JP5978361B1 - 乗客参加型旋回遊戯機 - Google Patents
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Description
ところが、これらの旋回遊戯機は、中央部と昇降アームとの角度が、予め定めれた機械的や電子的な制御によって変化するに止まり、乗客による操作は予定されていない。
また本発明は、剛体による安全バーを有する新たな安全装置を備えた遊戯機を提供することを課題とする。
本発明の実施に際しては、前記昇降作動部と前記傾斜作動部との両方の作動部を備え、前記乗物は、前記操作部として、前記昇降作動部と関連付けられた前記昇降操作部と、前記傾斜作動部と関連付けられた前記傾斜操作部とを備え、前記昇降操作部の操作によって前記昇降運動がなされ、前記傾斜操作部の操作によって前記傾斜運動がなされるように構成することによって、多彩な乗り物の動きが実現する。
また前記乗物は、座席の横へ配置された回動軸と、前記回動軸から伸びる安全バーとを備え、安全バーの一端が前記回動軸を中心に回動可能であり、安全バーの他端が自由端となっており、接近状態で両端が座席の左右両側に位置し、離反状態で他端の自由端が座席の前方に位置するように構成されたものとして実施することができる。
前記安全バーの回動は完全な水平である必要はなく、回動軸は、前後に傾斜して上下に伸びるものであり、前記安全バーは、座席に対して接近するに伴い上方に上がり、座席から離れるに伴い下方に下がるよう傾斜して回動するものであることも望ましい。
前記作動部と前記操作部とがPLC制御手段を介して関連付けられ、PLC制御手段のプログラムを変更することによって、前記昇降運動と前記傾斜運動との少なくとも何れか一方の運動を変更することができるようにすることも望ましい。また、前記中央塔、前記昇降アーム及び前記乗物は、骨格部と前記骨格部に支持された装飾部とを備え、前記装飾部を変更することによって、前記骨格部を変更することなくデザインを変更することができる。
また本発明は、剛体による安全バーを有する新たな安全装置を備えた遊戯機を提供することができたものである。
まず、旋回遊戯機の全体構造を説明する。
この旋回遊戯機は、タワー状の中央部11から放射状に設けられた複数の昇降アーム21と、それぞれの昇降アーム21の先端側に設けられた乗物31とを備える。この乗物31には少なくとも1つ(この例では図5に示すように左右2つ)の座席51が設けられており、乗客が着座して搭乗する。
この旋回遊戯機は、回転部13の回転による乗物31の旋回に加えて、乗物31の昇降と傾斜との2つの動きをなす。昇降動作は昇降アーム21と中央部11との角度(仰角)を変更することにより行なわれ、傾斜動作は乗物31と昇降アーム21と角度(傾斜角度)を変更することによって行なわれる。この昇降と傾斜が行なわれることによって、図1及び図8に示したような乗物31の多彩な動きが実現する。
昇降動作を行なう構造について説明する。この昇降アーム21は、平行リンクによって、昇降アーム21と中央部11との角度(仰角)が変更される。リンクとしては、昇降アーム21とその上方に配置されたリンクアーム23とが一対の平行リンクとなり、アーム先端24と回転部13とが他の一対の平行リンクをなす。これらのリンクは、図2に黒丸で示す回動軸によって回動可能に接続されている。このリンクの何れか一つを動かすことによって、平行リンクが動くが、この例では、昇降アーム21を昇降作動部22で動かすもので、この昇降作動部22には油圧シリンダが採用されている。昇降作動部22の一端は回転部13に回動可能に接続され、他端は昇降アーム21に回動可能に接続されている。従って、昇降作動部22が伸縮することによって、昇降アーム21と中央部11との仰角が変化し、アーム先端24が回転部13との平行を保って(この例では鉛直状態を保って)昇降する。このアーム先端24には、傾斜アーム25が回動可能に接続され、傾斜アーム25に乗物31が支持されることによって、昇降作動部22の伸縮によって乗物31が昇降する。
上記の傾斜アーム25は、アーム先端24の下部に回動可能に接続されたもので、傾斜アーム25の上端寄りに補助部材27の一端が固定されている。そして、傾斜作動部26の両端が、補助部材27の他端と昇降アーム21とに対して、それぞれ回動可能に接続されることによって、傾斜作動部26、補助部材27付き傾斜アーム25、昇降アーム21、アーム先端24の4点のリンクを備えたリンク構造が構成される。この例では、傾斜作動部26には油圧シリンダが採用されており、傾斜作動部26が伸縮することによって、アーム先端24に対する傾斜アーム25の角度が変化し、傾斜アーム25に支持された乗物31の傾斜角度が変化する。
ここで、作動部28を作動させる油圧システムについて説明しておくと、この例では、図2に示すように、油圧タンク72と油圧ポンプ73とを備えた油圧ユニット71が、回転部13の内部に格納されている。従来、油圧ユニット71を地上に設置することが一般的に行なわれていたが、油圧ユニット71を回転部13に設けることによって、複雑な油圧の接続システムが不要となり、油圧漏れのおそれを低減させることができる。油圧ユニット71は、図3に示すPLC制御手段74によって制御され、その制御下にて昇降作動部22と傾斜作動部26とそれぞれ伸縮作動させる。
PLC制御手段74は、地上の操作員が操作する操作盤に設けられたメイン操作部75と、乗物31に設けられた昇降操作部35及び傾斜操作部36との各操作を受けて、油圧ユニット71に対して必要な指示を与える。この指示により、油圧ユニット71による油圧によって昇降作動部22及び傾斜作動部26が作動して、昇降アーム21及び傾斜アーム25の角度が変化し、乗物31の動きを変化させる。
メイン操作部75からの操作は、従来の遊戯機と略同じものとして実施することができる。その一例を示せば、スタートボタンの押し下げなどの開始操作によって、メイン操作部75からPLC制御手段74に開始指示が送られる。開始指示を受けて、PLC制御手段74は、油圧ユニット71に対する開始指示をなすと共に、タイマのカウントを開始する。開始指示によって、油圧回路(図示せず)の所定の弁が開かれて、油圧ユニット71から昇降作動部22に油圧が送られて、昇降作動部22を伸張させ、乗物31を上昇させる。タイマのカウントが所定の初期カウントに達すると、PLC制御手段74から電動機17に対して回転開始指示が送られて、電動機17(図3には図示せず)が回転を開始してこれを継続する。昇降作動部22の伸縮は自動的に繰り返すように、PLC制御手段74から指示されることによって、乗物31は昇降を繰り返す。また、必要に応じて、傾斜作動部26も自動的に伸縮が繰り返すように、PLC制御手段74から指示されることによって、乗物31は揺動を繰り返す。
以上のメイン操作部75からの操作に基づく定型的な動きに加えて、昇降操作部35及び傾斜操作部36がなされることによって、それぞれの乗物31に搭乗した乗客による操作に基づき、それぞれの乗物31が不定形な動きをなす。従って、メイン操作部75による上述の定型的な動きは、全ての昇降作動部22及び傾斜作動部26に対してなされるものであるが、不定形の動きは、それぞれの昇降作動部22及び傾斜作動部26に対して個別的になされ、個別的に昇降アーム21及び傾斜アーム25が動作して、乗物31を個別的に動かすものである。これにより、旋回遊戯機全体として、図8に例示した種々の動きが実現する。
なお、安全面から、この昇降操作部35及び傾斜操作部36の操作は、メイン操作部75からの定型的な動きの始期及び終期の所定時間は受け付けないようにしてもよい。
次に、乗物31について説明する。
この乗物31は、前述のように、傾斜アーム25によって吊り下げられた状態で支持される。乗物31の底部等には乗物支持部32が設けられ、この乗物支持部32によって乗物31の全体が載せられた状態で支持されている。乗物支持部32は支持アーム33を介して傾斜アーム25に接続されている。具体的には、図4に示すように、支持アーム33は前後に逆U字状をなすもので、前後の下端が支持アーム33に接続され、中央が傾斜アーム25の下端に接続されている。
昇降操作部35の具体的形態は、後に説明するが、まず、前述の制御手段との関係で説明する。この昇降操作部35は、乗客が足で操作する足踏みペダル37として実施されているもので、乗客が足踏みペダル37を速く踏めば、前述の昇降速度が速くなり、ゆっくり踏めば前述の昇降速度が速くなるように制御されている。
いずれにしても、昇降操作部35(足踏みペダル37)が踏まれるなどの操作状態によって生じる情報をPLC制御手段74に送ることによって、昇降速度を変更する制御がPLC制御手段74によってなされ得る。
傾斜操作部36は、乗客が手で持って操作するハンドルとして実施されているもので、乗客がハンドルを回すことによって、乗物31の傾斜角度が変化するように制御されている。
なお、上記のように各操作部34の操作によって各作動部28が作動するが、その際、作動部28の動きは2段階や多段階で変化するものであってもよく、無段階で変化するものであってもよい。また、PLC制御手段に代えて、CPUを備えた他の制御手段や、さらにCPUを備えない他の電子又は電気的な制御手段を用いることもできる。
昇降操作部35は、自転車のペダルのように左右方向に伸びる回転軸を中心として一回転以上の連続回転運動をするものであってもよいが、この例では、左右の足踏みペダル37が往復運動をするものとして実施している。具体的には、左右の足踏みペダル37が、アーム回動軸84を中心として往復回転運動を交互に行うものである。そのため乗客の体感としては、左右の足踏みペダル37を交互に前後もしくは斜め下に直線的に踏みつけるものとなる動作を行う構造として実施されている。最も単純には、中央に支点を有する揺動バーの左右端に足踏みペダル37を設けるものでシーソーのように前後等に交互に動くものとすればよいが、この場合では動きの軌跡が僅かに左右に張り出した弧状を描くようになる。そのためこの実施の形態では、図6に示す一種のリンク機構を採用し、左右の足踏みペダル37を、左右に張り出さずに、動くようにしている。
その際、左右のアーム後部82の後端間の距離は変化するため、連結部40に可変部92を設けることによって、この距離の変化に対応している。また、ペダルアーム38(アーム後部82)と連結部40の関係は1つの回転平面上の変位ではないため、左右ブロック91は、両端接続部93にてペダルアーム38(アーム後部82)の後端に球面軸受けを介して接続されている。
最後に図6(C)に示すように、引張コイルスプリングなどの付勢体89によってペダルアーム38を付勢しておくことによって、乗客が足をかけない状態での足踏みペダル37を安定させておくことも望ましい。
この例では傾斜操作部36は、回転式のハンドルを用いたが、これに代えて、傾斜式の操縦桿など、その具体的形態は変更して実施することができる。また、例えば乗物31を飛行する恐竜を模したデザインとして、傾斜操作部36を操作することで、首や尾や羽根などの装飾部材が動くようにしてもよい。この装飾部材の動きは昇降操作部35の操作に起因してなされるものであってもよい。
なお羽根を乗物31の上部に設けることで雨日除けなどの屋根として利用することもできる。
座席51は、固定式であってもよいが、この例ではスライダ52を設けることによって、前後にスライドさせることができるようにしている。これによって、乗客の年齢差や体格差に応じて座席51を動かすことにより、座席51と足踏みペダル37との間隔を適正なものに調整することができる。
この安全バー54は、基端55が支持軸53に回動可能に接続されており、支持軸53を中心に回動する。安全バー54は、座席51に接近した状態でロックされて、中央部分57が乗客の腹部付近に位置する。この接近状態で、支持軸53と、安全バー54の自由端である先端56とが座席の左右両側に位置し、中央部分57は座席の前に位置するように前方に湾曲しており、着席した乗客は、中央部分57と座席51の背もたれとの間に挟まれて固定される。中央部分57は必要に応じてクッション材で被覆しておくこともできる。
なお、この安全バー54は、剛体による安全バー54を有する新たな安全装置を提供することができたもので、シートベルトに替えて種々の遊戯施設等の乗り物などに広く適用することができる。
乗物31は、停止状態でも接地しないが、故障などで接地してしまった場合でも、乗客の安全性を考慮して、ダンパ62を備えた接地部材61を有する。接地部材61は、回転可能な車輪63を備え、この車輪63の支持部がバネ等のダンパ62を介して、乗物31の乗物支持部32に取り付けられていることにより、乗物31の接地の際の衝撃を緩和する。また地面には車輪63が接地するため、乗物31が旋回中に接地しても前後方向の抵抗を緩和することができる。この接地部材61は1台の乗物31に対して、1個又は複数個設けることができる。
図9(A)(B)に示すように、この旋回遊戯機は、その基本構造を変更することなく、装飾部材を変更することで、異なるデザインにリニューアルすることができる。
以上、本発明は種々変更して実施することができるものである。
12 基部
13 回転部
15 従動ギア
16 動力ギア
17 電動機
21 昇降アーム
22 昇降作動部
23 リンクアーム
24 アーム先端
25 傾斜アーム
26 傾斜作動部
27 補助部材
28 作動部
31 乗物
32 乗物支持部
33 支持アーム
34 操作部
35 昇降操作部
36 傾斜操作部
37 足踏みペダル
38 ペダルアーム
39 支持体
40 連結部
51 座席
52 スライダ
53 支持軸
54 安全バー
55 基端
56 先端
57 中央部分
58 乗降口
61 接地部材
62 ダンパ
63 車輪
71 油圧ユニット
72 油圧タンク
73 油圧ポンプ
74 PLC制御手段
75 メイン操作部
81 アーム前部
82 アーム後部
83 アーム支持バー
84 アーム回動軸
85 連結支持バー
86 連結回動軸
87 縦支持部
88 支持基部
89 付勢体
90 中央ブロック
91 左右ブロック
92 可変部
93 両端接続部
Claims (9)
- 乗客が搭乗する乗物を備え、
前記乗物は座席と、乗客が乗り降りする乗降口とを備えた遊戯施設の遊戯機において、
前記乗物は、前記座席の横へ配置された回動軸と、前記回動軸から伸びる剛体による安全バーとを備え、
前記回動軸は、左右方向において、前記乗降口から前記座席よりも遠い位置にあり、
前記安全バーの一端が前記回動軸を中心に回動可能であり、前記安全バーの他端が自由端となっており、
接近状態で前記安全バーの両端が前記座席の左右両側に位置し、離反状態で前記安全バーの他端の自由端が前記座席の前方に位置するように前記座席に対して接近離反可能に構成され、
前記安全バーの回転の中心軸が前方に傾斜していることにより、前記安全バーは、前記座席に対して接近するに伴い上方に上がり、前記座席から離れるに伴い下方に下がるように、斜めに傾斜して回動するものであり、
前記座席は、前後にスライド可能であることを特徴とする遊戯機。 - 前記遊戯機は、設置面に固定される中央部と、前記中央部に設けられた昇降アームと、前記昇降アームに設けられた乗客が搭乗する前記乗物とを備え、前記中央部を中心に前記乗物を備えた前記昇降アームが回転する旋回遊戯機であり、
前記昇降アームと前記中央部との間の角度を変更する昇降作動部と、前記乗物と前記昇降アームとの間の角度を変更する傾斜作動部との少なくとも何れか一方の作動部を備え、
前記乗物は、前記乗客による操作が可能な操作部を備え、
前記操作部と前記少なくとも何れか一方の作動部とが関連付けられ、
前記操作部の操作によって前記作動部が作動して、前記昇降アームと前記中央部との間の角度が変化する昇降運動と、前記乗物と前記昇降アームとの間の角度が変化する傾斜運動との少なくとも何れか一方の運動がなされるように構成されたことを特徴とする請求項1に記載の遊戯機。 - 前記傾斜作動部と前記昇降作動部との両方の作動部を備え、
前記乗物は、前記操作部として、前記昇降作動部と関連付けられた前記昇降操作部と、前記傾斜作動部と関連付けられた傾斜操作部とを備え、
前記昇降操作部の操作によって前記昇降運動がなされ、前記傾斜操作部の操作によって前記傾斜運動がなされるように構成されたことを特徴とする請求項2記載の遊戯機。 - 前記操作部は、前記乗物に設けられた左右の足踏みペダルであり、
前記足踏みペダルが踏まれる状態に応じて前記昇降運動が変化するように構成されたことを特徴とする請求項2又は3に記載の遊戯機。 - 前記足踏みペダルの操作速さと、前記足踏みペダルの操作個数との少なくとも何れか一方によって、前記昇降作動部が前記昇降アームを昇降させる速度が制御されることを特徴とする請求項3記載の遊戯機。
- 前記足踏みペダルは、
先端側にペダルを備えた左右のペダルアームと、
各ペダルアームをそれぞれ回動可能に支持する回動軸と、
左右いずれか一方の前記ペダルアームが前記回動軸を中心に一方向に回動すると、他方の前記ペダルアームが前記回動軸を中心に逆方向に連動して回動するように、左右の前記ペダルアーム同士を接続する連結部とを備え、
前記連結部は、左右方向の長さを可変とする可変部を介して、左右の前記ペダルアーム同士を接続することにより、左右の前記ペダルアームが連動して交互に往復運動をする際の左右前記ペダルアーム同士の間隔が一定に保たれることを特徴とする請求項4又は5に記載の遊戯機。 - 前記中央部は、基部と、基部の上に回転可能に配置された回転部とを備え、
前記回転部に前記昇降アームが昇降可能に支持され、
前記昇降作動部と前記傾斜作動部との少なくとも何れか一方に油圧シリンダを備え、
前記油圧シリンダに対して油を供給する油圧タンク及び油圧ポンプを有する油圧ユニットが前記回転部に配置されたことを特徴とする請求項3に記載の遊戯機。 - 前記乗物は、ダンパを介して取り付けれた接地部材を備え、
前記接地部材は下端に車輪を備え、
前記乗物が着地する際に、前記乗物への衝撃を前記ダンパが吸収することを特徴とする請求項2〜7の何れかに記載の遊戯機。 - 前記作動部と前記操作部とがPLC制御手段を介して関連付けられ、前記PLC制御手段のプログラムを変更することによって、前記昇降運動と前記傾斜運動との少なくとも何れか一方の運動を変更することができるように構成されたことを特徴とする請求項2〜8の何れかに記載の遊戯機。
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