JP5977766B2 - 電子装置の電力ハンドリングを改善するシステム及び方法 - Google Patents

電子装置の電力ハンドリングを改善するシステム及び方法 Download PDF

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Description

本発明の実施形態の各例は一般的には、絶縁ゲート・バイポーラ・トランジスタ(IGBT)インバータのような電子装置の電力ハンドリング能力を改善するシステム及び方法に関する。また、かかる実施形態の各例は、絶縁ゲート・バイポーラ・トランジスタ(IGBT)インバータの温度をモデル化し、監視し、また低下させることに関し得る。
例えば機関車のような牽引車は、主電動機を用いて車輛の車輪を駆動する。これらの車輛の幾つかにおいて、電動機は交流(AC)電動機であり、電動機の界磁巻線に供給されるAC電力の周波数及び電圧を変化させることにより電動機の速度及び電力が制御される。一般に、電力は車輛システムの何らかの点においてDC電力として供給され、この後に、IGBTのような一組のスイッチを含むインバータのような回路によって、制御された周波数及び電圧振幅を有するAC電力へ変換される。幾つかのシステムでは、電力は、インバータの脚に結合された電気バッテリ列から導かれ得る。インバータは、バッテリ充電モード及びバッテリ放電モードで動作するように構成され得る。バッテリ充電モードでは、界磁巻線からの電気エネルギを用いてバッテリを充電する。バッテリ放電モードでは、バッテリに蓄積されている電気エネルギを用いて電動機の界磁巻線に加圧する。
インバータの電力ハンドリング能力は少なくとも部分的に、IGBTの電流によって発生される熱を放散するIGBTの能力によって限定される。従って、インバータのIGBTの温度をモデル化する改善されたシステム及び方法が提供されると有益である。改善された温度モデル化手法を用いて、熱放散を改善することによりインバータの電力ハンドリング能力を高めることができる。また、改善された温度モデル化手法を用いて、動作時にIGBT温度を監視する手法を提供することもできる。
ヒートシンクと、ヒートシンクに結合されて、電力を励磁器(field exciter)へ与えるように構成されている第一のデュアルIGBTと、ヒートシンクに結合されて、電力をバッテリへ与えるように構成されている第二のデュアルIGBTと、ヒートシンクに結合されて、励磁器及びバッテリ充電器に共通の第三のデュアルIGBTとを含む電子装置が提供される。この例示的な電子装置はまた、ヒートシンクに配設された単一の温度センサと、単一の温度センサから温度指示値を受け取り、温度指示値に基づいて、第一、第二又は第三のデュアルIGBTの少なくとも一つについて接合部(ジャンクション)温度を推定するように構成されている制御器とを含んでいる。
もう一つの実施形態の例では、接合部温度を推定する方法が提供される。この方法は、モータの界磁巻線及びバッテリ充電回路に電流を与えるためにダブルHブリッジのIGBTに信号を与えるステップを含んでおり、IGBTはヒートシンクに結合されている。この方法はまた、ヒートシンクに配設された単一の温度センサから温度指示値を受け取るステップを含んでいる。この方法はまた、温度指示値に基づいて、IGBTの少なくとも一つについて接合部温度を推定するステップを含んでいる。
もう一つの実施形態の例では、ヒートシンクと、ヒートシンクに結合されて、電力を励磁器へ与えるように構成されている第一のデュアルIGBTと、ヒートシンクに結合されて、電力をバッテリへ与えるように構成されている第二のデュアルIGBTと、ヒートシンクに結合されて、励磁器及びバッテリ充電器に共通の第三のデュアルIGBTとを含む車輛用電力システムが提供される。この電力システムはまた、ヒートシンクに配設された単一の温度センサと、単一の温度センサから温度指示値を受け取り、温度指示値に基づいて、第一、第二又は第三のデュアルIGBTの少なくとも一つについて接合部温度を推定するように構成されている制御器とを含んでいる。
発明のこれらの特徴、観点及び利点、並びに他の特徴、観点及び利点は、添付図面を参照して以下の詳細な説明を読むとさらに十分に理解されよう。図面全体にわたり、類似の参照符号は類似の部材を表わす。
Hブリッジ・コンバータのブロック図である。 各実施形態によるによるダブルHブリッジのブロック図である。 各実施形態によるダブルHブリッジの熱回路網を示すブロック図である。 ダブルHブリッジについての熱インピーダンス・モデルを導くのに用いられるデータを展開するための試験構成を示すブロック図である。 ダブルHブリッジについての熱インピーダンス・モデルを導くのに用いられるデータを展開するための試験構成を示すブロック図である。 ダブルHブリッジについての熱インピーダンス・モデルを導くのに用いられるデータを展開するための試験構成を示すブロック図である。 ダブルHブリッジについての熱インピーダンス・モデルを導くのに用いられるデータを展開するための試験構成を示すブロック図である。 図4及び図7に関して議論される温度を測定する熱電対構成を示すブロック図である。 図4(D)に示す試験構成を用いた測定温度とコンピュータ・モデルによる温度との経時的な比較を示すグラフである。 図4(D)に示す試験構成を用いた測定温度とコンピュータ・モデルによる温度との経時的な比較を示すグラフである。 図4(D)に示す試験構成を用いた測定温度とコンピュータ・モデルによる温度との経時的な比較を示すグラフである。 図4(D)に示す試験構成を用いた測定温度とコンピュータ・モデルによる温度との経時的な比較を示すグラフである。 図4(D)に示す試験構成を用いた測定温度とコンピュータ・モデルによる温度との経時的な比較を示すグラフである。 図4(D)に示す試験構成を用いた測定温度とコンピュータ・モデルによる温度との経時的な比較を示すグラフである。 推定冷却曲線を測定冷却曲線に対して比較するグラフである。 推定冷却曲線を測定冷却曲線に対して比較するグラフである。 各実施形態によるダブルHブリッジを用いたシステムのブロック図である。 相A、相B、及び相Cの各IGBTの出力電圧のグラフである。 図9の出力電圧の上に期待される出力電流を重ねたグラフである。 単一のHブリッジからの出力電流のグラフである。 相A又は相Cの各IGBTについての電流波形のグラフである。 相A又は相Cの各IGBTについての電流波形のグラフである。 相BのIGBT104及びダイオード208についての電流波形を示すグラフである。 相BのIGBT104及びダイオード208についての電流波形を示すグラフである。 相BのIGBT104及びダイオード208についての電流波形を示すグラフである。 相A及び相Cの各IGBT、並びにダイオードでの電力損失を推定するのに用いられる電流及び電圧波形のグラフである。 相B(共通)のIGBT及びダイオードでの電力損失を推定するのに用いられる電流及び電圧波形のグラフである。 冷却ユニット付きダブルHブリッジのブロック図である。 実時間ヒートシンク温度指示値を提供するように構成されているダブルHブリッジのブロック図である。 動作時のダブルHブリッジでの熱の流れの流れ図である。 様々な試験構成についての推定TS_XX−Tinl及び実測TS_XX−Tinlの経時的なグラフである。 様々な試験構成についての推定TS_XX−Tinl及び実測TS_XX−Tinlの経時的なグラフである。 様々な試験構成についての推定TS_XX−Tinl及び実測TS_XX−Tinlの経時的なグラフである。 ダブルHブリッジでのIGBTの接合部温度を推定する回路のブロック図である。 望ましい冷却の推定量に基づいて空気流量を制御するダブルHブリッジ用のシステム制御器のブロック図である。 望ましい冷却の推定量に基づいて空気流量を制御するダブルHブリッジ用のシステム制御器のブロック図である。 各実施形態による負荷電流を減定格するのに用いられる制御ループのブロック図である。 各実施形態による負荷電流を減定格するのに用いられる制御ループのブロック図である。 本発明の実施形態の一例によるインバータ制御回路を採用し得るディーゼル電気機関車のブロック図である。
図1は、Hブリッジ・コンバータのブロック図である。Hブリッジ・コンバータ100は、直流(DC)電圧を方形交流(AC)波形へ変換するのに用いられることができ、パワー・エレクトロニクス業界において多様な応用を有する。Hブリッジ・コンバータ100は、電力がDC線から供給され、変圧器を用いて回路における電圧低減及び/又は絶縁を行なうときに広く利用される。図1に示すように、入力電圧102がIGBTのような一群の4個の電子スイッチ104に供給される。スイッチ104の出力は、変圧器108の一次巻線106へ供給される。Hブリッジ・コンバータ100の各スイッチ104は、与えられた入力DC電圧102を切断(チョップ)して方形波形を発生し、この方形波形が変圧器108の一次巻線106へ供給される。発生される方形波形は、入力DC電圧102に等しいピーク電圧を有する。変圧器108のインダクタンスのため、変圧器108の二次巻線110の出力112は近似的にACの波形を有し、入力DC電圧102に変圧器108の巻数比を乗じたものに等しいピーク電圧を有する。通常、変圧器108の二次巻線110には整流器が存在して、二次側の近似的にACの波形を、入力DC電圧に比較して減少した振幅を有するDC波形に整流する。
図2は、各実施形態によるダブルHブリッジのブロック図である。ダブルHブリッジ200は、1本の脚を共通に有する2個のHブリッジを含んでおり2個の別個のHブリッジの作用を提供するコンバータであり得る。ダブルHブリッジ200では、共通の入力電圧102がIGBTのような一群の6個の電子スイッチ104に供給される。スイッチ104は、本書で「相A」202と呼ばれる第一の脚、本書で「相B」又は「共通」204と呼ばれる第二の脚、及び本書で「相C」206と呼ばれる第三の脚を含んでいる。各々の脚が1対のスイッチ104を含んでいる。一実施形態では、「フリーホイール」又は「フライバック」ダイオードと呼ばれるダイオード208が、各々のスイッチと並列に配設され得る。相A202及び相B204の各スイッチの出力は第一の変圧器210へ供給される。相B204及び相C206の各スイッチの出力は第二の変圧器212へ供給される。一実施形態では、第一の変圧器210の出力214を用いてバッテリ充電回路に給電し、第二の変圧器212の出力216を用いて励磁器に給電する。ダブルHブリッジのバッテリ充電回路及び励磁器への結合については、図8に関連して後にあらためて議論する。
このダブルHブリッジでは三つの相に対応して3本の脚202、204、及び206が用いられているので、三相インバータのハードウェアが採用される。このダブルHブリッジは、単一のヒート・シンクを用いてスイッチ104の熱放散を提供する単一のハウジングに実装され得る。各実施形態では、ヒート・シンクは、当該ヒートシンクの上に空気を強制的に流すことにより冷却される。ダブルHブリッジの接続形態(トポロジィ)のため、各々の脚において見られる電力損失は異なる電力損失を有する。さらに、共通のヒートシンクの強制空冷では、ダブルHブリッジの3本の脚の周囲の冷却空気流が不均等になる場合があり、三つの相の各々に関係する熱抵抗が非一様になる。ダブルHブリッジの電力ハンドリング能力は一般的には、最も高温の脚によって限定される。このように、三つの相の不均等な電力分布及び不均等な冷却のためダブルHブリッジの全体的な電力ハンドリング能力が低下し得る。各実施形態によれば、ダブルHブリッジの熱応答を解析するモデルが開発される。
《熱インピーダンス・モデル》
図3は、各実施形態によるダブルHブリッジの熱回路網を示すブロック図である。図3に示すように、熱回路網300は、デュアル・モジュール302に収納された3対のIGBTを含んでおり、各々のデュアル・モジュール302が、例えばアルミニウム母材に分散させた炭化ケイ素粒子から成る金属母材複合材であってよいケース304に封入されている。各々のケース304が熱伝導性グリース308の層によってヒートシンク306に結合され得る。ヒートシンク306は、例えばフィン310を通じて冷却空気流と接触し得る。
各々のデュアル・モジュールが1対のIGBTを含んでいてよく、各々のIGBTがそれぞれのダイオードに並列に結合されている。図3に示すように、PIGBT312は各々のそれぞれのIGBTにおいて熱へ変換される合計電力を表わし、PDiode314は各々のそれぞれのダイオードにおいて熱へ変換される合計電力を表わす。各々のIGBTの接合部ケース間熱抵抗「Rth(IGBTj−c)」は熱抵抗316によって表わされており、約0.024ケルビン毎ワット(K/W)であり得る。各々のダイオードの接合部ケース間熱抵抗「Rth(Diodej−c)」は熱抵抗318によって表わされており、約0.048K/Wであり得る。ヒート・シンクとケースとの間の接合部の熱抵抗「Rth(c−h)」は熱抵抗320によって表わされており、約0.018K/Wであり得る。ヒート・シンクの熱抵抗「Rth(ヒートシンク)」は熱抵抗322によって表わされており、特定の気流について約0.0218K/Wであり得る。熱回路網300を用いて、不均等に冷却されるヒートシンク306の熱挙動を解析して、各々の相の下層の最も熱いスポットと冷却空気の温度との間の温度差を空気流の関数として記述する熱インピーダンス・モデルを導くことができる。得られる結果を機関車において実時間で用いることができる。
図4(A)〜図4(D)は、ダブルHブリッジについての熱インピーダンス・モデルを導くのに用いられるデータを展開するための試験構成を示すブロック図である。図4(A)〜図4(D)に示すように、ダブルHブリッジの相Bが左側に位置し、ダブルHブリッジの相Cが中央に位置し、ダブルHブリッジの相Aが右側に位置している。電圧源208を用いて、定常電流Ioを、図4(A)〜図4(D)に示す熱試験目的に用いられる様々な組み合わせの各々の相のIGBTに供給する。上述のように、三つの相202、204、及び206の各々が同じヒートシンク306に熱的に結合されている。
図4(A)は、IGBTの6個全てが同じレベルの電流Ioを給電されている試験構成を示す。明確に述べると、三つ全ての相が直列で共に電気的に結合されている。図4(B)は、相B及び相Cのみが直列結合されて電流Ioによって給電されている試験構成を示す。図4(C)は、相C及び相Aが直列結合されて電流Ioによって給電されている試験構成を示す。図4(D)は、相Bが電流Ioによって給電されており、相C及び相Aの各々がIo/2又は相Bに給電するのに用いられる電流の半分によって給電されている試験構成を示す。
図4(A)〜図4(D)の各々の試験構成について、IGBTは完全にオンであって切り換えは行なっておらず、従ってダイオードに電流は流れていない。参照番号210によって示すように、温度Taは、相A202の下方のケース304の最も熱い点での温度を表わす。参照番号212によって示すように、温度Tbは、相B204の下方のケース304の最も熱い点での温度を表わす。参照番号214によって示すように、温度Tcは、相C206の下方のケース304の最も熱い点での温度を表わす。さらに、VceA+は相A202の第一のIGBTに跨がるコレクタ−エミッタ間電圧に等しく、VceA−は相A204の第二のIGBTに跨がるコレクタ−エミッタ間電圧に等しく、以下相の各々で同様である。
上述のモデルを考察すると、相の一つにおける電流が、ダブルHブリッジ200の相の各々の最も熱いスポットの下方での温度に対して及ぼす熱的効果を決定することが可能である。両方のIGBTがオンに切り換わっている状態で電流Ioが相BのデュアルIGBTに加わると想定すると、これら1対のIGBTによって放散される電力は式PB=Io*([VceB+]+[VceB−])に従って算出され得る。相Bによって放散される電力による相BのデュアルIGBTの最も熱いスポットの下方での温度をTB1と呼ぶ。温度差δTB1は、TB1マイナス空気の温度Tairとして算出され得る。電流Ioが相Cに加わる場合には、相CのIGBTによって放散される電力は式PC=Io*([VceC+]+[VceC−])に従って算出されることができ、相Bの下方の最も熱いスポットでの温度TB212であって相Cでの電力によるものをTB2と呼ぶ。同様に、電流Ioが相Aに加わる場合には、相AのIGBTによって放散される電力は式PA=Io*([VceA+]+[VceA−])に従って算出されることができ、相Bの下方の最も熱いスポットでの温度TB212であって相Aでの電力によるものをTB3と呼ぶ。
すると、相B、相C、及び相Aでの電流によって相Bの下層の温度を高める熱抵抗を次式に従って算出することができる。
δTB1=RB*PB
δTB2=RBC*PC
δTB3=RBA*PA
上の各式において、RBは相Bでの電力PBによって相Bの下層の温度を高める熱抵抗である。RBCは、相Cでの電力PCによって相Bの下層の温度を高める熱抵抗である。RBAは、相Aでの電力PAによって相Bの下層の温度を高める熱抵抗である。従って、相Bの下方の合計温度差δTBを次式に従って算出することができる。
δTB=RB*PB+RBC*PC+RBA*PA (式3.1)
同じ解析を相A及び相Bについて繰り返すと次式が得られる。
δTC=RC*PC+RBC*PB+RCA*PA (式3.2)
δTA=RA*PA+RBA*PC+RBA*PB (式3.3)
上の各式において、RCB=RBC、RBA=RAB、及びRCA=RACと考えられる。さらに、熱抵抗は一般的には、下記の式3.4に示すように温度差を電力で除したものとして表現され得る。尚、XはA、B又はCに等しくてよい。
RXt=δTX/PX 式中X=A、B又はC (式3.4)
式3.4を式3.1、式3.2及び式3.3に代入すると、次式が得られる。
RAt=δTA/PA
=RA+RCA*(PC/PA)+RBA*(PB/PA) (式3.5)
RBt=δTB/PB
=RB+RBA*(PA/PB)+RBC*(PC/PB) (式3.6)
RCt=δTC/PC
=RC+RBC*(PB/PC)+RCA*(PA/PC) (式3.7)
上の各式において、RAtは相Aについての実効熱抵抗を表わし、このRAtに相Aの合計電力(PA)を乗じると(式3.3)のものと同じδTAとなり、この式では三つの相を通じた電力は異なっている。同様の定義がRBt及びRCtにも当てはまる。上述の各式を用いると、図4(A)〜図4(C)に示す試験構成を用いて熱試験を行なうことができる。試験結果の解析について、IGBTの部分間変動はVce_satに対して無視し得る効果を有すると仮定する。従って、電流Ioによって相の各々において放散される電力は近似的に同じになると考えられ、この電力を本書ではPphaseと呼ぶ。さらに、Pphaseは、電流Ioによって決まる既知の値である。温度δTA、δTB、δTCを決定するために、以下に図5に関して示す試験構成を用いて温度測定を採取することができる。
図5は、図4及び図7に関して議論される温度を測定する熱電対構成を示すブロック図である。図5に示すように、熱電対500は、相A202、相B204、及び相C206に対応するIGBTモジュールの各々の下方でケース304に取り付けられ得る。熱電対500に1〜12のラベルを付ける。後述する試験では、矢印502によって示すように冷却空気流がデュアルIGBTの三つ全てにわたって均等に分配された。図5の熱電対構成を用いて、図4(A)〜図4(C)に示す試験構成の各々について熱データを集めることができる。一実施形態では、4個の熱電対は、相の下方の最も熱いスポットを識別するために各々のデュアルIGBTの下方に配設される。各々のデュアルIGBTについて、4個の熱電対によって測定される最も熱い温度を解析に用いることができる。
図4(A)に示す試験構成では、電流Ioが三つ全ての相に加えられる。従って、PA=PB=PC=Pphaseである。定常状態に到達した後に、相の各々の下方の最も熱い点でのケース304の温度を測定することができ、ヒートシンクを流れる空気の温度を予め選択されたレベルで制御することができる。電力データ及び測定温度データを用いて、式3.5、式3.6、及び式3.7を用いて熱抵抗RAt、RBt、RCtを算出することができ、これらの式は次式のように単純化される。
RAt_inv_TEST=δTA/Pphase=RA+RBA+RCA
(式3.8)
RBt_inv_TEST=δTB/Pphase=RB+RBA+RBC
(式3.9)
RCt_inv_TEST=δTC/Pphase=RC+RBC+RCA
(式3.10)
上の各式において、RAt_inv_TEST、RBt_inv_TEST、及びRCt_inv_TESTは、図4(A)に示す試験構成を用いて収集されるデータについて算出される熱抵抗RAt、RBt、及びRCtである。RAt_inv_TEST、RBt_inv_TESTについての試験結果を表1及び表2に示す。表1及び表2に示すように、試験を異なる電流レベル及び異なる空気流量について繰り返すことができる。
表1:Rat_inv_TEST
SCFM 200 100
200 0.064074 0.065422
150 0.073421 0.074865
100 0.094100 0.098478
60 0.126707
35 0.165805
0 均等化されない

表1(続き)
SCFM 50 平均
200 0.062862 0.0641194
150 0.07686 0.0750485
100 0.098324 0.0969674
60 0.128355 0.1275309
35 0.17413 0.1699673
0 0.911476 0.9114758

表2:RBt_inv_TEST
SCFM 200 100
200 0.057676 0.057225
150 0.067774 0.066499
100 0.085742 0.083852
60 0.11603
35 0.166233
0 均等化されない

表2(続き)
SCFM 50 平均
200 0.053517 0.0561395
150 0.06803 0.0674342
100 0.083204 0.0842659
60 0.112868 0.1144491
35 0.164161 0.1651971
0 0.916598 0.9165984

図4(B)に示す試験構成では、電流Ioが相B204及び相C206に加えられている。従って、PB=PC=Pphase及びPA=0である。定常状態に到達した後に、相の各々の下方の最も熱い点でのケース304の温度を測定することができ、ヒートシンク306(図3)を流れる空気の温度を測定することができる。電力データ及び測定温度データを用いて、式3.6及び式3.7を用いて熱抵抗RBt及びRCtを算出することができ、これらの式は次式のように単純化される。
RBt_hb_CB=δTB/Pphase=RB+RBA+RBC(式3.11)
RCt_hb_CB=δTC/Pphase=RC+RBC+RCA(式3.12)
上の各式において、RBt_hb_CB、及びRCt_hb_CBは、図4(B)に示す試験構成を用いて収集されるデータについて算出される熱抵抗RBt及びRCtである。RBt_hb_CBについての試験結果を表3に示す。表3に示すように、試験を図4(A)の試験構成の場合と同じ電流レベル及び空気流量について繰り返すことができる。
表3:RBt_hb_BC
SCFM 200A 100A
200 0.059254 0.058382
150 0.068631 0.067352
100 0.085433 0.08414
60 0.112475
35 0.157045


表3(続き)
SCFM 50A 平均
200 0.058485 0.0587068
150 0.067621 0.067868
100 0.083709 0.0844272
60 0.109937 0.1112061
35 0.154595 0.1558199
0 0.755702 0.7557021

図4(C)に示す試験構成では、電流Ioが相A202及び相C206に加えられる。従って、PA=PC=Pphase及びPB=0である。定常状態に達した後に、相の各々の下方の最も熱い点でのヒートシンク306の温度を測定することができ、ヒートシンク306を流れる空気流の温度を測定することができる。電力データ及び測定温度データを用いて、式3.5及び3.7を用いて熱抵抗RAt及びRCtを算出することができ、これらの式は次式のように単純化される。
RAt_hb_CA=δTA/Pphase=RA+RBA+RBA(式3.13)
RCt_hb_CA=δTC/Pphase=RC+RBC+RCA(式3.14)
上の各式において、RAt_hb_CA、及びRCt_hb_CAは、図4(C)に示す試験構成を用いて収集されるデータについて算出される熱抵抗RAt及びRCtである。RAt_hb_CAについての試験結果を表4に示す。表4に示すように、試験を図4(A)及び図4(B)の試験構成の場合と同じ電流レベル及び空気流量について繰り返すことができる。
表4:RAt_hb_CA
SCFM 200A 100A
200 0.065646 0.066067
150 0.075237 0.074923
100 0.095842 0.097946
60 0.125517
35 0.164856


表4(続き)
SCFM 50A 平均
200 0.062899 0.0648705
150 0.074800 0.0749867
100 0.094780 0.0961895
60 0.123958 0.1247371
35 0.164629 0.1647427
0 0.643924 0.6439242

表1〜表4に記載する試験データに基づくと、RBt_inv_TESTはRBt_hb_CBに近似的に等しいので、相Aでの電力が相B測定に著しく影響することはないことが認められよう。同様に、RAt_inv_TESTはRAt_hb_CAに近似的に等しいので、相Bでの電力が相A測定に著しく影響することはない。従って、RAB=RBA=0となる。従って、式3.8〜式3.14を下記のように単純化することができる。
RAt_inv=δTA/Pphase=RA+RCA (式3.15)
RBt_inv=δTB/Pphase=RB+RBC (式3.16)
RCt_inv=δTC/Pphase=RC+RBC+RCA (式3.17)
RBt_hb_CB=δTB/Pphase=RB+RBC (式3.18)
RCt_hb_CB=δTC/Pphase=RC+RBC (式3.19)
RAt_hb_CA=δTA/Pphase=RA+RCA (式3.20)
RCt_hb_CA=δTC/Pphase=RC+RCA (式3.21)
式3.15〜式3.21を用いて、次式3.22〜式3.27を導くことができる。明確に述べると、式3.17及び式3.19を結合すると次式が得られる。
RCt_inv−RCt_hb_BC=RCA (式3.22)
式3.20及び式3.22を結合すると次式が得られる。
RAt_hb_CA−RAC=RA (式3.23)
式3.21及び式3.22を結合すると次式が得られる。
RCt_hb_CA−RAC=RC (式3.24)
式3.17及び式3.21を結合すると次式が得られる。
RCt_inv−RCt_hb_CA=RCB (式3.25)
式3.18及び式3.25を結合すると次式が得られる。
RBt_hb_BC−RBC=RB (式3.26)
また、検定チェックのために、式3.19及び式3.25を結合して次式を得ることができる。
RCt_hb_BC−RCB=RC (式3.27)
式3.22〜式3.25を用いて、熱試験結果からパラメータRA、RB、RC、RCB及びRCAを導くことができる。上の熱試験の各々について、IGBTモジュール302のケース304とヒートシンク306(図3)との間の熱グリース308を考慮に入れるために、補正ファクタを算出熱抵抗に適用することができる。というのは、測定(熱電対)はデュアルIGBTのケースに位置しているのであってヒートシンクに位置している訳ではないからである。明確に述べると、上述のように、RXt_TEST(試験データから算出される熱抵抗)は相Xの下層の最も熱いスポットのケース温度T_TESTマイナス流入空気温度Tairを相Xでの電力PXで除したものに等しい。尚、XはA、B又はCであってよい。このように、Pdiode=0である場合にPoが1個のIGBT及び1個のダイオードの電力放散であるとすると、ケース温度T_TESTを次式に従って表わすことができる。
T_TEST=Tcase=Tair+Po*Rth_ch+PX*RXt
上の式において、Rth_chはケース−ヒートシンク間熱抵抗を表わし、PoはPphase/2に等しい。2*PoをPXに代入してT_TEST−Tairについて解くと次式が得られる。
T_TEST−Tair=2*Po*[(Rth_ch/2)+RXt]
従って、
[T_TEST−Tair]/Pphase
=RXt_TEST=(Rth_ch/2)+RXt
図3に関連して上で述べたように、Rth_chは0.018℃毎ワット(℃/W)に近似的に等しくなり得る。従って、上の式に基づいて、次式に従ってRXtを決定することができる。尚、XはA、B又はCであってよい。
RXt=RXt_TEST−0.009 (式3.28)
式3.28において、RXt_TESTは次式を用いて決定され得る。式中、MaxTcaseXはケースXの熱電対500(図5)から採取された最高温度を表わす。
RXt_TEST=(maxTcaseX−Tair)
/(Vce1X+Vce2X)*Io (式3.29)
上述の補正ファクタを試験データから算出された熱抵抗に適用することができる。これらの結果のまとめを下記の表5及び表6に掲げる。
表5:
SCFM/AMP RCt_inv RCt_hb_CA
200/200 0.048233 0.045197405
60/100 0.105912 0.090516506

表5(続き)
SCFM/AMP RAt_hb_CA RBt_hb_BC RCt_hb_BC
200/200 0.056646 0.050254 0.041742
60/100 0.120405 0.103475 0.086043

表6:
RCt_inv−RCt_hb_BC RCt_inv−RCt_hb_CA RCt_hb_CA−RCA
SCFM/AMP RCA RCB RC
200 0.006491 0.003035 0.038707
60 0.019869 0.015395 0.070647

表6(続き)
RCt_hb_BC−RCB RBt_hb_BC−RBC RAt_hb_CA−RAC
SCFM/AMP RC2 RB RA
200 0.038707 0.047219 0.050155
60 0.070647 0.088079 0.100536

表5は、試験データから算出された熱抵抗を、補正ファクタを適用して示す。式3.22〜式3.25を適用すると、表5の値から表6に示す熱抵抗が得られる。表6に示す値を検証するために、熱抵抗RCA、RCB、RC、RB、及びRAを用いて図4(D)に示す試験構成についての推定温度指示値を算出することができる。次いで、推定温度指示値を図4(D)に示す試験構成についての測定温度指示値と比較することができる。推定温度指示値は、例えば表6からの試験値を用いて式3.1〜式3.3に従ってプログラムされたMatlab(登録商標)コンピュータ・モデルを用いてコンピュータ・モデル化され得る。検証の結果について、図6(A)〜図6(F)に関して以下で議論する。
図6(A)〜図6(F)は、図4(D)に示す試験構成を用いた測定温度及びコンピュータ・モデルによる温度の比較を経時的に示すグラフである。図6(A)〜図6(F)では、コンピュータ・モデルによる温度は、表6からの熱抵抗についての実際の(平均ではない)試験値及びVceについての試験データを用いて算出された。加えて、上の熱インピーダンスの熱キャパシタンス(ZX=RXはCXに並列)は次の値に設定された。CA=2288ジュール/℃、CB=2565ジュール/℃、CC=3077ジュール/℃、CCA=17,388ジュール/℃、CCB=30,573ジュール/℃。熱キャパシタンスについては、図7(A)及び図7(B)に関連して後にあらためて詳述する。
図6(A)〜図6(C)では、200SCFMの空気流及び200アンペアの電流Ioについて決定された測定温度及びコンピュータ・モデルによる温度を比較している。図6(A)は、相Aの下方の最も熱いスポットでのケース温度Tcaseのグラフを示す。図6(B)は、相Bの下方の最も熱いスポットでのケース温度Tcaseのグラフを示す。図6(C)は、相Cの下方の最も熱いスポットでのケース温度Tcaseのグラフを示す。同様に、図6(D)〜図6(F)では、60SCFMの空気流及び100アンペアの電流Ioについて決定された測定温度及びコンピュータ・モデルによる温度を比較している。図6(D)は、相Aの下方の最も熱いスポットでのケース温度Tcaseのグラフを示す。図6(E)は、相Bの下方の最も熱いスポットでのケース温度Tcaseのグラフを示す。図6(F)は、相Cの下方の最も熱いスポットでのケース温度Tcaseのグラフを示す。
図6(A)〜図6(F)の各々において、測定温度は実線602によって表わされ、コンピュータ・モデルによる温度は破線604によって表わされている。図6(A)〜図6(F)に示すように、測定温度及びコンピュータ・モデルによる温度は極く近い。明確に述べると、測定温度とコンピュータ・モデルによる温度との間の差は約摂氏0.4度〜4.4度(℃)の間を変動している。従って、上述の熱抵抗及び熱モデルは、ダブルHブリッジ200での温度をモデル化する適当な方法を提供していることが認められよう。
一実施形態では、回帰手法を用いて熱抵抗RCA、RA、RC、RBC、及びRBについての式を冷却空気の流量の関数として導くことができる。試験データが、図4(A)〜図4(C)に示す試験構成の各々について収集され得る。各々の試験構成について、200、150、100、60、35、及び0SCFMの空気流、並びに200A、100A及び50Aの電流Ioにおいて熱試験を行なうことができる。また、異なるダブルHブリッジの間での部分間変動を求めるために、5個の追加のダブルHブリッジ・モジュールを空気流200SCFM、並びに200A、100A及び50Aにおいて試験した。これらの試験から集められたデータを表7〜表14に示す。表8、表10、表12、表14、表16、表18、及び表20では、ラベルS1、S2、S3、S4、S5、及びS6は各試験に用いられた異なるモジュールについて集められたデータを表わす。
表7:RBt_inv
SCFM 200 100
200 0.0576757 0.05722534
150 0.0677738 0.06649913
100 0.085742 0.0838515
60 0.11603032
35 0.16623343
0 均等化されない

表7(続き)
マイナス0.009
SCFM 50 平均 RBt_inv
200 0.0535175 0.05614 0.04714
150 0.0680296 0.06743 0.05843
100 0.0832042 0.08427 0.07527
60 0.1128681 0.11445 0.10545
35 0.1641608 0.16520 0.15620
0 0.9165984 0.91660 0.90760

表8:200SCFMにおけるRCt_inv
200 100 50
S1 0.05723 0.05750 0.05404
S2 0.05751 0.05782 0.05530
S3 0.05764 0.05502 0.05351
S4 0.05838 0.05850 0.05419
S5 0.05793 0.05769 0.05613
S6 0.05874 0.05647 0.05686

表8(続き)
マイナス0.009
平均 RCt_inv
S1 0.05626 0.04726
S2 0.05688 0.04788
S3 0.05539 0.04639
S4 0.05702 0.04802
S5 0.05725 0.04825
S6 0.05736 0.04836

表9:RCt_inv
SCFM 200 100 50
200 0.057232732 0.057501876 0.054042963
150 0.06649584 0.065972495 0.067532177
100 0.082823 0.082282327 0.081988819
60 0.114911991 0.11265315
35 0.164402984 0.164444504
0 均等化されない 0.923550337

表9(続き)
マイナス0.009
SCFM 平均 RCt_inv
200 0.05626 0.04726
150 0.06667 0.05767
100 0.08236 0.07336
60 0.11378 0.10478
35 0.16442 0.15542
0 0.92355 0.91455

表10 200SCFMにおけるRAt_inv
200 100 50
S1 0.064074 0.065422 0.062862
S2 0.063884 0.065484 0.064512
S3 0.064531 0.0634 0.062545
S4 0.064364 0.065815 0.062237
S5 0.063778 0.064906 0.064362
S6 0.058187 0.064651 0.066080

表10(続き)
マイナス0.009
平均 RAt_inv
S1 0.064120 0.05512
S2 0.064627 0.05563
S3 0.063491 0.05449
S4 0.064138 0.05514
S5 0.064349 0.05535
S6 0.062972 0.05397

表11:RAt_inv
SCFM 200 100 50
200 0.0640738 0.06542199 0.0628625
150 0.073421 0.07486458 0.0768599
10 0.094100 0.09847793 0.0983238
60 0.12670651 0.1283553
35 0.16580480 0.1741297
0 均等化されない 0.9114758

表11(続き)
マイナス0.009
SCFM 平均 RAt_inv
200 0.06412 0.05512
150 0.07505 0.06605
100 0.09697 0.08797
60 0.12753 0.11853
35 0.16997 0.16097
0 0.91148 0.90248

表12:200SCFMにおけるRBt_inv
200 100 50
S1 0.057676 0.05723 0.05352
S2 0.058040 0.05731 0.05472
S3 0.057548 0.05484 0.05309
S4 0.057223 0.05602 0.05363
S5 0.056408 0.05525 0.05449
S6 0.058187 0.05633 0.05616

表12(続き)
マイナス0.009
平均 RAt_inv
S1 0.05614 0.04714
S2 0.056691 0.04769
S3 0.055158 0.04616
S4 0.055625 0.04662
S5 0.055385 0.04638
S6 0.056892 0.04789

表13:RCt_hb_CA_TEST
SCF 200A 100A 50A
200 0.05420 0.05406 0.05202
150 0.06156 0.06087 0.06010
100 0.07443 0.07423 0.07122
60 0.09952 0.09764
35 0.13827 0.13349
0 0.59907

表13(続き)
マイナス0.009
SCFM 平均 RCt_hb_CA
200 0.05342 0.04442
150 0.06084 0.05184
100 0.07329 0.06429
60 0.09858 0.08958
35 0.13588 0.12688
0 0.59907 0.59007

表14:200SCFMにおけるRCt_hb_CA_TEST
200A 100A 50A
S1 0.05420 0.05406 0.05202
S2 0.05531 0.05546 0.05319
S3 0.05287 0.05273 0.05320
S4 0.05511 0.05552 0.05324
S5 0.05585 0.05612 0.05679
S6 0.05471 0.05474 0.05453

表14(続き)
マイナス0.009
平均 RCt_hb_CA
S1 0.05342 0.04442
S2 0.05466 0.04566
S3 0.05293 0.04393
S4 0.05462 0.04562
S5 0.05625 0.04725
S6 0.05466 0.04566

式3.22〜式3.77から、RA、RB、RC、RBC、及びRCAを算出するのに用いられるパラメータはRCt_inv、RBt_hb_BC、RCt_hb_BC、RAt_hb_CA及びRCt_hb_CAである。異なるダブルHブリッジの間でのこれらのパラメータの部分間変動は統計学的解析を用いて記述され得る。例えば、表8、表10、表12、表14、表16、表18、及び表20に示すデータをMinitab(登録商標)のような統計学的モデリング・パッケージに入力することができる。これらのパラメータについての統計学的データを下記の表21に示す。
表21:
パラメータ N 平均 中央値 TrMean
RCt_inv 6 0.04769 0.04795 0.04769
RBt_hb_BC 6 0.04627 0.04552 0.04627
RCt_hb_BC 6 0.04174 0.04190 0.04174
RAt_hb_CA 6 0.05671 0.05628 0.05671
RCt_hb_CA 6 0.04542 0.04564 0.04542

表21(続き)
パラメータ 標準偏差 SE平均
RCt_inv 0.00075 0.00030
RBt_hb_BC 0.00186 0.00076
RCt_hb_BC 0.00065 0.00026
RAt_hb_CA 0.00117 0.00048
RCt_hb_CA 0.00116 0.00047

これらの統計学的データを用いて、パラメータRCt_inv、RBt_hb_BC、RCt_hb_BC、RAt_hb_CA及びRCt_hb_CAの各々についての上側仕様限界(USL)、並びに得られた熱抵抗RA、RB、RC、RBC、及びRCAについての上側仕様限界を決定することができる。例えば、式3.22〜式3.27、並びに表21に示す熱抵抗パラメータについて算出された平均及び標準偏差を用いると、モンテ・カルロ解析のような統計学的解析を適用して200SCFMにおけるRA、RB、RC、RBC、RCAの平均(μ)及び標準偏差(σ)を得ることができる。200SCFMにおける各々の熱抵抗RA、RB、RC、RBC、RCAについての平均及び標準偏差を用いると、次式を用いて200SCFMにおける熱抵抗の各々についてUSLを算出することができる。
Z=(USL−μ)/σ
上の式において、Zは上側仕様限界USLと平均値との間に適合し得る標準偏差の数を表わし、USL、μo及びσoは、200SCFMにおける特定の熱抵抗パラメータRA、RB、RC、RBC、RCAについての上側仕様限界、平均、及び標準偏差を表わす。Z=3を用いてUSLについて解くと次式が得られる。
USL=σ*3+μ
Zの値に3を用いると、ダブルHブリッジ設計が大きい部分間変動を収容するのに十分に堅牢になることが保証される。表21では、各々の熱抵抗(RA、RCA及びRC等)の平均(μo)及び標準偏差(σo)を200SCFM冷却について識別した。これらの値及びZ=3を用いると、USLRXX200SCFMを識別することができる。次いで、比K1=μo/RXX200SCFM、K2=USLRXX200SCFM/RXX200SCFM、及びK3=σo/RXX200SCFMを識別することができる。これらの比、式3.22〜式3.27、並びに表7、表9、表11、表13及び表21からのデータを用いると、全ての試験された冷却条件でのUSLRXXを識別することができる。熱抵抗値RCAの一例の計算を下記の表22及び表23に示す。この例では、熱抵抗RCAについての統計学的解析は、表21からのデータを用いて、200SCFMでの平均(μo)として0.05092、及び200SCFMでの標準偏差(σo)として0.00153を与えた。これらの値を下記で表22及び表23に示す一例の計算に用いた。
表22:
6個の標本からの統計学的結果 Z*σo+μo
μo σo Z=3でのUSL
0.00578 0.00099 0.00875

表22(続き)

μo/RCA200SCFM USL/RCA200SCFM σo/RCA200SCFM
K1 K2 K3
0.890996 1.348825786 0.152610003

表23:
SCFM RCt_inv RCt_hb_CB RCA
200 0.047259 0.040772 0.006487
150 0.057667 0.049078 0.008588
100 0.073365 0.061302 0.012063
60 0.104783 0.085042 0.019740
35 0.155424 0.123927 0.031496
0 0.914550 0.704386 0.210164

表23(続き)
SCFM RCA*K1 RCA*K2 RCA*K3 (USL−μ)/σ
μ USL RCA σ Z
200 0.00578 0.008750 0.0009900 3
150 0.00765 0.011584 0.0013107 3
100 0.01075 0.016271 0.0018409 3
60 0.01759 0.026626 0.0030126 3
35 0.02806 0.042483 0.0048067 3
0 0.18726 0.283475 0.0320732 3

熱抵抗RA、RB、RC、RBC、及びRCAの各々について上述した同じ方法を用いると、下記で表24に示すUSL値を与える。
表24:
SCFM RCA RA RC
200 0.008750 0.055510 0.044130
150 0.011584 0.064519 0.051292
100 0.016271 0.084447 0.067135
60 0.026626 0.112248 0.085785
35 0.042483 0.139661 0.111029
0 0.283475 0.477457 0.379574

表24(続き)
SCFM RBC RB
200 0.006450 0.050850
150 0.013248 0.057547
100 0.020643 0.071985
60 0.034592 0.094386
35 0.064947 0.128310
0 0.738187 0.458063

次いで、各々の熱抵抗RA、RB、RC、RBC、及びRCAについて得られたUSL値を用いて、熱抵抗の各々について回帰式を導くことができる。例えば、回帰手法をUSL値に適用して、各々の熱抵抗のUSLを、ヒートシンクを冷却するのに用いられる空気流量の関数として算出する式を導くことができる。回帰手法を表24の一例のデータに適用すると下記の回帰式が得られた。
RCA=−0.02328
+0.30685/(1+((SCFM/2.216)^0.487))(式3.30)
RA=−0.05826
+0.5357/(1+((SCFM/10.98)^0.46))(式3.31)
RC=−0.0145
+0.394/(1+((SCFM/9.158)^0.568))(式3.32)
RBC=−0.01547
+0.7537/(1+((SCFM/2.198)^0.779))(式3.33)
RB=0.045607
+0.12515*exp(−SCFM/65.1)
+0.291*exp(−SCFM/10.6) (式3.34)
一実施形態では、相の各々について熱キャパシタンスを決定することができる。各々の相の熱キャパシタンスを決定するためには、図4(B)及び図5に記載される試験構成を用いて熱試験温度を得ることができる。明確に述べると、図4(B)に関連して記載されているように、電流Ioを相B及び相CのデュアルIGBTモジュールに加えることができる。電流Ioをオフにした後に、ヒートシンクに空気流を供給し続けながら温度測定を採取することができる。一実施形態では、熱冷却試験中の空気流量を150SCFMに設定し、Io=200Aとすることができる。これらの熱試験測定が一組の熱冷却曲線を画定する。150SCFM及びIo=200Aの試験についての熱冷却曲線を用いると、ヒートシンクの熱時定数τは相Bの熱インピーダンスについて151秒であると識別された。次いで、RBtに並列に位置する熱キャパシタンスCBを、次式を用いて決定することができる。
τ=RBt*CB
150SCFMでの平均RBt値(RBt_hb_BC_TEST−0.009)である0.058868℃/Wを適用して、CBについて解くと次式が得られる。
CB=151/0.058868=2565ジュール/℃
上の式において、RBtの値はUSL値ではなく、表17に示すような測定試験データであることを特記しておく。さらに、試験冷却曲線を時間の関数として記述する式を下記のように表わすことができる。
ΔTB=(33.8−0.8)*exp(−t/151)+0.8
上の式において、tは時間であり、ΔTBは所与の時間tにわたる相Bの下方での温度変化を表わす。試験データから採取すると、33.8℃がt=0での開始温度であり、0.8℃が冷却曲線の最終温度(オフセット)である。この式は、冷却曲線が指数形態を有するとの仮定に基づく。上の式を用いて、相Bの推定温度TBマイナス流入空気の温度Tinletを時間tにわたり表わす推定冷却曲線を算出することができる。得られた曲線の想定される指数的挙動を証明するために、図7(A)に示すように、得られた曲線を測定冷却曲線に対して比較することができる。
図7(A)は、推定相B冷却曲線を測定相B冷却曲線に対して比較するグラフである。明確に述べると、y軸は相Bの温度TBマイナス流入空気の温度Tinletを℃で表わしている。x軸は時間tを秒で表わしている。図7(A)のグラフでは、TB−Tinletについての測定冷却曲線は実線702によって表わされ、TB−Tinletについての推定冷却曲線は破線704によって表わされている。図7(A)のグラフに基づくと、推定冷却曲線は測定冷却曲線に近接して適合したものであることが認められよう。同じ時定数τを適用して、図7(B)に示すような相Cについての推定冷却曲線も算出することができる。
図7(B)は、推定相C冷却曲線を測定相B冷却曲線に対して比較するグラフである。明確に述べると、y軸は相Cの温度TCマイナス流入空気の温度Tinletを℃で表わしている。x軸は時間tを秒で表わしている。図7(B)のグラフでは、TB−Tinletについての測定冷却曲線は実線702によって表わされ、TB−Tinletについての推定冷却曲線は破線704によって表わされている。図7(B)のグラフに基づくと、推定冷却曲線は測定冷却曲線に近接して適合したものであることが認められよう。このように、相Bについて導かれた同じ時定数τを適用して相Cの冷却を予測することができる。三つ全ての相が各々の相について同じ熱質量を与える同じヒートシンクに結合されているので、熱時定数τが全ての相で同じであることは妥当である。
上の記載に基づくと、所与の空気流量での熱時定数τは、各々の相について同じになることが認められよう。加えて、Rthが熱抵抗を表わし、Cthが熱キャパシタンスを表わす場合に、τを次式に従って決定することができる。
τ=Rth*Cth
熱キャパシタンスCthについて解くと次式が得られる。
Cth=τ/Rth
ダブルHブリッジを異なる空気流量で動作させるならば、各々の相の熱キャパシタンスCthは一定のままであるが、τ及びRthは変化する。このように、CBは任意の空気流量について2565J/℃に等しいが、RBtはRBt(150SCFM)から変化し、従って、τは151秒から変化する。150SCFMの空気流量において異なる相について、τは151秒に留まることが判明した。RAtはRBtと異なり、RBtはRCtと異なるので、CBはCCと異なり、CCはCAと異なる。相C及び相Aの熱キャパシタンスCC及びCAについて解くと次式が得られる。
CC=τ/RCt_hb_BC_TEST−0.009
=151/0.049078=3077J/℃
CA=τ/RAt_hb_CA_TEST−0.009
=151/0.065987=2288J/℃
上で展開した熱インピーダンス・モデルを用いると、様々な負荷条件及び空気流量の下でのダブルHブリッジの相の各々に適用可能な熱抵抗及び熱キャパシタンスについて値を決定することができる。次いで、これらの値を用いて、正常動作時のダブルHブリッジの熱挙動を予測することができる。動作時のダブルHブリッジの熱挙動を予測することができれば、ダブルHブリッジ、及び付設された制御回路に多くの有用な改良を加えることが可能になり得る。例えば、図21〜図24に関連して後にあらためて詳述するように、改善された換気、及び温度過度上昇保護手法を開発することができる。様々な関連する熱インピーダンスを推定する式を識別したので、各々の相での電力放散を推定し、これら二つを組み合わせて、各々の相でのIGBTの接合部温度を推定する工程を以下で展開することにする。
《接合部温度推定モデル》
図8は、各実施形態によるダブルHブリッジを用いたシステムのブロック図である。図8に示すように、ダブルHブリッジの相A202の出力は、変圧器804及び1対のシリコン制御整流子(SCR)806を通して界磁巻線802に結合されている。ダブルHブリッジの相C206の出力は、変圧器810、並びにダイオード812、キャパシタ814、及びインダクタ816のようなバッテリ充電回路を通してバッテリ808に結合されている。相Bの出力は、バッテリ808及び界磁巻線802の両方に共通であり、変圧器804及び810の両方に結合されている。相AのIGBTの出力電圧を本書ではVaと呼び、相BのIGBTの出力電圧を本書ではVbと呼び、相CのIGBTの出力電圧を本書ではVcと呼ぶ。図8に示すダブルHブリッジ構成は、バッテリ808及び界磁巻線802のためにDC入力電圧Vlinkの絶縁及び低減の両方を提供するが、界磁巻線802には電圧低減のみが用いられる。動作時には、図9に示す波形を発生するようにIGBTを切り換えることができる。
図9は、相A、相B、及び相Cの各IGBTの出力電圧のグラフである。図9のグラフでは、線902は相Bの電圧出力Vb+を表わす。相A又は相Cの電圧出力は線904によって表わされてVj+と呼ばれ、jはA又はBに等しくてよい。Vb+とVj+との間の差は、変圧器(何れの相が作動しているかに依存して変圧器804又は810)の一次巻線における電圧であり、本書ではVprimと呼び、線906によって表わされている。一実施形態では、両方の出力波形の周期T908は約1/600秒であり得る。線910によって参照されている時間tonは、対応するIGBTがオンに切り換えられて出力電流を変圧器804又は810に流している時間量を表わす。
図10は、図9の出力電圧の上に期待される出力電流を重ねたグラフである。図10のグラフでは、破線1002は相Bの電流出力Ib+を表わす。相A又は相Cの電流出力は破線1004によって表わされてIj+と呼ばれ、jはA又はBに等しくてよい。Ib+及びIj+の和は変圧器(何れの相が作動しているかに依存して804又は810)の一次巻線における電流であり、本書ではIprimと呼び、線1006によって表わされている。加えて、網掛けした区域はモジュールのフリーホイール・ダイオード208における電流を表わす。一実施形態では、各々の相の1対のIGBT104における不均等な電力損失を予測するモデルを与えるために、IGBT104及びダイオード208における電流波形の特性を決定することができる。導かれた電力損失モデルに基づいて、各々の相についてのIGBT104の接合部温度をモデル化することができる。
図11は、単一のHブリッジからの出力電流のグラフである。図11のグラフは図1及び図8に関連して記載され、同図では出力112(図1)が変圧器804又は810(図8)の一次巻線に結合され得る。図1に示すHブリッジ100のようなHブリッジ構成が与えられると、出力112での平均負荷電流は変圧器804又は810の二次巻線における平均電流に等しくなり、この電流を測定を通じて決定することができる。既知の平均負荷電流を用いると、変圧器の一次巻線での平均電流を次式によって得ることができる。
Ipr_average=(Iload_av/n)+Imagn (式4.1)
上の式において、Ipr_averageは変圧器804又は810の一次巻線での平均電流を表わし、nは変圧器の巻数比に等しく、Imagnは変圧器804又は810の磁化電流を表わす。一実施形態では、nはバッテリ808に対応する変圧器810については約2.875であり、界磁巻線802に対応する変圧器804については約6.33である。さらに、磁化電流Imagnは、変圧器804及び810の両方について約30アンペアであってよい。変圧器804又は810の一次巻線での平均電流を図11では線1102によって示す。
さらに、単一の周期Tについて、変圧器の一次巻線における平均電流Ipr_averageはHブリッジの二つの相の間で分割されて、線1104によって表わされるI_phase 1_averageと、線1106によって表わされるI phase_2averageとを生ずる。このように、全周期Tにわたる単一の相についての平均電流は、Ikと呼ばれて線1108によって表わされるIpr_averageの2分の1に等しくなる。さらに、単一の相についての電流波形の実際の形状は線1108及び線1110によって示されており、線1108はIGBT104での電流を表わし、線1110はダイオード208での電流を表わす。ダブルHブリッジ200の相A及び相Cの電流波形について、図12〜図15に関連して以下で詳述する。
図12(A)は、相A又は相CのIGBT104についての電流波形のグラフである。図12(A)に示すように、この電流波形は、速度aで上昇する電流を特徴とする第一の部分1202と、速度bで上昇する電流を特徴とする第二の部分1204とを含み得る。速度a及びbは次式を用いて得ることができる。
a=di/dt=Vdc/[Lleak] (式4.2)
b=di/dt=Vdc/[Lleak+Lmagn‖Lload*n2
(式4.3)
上の各式において、Lleakは変圧器804又は810の一次巻線の漏れインダクタンス(それぞれ約29μH、約23μH)を表わし、Lmagnは変圧器804又は810の磁化インダクタンス(それぞれ約26mH、約4.9mH)であり、Lloadは変圧器804又は810から見た負荷のインダクタンス(それぞれ約0.22H、約1mH)であり、nは変圧器804又は810の巻数比である(図8を参照されたい)。バッテリ808に対応する相CのIGBTについて算出される速度a及びbの一例を表25に示す。また界磁巻線802に対応する相AのIGBTについて算出される速度a及びbの一例を表26に示す。
表25:バッテリ
Ibatt(A) Vdc(V) a(A/s)=Vdc/LleakPrim[A/秒] b(A/s)=Vdc/Lb[A/秒] a/b
225 250 10995294.01 80875.96 135.95
380 400 17592470.42 129401.54 135.95
380 500 21990588.03 161751.93 135.95
380 800 35184940.85 258803.08 135.95
380 900 39583058.45 291153.47 135.95
380 1000 43981176.06 323503.85 135.95
380 1100 48379293.66 355854.24 135.95
380 1200 52777411.27 388204.62 135.95
380 1300 57175528.87 420555.01 135.95
380 1500 65971764.08 485255.78 135.95

表26:界磁
Ifield(A) Vfield(V)=0.161*Ifield Vdc(V) a(A/s)=Vdc/LleakPrim[A/秒]
125 20.13 250 8611780.92
200 32.20 400 13778849.47
325 52.33 700 24112986.57
400 64.40 875 30141233.21
400 64.40 1300 44781260.76
125 20.13 1500 51670685.50

表26(続き)
b(A/s)=Vdc/Lb[A/秒] a/b
9752.48 883.04
15603.96 883.04
27306.93 883.04
34133.67 883.04
50712.88 883.04
58514.86 883.04

表25及び表26に示す速度a及びbの結果に基づくと、リンク電圧Vdc102(図8)の全ての値について、aはbよりも遥かに大きいことが認められよう。従って、図12(A)に示す電流波形を図12(B)に示す電流波形に単純化することができる。図12(B)に示すように、第一の部分1202の傾きは無限であると仮定される。
図13(A)〜図13(C)は、相BのIGBT104及びダイオード208についての電流波形を示すグラフである。図10に関して線1006によって表わされているIprimは、何れの相が作動しているかに依存して相A又は相Cの何れかの一次巻線での電流を示す。相Bが共通であるので、Iprimの+ve部分はB+IGBTを流れ、Iprimの−ve部分はB−IGBTを流れることが認められよう。相Bでの電流の形状について図13(A)〜図13(C)において記載することができる。
図13(A)に示すように、IGBTがオンに切り換えられた時刻(t=0)に、IGBTでの電流はIx1302まで上昇する。IGBT104のオン時間tonに、IGBT104での電流は速度bでIy1304まで上昇する。IGBT104が時刻ton910にオフに切り換えられたときに、IGBT104での電流はゼロまで下降し、ダイオード208での電流がIy1304まで上昇する。次いで、ダイオードでの電流は速度−bでゼロまで下降し、線1306によって参照される時間t3の経過の後にゼロに到達する。相BのIGBTを流れる平均電流は次式を用いて決定され得る。
IBave=Io*ton+Iod*[他の相のダイオードが導通する時間]
(式4.4)
上の式において、IBaveは相Bを流れる平均電流であり、IoはIx及びIyの平均であって、tonの間の相A又は相CのIGBTでの平均電流である。Iodは、ダイオードがオンである時間に相A又は相Cにおいてダイオードを流れる平均電流である。両方の場合において、この電流は相BのIGBTにも流れる。
−bである下降速度di/dtは固定されているので、ダイオード電流の形状には三つの可能なシナリオが存在する。本書で用いられる場合に、t3は半周期T/2マイナスIGBTがオンである時間tonに等しい。さらに、tf(線1308によって参照される)が、Iy(ダイオードの初期電流)がゼロまで減少するのに掛かる時間として定義され、このtfはIy/bに等しい。また時間t4(図示されていない)が、t3の間でダイオードが電流を流している時間として定義される。さらに、tz(図示されていない)が、デュアルIGBTの他方のIGBT104がオンに切り換えられた時刻におけるダイオードでの電流の大きさとして定義される。第一のシナリオを図13(A)に示し、同図ではダイオード電流が半周期T/2においてゼロに到達する場合も示す。換言すると、t4がt3に等しくtfに等しい。T/2に、デュアルIGBTの他方のIGBT104がオンに切り換えられる。図13(A)に示すシナリオでは、デュアルIGBTの他方のIGBT104がオンに切り換えられる時刻にダイオードには電流が残存していない。換言すると、tzは0に等しい。さらに、Ipr_diodeはtf=t3に最大になることが認められよう。
図13(B)は、tfがt3よりも小さいダイオード電流についての第二のシナリオを示す。図13(B)に示すシナリオでは、t4はtfに等しく、Izはゼロに等しい。このように、両方の相A及び相Cについて、IGBT電流のIpr_avに対する寄与は次式に従って決定され得る。
Ipr_av_igbt=Io*ton*f (式4.5)
両方の相A及び相Cについて、ダイオード電流のIpr_avに対する寄与は次式に従って決定され得る。
Ipr_av_diode=Iod*tf*f (式4.6)
ダイオードを流れる平均電流は次式を用いて決定され得る。
Iod=(Iy+Iz)/2=Iy/2 (式4.7)
図13(C)は、tfがt3よりも大きいダイオード電流についての第三のシナリオを示す。図13(C)に示すシナリオでは、t4はt3に等しく、Izは非ゼロ値であり、T/2の終わりに残存している電流であってオフに切り換えられる電流を表わす。両方の相A及び相Cについて、IGBT電流のIpr_avに対する寄与は上の式4.5に従って決定され得る。図13(C)に示すシナリオでは、ダイオードを流れる平均電流は次式を用いて決定され得る。
Iod=(Iy+Iz)/2 → Iz=2*Iod−Iy 式中、Iz>0
(式4.8)
図13(C)に示すシナリオでは、両方の相A及び相Cについて、ダイオード電流のIpr_avに対する寄与は、次式に従って決定され得る。
Ipr_av_diode=Iod*t3*f=[Iy−b*t3/2]*t3*f
(式4.9)
上述の三つのシナリオに基づくと、tfがt3以下であるならばt4がtfに等しいことが認められよう。さらに、相BのIGBTがゼロ電流においてオフに切り換わるならば、オフ切り換え損失は存在せず、相A又は相CのダイオードにはErr損失がなくなる。
上の式4.1から、望ましい電流Iload_avが既知であるならば、値Ipr_averageが算出され得ることが認められよう。Ipr_averageの半分が一つの相に由来する(50%オン)。従って、
Ipr_av/2=Ik=Ipr_av_igbt+Ipr_av_diode
(式4.10)
さらに、電流Iyも、以下の式に示すように、Ioの関数として表現され得る。
Iy=Io+b*(ton/2) (式4.11)
Ipr_av_diodeに関して、tfがt3以下であるならば、式4.6及び式4.7から次式が得られる。
Ipr_av_diode=(Iy/2)*tf*f (式4.12)
tfがより大きいならば、式4.9から次式が得られる。
Ipr_av_diode=(Iy−b*t3/2)*t3*f (式4.13)
IyはIoの関数であり、定義よりIy−b*tf=0であるので、次式を得ることができる。
tf=Iy/b=[Io+(ton/2)]/b
上の式は二つの未知数Io及びtonを有しているため、上に示す形態では式を解くことができない。しかしながら、tonが十分に大きいことを示すtf≧t3であるならば、Ixのレベル及び速度bと組み合わせると、半周期が満了する前にダイオードを流れる電流が消失するのに十分なt3時間(T/2−ton)がない。このことは明らかに、低電圧、高電流動作及びt4=t3の場合に相当する。一方、tonが十分には大きくないことを示すtf<t3である場合には、Ixのレベル及び速度b(従ってIy)と組み合わせると、半周期が満了する前にダイオードを流れる電流が消失するのに十分なt3時間(T/2−ton)がある。このことは明らかに、高電圧動作及びt4=tfの場合に相当する。
また、t4=t3(tf≧t3の場合)について、Ipr_av_diodeの計算は極めて正確であることが認められよう。Ipr_av_diode(及びここからIo)を識別する際に未知数が2個ある問題を解決するために、t4=tf(tf<t3の場合)については値Iodが僅かに過大に推定される場合があり、するとIpr_av_diodeを僅かに過大に推定することになる。Iod=Iy−b*t4/2の計算にt4=min(t3,tf)を用いることにより、Iodの持続時間が正しいことを保証することができる。従って、唯一の過大推定はIo(従ってIodのレベル)を推定することにある。t4=t3を近似することにより、Ipr_av_diodeの計算は、tf≧t3であるときには極めて正確になり、またtf<t3であるときには僅かに過大に推定される。従って、Ioを推定するときにt4=t3を用いる。これにより次式が得られる。
tf=t3=t4=T/2−ton=1/(2*f)−ton (式4.14)
ton=(Vprim/Vdc)*0.5/fr (式4.15)
Vprim=Vload*n (式4.16)
実施形態の一例では、Vload_batt=80V、T/2=1/1200秒(fr=600Hz)であり、Vload_fieldは次式に従って算出され得る。
Vload_field=0.161Ω*Ifield (式4.16a)
このように、負荷におけるIfield及びIbattのレベルを知ると、式4.16aを用いてVload_fieldを求めることができ、又はVload_batt=80Vを用いることができる。式4.15を通じてこれらの値を用いると、バッテリの場合及び励磁の場合の両方でtonを決定することができる。Iy=Io+b*ton/2、及びまたIy=Iod+b*t4/2が与えられると次式が得られる。
Iod=Io+(b/2)*(ton−t4) (式4.17)
式4.14を用いると次式が得られる。
Iod=Io+(b/2)*[ton−1/(2*f)+ton] →
Iod=Io−(b/2))*[(1/(2*f)−2*ton] (式4.18)
式4.5、式4.9、及び式410から次式が得られる。
0.5*Ipr_av=Ik=Io*ton*f+Iod*t4*f
式4.18及び式4.14からのtfを代入すると次式が得られる。
0.5*Ipr_av=Ik
=Io*ton*f+[Io−(b/2))]*[(1/(2*f)−2*ton]
*[1/(2*f)−ton]*f (式4.19)
式4.3に戻り、
b=Vdc/[Lleak+Lmagn‖Lload*n2
であることは既知である。式4.1から次式が得られる。
Ipr_average=(Iload_av/n)+Imagn
このように、式4.19は1個のみの未知数Ioを有する。この表現を操作してIoについて解くと次式が得られる。
Ik=f*{[Io/(2*f)]−(b/2))
*[(1/(2*f)−2*ton]*[(1/(2*f)−ton]} →
Ik=Io/(2)−(b*f)
*[(1/(2*f)−2*ton]*[(1/(2*f)−ton] →
Io=2*Ik+b*f*[(1/(2*f)−2*ton]
*[(1/(2*f)−ton] (式4.20)
《バッテリ充電の例》
式4.2を用いると、バッテリ808(図8)を含むバッテリ充電回路についての定常状態仕様値を用いてIx及びIy(図13(A)〜図13(C))の値を決定することができる。バッテリ充電回路についての値の例を下記の表27に示す。
表27:
Ibatt(A) Vdc(V) Iprim aver=Ibatt/n+Imagn 0.5Iprim=Ik
300 1500 134.35 67.17
300 1300 134.35 67.17
300 875 134.35 67.17
380 700 162.17 81.09
380 400 162.17 81.09
225 300 108.26 54.13
225 250 108.26 54.13

表27(続き)
a(A/s)=Vdc/LleakPrim b(A/s)=Vdc/Lb
65971764 485255.8
57175529 420555.0
38483529 283065.9
30786823 226452.7
17592470 129401.5
13194353 97051.16
10995294 80875.96

表27において、Ibattは平均バッテリ電流であり、Vdcはリンク電圧102である。加えて、表27に示す計算は、80ボルトのバッテリ電圧Vload_batt、600Hzの周波数、及び変圧器810について2.875の変圧器巻数比nを用いている。これらの値を用いて、a及びbについての値が表27に示すように算出された。表27に示すa及びbについての値を用いると、表28に示す値を決定することができる。
表28:
ton Io Iy=Io+b*ton/2 Ix=Io−b*ton/2
=(Vprim/Vdc)*0.5/fr =2*Ik+b*f*((1/(2*f))−2*ton)
*((1/(2*f))−ton)
1.278E−04 253.0 284.0 222.0
1.474E−04 227.5 258.5 196.5
2.190E−04 175.6 206.6 144.6
2.738E−04 183.9 214.9 152.9
4.792E−04 158.7 189.7 127.7
6.389E−04 103.2 134.2 72.2
7.667E−04 106.0 137.0 75.0

表28(続き)
t3=T/2−ton tf=Iy/b tf≦t3ならばt4=tf
tf>t3ならばt4=t3 t4
7.06E−04 5.85E−04 5.85E−04
6.86E−04 6.15E−04 6.15E−04
6.14E−04 7.30E−04 6.14E−04
5.60E−04 9.49E−04 5.60E−04
3.54E−04 1.47E−03 3.542E−04
1.94E−04 1.38E−03 1.944E−04
6.67E−05 1.69E−03 6.667E−05

表28(続き)
Iod=Iy−b*t4/2 半周期について t4+ton Iz=Iod−b*t4/2
(Io*ton+Iod*tf)*f*2=2*Ik
142.0 138.6 0.0007131 0
129.3 135.6 0.0007622 0
119.6 134.3 0.0008333 32.70
151.5 162.2 0.0008333 88.19
166.8 162.2 0.0008333 143.91
124.8 108.3 0.0008333 115.36
134.3 108.3 0.0008333 131.61

表28からの値に基づくと、Vlinkが高くなるにつれて、tonが小さくなり、t3が大きくなることが認められよう。また、Vlink値が高ければ、t3>tf及びt4=tfとなる。このように、これらのより高いVlinkレベルについては、ダイオード電流は半周期が満了する前に消失するので、Izはゼロとなる。より高いVlinkレベルについてはt4=tf<t3であるので、t4+ton<半周期=0.0008333秒となる。加えて、IGBTがオフに切り換わっている場合のピークIy値は大きい(284A@1500V)。Io、ton、Iod、及びt4の精度を上の各表から検証するために、これらの値を用いて、下記の表29に示すように平均負荷電流(Isec_av)を推定することができる。
表29:
Ibatt(A) Vdc(V) Io ton Iigbt aver=Io*ton*f
300 1500 253.0378 1.3E−04 19.400
300 1300 227.54182 1.5E−04 20.129
300 875 175.58301 2.2E−04 23.077
380 700 183.89489 2.7E−04 30.211
380 400 158.73668 4.8E−04 45.637
225 300 103.22859 6.4E−04 39.571
225 250 105.99634 7.7E−04 48.758

表29(続き)
t4 Idiode aver Iprim aver Isec aver
=Ido*t4*f =2*(SUM Iigbt aver =(Iprim aver−30)*n
+Idiode ave
5.853E−04 49.878 138.5554 312.10
6.148E−04 47.684 135.6244 303.67
6.143E−04 44.097 134.3478 300.00
5.595E−04 50.876 162.1739 380.00
3.542E−04 35.450 162.1739 380.00
1.944E−04 14.559 108.2609 225.00
6.667E−05 5.372 108.2609 225.00

前述のように、t3>tf=t4であるとき(上のVlink=1300V及び1500Vの場合)には常に、Iodは僅かに過大に推定され得る。これにより、上で表29に示すIbatt=Isec_avの僅かな過大推定が生ずる。他の全ての場合(Vlinkが250V乃至1300V近くまでの場合)には、これらの推定は極めて正確である。
《励磁の例》
式4.2を用いると、界磁巻線802(図8)を含む励磁回路についての定常状態値を用いてIx及びIy(図13(A)〜図13(C))の値を決定することができる。バッテリ充電回路についての値の例を下記の表30に示す。
表30:
Ifield(A) Vfield(V)=0.161*Ifield Vdc(V) Vprim aver=Vload*n
125 20.125 1500 127.46
400 64.4 1300 407.87
400 64.4 875 407.87
325 52.325 700 331.39
200 32.2 400 203.93
175 28.175 300 178.44
125 20.125 250 127.46

表30(続き)
Iigbt/diode aver a(A/s)=Vdc/LleakPrim b(A/s)=Vdc/Lb
=.5Iprim=Ik
24.87 51670685 58514.86
46.58 44781261 50712.88
46.58 30141233 34133.67
40.66 24112987 27306.93
30.79 13778849 15603.96
28.82 10334137 11702.97
24.87 8611781 9752.48

表30において、I_av_fieldは界磁巻線での平均電流であり、Vdcはリンク電圧102である。加えて、表30に示す計算は、80ボルトのバッテリ電圧Vload_batt、600Hzの周波数、及び変圧器804(図8)について6.33の変圧器巻数比nを用いている。これらの値を用いて、a及びbについての値が表30に示すように算出された。表30に示すa及びbについての値を用いると、表31に示す値を決定することができる。
表31:
t2 Io Iy=Io+b*ton/2 Ix=Io−b*ton/2 t3=T/2−ton
=(Vprim/Vdc)*0.5/fr =2*Ik+b*f*((1/(2*f))−2*ton)
=ton *((1/(2*f))−ton)
7.081E−05 68.25 70.33 66.2 7.6E−04
0.0002614 98.56 105.19 91.9 5.7E−04
0.0003884 93.67 100.30 87.0 4.4E−04
0.0003945 81.63 87.02 76.2 4.4E−04
0.0004248 61.52 64.83 58.2 4.1E−04
0.0004956 57.26 60.16 54.4 3.4E−04
0.0004248 49.70 51.77 47.6 4.1E−04

表31(続き)
tf=Iy/b t4 Iod=Iy−b*t4/2
(tf≦t3ならばt4=tf
tf>t3ならばt4=t3)
1.2E−03 7.6E−04 48.02
2.1E−03 5.7E−04 90.69
2.9E−03 4.4E−04 92.71
3.2E−03 4.4E−04 81.03
4.2E−03 4.1E−04 61.64
5.1E−03 3.4E−04 58.18
5.3E−03 4.1E−04 49.78

表31(続き)
半周期について t4+ton Iz=Iod−b*t4/2
(Io*ton+Iod*tf)*f*2=2*Ik
49.74 0.0008333 25.708
93.16 0.0008333 76.188
93.16 0.0008333 85.116
81.32 0.0008333 75.038
61.58 0.0008333 58.457
57.63 0.0008333 56.206
49.74 0.0008333 47.786

表30及び表31からの値に基づくと、Lbが大きい(25.63mH)ので、速度bはVlinkの全動作範囲について小さいことが認められよう。このことは、Ix、Io、Iyの相対的な値(共に近接している)からも分かる。bは小さいので、Vlinkの全動作範囲についてtf>t3となる。このように、望ましい界磁電流が過度に低くない限りt4は常にt3よりも大きく、従ってtonは極めて短くなる。Io、ton、Iod、及びt4の精度を上の各表から検証するために、これらの値を用いて、下記の表32に示すように平均負荷電流(Isec_av)を推定することができる。
表32:
Ifield(A) Vdc(V) Io ton Iigbt aver=Io*ton*f t4
125 1500 68.255 7E−05 2.900 7.6E−04
400 1300 98.560 3E−04 15.461 5.7E−04
400 875 93.672 4E−04 21.832 4.4E−04
325 700 81.634 4E−04 19.324 4.4E−04
200 400 61.516 4E−04 15.682 4.1E−04
175 300 57.257 5E−04 17.028 3.4E−04
125 250 49.698 4E−04 12.669 4.1E−04

表32(続き)
Idiode aver Iprim aver Isec aver
=Ido*t4*f =2*(SUM Iigbt aver+Idiode ave) =(Iprim aver−30)*n
21.969 49.736842 125.00
31.118 93.157895 400.00
24.747 93.157895 400.00
21.334 81.315789 325.00
15.108 61.578947 200.00
11.787 57.631579 175.00
12.200 49.736842 125.00

表32に示すように、tfはt3よりも常に大きいので、Iodを推定する際の誤差は存在せず、従ってI_av_fieldを推定する際の誤差も存在しない。Vbatt、Vdc(=Vlink)、Ibatt(=I_av_batt)及びIf(=I_av_field)の各値を用い、また表29〜表32に示す各式を用いて、コンピュータ・モデルを構築してton_batt、Ipr_av_batt、ton_f及びIpr_av_fの各値を推定することができる。ton_batt、Ipr_av_batt、ton_f及びIpr_av_fの推定値は、Hブリッジ制御器によって知られる情報を表わし、従ってこのコンピュータ・モデルを非実時間推定に用いることができる。明確に述べると、Vdc、並びにton_batt、Ipr_av_batt、ton_f及びIpr_av_fの推定値を用いて、上で導いた(また表28〜表32に繰り返された)各式を用いて相電流パラメータIx_B、Iss_B、Iz_B、Ix_batt、Iy_batt、Iz_batt、t4_batt、Id_batt(Ido)、Iss_batt、Ix_f、Iy_f、Iz_f、t4_f、Id_f(Ido)、及びIss_fの値を推定することができる。次いで、これらの相電流パラメータを用いてIGBT104についての電力損失推定値を決定することができる。
図14は、相A及び相Cの各IGBT及びダイオードでの電力損失を推定するのに用いられる電流及び電圧波形のグラフである。オン切り換え時には、IGBT損失はEon(Ix)]を用いてIxから算出される。オフ切り換え時には、IGBT損失はEoff(Iy)を用いてIyから算出される。オンの間には、IGBT損失はIssの関数としてのパラメータを用いて算出され、Iss=Io(式4.20から)であり、Vce(Iss)を用いる。相Aを一例として用いると、オン期間でのIGBT電力損失IGBTPssは、次式を用いて求められ得る。
IGBT Pss PoA=IssA*Vce(IssA)
上の式において、PoAはtonでの電力損失であり、PoAは周期の残りではゼロである。このように、全周期平均電力について、
PssA=IssA*Vce(IssA)*tonA*fr[ワット]
IGBT PswA:エネルギ/パルス
=[Eon(Ix_A)+Eoff(Iy_A)]及びfr=パルス毎秒 →
PswA=[Eon(Ix_A)+Eoff(Iy_A)]*fr
[ジュール/秒=ワット]
となる。
相A及び相Cのダイオードについての逆回復時の電力損失は、Err(Iz)を用いてIzから算出され得る。オン時には、ダイオード損失はIdoの関数としてのパラメータを用いて算出されることができ、Ido={(Iz+Iy)/2}であり、Err(Ido)を用いる。相Aを一例として用いると、
ダイオードPd=VfA(IdA)*IdA*(t4_A)*fr
ダイオードPrrA=ErrA(IzA)*fr
図15は、相B(共通)のIGBT及びダイオードでの電力損失を推定するのに用いられる電流及び電圧波形のグラフである。オン切り換え時には、IGBT損失は、
Ix_B=Ix_f+Ix_batt
を用いて算出される。オフ切り換え時には、IGBT損失は、
Iz_B=Iz_f+Iz_batt
から算出される。
オン(定常状態)の間には、損失は、図15に示すブロック5、6、7及び8の平均値から算出される。二つの変圧器804及び810を流れる平均電流がT/2にわたり相Bを通過することを考慮に入れると、
Iss_B=Ipr_av_batt+Ipr_avf
となる。上の式を用いると、相BのIGBTについてのオフ切り換え損失IGBT Poffは次式を用いて算出され得る。
IGBT Poff=fr*EoffB(Iz_B)
相BのIGBTについてのオフ切り換え損失IGBT Ponは次式を用いて算出され得る。
IGBT Pon=fr*EonB(Ix_B)
相BのIGBTについての定常状態損失(オン状態)IGBT Pssは次式を用いて算出され得る。
IGBT Pss=IssB*Vce(IssB)*0.5
式中、(0.5=(T/2)/T)である。
さらに、相Bにおいて、各々のIGBT104は完全半サイクルにわたりオンである。このように、相Bのダイオードを流れる電流は存在せず、従って、相Bのダイオードに関連する損失は存在しない。
《ダブルHブリッジ最適化》
図15及び図16に関連して記載される式並びに式3.30〜式3.34に記載したヒート・シンク・パラメータに基づくと、ダブルHブリッジの完全熱挙動のためのコンピュータ・モデルを構築することができる。このコンピュータ・モデルを用いてダブルHブリッジの熱特性を解析して、ダブルHブリッジの電力ハンドリング能力が、問題の牽引車又は他の電気システムの仕様によって定められる性能を満たすか否かを決定することができる。ダブルHブリッジに望まれる性能特性の例を下記の表33及び表34に示す。表33は、最大定常状態動作条件でのGeneral Electric CompanyのEVOLUTION(登録商標)機関車についての仕様例を示す。表34は、最大過渡条件でのEVOLUTION機関車についての仕様例を示す。
表33:EVOLUTION機関車の熱定格(定常状態)
熱定格(定常状態)指針
VdcLink 250V 300V 400V 700V
Ifield 125A 175A 200A 325A
Ibattery 225A 225A 380A 380A

表33(続き)
VdcLink 875V 1300V 1500V
Ifield 400A 400A 125A
Ibattery 300A 300A 300A

表34:EVOLUTION機関車の最大負荷(電流限度)過渡状態
最大負荷(電流限度)指針
VdcLink 250V 300V 400V 700V
Ifield 125A 175A 200A 450A
Ibattery 225A 380A 380A 380A

表34(続き)
VdcLink 875V 1300V 1500V
Ifield 450A 450A 450A
Ibattery 380A 380A 380A

ダブルHブリッジの完全熱挙動のためのコンピュータ・モデルを用いて、任意の仕様に基づいてIGBT104の接合部温度Tjを決定することができる。一例として、EVOLUTION機関車の仕様を表33及び表34に示す。この特定的な例では、周囲温度49℃(Tair=49℃+コンシストからの予熱5℃+ブロワ/プレナムからの予熱7℃=61℃)で動作しているときに、IGBT104の接合部温度Tjは130℃まで到達することを許され得る(用いられたBTはTj=150℃)と考えられる。これにより最大熱サイクリングは130℃−61℃=69℃となることが許容され、この温度であれば装置の長寿命を制限しない。さらに、ここでのモデル化のために、本実施形態の改善されたダブルHブリッジを最適未満のダブルHブリッジ構成に対して比較する基準を与えるようにHブリッジを構成することができる。明確に述べると、ダブルHブリッジを、相Aを用いてバッテリ808に給電し、相Cを用いて界磁巻線802に給電するように構成することができる。表33の熱定格指針を入力として用いると、コンピュータ・モデルは、最適未満のダブルHブリッジ設計について表35に示す接合部温度を提供する。
表35:熱定格(定常状態)指針を入力として用いる
Vbatt=80V Tair=61℃ field batt
Vlink SCFM If Ibatt PB PC PA
1500 198 125 300 637.15 462.24 963.00
1500 198 125 250 627.08 460.81 861.22
1300 198 400 300 820.39 590.94 781.31
875 198 400 300 720.09 428.15 593.91
700 198 325 380 739.62 330.30 626.64
400 113 200 380 589.39 195.03 485.37
300 85 175 225 384.86 156.99 278.68
250 71 125 225 350.55 129.49 254.35
PhC PhA

表35(続き)
TBhs TChs Tahs TjB TjC TjA
98.73 92.83 114.37 112.86 102.54 133.84
96.34 91.97 110.82 109.51 101.64 128.91
107.16 98.34 107.52 124.38 110.75 123.93
100.93 89.08 96.20 116.05 98.07 108.68
101.30 85.15 97.21 116.83 92.09 110.37
104.40 91.48 102.16 116.77 95.56 112.35
95.70 88.17 89.98 103.78 91.47 95.83
95.96 88.63 89.92 103.32 91.34 95.26

表35から、Vlink=Vdc=1500について、ダブルHブリッジについての接合部温度TjAが望ましい最高温度130℃を上回っていることが認められよう。表34の電流限度(過渡最大条件)を入力として用いると、コンピュータ・モデルは、表36に示す接合部温度を与える。
表36:最大負荷(電流限度)過渡状態を入力として用いる
Vbatt=80V Tair=61℃ 600Hz
Vlink SCFM If Ibatt PB PC PA
1500 198 450 380 1023.6 721.00 1041.5
1500 198 450 240 855.84 814.50 851.11
1500 198 125 260 636.06 461.09 874.13
1300 198 450 380 956.38 631.94 886.81
1300 198 125 380 703.98 404.03 884.93
1000 198 450 380 903.17 508.64 783.57
875 198 450 380 873.71 458.83 717.43
700 198 450 380 824.41 389.88 627.14
400 113 200 380 589.39 195.03 485.37
300 85 175 380 548.42 159.30 432.07
250 71 125 225 350.55 129.49 254.35
PhC PhA

表36(続き)
TBhs TChs Tahs
118.48 107.39 122.51
109.79 104.55 112.22
96.8 92.14 111.52
114.44 101.84 113.51
99.94 90.15 111.66
110.89 95.27 107.02
109.05 92.38 103.08
106.06 88.33 97.70
104.4 91.48 102.16
108,78 95.81 104.15
95.96 88.63 89.92

表36(続き)
TjB TjC TjA
139.98 122.53 144.38
127.76 119.55 130.1
110.16 101.82 129.88
134.52 115.11 132.13
114.72 98.63 130.25
129.86 105.95 123.47
127.40 102.01 118.14
123.37 96.52 110.87
116.77 95.58 112.35
120.30 99.16 113.22
103.32 91.34 95.26

上のデータに基づくと、周囲空気温度が高ければ、1300V以上のVlinkについての接合部温度TjA及びTjBが、望ましい接合部温度限度の130℃を上回る場合があることが分かる。130℃の接合部温度指針を上回ることに応じて、図23及び図24に関連して後にあらためて詳述するように、負荷に供給される電流を減定格するようにダブルHブリッジ制御器を構成することができる。表35及び表36からのデータに基づくと、減定格は次の状況で生じ得る:Vlink=1500V及びIf=450Aでは、ダブルHブリッジは減定格なしで240Aまでのバッテリ電流を流し得る。Vlink=1500V及びIf=125Aでは、ダブルHブリッジは減定格なしで260Aまでのバッテリ電流を流し得る。Vlink=1300V及びIbattery=380Aでは、ダブルHブリッジは減定格なしで125Aまでの界磁電流を流し得る。さらに、Vlink=1000Vは、ダブルHブリッジが高温の周囲空気温度で動作しつつ望ましい性能特性を満たし得る最大電圧である。表35及び表36に示す結果は、図16に関連して参照するとさらに分かり易い。
図16は、冷却ユニット付きダブルHブリッジのブロック図である。図16に示すように、ダブルHブリッジは、ヒートシンク306に結合されたデュアルIGBTモジュール302を含んでおり、各々のデュアルIGBTモジュール1600が相A202、相B204、又は相C206の一つに対応している。冷却ユニットは、プレナム1606を通じてデュアルIGBT1600に冷却空気流1604を与える1又は複数のファン1602を含んでいる。表35及び表36に示す接合部温度の結果について、相Aはバッテリ充電回路に電力を与えるものとしてモデル化され、相Bは励磁器に電力を与えるものとしてモデル化された。
図16に示すように、冷却ユニットはまた、空気流をデュアルIGBTモジュール1600へ向けるように構成されている翼1608を含んでいる。この構成によって、相C206は最多の空気を受け、相A202は最少の空気を受ける。これにより、相Aの合計実効Rthが三つの相の最大となり、相Cの合計実効Rthが三つの相の最小となる。さらに、表35及び表36のデータに基づくと、バッテリ(PA)の電力損失は、ダブルHブリッジ設計が130℃の接合部温度指針を上回るような場合に最大のものとなることが分かる。このように、最大のRthを有する相によって最大の電力がヒート・シンクに加えられる。各実施形態によれば、ダブルHブリッジの熱能力は、最小のRthを有する相(相C)を用いてダブルHブリッジのバッテリ充電器部を制御し、最大のRthを有する相(相A)を用いて励磁を制御すれば改善され得る。換言すると、ダブルHブリッジの熱能力は、Ibatt及びIfieldを制御する相を交換することにより改善され得る。接合部温度を決定するのに用いられる熱モデルも呼応して変更され得る。表33の熱定格(定常状態)仕様を、改善されたダブルHブリッジ設計のための熱モデルへの入力として用いると、表37に示す接合部温度を算出することができる。
表37:交換後
Vbatt=80V Tair=61℃ batt field
Vlink SCFM If Ibatt PB PC PA
1500 198 125 300 667.91 920.6 462.36
1300 198 400 300 822.79 778.96 591.78
875 198 400 300 721.86 592.7 427.42
700 198 325 380 742.87 625.26 328.72
400 113 200 380 595.9 487.35 191.81
300 85 175 225 387.06 281.04 154.88
250 71 125 225 532.97 257.58 127.78
PhA PhC

表37(続き)
TBhs TChs Tahs TjB TjC TjA
101.95 109.49 92.91 116.18 128.82 102.62
108.5 105.18 98.78 125.78 121.54 111.21
102.09 95.06 88.52 117.24 107.51 97.49
103.38 95.88 83.46 118.98 109.01 90.36
110.1 104.91 83.88 122.61 115.15 87.91
99.08 94.57 81.2 107.21 100.47 84.46
100.23 95.75 80.26 107.64 101.16 92.94

表37に示すように、相Cにおいてバッテリ充電器を動作させ、相Aにおいて励磁器を動作させることにより、接合部温度は相の全てについて130℃の接合部温度指針未満になる。さらに、表37から、この新たなダブルHブリッジ設計においては、TjAは常にTjB及びTjCよりも小さいことが分かる。このように、ダブルHブリッジに用いられる換気及び熱保護手法は、相B及び相Cにのみ基づくものであってよい。
《ダブルHブリッジでの接合部温度を推定する》
図17は、実時間ヒートシンク温度指示値を提供するように構成されているダブルHブリッジのブロック図である。図17に示すように、ダブルHブリッジ200は、ヒートシンク306に配設されたサーミスタのような温度センサ1700を含み得る。一実施形態では、単一の温度センサ1700がヒートシンクにおいて相BのデュアルIGBT302と相CのデュアルIGBT302との間に配設され得る。温度センサ1700からの温度指示値は、ダブルHブリッジ200のシステム制御器1702へ送信され得る。温度センサ指示値に基づいて、システム制御器1702は、相A及び相BのデュアルIGBTについての接合部温度を算出することができる。このようにして、システム制御器1702は、信頼できる動作のために、接合部温度が定められた温度指針の範囲内にあるか否かを決定することができる。接合部温度が定められた温度指針を上回る場合には、システム制御器1702は、低減された出力電流を与えるためにデュアルIGBTへの命令信号を減定格すること等により、IGBTを保護するステップを講じ得る。単一のサーミスタの温度指示値に基づいて各々の相についての接合部温度を決定する手法は、図17を参照するとさらに分かり易い。
図18は、動作時のダブルHブリッジでの熱の流れの流れ図である。図18に示すように、点1802によって表わされている温度センサは、3種の異なる熱源PA、PB、及びPCによって加熱されており、PA、PB、及びPCはそれぞれ相A、相B、及び相Cの合計電力である。サーミスタ1802(TS)での温度と冷却空気(Tair)の温度との間の差は、次式を用いて決定され得る。
TSair=dTS=dTS_B+dTS_C+dTS_A
=PB*RSairB+PC*RSairC+PA*RSairA (式5.1)
上の式において、TSairは、サーミスタ(センサ)位置(TS)1802での温度と冷却空気(Tair)の温度との間の差を表わし、PB*RSairB、PC*RSairC及びPA*RSairAは相B、相C及び相Aのセンサ温度(TS)マイナスTairへの寄与である。式5.1から、TSairの値を様々な試験構成について検査することができる。図4(A)に示すPB=PC=PA=Pphの試験構成では下記のようになる。
TSair_inv=Pph*(RSairB+RSairC+RSairA) →
TSair_inv/Pph=RSairB+RSairC+RSairA
上の式において、TSair_invは図4(A)の構成による試験におけるセンサ位置1802での温度マイナスTairを表わす。上の式に基づくと、温度センサ位置と周囲空気との間の全体的な熱抵抗(RSair_inv)を次式から決定することができる。
RSair_inv=RSairB+RSairC+RSairA (式5.2)
図4(C)に示すPC=PA=Pph、及びPB=0(相A及び相Cにのみ給電)の試験構成では下記のようになる。
TSairAC=Pph*(RSairC+RSairA) →
TsairAC/Pph=RSairC+RSairA
上の式において、TSair_ACは、図4(C)の構成(相A及び相Cに給電)による試験におけるセンサ位置1802での温度マイナスTairを表わす。上の式に基づくと、温度センサ位置と周囲空気との間の全体的な熱抵抗(RSair_AC)を次式から決定することができる。
RSair_AC=RSairC+RSairA (式5.3)
図4(B)に示すPC=PB=Pph、及びPA=0(相B及び相Cにのみ給電)の試験構成では下記のようになる。
TSair_BC=Pph*(RSairC+RSairB) →
TSair_BC/Pph=RSairC+RSairB
上の式において、TSair_BCは、図4(B)の構成(相B及び相Cに給電)による試験におけるセンサ位置1802での温度マイナスTairを表わす。上の式に基づくと、温度センサ位置と周囲空気との間の全体的な熱抵抗(RSair_BC)を次式から決定することができる。
RSair_BC=RSairC+RSairB (式5.4)
式5.2〜式5.4を結合すると、式5.1のパラメータを決定することができ、これらのパラメータを下記に示す。
RSairB=RSair_inv−RSair_AC (式5.5)
RSairA=RSair_inv−RSair_BC (式5.6)
RSairC=RSair_BC−RSairB (式5.7)
RSairC=RSair_AC−RSairA (式5.8)
図4(A)〜4(C)に示す試験構成の各々について、温度センサ1700の最上部に熱電対を用いて熱測定を採取することができる。温度センサ1700からの測定熱データを用いると、センサから周囲空気の間の熱抵抗を各々の試験構成について次式を用いて決定することができる。
当該構成について、RSair_config=(TS−Tair)/Pphase
上の式において、RSair_configは、特定の試験構成についての温度センサと周囲空気との間の熱抵抗である。各々の試験構成についてのRSair_configの値の例を下記の表39〜表41に示す。
表39:RSair_inv
SCFM 200 100
200 0.033011569 0.032218474
150 0.041474515 0.040874333
100 0.057020609 0.056650175
60 0.087608562
35 0.130332261
0 均等化されない

表39(続き)
SCFM 50 RSair_inv
200 0.026652874 0.0326150
150 0.042228344 0.0415257
100 0.05483086 0.0561672
60 0.086559569 0.0870841
35 0.134432142 0.1323822
0 0.743645188 0.7436452

表40:RSair_BC(B及びCにのみ給電)
SCFM 200A 100A
200 0.030392574 0.029387758
150 0.038050568 0.036970489
100 0.049850757 0.04898972
60 0.073300021
35 0.108184258


表40(続き)
SCFM 50A RSair_BC
200 0.027528435 0.029102922
150 0.035380293 0.03680045
100 0.047155326 0.048665268
60 0.070869149 0.072084585
35 0.107245004 0.107714631
0 0.586357568 0.586357568

表41:RSair_CA(A及びCに給電)
RSair_hb_CA
SCFM 200A 100A
200 0.024150006 0.023149978
150 0.030000751 0.028165746
100 0.039189 0.03797098
60 0.058636565
35 0.09096046


表41(続き)
SCFM 50A RSair_CA
200 0.019766947 0.022355644
150 0.027038393 0.02840163
100 0.034115662 0.037092004
60 0.054883517 0.056760041
35 0.084651701 0.08780608
0 0.464896274 0.464896274

RSairは温度1700センサと冷却空気との間の熱抵抗を表わすので、IGBTのケースとヒートシンクとの間のグリース308の熱抵抗Rth_chは上の値を算出するファクタとはならない。従って、0.009℃/Wの補正ファクタは値から減算されていない。表39〜表41からのRSair値を用いて、式5.5〜式5.8を適用すると、RSairB、RSairC、及びRSairC1、及びRSair_Aの各値を得ることができ、これらの値を下記の表42に示す。
表42:
SCFM RSair_B=RSair_inv−RSair_AC RSair_A=RSair_inv−RSair_BC
200 0.0102594 0.0035121
150 0.0131241 0.0047253
100 0.0190752 0.0075019
60 0.0303240 0.0149995
35 0.0445761 0.0246676
0 0.2787489 0.1572876

表42(続き)
SCFM RSair_1=RSair_BC−RSair_B RSair_C=RSair_AC−RSair
200 0.0188435 0.0188435
150 0.0236763 0.0236763
100 0.0295901 0.0295901
60 0.0417606 0.0417606
35 0.0631385 0.0631385
0 0.3076087 0.3076087
同じ結果

上の方法及び結果を検証するために、TS−Tairを推定する(推定TS−Tair)ための各々の相についての平均電力を試験データから採取することができる。TS−Tair推定を、下記の表43に示すように温度センサ1700に基づくTS−Tairの試験測定値(Test_TS−Tair)と比較することができる。
表43
インバータ (200A及び100A)
SCFM AV PA AV PB AV PC
200 630.27 630.44 632.56
60 246.03 246.56 247.3

表43(続き)
試験データ 試験結果 PphaseのPX(min)
test_TS−Tair RSair_inv PA(min)*Rsair_inv
20.8 0.032615 20.55625605
21.6 0.08708 21.42429240

表43(続き)
RSairA*PA RSairB*PB RSairC*PC 和
推定TS_A 推定TS_B 推定TS_C 推定TS−Tair
2.2135708 6.467922 11.91967 20.60117
3.6903222 7.476691 10.32738 21.49440

表43(続き)
CAに給電 (200A及び100A)
SCFM AV PA AV PB AV PC
200 632.78 0 629.92
60 247.33 0 247.77

表43(続き)
試験データ 試験結果 PphaseのPX(min)
test_TS−Tair Rsair_CA PC(min)*Rsair_CA
15.2 0.0223556 14.08226727
14.5 0.05676 14.06342520

表43(続き)
RSairA*PA RSairB*PB RSairC*PC 和
推定TS_A 推定TS_B 推定TS_C 推定TS−Tair
2.2223862 0 11.86993 14.09231
3.7098215 0 10.34701 14.05684

表43(続き)
BCに給電 (200A及び100A)
SCFM AV PA AV PB AV PC
200 0 631.23 632.59
60 0 103.58 104.04

表43(続き)
試験データ 試験結果 PphaseのPX(min)
test_TS−Tair Rsair_inv PX(min)*Rsair_inv
19.2 0.0291029 18.41020351
7.4 0.0720846 7.499681784

表43(続き)
RSairA*PA RSairB*PB RSairC*PC 和
推定TS_A 推定TS_B 推定TS_C 推定TS−Tair
0 6.476027 11.92024 18.39627
0 3.140962 4.344768 7.485731

図4(A)〜図4(C)に示す三つの試験構成に加えて、相Bを流れる電流が他の二つの相を通過しているときに50%−50%に分割される図4(D)に示す試験構成についても試験データを収集した。表42からのRSair値、RSairB、RSairA、及びRSairC1を下記の表44に示す。
表44:
SCFM RSairB=RSair_inv−RSair_AC RSairC1=RSair_BC−RSairB
RSairA=RSair_inv−RSair_BC
200 0.0102594 0.0035121 0.0188435
60 0.030324 0.014999 0.041761

RSairB、RSairA、及びRSairC1についての上の値を用いて、TS−Tairについての推定値(推定TS−Tair)を算出し、図4(D)の試験構成についてセンサ1700から集められた温度データに基づくTS−Tairについての測定値(Test_TS−Tair)と比較することができる。結果の一例を下記の表45に示す。
表45:
100−50−50(200A及び100A)
SCFM AV PA AV PB AV PC
200 243.230 627.97 248.946
60 245.483 648.65 250.502

表45(続き)
試験データ 試験結果 PphaseのPX(min)
test_TS−Tair RSair_inv PA(min)*RSair_inv
12.5 NA NA
34.5 NA NA

表45(続き)
RSairA*PA RSairB*PB RSairC*PC 和
推定TS_A 推定TS_B 推定TS_C 推定TS−Tair
0.854246 6.4425404 4.691022 11.99
3.682124 19.669618 10.4611 33.81

表43及び表45に示すデータに基づくと、本書に記載される方法がΔセンサ温度(TS−Tair)の正確な予測を与えることが認められよう。従って、RSairB、RSairA、及びRSairCについて導かれた値を、後にあらためて詳述するように、温度センサ指示値に基づいてIGBTの接合部温度を決定するときに用いることができる。一実施形態では、上側仕様限界(USL)が熱抵抗値RSairB、RSairA、及びRSairCについて導かれ得る。式5.5、式5.6、及び式5.7から、RSairB、RSairC及びRSairAについてのUSLはRSair_inv、RSair_AC及びRSair_BCのUSLに依存することが認められよう。RSair_inv、RSair_AC及びRSair_BCについてのUSL値を決定するために、6個の付加的なダブルHブリッジ装置を用いてRSair_inv、RSair_AC及びRSair_BCの各値を前述のようにして算出した。これらの試験から集められたデータを下記の表47、表49、及び表51に示す。
表47:RSair_inv
SCFM 200 100
200 S1 0.033011569 0.032218474
150 S2 0.036732436 0.036769253
100 S3 0.034199689 0.032248306
60 S4 0.036543014 0.036066996
35 S5 0.035988094 0.036365532
0 S6 0.037171053 0.036365532

表47(続き)
SCFM 50 RSair_inv
200 S1 0.026652874 0.03261502
150 S2 0.034668714 0.03605680
100 S3 0.029707583 0.03205186
60 S4 0.03397417 0.03552806
35 S5 0.03455658 0.03563674
0 S6 0.036180573 0.03657239

表49:RSair_BC
SCFM 200 100
200 S1 0.030392574 0.029387758
150 S2 0.030892073 0.029163511
100 S3 0.031175347 0.030122238
60 S4 0.030627623 0.02958748
35 S5 0.032299222 0.031504322
0 S6 0.031042792 0.02982247

表49(続き)
SCFM 50 RSair_BC
200 S1 0.027528435 0.02910292
150 S2 0.024774019 0.02827653
100 S3 0.025411277 0.02890295
60 S4 0.023763399 0.02799283
35 S5 0.028070774 0.03062477
0 S6 0.026687318 0.02918419

表51:RSair_CA
SCFM 200 100
200 S1 0.024150006 0.023149978
150 S2 0.022408928 0.021706019
100 S3 0.022526434 0.021490945
60 S4 0.022393 0.021638007
35 S5 0.022958567 0.022227875

表51(続き)
SCFM 50 RSair_CA
200 S1 0.019766947 0.022356
150 S2 0.017528 0.020548
100 S3 0.019240927 0.021086
60 S4 0.017024725 0.020352
35 S5 0.021483666 0.022223

表47、表49、及び表51では、ラベルS1、S2、S3、S4、S5、及びS6は各試験に用いられた異なるダブルHブリッジについて集められたデータを表わす。異なるダブルHブリッジの間でのこれらのパラメータの部分間変動は、統計学的解析を用いて記述され得る。例えば、表47、表49、及び表51に示すデータをMinitab(登録商標)のような統計学的モデリング・パッケージに入力して、200SCFMの空気流量でのRSair_inv、RSair_AC及びRSair_BCの平均(μ)及び標準偏差(σ)を得ることができる。これらのパラメータの統計学的データを下記の表52に示す。
表52:
変数 N 平均 中央値 TrMean
RSair_inv 6 0.03474 0.03558 0.03474
RSair_AC 6 0.02901 0.02900 0.02901
RSair_BC 6 0.02127 0.02108 0.02127

表52(続き)
変数 標準偏差 SE平均
RSair_inv 0.00191 0.00078
RSair_AC 0.00092 0.00038
RSair_BC 0.00084 0.00034

表22及び表23に関連して上で概略を述べた統計学的工程を用いると、200SCFMにおける各々のRSair_configについての平均及び標準偏差を用いて、次式を用いて対応するUSLを算出することができる。
Z=(USL−μ)/σ
Z=3を用いてUSLについて解くと次式が得られる。
USL=σ*3+μ
RSair_invのUSLの一例の計算を下記の表53及び表54に示す。
表53:
6個の標本からの統計学的結果 Z*σo+μo
μo σo Z=3でのUSL
0.03474 0.00191 0.04047

表53(続き)
μo/RSair_inv200SCFM USL/RSair_inv200SCFM σo/RSair_inv200SCFM
K1 K2 K3
1.065153367 1.240839285 0.058561973

表54:
RSair_inv*K1 RSair_inv*K2
SCFM RSair_inv μ USL RSair_inv
200 0.032615 0.0.3474 0.040470
150 0.041526 0.04423 0.051527
100 0.056167 0.05983 0.069694
60 0.087084 0.09276 0.108057
35 0.132382 0.14101 0.164265
0 0.743645 0.79210 0.922744

表54(続き)
RSair_inv*K3 (USL−μ)/σ
SCFM σ Z
200 0.0019100 3
150 0.0024318 3
100 0.0032893 3
60 0.0050998 3
35 0.0077526 3
0 0.0435493 3

同じ手順をRSair_Ac及びRSair_BCについても用いると、下記の表55に示す結果が得られた。
表55:
SCFM USL RSair_inv USL RSair_AC USL RSair_BC
200 0.040470 0.0237900 0.0292860
150 0.051527 0.0302239 0.0370320
100 0.069694 0.0394719 0.0489714
60 0.108057 0.0604018 0.0725380
35 0.164265 0.0934398 0.1083922
0 0.922744 0.4947244 0.5900462

RSairB、RSairC、RSairAについてのUSLは、表55に示すRSair_inv、RSair_AC、及びRSair_BCについてのUSLに基づいて式5.5〜式5.7を用いて算出され得る。式5.5から、RSairBについてのUSLを下記の表56に示すように決定することができる。
表T56:RSairB=RSair_inv−RSair_AC
SCFM USL RSair_inv USL RSair_AC USL RSairB
200 0.040470 0.0237900 0.016680
150 0.051527 0.0302239 0.021303
100 0.069694 0.0394719 0.030223
60 0.108057 0.0604018 0.047656
35 0.164265 0.0934398 0.070825
0 0.922744 0.4947244 0.428020

式5.7から、RSairBについてのUSLを下記の表57に示すように決定することができる。
表T57:RSairC−RSairB
SCFM USL RSair_BC USL RSairB USL RSairC
200 0.0292860 0.016680 0.012606
150 0.0370320 0.021303 0.015729
100 0.0489714 0.030223 0.018749
60 0.0725380 0.047656 0.024883
35 0.1083922 0.070825 0.037567
0 0.5900462 0.428020 0.162026

式5.6から、RSairAについてのUSLを下記の表58に示すように決定することができる。
表T58:RSair_inv−RSairB
SCFM USL RSair_inv USL RSair_BC USL RSairA
200 0.040470 0.0292860 0.011184
150 0.051527 0.0370320 0.014495
100 0.069694 0.0489714 0.020723
60 0.108057 0.0725380 0.035519
35 0.164265 0.1083922 0.055873
0 0.922744 0.5900462 0.332698

表56〜表58に示すデータに回帰手法を適用すると、RSairA、RSairB、及びRSairCを空気流量の関数として記述する回帰式を得ることができる。曲線フィッティング手法を表56に示すデータに適用すると次式が得られる。
RSairB=0.0115+0.3845*exp(−SCFM/13.23)
+0.066*exp(−SCFM/78.6) (式5.9)
曲線フィッティング手法を表57に示すデータに適用すると次式が得られる。
RSairC=6.47E−3+0.1406*exp(−SCFM/16.23)
+0.0257*exp(−SCFM/139.8) (式5.10)
曲線フィッティング手法を表58に示すデータに適用すると次式が得られる。
RSairA=7.14E−3+0.301*exp(−SCFM/13.93)
+0.044*exp(−SCFM/83.67) (式5.11)
一実施形態では、温度センサ位置TS(1802)と冷却空気(Tair)の温度との間の熱キャパシタンスを決定することができ、この値を本書ではCSair_A、CSair_B、及びCSair_Cと呼ぶ。先ず、表58に示す150SCFMについての平均試験データから下記の表のようになる。
表59:熱キャパシタンス(CSair_B、CSair_C、CSair_A)
SCFM RSair_inv RSair_AC RSair_BC
試験 試験 試験
150 0.0415257 0.02840163 0.03680045

表59(続き)
SCFM RSair_B RSair_A RSair_C1
=RSair_inv−RSair_AC =RSair_inv−RSair_BC =RSair_BC−RSair_B
150 0.0131241 0.0047253 0.0236763

表59(続き)
SCFM RSair_C
=RSair_AC−RSair_A
150 0.0236763

図4(C)の試験構成(相A及び相Cに給電)については、次式のようになる。
Po*ZSair_CA
=Po*[RSairC‖(1/CCs)]+RSairA‖(1/CCs)
及び
ZSair_CA=RSair_CA‖(1/CCAs)
すると次式が得られる。
RSair_CA/(RSair_CA*CSair_CA*S+1)
=RSair_C/(RSair_C*CSair_C*S+1)
+RSair_A/(RSair_A*CSair_A*S+1)
時定数RSair_C*CSair_C=RSair_A*CSair_Aがτ0に等しいならば、次式のようになる。
RSair_CA/(RSair_CA*CSair_CA*S+1)
=(RSair_C+RSair_A)/(τ0*S+1)
以上から、RSair_C+RSair_A=0.0236763+0.0047235=0.02839998=RSair_CAであるので、時定数τ0はRSair_CA、RSair_C、及びRSair_Aについて同じであることを確認することができる。同様に、図4(B)の試験構成(相B及びCに給電)について、RSair_C+RSair_B=0.0236763+0.0131241=0.0368004=RSair_BCである。このように、τ0はRSair_BC、RSair_C、及びRSair_Bについて同じである。図4(A)に示す試験構成についても同様に、RSair_C+RSair_B+RSair_A=0.0236763+0.0131241+0.0047235=0.0415239=RSair_invである。従って、τ0は、同じ空気流については、RSair_inv、RSair_C、RSair_B、及びRSair_Aについて同じであることが分かる。
τ0がRSair_inv、RSair_C、RSair_B、及びRSair_Aについて同じであるとの仮定を試験するために、C及びAに給電した場合、B及びCに給電した場合、並びにB、C及びA(インバータ)に給電した場合についての熱キャパシタンスを、図14(A)〜図14(C)に示す試験構成の各々についての試験データを収集することにより決定することができる。試験構成の各々についての試験データから、150SCFM、200AのTS_XXマイナスTinlについて冷却曲線をプロットすることができる。尚、TS_XXは、特定の試験構成「XX」についてのセンサの温度であり、Tinlは冷却流入空気の温度である。冷却曲線から下記の熱時定数を得ることができる。
τ_inv=196秒
τ_BC=190秒
τ_CA=186秒
次式を用いて値TS_XX−Tinlを推定することができる。
TS_XX−Tinl=(開始温度−終了温度)*exp(−t/τ )+終了温度
次いで、TS_XX−Tinlの推定値を、図19(A)〜図19(C)に示すように試験データと比較することができる。
図19(A)〜図19(C)は、様々な試験構成についての推定TS_XX−Tinl及び実測TS_XX−Tinlの経時的なグラフである。図19(A)は、図4(B)の試験構成(相B及び相Cに給電)についての推定値及び測定値を示す。図19(B)は、図4(B)の試験構成(相C及び相Aに給電)についての推定値及び測定値を示す。図19(C)は、図4(A)の試験構成(相A、相B、及び相Cに給電)についての推定値及び測定値を示す。図19(A)〜図19(C)のグラフから、TS_XX−Tinlについての推定値が実測値に極く近い近似になっていることが認められよう。
上に示す熱時定数(196秒、190秒、186秒)の平均を用いると次式が得られる。
τ_inv=τ_BC=τ_CA=τ_A= τ_B=τ_C=190秒
また、τ=Rth*Cthであることを考慮に入れて、熱キャパシタンスを、下記に示すように表59からの150SCFMについての平均試験データを用いて算出することができる。
CSair_B=190/0.0131241 →
CSair_B=14,477J/℃ (式5.12)
CSair_A=190/0.0047253 →
CSair_A=40,209J/℃ (式5.13)
CSair_C=190/0.0236763 →
CSair_C=8,025J/℃ (式5.14)
上のデータに基づくと、サーミスタが相Bと相Cとの間に位置しているので、相Aの熱容量のセンサ温度変化に対する影響は相B及び相Cからの熱容量の影響よりも遥かに弱いことが認められよう。
上で導いた熱抵抗及び熱キャパシタンスを用いてZSairA、ZSairB、及びZSairCについて熱インピーダンスを決定することができる。一実施形態では、これらの熱インピーダンスを用いて、温度センサからの指示値に基づいてIGBT104の接合部温度を決定するためのコンピュータ・モデルを生成することができる。
接合部温度を決定するために、温度センサ1700と各々の相のケースとの間の温度差を決定することができる。前述のように、TA=相Aの装置の下方のホット・スポットでのヒートシンク温度、TB=相Bの装置の下方のホット・スポットでのヒートシンク温度、及びTC=相Cの装置の下方のホット・スポットでのヒートシンク温度である。RCA=RAC=0を用いて、式3.1、式3.2、及び式3.3に従ってTA、TB、及びTCを決定することができる。従って、
TA=PA*RA+PC*RAC+Tair
TB=PB*RB+PC*RBC+Tair
TC=PC*RC+PB*RBC+PA*RCA+Tair
上の各式において、PA、PB、PCは、それぞれ相A、B、Cの両方のIGBT及びダイオードを通じた電力損失である。さらに、式3.30〜式3.34を用いて、空気流量に基づいて熱抵抗パラメータRA、RB、RC、RCA、及びRCBを決定することができる。これらのパラメータについてのUSLのまとめは表24に示されている。
TA、TB、及びTCについての式は、Tsensorを用いて導かれ得る。Tsensorを用いて導かれるTA、TB、及びTCについての値を本書ではそれぞれTAS、TBS及びTCSと呼ぶ。本書に掲げる記載に基づくと下記のようになることが分かる。
TB=TSair+Tair+TBS=PB*RB+PC*RBC+Tair
TSair=RSairA*PA+RSairB*PB+RSairC*PC
これらの式を結合すると次式が得られる。
TBS=(RB−RSairB)*PB
+(RBC−RSairC)*PC−RSairA*PA
相BへのPBの寄与は下記のように表現され得る。
RB−RSairB=RB_BS (式5.15)
相Cから相BへのPCの寄与は下記のように表現され得る。
RBC−RSairC=RC_BCS (式5.16)
このように、TBSについての式は下記のように表現され得る。
TBS=RB_BS*PB+RC_BCS*PC−RSairA*PA
(式5.17)
同様に、TCSに関しても、本書に掲げる記載に記載に基づくと下記のようになることが分かる。
TC=TSair+Tair+TCS
=PC*RC+PB*RCB+PA*RCA+Tair
このように、TCSは下記のようになる。
TCS=(RCB−RSairB)*PB
+(RC−RSairC)*PC+(RCA−RSairA)*PA
相Bから相CへのPBの寄与は次式のように表現され得る。
(RCB−RSairB)=RB_CBS (式5.18)
相CへのPCの寄与は次式のように表現され得る。
(RC−RSairC)=RC_CS (式5.19)
相Aから相CへのPAの寄与は次式のように表現され得る。
(RCA−RSairA)=RA_CAS (式5.20)
このように、TBSについての式は次式のように表現され得る。
TCS=RB_CBS*PB+RC_CS*PC+RA_CAS*PA
(式5.21)
同様に、TASに関しても、本書に掲げる記載に記載に基づくと下記のようになることが分かる。
TA=TSair+Tair+TAS==PA*RA+PC*RAC+Tair
TSair=RSairA*PA+RSairB*PB+RSairC*PC
これらの式を結合すると次式が得られる。
TAS=(RA−RSairA)*PB
+(RBC−RSairC)*PC−RSairB*PB
相AへのPAの寄与は次式のように表現され得る。
(RA−RSairA)=RA_AS (式5.22)
相Cから相AへのPCの寄与は次式のように表現され得る。
(RBC−RSairC)=RA_ACS (式5.23)
このように、TASについての式は次式のように表現され得る。
TAS=RA_AS*PA+RA_ACS*PC−RSairB*PB
(式5.24)
上に示す式5.17、式5.21、及び式5.24を検証するために、RCA、RCB、RC、RB、RA、RSairB、RSairA、及びRSairCについての試験値を用いて、下記の表62及び表63に示すように、RB_BS、RC_BCS、RC_CS、RB_CBS、RA_CAS、RA_AS、及びRA_ACSについての値を得ることができる。
表62:未処理データ(USLではない)より
SCFM RSairB RSairA RSairC1
=RSair_inv−RSair_AC =RSair_inv−RSair_BC =RSair_BC−RSairB
200 0.0102594 0.0035121 0.0188435
60 0.030324 0.014999 0.041761

表62(続き)
SCFM RCA RCB
200 0.006491 0.003035
60 0.019869 0.015395

表62(続き)
SCFM RC RB RA
200 0.038707 0.047219 0.050155
60 0.070647 0.088079 0.100536

表63:未処理データ(USLではない)からの新たなパラメータ
SCFM RB_BS RC_BCS RC_CS
200 0.0369596 −0.0158085 0.019863
60 0.0577550 −0.0263656 0.028886

表63(続き)
SCFM RB_CBS RA_CAS RA_AS RA_ACS
200 −0.007224 0.002979 0.04664 −0.01581
60 −0.014929 0.004870 0.08554 −0.02637

式5.17、式5.21、及び式5.24に基づき、TAS、TBS、及びTCSについての推定値を得て、下記の表64〜表69に示すように測定された試験結果に対して比較することができる。明確に述べると、表64及び表65は、図4(B)に示す試験構成(相B及び相Cに等電流を給電)についての推定値及び測定値を示す。表66及び表67は、図4(A)に示す試験構成(全ての相に等電流を給電)についての推定値及び測定値を示す。表68及び表69は、図4(D)に示す試験構成(相Bでは完全電流、相A及び相Cでは半電流)についての推定値及び測定値を示す。
表64:BCにのみ給電
SCFM/A AV PA AV PB AV PC test TS−Tair 推定TS−Tair
200/200 0 631.23 632.59 19.2 18.40
60/100 0 245.37 246.26 18 17.72

表65:
SCFM AV PA test_TS−Tair 推定TS−Tair 推定TAS
200
60

表65(続き)
SCFM G+0.009*PA TEST dTAS Tair 推定TA TEST TA
200
60

表65(続き)
SCFM AV PB test_TS−Tair 推定TS−Tair 推定TBS
=RB_BS*PB+RC_BCS*PC−RSairA*PA
200 631.23 19.2 18.40 13.32969521
60 245.37 18 17.72 7.677500757

表65(続き)
SCFM G+0.009*PB TEST dTBS Tair 推定TB TEST TB
200 19.01 18.2 30.8 68.21 68.2
60 9.89 9.6 30.2 57.81 57.9

表65(続き)
SCFM AV PC test_TS−Tair 推定TS−Tair 推定TCS
=RB_CBS*PB+RC_CS*PC+RA_CAS*PA
200 632.59 19.2 18.40 8.005179368
60 246.3 18 17.72 3.451595277

表65(続き)
SCFM G+0.009*PC TEST dTCS Tair 推定TC TEST TC
200 13.70 12.9 30.8 62.89 62.9
60 5.67 5.4 30.2 53.59 53.7

表66:A、B、Cに等電流を給電
SCFM AV PA AV PB AV PC test_TS−Tair 推定TS−Tair
200 630.35 630.42 632.55 20.8 20.60
60 246 246.52 247.29 21.6 21.49

表67
SCFM AV PA test_TS−Tair 推定TS−Tair 推定TAS
=RA_AS*PA+RA_ACS*PC−RSairB*PB
200 630.35 20.8 20.60 12.93394
60 246 21.6 21.49 7.04657

表67(続き)
SCFM G+0.009*PX Test dTAS Tair 推定TA Test TA
(ケース) (ケース)
200 18.61 19.6 29.9 69.11 70.3
60 9.26 9.6 30.7 61.45 61.9

表67(続き)
SCFM AV PB test_TS−Tair 推定TS−Tair 推定TBS
=RB_BS*PB+RC_BCS*PC−RSairA*PA
200 630.42 20.8 20.60 11.08653844
60 246.52 21.6 21.49 4.027944833

表67(続き)
SCFM G+0.009*PX Test dTBS Tair 推定TB Test TB
(ケース) (ケース)
200 16.76 15.4 29.9 67.26 66.3
60 6.25 6.9 30.7 58.44 59.3

表67(続き)
SCFM AV PC test_TS−Tair 推定TS−Tair 推定TCS
=RB_CBS*PB+RC_CS*PC+RA_CAS*PA
200 632.55 20.8 20.60 9.887986614
60 247.29 21.6 21.49 4.660926233

表67(続き)
SCFM G+0.009*PX Test dTCS Tair 推定TC Test TC
(ケース) (ケース)
200 15.58 15.4 29.9 66.08 66.1
60 6.89 6.9 30.7 59.08 59.1

表68:100−50−50ケース
SCFM AV PA AV PB AV PC test_TS−Tair
200 243.13 628.00 248.82 12.40
60 244.56 650.18 250.81 34.50

表68(続き)
SCFM RSairA RSairB RSairC 推定TS−Tair
200 0.003512 0.010259 0.01884 11.98544
60 0.014999 0.030324 0.04176 33.85831

表69
SCFM AV PA test_TS−Tair 推定TS−Tair 推定TAS
=RA_AS*PA+RA_ACS*PC−RSairB*PB
200 243.13 12.4 11.99 0.96392
60 244.56 34.5 33.86 −5.41001

表69(続き)
SCFM G+0.009*PX Test dTAS Tair 推定TA Test TA
(ケース) (ケース)
200 3.15 4.1 31.2 46.34 47.5
60 −3.21 −1.02 31 61.65 64.7

表69(続き)
SCFM AV PB test_TS−Tair 推定TS−Tair 推定TBS
=RB_BS*PB+RC_BCS*PC−RSairA*PA
200 628 12.4 11.99 18.42326
60 650.18 34.5 33.86 27.27011

表69(続き)
SCFM G+0.009*PX Test dTBS Tair 推定TB Test TB
(ケース) (ケース)
200 24.08 21.4 31.2 67.26 65
60 33.12 31.6 31 97.98 97

表69(続き)
SCFM AV PC test_TS−Tair 推定TS−Tair 推定TCS
=RB_CBS*PB+RC_CS*PC+RA_CAS*PA
200 248.82 12.4 11.99 1.12978
60 250.81 34.5 33.86 −1.27066

表69(続き)
SCFM G+0.009*PX Test dTCS Tair 推定TC Test TC
(ケース) (ケース)
200 3.37 4.4 31.2 46.55 48
60 0.99 4.89 31 65.84 70.3

上に掲げたデータに基づくと、TA、TB、及びTCについての推定値が測定温度値に極く近いことが分かる。さらに、パラメータRB_BS、RC_BCS、RB_CBS、RC_CS、RA_CAS、RA_AS、RA_CASについてUSL値及び回帰式を展開することができる。前述と同様に、これらのパラメータについてのUSL値を用いて、これらのパラメータを過大に推定することを回避し、従って接合部温度を過大に推定することを回避する。
RCA、RA、RC、RBC、及びRBについてのUSL値は上で表24に示されている。RSairA、RSairB、及びRSairCについてのUSL値は上で表57〜表58に示されている。RCA、RA、RC、RBC、RB、RSairA、RSairB、及びRSairCについてのUSL値を用いて、式5.15、式5.16、式5.18、式5.19、式5.20、式5.22、及び式5.23を用いてRB_BS、RC_BCS、RB_CBS、RC_CS、RA_CAS、RA_AS、RA_CASについてのUSL値を決定することができる。例えば、式5.15を用いると、下記の表71に示すようにRB_BSについてのUSL値を得ることができる。
表71:RB_BS=RB−RSairB
SCFM USL RB USL RSairB USL RB_BS
200 0.050850 0.016680 0.034170
150 0.057547 0.021303 0.036244
100 0.071985 0.030223 0.041763
60 0.094386 0.047656 0.046730
35 0.128310 0.070825 0.057485
0 0.458063 0.428020 0.030044

式5.16を用いると、下記の表72に示すようにRC_BCSについてのUSL値を得ることができる。
表72:RC_BCS=RBC−RSairC
SCFM USL RBC USL RSairC USL RC_BCS
200 0.006450 0.012606 −0.006156
150 0.013248 0.015729 −0.002481
100 0.020643 0.018749 0.001894
60 0.034592 0.024883 0.009709
35 0.064947 0.037567 0.027380
0 0.738187 0.162026 0.576161

式5.18を用いると、下記の表73に示すようにRB_CBSについてのUSL値を得ることができる。
表73:RB_CBS=RCB−RSairB
SCFM USL RBC USL RSairB USL RB_CBS
200 0.006450 0.016680 −0.010230
150 0.013248 0.021303 −0.008054
100 0.020643 0.030223 −0.009580
60 0.034592 0.047656 −0.013064
35 0.064947 0.070825 −0.005878
0 0.738187 0.428020 0.310167

式5.19を用いると、下記の表74に示すようにRC_CSについてのUSL値を得ることができる。
表74:RC_CS=RC−RSairC
SCFM USL RC USL RSairC USL RC_CS
200 0.044130 0.012606 0.031524
150 0.051292 0.015729 0.035563
100 0.067135 0.018749 0.048386
60 0.085785 0.024883 0.060902
35 0.111029 0.037567 0.073462
0 0.379574 0.162026 0.217548

式5.20を用いると、下記の表75に示すようにRA_CASについてのUSL値を得ることができる。
表75:RA_CAS=RCA−RSairA
SCFM USL RCA USL RSairA USL RA_CAS
200 0.008750 0.011184 −0.002434
150 0.011584 0.014495 −0.002911
100 0.016271 0.020723 −0.004452
60 0.026626 0.035519 −0.008893
35 0.042483 0.055873 −0.013390
0 0.283475 0.332698 −0.049223

式5.22を用いると、下記の表76に示すようにRA_ASについてのUSL値を得ることができる。
表76:RA_AS=RA−RSairA
SCFM USL RA USL RSairA USL RA_AS
200 0.055510 0.011184 0.044326
150 0.064519 0.014495 0.050024
100 0.084447 0.020723 0.063724
60 0.112248 0.035519 0.076729
35 0.139661 0.055873 0.083788
0 0.477457 0.332698 0.144759

式5.23を用いると、下記の表77に示すようにRA_ACSについてのUSL値を得ることができる。
表77:RA_ACS=RBC−RSairC
SCFM USL RBC USL RSairC USL RA_ACS
200 0.006450 0.012606 −0.006156
150 0.013248 0.015729 −0.002481
100 0.020643 0.018749 0.001894
60 0.034592 0.024883 0.009709
35 0.064947 0.037567 0.027380
0 0.738187 0.162026 0.576161

一実施形態では、上の各パラメータについて得られたUSL値に回帰手法を適用してもよい。上の表71〜表77に示す一例のデータを用いると以下の回帰式を得ることができる。
RB_BS=0.0312+0.0693*exp(−SCFM/24.88)
+0.022*exp(−SCFM/99.5) (式5.25)
RC_BCS=−2.66E−2
+0.5682*exp(−SCFM/10.37)
+0.0396*exp(−SCFM/302) (式5.26)
RB_CBS=−0.00929+0.31975*exp(−SCFM/7.8)
(式5.27)
RC_CS=0.0299+0.0895*exp(−SCFM/59.1)
+0.087*exp(−SCFM/13.5) (式5.28)
RA_CAS=−2.19E−3−0.0418*exp(−SCFM/18)
−0.018*exp(−SCFM/46.29) (式5.29)
RA_AS=4.63E−02+0.1356*exp(−SCFM/57)
−0.0358*exp(−SCFM/84.5) (式5.30)
RA_ACS=−1.84E−2+0.0338*exp(−SCFM/200.6)
+0.5032*exp(−SCFM/11.4) (式5.31)
熱キャパシタンスに関しては、150SCFMにおいて190秒に等しい熱時定数τ及び試験データについて、表78に示すデータを与えることができる。
表78:SCFM=150:τ=190秒の場合
RB_BS=RB−RSairB
RB RSair_B RB_BS Cth=190/Rth
0.053044 0.0131241 0.0399199 4760

表78(続き)
RC_BCS=RBC−RSairC
RBC RSairC RC_BCS Cth=190/Rth
0.005823 0.0236763 −0.0178533 −10642 0

表78(続き)
RB_CBS=RCB−RSairB
RBC RSairB RB_CBS Cth=190/Rth
0.005823 0.0131241 −0.0073011 −26023 0

表78(続き)
RC_CS=RC−RSairC
RC RSairC RC_CS Cth=190/Rth
0.057398 0.0236763 0.0337217 5634

表78(続き)
RA_CAS=RCA−RSairA
RCA RSairA RA_CAS Cth=190/Rth
0.008588 0.0047253 0.0038627 49188 0

表78(続き)
RA_AS=RA−RSairA
RA RSairA RA_AS Cth=190/Rth
0.057398 0.0047253 0.0526727 3607

表78(続き)
RA_ACS=RBC−RSairC
RBC RSairC RA_ACS Cth=190/Rth
0.005823 0.0236763 −0.0178533 −10642 0

表78から、−ve Rthは冷却の影響を示すが、−ve Cthには物理的な意味がなく、従ってこれらのCthのはゼロであり、直接効果(Cth=0J/℃)を示していることが認められよう。さらに、RA_CASは、150SCFMでの試験データを用いると小さい数のように見えるが、RA_CASの全てのSCFMについてのUSLは負数である。従って、CA_CASもゼロと解釈されるべきである。これにより、各相の間の相間のキャパシタンスはゼロに等しくなる。本書で導かれる熱インピーダンス関数を用いて実時間接合部温度を決定することができる。例えば、上述の熱インピーダンス関数は、システム制御器1702(図17)に内蔵されてプログラムされる。
図20は、ダブルHブリッジにおいてIGBTの接合部温度を推定する回路のブロック図である。当業者は、図20に示す機能ブロック及び装置が、回路を含めたハードウェア要素、非一時的な機械可読の媒体に記憶されているコンピュータ・コードを含めたソフトウェア要素、又はハードウェア及びソフトウェア両要素の組み合わせを包含し得ることを認められよう。加えて、接合部温度推定回路2000の機能ブロック及び装置は本発明の実施形態の一例において具現化され得る機能ブロック及び装置の一例に過ぎない。当業者は特定の応用向けの設計配慮に基づいて特定の機能ブロックを容易に画定することができよう。
推定接合部温度を用いて、ダブルHブリッジの動作の様々な観点を制御することができる。一実施形態では、加えられる負荷電流を、例えばダブルHブリッジを駆動するのに用いられる制御信号を変更することにより推定接合部温度に基づいて変更することができる。また一実施形態では、主電動機を制御する工程に推定接合部温度を用いてもよい。この主電動機にダブルHブリッジを結合して動作させて電動機に給電する。また一実施形態では、推定接合部温度を用いて、ダブルHブリッジに結合されて動作する冷却ユニットを制御してもよい。また一実施形態では、ダブルHブリッジの空間的、熱的、及び/又は電気的な接続形態を推定接合部温度に基づいて変更してもよい。
図20に示すように、接合部温度推定回路2000への入力は、相の各々におけるIGBT及びダイオードについての電力、空気流量、及び周囲空気温度を含み得る。接合部温度推定回路2000の出力は相の各々のIGBTの接合部温度であってよい。接合部温度推定回路2000において行なわれる接合部温度計算は上述の熱インピーダンス式に基づいていてよい。一実施形態では、接合部温度推定回路2000はスイッチ2002を含み得る。図20が制御論理カードのマイクロプロセッサによる三つの異なる相(TjA、TjB及びTjC)でのIGBTの接合部温度の実時間推定のブロック図を表わしている場合の実施形態では、推定論理でのこのスイッチはソフトウェアによって行なわれ得る。温度センサ1700が正しく動作しているならば、スイッチは位置1にあってよい。温度センサ1700が正しく動作していなければ、スイッチは位置2にあってよい。
結果を検証するために、TjB、TjC、TjA(結果がセンサ温度を推定することにより得られたことを示すために以下TjBS、TjCS及びTjASと表記する)をTairから直接推定し、これらの値を、TSair、並びにδTB(ケース−センサ間)、δTC(ケース−センサ間)及びδTA(ケース−センサ間)を推定することにより得られた値に対して比較した。これらの試験の結果を下記の表79に示す。表79に示す試験結果については、Vbatt=80ボルト及びTair=61℃である。
表79:Vbatt=80V、Tair=61℃での定常状態仕様
Vlink SCFM Ifield Ibatt
1500 198 125 300
1300 198 400 300
875 198 400 300
700 198 325 380
400 113 200 380
300 85 175 225
250 71 125 225

表79(続き)
直接Tairからの計算
TjB TjC TjA
116.16 126.31 100.72
125.76 119.2 108.09
117.22 104.71 95.34
118.96 105.46 88.74
122.57 112.55 86.96
107.19 99.36 83.76
107.63 100.52 82.3

表79(続き)
推定Tsens及びTjS
TjBS TjCS TjAS
115.96 129.41 102.34
125.43 122.31 110.55
116.92 107.13 97.01
118.64 107.83 89.86
122.01 111.97 87.54
105.89 98.72 84.20
104.86 98.53 82.04

表79のデータから分かるように、これら二組の結果は数℃の範囲内にあり、接合部温度を決定するのに用いられる式がダブルHブリッジ・コンバータの熱挙動の極めて良好な推定を与えていることを実証している。一実施形態では、実時間、測定又は推定の接合部温度をダブルHブリッジ制御器によって用いて、ダブルHブリッジに付設されている冷却ユニットの空気流量を制御することができる。
パワー・エレクトロニクス半導体の発展によって、電力放散を小さくし、接合部温度(Tj)能力を高めたIGBTのような装置が提供された。最新世代の絶縁ゲート・バイポーラ・トランジスタ(IGBT)は今のところ、低減した電力放散を有し、遥かに大きい電力をハンドリングする能力を得ている。しかしながら、改善された電力ハンドリング能力のせいで幾つかの付加的な制約が課されている。IGBTの接合部を動作させるための温度上限が高まるにつれて、装置の熱サイクリングも増えて、追加の保護対策がなければ長期にわたっては信頼性が低下し得る。
一般的には、IGBTの熱サイクリング能力を制限する二つの要因すなわちベース・プレートのはんだ付け及びボンド・ワイヤが存在しており、両者ともが熱サイクリングによる疲労を蒙る。ベース・プレートのはんだ付けの信頼性は部分的には、ベース・プレートの材料に依存する。一実施形態では、ベース・プレートのはんだ付けは、炭化ケイ素粒子を分散させたアルミニウム母材を含んでさらに高い熱サイクリング耐久性を与える「AlSiC」と呼ばれる金属母材複合材を用いている場合がある。IGBTパッケージの内部でチップを相互に接続するアルミニウム線の耐久性を高めるために、これらの線を被覆することができる。
図21は、望ましい冷却の推定量に基づいて空気流量を制御するダブルHブリッジ用のシステム制御器のブロック図である。ダブルHブリッジ制御器は、補助論理制御器(ALC)と呼ばれるように、自身が制御しているIGBTの接合部温度を実時間で計算して、所要の冷却レベルを決定することができる(標準立方フィート毎分「SCFM」で)。ダブルHブリッジ制御器は、熱サイクリングを減少させ、従ってIGBTモジュールでの熱疲労を減少させる所要の冷却レベルを決定することができる。望ましい冷却レベルは、個々のダブルHブリッジ制御器(ALC)からシステム制御器へ渡されることができ、システム制御器はシステムの全ての個々のコンバータのより大きい所要の冷却レベルを選択して、この冷却レベルを、空気流を与える設備ブロワの制御器に命令を与えるための根拠として用いる。
図21に示すように、ダブルHブリッジ制御器は信号TBjc、dTCjc、PB、及びPCをシステム制御器へ送る。尚、dTBjc=ケースBの空気に対する温度差、及びdTCjc=ケースCの空気に対する温度差である。
システム制御器は、ALCによって受け取られた信号に基づいて、各々の相の下層のヒートシンクと冷却空気との間の所要の実効熱抵抗RB*及びRC*を推定する。RB*及びRC*の値は上述のRBt及びRCtの値と類似しているが、上述のRBt及びRCt値よりも僅かに大きい場合がある。というのは、RBt及びRCtは3シグマ公差(Z=3)を許容することにより試験データから直接導かれたからである。シミュレーションの残部と両立させるために、RB*及びRC*は、統計学的モデル化の利用によって拡大された標準偏差を有していたRB、RBC、RC及びRCAのUSLから導かれており、結果として値RB*及びRC*についての値が大きくなる。
式3.1から下記のようになる。
TB−Tair=dTB=RB*PB+RBC*PC+RBA*PA
式3.1では、dTBへの大きいPAは存在しないためRBAはゼロに等しい。従って下記のようになる。
TB−Tair=dTB=RB*PB+RBC*PC
また式3.2から下記のようになる。
TC−Tair=dTC=RC*PC+RBC*PB+RCA*PA
RCA、RA、RC、RBC、及びRBについてのUSL値は表24に示されている。RB*の計算を単純化するために、RB≫RBCであるので、電力Po=max(PB,PC)を用いて望ましいRthB_ha(望ましいRB*)を推定することができる。この単純化を適用すると次式が得られる。
TB−Tair=RB* *Po
=RB*Po+RBC*Po=Po*(RB+RBC)
RB*について解くと次式が得られる。
RB*=RB+RBC (式7.1)
従って、下記のようになる。
RB* *Po=RB*Po+RBC*Po=Po*(RB+RBC)
同様に、RC*についても、PA<max(PB,PC)であるのでRC*を次式のように単純化することができる。
RC*=RC+RBC+RCA (式7.2)
RB*及びRC*についてのUSL値を展開することができ、これらの値を下記の表81及び表82に示す。
表T81:(式7.2):RB*=RB+RBC
SCFM USLRB USL RBC USLRB*
200 0.050850 0.006450 0.057300
150 0.057547 0.013248 0.070795
100 0.071985 0.020643 0.092628
60 0.094386 0.034592 0.128977
35 0.128310 0.064947 0.193258
0 0.458063 0.738187 1.196250

表82:(式7.2):RC*=RC+RBC+RCA
SCFM USL RC USLRBC
200 0.044130 0.006450
150 0.051292 0.013248
100 0.067135 0.020643
60 0.085785 0.034592
35 0.111029 0.064947
0 0.379574 0.738187

表82(続き)
SCFM USL RCA USLRC*
200 0.008750 0.059330
150 0.011584 0.076125
100 0.016271 0.104049
60 0.026626 0.147003
35 0.042483 0.218460
0 0.283475 1.401236

表81及び表82からのUSL値に基づくと、0SCFMの空気流量でのUSL値は異常値であるように見えることが認められよう。RC*及びRB*についてのUSL値に回帰手法を適用することにより、望ましい空気流量をRB*及びRC*の関数として記述する回帰式を展開することができる。かかる手法を表81及び表82に示すUSLデータの例に適用すると次式が得られる。
要求SCFM_B=36.43+769.62*exp(−RB*/0.037)
(式7.3)
要求SCFM_C=34.95+591.2*exp(−RC*/0.0465)
(式7.4)
上の各式において、SCFM_B及びSCFM_Cは、それぞれ相B及び相Cの信頼できる動作のために望ましい空気流値である。図21に示すように、システム制御器は、上に示す回帰式を適用して、自身の制御下にあるダブルHブリッジに加えられる空気流を制御するように構成され得る。
相B又は相Cの電力放散を本書ではPXと呼ぶことができ、XはB又はCに等しくてよい。相A又は相Bの接合部温度を本書ではTjXと呼ぶことができ、XはA又はBに等しくてよく、下記のように表現され得る。
TjX=Tair+dTha+dTch+dTjC
上の式において、dThaはヒート・シンクと空気との間の温度差を表わし、dTchはIGBTケースとヒート・シンクとの間の温度差を表わし、dTjCはIGBTの接合部とケースとの間の温度差を表わす。パラメータdTha及びdTchを下記のように表わすことができる。
dTha=PX*RX*
dTch=(PX/2)*0.018=PX*0.009
このように、TjXについての式を下記のように表わすことができる。
TjX−Tair=PX*RX*+dTXjc+PX*0.009 (式7.5)
RX*について解くと次式が得られる。
RX*=[(TjX−Tair)−dTXjc]/PX−0.009 (式7.6)
このように、特定の応用に適した定められた最大熱サイクリング指針に基づいてRB*及びRC*の値を算出することができる。一実施形態では、相Bでの最大熱サイクリング(TjX−Tair)は約64.5℃と定められ、相Cでの最大熱サイクリング(TjX−Tair)は約68.5℃と定められることができ、次式が得られる。
RB*=(64.5−dTBjc)/PB−0.009 (式7.7)
RC*=(68.5−dTCjc)/PC−0.009 (式7.8)
用いられるサイクリング・レベル(64.5及び68.5)の説明については、後述の表84及び表85を参照されたい。
図21は、式7.3、式7.4、式7.7及び式7.8に基づいて、信頼できる動作のためのダブルHブリッジによる要求空気流(SCFM)の実時間推定に用いられる論理図を表わす。定格(定常状態条件)においてVbatt=80V、Tair=61℃(Tamb=49℃)について接合部温度シミュレーションを実行すると下記の表83に示す接合部温度が得られる。表の「空気流」はVlinkの定められた値において得られ得る最大空気流を表わすことを特記しておく。
表83:定格(定常状態)条件でのVbatt=80V、Tair=61℃(Tamb=49℃)の場合のシミュレーション
Vlink 空気流 Ibatt Ifield
dcボルト SCFM A A
1500 198 300 125
1300 198 300 400
700 198 380 325
400 113 380 200

表83(続き)
PB PC PA
W W W
677.58 921.38◆ 461.92
882.19◆ 779.72 590.54
742.36 624.08 328.25
595.23 485.1 191.65

表83(続き)
TjB TjC TjA
℃/W ℃/W ℃/W
115.96 129.41 102.34
125.43 122.31 110.54
118.64 107.83 89.86
122.01 111.97 87.54

以上から、下記の表84及び表85に示すように、Vlink、Ifield及びIbatteryの最悪の場合の定常状態動作の組み合わせを決定することができる。明確に述べると、相Bについての最悪の場合の定常状態動作の組み合わせを表84に示し、相Cについての最悪の場合の定常状態動作の組み合わせを表85に示す。
表84:
相Bの場合
Vlink Ifield Ibattery PB TjB TjB−Tair
(サイクリング)
1300V 400A 300A 882.19W 125.5℃ 64.5℃

表85:
相Cの場合
Vlink Ifield Ibattery PC TjC TjC−Tair
(サイクリング)
1500V 125A 300A 921.38W 129.5℃ 68.5℃

上掲の例では、相B放散がPBでありTBjとケースBとの間の熱的差がdTBjcであるような任意の動作点において、式7.7によって与えられるRB*値は64.5℃以下の熱サイクリングを与える。同様に、相C放散がPCでありTCjとケースCとの間の熱的差がdTCjcであるような任意の動作点において、式7.7によって与えられるRC*値は68.5℃以下の熱サイクリングを与える。
図21に示すように、パラメータRB*を用いて、式7.3を通じて望ましいSCFM_Bを決定することができ、パラメータRC*を用いて、式7.4を通じて望ましいSCFM_Cを決定することができる。システム制御器は、両方の相について望ましい空気流を提供するために、二つの値の大きい方を選択することができる。前述のように、相Aは相B及び相Cよりも常に冷たい。
上述の方策を試験するために、図21のシステムが例えばMatlabを用いてコンピュータ・モデル化される。図21のシステムをモデル化すると表86に示す試験結果が得られ、この結果は完全な範囲のTairにおいて定常状態指針について得られた。
表86:SFC減少100%
phC phA
Vlink 有効SCFM Ibatt Ifield Tair
dcボルト SCFM A A ℃
1500 198 300 125 61
1500 198 300 125 50
1500 198 300 125 30
1500 198 300 125 10
1500 198 300 125 −10
1500 198 300 125 −40
1300 198 300 400 61
1300 198 300 400 50
1300 198 300 400 30
1300 198 300 400 10
1300 198 300 400 −10
1300 198 300 400 −40
700 198 380 325 61
700 198 380 325 50
700 198 380 325 30
700 198 380 325 10
700 198 380 325 −10
700 198 380 325 −40
400 113 380 200 61
400 113 380 200 50
400 113 380 200 30
400 113 380 200 10
400 113 380 200 −10
400 113 380 200 −40

表86(続き)
EVO_VENTILATION_012011.mdl
TjB TjB−Tair 要求SCFM(B) TjC
℃ ℃ SCFM ℃
115.96 54.96 140.34 129.41
103.57 53.57 133.41 116.97
81.06 51.06 121.12 94.36
60.01 50.01 108.82 73.21
39.18 49.18 97.22 52.13
11.97 51.97 100.70 22.57
125.43 64.43◆ 199.72 122.31
114.06 64.06 191.49 111.22
94.00 64.00 177.06 91.74
74.04 64.04 162.89 72.41
54.12 64.12 149.05 53.06
24.35 64.35 129.87 25.05
123.90 62.90 169.73 112.52
112.83 62.83 162.86 101.79
92.75 62.75 150.55 82.45
72.73 62.73 139.04 63.19
52.73 62.73 128.70 43.94
23.01 63.01 115.22 16.76
123.05 62.05 109.66 113.07
112.07 62.07 105.32 102.55
92.13 62.13 97.65 83.46
72.20 62.20 90.73 64.34
52.27 62.27 84.75 45.20
22.58 62.58 77.15 17.25

表86(続き)
EVO_VENTILATION_012011.mdl
TjC−Tair 要求SCFM(C) 要求SCFM
℃ SCFM SCFM
68.41◆ 213.39 198
66.97 208.01 198
64.36 198.18 198
63.21 188.26 188.26
62.13 176.89 176.89
62.57 163.60 163.6
61.31 167.66 198
61.22 163.81 191.49
61.74 157.06 177.06
62.41 149.62 162.89
63.06 141.04 149.05
65.05 128.74 129.87
51.52 114.84 169.73
51.79 111.55 162.86
52.45 105.69 150.55
53.19 100.12 139.04
53.94 94.68 128.7
56.76 91.21 115.22
52.07 75.32 109.66
52.55 73.44 105.32
53.46 70.11 97.65
54.34 67.02 90.73
55.2 64.08 84.75
57.25 61.71 77.15

表86では、左から2番目の列が設備ブロワからの利用可能な(有効)空気流を示す。表86に示すように、要求SCFM>有効SCFMであるならば、有効空気流が適用される。また、表86のデータから、式7.7及び式7.3を用いて算出される望ましい空気流(要求SCFM)はVlink=1300Vまで同等であることが分かる。しかしながら、1300Vを上回ったときにこれら二つの式を用いると望ましい空気流を過大に推定することになる。しかしながら、1300Vを上回るとブロワは有効最大空気流すなわち198SCFM又はこの近くで動作させられる。これらの観測に基づいて、図21に示すシステムを図22に示すように単純化することができる。
図22は、望ましい冷却の推定量に基づいて空気流量を制御するダブルHブリッジ用のシステム制御器のブロック図である。図22に示すように、ダブルHブリッジは単一の望ましい冷却レベル(dTjC)及び単一の電力(P)を送る。ダブルHブリッジはdTjC及びPの値が相Bに基づいているのか又は相Cに基づいているのかを決定する論理を含んでいる。例えば、PBがPCよりも大きいならば、dTjC及びPは相Bに基づいている。他の場合には、dTjC及びPは相Cに基づいている。システム制御器はダブルHブリッジ制御器から二つの信号を受け取るので、システム制御器回路を図22に示すように単純化することができる。
図22の単純化されたシステムがダブルHブリッジの能力を限定しないことを検証するために、1300V未満で二つの手法が同等の結果を与えることは示されているので、システムをVlink≧1300Vにおいてモデル化することができる。1300V、1400V及び1500VでのダブルHブリッジの能力が20℃の周囲空気温度(Tair=32℃)について導かれ、この能力は68.5℃を上回る熱サイクリングが望ましくないとの事実に基づくものであった。このように、所与のVlinkについて二つの電流の一方の最大負荷を固定して、他方を熱サイクリングが68.5℃に近似的に等しくなるまで再調節することにより以下の試験ケースをモデル化した。上の試験を図21に示す元のシステムと図22に示す単純化されたシステムについて繰り返した。これらの試験の結果を下記の表87に示す。
表87:上の試験を元の方法及び新たな提案された単純化された方法について繰り返した。
phC phA
Vlink 有効SCFM Ibatt Ifield Tair
dcボルト SCFM A A ℃
1500 198 343 125 32
1400 198 380 270 32
1400 198 340 450 32
1300 198 365 450 32
1300 198 380 425 32

表87(続き)
元の方法
TjB TjB−Tair 要求SCFM(B) TjC
℃ ℃ SCFM ℃
86.56 54.56 137.6 100.49
94.61 62.61 183.76 100.45
100.8 68.8 221.92 99.08
100.45 68.45 221.15 96.32
100.45 68.45 220.42 97.38

表87(続き)
元の方法
TjC−Tair 要求SCFM(C) 要求SCFM
℃ SCFM SCFM
68.49◆ 216.46 198
68.45 209.55 198
67.08 194.18 198
64.32 182.54 198
65.38 188.58 198

表87(続き)
単純化した方法
TjB TjB−Tair TjC TjC−Tair 要求SCFM(C) 要求SCFM
86.56 54.56 100.49 68.49 232.14 198
94.61 62.61 100.45 68.45 223.27 198
100.8 68.8 99.08 67.08 22192 198
100.45 68.45 96.33 64.33 221.15 198
100.45 68.45 97.38 65.38 220.42 198

表87に示す結果に基づくと、何れのシステムを用いてもダブルHブリッジの「能力」には差がないことが分かる。しかしながら、単純化されたシステムは、PB<PC(最初の2行)である二つの場合にはより大きい要求空気流を算出した。しかしながら、この例での最大有効空気流量は198SCFMであるので、二つのシステムは同等に振る舞った。
下記の表88に示す付加的な試験例を行なって、図22のシステムがPB<PCであるときにより大きい望ましい空気流を算出するか否かを決定した。
表88
phC phA
Vlink 有効SCFM Ibatt Ifield Tair
dcボルト SCFM A A ℃
1400 198 190 350 32
1400 198 325 325 32
1400 198 380 125 32
1400 198 300 125 32

表88(続き)
元の方法
TjB TjB−Tair 要求SCFM(B) TjC
℃ ℃ SCFM ℃
95.59 63.59 137.26 97.99
94.79 62.79 177.46 97.96
87.35 55.35 142.66 98.74
84.94 52.94 115.96 95.11

表88(続き)
元の方法
TjC−Tair 要求SCFM(C) 要求SCFM
℃ SCFM SCFM
65.99 140.77 140.77 PB=669.74<PC=693.72
65.96 188.22 188.22 PB=768.97<PC=846.98
66.74 208.88 198 PB=683.46<PC=916.29
63.11 178 178 PB=613.72<PC=813.84

表88(続き)
単純化した方法
TjB TjB−Tair TjC TjC−Tair 要求SCFM(C) 要求SCFM
95.81 63.81 98.25 66.25 139.96 139.96
93.2 61.2 96.5 64.5 195.9 195.9
87.34 55.34 98.74 66.74 222.4 198
83.85 51.85 94.05 62.05 183.56 183.56

表88に示すように、1300Vを上回る幾つかの例では、PB<PCであるときに、単純化されたシステムは望ましい空気流量を過大に推定するが、これらの高電圧では要求空気流は一般的には、198SCFMという最大有効空気流量よりも大きくなる。Vlink≧1300V及びPB<PCという異なるシナリオを検査すると、198SCFMを下回る要求空気流量は6〜7SCFM未満だけ異なっていたが、この量は無視し得る。最大(定常状態)電流について1500VのVlinkにおいて付加的な試験を行なった。これらの試験を下記の表89に示す。
表89:
phC phA
Vlink 有効SCFM Ibatt Ifield Tair
dcボルト SCFM A A ℃
1500 198 300 125 61

表89(続き)
元の方法
TjB TjB−Tair 要求SCFM(B) TjC TjC−Tair 要求SCFM(C) 要求SCFM
℃ ℃ SCFM ℃ ℃ SCFM SCFM
116 54.96 140.34 129.4 68.41◆ 213.39 198

表89(続き)
単純化した方法
TjB TjB−Tair TjC TjC−Tair 要求SCFM(C) 要求SCFM
℃ ℃ ℃ ℃ SCFM SCFM
116 54.96 129.4 68.41 213.39 198

表89に示すように、要求空気流量である要求SCFMは198SCFMの上側仕様限界にあるので、二つの手法の間でTjB、TjB−Tair、TjC、TjC−Tairに変化はない。上述の試験に基づくと、図22の単純化されたシステムは1300V以下から図21のシステムと同等に作用するように見えることが分かる。加えて、1300Vよりも高い場合には、望ましい空気流量である要求SCFMの推定値の二つのシステムの間での差は無視し得る。
《ダブルHブリッジのIGBTの熱保護》
各実施形態において、冷却空気を与えるブロワの故障、プレナムでの空気漏れ、及びトンネル動作等のようなシステム誤動作が生じた場合に、ダブルHブリッジのIGBTを熱的に保護するようにシステム制御器を構成することができる。例えば、負荷電流を後述のように減定格して、熱サイクリングを減少させることができる。
一例として、ダブルHブリッジにおける最大定常状態動作条件の下では、最大Tj−Tairは68.5℃と定められ得る。このことは、例えばIf=125A、Ibatt=300A、Tair=61℃(Tamb=49℃)において、1500Vdc、TjC=129.41℃、及びTChs=112.32℃において生じ得る。この例では、TChsはTjCの約85%であって、温度センサ1700(図17)によって測定される。さらに、誤差公差を1.5℃と定めて温度センサ1700の公差を考慮に入れることができ、この公差は約1.3%であり得る。従って、この例で用いられる最大サイクリング温度は68.5+1.5=70℃となる。従って、Tj=70+Tairとなる。61℃の最大Tairでは、Tjmax=131℃である。上に示す値は例示的なものであって、システムの地理的位置に基づいて変化し得る実際の具現化形態に従って調節され得ることが認められよう。例えば、Tamb=55℃となるような国では、Tairmax=55+5+7=67℃となり、Tjmaxは137℃となる。
上掲の値の例に基づいて、Tjに対する減定格がTj≧137℃となるまで開始しないようにシステムを構成することができる。Tj−Tairが70℃よりも高いとき(計算Tj>131℃)には、ALC(補助論理制御器)はIGBTが熱しつつあるとの指標を発行することができ、Tj−Tair=76℃(Tj=137℃)となるまではさらなる対策は講じられない。一実施形態では、Tamb=55℃となるような国ではこの段階は省略される。
一実施形態では、IGBTの熱サイクリング能力はδTj=71℃の75,000熱サイクル及びδTj=86℃の30,000サイクルである。しかしながら、本手法の各実施形態は異なる熱能力を有するIGBTを含み得ることが認められよう。δTj=86℃及びTair=61℃に基づいて、Tj=147℃又はTj−Tair=86℃においてパルス発生を停止するようにダブルHブリッジ制御器を構成することができる。これにより、下記に示す減定格範囲が得られる。
137℃≦Tj<147℃、サイズ10℃、又は
76℃≦Tj−Tair<86℃、サイズ10℃
もう一つの例では、Tamb=55℃となるような国では、147℃においてパルス発生を停止するようにダブルHブリッジ制御器を構成することができ、最大デルタ・サイクリングはTj−Tair=80℃となる。Tjの絶対USL=150℃であることを特記しておく。これにより、下記に示す減定格範囲が得られる。
137℃≦Tj<147℃、サイズ10℃、又は
70℃≦Tj−Tair<80℃、サイズ10℃
本手法の各実施形態は下記の図23及び図24を参照するとさらに分かり易い。
図23は、各実施形態による負荷電流を減定格するのに用いられる制御ループのブロック図である。この制御ループはシステム制御器において具現化され得る。図23に示すように、負荷電流(又は電力)は、システム制御器からダブルHブリッジ制御器(ALC)へ送信されるIbatt命令2300を減少させることにより減定格され得る。応用を問わず、Ibattの減定格を開始するレベルから、ダブルHブリッジの保護のためのオフ切り換えにトリガを与えるTj=147℃に達する前に上で定められたレベルの範囲内でTjを制御することを試みるために、10°の範囲が存在する。一実施形態では、Ibatt命令はTj>137℃について減定格される。例えば、Tj<137℃では減定格は生じず、新たなIbatt命令2300は元のIbatt命令2302に等しい。Tj=137+δT℃では、新たなIbatt命令2300は元のIbatt命令2302の1−(δT/12)倍に等しい。147℃よりも僅かに低いTjでは、新たなIbatt命令2300は元のIbatt命令2302の1−(δT/12)倍(元のIbatt命令2302の16.7%)に等しい。加えて、制御ループは元のIbatt命令の16.7%に等しい最小Ibattを有するので、ダブルHブリッジ制御器(ALC)は、相A又は相Bの何れかにおいてTj≧147℃となるときにダブルHブリッジの動作をオフに切り換えることができる。Tjを減定格を決定する制御パラメータとして用いると、トンネル動作中の熱サイクリング、又は周囲空気温度が通常よりも高いような他のシナリオに対して適当な保護を提供することができる。
図24は、各実施形態による負荷電流を減定格するのに用いられる制御ループのブロック図である。この制御ループはシステム制御器において具現化され得る。図23に示すように、負荷電流(又は電力)は、システム制御器からダブルHブリッジ制御器(ALC)へ送信されるIbatt命令2300を減少させることにより減定格され得る。図24の制御ループでは、減定格を決定する制御パラメータはTj単独ではなくTj−Tairである。Tj−Tairを用いると、冷却ユニットが、例えば特に冷却システムの誤動作又は妨害されたフィンによって効率よく動作していない場合に熱サイクリングに対して適当な保護を提供することができる。図24に示す制御ループの一実施形態では、Ibatt命令はTj−Tair>76℃について減定格される。例えば、Tj−Tair<76℃では、減定格は行なわれず、新たなIbatt命令2300は元のIbatt命令2302に等しい。86℃よりも僅かに低いTj−Tairでは、新たなIbatt命令2300は元のIbatt命令の1−(10/12)倍(元のIbatt命令の16.7%)に減定格される。加えて、制御ループは元のIbatt命令の16.7%に等しい最小Ibattを有するので、ダブルHブリッジ制御器(ALC)は、相B又は相Cの何れかにおいてTj−Tair>86℃となるときにダブルHブリッジの動作をオフに切り換えることができる。
図25は、本発明の実施形態の一例によるダブルHブリッジを採用し得るディーゼル電気機関車のブロック図である。機関車は単純化された部分断面図で示されており、参照番号2500によって全体的に参照される。複数の主電動機(図25には示されていない)が駆動輪2502の背後に位置しており、軸2504に対して駆動関係に結合されている。複数の補助電動機(図25には示されていない)が機関車の様々な位置に位置しており、ブロワ又はラジエータ・ファンのような様々な補助負荷と結合されている。電動機は交流(AC)電動機であってよい。機関車2500は、電動機への電力を制御する上述のダブルHブリッジ・コンバータのような複数の電気インバータ回路を含んでいてよい。電力回路は、設備区画2506に少なくとも部分的に位置している。インバータ208及び界磁制御204用の制御電子回路、並びに他の電子的構成要素が、設備区画2506のラックに保持された回路基板に配設され得る。制御回路は上述のダブルHブリッジ制御器(ALC)及びシステム制御器を含んでいてよい。設備区画2506の内部では、電力変換に用いられる高電力IGBT半導体装置が空冷式ヒート・シンク2508に装着され得る。
以上の記載は例示説明のためのものであって制限するものではないことを理解されたい。例えば、上述の各実施形態(及び/又は各実施形態の諸観点)を互いに組み合わせて用いてよい。加えて、発明の範囲を逸脱することなく、特定の状況又は材料を発明の教示に合わせて適応構成する多くの改変を施すことができる。本書に記載されている材料の寸法及び形式は、発明の各実施形態を説明するためのものであるが、本質的に限定ではなく例示するものである。以上の記載を吟味すれば他の実施形態は明らかになろう。従って、発明の範囲は、特許請求の範囲に関連して、かかる特許請求の範囲が網羅する等価物の全範囲と共に決定されるものとする。
特許請求の範囲では、「including包含する」との用語は「comprising含む」の標準英語の同義語として、また「in whichこのとき」との用語は「whereinここで」の標準英語の同義語として用いられている。また、特許請求の範囲では、「第一」、「第二」、「第三」、「上」、「下」、「最下」、「最上」、「上向き」、及び「下向き」等の用語は単にラベルとして用いられており、これらの用語の目的語に対して数値的要件又は位置的要件を課すものではない。さらに、特許請求の範囲の制限は、「手段プラス機能(means-plus-function)」形式で記載されている訳ではなく、かかる特許請求の範囲の制限が、「〜のための手段」に続けて他の構造を含まない機能の言明を従えた文言を明示的に用いていない限り、合衆国法典第35巻第112条第6パラグラフに基づいて解釈されるべきではない。
本書で用いる場合には、単数形で記載されており単数不定冠詞を冠した要素又はステップとの用語は、排除を明記していない限りかかる要素又はステップを複数備えることを排除しないものと理解されたい。さらに、発明の「一実施形態」に対する参照は、所載の特徴を同様に組み入れている追加の実施形態の存在を排除しないものと解釈されたい。また、反対に明記されていない限り、特定の特性を有する1又は複数の要素を「含んでいる」又は「有している」実施形態は、この特性を有しないような追加の要素も包含し得る。
本書に掲げた発明の要旨及び範囲から逸脱することなく上述の制御方法に幾つかの変更を施し得るので、上の記載又は添付図面に示す主題の全ては本書の発明の概念を説明する例として解釈されるに過ぎず、発明を限定するものと解釈すべきでない。
100:Hブリッジ・コンバータ
102:入力電圧
104:電子スイッチ
106:一次巻線
108:変圧器
110:二次巻線
112:出力
200:ダブルHブリッジ
202:相A
204:相B
206:相C
208:ダイオード
210、212:変圧器
214、216:出力
300:熱回路網
302:デュアル・モジュール
304:ケース
306:ヒートシンク
308:熱伝導性グリース
310:フィン
312:PIGBT
314:PDiode
316、318、320、322:熱抵抗
500:熱電対
502:冷却空気流
602:測定温度(実線)
604:コンピュータ・モデルによる温度(破線)
702:測定冷却曲線(実線)
704:コンピュータ・モデルによる冷却曲線(破線)
802:界磁巻線
804、810:変圧器
806:シリコン制御整流子(SCR)
808:バッテリ
812:ダイオード
814:キャパシタ
816:インダクタ
902:相Bの電圧出力
904:相A又は相Bの電圧出力
906:変圧器の一次巻線における電圧
908:出力波形の周期
910:時間ton
1002:相Bの電流出力
1004:相A又は相Bの電流出力
1006:変圧器の一次巻線における電流
1102:一次巻線での平均電流
1104:I_phase 1_average
1106:I phase_2average
1108:Ipr_average
1110:ダイオードでの電流
1202:第一の部分
1204:第二の部分
1302:電流Ix
1304:電流Iy
1306:時間t3
1308:時間tf
1600:デュアルIGBTモジュール
1602:ファン
1604:冷却空気流
1606:プレナム
1608:翼
1700:温度センサ
1702:システム制御器
1802:温度センサ
2000:接合部温度推定回路
2002:スイッチ
2300:新たなIbatt命令
2302:元のIbatt命令
2500:機関車
2502:駆動輪
2504:軸
2506:設備区画
2508:空冷式ヒート・シンク

Claims (10)

  1. ヒートシンクと、
    該ヒートシンクに結合されて、電力を励磁器へ与えるように構成されている第一のデュアル絶縁ゲート・バイポーラ・トランジスタ(IGBT)と、
    前記ヒートシンクに結合されて、電力をバッテリへ与えるように構成されている第二のデュアルIGBTと、
    前記ヒートシンクに結合されて、前記励磁器及び前記バッテリに共通の第三のデュアルIGBTと、
    前記ヒートシンクに配設された単一の温度センサと、
    プレナムと可変空気流源とを備える冷却ユニットと、
    制御器と、
    を備え、
    該制御器は、
    該単一の温度センサから温度指示値を受け取り、
    該温度指示値に基づいて、少なくとも2つのデュアルIGBTに対する望ましい冷却レベルを決定する、
    ように構成され、
    該望ましい冷却レベルは互いに異なり、
    該冷却ユニットによって供給される空気流量は、前記望ましい冷却レベルに基づいて決定される、
    電子装置。
  2. 前記制御器は、
    少なくとも前記温度指示値に基づいて、少なくとも2つのデュアルIGBTの接合部温度を推定し、
    少なくとも該接合部温度に基づいて、前記望ましい冷却レベルを決定する、
    ように構成される、請求項1に記載の電子装置。
  3. 前記少なくとも2つのデュアルIGBTは、少なくとも前記第二のデュアルIGBTと
    前記第三のデュアルIGBTを含み、
    前記温度センサは、前記ヒートシンクの前記第二のデュアルIGBTと前記第三のデュアルIGBTとの間に配置され、
    前記制御器は、
    少なくとも前記温度指示値に基づいて、前記少なくとも第二のデュアルIGBTと第三のデュアルIGBTの接合部温度を推定し、
    前記少なくとも第二のデュアルIGBTと第三のデュアルIGBTの該接合部温度に少なくとも基づいて、前記望ましい冷却レベルを決定する、
    ように構成される、
    請求項1に記載の電子装置。
  4. ヒートシンクと、
    該ヒートシンクに結合されて、電力を励磁器へ与えるように構成されている第一のデュアル絶縁ゲート・バイポーラ・トランジスタ(IGBT)と、
    前記ヒートシンクに結合されて、電力をバッテリへ与えるように構成されている第二のデュアルIGBTと、
    前記ヒートシンクに結合されて、前記励磁器及び前記バッテリに共通の第三のデュアルIGBTと、
    前記ヒートシンクに配設された温度センサと、
    プレナムと可変空気流源とを備える冷却ユニットと、
    制御器と、
    を備え、
    該制御器は、
    該温度センサから温度指示値を受け取り、
    該温度指示値に基づいて、少なくとも1つのデュアルIGBTに対する望ましい冷却レベルを決定する、
    ように構成され、
    該冷却ユニットによって供給される空気流量は、該望ましい冷却レベルに基づいて決定され、
    該制御器は、
    該第二のデュアルIGBTに対する第一の望ましい冷却レベルと、該第三のデュアルIGBTに対する第二の望ましい冷却レベルとを決定し、
    該第一の望ましい冷却レベルと該第二の望ましい冷却レベルとに対応する信号を、少なくとも該信号に基づいて該空気流量を制御するシステム制御器に送る、
    電子装置。
  5. 前記システム制御器は、前記第一の望ましい冷却レベルに対応する第一の望ましい空気流量と、前記第二の望ましい冷却レベルに対応する第二の望ましい空気流量とを算出し、
    該空気流量は、該第一の望ましい空気流量と該第二の望ましい空気流量のうちの大きいものに基づく、
    請求項に記載の電子装置。
  6. ヒートシンクと、
    該ヒートシンクに結合されて、電力を励磁器へ与えるように構成されている第一のデュアル絶縁ゲート・バイポーラ・トランジスタ(IGBT)と、
    前記ヒートシンクに結合されて、電力をバッテリへ与えるように構成されている第二のデュアルIGBTと、
    前記ヒートシンクに結合されて、前記励磁器及び前記バッテリ充電器に共通の第三のデュアルIGBTと、
    を備えるダブルHブリッジと、
    前記ヒートシンクに配設された単一の温度センサと、
    プレナムと可変空気流源とを備える冷却ユニットと、
    制御器と、
    を備え、
    該制御器は、
    該単一の温度センサから温度指示値を受け取り、
    該温度指示値に基づいて、少なくとも2つのデュアルIGBTに対する望ましい冷却レベルを決定する、
    ように構成され、
    該望ましい冷却レベルは互いに異なり、
    該冷却ユニットによって供給される空気流量は、前記望ましい冷却レベルに基づいて決定される、
    乗物用の電力システム。
  7. 前記制御器は、
    少なくとも前記温度指示値に基づいて、少なくとも2つのデュアルIGBTの接合部温度を推定し、
    少なくとも該接合部温度に基づいて、前記望ましい冷却レベルを決定する、
    ように構成される、請求項に記載の電力システム。
  8. 前記少なくとも2つのデュアルIGBTは、少なくとも前記第二のデュアルIGBTと前記第三のデュアルIGBTを含み、
    前記温度センサは、前記ヒートシンクの前記第二のデュアルIGBTと前記第三のデュアルIGBTとの間に配置され、
    前記制御器は、
    少なくとも前記温度指示値に基づいて、前記少なくとも第二のデュアルIGBTと第三のデュアルIGBTの接合部温度を推定する、
    ように構成される、
    請求項に記載の電力システム。
  9. ヒートシンクと、
    該ヒートシンクに結合されて、電力を励磁器へ与えるように構成されている第一のデュアル絶縁ゲート・バイポーラ・トランジスタ(IGBT)と、
    前記ヒートシンクに結合されて、電力をバッテリへ与えるように構成されている第二のデュアルIGBTと、
    前記ヒートシンクに結合されて、前記励磁器及び前記バッテリ充電器に共通の第三のデュアルIGBTと、
    を備えるダブルHブリッジと、
    前記ヒートシンクに配設された温度センサと、
    プレナムと可変空気流源とを備える冷却ユニットと、
    制御器と、
    を備え、
    該制御器は、
    該温度センサから温度指示値を受け取り、
    該温度指示値に基づいて、少なくとも1つのデュアルIGBTに対する望ましい冷却レベルを決定する、
    ように構成され、
    該冷却ユニットによって供給される空気流量は、該望ましい冷却レベルに基づいて決定され、
    該制御器は、
    該第二のデュアルIGBTに対する第一の望ましい冷却レベルと、該第三のデュアルIGBTに対する第二の望ましい冷却レベルとを決定し、
    該第一の望ましい冷却レベルと該第二の望ましい冷却レベルとに対応する信号を、少なくとも該信号に基づいて該空気流量を制御するシステム制御器に送る、
    乗物用の電力システム。
  10. 前記システム制御器は、前記第一の望ましい冷却レベルに対応する第一の望ましい空気流量と、前記第二の望ましい冷却レベルに対応する第二の望ましい空気流量とを算出し、
    該空気流量は、該第一の望ましい空気流量と該第二の望ましい空気流量のうちの大きいものに基づく、
    請求項に記載の電力システム。
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