JP5959448B2 - 2軸押出機の制振機構及び制振方法 - Google Patents

2軸押出機の制振機構及び制振方法 Download PDF

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Description

本発明は、2軸押出機の制振機構及び制振方法に関するものである。
ポリエチレンやポリプロピレンなどの合成樹脂を混合する際や、このような合成樹脂に充填剤などを混合する際には、2軸押出機が用いられる。この2軸押出機は、一般に軸径に対する軸長さの比(L/D)が大きな長尺のスクリュを1組備えており、バレルもこのスクリュを収容できるように長尺な筒状に形成されている。
このような2軸押出機に対して、近年は、生産性向上を目的として、混練スクリュを高回転にしたり、ダイから押し出される材料の押出量(生産量)や押出圧(吐出圧)を大きくしたりするニーズが高まっており、混練スクリュを高速化(高回転化)しても問題が起きないようなより高い機械信頼性が求められるようになっている。
上述した2軸押出機に求められるニーズに対して特に問題となるのが、バレルの振動に関するものである。このバレルに発生する振動には、材料の混練時に加振力が増大して発生するものと、高速運転時にバレルが共振して発生するものとの2つが知られている。
例えば、新たな添加剤などを配合して新材料開発が進んだ結果、2軸押出機に供給される材料はさらに混練が困難となっており、高速運転せずとも新材料混練というだけでバレルに加わる加振力は増大する傾向にある。このように混練時にバレルに加わる加振力が増大すると、バレルに振動が発生する。この加振力により発生する振動は、図5に示すようにバレル先端が大きく水平振動させるものとなる。というのも、二軸押出機では数箇所のサポートでバレルをベースに固定するバレルサポート構造が採用されるので、バレルの剛性は前後、鉛直方向に比べて水平方向の方が低くなり、またバレル先端のダイ質量が大きいため、特にバレル先端が大きく水平振動する固有モードが最低次に発生するからである。
一方、上述した加振力は、バレル内で材料を混練押出する際に、材料を投入するホッパからストランドを形成するダイまでのバレル全体に混練による反力として作用する。そして、混練スクリュの運転速度が高回転になると、混練反力によるバレルの振動が共振により増幅され、上述した大きな水平振動とは別の振動が発生する。この振動は、例えば混練翼が2条の場合は、混練スクリュ回転数の2倍成分が主体となる。つまり、従来以上の回転数で混練スクリュを高速運転させ、混練による加振周波数が増大すると、水平振動の固有モードは混練スクリュの回転数の2倍成分で励起され、共振を起こすようになる。このことは実機でも実際に確認されている。
上述した2つの振動が顕著に現れると、均一なストランド形成に影響が出ると共に、他の機械部品の疲労寿命や磨耗にも影響が出てくることが予想される。そのため、高速運転時のバレル共振だけでなく、新材料混練時の加振力増大をも想定して振動を抑制できる手法の開発が望まれている。
なお、バレルの振動を抑制する手段としては、バレルサポートの剛性をアップさせて共振を回避したり、バレルサポートなどにバネやダンパーなどの動吸振器を設けたりする手段が一般に採用される。しかしながら、前者はバレルサポート全体の改造が必要でコストアップになり、今後の更なる高速化を考慮すれば、設置スペースの制約によって対応が困難になる可能性がある。また、後者については、比較的広い周波数範囲で振動抑制が可能であり、可変速仕様の2軸押出機には向くものの、ヒータなどにより200℃近くまで加熱されるバレル周辺では十分な減衰能力を発揮できないという問題がある。
また、特許文献1や特許文献2のように、周波数によらず振動を低減する手段として、インパクトダンパーを設けてバレルの振動を抑制することも可能である。このインパクトダンパーは、衝突エネルギーで振動を散逸させるものであり、圧縮機のスクリュなどに用いることも既に開示されている。
特開2011−196369号公報 特開2011−256973号公報
ところで、特許文献1や特許文献2のインパクトダンパーは、上述したバレル先端が大きく水平振動する固有モードには有効なものの、高速運転時に起こるバレルの共振により発生する振動のように周波数が50Hzを超える振動、言い換えれば振幅が小さくて、衝突が発生し難いような振動には不向きである。ところが、2軸押出機でスクリュの高回転化を目指すと周波数が50Hz以上の振動が発生することが多く、振動を十分に抑制できないという問題があった。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、2軸押出機においてスクリュの高回転などを行った際に発生する振動を確実に防止することができる2軸押出機の制振機構及び制振方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、本発明は次の技術的手段を講じている。
即ち、本発明の2軸押出機の制振機構は、互いに回転する一対の混練スクリュと、これら一対の混練スクリュを内部に収容可能な筒状長尺のバレルと、前記バレルの一端側を支持すると共に前記一対の混練スクリュに回転駆動力を付与する駆動装置とを有する2軸押出機に備えられた制振機構であって、前記バレルの長手方向の他端側には、バレルの外周面から上方に向かって突出する上方突出部が設けられており、前記上方突出部には、摩擦力と衝撃力とを発生させて前記バレルの振動を抑制する制振部材が設けられていて、前記制振部材は、プレート形状を呈し且つ所定の質量を備えた質量部材が複数積層されてなり、前記積層された質量部材に対して下方に押圧力を加えることにより、複数の質量部材同士が摺動し合うことで前記摩擦力を発生させると共に、前記質量部材の端縁が上方突出部の側面に衝突することで前記衝撃力を発生させる構成とされていることを特徴とするものである。
なお、好ましくは、前記バレルは、バレルの外周面から上方に向かって突出するベントを軸方向に複数備えており、前記複数のベントのうち、前記バレルの長手方向で最も他端側に位置するベントが、前記上方突出部とされているとよい。
なお、好ましくは、前記質量部材は、前記上方突出部の周囲を取り囲むと共に、前記上方突出部の側面との間に隙間をあけて配備されているとよい。
なお、好ましくは、前記制振部材は、積層された質量部材に対して下方に押圧力を加えることにより、前記質量部材間に作用する摩擦力を調整可能な押圧手段を有しているとよい。
一方、本発明の2軸押出機の制振方法は、互いに回転する一対の混練スクリュと、これら一対の混練スクリュを内部に収容可能な筒状長尺のバレルと、前記バレルの一端側を支持すると共に前記一対の混練スクリュに回転駆動力を付与する駆動装置とを有する2軸押出機に対して、上述の制振機構を用いて、前記バレルの振動を抑制することを特徴とする。
本発明の2軸押出機の制振機構及び制振方法によれば、2軸押出機においてスクリュの高回転などを行った際に発生する振動を確実に防止することができる。
本発明の制振機構が設けられた2軸押出機の正面断面図である。 図1のB−B線の断面図である。 図1のA部分を拡大した図である。 制振部材の変形例を示す図である。 2軸押出機の水平1次振動モードを示した図である。
本発明の制振機構1は、2軸押出機2に設けられて、2軸押出機2のバレル3に発生する振動を抑制するものである。
具体的には、図1及び図2に示すように、本発明の制振機構1が設けられる2軸押出機2は、互いに回転する一対の混練スクリュ4、4と、これら一対の混練スクリュ4、4を内部に収容可能な長尺な筒状のバレル3と、バレル3の一端側を支持すると共に一対の混練スクリュ4、4に回転駆動力を付与する駆動装置5とを有している。また、このバレル3の長手方向の他端側には、バレル3の外周面から上方に向かって突出する上方突出部6が設けられており、この上方突出部6に本発明の制振機構1が設けられている。
以降では、制振機構1の説明に先立ち、制振機構1が設けられた2軸押出機2についてまず説明する。
上述したように2軸押出機2は、内部が空洞とされたバレル3と、このバレル3内に収容される一対の混練スクリュ4、4と、を備えている。これらのバレル3と混練スクリュ4とは、いずれも長尺に形成されており、水平方向に軸心を向けるようにして配備されている。
なお、以降の説明において、図1の紙面の右側を2軸押出機2を説明する際の上流側とし、紙面の左側を下流側とする。また、図1の紙面の左右方向を2軸押出機2を説明する際の軸方向とする。
バレル3は、水平方向に沿って長尺な筒状に形成されている。バレル3の内部は軸垂直方向に切断した断面が2つの円弧が連なるようなめがね形状の空洞となっている。このバレル3内部の空洞には、混練スクリュ4が収容可されており、また混練スクリュ4とバレル3の内壁面との間に材料を供給して混練ができるようになっている。
バレル3の軸方向の上流側(一方側)にはバレル3内に材料を供給するホッパ7が設けられている。また、バレル3の軸方向の下流側(他方側)には混練された材料をバレル3外へ押し出すダイ(図示略)が備えられている。2軸押出機1では、このダイから押し出された材料を冷却したり切断したりすることで、ストランドやペレットを加工できるようになっている。
さらに、ダイとホッパ7との間に位置するバレル3の外周面、言い換えればダイよりやや上流側に位置するバレル3の外周面には、バレル3内で混練された材料から発生する余計な空気や水分などをバレル3外へ排気するベント9が設けられている。このベント9は、バレル3の上面から上方に向かって伸びる筒状の部材(上方突出部6)であり、バレル3の内部からヒュームを排気できるようになっている。ベント9の上端には、外方に向かって水平方向に広がるフランジ状のフランジ部10が形成されており、このフランジ部10を利用して後述する制振機構1が取り付けられるようになっている。
図2に示すように、混練スクリュ4は、バレル3内に供給された材料を混練する部材である。混練スクリュ4は、上述したように空洞とされたバレル3の内部を挿通するように左右一対設けられており、各混練スクリュ4は水平方向を向く軸回りに回転自在に配備されていて、バレル3内で回転することによりバレル3内に供給された材料を混練できるようになっている。混練スクリュ4は、各混練スクリュ4の回転中心がバレル3の空洞をなす上記した2つの円の各中心と一致するように設けられている。一対の混練スクリュ4、4は、互いに機能が異なる複数種の混練フライト11を軸方向に備えている。
混練スクリュ4は、回転中心を基準として周方向に180°の位相差を有するように2条の混練フライト11を有しており、軸垂直方向に沿った断面が楕円形となる断面形状を備えている。また、これら一対の混練スクリュ4、4のそれぞれは互いに同方向に向かって回転しており、一方の混練スクリュ4の混練フライト11と他方の混練スクリュ4の混練フライト11とは互いに回転位相が90°ずれて回転する構成とされている。
これらの混練スクリュ4は、軸方向の一端側(上流側)に配備された駆動装置5によって回転させられている。
駆動装置5は、バレル3の一端側(上流側)を支持すると共に混練スクリュ4に回転駆動力を付与するものである。駆動装置5は図示しないモータなどで発生した回転駆動力を減速して一対の混練スクリュ4、4のそれぞれに伝達する構成とされており、駆動装置5
とは反対側の混練スクリュ4には支持機構が設けられていない。つまり、混練スクリュ4は、下流側先端が軸受等で支持されていない「片持ち構造」になっており、上流側も駆動装置5の内部に設けられた減速機出口近傍に備えられた軸受等で支持されている。
一方、バレル3の他端側(下流側)は、バレルサポート12という支持構造物により支持されている。バレルサポート12は基礎上に立設するように設けられ、バレルサポート12の上端がバレル3の下面に接続され、バレル3を下方から支えるようになっている。
このように、バレル3の他端側はバレルサポート12により支持されてはいるものの、「発明が解決しようとする課題」にて精説した如く、混練スクリュ4の片持ち構造に起因して振動が発生しやすいものとなっている。
そこで、上述したバレル3の他端側の振動を抑制すべく、本発明の2軸押出機2には次に示すような制振機構1が設けられている。
つまり、本発明の制振機構1は、摩擦力と衝撃力とを発生させてバレル3の振動を抑制する制振部材13から構成されている。そして、この制振機構1は、バレル3の長手方向の他端側に、バレル3の外周面から上方に向かって突出する上方突出部6を設けておき(既設の上方突出部6であってもよい)、この上方突出部6に設けられてバレル3の振動を抑制する構成となっている。
次に、本発明の制振機構1の構成を詳しく説明する。
図3に示すように、制振部材13は、プレート形状を呈し且つ所定の質量を備えた複数(本実施形態では3枚)の質量部材14からなる。これら複数の質量部材14は、互いに上下に積層されている。そして、積層された質量部材14に対して下方に押圧力を加える押圧手段15が、制振部材13には設けられている。
質量部材14は、ステンレスや鋼材などの金属を用いてある程度の重みを持つように形成されており、積層されることで、上側の質量部材14が下側の質量部材14に一定の押圧力を加えることができる構成となっている。この構造であれば、バレル3が振動した際に積層された質量部材14同士が互いに摺動し合い、振動方向とは逆方向に摩擦力が発生して、発生した摩擦力で振動を減衰してバレル3の振動を抑制することが可能となる。この摩擦力による振動の減衰は、共振が起こった場合のように比較的周波数が高い振動に対しても有効となる。というのも、周波数が高い振動は振幅が小さく、インパクトダンパーのような衝撃力により制振する方式では効果的な減衰ができない。ところが、摩擦力は振幅が小さくても質量部材14間に有効に働き、周波数が高い振動に対しても十分な制振効果を発揮する。
一方、質量部材14は、金属などで板状(プレート形状)に形成されており、中央に上述した上方突出部6(ベント9)を遊挿できる程度の開口部16が形成されている。この開口部16は、上方突出部6の外形に合わせた形状とされており、例えば上方突出部6が円筒状である場合は円形に開口するように形成され、また上方突出部6が角筒状である場合は角形に開口するように形成されている。また、開口部16の開口寸法は上方突出部6の外寸よりも大きく設定されており、開口部16と上方突出部6との間に隙間が形成されている。
このように、質量部材14の開口部16と上方突出部6との間に隙間を設けておけば、振動が加えられた際に質量部材14が隙間の分だけ移動して、質量部材14が開口部16の開口縁に衝突して振動方向とは逆方向に衝撃力が発生し、発生した衝撃力で振動を減衰してバレル3の振動を抑制することが可能となる。この衝撃力による振動の減衰は、それぞれの質量部材14をいわゆる「インパクトダンパー」として作用させて得られるものであり、バレル3などに加えられる加振力が増大した場合のように比較的周波数が低い振動に対しても有効な振動減衰作用を発揮する。
押圧手段15は、積層された質量部材14に対して下方に押圧力を加えることにより、質量部材14間に作用する摩擦力を調整して、制振部材13により発生する摩擦力を調整するものである。
具体的には、押圧手段15は、例えば下方に付勢力を発揮可能なバネなどの部材から構成されており、積層された質量部材14のうち、最も上側に積層された質量部材14に対
して、上方から押圧力を付加できるようになっている。このように押圧手段15により押圧力を加えれば、質量部材14の重量に加えて下方向への押圧手段15の押圧力が加わり、質量部材14間で発生する摩擦力を自由に調整することが可能となる。
上記した制振部材13が取り付けられる上方突出部6は、バレル3の外周面から上方に向かって突出する構造物や部材であり、バレル3に対して制振部材13を取り付けるために形成されている。具体的には、上方突出部6は、制振部材13の取付が可能となるような厚みを上下方向に確保するために形成されており、例えば上方突出部6の突端側に制振部材13の上端を、また上方突出部6の基端側に制振部材13の下端を取り付けることで、厚みがある制振部材13であっても容易に取り付けることが可能となっている。
本実施形態の場合、上方突出部6として、バレル3の上面に設けられたベント9が採用されている。つまり、本実施形態の制振部材13は、外方に向かって張り出したベント9のフランジ部10と、バレル3上面(バレル3外周面)との間に、複数の質量部材14と押圧手段15とを挟み込むようにして上述した取り付けることができるようになっている。
なお、バレル3の外周面に軸方向に沿って複数のベント9が設けられている場合は、軸方向の最も下流側、言い換えれば最もダイ8側に位置するベント9を上方突出部6として利用するとよい。また、ベント9が全く設けられていないバレル3に対しては、バレル3の下流側の外周面に上方に向かって突出した上方突出部6を新たに設け、新たに設けた上方突出部6に対して制振部材13を取り付けても良い。
ところで、上述した実施形態では、バレル3の周囲を全周に亘って取り囲む円環状(環状)の質量部材14の例を挙げた。しかし、ベント9に対しては、材料混練中に発生する空気や水分を除去するための配管、空気や水分などを吸い込んで除去するポンプなどへの配線、あるいは計器類などを設けるスペースを確保しなくてはならない。それゆえ、図4(a)に示すようにベント9の周囲を全周に亘って取り囲むのではなく、質量部材14の形状を周方向の一部を切り欠いたような形状(平面視で略C字状やU字状)とし、ベント9の周囲に配線などを設置するスペースを確保する。
また、図4(b)に示すようにベント9の形状が角状である場合は、断面が四角い(上方視で口字状)の質量部材14を有する制振部材13を採用することもできる。
さらに、図4(c)に示すように、例えば平面視で「コ字状」または「U字状」の2つの質量部材14を互いに組み合わせて、両者をボルト17などでつなぎ合わせる構成を採用することもできる。2つの質量部材14の組み合わせ方は、図4(d)に示すように一方の質量部材14の端部に他方の質量部材14の端部を重ねてボルト17で締結しても良いし、それぞれの質量部材14の端部を段差状に形成しておいて、凹凸同士を互いに突き合わせるようにそれぞれの端部を重ねてボルト17で締結しても良い。このようなボルト17で連結可能な質量部材14を用いれば、それぞれの質量部材14をベント9に対して挟み込むことで容易に取り付けることが可能となる。
以上述べたような制振機構1を、2軸押出機2のベント9に対して取り付けることで、2軸押出機2での混練作業中に、比較的周波数が高い振動がバレル3に発生したとしても、質量部材14同士が互いに摺動し合い、振動方向とは逆方向に摩擦力が発生して、発生した摩擦力で振動を減衰してバレル3の振動を抑制することが可能となる。また、バレル3などに加えられる加振力が増大した場合のように比較的周波数が低い振動がバレル3に発生した際には、質量部材14がベント9に衝突して振動方向とは逆方向に衝撃力が発生し、発生した衝撃力で振動を減衰してバレル3の振動を抑制することが可能となる。
以上まとめれば、上述した制振機構1を用いれば、比較的周波数が低い振動に対しては衝撃力が振動を効果的に抑制し、比較的周波数が高い振動に対しては摩擦力が振動を効果的に抑制するため、2軸押出機2で新材料を混練した際に発生する振動だけでなく、2軸押出機2を高回転で運転させた際に発生する振動をも効果的に抑制乃至防止することができる。
また、この制振機構1は、振動の減衰に制振部材13で発生する摩擦力と衝撃力とを用いるため、高温の使用環境でも制振効果が落ちることがない。それゆえ、2軸押出機2の
ようにヒータが近くに設けられる使用環境でも、バレル3の振動を確実に抑制することができる。
さらに、2軸押出機2には混練スクリュ4の運転速度を大きく変化できるものがあり、バレル3に発生する振動の周波数が低周波域〜高周波域までの広い範囲に亘ることがある。このような広い周波数範囲に亘る振動に対しても、上述した制振機構1であれば、制振部材13で発生する摩擦力と衝撃力とが幅広い周波数域に亘って振動を抑制するので、振動を効果的に抑制することが可能となる。
さらにまた、この制振機構1は、既存の2軸押出機2に設けられたベント9を上方突出部6として利用して取り付けることができる。それゆえ、既存の2軸押出機2に対する大掛かりな改造をしなくても済み、低コストでバレル3の振動を抑制することができる。
ところで、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、発明の本質を変更しない範囲で各部材の形状、構造、材質、組み合わせなどを適宜変更可能である。また、今回開示された実施形態において、明示的に開示されていない事項、例えば、運転条件や操業条件、各種パラメータ、構成物の寸法、重量、体積などは、当業者が通常実施する範囲を逸脱するものではなく、通常の当業者であれば、容易に想定することが可能な事項を採用している。
1 制振機構
2 2軸押出機
3 バレル
4 混練スクリュ
5 駆動装置
6 上方突出部
7 ホッパ
9 ベント
10 フランジ部
11 混練フライト
12 バレルサポート
13 制振部材
14 質量部材
15 押圧手段
16 開口部
17 ボルト

Claims (5)

  1. 互いに回転する一対の混練スクリュと、これら一対の混練スクリュを内部に収容可能な筒状長尺のバレルと、前記バレルの一端側を支持すると共に前記一対の混練スクリュに回転駆動力を付与する駆動装置とを有する2軸押出機に備えられた制振機構であって、
    前記バレルの長手方向の他端側には、バレルの外周面から上方に向かって突出する上方突出部が設けられており、
    前記上方突出部には、摩擦力と衝撃力とを発生させて前記バレルの振動を抑制する制振部材が設けられていて、
    前記制振部材は、プレート形状を呈し且つ所定の質量を備えた質量部材が複数積層されてなり、
    前記積層された質量部材に対して下方に押圧力を加えることにより、複数の質量部材同士が摺動し合うことで前記摩擦力を発生させると共に、前記質量部材の端縁が上方突出部の側面に衝突することで前記衝撃力を発生させる構成とされている
    ことを特徴とする2軸押出機の制振機構。
  2. 前記バレルは、バレルの外周面から上方に向かって突出するベントを軸方向に複数備えており、
    前記複数のベントのうち、前記バレルの長手方向で最も他端側に位置するベントが、前記上方突出部とされていることを特徴とする請求項に記載の2軸押出機の制振機構。
  3. 前記質量部材は、前記上方突出部の周囲を取り囲むと共に、前記上方突出部の側面との間に隙間をあけて配備されていることを特徴とする請求項1または2に記載の2軸押出機の制振機構。
  4. 前記制振部材は、積層された質量部材に対して下方に押圧力を加えることにより、前記質量部材間に作用する摩擦力を調整可能な押圧手段を有していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の2軸押出機の制振機構。
  5. 互いに回転する一対の混練スクリュと、これら一対の混練スクリュを内部に収容可能な筒状長尺のバレルと、前記バレルの一端側を支持すると共に前記一対の混練スクリュに回
    転駆動力を付与する駆動装置とを有する2軸押出機に対して、請求項1〜4のいずれかに記載された制振機構を用いて、前記バレルの振動を抑制することを特徴とする2軸押出機の制振方法。
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