以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。ここで、本実施の形態においては、日本文字の入力を例に挙げて説明する。
図1は、本実施の形態の携帯情報装置に搭載される文字入力装置の機能的構成を示す機能ブロック図である。文字入力装置1は、例えばスマートフォン(商品名)に代表されるタッチパネル式携帯電話やタブレット端末等に搭載される。
本文字入力装置1は、表示制御部2,操作制御部3,文字表記データ記憶部4,タッチパネル5および選択文字列格納部6等を含んで構成されている。
上記文字表記データ記憶部4は、本文字入力装置1によって入力可能な文字の表記データを記憶すると共に、各文字の分類を管理する。ここで、上記分類とは、日本文字の場合は、仮名文字を50音に並べた場合に、子音に基づく縦方向の5文字の並びを第1分類とし、母音に基づく横方向の10文字の並びを第2分類とし、濁音や半濁音や促音等の変形文字を第3分類としたものである。そして、表示制御部2からの指示に従って所定数の仮名文字列を選択して表示制御部2に送出する。
上記タッチパネル5は、表示機能と入力機能とを有するもので、例えばLCD(Liquid Crystal Display:液晶ディスプレイ)パネル等の表示デバイスと透明の位置入力デバイスとが積層されて構成され、上記表示デバイスの表示内容が位置入力デバイスを通して見えるようになっている。
上記操作制御部3は、タッチパネル5からの操作入力を解釈し、上記操作入力に対応する操作指示に変換して、表示制御部2に送出する。そうすると、表示制御部2は、操作制御部3からの操作指示に従って、仮名文字列の表示動作を行う。
上記表示制御部2は、上記円弧状第1文字列表示制御手段である文字サークル表示制御部7と、上記横バー状第2文字列表示制御手段である横バー表示制御部8と、上記縦バー状第3文字列表示制御手段である縦バー表示制御部9とを含んでいる。
上記文字サークル表示制御部7は、図2に示すように、上記タッチパネル5の表示画面11における左右下角に、円弧の1/4で成る文字サークル表示領域12aあるいは文字サークル表示領域12bを設定する。そして、文字サークル表示領域12aあるいは文字サークル表示領域12b内に、図3に示すように、文字表記データ記憶部4から上記第1分類に基づいて読み出した上記円弧状第1文字列である第1文字列を、文字サークル表示領域12aあるいは文字サークル表示領域12bと共に円弧状に表示する。
ここで、上記表示画面11の左下角に設定される文字サークル表示領域12aは、左手操作用の表示領域である。これに対し、表示画面11の右下角に設定される文字サークル表示領域12bは、右手操作用の表示領域である。何れの文字サークル表示領域を設定するかは、ユーザからの指示等によって予め登録しておけばよい。あるいは、本文字入力装置1が搭載された機器が何れの手で持たれているかを検知し、その検知結果に応じて設定するようにしても構わない。尚、以下においては、文字サークル表示領域12aで説明を行うが、文字サークル表示領域12bの場合も全く同様である。
上記文字サークル表示制御部7は、さらに、ユーザが指で文字サークル表示領域12a上を押しながらなぞった場合に、後に詳述するように、文字サークル表示領域12a上の表示文字列を回転スクロールするようになっている。
上記横バー表示制御部8は、上記文字サークル表示領域12aに上記第1分類に基づいて読み出された第1文字列が表示されている状態で、文字サークル表示領域12a内に表示されている一文字上をユーザが長押しすると、図4に示すように、この長押しされた文字の位置に、横方向に予め設定された長さで延在する文字列表示領域で成る横バー13を設定する。そして、この横バー13内に、上記長押しされた文字が含まれる上記第2分類の文字列を文字表記データ記憶部4から予め設定された数だけ読み出し、この読み出された上記横バー状第2文字列である第2文字列を横バー13と共に表示する。こうして一端表示された横バー13は、ユーザが指を離しても消えることはない。
その場合、上記長押しされた文字が文字サークル表示領域12aの左側に位置する場合には、表示される横バー13aは文字サークル表示領域12aに対して右方向にずれて(右寄りに)表示される。これに対し、上記長押しされた文字が文字サークル表示領域12aの右側に位置する場合には、表示される横バー13bは文字サークル表示領域12aに対して左方向にずれて(左寄りに)表示される。こうすることによって、左手の親指が届く範囲内で操作性良く文字入力を行うことが可能になる。
尚、上記文字サークル表示領域12bの場合も同様である。
ここで、上記横バー表示制御部8が横バー13を設定して上記第2分類の第2文字列と共に表示している状態で、ユーザが指で文字サークル表示領域12a上を押しながらなぞった場合には、文字サークル表示制御部7は、文字サークル表示領域12a上の表示文字列を横バー13が表示された状態を維持して回転スクロールする。その際、上記回転スクロールに伴って、上記長押しされた文字の水平方向の位置が文字サークル表示領域12aに対して左右に移動すると、その移動量に応じて横バー13の左右方向へのずれ量が変化する。
上記横バー表示制御部8は、さらに、ユーザが指で横バー13上を押しながらなぞった場合に、後に詳述するように、横バー13上の表示文字列を水平スクロールするようになっている。
上記縦バー表示制御部9は、上記横バー13に上記第2分類に基づいて読み出された第2文字列が表示されている状態で、横バー13内に表示されている一文字上をユーザが長押しすると、図5に示すように、この長押しされた文字の位置に、縦方向に変形文字数に応じた長さで延在する文字列表示領域で成る縦バー14を設定する。そして、この縦バー14内に、上記長押しされた文字が含まれる上記第3分類の文字列を文字表記データ記憶部4から読み出し、この読み出された上記縦バー状第3文字列である第3文字列を縦バー14と共に表示する。
ここで、上記横バー13内に表示されている文字のうち長押しされた文字の位置が文字サークル表示領域12aに近く、然も縦バー14の設定長が長い場合には、縦バー14が文字サークル表示領域12aに重なる場合が生ずる。その場合には、縦バー14と文字サークル表示領域12aとが重なる領域には、縦バー14の方が表示される。
上述のように表示された文字サークル表示領域12aおよび横バー13から入力文字を選択する場合には、例えばタッチパネル5の選択文字の位置をタップすることによって行う。また、縦バー14から入力文字を選択する場合には、例えばタッチパネル5上において、長押しされた横バー13上の文字から縦バー14上の選択文字まで親指を押下したままスライドさせて、上記選択文字の位置をタップすることによって行う。
こうして選択された入力文字列は、上記選択文字列格納部6に格納され、タッチパネル5上の選択文字列表示領域に表示される。
図6は、上記文字表記データ記憶部4の記憶内容を模式的に表したものである。文字表記データ記憶部4は、第1分類記憶領域4aと、第2分類記憶領域4bと、第3分類記憶領域4cを有している。上記第1分類記憶領域4aには、日本語の仮名文字を50音に並べた場合に、子音に基づく縦方向の5文字の並び「あいうえお」,「かきくけこ」…を、順に直列に接続して成る上記第1分類の上記第1文字列「あいうえおかきくけこ…」が記憶されている。また、上記第2分類記憶領域4bには、母音に基づく横方向の10(+2)文字の並び「あかさたなはまやらわんー」,「いきしちにひみりんー」…を、母音別に配列して成る上記第2分類の上記第2文字列が記憶されている。その場合、文字「ん」および文字「ー」は、頻繁に選択されるので総ての母音の区分に含めている。また、上記第3分類記憶領域4cには、「は」の濁音「ば」と半濁音「ぱ」、「つ」の促音「っ」、「あ」の小文字「ぁ」等の上記第3文字列である変化文字が、基本の文字「は」,「つ」,「あ」と対応付けて記憶されている。
尚、本実施の形態においては、旧仮名文字「ゐ」,「ゑ」…は、夫々新仮名文字「い」,「え」…で代用できるため、省略している。
ところで、上記文字表記データ記憶部4の構成はほんの一例であり、この発明は図6の構成に限定されるものではない。
ここで、上記機能的構成を有する文字入力装置の具体的ハードウェア構成は、後述する各種の処理を実行するプログラムを含む各種プログラムを記憶するプログラムメモリ、各種情報を記憶するデータメモリ、インターネット等の通信ネットワークと接続する通信I/F、入力装置、出力装置、表示装置、外部記録媒体がセットされてこの外部記録媒体をアクセスする外部補助記憶装置、上記プログラムメモリ,データメモリ,通信I/F,入力装置,出力装置,表示装置および外部補助記憶装置等を制御して、入力文字や提示情報の決定等を実行するCPU(中央演算処理装置)等で成る。
すなわち、上記表示制御部2および操作制御部3は上記CPUで構成され、文字表記データ記憶部4および選択文字列格納部6は上記データメモリや外部補助記憶装置で構成され、タッチパネル5は上記表示装置および上記入力装置で構成されるのである。また、上記CPUは、上述した各部2〜6による本実施の形態に係る処理動作の他に、演算・判断処理,計時処理および入出力処理等の各種の処理動作をも行うようになっている。
以下、上記表示制御部2の制御に基づいて実行される文字入力処理動作について説明する。図7および図8は、上記文字入力処理動作のフローチャートである。
図7において、上記操作制御部3から表示制御部2に対して、ユーザがタッチパネル5に対して、例えば「検索」等の文字入力が必要な操作を行った旨の操作指示が入力されると、本文字入力処理動作がスタートする。
ステップS1で、上記文字サークル表示制御部7によって、図2に示すように、表示画面11における左下角に文字サークル表示領域12aが設定される。そして、文字表記データ記憶部4の第1分類記憶領域4aから、上記第1分類の文字列のうちの初期表示として表示すべき5文字(例えば「あいうえお」)の文字表記データが読み出され、文字サークル表示領域12a内に配置される。こうして得られた文字サークルの表示データが、タッチパネル5に送出される。そうすると、タッチパネル5によって、表示画面11における左下角に第1文字列「あいうえお」が、文字サークル表示領域12aと共に円弧状に表示される。
ステップS2で、上記操作制御部3からの操作指示に基づいて、文字サークル表示領域12a上における目的文字の位置に対して、タップが行われたか否かが判別される。その結果、タップされていればステップS27に進み、そうでなければステップS3に進む。
ステップS3で、上記操作制御部3からの操作指示に基づいて、文字サークル表示領域12aに対する回転スクロールが指示されたか否かが判別される。その結果、回転スクロールが指示されていればステップS4に進み、そうでなければ上記ステップS1にリターンして、上記初期表示が継続される。
ステップS4で、上記文字サークル表示制御部7によって、操作制御部3からの操作指示に基づくスクロール方向とスクロール量とに応じて、文字表記データ記憶部4の第1分類記憶領域4aから読み出される5文字が順時繰り上げられあるいは繰り下げられて文字サークル表示領域12a内に配列される。ここで、第1分類記憶領域4aからの文字読み出しは循環してエンドレスに行われる。こうして、回転スクロール表示が行われる。その場合、文字サークル表示領域12a上を指ではじくフリック操作を可能にしても差し支えない。
上記フリック操作の場合には、文字サークル表示領域12a内で表示文字列は回転スクロールし続け、時間の経過と共にスクロール速度が低下し、やがて停止する。但し、回転スクロール中に文字サークル表示領域12a上を指等でタッチすれば、その時点で回転スクロールは停止するようになっている。
ステップS5で、上記文字サークル表示領域12a上の目的文字の位置がタップされたか否かが判別される。その結果、タップされていればステップS27に進み、そうでなければステップS6に進む。ステップS6で、上記回転スクロールが指示されたか否かが判別される。その結果、回転スクロールが指示されていれば上記ステップS4にリターンし、そうでなければ上記ステップS7に進む。
ステップS7で、上記操作制御部3からの操作指示に基づいて、文字サークル表示領域12a上における目的文字の位置に対して、長押しが行われたか否かが判別される。その結果、長押しされていればステップS9に進み、そうでなければステップS8に進む。ステップS8で、CPUの計時機能によって、上記ステップS4において上記回転スクロール表示が行われてからの経過時間が、予め設定されている設定時間に至ったか否かが判別される。その結果、上記設定時間が経過していれば上記ステップS1にリターンして、文字サークル表示領域12a内の表示が上記初期表示に戻る。一方、そうでなければ、上記ステップS5にリターンして、目的文字の位置がタップされたか否かが判別される。
ステップS9で、上記横バー表示制御部8によって、操作制御部3からの操作指示に基づいて、図4に示すように、文字サークル表示領域12a上に表示されている文字列のうちの長押しされた文字の位置に5文字分の横バー13が設定される。そして、文字表記データ記憶部4の第2分類記憶領域4bから、例えば長押しされた文字「ー」が含まれる5文字の文字列「ーえけせて」が読み出されて、横バー13内に配置される。こうして得られた横バーの表示データがタッチパネル5に送出される。そうすると、タッチパネル5によって、表示画面11における文字サークル表示領域12a上の長押しされた文字「ー」の位置に、第2文字列「ーえけせて」が、横バー13と共に横方向に一列に表示される。
ここで、上述したように、上記横バー表示制御部8は、図4に示すように、上記長押しされた文字が文字サークル表示領域12aの左側に位置する場合には、横バー13aを右方向にずらして(右寄りに)表示する。また、上記長押しされた文字が文字サークル表示領域12aの右側に位置する場合には、横バー13bを左方向にずらして(左寄りに)表示する。尚、この横バー表示処理動作については、後に詳細に説明する。
ステップS10で、上記文字サークル表示領域12a上あるいは横バー13上の目的文字の位置がタップされたか否かが判別される。その結果、タップされていればステップS27に進み、そうでなければステップS11に進む。ステップS11で、上記回転スクロールが指示されているか否かが判別される。その結果、回転スクロールが指示されていればステップS12に進み、そうでなければステップS14に進む。
ステップS12で、上記文字サークル表示制御部7によって、上記ステップS4と同様にして、上記回転スクロール表示が行われる。但し、上記ステップS9において表示された横バー13は、上記回転スクロールに伴って一緒に平行移動する。その場合、文字サークル表示領域12a上における上記長押しされた文字「ー」の位置が水平方向に移動する。そこで、ステップS13で、横バー表示制御部8によって、文字サークル表示制御部7からの情報に基づいて、移動後の文字「ー」の水平方向の位置を検知し、その検知した位置に応じて横バー13が右方向あるいは左方向にずらして表示される。そして、表示文字列もずらされる。そうした後、上記ステップS10にリターンして、目的文字の位置がタップされたか否かが判別される。ステップS14で、操作制御部3からの操作指示に基づいて、横バー13上における目的文字の位置が長押しされたか否かが判別される。その結果、長押しされていればステップS24に進む。一方、そうでなければステップS15に進む。
ステップS15で、上記操作制御部3からの操作指示に基づいて、横バー13に対する水平スクロールが指示されたか否かが判別される。その結果、水平スクロールが指示されていればステップS17に進み、そうでなければステップS16に進む。ステップS16で、上記ステップS8と同様にして、上記ステップS9あるいはステップS13において上記横バー表示が行われてから上記設定時間が経過したか否かが判別される。その結果、上記設定時間が経過していれば上記ステップS1にリターンして、横バー13が消去されると共に、文字サークル表示領域12a内の表示が上記初期表示に戻る。一方、そうでなければ、上記ステップS10にリターンして、目的文字の位置がタップされたか否かが判別される。
ステップS17で、上記横バー表示制御部8によって、操作制御部3からの操作指示に基づくスクロール方向とスクロール量とに応じて、文字表記データ記憶部4の第2分類記憶領域4bから読み出される5文字が順時繰り上げられあるいは繰り下げられて横バー13内に配置される。ここで、第2分類記憶領域4bからの文字読み出しは循環してエンドレスに行われる。こうして、水平スクロール表示が行われる。その場合、横バー13上を指ではじくフリック操作を可能にしても差し支えない。
ステップS18〜ステップS21で、上記ステップS10〜上記ステップS13と同様にして、目的文字の位置がタップされたか否かの判別、上記回転スクロールが指示されたか否かの判別、上記回転スクロール表示、および、上記回転スクロールに伴う横バー表示が行われる。そうした後、上記ステップS18にリターンして、目的文字の位置がタップされたか否かが判別される。
ステップS22で、上記ステップS14と同様にして、横バー13上における目的文字の位置が長押しされたか否かが判別される。その結果、長押しされていればステップS24に進む。一方、そうでなければステップS23に進む。ステップS23で、上記ステップS17において上記水平スクロール表示が行われてから、あるいは、上記ステップS21において上記横バー表示が行われてから、上記設定時間が経過したか否かが判別される。その結果、上記設定時間が経過していれば上記ステップS1にリターンして、横バー13が消去されると共に、文字サークル表示領域12a内の表示が上記初期表示に戻る。一方、経過していなければ上記ステップS18にリターンして、目的文字の位置がタップされたか否かが判別される。
ステップS24で、上記縦バー表示制御部9によって、操作制御部3からの操作指示に基づいて、図5(a)に示すように、横バー13上に表示されている文字列のうちの長押しされた文字の位置に変形文字数分の縦バー14が設定される。そして、文字表記データ記憶部4の第3分類記憶領域4cから、例えば長押しされた文字「つ」とその濁音「づ」と促音「っ」とでなる文字列「づつっ」が読み出されて、縦バー14内に配置される。こうして得られた縦バーの表示データがタッチパネル5に送出される。そうすると、タッチパネル5によって、表示画面11における横バー13上の長押しされた文字「つ」の位置に、第3文字列「づつっ」が、縦バー14と共に縦方向に一列に表示される。
ステップS25で、上記縦バー14上の目的文字の位置がタップされたか否かが判別される。その結果、タップされていればステップS27に進み、そうでなければステップS26に進む。ステップS26で、上記ステップS24において上記縦バー表示が行われてから、上記設定時間が経過したか否かが判別される。その結果、上記設定時間が経過していれば上記ステップS1にリターンして、横バー13および縦バー14が消去されると共に、文字サークル表示領域12a内の表示が上記初期表示に戻る。一方、経過していなければ上記ステップS24にリターンして、上記縦バー表示が継続される。
ステップS27で、上記タップされた位置の文字の表記データが、タップされた順に選択文字列格納部6に格納される。ステップS28で、横バー表示制御部8によって横バー13が消去され、縦バー表示制御部9によって縦バー14が消去される。ステップS29で、選択文字列格納部6に格納されている選択文字列の表記データがタッチパネル5に送出されて、タッチパネル5によって表示画面11上の上記選択文字列表示領域に表示される。
ステップS30で、上記操作制御部3からの操作指示に基づいて、上記表示された選択文字列が入力文字列として決定されたか否かが判別される。この決定は、ユーザがタッチパネル5の決定キーや変換キーを操作することによって行われる。その結果、入力文字列が決定されれば上記ステップS1にリターンして、文字サークル表示領域12a内の表示が上記初期表示に戻り、新たな文字列の入力に備える。一方、入力文字列が決定されなければ上記ステップS2にリターンして、次の文字入力に備える。
尚、上述に限るものではなく、「入力文字列が決定される」か「決定されていない」かには関係なく、「文字入力を継続する」か「文字入力を終了する」かの何れかに上記初期表示に戻るようにしてもよい。
すなわち、本実施の形態においては、上記入力文字設定手段を、上記ステップS27で構成するのである。
尚、上記文字入力処理動作のフローチャートにおいては、横バー13上の目的文字あるいは縦バー14上の目的文字の位置がタップされて選択された文字が選択文字列格納部6に格納された後は、文字サークル表示領域12a内の表示内容は変化しないようにしている。
すなわち、図9(a)に示すように、上記文字サークル表示領域12aに表示された文字列「あいうえお」のうちの文字「あ」が長押しされて、横バー13に文字列「あかさたな」が表示され、文字「た」がタップされて選択される。その場合には、文字サークル表示領域12aに表示される文字列は、図9(b)に示すように、「あいうえお」のままである。
しかしながら、この発明はこれに限定されるものではなく、選択された横バー13上の目的文字あるいは縦バー14上の目的文字を含む上記第1分類の文字列に変更して表示するようにしても、一向に構わない。
すなわち、図9(a)に示すように、横バー13に表示された文字列「あかさたな」のうちの文字「た」がタップされて選択された場合に、文字サークル表示領域12aに表示される文字列を、図9(c)に示すように、選択された文字「た」で始まる上記第1分類の文字列「たちつてと」に変更されるのである。
このように、上記横バー13に表示された文字列中の文字を選択した場合に、文字サークル表示領域12a上に表示される文字列を、選択された文字で始まる上記第1分類の文字列に変更することによって、次のような効果を奏することができる。すなわち、操作者は、横バー13に特定の文字(例えば「た」)を含む文字列「あかさたな」を表示させた後に、横バー13上の文字列「あかさたな」から特定文字「た」を選択することにより、文字サークル表示領域12a上に意図的に特定文字「た」を表示させることが可能になる。こうして、操作者は、文字サークル表示領域12a上に、意図的に、特定の文字を、簡単に短時間で表示させることができるのである。
その場合、操作者が、意図的に、上記文字サークル表示領域12a内の表示内容を変化させたり、変化させなかったりすることを可能にすることもできる。
すなわち、図9(a)に示すように、横バー13に表示された文字列「あかさたな」のうち、文字サークル表示領域12a上には無い文字「た」がタップされて選択された場合には、文字サークル表示領域12aに表示される文字列は、図9(b)に示すように、「あいうえお」のままである。これに対し、図9(a)に示すように横バー13に表示された文字列「あかさたな」に対して水平スクロールを行って、図9(d)に示すように目的文字「た」を文字サークル表示領域12a上に位置させた後、文字サークル表示領域12a上にある文字「た」がタップされて選択された場合には、文字サークル表示領域12aに表示される文字列は、図9(c)に示すように、選択された文字「た」で始まる上記第1分類の文字列「たちつてと」に変更するのである。こうして、上記横バー13に表示された文字列中の文字を選択する場合に、横バー13上の文字列中の何れの文字を選択するかによって、操作者は、文字サークル表示領域12a上の文字列の変更および非変更を選択することができるのである。
次に、上記文字入力処理動作のフローチャートの上記ステップS9において実行される横バー表示処理動作について説明する。
図10および図11は、上記横バー表示処理動作のフローチャートである。また、図12は、表示画面11の左下角を原点とし、表示画面11の下辺をx軸とし、表示画面11の左辺をy軸として、文字サークル表示領域12a上に表示される文字の位置を表す座標を示す。ここで、予め文字サークル表示領域12a上に表示される各文字の中心のx座標が求められて、上記データメモリに格納されているものとする。また、図12には、上記文字サークル表示領域12aに表示されている上記第1分類の第1文字列「あいうえお」の前後に、横バー13に表示される上記第2分類の文字列が記載されている。
以下、図10〜図12に従って、横バー表示処理動作について説明する。上記文字入力処理動作のフローチャートの上記ステップS7において、長押しが行われたと判別されると、横バー表示処理動作がスタートする。
ステップS31で、上記操作制御部3からの操作指示に基づいて、長押しされた文字のx座標が取り込まれる。ステップS32で、上記取り込まれたx座標と、上記データメモリに格納されている文字サークル表示領域12a上の各文字のx座標とが比較されて、上記長押しされた文字が文字サークル表示領域12a上の何れの位置にあるかが求められる。
ステップS33で、上記長押しされた文字が、文字サークル表示領域12aに表示された5文字のうちの左端の文字か否かが判別される。その結果、左端の文字であればステップS34に進み、そうでなければステップS36に進む。ステップS34で、文字サークル表示領域12aにおける長押し文字の後側(右側)に4文字分の長さの横バー13が設定される。こうして、長押し文字を含めて5文字分の長さの横バー13が設定されるのである。
ステップS35で、上記文字表記データ記憶部4の第2分類記憶領域4bから、長押し文字の後側に続く4文字が読み出される。例えば、図12おいて、文字サークル表示領域12aに表示された5文字「あいうえお」のうちの左端の文字は「あ」であるから、図6における第2分類記憶領域4bから、長押し文字「あ」の後側に続く4文字「かさたな」が読み出されるのである。そうした後、ステップS47に進む。
ステップS36で、上記長押しされた文字が、文字サークル表示領域12aに表示された5文字のうちの左から2番目の文字か否かが判別される。その結果、左から2番目の文字であればステップS37に進み、そうでなければステップS39に進む。ステップS37で、文字サークル表示領域12aにおける長押し文字の後側(右側)に3文字分、前側(左側)に1文字分の長さの横バー13が設定される。こうして、長押し文字を含めて5文字分の長さの横バー13が設定されるのである。
ステップS38で、上記文字表記データ記憶部4の第2分類記憶領域4bから、長押し文字の前に続く1文字と後に続く3文字とが読み出される。例えば、図12において、左から2番目の文字は「い」であるから、図6における第2分類記憶領域4bから、長押し文字「い」の前に続く1文字「ー」と後に続く3文字「きしち」が読み出されるのである。そうした後、ステップS47に進む。
ステップS39で、上記長押しされた文字が、文字サークル表示領域12aに表示された5文字のうちの中央の文字か否かが判別される。その結果、中央の文字であればステップS40に進み、そうでなければステップS42に進む。ステップS40で、文字サークル表示領域12aにおける長押し文字の後側(右側)に2文字分、前側(左側)に2文字分の長さの横バー13が設定される。こうして、長押し文字を含めて5文字分の長さの横バー13が設定されるのである。
ステップS41で、上記文字表記データ記憶部4の第2分類記憶領域4bから、長押し文字の前に続く2文字と後に続く2文字とが読み出される。例えば、図12において、中央の文字は「う」であるから、図6における第2分類記憶領域4bから、長押し文字「う」の前に続く2文字「んー」と後に続く2文字「くす」が読み出されるのである。そうした後、ステップS47に進む。
ステップS42で、上記長押しされた文字が、文字サークル表示領域12aに表示された5文字のうちの左から4番目の文字か否かが判別される。その結果、左から4番目の文字であればステップS43に進み、そうでなければステップS45に進む。ステップS43で、文字サークル表示領域12aにおける長押し文字の後側(右側)に1文字分、前側(左側)に3文字分の長さの横バー13が設定される。こうして、長押し文字を含めて5文字分の長さの横バー13が設定されるのである。
ステップS44で、上記文字表記データ記憶部4の第2分類記憶領域4bから、長押し文字の前に続く3文字と後に続く1文字とが読み出される。例えば、図12において、左から4番目の文字は「え」であるから、図6における第2分類記憶領域4bから、長押し文字「え」の前に続く3文字「れんー」と後に続く1文字「け」が読み出されるのである。そうした後、ステップS47に進む。
ステップS45で、上記文字サークル表示領域12aにおける長押し文字の前側(左側)に4文字分の長さの横バー13が設定される。こうして、長押し文字を含めて5文字分の長さの横バー13が設定されるのである。
ステップS46で、上記文字表記データ記憶部4の第2分類記憶領域4bから、長押し文字の前に続く4文字が読み出される。例えば、図12において、右端の文字は「お」であるから、図6における第2分類記憶領域4bから長押し文字「お」の前に続く4文字「ろをんー」が読み出されるのである。
ステップS47で、上記各設定された横バー13内に上記各読み出された上記第2分類の文字列が配置される。ステップS48で、上記ステップS47において得られた横バーの表示データがタッチパネル5に送出される。そうした後、上記文字入力処理動作のフローチャートの上記ステップS10にリターンする。
以下、図7および図8に従って、仮名文字「つばめ」を入力する場合を例に挙げて、本文字入力処理動作について具体的に説明する。尚、以下の説明においては、横バー13上の目的文字あるいは縦バー14上の目的文字の位置がタップされて選択された文字が選択文字列格納部6に格納された後は、文字サークル表示領域12a内の文字列を、この選択された文字を含む上記第1分類の文字列に変更して表示する場合を例示する。
先ず、上記文字入力処理動作のフローチャートにおける上記ステップS1によって、図13(a)に示すように、表示画面11における左下角に上記第1分類の第1文字列「あいうえお」が、上記初期表示として円弧状に表示される。そして、図13(a)において、操作者が一文字分だけ左回りに回転スクロールを行った後に文字「う」を長押しすると、上記ステップS2〜S7およびS9によって、図13(b)に示すように、文字サークル表示領域12a上に表示されている第1文字列「いうえおか」のうちの長押しされた文字「う」の位置に、文字「う」が含まれる上記第2分類の第2文字列「ーうくすつ」を含む横バー13が表示される。この場合、長押しした指を離しても横バー13の表示は継続される。
そして、操作者が、図14(a)に示すように、上記表示されている横バー13上の文字「つ」をタップすると、ステップS10,S27〜S29によって、タップされた文字「つ」が選択文字列格納部6に格納され、図15に示すように、表示画面11上の選択文字列表示領域15に表示される。
あるいは、操作者が、表示されている上記横バー13を左スクロールして、横バー13の表示内容を、目的とする文字「つ」が文字サークル表示領域12a上に位置するようにする。そうすると、ステップS10,S11,S14,S15,S17によって、図14(b)に示すように、横バー13の表示内容が、文字「つ」が文字サークル表示領域12a上に位置するような上記第2分類の文字列「すつぬふむ」に変更される。そして、操作者が、表示されている横バー13上の文字「つ」をタップすると、ステップS18,S27〜S29によって、タップされた文字「つ」が選択文字列格納部6に格納され、図15に示すように、表示画面11上の選択文字列表示領域15に表示される。
こうして、入力文字「つ」が選択されると、図16に示すように、文字サークル表示領域12a上の表示が、入力文字「つ」を含む上記第1分類の第1文字列「たちつてと」に変更される。
次に、図17に示すように、操作者が、文字「た」を長押しすると、上記ステップS2〜S7,S9によって、図18に示すように、文字サークル表示領域12a上に表示されている文字列「たちつてと」のうちの長押しされた文字「た」の位置に、上記第2分類の第2文字列「たなはまや」を含む横バー13が表示される。さらに、操作者が、横バー13上の文字「は」を長押しすると、上記ステップS10,S11,S14,S24によって、図19に示すように、横バー13上の長押しされた文字「は」の位置に、文字「は」の上記第3分類の第3文字列「ばはぱ」を含む縦バー14が表示される。
そして、操作者が、指を縦バー13上をスライドさせて文字「ば」をタップすると、ステップS25,S27〜S29によって、タップされた文字「ば」が選択文字列格納部6に格納され、図20に示すように、表示画面11上の選択文字列表示領域15に、先に選択された文字「つ」と共に「つば」と表示される。
こうして、入力文字「ば」が選択されると、図21に示すように、文字サークル表示領域12a上の表示が、入力文字「ば」の基本文字「は」を含む上記第1分類の文字列「はひふへほ」に変更される。
次に、操作者が、上記文字サークル表示領域12aを指で押しなぞって左方向に回転スクロールさせると、上記ステップS2〜S4によって、図22(a)に示すように、文字サークル表示領域12aの表示内容が、目的とする文字「め」を含む上記第1分類の第1文字列「ほまみむめ」に変更される。そして、操作者が、表示されている文字サークル表示領域12a上の目的の文字「め」をタップすると、ステップS5,S27〜S29によって、タップされた文字「め」が選択文字列格納部6に格納され、図23に示すように、表示画面11の選択文字列表示領域15に、先に選択された文字「つば」と共に「つばめ」と表示される。
あるいは、操作者が、表示されている上記文字サークル表示領域12a上の文字「へ」を長押しすると、上記ステップS2〜S7およびS9によって、図22(b)に示すように、文字サークル表示領域12a上の長押しされた文字「へ」の位置に、上記第2分類の第2文字列「せてねへめ」を含む横バー13が表示される。そして、操作者が、表示されている横バー13上の目的の文字「め」をタップすると、ステップS10,S27〜S29によって、タップされた文字「め」が選択文字列格納部6に格納され、図23に示すように、表示画面11の選択文字列表示領域15に、先に選択された文字「つば」と共に「つばめ」と表示される。
こうして、文字列「つばめ」が入力されるのである。
以上のごとく、本実施の形態においては、日本語の仮名文字を、第1分類と第2分類と第3分類とに分類分けする。ここで、上記第1分類とは、日本語の仮名文字を50音に並べた場合に、子音に基づく縦方向の5文字の並び「あいうえお」,「かきくけこ」…を、順に直列に接続して成る文字列「あいうえおかきくけこ…」である。また、上記第2分類とは、仮名文字を50音に並べた場合に、母音に基づく横方向の12文字の並び「あかさたなはまやらわんー」,「いきしちにひみりんー」…を、母音別に配列して成る文字列である。また、上記第3分類とは、濁音,促音,小文字等の変化文字である。
そして、このように分類された仮名文字の表記データを、文字表記データ記憶部4に、上記第1分類の文字は第1分類記憶領域4aに、上記第2分類の文字は第2分類記憶領域4bに、上記第3分類の文字は第3分類記憶領域4cに、分類して記憶して管理するようにしている。
そして、操作者がタッチパネル5に対して文字入力が必要な操作を行った場合には、先ず、文字サークル表示制御部7によって、表示画面11における左下角に、左手の親指が届く程度の半径を有する円弧の1/4で成る文字サークル表示領域12aが設定され、文字表記データ記憶部4の第1分類記憶領域4aから、上記第1分類の文字列が読み出されて文字サークル表示領域12a内に円弧状に表示するようにしている。さらに、文字サークル表示制御部7は、操作者が指で文字サークル表示領域12a上を押しなぞった場合に、文字サークル表示領域12a上の表示文字列を回転スクロールするようにしている。
そして、操作者が、上記文字サークル表示領域12a上に表示されている一文字を長押しすると、横バー表示制御部8によって、長押しされた文字の位置に横方向に予め設定された長さで延在する横バー13が設定され、文字表記データ記憶部4の第2分類記憶領域4bから、上記長押しされた文字が含まれる上記第2分類の文字列が読み出されて横バー13内に横方向一列に表示するようにしている。さらに、横バー表示制御部8は、操作者が指で横バー13上を押しなぞった場合に、横バー13上の表示文字列を水平スクロールするようにしている。
したがって、操作者は、目的とする文字(目的文字)が含まれる上記第2分類の文字列中の何れかの文字(第2分類文字)が、上記文字サークル表示領域12a上に表示されるまで回転スクロールを行う。そして、上記第2分類文字が表示されたら、当該第2分類文字を長押しして、上記目的文字が含まれる当該第2分類の文字列を横バー13内に表示させることができ、この表示された上記目的文字をタップすることによって入力することができる。
すなわち、上記構成によれば、左手の親指のみの操作で、日本語の仮名文字を入力すること可能になる。然も、横バー13を表示することにより、文字サークル表示領域12aに上記目的文字が表示されるまで、ひたすら文字サークル表示領域12aを回転スクロールし続ける必要が無く、簡単に文字入力を行うことができるのである。
また、その際に、表示された横バー13も、左手の親指のみの操作で水平スクロールさせることができる。したがって、より確実に、片手での文字入力を可能にすることができるのである。
また、上記横バー表示制御部8によって横バー13が表示されている際に、操作者が文字サークル表示領域12a上を指で押しなぞって上記回転スクロールを指示した場合は、文字サークル表示制御部7および横バー表示制御部8によって、表示されている横バー13は、上記回転スクロールに伴って、文字サークル表示領域12a上の表示文字列の移動と一緒に平行移動するようにしている。
したがって、表示されている横バー13の位置が左手の親指で操作し難い位置にある場合に、単に上記回転スクロールを行うだけで操作し易い位置に移動させることができ、文字入力時の操作性をさらに高めることができる。
また、上記横バー表示制御部8によって横バー13が表示されている際に、操作者が横バー13上に表示されている一文字を長押しすると、縦バー表示制御部9によって、長押しされた文字の位置に縦方向に変形文字数に応じた長さで延在する文字列表示領域で成る縦バー14が設定され、文字表記データ記憶部4の第3分類記憶領域4cから上記長押しされた文字が含まれる上記第3分類の文字列が読み出されて、縦バー14内に縦方向一列に表示するようにしている。
したがって、例えば、文字「は」の濁音「ば」や半濁音「ぱ」を表示させる場合、文字「は」を選択して変換させる等の煩わしい操作は必要なく、文字入力の利便性をさらに高めることができる。
また、上記横バー13上の目的文字あるいは縦バー14上の目的文字の位置がタップされて選択された場合には、文字サークル表示領域12a内の表示内容を、選択された上記目的文字を含む上記第1分類の文字列に変更するようにしている。したがって、上記横バー13上に上記目的文字を含む第2分類の文字列を表示させ、横バー13上の文字列から上記目的文字を選択することによって、操作者は、文字サークル表示領域12a上に、意図的に、上記目的とする文字を、簡単に且つ短時間で表示させることが可能になる。
また、上記横バー表示制御部8は、横バー13を表示する際に、長押しされた文字の文字サークル表示領域12a上の左端からの水平方向の位置に応じて、横バー13を左方向にずらして(左寄りに)表示するようにしている。つまり、表示画面11上における横バー13の表示位置を、文字サークル表示領域12a上における長押しされた文字の水平方向左端からの距離と、横バー13上における上記長押しされた文字の水平方向左端からの距離とが、正の相関関係を有するように設定している。
したがって、図4に示すように、上記長押しされた文字が文字サークル表示領域12aの左端側に位置する場合でも、右端側に位置する場合であっても、横バー13aおよび横バー13bの水平方向の位置は略同じ位置にある。そのため、長押しされる文字が文字サークル表示領域12a上の何れの位置にあっても、左手の親指のみで横バー13上の文字を容易にタップすることが可能になる。さらに、横バー13の表示画面11上での占有面積を小さくすることができる。
ところで、本実施の形態における上記CPUによる表示制御部2,文字サークル表示制御部7,横バー表示制御部8,縦バー表示制御部9および操作制御部3としての機能は、プログラム記録媒体に記録された文字入力プログラムによって実現される。本実施の形態における上記プログラム記録媒体は、ROM(リード・オンリ・メモリ)でなるプログラムメディアである。または、上記外部補助記憶装置に装着されて読み出されるプログラムメディアであってもよい。
尚、上記実施の形態においては、特に詳述はしていないが、上記タッチパネル5の表示画面11に、文字サークル表示領域12aあるいは文字サークル表示領域12bが表示される前に、アプリケーションプログラム等によって表示されている画像は、文字サークル表示領域12aあるいは文字サークル表示領域12bを透して、透けて見えるようになっている。勿論、元々表示されている画像は文字サークル表示領域12aあるいは文字サークル表示領域12bを透して見えないようにして、文字入力動作を容易にしても一向に構わない。
また、上記実施の形態においては、上記文字サークル表示領域12aを円弧の1/4で構成しているが、上記円弧状第1文字列表示制御手段においては必ずしも1/4である必要はなく、適宜最適な値に設定すればよい。さらに、必ずしも円弧である必要はなく、円弧に近い楕円弧等であってもよい。
また、上記実施の形態においては、上記文字サークル表示領域12a,横バー13および縦バー14を上記第1文字列,第2文字列および第3文字列と共に表示するようにしている。しかしながら、文字サークル表示領域12a,横バー13および縦バー14は、必ずしも表示する必要はない。つまり、上記第1文字列,第2文字列および第3文字列のみを枠無しで表示しても差し支えない。
また、上記実施の形態においては、日本語の仮名文字の入力を例に挙げて説明したが、少なくとも第1分類と第2分類とに分類分けすることが可能な文字であれば、本文字入力装置を適用することが可能である。
例えば、アルファベットの場合には、大文字の並びを第1分類とし、小文字やドイツ語のウムラウト記号やフランス語のアクサン記号が付いた変形文字を第2分類とすることができる。そして、上記各分類を、図24に示すように、文字表記データ記憶部4の第1分類記憶領域4aと第2分類記憶領域4bとに格納する。尚、この場合には、縦バー表示制御部9による上記第3分類の文字列を含む縦バーの表示は、行う必要はない。
さらに、数字の場合には、アラビア数字の並びを第1分類とし、ローマ数字や漢数字等を第2分類とすることができる。
また、上記実施の形態においては、上記文字サークル表示領域12aおよび横バー13に同時に表示される文字数を5文字としているが、上記円弧状第1文字列表示制御手段および横バー状第2文字列表示制御手段においては5文字に限定されるものではない。入力の対象となる文字種や指の太さ等に応じて適宜変更しても一向に構わない。その場合に、タッチパネル5に表示文字列数入力部を設け、5文字や7文字等の文字数を入力設定可能に構成してもよい。
また、上記実施の形態においては、上記横バー表示制御部8によって横バー13を表示する場合には、文字サークル表示領域12a上に表示されている一文字を長押しするようにしている。しかしながら、この発明は「長押し」に限定されるものではない。例えば、文字サークル表示領域12aに表示されている一文字上を、横バー13の表示方向に指で押しながらスライドする(なぞる)ようにしても構わない。
また、上記実施の形態においては、上記横バー表示制御部8によって実行される横バー表示処理動作では、図12に示すように、文字サークル表示領域12a上に表示される各文字のx座標に基づいて、文字サークル表示領域12a上の文字位置を判定するようにしている。しかしながら、この発明はこれに限定されるものではない。文字サークル表示領域12a上に表示されている文字のx方向の位置とy方向の位置とには逆相関があるため上記各文字のy座標に基づいて判定することも可能である。また、図12におけるx軸あるいはy軸からの角度に基づいて、文字サークル表示領域12a上の文字位置を判定することも可能である。
また、上記実施の形態においては、文字入力装置1をスマートフォン(商品名),携帯電話およびタブレット端末等の携帯情報装置に搭載するようにしているが、携帯情報装置以外の情報装置にも搭載することは可能である。