JP5978856B2 - 遊技機 - Google Patents

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本発明は、パチンコ機に代表される遊技機に関するものである。
従来より、複数の駆動物を駆動させて、互いを接合させることで、遊技の演出を実行する遊技機が提案されていた。
特開2011−200382号公報
この種の遊技機において、複数の駆動物を所定の位置で接合させる場合に、駆動物を駆動開始させる位置等のズレにより、所定の位置での接合が困難となる不具合があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、駆動物の制御をより安定して実行することができる遊技機を提供することを目的とする。
この目的を達成するために請求項1記載の遊技機は、可動可能に構成された第1可動手段と、その第1可動手段に接近する方向と離間する方向とに少なくとも可動可能に構成された第2可動手段と、を有し、前記第1可動手段と前記第2可動手段とは、それぞれ複数の表示面を有しており、前記複数の表示面を変位させることで、前記複数の表示面のうち予め定められた表示面を所定箇所に配置可能に構成され、前記第1可動手段と前記第2可動手段とを、少なくともそれぞれ互いに接近する接近位置と離間する離間位置との間で前記複数の表示面を変位させながら可動制御する可動制御手段と、その可動制御手段によって、前記離間位置から前記接近位置へ可動させる場合に、前記離間位置における前記1可動手段と前記第2可動手段との前記複数の表示面の配置状態を判別する状態判別手段と、その状態判別手段による判別結果に基づいて、前記可動制御手段に対して前記接近位置で前記予め定められた表示面が前記所定箇所に配置されるように補正する補正可動制御を実行させる補正制御手段と、を有するものである。
請求項2記載の遊技機は、請求項1記載の遊技機において、前記補正制御手段には、前記補正可動制御の実行内容として複数の実行内容が設定されており、前記状態判別手段による判別結果に基づいて、前記可動制御手段に対して前記複数の実行内容の中から1の実行内容を選択して実行させるものである。
請求項3記載の遊技機は、請求項記載の遊技機において、前記離間位置から所定位置まで前記第1可動手段と前記第2可動手段との少なくとも一方の変位を規制する変位規制部材が配置された変位規制領域と前記第1可動手段と第2可動手段との変位を許容する変位許容領域とが設定されており、前記複数の実行内容は、前記離間位置における前記1可動手段と前記第2可動手段との前記複数の表示面の配置状態に対応して、前記変位許容領域内に可動してから前記第1可動手段と第2可動手段とを変位させるそれぞれのタイミングを異ならせて設定されているものである。
請求項4記載の遊技機は、請求項2記載の遊技機において、前記離間位置から所定位置まで前記第1可動手段と前記第2可動手段との少なくとも一方の変位を規制する変位規制部材が配置された変位規制領域と前記第1可動手段と第2可動手段との変位を許容する変位許容領域とが設定されており、前記複数の実行内容は、前記離間位置における前記1可動手段と前記第2可動手段との前記複数の表示面の配置状態に対応して、前記接近位置に可動するそれぞれの速度を異ならせて設定されているものである。
請求項1記載の遊技機によれば、可動可能に構成された第1可動手段に接近する方向と離間する方向とに少なくとも可動可能に第2可動手段が構成されている。第1可動手段と第2可動手段とが、それぞれ互いに接近する接近位置と離間する離間位置との間で可動制御手段により可動制御される。可動可能に構成された第1可動手段と、その第1可動手段に接近する方向と離間する方向とに少なくとも可動可能に構成された第2可動手段と、を有し、前記第1可動手段と前記第2可動手段とは、それぞれ複数の表示面を有しており、前記複数の表示面を変位させることで、前記複数の表示面のうち予め定められた表示面を所定箇所に配置可能に構成され、前記第1可動手段と前記第2可動手段とを、少なくともそれぞれ互いに接近する接近位置と離間する離間位置との間で前記複数の表示面を変位させながら可動制御する可動制御手段と、その可動制御手段によって、前記離間位置から前記接近位置へ可動させる場合に、前記離間位置における前記1可動手段と前記第2可動手段との前記複数の表示面の配置状態を判別する状態判別手段と、その状態判別手段による判別結果に基づいて、前記可動制御手段に対して前記接近位置で前記予め定められた表示面が前記所定箇所に配置されるように補正する補正可動制御を実行させる補正制御手段と、を有するものである。
よって、駆動物の制御をより安定して実行することができるという効果がある。
請求項2記載の遊技機によれば、請求項1記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前記補正制御手段には、前記補正可動制御の実行内容として複数の実行内容が設定されており、前記状態判別手段による判別結果に基づいて、前記可動制御手段に対して前記複数の実行内容の中から1の実行内容を選択して実行させるものである。
よって、駆動物の制御をより安定して実行することができるという効果がある。
請求項3記載の遊技機によれば、請求項2記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前記離間位置から所定位置まで前記第1可動手段と前記第2可動手段との少なくとも一方の変位を規制する変位規制部材が配置された変位規制領域と前記第1可動手段と第2可動手段との変位を許容する変位許容領域とが設定されており、前記複数の実行内容は、前記離間位置における前記1可動手段と前記第2可動手段との前記複数の表示面の配置状態に対応して、前記変位許容領域内に可動してから前記第1可動手段と第2可動手段とを変位させるそれぞれのタイミングを異ならせて設定されているものである。よって、駆動物の制御をより安定して実行することができるという効果がある。
請求項4記載の遊技機によれば、請求項2記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前記離間位置から所定位置まで前記第1可動手段と前記第2可動手段との少なくとも一方の変位を規制する変位規制部材が配置された変位規制領域と前記第1可動手段と第2可動手段との変位を許容する変位許容領域とが設定されており、前記複数の実行内容は、前記離間位置における前記1可動手段と前記第2可動手段との前記複数の表示面の配置状態に対応して、前記接近位置に可動するそれぞれの速度を異ならせて設定されているものである。よって、駆動物の制御をより安定して実行することができるという効果がある。
第1の実施形態におけるパチンコ機の正面図である。 パチンコ機の遊技盤の正面図である。 パチンコ機の背面図である。 (a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図あり、(b)は、実際の表示画面を例示した図である。 パチンコ機の遊技盤の正面図である。 パチンコ機の遊技盤の正面図である。 第1実施形態における上回転駆動体と下回転駆動体との構成を示した図である。 (a)は、上回転駆動体と下回転駆動体とが駆動する前の遊技盤の縦断面図であり、(b)は、上回転駆動体と下回転駆動体とが互いに接近する方向に駆動した状態における遊技盤の縦断面図であり、(c)は、上回転駆動体と下回転駆動体とが互いに最も接近した位置まで駆動した状態における遊技盤の縦断面図である。 (a)は、上回転駆動体と下回転駆動体とのA面同士が最も接近した場合に形成する表示面を示した図であり、(b)は、上回転駆動体と下回転駆動体とのB面同士が最も接近した場合に形成する表示面を示した図であり、(c)は、上回転駆動体と下回転駆動体とのC面同士が最も接近した場合に形成する表示面を示した図であり、(d)は、上回転駆動体と下回転駆動体とのD面同士が最も接近した場合に形成する表示面を示した図である。 第1実施形態におけるパチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 各種カウンタの概要を示す図である。 (a)は、第1当たり種別カウンタC2と特別図柄における大当たり種別との対応関係を模式的に示した模式図であり、(b)は、第2当たり乱数カウンタC4と普通図柄における当たりとの対応関係を模式的に示した模式図である。 (a)は、回転駆動シナリオテーブルの内容を模式的に示した図であり、(b)は、回転駆動原点シナリオテーブルの内容を模式的に示した図であり、(c)は、上下駆動シナリオテーブルの内容を模式的に示した図であり、(d)は、上下駆動原点シナリオテーブルの内容を模式的に示した図である。 (a)は、回転駆動補正シナリオテーブルを模式的に示した図であり、(b)は、上下駆動シナリオテーブルを模式的に示した図である。 (a)は、モーターシナリオテーブル(回転駆動)を模式的に示した図であり、(b)は、モーターシナリオテーブル(上下駆動)を模式的に示した図であり、(c)は、モータースペック設定テーブル(回転駆動)を模式的に示した図であり、(d)は、モータースペック設定テーブル(上下駆動)を模式的に示した図である。 第1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。 第1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される特別図柄変動処理を示すフローチャートである。 第1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される特別図柄変動開始処理を示したフローチャートである。 第1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される始動入賞処理を示すフローチャートである。 第1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される普通図柄変動処理を示すフローチャートである。 第1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行されるスルーゲート通過処理を示すフローチャートである。 第1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。 第1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示すフローチャートである。 第1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示すフローチャートである。 第1実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示したフローチャートである。 第1実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示したフローチャートである。 第1実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるモーターシナリオ処理を示したフローチャートである。 第1実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるモーターコマンド判定処理の一部を示したフローチャートである。 第1実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるモーターコマンド判定処理の一部を示したフローチャートである。 第1実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるモーターコマンド判定処理の一部を示したフローチャートである。 第1実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される補正動作処理を示したフローチャートである。 第1実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される駆動補正処理を示したフローチャートである。 第1実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるモーター出力処理を示したフローチャートである。 第1実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるコマンド判定処理を示したフローチャートである。 第1実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される変動表示設定処理を示したフローチャートである。 第2実施形態における上回転駆動体と下回転駆動体との構成を示した図である。 (a)は、第2実施形態における上回転駆動体の左側軸支部の詳細な構成を示した図であり、(b)は、第2実施形態における上回転駆動体の検知片の詳細な構成を示した図である。 第3実施形態におけるパチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 第3実施形態における補正シナリオテーブルを模式的に示した図である。 (a)は、第3実施形態における補正回転駆動シナリオテーブル1の内容を模式的に示した図であり、(b)は、第3実施形態における補正回転駆動シナリオテーブル2の内容を模式的に示した図であり、(c)は、第3実施形態における補正回転駆動シナリオテーブル3の内容を模式的に示した図である。 第3実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示したフローチャートである。 第3実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるモーターコマンド判定処理の一部を示したフローチャートである。 第3実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるコマンド判定処理を示したフローチャートである。
以下、本発明の第1の実施形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、第1の実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
パチンコ機10は、図1に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図8参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112aへと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、後述する第3図柄表示装置81(図2参照)で表示される演出の背景を変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
一方、第3図柄表示装置81には、ノーマルリーチ演出が開始された場合に、ノーマルリーチからスーパーリーチに発展させるときは、ノーマルリーチ中にスーパーリーチの演出態様の選択画面が表示されるように構成されており、その選択画面が表示されている間に、枠ボタン22が遊技者に操作されると、スーパーリーチ時の演出内容が変更される。
前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、前面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設され、かかる操作ハンドル51の内部には球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する押しボタン式の打ち止めスイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル51の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび打ち止めスイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。かかる球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘や風車およびレール61,62、一般入賞口63、第1入球口64、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12の裏面側に取り付けられる。一般入賞口63、第1入球口64、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジ等により固定されている。また、遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図6参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
本パチンコ機10では、球が第1入球口64へ入球した場合に特別図柄(第1図柄)の抽選が行われ、球が第2入球口67を通過した場合に普通図柄(第2図柄)の抽選が行われる。第1入球口64への入球に対して行われる特別図柄の抽選では、特別図柄の大当たりか否かの当否判定が行われると共に、特別図柄の大当たりと判定された場合にはその大当たり種別の判定も行われる。特別図柄の大当たりになると、パチンコ機10が特別遊技状態へ移行すると共に、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放され、その開放が5回(5ラウンド)繰り返される。その結果、その特定入賞口65aに多量の球が入賞するので、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。特別図柄の大当たり種別としては、「大当たりA」、「大当たりB」の2種類が設けられており、特別遊技状態の終了後には大当たり終了後の付加価値として、これらの大当たり種別に応じた遊技上の価値(遊技価値)が遊技者に付与される。
また、特別図柄(第1図柄)の抽選が行われると、第1図柄表示装置37において特別図柄の変動表示が開始されて、所定時間(例えば、11秒〜60秒など)が経過した後に、抽選結果を示す特別図柄が停止表示される。第1図柄表示装置37において変動表示が行われている間に球が第1入球口64へ入球すると、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により示されると共に、第3図柄表示装置81においても示される。第1図柄表示装置37において変動表示が終了した場合に、第1入球口64についての保留球数が残っていれば、次の特別図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。尚、パチンコ機10が特別遊技状態へ移行すると開閉される特別入賞口65aは、第1入球口64の直ぐ下に設けられている。よって、特別遊技状態中は、遊技者が特別入賞口65aに入賞させようとして球を打つので、第1入球口64にも球が多く入球する。従って、殆どの場合、パチンコ機10が特別遊技状態に移行している間に、第1入球口64についての保留球数は最大(4回)になる。
一方、第2入球口67における球の通過に対して行われる普通図柄の抽選では、普通図柄の当たりか否かの当否判定が行われる。普通図柄の当たりになると、所定時間(例えば、0.2秒または1秒)だけ第1入球口64に付随する電動役物が開放され、第1入球口64へ球が入球し易い状態になる。つまり、普通図柄の当たりになると、球が第1入球口64へ入球し易くなり、その結果、特別図柄の抽選が行われ易くなる。
また、普通図柄(第2図柄)の抽選が行われると、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が開始されて、所定時間(例えば、3秒や30秒など)が経過した後に、抽選結果を示す普通図柄が停止表示される。第2図柄表示装置83において変動表示が行われている間に球が第2入球口67を通過すると、その通過回数は最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により表示されると共に、第2図柄保留ランプ84においても示される。第2図柄表示装置83において変動表示が終了した場合に、第2入球口67についての保留球数が残っていれば、次の普通図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。
上述したように、特別図柄の大当たり種別としては、「大当たりA」、「大当たりB」の2種類が設けられている。
「大当たりA」、「大当たりB」になるといずれも、ラウンド数が16ラウンドの特別遊技状態(16R大当たり)となる。また、「大当たりA」、「大当たりB」では、上述した付加価値に加えて更に付与される大当たり終了後の付加価値がそれぞれ相違する。具体的には、「大当たりA」は、大当たり終了後から次に、特別図柄の大当たりとなるまで特別図柄の高確率状態となり、さらに普通図柄の当たり確率がアップし、「大当たりB」は、大当たり終了後から特別図柄の抽選が100回終了するまでの間は普通図柄の当たり確率がアップする。
ここで、「特別図柄の高確率状態」とは、特別図柄の大当たり確率がアップした状態、いわゆる特別図柄の確率状態(特別図柄の確変中)をいい、換言すれば、特別遊技状態(16R大当たり)へ移行し易い遊技の状態のことである。対して、「特別図柄の高確率状態」でない場合を「特別図柄の低確率状態」といい、これは特別図柄の確変状態よりも大当たり確率が低い状態、即ち、特別図柄の大当たり確率が通常の状態(特別図柄の通常状態)のことを示す。また、「普通図柄の時短状態」(普通図柄の時短中)とは、普通図柄の当たり確率がアップして、第1入球口64へ球が入球し易い遊技の状態のことをいう。対して、「普通図柄の時短状態」でない時を「普通図柄の通常状態」といい、これは普通図柄の当たり確率が通常の状態、即ち、時短中よりも当たり確率が低い状態のことを示す。以後、特別図柄の大当たり終了後からパチンコ機10が特別図柄の高確率状態になっている期間のことを特別図柄の確変期間と称す。
上述したように、本実施形態における特別図柄の大当たりでは、大当たりの種別に関わらず大当たり時のラウンド数と、特別図柄の確変期間とを共通とし、その大当たりの種別に応じて「普通図柄の時短状態」となる期間を変えている。これに対して、大当たりの種別に応じてラウンド数を変えても良いし、大当たりの種別の一部のみラウンド数を変えても良い。また、例えば、大当たりの種別に応じて「普通図柄の時短状態」となる期間を変える代わりに、第1入球口64に付随する電動役物(図示せず)を開放する時間や、1回の普通図柄の当たりで電動役物を開放する回数を変更するものとしても良い。また、本実施形態では、大当たり終了後に、「特別図柄の高確率状態」および「普通図柄の時短状態」となるが、「特別図柄の高確率状態」が終了した後に、「普通図柄の時短状態」となるように構成しても良い。
また、特別図柄の大当たりになって、「普通図柄の通常状態」から「普通図柄の時短状態」へ移行すると、その状態は、その特別図柄の大当たり終了後から特別図柄の抽選が所定回数(本実施形態では、100回)終了するまで継続される。一方、特別図柄の大当たりになった後、所定回数分の特別図柄の抽選が終了するまでに、新たな特別図柄の大当たりにならないと、「普通図柄の通常状態」に戻る。
遊技領域の正面視右側上部(図2の右側上部)には、発光手段である複数の発光ダイオード(以下、「LED」と略す。)37aと7セグメント表示器37bとが設けられた第1図柄表示装置37が配設されている。第1図柄表示装置37は、後述する主制御装置110で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。複数のLED37aは、第1入球口64への入球(始動入賞)に伴って行われる特別図柄の抽選が実行中であるか否かを点灯状態により示すことによって変動表示を行ったり、変動終了後の停止図柄として、その特別図柄の抽選結果に応じた特別図柄(第1図柄)を点灯状態により示したり、第1入球口64に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を点灯状態により示すものである。
この第1図柄表示装置37において特別図柄(第1図柄)の変動表示が行われている間に球が第1入球口64へ入球した場合、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37により示されると共に、第3図柄表示装置81においても示される。なお、本実施形態においては、第1入球口64への入球は、最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。
7セグメント表示器37bは、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行うものである。なお、LED37aは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態(特別図柄の高確率状態や、普通図柄の時短中など)を表示することができる。また、LED37aには、変動終了後の停止図柄として特別図柄の抽選結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別(大当たりA、大当たりB)に応じた特別図柄(第1図柄)が示される。
また、遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す。)で構成された第3図柄表示装置81と、LEDで構成された第2図柄表示装置83と、第3図柄表示装置81の前面側に配置された上回転駆動体900と下回転駆動体910とが設けられている。この可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、上回転駆動体900と下回転駆動体910との前面側にセンターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は、第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を行うものである。例えば、第1入球口64へ球が入球(始動入賞)すると、それをトリガとして、第1図柄表示装置37において特別図柄(第1図柄)の変動表示が実行される。更に、第3図柄表示装置81では、その特別図柄の変動表示に同期して、その特別図柄の変動表示に対応する第3図柄の変動表示が行われる。
第3図柄表示装置81は、8インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、後述する表示制御装置114によって表示内容が制御されることにより、例えば左、中及び右の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列毎に縦スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態では、主制御装置110の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37で行われるのに対して、第3図柄表示装置81はその第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示が行われる。なお、表示装置に代えて、例えば、リール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
ここで、図4を参照して、第3図柄表示装置81の表示内容について説明する。図4は、第3図柄表示装置81の表示画面を説明するための図面であり、図4(a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図であり、図4(b)は、実際の表示画面を例示した図である。
第3図柄は、「0」から「9」の数字を付した10種類の主図柄により構成されている。各主図柄は、木箱よりなる後方図柄の上に「0」から「9」の数字を付して構成され、そのうち奇数番号(1,3,5,7,9)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯に大きな数字が付加されている。これに対し、偶数番号(0,2,4,6,8)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯にかんな、風呂敷、ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄が付加されており、付属図柄の右下側に偶数の数字が緑色で小さく、且つ、付属図柄の前側に表示されるように付加されている。
また、本実施形態のパチンコ機10においては、後述する主制御装置110(図10参照)により行われる特別図柄の抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う変動表示が行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。一方、特別図柄の抽選結果が外れであった場合は、同一の主図柄が揃わない変動表示が行われる。
例えば、特別図柄の抽選結果が「大当たりA」であれば、奇数番号である「1,4,5,9」が付加された主図柄が揃う変動表示が行われる。また、「大当たりB」であれば、奇数番号である「1,3,5,7,9」が付加された主図柄が揃う変動表示が行われる。
図4(a)に示すように、第3図柄表示装置81の表示画面は、大きくは上下に2分割され、下側の2/3が第3図柄を変動表示する主表示領域Dm、それ以外の上側の1/3が予告演出、キャラクタおよび保留球数などを表示する副表示領域Dsとなっている。
主表示領域Dmは、左・中・右の3つの表示領域Dm1〜Dm3に区分けされており、その3つの表示領域Dm1〜Dm3に、それぞれ3つの図柄列Z1,Z2,Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3には、上述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列Z1〜Z3には、数字の昇順または降順に主図柄が配列され、各図柄列Z1〜Z3毎に周期性をもって上から下へとスクロールして変動表示が行われる。特に、左図柄列Z1においては主図柄の数字が降順に現れるように配列され、中図柄列Z2及び右図柄列Z3においては主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。
また、主表示領域Dmには、各図柄列Z1〜Z3毎に上・中・下の3段に第3図柄が表示される。この主表示領域Dmの中段部が有効ラインL1として設定されており、毎回の遊技に際して、左図柄列Z1→右図柄列Z3→中図柄列Z2の順に、有効ラインL1上に第3図柄が停止表示される。その第3図柄の停止時に有効ラインL1上に大当たり図柄の組合せ(本実施形態では、同一の主図柄の組合せ)で揃えば大当たりとして大当たり動画が表示される。
一方、副表示領域Dsは、主表示領域Dmよりも上方に横長に設けられており、さらに左右方向に3つの小領域Ds1〜Ds3に等区分されている。このうち、小領域Ds1は、第1入球口64に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を表示する領域であり、小領域Ds2およびDs3は、予告演出画像を表示する領域である。
実際の表示画面では、図4(b)に示すように、主表示領域Dmに第3図柄の主図柄が合計9個表示される。副表示領域Dsにおいては、右の小領域Ds3に動画が表示され、通常より大当たりへ遷移し易い状態であることが遊技者に示唆される。中央の小領域Ds2では、通常は、所定のキャラクタ(本実施形態ではハチマキを付けた少年)が所定動作をし、時として所定動作とは別の特別な動作をしたり、別のキャラクタが現出する等して予告演出が行われる。
一方、第3図柄表示装置81(第1図柄表示装置37)にて変動表示が行われている間に球が第1入球口64へ入球した場合、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37により示されると共に、副表示領域Dsの小領域Ds1においても示される。小領域Ds1には、保留球数1球につき1つの保留球数図柄が表示され、その保留球数図柄の表示数に応じて、保留球数が表示される。即ち、小領域Ds1に1つの保留球数図柄が表示されている場合は、保留球数が1球であることを示し、4つの保留球数図柄が表示されている場合は、保留球数が4球であることを示す。また、小領域Ds1に保留球数図柄が表示されていない場合は、保留球数が0球である、即ち、保留球が存在しないことを示す。
なお、本実施形態においては、第1入球口64への入球は、最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、小領域Ds1における保留球数図柄の表示に代えて、保留球数を第3図柄表示装置81の一部に数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第3図柄表示装置81に保留球数を表示させないものとしてもよい。更に、可変表示装置ユニット80に、保留球数を示す保留ランプを最大保留数分の4つ設け、点灯状態の保留ランプの数に応じて、保留球数を表示するものとしてもよい。
主制御装置110では、第1入球口64へ球が入球(始動入賞)すると、それをトリガとして、特別図柄の抽選が行われ、その後、第1図柄表示装置37において特別図柄(第1図柄)の変動表示が実行される。更に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドが送信され、その結果、第3図柄表示装置81では、第1図柄表示装置37の変動表示に応じて第3図柄の変動表示が行われる。
また、図5〜図9を参照して、上回転駆動体900と下回転駆動体910との構成について説明する。図2に示すように、通常は、上回転駆動体900は、第3図柄表示装置81の上方に、センターフレーム86の背面側に重なるように配置されている。また、下回転駆動体910は、通常は、第3図柄表示装置81の表示領域と重なる領域が最小限となるように下方に配置されている。詳細は後述するが、上回転駆動体900と下回転駆動体910とは、それぞれ上下に駆動(可動)可能に構成され、さらに、それぞれが回転可能に構成されている。
図5〜図6に示すように、上回転駆動体900と下回転駆動体910とは、互いに遊技機垂直方向を軸に回転しながら、上回転駆動体900は下降し、下回転駆動体910は上昇する。そして、互いに予め定められた(変動パターンで予め決定された)面を前面側に向けた状態で、それぞれ接触(当接)する。ここで、接触するとは、上回転駆動体900と下回転駆動体910とが互いに当接することを示している。本実施形態では、上回転駆動体900と下回転駆動体910とが互いに接触した場合には、互いの表示面には若干の隙間が生じている。この接触する位置を互いに接近する位置に駆動した状態となる。なお、互いの表示面を接触させるように構成しても当然よい。互いに接触することで、図6に示すように、遊技者に所定の報知態様を報知(図6の例であれば、「チャンス」という文字を表示)する構成となっている。また、接近した場合に、互いの表示面を合わせて(融合させて)表示内容が識別できる距離まで近づければ良い。
図7を参照して、上回転駆動体900と下回転駆動体910との構成について、さらに詳細に説明する。上回転駆動体900と下回転駆動体910とは、略同じ形状で構成されている。その為、上回転駆動体900において、説明した箇所と同一の構成については、下回転駆動体910の説明を省略する。
図7に示すように、上回転駆動体900は、A面900a、B面900b、C面900c、D面900dを有する直方体で構成された箱形形状の表示面を有している。上回転駆動体900は、右側方面900eに設けられた右側軸支部900Rと、左側方面900fに設けられた左側軸支部900Lとで回転可能に軸支されている。右側軸支部900Rは、円筒形状で構成されて、後述する右側面900eから突出する軸部と嵌合可能に構成された右円筒部900Raと、円筒部の右端部から右方に突出して形成された直方体形状の右突出片900Rbとで構成されている。同様に、左側軸示部900Lは、円筒形状で構成されて、後述する左側方面900fから突出する軸部と嵌合可能に構成された左円筒部900Laと、円筒部の左端部から左方に突出して形成された直方体形状の左突出片900Lbとで構成されている。
右側方面900eからは、右側軸支部900Rと内接可能に構成された軸部(図示せず)が突出して設けられている。また、左側方面900fからは、左側軸支部900Lと内接可能に構成された軸部(図示せず)が突出して設けられている。
また、右側方面900eからは回動用のピニオンギアである上回転駆動ギア901が突出して設けられている。また、右側軸支部900Rには、回転駆動用のステッピングモータである上回転用モータ903が設けられており、上回転モータ903には上回転駆動ギア901と嵌合する上回転用ギア902が設けられている。上回転用モータ903が作動して、上回転用ギア902が回転することにより、上回転駆動ギア901を回転させて、上回転駆動体900の表示面を回転させる。
また、右側軸支部900Rの右突出片900Raには、上下駆動用のステッピングモータである上駆動モータ905が設けられている。上駆動モータ905には、上下駆動のラック990と嵌合するピニオンギアである上下駆動ギア906が設けられている。上回転駆動体900と下回転駆動体910との右側後方には、上回転駆動体900と下回転駆動体910とがそれぞれ上下動するのに、上下駆動ギア906,916とそれぞれ嵌合するギア部を有するラックが上下方向に、上回転駆動体900と下回転駆動体910との移動ストロークよりも長く配置されている。
上回転駆動体900と下回転駆動体910との左側端部後方には、滑り止め用の溝が設けられた支柱991が、上下駆動のストロークよりも長く設けられている。上回転駆動体900と下回転駆動体910との左側軸支部900L,910Lの左突出片900Lb,910Lbには、支柱991を挿通可能に構成されている。
このように、左側軸支部900Lに支柱991を挿通させることで、滑らかに上回転駆動体900を上下に駆動させられる。また、上回転駆動体900の振動を抑制できる。また、上回転駆動体900の表示面は、右側軸支部900Rと左側軸支部900Lと内接する軸部によりそれぞれ軸支されていることで、滑らかに回転することができる。また、上回転駆動体900の振動を抑制することができる。
図7に示すように、右側軸支部900Rには、上回転駆動体900の表示面の原点位置を検知するための反射型センサーである上回転センサー908が設けられている。右側面900eには、上回転センサー908に検知される検知片907が突出して設けられている。また、右側軸支部900Rの右突出片900Raの右端部上方には、上駆動センサー920(図8参照)を検知させる為の検知片904が突出して設けられている。なお、この検知片904は、上回転駆動体900の上下方向の原点位置を検出するための上駆動センサー920(図8参照)により原点位置を検出するためのものである。
図8(a)〜(c)は、上回転駆動体900と下回転駆動体910との右側より遊技盤を切断して、その断面を右側より見た断面図である。図8(a)に示すように、遊技盤13の背面側には、上回転駆動体900と下回転駆動体910とを遊技盤13の背面側に固定するための駆動ベース体800が設けられている。駆動ベース体800は、ポリカーボネート等の樹脂で構成されており、遊技盤13の開口部と連通する開口を有した額縁形状で構成され、遊技盤13の開口部を覆うように背面側に固定されている。駆動ベース800には、支柱991やラック990が固定されており、上回転駆動体900と下回転駆動体910とが上下動可能に保持されている。背面ベース体800の背面側には、第3図柄表示装置81が取り付けられる。
図8(a)は、上回転駆動体900と下回転駆動体800とがそれぞれ、通常時における収納時の位置である、第3図柄表示装置81の上方と下方とにそれぞれ配置された状態を示した図である。なお、収納時においては、上回転駆動体900と下回転駆動体910とはそれぞれ、A面900a,910aが前面側を向くように収納されている。
駆動ベース体800には、上回転駆動体900と下回転駆動体910とが収納位置(原点位置)から互いに駆動した場合に、その収納位置を装飾するための装飾枠801,802が額縁形状に設けられている。この装飾枠801,802により、上回転駆動体900と下回転駆動体910とが収納位置から駆動した場合にも、その空いた領域のデザインを良くすることができる。
図8(a)で示す収納時の位置にある場合に、その背面側に上回転駆動体900と下回転駆動体910との回転が、装飾枠801、802によりそれぞれ規制される。なお、装飾枠801,802によって、上回転駆動体900と下回転駆動体910との回転がそれぞれ規制される領域を回転規制領域と示す。また、上回転駆動体900と下回転駆動体910とが互いに接近して、互いの回動領域に進入する領域も回動規制領域となる。
このように構成することで、収納時に上回転駆動体900または下回転駆動体910が回転してしまい、駆動する場合に、上回転駆動体900と下回転駆動体910とが設定されている面同士が接触することが困難となる不具合を防止できる。
図8(b)は、上回転駆動体900と下回転駆動体910とが駆動開始して、装飾枠801,802と当接しない位置まで駆動して、回転を開始した状態を示す図である。なお、回動規制領域を除く領域が上回転駆動体900と下回転駆動体910と当接しない領域を回転許容領域と示す。
図8(c)は、上回転駆動体900と下回転駆動体910とがそれぞれ接触した状態を示す図である。なお、本実施形態では、上回転駆動体900と下回転駆動体910とが接触する場合には、上回転駆動体900と下回転駆動体910との表示面の同じ面(例えば、C面同士)が前面側に位置するように接触するように駆動制御される。この駆動制御の詳細については、後述する。なお、本実施形態では、上回転駆動体900と下回転駆動体910とは、互いに同じ速度で接近して接触するように構成したが、互いに異なる速度で接近して、互いに異なる移動量の位置で接触するように構成しても当然よい。このように構成することで、多彩に上回転駆動体900と下回転駆動体910とを駆動させることができる。
図9(a)〜(d)は、上回転駆動体900と下回転駆動体910とがそれぞれの面に対して接触した場合の状態を示した図である。図9(a)は、上回転駆動体900の表示面のA面900aと下回転駆動体910の表示面のA面910aとが前面側を向いた状態で接触した状態(上回転駆動体900の表示面のD面900dと下回転駆動体910の表示面のB面910bとが接触した状態)を示している。この状態では、遊技者には、「☆」の図柄が報知される。ここで、「☆」の図柄は、遊技者に特別図柄(第1図柄)の抽選結果の当たりとなる期待度(期待値)を示している。
図9(b)は、上回転駆動体900の表示面のB面900bと下回転駆動体910の表示面のB面910bとが前面側を向いた状態で接触した状態(上回転駆動体900の表示面のA面900aと下回転駆動体910の表示面のC面910cとが接触した状態)を示している。この状態では、遊技者に「?」の図柄が報知される。ここで、「?」の図柄は、遊技者に特別図柄(第1図柄)の抽選結果の当たりとなる期待度を示している。
図9(c)は、上回転駆動体900の表示面のC面900cと下回転駆動体910の表示面のC面910cとが前面側を向いた状態接触した状態(上回転駆動体900の表示面のB面900bと下回転駆動体910の表示面のD面910dとが接触した状態)を示している。この状態では、遊技者には、「チャンス」の文字が報知される。ここで、「チャンス」の文字は、遊技者に特別図柄(第1図柄)の抽選結果の当たりとなる期待度を示している。
図9(d)は、上回転駆動体900の表示面のD面900dと下回転駆動体910の表示面のD面910dとが前面側を向いた状態接触した状態(上回転駆動体900の表示面のC面900cと下回転駆動体910の表示面のA面910aとが接触した状態)を示している。この状態では、遊技者には、「△」の図柄が報知される。ここで、「△」の図柄は、遊技者に特別図柄(第1図柄)の抽選結果の当たりとなる期待度を示している。
このように、上回転駆動体900と下回転駆動体910とでそれぞれ示される図柄や文字にはそれぞれ特別図柄(第1図柄)が当たりとなる期待値(当たりとなる確率)が設定されており、「チャンス」の文字の報知は、「☆」、「△」、「?」より最も当たりの場合に選択される確率が高く、次に、「☆」、「△」、「?」の順に当たりの場合に選択される確率が高く設定されている。よって、遊技者は、上回転駆動体900と下回転駆動体910とで報知される報知内容により、抽選結果に対して異なる期待を持つことができる。従って、より遊技に対する興趣を増大させることができる。
図2に戻って、説明を続ける。第2図柄表示装置83は、球が第2入球口67を通過することに伴って行われる普通図柄の抽選が実行中であるか否かを点灯状態により示すことによって変動表示を行ったり、変動終了後の停止図柄として、その普通図柄の抽選結果に応じた普通図柄(第2図柄)を点灯状態により示すものである。
より具体的には、第2図柄表示装置83では、球が第2入球口67を通過する毎に、第2図柄としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。パチンコ機10は、第2図柄表示装置83における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止すると、第1入球口64に付随する電動役物が所定時間だけ作動状態となり(開放される)、その結果、第1入球口64に球が入り易い状態となるように構成されている。球が第2入球口67を通過した通過回数は最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37により表示されると共に第2図柄保留ランプ84においても点灯表示される。第2図柄保留ランプ84は、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、普通図柄(第2図柄)の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプ84の点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、第2入球口67における球の通過は、第1入球口64と同様に、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプ84により点灯表示を行わないものとしても良い。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入球し得る第1入球口64が配設されている。この第1入球口64へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110で特別図柄の抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37のLED37aで示される。また、第1入球口64は、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。
第1入球口64の下方には可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。パチンコ機10においては、主制御装置110で行われる特別図柄の抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37のLED37aを点灯させると共に、その大当たりに対応した第3図柄の停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる特別遊技状態(5ラウンドの大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、5回(5ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
可変入賞装置65は、具体的には、特定入賞口65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図示せず)とを備えている。特定入賞口65aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が特定入賞口65aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37において大当たりに対応したLED37aが点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。
遊技盤13の下側における左右の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
更に、遊技盤13には、アウト口66が設けられている。いずれの入賞口63,64,65aにも入球しなかった球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図6参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図6参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図10を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図10は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
主制御装置110では、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。そして、RAM203には、これらの処理を制御するための各種カウンタが設けられている。ここで、図11を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。これらのカウンタ等は、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。
特別図柄の抽選や、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定には、特別図柄の抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、特別図柄の大当たり種別を選択するために使用する第1当たり種別カウンタC2と、特別図柄における外れの停止種別を選択するために使用する停止種別選択カウンタC3と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1とが用いられる。また、普通図柄の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度、前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図16参照)の実行間隔である2ミリ秒間隔で更新され、また、一部のカウンタは、メイン処理(図24参照)の中で不定期に更新されて、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる特別図柄保留球格納エリア203aが設けられており、これらの各エリアには、第1入球口64への入球タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。また、RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる普通図柄保留球格納エリア203bが設けられており、これらの各エリアには、球が左右何れかの第2入球口(スルーゲート)67を通過したタイミングに合わせて、第2当たり乱数カウンタC4の値が格納される。
各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、所定の範囲(例えば、0〜299)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜299の値を取り得るカウンタの場合は299)に達した後0に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。
また、第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。即ち、例えば、第1当たり乱数カウンタC1が0〜299の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、0〜299の範囲のループカウンタである。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図16参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図24参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄保留球格納エリア203aに格納される。そして、特別図柄の大当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される特別図柄大当たり乱数テーブル(図示せず)によって設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄大当たり乱数テーブルによって設定された大当たりとなる乱数の値と一致する場合に、特別図柄の大当たりと判定する。また、この特別図柄大当たり乱数テーブルは、特別図柄の低確率時(特別図柄の低確率状態である期間)用と、その低確率時より特別図柄の大当たりとなる確率の高い高確率時(特別図柄の高確率状態である期間)用との2種類に分けられ、それぞれに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なって設定されている。このように、大当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、特別図柄の低確率時と特別図柄の高確率時とで、大当たりとなる確率が変更される。尚、特別図柄の高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブル(図示せず)と、特別図柄の低確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブル(図示せず)とは、主制御装置110のROM202内に設けられている。
第1当たり種別カウンタC2は、特別図柄の大当たりとなった場合に、第1図柄表示装置37の表示態様を決定するものであり、所定の範囲(例えば、0〜99)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜99の値を取り得るカウンタの場合は99)に達した後0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理(図16参照)毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄保留球格納エリア203aに格納される。
ここで、特別図柄保留球格納エリア203aに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数でなければ、即ち、特別図柄の外れとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の外れ時のものとなる。
一方で、特別図柄保留球格納エリア203aに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の大当たり時のものとなる。この場合、その大当たり時の具体的な表示態様は、同じ特別図柄保留球格納エリア203aに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値が示す表示態様となる。
本実施形態のパチンコ機10における第1当たり乱数カウンタC1は、0〜299の範囲の2バイトのループカウンタとして構成されている。この第1当たり乱数カウンタC1において、特別図柄の低確率時に、特別図柄の大当たりとなる乱数値は3個あり、その乱数値である「7,107,282」は、低確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルに格納されている。このように特別図柄の低確率時には、乱数値の総数が300ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が3なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/100」となる。
一方で、特別図柄の高確率時に、特別図柄の大当たりとなる乱数値は30個あり、その値である「4,11,28,38,45,52,64,78,83,99,106,112,122,134,140,151,168,176,183,197,207,218,222,231,249,256,263,270,285,299」は、高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルに格納されている。このように特別図柄の高確率時には、乱数値の総数が300ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が30なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/10」となる。
尚、本実施形態では、低確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルに格納されている大当たりとなる乱数値と、高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルに格納されている大当たりとなる乱数値とで、重複した値とならないように、それぞれの大当たりとなる乱数値を設定している。ここで、大当たりとなる乱数値としてパチンコ機10の状況にかかわらず常に用いられる値が存在すれば、その乱数値が外部より入力されて、不正に大当たりを引き当てられやすくなるおそれがある。これに対して、本実施形態のように、状況に応じて(即ち、パチンコ機10が特別図柄の高確率状態か、特別図柄の低確率状態かに応じて)、大当たりとなる乱数値を変えることで、特別図柄の大当たりとなる乱数値が予測され難くすることができるので、不正に対する抑制を図ることができる。
また、本実施形態のパチンコ機10における第1当たり種別カウンタC2の値は、0〜99の範囲のループカウンタとして構成されている。そして、図12(a)に示すように、この第1当たり種別カウンタC2において、乱数値が「0〜59」であった場合の大当たり種別は、「大当たりA」となる。また、値が「60〜99」であった場合の大当たり種別は、「大当たりB」となる。
このように、本実施形態のパチンコ機10は、第1当たり種別カウンタC2が示す乱数の値によって、2種類の当たり種別(大当たりA、大当たりB)が決定されるように構成されている。尚、第1当たり種別カウンタC2の値(乱数値)から、特別図柄の大当たり種別を決定するための乱数値は、特別図柄大当たり種別テーブル(図示せず)により設定されており、このテーブルは、主制御装置110のROM202内に設けられている。
停止種別選択カウンタC3は、例えば0〜99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。本実施形態では、停止種別選択カウンタC3によって、第3図柄表示装置81で表示される外れ時の停止種別が選択され、リーチが発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」(例えば98,99)と、同じくリーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」(例えば90〜97の範囲)と、リーチ発生しない「完全外れ」(例えば0〜89の範囲)との3つの停止(演出)パターンが選択される。停止種別選択カウンタC3の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄保留球格納エリア203aに格納される。
尚、停止種別選択カウンタC3の値(乱数値)から、特別図柄の停止種別を決定するための乱数値は、停止種別選択テーブル(図示せず)により設定されており、このテーブルは、主制御装置110のROM202内に設けられている。また、本実施形態ではこのテーブルを、特別図柄の高確率時用と、特別図柄の低確率時用とに分けており、テーブルに応じて、外れの停止種別ごとに設定される乱数値の範囲を変えている。これは、パチンコ機10が特別図柄の高確率状態であるか、特別図柄の低確率状態であるか等に応じて、停止種別の選択比率を変更するためである。
例えば、高確率状態では、大当たりが発生し易いため必要以上にリーチ演出が選択されないように、「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0〜89と広い高確率時用のテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され易くなる。このテーブルは、「前後外れリーチ」が98,99と狭くなると共に「前後外れ以外リーチ」も90〜97と狭くなり、「前後外れリーチ」や「前後外れ以外リーチ」が選択され難くなる。また、低確率状態であれば、第1入球口64への球の入球時間を確保するために「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0〜79と狭い低確率時用のテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され難くなる。
この停止種別選択テーブルは、「前後外れ以外リーチ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が80〜97と広くなり、「前後外れ以外リーチ」が選択され易くなっている。よって、低確率状態では、演出時間の長いリーチ表示を多く行うことできるので、第1入球口64への球の入球時間を確保でき、第3図柄表示装置81による変動表示が継続して行われ易くなる。尚、後者のテーブルにおいても、「前後外れリーチ」の停止種別に対応した乱数値の範囲は98,99に設定される。
変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS1によって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ等の大まかな表示態様が決定される。表示態様の決定は、具体的には、図柄変動の変動時間の決定である。変動種別カウンタCS1により決定された変動時間に基づいて、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114により第3図柄表示装置81で表示される第3図柄のリーチ種別や細かな図柄変動態様が決定される。変動種別カウンタCS1の値は、後述するメイン処理(図24参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。尚、変動種別カウンタCS1の値(乱数値)から、図柄変動の変動時間を一つ決定する乱数値を格納した変動パターンテーブル(図示せず)は、主制御装置110のROM202内に設けられている。
変動パターンテーブルには、例えば、外れ用の変動パターンとして、「外れ(長時間用)」、「外れ(短時間用)」、「外れノーマルリーチ」各種、「外れスーパーリーチ」各種、「外れスペシャルリーチ」各種が規定されている。そして、変動パターンテーブルに規定された各種変動パターンから、予測された抽選結果や、予測された停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)に応じて変動パターンが選定される。
第2当たり乱数カウンタC4は、例えば0〜239の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり239)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。また、第2当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該第2当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。第2当たり乱数カウンタC4の値は、本実施形態ではタイマ割込処理毎に、例えば定期的に更新され、球が左右何れかの第2入球口(スルーゲート)67を通過したことが検知された時に取得され、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203bに格納される。
そして、普通図柄の当たりとなる乱数の値は、主制御装置のROM202に格納される普通図柄当たり乱数テーブル(図示せず)によって設定されており、第2当たり乱数カウンタC4の値が、普通図柄当たり乱数テーブルによって設定された当たりとなる乱数の値と一致する場合に、普通図柄の当たりと判定する。また、この普通図柄当たり乱数テーブルは、普通図柄の低確率時(普通図柄の通常状態である期間)用と、その低確率時より普通図柄の当たりとなる確率の高い高確率時(普通図柄の時短状態である期間)用との2種類に分けられ、それぞれに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なって設定されている。このように、当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、普通図柄の低確率時と普通図柄の高確率時とで、当たりとなる確率が変更される。
図12(b)に示すように、普通図柄の低確率時に、普通図柄の当たりとなる乱数値は24個あり、その範囲は「5〜28」となっている。これら乱数値は、低確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに格納されている。このように普通図柄の低確率時には、乱数値の総数が240ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が24なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/10」となる。
パチンコ機10が普通図柄の低確率時である場合に、球が第2入球口67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が30秒間実行される。そして、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜28」の範囲であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第1入球口64が「0.2秒間×1回」だけ開放される。尚、本実施形態では、パチンコ機10が普通図柄の低確率時である場合に、普通図柄の当たりとなったら第1入球口64が「0.2秒間×1回」だけ開放されるが、開放時間や回数は任意に設定すれば良い。例えば、「0.5秒間×2回」開放しても良い。
一方で、普通図柄の高確率時に、普通図柄の大当たりとなる乱数値は200個あり、その範囲は「5〜204」となっている。これらの乱数値は、高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに格納されている。このように特別図柄の低確率時には、乱数値の総数が240ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が200なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/1.2」となる。
パチンコ機10が普通図柄の高確率時である場合に、球が第2入球口67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が3秒間実行される。そして、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜204」の範囲であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第1入球口64が「1秒間×2回」開放される。このように、普通図柄の高確率時には、普通図柄の低確率時と比較して、変動表示の時間が「30秒→3秒」と非常に短くなり、更に、第1入球口64の解放期間が「0.2秒×1回→1秒間×2回」と非常に長くなるので、第1入球口64へ球が入球し易い状態となる。尚、第2当たり乱数カウンタC4の値(乱数値)から、普通図柄の当たりか否かを判定する乱数値を格納したテーブル(図示せず)は、ROM202内に設けられている。尚、本実施形態では、パチンコ機10が普通図柄の高確率時である場合に、普通図柄の当たりとなったら第1入球口64が「1秒間×2回」だけ開放されるが、開放時間や回数は任意に設定すれば良い。例えば、「3秒間×3回」開放しても良い。
第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜239)、タイマ割込処理(図15参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図24参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
このように、RAM203には種々のカウンタ等が設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値に応じて大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
図10に戻り、説明を続ける。RAM203は、図11に図示した各種カウンタのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。
なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図24参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図22参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図22参照)が即座に実行される。
また、RAM203は、図10に示すように、特別図柄保留球格納エリア203aと、普通図柄保留球格納エリア203bと、特別図柄保留球数カウンタ203cと、普通図柄保留球数カウンタ203dと、時短中カウンタ203eと、その他記憶エリア203zと、を有している。
特別図柄保留球格納エリア203aは、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、及び停止種別選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。
より具体的には、球が第1入球口64へ入賞(始動入賞)したタイミングで、各カウンタC1〜C3の各値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、保留第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。尚、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、特別図柄の抽選が行われる場合には、特別図柄保留球格納エリア203aの保留第1エリアに記憶されている各カウンタC1〜C3の各値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶された各カウンタC1〜C3の各値に基づいて、特別図柄の抽選などの判定が行われる。
尚、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となる。そこで、他の保留エリア(保留第2エリア〜保留第4エリア)に記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリア(保留第1エリア〜保留第3エリア)に詰めるシフト処理が行われる。本実施形態では、特別図柄保留球格納エリア203aにおいて、入賞のデータが記憶されている保留エリア(第2保留エリア〜第4保留エリア)についてのみデータのシフトが行われる。
普通図柄保留球格納エリア203bは、特別図柄保留球格納エリア203aと同様に、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)とを有している。これらの各エリアには、第2当たり乱数カウンタC4が格納される。
より具体的には、球が左右何れかの第2入球口67を通過したタイミングで、カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、特別図柄保留球格納エリア203aと同様に、入賞した順序が保持されつつ、入賞に対応するデータが格納される。尚、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、普通図柄の当たりの抽選が行われる場合には、普通図柄保留球格納エリア203bの保留第1エリアに記憶されているカウンタC4の値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶されたカウンタC4の値に基づいて、普通図柄の当たりの抽選などの判定が行われる。
尚、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となるので、特別図柄保留球格納エリア203aの場合と同様に、他の保留エリアに記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリアに詰めるシフト処理が行われる。また、データのシフトも、入賞のデータが記憶されている保留エリアについてのみ行われる。
特別図柄保留球数カウンタ203cは、第1入球口64への入球(始動入賞)に基づいて第1図柄表示装置37で行われる特別図柄(第1図柄)の変動表示(第3図柄表示装置81で行われる変動表示)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この特別図柄保留球数カウンタ203cは、初期値がゼロに設定されており、第1入球口64へ球が入球して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図19のS404参照)。一方、特別図柄保留球数カウンタ203cは、新たに特別図柄の変動表示が実行される毎に、1減算される(図17のS205参照)。
この特別図柄保留球数カウンタ203cの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)は、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される(図17のS206、図19のS405参照)。保留球数コマンドは、特別図柄保留球数カウンタ203cの値が変更される度に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
音声ランプ制御装置113は、特別図柄保留球数カウンタ203cの値が変更される度に、主制御装置110より送信される保留球数コマンドによって、主制御装置110に保留された変動表示の保留球数そのものの値を取得することができる。これにより、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223aによって管理される変動表示の保留球数が、ノイズ等の影響によって、主制御装置110に保留された実際の変動表示の保留球数からずれてしまった場合であっても、次に受信する保留球数コマンドによって、そのずれを修正することができる。
尚、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドに基づいて保留球数を管理し、保留球数が変化する度に表示制御装置114に対して、保留球数を通知するための表示用保留球数コマンドを送信する。表示制御装置114は、この表示用保留球数コマンドによって通知された保留球数を基に、第3図柄表示装置81の副表示領域Dsに保留球数図柄を表示する。
普通図柄保留球数カウンタ203dは、第2入球口67における球の通過に基づいて第2図柄表示装置83で行われる普通図柄(第2図柄)の変動表示の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この普通図柄保留球数カウンタ203dは、初期値がゼロに設定されており、球が第2入球口67を通過して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図21のS704参照)。一方、普通図柄保留球数カウンタ203dは、新たに普通図柄(第2図柄)の変動表示が実行される毎に、1減算される(図20のS605参照)。
球が左右何れかの第2入球口67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203dの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)が4未満であれば、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、普通図柄保留球格納エリア203bに記憶される(図21のS705)。一方、球が左右何れかの第2入球口67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203dの値が4であれば、普通図柄保留球格納エリア203bには新たに何も記憶されない(図21のS703:No)。
時短中カウンタ203eは、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるか否かを示すカウンタであり、時短中カウンタ203eの値が1以上であれば、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であることを示し、時短中カウンタ203eの値が0であれば、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であることを示す。この時短中カウンタ203eは、初期値がゼロに設定されており、主制御装置110において特別図柄の抽選が行われ、特別図柄の大当たりBと判定される度に、その大当たりに応じた値(本実施形態では、100)が設定される。即ち、特別図柄の大当たりになった場合には、時短中カウンタ203eの値が幾つであるかに関わらず、大当たりBに応じた値が新たに設定される。
具体的には、大当たり種別が「大当たりB」であると判定されると、時短中カウンタ203eは100に設定される(図17のS214参照)。その後、時短中カウンタ203eの値が0になるまで、特別図柄の変動演出が終了する毎に1が減算される(図17のS218)。
普通図柄の当たりの抽選が行われる場合には、時短中カウンタ203eの値が参照され、その値が1以上であれば、高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに基づいて、普通図柄の抽選が行われる一方、時短中カウンタ203eの値が0であれば、低確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに基づいて、普通図柄の抽選が行われる(図20のS610,S611参照)。
パチンコ機10が特別図柄の確変状態である場合に特別図柄の抽選(当否判定)が行われる場合には、特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアに格納される第1当たり乱数カウンタC1の値と、高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルに格納されている30の乱数値とが比較され、互いの値が一致する場合に特別図柄の大当たりと判定される。
よって、MPU201は、実行エリアの第1当たり乱数カウンタC1の値を、高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルに格納されている30の乱数値と1つ1つと比較することによって当否判定を行うことになるので、一致する値が見つからなければ、その処理にかかる時間が長いものとなる。また、一致する値が見つからず、特別図柄の抽選(当否判定)の結果が外れになると、外れ時の停止種別を決定する処理として、停止種別選択カウンタC3の値を、停止種別選択テーブルに格納されている乱数値と比較する処理が行われるので、更に処理に時間を要する。より具体的には、停止種別選択カウンタC3の値を、リーチが発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」となる乱数値や、同じくリーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」となる乱数値や、リーチ発生しない「完全外れ」となる乱数値と比較する処理が行われる。
更に、主制御装置110に設けられているMPU201は、パチンコ機10の試験を容易にするために、通常、8ビットのMPUを用いているが、この8ビットのMPUを用いて、2バイトのカウンタである第1当たり乱数カウンタC1の値を比較するには、多くの処理時間を要する。
また、本実施形態では、第1入球口64への球の入賞を3回のタイマ割込処理にわたって検出している。具体的には、1のタイマ割込処理(1回目のタイマ割込処理)で第1入球口64に対応して設けられた第1入球口スイッチ(図示せず)がオフであることを検出した後、続くタイマ割込処理(2回目のタイマ割込処理)で第1入球口スイッチがオンであることを検出し、さらに続くタイマ割込処理(3回目のタイマ割込処理)で第1入球口スイッチがオンであることを検出した場合に、第1入球口64に球の入賞があったことを検出する。これにより、ノイズの影響によって第1入球口スイッチの出力が変動した場合に、球の入賞の誤検出を防ぐことができるようになっている。このように、第1入球口64への球の入賞を3回のタイマ割込処理にわたって検出するので、あるタイマ割込処理で第1入球口64への入賞が検出された場合、次のタイマ割込処理では絶対に第1入球口64への入賞は検出されない。よって、繰り返し実行されるタイマ割込処理のうち、実行順序が連続する2つのタイマ割込処理において共に、始動入賞が検出されることはない。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37、第2図柄表示装置83、第2図柄保留ランプ84、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ208や、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図21参照)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、上回転駆動体900と下回転駆動体910との駆動制御データーの出力、変動演出(変動表示)といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、枠ボタン22、上回転モータ903、下回転モータ913、上駆動モータ905、下駆動モータ915、上回転センサ908、下回転センサ918、上駆動センサ920、下駆動センサ930などがそれぞれ接続されている。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110からのコマンドや、音声ランプ制御装置113に接続された各種装置等の状況に応じてエラーを判定し、そのエラーの種別を含めてエラーコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114では、受信したエラーコマンドによって示されるエラー種別(例えば、振動エラー)に応じたエラーメッセージ画像を第3図柄表示装置81に遅滞無く表示させる制御が行われる。
音声ランプ制御装置113のROM222には、回転駆動シナリオテーブル222a、回転駆動原点シナリオテーブル222b、回転駆動補正シナリオテーブル222c、上下駆動シナリオテーブル222d、上下駆動原点シナリオテーブル222e、上下駆動補正シナリオテーブル222f、モータシナリオテーブル222g、モータスペック設定テーブル222hが少なくとも設けられている。
回転駆動シナリオテーブル222aは、上回転駆動体900の上回転モータ903の駆動制御データが設定されたデータテーブルである。この回転駆動シナリオテーブル222aは、変動パターンに予め設定された上回転駆動体900と下回転駆動体910との動作タイミングとなると実行される。図13(a)に示すように、回転駆動シナリオテーブル222aに設定されている時間は、動作タイミングとなってからの各動作シナリオの駆動時間を設定している。センサデータは、ONに設定されている場合には、上回転センサ908または下回転センサ918がオンとなるまで動作するように設定されていることを示している。ステップ数は、上回転モータ903または下回転モータ913を停止させるステップカウンタ223jの値を示している。スピードは、上回転モータ903または下回転モータ913のステッピングモータを動作させるスピードが設定されている。
本実施形態では、スピードが1である場合には、1ms毎にステッピングモータが励磁されるスピードとなり、スピードが2である場合には、2ms毎にステッピングモータが励磁されるスピードとなり、スピードが3である場合には、3ms毎にステッピングモータが励磁されるスピードとなり、スピードが4である場合には、4ms毎にステッピングモータが励磁されるスピードとなっている。つまり、スピード1が最も早い速度で設定されることとなり、スピード2は、スピード1の1/2のスピード、スピード3は、スピード1の1/3のスピード、スピード4は、スピード1の1/4のスピードとなっている。なお、スピード0は停止を示している。
方向は、モータを回転させる方向を示しており、正方向は、励磁カウンタ223hを加算して更新する方向にモータを回転させ、逆方向は、励磁カウンタ223hを減算して更新する方向にモータを回転させる。方向0は、モータの停止を示している。
ここで、変動パターンに設定されている上回転駆動体900と下回転駆動体910との動作タイミングとなるとこの回転駆動シナリオテーブル222aでは、時間1000msに対応する動作シナリオが設定される。1000msの間、ステップ数0、スピード0、方向0が設定されていることから、1000msの間、上回転モータ903、下回転モータ910は停止することを示している。1000msの時間が経過すると次の動作シナリオが設定され、次の動作シナリオでは、3000msの間で、ステップカウンタ223jが150となるまでスピード1の速さで正方向の方向に上回転モータ903と下回転モータ913とを回転させる。3000msの間で、ステップカウンタ223jの値が150となるまで回転されると、動作フラグ223oがオンに設定されて上回転モータ903、下回転モータ913の駆動が停止した状態で待機する。本実施形態では、ステップカウンタ0から150までスピード1まで駆動するのに要する時間は3000msで設定されている。
次に、3000msが経過すると、次の動作シナリオが設定されて、ステップカウンタ150の状態で2000ms待機される。2000msが経過して、次の動作シナリオが設定されると、ステップカウンタの値が0となるまで、逆方向にスピード2の速さで上回転モータ903と下回転モータ913とが駆動される。なお、ステップカウンタの値が0の場合には、上回転駆動体900と下回転駆動体910ともに、図7に示すように、A面900a,910aを前面に位置する状態となり、ステップカウンタの値が150の場合には、上回転駆動体900と下回転駆動体910ともに、図7に示すように、C面900c,910cが前面側に位置する状態となる。
つまり、回転駆動シナリオテーブル222aでは、1000msの間、A面900a,910aを前面側にした状態で待機して、3000msの間、回転してC面900c,910cが前面側になるまで回転して、その後、2000msその状態を維持して、6000msで、逆方向に回転してA面900a,910aを前面側にした状態に駆動させる。
回転駆動原点シナリオテーブル222bは、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行する立ち上げ処理(図25)内の駆動原点処理(S1212)において、上回転モータ903と下回転モータ913との原点位置を設定するための駆動制御データが設定されたデータテーブルである。この回転駆動原点シナリオテーブルでは、図13(b)に示すように、5000msの間、待機した後、3000msの間、スピード4の速さで上回転センサー908、下回転センサ−918がオンになるまで逆方向にそれぞれ駆動する駆動制御が設定されている。
回転駆動補正シナリオテーブル222cは、上回転駆動体900と下回転駆動体910とが互いに予め定めた表示面を前面にした状態で接触することができないと判断された場合に、その補正を行うための駆動制御データが設定されたデータテーブルである。この回転駆動補正シナリオテーブル222cでは、図14(a)に示すように(ステップカウンタ223jの値が75となるまで、正方向にスピード1の速さで上回転モータ903、下回転モータ913が回転される。なお、このステップカウンタ223jの値が75は、上駆動モータ905と下駆動モータ915とがステップカウンタ223jの値が180である場合に、正常にC面900c,910cと前面側に位置した状態で上回転駆動体900と下回転駆動体910とが接触する状態となる値である。
上下駆動シナリオテーブル222dでは、上駆動モータ905、下駆動モータ915をそれぞれ駆動するための駆動制御データが設定されたデータテーブルである。この上下駆動シナリオテーブル222dでは、4000msの間、正方向にスピード1でステップカウンタ223jの値が200となるまで駆動させて、1000msの間、ステップカウンタの値が200の状態で待機させた後、8000msの間、上駆動センサ920、下駆動センサ930がそれぞれオンとなるまで、上駆動モータ905、下駆動モータ915を逆方向にスピード2の速さで駆動させる。
即ち、この上下駆動シナリオテーブル222dでは、上回転駆動体900と下回転駆動体910とが接触するまで(ステップカウンタ200の位置で互いに接触するように設定されている)駆動し、その状態で1000ms待機して、8000msかけて原点位置にそれぞれ移動する。
上下駆動原点シナリオテーブル222eは、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行する立ち上げ処理(図25)内の駆動原点処理(S1212)において、上駆動モータ905と下駆動モータ915との原点位置を設定するための駆動制御データが設定されたデータテーブルである。この上下駆動原点シナリオテーブル222eでは、図13(d)に示すように、5000msの間、ステップカウンタの値が25となるまで正方向にスピード4で駆動した後、3000msの間、その状態を維持して、5000msの間で、上駆動センサ920と下駆動センサ930とがそれぞれオンとなるまで、逆方向にスピード4の速さで駆動される。また、この原点設定動作の途中で電源等が断して、再び電源が投入された場合には、再び、上下駆動原点シナリオテーブル222eの最初の動作シナリオから実行される。
上下駆動補正シナリオテーブル222fは、上回転駆動体900と下回転駆動体910とが互いに予め定めた表示面を前面にした状態で接触することができないと判断された場合に、その補正を行うための駆動制御データが設定されたデータテーブルである。この上下駆動補正シナリオテーブル222fは、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるモータコマンド監視処理(図28、S1312)内の補正動作処理(図31、S1505)において実行される。図14(b)に示すように、上駆動モータ905、下駆動モータ915におけるステップカウンタ223jの値が180の位置で8000msの間停止した状態となる。
このように、上回転駆動体900と下回転駆動体910とが互いにそれぞれ予め定められた表示面であるC面900c,910cを前面側に向けた状態で接触可能な状態であるかを上駆動モータ905、下駆動モータ915の値が180の位置で判別する。そして、ことなる表示面が前面側に向いた状態で接触すると判別された場合には、上記の、回転駆動補正シナリオテーブル222cと上下駆動補正シナリオテーブル222fとで設定される補正制御が実行される。この補正制御では、上回転駆動体900と下回転駆動体910とが互いに接する方向(接近する方向)に駆動(移動)するのが8000msの間、中止(停止)されて、その間に、上回転モータ903と下回転モータ913とが正常な位置(ステップカウンタの値)に駆動される。よって、上回転駆動体900と下回転駆動体910とを正常な表示面を前面側に向けて接触させることができる。従って、遊技者に異なる情報を報知してしまう不具合を防止できる。
モータシナリオテーブル222gは、図15(a)、(b)に示すように、主制御装置110が出力する変動パターンコマンドが示す変動パターンに対応する回転駆動シナリオテーブル222a、上下駆動シナリオテーブル222dがそれぞれ設定されたデータテーブルである。なお、本実施形態では、説明を簡略化するため、回転駆動シナリオテーブル222a、上下駆動シナリオテーブル222dは1種類のものとしたが、それに限らず、複数種類のシナリオテーブルを設定してもよい。このように構成することで、変動パターンに対応して、前面側に位置する表示面を変えたり、上回転駆動体900と下回転駆動体910の動作パターン(速度や回転数等)を変えることができる。よって、遊技者により多彩な演出を見せることができ、遊技に飽きてしまうのを防止できる。
モータスペック設定テーブル222hは、図15(c)、(d)に示すように、上回転モータ903、下回転モータ913、上駆動モータ905、下駆動モータ915との各モータスペックを設定したデータテーブルである。なお、上回転駆動体900と下回転駆動体910とは互いに反転した動作が実行されるが、このモータースペック設定テーブル222hにおいて、励磁カウンタ223hに対応した励磁データ(励磁する層)が反転して設定されているので、同じシナリオを共通して使用することができる。これにより、上回転駆動体900と下回転駆動体910とで専用のシナリオテーブルを持たなくても制御を行うことができ、音声ランプ制御装置113のROM222のデータ量を少なくできる。
音声ランプ制御装置113のRAM223には、特別図柄保留球数カウンタ223aと、変動開始フラグ223bと、停止種別選択フラグ223cと、変動パターン格納エリア223d、シナリオ格納エリア223e、補正シナリオ格納エリア223f、励磁データ記憶エリア223g、励磁カウンタ223h、励磁タイマ223i、ステップカウンタ223j、モータ個数記憶エリア223k、駆動スペック格納エリア223m、補正フラグ223n、動作フラグ223o、その他記憶エリア223zとが少なくとも設けられている。
特別図柄保留球数カウンタ223aは、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cと同様に、第1図柄表示装置37(および第3図柄表示装置81)で行われる変動演出(変動表示)であって、主制御装置110において保留されている変動演出の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。
上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110に直接アクセスして、主制御装置110のRAM203に格納されている特別図柄保留球数カウンタ203cの値を取得することができない。よって、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から送信される保留球数コマンドに基づいて保留球数をカウントし、特別図柄保留球数カウンタ223aにて、その保留球数を管理するようになっている。
具体的には、主制御装置110では、第1入球口64への入球によって変動表示の保留球数が加算された場合、又は、主制御装置110において特別図柄における変動表示が実行されて保留球数が減算された場合に、加算後または減算後の特別図柄保留球数カウンタ203cの値を示す保留球数コマンドを、音声ランプ制御装置113へ送信する。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より送信される保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cの値を取得して、特別図柄保留球数カウンタ223aに格納する(図34のS1911参照)。このように、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信される保留球数コマンドに従って、特別図柄保留球数カウンタ223aの値を更新するので、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cと同期させながら、その値を更新することができる。
特別図柄保留球数カウンタ223aの値は、第3図柄表示装置81における保留球数図柄の表示に用いられる。即ち、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドの受信に応じて、そのコマンドにより示される保留球数を特別図柄保留球数カウンタ223aに格納すると共に、格納後の特別図柄保留球数カウンタ223aの値を表示制御装置114に通知するべく、表示用保留球数コマンドを表示制御装置114に対して送信する。
表示制御装置114では、この表示用保留球数コマンドを受信すると、そのコマンドにより示される保留球数の値、即ち、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223aの値分の保留球数図柄を第3図柄表示装置81の副表示領域Dsの小領域Ds1に表示するように、画像の描画を制御する。上述したように、特別図柄保留球数カウンタ223aは、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203aと同期しながら、その値が変更される。従って、第3図柄表示装置81の副表示領域Dsの小領域Ds1に表示される保留球数図柄の数も、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203aの値に同期させながら、変化させることができる。よって、第3図柄表示装置81には、変動表示が保留されている保留球の数を正確に表示させることができる。
変動開始フラグ223bは、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドを受信した場合にオンされ(図34のS1902参照)、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる(図35のS2002参照)。変動開始フラグ223bがオンになると、受信した変動パターンコマンドから抽出された変動パターンに基づいて、表示用変動パターンコマンドが設定される。
ここで設定された表示用変動パターンコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図26参照)のコマンド出力処理(S1302)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
停止種別選択フラグ223cは、主制御装置110から送信される停止種別コマンドを受信した場合にオンされ(図34のS1908参照)、第3図柄表示装置81における停止種別の設定がなされるときにオフされる(図35のS2006参照)。停止種別選択フラグ223cがオンになると、受信した停止種別コマンドから抽出された停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)をそのまま設定される。
変動パターン格納エリア223dは、主制御装置110から出力される変動パターンコマンドに対応する各種変動パターンのデータが記憶されている。
シナリオ格納エリア223eは、主制御装置110から出力された変動パターンコマンドを受信した場合に、その変動パターンに上回転駆動体900と下回転駆動体910とを駆動させる演出が含まれている場合に、その変動パターンに対応する上回転駆動体900と下回転駆動体910との駆動内容を示すモーターシナリオテーブル222gより選択した各シナリオ(回転駆動シナリオテーブル222a、上下駆動シナリオテーブル222c等)が記憶される記憶エリアである。このシナリオ格納エリア223eは、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行するコマンド判定処理(図34、S1316)のS1905の処理において選択された各シナリオが記憶(設定)される。
補正シナリオ格納エリア223fは、回転駆動補正シナリオテーブル222cまたは上下駆動補正シナリオテーブル222fが選択された場合に、そのシナリオが記憶される記憶エリアである。この補正シナリオ格納エリア223fは、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行する駆動補正処理(図32、S1313)のS1706の処理において、選択された各シナリオが記憶(設定)される。
励磁データ記憶エリア223gは、上回転モータ903、下回転モータ913、上駆動モータ905、下駆動モータ915に対応するそれぞれ励磁カウンタ223hの値に対応する励磁データ(図15(c)、(d)参照)が記憶される記憶エリアである。なお、この励磁データ記憶エリア223gには、それぞれのモータ毎に記憶エリアが設定されている。
励磁カウンタ223hは、上回転モータ903、下回転モータ913、上駆動モータ905、下駆動モータ915の各ステッピングモータに対して励磁する層を設定するためのカウンタである。この励磁カウンタ223hは、1〜4の範囲で更新されるカウンタ値であり、最大値である4まで更新され、その後、更新されると初期値である1に更新される。この励磁カウンタ223hは、図15(c)、(d)に示すように、各カウンタ値に対応してそれぞれ励磁する層が設定されている。
ステップカウンタ223jは、上回転モータ903、下回転モータ913、上駆動モータ905、下駆動モータ915の各ステッピングモータのステップ数を計数するためのカウンタ値である。
モータ個数記憶エリア223kは、ステッピングモータの数が記憶される記憶エリアである。本実施形態では、上回転モータ903、下回転モータ913、上駆動モータ905、下駆動モータ915の各ステッピングモータの数である4が記憶される。このモータ個数記憶エリア223kは、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行する立ち上げ処理(図25)のS1214の処理において、モータ個数(本実施形態であれば、4)が記憶される。このように、モータ個数を設定することで、モータ個数を変更する設計変更を行った場合には、このモータ個数記憶エリア223kに記憶される個数を変更することで、容易に駆動制御を変更することができる。
駆動スペック格納エリア223mは、モータスペック設定テーブル222h(図15(c)、(d)参照)に記憶されている各モータのスペック情報が記憶される記憶エリアである。この駆動スペック格納エリア223mは、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行する立ち上げ処理(図25)のS1213の処理においてモータスペック情報が記憶される。
補正フラグ223nは、上回転駆動体900と下回転駆動体910とが接合した場合に、予め定められた所定の表示面(本実施形態では、C面900c,910c)とは異なる表示面を前面にして接合する状態であることを示すフラグである。この補正フラグ223nは、初期状態(電源投入時等)では、オフに設定されており、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行する駆動補正処理(図32、S1313)において、上回転モータ903と下回転モータ913とのステップカウンタ223jの値が設定値(本実施形態では、75)でない場合にS1704の処理が実行されることによりオンに設定される。また、上回転モータ903と下回転モータ913とのステップカウンタ223jの値が設定値(本実施形態では、75)である場合にS1703の処理が実行されることによりオフに設定される。
動作フラグ223oは、シナリオ格納エリア223eに格納されている動作シナリオの動作が完了したことを示すフラグである。この動作フラグ223oは、初期状態(電源投入時等)においては、オフに設定されており、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行するモータコマンド監視処理(図28、S1312)のS1511の処理においてオンに設定される。また、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行するモータシナリオ処理(図27、S1311)の処理において、シナリオ格納エリア223eに格納されているシナリオの動作シナリオの設定時間が経過している場合に、新たな動作シナリオが格納された後に、S1407の処理においてオフに設定される。また、音声ランプ制御装置113にMPU221が実行するコマンド判定処理(図34、S1316)において、S1906の処理においてオフに設定される。
RAM223は、その他記憶エリア223zとして、主制御装置110より受信したコマンドを、そのコマンドに対応した処理が行われるまで一時的に記憶するコマンド記憶領域などを有している。なお、コマンド記憶領域はリングバッファで構成され、FIFO(First In First Out)方式によってデータの読み書きが行われる。音声ランプ処理装置113のコマンド判定処理(図34参照)が実行されると、コマンド記憶領域に記憶された未処理のコマンドのうち、最初に格納されたコマンドが読み出され、コマンド判定処理によって、そのコマンドが解析されて、そのコマンドに応じた処理が行われる。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動表示(変動演出)を制御するものである。この表示制御装置114の詳細については、すでに公知なものであるので省略する。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図24参照)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
次に、図16から図24のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2m秒間隔で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後、立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
図16は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば2ミリ秒毎に実行される定期処理である。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S101)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S102)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では299)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では239)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するバッファ領域に格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S103)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ、299,99,99,239)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
次に、第1図柄表示装置37において表示を行うための処理であると共に、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する特別図柄変動処理を実行し(S104)、次いで、第1入球口64への入賞(始動入賞)に伴う始動入賞処理を実行する(S105)。尚、特別図柄変動処理、始動入賞処理の詳細は、図17〜図19を参照して後述する。
始動入賞処理(S105)を実行した後は、第2図柄表示装置83において表示を行うための処理である普通図柄変動処理を実行し(S106)、第2入球口67における球の通過に伴うスルーゲート通過処理を実行する(S107)。尚、普通図柄変動処理、及び、スルーゲート通過処理の詳細は、図21を参照して後述する。スルーゲート通過処理(S107)を実行した後は、発射制御処理を実行し(S108)、更に、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(S109)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、且つ、発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。
次に、図17を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動処理(S104)について説明する。図17は、この特別図柄変動処理(S104)を示すフローチャートである。この特別図柄変動処理(S104)は、タイマ割込処理(図16参照)の中で実行され、第1図柄表示装置37において行う特別図柄(第1図柄)の変動表示や、第3図柄表示装置81において行う第3図柄の変動表示などを制御するための処理である。
この特別図柄変動処理では、まず、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S201)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S201:Yes)、そのまま本処理を終了する。
特別図柄の大当たり中でなければ(S201:No)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S202)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中でなければ(S202:No)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)を取得する(S203)。次に、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が0よりも大きいか否かを判別し(S204)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が0であれば(S204:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が0でなければ(S204:Yes)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)を1減算し(S205)、演算により変更された特別図柄保留球数カウンタ203cの値を示す保留球数コマンドを設定する(S206)。ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図24参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄保留球数カウンタ203cの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄保留球数カウンタ223aに格納する。
S206の処理により保留球数コマンドを設定した後は、特別図柄保留球格納エリア203aに格納されたデータをシフトする(S207)。S207の処理では、特別図柄保留球格納エリア203aの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、第1図柄表示装置37において変動表示を開始するための特別図柄変動開始処理を実行する(S208)。なお、特別図柄変動開始処理については、図18を参照して後述する。
S202の処理において、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であれば(S202:Yes)、第1図柄表示装置37において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S209)。第1図柄表示装置37において実行される変動表示の変動時間は、変動種別カウンタCS1により選択された変動パターンに応じて決められており(変動パターンコマンドに応じて決められており)、この変動時間が経過していなければ(S209:No)、本処理を終了する。
一方、S209の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S209:Yes)、第1図柄表示装置37の停止図柄に対応した表示態様を設定する(S210)。停止図柄の設定は、図17を参照して後述する特別図柄変動開始処理(S208)によって予め行われる。この特別図柄変動開始処理が実行されると、特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、特別図柄の抽選が行われる。より具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値に応じて特別図柄の大当たりか否かが決定されると共に、特別図柄の大当たりである場合には、第1当たり種別カウンタC2の値に応じて大当たりAとなるか、大当たりBとなるかが決定される。
尚、本実施形態では、大当たりAになる場合には、第1図柄表示装置37において青色のLEDを点灯させ、大当たりBになる場合には赤色のLEDをを点灯させる。また、外れである場合には赤色のLEDと緑色のLEDとを点灯させる。なお、各LEDの表示は、次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。
S210の処理が終了した後は、第1図柄表示装置37において実行中の変動表示が開始されたときに、特別図柄変動開始処理によって行われた特別図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、特別図柄の大当たりであるかを判定する(S211)。今回の抽選結果が特別図柄の大当たりであれば(S211:Yes)、2種類ある特別図柄の大当たり(大当たりA、大当たりB)のうち、大当たり種別が何であるかを判定し(S212)、大当たり種別が大当たりAであれば、16ラウンドの当たりであり大当たり遊技後に、特別図柄の大当たりの判定を高確率で実行する確変を設定する(S213)。また、大当たり種別が大当たりBであれば、時短中カウンタ203eに100を設定する(S214)。そして、特別図柄の大当たりの開始を設定する(S215)。
S211の処理において、今回の抽選結果が特別図柄の外れであれば(S211:No)、時短中カウンタ203eの値が1以上であるかを判定し(S216)、時短中カウンタ203eの値が1以上であれば(S216:Yes)、時短中カウンタ203eの値を1減算して(S217)、本処理を終了する。一方、時短中カウンタ203eの値が0であれば(S216:No)、S217の処理をスキップして、本処理を終了する。
次に、図18を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動開始処理(S208)について説明する。図18は、特別図柄変動開始処理(S208)を示したフローチャートである。この特別図柄変動開始処理(S208)は、タイマ割込処理(図16参照)の特別図柄変動処理(図17参照)の中で実行される処理であり、特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、「特別図柄の大当たり」又は「特別図柄の外れ」の抽選(当否判定)を行うと共に、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81で行われる変動演出の演出パターン(変動演出パターン)を決定するための処理である。
特別図柄変動開始処理では、まず、特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、及び、停止種別選択カウンタC3の各値を取得する(S301)。
次に、現在の遊技状態が、高確率遊技状態(確変遊技状態中)であるかを判定する(S302)。ここでは、図示しない、確変フラグがオンに設定されているかを判別して実行される。なお、この確変フラグは、大当たりAが設定されるときにオンに設定され、大当たりBが設定された場合に、オフに設定される。
高確率遊技状態中である場合は(S302:Yes)、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であるので、S301の処理で取得した第1当たり乱数カウンタC1の値と、高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルとに基づいて、特別図柄の大当たりか否かの抽選結果を取得する(S303)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値を、高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルに格納されている30の乱数値と1つ1つ比較する。上述したように、特別図柄の大当たりとなる乱数値としては、「4,11,28,38,45,52,64,78,83,99,106,112,122,134,140,151,168,176,183,197,207,218,222,231,249,256,263,270,285,299」の30個が設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値と、これらの当たりとなる乱数値とが一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する。特別図柄の抽選結果を取得したら、S305の処理へ移行する。
一方、S302の処理において、低確率遊技状態(通常遊技状態)であると判別された場合には(S302:No)、パチンコ機10が特別図柄の通常状態であるので、S301の処理で取得した第1当たり乱数カウンタC1の値と、低確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルとに基づいて、特別図柄の大当たりか否かの抽選結果を取得する(S304)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値を、低確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルに格納されている3の乱数値と1つ1つ比較する。特別図柄の大当たりとなる乱数値としては、「7,107,282」の3個が設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値と、これらの当たりとなる乱数値とが一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する。特別図柄の抽選結果を取得したら、S305の処理へ移行する。
そして、S303またはS304の処理によって取得した特別図柄の抽選結果が、特別図柄の大当たりであるかを判定し(S305)、特別図柄の大当たりであると判定された場合には(S305:Yes)、S301の処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値に基づいて、大当たり時の表示態様を設定する(S306)。より具体的には、S301の処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値と、特別図柄大当たり種別テーブルに格納されている乱数値とを比較し、2種類ある特別図柄の大当たり(大当たりA、大当たりB)のうち、大当たり種別が何であるかを判定する。上述したように、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜59」の範囲にあれば、大当たりA(16R大当たり、特別図柄の確変を設定)であると判定し、「60〜99」の範囲にあれば、大当たりB(16R大当たり、普通図柄の時短期間100回)であると判定する(図10(a)参照)。
このS306の処理では、判定された大当たり種別(大当たりA、大当たりB)に応じて、第1図柄表示装置37の表示態様(LED37aの点灯状態)が設定される。また、大当たり種別に対応した停止図柄を、第3図柄表示装置81において停止表示させるべく、大当たり種別(大当たりA、大当たりB)が停止種別として設定される。
次に、大当たり時の変動パターンを決定する(S307)。S307の処理で変動パターンが設定されると、第1図柄表示装置37における変動演出の変動時間(表示時間)が設定されると共に、第3図柄表示装置81において大当たり図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値を確認し、変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ等の図柄変動の変動時間を決定する。なお、変動種別カウンタCS1の数値と変動時間との関係は、テーブル等により予め規定されている。
S305の処理において、特別図柄の外れである判定された場合には(S305:No)、外れ時の表示態様を設定する(S308)。S308の処理では、第1図柄表示装置37の表示態様を外れ図柄に対応した表示態様に設定すると共に、特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアに格納されている停止種別選択カウンタC3の値に基づいて、第3図柄表示装置81において表示させる停止種別として、前後外れリーチであるか、前後外れ以外リーチであるか、完全外れであるかを設定する。
ここでは、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であれば、S301の処理で取得した停止種別選択カウンタC3の値と、高確率時用の停止種別選択テーブルに格納されている乱数値とを比較して、停止種別を設定する。具体的には、停止種別選択カウンタC3の値が「0〜89」の範囲にあれば、完全外れを設定し、「90〜97」の範囲にあれば前後外れ以外リーチを設定し、「98,99」であれば前後外れリーチを設定する。一方、パチンコ機10が特別図柄の通常状態であれば、停止種別選択カウンタC3の値と、低確率時用の停止種別選択テーブルに格納されている乱数値とを比較して、停止種別を設定する。具体的には、停止種別選択カウンタC3の値が「0〜79」の範囲にあれば、完全外れを設定し、「80〜97」の範囲にあれば前後外れ以外リーチを設定し、「98,99」であれば前後外れリーチを設定する。
次に、外れ時の変動パターンを決定する(S309)。ここでは、第1図柄表示装置37の表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81において外れ図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、S307の処理と同様に、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値を確認し、変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ等の図柄変動の変動時間を決定する。
S307の処理またはS309の処理が終わると、次に、S307の処理またはS309の処理で決定した変動パターンを表示制御装置114へ通知するための変動パターンコマンドを設定する(S310)。次いで、S306又はS308の処理で設定された停止種別を表示制御装置114へ通知するための停止種別コマンドを設定する(S311)。これらの変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、メイン処理(図23)のS1001の処理で、これらのコマンドが音声ランプ制御装置113に送信される。音声ランプ制御装置113は、停止種別コマンドをそのまま表示制御装置114へ送信する。S312の処理が終わると、特別図柄変動処理へ戻る。
次に、図19のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される始動入賞処理(S105)を説明する。図19は、この始動入賞処理(S105)を示すフローチャートである。この始動入賞処理(S105)は、タイマ割込処理(図16参照)の中で実行され、第1入球口64への入賞(始動入賞)の有無を判断し、始動入賞があった場合に、各種乱数カウンタが示す値の保留処理と、その保留された各種乱数カウンタが示す値から、特別図柄における抽選結果の先読みを実行するための処理である。
始動入賞処理(S105)が実行されると、まず、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したか否かを判定する(S401)。ここでは、第1入球口64への入球を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が第1入球口64に入賞したと判別されると(S401:Yes)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)を取得する(S402)。そして、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S403)。
そして、第1入球口64への入賞がないか(S401:No)、或いは、第1入球口64への入賞があっても特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が4未満でなければ(S403:No)、S415の処理へ移行する。一方、第1入球口64への入賞があり(S401:Yes)、且つ、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が4未満であれば(S403:Yes)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)を1加算する(S404)。そして、演算により変更された特別図柄保留球数カウンタ203cの値を示す保留球数コマンドを設定する(S405)。
ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図23参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄保留球数カウンタ203cの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄保留球数カウンタ223aに格納する。
S405の処理により保留球数コマンドを設定した後は、上述したタイマ割込処理のS103で更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値を、RAM203の特別図柄保留球格納エリア203aの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納する(S406)。尚、S406の処理では、特別図柄保留球カウンタ203cの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
次に、図20を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される普通図柄変動処理(S106)について説明する。図20は、この普通図柄変動処理(S106)を示すフローチャートである。この普通図柄変動処理(S106)は、タイマ割込処理(図16参照)の中で実行され、第2図柄表示装置83において行う第2図柄の変動表示や、第1入球口64に付随する電動役物の開放時間などを制御するための処理である。
この普通図柄変動処理では、まず、今現在が、普通図柄(第2図柄)の当たり中であるか否かを判定する(S601)。普通図柄(第2図柄)の当たり中としては、第2図柄表示装置83において当たりを示す表示がなされている最中と、第1入球口64に付随する電動役物の開閉制御がなされている最中とが含まれる。判定の結果、普通図柄(第2図柄)の当たり中であれば(S601:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、普通図柄(第2図柄)の当たり中でなければ(S601:No)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S602)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中でなければ(S602:No)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S603)。次に、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が0よりも大きいか否かを判別し(S604)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が0であれば(S604:No)、そのまま本処理を終了する。一方、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が0でなければ(S604:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)を1減算する(S605)。
次に、普通図柄保留球格納エリア203bに格納されたデータをシフトする(S606)。S606の処理では、普通図柄保留球格納エリア203bの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、普通図柄保留球格納エリア203bの実行エリアに格納されている第2当たり乱数カウンタC4の値を取得する(S607)。
次に、RAM203の時短中カウンタ203eの値が1以上であるかを判定する(S608)。尚、時短中カウンタ203eは、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるか否かを示すカウンタであり、時短中カウンタ203eの値が1以上であれば、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であることを示し、時短中カウンタ203eの値が0であれば、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であることを示す。
時短中カウンタ203eの値が1以上である場合は(S608:Yes)、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S609)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S609:Yes)、S611の処理に移行する。本実施形態では、特別図柄の大当たり中は、普通図柄の抽選が当たりとなりにくくなるように構成されている。これは、特別図柄の大当たり中(即ち、特別遊技状態中)は、遊技者が特別入賞口65aに入賞させようとして球を打つので、第1入球口64に付随する電動役物が開放されて、特別入賞口65aに入賞させようとした球が、第1入球口64に入ることをできるだけ抑制するためである。尚、特別入賞口65aは、第1入球口64の直ぐ下に設けられているので、特別図柄の大当たり中に第1入球口64に球が入ることを抑制していても、第1入球口64には球が多く入球する。その結果、殆どの場合、パチンコ機10が特別遊技状態に移行している間に、第1入球口64についての保留球数は最大(4回)になる。
S609の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S609:No)、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中でなくて、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるので、S607の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルと基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S610)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「5〜204」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、「0〜4,205〜239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判定する(図12(b)参照)。
S608の処理において、時短中カウンタ203eの値が0である場合は(S608:No)、S611の処理へ移行する。S611の処理では、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中であるか、又は、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であるので、S607の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルとに基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S611)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「5〜28」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、「0〜4,29〜239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判定する(図12(b)参照)。
次に、S610またはS611の処理によって取得した普通図柄の抽選結果が、普通図柄の当たりであるかを判定し(S612)、普通図柄の当たりであると判定された場合には(S612:Yes)、当たり時の表示態様を設定する(S613)。このS613の処理では、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されるように設定する。
そして、時短中カウンタ203eの値が1以上であるかを判定し(S614)、時短中カウンタ203eの値が1以上であれば(S614:Yes)、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S615)。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S615:Yes)、S617の処理に移行する。本実施形態では、特別図柄の大当たり中は、球が第1入球口64に入ることをできるだけ抑制するために、普通図柄の当たりになった場合でも、普通図柄の外れとなった場合と同様に、電動役物の開放回数および開放時間が設定される。
S615の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S615:No)、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中でなくて、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるので、第1入球口64に付随する電動役物の開放期間を1秒間に設定すると共に、その開放回数を2回に設定し(S616)、S619の処理へ移行する。S614の処理において、時短中カウンタ203eの値が0である場合は(S614:No)、S617の処理へ移行する。S617の処理では、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中であるか、又は、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であるので、第1入球口64に付随する電動役物の開放期間を0.2秒間に設定すると共に、その開放回数を1回に設定し(S617)、S619の処理へ移行する。
S612の処理において、普通図柄の外れであると判定された場合には(S612:No)、外れ時の表示態様を設定する(S618)。このS618の処理では、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「×」の図柄が点灯表示されるように設定する。外れ時の表示態様の設定が終了したら、S619の処理へ移行する。
S619の処理では、時短中カウンタ203eの値が1以上であるかを判定し(S619)、時短中カウンタ203eの値が1以上であれば(S619:Yes)、第2図柄表示装置83における変動表示の変動時間を3秒間に設定して(S620)、本処理を終了する。一方、時短中カウンタ203eの値が0であれば(S619:No)、第2図柄表示装置83における変動表示の変動時間を30秒間に設定して(S621)、本処理を終了する。このように、特別図柄の大当たり中を除き、普通図柄の高確率時には、普通図柄の低確率時と比較して、変動表示の時間が「30秒→3秒」と非常に短くなり、更に、第1入球口64の解放期間が「0.2秒×1回→1秒間×2回」と非常に長くなるので、第1入球口64へ球が入球し易い状態となる。
S602の処理において、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であれば(S602:Yes)、第2図柄表示装置83において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S622)。尚、ここでの変動時間は、第2図柄表示装置83において変動表示が開始される前に、S620の処理またはS621の処理によって予め設定された時間である。
S622の処理において、変動時間が経過していなければ(S622:No)、本処理を終了する。一方、S622の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S622:Yes)、第2図柄表示装置83の停止表示を設定する(S623)。S623の処理では、普通図柄の抽選が当たりとなって、S613の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「○」図柄が、第2図柄表示装置83にいおいて停止表示(点灯表示)されるように設定される。一方、普通図柄の抽選が外れとなって、S618の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「×」図柄が、第2図柄表示装置83にいおいて停止表示(点灯表示)されるように設定される。S623の処理により、停止表示が設定されると、次にメイン処理(図24参照)の第2図柄表示更新処理(S1007参照)が実行された場合に、第2図柄表示装置83における変動表示が終了し、S613の処理またはS618の処理で設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)が第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)される。
次に、第2図柄表示装置83において実行中の変動表示が開始されたときに、普通図柄変動処理によって行われた普通図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、普通図柄の当たりであるかを判定する(S624)。今回の抽選結果が普通図柄の当たりであれば(S624:Yes)、第1入球口64に付随する電動役物の開閉制御開始を設定し(S625)、本処理を終了する。S625の処理によって、電動役物の開閉制御開始が設定されると、次にメイン処理(図24参照)の電動役物開閉処理(S1005参照)が実行された場合に、電動役物の開閉制御が開始され、S616の処理またはS617の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで電動役物の開閉制御が継続される。一方、S624の処理において、今回の抽選結果が普通図柄の外れであれば(S624:No)、S625の処理をスキップして、本処理を終了する。
次に、図21のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるスルーゲート通過処理(S107)を説明する。図21は、このスルーゲート通過処理(S107)を示すフローチャートである。このスルーゲート通過処理(S107)は、タイマ割込処理(図16参照)の中で実行され、第2入球口67における球の通過の有無を判断し、球の通過があった場合に、第2当たり乱数カウンタC4が示す値を取得し保留するための処理である。
スルーゲート通過処理(S107)では、まず、球が第2入球口67を通過したか否かを判定する(S701)。ここでは、第2入球口67における球の通過を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が第2入球口67を通過したと判定されると(S701:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S702)。そして、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S703)。
球が第2入球口67を通過していないか(S701:No)、或いは、球が第2入球口67を通過していても普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が4未満でなければ(S703:No)、本処理を終了する。一方、球が第2入球口67を通過し(S701:Yes)、且つ、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が4未満であれば(S703:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)を1加算する(S704)。そして、上述したタイマ割込処理のS103で更新した第2当たり乱数カウンタC4の値を、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203bの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納して(S705)、本処理を終了する。尚、S705の処理では、普通図柄保留球カウンタ203dの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
図21は、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S801)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出発射制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、図23を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図23は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S901)。例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(本実施形態では1秒)を実行する(S902)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S903)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図3参照)がオンされているか否かを判別し(S904)、オンされていれば(S904:Yes)、処理をS912へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S904:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S905)、記憶されていなければ(S905:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS912へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S905:Yes)、RAM判定値を算出し(S906)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S907:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS912へ移行する。なお、図24のS1014の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S912の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S910)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S911,S912)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAMの初期化処理(S911,S912)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S911,S912)を実行する。RAMの初期化処理(S911,S912)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S911)、その後、RAM203の初期値を設定する(S912)。RAM203の初期化処理の実行後は、S913の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S904:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S905:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S907:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S908)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S909)、S913の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
S913の処理では、演出許可コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信し、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114に対して各種演出の実行を許可する。次いで、割込みを許可して(S914)、後述するメイン処理に移行する。
次に、図24を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図24は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4m秒周期の定期処理としてS1001〜S1007の各処理が実行され、その残余時間でS1010,S1011のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
メイン処理においては、まず、タイマ割込処理(図16参照)の実行中に、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する外部出力処理を実行する(S1001)。具体的には、タイマ割込処理(図16参照)におけるS101のスイッチ読み込み処理で検出した入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、特別図柄変動処理(図17参照)や始動入賞処理(図19参照)で設定された保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。更に、この外部出力処理により、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、停止種別コマンド等を音声ランプ制御装置113に送信する。また、大当たり制御処理(S1004)で設定されたラウンド数コマンド、エンディングコマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する。加えて、球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号を送信する。
次に、変動種別カウンタCS1の値を更新する(S1002)。具体的には、変動種別カウンタCS1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では198)に達した際、0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
変動種別カウンタCS1の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S1003)、次いで、特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たり演出の実行や、可変入賞装置65の特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための大当たり制御処理を実行する(S1004)。大当たり制御処理では、大当たり状態のラウンド毎に特定入賞口65aを開放し、特定入賞口65aの最大開放時間が経過したか、又は特定入賞口65aに球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると特定入賞口65aを閉鎖する。この特定入賞口65aの開放と閉鎖とを所定ラウンド数繰り返し実行する。尚、本実施形態では、大当たり制御処理(S1004)をメイン処理において実行しているが、タイマ割込処理において実行しても良い。
次に、第1入球口64に付随する電動役物の開閉制御を行う電動役物開閉処理を実行する(S1005)。電動役物開閉処理では、普通図柄変動処理(図20参照)のS625の処理によって電動役物の開閉制御開始が設定された場合に、電動役物の開閉制御を開始する。尚、この電動役物の開閉制御は、普通図柄変動処理におけるS616の処理またはS617の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで継続される。
次に、第1図柄表示装置37の表示を更新する第1図柄表示更新処理を実行する(S1006)。第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動開始処理(図18参照)のS308の処理またはS310の処理によって変動パターンが設定された場合に、その変動パターンに応じた変動表示を、第1図柄表示装置37において開始する。本実施形態では、第1図柄表示装置37のLED37aの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる。
なお、メイン処理は4ミリ秒毎に実行されるが、そのメイン処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、メイン処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが100に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行う。尚、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
また、第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動開始処理(図18参照)のS308の処理またはS310の処理によって設定された変動パターンに対応する変動時間が終了した場合に、第1図柄表示装置37において実行されている変動表示を終了し、特別図柄変動開始処理(図18参照)のS307の処理またはS309の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第1図柄)を第1図柄表示装置37に停止表示(点灯表示)する。
次に、第2図柄表示装置83の表示を更新する第2図柄表示更新処理を実行する(S1007)。第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動処理(図20参照)のS620の処理またはS621の処理によって第2図柄の変動時間が設定された場合に、第2図柄表示装置83において変動表示を開始する。これにより、第2図柄表示装置83では、第2図柄としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。また、第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動処理(図20参照)のS623の処理によって第2図柄表示装置83の停止表示が設定された場合に、第2図柄表示装置83において実行されている変動表示を終了し、普通図柄変動開始処理(図20参照)のS613の処理またはS618の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)を第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)する。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1008)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1008:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち今回のメイン処理の開始から所定時間(本実施形態では4m秒)が経過したか否かを判別し(S1009)、既に所定時間が経過していれば(S1009:Yes)、処理をS1001へ移行し、上述したS1001以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、今回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S1009:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S1010,S1011)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S1010)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では299、239)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、S1002の処理と同一の方法によって実行する(S1011)。
ここで、S1001〜S1007の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。
また、S1008の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1008:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図22のNMI割込処理が実行されたということなので、S1012以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S1012)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S1013)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S1014)、RAM203のアクセスを禁止して(S1015)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S1008の処理は、S1001〜S1007で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS1010とS1011の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS1001の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS1001の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S901)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S1001の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
次に、図25から図35を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理とがある。
まず、図25を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。図25は、この立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1201)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、S1318の電源断処理(図26参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S1202)。図26を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断コマンドを受信すると(図26のS1315参照)、S1318の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S1318の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
電源断処理中フラグがオフであれば(S1202:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS1318の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S1203)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S1206の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S1203:Yes)、S1204へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S1203:No)、S1208へ移行する。
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(S1203:Yes)、S1204へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1318の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(S1203:No)、S1208へ移行する。
電源断処理中フラグがオンであれば(S1202:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S1318の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS1204へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S1204の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックする(S1204)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が0クリアされる。
RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S1205:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S1206)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S1205:No)、RAM223の異常を報知して(S1207)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良いし、表示制御装置114にエラーコマンドを送信して、第3図柄表示装置81にエラーメッセージを表示させるようにしてもよい。
S1208の処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S1208)。電源断フラグはS1318の電源断処理の実行時にオンされる(図25のS1317参照)。つまり、電源断フラグは、S1318の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグがオンされた状態でS1208の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1318の電源断処理の実行を完了した状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S1208:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAMの作業エリアをクリアし(S1209)、RAM223の初期値を設定した後(S1210)、割込み許可を設定して(S1211)、メイン処理へ移行する。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
一方、電源断フラグがオフされた状態でS1208の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS1204からS1206の処理を経由してS1208の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S1208:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS1209をスキップして、処理をS1210へ移行し、RAM223の初期値を設定した後(S1210)、割込み許可を設定する(S1211)。次に、上回転駆動体900と下回転駆動体910との各原点を検出して設定する駆動原点処理が実行される(S1212)。この駆動原点処理(S1212)では、回転駆動原点シナリオテーブル222bと上下駆動原点シナリオテーブル222eとがそれぞれシナリオ格納エリア223eに格納されて、原点検出の処理が実行される。詳細には、図13(d)の上下駆動原点シナリオテーブル222eに示すように、0〜5000msの時間で上回転駆動体900と下回転駆動体910とがそれぞれ25ステップまでスピード4(4ms毎に1ステップ進む速さ)で正方向(互いに近づく方向)に駆動される。なお、本実施形態では、0〜20ステップまでの領域が回転規制領域の範囲内に上回転駆動体900と下回転駆動体910とがそれぞれ位置する領域に設定されており、それ以上、ステップ数を駆動させた領域では回転許容領域に位置することとなる。よって、25ステップを駆動させた位置は回転許容領域となる。
次に、図13(d)の上下駆動原点シナリオテーブル222eに示すように、上下動の駆動がこの25ステップの位置で3000ms停止した状態となり、その間に、図13(b)の回転駆動シナリオテーブル222bに示すように、上回転センサー908と下回転センサー918がオンするまでスピード4の速さで逆方向に回転される。その後、図13(d)の上下駆動原点シナリオテーブル222eに示すように、上駆動センサー920、下駆動センサー930がオンするまで、逆方向(上回転駆動体900と下回転駆動体910とが離間する方向)にスピード4に速さで駆動される。そして、上回転センサー908、下回転センサー918、上駆動センサー920、下駆動センサー930がオンした位置がそれぞれのモーターの原点として設定される。
なお、この駆動原点処理(S1212)が実行されている最中に電源断等が発生した場合には、再び、この駆動原点処理(S1212)が最初から実行される。上回転駆動体900と下回転駆動体910との上駆動モータ905と下駆動モータ915とのステップカウンタ223jの値が25の位置で停止している場合には、その位置で8000msの間停止した状態となり、その後、原点位置へ戻る動作が実行されることとなる。
駆動原点処理(S1212)が実行された後には、モータスペック設定テーブル222hより上回転モーター903、下回転駆動モーター913、上駆動モーター905、下駆動モーター915のスペック情報(本実施形態では、それぞれのモーターに対応する原点検出用のセンサーの情報と、ステップ励磁データの情報)がそれぞれ駆動スペック格納エリア223mに設定される。
なお、本実施形態では、上回転駆動体900と下回転駆動体910とでそれぞれ、共通の駆動データ(回転駆動シナリオテーブル222a等)を設定するように構成しているが、このモータスペック設定テーブル222hにより、それぞれのモーターにあわせて励磁する層の順序を設定しているので、互いに逆回転することにより、上回転駆動体900と下回転駆動体910とが接近するように上下動する構成であっても、共通の駆動データで駆動制御することができる。よって、駆動データのデータ容量を少なくすることができ、ROM222に記憶される容量を抑制することができる。
次に、モーターの個数(本実施形態では、4個)がモータ個数記憶エリア223kに設定される。ここで、モータ個数を設定するように構成することで、同様の遊技機でモーターの個数が変更になった場合等に、ここで設定するモーター個数を変更するように仕様変更するのみで、制御を容易に対応させることができる。この後、メイン処理へ移行する。
なお、S1209のクリア処理をスキップするのは、S1204からS1206の処理を経由してS1208の処理へ至った場合には、S1204の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
次に、図26を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図26は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理が実行されると、まず、メイン処理が開始されてから、又は、今回のS1301の処理が実行されてから1m秒以上が経過したか否かが判別され(S1301)、1m秒以上経過していなければ(S1301:No)、S1302〜S1314の処理を行わずにS1316の処理へ移行する。S1301の処理で、1m秒経過したか否かを判別するのは、S1302〜S1314が主に表示(演出)に関する処理であり、短い周期(1m秒以内)で編集する必要がないのに対して、S1316のコマンド判定処理や、S1317の変動表示設定処理を短い周期で実行する方が好ましいからである。S1316の処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止でき、S1317の処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって受信されたコマンドに基づき、変動演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。
S1301の処理で1m秒以上経過していれば(S1301:Yes)、まず、S1303〜S1314の処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信する(S1302)。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS1308の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S1303)、その後電源投入報知処理を実行する(S1304)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS1305の処理へ移行する。
S1305の処理では客待ち演出処理が実行され、その後、保留個数表示更新処理が実行される(S1306)。客待ち演出処理では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などが行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。保留個数表示更新処理では、特別図柄保留球数カウンタ223aの値に応じて保留ランプ(図示せず)を点灯させる処理が行われる。
その後、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S1307)。この枠ボタン入力監視・演出処理では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22が押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。この処理では、枠ボタン22の遊技者による操作が検出されると、表示制御装置114に対して枠ボタン22が操作されたことを通知する枠ボタン操作コマンドを設定する。
また、変動演出が未実行の期間や、高速変動期間中に枠ボタン22が押された場合は、ステージを変更する処理を行い、表示制御装置114に対する背面画像変更コマンドを設定する。この背面画像変更コマンドに、変更後のステージに対応する背面画像の種別に関する情報を含めることにより、表示制御装置114において、第3図柄表示装置81に表示される背面画像を、ステージに応じた画像に変更する処理が行われる。また、変動表示開始時に予告キャラが出現した場合に枠ボタン22を押すことで今回の変動による大当たりの期待値を表示したり、リーチ演出中に枠ボタン22を押すことで大当たりへの期待感を持てる演出に変更したり、枠ボタン22を複数のリーチ演出のうち1のリーチ演出を選択するための決定ボタンとしても良い。なお、枠ボタン22が配設されていない場合には、S1307の処理は省略される。
枠ボタン入力監視・演出処理が終わると、ランプ編集処理を実行し(S1308)、その後音編集・出力処理を実行する(S1309)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29〜33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。
S1309の処理後、液晶演出実行管理処理が実行される(S1310)。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS1308のランプ編集処理が実行される。なお、S1309の音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間で実行される。
S1311の処理では、上回転駆動体900と下回転駆動体910を駆動させる為の駆動データであるモーターシナリオ(回転駆動シナリオテーブル222a、上下駆動シナリオテーブル222d等)のシナリオに設定されている時間の計測(更新)を行い、次の時間に設定されているシナリオへ移行させるタイミングでシナリオ格納エリア223eに順次シナリオ(駆動データ)を格納する処理を実行するモーターシナリオ処理を行う(S1311)。なお、このモーターシナリオ処理(S1311)については、図27を参照して、詳細を後述する。
S1312の処理では、上回転駆動体900と下回転駆動体910とをモーターシナリオ処理(S1311)で設定された駆動データに基づいて、それぞれ駆動させる処理を実行するモーターコマンド監視処理を行う(S1312)。なお、このモーターコマンド監視処理(S1312)については、図28〜図30を参照して、詳細を後述する。モーターコマンド監視処理(S1312)が実行された後には、駆動補正処理(S1313)を実行する。
S1313の処理では、上回転駆動体900と下回転駆動体910とがそれぞれ駆動した場合に、所定の接触面で接触することができるどうかを判別して、接触できない場合には、その補正を行う処理を実行する駆動補正処理を行う(S1313)。なお、この駆動補正処理(S1313)については、図31を参照して、詳細を後述する。駆動補正処理(S1313)が実行された後には、モーター出力処理(S1314)の処理を実行する。
S1314の処理では、モーターコマンド監視処理(S1312)および駆動補正処理(S1313)でそれぞれ設定されたモーター制御を実行するコマンドがそれぞれ各モーターに対して出力するモーター出力処理を行う(S1314)。このモーター出力処理(S1314)については、図33を参照して、詳細を後述する。モーター出力処理(s1314)が実行された後には、S1316の処理へ移行する。
S1316の処理では、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理を行う(S1316)。このコマンド判定処理の詳細については、図34を参照して後述する。
コマンド判定処理(S1316)の次には、変動表示設定処理が実行される(S1317)。変動表示設定処理(S1317)では、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドが生成されて設定される。その結果、そのコマンドが表示制御装置114に送信される。尚、この変動表示設定処理の詳細については、図35を参照して後述する。
S1317の処理が終わると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S1318)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S1318の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S1318:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S1320)、電源断処理を実行する(S1321)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S1322)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S1315の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1318:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S1319)、RAM223が破壊されていなければ(S1319:No)、S1301の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S1319:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図27を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図26参照)内の一処理であるモーターシナリオ処理(S1311)について説明する。図27は、このモーターシナリオ処理(S1311)を示したフローチャートである。このモーターシナリオ処理(S1311)は、上回転駆動体900と下回転駆動体910とを駆動させるための駆動データをそれぞれ設定する処理を実行する。
モーターシナリオ処理(図27、S1311)では、まず、変数[B]に1が設定される(S1401)。この変数[B]は、どのモーターに対して設定を行うかを示すための変数であり、変数[B]が1であれば、上回転モーター903、変数[B]が2であれば、下回転モーター913、変数[B]が3であれば、上駆動モーター905、変数[B]が4であれば、下駆動モーター915をそれぞれ示すように設定されている。
次に、変数[B]が4以下であるか判別される(S1402)。4以下であると判別された場合には(S1402:Yes)、シナリオ格納エリア223eのうち、シナリオ格納エリア[B](変数[B]が1であれば、シナリオ格納エリア1)に格納されているシナリオの時間はEND時間であるか判別される(S1403)。END時間でないと判別された場合には(S1403:No)、シナリオ格納エリア223eのシナリオ格納エリア[B]に設定されている現在のシナリオの時間は0であるか判別される(S1404)。シナリオの時間は0でないと判別された場合には(S1404:No)、シナリオ格納エリア[B]に設定されているシナリオ時間を1減算する。なお、シナリオ格納エリア[B]に設定されているシナリオ時間とは、回転駆動シナリオテーブル222a(図13(a)参照)等に設定されている時間のことを示しており、回転シナリオテーブル222a(図13(a)参照)では、このシナリオテーブルがシナリオ格納テーブル[B]に設定されると、まず、一番上のシナリオである時間1000msに対応するシナリオが設定されて、この時間1000msよりS1405の処理で1ずつ減算されて更新が実行される。その後、S1408の処理が実行される。
シナリオ格納エリア[B]の時間が0であると判別された場合には(S1404:Yes)、シナリオ格納エリア[B]に設定されているシナリオテーブルの次のシナリオがシナリオ格納エリア[B]に設定される(S1406)。動作フラグ223oがオフに設定される(S1407)。その後、S1408の処理を実行する。
一方、シナリオ格納エリア[B]の時間がEND時間であると判別された場合には(S1403)、S1408の処理を実行する。S1408の処理では、変数[B]の値に1加算する処理が実行される(S1408)。その後、S1402の処理に再び戻り、同様の処理が繰り返し実行され、変数[B]が4より大きい(即ち、すべてのモーターに対するシナリオの更新等が終了した)場合には(S1402:No)、この処理を終了する。
次に、図28〜30を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図26参照)内の一処理であるモーターコマンド監視処理(S1312)について説明する。図28〜30は、このモーターコマンド監視処理(S1312)を示したフローチャートである。このモーターコマンド監視処理(S1312)は、モーターシナリオ処理(図27、S1311)の処理で設定された各シナリオに基づいて、上回転駆動体900と下回転駆動体910とを駆動させるためのコマンドをそれぞれ設定する処理を実行する。
モーターコマンド監視処理(図28、S1312)では、まず、シナリオ格納エリア223eおよび補正シナリオ格納エリア223fに格納されているすべてのシナリオ格納エリアのシナリオテーブルの時間はEND時間であるか判別される(S1501)。すべてのシナリオテーブルの時間がEND時間であると判別された場合には(S1501:Yes)、この処理を終了する。
一方、すべてのシナリオテーブルの時間がEND時間でないと判別された場合には(S1501:No)、変数[B]を1に設定する(S1502)。なお、この変数[B]は、モーターシナリオ処理(図27、S1311)で説明したものと同様に各モーターに対応するように設定されている。変数[B]の値が4以下であるか判別される(S1503)。
変数[B]の値が4以下である場合には(S1503:Yes)、変数[B]が3または4であるか(即ち、上駆動モーター905または下駆動モーター915であるか)判別される(S1504)。変数[B]が3または4であると判別された場合には(S1504:Yes)、補正フラグ223nがオンであるか判別される(S1505)。補正フラグ223nがオンであると判別された場合には(S1505:Yes)、補正動作処理が実行される(S1506)。一方、変数[B]が3または4でない場合(S1504:No)、または補正フラグ223nがオフである場合には(S1505:No)、S1507の処理を実行する。
このように、変数[B]が3または4で場合に、補正フラグ223nがオンであるかを判別することにより、詳細は後述するが、上回転駆動体900と下回転駆動体910とが互いに接触する方向に可動して、接触前の所定ステップ数に上駆動モータ905と下駆動モータ915とがなった場合に、互いの上回転モーター903と下回転モーター913のステップ数が設定値(本実施形態では、38)と異なっている状態であるかを判別して、異なっている場合には、それを補正するための補正動作処理(S1506)を実行するように構成している。よって、補正シナリオ格納エリア223fに格納されたシナリオテーブルに基づいて、上回転駆動体900と下回転駆動体910とを所定の接触面で接触させられるように駆動させて補正することができる。よって、上回転駆動体900または下回転駆動体910とがA面900a,910aを前面側に向けて収納位置に収納されていない状態から駆動開始した場合等の原因により、所定の接触面で接触させられない不具合が発生しても、その不具合を補正することにより解消することができる。なお、上回転駆動体900や下回転駆動体910が収納時にA面900a,910aが前面を向いた状態で収納されない場合には、音声ランプ制御装置113のMPU221の処理が1ms毎に実行されない処理落ち等が発生して、上回転駆動体900または下回転駆動体910が駆動途中に、あらたな特別図柄(第3図柄)の変動開始のコマンド(変動パターンコマンド)を受信した場合に、上回転駆動体900または下回転駆動体910の回転駆動が中止されて、収納されたことにより起こり得る。また、回転が構造的に正常に駆動せずに、収納された場合等にも起こり得る。
S1507の処理では、シナリオ格納エリア223eのシナリオ格納エリア[B]に格納されているシナリオが抽出される(S1507)。そのシナリオに対応する動作フラグ223oはオンであるか判別される(S1508)。動作フラグ223oがオンである場合には(S1508:Yes)、S1514の処理を実行する。一方、動作フラグ223oがオフであると判別された場合には(S1508:No)、格納されているシナリオのセンサデータはオフであるか判別される(S1509)。センサデータがオフであると判別された場合には(S1509:Yes)、ステップカウンタ[B](変数[B]に対応するモーターのステップカウンタ)が格納されているシナリオのステップカウンタであるか判別される(S1510)。ステップカウンタ[B]がシナリオのステップカウンタと同一であると判別された場合には(S1510:Yes)、動作フラグ223oがオンに設定される(S1511)。その後、S1514の処理へ移行する。一方、ステップカウンタ[B]がシナリオのステップカウンタと一致しないと判別された場合には(S1510:No)、S1514の処理へ移行する。
一方、格納されているシナリオのセンサーデータがオンであると判別された場合には(S1509:No)、モーターセンサー[B](モーターセンサー1であれば、上回転センサー908、モーターセンサー2であれば、下回転センサー918、モーターセンサー3であれば、上駆動センサー920、モーターセンサー4であれば、下駆動センサー930にそれぞれ対応)の状態がオンであるか判別される(S1512)。モーターセンサー[B]の状態がオンであると判別された場合には(S1512:Yes)、ステップカウンタ[B]を0に設定し、対応するシナリオの動作フラグ223oをオンに設定する(S1513)。その後、S1514の処理へ移行する。
S1514の処理では、対応するシナリオの動作フラグ223oがオフであり、格納されているシナリオのスピード、回転方向が0でないか判別される(S1514)。対応するシナリオの動作フラグ223oがオフであり、格納されているシナリオのスピード、回転方向が0であると判別された場合には(S1514:Yes)、励磁タイマ223iの励磁タイマ[B]を1加算する。ここで、励磁タイマ223iは、各モーターのスピードを制御するためのタイマであり、何周期毎に、モーターを励磁させるかをカウントするためのタイマである。
ここで、モーターコマンド監視処理(S1312)は1ms毎に実行されるので、各モーターのスピードの最大値としては、1ms毎に励磁されて駆動するスピードが最大値となる(スピード1に対応)。シナリオで設定されているスピード2は、2ms毎に励磁してモーターを駆動させることによりスピード1の半分のスピードでモーターを駆動させる。また、スピード3は、3ms毎にモーターを励磁させることによりスピード1の1/3のスピードでモーターを駆動させる。また、スピード4は、4ms毎にモーターを励磁させることによりスピード1の1/4のスピードでモーターを駆動させる。励磁タイマ223iは、設定されているスピードに対応した間隔でモーターを励磁させる処理を実行するために使用される。
励磁タイマ223iの励磁タイマ[B]がシナリオ内で設定されているスピードと同一であるか判別される(S1516)。励磁タイマ[B]とスピード設定が同一であると判別された場合には(S1516:Yes)、励磁タイマ[B]が0に設定(リセット)される(S1517)。一方、励磁タイマ[B]とスピード設定が不一致であると判別された場合には(S1516:No)、S1518の処理へ移行する。
S1518の処理では、励磁タイマ[B]の値が0であるか判別される(S1518)。励磁タイマ[B]の値が0であると判別された場合には(S1518:Yes)、S1519の処理へ移行する。一方、対応するシナリオの動作フラグ223oがオンまたは格納されているシナリオのスピードまたは回転方向が0であると判別された場合には(S1514:No)、または励磁タイマ[B]が0でないと判別された場合には(S1518:No)、S1533の処理が実行される。
S1519の処理では、シナリオ内に設定されている方向は正方向であるか判別される(S1519)。シナリオ内の方向が正方向であると判別された場合には(S1519:Yes)、ステップカウンタ[B]はシナリオ内のステップ数と同一であるか判別される(S1520)。ステップカウンタ[B]はシナリオ内のステップ数と同一であると判別された場合には(S1520:Yes)、ステップカウンタ[B]をシナリオ内のステップ数に設定する(S1521)。一方、ステップカウンタ[B]はシナリオ内のステップ数と不一致であると判別された場合には(S1520:No)、ステップカウンタ[B]に1加算して更新する(S1522)。
励磁カウンタ223hの励磁カウンタ[B]の値が4以上の値であるか判別される(S1523)。励磁カウンタ[B]の値が4より小さい値であると判別された場合には(S1523:No)、励磁カウンタ[B]を1加算する(S1524)。一方、励磁カウンタ[B]の値が4以上の値であると判別された場合には(S1523:Yes)、励磁カウンタ[B]を1に設定する(S1525)。
一方、シナリオ内の方向が正方向であると判別された場合には(S1519:No)、シナリオ内の方向は逆方向であるか判別される(S1526)。シナリオ内の方向が逆方向でないと判別された場合には(S1526:No)、S1533の処理へ移行する。
一方、シナリオ内の方向が逆方向であると判別された場合には(S1526:Yes)、ステップカウンタ[B]の値を1減算する(S1528)。
励磁カウンタ[B]の値が1であるか判別される(S1530)。励磁カウンタ[B]の値が1でない場合には(S1530:No)、励磁カウンタ[B]を1減算する(S1531)。一方、励磁カウンタ[B]の値が1であると判別された場合には(S1530:Yes)、励磁カウンタ[B]の値を4に設定する(S1532)。その後、S1533の処理へ移行する。
S1533の処理では、シナリオに対応する動作フラグ223oがオフであり、シナリオ内のセンサーデータがオンであるか判別される(S1533)。シナリオに対応する動作フラグ223oがオフであり、シナリオ内のセンサーデータがオンであると別された場合には(S1533:Yes)、モーターセンサー[B]の状態がオンであるか判別される(S1534)。モーターセンサー[B]の状態がオフであると判別された場合には(S1534:No)、励磁データ[B]に励磁カウンタ[B]に対応するデータを設定する(S1535)。
このように、シナリオ内でセンサーデータがオンである場合には、モーターセンサー[B]に対応するセンサーがオンとなるまで、励磁データがセットされるので、確実にセンサーがオンとなる位置まで駆動させることができる。よって、ステップ数等と管理しなくとも、原点位置に復帰させることができ、駆動制御を容易に行うことができる。
シナリオに対応する動作フラグ223oがオンまたは、シナリオ内のセンサーデータがオフであると判別された場合(S1533:No)または、モーターセンサー[B]の状態がオフであると判別された場合には(S1534:Yes)、S1536の処理を実行する。S1536の処理では、変数[B]に1加算する処理が実行される(S1536)。その後、S1503の処理に戻り、繰り返し処理が実行され、S1503の処理において、変数[B]が4より大きいと判別された場合には(S1503:No)、この処理を終了する。
次に、図31を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるモーターコマンド監視処理(S1312)内の一処理である補正動作処理(S1506)について説明する。図31は、この補正動作監視処理(S1506)を示したフローチャートである。この補正動作監視処理(S1506)は、上回転駆動体900と下回転駆動体910とが駆動して、所定の接触面で接触することが困難である場合に、その補正を行うための処理が実行される。
補正動作処理(図31、S1506)では、まず、変数[B]を1に設定する(S1601)。この変数[B]は、モーターシナリオ処理(図27、S1311)で使用された変数[B]と同様に変数[B]の値に対応するモータを示すためのものである。
変数[B]の値がモータ個数以下(本実施形態では、4)であるか判別される(S1602)。変数[B]の値が4以下であると判別された場合には(S1602:Yes)、補正シナリオ格納エリア223f内の補正シナリオ格納エリア[B]に格納されている補正シナリオである回転駆動補正シナリオテーブル222c(図14(a)参照)および上下駆動補正シナリオテーブル222f(図14(b)参照)を抽出する。ここで、この補正シナリオ格納エリア223fに格納される補正シナリオは、後述する駆動補正処理(図32、S1313)のS1706,S1707の処理でそれぞれ設定される。
励磁タイマ223iの励磁タイマ[B]の値に1加算する(S1604)。励磁タイマ[B]は補正シナリオ内の動作スピードと一致するかが判別される(S1605)。励磁タイマ[B]と補正シナリオ内の動作スピードが一致すると判別された場合には(S1605:Yes)、励磁タイマ[B]を0に設定する(S1606)。その後、S1607の処理へ移行する。一方、励磁タイマ[B]と補正シナリオ内の動作スピードとが不一致であると判別された場合には(S1605:No)、S1607の処理を実行する。
S1607の処理では、励磁タイマ[B]が0であるか判別される(S1607)。励磁タイマ[B]が0であると判別された場合には(S1607:Yes)、補正シナリオ内の方向は正方向であるか判別される(S1608)。補正シナリオ内の方向が正方向であると判別された場合には(S1608:Yes)、ステップカウンタ[B]の値が1加算される(S1609)。励磁カウンタ[B]の値が4以上の値であるか判別される(S1610)。励磁カウンタ[B]の値が4より小さい値であると判別された場合には(S1610:No)、励磁カウンタ[B]に1加算する(S1611)。励磁カウンタ[B]の値が4以上の値であると判別された場合には(S1610:Yes)、励磁カウンタ[B]を1に設定する。
一方、補正シナリオで設定されている回転方向が正方向でないと判別された場合には(S1608:Yes)、補正シナリオで設定されている回転方向が逆方向であるか判別される(S1613)。補正シナリオで設定されている回転方向が逆方向であると判別された場合には(S1613:Yes)、ステップカウンタ[B]を1減算する。励磁カウンタ[B]の値が1であるか判別する(S1615)。励磁カウンタ[B]が1でないと判別された場合には(S1615:No)、励磁カウンタ[B]を1減算する(S1617)。励磁カウンタ[B]の値が1であると判別された場合には(S1615:Yes)、励磁カウンタ[B]の値を4に設定する(S1616)。S1611,S1612,S1616,S1617の処理が実行された後には、S1602の処理が再び実行されて、これまでの処理が繰り返される。S1602の処理において、変数[B]の値が4より大きい値であると判別された場合には(S1602:No)、この処理を終了する。
なお、この補正動作処理(図31、S1505)では、上回転モータ903と下回転モータ913とのステップカウンタ223jの値が75となるまで、各モータが駆動される。なお、上回転モータ903と下回転モータ913とのステップカウンタ223jは、最大値が200に設定されており、その最大値を越えた場合には、1に設定される。
次に、図32を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図26)内の一処理である駆動補正処理(S1313)について説明する。図32は、この駆動補正処理(S1313)を示したフローチャートである。この駆動補正処理(S1313)は、上回転駆動体900と下回転駆動体910とが駆動して、所定の接触面で接触することができるかを判別して、接触できない場合には、それを補正するための補正シナリオを設定するための処理を実行する。
駆動補正処理(図32、S1313)では、まず、上駆動モーター905および下駆動モーターのステップカウンタ223jの値は180であるか判別される(S1701)。ステップカウンタ223jの値が180であると判別された場合には(S1701:Yes)、上回転モーター903および下回転モーター913のステップカウンタ223jの値は設定値(本実施形態では、75)であるか判別される。
ここで、上回転駆動体900と下回転駆動体910とが接触する方向に駆動して、互いの表示面が回転可能な間隔を保持した位置がステップカウンタ223jの値が180となる位置である。上回転駆動体900と下回転駆動体910とは、ステップカウンタ223jの値が200で1周するように構成されており、それ以上、回動されるとステップカウンタは1となる。通常であれば、このステップカウンタ223jが180の位置では、上回転駆動体900の表示面は、A面900aとB面900bとの境界(角)が略垂直下方向を向いた状態となる。一方、下回転駆動体910は、ステップカウンタ223jが180の位置では、A面910aとD面910dとの境界(角)が略垂直上方を向いた状態となる。この状態からあと20ステップそれぞれ接触する方向に駆動する間に、上回転駆動体900は、表示面をB面900bが垂直下方へ向くように回動(約45度回動)させ、下回転駆動体910は、表示面D面910dが垂直上方へ向くように回動(約45度回動)させて、互いのB面900bとD面910dとを向かい合わせて接触させる。このように互いを接触させることで、予め、接触した場合に前面を向くように設定されている互いのC面900c,910cが前面を向いた状態で停止する。
このように、ステップカウンタ180の位置で、上回転駆動体900と下回転駆動体910との互いの上回転モーター903、下回転モーター913とのステップカウンタ223jの値が設定値(本実施形態では、ステップカウンタ223jの値が38)であるか判別することで、予め前面を向くように設定されていた面(本実施形態では、C面900c,910c)が前面を向くように互いに接触することができるかを事前に判別することができる。よって、ズレが発生しており、互いに所望の面を前面にして接触できないような場合には、その補正を設定することができる。
S1702の処理において、上回転モーター903および下回転モーター913のステップカウンタ223jは設定値(本実施形態では、75)であると判別された場合には(S1702:Yes)、補正フラグ223nをオフに設定する(S1703)。一方、上回転モーター903または下回転モーター913のステップカウンタ223jは設定値(本実施形態では、38)とは異なる判別された場合には(S1702:No)、補正フラグ223oをオンに設定する(S1704)。即ち、補正フラグ223oは、上回転駆動体900と下回転駆動体910とを予め定められた所定の表示面同士で接触させることが困難であることを示すフラグである。
補正フラグ223oがオンであると判別された場合には(S1705)、上回転モーター903(上回転駆動体900)用の補正シナリオである回転駆動補正シナリオテーブル(上)222c(図14(a)参照)を補正シナリオ格納エリア223fの補正シナリオ格納エリア1に、下回転モーター913(下回転駆動体910)用の補正シナリオである回転駆動補正シナリオテーブル(下)222cを補正シナリオ格納エリア223fの補正シナリオ格納エリア2にそれぞれ設定(記憶)する(S1706)。上駆動モーター905(上回転駆動体900)と下駆動モーター915(下回転駆動体910)と共通の補正シナリオである上下駆動補正シナリオテーブル222f(図14(c)参照)を補正シナリオ格納エリア223fの補正シナリオ格納エリア3〜4にそれぞれ設定(記憶)する(S1707)。
ここで、上回転駆動体900と下回転駆動体910とを予め定められた所定の面で接触させられないと判別した場合に、それを補正するために設定される補正シナリオである回転駆動補正シナリオテーブル222c(図14(a)参照)と上下駆動補正シナリオテーブル222f(図14(c)参照)が設定されると次のように駆動して補正されるように設定されている。上下駆動補正シナリオテーブル222fにより、上駆動モータ905と下駆動モータ915とは、ステップカウンタ180の状態でそのまま8000msの間、停止した状態となる。一方、回転駆動補正シナリオテーブル222cにより上回転モーター903は、正方向にスピード1の速さで8000msの間、ステップカウンタ223jの値が75となるまで回転し続ける。同様に、下回転モータ913も上回転モータ903と同様に回動される。ここで、他方のみがずれている場合には、その他方のみが回動されることとなる。
このように構成することで、上回転駆動体900と下回転駆動体910とを効率よく補正することができる。
また、本実施形態では、上回転モータ903と下回転モータ913とを同じ速度で回転させて補正したがそれに限らず、上回転駆動体900と下回転駆動体910とをそれぞれ異なるスピードで、回転させるように構成してもよい。このように構成することで、上回転駆動体900と下回転駆動体910との表示面のズレを解消して、互いに設定値のステップカウンタ(本実施形態では、75)となると、補正フラグ223oがオフに設定されて、通常の設定されているシナリオに基づいて、駆動制御が実行されて、互いに予め設定されている表示面同士を接触させる。なお、本実施形態では、上回転モータ903、下回転モータ913は、ステップカウンタ223jの値が200となると、上回転駆動体900、下回転駆動体910をそれぞれ1周回転させる。そして、それ以上回転させるとステップカウンタ223jの値が初期値である0にリセットされる。
次に、図33を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図26)内の一処理であるモーター出力処理(S1314)について説明する。図33は、このモーター出力処理(S1314)を示したフローチャートである。このモーター出力処理(S1314)は、上回転駆動体900の上回転モーター903、上駆動モーター905と下回転駆動体910の下回転モーター913、下駆動モーター915とに対して、モータコマンド監視処理(図28、S1312)または補正動作処理(図31、S1505)の処理で設定された駆動データ(励磁データ)をそれぞれ出力する処理を実行する。
モーター出力処理(図33b、S1314)では、まず、変数[B]に1を設定する(S1801)。このこの変数[B]は、モーターシナリオ処理(図27、S1311)で使用された変数[B]と同様に変数[B]の値に対応するモーターを示すためのものである。変数[B]の値が4以下であるか判別する(S1802)。モーター[B]に励磁データ記憶エリア223gに記憶されている励磁データ[B]を設定する(S1803)。ここで、モーター1であれば、上回転モーター903に、モーター2であれば、下回転モーター913に、モーター3であれば、上駆動モーター905に、モーター4であれば、下駆動モーター915にそれぞれ対応している。
変数[B]に1を加算して(S1804)、S1802の処理に戻り、処理が繰り返される。S1802の処理において、変数[B]の値が4より大きい値であると判別されるとこの処理を終了する。このように、変数[B]をそれぞれ更新することにより、それぞれのモーターに対して、励磁データ記憶エリア223gに設定されているデータを順に設定できる。よって、より確実に、各モーターを駆動制御できる。
次に、図34を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S1316)について説明する。図34は、このコマンド判定処理(S1316)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S1316)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図26参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判定する。
コマンド判定処理(S1316)では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域から、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出し、解析して、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信したか否かを判定する(S1901)。変動パターンコマンドを受信した場合には(S1901:Yes)、RAM223に設けられた変動開始フラグ223bをオンし(S1902)、また、受信した変動パターンコマンドから変動パターン種別を抽出する(S1903)。
受信した変動パターン種別は、モーター駆動(上回転駆動体900と下回転駆動体910との駆動)が設定されているか判別する(S1904)。このモータ駆動が設定されているかの判別は、図15(a)〜(b)に示すように、モーターシナリオテーブル222gにより各変動パターンに対して、予め、回転駆動シナリオテーブル222a(図13(a)参照)、上下駆動シナリオテーブル222d(図13(c)参照)がそれぞれ設定されている。
受信した変動パターンにモーター駆動が設定されていると判別された場合には(S1904:Yes)、受信した変動パターンに基づいて、モーターシナリオテーブル222gより回転駆動シナリオテーブル222aを選択して、シナリオ格納エリア223eのシナリオ格納エリア1〜2にそれぞれ格納(記憶)する。また、受信した変動パターンに基づいて、モーターシナリオテーブル222gより上下駆動シナリオテーブル222dを選択して、シナリオ格納テーブル223eのシナリオ格納エリア3〜4にそれぞれ格納(記憶)する(S1905)。動作フラグ223oをオフに設定する(S1906)。
このように、変動パターンコマンドを受信したことに基づいて、その受信した変動パターンにモータ−駆動が設定されている場合には、各シナリオが設定されるので、変動パターンに設定される第3図柄表示装置81で表示される表示内容に合わせて、上回転駆動体900と下回転駆動体910とを容易に駆動させることができる。
一方、変動パターンコマンドを受信していない場合には(S1901:No)、次いで、主制御装置110より停止種別コマンドを受信したか否かを判定する(S1907)。そして、停止種別コマンドを受信した場合には(S1907:Yes)、RAM223の停止種別選択フラグ223cをオンに設定し(S1908)、受信した停止種別コマンドから停止種別を抽出して(S1908)、メイン処理に戻る。ここで抽出された停止種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理(図35参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の停止種別を通知する表示用停止種別コマンドを設定するために用いられる。
一方、停止種別コマンドを受信していない場合には(S1907:No)、次いで、主制御装置110より保留球数コマンドを受信したか否かを判定する(S1910)。そして、保留球数コマンドを受信した場合には(S1910:Yes)、受信した保留球数コマンドに含まれている値、即ち、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)を抽出し、これを音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223aに格納する(S1911)。また、S1911の処理では、更新された特別図柄保留球数カウンタ223aの値を表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドを設定する。S1911の処理の終了後は、メイン処理に戻る。
ここで、保留球数コマンドは、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したとき、又は、特別図柄の抽選が行われたときに主制御装置110から送信されるので、始動入賞が検出される毎に、又は、特別図柄の抽選が行われる毎に、S1911の処理によって音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223aの値を主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cの値に合わせることができる。よって、ノイズなどの影響により、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223aの値が主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cの値とずれても、始動入賞の検出時や特別図柄の抽選時に、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223aの値を修正し、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cの値に合わせることができる。尚、S1911の処理が実行されると、更新された特別図柄保留球数カウンタ223aの値を表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドが設定される。これにより、表示制御装置114では、保留球数に応じた保留球数図柄が第3図柄表示装置81に表示される。
S1910の処理において、保留球数コマンドを受信していない場合には(S1910:No)、その他のコマンドに応じた処理が実行される(S1912)。
次に、図35を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示設定処理(S1317)について説明する。図35は、この変動表示設定処理(S1317)を示したフローチャートである。この変動表示設定処理(S1317)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図26参照)の中で実行され、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し設定する。
変動表示設定処理(図35、S1317)では、まず、RAM223に設けられた変動開始フラグ223bがオンか否かを判別する(S2001)。そして、変動開始フラグ223bがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S2001:No)、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、S2005の処理へ移行する。一方、変動開始フラグ223bがオンであると判別された場合(S2001:Yes)、変動開始フラグ223bをオフし(S2002)、次いで、コマンド判定処理(図34参照)のS1903の処理において、変動パターンコマンドから抽出した変動演出における変動パターン種別を、RAM223より取得する(S2003)。
そして、取得した変動パターン種別に基づいて、表示制御装置114へ通知するための表示用変動パターンコマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S2004)。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
次に、RAM233に設けられた停止種別選択フラグ223cがオンか否かを判別する(S2005)。そして、停止種別選択フラグ223cがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S2005:No)、主制御装置110より停止種別コマンドを受信していない状態であるので、この変動表示設定処理を終了し、メイン処理に戻る。一方、停止種別選択フラグ223cがオンであると判別された場合(S2005:Yes)、停止種別選択フラグ223cをオフし(S2006)、次いで、コマンド判定処理(図26参照)のS1405の処理において、停止種別コマンドから抽出された変動演出における停止種別を、RAM223より取得する(S2007)。
主制御装置110からの停止種別コマンドによって指示された停止種別をそのまま、第3図柄表示装置81における変動演出の停止種別として設定し(S2008)、S2009の処理へ移行する。S2009の処理では、設定された停止種別に基づいて、表示制御装置114へ通知するための表示用停止種別コマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S2009)。
なお、本実施形態では、上駆動モータ905、下駆動モータ915のステップカウンタ223jの値が180の位置で、上回転モータ903、下回転モータ913のステップカウンタの値が設定値(本実施形態では、75)であるかの判別を行ったが、それに限らず、どの位置で判別を行ってもよく、各位置に対応する上回転モータ903、下回転モータ913の値をそれぞれ設定して判別するように設定すればよい。また、複数回、異なる上駆動モータ905、下駆動モータ915のステップカウンタ223jの値でそれぞれ上回転モータ903、下回転モータ913のステップカウンタ223jの値が対応する設定値であるか判別するように構成してもよい。このように構成することで、より上回転駆動体900と下回転駆動体910とを予め定めた表示面を前面側に向くように安定して制御を行うことができる。よって、遊技者に設定とは異なる表示面での報知を行ってしまう不具合を防止できる。
また、本実施形態では、上回転駆動体900と下回転駆動体910とは、回転することで遊技者に報知する表示面を切り替える構成としたがそれに限らず、他の構成によって切り替えるように構成しても当然良い。例えば、回転させずに1つの表示面を液晶表示装置で構成して、所定時間毎にその表示を切り替えるように構成してもよい。また、所定時間毎にシャッター部材が可動して、表示面を切り替えるように構成してもよい。
また、本実施形態では、上回転駆動体900と下回転駆動体910とは、互いにお案じ速度で回転して、互いに同じ速度で接近、離間する構成としたが、それに限らず、互いに回転する速度、移動する速度を変えるように構成してもよい。
また、本実施形態では、上回転駆動体900と下回転駆動体910との回転位置がずれていると判別された場合に、互いに移動するのを停止して、回転させて補正するように構成したが、互いに、または一方の移動スピードを可変することで、一致させるように補正してもよい。
なお、本実施形態では、補正動作を専用の動作として行った後に、通常の動作に復帰するように構成したが、それに限らず、補正動作を行った場合には、その補正動作に要した時間に基づいて、移動スピードを早くすることで、上回転駆動体900と下回転駆動体910とのシナリオテーブルに設定された全体の駆動時間内で駆動を完了させることができるように構成してもよい。このように構成することで、上回転駆動体900と下回転駆動体910との駆動が変動時間よりも長くなってしまうことを防止できる。
次に、本第1実施形態の別例を説明する。音声ランプ制御装置113のMPU221は、メイン処理(図26)において、毎回、上回転駆動体900と下回転駆動体910との収納位置における前面側を向いている表示面(上回転モータ903と下回転モータ913とのステップカウンタの値または、上回転センサ908、下回転センサ918がオンに設定されているか)を判別する。そして、その表示面が正常な状態と異なるとき(本実施形態では、A面が前面を向いていない)と判別した場合には、上回転駆動体900と下回転駆動体910とが駆動されや易く設定されるように設定する。
詳細には、音声ランプ制御装置113には、補正用のモータシナリオテーブル222gが通常のモータシナリオテーブルとは別に設定されており、主制御装置110からの変動パターンコマンドに対応して、選択される上回転駆動体900と下回転駆動体910とを駆動制御する演出の割合が通常のモータシナリオテーブル222gよりも多く設定されている。
このように設定することで、上回転駆動体900と下回転駆動体910とが収納位置において、通常状態とは異なる表示面が前面側を向いて収納されてしまった場合にも、より早く、上回転駆動体900と下回転駆動体910とを駆動させて、正常な表示面を前面に向けて収納させることができる。よって、遊技者が通常時とは異なる表示面が前面を向いて収納されていることで、遊技者を混乱する不具合を抑制できる。
また、補正用のモータシナリオテーブル222gで設定される駆動制御については、上回転駆動体900と下回転駆動体910とが接触した場合に前面側に位置する表示面は、最も期待度の低い「?」にされている。このように設定することで、期待度の高い表示面が頻繁に遊技者に報知されることを防止できる。よって、遊技者に過度の大当たりへの期待感を与えてしまうことを防止できる。
次に、図36〜図37を参照して、第2実施形態について説明する。上述の第1実施形態では、上回転駆動体900と下回転駆動体910とには、それぞれ、上駆動モーター905と下駆動モーター915とがそれぞれ取り付けられて、上回転駆動体900と下回転駆動体910とを上下駆動させる場合について説明した。
これに対し、本第2実施形態におけるパチンコ機10では、上回転駆動体900と下回転駆動体910とにそれぞれ互いに向き合うL字型のラックを左右に設けて、その互いのラックとそれぞれ嵌合するギアを駆動させるモーターをそれぞれ配置するように構成した。また、上回転駆動体900と下回転駆動体910との原点位置および回転位置を検出するセンサーをそれぞれ設けた点で第1実施形態におけるパチンコ機10と相違する。
その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、払出制御装置111のMPU211によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理、及び表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第1実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図36に示すように、第2実施形態における上回転駆動体900の右側軸支部900R
の右突出片900Rbには、上駆動モータ905が設けられていない。右突出片900Rbは、L字型に構成されて、右円筒部900Raより水平に突出して、下回転駆動体910側に向けて直角に曲げて内側に向けてラックギアが形成されたラックで構成されている。一方、下回転駆動体910の右側軸支部910Rの右突出片910Raには、下駆動モーター915が設けられていない。右突出片910Rbは、L字型に構成されて、右円筒部910Raより水平に突出して、上回転駆動体900側に向けて直角に曲げて外側に向けてラックギアが形成されたラックで構成されている。右突出片900Rbと右突出片910Rbとのラックギアは互いに向かい合って配置されて、その間に、互いのギアと嵌合する右駆動ギア700が配置される。右駆動ギア700は、右駆動モーターであるステッピングモーターにより回動される。
また、同様に、左側軸支部900Lにも、同様の構成の左突出片900Rbと左突出片910Rbとが設けられており、右駆動ギア710が嵌合されて、左駆動モーターにより駆動される。このように、右駆動モーター、左駆動モーターをそれぞれ同時に互いに異なる方向に駆動(回転)させることにより、上回転駆動体900と下回転駆動体910とを互いに接触する方向と互いに離間する方向にそれぞれ駆動させることができる。
このように構成することにより、上回転駆動体900と下回転駆動体910とを軽量化することができ、駆動するためのステッピングモータの出力を抑えて駆動させることができる。よって、パチンコ機10の消費電力を抑えることができる。
また、上回転駆動体900と下回転駆動体910とをそれぞれ、同期させて駆動させることが容易になり、上回転駆動体900と下回転駆動体910との上下の駆動を合わせることができる。
さらに、図36に示すように、上回転駆動体900の左側軸支部900Lの左円筒部900Laには、第1センサー900sと第2センサー900tとがそれぞれ設けられている。この第1センサー900sと第2センサー900tとは、透過型のセンサーで構成されており、上回転駆動体900の左側方面900fから突出して設けられている検知片900nを検知可能に構成されている。第1センサー900sは、左円筒部900Laの内部の垂直上方に設けられており、第2センサー900tは、左円筒部900Laの内部の遊技機前面側の位置に設けられている。第1センサー900sと第2センサー900tとは、約1/4周離れた位置に設けられている。
図37(a)に示すように、検知片900nは、左円筒部900Laの内径よりも若干小さい外形で構成された円形状であり、左円筒部900Laの内部に挿通されることで上回転駆動体900の表示面を回転可能に軸支している。図37(b)に示すように、検知片900nは、左側方面900f側を円筒形状で構成されており、その先端に円周の約1/4周が突出して形成された検知部900n1が形成されている。検知片900nは、第1センサー900sと第2センサー900tとがオンとなる位置がA面900aが前面側に向く位置、即ち原点となるように左側方面900fより突出して配置されている。また、第1センサー900sがオンしている状態、第2センサー900tのみがオンしている状態、第1センサー900sと第2センサー900tが共にオフである状態により、上回転駆動体900の表示面がどの位置にあるのかを判別することができる構成となっている。また、下回転駆動体910についても、同様に構成されている。
次に、図38〜図43を参照して、第3実施形態について説明する。上述の第1実施形態では、上回転駆動体900と下回転駆動体910とを互いに駆動させて、上駆動モーター905と下駆動モーター915とのステップカウンタ223jが所定ステップ数となった場合に、所定の接触面で、接触させることが可能か判別して、接触させることが困難であれば、その補正を実行する場合について説明した。
これに対し、本第3実施形態におけるパチンコ機10では、上回転駆動体900と下回転駆動体910とを駆動させる場合に、上回転駆動体900と下回転駆動体910との表示面がどの面が前面側に向けた状態で格納されているかを判別して、通常の原点位置であるA面900a,910aを互いに前面に向けた状態で収納されていない場合には、それに対応した、補正シナリオテーブルを設定して、上回転駆動体900と下回転駆動体910とを駆動させる制御を実行する点で第1実施形態におけるパチンコ機10と相違する。
その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、払出制御装置111のMPU211によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理、及び表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第1実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図38は、本第3実施形態におけるパチンコ機10の電気的構成を示したブロック図である。第1実施形態におけるパチンコ機10の電気的構成(図10参照)に対して、第3実施形態では、補正シナリオ選択テーブル222iが追加されている。
補正シナリオ選択テーブル222iは、図39に示すように、1から12までの12パターンの補正シナリオパターンがそれぞれ設定されている。各補正シナリオパターンは、上回転駆動体900において前面を向いている表示面と下回転駆動体910において前面を向いている表示面との組み合わせによりそれぞれ、上回転駆動体900用の補正回転駆動シナリオテーブルと下回転駆動体910用の補正回転駆動シナリオテーブルがそれぞれ設定されている。この補正回転駆動シナリオテーブルは補正回転駆動シナリオテーブル1〜3がそれぞれこの補正シナリオ選択テーブル222iに記憶されている。
補正回転駆動シナリオ1(図40(a)参照)は、上回転駆動体900がB面900bを前面に向けた状態で停止している場合または下回転駆動体910がD面910dを前面に向けた状態で停止している場合に選択される。上回転駆動体900の駆動開始となってから1500msの間、停止して待機した後、2500msの間、スピード1の速さで正方向にステップカウンタ223jの値が50となるまで回転するように設定される。
このように、通常(A面900a,910aが前面のときに選択される回転駆動シナリオテーブル222a(図13(a)参照))よりも待機時間を500ms長くすることで、B面900bまたはD面910dから回転開始することを補正できる。
また同様に、補正回転駆動シナリオ2(図40(b)参照)は、上回転駆動体900または下回転駆動体910がC面900c,910cを前面に向けて収納されている場合に選択される。この補正回転駆動シナリオ2では、待機時間が通常よりも1000ms長く設定されており、C面900c,910cより回転することを補正することができる。
補正回転駆動シナリオ3(図40(c)参照)は、上回転駆動体900がD面900dを前面に向けた状態で停止している場合または下回転駆動体910がB面910bを前面に向けた状態で停止している場合に選択される。この補正回転駆動シナリオ3では、待機時間が通常よりも1500ms長く設定されており、D面900cまたはB面910bより回転することを補正することができる。
ここで、本実施形態では、スピード1の速さで、上回転モーター903または下回転モーター913が駆動することで、2000msで表示面を1周回転させることができる。よって、1つの表示面から次の表示面が正面を向くまでには、500msで回転することができるので、表示する面が1つ先の面にずれていれば、500ms待機することで、他方の駆動体と合わせることができる。
また、本実施形態では、ずれに合わせて待機させることで、表示面を通常に合わせるように構成したが、それに限らず、スピードを変えることにより合わせるように設定してもよい。また、所定期間、両方の駆動体の上下動を回転許容領域で待機させて、その間に、両方の表示面の位置を合わせるように駆動させて補正するように構成してもよい。
次に、図41を参照して、第3実施形態において、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図41は、このメイン処理を示すフローチャートである。この第3実施形態のメイン処理(図41)は、第1実施形態のメイン処理(図26)に対して、モーターコマンド監視処理(S1312)とコマンド判定処理(S1316)との内容が変更され、駆動補正処理(S1313)が削除されている。その他の処理については、第1実施形態の処理と同一であるので、その詳細な説明を省略する。
次に、図42を参照して、第2実施形態において、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるメイン処理(図41)の一処理であるモーターコマンド監視処理(S1312)について説明する。図42は、このモーターコマンド監視処理(S1312)を示すフローチャートである。第2実施形態のモーターコマンド監視処理(図42、S1312)は、第1実施形態のモーターコマンド監視処理(図42、S1312)に対して、S1504〜S1506の処理が削除されている。その他の処理については、第1実施形態における処理と同一であるので、その詳細な説明を省略する。
次に、図43を参照して、第3実施形態において、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるメイン処理(図26)の一処理であるコマンド判定処理(S1316)について説明する。図43は、このコマンド判定処理(S1316)を示すフローチャートである。第3実施形態のコマンド判定処理(図43、S1316)は、第1実施形態のコマンド判定処理(図34、S1316)に対して、S1920〜S1921までの各処理がそれぞれ追加されている。その他の処理については、第1実施形態と同一であるのでその詳細な説明を省略する。
S1904の処理において、受信した変動パターンには、モーター駆動が設定されていると判別した場合には(S1904:Yes)、上回転駆動体900の上回転モーター903と下回転駆動体の下回転モーター913とのステップカウンタ223jは正常値(本実施形態では、ステップカウンタ223jの値が互いに0)であるか判別される(S1920)。上回転モーター903と下回転モーター913とのステップカウンタ223jが互いに正常値であると判別された場合には、S1905の処理を実行する。
一方、正常値でないと判別された場合には(S1920:No)、変動パターンに基づいて、モーターシナリオテーブル222gより上下駆動シナリオテーブル222eをシナリオ格納エリア223eのシナリオ格納エリア3〜4に設定(記憶)する。また、上回転駆動体900の上回転モーター903と下回転駆動体910の下回転モーター913とのステップカウンタ223jの値に基づいて、前面側に向いている表示面をそれぞれ判別して、補正シナリオ選択テーブル222iより回転駆動用のシナリオテーブルをそれぞれ選択して、シナリオ格納エリア223eのシナリオ格納エリア1〜2にそれぞれ設定する(S1921)。
このように、上回転駆動体900と下回転駆動体910とを駆動させる前に、それぞれの駆動体の状態を判別して、その状態にあった、シナリオテーブルを設定することで、所定の表示面同士が接触するように駆動制御を容易に行うことができる。よって、音声ランプ制御装置113のMPU221の処理落ち等で、駆動制御の処理の途中で次の変動パターンコマンドを主制御装置110より受信してしまった場合等に、正常とは異なる表示面を前面側にして、収納位置に収納されている場合にも、正規の表示面同士を互いに接触させて駆動させることができる。よって、遊技者に、上回転駆動体900と下回転駆動体900とを予め定められている所定の表示面を前面に向けた状態で接触させて遊技者に所定の報知態様を報知することができる。
なお、本実施形態では、C面900c,910cを前面に向けた状態で、上回転駆動体900と下回転駆動体910とを互いに接触させるようにする場合のみについて説明したが、それに限らず、実際には、変動パターンにより、前面に向けて接触する面が予め設定される。よって、選択される変動パターンによって、多様の面が前面側に向けて接触するように駆動される。よって、上回転駆動体900と下回転駆動体910との表示面が報知する報知内容と、第3図柄表示装置81で表示される第3図柄の表示態様とを組み合わせて遊技者は楽しむことができる。
なお、本実施形態では、収納位置において、上回転駆動体900または下回転駆動体910との前面側に向いている表示面が予め定められた表示面(本実施形態では、A面900,910a)と異なる場合に実行される補正回転駆動シナリオテーブルは、回転開始するタイミングをそれぞれ異ならせるように設定されていたが、それに限らず、互いに接近するスピードを可変させるように構成してもよい。具体的には、ズレが発生している方の駆動体の移動スピードを早く設定して、回転許容領域で回転位置を補正してから他方の駆動体とスピードを合わせて駆動させるように構成してもよい。このように構成することで、容易に表示面のズレを補正することができる。
なお、第1実施形態〜第3実施形態に記載された内容をそれぞれ組み合わせてもよい。
また、本発明を上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、スロットマシンやパチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしてもよい。
パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップスイッチの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。可動可能に構成された第1可動手段と、その第1可動手段に接近する方向と離間する方向とに少なくとも可動可能に構成された第2可動手段と、少なくとも前記第1可動手段と前記第2可動手段とをそれぞれ互いに接近する接近位置と離間する離間位置との間を可動制御する可動制御手段と、を有する遊技機において、前記第1可動手段と前記第2可動手段とは、複数の表示面を有しており、変位することで、遊技機前面側にそれぞれの表示面を配置可能に構成され、前記可動制御手段は、前記接近位置に前記第1可動手段と前記第2可動手段とを可動させる場合に、それぞれを変位させながら接近させて、前記接近位置で、予め定められた表示面が互いに前面側に位置するように可動制御するものであり、前記可動制御手段によって、前記接近位置方向に可動されて、第1可動手段と第2可動手段とがそれぞれ変位可能な位置に到達した場合に、前記第1可動手段と前記第2可動手段とがそれぞれ前記予め定められた表示面を前面側に位置した状態で前記接近位置に到達可能であるかを判別する位置判別手段と、その位置判別手段により到達不可能であると判別された場合に、前記可動制御手段に対して前記接近位置で前記予め定められた表示面が前面側に向くように補正する補正可動制御を実行させる補正制御手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機A1。
遊技機A1によれば、可動可能に構成された第1可動手段に接近する方向と離間する方向とに少なくとも可動可能に第2可動手段が構成されている。第1可動手段と第2可動手段とが、それぞれ互いに接近する接近位置と離間する離間位置との間で可動制御手段により可動制御される。第1可動手段と第2可動手段とは、複数の表示面を有しており、変位することで、遊技機前面側にそれぞれの表示面を配置可能に構成されている。接近位置に第1可動手段と第2可動手段とを可動させる場合に、それぞれを変位させながら接近させて、接近位置で、予め定められた表示面が互いに前面側に位置するように可動制御手段により可動制御される。可動制御手段によって、接近位置方向に可動されて、第1可動手段と第2可動手段とがそれぞれ変位可能な位置に到達した場合に、第1可動手段と第2可動手段とがそれぞれ予め定められた表示面を前面側に位置した状態で接近位置に到達可能であるかが位置判別手段により判別される。その位置判別手段により到達不可能であると判別された場合に、可動制御手段に対して接近位置で予め定められた表示面が前面側に向くように補正する補正可動制御が補正制御手段により実行される。このように、互いに変位しながら接近する可動手段を可動制御する場合に、予め定めた表示面を前面側にして接近位置に位置することが困難である場合にも、その判別がされて補正可動制御が実行されるので、予め定めた表示面を前面側にして接近位置に可動させることができる。よって、駆動物の制御をより安定して実行することができるという効果がある。
遊技機A1において、前記離間位置から所定位置まで前記第1可動手段と前記第2可動手段との少なくとも一方の変位を規制する変位規制部材が配置された変位規制領域と前記第1可動手段と第2可動手段との変位を許容する変位許容領域とが設定されており、前記第1可動手段と第2可動手段とがそれぞれ変位可能な位置は、前記変位許容領域に設けられていることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、離間位置から所定位置まで第1可動手段と第2可動手段との少なくとも一方の変位を規制する変位規制部材が配置された変位規制領域と第1可動手段と第2可動手段との変位を許容する変位許容領域とが設定されている。変位許容領域に第1可動手段と第2可動手段とがそれぞれ変位可能な位置は設けられている。よって、変位した状態から接近位置における前面側に位置することとなる表示面を容易に判別することができるという効果がある。
遊技機A1またはA2において、前記補正可動制御は、前記第1可動手段と前記第2可動手段とが互いに前記接近位置方向に可動させるのを中断して、前記第1可動手段と前記第2可動手段とを前記接近位置で前記予め定められた表示面が前面側に位置するようになる補正完了状態となるまで変位させた後、前記通常の可動制御と同様の可動制御により前記第1可動手段と前記第2可動手段とを前記接近位置へ可動させるものであることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A1またはA2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1可動手段と第2可動手段とが互いに接近位置方向に可動させるのを中断して、第1可動手段と第2可動手段とが最接近位置で予め定められた表示面が前面側に位置するようになる補正完了状態となるまでそれぞれ変位させた後、通常の可動制御と同様の可動制御により第1可動手段と第2可動手段とを接近位置へ可動制御により可動させる。よって、予め定めた表示面が前面側に位置するようになる前に、接近位置に可動してしまう不具合を抑制できる。従って、より確実に可動制御することができるという効果がある。
可動可能に構成された第1可動手段と、その第1可動手段に接近する方向と離間する方向とに少なくとも可動可能に構成された第2可動手段と、少なくとも前記第1可動手段と前記第2可動手段とをそれぞれ互いに接近する接近位置と離間する離間位置との間を可動制御する可動制御手段と、を有する遊技機において、前記第1可動手段と前記第2可動手段とは、複数の表示面を有しており、変位することで、遊技機前面側にそれぞれの表示面を配置可能に構成され、前記可動制御手段は、前記接近位置に前記第1可動手段と前記第2可動手段を可動させる場合に、それぞれを変位させながら接近させて、前記接近位置で、予め定められた表示面が互いに前面側に位置するように可動制御するものであり、前記可動制御手段によって、前記離間位置から前記接近位置へ可動させる場合に、前記離間位置における前面側に向いている前記第1可動手段と前記第2可動手段とのそれぞれの前記表示面が予め定められた表示面であるか判別する状態判別手段と、その状態判別手段により前記予め定められ表示面と異なると判別された場合に、前記前面側に向いている表示面に基づいて、前記可動制御手段に対して前記接近位置で前記予め定められた表示面が前面側に向くように補正する補正可動制御を選択して実行させる補正制御手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機B1。
遊技機B1によれば、可動可能に構成された第1可動手段に接近する方向と離間する方向とに少なくとも可動可能に第2可動手段が構成されている。第1可動手段と第2可動手段とが、それぞれ互いに接近する接近位置と離間する離間位置との間で可動制御手段により可動制御される。第1可動手段と第2可動手段とは、複数の表示面を有しており、変位することで、遊技機前面側にそれぞれの表示面を配置可能に構成されている。接近位置に第1可動手段と第2可動手段とを可動させる場合に、それぞれを変位させながら接近させて、接近位置で、予め定められた表示面が互いに前面側に位置するように可動制御手段により可動制御される。可動制御手段によって、接近位置方向に可動されて、第1可動手段と第2可動手段とがそれぞれ変位可能な位置に到達した場合に、第1可動手段と第2可動手段とがそれぞれ予め定められた表示面を前面側に位置した状態で接近位置に到達可能であるかが位置判別手段により判別される。その位置判別手段により到達不可能であると判別された場合に、可動制御手段に対して接近位置で予め定められた表示面が前面側に向くように補正する補正可動制御が補正制御手段により実行される。このように、互いに変位しながら接近する可動手段を可動制御する場合に、予め定めた表示面を前面側にして接近位置に位置することが困難である場合にも、その判別がされて補正可動制御が実行されるので、予め定めた表示面を前面側にして接近位置に可動させることができる。よって、駆動物の制御をより安定して実行することができるという効果がある。
遊技機B1において、前記離間位置から所定位置まで前記第1可動手段と前記第2可動手段との少なくとも一方の変位を規制する変位規制部材が配置された変位規制領域と前記第1可動手段と第2可動手段との変位を許容する変位許容領域とが設定されており、前記それぞれの補正可動制御は、前記離間位置における前面側に位置するそれぞれの表示面に対応して、前記変位許容領域内に可動してから前記第1可動手段と第2可動手段とを変位開始させるそれぞれのタイミングを異ならせて設定されていることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、離間位置から所定位置まで第1可動手段と第2可動手段との少なくとも一方の変位を規制する変位規制部材が配置された変位規制領域と第1可動手段と第2可動手段との変位を許容する変位許容領域とが設定されている。変位許容領域に第1可動手段と第2可動手段とがそれぞれ変位可能な位置は設けられている。よって、変位した状態から接近位置における前面側に位置することとなる表示面を容易に判別することができるという効果がある。
遊技機B1において、前記離間位置から所定位置まで前記第1可動手段と前記第2可動手段との少なくとも一方の変位を規制する変位規制部材が配置された変位規制領域と前記第1可動手段と第2可動手段との変位を許容する変位許容領域とが設定されており、前記それぞれの補正可動制御は、前記離間位置における前面側に位置するそれぞれの表示面に対応して、前記接近位置に可動するそれぞれの速度を異ならせて設定されていることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1可動手段と第2可動手段とが互いに接近位置方向に可動させるのを中断して、第1可動手段と第2可動手段とが最接近位置で予め定められた表示面が前面側に位置するようになる補正完了状態となるまでそれぞれ変位させた後、通常の可動制御と同様の可動制御により第1可動手段と第2可動手段とを接近位置へ可動制御により可動させる。よって、予め定めた表示面が前面側に位置するようになる前に、接近位置に可動してしまう不具合を抑制できる。従って、より確実に可動制御することができるという効果がある。
可動可能に構成された第1可動手段と、その第1可動手段に接近する方向と離間する方向とに少なくとも可動可能に構成された第2可動手段と、少なくとも前記第1可動手段と前記第2可動手段とをそれぞれ互いに接近する接近位置と離間する離間位置との間を可動制御する可動制御手段と、を有する遊技機において、前記第1可動手段と前記第2可動手段とは、複数の表示面を有しており、変位することで、遊技機前面側にそれぞれの表示面を配置可能に構成され、前記可動制御手段は、前記接近位置に前記第1可動手段と前記第2可動手段とを可動させる場合に、それぞれを変位させながら接近させて、前記接近位置で、予め定められた表示面が互いに前面側に位置するように可動制御するものであり、所定条件が成立した場合に、前記離間位置における前面側に向いている前記第1可動手段と前記第2可動手段とのそれぞれの前記表示面が予め定められた表示面であるか判別する状態判別手段と、その状態判別手段により前記予め定められ表示面と異なると判別された場合に、前記第1可動手段と前記第2可動手段とを通常状態よりも可動制御されやすい状態に設定する可動頻度変更手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機C1。
遊技機C1によれば、可動可能に構成された第1可動手段に接近する方向と離間する方向とに少なくとも可動可能に第2可動手段が構成されている。第1可動手段と第2可動手段とが、それぞれ互いに接近する接近位置と離間する離間位置との間で可動制御手段により可動制御される。第1可動手段と第2可動手段とは、複数の表示面を有しており、変位することで、遊技機前面側にそれぞれの表示面を配置可能に構成されている。接近位置に第1可動手段と第2可動手段とを可動させる場合に、それぞれを変位させながら接近させて、接近位置で、予め定められた表示面が互いに前面側に位置するように可動制御手段により可動制御される。所定条件が成立した場合に、離間位置における前面側に向いている第1可動手段と第2可動手段とのそれぞれの表示面が予め定められた表示面であるか状態判別手段により判別される。その状態判別手段により予め定められ表示面と異なると判別された場合に、第1可動手段と第2可動手段とを通常状態よりも可動制御されやすい特別状態に可動頻度変更手段により設定される。このように、互いに変位しながら接近する可動手段を可動制御する場合に、離間位置で可動開始するときの前面側に向いた表示面が正常状態と異なっている場合には、通常時よりも可動制御手段により可動され易くなるので、再度、正常な状態に戻り易くできる。よって、駆動物の制御をより安定して実行することができるという効果がある。
遊技機C1において、遊技に関わる演出態様を複数の演出態様で構成された演出態様群の中から決定する演出決定手段を有し、前記演出態様群には、前記第1可動手段と前記第2可動手段とを前記離間位置から前記接近位置に可動させるように設定された可動演出態様が含まれているものであり、前記可動頻度変更手段は、前記可動演出態様が通常時よりも多く選択されるように設定するものであることを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技に関わる演出態様が複数の演出態様で構成された演出態様群の中から演出決定手段手段により決定される。演出態様群には、第1可動手段と第2可動手段とを離間位置から接近位置に可動させるように設定された可動演出態様が含まれている。可動演出態様が通常時よりも多く選択されるように可動頻度変更手段により設定される。よって、遊技者に不自然な感覚を与えることを抑制して、可動演出態様をより選択され易くできるという効果がある。
遊技機C1またはC2において、前記状態判別手段により、前記予め定められた表示面と異なる表示面が前面側に向いていると判別されている状態で、前記可動制御手段により前記離間位置から前記接近位置に対して可動される場合には、前記前面側に向いている表示面に基づいて、前記可動制御手段に対して前記接近位置で前記予め定められた表示面が前面側に向くように補正する補正可動制御を選択して実行させる補正制御手段を有するものであることを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3よれば、遊技機C1またはC2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、状態判別手段により、予め定められた表示面と異なる表示面が前面側に向いていると判別されている状態で、可動制御手段により離間位置から接近位置に対して可動される場合には、前面側に向いている表示面に基づいて、可動制御手段に対して接近位置で予め定められた表示面が前面側に向くように補正する補正可動制御が補正制御手段により選択され実行される。よって、第1可動手段と第2可動手段とを可動させることで、第1可動手段と第2可動手段との表示面を離間位置で正常な向きに設定できるという効果がある。
遊技機A1からA3、B1からB3、C1からC3のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機Z1。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機A1からA3、B1からB3、C1からC3のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機Z2。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機A1からA3、B1からB3、C1からC3のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機Z3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
<その他>
従来より、複数の駆動物を駆動させて、互いを接合させることで、遊技の演出を実行する遊技機が提案されていた(例えば、特許文献1:特開2011−200382号公報)。
この種の遊技機において、複数の駆動物を所定の位置で接合させる場合に、駆動物を駆動開始させる位置等のズレにより、所定の位置での接合が困難となる不具合があった。
本技術的思想は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、駆動物の制御をより安定して実行することができる遊技機を提供することを目的とする。
<手段>
この目的を達成するために技術的思想1記載の遊技機は、可動可能に構成された第1可動手段と、その第1可動手段に接近する方向と離間する方向とに少なくとも可動可能に構成された第2可動手段と、少なくとも前記第1可動手段と前記第2可動手段とをそれぞれ互いに接近する接近位置と離間する離間位置との間を可動制御する可動制御手段と、を有し、前記第1可動手段と前記第2可動手段とは、複数の表示面を有しており、変位することで、遊技機前面側にそれぞれの表示面を配置可能に構成され、前記可動制御手段は、前記接近位置に前記第1可動手段と前記第2可動手段を可動させる場合に、それぞれを変位させながら接近させて、前記接近位置で、予め定められた表示面が互いに前面側に位置するように可動制御するものであり、前記可動制御手段によって、前記離間位置から前記接近位置へ可動させる場合に、前記離間位置における前面側に向いている前記第1可動手段と前記第2可動手段とのそれぞれの前記表示面が予め定められた表示面であるか判別する状態判別手段と、その状態判別手段により前記予め定められ表示面と異なると判別された場合に、前記前面側に向いている表示面に基づいて、前記可動制御手段に対して前記接近位置で前記予め定められた表示面が前面側に向くように補正する補正可動制御を選択して実行させる補正制御手段と、を有するものである。
技術的思想2記載の遊技機は、技術的思想1に記載の遊技機において、前記離間位置から所定位置まで前記第1可動手段と前記第2可動手段との少なくとも一方の変位を規制する変位規制部材が配置された変位規制領域と前記第1可動手段と第2可動手段との変位を許容する変位許容領域とが設定されており、前記それぞれの補正可動制御は、前記離間位置における前面側に位置するそれぞれの表示面に対応して、前記変位許容領域内に可動してから前記第1可動手段と第2可動手段とを変位開始させるそれぞれのタイミングを異ならせて設定されている。
技術的思想3記載の遊技機は、技術的思想1または2に記載の遊技機において、前記離間位置から所定位置まで前記第1可動手段と前記第2可動手段との少なくとも一方の変位を規制する変位規制部材が配置された変位規制領域と前記第1可動手段と第2可動手段との変位を許容する変位許容領域とが設定されており、前記それぞれの補正可動制御は、前記離間位置における前面側に位置するそれぞれの表示面に対応して、前記接近位置に可動するそれぞれの速度を異ならせて設定されている。
<効果>
技術的思想1記載の遊技機によれば、可動可能に構成された第1可動手段に接近する方向と離間する方向とに少なくとも可動可能に第2可動手段が構成されている。第1可動手段と第2可動手段とが、それぞれ互いに接近する接近位置と離間する離間位置との間で可動制御手段により可動制御される。
第1可動手段と第2可動手段とは、複数の表示面を有しており、変位することで、遊技機前面側にそれぞれの表示面を配置可能に構成されている。接近位置に第1可動手段と第2可動手段とを可動させる場合に、それぞれを変位させながら接近させて、接近位置で、予め定められた表示面が互いに前面側に位置するように可動制御手段により可動制御される。可動制御手段によって、離間位置から接近位置へ可動させる場合に、離間位置における前面側に向いている第1可動手段と第2可動手段とのそれぞれの表示面が予め定められた表示面であるか状態判別手段により判別される。その状態判別手段により予め定められ表示面と異なると判別された場合に、前面側に向いている表示面に基づいて、可動制御手段に対して接近位置で予め定められた表示面が前面側に向くように補正する補正可動制御が補正制御手段により選択され実行される。
このように、互いに変位しながら接近する可動手段を可動制御する場合に、離間位置で可動開始するときの前面側に向いた表示面が正常状態と異なっていても、それに合わせた補正制御が実行されるので、予め定めた表示面を前面側にして接近位置に可動させることができる。よって、駆動物の制御をより安定して実行することができるという効果がある。
技術的思想2記載の遊技機によれば、技術的思想1記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、離間位置から所定位置まで第1可動手段と第2可動手段との少なくとも一方の変位を規制する変位規制部材が配置された変位規制領域と第1可動手段と第2可動手段との変位を許容する変位許容領域とが設定されている。変位許容領域に補正位置は設けられている。よって、変位した状態から接近位置における前面側に位置することとなる表示面を容易に判別することができるという効果がある。
技術的思想3記載の遊技機によれば、技術的思想2記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1可動手段と第2可動手段とが互いに接近位置方向に可動させるのを中断して、第1可動手段と第2可動手段とをそれぞれ異なる速度で接近位置で予め定められた表示面が前面側に位置するようになる補正完了状態となるまで変位させた後、通常の可動制御と同様の可動制御により第1可動手段と第2可動手段とを接近位置へ可動制御により可動させる。よって、予め定めた表示面が前面側に位置するようになる前に、最接近位置に可動してしまう不具合を抑制できる。従って、より確実に可動制御することができる。
10 パチンコ機(遊技機)
900 上回転駆動体(第1可動手段の一例)
910 下回転駆動体(第2可動手段の一例)
113 音声ランプ制御装置(可動制御手段の一部)
S1920 状態判別手段
S1921 補正制御手段

Claims (4)

  1. 可動可能に構成された第1可動手段と、
    その第1可動手段に接近する方向と離間する方向とに少なくとも可動可能に構成された第2可動手段と、を有し、
    前記第1可動手段と前記第2可動手段とは、それぞれ複数の表示面を有しており、前記複数の表示面を変位させることで、前記複数の表示面のうち予め定められた表示面を所定箇所に配置可能に構成され、
    前記第1可動手段と前記第2可動手段とを、少なくともそれぞれ互いに接近する接近位置と離間する離間位置との間で前記複数の表示面を変位させながら可動制御する可動制御手段と、
    その可動制御手段によって、前記離間位置から前記接近位置へ可動させる場合に、前記離間位置における前記1可動手段と前記第2可動手段との前記複数の表示面の配置状態を判別する状態判別手段と、
    その状態判別手段による判別結果に基づいて、前記可動制御手段に対して前記接近位置で前記予め定められた表示面が前記所定箇所に配置されるように補正する補正可動制御を実行させる補正制御手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機。
  2. 前記補正制御手段には、前記補正可動制御の実行内容として複数の実行内容が設定されており、前記状態判別手段による判別結果に基づいて、前記可動制御手段に対して前記複数の実行内容の中から1の実行内容を選択して実行させるものであることを特徴とする請求項1記載の遊技機。
  3. 前記離間位置から所定位置まで前記第1可動手段と前記第2可動手段との少なくとも一方の変位を規制する変位規制部材が配置された変位規制領域と前記第1可動手段と第2可動手段との変位を許容する変位許容領域とが設定されており、
    前記複数の実行内容は、前記離間位置における前記1可動手段と前記第2可動手段との前記複数の表示面の配置状態に対応して、前記変位許容領域内に可動してから前記第1可動手段と第2可動手段とを変位させるそれぞれのタイミングを異ならせて設定されていることを特徴とする請求項2記載の遊技機。
  4. 前記離間位置から所定位置まで前記第1可動手段と前記第2可動手段との少なくとも一方の変位を規制する変位規制部材が配置された変位規制領域と前記第1可動手段と第2可動手段との変位を許容する変位許容領域とが設定されており、
    前記複数の実行内容は、前記離間位置における前記1可動手段と前記第2可動手段との前記複数の表示面の配置状態に対応して、前記接近位置に可動するそれぞれの速度を異ならせて設定されていることを特徴とする請求項2記載の遊技機。
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