(第1の実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、遊技機1の説明における前後左右とは、遊技中の遊技者から見た方向を指すものとする。
図1は、本発明の第1実施形態の台サンド60を備えた遊技機1の正面図である。
遊技機1は、島設備に固定される本体枠(外枠)2にヒンジ16を介して一側部が開閉回動自在に取り付けられる開閉枠3を備える。開閉枠3は、前面枠(遊技枠)4及びガラス枠(前枠)5によって構成される。
前面枠4には、裏面に取り付けられた収納フレーム(図示省略)に遊技領域10aを有する遊技盤10が収装される。また、前面枠4には、遊技盤10の前面を覆うカバーガラス(透明部材)5aを備えたガラス枠5が取り付けられる。前面枠4及びガラス枠5は、それぞれ個別に開放することが可能であり、例えば、ガラス枠5のみを開放して遊技盤10の遊技領域10aにアクセスすることができる。また、前面枠4をガラス枠5が開放されていない状態で開放することによって、遊技盤10の裏側に配置された遊技制御装置500(図2参照)などにアクセスすることができる。
ガラス枠5のカバーガラス5aの周囲には、装飾光を発光する装飾部材6が備えられている。装飾部材6の内部にはランプやLED等によって構成された枠装飾装置5d(図3参照)が備えられている。枠装飾装置5dを所定の発光態様によって発光させることによって、装飾部材6が所定の発光態様によって発光する。
ガラス枠5の上方中央部には、照明ユニット7が備えられる。照明ユニット7の内部には、LEDやランプなどの発光部材が備えられる。
また、遊技機1には、音響(効果音、警報音、異常を報知す報知音等)を発するスピーカー8が備えられる。スピーカー8には、上スピーカー8a及び下スピーカー8bが含まれる。上スピーカー8aは照明ユニット7の左右両側に配置され、下スピーカー8bは後述する上皿12の下方左右両側に配置される。
遊技機1で発生する異常には、遊技機1の故障及び不正行為の実施などが含まれる。不正行為は、例えば、磁石によって発射された遊技球の軌道を不正に操作する行為や、遊技機1を振動させる行為などである。これらの不正行為は、磁気センサスイッチ(SW)39a(図2参照)によって磁気を検出したり、振動センサスイッチ(SW)39b(図2参照)によって振動を検出したりすることによって検知される。また、不正に開閉枠を開放する行為も不正行為に含まれる。このとき、枠開放センサスイッチ(前面枠開放検出スイッチ4b、ガラス枠開放検出スイッチ5b、図2参照)によって営業時間中に前面枠4やガラス枠5の開閉枠が開放されたことが検出される。以上のような不正行為が検出されると、スピーカー8などによって異常が報知されるようになっている。
ガラス枠5のカバーガラス5aの下方には、上皿12などを含む上皿ユニット11が備えられる。上皿12は、図示しない打球発射装置に遊技球(遊技媒体)を供給する。上皿ユニット11には、演出ボタン13が備えられる。
さらに、ガラス枠5の下方位置であって前面枠4に固定される固定パネル14には、下皿15及び打球発射装置の操作部17等が備えられる。遊技者が操作部17を回動操作することによって、打球発射装置は、上皿12から供給される遊技球を遊技盤10の遊技領域10aに発射する。
下皿15には、下皿15に貯まった遊技球を排出するための下皿球抜き機構15aが備えられる。前面枠4の下部右側には、ガラス枠5を施錠するための鍵18が備えられている。
また、上皿ユニット11のうち上皿12の手前側には、遊技者からの操作入力を受け付けるための演出ボタンスイッチ(SW)13a(図3参照)を内蔵する演出ボタン13が備えられている。遊技者は、演出ボタン13を操作することによって、表示装置48における変動表示ゲームにおいて遊技者の操作を介入させた演出を行うことが可能となる。例えば、演出内容を選択させることができる。なお、変動表示ゲームには、特図変動表示ゲームと普図変動表示ゲームが含まれ、本明細書では、単に変動表示ゲームとした場合には、特図変動表示ゲームを指すものとする。
また、変動表示ゲームの実行中だけでなく、通常遊技状態で遊技者が演出ボタン13を操作することによっても演出パターンを変更するようにしてもよい。なお、通常遊技状態(通常状態)とは、特別な遊技状態が発生していない遊技状態である。また、特別な遊技状態とは、例えば、後述する特定遊技状態(普電サポート状態または時短状態)や変動表示ゲームにおいて特別結果(大当り)の発生確率が高い状態(確変状態)や大当り状態(特別遊技状態)である。
また、変動表示ゲームが開始された後、演出ボタン13の操作を促進するための操作促進演出が実行され、操作促進演出が実行されている間に演出ボタン13を操作することによって、始動記憶に対応する変動表示ゲームの結果を事前に予告する予告演出などを実行することができる。
上皿12の右上部には、遊技者が遊技球を借りる場合に操作する球貸ボタン、台サンド60からプリペイドカード等を排出させるために操作される排出ボタン、プリペイドカードの残額が表示される残高表示部等(図示省略)が設けられている。
遊技機1の左側には台サンド60が配設される。遊技機1に設けられる球貸ボタンが操作されると、台サンド60は、プリペイドカード又は会員カード等のカードに記憶されている有価価値から貸し出される遊技球分の有価価値を減算して、減算された有価価値の値を遊技機1の残高表示部に表示する。また、遊技機1に設けられている排出ボタンが操作されると、台サンド60は、カード挿入口60aに挿入されているカードを排出する。
遊技盤10は、各種部材の取り付けベースとなる平板状(木製又は合成樹脂製)の遊技盤本体を備え、該遊技盤本体の前面にガイドレール9で囲まれた遊技領域10aを有している。遊技領域10aの右下側の遊技盤本体部分には、前面の中央部が黒色透明の証紙プレート19で覆われている。そして、このガイドレール9で囲まれた遊技領域10a内に打球発射装置から遊技球を発射して遊技を行うようになっている。遊技領域10aには、打球方向変換部材としての風車20や多数の障害釘(図示略)などが配設されており、発射された遊技球はこれらの打球方向変換部材により転動方向を変えながら遊技領域10aを流下する。
遊技領域10aの略中央には、変動表示ゲームの表示領域となる窓部を形成するセンターケース21が取り付けられている。センターケース21に形成された窓部の後方には、複数の識別情報を変動表示(可変表示)する変動表示ゲームの演出を実行可能な演出表示装置(変動表示装置)としての表示装置48が配置されている。表示装置48は、例えば、液晶ディスプレイを備え、センターケース21の窓部を介して遊技盤10の前面側から表示内容が視認可能となるように配置される。なお、表示装置48は、液晶ディスプレイを備えるものに限らず、EL、CRT等のディスプレイを備えるものであってもよい。
表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の変動表示領域が設けられており、各変動表示領域に識別情報(特別図柄)や変動表示ゲームを演出するキャラクタが表示される。その他、表示画面には遊技の進行に基づく画像(例えば、大当り表示、ファンファーレ表示、エンディング表示等)が表示される。
また、センターケース21の窓部下方には、ステージ部21aが設けられる。センターケース21のステージ部21aには、遊技領域10aを流下する遊技球を受け入れられるように遊技領域10aに向けて開口し、センターケース21の内部に配置されたワープ通路(図示省略)を通過した遊技球が排出される。センターケース21のステージ部21aは、第1始動入賞口37及び第2始動入賞口38の上方に配置されているため、ステージ部21a上で転動した遊技球が第1始動入賞口37及び第2始動入賞口38上に流下しやすいように構成されている。第1始動入賞口37及び第2始動入賞口38についての詳細は後述する。
遊技領域10aのセンターケース21の左側には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。普図始動ゲート34の内部には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するためのゲートスイッチ(SW)34a(図3参照)が設けられている。そして、遊技領域10a内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、普図変動表示ゲームが実行される。
さらに、センターケース21の左下側には、三つの一般入賞口44が配置され、センターケース21の右下側には、一つの一般入賞口44が配置されている。また、一般入賞口44への遊技球の入賞は、一般入賞口44に備えられた入賞口スイッチ(SW)44a〜44n(図2参照)によって検出される。
また、センターケース21の下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える第1始動入賞口(第1始動入賞領域)37が設けられ、その直下には上部に逆「ハ」の字状に開いて遊技球が流入し易い状態に変換する一対の可動部材38aを備えるとともに内部に第2始動入賞口(第2始動入賞領域)38が配設されている。そして、遊技球が第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38に入賞した場合には、補助遊技として特図変動表示ゲームが実行される。
第2始動入賞口38の一対の可動部材38aは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいた閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。ただし、第2始動入賞口38の上方には、第1始動入賞口37が設けられているので、閉じた状態では遊技球が入賞できないように構成されている。
そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド38b(図2参照)によって、逆「ハ」の字状に開いて第2始動入賞口38に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態、入賞容易状態)に変化させられるように構成されている。
なお、可動部材38aは、後述する遊技制御装置500(図2参照)によって制御される。遊技制御装置は、入賞容易状態の発生頻度を高めたり、入賞容易状態の発生時間を長くしたりすることで、前述の特定遊技状態(普電サポート状態、時短状態)を発生させる。
さらに、遊技領域10aの第2始動入賞口38の下方には、大入賞口ソレノイド42b(図2参照)によって上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉42aを有する大入賞口を備えた特別変動入賞装置42が設けられている。特別変動入賞装置42は、特図変動表示ゲームの結果によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態、特別遊技状態)に変換し、大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせることで、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてカウントスイッチ42d(図2参照)が配設されている。
一般入賞口44、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38、特別変動入賞装置42の大入賞口に遊技球が入賞すると、払出制御装置580(図2参照)は、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球を払出装置から前面枠4の上皿12又は下皿15に排出するように制御する。なお、払出装置の内部には、当該払出装置から払い出された遊技球を検出する検出手段として払出検出スイッチ36d(図2参照)が配設されている。また、特別変動入賞装置42の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口43が設けられている。
また、遊技領域10aの外側(例えば、遊技盤10の右下部)には、表示装置48における特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム、特図2変動表示ゲーム)、及び普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームを実行する一括表示装置50が設けられている。一括表示装置50には、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特図1表示器)51及び第2特図変動表示部(特図2表示器)52と、普図変動表示ゲーム用の変動表示部(普図表示器)53と、同じくLEDランプで構成された各変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部(特図1保留表示器54、特図2保留表示器55、普図保留表示器56)等、現在の遊技状態に関する情報を表示する表示部51〜59が設けられている。
ここで、本発明の第1実施形態の遊技機1における遊技の流れ、及び変動表示ゲーム(普図変動表示ゲーム、特図変動表示ゲーム)の詳細について説明する。
前述のように、本発明の第1実施形態の遊技機1では、図示しない打球発射装置から遊技領域10aに向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域10a内の各所に配置された障害釘や風車20等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域10aを流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口44、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38、特別変動入賞装置42に入賞するか、遊技領域10aの最下部に設けられたアウト口43へ流入し遊技領域から排出される。そして、一般入賞口44、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38又は特別変動入賞装置42に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置580によって制御される払出ユニットから、前面枠4の上皿12又は下皿15に排出される。
前述のように、普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するゲートスイッチ34a(図2参照)が設けられている。普図始動ゲート34は、例えば、非接触型のスイッチである。遊技領域10a内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aによって検出され、普図変動表示ゲームが実行される。
また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない場合や、普図変動表示ゲームの結果が当りとなって第2始動入賞口38が開放状態に変換されている場合に、普図始動ゲート34を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数未満ならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。
また、普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出されることとなる。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられた変動表示部(普図表示器)53で実行されるようになっている。普図表示器53は、普通識別情報(普図、普通図柄)として点灯状態の場合に当りを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。
なお、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うように構成してもよい。この普図変動表示ゲームの停止表示が特定結果となれば、普図の当りとなって、第2始動入賞口38の一対の可動部材38aが所定時間(例えば、0.5秒間)開放される開放状態となる。これにより、第2始動入賞口38に遊技球が入賞し易くなり、特図2変動表示ゲームが実行される回数が多くなる。
普図始動ゲート34への通過検出時に抽出した普図乱数値が当り値であるときには、普図表示器53に表示される普通図柄が当り状態で停止し、当り状態となる。このとき、第2始動入賞口38は、内蔵されている普電ソレノイド38b(図2参照)が駆動されることにより、可動部材38aが所定の時間(例えば、0.3秒間)だけ開放する状態に変換され、第2始動入賞口38への遊技球の入賞が許容される。
第1始動入賞口37への入賞球及び第2始動入賞口38への入賞球は、それぞれは内部に設けられた始動口1スイッチ37d(図2参照)と始動口2スイッチ38d(図2参照)によって検出される。第1始動入賞口37に入賞した遊技球は特図1変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、4個を限度に記憶されるとともに、第2始動入賞口38に入賞した遊技球は特図2変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、4個を限度に記憶される。
また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置500(図2参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動入賞記憶として各々所定回数分(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特図始動入賞記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部(特図1保留表示器54、特図2保留表示器55)に表示されるとともに、センターケース21の表示装置48においても表示される。
遊技制御装置500は、第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38への入賞、若しくは各始動記憶に基づいて、特図表示器(表示装置48、特図1表示器51又は特図2表示器52)で特図1変動表示ゲーム又は特図2変動表示ゲームを行う。
特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームは、複数の識別情報を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置48にて各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
表示装置48における飾り特図変動表示ゲームは、例えば前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)が左(第一特別図柄)、右(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)の順に変動表示を開始して、所定時間後に変動している図柄を順次停止させて、特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置48では、特図入賞記憶の記憶数に対応する飾り特別図柄による飾り特図変動表示ゲームを行うとともに、興趣向上のためにキャラクタの出現など多様な演出表示が行われる。
さらに、第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38への入賞が所定のタイミングでなされたとき(具体的には、入賞検出時の大当り乱数値が大当り値であるとき)には特図変動表示ゲームの結果として表示図柄により特定の結果態様(特別結果態様)が導出されて、大当り状態(特別遊技状態)となる。また、これに対応して表示装置48の表示態様も特別結果態様(例えば、「7,7,7」等のゾロ目数字のいずれか)となる。
このとき、特別変動入賞装置42は、大入賞口ソレノイド42b(図2参照)への通電によって、大入賞口が所定の時間(例えば、30秒)だけ、遊技球を受け入れない閉状態(遊技者に不利な状態)から遊技球を受け入れやすい開状態(遊技者に有利な状態)に変換される。すなわち、特別変動入賞装置42に備えられた大入賞口が所定の時間又は所定数の遊技球が入賞するまで大きく開くので、この間遊技者は多くの遊技球を獲得することができるという特典が付与される。
なお、特図1表示器51、特図2表示器52は、別々の表示器でもよいし同一の表示器でもよいが、各特図変動表示ゲームが同時に実行されないようにする。また、表示装置48における飾り特図変動表示ゲームについても、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームとを別々の表示装置や別々の表示領域で実行するようにしてもよいし、同一の表示装置や表示領域で実行するようにしてもよい。この場合、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームが同時に実行されないようにする。
また、特図2変動表示ゲームは、特図1変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっている。すなわち、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの始動記憶があり、特図変動表示ゲームの実行が可能な状態になった場合は、特図2変動表示ゲームが実行される。
また、特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が開始可能な状態で、かつ、始動記憶数が0の状態で、第1始動入賞口37(第2始動入賞口38)に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶が記憶される。このとき、始動記憶数が1加算されるとともに、直ちに始動記憶に基づいて、特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が開始され、この際に始動記憶数が1減算される。
一方、特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が直ちに開始できない状態、例えば、既に特図1変動表示ゲーム又は特図2変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、第1始動入賞口37(第2始動入賞口38)に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶される。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が開始される。
なお、以下の説明において、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
なお、特に限定されるわけではないが、前述した第1始動入賞口37内の始動口1スイッチ37d、第2始動入賞口38内の始動口2スイッチ38d、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ44a〜44n、カウントスイッチ42d、払出検出スイッチ36dには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。前面枠4に前面枠開放検出スイッチ4bやガラス枠5に設けられたガラス枠開放検出スイッチ5bには、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
〔遊技制御装置〕
図2は、本発明の第1実施形態の遊技制御装置500の構成を示すブロック図である。
遊技機1は遊技制御装置500を備え、遊技制御装置500は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)511を有するCPU部510と、入力ポートを有する入力部520と、出力ポートやドライバなどを有する出力部530、CPU部510と入力部520と出力部530との間を接続するデータバス540などからなる。
CPU部510は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン511と、入力部520内の近接スイッチ用のインタフェースチップ(近接I/F)521からの信号(始動入賞検出信号)を論理反転して遊技用マイコン511に入力させるインバータなどからなる反転回路512と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)513などを有する。遊技制御装置500及び該遊技制御装置500によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置300で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能に構成される。
電源装置300は、24Vの交流電源からDC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部310と、遊技用マイコン511の内部のRAM511cに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部320と、停電監視回路や初期化スイッチを有し、遊技制御装置500に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部330などを備える。
この実施の形態では、電源装置300は、遊技制御装置500と別個に構成されているが、バックアップ電源部320及び制御信号生成部330は、別個の基板上あるいは遊技制御装置500と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤10及び遊技制御装置500は機種変更の際に交換の対象となるので、実施例のように、電源装置300若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部320及び制御信号生成部330を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
バックアップ電源部320は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置500の遊技用マイコン511(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAM511cに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部330は、例えば通常電源部310で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。遊技制御装置500は、停電復旧後、RAM511cに保持された遊技データに基づいて、停電前の遊技状態に復旧させる。なお、バックアップ電源部320は、遊技データを2〜3日以上保持させることが可能となっている。
初期化スイッチ信号は初期化スイッチがオン状態にされたときに生成される信号で、遊技用マイコン511内のRAM511c及び払出制御装置580内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン511が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
遊技用マイコン511は、CPU(中央処理ユニット、マイクロプロセッサ)511a、データを書き換え不能に記憶する(読出し専用の)ROM(リードオンメモリ、不揮発性記憶手段)511b及びデータを書き換え可能に記憶する(随時読出し書込み可能な)RAM(ランダムアクセスメモリ、揮発性記憶手段)511cを備える。
ROM511bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に(書き換え不能に)記憶し、RAM511cは、遊技制御時にCPU511aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM511b又はRAM511cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM511bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターンを決定するための変動パターン振り分け情報を記憶している。
CPU511aは、ROM511b内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置580や演出制御装置550に対する制御信号(コマンド)を生成したり、ソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力したりして遊技機1全体の制御を行う。
また、図示しないが、遊技用マイコン511は、特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄用乱数、普図変動表示ゲームの当り判定用乱数等を生成するための乱数生成回路を備えている。さらに、水晶発振器513からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU511aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU511aは、後述する特図ゲーム処理(図10)における始動口スイッチ監視処理(A1001)や特図普段処理(A1009)にて、ROM511bに記憶されている複数の変動パターン振り分け情報の中から、何れか一の変動パターン振り分け情報を取得する。具体的には、CPU511aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当り、小当り又ははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態又は高確率状態)、現在の遊技状態としての第2始動入賞口38の動作状態(通常動作状態又は時短動作状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターン振り分け情報の中から、何れか一の変動パターン振り分け情報を選択して取得する。
払出制御装置580は、図示しないが、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置500からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置580は、台サンド60からの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置580が遊技球の発射許可信号を出すことで、発射制御装置が発射可能状態になる。
遊技制御装置500の入力部520には、第1始動入賞口37内の始動口1スイッチ37d、第2始動入賞口38内の始動口2スイッチ38d、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ44a〜44n、カウントスイッチ42d、払出検出スイッチ36dに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)521が設けられている。近接I/F521は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、スイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常が検知された場合には異常検知信号を出力するように構成されている。このとき、異常検知信号は、入力ポート523に入力される。
近接I/F521に入力された信号の出力はすべて入力ポート522に供給され、データバス540を介して遊技用マイコン511に読み込まれるとともに、遊技制御装置(主基板)500から中継基板591を介して図示しない試射試験装置へ供給されるようになっている。また、近接I/F521の出力のうち始動口1スイッチ37dと始動口2スイッチ38dの検出信号は、入力ポート522の他、反転回路512を介して遊技用マイコン511へ入力されるように構成されている。反転回路512を設けているのは、遊技用マイコン511の信号入力端子が、マイクロスイッチなどからの信号が入力されることを想定し、かつ負論理、すなわち、ロウレベル(0V)を有効レベルとして検知するように設計されているためである。
したがって、始動口1スイッチ37dと始動口2スイッチ38dとしてマイクロスイッチを使用する場合には、反転回路512を設けずに遊技用マイコン511に検出信号を直接入力させるように構成することができる。つまり、始動口1スイッチ37dと始動口2スイッチ38dからの負論理の信号を遊技用マイコン511に直接入力させたい場合には、近接スイッチを使用することはできない。前述のように近接I/F521は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F521には、電源装置300から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
また、入力部520には、遊技機1の前面枠4等に設けられた不正検出用の磁気センサスイッチ39a及び振動センサスイッチ39bからの信号及び近接I/F521により変換された第1始動入賞口37内の始動口1スイッチ37d、第2始動入賞口38内の始動口2スイッチ38d、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ44a〜44n、カウントスイッチ42d、払出検出スイッチ36dからの信号を取り込んでデータバス540を介して遊技用マイコン511に供給する入力ポート522が設けられている。入力ポート522が保持しているデータは、遊技用マイコン511が入力ポート522に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE1をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。後述の他のポートも同様である。
さらに、入力部520には、遊技機1の前面枠4に設けられた前面枠開放検出スイッチ4b及びガラス枠5に設けられたガラス枠開放検出スイッチ5bからの信号、及び払出制御装置580からの払出異常を示すステータス信号や払出し前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号を取り込んでデータバス540を介して遊技用マイコン511に供給する入力ポート523が設けられている。オーバーフロースイッチ信号は、下皿15に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号である。
また、入力部520には、電源装置300からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの信号を遊技用マイコン511等に入力するためのシュミットトリガ回路524が設けられており、シュミットトリガ回路524はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置300からの信号のうち停電監視信号と初期化スイッチ信号は、一旦、入力ポート523に入力され、データバス540を介して遊技用マイコン511に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン511に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットトリガ回路524によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン511に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部530の各出力ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部530を介さずに中継基板591に直接出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板591のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RSTを中継基板591を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部520の各入力ポート(522,523)には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン511によって出力部530の各出力ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部520の各入力ポート(522,523)から遊技用マイコン511が読み込んだデータは、遊技用マイコン511のリセットによって廃棄されるためである。
遊技制御装置500の出力部530は、データバス540に接続され払出制御装置580へ出力する4ビットのデータ信号とデータの有効/無効を示す制御信号(データストローブ信号)及び演出制御装置550へ出力するデータストローブ信号SSTBを生成する第1出力ポート531aと、演出制御装置550へ出力する8ビットのデータ信号を生成する第2出力ポート531bとを備える。遊技制御装置500から払出制御装置580及び演出制御装置550へは、パラレル通信でデータが送信される。また、出力部530には、演出制御装置550の側から遊技制御装置500へ信号を入力できないようにするため、すなわち、片方向通信を担保するために第1出力ポート531aからのデータストローブ信号SSTB及び第2出力ポート531bからの8ビットのデータ信号を出力する単方向のバッファ532aが設けられている。なお、第1出力ポート531aから払出制御装置580へ出力する信号に対してもバッファを設けるようにしてもよい。
さらに、出力部530には、データバス540に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板591を介して出力するバッファ532bが実装可能に構成されている。このバッファ532bは遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、近接I/F521から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ532bを通さずに中継基板591を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサスイッチ39aや振動センサスイッチ39bのようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦、遊技用マイコン511に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工される。例えば、遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス540からバッファ532b、中継基板591を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板591には、バッファ532bから出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板591上のポートには、遊技用マイコン511から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部530には、データバス540に接続され特別変動入賞装置42を開閉させるソレノイド(大入賞口ソレノイド42b)や第2始動入賞口38の可動部材38aを開閉させるソレノイド(普電ソレノイド38b)の開閉データと、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート531c、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート531d、大当り情報など遊技機1に関する情報を外部情報端子508へ出力するための第5出力ポート531eが設けられている。外部情報端子508から出力された遊技機1に関する情報は、例えば遊技店に設置された情報収集端末や遊技用管理装置(図示省略、第2実施形態参照)に供給される。
さらに、出力部530には、第1ドライバ(駆動回路)533a、第2ドライバ533b、第3ドライバ533c、及び第4ドライバ533dが設けられている。第1ドライバ533aは、第3出力ポート531cから出力される大入賞口ソレノイド42bの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する。また、普電ソレノイド38bの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する。第2ドライバ533bは、第3出力ポート531cから出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する。第3ドライバ533cは、第4出力ポート531dから出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する。第4ドライバ533dは、第5出力ポート531eから管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子508へ出力する。
第1ドライバ533aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置300から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第3ドライバ533cには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第2ドライバ533bは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。12Vを出力する第3ドライバ533cによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第2ドライバ533bによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子508へ出力する第4ドライバ533dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ532bや第3出力ポート531c、第1ドライバ533a等は、遊技制御装置500の出力部530、すなわち、主基板ではなく、中継基板591側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部530には、外部の検査装置592へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ534が設けられている。フォトカプラ534は、遊技用マイコン511が検査装置592との間でシリアル通信によってデータの送受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン511が有するシリアル通信端子を利用して行われるため、入力ポート522のようなポートは設けられていない。
〔演出制御装置〕
次に、図3を参照して、演出制御装置550の構成について説明する。図3は、本発明の第1実施形態の演出制御装置550の構成を示すブロック図である。
演出制御装置550は、遊技用マイコン511と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(1stCPU)551と、該主制御用マイコン551の制御下でもっぱら映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)554と、該映像制御用マイコン554からのコマンドやデータに従って表示装置48への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)558と、各種のメロディや効果音などをスピーカー8(8a,8b)から再生させるため音の出力を制御する音源LSI560を備えている。
主制御用マイコン(1stCPU)551と映像制御用マイコン(2ndCPU)554には、各CPUが実行するプログラムを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM553、555がそれぞれ接続され、VDP558にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM557が接続され、音源LSI560には音声データが記憶された音声ROM561が接続されている。主制御用マイコン(1stCPU)551は、遊技用マイコン511からのコマンドを解析し、演出内容を決定して映像制御用マイコン554へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI560への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行したりする。主制御用マイコン(1stCPU)551と映像制御用マイコン(2ndCPU)554の作業領域を提供するRAMは、それぞれのチップ内部に設けられている。なお、作業領域を提供するRAMはチップの外部に設けるようにしてもよい。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン(1stCPU)551と映像制御用マイコン(2ndCPU)554との間、主制御用マイコン(1stCPU)551と音源LSI560との間は、それぞれシリアル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。また、主制御用マイコン(1stCPU)551とVDP558との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアル方式の場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。VDP558には、画像ROM557から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)558aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ558b、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置48へ送信する映像信号を生成する信号変換回路558cなどが設けられている。
VDP558から主制御用マイコン551へは表示装置48の映像と前面枠4や遊技盤10に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるために垂直同期信号VSYNCが入力される。さらに、VDP558から映像制御用マイコン554へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び映像制御用マイコン554からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが入力される。また、映像制御用マイコン554から主制御用マイコン551へは、映像制御用マイコン554が正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期信号SYNCが入力される。主制御用マイコン551と音源LSI560との間は、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け(コール)信号CTSと応答(レスポンス)信号RTSが交換される。
なお、映像制御用マイコン(2ndCPU)554には、主制御用マイコン(1stCPU)551よりも高速なつまり高価なCPUが使用されている。主制御用マイコン(1stCPU)551とは別に映像制御用マイコン(2ndCPU)554を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン(1stCPU)551のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を表示装置48に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン(2ndCPU)554と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合に比べてコストの上昇を抑制することができる。また、CPUを2つ設けることによって、2つのCPUの制御プログラムを別々に並行して開発することが可能となり、これによって新機種の開発期間を短縮することができる。
また、演出制御装置550には、遊技制御装置500から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)552が設けられている。このコマンドI/F552を介して、遊技制御装置500から演出制御装置550へ送信された変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等を、演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置500の遊技用マイコン511はDC5Vで動作し、演出制御装置550の主制御用マイコン(1stCPU)551はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F552には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置550には、遊技盤10(センターケース21を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置10dを制御する盤装飾LED制御回路10c、ガラス枠5等に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置5dを制御する枠装飾LED制御回路5c、遊技盤10(センターケース21を含む)に設けられている盤演出装置(例えば表示装置48における演出表示と協働して演出効果を高める電動役物等)10fを駆動制御する盤演出モータ/SOL制御回路10e、ガラス枠5に設けられている枠演出装置(例えば、表示装置48における演出表示と協働して演出効果を高める可動役物を動作させるモータ等)5fを駆動制御する枠演出モータ制御回路5eが設けられている。なお、ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路(10c、5c、10e、5e)は、アドレス/データバス559を介して主制御用マイコン(1stCPU)551と接続されている。
また、演出制御装置550には、遊技機1の前面に設けられた演出ボタン13に内蔵されているスイッチ13aや盤演出装置10f内のモータの初期位置を検出する演出モータスイッチのオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン(1stCPU)551へ検出信号を入力するスイッチ入力回路570、上スピーカー8aを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路562a、下スピーカー8bを駆動するアンプ回路562bが設けられている。
さらに、演出制御装置550には、リアルタイムクロック(RTC)601が設けられる。リアルタイムクロック(RTC)601は、リアルタイムクロック手段として機能し、これに電力を供給する電池600(蓄電装置、電源手段)を有し、現在時刻を計時可能であり、主制御用マイコン551に時刻の信号を入力する。なお、電池600を内部電源としてリアルタイムクロック(RTC)601の内部に設けてもよい。
電源装置300の通常電源部310は、前述のような構成を有する演出制御装置550やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、複数種類の電圧を生成可能に構成されている。具体的には、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネル等からなる表示装置48を駆動するためのDC12V、コマンドI/F552の電源電圧となるDC5Vの他に、LEDやスピーカーを駆動するためのDC18Vやこれらの直流電圧の基準としたり電源モニタランプを点灯させるのに使用するNDC24Vの電圧を生成することが可能となっている。さらに、主制御用マイコン(1stCPU)551や映像制御用マイコン(2ndCPU)554として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置550に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部310に設けるようにしてもよい。
電源装置300の制御信号生成部330により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン551、映像制御用マイコン554、VDP558、音源LSI560、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路(10c〜5e)、スピーカーを駆動するアンプ回路562a、562bに供給され、これらをリセット状態にする。また、この実施例においては、映像制御用マイコン554の有する汎用のポートを利用して、VDP558に対するリセット信号を生成して供給する機能を有するように構成されている。これにより、映像制御用マイコン554とVDP558の動作の連携性を向上させることができる。
以上が、本発明の第1実施形態における遊技機1の構成である。次に、これらの制御回路によって行われる遊技制御について説明する。
遊技制御装置500のCPU511aは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aを通過した遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当り判定用乱数値を抽出してROM511bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当り外れを判定する。そして、普図表示器53に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する。この普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図表示器53に特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド38bを動作させ、第2始動入賞口38の可動部材38aを所定時間開放する制御を行う。
なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合には、CPU511aは、普図表示器53にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置500のCPU511aは、第1始動入賞口37に備えられた始動口1スイッチ37dからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)を記憶する。そして、この始動記憶に基づき、特図1変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM511bに記憶されている判定値と比較し、特図1変動表示ゲームの当り外れを判定する。
また、遊技制御装置500のCPU511aは、第2始動入賞口38に備えられた始動口2スイッチ38dからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶する。そして、この始動記憶に基づき、特図2変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM511bに記憶されている判定値と比較し、特図2変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。
そして、遊技制御装置500のCPU511aは、上記の特図1変動表示ゲームや特図2変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置550に出力する。そして、特図1表示器51や特図2表示器52に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
また、演出制御装置550は、遊技制御装置500からの制御信号に基づき、表示装置48で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
さらに、演出制御装置550は、遊技制御装置500からの制御信号に基づき、スピーカー8(8a,8b)からの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。
そして、遊技制御装置500のCPU511aは、特図変動表示ゲームの結果が大当りの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。
特別遊技状態を発生させる処理においては、遊技制御装置500のCPU511aは、例えば、大入賞口ソレノイド42bにより特別変動入賞装置42の開閉扉42aを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。
そして、大入賞口に所定個数(例えば、9個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定時間(例えば、25秒又は1.6秒)が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数(例えば、16回又は4回)継続する(繰り返す)制御(ラウンド遊技)を行う。
また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
以下、遊技制御装置500による制御について具体的な処理を説明する。
〔メイン処理(遊技制御装置)〕
まず、遊技制御装置500による制御のうちメイン処理について説明する。図4Aは、本発明の第1実施形態の遊技制御装置500によって実行されるメイン処理の前半部のフローチャートである。図4Bは、本発明の第1実施形態の遊技制御装置によって実行されるメイン処理の後半部のフローチャートである。なお、遊技制御装置500(遊技用マイコン511)が実行する処理のフローチャートにおいて、ステップの符号(番号)は「A****」と表す。
メイン処理は、遊技機1の電源投入時に実行される。例えば、遊技場で営業を開始するために遊技機の電源を投入する場合や停電から復帰した場合に実行される。
遊技制御装置500は、メイン処理の実行が開始されると、まず、割込み禁止する(A401)。次いで、割込みが発生した場合に実行されるジャンプ先を示すベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理を実行する(A402)。さらに、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定する(A403)。さらに、割込み処理のモードを設定する(A404)。
次に、遊技制御装置500は、払出制御装置(払出基板)580のプログラムが正常に起動するまで待機する(A405)。例えば、4ミリ秒間待機する。このように制御することによって、電源投入の際に、遊技制御装置500が先に起動してしまい、払出制御装置580の起動が完了する前に、コマンドを当該払出制御装置580に送信してしまい、払出制御装置580が送信されたコマンドを取りこぼすのを回避することができる。
その後、遊技制御装置500は、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)に対するアクセスを許可する(A406)。さらに、全出力ポートをオフ(出力が無い状態)に設定する(A407)。また、遊技用マイコン511に予め搭載されているシリアルポートを使用しない状態に設定する(A408)。本実施形態では、払出制御装置580や演出制御装置550とパラレル通信を行っているため、シリアルポートを使用しないためである。
続いて、遊技制御装置500は、電源装置300内の初期化スイッチ信号がオンに設定されているか否か判定する(A409)。初期化スイッチ信号は、遊技機1に電源が投入された場合に、初期化された状態で遊技を開始するか否かを設定するための信号である。例えば、閉店時などに正常に電源が切断され、翌日の開店時に電源が投入された場合には、初期化された状態で遊技が開始されるように、初期化スイッチ信号がオンに設定される。一方、停電発生後に再度電源が投入された場合には、遊技を可能な限り停電前の遊技状態に近い状態で再開するために、遊技機が初期化されないように、初期化スイッチ信号がオフに設定される。
遊技制御装置500は、初期化スイッチ信号がオフに設定されている場合には(A409の結果が「N」)、RWM内の停電検査領域のデータが正常であるか否かをチェックする(A410、A411)。停電検査領域には停電検査領域チェックデータが記憶されており、停電検査領域チェックデータが正常であるか否かをチェックする。そして、停電検査領域チェックデータが正常である場合に停電からの復旧であるとの判定が成される。
遊技制御装置500は、RWM内の停電検査領域の停電検査領域チェックデータが正常で、停電復旧時であると判定された場合には(A411の結果が「Y」)、チェックサムと呼ばれる検証用データを算出するチェックサム算出処理を実行する(A412)。
そして、遊技制御装置500は、チェックサム算出処理で算出されたチェックサムの値と、電源切断時に算出されたチェックサムの値が一致するか否か(チェックサムが正常であるか否か)を判定する(A413)。
一方、遊技制御装置500は、初期化スイッチ信号がオンに設定されている場合(A409の結果が「Y」)、停電検査領域チェックデータが異常で停電復旧と判定されない場合(A411の結果が「N」)、電源切断時のチェックサムの値とA412の処理で算出されたチェックサムの値とが一致しない(チェックサムが正常でない)場合には(A413の結果が「N」)、図4BのA441〜A443の初期化処理を実行する。初期化処理の詳細については後述する。
遊技制御装置500は、算出されたチェックサムの値と電源切断時のチェックサムの値とが一致する場合には(A413の結果が「Y」)、停電処理が正常に実行されたため、停電前の状態に復旧させるための処理を実行する(図4BのA414〜A419)。まず、停電処理が正常に実行されたため、初期化すべき領域に停電復旧時の初期値をセーブする(A414)。例えば、停電時の情報が正常に記憶されていたか否かを判定するための情報が記憶されていた、RWM(リードライトメモリ:実施例ではRAM)内の領域(停電検査領域、チェックサム等)をクリアする。さらに、エラー関連の情報、及び不正行為を監視するための情報を記憶する領域をリセットする(A415)。
次に、遊技制御装置500は、RWM内の遊技状態を記憶する領域から停電発生時の遊技状態が高確率状態であったか否かを判定する(A416)。高確率でないと判定された場合には(A416の結果が「N」)、A419以降の処理を実行する。
また、遊技制御装置500は、停電発生時の遊技状態が高確率状態であったと判定された場合には(A416の結果が「Y」)、高確率報知フラグをオンに設定して高確率報知フラグ領域にセーブ(保存)する(A417)。続いて、一括表示装置50に設けられる高確率報知LED(エラー表示器58)をオン(点灯)に設定する(A418)。
さらに、遊技制御装置500は、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置550に送信する(A419)。特図ゲーム処理番号は、特図ゲームの状態を示す番号であり、停電発生時にRWMの所定の領域に記憶されている。このように、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置550に送信することによって、可能な限り停電発生前に近い状態で遊技を再開することができるのである。
ここで、初期化処理を実行する場合について説明する。前述のように、初期化処理は、正常に電源が切断された遊技機を起動する場合や停電発生前の状態に復帰できない場合に実行される。
遊技制御装置500は、初期化処理において、まず、使用する全作業領域をクリアしてリセットする(A441)。次に、初期化すべき領域に電源投入時用の初期値をセーブ(保存)する(A442)。そして、初期化処理の最後に電源投入時のコマンドを演出制御装置550に送信し(A443)、A420以降の処理を実行する。
遊技制御装置500は、A419又はA443の処理が終了すると、遊技用マイコン511(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動させる(A420)。
なお、CTC回路は、遊技用マイコン511内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、水晶発振器513からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、前述したCTC回路とを備えている。タイマ割込み信号は、分周された信号に基づいてCPU511aに所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込みを発生させるための信号である。乱数更新トリガ信号(CTC)は、分周された信号に基づいて乱数生成回路に供給され、乱数生成回路が乱数を更新するトリガとなる。
遊技制御装置500は、CTC回路を起動すると、乱数回路の起動設定を行う(A421)。具体的には、CPU511aが乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)に乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)を設定するなどの処理を実行する。さらに、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を、対応する各種初期値乱数の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブする(A422)。その後、遊技制御装置500は、割込みを許可する(A423)。
なお、本実施形態のCPU511a内の乱数生成回路では、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変更されるように構成されており、ソフト乱数レジスタの初期値に基づいて各種初期値乱数の初期値(スタート値)を設定することによって、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことが可能となり、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。各種初期値乱数には、例えば、大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、普図変動表示ゲームの当りを決定する乱数(当り乱数)が含まれる。
続いて、遊技制御装置500は、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理を実行する(A424)。また、本実施形態では、大当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数を使用して生成するように構成されている。すなわち、大当り乱数はハードウェアで生成されるハード乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数、変動パターン乱数はソフトウェアで生成されるソフト乱数である。なお、各種乱数の発生源は前述の態様に限定されるわけではなく、大当り乱数がソフトウェア乱数であってもよいし、大当り図柄乱数、当り乱数、変動パターン乱数がハードウェア乱数であってもよい。
さらに、初期値乱数更新処理が実行された後、遊技制御装置500は、電源装置300から入力され、ポート及びデータバスを介して読み込まれる停電監視信号がオンであるか否かを判定する(A425)。停電監視信号がオンでない場合、すなわち、停電していない場合には(A425の結果が「N」)、A424の初期値乱数更新処理を再び実行し、A424及びA425の処理を繰り返し実行する(ループ処理)。
また、初期値乱数更新処理(A424)の前に割り込みを許可(A423)することによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生した場合に、割込み処理を優先して実行することが可能となる。したがって、初期値乱数更新処理の実行が完了するまでタイマ割込み処理を実行できないために、割込み処理に含まれる各種処理を実行する時間が不足してしまうことを回避できる。
なお、初期値乱数更新処理(A424)は、メイン処理の他に、タイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行してもよい。ただし、タイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行する場合には、両方の処理で初期値乱数更新処理が実行されることを回避するため、メイン処理における初期値乱数更新処理の実行時に割込みを禁止し、初期値乱数を更新後に割込みを解除する必要がある。しかし、本実施形態のようにタイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行せず、メイン処理でのみ初期値乱数更新処理を実行すれば、初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても問題が生じることはなく、さらに、メイン処理が簡素化されるという利点がある。
一方、遊技制御装置500は、停電監視信号がオンに設定されている場合には(A425の結果が「Y」)、停電が発生したものとみなして停電発生時の処理を実行する(A426〜A431)。
遊技制御装置500は、割込みを禁止し(A426)、全出力ポートをオフに設定する(A427)。その後、停電復旧検査領域に停電復旧検査領域チェックデータをセーブする(A428)。
さらに、遊技制御装置500は、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し(A429)、算出されたチェックサムの値をRWMのチェックサム領域にセーブ(保存)する(A430)。最後に、RWMの内容が変更されないように、RWMへのアクセスを禁止し(A431)、遊技機1の電源が遮断されるまで待機する。このように、停電復旧検査領域にチェック用のデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出して記憶させることで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判定することが可能となる。
〔タイマ割込み処理(遊技制御装置)〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。図5は、本発明の第1実施形態のタイマ割込み処理の手順を示すフローチャートである。
タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路によって生成される周期的(例えば、1ミリ秒周期)なタイマ割込み信号がCPU511aに入力されることによって開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、遊技制御装置500は、まず、所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すことによってレジスタを退避させる(A501)。なお、本実施形態では遊技用マイコンとしてZ80系のマイコンを使用している。Z80系のマイコンには、表レジスタと裏レジスタが備えられており、表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避させることでA501の処理を実装することが可能である。
次に、遊技制御装置500は、入力部520を介して入力される各種センサやスイッチなどからの入力信号を取り込み、各入力ポートの状態を読み込む入力処理を実行する(A502)。各種センサには、始動口1スイッチ37d、始動口2スイッチ38d、普図のゲートスイッチ34a、カウントスイッチ42dなどが含まれる。また、入力処理では、入力信号にチャタリング除去等を行って入力情報を確定させる。
さらに、遊技制御装置500は、各種処理でセットされた遊技制御に関する出力データを、演出制御装置550及び払出制御装置580に送信するための出力処理を実行する(A503)。出力データは、ソレノイド等のアクチュエータの駆動制御などを行うための情報であり、制御対象となるソレノイドには、例えば、大入賞口ソレノイド(SOL)42b、普電ソレノイド(SOL)38bが含まれる。また、出力処理では、遊技機における遊技データを収集する情報収集端末装置(図示せず)に遊技データを出力するも含まれる。
次に、遊技制御装置500は、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを演出制御装置550や払出制御装置580等に送信(出力)するコマンド送信処理を実行する(A504)。なお、コマンド送信処理の詳細については、図6にて後述する。具体的には、特図変動表示ゲームにおける識別情報の変動パターンを指定する変動パターン指定コマンド、及び停電から復旧した場合に演出制御装置550に停電復旧処理を実行させる停電復旧コマンドを演出制御装置550に送信したり、払出制御装置580から払い出す賞球数を指定する賞球コマンドを払出制御装置580に送信したりする。
さらに、遊技制御装置500は、大当り図柄乱数1及び大当り図柄乱数2を更新する乱数更新処理1を実行し(A505)、続いて特図変動表示ゲームにおける変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する乱数更新処理2を実行する(A506)。乱数更新処理1及び乱数更新処理2では、各種乱数にランダム性を付与するために、各種乱数に対応するカウンタ(大当り乱数カウンタ、当り乱数カウンタ、演出決定用乱数カウンタなど)の値を1ずつ加算する。
その後、遊技制御装置500は、各種入賞口スイッチなどを監視したり、枠の不正な開放などのエラーを監視したりする入賞口スイッチ/エラー監視処理が実行される(A507)。各種入賞口スイッチには、例えば、始動口1スイッチ37d、始動口2スイッチ38d、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ44a〜44n、カウントスイッチ42dが含まれる。入賞口スイッチ/エラー監視処理では、これらのスイッチから正常な信号が入力されているか否かを監視したりする。エラーの監視としては、前面枠4やガラス枠5が不正に開放されていないかなどを対象としている。
さらに、遊技制御装置500は、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理を実行する(A508)。なお、特図ゲーム処理の詳細については、図10にて後述する。続いて、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理を実行する(A509)。
次に、遊技制御装置500は、特図変動ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDの表示内容を制御するセグメントLED編集処理を実行する(A510)。具体的には、特図変動表示ゲーム及び普図変動表示ゲームの結果をセグメントLED(例えば、一括表示装置50)に出力するためのパラメータを編集する。
遊技制御装置500は、磁気センサスイッチ39aや振動センサスイッチ39bからの検出信号をチェックし、異常があるか否かを判定する磁石不正監視処理を実行する(A511)。異常の発生を検出した場合には、スピーカー8(上スピーカー8a、下スピーカー8b)から報知音を出力したりして外部に報知する。
次に、遊技制御装置500は、外部情報端子508から出力する各種信号を編集する外部情報編集処理を実行する(A512)。
そして、遊技制御装置500は、割込み要求をクリアして割込みの終了を宣言する(A513)。その後、A501の処理で一時退避されていたレジスタを復帰させ(A514)、禁止設定されていた外部機器による割込み及びタイマ割込みを許可し(A515)、タイマ割込み処理を終了し、メイン処理に復帰する。
〔コマンド送信処理〕
次に、前述したタイマ割込み処理におけるコマンド送信処理(A504)の詳細について説明する。図6は、本発明の第1実施形態のコマンド送信処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置500は、まず、演出制御装置550にコマンドを送信する演出制御コマンド送信処理を実行する(A601)。具体的には、特図変動表示ゲームにおける識別情報の変動パターンを指定する変動パターン指定コマンド、及び停電から復旧した場合に演出制御装置550に停電復旧処理を実行させる停電復旧コマンドを演出制御装置550に送信したりする。なお、演出制御コマンド送信処理についての詳細は、図7にて後述する。
次に、遊技制御装置500は、払出制御装置580にコマンドを送信する払出コマンド送信処理を実行する(A602)。具体的には、払出装置から払い出す賞球数を指定する賞球コマンドを払出制御装置580に送信したりする。その後、コマンド送信処理を終了する。
〔演出制御コマンド送信処理〕
次に、前述したコマンド送信処理における演出制御コマンド送信処理(A601)の詳細について説明する。図7は、本発明の第1実施形態の演出制御コマンド送信処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置500は、まず、RWM内のコマンド送信領域にコマンドが設定されたときに1加算更新されるライトカウンタの値と、コマンド送信領域からコマンドが読み出されるときに1加算更新されるリードカウンタの値とを比較し、コマンドが設定されているかチェックして判定する(A701、A702)。具体的には、ライトカウンタの値とリードカウンタの値とが同一であれば設定コマンドなしと判定し、ライトカウンタの値とリードカウンタの値とが一致しない場合には未送信のコマンドが設定されていると判定する。
遊技制御装置500は、コマンドの設定がある場合には(A702の結果が「Y」)、リードカウンタの位置を更新して(A703)、更新したリードカウンタに対応するコマンド送信領域(MODE)からMODE部のコマンドをロードする(A704)。そして、取得したコマンド送信領域をリセットする(A705)。
次に、遊技制御装置500は、リードカウンタに対応するコマンド送信領域(ACTION)からACTION部のコマンドをロードする(A706)。そして、取得したコマンド送信領域をリセットする(A707)。
その後、遊技制御装置500は、A704及びA706の処理で取得したコマンドを演出制御装置5500へ出力する演出制御コマンド出力処理を実行し(A708)、演出制御コマンド送信処理を終了する。なお、演出制御コマンド出力処理の詳細については、図8にて後述する。
一方、遊技制御装置500は、コマンドの設定がない場合には(A702の結果が「N」)、未送信のコマンドがないので演出制御コマンド送信処理を終了する。
〔演出制御コマンド出力処理〕
次に、前述した演出制御コマンド送信処理における演出制御コマンド出力処理(A708)の詳細について説明する。図8は、本発明の第1実施形態の演出制御コマンド出力処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置500は、まず、遊技用マイコン511のRAM511cから出力部530の第2出力ポート531bへMODEコマンドを出力する(A801)。そして、MODEコマンド出力中を示すストローブ信号のストローブOFF時間を準備する(A802)。コマンドとともに出力されるストローブ信号は、演出制御装置550にコマンドデータを読み取るタイミングを知らせる信号である。ストローブがOFF状態からON状態になったら演出制御装置550はコマンドのデータ読み取りを実行する。ここでは、ストローブOFF時間としてMODEコマンドの出力に十分な所定時間が設定される。
次に、遊技制御装置500は、ストローブ信号(1ビット)及び演出制御コマンドの前半の8ビット(MODE)を出力部530に出力するコマンドデータ出力処理を実行する(A803)。なお、コマンドデータ出力処理についての詳細は、図9にて後述する。
続いて、遊技制御装置500は、遊技用マイコン511のRAM511cから出力部530の第2出力ポート531bへACTIONコマンドを出力する(A804)。そして、ACTIONコマンド出力中を示すストローブ信号のストローブOFF時間を準備する(A805)。
その後、遊技制御装置500は、ストローブ信号(1ビット)及び演出制御コマンドの後半の8ビット(ACTION)を出力部530に出力するコマンドデータ出力処理を実行し(A806)、演出制御コマンド出力処理を終了する。なお、コマンドデータ出力処理についての詳細は、図9にて後述する。
〔コマンドデータ出力処理〕
次に、前述した演出制御コマンド出力処理におけるコマンドデータ出力処(A802、A805)の詳細について説明する。図9は、本発明の第1実施形態のコマンドデータ出力処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置500は、まず、出力部530の第2出力ポート531bの直前の状態が失われないようにするため、第1出力ポート531aのストローブ信号を含むポート状態保持データをロードする(A901)。そして、演出制御コマンドを第2出力ポート531bに出力するとともに(A902)、OFF状態(データの読取り無効を示す例えばロウレベル)のストローブ信号を第1出力ポート531aに出力する(A903)。
そして、遊技制御装置500は、所定時間が経過してストローブOFF時間が終了したか否かを判定する(A904)。ここで、ストローブOFF時間が終了していない場合は(A904の結果が「N」)、ストローブOFF時間が終了するまでA902及びA903の処理を繰り返す。
一方、遊技制御装置500は、ストローブOFF時間が終了した場合は(A904の結果が「Y」)、ストローブON時間を設定し(A905)、OFF状態から切り替えてON状態(データの読取り有効を示す例えばハイレベル)のストローブ信号を設定する(A906)。
次に、遊技制御装置500は、演出制御コマンドを第2出力ポート531bに出力するとともに(A907)、ON状態のストローブ信号を第1出力ポート531aに出力する(A908)。
そして、遊技制御装置500は、A905で設定した時間が経過してストローブON時間が終了したか否かを判定する(A909)。ここで、ストローブON時間が終了していない場合は(A909の結果が「N」)、ストローブON時間が終了するまでA907及びA908の処理を繰り返す。
一方、遊技制御装置500は、ストローブON時間が終了した場合は(A909の結果が「Y」)、OFF状態のストローブ信号を設定して(A910)、ON状態から切り替えてOFF状態のストローブ信号を第1出力ポート531aに出力する(A911)。その後、コマンドデータ出力処理を終了する。
このように演出制御コマンド出力処理(図8)及びコマンドデータ出力処理(図9)では、始めにストローブ信号によって読取り無効期間(OFF状態)を設け、その間に演出制御コマンドを出力部530の第2出力ポート531bへ出力することで、読取り有効(ON状態)となったら演出制御コマンドが送信バッファ532aを介して演出制御装置550に取り込まれるよう処理している。ここで出力された演出制御コマンドは、後述する演出制御装置550によるコマンド受信割込み処理(図18)で演出制御装置550側に読み取られる。
なお、A907に示すようにON状態でも演出制御コマンドを出力しているのは、A907〜A909のループ処理中に停電が発生した場合に、出力中の演出制御コマンドが停電復帰後に出力されなくなるのを回避するためである。また、ノイズによってコマンドコードが変更してしまうのを回避することもできる。なお、A904及びA909の処理は、各々の処理のみをループさせることも可能である。
〔特図ゲーム処理〕
次に、前述したタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(A508)の詳細について説明する。図10は、本発明の第1実施形態の特図ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。
特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ37d及び始動口2スイッチ38dによる入力信号の監視、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図(識別情報)の表示の設定を行う。
特図ゲーム処理が開始されると、遊技制御装置500は、まず、始動口1スイッチ37d及び始動口2スイッチ38dの入賞を監視する始動スイッチ監視処理を実行する(A1001)。
始動口スイッチ監視処理では、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。なお、始動口スイッチ監視処理についての詳細は、図11にて後述する。
次に、遊技制御装置500は、カウントスイッチ監視処理を実行する(A1002)。カウントスイッチ監視処理では、特別変動入賞装置42内に設けられたカウントスイッチ42dによって当該特別変動入賞装置42に入賞した遊技球を検出し、入賞した遊技球の数を監視する。
次に、遊技制御装置500は、特図ゲーム処理タイマが既にタイムアップしているか、又は、特図ゲーム処理タイマを更新(−1)した結果、当該特図ゲーム処理タイマがタイムアップしたか否かをチェックする(A1003)。なお、特図ゲーム処理タイマは、後述する特図ゲーム処理番号に応じて分岐させる各処理(A1009〜A1015)を実行するときに初期値がセットされ、A1003の処理で当該特図ゲーム処理タイマの値を1減じる。この初期値としてセットされる値は、当該特図ゲーム処理番号に応じた処理を終了させるまでの時間値であり、例えば、特図普段処理(A1009;特図ゲーム処理番号「0」)においてセットされる値は、特図変動表示ゲームにおいて特別図柄が変動表示されている時間値がセットされる。そして、特図ゲーム処理タイマの値が0になると、タイムアップしたと判断される。
遊技制御装置500は、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしていない場合には(A1004の結果が「N」)、A1016以降の処理を実行する。
一方、遊技制御装置500は、特図ゲーム処理タイマがタイムアップした場合には(A1004の結果が「Y」)、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する(A1005)。さらに、当該テーブルに基づいて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(A1006)。そして、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させ(A1007)、ゲーム処理番号に応じて処理を分岐させる(A1008)。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「0」の場合には(A1008の結果が「0」)、特図普段処理を実行する(A1009)。特図普段処理は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定、特図変動中処理を実行するために必要な情報の設定等を行う。なお、特図普段処理についての詳細は、図14にて後述する。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「1」の場合には(A1008の結果が「1」)、特図変動中処理を実行する(A1010)。特図変動中処理は、特図変動表示ゲームにおける識別情報の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「2」の場合には(A1008の結果が「2」)、特図表示中処理を実行する(A1011)。特図表示中処理は、特図変動表示ゲームの結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間を設定したり、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行ったりする。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「3」の場合には(A1008の結果が「3」)、ファンファーレ/インターバル中処理を実行する(A1012)。ファンファーレ/インターバル中処理は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理(処理番号4)を行うために必要な情報の設定等を行う。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「4」の場合には(A1008の結果が「4」)、特別変動入賞装置42の大入賞口に係る大入賞口開放中処理を実行する(A1013)。大入賞口開放中処理は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであれば大当り終了画面のコマンドを設定したり、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報を設定したりする。
また、大入賞口開放中処理は、特図変動表示ゲームの結果が特別結果になった場合に大入賞口の開放時間に基づいて特別変動入賞装置42の開閉扉42aを開放して遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態を発生させるものである。このため、遊技制御装置500は特別遊技状態制御手段を成す。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「5」の場合には(A1008の結果が「5」)、大入賞口残存球処理を実行する(A1014)。大入賞口残存球処理は、大当りラウンドが最終ラウンドの場合に大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定したり、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行ったりする。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「6」の場合には(A1008の結果が「6」)、大当り終了処理を実行する(A1015)。大当り終了処理は、A1009の特図普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
その後、遊技制御装置500は、特図1表示器51における図柄の変動を制御するためのテーブルを準備する(A1016)。続いて、特図1表示器51に係る図柄変動制御処理を実行する(A1017)。
さらに、遊技制御装置500は、特図2表示器52における図柄の変動を制御するためのテーブルを準備する(A1018)。続いて、特図2表示器52に係る図柄変動制御処理を実行し(A1019)、特図ゲーム処理を終了する。
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理(図10)における始動口スイッチ監視処理(A1001)の詳細について説明する。図11は、本発明の第1実施形態の始動口スイッチ監視処理のフローチャートである。
始動口スイッチ監視処理が開始されると、遊技制御装置500は、まず、第1始動入賞口37(始動口1)に遊技球が入賞したことによる保留の情報を設定するテーブルを準備する(A1101)。
続いて、遊技制御装置500は、第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38に遊技球が入賞した場合に共通して実行される特図始動口スイッチ共通処理を実行する(A1102)。なお、特図始動口スイッチ共通処理の詳細については、図12にて後述する。
次に、遊技制御装置500は、普通電動役物(普通変動入賞装置、第2始動入賞口38の可動部材38a)が作動中である、すなわち、第2始動入賞口38の可動部材38aが遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かをチェックする(A1103)。普通電動役物が作動中である場合には(A1103の結果が「Y」)、A1106以降の処理を実行する。
一方、遊技制御装置500は、普通電動役物が作動中でない場合には(A1103の結果が「N」)、第2始動入賞口38への不正入賞数が不正発生判定個数以上であるかをチェックし(A1104)、不正入賞数が不正発生判定個数以上であるか否かを判定する(A1105)。
不正入賞について具体的に説明すると、第2始動入賞口38は、開閉部材が閉状態の場合には遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合には何らかの異常や不正が発生した可能性が高く、閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数している。そして、A1104及びA1105の処理において、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上であるかを判定する。
遊技制御装置500は、不正入賞数が不正判定個数以上の場合には(A1105の結果が「Y」)、第2始動入賞口38への遊技球の入賞と無効として特図変動表示ゲームに関する処理を実行せずに、始動口スイッチ監視処理を終了する。
一方、遊技制御装置500は、不正入賞数が不正判定個数未満の場合には(A1105の結果が「N」)、第2始動入賞口38による保留の情報を設定するテーブルを準備し(A1106)、特図始動口スイッチ共通処理を実行する(A1107)。その後、始動口スイッチ監視処理を終了する。
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、前述した始動口スイッチ監視処理(図11)における特図始動口スイッチ共通処理(A1102、A1107)の詳細について説明する。図12は、本発明の第1実施形態の特図始動口スイッチ共通処理の手順を示すフローチャートである。
特図始動口スイッチ共通処理は、第1始動入賞口37や第2始動入賞口38に遊技球が入賞したことによって始動口1スイッチ37dや始動口2スイッチ38dから信号入力があった場合に共通して実行される処理である。
遊技制御装置500は、まず、始動口1スイッチ37d及び始動口2スイッチ38dのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ37d)から信号が入力されたか否かをチェックする(A1201、A1202)。監視対象の始動口スイッチから信号が入力されていない場合には(A1202の結果が「N」)、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
一方、遊技制御装置500は、監視対象の始動口スイッチから信号が入力された場合には(A1202の結果が「Y」)、当該監視対象の始動口スイッチに対応する始動口入賞フラグをRWMの所定の領域にセーブする(A1203)。さらに、監視対象始動口スイッチに対応するハード乱数ラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロードし、以降の処理で使用するための準備を行う(A1204)。
続いて、遊技制御装置500は、監視対象の始動口スイッチに対応する始動入賞口への入賞の回数に関する情報が、遊技機1の外部の管理装置に対して出力された回数(始動口信号出力回数)を1加算して更新し、始動口信号出力回数がオーバーフローするか否かをチェックする(A1205、A1206)。
そして、遊技制御装置500は、始動口信号出力回数がオーバーフローしない場合には(A1206の結果が「N」)、更新後の始動口信号出力回数の値を、RWMの始動口信号出力回数領域にセーブする(A1207)。
遊技制御装置500は、A1207の処理が終了した後、又は、始動口信号出力回数がオーバーフローする場合には(A1207の結果が「Y」)、監視対象の始動口スイッチに対応する更新対象の特図保留(始動記憶)数が上限値未満か否かをチェックする(A1208、A1209)。そして、特図保留数が上限値未満でない場合には(A1209の結果が「N」)、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
一方、遊技制御装置500は、特図保留数が上限値未満の場合には(A1209の結果が「Y」)、始動口スイッチによって検出された入賞に対応する情報を設定する。具体的には、まず、更新対象の特図保留数(例えば、特図1保留数)に1加算して更新する(A1210)。さらに、MODE部とACTION部によって構成される飾り特図保留数コマンドのうち監視対象の始動口スイッチの飾り特図保留数コマンド(MODE)を準備したのち(A1211)、特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(ACTION)を準備する(A1212)。そして、準備された飾り特図保留数コマンドを設定するためのコマンド設定処理を実行する(A1213)。
続いて、遊技制御装置500は、A1210の処理で更新された特図保留数に対応する乱数セーブ領域のアドレスを算出する(A1214)。大当り乱数をRWMの対象の乱数セーブ領域にセーブする(A1215)。また、監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数を抽出し、対象の乱数セーブ領域にセーブする(A1216)。ここで用いられる大当り乱数や大当り図柄乱数は、特図1及び特図2で共通である。
次に、遊技制御装置500は、対応する変動パターン乱数1を抽出し、抽出した値をRWMの乱数セーブ領域にセーブする(A1217)。同様に、対応する変動パターン乱数2を抽出し、抽出した値をRWMの乱数セーブ領域にセーブする(A1218)。さらに、対応する変動パターン乱数3を抽出し、抽出した値をRWMの乱数セーブ領域にセーブする(A1219)。変動パターン乱数1〜3は、例えば、前半と後半の変動パターンを個別に設定したり、特定の演出を実行したりするために用いられる。
ここで、特図変動表示ゲーム(特図1又は特図2)における変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数(変動パターン1〜3)は、大当り図柄乱数のように乱数生成回路のソフトウェアによって更新されるものとは異なり、遊技制御用プログラムによって更新されるものである。なお、変動パターン乱数の更新は遊技制御用プログラムによって更新することに限らず、乱数生成回路のハードウェア又はソフトウェアで更新するようにしてもよい。
そして、遊技制御装置500は、A1216の処理でRWMにセーブされた監視対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄乱数をロードし、ロードした値を後述する特図保留情報判定処理にて使用するために準備する(A1220)。最後に、特図保留情報判定処理を実行し(A1221)、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。なお、特図保留情報判定処理についての詳細は、図13にて後述する。
〔特図保留情報判定処理〕
次に、前述した特図始動口スイッチ共通処理(図12)における特図保留情報判定処理(A1221)の詳細について説明する。図13は、本発明の第1実施形態の特図保留情報判定処理の手順を示すフローチャートである。
特図保留情報判定処理は、各始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報(遊技結果情報)を判定するための先読み処理(事前判定手段)である。
遊技制御装置500は、まず、特図始動口スイッチ共通処理における監視対象の始動口スイッチが始動口2スイッチ38dであるか否かをチェックする(A1301、A1302)。監視対象が始動口2スイッチ38dでない場合には(A1302の結果が「N」)、普通電動役物(第2始動入賞口38に備えられた可動部材38a)の開放延長機能が作動中、すなわち、普電サポート中であるか否かを判定する(A1303)。
遊技制御装置500は、普電サポート中でない場合には(A1303の結果が「N」)、遊技機1が大当り中(特別遊技状態)であるか否かを判定する(A1304)。そして、遊技機1が大当り中でない場合には(A1304の結果が「N」)、保留中の始動記憶が大当りであるか否かを判定する大当り判定処理を実行する(A1305)。大当り判定処理は、保留中の始動記憶に含まれる大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かを判定することによって、当該始動記憶にかかる変動表示ゲームの結果が大当りであるか否かを判定する。
一方、遊技制御装置500は、普電サポート中の場合(A1303の結果が「Y」)、又は、大当り中の場合には(A1304の結果が「Y」)、特図保留情報判定処理を終了する。すなわち、監視対象の始動口スイッチが始動口1スイッチ37dであって、かつ、普電サポート中又は大当り中の場合には、当該始動記憶に対応した結果関連情報(遊技結果情報)を判定する先読み処理を実行しないように構成される。
また、遊技制御装置500は、監視対象が始動口2スイッチ38dの場合には(A1302の結果が「Y」)、大当り判定処理を実行する(A1305)。すなわち、監視対象の始動口スイッチが始動口2スイッチ38dの場合には、普電サポート中又は大当り中であるか否かにかかわらず、当該始動記憶に対応した先読み処理を実行する。
そして、遊技制御装置500は、A1305の大当り判定処理の判定結果が大当りであるか否かを判定する(A1306)。
遊技制御装置500は、大当り判定処理の判定結果が大当りの場合には(A1306の結果が「Y」)、監視対象の始動口スイッチが始動口1スイッチ37dであるか否かをチェックする(A1307、A1308)。そして、監視対象の始動口スイッチが始動口1スイッチ37dでない場合には(A1308の結果が「N」)、大当り時の識別図柄を特定するためのテーブルとして大当り図柄乱数チェックテーブル2を準備する(A1309)。また、監視対象の始動口スイッチが始動口1スイッチ37dである場合には(A1308の結果が「Y」)、大当り時の識別図柄を特定するためのテーブルとして大当り図柄乱数チェックテーブル1を準備する(A1310)。
第2始動入賞口38で入賞するためには、可動部材38aを開状態とする必要があり、第1始動入賞口37よりも入賞しにくくなっている。そのため、第2始動入賞口38における始動(保留)記憶による大当りが発生した場合には、第1始動入賞口37における大当りの場合よりも遊技者に有利となるように構成されている。例えば、大当り図柄乱数チェックテーブル1よりも大当り図柄乱数チェックテーブル2による判定のほうが特別遊技状態終了後に、遊技者に付与される遊技価値が大きいものとなる可能性が大きくなる。具体的には、当り図柄乱数チェックテーブル2による判定では、一定の遊技価値の獲得が望める15ラウンド大当りの選択確率が、遊技価値の獲得がほとんど望めない2ラウンド大当りの選択確率よりも高く設定される。
続いて、遊技制御装置500は、大当り図柄乱数をチェックして、対応する入賞情報ポインタを取得し(A1311)、大当り情報テーブルのアドレステーブルを設定する(A1312)。さらに、入賞情報ポインタに対応する大当り情報テーブルを取得し、設定する(A1313)。
一方、遊技制御装置500は、大当り判定処理の判定結果が大当りでない場合には(A1306の結果が「N」)、はずれ時のテーブルとしてはずれ情報テーブルを設定し(A1314)、A1315以降の処理を実行する。
次に、遊技制御装置500は、A1313又はA1314の処理で設定した情報テーブルから図柄情報(停止図柄パターン情報)を取得し(A1315)、当該図柄情報をRWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(A1316)。
続いて、遊技制御装置500は、A1313又はA1314の処理で設定した情報テーブルから始動口入賞演出図柄コマンドを取得し(A1317)、当該始動口入賞演出図柄コマンドをRWMの入賞演出図柄コマンド領域にセーブする(A1318)。
次に、遊技制御装置500は、監視対象の始動口スイッチに対応する始動口入賞フラグを準備して(A1319)、始動口入賞演出コマンドを設定する対象のテーブルを準備する(A1320)。
その後、遊技制御装置500は、監視対象の始動口に関して設定された特図情報を設定するための特図情報設定処理を実行する(A1321)。続いて、特図変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理を実行した後(A1322)、特図変動表示ゲームの前半変動パターンを設定する変動パターン設定処理を実行する(A1323)。
後半変動パターン設定処理(A1322)及び変動パターン設定処理(A1323)は、識別情報の変動態様を示す複数の変動パターンから一つの変動パターンを選択する処理であり、特図変動表示ゲームはこれらの処理によって選択された変動パターンに基づいて実行される。
そして、遊技制御装置500は、前半変動番号に対応する変動(始動口入賞演出)コマンド(MODE)を算出して準備し(A1324)、後半変動番号の値を変動コマンド(ACTION)として準備し(A1325)、コマンド設定処理を実行する(A1326)。続いて、入賞演出図柄コマンド領域から始動口入賞演出図柄コマンドをロードして準備し(A1327)、コマンド設定処理を実行する(A1328)。その後、特図保留情報判定処理を終了する。
すなわち、A1324及びA1325の処理で始動口入賞演出コマンドを準備し、さらに、A1327の処理で始動口入賞演出図柄コマンドを準備して、始動記憶に対応する事前判定結果(先読み結果)を、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に演出制御装置550に対して通知することが可能になっている。演出制御装置550は、表示装置48に表示されている保留表示の表示態様を変化させるなどして、その特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に遊技者に特図変動表示ゲームの結果を報知する。
〔特図普段処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理(図10)における特図普段処理(A1009)の詳細について説明する。図14は、本発明の第1実施形態の特図普段処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置500は、まず、特図2保留数(第2始動記憶数)が0であるか否かをチェックする(A1401、A1402)。
遊技制御装置500は、特図2保留数が0の場合には(A1402の結果が「Y」)、第1始動記憶数(特図1保留数)が0であるか否かをチェックする(A1403、A1404)。このように、遊技制御装置500は、特図2保留数のチェック(A1401)を、特図1保留数のチェック(A1403)よりも先に行うことによって、特図1変動表示ゲームよりも遊技者にとって有利な特図2変動表示ゲームを優先して実行する優先実行制御手段を有している。
さらに、遊技制御装置500は、特図1保留数が0の場合には(A1404の結果が「Y」)、既に客待ちデモが開始されているか否かをチェックする(A1405、A1406)。客待ちデモを開始していない、すなわち、開始済みでない場合には(A1406の結果が「N」)、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグを設定する(A1407)。続いて、客待ちデモコマンドを準備し(A1408)、コマンド設定処理を実行する(A1409)。
一方、遊技制御装置500は、既に客待ちデモが開始されている場合には(A1406の結果が「Y」)、既に客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグが設定済みであり、客待ちデモコマンドが演出制御装置550に送信済みであるため、A1410以降の処理を実行する。
次に、遊技制御装置500は、特図普段処理に移行するためのテーブルを準備する特図普段処理移行設定処理1を実行する(A1410)。具体的には、当該テーブルに、特図普段処理に係る処理番号「0」、大入賞口不正監視期間を規定するフラグ(大入賞口不正監視情報)等を設定する処理を実行する。その後、特図普段処理を終了する。
一方、遊技制御装置500は、特図2保留数が0でない場合(A1402の結果が「N」)、すなわち、第2始動入賞口38に遊技球が入賞したことによる特図変動表示ゲームが実行される場合には、特図2変動開始処理を実行する(A1411)。なお、特図2変動開始処理についての詳細は、図15Bにて後述する。
そして、遊技制御装置500は、特図変動中処理に移行するためのテーブル(第2特図用)を準備する特図変動中処理移行設定処理(特図2)を実行する(A1412)。具体的には、当該テーブルに、特図変動中処理に係る特図ゲーム処理番号「1」、客待ちデモの終了に係る情報、第2特図の変動中に係る試験信号、特図2表示器52における特図2変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特図2表示器52の変動中に係るフラグ、特図2表示器52の点滅の周期のタイマの初期値など)等を設定する処理を実行する。その後、特図普段処理を終了する。
また、遊技制御装置500は、特図1保留数が0でない場合(A1404の結果が「N」)、すなわち、第1始動入賞口37に遊技球が入賞したことによる特図変動表示ゲームが実行される場合には、特図1変動開始処理を実行する(A1413)。なお、特図1変動開始処理についての詳細は、図15Aにて後述する。
そして、遊技制御装置500は、特図変動中処理に移行するためのテーブル(第1特図用)を準備する特図変動中処理移行設定処理(特図1)を実行する(A1414)。具体的には、当該テーブルに、特図変動中処理に係る特図ゲーム処理番号「1」、客待ちデモの終了に係る情報、第1特図の変動中に係る試験信号、特図1表示器51における特図1変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特図1表示器51の変動中に係るフラグ、特図1表示器51の点滅の周期のタイマの初期値など)等を設定する。その後、特図普段処理を終了する。
〔特図1変動開始処理〕
次に、前述した特図普段処理(図14)における特図1変動開始処理(A1413)の詳細について説明する。図15Aは、本発明の第1実施形態の特図1変動開始処理の手順を示すフローチャートである。特図1変動開始処理1は、特図1変動表示ゲームの開始時に実行される。
遊技制御装置500は、まず、特図1変動表示ゲームが大当りであるか否かを判定するための大当りフラグ1に、はずれ情報又は大当り情報を設定する大当りフラグ1設定処理を実行する(A1501a)。
さらに、遊技制御装置500は、特図1変動表示ゲームが小当りであるか否かを判定するための小当りフラグ1に、はずれ情報又は小当り情報を設定する小当りフラグ1設定処理を実行する(A1502a)。なお、小当りフラグ1設定処理の詳細については、図16Aにて後述する。
ここで、大当りと小当りとの違いについて説明する。大当りとは条件装置の作動を伴う特別結果であり、小当りとは条件装置の作動を伴わない特別結果である。条件装置とは、特図変動表示ゲームで大当りが発生(大当り図柄の停止表示)した場合に作動するもので、条件装置が作動するとは、例えば大当り状態が発生して特別電動役物としての特別変動入賞装置を連続して作動させるための特定のフラグがセットされることを意味する。条件装置が作動しないとは、例えば小当り抽選に当選した場合のように上述のフラグがセットされないことを意味する。なお、「条件装置」は、上記のようなソフトウェア的にオンオフされるフラグのようなソフトウェア手段であっても良いし、電気的にオンオフされるスイッチのようなハードウェア手段であっても良い。また、「条件装置」は、その作動が電動役物の連続作動に必要条件とされる装置として、パチンコ遊技機の分野においては一般的に使用されている用語であり、本明細書においても同様の意味を有する用語として使用している。
具体的には、大当りの場合は、大当りフラグが設定されることにより特別変動入賞装置42が開放されるのに対して、小当りの場合は、小当りフラグが設定されることにより特別変動入賞装置42が開放される。
続いて、遊技制御装置500は、特図1変動表示ゲームにおける停止図柄(特図1停止図柄)を設定する特図1停止図柄設定処理を実行する(A1503a)。
その後、遊技制御装置500は、第1特図停止図柄番号(特図1停止図柄)に対応する試験信号をセーブする(A1504a)。続いて、図柄情報領域から設定された図柄情報をロードした後(A1505a)、当該図柄情報をRWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(A1506a)。
次に、遊技制御装置500は、特図1変動フラグ(変動中フラグ)をロードして準備し(A1507a)、特図1変動フラグをRWMの特図変動フラグ領域にセーブする(A1508a)。
続いて、遊技制御装置500は、特図後半変動の設定に係るテーブルを準備し(A1509a)、特図情報を設定する特図情報設定処理を実行する(A1510a)。続いて、特図1変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理を実行し(A1511a)、前半変動パターンを設定する変動パターン設定処理を実行する(A1512a)。
その後、遊技制御装置500は、特図1変動表示ゲームを開始するための情報を設定する変動開始情報設定処理を実行し(A1513a)、特図1変動開始処理を終了する。
〔特図2変動開始処理〕
続いて、前述した特図普段処理(図14)における特図2変動開始処理(A1411)の詳細について説明する。図15Bは、本発明の第1実施形態の特図2変動開始処理の手順を示すフローチャートである。特図2変動開始処理1は、特図2変動表示ゲームの開始時に実行される。
遊技制御装置500は、特図2変動開始処理1についても前述した特図1変動開始処理と同様の手順で実行する。
具体的には、A1501b〜A1513bの処理はそれぞれA1501a〜A1513aの処理に対応して、A1501b及びA1502bの処理で大当りフラグ2及び小当りフラグ2が処理対象となり、A1503b及びA1504bの処理で特図2停止図柄が処理対象となり、A1507b及びA1508bの処理で特図2変動フラグが処理対象となる。
〔小当りフラグ1設定処理〕
続いて、前述した特図1変動開始処理(図15A)における小当りフラグ1設定処理(A1502a)の詳細について説明する。図16Aは、本発明の第1実施形態の小当りフラグ1設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置500は、まず、RWMの小当りフラグ1領域にはずれ情報をセーブする(A1601a)。そして、小当り1フラグ設定処理の前に実行されるA1501の大当り1フラグ設定処理の結果、大当りフラグ1が大当りか否かをチェックする(A1602a、A1603a)。
そして、遊技制御装置500は、大当りである場合は(A1603aの結果が「Y」)、小当りフラグ1ははずれ情報を保持した状態で、RWMの特図1用大当り乱数セーブ領域を0クリアして(A1609a)、小当りフラグ1設定処理を終了する。
一方、遊技制御装置500は、大当りでない場合は(A1603aの結果が「N」)、RWMの特図1用大当り乱数セーブ領域から大当り乱数をロードして、準備する(A1604a)。
ここでは、小当り判定に用いる小当り乱数は、大当り判定に用いる大当り乱数を併用する。なお、大当り乱数とは別に小当り乱数を設定してもよい。また、小当りとなる確率は、大当りとなる確率よりも大きく設定され、例えば、大当り確率が1/399に対して、小当り確率は1/100とする。
さらに、遊技制御装置500は、特図1判定データを準備して(A1605a)、小当り乱数値、すなわち、大当り乱数値が小当り判定値と一致するか否かを判定する小当り判定処理を実行する(A1606a)。そして、判定結果が小当りにならない場合は(A1607aの結果が「N」)、RWMの特図1用大当り乱数セーブ領域を0クリアして(A1609a)、小当りフラグ1設定処理を終了する。
一方、遊技制御装置500は、判定結果が小当りになる場合は(A1607aの結果が「Y」)、小当りフラグ1領域のはずれ情報を小当り情報に置き換えてセーブする(A1608a)。続いて、RWMの特図1用大当り乱数セーブ領域を0クリアして(A1609a)、小当りフラグ1設定処理を終了する。
〔小当りフラグ2設定処理〕
続いて、前述した特図2変動開始処理(図15B)における小当りフラグ2設定処理(A1502b)の詳細について説明する。図16Bは、本発明の第1実施形態の小当りフラグ2設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置500は、小当りフラグ2設定処理についても前述した小当りフラグ1設定処理と同様の手順で実行する。
具体的には、A1601b〜A1609bの処理はそれぞれA1601a〜A1609aの処理に対応して、A1601b及びA1608bの処理で小当りフラグ2が処理対象となり、A1602bの処理で大当りフラグ2が処理対象となる。また、A1604b及びA1609bの処理で特図2用の大当り乱数セーブ領域が用いられ、A1605bの処理で特図2判定データが用いられる。
また、小当りフラグ1に対応するA1606aの小当り判定処理と、小当りフラグ2に対応するA1606bの小当り判定処理とでは、小当りとなる確率を変えてもよいし、同じにしてもよい。例えば、特図1変動表示ゲームにおいて小当りとなる確率を1/100と設定して、特図2変動表示ゲームにおいて小当りとなる確率を1/200と設定してもよい。
以下、演出制御装置550による制御について具体的な処理を説明する。
〔1stCPUメイン処理(演出制御装置)〕
図17は、本発明の第1実施形態の演出制御装置550の主制御用マイコン(1stCPU)551によって実行されるメイン処理の手順を示すフローチャートである。メイン処理は、遊技機1に電源が投入されると実行される。なお、演出制御装置550が実行する処理のフローチャートにおいて、ステップの符号(番号)は「B****」と表す。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、メイン処理の実行が開始されると、まず、割込みを禁止する(A1701)。次に作業領域であるRAM551aを0クリアする(A1702)。そしてCPU初期化処理を実行する(A1703)。その後、各種処理の実行に必要な初期値をRAM551aに設定し(A1704)、乱数初期化処理を実行する(A1705)。続いて所定のタイミング(例えば、1ミリ秒)で割込みを発生させるための各種割込みタイマを起動させる(A1706)。そして割込みを許可する(A1707)。割込みの発生タイミングでは後述するコマンド受信割込み処理(図18)が実行される。
ここで、主制御用マイコン(1stCPU)551は、WDT(ウォッチドックタイマ)をクリアする(A1708)。WDTは、上述したCPU初期化処理(A1703)で起動され、CPUが正常に動作しているかどうかを監視する。WDTが一定周期を経過してもクリアされない場合は、WDTがタイムアップしてCPUがリセットされる。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、遊技者による演出ボタン13の操作信号を検出したり、検出した信号に応じた処理を行ったりする演出ボタン入力処理を実行する(A1709)。また、遊技制御装置500から受信した遊技制御コマンドを解析する遊技制御コマンド解析処理を実行する(A1710)。
次に、主制御用マイコン(1stCPU)551は、テストモード処理を実行する(A1711)。テストモード処理は、工場出荷時の検査の際に検査用のコマンドを受信してLEDの点灯等を検査する。したがって、テストモード処理は、工場出荷時にCPUを検査するときに実行される。
続いて、主制御用マイコン(1stCPU)551は、遊技制御コマンド解析処理(A1710)において解析された制御コマンドに基づき、表示装置48に表示させるシーン(表示内容)を制御するシーン制御処理を実行する(A1712)。
さらに、主制御用マイコン(1stCPU)551は、遊技機1における異常の発生を監視する遊技機エラー監視処理を実行する(A1713)。演出制御装置550に関わる異常の他に、遊技制御装置500からエラー報知を指示するコマンドを受信した場合などに、警報音の報知など所定の処理を実行する。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、映像制御用マイコン(2ndCPU)554に送信するコマンドを編集する演出コマンド編集処理を実行する(A1714)。
また、主制御用マイコン(1stCPU)551は、スピーカー8から出力される音を制御するサウンド制御処理を実行する(A1715)。また、LED等の装飾装置(盤装飾装置10d、枠装飾装置5d)を制御する装飾制御処理を実行し(A1716)、さらにモータ及びソレノイドで駆動される電動役物の演出装置(盤演出装置10f、枠演出装置5f)を制御するモータ/SOL制御処理を実行する(A1717)。
最後に、主制御用マイコン(1stCPU)551は、乱数を更新するための乱数更新処理を実行して(A1718)、A1708の処理に戻る。以降、A1708からA1718までの処理を繰り返す。
〔コマンド受信割込み処理(1stCPU)〕
続いて、主制御用マイコン(1stCPU)551によって実行されるコマンド受信割込み処理の詳細について説明する。図18は、本発明の第1実施形態のコマンド受信割込み処理の手順を示すフローチャートである。
コマンド受信割込み処理は、遊技制御装置500からコマンドを受信するごとに実行される処理である。コマンド受信割込み処理は、前述した1stCPUメイン処理において割込みが許可された(B1707)後に実行可能である。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、遊技制御装置500から受信したコマンドポートの値を取り込む(B1801)。そして、CPUの状態がMODEコマンド(コマンドのMODE部)の受信を待っている状態であるか否かをチェックする(B1802)。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、MODEコマンド待ち状態である場合は(B1802の結果が「Y」)、遊技制御装置500から演出制御装置550へ出力するストローブ信号(SSTB)がオン状態であるかをチェックする(B1803)。そして、SSTBがオンである場合は(B1803の結果が「Y」)、受信したコマンドがMODEコマンドであるかをチェックする(B1804)。受信したコマンドがMODEコマンドである場合は(B1804の結果が「Y」)、B1805〜B1808の処理に移行する。一方、SSTBがオンではない場合(B1803の結果が「N」)、又は、受信したコマンドがMODEコマンドでない場合(B1804の結果が「N」)は、B1817及びB1818の処理に移行する。
また、主制御用マイコン(1stCPU)551は、コマンドが、MODEコマンド待ち状態、かつ、SSTBがオンのときに受信され、該コマンドがMODEコマンドである場合は(B1802,B1803,B1804の結果が全て「Y」)、受信ポインタに対応するコマンドバッファのアドレスを算出する(B1805)。そして、算出後のアドレスに受信したコマンドをMODEコマンドとしてセーブする(B1806)。
ここで、主制御用マイコン(1stCPU)551は、タイムアウト監視タイマに初期値を設定してスタートさせる(B1807)。タイムアウト監視タイマは、MODEコマンドを受信してからの経過時間を計測し、設定時間以内にACTIONコマンドを受信しない場合にタイムアウトを発生させる。遊技制御装置500から演出制御装置550に送信されるコマンドは、MODE部(MODEコマンド)及びACTION部(ACTIONコマンド)によって構成されており、通常、連続して送信される。したがって、MODEコマンドを受信してから設定された時間を経過してもACTIONコマンドを受信できなかった場合には、ACTIONコマンドを取りこぼした可能性が高いと判断することができる。そして、CPUの状態をACTIONコマンド(コマンドのACTION部)待ち状態に設定する(B1808)。そして、コマンド受信割込み処理を終了する。
次に、主制御用マイコン(1stCPU)551は、コマンドが、MODEコマンド待ち状態のときに受信され、このときSSTBがONではない、又は、該コマンドがMODEコマンドでない場合は(B1802の結果が「Y」、かつ、B1803の結果が「N」又はB1804の結果が「N」)、タイムアウト監視タイマを停止する(B1817)。そして、CPUの状態をMODEコマンド待ち状態に設定する(B1818)。そして、コマンド受信割込み処理を終了する。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、MODEコマンド待ち状態でない場合は(B1802の結果が「N」)、ACTIONコマンド待ち状態であり、タイムアウト監視タイマがタイムアウトしているか否かをチェックする(B1809)。すなわち、MODEコマンドを受信してからACTIONコマンドを受信するまでの時間が、タイムアウト監視タイマで設定した時間を超えていないかをチェックする。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、タイムアウトしていない場合は(B1809の結果が「N」)、遊技制御装置500から演出制御装置550へ出力するストローブ信号(SSTB)がオン状態であるかをチェックする(B1810)。そして、SSTBがオンである場合は(B1810の結果が「Y」)、受信したコマンドがMODEコマンドであるかをチェックする(B1811)。受信したコマンドがMODEコマンドである場合は(B1811の結果が「Y」)、B1805〜B1808の処理に移行する。CPUの状態がACTIONコマンド待ち状態であってもMODEコマンドを受信した場合は、ACTIONコマンドの受信を待たずに、新しく受信した該MODEコマンドを優先に処理する。一方、受信したコマンドがMODEコマンドでない場合は(B1811の結果が「N」)、B1812〜B1814、B1817及びB1818の処理に移行する。
また、主制御用マイコン(1stCPU)551は、タイムアウトしている場合(B1809の結果が「Y」)、又は、SSTBがオンでない場合(B1810の結果が「N」)は、B1815〜B1818の処理に移行する。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、コマンドがMODEコマンドでない場合は(B1811の結果が「N])、ACTIONコマンドを受信したことになるので、受信ポインタに対応するコマンドバッファのアドレスを算出する(B1812)。そして、算出後のアドレスに受信したコマンドをACTIONコマンドとしてセーブする(B1813)。
これでMODEコマンド及びACTIONコマンドが1セット揃うので、主制御用マイコン(1stCPU)551は、受信済みコマンド数を1加算して更新する(B1814)。その後、タイムアウト監視タイマを停止する(B1817)。そして、CPUの状態をMODEコマンド待ち状態に設定する(B1818)。そして、コマンド受信割込み処理を終了する。
次に、主制御用マイコン(1stCPU)551は、MODEコマンドを受信してからACTIONコマンドを受信する前にタイムアウト監視タイマによってタイムアウトが発生した場合(B1809の結果が「Y」)、又は、SSTBがオンでない場合(B1810の結果が「N」)は、受信ポインタに対応するコマンドバッファのアドレスを算出する(B1815)。そして、算出後のアドレスに基づいて、コマンドバッファにセーブされているMODEコマンドを破棄する(B1816)。
その後、主制御用マイコン(1stCPU)551は、タイムアウト監視タイマを停止する(B1817)。そして、CPUの状態をMODEコマンド待ち状態に設定する(B1818)。そして、コマンド受信割込み処理を終了して、メイン処理に戻る。
〔2ndCPUメイン処理(演出制御装置)〕
次に、演出制御装置550によって実行されるもう一方のメイン処理の詳細を説明する。図19は、本発明の第1実施形態の演出制御装置550の映像制御用マイコン(2ndCPU)554によって実行されるメイン処理の手順を示すフローチャートである。メイン処理は、遊技機1に電源が投入されると実行される。
映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、メイン処理の実行が開始されると、まず、CPU初期化処理を実行する(B1901)。そして、作業領域であるRAM554aを0クリアして(B1902)、各種処理の実行に必要な初期値をRAM554aに設定する(B1903)。そして、画像処理を行うグラフィックプロセッサを初期化するVDP初期化処理を実行する(B1904)。次に、所定の周期でVDP558に描画開始を指示するVブランク割込み処理などの各種割込みを許可する(B1905)。
さらに、映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、各種制御処理の初期化処理を実行する(B1906)。各種制御処理の初期化処理では、後述する通常ゲーム処理(B1911)で実行される各制御処理で使用される変数の初期化などが行われる。例えば、表示装置48に表示される映像の背景を初期化したり、図柄の配列を初期化したりする。そして、表示装置48の画面描画を許可する(B1907)。
その後、映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、システム周期待ちフラグをクリア(初期化)して(B1908)、システム周期待ちフラグが1になるまで待機する(B1909)。システム周期待ちフラグは、Vブランク割込み処理で所定の処理が完了すると1に設定される。
映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、システム周期待ちフラグが1になったら(B1909の結果が「Y」)、映像制御用マイコン(2ndCPU)554が正常に動作しているかを判定するためのWDT(ウォッチドックタイマ)をクリアする(B1910)。WDTがクリアされずに所定の時間経過すると、映像制御用マイコン(2ndCPU)554がリセットされる。そして、表示装置48で飾り特図変動表示ゲームを実行したり、様々な画像を表示したりする通常ゲーム処理を実行し(B1911)、B1908の処理に戻る。以降、B1908からB1911までの処理を繰り返す。
ところで、上述したように遊技領域10aに設けられた始動口(第1始動入賞口37、第2始動入賞口38)に遊技球が入賞することに基づいて、表示装置48に表示される複数の識別情報(図柄、記号など)が変動する変動表示ゲームを実行し、所定時間経過後に停止した複数の識別情報の態様が予め定められた特別結果態様であった場合には、遊技者に多くの賞球を払い出す特別遊技状態(大当り状態)となり、遊技者が多くの利益を獲得可能にする遊技機1では、遊技者の遊技に対する興味を向上させるために変動表示ゲームの態様に様々な興趣を凝らしている。
具体的には、遊技者の大当りに対する期待感を高める演出として、変動表示ゲームの結果態様が特別結果態様となる可能性を当該変動表示ゲームの結果態様が報知される前に予告的に示唆する予告演出が行われる。
ここで、予告演出には、予告対象となる変動表示ゲームの前に実行される変動表示ゲームも含む複数回の変動表示ゲームに亘って実行される連続予告演出も含まれる。また、予告演出は、予告対象となる変動表示ゲームの結果態様が特別結果態様となる場合に選択される確率が高く設定されているとともに、特別結果となる可能性を相対的に強く示唆する強予告演出を表示させる強予告演出パターンと、予告対象となる変動表示ゲームの結果態様が特別結果態様となる場合に選択される確率が強予告演出パターンよりも低く設定されているとともに、特別結果となる可能性を強予告演出より相対的に弱く示唆する弱予告演出を表示させる弱予告演出パターンとを有する。
演出制御装置550の主制御用マイコン551は、遊技制御装置500によって特図保留情報判定処理(図13)で実行された事前判定処理に対応する事前判定コマンド(始動口入賞演出図柄コマンドと始動口入賞演出コマンド)を受信すると、事前判定結果に応じて予告演出態様を設定する。
このような遊技機では、大当りの場合に選択される選択確率が高く、大当りの可能性を相対的に強く示唆する強予告演出と、大当りの場合に選択される選択確率が強予告演出の選択確率よりも低く、大当りの可能性を強予告演出よりも相対的に弱く示唆する弱予告演出と、を保持し、強予告演出が選択された場合に所定の基準に基づいて弱予告演出に変更することで、大当りか否かを遊技者に容易に見破られないような予告演出の設定が行われている(例えば、特開2009−028280号公報)。
しかしながら、前述の特許公報に記載されている遊技機では、大当りの場合に強予告演出の連続表示を抑制するために所定の基準に基づいて強予告演出を弱予告演出に変更するため、強予告演出と弱予告演出の本来の役割が薄れるとともに予告パターンが多様化して遊技者を混乱させていた。
そこで、本発明の第1実施形態では、上記した問題点に鑑み、強予告演出と弱予告演出の本来の役割を保ちつつ、遊技者を混乱させない予告パターンを表示可能な遊技機を開示する。
〔特図2のコマンド受信処理〕
図20は、本発明の第1実施形態の特図2のコマンド受信処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置550の主制御用マイコン(1stCPU)551は、まず、第2始動入賞口38に遊技球が入賞した場合に遊技制御装置500から演出制御装置550に送信される特図2のコマンドを受信したか否かを判定する(B2001)。そして、受信したコマンドが特図2のコマンドでない場合は(B2001の結果が「N」)、特図2のコマンド受信処理を終了する。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、受信したコマンドが特図2のコマンドである場合は(B2001の結果が「Y」)、特図1の始動記憶に対応する変動表示ゲームでは強予告演出が連続して表示される強連続予告中であるか否かを判定する(B2002)。そして、強連続予告中でない場合は(B2002の結果が「N」)、弱予告演出が連続して表示される弱連続予告中であるか否かを判定する(B2003)。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、弱連続予告中でない場合は(B2003の結果が「N」)、表示中の予告を変更することなく、特図2のコマンド受信処理を終了する。
また、主制御用マイコン(1stCPU)551は、弱連続予告中である場合は(B2003の結果が「Y」)、弱連続予告を終了して(B2004)、特図2のコマンド受信処理を終了する。ここでは、特図2変動表示ゲームが優先的に割り込み実行されることになるが、特図2変動表示ゲームが終了しても、割り込み実行前に表示させていた特図1の弱連続予告に戻らない。
また、主制御用マイコン(1stCPU)551は、強連続予告中である場合は(B2002の結果が「Y」)、割り込み実行される特図2変動表示ゲームにおいても強連続予告を表示させるように設定して(B2005)、特図2のコマンド受信処理を終了する。
〔画面遷移例〕
続いて、図21を参照して、特図2の割り込みが発生した場合の表示装置48における画面遷移例について説明する。図21は、本発明の第1実施形態の表示装置48における特図2の割り込み発生時の画面遷移例を示す図である。
図21(A)は、特図1の弱連続予告表示中に特図2の割り込みが発生した場合の画面遷移例を示す。ここで、弱連続予告は、変動表示ゲームの停止図柄が規則的であり、3つの識別情報が全て偶数、又は、全て奇数で揃って停止することを示す。
表示装置48では、特図1変動表示ゲームが連続して実行され、弱連続予告中の予告態様として特図1変動表示ゲームの停止図柄が偶数「246」で揃うように表示される。また、表示装置48の第1始動記憶表示領域には、特図1始動記憶表示が3個表示されている。このとき、特図2始動記憶はなく、表示装置48の第2始動記憶表示領域に特図2始動記憶表示はない。
次に、特図1始動記憶が1つ消化されて特図1変動表示ゲームが実行されると、表示装置48の第1始動記憶表示領域に表示される特図1始動記憶表示は3個から2個に変更される。また、弱連続予告中の予告態様として特図1変動表示ゲームの停止図柄が奇数「357」で揃うように表示される。
ここで、第2始動入賞口38への遊技球の入賞が検出されると、表示装置48の第2始動記憶表示領域に特図2始動記憶表示が1つ表示される。そして、本実施形態では、特図2変動表示ゲームが特図1変動表示ゲームよりも優先的に実行されるので、この特図2始動記憶に対応する特図2変動表示ゲームが実行される。このため、第2始動記憶表示領域の特図2始動記憶表示が非表示になり、第1始動記憶表示領域の特図2始動記憶表示は2個で変わらない。
このとき、特図1変動表示ゲームの実行中に表示装置48において表示されていた弱連続予告は終了され、特図2変動表示ゲームでは、それまでの弱連続予告の予告態様とは異なる態様(例えば、偶数と奇数が混じった「813」)で停止図柄が表示される。
図21(B)は、特図1の強連続予告表示中に特図2の割り込みが発生した場合の画面遷移例を示す。ここで、強連続予告は、表示装置48の画面中央に表示される特定の演出態様(ミラクルゾーン)を示す。
表示装置48では、特図1変動表示ゲームが連続して実行され、強連続予告中の予告態様として画面中央に「ミラクルゾーン」のメッセージが表示される。予告がない場合に画面中央に表示される3つの識別情報(図柄)は、画面右上に表示される。また、表示装置48の第1始動記憶表示領域には、特図1始動記憶表示が3個表示されている。このとき、特図2始動記憶はなく、表示装置48の第2始動記憶表示領域に特図2始動記憶表示はない。
次に、特図1始動記憶が1つ消化されて特図1変動表示ゲームが実行されると、表示装置48の第1始動記憶表示領域に表示される特図1始動記憶表示は3個から2個に変更される。また、強連続予告中の予告態様として画面中央に「ミラクルゾーン」のメッセージが継続表示され、画面右上に3つの識別情報が変動表示される。
ここで、第2始動入賞口38への遊技球の入賞が検出されると、表示装置48の第2始動記憶表示領域に特図2始動記憶表示が1つ表示される。そして、本実施形態では、特図2変動表示ゲームが特図1変動表示ゲームよりも優先的に実行されるので、特図2始動記憶が消化されて特図2変動表示ゲームが実行される。このため、第2始動記憶表示領域の特図2始動記憶表示が0個(非表示)になり、第1始動記憶表示領域の特図1始動記憶表示は2個で変わらない。
このとき、特図1変動表示ゲームの実行中に表示装置48において表示されていた強連続予告は継続して実行され、特図2変動表示ゲームにおいても表示装置48の画面中央に「ミラクルゾーン」のメッセージが表示される。そして、特図2変動表示ゲームの3つの識別情報は画面右上に表示される。
〔タイミングチャート〕
続いて、図22を参照して、特図2の割り込み発生と連続予告実行のタイミングについて説明する。図22は、本発明の第1実施形態の特図2の割り込み発生時の特図変動表示ゲームと特図1の連続予告の実行タイミングを示すタイミングチャートである。
図22(A)は、特図1の弱連続予告表示中に特図2の割り込みが発生した場合のタイミングチャートである。特図1変動表示ゲームが連続して実行されるとともに弱連続予告が表示されている間に特図2の割り込みが発生した場合は、特図2変動表示ゲームが優先実行される際に弱連続予告は終了される。そして、特図2変動表示ゲームが終了して特図1変動表示ゲームに戻っても弱連続予告は再開されない。
図22(B)は、特図1の強連続予告表示中に特図2の割り込みが発生した場合のタイミングチャートである。特図1変動表示ゲームが連続して実行されるとともに強連続予告が表示されている間に特図2の割り込みが発生した場合は、特図2変動表示ゲームが優先実行される際に強連続予告は継続される。そして、強連続予告は、特図2変動表示ゲーム終了後、予告対象の特図1変動表示ゲームが終了するまで表示される。
〔始動記憶表示領域における保留表示〕
なお、前述の特図2のコマンド受信処理(図20)の処理対象となる特図1の弱連続予告及び強連続予告に、表示装置48の第1始動記憶表示領域に表示される特図1始動記憶表示(特図1保留表示)における予告は含まれない。
図23は、本発明の第1実施形態の表示装置48における特図2の割り込み時の特図1保留表示例を示す図である。図23(A)は、弱連続予告中の特図2の割り込みにおける画面遷移例であり、図23(B)は、強連続予告中の特図2の割り込みにおける画面遷移例である。
図23(A)及び図23(B)に示すように、3個のうち最新(右端)の特図1保留表示において、大当りとなる可能性の高低(強弱)を予告する(例えば、保留表示の色・模様等の表示態様を異ならせる)場合について説明する。具体的には、保留表示の予告では、弱予告演出パターンの場合は保留玉の柄がストライプであり、強予告演出パターンの場合は保留玉の柄がドットである。
予告表示される特図1保留表示は、特図1変動表示ゲームの進行に伴い第1始動記憶表示領域内の表示位置が変化するが、このとき保留玉の柄(予告表示)はそのまま継続される。すなわち、特図1保留表示の予告表示は、複数回の変動表示ゲームに亘って表示される連続予告のひとつと考えられる。
そこで、本実施形態では、特図1保留表示の予告表示は、前述の特図2のコマンド受信処理(図20)の処理対象となる特図1の弱連続予告及び強連続予告に含まない。これにより、特図2の割り込み発生によって特図1保留表示の予告表示が変更されることがない。
このように、本発明の第1実施形態によれば、特図1変動表示ゲームにおいて連続予告中に優先消化される特図2の割り込みが発生した場合、弱連続予告は終了させる一方、強連続予告は特図2変動表示ゲームでも継続させる。これにより、期待度が高い予告を継続させるので、特図2と特図1とで演出が複雑に入り混じることがない。よって、遊技者を混乱させない連続予告演出を提供することができる。
(第1実施形態の変形例1)
次に、図24〜図26を参照して、本発明の第1実施形態の変形例1について説明する。第1実施形態では、特図1変動表示ゲームにおいて弱連続予告中に特図2の割り込みが発生した場合は弱連続予告を終了していた。これに対し、第1実施形態の変形例1では、特図1変動表示ゲームにおいて弱連続予告中に特図2の割り込みが発生した場合は弱連続予告を中断し、特図2変動表示ゲーム終了後の特図1変動表示ゲームで続きを再開する。
〔特図2のコマンド受信処理〕
図24は、本発明の第1実施形態の変形例1の特図2のコマンド受信処理の手順を示すフローチャートである。
変形例1の特図2のコマンド受信処理におけるB2401〜B2403及びB2405の処理は、前述の第1実施形態の特図2のコマンド受信処理におけるB2001〜B2003及びB2005の処理と同じである。
演出制御装置550の主制御用マイコン(1stCPU)551は、弱連続予告中である場合は(B2403の結果が「Y」)、弱連続予告を中断して(B2404)、特図2のコマンド受信処理を終了する。変形例1では、弱連続予告を特図2変動表示ゲーム中は一時停止させ、特図1変動表示ゲームに戻ると再開させる。
〔画面遷移例〕
続いて、図25は、本発明の第1実施形態の変形例1の表示装置48における特図2の割り込み発生時の画面遷移例を示す図である。
変形例1では、前述の第1実施形態において特図1の弱連続予告表示中に特図2の割り込みが発生した場合の画面遷移例を示す図として挙げた図21(A)と同様の画面遷移を辿り、特図2変動表示ゲームが終了して再開された特図1変動表示ゲームで弱連続予告表示が復活する。
したがって、特図2変動表示ゲーム終了後の特図1変動表示ゲームでは、表示装置48の第1始動記憶表示領域の特図1始動記憶表示が1個消化されて残り1個が表示され、弱連続予告表示の予告態様として停止図柄が偶数「246」で揃うように表示される。
〔タイミングチャート〕
続いて、図26を参照して、特図2の割り込み発生と連続予告実行のタイミングについて説明する。図26は、本発明の第1実施形態の変形例1の特図2の割り込み発生時の特図変動表示ゲームと特図1の連続予告の実行タイミングを示すタイミングチャートである。
図26(A)は、特図1の弱連続予告表示中に特図2の割り込みが発生した場合のタイミングチャートである。特図1変動表示ゲームが連続して実行されるとともに弱連続予告が表示されている間に特図2の割り込みが発生した場合は、特図2変動表示ゲームが優先実行される際に弱連続予告は一旦停止される。そして、特図2変動表示ゲームが終了して特図1変動表示ゲームが再開したら弱連続予告が再開される。
図26(B)は、特図1の強連続予告表示中に特図2の割り込みが発生した場合のタイミングチャートであり、前述の第1実施形態(図22(B))と同じである。特図1変動表示ゲームが連続して実行されるとともに強連続予告が表示されている間に特図2の割り込みが発生した場合は、特図2変動表示ゲームが優先実行される際に強連続予告は継続される。そして、強連続予告は、特図2変動表示ゲーム終了後、予告対象の特図1変動表示ゲームが終了するまで表示される。
本発明の第1実施形態の変形例1によれば、特図1変動表示ゲームにおいて弱連続予告中に特図2の割り込みが発生した場合は、割り込んだ特図2変動表示ゲームの実行中のみ弱連続予告を中断(一時停止)する。これにより、遊技者は容易に特図2の割り込み発生を認識することができる。また、弱連続予告であっても特図1変動表示ゲームにおいて継続表示することで、遊技者は当該弱連続予告の発生契機の特図1変動表示ゲームまでは期待をもって遊技に興じることができる。また、特図2の割込みにより特図1の弱連続予告が消滅してしまうことによる興趣の低下を防止することができ、本来の弱予告演出の機能を果たすので、遊技者を混乱させない連続予告演出を提供することができる。
(第1実施形態の変形例2)
次に、図27〜図29を参照して、本発明の第1実施形態の変形例2について説明する。第1実施形態の変形例1では、特図1変動表示ゲームにおいて弱連続予告中に特図2の割り込みが発生した場合は弱連続予告を中断していた。これに対し、第1実施形態の変形例2では、特図1変動表示ゲームにおいて弱連続予告中に特図2の割り込みが発生した場合は、割り込んだ特図2もしくは弱連続予告対象の特図1が当りとなるときに弱連続予告を継続する。
〔予告出現確率テーブル〕
図27は、本発明の第1実施形態の変形例2の予告表示の出現確率を示すテーブルである。予告出現確率テーブルは、演出制御装置550のPROM553に格納されている。演出制御装置550の主制御用マイコン(1stCPU)551は、始動記憶の結果(大当り、小当り、はずれ)に基づいて予告出現確率テーブルに設定された確率で予告の種類(強予告、弱予告、予告なし)を決定する。
具体的に、予告出現確率テーブルは、特図変動表示ゲームの結果が大当りの場合は、強予告が表示される確率が50%、弱予告が表示される確率が20%に設定されており、特図変動表示ゲームの結果が小当りの場合は、強予告が表示される確率が20%、弱予告が表示される確率が50%に設定されている。また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、強予告又は弱予告が表示される確率はそれぞれ0.2%に設定されている。
このように、予告出現確率テーブルは、大当りの場合に強予告が出現しやすく、小当りの場合に弱予告が出現しやすいように設定されている。なお、大当り及び小当りとなる確率は、300分の1である。予告出現確率テーブルは、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームとで分けてもよいし、共通でもよい。
〔特図2のコマンド受信処理〕
図28は、本発明の第1実施形態の変形例2の特図2のコマンド受信処理の手順を示すフローチャートである。
変形例2の特図2のコマンド受信処理におけるB2801〜B2803及びB2807の処理は、前述の第1実施形態の変形例1の特図2のコマンド受信処理におけるB2401〜B2403及びB2405の処理と同じである。
演出制御装置550の主制御用マイコン(1stCPU)551は、弱連続予告中である場合は(B2803の結果が「Y」)、割り込み発生した特図2が当りとなる、又は、弱連続予告の対象となる特図1が当りとなるか否かを判定する(B2804)。そして、特図2が当りにならず、弱連続予告対象の特図1も当りにならない場合は(B2804の結果が「N」)、変形例1と同様に弱連続予告を中断して(B2805)、特図2のコマンド受信処理を終了する。なお、第1実施形態と同様に弱連続予告を終了させてもよい。
一方、演出制御装置550の主制御用マイコン(1stCPU)551は、割り込んだ特図2又は弱連続予告対象の特図1が当りになる場合は(B2804の結果が「Y」)、強連続予告中と同様に割り込み実行される特図2変動表示ゲームにおいても弱連続予告を表示させるように設定して(B2806)、特図2のコマンド受信処理を終了する。
〔タイミングチャート〕
続いて、図29を参照して、特図2の割り込み発生と連続予告実行のタイミングについて説明する。図29は、本発明の第1実施形態の変形例2の特図2の割り込み発生時の特図変動表示ゲームと特図1の連続予告の実行タイミングを示すタイミングチャートである。
図29(A)は、特図1の弱連続予告表示中に当りとなる特図2の割り込みが発生した場合のタイミングチャートである。特図1変動表示ゲームが連続して実行されるとともに弱連続予告が表示されている間に当りとなる特図2の割り込みが発生した場合は、特図2変動表示ゲームの実行中も弱連続予告が継続される。そして、特図2変動表示ゲームの結果が当りとなって変動を終了すると、大当り遊技が開始される。なお、弱連続予告は、当りとなる特図2変動表示ゲームが終了するタイミングで終了される。
図29(B)は、当りとなる特図1に対応する弱連続予告表示中にはずれとなる特図2の割り込みが発生した場合のタイミングチャートである。特図1変動表示ゲームが連続して実行されるとともに弱連続予告が表示されている間にはずれとなる特図2の割り込みが発生した場合は、特図2変動表示ゲームの実行中も弱連続予告が継続される。そして、特図2変動表示ゲーム終了後の予告対象の特図1変動表示ゲームの結果が当りとなって変動を終了すると、大当り遊技が開始される。なお、弱連続予告は、当りとなる予告対象の特図1変動表示ゲームが終了するタイミングで終了される。
このように、本発明の第1実施形態の変形例2によれば、特図1変動表示ゲームにおいて弱連続予告中に特図2の割り込みが発生した場合は、割り込んだ特図2もしくは弱連続予告対象の特図1が当りとなるときに弱連続予告を継続する。これにより、今後実行される特図変動表示ゲームの結果が当りとなるにも関わらず弱連続予告が途切れてしまい、一連の予告演出に臨場感や興趣の高まりが欠けるという問題を解決することができる。遊技者は、特図2の割込みが発生したときに弱連続予告が継続される場合は今後の特図変動表示ゲームに当りが期待できるので、遊技への関心が高まる。また、予告演出としての機能を十分に果たし、遊技者を混乱させない連続予告演出を提供することができる。
また、大当りの場合に強予告が出現しやすく、小当りの場合に弱予告が出現しやすいように設定されている。前述の特許公報に記載されている遊技機では、当りに対して弱予告の期待が過小であるため弱予告に遊技者が落胆してしまう問題があったが、本発明の第1実施形態の変形例2によれば弱予告の場合も当りとなる期待が保たれ、遊技者の落胆を招かない。
(第1実施形態の変形例3)
次に、図30及び図31を参照して、本発明の第1実施形態の変形例3について説明する。第1実施形態の変形例1では、特図1変動表示ゲームにおいて強連続予告中に特図2の割り込みが発生した場合は強連続予告を継続し、表示装置48の画面右上に表示していた特図1変動表示ゲームの識別情報を特図2変動表示ゲームの識別情報に切り替えて表示していた。これに対し、第1実施形態の変形例3では、特図1変動表示ゲームにおいて強連続予告中に特図2の割り込みが発生した場合は、表示装置48の画面右上に表示していた特図1変動表示ゲームの識別情報(特図1装飾図柄)をサブ表示装置49に待避表示して、表示装置48の画面右上に特図2変動表示ゲームの識別情報を表示する。
〔特図2のコマンド受信処理〕
図30は、本発明の第1実施形態の変形例3の特図2のコマンド受信処理の手順を示すフローチャートである。
変形例3の特図2のコマンド受信処理におけるB3001〜B3004の処理は、前述の第1実施形態の変形例1の特図2のコマンド受信処理におけるB2401〜B2404の処理と同じである。
演出制御装置550の主制御用マイコン(1stCPU)551は、強連続予告中である場合は(B3002の結果が「Y」)、割り込み実行される特図2変動表示ゲームにおいて、特図1変動表示ゲームの識別情報(特図1装飾図柄)をサブ表示装置49に待避させるように設定して(B3005)、特図2のコマンド受信処理を終了する。なお、強連続予告は、特図2変動表示ゲームにおいても継続して表示される。
〔画面遷移〕
図31は、本発明の第1実施形態の変形例4の表示装置48における特図1の強連続予告表示中に特図2の割り込みが発生した場合の画面遷移例を示す図である。ここで、強連続予告は、表示装置48の画面中央に表示される動画を示す。
表示装置48では、特図1変動表示ゲームが実行され、強連続予告中の予告態様として画面中央に動画が表示される。予告がない場合に画面中央に表示される3つの識別情報(特図1装飾図柄)は、画面右上に表示される。また、表示装置48の第1始動記憶表示領域には、特図1始動記憶表示が1個表示されている。このとき、特図2始動記憶はなく、表示装置48の第2始動記憶表示領域に特図2始動記憶表示はない。
特図1変動表示ゲーム中に第2始動入賞口38への遊技球の入賞が検出されると、表示装置48の第2始動記憶表示領域に特図2始動記憶表示が1個表示される。そして、本実施形態では、特図2変動表示ゲームが特図1変動表示ゲームよりも優先的に実行されるので、特図2始動記憶が消化されて特図2変動表示ゲームが実行される。このため、第2始動記憶表示領域の特図2始動記憶表示が0個(非表示)になり、第1始動記憶表示領域の特図1始動記憶表示は1個で変わらない。
このとき、表示装置48の画面右上に表示されていた特図1装飾図柄は、表示装置48の上方に設けられるサブ表示装置49に待避して表示される。ここで、サブ表示装置49に表示される特図1装飾図柄は、直前の特図1変動表示ゲームの停止態様の「369」である。そして、表示装置48の画面中央では、特図2変動表示ゲームが実行されても強連続予告の動画が継続して表示され、表示装置48の画面右上では、特図2変動表示ゲームの3つの識別情報(特図2装飾図柄)が表示される。
次に、特図2変動表示ゲームが終了すると、特図1始動記憶が1つ消化されて特図1変動表示ゲームが実行される。表示装置48の第1始動記憶表示領域の特図1始動記憶表示は0個(非表示)になる。
このとき、サブ表示装置49は非表示になり、特図2変動表示ゲーム中にサブ表示装置49に待避表示されていた特図1装飾図柄は、表示装置48の画面右上に復帰表示される。表示装置48の画面中央では、引き続き強連続予告の動画が表示される。
このように、本発明の第1実施形態の変形例3によれば、特図1変動表示ゲームにおいて強連続予告中に特図2の割り込みが発生した場合は、それまで非表示であったサブ表示装置49に特図1装飾図柄が待避表示される。これにより、特図2変動表示ゲームが割り込み実行されていることを遊技者に容易に認識させることができる。
なお、サブ表示装置49に割り込み実行される特図2装飾図柄が表示されてもよい。特図2の割り込みが発生して特図2変動表示ゲームが実行されるとサブ表示装置49に特図2装飾図柄が表示されるので、前述と同様に遊技者は容易に特図2の割り込み発生を認識することができる。
(第1実施形態の変形例4)
次に、図32及び図33を参照して、本発明の第1実施形態の変形例4について説明する。第1実施形態の変形例1では、特図1変動表示ゲームにおいて強連続予告中に特図2の割り込みが発生した場合は強連続予告を継続していた。これに対し、第1実施形態の変形例4では、強連続予告に動画を含み、特図1変動表示ゲームにおいて強連続予告中に特図2の割り込みが発生した場合は、特図2変動表示ゲーム中は静止画を表示する。
〔特図2のコマンド受信処理〕
図32は、本発明の第1実施形態の変形例4の特図2のコマンド受信処理の手順を示すフローチャートである。
変形例4の特図2のコマンド受信処理におけるB3201〜B3204の処理は、前述の第1実施形態の変形例1の特図2のコマンド受信処理におけるB2401〜B2404の処理と同じである。
演出制御装置550の主制御用マイコン(1stCPU)551は、強連続予告中である場合は(B3202の結果が「Y」)、割り込み実行される特図2変動表示ゲームにおいて強連続予告の静止画を表示させるように設定して(B3205)、特図2のコマンド受信処理を終了する。ここで、静止画は、強連続予告の動画を特図2変動表示ゲームが開始されるタイミングで停止させたときの停止画である。なお、強連続予告の動画の停止は、特図2変動表示ゲーム実行中に限り、特図1変動表示ゲームに戻るタイミングで停止が解除されて静止画から動画に切り替えられる。
〔画面遷移〕
図33は、本発明の第1実施形態の変形例4の表示装置48における特図1の強連続予告表示中に特図2の割り込みが発生した場合の画面遷移例を示す図である。ここで、強連続予告は、表示装置48の画面中央に表示される動画を示す。
表示装置48では、特図1変動表示ゲームが実行され、強連続予告中の予告態様として画面中央に動画が表示される。予告がない場合に画面中央に表示される3つの識別情報(図柄)は、画面右上に表示される。また、表示装置48の第1始動記憶表示領域には、特図1始動記憶表示が1個表示されている。このとき、特図2始動記憶はなく、表示装置48の第2始動記憶表示領域に特図2始動記憶表示はない。
特図1変動表示ゲーム中に第2始動入賞口38への遊技球の入賞が検出されると、表示装置48の第2始動記憶表示領域に特図2始動記憶表示が1個表示される。そして、本実施形態では、特図2変動表示ゲームが特図1変動表示ゲームよりも優先的に実行されるので、特図2始動記憶が消化されて特図2変動表示ゲームが実行される。このため、第2始動記憶表示領域の特図2始動記憶表示が0個(非表示)になり、第1始動記憶表示領域の特図1始動記憶表示は1個で変わらない。
このとき、表示装置48の画面中央では、特図2変動表示ゲームが実行される間、静止画が表示される。静止画は、直前の特図1変動表示ゲームが終了したときの状態画(動画の一時停止画)である。また、動画の一時停止画ではなく、動画に関連した内容の所定の静止画が表示されてもよい。そして、特図2変動表示ゲームの3つの識別情報は画面右上に表示される。
次に、特図2変動表示ゲームが終了すると、特図1始動記憶が1つ消化されて特図1変動表示ゲームが実行される。表示装置48の第1始動記憶表示領域の特図1始動記憶表示は0個(非表示)になる。
このとき、表示装置48の画面中央では、直前の特図1変動表示ゲームが終了したときの状態からの続きの動画が表示される。そして、特図1変動表示ゲームの3つの識別情報は画面右上に表示される。
(第1実施形態の変形例4の効果)
このように、本発明の第1実施形態の変形例4によれば、特図1変動表示ゲームにおいて強連続予告として動画が表示されている場合に割り込み実行される特図2変動表示ゲームでは静止画が表示される。これにより、強連続予告の対象となる特図1変動表示ゲームまでの動画表示時間が特図2の割り込みによって変更されることがないので、強連続予告として準備する動画データに特図2の割り込みによる動画表示時間を延長したパターンを含める必要がない。よって、強連続予告の動画データ量を最小限に抑えることができる。また、表示装置48の画面中央の動画表示が静止画表示に切り替わることで特図2変動表示ゲームが割り込み実行されていることを遊技者に容易に認識させることができる。
(第2実施形態)
ところで、従来から、遊技情報を外部に出力する情報出力手段を有する遊技機(例えば、パチンコ機)が提案されている。このような遊技機では、遊技機での遊技に関連して発生する遊技情報として遊技媒体の賞球数や打ち込み数等を外部の管理装置に出力し、管理装置が各遊技機の遊技情報を収集することで、各遊技機の稼働状況を遊技店が把握可能にしている。特に、遊技店は特別遊技状態の発生により大きく変化する賞球数情報等、特別遊技状態に係る遊技情報を正確に把握する必要があり、遊技機は特別遊技状態の発生毎に特別遊技状態信号(大当り信号)を外部に出力したり、10個の賞球毎に1パルスの信号を外部に出力したりしている(例えば、特許第2920542号)。
しかしながら、前述の特許公報に記載されている遊技機では、特別遊技状態において規定外の大量の賞球を払い出させる不正行為を検出することができない。
そこで、本発明の第2実施形態では、上記した問題点に鑑み、特別遊技状態等における賞球払出の不正行為を検出可能な遊技機を開示する。
第2実施形態では、遊技制御装置500は、規定外の遊技情報となる場合に規定外信号を外部に出力する規定外信号出力手段を備える。以下、図34〜図62を参照して、第2実施形態の遊技機1について説明する。
〔システム構成図〕
図34は、本発明の第2実施形態の遊技管理システムのシステム構成図の一例である。遊技管理システムは、遊技用管理装置400と、遊技機1と、隣接表示装置61を備える台サンド60と、呼出しランプ70とからなる。
遊技用管理装置400は、ホールコンピュータと呼ばれるコンピュータであり、通常ワークステーションクラスのスペックを有するコンピュータが使用される。遊技用管理装置400は、数十台から数百台の遊技機1を集中管理する性能を有しており、遊技用管理装置400と遊技機1及び呼出しランプ70とは台サンド60を介してコンピュータネットワークにより接続される。隣接表示装置61は、台サンド60に設けられる表示装置であって、遊技機1に備えられる表示装置48と同様に液晶ディスプレイ、EL、CRT等によって構成される。なお、隣接表示装置61は、台サンド60ではなく遊技機1の上部の島設備側に設けられてもよい。
ここで、台サンド60の隣接表示装置61と遊技用管理装置400との通信は双方向である。隣接表示装置61(台サンド60)からは売上信号が送信され、遊技用管理装置400からは隣接表示装置61に表示する内容に関するコマンドデータが送信される。
また、遊技機1と遊技用管理装置400との間の通信は一方向のみである。すなわち、遊技機1から外部に出力する遊技情報(外部出力情報)が台サンド60を介して遊技用管理装置400に送信される。そして、遊技用管理装置400は、遊技情報を収集し、加工し、演算処理を行うが、遊技用管理装置400から遊技機1に何らかのデータが送られることはない。
また、呼出しランプ70は、遊技機1毎に配設される。呼出しランプ70は、遊技者によって呼出ボタン(図示省略)が操作された場合や遊技機1や台サンド60に異常が発生した場合等にランプを点灯又は点滅し、遊技場の店員に遊技者による呼び出しや異常が発生したことを報知する。
なお、遊技機1、台サンド60及び呼出しランプ70からなる遊技装置と遊技用管理装置400との間に中継装置を設けてもよい。通常は、島毎に一つの中継装置が設けられる。
〔遊技用管理装置〕
図35は、本発明の第2実施形態の遊技用管理装置400の構成を示すブロック図である。
遊技用管理装置400は、CPU401、CPU401の動作時にワークエリアとして使用されるメモリであるRAM402、プログラム等を予め格納したROM403、入力部404、各種データを記憶するサブメモリであるHD405、ディスプレイ406、入力装置407、出力部408を有している。
RAM402は、各種データ(例えば、遊技機1の特図変動表示ゲームの実行回数、始動入賞数又はアウト数等)を一時的に記憶する記憶領域及びCPU401の動作に必要なデータが一時的に記憶される作業領域を備える。また、ROM403にプログラムを記憶する代わりに、HD405にプログラムを保存し、RAM402にプログラムをコピーし、RAM402でプログラムを動作させることも可能である。これらのCPU401、RAM402、ROM403及びHD405は入力部404及び出力部408に接続されるバス(図示省略)によって接続されている。
入力部404は、遊技機1からの外部出力情報を受け付けて、遊技用管理装置400が各種処理を実行できるように取り込む回路である。入力装置407は、遊技用管理装置400を操作する遊技場の店員が操作に用いるキーボード等の入力操作装置である。ディスプレイ406は、遊技用管理装置400の処理内容を表示する表示装置である。出力部408は、台サンド60の隣接表示装置61に向けて表示コマンドを送信するための信号を扱う回路である。
各遊技機1から外部出力情報として収集される遊技情報は、入力部404により処理されて、RAM402により記憶され、CPU401により加工処理や演算処理等が行われてRAM402上にテーブル(図40参照)が作成されて格納される。このテーブルは、HD405にも格納される。
一方、CPU401は、前述のテーブルに格納された遊技情報に基づいて、各遊技機1に対応する隣接表示装置61に表示するべき内容を編集し、表示コマンドを生成して、出力部408を介して隣接表示装置61に向けて出力する。
なお、遊技機1から遊技用管理装置400への外部出力情報の送信は、台サンド60を介さず直接行われてもよい。また、払出制御装置580の情報は一旦遊技制御装置500に収集されてから遊技用管理装置400に送信されているが、払出制御装置580から直接遊技用管理装置400に送信されてもよい。
〔外部出力情報の種類〕
図36は、本発明の第2実施形態の遊技制御装置500から外部に出力される各種信号(外部出力情報)を示す図である。
遊技制御装置500は、外部情報端子508を介して、遊技用管理装置400に外部出力情報を出力する。外部出力情報には、規定外信号、大入賞口開放中信号、大当り中信号、小当り中信号、電サポ中信号、発射位置指定信号、第1始動口信号、第2始動口信号、図柄確定信号、遊技機固有情報、セキュリティ信号、投入時状態信号、払出条件成立信号、払出検出信号及び遊技機エラー状態信号が含まれている。なお、外部出力情報は上述の信号に限られず、例えば外部装置において遊技機1の遊技状態を管理するために用いられる信号であればよい。
規定外信号は、規定外の遊技情報となる場合に外部出力される信号である。第2実施形態では、規定の賞球払出数を超えた場合にオン状態となり外部に出力される。規定外信号は、遊技制御装置500によって実行される異常報知設定処理において出力設定される。異常報知設定処理についての詳細は、図38にて後述する。
大入賞口開放中信号は、特別変動入賞装置42の作動状態に応じて信号状態(オン/オフ)が変化し、特別変動入賞装置42が作動して大入賞口が開放状態であるときにオン状態となる。大当り中信号は、遊技機1の遊技状態が大当り遊技状態(特別遊技状態)である場合にオン状態となる信号である。小当り中信号は、遊技機1の遊技状態が小当り遊技状態である場合にオン状態となる信号である。
ここで、大当り中信号には、大当り中1〜3信号が設けられてもよい。例えば、大当り中1信号は、全ての大当り(第2実施形態では突確、4R、実質4R、16R)動作中に出力される。大当り中2信号は、16R大当りの動作中に出力される。また、大当り中3信号は、突確を除く4R大当り及び実質4R大当りの動作中に出力される。これにより、突確、4R(実質4R含む)、16Rの大当りを識別することができる。
電サポ中信号は、遊技機1で普電サポート(電サポ)が行われている場合にオン状態となる信号である。
発射位置指定信号は、遊技領域10a内における遊技球の最適な発射位置(発射目標位置)がセンターケース21の左側の遊技領域であるときにオン状態となる信号である。
第1始動口信号は、第1始動入賞口37に入賞した遊技球が始動口1スイッチ37dによって検出されると外部出力される信号である。第2始動口信号は、第2始動入賞口38に入賞した遊技球が始動口2スイッチ38dによって検出されると外部出力される信号である。大入賞口信号は、特別変動入賞装置42の大入賞口に入賞した遊技球がカウントスイッチ42dによって検出されると外部出力される信号である。第1始動口信号、第2始動口信号及び大入賞口信号は、遊技球の入賞の検出を外部に通知するための信号である。
図柄確定信号は、特図変動表示ゲームの変動回数を外部に通知するために出力される信号である。図柄確定信号は、特図変動表示ゲーム終了のタイミングで変動停止毎に出力される。
遊技機固有情報は、遊技機1を識別するために予め付与されている情報であり、メーカーコード、機種コード、チップ個別ID等を含んでいる。遊技機固有情報は、RAM(RWM)初期化時、大当り発生時、セキュリティ異常時に出力される。RAM初期化時など電源が投入される場合には、遊技用マイコン511に一意に設定されたチップ個別ID、遊技機1のメーカーコード、及び遊技機1の機種・枠コードが遊技機固有情報として出力される。また、セキュリティ異常発生時や大当り発生時には、チップ個別IDのみが遊技機固有情報として出力される。なお、セキュリティ異常発生時や大当り発生時に、メーカーコード、及び機種・枠コードを遊技機固有情報として出力してもよい。電源投入時には、必ずメーカーコード及び機種・枠コードが出力されることで、遊技場内で遊技機1の配置換え等を行っても遊技用管理装置400において遊技機1の認識が容易にできる。
セキュリティ信号は、入賞エラーや磁気センサ又は振動センサによる不正検出信号の検出により不正中であると判定された場合に所定期間出力される。また、前面枠4又はガラス枠5が開放されたときに、開放されている間出力されてもよい。さらに、RAM(RWM)初期化時やRAMクリア時にも出力される。
投入時状態信号は、電源装置300から遊技機1に電力が供給開始されたときに、所定の初期化処理が実行されておらず、前回確変状態で終了していたことに基づいて出力される信号である。
払出条件成立信号は、遊技機1において払出制御装置580から所定数の賞球を払い出すための条件(払出条件)が成立したときに出力される信号である。
賞球払出検出信号は、賞球が所定数(例えば、10個)払い出される毎に1パルス出力される信号である。
遊技機エラー状態信号は、遊技機1が遊技球の貸し出しや払い出しができない球切れ状態や上皿12や下皿15が遊技球で満タンになっている状態であるときに出力される信号である。
〔大当り確率〕
図37は、本発明の第2実施形態の大当りの確率を示す図である。
第2実施形態では、特図変動表示ゲーム(大当り)の確率状態が低確率状態(通常遊技状態)のときの大当り確率は、特図1及び特図2共通で1/307である。また、特図変動表示ゲーム(大当り)の確率状態が高確率状態のときの大当り確率は、特図1及び特図2共通で1/31である。そして、大当り遊技終了後は、特図変動表示ゲームが36回実行されるまで高確率状態が維持される(ST36回)。さらに、小当り確率は、特図1の場合に1/300であり、特図2の場合に1/750である。
特図1変動表示ゲームでは、大当りが3種類(突確(サポなし)、突確(サポあり)、4R大当り)設定されており、それぞれが当る確率は、電サポなしの場合に40%、10%、50%であり、電サポありの場合に5%、50%、45%である。また、特図2変動表示ゲームでは、大当りが3種類(突確(サポあり)、実質4R大当り、16R大当り)設定されており、それぞれが当る確率は、電サポの有無に関係なく10%、10%、80%である。
ここで、4R大当り、実質4R大当り及び16R大当りは、遊技者が獲得可能な賞球がある大当りであるが、突確は賞球がほぼない大当りである。突確は、大入賞口の開放時間が極端に短く(例えば、1回の開放時間が0.1秒)、遊技者は大入賞口に遊技球を入賞させることが困難である。
〔規定賞球払出数テーブル〕
図38は、本発明の第2実施形態の賞球がある大当りのラウンド数に応じて正常と判断する賞球払出数を規定したテーブルを示す図である。
第2実施形態において、遊技者が賞球を獲得可能な大当りのラウンド数は3パターンある。特別変動入賞装置42の大入賞口に遊技球が1個入賞すると13個の賞球の払い出しが行われる。そして、1R(ラウンド)は、通常、大入賞口への入賞球が9個検出されると終了する。
大当りのラウンド数には、実質4R、4R及び16Rが設定されている。そして、各大当りのラウンド数に対して、後述する異常報知設定処理(図39)の判定に用いられる規定賞球払出数が設定されている。規定賞球払出数は、電波によって大入賞口のカウントスイッチ42dを誤感知させて遊技球の入賞を誤検出させたり、紐のついた遊技球を大入賞口のカウントスイッチ42d前で往復させて遊技球の入賞を複数回検出させたりして実際の大入賞口への入賞球数よりも多くカウントされるような不正行為が行われたと判断する基準である。そこで、厳格に算出すると1Rで117個の賞球払出数が予定されるが、大入賞口には9個目の遊技球に連なって10個目の遊技球も入賞する可能性もあるため、幸運が起こった場合を考慮して1Rの入賞球が10個のときの賞球払出数130個が1Rにおける規定賞球払出数として設定される。したがって、4R大当りと16R大当りとは、規定賞球払出数としてそれぞれ520個と2080個とが規定される。
また、実質4R大当りは、ランクアップボーナス演出が行われて5R以上のラウンド数が付与される大当りであるが、一般的に5R以降は1Rの大入賞口の開放時間が短く、通常通り1R9個の入賞球は見込めない。このため、実質の賞球払出数は4Rに近い。そこで、実質4R大当りの規定賞球払出数は、4R大当りのときの規定賞球払出数520個に、短時間開放される大入賞口に正当に入賞する可能性がある入賞球数(10個)に基づく賞球払出数130個を足し合わせた650個が規定される。
〔異常報知設定処理〕
図39は、本発明の第2実施形態の遊技制御装置500によって実行される異常報知設定処理の手順を示すフローチャートである。異常報知設定処理は、タイマ割込み処理(図5)の入賞口スイッチ/エラー監視処理(A507)の1つとして実行される。
まず、遊技制御装置500は、各種入賞口スイッチや枠の不正開放などを監視したりして正常な信号が入力されているか否かにより異常発生の有無を判定する(A3901)。正常な信号が入力されていない異常が発生した場合は(A3901の結果が「Y」)、異常を報知する異常報知設定を行い(A3902)、異常報知設定処理を終了する。
一方、遊技制御装置500は、正常な信号が入力されており異常が発生していない場合は(A3901の結果が「N」)、払出制御装置580から遊技者に実際に払い出された賞球払出数が規定賞球払出数を超えているか否かを判定する(A3903)。規定賞球払出数は、前述の規定賞球払出数テーブル(図38)に大当り種類別に設定される。また、実際に払い出された賞球払出数は、前述の払出検出SW36dにより計数される。
そして、遊技制御装置500は、実際の賞球払出数が規定賞球払出数を超えている場合には(A3903の結果が「Y」)、外部に規定外信号を出力する設定を行い(A3904)、異常報知設定処理を終了する。その後、本処理のA3904の処理で設定された規定外信号は、前述のタイム割込み処理(図5)の外部情報編集処理(A512)において外部出力情報として編集され、同じくタイマ割込み処理(図5)の出力処理(A503)において外部に出力される。
また、遊技制御装置500は、実際の賞球払出数が規定賞球払出数を超えていない場合には(A3903の結果が「N」)、何も行わずに異常報知設定処理を終了する。
このように、第2実施形態の異常報知設定処理では、特別遊技状態において特別変動入賞装置42の大入賞口への入賞を誤検出させる不正行為を、該不正行為が行われた特別遊技状態が終了するまでに精度高く検出することができる。
なお、このような入賞球を誤検出させる不正行為は、普電サポート(電サポ)状態において可動部材38aが入賞容易状態に変換された第2始動入賞口38においても行われる可能性がある。そこで、第2実施形態では、特別遊技状態だけでなく、電サポ状態での不正行為も検出可能にしている。以下、図40〜図42を参照して、第2始動入賞口38への不正行為を検出する電サポ中差球監視処理(図42)について説明する。
〔遊技情報テーブル〕
図40は、本発明の第2実施形態の遊技用管理装置400において管理する各遊技機の情報を示す遊技情報テーブルである。遊技情報テーブルは1つのテーブルとして管理することもできるが、ここでは便宜上、図40(A)〜(D)の4つのテーブルに分けている。
遊技機1から出力された外部出力情報(図36)は、遊技用管理装置400において、必要な加工(計算、処理など)がなされた上で遊技用管理装置400の記憶装置(例えば、HD405)に図40に示すような遊技情報テーブルが格納される。遊技情報テーブルには、年月日時刻とともに時々刻々と変化する遊技情報が格納されている。各遊技情報の算出式は次の通りである。
打込球数=打込球情報受信数×信号比
払出球数=賞球情報受信数×信号比
差球数=打込球数−払出球数
出玉率=払出球数÷打込球数×100
スタート回数=スタート情報受信数
特賞回数=特賞情報受信数
確変回数=確変情報受信数
時短回数=時短情報受信数
売上金額=売上信号受信数(台サンド60からのデータ)×信号比
通常期間中打込球数=特賞期間中及び付加期間以外の打込球情報受信数×信号比
通常期間中払出球数=特賞期間中及び付加期間以外の賞球情報受信数×信号比
通常期間中差球数=通常期間中打込球数−通常期間中払出球数
ベース=通常期間中払出球数÷通常期間中打込球数×100
TY(特賞期間中の差球数)=特賞期間中払出球数−特賞期間中打込球数
TS(特賞の発生確率)=スタート回数÷(特賞回数−確変(次回までサポあり)回数)
MS(特殊モード突入確率)=1/TS×特殊モード突入率(例えば、50%)
MB(特殊モード突入ベース)=特殊モード中の払出球数÷特殊モード中の打込球数×100
MY:遊技機1において特賞ごとに遊技者が獲得した遊技媒体の累計
ここで、「特賞」とは、大当りのことである。「付加期間」とは、特図変動表示ゲームにおいて大当りとなる確率が高くなる高確率状態や後述の普電サポート状態である期間である。「特殊モード」とは、通常遊技状態とは異なる遊技モードである。例えば、大当り遊技の中でも遊技者が賞球を獲得可能な大当り(実質4R大当り、4R大当り、16R大当り)の大当り遊技状態を特殊モードと定義してもよい。また、普電サポート状態であって、特図変動表示ゲームが所定回数(ここでは36回)消化されるまで、或いは次回大当りまで、普図変動表示ゲームにおける普図当りの当選確率を高くするとともに、普図変動表示ゲームの変動表示時間を短縮することにより、普通電動役物としての可動部材38aの開閉動作を頻発させている状態、もしくは、可動部材38aの開放時間を長くして第2始動入賞口38への入賞を容易にしている状態を特殊モードと定義してもよい。また、「信号比」とは、信号(パルス)の数に対して、玉数や金額をどれだけ対応させるかを表した数値である。例えば、1パルスの賞球払出検出信号は、10個の賞球数を表している。
このようにして、算出されてテーブルに格納された情報は、隣接表示装置61への表示コマンドを生成する際に用いられる。
また、遊技機1から収集した情報に基づいて、遊技用管理装置400が遊技情報を扱うのみならず、セキュリティの保護の面でも機能することについて説明する。
遊技制御装置500の遊技用マイコン511が有しているチップ個別IDは遊技機固有情報として、遊技用マイコン511のデータバス540及び外部情報端子508を介して遊技機1外部の遊技用管理装置400で読み取ることができる。遊技用管理装置400で遊技機1のチップ個別IDを監視することができるので、予め遊技機1に設定された個別IDと、遊技用管理装置400によって読み取られたチップ個別IDとが一致しない場合は、遊技用管理装置400は、各種信号の入出力を不可能にする。これにより、遊技制御装置500と、遊技制御装置500に接続された各種装置(例えば、大入賞口ソレノイド42b、普電ソレノイド38b)や従属制御装置(払出制御装置580、演出制御装置550等)との信号の入出力が不可能になり、例えば、スイッチが操作できなくなったり、装飾部材6の内部ランプやLED等が点灯しなかったりして、遊技機1に異常が発生したことが明確になる。このようにして、遊技用管理装置400は、遊技場の各遊技機1の遊技進行状況を把握するのみにならず、不正が行われないように監視し、異常がある場合には該当遊技機1を不能にする役割を果たす。
〔MS計数有無のデータ比較〕
図41は、本発明の第2実施形態のMSを計数する場合としない場合とを比較するデータ比較説明図である。
ここで、MS(特殊モード突入確率)とは、遊技者が賞球を獲得可能な大当り(実質4R大当り、4R大当り、16R大当り)の大当り遊技状態となる確率である。すなわち、特殊モードは、賞球(出玉)が多い大当りモードである。MSは、モードスタートの意味である。ここでは、出玉の少ない大当り(突確)を除外して演算処理を行うことで、大当り回数と出玉の数との関係をわかりやすくする。
遊技者がある遊技機1で遊技を開始(スタート)し、特図変動表示ゲームが600回実行された後に突確当り(電サポあり)となった。前述したように突確当りでの賞球は見込めないので、この時点での出玉は0個である。その後、高確率状態(ST中)において特図変動表示ゲームが30回実行された後に再び突確当り(電サポあり)となった。この時点でもやはり出玉は0個である。その後、さらに特図変動表示ゲームが30回実行された後に16R大当りとなった。このとき遊技者が獲得した出玉は1860個であった。
前述のような遊技状況において、特殊モードの発生(MS発生)を検知してMS中の遊技情報として遊技情報を収集しない場合に、遊技用管理装置400は、大当りが3回、出玉1860個として、大当り1回の出玉を620個と認識する。また、平均大当り確率を1/220としてしまい、実際の遊技機1とは乖離したスペックの遊技機1であると分析してしまう。これに対し、本実施形態では、特殊モードの発生(MS発生)を検知してMS中の遊技情報として遊技情報を収集するので、出玉ありの大当り確率が1/660で大当り1回の出玉を1860個の遊技機1と認識することができる。
〔電サポ中差球監視処理〕
図42は、本発明の第2実施形態の遊技制御装置500によって実行される電サポ中差球監視処理の手順を示すフローチャートである。
ここでは、特殊モードとして普電サポート状態が定義される。そして、遊技制御装置500において特殊モード中の払出球数と特殊モード中の打込球数とからMB(特殊モード突入ベース)が算出されることで、遊技制御装置500が第2始動入賞口38への不正行為を検出する。以下、手順を説明する。
まず、遊技制御装置500は、電サポ中(特殊モード中)であるか否かを判定する(A4201)。そして、電サポ中でない場合は(A4201の結果が「N」)、電サポ中差球監視処理を終了する。
遊技制御装置500は、電サポ中である場合は(A4201の結果が「Y」)、MBが規定値(例えば、105%)以内であるか否かを判定する(A4202)。そして、MBが規定値以内である場合は(A4201の結果が「Y」)、電サポ中差球監視処理を終了する。
遊技制御装置500は、MBが規定値を超えた場合は(A4202の結果が「N」)、外部に規定外信号を出力する設定を行い(A4203)、電サポ中差球監視処理を終了する。
このように、本発明の第2実施形態によれば、遊技制御装置500は、正確な大当り情報を収集するとともに、普電サポート状態における第2始動入賞口38への不正行為も検出することができる。遊技制御装置500は、遊技球が入賞して当然である入賞口開放状態(電サポ中の第2始動入賞口38及びラウンド遊技中の大入賞口の開放状態)において不正行為を精度高く検出することができる。
そして、前述の異常報知設定処理(図39)や電サポ中差球監視処理(図42)で遊技制御装置500から出力される規定外信号は、台サンド60を介して遊技用管理装置400に送信される。以下では、図43〜図46を参照して、規定外信号を受信したときの遊技用管理装置400における処理について説明する。
〔オーバー報知処理〕
図43は、本発明の第2実施形態の遊技用管理装置400によって実行されるオーバー報知処理の手順を示すフローチャートである。なお、遊技用管理装置400が実行する処理のフローチャートにおいて、ステップの符号(番号)は「C****」と表す。
遊技用管理装置400は、まず、遊技制御装置500から規定外信号を受信したか否かを判定する(C4301)。そして、規定外信号を受信していない場合は(C4301の結果が「N」)、オーバー報知処理を終了する。
一方、遊技用管理装置400は、規定外信号を受信した場合は(C4301の結果が「Y」)、遊技場の店員に報知するためディスプレイ406に警告表示を行い(C4302)、オーバー報知処理を終了する。
〔ディスプレイ表示〕
次に、図44を参照して、前述のオーバー報知処理(図43)における警告表示(C4302)について説明する。図44は、本発明の第2実施形態の遊技用管理装置400のディスプレイ406に表示される警告画面表示の一例を示す図である。
遊技用管理装置400のディスプレイ406には、遊技場内の遊技機1の配置に沿って台番号が表示されており、警告表示対象となる遊技機1の台番号に警告ウィンドウ(「OVER」というメッセージが記載された吹き出し表示)が表示される。
さらに、遊技用管理装置400は、受信した規定外信号の回数によって、特定の遊技者による不正行為、もしくは、遊技領域10aにおける入賞誘導率が高い釘配置であるのかを判断して報知してもよい。以下、図45及び図46を参照して説明する。
〔オーバー表示処理〕
図45は、本発明の第2実施形態の遊技用管理装置400によって実行されるオーバー表示処理の手順を示すフローチャートである。オーバー表示処理は、前述のオーバー報知処理(図43)において規定外信号を受信したと判定された場合に実行される。
遊技用管理装置400は、遊技制御装置500から規定外信号を受信した回数が所定値(例えば、2回)以上であるか否かを判定する(C4501)。
遊技用管理装置400は、規定外信号受信回数は所定値以上である場合には(C4501の結果が「Y」)、遊技領域10aの釘配置が遊技者に有利な状態(寄り釘良い)であることをディスプレイ406に表示して(C4502)、オーバー表示処理を終了する。
一方、遊技用管理装置400は、規定外信号受信回数は所定値以上ではない、すなわち所定値未満である場合には(C4501の結果が「N」)、遊技者による不正行為の可能性があること(ゴトかも?)をディスプレイ406に表示して(C4503)、オーバー表示処理を終了する。
〔ディスプレイ表示〕
次に、図46を参照して、前述のオーバー表示処理(図45)における表示(C4502、C4503)について説明する。図46は、本発明の第2実施形態の遊技用管理装置400のディスプレイ406に表示される画面表示の一例を示す図である。
遊技用管理装置400のディスプレイ406には、遊技場内の遊技機1の配置に沿って台番号が表示されており、警告表示対象となる遊技機1の台番号に警告ウィンドウ(メッセージが記載された吹き出し表示)が表示される。そして、警告ウィンドウ内には、前述のオーバー表示処理(図45)で実行される処理(C4502又はC4503)に応じたメッセージ(「寄りがいい」又は「ゴトかも?」)が表示される。
このように本発明の第2実施形態によれば、遊技用管理装置400は、特定の遊技者による不正行為及び遊技者に有利な(入賞誘導率が高い)釘配置のどちらが異常の要因であるかを判定し、ディスプレイに判定結果を表示するので、遊技場の店員は異常の要因を容易に把握することができる。
〔演出制御装置による表示装置の画面表示例〕
ところで、遊技制御装置500によって入賞口の入賞検出に異常が発生したと判断されて規定外信号が出力された場合に、遊技用管理装置400はディスプレイ406において異常を報知するが演出制御装置550は報知しない。以下では、図47を参照して、規定外信号出力時の表示装置48における画面表示について説明する。図47は、本発明の第2実施形態の表示装置48に表示される画面表示の一例を示す図である。
遊技制御装置500は異常報知処理(図39)において賞球払出数が規定賞球払出数を超えたときに規定外信号を遊技用管理装置400に送信する。このとき、演出制御装置550は、遊技制御装置500からの情報に基づいて、表示装置48に遊技者が獲得予定の賞球数(総獲得球数)を随時加算して表示する。この演出制御装置550による表示処理は、前述の1stメイン処理(図17)のシーン制御処理(B1712)において実行される。なお、前述の遊技用管理装置400によるオーバー報知処理(図43)も同様のタイミングで実行される。
このように、遊技制御装置500が遊技用管理装置400に規定外信号を送信する状況であっても、演出制御装置550は表示装置48に異常を報知する表示を行わないので、遊技者に気付かれることなく遊技場の店員は遊技機1の異常を把握することができる。また、この際、遊技者は総獲得球数を把握することができるので、遊技の興趣が高まる。
〔演出制御装置によるエラー履歴管理〕
演出制御装置550は、前述したように遊技制御装置500から規定外信号が出力された場合に表示装置48において異常を報知する表示は行わないが、主制御用マイコン551の作業領域RAM551aに遊技制御装置500から送信される異常(エラー)情報を随時記憶しており、遊技場の店員から要求されたときに表示装置48にてエラー履歴を表示可能にする。以下、図48〜図50を参照して、具体的処理及び画面表示例について説明する。
〔エラー記憶処理〕
図48は、本発明の第2実施形態の演出制御装置550によって実行されるエラー記憶処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置550は、まず、エラーが発生したか否かを判定する(B4801)。エラーの発生は、遊技制御装置500によって実行されるタイマ割込み処理(図5)の入賞口スイッチ/エラー監視処理(A507)や磁石不正監視処理(A511)においてエラーが検出されたことを示す。遊技制御装置500がエラーを検出した場合は、そのエラー情報を演出制御装置550に送信する。エラー情報には、例えば、前面枠4やガラス枠5の不正開放、遊技機1に振動が検出されること、補給用の遊技球の不足がある。
そして、演出制御装置550は、エラーが発生した場合は(B4801の結果が「Y」)、そのエラー情報を発生日時とともにRAM551aに記憶して(B4802)、エラー記憶処理を終了する。なお、エラーの記憶は、過去2時間のエラーを対象とし、それ以前の記憶は消去するようにしてもよい。
また、演出制御装置550は、エラーが発生していない場合は(B4801の結果が「N」)、エラー記憶処理を終了する。
〔エラー履歴表示処理〕
図49は、本発明の第2実施形態の演出制御装置550によって実行されるエラー履歴表示処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置550は、まず、エラー表示スイッチ(SW)がオンであるか否かを判定する(B4901)。エラー表示SWは、演出制御装置550に設けられ、遊技場の店員が操作することでオン状態となる。
演出制御装置550は、エラー表示SWがオンである場合は(B4901の結果が「Y」)、表示装置48にエラー履歴表示を表示し(B4902)、エラー履歴表示処理を終了する。エラー履歴表示の一例については、図50にて後述する。
また、演出制御装置550は、エラー表示SWがオンになっていない場合は(B4901の結果が「N」)、エラー履歴表示処理を終了する。
〔エラー履歴表示の画面表示例〕
図50は、本発明の第2実施形態の表示装置48に表示されるエラー履歴表示の画面表示の一例を示す図である。
表示装置48には、エラーの発生日時とエラー内容が時系列順に列挙される。このとき、表示装置48に表示されるエラーを、エラー表示SWがオンになった時点から所定時間以内に発生したエラーに限定してもよいし、現在の遊技者が遊技を開始してから発生したエラーに限定してもよい。
なお、本発明のように電池600とRTC601(図3参照)を備える演出制御装置550では、電源装置300を操作して電源を切って不正を行う場合であっても、エラーを報知することが可能である。
〔停電発生時の大当り計数〕
ところで、図53及び図54は、従来の遊技用管理装置における大当りに関する情報の収集について説明する図である。図53は、従来の遊技用管理装置によって実行される大当り計数処理の手順を示すフローチャートである。また、図54は、従来の大当り中に停電が発生した場合の大当り計数タイミングを示すタイミングチャートである。
図53に示すように、従来の遊技用管理装置は、遊技制御装置から大当り中信号を受信したか否かを判定し(C5301)、大当り中信号を受信した場合に(C5301の結果が「Y」)、大当り情報として大当りに関する各種情報を計数して(C5302)、大当り計数処理を終了する。なお、大当り中信号を受信していない場合は(C5301の結果が「N」)、大当り計数処理を終了する。
そして、図54に示すように、従来の遊技用管理装置は、大当り中信号を受信したタイミング、すなわち、特別遊技開始時のタイミングで大当り回数を1回計数していた。したがって、特別遊技中に停電が発生した場合は、停電復旧後の大当り中信号の受信開始時に再度大当り回数が1回計数されてしまっていた。
そこで、本発明の第2実施形態では、遊技制御装置500から特図変動表示ゲームの終了を示す図柄確定信号を受信していることを遊技用管理装置400における大当り回数の計数条件とする。以下、図51及び図52を参照して、本発明の第2実施形態の大当りに関数情報の収集について説明する。
〔図柄確定計数処理〕
図51は、本発明の第2実施形態の遊技用管理装置400によって実行される図柄確定計数処理の手順を示すフローチャートである。
遊技用管理装置400は、遊技制御装置500から図柄確定信号を受信したか否かを判定する(C5101)。そして、図柄確定信号を受信した場合に(C5101の結果が「Y」)、受信した図柄確定信号の対象となる特図変動表示ゲームが大当りか否かを判定する(C5102)。大当りと判定する条件は、例えば、大当り中信号や大入賞口開放中信号の受信とする。
遊技用管理装置400は、大当りでない場合は(C5102の結果が「N」)、はずれに関する各種情報として情報を計数して(C5103)、図柄確定計数処理を終了する。一方、大当りである場合は(C5102の結果が「Y」)、大当りに関する各種情報として情報を計数して(C5104)、図柄確定計数処理を終了する。また、図柄確定信号を受信していない場合は(C5101の結果が「N」)、図柄確定計数処理を終了する。
〔大当り回数計数タイミング〕
図52は、本発明の第2実施形態の大当り中に停電が発生した場合の大当り計数タイミングを示すタイミングチャートである。
遊技用管理装置400は、図柄確定信号を受信した上で大当りと判定した場合に大当り回数を1回計数する。したがって、特別遊技中に停電が発生した場合であっても、停電前に受信した図柄確定信号は停電復旧後には受信しないので、停電復旧後の大当り中信号の受信開始時に再度大当り回数が1回計数される虞がない。
このように、本発明の第2実施形態では、特別遊技中に停電が発生した場合であっても重複して大当り回数が計数されることがなく、遊技用管理装置400は正確な遊技情報を収集することができる。
(本発明の第2実施形態の変形例1)
次に、図55を参照して、本発明の第2実施形態の変形例1について説明する。第2実施形態の異常報知設定処理(図39)では、払出制御装置580によって実際に遊技者に払い出された賞球払出数情報を用いていた。これに対し、変形例1の異常報知設定処理では、払出制御装置580によって遊技者に払い出される予定の賞球払出数情報を用いる。
〔異常報知設定処理〕
図55は、本発明の第2実施形態の変形例1の異常報知設定処理の手順を示すフローチャートである。
変形例1の異常報知設定処理におけるA5501、A5502及びA5504の処理は、前述の第2実施形態の異常報知設定処理におけるA3901、A3902及びA3904の処理と同じである。
A5503の処理において、遊技制御装置500は、払出制御装置580から遊技者に払い出される予定の賞球払出数が規定賞球払出予定数を超えているか否かを判定する。規定賞球払出予定数は、大当り種類別に設定されており、前述の第2実施形態のA3903の処理で用いる規定賞球払出数テーブル(図38)に設定されている個数と同じである。また、払い出される予定の賞球払出数は、遊技制御装置500から払出制御装置580に送信される賞球払出し指令に基づいて計数される。
そして、遊技制御装置500は、払出予定の賞球払出数が規定賞球払出予定数を超えている場合には(A5503の結果が「Y」)、外部に規定外信号を出力する設定を行い(A5504)、異常報知設定処理を終了する。
このように、本発明の第2実施形態の変形例1によれば、実際に賞球が払い出される前に、遊技者の獲得遊技球数が異常か否かを判定することができる。これにより、払い出す前に補給用の遊技球が不足したり、上皿12や下皿15が遊技球で満杯になったりして賞球が払い出せない状態であっても異常を検出することができる。補給用の遊技球不足は、シュート球切れスイッチ信号により検出され、上皿や下皿の満杯状態は、オーバーフロースイッチ信号により検出される。
(本発明の第2実施形態の変形例2)
次に、図56〜図60を参照して、本発明の第2実施形態の変形例2について説明する。第2実施形態の異常報知設定処理(図39)では、払出制御装置580によって実際に遊技者に払い出された賞球払出数が、遊技者が通常獲得可能な遊技球数(規定賞球払出数)の上限を超えているか否かを判定するオーバー判定のみを行っていた。これに対し、変形例2の異常報知設定処理では、遊技者が獲得可能な遊技球数の下限も設定し、払出制御装置580によって実際に遊技者に払い出された賞球払出数が、遊技者が通常獲得可能な遊技球数の下限を下回るか否かを判定するアンダー判定も可能とする。そして、遊技用管理装置400においてもアンダー判定に伴う報知を可能とする。
〔規定賞球払出数テーブル〕
図56は、本発明の第2実施形態の変形例2の賞球がある大当りのラウンド数に応じて正常と判断する賞球払出数を規定したテーブルを示す図である。
変形例2の規定賞球払出数テーブルは、前述の第2実施形態の規定賞球払出数テーブル(図38)に設定された規定賞球払出数を上限とし、さらに、各大当りのラウンド数に対して規定賞球数払出数の下限を設ける「タイト」パターンが設定される。なお、規定賞球払出数の上限のみを設ける場合は「ルーズ」パターンである。
ここで、規定賞球数払出数の下限は、各大当りのラウンド数(実質4R、4R及び16R)に対してそれぞれ450個、450個及び1800個が規定される。
このように、変形例2の規定賞球払出数テーブルには、規定賞球数払出数の上下限が設定される「タイト」と、上限のみが設定される「ルーズ」との2パターンが設定されている。いずれのパターンを用いた異常報知設定処理を実行するか否かは、遊技場の店員が規定数設定スイッチによって選択することで決定される。
〔異常報知設定処理〕
図57は、本発明の第2実施形態の変形例2の異常報知設定処理の手順を示すフローチャートである。ここでは、前述の規定賞球払出数テーブル(図56)で「タイト」が設定されている。
変形例2の異常報知設定処理におけるA5701〜A5704の処理は、前述の第2実施形態の異常報知設定処理におけるA3901〜A3904の処理と同じである。
遊技制御装置500は、払出制御装置580から遊技者に払い出された賞球払出数が規定賞球払出数の上限を超えていない場合は(A5703の結果が「N」)、規定賞球払出数の下限を下回っていないか否かを判定する(A5705)。
そして、遊技制御装置500は、払い出された賞球払出数が規定賞球払出数の下限を下回っている場合は(A5705の結果が「Y」)、アンダー規定外信号を外部に出力する設定を行い(A5706)、異常報知設定処理を終了する。なお、アンダー規定外信号は、A5704の処理における規定外信号とパルス幅を変えることで、上限超えによる規定外信号と下限未達による規定外信号を区別可能にしている。
一方、遊技制御装置500は、払い出された賞球払出数が規定賞球払出数の下限を下回らない、すなわち、「タイト」パターンの上下限の範囲内に賞球払出数が収まっている場合は(A5705の結果が「N」)、そのまま異常報知設定処理を終了する。
このように、本発明の第2実施形態の変形例2によれば、払い出された賞球払出数が想定よりも少なすぎる場合にも規定外信号を出力することが可能である。これにより、不正行為や入賞誘導率の高い釘配置状態を検出するとともに、入賞誘導率の低い釘配置状態も検出することができ、遊技者にとって想定よりも不利な状態であることを把握することができる。
なお、本発明の第2実施形態の変形例2では、実際に遊技者に払い出された賞球払出数を対象としたが、変形例1のように賞球払出予定数を対象として上下限の規定賞球払出予定数を設けてもよい。また、異常報知設定処理において規定賞球払出数の上限を超える場合と、下限を下回る場合とで規定外信号を区別したが(規定外信号、アンダー規定外信号)、共通にしてもよい。
〔規定数設定スイッチ〕
本発明の第2実施形態の変形例2では、前述の規定賞球払出数テーブル(図56)において「タイト」及び「ルーズ」のどちらかのパターンを遊技場の店員が選択可能である。「タイト」が選択された場合は、変形例2の異常報知設定処理(図57)が実行され、「ルーズ」が選択された場合は、第2実施形態の異常報知設定処理(図39)が実行される。ここでは、図58を参照して、遊技場の店員が操作することで「タイト」又は「ルーズ」を設定可能な規定数設定スイッチについて説明する。
図58は、本発明の第2実施形態の変形例2の規定数設定スイッチの設置パターンについて説明する図である。図58(A)は、規定数設定スイッチを遊技制御装置500に設置するパターンであり、図58(B)は、規定数設定スイッチを外部出力端子板508としての制御装置に設置するパターンである。
前述したように規定数設定スイッチは、遊技場の店員が操作可能である。例えば、店員が規定数設定スイッチをオンに操作することで「タイト」が選択される。規定数設定スイッチは、図58(A)に示すように遊技制御装置500でスイッチ入力が検出されるように設置されてもよいし、図58(B)に示すように遊技制御装置500から外部出力情報が出力されるときに経由する外部出力端子板508でスイッチ入力が検出されるように設置されてもよい。図58(B)の設置パターンとする場合は、外部出力端子板508は、規定数設定スイッチからの入力を検出して「タイト」及び「ルーズ」のどちらのパターンか否かを判定する規定数判定手段等を備えるので、いわゆる制御装置として機能する。
〔アンダー表示処理〕
続いて、図59及び図60を参照して、遊技用管理装置400における処理を説明する。図59は、本発明の第2実施形態の変形例2の遊技用管理装置400によって実行されるアンダー表示処理の手順を示すフローチャートである。アンダー表示処理は、前述の第2実施形態のオーバー報知処理(図43)において規定外信号を受信したと判定された場合に実行される。オーバー報知処理において規定外信号の種類は区別されない。
遊技用管理装置400は、遊技制御装置500からアンダー規定外信号を受信した回数が所定値(例えば、3回)以上であるか否かを判定する(C5901)。
遊技用管理装置400は、アンダー規定外信号受信回数は所定値以上である場合には(C5901の結果が「Y」)、遊技領域10aの釘配置が遊技者に不利な状態(寄り釘悪い)であることをディスプレイ406に表示して(C5902)、アンダー表示処理を終了する。
一方、遊技用管理装置400は、アンダー規定外信号受信回数は所定値以上ではない、すなわち所定値未満である場合には(C5901の結果が「N」)、そのままアンダー表示処理を終了する。
〔ディスプレイ表示〕
次に、図60を参照して、前述のアンダー表示処理(図59)における表示(C5902)について説明する。図60は、本発明の第2実施形態の変形例2の遊技用管理装置400のディスプレイ406に表示される画面表示の一例を示す図である。
遊技用管理装置400のディスプレイ406には、遊技場内の遊技機1の配置に沿って台番号が表示されており、警告表示対象となる遊技機1の台番号に警告ウィンドウ(メッセージが記載された吹き出し表示)が表示される。そして、警告ウィンドウ内には、前述のアンダー表示処理(図59)で実行される処理(C5902)に応じたメッセージ(「寄りがわるい」)が表示される。
このように、本発明の第2実施形態の変形例2によれば、遊技用管理装置400は、遊技者に不利な(入賞誘導率が低い)釘配置が異常の要因であることをディスプレイに表示するので、遊技場の店員は異常の要因を容易に把握することができる。
(本発明の第2実施形態の変形例3)
次に、図61及び図62を参照して、本発明の第2実施形態の変形例3について説明する。第2実施形態の変形例2では、払出制御装置580によって実際に遊技者に払い出された賞球払出数情報を用い、規定賞球払出数に上下限を設けることを可能とした。これに対し、変形例3では、賞球ではなく特別変動入賞装置42の大入賞口に入賞した入賞球数情報を用い、規定入賞球数に上下限を設けることを可能とした。
〔規定入賞球数テーブル〕
図61は、本発明の第2実施形態の変形例3の賞球がある大当りのラウンド数に応じて正常と判断する大入賞口への入賞球数を規定したテーブルを示す図である。
変形例3の規定入賞球数テーブルは、前述の第2実施形態の変形例2の規定賞球払出数テーブル(図56)に設定された規定賞球払出数が規定入賞球数に変更され、想定される入賞球数の上下限が規定される。
ここで、規定入賞球数の上限は、大当りのラウンド数(実質4R、4R及び16R)に対してそれぞれ45個、42個及び154個が規定される。また、規定入賞球数の下限は、それぞれ33個、33個及び140個が規定される。
規定入賞球数は、不正行為がなく平均的な(通常の)釘配置において大入賞口のカウントスイッチ42dによって検出される回数(すなわち入賞球数)の想定数である。厳格に算出すると1Rは上限9個の入賞球数が予定されるので、4Rで入賞可能な入賞球数はスペック上36個である。しかし、大入賞口には9個目の遊技球に連なって10個目の遊技球も入賞する可能性もあるため、幸運が起こった場合を考慮して6個多く見積もり、4R大当りにおける規定入賞球数の上限として42個が規定される。また、4R大当りにおける規定入賞球数の下限として3個少なく見積もった33個が規定される。
また、実質4R大当りは、規定入賞球数の上限として4R大当りからさらに3個多く見積もって45個が規定され、規定入賞球数の下限として4R大当りと同様に33個が規定される。また、16R大当りは、厳格な算出(9個16Rは144個)を基準に規定入賞球数の上限として10個多く見積もって154個が規定され、規定入賞球数の下限として4個少なく見積もって140個が規定される。
〔異常報知設定処理〕
図62は、本発明の第2実施形態の変形例3の異常報知設定処理の手順を示すフローチャートである。ここでは、前述の規定入賞球数テーブル(図6156)で「タイト」が設定されている。
変形例3の異常報知設定処理におけるA6201、A6202、A6204及びA6206の処理は、前述の第2実施形態の変形例2の異常報知設定処理におけるA5701、A5702、A5704及びA5706の処理と同じである。
遊技制御装置500は、特別変動入賞装置42の大入賞口に入賞した入賞球数(カウントスイッチ42dによる検出回数)が規定入賞数の上限を超えている場合は(A6203の結果が「Y」)、A6204の処理で規定外信号を外部に出力する設定を行い、異常報知設定処理を終了する。
一方、遊技制御装置500は、特別変動入賞装置42の大入賞口に入賞した入賞球数(カウントスイッチ42dによる検出回数)が規定入賞球数の上限を超えていない場合は(A6203の結果が「N」)、規定入賞球数の下限を下回っていないか否かを判定する(A6205)。
そして、遊技制御装置500は、大入賞口に入賞した入賞球数が規定入賞球数の下限を下回っている場合は(A6205の結果が「Y」)、A6206の処理でアンダー規定外信号を外部に出力する設定を行い、異常報知設定処理を終了する。
一方、遊技制御装置500は、大入賞口に入賞した入賞球数が規定入賞球数の下限を下回らない、すなわち、「タイト」パターンの上下限の範囲内に入賞球数が収まっている場合は(A6205の結果が「N」)、そのまま異常報知設定処理を終了する。
このように、本発明の第2実施形態の変形例3によれば、遊技球が大入賞口に入賞した時点で、遊技用管理装置400は大入賞口への不正行為や入賞誘導率の高い/低い釘配置状態を検出することができる。
なお、今回開示した実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではない。また、本発明の範囲は前述した発明の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び内容の範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。