JP5978420B2 - カルボキシルエチルセルロースからなるシート状構造体 - Google Patents
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Description
さらに、下記特許文献3は不溶化させたCMCを熱架橋させたシート状構造体を報告している。本材料は体内の医用材料として使用できるものだが、上記特許文献1と同様、創傷被覆材として使用するには、強度が著しく低いという問題があった。
一方、本発明者らは、新規構造の水溶性のカルボキシルエチルセルロースを架橋させた高吸水性樹脂を報告している(下記特許文献4参照)。しかし、ここで報告している樹脂は、架橋状態が弱く、ポリマー中の結晶の配向度が低いために、乾燥状態及び膨潤状態における強度は十分満足する結果が得られていなかった。
(1)カルボキシルエチルセルロースを分子鎖骨格にもつ水不溶性高分子から成るシート状の構造体であって、乾燥状態における引張強度が1000g/mm2以上、突き刺し強度が20kg/mm以上および膜厚が5μm以上10000μm以下であり、かつ、水による膨潤状態における引張強度が50g/mm2以上、突き刺し強度が1.0kg/mm以上および膜厚が50μm以上15000μm以下であり、前記水不溶性高分子は、カルボキシルエチル基の置換度が0.2以上2.8以下、カルバモイルエチル基の置換度が0.04以下および重合度が100以上3000以下のカルボキシルエチルセルロースであり、かつ、水酸基およびカルボキシル基間水素結合に基づく物理架橋構造を保有していることを特徴とするシート状構造体。
(2)上記(1)に記載のシート状構造体からなる創傷被覆材。
(3)上記(1)に記載のシート状構造体からなる癒着防止材。
(4)上記(1)に記載のシート状構造体からなる薬剤徐放用基材。
(5)下記(a)〜(d)の工程:
(a)pH9以上13.5以下のアルカリ水溶液にカルボキシルエチルセルロースを0.1wt%以上30wt%以下になるように添加し、50℃以上80℃以下で溶解させる工程;
(b)前記(a)工程で得られた溶液を塗工板に塗工し、pHが1.0以上5.5以下で含水率が5wt%以上50wt%以下の有機溶媒水溶液に浸漬させる工程;
(c)前記(b)工程で得られた塗工物を、pHが6以上8以下で含水率が5wt%以上50wt%以下の有機溶媒水溶液に浸漬後、さらに有機溶媒に浸漬させる工程;及び
(d)前記(c)工程で得られた処理物を50℃以上200℃以下で熱処理する工程;
を含む、上記(1)に記載の構造体の製造方法。
また、本発明における水不溶性とは、大気圧下、130℃で、24時間乾燥させた乾燥状態の該シート状構造体を24時間、純水に浸漬させ、その後、取り出して、大気圧下で130℃、24時間で乾燥した後の重量減が1.0wt%以下であることをいう。
特に本発明のシート状構造体を、創傷被覆材、癒着防止材および徐放用基材として使用する場合には、生体に接触する用途で使用されるため、これらのうち、ナトリウム塩またはアンモニウム塩であることが好ましい。
本発明における物理架橋構造とは、疎水性相互作用、イオン性相互作用、水素結合あるいは配位相互作用が架橋に関与したネットワーク構造である。ここで、物理架橋を施すための添加剤としては、例えば無機酸及び多価のカルボン酸またはアミノ酸化合物の群の中から選ばれる添加剤を用いることができる。無機酸としては塩酸、硫酸およびリン酸が挙げられ、多価のカルボン酸としては、カルボキシル基や水酸基を合計で2個以上有する化合物であれば特に制限はなく、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸、ポリアクリル酸、マレイン酸、ポリマレイン酸、こはく酸等が挙げられる。アミノ酸化合物としては、カルボキシル基と反応可能であれば特に限定されるものではないが、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、チロシン、システイン、シスチン、メチオニン、トリプトファン、リジン、アルギニン、ヒスチジン並びに酸性アミノ酸(アスパラギン酸やグルタミン酸等)及びその塩類等が挙げられる。なお、これらの添加剤には何ら制限はない。
(a)ドープ調整工程
(b)塗工工程
(c)pH調整工程
(d)熱処理工程
なお、カルボキシルエチルセルロースは、例えば特開2010−13549号公報等に記載された公知の方法で製造することができる。
(a)ドープ調整工程
pH9以上13.5以下の水溶液にカルボキシルエチルセルロースを0.1wt%以上30wt%以下になるように添加し、50℃以上80℃以下で溶解させる。この工程は、目的とする高い強度のシート状構造体を得るという観点から必要である。pH9未満の水溶液を用いると、カルボキシルエチルセルロースを完全に溶解させることができず未溶解物が残存し、目的の強度のシート状構造体を製造できなくなる。またpHが13.5を超えると、カルボキシルエチルセルロースが加水分解してしまい、重合度低下することで、シート状構造体が強度を失ってしまう。カルボキシルエチルセルロースの溶解に用いる水溶液のpHは、好ましくはpH9.5以上13.0以下、更に好ましくはpH9.8以上12.5以下である。
上記(a)工程で得られたドープを塗工板に塗工し、pH1.0以上5.5以下の含水率5 wt%以上50wt%以下の有機溶媒水溶液に浸漬させる工程。この工程は、目的とする高い強度のシート状構造体を得るという観点から重要である。通常、カルボキシルメチルセルロース水溶液からなるシート状構造体を製造するときはこのような工程はない(前記特許文献3参照)。高濃度のカルボキシルエチルセルロースからなるドープを所定のpHにコントロールした含水有機溶媒水溶液に浸漬させると、驚くべきことに得られたシート状物の結晶が高度に配向し、高い強度を発現する。しかし、カルボキシルエチルセルロースからなるシート状構造体を単純にpH3程度の水溶液に浸漬させただけでは、結晶が高度に配向せずに、本発明の強度を発現しなくなってしまう。そのために、pH1以上5.5以下の含水率5wt%以上50wt%以下の有機溶媒水溶液に浸漬させることが最も重要になってくる。
浸漬時間は5分以上であることが好ましい。5分未満であると、十分に結晶が配向しないため、本発明の強度を発現しなくなってしまう。
この工程における有機溶媒水溶液に浸漬させる時の温度は、5℃以上25℃以下である。有機溶媒水溶液に浸漬させる時の温度が5℃未満であると、温度が低すぎるためか、結晶が高度に配向しなくなり、強度が低下する。また25℃を超えると、結晶状態が崩れてしまうためか、同様に強度が低下してしまう。好ましくは7℃以上23℃以下で、より好ましくは10℃以上20℃以下である。
(b)工程で得られた塗工物をpH5以上8以下で含水率5wt%以上50wt%以下の有機溶媒水溶液に浸漬させてから、有機溶媒に浸漬させる。この工程は、高い強度を有するシート状構造体を得るという観点から、重要である。有機溶媒水溶液のpHが5未満であると、(b)工程での酸が残ってしまい、乾燥時に重合度低下が起こってしまう。また創傷被覆材として使用した時に、炎症を引き起こしてしまう。pHが8を超えると、後述する熱処理をしても、水に対して溶解してしまい、シート状構造体として使用できなくなる。好ましくはpHが6以上7.8以下で、更に好ましくは6.5以上7.5以下である。
有機溶媒水溶液の含水率が5wt%未満であると、酸がシート状構造体内部まで浸透せず、熱処理後、水に対して不溶のシート状構造体が得られない。50wt%をこえると、塗工したシート状構造体が浸漬時に溶解してしまう。好ましくは含水率が10wt%以上40wt%以下で、更に好ましくは15wt%以上30wt%以下である。
(c)工程で得られた処理物を50℃以上200℃以下で熱処理する。この工程は、シート状構造体を水に対して不溶化させるためとシート状物の強度を発現させるために必要である。熱処理温度が50℃未満だと、シート状物中のカルボキシルエチルセルロース分子鎖同士の水素結合が不十分であるため、シート状構造体が水に対して溶解してしまう。また200℃以上の温度で熱処理をすると、重合度低下が起こり、シート状構造体の強度が低下してしまう。好ましくは60℃以上180℃以下で、更に好ましくは80℃以上150℃以下である。熱処理は、窒素、アルゴン等の不活性雰囲気下でも、空気中でも構わない。
(1)カルボキシルエチル基及びカルバモイルエチル基の置換度
置換度測定用のサンプルを重水に溶解させ、3〜5wt%重水溶液を調整し、BRUKER社製のFT−NMR(Avance 400MHz)を用いて、13C−NMRにより測定を行い、置換度はセルロースのC1のピーク(106.32−104.2 ppm)面積dを基準とし、カルバモイルエチル基のα炭素のピーク(38.55−38.27 ppm)面積e及びカルボキシルエチル基のα炭素のピーク(40.96−39.72 ppm)面積fから下式のように算出した。
総置換度 = e/d(カルバモイルエチル基の置換度)+f/d(カルボキ
シルエチル基の置換度)
なお上記の分析でカルバモイルエチル基が検出されない場合は、JASCO社製のFT−IR−6200を用いて測定を行い、カルバモイルエチル基に基づく吸収3300−3200 cm-1のピークが検出されないことを確認する。
引張強度の評価は、JIS P8113にて定義される方法に従い、熊谷理機工業(株)の卓上型横型引張試験機(No.2000)を用い、幅15(mm)×厚みh(mm)のサンプル10点について測定し、その強度の平均値i(g)をとり、下記式より引張強度j(g/mm2)を算出した。
j=i/(h×15)
サンプルを蒸留水中に24時間浸漬させたものを、膨潤状態のサンプルとして使用した。なお、測定方法は(2)と同様に行い、引張強度を算出した。
測定には、Stable Micro Systems社製のTexture Analyzer TA−XT2を用いて、厚さk(mm)の測定用サンプルを3cm×2.5cmの大きさに切り出して、ステージ上に固定し、これに直径12.7mmの球状プローブを1mm/secの速度で押し当て、ブローブがサンプルを突き破る際の最大応力l(kg)を測定した。下記式より、突刺し強度m(kg/mm)を算出した。
m=l/k
サンプルを蒸留水中に24時間浸漬させたものを、膨潤状態のサンプルとして使用した。なお、測定方法は(4)と同様に行い、厚みとしては乾燥状態の厚みkを用いて突き刺し強度を算出した。
Mitutoyo(株)製の膜厚計(Code;547−401)を用い、シート状構造体の3.0cm×3.0cmの正方形片を切り取り種々な位置について5点の測定値の平均値を膜厚L(μm)とした。
得られたシート状構造体を蒸留水中に24時間浸漬して膨潤させたものを試料として用い、10人の膝表部に24時間貼付して、皮膚貼付性について評価した。なお、評価は、貼付中の皮膚の違和感及び皮膚からの剥離性、並びに貼付後のシート状構造体の状態について下記の基準に従って採点し、10人の平均点を求めた。
1点:貼付中、皮膚への違和感があり、不快である。
2点:多少違和感はあるが、気にならない。
3点:違和感はなかった。
(皮膚からの剥離性)
1点:シート状構造体との接触部分から滲出液が滲み出しており、皮膚に完全に付着している。
2点:シート状構造体との接触部分から滲出液が滲み出しているが、スムーズに剥離できる。
3点:シート状構造体との接触部分から滲出液が滲み出しておらず、問題なく剥離できる。
(貼付後のシート状構造体の状態)
1点:シート状構造体が破れるか、潰れてしまっており、貼付直後の形を成していない。
2点:多少破れがあるが、原型を保持している。
3点:貼付直後の原型を完全に保持している。
<カルボキシルエチルセルロースの製造>
重合度1100のコットンリンターをホソカワミクロン社製の粉砕機(機種:ACMパルペライザ)を用いて約1〜5mm角に粉砕して、70℃で12時間真空乾燥し、10g採取し、15wt%濃度の水酸化ナトリウム水溶液100 gに30℃で30分間浸漬した。セルロース重量に対してアルカリ水溶液重量が5倍量になるまで圧搾し、アクリロニトリルをセルロースのグルコース残基当り1.0 モル加え、プライミクス社製の二軸型混練機(クリアランス:4mm)を用いて自転50rpm、公転35rpm、0℃で24時間攪拌した。その後、25gの純水を加えて反応系内のアルカリ濃度を10wt%に調整し16時間混練した後、6N塩酸を用いて20℃中でpH8.4に調整した。次いで、この反応物にアセトンを添加して凝固させ、含水率20wt%メタノール水溶液で洗浄し、回収した。ここで得られた反応物を真空乾燥機内で70℃、36時間乾燥させて、カルボキシルエチルセルロースを得た。カルボキシルエチル基の置換度は0.93であり、カルバモイルエチル基は検出されなかった。なお、赤外吸収スペクトルより、シアノエチル基は検出されなかった。またこのカルボキシルエチルセルロースは水溶性を示した。
カルボキシルエチルセルロースの製造条件および評価結果を表1に示す。
このカルボキシルエチルセルロースを20g採取し、55℃でpH12の285gの水酸化ナトリウム水溶液に溶解させて6.6wt%濃度のカルボキシルエチルセルロース水溶液を調整した。その後、孔径10μmのフィルターを用いて、カルボキシルエチルセルロース水溶液をろ過して、シンキー社製の遠心脱泡機(あわとり練太郎ARE−310)にセットし、1500rpmで5分間運転した。このカルボキシルエチルセルロース水溶液を、塗工板に塗工し、その塗工板をpH2.5で含水率30wt%のメタノール水溶液に15分間浸漬させた。続いて、塗工板をpH7.5の含水率20wt%のメタノール水溶液に10分間浸漬後、更に、メタノールに浸漬させた。次いで、塗工板から剥がしたシート状構造体を130℃で空気中で30分熱処理を行い、厚みが15μmのカルボキシルエチルセルロースのシート状構造体を得た。得られたシート状構造体のIRスペクトル測定により、水酸基およびカルボキシル基間水素結合の存在が確認された。
シート状構造体の製造条件を表1に併せて示す。
得られたシート状構造体の評価結果を表2に示す。乾燥状態での引張強度が6500g/mm2で突き刺し強度が60000g/mm、膨潤状態での引張強度が1360g/mm2で突刺し強度が11000g/m2と本発明の範囲を満足するものであった。
重合度200〜1800のパルプを原料に用いた以外は、実施例1と同じ条件で、カルボキシルエルチルセルロースを合成し、シート状構造体を製造した。結果を表1及び2に示す。いずれのシート状構造体も、本発明の範囲を満足するものだった。
カルボキシルエチルセルロースを製造する工程でアクリロニトリルの添加量を変えた以外は、実施例1と同じ条件で、カルボキシルエルチルセルロースを合成し、シート状構造体を製造した。結果を表1及び2に示す。いずれのシート状構造体も、本発明の範囲を満足するものだった。
カルボキシルエチルセルロースを製造する工程で、カウンターカチオンを表1記載のイオンに変えた以外は、実施例1と同じ条件で、カルボキシルエルチルセルロースを合成し、シート状構造体を製造した。結果を表1及び2に示す。いずれのシート状構造体も、本発明の範囲を満足するものだった。
カルボキシルエチルセルロースからシート状構造体を製造する工程で、各工程の条件を表1記載の如く変えた以外は、実施例1と同じ条件で、カルボキシルエルチルセルロースを合成し、シート状構造体を製造した。なお、得られたシート状構造体のIRスペクトル測定により、水酸基およびカルボキシル基間水素結合の存在が全ての例で確認された。結果を表1及び2に示す。いずれのシート状構造体も本発明の範囲を満足するものだった。
重合度50および150のパルプを原料に用いた以外は、実施例1と同じ条件で、カルボキシルエルチルセルロースを合成し、シート状構造体を製造した。結果を表1および2に示す。いずれのシート状構造体も、乾燥状態、膨潤状態共に強度が低く、本発明の範囲を外れるものだった。
カルボキシルエチルセルロースを製造する工程でアクリロニトリルの添加量を変えた以外は、実施例1と同じ条件で、カルボキシルエルチルセルロースを合成し、シート状構造体を製造した。結果を表1および2に示す。このカルボキシルエチルセルロースでは、乾燥状態、膨潤状態共に強度が低く、本発明の範囲を外れるものだった。
カルボキシルエチルセルロースからシート状構造体を製造する工程で、各工程の条件を表1記載の如く変えた以外は、実施例1と同じ条件で、カルボキシルエルチルセルロースを合成し、シート状構造体を製造した。結果を表1および2に示す。いずれのシート状構造体も本発明の本発明の範囲を外れるものだった。
カルボキシルエチルセルロースからシート状構造体を製造する工程で、pH調整剤にクエン酸を用いて、表3記載の条件に変えた以外は、実施例1と同じ条件でカルボキシルエルチルセルロースを合成し、シート状構造体を製造した。結果を表4に示す。
原料にカルボキシルメチルセルロースを用いて、表5記載の条件で、シート状構造体を製造した。結果を表6に示す。いずれのシート状構造体も本発明の強度範囲をはずれるものだった。
カルボキシルエチルセルロースからシート状構造体を製造する工程で、表7記載の膜厚で製造した以外は、実施例1と同じ条件で、カルボキシルエルチルセルロースを製造し、シート状構造体を製造した。結果を表7に示す。いずれのシート状構造体も本発明の範囲を満足するものだった。
カルボキシルエチルセルロースからシート状構造体を製造する工程で、表7記載の膜厚で製造した以外は、実施例1と同じ条件で、カルボキシルエルチルセルロースを製造し、シート状構造体を製造した。結果を表7に示す。いずれのシート状構造体も本発明の範囲をはずれるものだった。
Claims (5)
- カルボキシルエチルセルロースを分子鎖骨格にもつ水不溶性高分子から成るシート状の構造体であって、乾燥状態における引張強度が1000g/mm2以上、突き刺し強度が20kg/mm以上および膜厚が5μm以上10000μm以下であり、かつ、水による膨潤状態における引張強度が50g/mm2以上、突き刺し強度が1.0kg/mm以上および膜厚が50μm以上15000μm以下であり、前記水不溶性高分子は、カルボキシルエチル基の置換度が0.2以上2.8以下、カルバモイルエチル基の置換度が0.04以下および重合度が100以上3000以下のカルボキシルエチルセルロースであり、かつ、水酸基およびカルボキシル基間水素結合に基づく物理架橋構造を保有していることを特徴とするシート状構造体。
- 請求項1に記載のシート状構造体からなる創傷被覆材。
- 請求項1に記載のシート状構造体からなる癒着防止材。
- 請求項1に記載のシート状構造体からなる薬剤徐放用基材。
- 下記(a)〜(d)の工程:
(a)pH9以上13.5以下のアルカリ水溶液にカルボキシルエチルセルロースを0.1wt%以上30wt%以下になるように添加し、50℃以上80℃以下で溶解させる工程;
(b)前記(a)工程で得られた溶液を塗工板に塗工し、pHが1.0以上5.5以下で含水率が5wt%以上50wt%以下の有機溶媒水溶液に浸漬させる工程;
(c)前記(b)工程で得られた塗工物を、pHが6以上8以下で含水率が5wt%以上50wt%以下の有機溶媒水溶液に浸漬後、さらに有機溶媒に浸漬させる工程;及び
(d)前記(c)工程で得られた処理物を50℃以上200℃以下で熱処理する工程;
を含む、請求項1に記載の構造体の製造方法。
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