JP5940295B2 - 空調制御システム及び空調制御方法 - Google Patents
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Description
また、室外機の各々の負荷率を特定し、当該特定した負荷率と室内機の負荷率とに基づいて複数の室外機を制御するので、室内機に加えて室外機を制御することができ、室内環境の維持や省エネルギー性の向上を一層促進することが可能になる。
最初に、本実施の形態に係る空調制御システム及び空調制御方法に関する基本的概念について説明する。この空調制御システム及び空調制御方法は、複数の室内機と少なくとも1台の室外機とを備える空調設備を制御するための空調制御システムである。この空調設備の具体的な構成は、複数の室内機と少なくとも1台の室外機とを冷媒配管を介して接続して構成されている限りにおいて任意であり、例えば、複数の室内機と1台又は複数台の室外機とを冷媒配管を介して接続して構成されたビル用マルチエアコンを含む。
次に、本実施の形態に係る空調設備の構成について説明する。図1は、空調設備及び空調制御システムの要部を模式的に示す側面図である。この図1に示すように、オフィスビル1は、居室2と設備室3を備えて構成されており、これら居室2や設備室3には、空調設備10が配置されている。この空調設備10は、複数の室内機11、送風機12、複数の室外機13、動力盤14、及び空調監視装置15を備えて構成されている。なお、図1には、オフィスビル1の居室2と設備室3のみを示しているが、実際にオフィスビル1は、多階層ビルであって、各階層に複数の居室2や共有スペース等を有する。そして、各居室2の各々には複数の室内機11が配置されており、これら複数の室内機11が複数系統に区分され、各系統の複数の室内機11にそれぞれ対応するように、複数の室外機13が設けられている。図1において、送風機12は、外気を居室2へ導入する送風機、居室2の空気を屋外へ排気する送風機、及び全熱交換器を一体化した全熱交換機を示している。ただし、全熱交換器を用いるか否かは任意である。
次に、本実施の形態に係る空調制御システム20の構成について説明する。図1に示すように、空調制御システム20は、空調制御装置30及び複数の温度センサ40を備えて構成されている。
空調制御装置30は、室内機11及び室外機13の制御を行う空調制御手段であり、例えば図示しない中央制御室に配置されている。この空調制御装置30は、動力盤14、空調監視装置15、及び温度センサ40に通信可能に接続されており、動力盤14から室外機13の電流値を収集し、空調監視装置15から電力按分情報、設定温度、及び室温を収集し、温度センサ40から室温を収集する。このような情報収集のための接続形態、情報フォーマット、あるいは情報収集タイミングは任意であり、例えば、動力盤14からはRS−485のシリアル通信により情報をリアルタイムで収集し、空調監視装置15からはLAN通信等によりCSVフォーマットのデータを所定時間毎(例えば1時間毎)に収集し、温度センサ40からは無線通信又は有線通信にてリアルタイムで情報を収集する。
図1において、複数の温度センサ40の各々は、居室2の室内温度を計測する温度計測手段であり、居室2における複数位置に設置されている。これら温度センサ40としては、公知の温度センサを使用することができるので、その詳細な説明は省略する。
次に、このように構成された空調制御システム20によって空調制御方法を実行するための処理について説明する。以下の処理の説明では、ステップを「S」と略記し、特に説明なきステップは制御部32にて実行されるものとする。
図3〜5は、空調制御処理のフローチャートである。この空調制御処理は、空調制御装置30に対するユーザからの所定操作により起動されて繰り返し実行される。なお、以下の説明では、全ての室内機11及び室外機13が運転されており、室内機11の風量が強風量になっている状態において、空調制御処理が実行される場合について説明する。
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。例えば、空調設備10の省エネルギー性を従来より向上させることができていない場合であっても、従来と同程度の空調設備10の省エネルギー性を従来と異なる手段にて達成できている場合には、本願発明の課題は解決されている。
また、上述した各電気的構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各部の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成できる。例えば、空調制御装置30を複数のコンピュータやサーバによって分散構成したり、空調制御装置30の機能の一部を空調監視装置15に持たせたりしてもよい。
上記実施の形態では、室外機13を1台のみ設けた場合について説明したが、室外機13を複数台設けた場合であっても、同様に制御を行うことができる。
空調制御処理についても、様々な変形を行うことができる。例えば、室外機13の制御は行わず、室内機11の制御のみを行うようにしてもよい。あるいは、室内機11を制御する場合において、室内機11の風量制御を多段的(例えば3段階)で行ってもよく、例えば、50%<室内機11の負荷率≦70%の場合には室内機11の風量を中風量とし、30%<室内機11の負荷率≦50%の場合には室内機11の風量を弱風量とし、室内機11の負荷率≦30%の場合には室内機11を停止制御してもよい。逆に、室内機11の仕様により運転と停止しか行うことができない場合には、風量制御を省略してもよい。また、室内機11や室外機13の制御を行った後、設定温度と室温との差異に基づいて制限を解除する場合には、制御後から所定時間(例えば30分)を経過しないと制限解除を行わないようにしたり、制限解除後から所定時間(例えば1時間)を経過しないと再度の制限を行わないようにしたりすることで、居室2の環境の安定化を図ってもよい。
空調制御処理において、所定の外界条件に合致する空調領域の空調を行う室内機11を対象に、運転を停止させ、あるいは、風量を低下させる制御を行ってもよい。ここで、「外界条件」とは、空調対象空間の外部の条件であって、空調対象空間の環境に影響を与え得る条件であり、例えば、天候、日照量、降雨量等を挙げることができる。具体的には、居室2の各窓の外部に配置した日照計から空調制御装置30に有線又は無線にて日照量を出力するようにし、空調制御装置30の室内機制御部32cは、図4のSA9で室内機11の負荷率が40%以下であると判定した場合であって、さらに当該空調機が空調を行う空調領域の日照量が所定量以下であると判定された場合にのみ、室内機11を停止制御する。このように外界条件を考慮することにより、室温等の内部条件のみでは予期できない環境変化(例えば、現在は室温が低い場合であっても、日照量が多いために比較的短時間以内に室温が上昇することが予期できる場合)を考慮して、制御を行うことができる。
また、室内機11や室外機13が複数ある場合において、各室内機11や各室外機13によって空調が行われるゾーン(空調領域)を設定し、当該ゾーンの相対的な関係を考慮した制御を行うようにしてもよい。例えば、空調制御処理において特定の室内機11の風量低下制御や停止制御を行った場合には、当該室内機11と同一の居室2内のゾーンであって、当該室内機11によって空調が行われるゾーンに隣接したゾーンに対応する室内機11に対して、風量を増加させる制御を行うことにより、風量低下制御や停止制御を行った室内機11の推定負荷率分を隣接する空調領域の室内機11への補完比率に反映させてもよい。同様に、空調制御処理において特定の室外機13の停止制御を行った場合には、当該室外機13に対応する複数の室内機11と同一の居室2内のゾーンであって、当該複数の室内機11によって空調が行われるゾーンに隣接したゾーンに対応する室内機11に対して、風量を増加させる制御を行ってもよい。そして、これら特定の室内機11や室外機13の制御を解除した場合には、当該制御に伴って制御を行った隣接ゾーンの室内機11や室外機13の制御を解除してもよい。このようなゾーン制御を行うため、記憶部33には、各室内機11や各室外機13と各ゾーンとの対応関係を、予め設定しておき、これらの情報を必要に応じて利用できるようにしておけばよい。
(付記)
付記1の空調制御システムは、複数の室内機と少なくとも1台の室外機とを冷媒配管を介して接続して構成された空調設備を制御するための空調制御システムであって、前記複数の室内機の運転実績情報を前記空調設備から取得し、当該取得した運転実績情報に基づいて、前記複数の室内機の各々の負荷率を推定する負荷率推定手段と、前記負荷率推定手段にて推定された前記複数の室内機の各々の負荷率に基づいて、前記室内機を制御する室内機制御手段とを備える。
付記2に記載の空調制御システムは、付記1に記載の空調制御システムにおいて、前記運転実績情報は、前記複数の室内機の相互間における電力按分を特定するための情報である。
付記3に記載の空調制御システムは、付記1又は2に記載の空調制御システムにおいて、前記室内機制御手段は、前記負荷率を所定の閾値と比較し、当該比較結果に応じて前記室内機を制御する。
付記4に記載の空調制御システムは、付記3に記載の空調制御システムにおいて、前記所定の閾値として、少なくとも、第1閾値と、前記第1閾値よりも大きい第2閾値とを設定し、前記室内機制御手段は、前記複数の室内機の中で、前記負荷率が前記第1閾値以下である室内機の運転を停止させ、前記複数の室内機の中で、前記負荷率が前記第1閾値を超えている室内機であって、前記負荷率が前記第2閾値以下である室内機の風量を低下させる。
付記5に記載の空調制御システムは、付記3又は4に記載の空調制御システムにおいて、前記室内機制御手段は、所定の外界条件に合致する空調領域の空調を行う室内機を対象に、運転を停止させ、あるいは、風量を低下させる。
付記6に記載の空調制御システムは、付記4又は5に記載の空調制御システムにおいて、前記室内機制御手段は、前記負荷率に基づいて前記室内機の運転を停止させた際、当該停止させた室内機が空調を行う空調領域に隣接する空調領域の空調を行う室内機の風量を増加させる。
付記7に記載の空調制御システムは、付記1から6のいずれか一項に記載の空調制御システムにおいて、前記空調設備は前記室外機を複数備えて構成され、前記複数の室外機の各々の負荷率を特定し、当該特定した負荷率と、前記負荷率推定手段にて推定された前記複数の室内機の各々の負荷率とに基づいて、前記複数の室外機を制御する室外機制御手段を備える。
付記8に記載の空調制御方法は、複数の室内機と少なくとも1台の室外機とを冷媒配管を介して接続して構成された空調設備を制御するための空調制御方法であって、前記複数の室内機の運転実績情報を前記空調設備から取得し、当該取得した運転実績情報に基づいて、前記複数の室内機の各々の負荷率を推定する負荷率推定ステップと、前記負荷率推定ステップにおいて推定された前記複数の室内機の各々の負荷率に基づいて、前記複数の室内機を制御する室内機制御ステップとを含む。
(付記の効果)
付記1に記載の空調制御システム及び付記8に記載の空調制御方法によれば、運転実績情報に基づいて室内機の負荷率を推定し、この負荷率に基づいて室内機を制御するので、室内環境を低下させることなく、省エネルギー性を向上させることが可能になる。特に、運転実績情報に基づいて室内機の負荷率を推定するので、室内機の処理負荷を算定するための大掛かりな計測装置を用いる必要がなくなり、空調制御システムの設置コストを低減できて実現性を向上させることができる。
付記2に記載の空調制御システムによれば、運転実績情報は、複数の室内機の相互間における電力按分を特定するための情報であるため、電力按分情報に基づいて室内機の負荷率を推定することができ、室内機の処理負荷を算定するための大掛かりな計測装置を用いる必要がなくなり、空調制御システムの設置コストを低減できて実現性を向上させることができる。
付記3に記載の空調制御システムによれば、負荷率を所定の閾値と比較し、当該比較結果に応じて室内機を制御するので、閾値を適切に設定することで、負荷率に基づいた室内機の制御を簡易かつ正確に行うことができる。
付記4に記載の空調制御システムによれば、負荷率が第1閾値以下である室内機の運転を停止させ、負荷率が前記第1閾値を超えている室内機であって第2閾値以下である室内機の風量を低下させるので、室内機を負荷率に応じて多段階制御することができ、室内環境を低下させることなく、省エネルギー性を向上させることが可能になる。
付記5に記載の空調制御システムによれば、外界条件に合致する空調領域の空調を行う室内機を対象に、運転を停止させ、あるいは、風量を低下させるので、負荷率に加えて外界条件を考慮した室内機制御を行うことができ、室内環境の維持や省エネルギー性の向上を一層促進することが可能になる。
付記6に記載の空調制御システムによれば、停止させた室内機が空調を行う空調領域に隣接する空調領域の空調を行う室内機の風量を増加させるので、相互に隣接する複数の空調領域の環境を統合的に考慮して維持することができる。
付記7に記載の空調制御システムによれば、室外機の各々の負荷率を特定し、当該特定した負荷率と室内機の負荷率とに基づいて複数の室外機を制御するので、室内機に加えて室外機を制御することができ、室内環境の維持や省エネルギー性の向上を一層促進することが可能になる。
2 居室
3 設備室
4 天井スペース
5 配管
7 天井
8 給気口
10 空調設備
11 室内機
12 送風機
13 室外機
14 動力盤
15 空調監視装置
20 空調制御システム
30 空調制御装置
31 入出力IF
32 制御部
32a 情報収集部
32b 負荷率推定部
32c 室内機制御部
32d 室外機制御部
33 記憶部
40 温度センサ
Claims (7)
- 複数の室内機と複数の室外機とを冷媒配管を介して接続して構成された空調設備を制御するための空調制御システムであって、
前記複数の室内機の運転実績情報を前記空調設備から取得し、当該取得した運転実績情報に基づいて、前記複数の室内機の各々の負荷率を推定する負荷率推定手段と、
前記負荷率推定手段にて推定された前記複数の室内機の各々の負荷率に基づいて、前記室内機を制御する室内機制御手段と、
前記複数の室外機の各々の負荷率を特定する室外機制御手段であって、当該特定した前記複数の室外機の各々の負荷率と、前記負荷率推定手段にて推定された前記複数の室内機の各々の負荷率とに基づいて、前記複数の室外機を制御する室外機制御手段と、
を備える空調制御システム。 - 前記運転実績情報は、前記複数の室内機の相互間における電力按分を特定するための情報である、
請求項1に記載の空調制御システム。 - 前記室内機制御手段は、前記負荷率を所定の閾値と比較し、当該比較結果に応じて前記室内機を制御する、
請求項1又は2に記載の空調制御システム。 - 前記所定の閾値として、少なくとも、第1閾値と、前記第1閾値よりも大きい第2閾値とを設定し、
前記室内機制御手段は、
前記複数の室内機の中で、前記負荷率が前記第1閾値以下である室内機の運転を停止させ、
前記複数の室内機の中で、前記負荷率が前記第1閾値を超えている室内機であって、前記負荷率が前記第2閾値以下である室内機の風量を低下させる、
請求項3に記載の空調制御システム。 - 前記室内機制御手段は、
所定の外界条件に合致する空調領域の空調を行う室内機を対象に、運転を停止させ、あるいは、風量を低下させる、
請求項3又は4に記載の空調制御システム。 - 前記室内機制御手段は、
前記負荷率に基づいて前記室内機の運転を停止させた際、当該停止させた室内機が空調を行う空調領域に隣接する空調領域の空調を行う室内機の風量を増加させる、
請求項4又は5に記載の空調制御システム。 - 複数の室内機と複数の室外機とを冷媒配管を介して接続して構成された空調設備を制御するための空調制御方法であって、
前記複数の室内機の運転実績情報を前記空調設備から取得し、当該取得した運転実績情報に基づいて、前記複数の室内機の各々の負荷率を推定する負荷率推定ステップと、
前記負荷率推定ステップにおいて推定された前記複数の室内機の各々の負荷率に基づいて、前記複数の室内機を制御する室内機制御ステップと、
前記複数の室外機の各々の負荷率を特定する室外機制御ステップであって、当該特定した前記複数の室外機の各々の負荷率と、前記負荷率推定ステップにおいて推定された前記複数の室内機の各々の負荷率とに基づいて、前記複数の室外機を制御する室外機制御ステップと、
を含む空調制御方法。
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