冶具プレート8は、調整用原稿81と、第1調整用位置決めピン82および第2調整用位置決めピン83(いずれも位置決めピン)とを備える。調整用原稿81は、前記出荷検査用の画像が予め形成された固定原稿である。第1調整用位置決めピン82および第2調整用位置決めピン83は、調整用原稿81の右方において、調整冶具プレート8から突設される一対の位置決めピンである。第1調整用位置決めピン82および第2調整用位置決めピン83は、予め高い精度をもって調整用原稿81に対する位置が設定されている。
そして、本実施形態では、調整冶具プレート8に対するハウジング60の位置が、第1円筒部621および第2円筒部623によって規制される。詳しくは、図9を参照して、読取ユニット224のアパーチャーAPが、調整冶具プレート8の調整用原稿81に対向するように、読取ユニット224の天地が反転された状態で、読取ユニット224が調整冶具プレート8に装着される(図9の矢印DM)。この際、読取ユニット224の第1円筒部621に第1調整用位置決めピン82が挿入され、第2円筒部623に第2調整用位置決めピン83が挿入される。前記円筒部の内径と位置決めピンの外径とは予め所定の嵌め合いとなるように設定されている。この結果、調整冶具プレート8に対する読取ユニット224の位置が規制される。そして、光源50Aから照射された光は、調整用原稿81によって反射された後、読取ユニット224のCCD76によって受光される。不図示の検査制御部によって、CCD76から出力される画像データが検査される。そして、前記画像データの検査結果(画像の傾き、焦点不良、ゆがみ)に応じて、レンズ75の位置が図6の矢印DR方向において調整される。また、CCD76の位置が、図6の矢印DC1およびDC2方向において調整される。
このように、本実施形態によれば、ハウジング60に対する照明ユニット50およびハウジング蓋部61の位置を規制する位置決め部を利用して、調整冶具プレート8に対するハウジング60の位置決めを実現することができる。このため、前記光路Lに対するレンズ75およびCCD76の位置が安定して調整される。また、光源50A、アパーチャーAPと、レンズ75またはCCD76との相対的な位置精度が安定して維持される。さらに、一対の円筒部材(第1円筒部621、第2円筒部623)、規制部(第1規制部514、第2規制部516)、孔部(第1開口部611、第2開口部612)および第1調整用位置決めピン82、第2調整用位置決めピン83がそれぞれ同軸上に配置される。この結果、前記光路Lに対するレンズ75またはCCD76の位置が更に安定して調整される。また、光源50A、アパーチャーAPと、レンズ75またはCCD76との相対的な位置精度が更に安定して維持される。
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば次のような変形実施形態を採ることができる。
(1)上記の実施形態では、第1円筒部621および第2円筒部623が、光源50A、アパーチャーAPおよび各ミラーの位置を規定する位置決め部として機能する態様にて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。図10は、本発明の変形実施形態に係るハウジング本体85の断面図である。ハウジング本体85は、上部筐体220(図1)の内部において、主走査方向(前後方向)と交差する副走査方向(左右方向)に移動可能とされる。ハウジング本体85は、支持ハウジング87(第2ハウジング)と、ガイドユニット88(第1ハウジング)とを備える。支持ハウジング87には、先の実施形態と同様に、不図示の照明ユニットおよびハウジング蓋部が固定される。支持ハウジング87は、第3円筒部871、第3締結部872および第4円筒部873を備える。第3円筒部871および第4円筒部873は、先の実施形態の第1円筒部621および第2円筒部623に相当する。すなわち、第3円筒部871および第4円筒部873は、不図示の照明ユニットおよびハウジング蓋部の位置決め機能を備える。第3結部872は、先の実施形態の第1締結部622に相当し、不図示のスクリューが締結されるネジ穴である。
ガイドユニット88は、先の実施形態のハウジング本体62においてシャフト軸受部624(図4)の周辺が別体となったユニットである。図10を参照して、第1領域87Sに示す部分が支持ハウジング87であり、第2領域88Sに示す部分がガイドユニット88である。ガイドユニット88は、シャフト89を軸支する不図示の軸受部を含む。シャフト89は、副走査方向(左右方向)に延設され、ハウジング本体85の移動をガイドする。ハウジング本体85はシャフト89に沿って副走査方向(左右方向)に移動可能とされる。
そして、本変形実施形態では、支持ハウジング87が、第3円筒部871を支点として、前記主走査方向および前記副走査方向を含む平面に沿ってガイドユニット88に対して回動可能とされる。ガイドユニット88は、第5円筒部881と、調整用長穴882とを備える。第5円筒部881は、支持ハウジング87の第3円筒部871に外嵌される。調整用長穴882は、第3締結部872に対向して配置される長穴である。第5円筒部881が第3円筒部871に外嵌された状態で、図10の矢印DPに示すように、支持ハウジング87が回動可能とされる。そして、シャフト89の軸方向と、支持ハウジング87に装着された光源の長手方向(先の実施形態における導光体53の長手方向)とが直交するように、ガイドユニット88に対する支持ハウジング87の位置が調整された状態で、不図示のスクリューが第3締結部872および調整用長穴882に締結される。この結果、ハウジング本体85における主走査方向と副走査方向との直角度が調整可能とされる。このような変形実施形態によれば、ハウジング本体85に対する不図示の照明ユニット(光源ユニット)およびアパーチャー部材の位置を規制する位置決め部の一方(第3円筒部871)を利用して、画像読取装置の主走査方向と副走査方向との直角度を調整することができる。
(2)また、第1円筒部621および第2円筒部623に代表される位置決め部は、照明ユニット50およびアパーチャー部材の位置決めを兼ね備える態様であればよく、ミラーの位置決め機能などその他の機能を備えない態様であってもよい。更に、上記の何れか2つの位置決め機能が共通化された構成であってもよい。また、照明ユニット50の光源50Aは、LED52Aおよび導光体53の組み合わせに限定されるものではない。